JP2506144Y2 - シャッタ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、建物の開口部にとりつけるシャッターに関
する。

［従来技術］ 建物の開口部には、防犯あるいは室温の保持、遮光、
採光のためにシャッター、ブラインドなどが取付けられ
ている。

このシャッター、ブラインドは、多数の羽根状スラッ
トを複数の支持帯で支持させて、天井面に配置した横桟
に吊り紐で吊り下げ、前記吊り紐を操作してスラットを
昇降させると共に、支持紐に連結したスラット回動機構
によってスラットを回転させ採光、遮光を行うようにし
ている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで前記従来形のものは以下に述べるような難点
があり、解決が望まれている。

すなわち従来形のものは、前記の通り羽根状スラット
を複数の支持紐で支持させて横桟に吊り下げているだけ
あるから、強度がなくまた横ブレが生じて安定感がな
い。また閉鎖時に支持紐が露出し、視野を遮りまた目障
りとなる。

本考案は前記従来形の難点を排除するためになされた
もので、その目的とするところは使い勝手がよく、安定
感、防犯性能及び風圧強度に富み開口間口の大小を問わ
ず設置可能なシャッターを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案は、開口間口部の両側
部に配置されたガイドレールと、複数の第１のリンク
と、該第１のリンクとは回動可能に軸着される複数の第
２のリンクとが交互に連接して構成され、前記ガイドレ
ール内を上下方向に摺動し得るリンク部材と、前記リン
ク部材間を、前記第１のリンクの１個おきに接合して配
置されるスラットと、前記開口間口上部に配設され、前
記リンク部材、前記スラットを巻取るための巻取り機構
と、から成り、前記スラットは、前記第１のリンクとほ
ぼ同一幅に設定され、前記巻取り機構から前記スラット
を下降させ、スラットの最下端部が床面に接触した後、
更にスラットを下降させた際に、前記スラットが接合さ
れていない第１のリンクが第２のリンクとの間の回動に
より前記ガイドレール内に順次重なり合って収納される
ことを特徴とするものである。

［作用］ 本考案のシャッターは、適宜のスイッチング操作によ
って、ケース内に配置した駆動機構を作動させて巻き胴
をスラット巻き上げ、巻き戻し方向に回転させると、巻
き胴に固定したリンク機構が昇降し、これによりリンク
機構に取付けたスラットがガイドレール内を摺動して昇
降する。

［実施例］ 以下図示の実施例に基づき本考案を具体的に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は同
上側面図で図中符号１がシャッターで、天井面に取付け
たケース２内に軸支した巻き胴３と、開口部両側に立設
した一対のガイドレール４、４と、一端を前記巻き胴３
に固定し、巻き胴３の回転によりガイドレール４、４内
を昇降するリンク機構５及びこのリンク機構５に取付け
たスラット６を主要部材とする。

前記巻き胴３は、ケース２に軸受７、７を介して取付
けられ、同じくケース内に配置した駆動用モータＭの回
動軸とチェーン８で連結され、前記モータＭの回転によ
り回動する。

そしてこの巻き胴３の両端部には、第３図に示すよう
に取付金具９を用いてリンク機構５の上端部が巻き上
げ、巻き戻し自在に取付けられている。

前記リンク機構５は、第４図及び第５図に示すように
端金具を兼ねる多数の第１のリンク10とこれらの第１の
リンクを連結する第２のリンク11とから構成されてい
る。

第１のリンク10は、前述の通り端金具を兼ねるもので
第６図及び第７図に示すように平面Ｈ型をなしており、
本体12の中央部の上下には後述する第２のリンクを軸支
するための凹所13、13が形成され、この凹所13の両側壁
14にはシャフト挿通用の透孔15が設けられている。また
後述する第２のリンクと連結してリンク機構５を形成し
たときスラット６を取り付けるべきリンクには本体の一
端にブラケット16が延設されると共に、このブラケット
16にはビス孔17が設けられている。

一方第２のリンク11は、第８図及び第９図に示すよう
にリンク本体18の上下にボス19、20が形成され、各ボス
はボス孔19a、20aを有すると共に下方のボス20の後面に
は回動規制用のストッパ21が形成されている。

前記第１、第２の各リンクは、第４図及び第５図に示
すように各第１のリンク10に対し、ボス19とボス19が互
いに向き合うように、またストッパ21を有する側のボス
20とボス20とが向かい合うようにそれぞれ一段ごとに、
各リンクに形成した透孔15及びボス孔19a、20aを用いて
シャフト22で連結され、折り畳み可能でしかも開口高さ
の２倍強の長さを有する一連のリンク機構５を形成して
いる。なお前記連結に当たってはストッパ21つきのボス
20の連結部は、ストッパ21なしのボス19の連結部より外
部（第５図において左側）にあり、この構成によりリン
ク機構の折り畳み動作を確実にする。なお第５図におい
て符号Ｐは折り畳んだリンク機構５の最下段を支持する
支持台である。

また前記第１のリンク10のうちボス19が向かい合わせ
に取付けられたリンク10にはスラット６が固定されてい
る。このスラット６は、第10図に示すようにアルミニュ
ーム製の中空体で断面形状は第１のリンク10と略同一で
あり、頂部には山形の凸部23が、下端部には凹部24がそ
れぞれ設けられ、リンク機構５を折り畳んだときそれぞ
れ上下に位置するスラットの凸部23と凹部24とが嵌合す
るようになっており、第１のリンク10に設けたブラケッ
ト16にビス26を用いて固定されている。なお第10図にお
いて符号6aはスラット６の内側に形成した補強用のリブ
である。

またリンク10の最下段に固定したスラット６には第11
図に示すような座板27がリベット28を用いて取付けら
れ、スラット６の変形、破損を防止する。

次に前記リンク機構５及びスラット６を支持し、かつ
昇降時のガイドとなるガイドレール４について説明す
る。

ガイドレール４は、第12図に示すように鋼板製の箱形
状で、折り畳んだリンク機構５を収納するに十分な厚み
を有し、一側面にスラット６の厚さより若干幅広のガイ
ド溝28を有し、開口部両側に前記ガイド溝28、28を向か
い合わせにして立設固定されており、前記ガイド溝28
で、リンクに固定したスラット６を挟みこんでいる。

［作用］ ついで前記構成のシャッターの作用につき、全開状態
（巻き上げ状態）にあるシャッターを格子状態（第13
図）、半格子状態（第14図）密閉状態（第15図）で使用
する場合について説明する。

まず全開状態にあるシャッターの駆動モータＭを適宜
のスイッチング操作によりスラット下降方向に回動させ
ると、巻き胴３がスラット巻き戻し方向に回転し、リン
ク機構５及びこのリンク機構に取付けたスラット６の端
部はガイドレール４、４内を摺動して下降する。そして
最下段に取付けた座板27が、開口下端部に当接した時点
でモータＭを停止させると、巻き胴３から巻き戻された
リンク機構５は一連に伸びきった状態となり、開口部を
第13図に示すようにスラット６、空間Ｓが互い違いとな
る格子状態に閉鎖する（第13図）。

さらに第13図の状態にあるシャッターのモータＭをス
ラット６下降方向に回動させると、リンク機構５はさら
に巻き戻され、この巻き戻し力とリンクの自重により、
最下段の第１のリンク10と第２段目の第１のリンク10と
を連結する第２のリンク11が第16図における半時計方向
に回動し、次いで第２段目のリンク10と第３段目のリン
ク10を連結する第２のリンク11が同図時計方向に回動し
て、第２段目のリンク10は同図矢印方向に移動する。そ
して第３段目のリンク10は第１段目のリンク10の真上に
位置し、このリンクに取付けたスラット６の凹部24に第
１段目のスラットの凸部23が嵌合する。さらに巻き戻し
を続けると前記同様の動作により第17図に示すように順
次スラット６が積み重ねられる。そして第14図に示すよ
うな状態でモータＭを停止させれば、開口部の下半分は
密閉され、上部は格子状態となる所謂半格子状態に維持
することがで出来、さらにモータＭを巻き戻し方向に回
転させて開口部を密閉状態とすることが出来る（15
図）。

また密閉状態のシャッターを上昇させるには、モータ
Ｍを回動させて巻き胴３をスラット巻きとり方向に回転
させ、前記と逆の動作によりこれを行うものである。

なお前記実施例においては、スラットをアルミニュー
ム製としたが、これを硬質の合成樹脂製とすることも可
能であり、またガイドレール、座板等に各種スイッチを
組み込み、これを用いて部分的に密閉、格子状体にスラ
ットを停止させるようにしてもよい。

さらに本考案は前記実施例に限定されるものではな
く、考案の趣旨を変更しない限度において種々の修正、
設計変更が可能であることはいうまでもない。

［考案の効果］ 本考案は前記の構成であるから、安定感にすぐれ、使
い勝手のよいシャッターを提供することが可能となる。
しかも支持紐を用いず、ガイドレール内でスラットを支
持させるので体裁がよく、また透視性にもすぐれている
などの特有の効果を奏する。

また本考案のシャッターは、開口部の採光、斜光の目
的のみならず、例えば機械室、電気室のルーバーとし
て、あるいはダクト装置のダンパーとして使用すること
も可能であり、汎用性に富んでいる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は同上
側面図、第３図はリンク機構の吊り元を示す一部省略し
た側面図、第４図はリンク機構の要部を示す平面図、第
５図は同上側面図、第６図は第１のリンクを示す平面
図、第７図は同上斜視図、第８図は第２のリンクを示す
正面図、第９図は同上側面図、第10図はスラットを示す
断面図、第11図は座板を示す断面図、第12図はガイドレ
ールを示す断面図、第13乃至第17図は作動状態を示す図
である。 1:シャッター、2:ケース、3:巻き胴、4:ガイドレール、
5:リンク機構、6:スラット、6a:補強用リブ、7:軸受、
8:チェーン、9:取付金具、10:第１リンク、11:第２リン
ク、12、18:リンク本体、13:凹所、14:凹所側壁、15:透
孔、16:ブラケット、17:ビス孔、19、20:ボス、19a、20
a:ボス孔、21:ストッパ、22:シャフト、23:凸部、24:凹
部、26:ビス、27:座板、28:ガイド溝、P:支持台、S:空
間

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口間口部の両側部に配置されたガイドレ
   ールと、 複数の第１のリンクと、該第１のリンクとは回動可能に
   軸着される複数の第２のリンクとが交互に連接して構成
   され、前記ガイドレール内を上下方向に摺動し得るリン
   ク部材と、 前記リンク部材間を、前記第１のリンクの１個おきに接
   合して配置されるスラットと、 前記開口間口上部に配設され、前記リンク部材、前記ス
   ラットを巻取るための巻取り機構と、から成り、 前記スラットは、前記第１のリンクとほぼ同一幅に設定
   され、 前記巻取り機構から前記スラットを下降させ、スラット
   の最下端部が床面に接触した後、更にスラットを下降さ
   せた際に、前記スラットが接合されていない第１のリン
   クが第２のリンクとの間の回動により前記ガイドレール
   内で順次重なり合って収納されることを特徴とするシャ
   ッター。