JPH06108043A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JPH06108043A
JPH06108043A JP4259270A JP25927092A JPH06108043A JP H06108043 A JPH06108043 A JP H06108043A JP 4259270 A JP4259270 A JP 4259270A JP 25927092 A JP25927092 A JP 25927092A JP H06108043 A JPH06108043 A JP H06108043A
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Japan
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heat
cooling water
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storage device
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Application number
JP4259270A
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Inventor
Takeshi Kondo
武司 近藤
Masaji Tanaka
正司 田中
Yoichi Taniguchi
庸一 谷口
Takashi Tanaka
隆司 田中
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄えた熱を急速に放熱し易く、且つ放熱が長
時間持続する蓄熱装置を提供する。 【構成】 総体的に蓄熱量があまり大きくないが蓄えた
熱を短時間に放熱し易い第1の蓄熱材5aを充填した蓄
熱容器6と、総体的蓄熱量が大きいが、蓄えた熱を短時
間には放熱し難い第2の蓄熱材5bを充填した6とをケ
ーシング4内に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱材の相変化を利用
して熱エネルギーの回収及び放出を行うようにした蓄熱
装置に関し、特に内燃機関の予熱や車両の暖房等に使用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のエンジンからの熱エ
ネルギーを集めてためておき、この熱エネルギーを後
日、エンジン始動するときに取り出すという、いわゆる
ヒートバッテリーと呼ばれる蓄熱装置が知られている。
【0003】従来の蓄熱装置は、蓄熱材としての水酸化
バリウムとエンジンの冷却水とが熱交換できる構造のも
のである。例えば、冷却水の温度が蓄熱材の温度よりも
高い場合、冷却水の熱によって蓄熱材を暖め、それが触
解温度(78℃)に達すると、蓄熱材は液化し、熱エネ
ルギーは潜熱として蓄えられる。一方、冷却水の温度が
蓄熱材より低いと、潜熱が冷却水に伝わり、蓄熱材は凝
固する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の蓄熱装
置を寒冷期におけるエンジン始動時の急速暖房に使用し
ようとすると、ヒーターより暖かい空気が出てくるまで
にかなりの時間がかかるという問題がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、蓄えた熱
を急速に放熱し易く、且つ放熱が長時間持続する蓄熱装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る蓄熱装置は、蓄熱材が封入されている蓄熱容器
をケーシング内に保持して該蓄熱容器の周囲を熱媒体通
路とするか、又は蓄熱材が封入されているケーシング内
に熱媒体通路を設けてあり、該熱媒体通路に熱媒体を流
通させることにより該熱媒体と蓄熱材との熱交換を行う
蓄熱装置において、上記蓄熱材として、総体的蓄熱量が
あまり大きくないが、蓄えた熱を短時間に放熱し易い第
1の蓄熱材と、総体的蓄熱量が大きいが、蓄えた熱を短
時間には放熱し難い第2の蓄熱材とを用いてあることを
特徴とする。
【0007】
【作用】前記構成の蓄熱装置は、蓄熱材より温度が高い
熱媒体が熱媒体通路内に流通すると、当該蓄熱材に熱が
蓄えられる。一方、蓄熱後、蓄熱材より温度が低い熱媒
体が熱媒体通路内に流通すると、蓄熱材が放熱する。こ
の際、第1の蓄熱材に蓄えられた熱から放熱され、ま
た、第1の蓄熱材からの放熱がなくなった後も第2の蓄
熱材から放熱される。
【0008】
【実施例】以下、本発明による蓄熱装置を実施例に基づ
いて説明する。
【0009】本実施例に係る蓄熱装置1の内部構造を図
1及び図2に示す。即ち、入口部2と出口部3とが両端
側に形成された円筒状をなす筺体4内には、蓄熱材5が
それぞれ密封状態で充填された複数の蓄熱容器6と、こ
れら蓄熱容器6を一定間隔で保持して上記入口部2及び
出口部3に連通する熱媒体通路7を形成する複数のセパ
レータ8とが交互に緊密に収納されている。ここで、筺
体4は熱媒体と接触した状態で耐久性があり且つ断熱性
の良好なもの、例えば、セラミックスファイバ,シリカ,
ガラスファイバなどの断熱材を用いたもの、あるいは
銅,アルミニウム,ステンレス製として内部を真空とし
た断熱構造のものを用いるのがよい。また、蓄熱容器6
は、熱媒体及び蓄熱材5と接触した状態で耐久性があり
且つ比較的熱伝導性の高い材質、例えば銅製のものを用
いるのがよい。
【0010】本実施例の蓄熱装置1では、約半数の蓄熱
容器6には第1の蓄熱材5aが、残りの蓄熱容器6には
第2の蓄熱材5bが充填されている。ここで、第1の蓄
熱材5aは、総体的蓄熱量があまり大きくないが、蓄え
た熱を短時間に放熱し易いものであり、第2の蓄熱材5
bは総体的蓄熱量が大きいが、蓄えた熱を短時間には放
熱し難いものである。第1の蓄熱材5aとしては、ナフ
タリン及びそのメチル化物,ヒドロキシ化物,ニトロ化
物,カルボキシ化物などのナフタリン誘導体の他に、ス
テアリン酸や水酸化ストロンチウムなどを例示でき、第
2の蓄熱材5bとしては水酸化バリウム,アラキジン酸,
ヘキサトリアコンタン,パルミチン酸などを例示でき
る。なお、ここで例示した蓄熱材5a,5bは全て融点
が70〜80℃程度であり、エンジン冷却水系の蓄熱装
置に用いて好適なものである。
【0011】このような構成の蓄熱装置1を車両に搭載
される暖房装置に応用した一実施例のシステム概念を図
3に示す。即ち、エンジン11に形成された図示しない
水ジャケット内に両端が連通する冷却水循環通路12の
途中には、エンジン11のクランク軸13の回転に連動
して駆動する水ポンプ14が介装され、又、この水ポン
プ14の上流側でエンジン11よりも下流側に位置する
冷却水循環通路12の途中には、三方電磁弁15が介装
されており、この三方電磁弁15とエンジン11との間
の冷却水循環通路12と、当該三方電磁弁15と水ポン
プ14との間の冷却水循環通路12とは、途中にラジエ
ータ16を介装した冷却用バイパス通路17を介して短
絡状態となっている。
【0012】この冷却用バイパス通路17の上流端と冷
却水循環通路12との接続部分には、サーモスタット弁
18が介装されている。このサーモスタット弁18は、
冷却水循環通路12内を流れる冷却水の水温が例えば8
0℃未満の場合、冷却用バイパス通路17を図示しない
サーモスタットの働きで自動的に閉じ、冷却水がラジエ
ータ16側へ流れないようにする一方、この冷却水の水
温が例えば80℃以上になった場合、前記サーモスタッ
トの働きで自動的に冷却用バイパス通路17を開き、エ
ンジン11側からの冷却水の一部をラジエータ16側へ
導くようになっている。
【0013】又、前記ラジエータ16には、冷却用電動
ファン19が付設されており、冷却水循環通路12内を
流れる冷却水の水温が例えば100℃未満の場合には、
この冷却用電動ファン19を停止して車両の走行に伴っ
てラジエータ16を通過する風により、ラジエータ16
内を流れる冷却水の自然冷却を行う一方、この冷却水の
水温が例えば100℃以上になった場合には、冷却用電
動ファン19が作動してラジエータ16内を流れる冷却
水の強制冷却を行うようになっている。
【0014】このため、本実施例ではエンジン11とサ
ーモスタット弁18との間の冷却水循環通路12の途中
に、この冷却水循環通路12内を流れる冷却水の水温を
検出する水温センサ20を組み込み、この水温センサ2
0からの検出信号が前記冷却用電動ファン19及び三方
電磁弁15の作動をそれぞれ制御する電子制御ユニット
21に出力されるようになっている。
【0015】一方、図示しない車室内に臨む空気導入口
を有する図示しない空気導入ダクト内には、電子制御ユ
ニット21によって作動を制御される送風用電動ファン
22が組み込まれており、この空気導入ダクトと前記車
室内に臨む図示しない送風口を有する送風ダクトとは、
放熱器23を介して接続している。
【0016】又、上記送風用電動ファン22は、図示し
ない車室内に設けられた暖房用スイッチ24のオン信号
に連動して作動し、空気導入口から空気導入ダクトを介
して吸い込んだ車室内の空気を、放熱器23を通して上
述した送風ダクトから再び車室内に吹き込むようになっ
ている。この暖房用スイッチ24には、前記電子制御ユ
ニット21が接続し、当該暖房用スイッチ24のオン/
オフ信号が、電子制御ユニット21に出力されるように
なっている。
【0017】前記放熱器23に形成された冷却水の図示
しない出入口に両端が連通する暖房用循環通路25の途
中には、電子制御ユニット21からの指令に基づいて作
動を制御される暖房用電動ポンプ26が介装されてい
る。そして、この暖房用電動ポンプ26の下流側で前記
放熱器23よりも上流側に位置する暖房用循環通路25
と前記三方電磁弁15とは、冷却水導入通路27を介し
て連通し得るようになっている。同様に、暖房用電動ポ
ンプ26の上流側で前記放熱器23よりも下流側に位置
する暖房用循環通路25と、前記冷却用バイパス通路1
7の下流端と冷却水循環通路12との接続部分の上流側
で前記三方電磁弁15よりも下流側に位置する冷却水循
環通路12とは、途中に電磁開閉弁28が介装された冷
却水戻り通路29を介して連通し得るようになってい
る。
【0018】前記三方電磁弁15は、サーモスタット弁
18側から冷却水循環通路12を介してこの三方電磁弁
15へ流入する冷却水の流出方向を、当該三方電磁弁1
5よりも下流側の冷却水循環通路12側へ流したり、或
いは冷却水導入通路27から暖房用循環通路25側へ流
したりするのを電子制御ユニット21からの指令に基づ
いて切り換えるものである。
【0019】前述した蓄熱装置1は、前記冷却水導入通
路27と暖房用循環通路25との接続部分の下流側で前
記放熱器23よりも上流側に位置する暖房用循環通路2
5の途中に介装され、エンジン11から冷却水循環通路
12及び冷却水導入通路27を介して暖房用循環通路2
5に送り込まれる冷却水の熱エネルギーを蓄え得るよう
にしている。この蓄熱装置1の上流側で前記冷却水導入
通路27と暖房用循環通路25との接続部分よりも下流
側の暖房用循環通路25の途中と、当該蓄熱装置1の下
流側で前記放熱器23よりも上流側の暖房用循環通路2
5の途中とには、それぞれこれら暖房用循環通路25を
開閉し得る電磁開閉弁30,31が介装されている。
【0020】これら電磁開閉弁28,30,31は、上述
した冷却用電動ファン19や暖房用電動ポンプ26,送
風用電動ファン22等と共に電子制御ユニット21から
の指令に基づいて作動がそれぞれ制御されるようになっ
ている。
【0021】なお、本実施例では暖房用電動ポンプ26
の上流側で冷却水戻り通路29と暖房用循環通路25と
の接続部分よりも下流側に位置する暖房用循環通路25
の途中に背圧弁32を介装し、電磁開閉弁28を開いて
放熱器23から暖房用循環通路25,冷却水戻り通路2
9を介して冷却水循環通路12へ冷却水を流す場合、こ
の冷却水の一部が暖房用電動ポンプ26側へ流れるのを
未然に防止するようになっている。
【0022】従って、図示しないイグニッションキース
イッチを操作してエンジン11を冷態始動する際、暖房
用スイッチ24がオフ状態の場合には、蓄熱装置1に蓄
えられた熱エネルギーを冷却水の加熱に利用できるの
で、電子制御ユニット21は三方電磁弁15を操作して
この三方電磁弁15からの冷却水の流出方向を冷却水導
入通路27側に切り換え、更に電磁開閉弁28,30,3
1を全て開放状態にする一方、送風用電動ファン22や
暖房用電動ポンプ26の作動を冷却用電動ファン19と
共に停止状態に保つ。
【0023】これにより、水ポンプ14からの冷却水は
冷却水循環通路12側からサーモスタット弁18,三方
電磁弁15,冷却水導入通路27を介して暖房用循環通
路25側に流れ、更に電磁弁30,蓄熱装置1,電磁弁3
1,放熱器23,冷却水戻り通路29を介して再び冷却水
循環通路12から水ポンプ14へと循環するようになっ
ている。この間に、熱エネルギーが蓄えられた蓄熱装置
1の蓄熱材5と当該蓄熱装置1を通過する冷却水との間
で熱交換が行われ、冷却水の水温が迅速に上昇するた
め、エンジン11の暖機に要する時間を大幅に短縮する
ことができる。又、この暖機運転に伴ってエンジン11
から排出される排気ガス中に占める有害成分の量を著し
く少なくすることができる。
【0024】なお、エンジン11の暖機中に蓄熱材5と
蓄熱装置1を通過する冷却水とが熱的な平衡状態に近づ
くと、エンジン11で発生した熱が蓄熱装置1に奪われ
てエンジン11の暖機が遅れてしまう可能性がある。そ
こで、本実施例では水温センサ20により検出される冷
却水の水温上昇率が予め設定した割合以下になったこと
を電子制御ユニット21が検出すると、この電子制御ユ
ニット21は三方電磁弁15を操作してこの三方電磁弁
15からの冷却水の流出方向を冷却水循環通路12側に
切り換えると共に電磁開閉弁28を塞ぎ、水ポンプ14
からの冷却水を冷却水循環通路12内で循環させる。
【0025】そして、エンジン11の暖機が終了して水
温センサ20により検出される冷却水の水温が予め設定
した値、例えば60℃を越えた場合には、再び三方電磁
弁15からの冷却水の流出方向を冷却水導入通路27側
に切り換えると共に電磁開閉弁28を開放状態にし、エ
ンジン11の始動直後と同様に冷却水を流してエンジン
11で発生した熱エネルギーを蓄熱装置1の蓄熱材5に
蓄える。このような状態から冷却水の水温が上昇する
と、サーモスタット弁18が開いてエンジン11からの
冷却水の一部がラジエータ16側に導かれ、冷却水の冷
却が開始される。そして、更に冷却水の水温が上昇して
例えば100℃以上になったことを水温センサ20が検
出すると、電子制御ユニット21からの指令に基づいて
冷却用電動ファン19が回転し始め、冷却水の強制冷却
が行われる。
【0026】エンジン11を冷態始動する際に暖房用ス
イッチ24がオン状態となっている場合には、蓄熱装置
1に蓄えられた熱エネルギーを暖房用に使用するため、
電子制御ユニット21は三方電磁弁15を操作してこの
三方電磁弁15からの冷却水の流出方向を冷却水循環通
路12側に切り換える一方、電磁開閉弁28を塞ぐと共
に電磁開閉弁30,31を開放状態にし、送風用電動フ
ァン22や暖房用電動ポンプ26を作動作動させる。こ
の場合、冷却用電動ファン19は当然のことながら停止
状態となる。
【0027】これにより、水ポンプ14からの冷却水は
冷却水循環通路12内を循環する従来と同様の暖機操作
となる。又、暖房用電動ポンプ26の作動により暖房用
循環通路25内の冷却水もこの暖房用循環通路25内を
循環し、この間に、熱エネルギーが蓄えられた蓄熱装置
1の蓄熱材5と当該蓄熱装置1を通過する暖房用循環通
路25内の冷却水との間で熱交換が行われ、これにより
加熱された冷却水と送風用電動ファン22により放熱器
23を通過する空気との間で熱交換が行われ、この空気
が急速に温められて車室内に温風が吹き出される。
【0028】なお、蓄熱材5と蓄熱装置1を通過する冷
却水とが熱的な平衡状態に近づくと、車室内に吹き出さ
れる温風の温度が吹き出し初期よりも低下し、乗員が肌
寒く感じてしまう虞がある。そこで、本実施例ではエン
ジン11を始動してから予め設定した所定時間、例えば
3分間経過した場合、電子制御ユニット21が三方電磁
弁15を操作してこの三方電磁弁15からの冷却水の流
出方向を冷却水導入通路27側に切り換えると共に電磁
開閉弁28を開放状態にし、更に暖房用電動ポンプ26
の運転を停止してエンジン11により加熱された冷却水
を放熱器23側に導き、暖房のための熱源を従来のもの
と同様に確保する。
【0029】次に、本発明の蓄熱装置について、車両に
搭載した場合と同様な環境での試験を実施例した結果を
説明する。図4はその試験装置を概念的に示したもので
あり、図3と同一活用を示す部材に同一符号を付して重
複する説明は省略する。なお、本試験装置では電動ポン
プ26の上流側で放熱器23の下流側の暖房用循環通路
25には実際の冷却水量を想定した液だめ33と流量計
34とが介装されている。
【0030】セラミックスファイバ製の筺体4内に下記
に示す各種蓄熱材5を充填した蓄熱装置1を用い、当該
蓄熱装置1に十分蓄熱した。そして、系全体を−20℃
で1時間保持した後の吹き出し温度を測定したところ、
図5に示す結果が得られた。なお、冷却水量を15リッ
トルとし、15リットル/分の流量で流した。また、ブ
ロワ24としては一般自動車用の暖房用に使っているも
のを用い、風量はHigh位置(13.2V,6.5A)で
試験した。図5の試験例1はナフタリンと水酸化バリウ
ムとを1:1で混合したもの、試験例2はナフタリンと
水酸化バリウムとを1:3で混合したものであり、両方
共20秒程度で30℃を越えてそれ以降30℃以上を保
つことができた。比較のため水酸化バリウムのみのもの
(比較例1)及びナフタリンのみのもの(比較例2)に
ついても同様に試験したが、図5に示すように、比較例
1では30℃を保つようになるのは2分以降であり、ま
た、比較例2では20〜40秒後位の間は30℃以上を
保つもののそれ以降は30℃以上を保持することはでき
なかった。
【0031】以上の結果から、総体的に蓄熱量があまり
大きくないが、蓄えた熱を短時間に放熱し易い第1の蓄
熱材と、総体的に蓄熱量が大きいが、蓄えた熱と短時間
には放熱し難い第2の蓄熱材とをハイブリットすること
により、寒冷期におけるエンジン始動時の急速暖房に使
用して好適な特性を得ることができることが、明らかで
ある。第1及び第2の蓄熱材をハイブリット化する方法
としては、両者を上記実施例のように別々の蓄熱容器6
に入れて筺体4内に一緒に保持してもよいし、試験例の
ように両方の蓄熱材を混合して蓄熱容器6に充填しても
よい。また、第1及び第2蓄熱材を別々の蓄熱容器に充
填した場合には、各々の容器の材質や形状を変えること
によってハイブリット化したときの特性をさらに向上さ
せることができる。
【0032】また、蓄熱材として水酸化ストロンチウム
を単独で用い、上述したものと同様の試験装置を用いて
20℃で18時間放置後の吹き出し温度を測定した結果
を図6に示す。この結果により、水酸化ストロンチウム
は放熱性の良好な蓄熱材であることが明らかである。し
たがって、ナフタリンの代りに水酸化ストロンチウムを
用いても同様の効果が得られることは明らかである。
【0033】一方、蓄熱装置の構造、材質等は特に限定
されるものではない。図7には他の実施例に係る蓄熱装
置41を示す。同図に示すように、この蓄熱装置41
は、入口部42と出口部43とが両端側に形成された円
筒状をなす筺体44をアウタシェル44a及びインナシ
ェル44bからなり間を真空状態とした真空二重構造と
し、この中に蓄熱材45が密封状態で充填された円筒状
の蓄熱容器46を格子状の固定ホルダ47,48で一定
間隔をおいて固定したものである。蓄熱容器46は熱伝
導性のよい銅製とし、図8に示すようなスウェッジロッ
ク機構により密封製を保つようにした。すなわち、容器
本体46aに雌ねじ部46bを有するねじ受け部46c
を設けると共に、蓋46dに雌ねじ部46bと噛み合う
雄ねじ部46eを設け、一方、蓋46dの先端部内周面
を内側に向って径が漸小するテーパ部46fを設けると
共にねじ受け部46c内にテーパ部46fと相対向する
テーパ部46gを有するリング46hを挿入し、前記雌
ねじ部46bと前記雄ねじ部46eとを噛み合せること
により密封性を保つようにした。なお蓄熱した状態で蓄
熱装置を長時間放置する場合、筺体の断熱性が重要であ
り、例えば本実施例のような真空二重構造が特に有効で
ある。
【0034】上記実施例の蓄熱装置41の蓄熱容器46
内に、ナフタリンと水酸化バリウムとを1:3で混合し
た充填材を充填し、蓄熱したものを、−20℃で18時
間放置した後、上記試験例と同様な評価試験を行ったと
ころ、図9の結果が得られた。同図の結果に示すよう
に、このように厳しい条件下で長時間放置した後におい
ても、3分間程度まで30℃以上の吹き出し温度を維持
することができ、実用性の高いことが確認できた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る蓄熱
装置は、特性の異なる蓄熱材を用いることにより、耐熱
性が良好で且つ持続性があるという特性を有するので、
特に寒冷地でのエンジン始動時の暖房用として好適なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る蓄熱装置を破断状態で示す斜視
図である。
【図2】図1の蓄熱装置の断面図である。
【図3】本発明による蓄熱装置を車両に搭載される暖房
装置に応用した一実施例のシステム概念図である。
【図4】評価試験装置の説明図である。
【図5】試験結果を示すグラフである。
【図6】試験結果を示すグラフである。
【図7】他の実施例に係る蓄熱装置を示す説明図であ
る。
【図8】蓄熱容器の一例を示す断面図である。
【図9】試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,41 蓄熱装置 2,42 入口部 3,43 出口部 4,44 筺体 5,45 蓄熱材 6,46 蓄熱容器 7 熱媒体通路 8 セパレータ 11 エンジン 12 冷却水循環通路 13 クランク軸 14 水ポンプ 15 三方電磁弁 16 ラジエータ 17 冷却水用バイパス通路 18 サーモスタット弁 19 冷却用電動ファン 20 水温センサ 21 電子制御ユニット 22 送風用電動ファン 23 放熱器 24 暖房用スイッチ 25 暖房用循環通路 26 暖房用電動ポンプ 27 冷却水導入通路 28 電磁開閉弁 29 冷却水戻り通路 30,31 電磁開閉弁 32 背圧弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F28D 20/00 E (72)発明者 田中 隆司 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材が封入されている蓄熱容器をケー
    シング内に保持して該蓄熱容器の周囲を熱媒体通路とす
    るか、又は蓄熱材が封入されているケーシング内に熱媒
    体通路を設けてあり、該熱媒体通路に熱媒体を流通させ
    ることにより該熱媒体と蓄熱材との熱交換を行う蓄熱装
    置において、上記蓄熱材として、総体的蓄熱量があまり
    大きくないが、蓄えた熱を短時間に放熱し易い第1の蓄
    熱材と、総体的蓄熱量が大きいが、蓄えた熱を短時間に
    は放熱し難い第2の蓄熱材とを用いてあることを特徴と
    する蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第1の蓄熱材がナフ
    タリン又はその誘導体であり、第2の蓄熱材が水酸化バ
    リウムであることを特徴とする蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、第1の蓄熱材が水酸
    化ストロンチウムであり、第2の蓄熱材が水酸化バリウ
    ムであることを特徴とする蓄熱装置。
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