JP2504221Y2 - ガス容器の誤装填防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は着脱式ガス容器を使用す
るガス器具においてガス容器の誤装填を防止する装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のガス器具は、ガス容器を正しく
セットしたときにはじめて気化ガスをバルブノズルから
吐出させる構造を有し、そのためにガス容器の位置を合
わせる切欠がガス容器のフランジに設けてあり、セット
の際にその切欠を器具側に設けた突起に嵌め合わせるよ
うになっている。しかし位置合わせをせずにガス容器を
無理に押し付けると、そのフランジを変形させてしまう
ことになり、ガス器具を破損させるおそれがある。そし
てさらにガス容器が接続されてしまった場合には、摘み
を操作するとガスを吐出させる危険がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は前記の点に着
目してなされたものでその課題とするところは、ガス容
器が誤装填されたときに、ガス器具の着火操作をする摘
みが動かせないようにすることにより危険を防止するこ
とである。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】前記課題を解決するた
め本考案は、ガスの吐出が可能なバルブノズルを取り囲
むフランジ１１に位置合わせ用の切欠１２が設けられた
ガス容器１０を使用するためのガス器具において、ガス
容器１０が正しく装填されたときは先端１３が前記切欠
１２内に入り込んで係合し、それ以外の場合には前記フ
ランジ１１に当接して押し戻される、検出ピン１４をガ
ス器具の本体側部材１６に軸方向移動可能に取り付ける
とともに、該ピン１４を先端１３が突出する方向へ付勢
するばね１７を設け、検出ピン１４がフランジ１１によ
ってばね１７に抗して押されたときに押し出される後端
１５と係合し、摘み１８の動きを拘束する凹部１９を摘
み１８に設けるという手段を講じたものである。

【０００５】

【実施例】図１は、ガスの突出が可能な突出口（バルブ
ノズルと通称する。）２３を取り囲むフランジ１１を有
し、その一部に位置合わせ用の切欠１２が形成されたガ
ス容器１０を使用するガス器具Ａを示している。

【０００６】ガス器具Ａは本体の一側にガス容器収納室
Ｂを有し、その前方にガス容器１０を接続するためのガ
バナが本体側部材１６として設置してある。さらにその
前方に位置する本体正面には着火操作のための摘み１８
が回動可能に設けてある。

【０００７】ガス容器１０は円筒型を有し、その中にバ
ルブノズル２３が通じるサイフォン管２４が内蔵されて
いて気化ガスを取り出す構造である。故にフランジ１１
の切欠１２はこのサイフォン管２４の向きを示している
（図２（ｂ）参照）。２５は弁であり、ノズル２３の押
し込みにより開弁する。

【０００８】そのフランジ１１の切欠１２と係合し、或
いはまたフランジ１１と当接してガス容器１０の向き
（姿勢）の当否を検出可能な検出ピン１４が、ガス容器
が正しく装填された場合に切欠１２が占めるべき位置に
取り付けられる。

【０００９】実施例では本体側部材１６であるガバナの
上部にガス容器１０を着脱する方向に貫通孔２０を形成
し、そこに検出ピン１４を軸方向移動可能に嵌めて取り
付けている。この検出ピン１４は１本の軸状の部材から
なり、ガス容器１０のフランジ１１に当接可能な先端１
３と、摘み１８に当接可能な後端１５とを有し、両端部
間の長さは先端１３がフランジ１１に当接しているとき
は後端１５が摘み１８にかかる程度の長さである。さら
に摘み１８の裏面には、摘み１８を操作しない位置で後
端１５を係入させる凹部１９が設けてある。

【００１０】検出ピン１４にはその先端寄りにばね受け
２１が取り付けてあり、貫通孔２０の拡大部に収納した
コイル状のばね１７の一端が接していて、該ピン１４を
ガス容器１０の方向へ付勢している。また検出ピン１４
の後端１５寄りにはストッパ２２が取り付けてあり、先
端１３を切欠１２と係合し得る位置まで突出させた状態
で停止させている。

【００１１】なお、摘み１８は中心の軸２６の周りに回
転させることができる構造であり、操作しないときは必
ず消火位置にあるものとする。また貫通孔２０はガバナ
が十分大きい場合にはその一部を利用して形成しても良
いが、そうでない場合には貫通口２０を設けた部材をガ
バナ上に取り付けても良い。

【００１２】このように構成された本考案の装置では、
ガス容器１０を正しくセットしたときは、ばね１７によ
って押されている検出ピン１４の先端１３がフランジ１
１の切欠１２に係合するので摘み１８を操作することが
できる（図２（ａ）、（ｂ））。これに対しガス容器１
０が誤装填されようとしている場合には、フランジ１１
が検出ピン１４の先端１３をばね１７に抗して押すの
で、検出ピン１４が後退し、摘み１８の凹部１９に嵌ま
り込むので摘み１８を操作することはできなくなる（図
３（ａ）、（ｂ））。

【００１３】

【考案の効果】本考案は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、ガス容器１０を誤装填しようとした
ときには検出ピン１４がばね１７に抗して後退するので
フランジ１１を変形させるには到らず、検出ピン１４の
後端１５が摘み１８の凹部１９に係入してこれを拘束す
るので摘みを操作できなくなり、従ってガスを吐出させ
ることを防止できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る誤装填防止装置を組み込
んだガス容器の斜視図。

【図２】（ａ）同上装置の正常セット時の平面説明図。 （ｂ）同じく一部破断側面説明図。

【図３】（ａ）同じく誤装填時の平面説明図。 （ｂ）同じく一部破断側面説明図。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスの吐出が可能なバルブノズルを取り
   囲むフランジ１１に位置合わせ用の切欠１２が設けられ
   たガス容器１０を使用するためのガス器具において、ガ
   ス容器１０が正しく装填されたときは先端１３が前記切
   欠１２内に入り込んで係合し、それ以外の場合には前記
   フランジ１１に当接して押し戻される、検出ピン１４を
   ガス器具の本体側部材１６に軸方向移動可能に取り付け
   るとともに、該ピン１４を先端１３が突出する方向へ付
   勢するばね１７を設け、検出ピン１４がフランジ１１に
   よってばね１７に抗して押されたときに押し出される後
   端１５と係合し、摘み１８の動きを拘束する凹部１９を
   摘み１８に設けたことを特徴とするガス容器の誤装填防
   止装置。
2. 【請求項２】 本体側部材１６はガス容器１０から吐出
   したガスの圧力を調圧するガバナであり、その上部に設
   けられた貫通孔２０に検出ピン１４を嵌挿し、そのピン
   １４の先端寄りに設けたばね受け２１と本体側部材１６
   との間にコイル状のばね１７を介装し、先端１３が切欠
   １２と係合し得る位置まで突出した状態で検出ピン１４
   を固定するため本体側部材１６に係止するストッパ２２
   を検出ピン１４の他方の端部寄りに設けた構成を有する
   請求項第１項記載のガス容器の誤装填防止装置。