JP2506423B2 - 能動型サスペンション装置 - Google Patents

能動型サスペンション装置

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JP2506423B2
JP2506423B2 JP33183388A JP33183388A JP2506423B2 JP 2506423 B2 JP2506423 B2 JP 2506423B2 JP 33183388 A JP33183388 A JP 33183388A JP 33183388 A JP33183388 A JP 33183388A JP 2506423 B2 JP2506423 B2 JP 2506423B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両に生じる横加速度に応じてロールを
制御する能動型サスペンション装置の改良に関する。
〔従来の技術〕
従来の能動型サスペンション装置としては、例えば本
出願人が先に提案した特開昭62-295714号公報に記載さ
れているものがある。
この従来例は、車両の横加速度を検出して、その横加
速度検出値に基づいて各車輪と車体との間に介装された
流体圧シリンダに対する圧力を制御する圧力制御弁を制
御してアンチロール効果を発揮させ、車体を零ロール或
いは逆ロール状態に保持するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の能動型サスペンション装置
にあっては、横加速度が発生している状態即ち旋回状態
で、車体のロール角を零に制御するためには、旋回外輪
側の流体圧シリンダの制御圧ゲインΔP0と旋回内輪側の
流体圧シリンダの制御圧ゲインΔP1とを下記(1)式及
び(2)式に従って制御する必要がある。
ここで、Wはばね上重量、Aは流体圧シリンダの受圧
面積、hはロールセンタ及びばね上重心間の高さ、Dは
トレッド、εはサスペンションアームレバー比であり、
D・εは流体圧シリンダの取付スパンを表している。
実際には、前後輪に各々流体圧シリンダを備えている
ので、前輪側の流体圧シリンダに対する制御圧ゲインΔ
PF及び後輪側の流体圧シリンダに対する制御圧ゲインΔ
PRは、それぞれ下記(3)式及び(4)式で表すことが
できる。
但し、W=WF+WR したがって、横加速度に対してロール角を零にする
ためには、前後輪の流体圧シリンダに対して併せてΔP
(=PF+ΔPR)の制御圧変化ゲインが必要となる。そし
て、前後輪のアンチロールモーメントMF,MRは、前記
(3)式及び(4)式から下記(5)式及び(6)式で
表すことができる。
MF=ΔPF・(A・DF・εF) ……(5) MR=ΔPR・(A・DR・εR) ……(6) しかし、車両に横加速度が作用したときに車両の十
分な走行安定性を確保するためには、上記(5)式及び
(6)式で算出されるアンチロールモーメント比で一般
的な車両を制御した場合は、適度なアンダーステア特性
を得るためには不適合であり、実際には前輪側及び後輪
側のアンチロールモーメントMF及びMRの加算値(MF
MR)を一定値に保ちながら前輪側のアンチロールモーメ
ントMFをかなり大きくとる必要がある。
この結果、従来例では、流体圧シリンダの制御圧ゲイ
ン特性は、第18図に示すように、実線図示の前輪側制御
圧PFL,PFRを点線図示の後輪側制御圧PRL,PRRに比較して
大きくする必要があり、流体圧シリンダの制御に必要な
流体圧供給源のライン圧PMAX′が前輪側の制御圧ゲイン
ΔPFによって決定されるので、適度なアンダーステア特
性を得るためにライン圧PMAX′も高くしなければなら
ず、サスペンション制御に必要な消費エネルギが非常に
大きくなり、燃費が低下するという未解決の課題があっ
た。
そこで、この発明は、上記従来例の未解決の課題に着
目してなされたものであり、車両に横加速度が作用した
ときに、これを検出して零ロール状態を得ながら車両の
ステア特性をアンダーステア特性に維持するために、前
輪側の制御圧ゲインを後輪側の制御圧ゲインに対して大
きくすることなく、即ち前後輪の制御圧ゲインを略等し
く保ってライン圧を低くした状態でアンダーステア特性
を得ることができる能動型サスペンション装置を提供す
ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項(1)に係る能動
型サスペンション装置は、車体と各車輪との間に介挿さ
れた流体圧シリンダと、該流体圧シリンダの作動流体圧
を指令値のみに応じて制御する圧力制御弁と、前記車体
の横加速度を検出又は推定する加速度検出又は推定手段
と、該加速度検出又は推定手段の加速度検出値又は推定
値を受けこの値に応じた値の前記圧力制御弁に対するス
テア特性指令値を除く真のロール抑制指令値を出力する
ロール抑制制御手段とを有する車両用サスペンションを
備えると共に、後輪に連結された転舵用流体圧シリンダ
及びこれを制御する転舵用圧力制御弁と、前記加速度検
出又は推定手段の横加速度検出値又は推定値の増加に応
じてアンダーステア特性を強めるように前記転舵用圧力
制御弁を制御するステア特性制御手段とを有する後輪舵
角制御機構を備えたことを特徴としている。
また、請求項(2)に係る能動型サスペンション装置
は、請求項(1)の能動型サスペンション装置におい
て、前記後輪舵角制御機構が、横加速度検出値又は推定
値が所定値未満であるときに後輪操舵機構の転舵量を零
とし、前記所定値以上であるときに横加速度検出値又は
推定値の増加に応じて転舵量を増加させるように構成さ
れていることを特徴としている。
さらに、請求項(3)に係る能動型サスペンション装
置は、車体と各車輪との間に介挿された流体圧シリンダ
と、該流体圧シリンダの作動流体圧を指令値のみに応じ
て制御する圧力制御弁と、前記車体の横加速度を検出又
は推定する加速度検出又は推定手段と、該加速度検出又
は推定手段の加速度検出値又は推定値を受けこの値に応
じた値の前記圧力制御弁に対する指令値を出力する制御
装置とを有する車両用サスペンションと、後輪に連結さ
れた転舵用流体圧シリンダを有する後輪操舵機構とを備
え、前記後輪操舵機構の転舵用流体圧シリンダと前記車
両用サスペンションの後輪側圧力制御弁とを前輪操舵と
同相となるように流路で連通させると共に、該流路に流
体圧変動吸収手段を接続したことを特徴としている。
〔作用〕
請求項(1)に係る能動型サスペンション装置におい
ては、車両に作用する横加速度を検出又は推定し、これ
に基づいて後輪操舵機構の転舵用流体圧シリンダを制御
する転舵用圧力制御弁を、ステア特性制御手段で、横加
速度検出値又は推定値の増加に応じて車両がアンダース
テア特性を強める方向即ち後輪を前輪と同相側に転舵す
る方向に制御することにより、前後輪の荷重分担率の変
更によるステア特性変更を車両用サスペンションで行う
必要がなくなり、この結果前後輪の流体圧シリンダに対
する制御圧ゲインを略等しくすることが可能となり、制
御に必要なライン圧を低減させて消費エネルギを減少さ
せることができる。
また、請求項(2)に係る能動型サスペンション装置
においては、後輪舵角制御機構の後輪操舵特性が横加速
度検出値又は推定値が所定値未満であるときには、中立
位置を保持されるので、車両の特性がニュートラルステ
ア特性となり回頭性が向上し、逆に横加速度検出値又は
推定値が所定値以上に増加するとこれに応じて転舵量も
増加してアンダーステア特性が強まって走行安定性を向
上させる。
さらに、請求項(3)に係る能動型サスペンション装
置においては、車両に作用する横加速度に基づいて制御
される圧力制御弁の制御圧を後輪操舵機構の転舵用流体
圧シリンダに供給することにより、この転舵用流体圧シ
リンダが間接的に横加速度に制御されることになり、請
求項(1)の場合と同様の作用を得ることができ、これ
に加えて後輪側圧力制御弁及び転舵用流体圧シリンダ間
に介装した流体圧変動吸収手段によって、不整路面を走
行している際に、車輪に入力される上下振動によって、
車輪及び車体間に介装された流体圧シリンダの圧力が変
動したときに、その圧力変動を確実に吸収することがで
き、この流体圧シリンダの圧力変動が後輪操舵機構に影
響することを防止する。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図乃至第9図はこの発明の第1実施例を示す図で
ある。
第1図において、11FL,11FR,11RL,11RRは、それぞれ
車体側部材12と各車輪13FL,13FR,13RL,13RRを個別に支
持する車輪側部材14との間に介装された能動型サスペン
ションであって、それぞれアクチュエータとしての姿勢
制御用油圧シリンダ15FL〜15RR、コイルスプリング16FL
〜16RR及び姿勢制御用油圧シリンダ15FL〜15RRに対する
作動油圧を、後述する制御装置36からの指令値のみに応
動して制御する圧力制御弁17FL〜17RR等を備えている。
ここで、姿勢制御用油圧シリンダ15FL〜15RRのそれぞ
れは、第1図及び第2図に示すように、そのシリンダチ
ューブ15aが車輪側部材14に取付けられ、先端にピスト
ン15bを取付けたピストンロッド15cが車体側部材12に取
付けられ、シリンダチューブ15a内の油圧室15dの作動油
圧が圧力制御弁17FL〜17RRによって制御される。なお、
ピストン15bには上下の油圧室15d間を連通する透孔15d
が穿設され、ピストン15bの上下の受圧面積の差によっ
てシリンダチューブ15aとピストンロッド15cとが相対移
動される。
また、コイルスプリング16FL〜16RRのそれぞれは、車
体側部材12と姿勢制御用油圧シリンダ15FL〜15RRのシリ
ンダチューブ15aとの間にピストンロッド15cを巻回する
関係で装着されて車体の静荷重を支持している。なお、
コイルスプリング16FL〜16RRは、車体の静荷重を支える
のみの低バネ定数のものでよい。
また、圧力制御弁17FL〜17RRのそれぞれは、第2図に
示すように、円筒状の弁ハウジング21と、これに一体的
に設けられた比例ソレノイド22とを有している。弁ハウ
ジング21の中央部には、所定径の弁座21cを有する隔壁2
1Aにより画成された第2図における上側の挿通孔21Uと
同図における下側の挿通孔21Lとが同軸上に形成されて
いる。また、挿通孔21Lの上部であって隔壁21Aに所定距
離隔てた下方位置には、固定絞り23が設けられ、これに
よって固定絞り23と隔壁21Aとの間にパイロット室Cが
形成されている。また、挿通孔21Lにおける固定絞り23
の下側には、メインスプール24がその軸方向に摺動可能
に配設され、このメインスプール24の上方及び下方には
フィードバック室FU及びFLが夫々形成されると共に、メ
インスプール24の上下端はフィードバック室FU,FLに各
々配設されたオフセットスプリング25A,25Bにより規制
される。そして、挿通孔21Lに入力ポート21i,制御ポー
ト21n及びドレンポート21oがこの順に連通形成され、入
力ポート21iはライン圧配管19を介して油圧供給源18の
吐出側に接続され、ドレンポート21oはドレン配管20を
介して油圧供給源18のタンクに接続され、さらに制御ポ
ート21nが油圧配管27を介して油圧シリンダ15FL〜15RR
の圧力室15dに接続されている。
メインスプール24は、入力ポート21iに対向するラン
ド24aと、ドレンポート21oに対向するランド24bと、こ
れら両ポート24a,24b間に形成された環状溝でなる圧力
室24cと、この圧力室24c及び下側のフィードバック室FL
とを連通するパイロット通路24dとを備えている。
また、上側の挿通孔21Uには、ポペット26が弁部を弁
座21cに対向させて軸方向に摺動自在に配設されてお
り、このポペット26により挿通孔21Uをその軸方向の2
室に画成すると共に、前記弁座21cを流通する作動油の
流量、即ちパイロット室Cの圧力を調整できるようにな
っている。
さらに、前記入力ポート21iは途中にオリフィス21SO
を有したパイロット通路21sを介してパイロット室Cに
連通され、前記ドレンポート21oはドレン通路21tを介し
て前記挿通孔21Uに連通されている。
一方、前記比例ソレノイド22は、軸方向に摺動自在な
プランジャ27と、このプランジャ27のポペット26側に固
設された作動子27Aと、プランジャ27をその軸方向に駆
動させる励磁コイル28とを有しており、この励磁コイル
28は制御装置36からの直流電流でなる指令値Iによって
適宜励磁される。これによって、プランジャ27の移動が
作動子27Aを介して前記ポペット26の位置を制御して、
連通孔21Aを通過する流量を制御する。そして、比例ソ
レノイド22による押圧力がポペット26に加えられている
状態で、フィードバック室FL,FUの両者の圧力が釣り合
っていると、スプール24は中立位置にあって制御ポート
21nと入力ポート21i及びドレンポート21oとの間が遮断
されている。
ここで、指令値Iと制御ポート21nから出力される制
御油圧Pcとの関係は、第3図に示すように、指令値Iが
零近傍であるときにPMINを出力し、この状態から指令値
Iが正方向に増加すると、これに所定の比例ゲインK1
もって制御出力PCが増加し、油圧供給源18のライン圧PL
で飽和する。
そして、圧力制御弁17FL〜17RRは、比例ソレノイド22
による押圧力がポペット26に加えられており、且つ上側
フィードバック室FU及び下側フィードバック室FLの圧力
が釣り合っている状態で、車輪に、例えば路面の凸部通
過による上向きのバネ上共振周波数に対応する比較的低
周波数の振動入力(又は凹部通過による下向きの振動入
力)が伝達されると、これにより油圧シリンダ15FL〜15
RRのシリンダチューブ15aが上方(又は下方)に移動し
ようとし、油圧室15aの圧力が上昇(又は減少)する。
このように、油圧室15dの圧力が上昇(又は減少)す
ると、これに応じて油圧室15aと油圧配管27、制御ポー
ト21n及びパイロット通路24dを介して連通された下側フ
ィードバック室FLの圧力が上昇(又は下降)し、上側フ
ィードバック室FUの圧力との均衡が崩れるので、スプー
ル24が上方(又は下方)に移動し、入力ポート21iと制
御ポート21nとの間が閉じられる方向(又は開かれる方
向)に、且つ出力ポート21oと制御圧ポート21nとの間が
開かれる方向(又は閉じられる方向)に変化するので、
油圧室15dの圧力の一部が制御圧ポート21nから出力ポー
ト21o及び油圧配管20を介して油圧供給源18に排出され
(又は油圧源18から入力ポート21i、制御圧ポート21n及
び油圧配管27を介して油圧室15dに油圧が供給され)
る。
この結果、油圧シリンダ15FL〜15RRの油圧室15dの圧
力が減圧(又は昇圧)され、上向きの振動入力による油
圧室15dの圧力上昇(又は下向きの振動入力による圧力
室15aの圧力減少)が抑制されることになり、車体側部
材14に伝達される振動入力を低減することができる。こ
のとき、圧力制御弁17FL〜17RRの出力ポート21oと油圧
供給源18との間のドレン配管20に絞りが設けられていな
いので、上向きの振動入力を抑制する際に、減衰力を発
生することがない。
なお、第1図において、28Hは圧力制御弁17FL〜17RR
と油圧源24との間の油圧配管25の途中に接続した脈動吸
収用の高圧側アキュムレータ、28Lは圧力制御弁17FL〜1
7RRと油圧シリンダ15FL〜15RRとの間の油圧配管27に絞
り弁28Vを介して連通された圧力制御弁17FL〜17RRで追
従しきれないバネ下共振周波数域の圧力変動を吸収する
低圧側アキュムレータである。
一方、後輪13RL及び13RRには、後輪操舵機構30が配設
されている。この後輪操舵機構30は、車体に固定支持さ
れた両動型の後輪操舵用油圧シリンダ31を有する。この
後輪操舵用油圧シリンダ31は、シリンダチューブ31a内
におけるピストン31bとシリンダチューブ31aの内端との
間にセンタリング用のコイルばね31cが介装され、ピス
トンロッド31dの両端がそれぞれサイドロッド32L及び32
R及びナックルアーム33L及び33Rを介して後輪13RL及び1
3RRに連結されている。そして、後輪操舵用油圧シリン
ダ31のピストン31bで画成される左及び右油圧室31及
び31rが前記油圧源24に接続されたサスペンション用の
圧力制御弁17FL〜17RRと同様の構成を有する圧力制御弁
34L及び34Rの制御圧ポートに接続されている。なお、第
1図においては、説明の便宜上後輪操舵機構30は平面図
として記載してある。
また、車体には、ばね上重心位置のやや前方位置に横
加速度を検出する横加速度検出器35が設けられ、この横
加速度検出器35から車両の横加速度に応じて、横加速度
が零のとき零、右旋回時の横加速度発生時には横加速度
に比例する正の電流及び左旋回時の横加速度発生時には
横加速度に比例する負の電流を横加速度検出値として
出力され、この横加速度検出値が制御装置36に入力さ
れる。
制御装置36は、第4図に示すように、横加速度検出器
35からの横加速度検出信号が供給されるゲイン(増幅
度)KyF,KyR及びKδRを任意に変更可能な増幅度可変増
幅器で構成される前輪側ゲイン調整器37F、後輪側ゲイ
ン調整器37R及び後輪操舵ゲイン調整器37Sを有し、前輪
側ゲイン調整器37Fの出力が前輪側ロール抑制指令値IF
としてこれに予め設定された所定値の中立圧電流INを加
算する加算器38FLに供給され、この加算器38FLの加算出
力がロール抑制指令電流IFLとして前左側の圧力制御弁1
7FLに供給されると共に、前右側の圧力制御弁17FRに
は、マイナス1を乗算する符号反転器39Fで符号反転さ
れ、これに前記加算器38FLと同様の加算器38FRで中立圧
電流INを加算したロール抑制指令電流IFRが供給され
る。
同様に、後輪側ゲイン調整器37Rの出力が後輪側ロー
ル抑制指令値IRとして直接加算器38RLに供給され、その
加算出力がロール抑制指令電流IRLとして後左側の圧力
制御弁17RLに供給されると共に、後右側の圧力制御弁17
RRには、後輪側ロール抑制指令値IRにマイナス1を乗算
する符号反転器39Rを介して加算器38RRに供給され、そ
の加算出力がロール抑制指令電流IRRとして供給され
る。ここに、前後輪側ゲイン調整器37F,37R、加算器38F
L,38FR,38RL,38RR及び符号反転器39F,39Rでステア特性
制御分を除く真のロール抑制指令値を出力するロール抑
制制御手段を構成している。
また、後輪操舵ゲイン調整器37Sの出力が後輪操舵指
令値ISとして加算器38FL〜38RRと同様の加算器38SLに供
給され、その加算出力が後輪操舵指令電流ISLとして後
輪操舵用の右側圧力制御弁34Rに供給されると共に、左
側圧力制御弁34Lには、後輪操舵指令値ISをマイナス1
を乗算する符号反転器38Sで反転させ、その反転出力に
加算器39SRで中立圧指令電流INを加算し、その加算出力
を後輪操舵指令電流ISRとして供給される。ここに、後
輪操舵ゲイン調整器37S、加算器38SL,38SR及び符号反転
器39Sで後輪舵角を横加速度検出値の増加に応じてアン
ダーステア特性を強める方向に制御するステア特性制御
手段を構成している。
ここで、前輪側ゲイン調整器37F、後輪側ゲイン調整
器37R及び後輪操舵ゲイン調整器27Sの各ゲインは、第5
図に示す如く、KyF>KδR>KyRの関係を保ちながら略
等しい値に選定され、且つ前輪側の制御圧ゲインKyF
従来例における制御圧ゲインΔPFに比較して例えば(Δ
PF+ΔPR)/2程度の小さな値に選定され、これに応じて
加算器38FL〜38SRの中立圧設定電流値INも従来例におけ
る中立圧電流値IN′に比較して小さく選定されている。
したがって、横加速度検出値(右旋回時を正とす
る)を横軸に、流体圧シリンダ15FL〜15RRの制御圧PFL
〜PRRを縦軸にとったサスペンション制御圧特性は、第
5図に示すようになり、ライン圧PMAX、中立圧PNが従来
例に比較して小さな値に選定されている。
次に、上記実施例の動作を説明する。今、車両が路面
に凹凸がなく平坦な良路を直進走行しているものとす
る。この状態では、車体にロールが生じないので、横加
速度位検出器35の横加速度検出値の値は略零となる。
このため、制御装置36のゲイン調整器37F,37R及び37Sか
ら出力される指令値IF,IR及びISも略零となり、これら
に加算器38FL〜38SRで中立圧設定電流INが加算されるの
で、圧力指令値IFL〜ISRは略中立圧設定電流INとなり、
これが各圧力制御弁17FL〜17RR及び34L,34Rに供給され
るので、これら圧力制御弁の制御圧PCが中立圧PNに設定
される。
したがって、この状態では、前述したように、路面か
ら車輪13FL〜13RRを介して入力される比較的低周波数の
振動入力に対しては、圧力制御弁17FL〜17RRの圧力制御
室Cの圧力変動によるスプール24の移動によって吸収
し、路面の細かな凹凸によるバネ下共振周波数に対応す
る比較的高周波数の振動入力に対しては、絞り弁28V及
びアキュムレータ28Lによって吸収され、車体への振動
伝達率を低減させて良好な乗心地を確保することができ
る。
一方、後輪操舵機構30においては、圧力制御弁34L及
び34Rの制御圧が共に中立圧PNであることから、後輪操
舵用油圧シリンダ31の左右の圧力室31及び31rの圧力
が等しくなり、センタリング用コイルばね31cによって
ピストンロッド31dが中立位置に保持され、このため後
輪13RL及び13RRが中立位置即ち直進走行状態に保持され
る。
この直進走行状態から、ステアリングホイールを右切
りして右旋回状態に移行すると、第7図に示す如く、車
体が前側からみて右下がりにロール角θをもって傾斜す
るロールが生じる。このとき第8図に示すように、車両
の一輪について説明する。ここで、車両の質量をM,油圧
シリンダ15FLの有効面積をAとする。
そして、圧力制御弁17の第3図に示す特性の線形範囲
を考慮すると、 P=K1・I ……(7) で表される。
一方、第8図より、 M2=P・A+K(x1−x2) ……(8) となり、指令値Iは、 I=Ky・ ……(9) となる。
したがって、(8)式に(7)式を代入して整理する
と、 M2+K(x2−x1)=K1・I・A ……(10) となる。
ここで、バネ下変位x1を零(x1=0)として指令値I
に対するバネ上変位x2の応答の形の伝達関数で表わす
と、 となり、横加速度に対する応答の形の伝達関数で表せ
ば、 となる。
一方、アンチロール制御を行わない車両において第9
図に示すように、横加速度が作用したときの車体のロ
ール運動は、ロール慣性モーメントをJ,ロール角をθ,
重心及びロールセンタ間の距離をH、バネ定数をK、ト
レッドをLとすると、次式で表すことができる。
この(13)式において横加速度に対する応答の形の伝
達関数で表すと、 さらに、x2=Lθ/2であるので、これを前記(13)式
に代入し、これを横加速度に対する応答の形の伝達関
数で表すと、 となる。
したがって、前記(12)式はこの発明の油圧系の応答
を表し、前記(15)式は、横加速度に対するロール運
動を表し、両者を比較すると分母は共に2次で等価とな
る。
したがって、前記(12)式のゲインKyを適切に設定す
ることにより、ロール運動はこの発明の油圧系で動的に
抑制することができることが理解できる。
したがって、第7図に示すように車両が前側からみて
右下がりにロールしている状態では、横加速度検出器35
の横加速度検出値が正の値となるので、これがそれぞ
れゲイン調整器37F,37R及び37Sに供給される。
そして、ゲイン調整器37F及び37Rから出力される横加
速度検出値をゲインKyF及びKyR倍した前輪及び後輪ロ
ール抑制指令値IF及びIRが直接加算器38FL及び38RLに供
給されので、これら加算器38FL及び38RLから前輪及び後
輪ロール抑制指令値IF及びIRに中立圧設定電流INを加算
したロール抑制指令電流IFL及びIRLが左側の圧力制御弁
17FL及び17RLに供給されるので、これら左側の圧力制御
部17FL及び17RLの制御圧PFL及びPRLが、第5図に示すよ
うに、中立圧PNより増加することになる。
一方、右側の圧力制御弁17FR及び17RRには、前輪及び
後輪ロール抑制指令値IF及びIRが符号反転器39F及び39R
を介して加算器38FR及び38RRに供給されるので、これら
の制御圧PFR及びPRRが、第5図で示すように中立圧PN
り減少する。
したがって、左側の油圧シリンダ15FL及び15RLの油圧
室15dの圧力は増加する。このため、ピストン15bの上側
の油圧室における受圧面積と下側の油圧室における受圧
面積とでは上側の油圧室の受圧面積の方が下側の油圧室
の受圧面積よりピストンロッドの断面積分だけ小さいの
で、両者の面積差に圧力を乗じた推力が上方に作用する
ことになり、この推力によって左側の油圧シリンダ15FL
及び15RLがロールにより収縮する収縮力に抗するシリン
ダ付勢力を発生することができ、車体を零ロール状態に
維持するアンチロール効果を発揮することができる。
また、右側の油圧シリンダ15FR及び15RRの油圧室15d
の圧力は減少し、これによって上記と同様の理由によっ
てピストン15bを上方に付勢する推力が減少し、ロール
による伸長力を助長しないような付勢力に制御される。
このとき、前輪の油圧シリンダ15FL,15FR及び後輪側
の油圧シリンダ15RL,15RRで発生する付勢力は第5図か
ら明らかなように略等しいので、前輪側及び後輪側で発
生するアンチロールモーメントMF及びMRも略等しくな
り、サスペンションによるステア特性としては略ニュー
トラルステア特性に保持される。
しかしながら、ゲイン調整器38Sから出力される横加
速度検出値を後輪操舵ゲインKδS倍した後輪操舵指
令値ISが直接加算器38SLに供給され、この加算器38SLで
後輪操舵指令値ISに中立圧設定電流値INが加算されるの
で、その加算出力即ち後輪操舵指令電流ISLは中立設定
電流INより大きな値となり、一方加算器38SRには後輪操
舵指令値ISが符号反転器39Sで反転されて供給されるの
で、後輪操舵指令電流ISRは中立設定電流INより小さな
値となる。
したがって、圧力制御弁34Rの制御圧PSRが中立圧PN
り大きな値となり、圧力制御弁34Lの制御圧PSLが中立圧
PNより小さな値となって、後輪操舵用シリンダ31の右側
圧力室31rの圧力が左側圧力室31の圧力に比較して大
きくなり、ピストン31aが両圧力室31r及び31の圧力差
とセンタリングコイルばね31cの弾性とが釣り合う位置
まで左動し、これによって後輪13RL及び13RRが第6図に
示すように右側に前輪13FL及び13FRと同相に転舵され、
アンダーステア特性を得ることができる。
このように、後輪13RL及び13RRをアンダーステア方向
に転舵することにより、後輪13RL及び13RRの等価コーナ
リングパワーが増大し、油圧供給源24のライン圧PMAX
低下させて、前後輪のアンチロールモーメント比を“1"
に近づけても車両のステア特性はニュートラルステア又
はオーバーステア特性となることはなく適度のアンダー
ステア特性を維持することになり、走行安定性を向上さ
せることができる。すなわち、例えば高速走行時の車線
変更を行う場合に、後輪操舵を行わないときには、急激
な車線変更によって車両が尻振りを起こし易くなるが、
後輪を操舵することにより、安定した車線変更が可能と
なる。
また、車両を左旋回させたときには、横加速度検出器
35から負の横加速度検出値が出力されるので、上記右
旋回とは逆に右側の油圧シリンダ15FR,15RRの圧力が増
加し、左側の油圧シリンダ15FL,15RLの圧力が減少し
て、車体を零ロール状態に維持するアンチロール効果を
発揮することができると共に、後輪操舵用シリンダ31の
ピストンロッド31dが右動して後輪13RL,13RRが第6図に
示すように左に転舵され、これによって車両のステア特
性がアンダーステア特性に維持される。
なお、上記第1実施例においては、後輪操舵機構30の
圧力制御弁34L,34Rの制御圧PSL及びPSRが第5図に示す
ように、横加速度検出値に比例する場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、第10図に示す
ように、制御圧PSL及びPSRに横加速度検出値に対して
不感帯を設定して、後輪操舵機構30の後輪操舵特性を、
第11図に示すように、横加速度検出値が所定値±s
より小さい範囲では中立位置を保持し、横加速度検出値
が所定値±s以上となったとき、横加速度検出値
の値に比例して転舵量δRが増加するようにしてもよ
く、この場合には、横加速度検出値が比較的小さいと
きには、後輪を転舵しない中立位置に保持されるので、
車両の特性がニュートラルステア特性となり回頭性が向
上し、横加速度検出値が大きくなるにつれてアンダー
ステア特性となって走行安定性を向上させることができ
る。
また、上記第1実施例においては、後輪操舵機構30に
2つの圧力制御弁34L,34Rを適用した場合について説明
したが、これに限らず第12図及び第13図に示すように、
後輪操舵用油圧シリンダ31の左右圧力室31及び31rの
圧力をそれぞれパイロット圧としてスプールに供給し、
このスプールを電磁比例ソレノイドによって駆動するこ
とにより、指令電流ISに応動して左又は右圧力室31又
は31rへの圧力を制御する方向切換機能を有する1つの
4ポートの圧力制御弁40を適用することもでき、この場
合には、油圧配管系を簡略化することができると共に、
圧力制御弁1つ分の重量を軽減することができる利点が
ある。なお、圧力制御弁40としては、例えば特開昭61-1
93910号公報に開示されている圧力制御弁を適用するこ
とができる。
次に、この発明の第2実施例を第14図について説明す
る。
この第2実施例は、後輪操舵機構30の横加速度検出値
による圧力制御を別途後輪操舵用の圧力制御弁を設け
ることなく、サスペンション制御用の後輪側の圧力制御
弁17RL及び17RRの制御ポート21nから出力される制御圧P
Cによって行うようにしたものである。
すなわち、第14図に示すように、第1図の構成におい
て、圧力制御弁34L,34Rが省略され、これに代えて後輪
操舵機構30における後輪操舵用油圧シリンダ31の左油圧
室31が圧力制御弁17RRの制御圧ポート21nに、右油圧
室31rが圧力制御弁17RLの制御圧ポート21nにそれぞれ流
路としての油圧配管41L,41Rを介して接続されていると
共に、これら油圧配管41L,41Rにそれぞれ絞り弁43L,43R
を介してアキュムレータ44L,44Rが接続されており、こ
れに応じて制御装置36も第15図に示すように、後輪操舵
用のゲイン設定器37S、加算器38SL,38SR及び符号反転器
39Sが省略されていることを除いては前記第1実施例と
同様の構成を有し、第1図との対応部分には同一符号を
付してその詳細説明はこれを省略する。
この第2実施例によると、車両が直進走行しているも
のとすると、車両に横加速度が作用しないので、横加速
度検出器15の横加速度検出値は零であり、後輪側の圧
力制御弁13RL及び13RRの制御圧が共に中立設定圧PNとな
っているので、車体は零ロール状態に維持されると共
に、後輪操舵用油圧シリンダ31の左右の油圧室31及び
31rの圧力が共に中立設定圧PNとなるので、ピストンロ
ッド31dが中立位置に維持されて後輪13RL及び13RRが直
進走行状態を維持する。
この直進走行状態から例えば右旋回して車両に横加速
度が生じると、これが横加速度検出器35で検出され、こ
の横加速度検出器35から正の横加速度検出値が制御装
置36に出力されるので、この制御装置36から前述したよ
うに後左側圧力制御弁17RLに対して中立設定電流INより
大きい値のロール抑制指令電流IRLが出力されると共
に、後右側圧力制御弁17RRに対して中立設定電流INより
小さい値のロール抑制指令電流IRRが出力される。した
がって、圧力制御弁17RLの制御圧PRLが第16図で点線図
示のように、中立圧PNより高い値となり、逆に圧力制御
17RRの制御圧PRRが中立圧PNより低い値となり、これが
油圧シリンダ15RL及び15RRに供給されるので、車体のロ
ールを抑制して零ロール状態に制御することができる。
これと同時に、圧力制御弁17RLの高制御圧PRLが油圧配
管40Lを介して後輪操舵用油圧シリンダ31の右油圧室31r
に、圧力制御弁17RRの低制御圧PRRが油圧配管40Rを介し
て後輪操舵用油圧シリンダ31の左油圧室31に供給され
るので、両油圧室31r及び31の差圧とセンタリング用
コイルばね31cの付勢力とが釣り合う位置までピストン
ロッド31dが左動し、これによって後輪13RL及び13RRが
右に転舵される。
また、車両が左旋回したときには、上記と逆に後輪13
RL及び13RRが左に転舵される。
この結果、後輪13RL及び13RRが第17図に示すように、
前輪13FL及び13FRと同相に転舵されるので、車両のステ
ア特性がアンダーステア特性となり、前記第1実施例と
同様に、後輪操舵機構によって車両のステア特性をアン
ダーステア特性とすることができ、サスペンションの油
圧シリンダ17FL〜17RRで発生させるアンチロールモーメ
ントによってアンダーステア特性を得る必要がないの
で、前輪側及び後輪側の油圧シリンダ15FL〜15RRの制御
圧ゲインを略等しくすることができ、これによってライ
ン圧を低下させて、零ロールを維持しながらアンダース
テア特性を得ることができる。しかも、この第2実施例
によると、後輪操舵用の圧力制御弁とサスペンション制
御用圧力制御弁とを共用しているので、後輪操舵用の圧
力制御弁を別途設ける必要がなく、この分部品点数及び
車体重量を減少させることができる。
又、車両が不整路面を走行していて、後輪13RL及び13
RRが上下変位した場合に、サスペンション用の油圧シリ
ンダ15RL,15RRのシリンダチューブ15aが上下動して、前
述したように、油圧シリンダ15RL,15RRの内圧が増減
し、この圧力変動が圧力制御弁17RL,17RRに油圧配管40
L,40Rを介して直接接続された後輪操舵用油圧シリンダ3
1に影響することになるが、油圧配管41L,41Rに絞り弁43
L,43Rを介してアキュムレータ44L,44Rが接続されている
ので、これらによって圧力変動の高周波振動を減衰吸収
することができ、後輪操舵用油圧シリンダ31にサスペン
ション用の油圧シリンダ15RL,15RRの圧力変動が伝達さ
れることを防止することができ、後輪操舵用油圧シリン
ダ31の左右油圧室31及び31rの圧力変動によって後輪
操舵角が変動することを防止し、不整路面での安定走行
を確保することができる。
上記第2実施例のように、サスペンション用の圧力制
御弁17RL及び17RRと後輪操舵用油圧シリンダ31との間の
油圧配管41L,41Rに、絞り弁42L,42R又は絞り弁43L,43R
及びアキュムレータ44L,44Rでなる圧力吸収要素を介挿
すると、後輪操舵用油圧シリンダ31の応答が横加速度検
出器35で検出した横加速度検出値に対して若干遅れる
ことになるが、寧ろこの方が前輪操舵によってヨーモー
メントが発生してから後輪が操舵されてアンダーステア
となるため、回頭性も損なわずに自然な操舵感覚を得る
ことができる。
また、前記各実施例においては、横加速度検出器35を
使用して車両に生じる横加速度を検出する場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、車両の速
度Vと操舵角δとをそれぞれ車速検出器及び操舵角検出
器で検出し、これらに基づいて所定の演算処理を実行し
て車両に生じる真の横加速度を検出する横加速度検出装
置(特開昭62-293167号参照)を設けるようにしてもよ
く、この場合には、車体のロールの影響を受けることが
ない真の横加速度に基づいて制御を行うことができるの
で、制御精度を向上させることができると共に、制御系
が実質的にオープンループ系となるので、自励振動を生
じるおそれも全くない。
また、前記各実施例においては、流体圧シリンダとし
て油圧シリンダを適用した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、空気圧シリンダ等の他の
流体圧シリンダを適用し得ることは言うまでもない。
さらに、上記実施例では、横加速度検出器35から右旋
回時に正、左旋回時に負の加速度検出値が出力される
場合について説明したが、これに限らず横加速度検出器
35から横加速度が零の時に正の所定値を、右旋回時に所
定値より高い正の値を、左旋回時に所定値より低い正の
値をそれぞれ出力するようにし、これに応じて制御装置
36の加算器38RL〜38RRに代えて中立設定電流INを減算す
る減算器を適用するようにしても上記実施例と同様の作
用効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)に係る能動型サス
ペンション装置によれば、ロール抑制制御手段によっ
て、横加速度検出値又は横加速度推定値の基づいて、圧
力制御弁を制御して各車輪及び車体間に介挿した流体圧
シリンダを車体のロールを抑制するように制御し、且つ
ステア特性制御手段によって、横加速度検出又は推定値
の増加に応じて後輪舵角をアンダーステア特性を強める
方向に転舵するようにしているので、前輪側及び後輪側
の流体圧シリンダで発生させるアンチロールモーメント
によって車両のステア特性をアンダーステア特性とする
必要がないので、前輪側及び後輪側の流体圧シリンダの
制御圧ゲインを略等しくすることができ、この結果、圧
力制御弁に供給するライン圧を低下させることが可能と
なり、消費エネルギを低減することができる効果が得ら
れる。
また、請求項(2)に係る能動型サスペンション装置
によれば、後輪舵角制御機構の後輪操舵特性が横加速度
検出値又は推定値が所定値未満であるときには、中立位
置を保持されるので、車両の特性がニュートラルステア
特性となり回頭性が向上し、逆に横加速度検出値又は推
定値が所定値以上に増加するとこれに応じて転舵量も増
加してアンダーステア特性が強まって走行安定性を向上
させることができるという効果が得られる。
さらに、請求項(3)に係る能動型サスペンション装
置によれば、後輪操舵機構の制御圧を姿勢制御用流体圧
シリンダを制御する圧力制御弁から得るようにし、圧力
制御弁を共用することができるので、上記請求項(1)
の効果に加えて、圧力制御弁の数を減少させることがで
き、製造コスト、重量を軽減することができると共に、
車両に搭載する場合の設計自由度を向上させることがで
き、しかも姿勢制御用流体圧シリンダを制御する圧力制
御弁と後輪操舵用流体圧シリンダとの間に圧力変動吸収
手段が接続されているので、不整路面走行時の姿勢制御
用流体圧シリンダの圧力変動の影響が後輪操舵機構に及
ぼすことを防止することができ、信頼性を向上させるこ
とができ、しかも圧力変動吸収手段によって後輪操舵機
構の応答が若干遅れることにより、回頭性を損なうこと
なく自然な操舵感覚を得ることができるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例を示す概略構成図、第2
図はこの発明に適用し得る圧力制御弁の一例を示す断面
図、第3図は第2図の圧力制御弁の指令値と出力圧力と
の関係を示すグラフ、第4図はこの発明に適用し得る制
御装置の一例を示すブロック図、第5図は横加速度と油
圧シリンダの制御圧との関係を示す特性線図、第6図は
横加速度と後輪操舵角との関係を示す特性線図、第7図
〜第9図はそれぞれ第1実施例の動作の説明に供する説
明図、第10図及び第11図はそれぞれ第1実施例の変形例
を示す第5図及び第6図に対応する特性線図、第12図及
び第13図は第1実施例の変形例を示す概略構成図及び制
御装置のブロック図、第14図はこの発明の第2実施例を
示すブロック図、第15図は第2実施例の制御装置を示す
ブロック図、第16図は横加速度と油圧シリンダの制御圧
との関係を示す特性線図、第17図は横加速度と後輪操舵
角との関係を示す特性線図、第18図は従来例の横加速度
と油圧シリンダの制御圧との関係を示す特性線図であ
る。 図中、11FL〜11RRは、能動型サスペンション、13FL〜13
RRは車輪、15FL〜15RRは油圧シリンダ、16FL〜16RRはコ
イルスプリング、17FL〜17RRは圧力制御弁、18は油圧供
給源、30は後輪操舵機構、31は後輪操舵用油圧シリン
ダ、34L,34R,40は圧力制御弁、41L,41Rは油圧配管、43
L,43Rは絞り弁(圧力変動吸収手段)、44L,44Rはアキュ
ムレータ(圧力変動吸収手段)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 至 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 佐藤 正晴 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 福山 研輔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−9073(JP,A) 特開 昭60−166565(JP,A) 特開 昭60−166566(JP,A) 実開 平1−98708(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と各車輪との間に介挿された流体圧シ
    リンダと、該流体圧シリンダの作動流体圧を指令値のみ
    に応じて制御する圧力制御弁と、前記車体の横加速度を
    検出又は推定する加速度検出又は推定手段と、該加速度
    検出又は推定手段の加速度検出値又は推定値を受けこの
    値に応じた値の前記圧力制御弁に対するステア特性指令
    値を除く真のロール抑制指令値を出力するロール抑制制
    御手段とを有する車両用サスペンションを備えると共
    に、後輪に連結された転舵用流体圧シリンダ及びこれを
    制御する転舵用圧力制御弁と、前記加速度検出又は推定
    手段の横加速度検出値又は推定値の増加に応じてアンダ
    ーステア特性を強めるように前記転舵用圧力制御弁を制
    御するステア特性制御手段とを有する後輪舵角制御機構
    を備えたことを特徴とする能動型サスペンション装置。
  2. 【請求項2】前記後輪舵角制御機構は、横加速度検出値
    又は推定値が所定値未満であるときに後輪操舵機構の転
    舵量を零とし、前記所定値以上であるときに横加速度検
    出値又は推定値の増加に応じて転舵量を増加させるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項(1)記載の
    能動型サスペンション装置。
  3. 【請求項3】車体と各車輪との間に介挿された流体圧シ
    リンダと、該流体圧シリンダの作動流体圧を指令値のみ
    に応じて制御する圧力制御弁と、前記車体の横加速度を
    検出又は推定する加速度検出又は推定手段と、該加速度
    検出又は推定手段の加速度検出値又は推定値を受けこの
    値に応じた値の前記圧力制御弁に対する指令値を出力す
    る制御装置とを有する車両用サスペンションと、後輪に
    連結された転舵用流体圧シリンダを有する後輪操舵機構
    とを備え、前記後輪操舵機構の転舵用流体圧シリンダと
    前記車両用サスペンションの後輪側圧力制御弁とを前輪
    操舵と同相となるように流路で連通させると共に、該流
    路に流体圧変動吸収手段を接続したことを特徴とする能
    動型サスペンション装置。
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