JP2504033B2 - アンチモン含有難燃剤の製造方法 - Google Patents

アンチモン含有難燃剤の製造方法

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JP2504033B2
JP2504033B2 JP62051071A JP5107187A JP2504033B2 JP 2504033 B2 JP2504033 B2 JP 2504033B2 JP 62051071 A JP62051071 A JP 62051071A JP 5107187 A JP5107187 A JP 5107187A JP 2504033 B2 JP2504033 B2 JP 2504033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアンチモン含有難燃剤の製造方法に関する。
更に詳しくは酸化珪素と三酸化アンチモンあるいは酸化
珪素と3酸化アンチモン及び酸化錫よりなるSb2O3−SiO
2系、あるいはSb2O3−SnO2−SiO2系の無定形(ガラス
状)の合成樹脂等に用いる難燃剤の製造方法に関する。
(従来の技術) アンチモン系難燃剤として従来より、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、オキ
シ塩化アンチモン等は単独、または臭素系難燃剤または
燐系難燃剤との併用によりハロゲン含有樹脂、およびポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹
脂、ポリスチレン樹脂等のハロゲン非含有樹脂の難燃剤
として用いられている。
アンチモン系難燃剤の内、特に三酸化アンチモンは優
れた難燃性を有するため多量に使用されている。しかし
三酸化アンチモンは屈折率が高く、粒子径が大きいため
に樹脂の透明性を著しく低下させる欠点を有している。
この欠点を改良する方法として微粒三酸化アンチモンの
製造法が提案されている(特公昭45−14359号特公昭45
−40166号、特公昭46−7170号等)。
また、気相法による超微粉末三酸化アンチモン(パト
ックス−U:日本精鉱社製)が市販されている。この超微
粉末三酸化アンチモンはかなり優れた透過透明性を示す
ものゝやはり屈折率の大きさのために顔料による着色性
を低下させる欠点は解決されていない。
一方、五酸化アンチモンは屈折率が1.7で樹脂に近い
ために優れた透明性を示し、顔料の着色性を低下させる
ことはないが、固体酸性が強いために樹脂を着色させた
り、結晶水の存在のために成形時の発泡を引起すなどの
欠点を有している。
アンチモン系難燃剤はプリント基板の難燃用として使
用されているが、回路をメッキする場合、五酸化アンチ
モンは問題ないが、三酸化アンチモンはメッキ浴中に溶
解しメッキ特性を阻害する欠点を有している。
また、ハロゲン化ポリカーボネート樹脂、有機ハロゲ
ン化合物を含有するポリカーボネート樹脂は三酸化アン
チモンを加えて成形すると成形時解重合が起こり、樹脂
成形物の機械的物性が低下する欠点がある。
上記三酸化アンチモン、五酸化アンチモンの欠点を改
良するべく種々のアンチモン含有難燃剤の提案がなされ
ている。
例えば、本発明者等は特開昭60−147474号でアンチモ
ン酸ナトリウムと燐酸水溶液を反応してえたアンチモン
酸燐酸ナトリウムコロイド溶液を乾燥して製造したSb2O
5−P2O5−Na2O系のガラス状物質が難燃剤として有効で
あると提案したが、このガラス状物質は硬いため微粉末
化に問題があるという欠点を有している。
また、特公昭52−33141には含水珪酸化合物(含水珪
酸カルシウム、含水珪酸マグネシウム、メタ燐酸バリウ
ム、含水シリカ等)と三酸化アンチモンとを三酸化アン
チモンと含水珪酸化合物の重量比が1:4〜1:1になるよう
に混合し、次いでこの混合物を酸素含有雰囲気中で400
〜550℃の温度範囲で焼成する方法により無定形で屈折
率が1.5〜1.7のアンチモン含有難燃剤を製造できる事が
記載されている。しかし、この難燃剤は焼成温度が高
く、粉砕しても超微粒子が得られないことから完全な透
明性が得られない欠点を有している。
近年、電子電気産業、自動車産業、建築産業などの著
しい発展にともない、各種部品、材料等の難燃性が問題
となり、これらの部品や材料の難燃化が必要になって来
た。特に需要の多様化に伴い透明性や着色性の優れた難
燃剤の要求が益々増加してきている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は上記実情に鑑み、透明性や着色性に優
れ、かつ合成樹脂の引張り強さ、衝撃強さ、成形性、熱
安定性、耐候性などの主要特性を損なうことのないアン
チモン含有難燃剤について鋭意研究を重ねた結果、珪酸
アルカリあるいは珪酸アルカリおよび錫酸アルカリを混
合したアルカリ水溶液に3塩化アンチモンの塩酸水溶液
を添加した後、得られたスラリーを濾過洗浄し、次いで
乾燥する事により本発明の目的を達成できるアンチモン
含有難燃剤が得られることを見出した。
本発明の目的は、合成樹脂の難燃剤として、透明性や
着色性に優れ、かつ合成樹脂の主要特性を損なうことの
ないアンチモン含有難燃剤の提供にある。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は珪酸アルカリのアルカリ水溶液に三塩
化アンチモンの塩酸水溶液を、三酸化アンチモン、酸化
珪素換算の重量比でSiO2/Sb2O3が2/3〜7/3になるように
添加した後、得られたスラリーを濾過洗浄し、次いで25
0〜350℃で乾燥し、粉砕することを特徴とする無定形の
微粉末のアンチモン含有難燃剤の製造方法に関する。
また本発明は珪酸アルカリと錫酸アルカリを酸化珪
素、酸化錫換算の重量比でSnO2/SiO2が2以下に混合し
たアルカリ水溶液に三塩化アンチモンの塩酸水溶液を、
三酸化アンチモン換算の重量比で、(SiO2+SnO2)/Sb2
O3が2/3〜7/3になるように添加した後、得られたスラリ
ーを濾過洗浄し、次いで250〜350℃で乾燥し、粉砕する
ことを特徴とする無定形の微粉末のアンチモン含有難燃
剤の製造方法に関する。
以下本発明を更に詳細に説明する。本発明の難燃剤に
おいてSiO2、SnO2、Sb2O3の混合比はSiO2/Sb2O3または
(SiO2+SnO2)/Sb2O3重量比が2/3〜7/3が好ましい。
この比が2/3未満であるとアンチモン含有無機組成物
中に結晶性Sb2O3が共存してくるため、難燃剤として使
用した場合に樹脂の難燃性は低下しないが、透明性が低
下するため好ましくない。またこの比が7/3より大きく
なると、樹脂の透明性は低下しないが、難燃効果が低下
するため好ましくない。
更に、本発明の三酸化アンチモンとシリカの系に酸化
スズを加えると透明性を低下させないで難燃性を向上で
きる。シリカと酸化スズの混合比はSnO2/SiO2重量比で
2以下が好ましい。2を越えると屈折率が大きくなり樹
脂の透明性が低下するし、乾燥品が黄味をおびるために
好ましくない。
本発明で用いる珪酸アルカリのアルカリ水溶液とは珪
酸アルカリあるいはシリカゾルを水酸化アルカリに溶解
したものである。水酸化アルカリの代わりにアルカリと
してトリエタノールアミン、第4級アンモニウムハイド
ロオキサイド、グアニジンハイドロオキサイド等も使用
出来るが、経済性、廃液処理などの点で好ましくない。
アルカリ水溶液に添加する珪酸アルカリは市販の固体
または水溶液のものが使用出来る。市販の珪酸アルカリ
(アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム)はシリ
カと炭酸アルカリ、または水酸化アルカリと混合、溶融
することにより製造されており、SiO2/M2Oモル比(M;ア
ルカリ金属)が1〜4の範囲が一般的である。
本発明で使用できる珪酸アルカリのアルカリとしては
リチウム、ナトリウム、カリウムが使用できるが、経済
的には珪酸ナトリウムが最も好ましい。
一般に珪酸アルカリ水溶液(水ガラス水溶液)中で珪
酸イオンはSiO2/M2Oモル比が高い場合は、ポリシリケイ
トアニオンの形で存在しているが、SiO2/M2Oモル比が1
以下ではモノマーとして存在することが知られている。
本発明で用いる珪酸アルカリのSiO2/M2Oモル比は特に限
定しないが、本発明において珪酸アルカリのアルカリ水
溶液中、または珪酸アルカリと錫酸アルカリのアルカリ
水溶液中において、SiO2/M2Oまたは(SiO2+SnO2)/M2O
モル比として2以下、特に0.3〜1.5が好ましい。0.3未
満になると副生するアルカリの塩化物が多くなるため好
ましくない。アルカリ水溶液中のSiO2/M2Oモル比が高い
とポリシリケイトアニオの形で存在しており、酸の添加
によりコロイダルシリカになり、本発明の目的物が得ら
れない。
本発明で用いる錫酸アルカリはα錫酸ナトリウムNa2O
・SnO2・3H2O、β錫酸ナトリウムNa2O・5SnO2・8H2O、N
a2O・9SnO2・8H2O、α錫酸カリウムK2SnO3・8H2O、β錫
酸カリウムK2O・5SnO2・4H2Oなどが使用出来る。
本発明において使用する三塩化アンチモンの塩酸水溶
液はCl/Sbモル比が3.5〜10のものを使用することができ
るが、塩酸量が少ないとオキシ塩化アンチモンが析出す
ることからCl/Sbモル比が5〜10のものが好ましい。10
を越えると副性する塩の量が多くなり好ましくない。
この三塩化アンチモンの塩酸水溶液は三酸化アンチモ
ン、オキシ塩化アンチモン(SbOClなど)、三塩化アン
チモンなどのアンチモン化合物を塩酸に溶解することに
よって容易に製造することが出来る。アンチモン化合物
としては、臭化アンチモン、酒石酸アンチモン、硫化ア
ンチモンなども使用することができる。また酸としては
塩酸のほかに酒石酸などを使用することも可能である
が、経済性、廃液処理の問題などからして好ましくな
い。
上述した本発明の難燃剤の出発原料を用いての難燃剤
の製法を以下に説明する。
珪酸アルカリのアルカリ水溶液または珪酸アルカリと
錫酸アルカリのアルカリ水溶液中に三塩化アンチモンの
塩酸水溶液を添加しなければならない。この際に酸化珪
素、三酸化アンチモン、酸化錫換算の重量比でSiO2/Sb2
O3が2/3〜7/3、或いは(SiO2+SnO2)/Sb2O3が2/3〜7/3
かつSnO2/SiO2が重量比で2以下になるように添加しな
ければならない。この範囲外では目的とするアンチモン
系難燃剤ができない。
また、この際に珪酸アルカリのアルカリ水溶液または
珪酸アルカリと錫酸アルカリのアルカリ水溶液中のアル
カリ量と三塩化アンチモンの塩酸水溶液中の塩酸量はほ
ゞ中和される量であることが必要である。上記アルカリ
水溶液と塩酸水溶液を混合した際の液のpHは5〜10であ
ることが好ましい。pH10を越えても目的とする難燃剤は
得られるがアルカリが残存し易くなり好ましくない。難
燃剤中に多量のアルカリの存在は難燃性にはあまり影響
を与えないが、樹脂の電気特性を著しく悪くしたり、粉
の耐湿性も著しく悪くする。pH5未満ではオキシ塩化ア
ンチモンが生成するために好ましくない。
本発明において珪酸アルカリのアルカリ水溶液または
珪酸アルカリと錫酸アルカリのアルカリ水溶液中のアル
カリ水溶液に三塩化アンチモンの塩酸水溶液を添加する
とアルカリが大過剰に存在するために上記塩酸水溶液の
添加量の少ないところでは亜アンチモン酸ナトリウムな
どになって溶解するため混合液は透明となる。即ち珪酸
イオン及び錫酸イオン、亜アンチモン酸イオンが共存す
ることになりこの段階では反応は起きていない。更に上
記塩酸溶液の添加していくと、pHの低下とともに反応し
てSb2O3−SiO2系コロイド、又はSb2O3−SnO2−SiO2系コ
ロイドが析出する。このコロイドはpHが低下するに従い
粒子成長し20〜300mμの大きさになる。粒子の大きさは
反応液中のSiO2及び又はSnO2とSb2O3の濃度により異な
り、形状は単一分散粒子ではなく、粒子が長くつながっ
た形状をしめしている。
本発明方法とは逆に三塩化アンチモンの塩酸水溶液に
珪酸アルカリのアルカリ水溶液または珪酸アルカリと錫
酸アルカリのアルカリ水溶液を添加すると、一部は上記
Sb2O3−SiO2系コロイド、Sb2O3−SnO2−SiO2系コロイド
が生成するが大部分はコロイダルシリカ、オキシ塩化ア
ンチモン、三塩化アンチモンの共存となり、また錫があ
る時はこれらに加えて酸化錫も共存し、目的の難燃剤が
得られないので好ましくない。
珪酸アルカリのアルカリ水溶液または珪酸アルカリと
錫酸アルカリのアルカリ水溶液に三塩化アンチモンの塩
酸水溶液を添加すると中和反応のため発熱により液温が
上昇する。三酸化アンチモンの析出速度は温度が高い程
大きくなるので、液温は低い方が好ましい。従って、室
温で混合を開始しても場合によっては反応容器を冷却す
ることが必要となる。上記塩酸水溶液を添加する際の撹
拌は強い程好ましい。
また、上記アルカリ水溶液中のSiO2あるいは(SiO2
SnO2)の濃度は1〜10%が好ましい。1%以下では生産
生が悪く、10%以上では上記塩酸水溶液添加後のスラリ
ーの粘度が高くなり撹拌が困難になり好ましくない。
上記塩酸水溶液中のSb2O3濃度は2〜20%のものが使
用出来るが、濃度が低いと反応容器の容量が大きくなり
すぎ生産性が悪くなり、高すぎると反応が不均一になる
ため5〜15%が好ましい。
本発明の反応において生成する、Sb2O3−SiO2系コロ
イドあるいはSb2O3−SnO2−SiO2系コロイドは凝集して
スラリーとなる。このスラリーは減圧ロ過、遠心ロ過、
加圧ロ過などの方法により容易に分離することが出来
る。
又、ロ過性が非常に良好であることから、多量に副生
するNaCl、KClなどの塩あるいはアルカリは水洗浄する
ことに容易に除去することが出来る。ロ過、洗浄により
得られたSb2O3−SiO2系、Sb2O3−SnO2−SiO2系コロイド
凝集体のウエットケーキは含水量が60%以上と大きいに
もかかわらず粘着性がなく非常に取扱い易い。
本発明の上記ウェットケーキの乾燥には熱風乾燥機、
キルン乾燥機、減圧乾燥機などが使用出来るし、上記ウ
ェットケーキを水に分散させ噴霧乾燥、ドラム乾燥等を
適用することが出来る。
本発明において乾燥温度は100〜500℃が好ましい。50
0℃を越えても可能であるが、高すぎると焼結が起こる
ため好ましくない。乾燥温度が250℃未満だと結合水が
残存することから、250〜350℃で乾燥することが特に好
ましい。
このようにして得られた乾燥物は粉末X線回折の結果
によると無定形(ガラス状)であった。
上述した方法で得られた上記乾燥物はほとんど焼結し
ておらず、非常に容易に粉砕し本発明のアンチモン含有
難燃剤とすることが出来る。粉砕にはミキサー、ピンデ
イスクミル、ボールミル、ジェットオーマイザー等の公
知の粉砕機が使用できる。粉砕により得られたパウダー
は20〜300mμの大きさの1次粒子が凝集した0.2〜3μ
の粒子径であり、かさ比重は0.1〜0.3と非常に小さく、
屈折率は1.5〜1.8である。
このようにして得た本発明のアンチモン含有難燃剤
は、塩化ビニル樹脂とエチレン、プロピレン、塩化ビニ
リデン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル等の共重合体であるハロゲン含有樹脂、また、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリス
チレン、ポリカーボネート、ポリエステルの単独、ある
いは共重合体であるハロゲン非含有熱可塑性樹脂、エポ
キシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂及び熱可塑性エ
ラストラマー等の合成ゴムに対して使用出来る。
尚、ハロゲン含有樹脂以外の樹脂、合成ゴムについて
はヘキサブロモベンゼン、ペンタクロロフェノール、デ
カブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフェニル
エーテル、テトラブロモビスフェノールA、塩素化パラ
フィン等の有機ハロゲン化合物と本発明のアンチモン含
有難燃剤を併用することにより良好な難燃硬化が得られ
る。
本発明のアンチモン含有難燃剤の屈折率は1.5〜1.8で
あり、樹脂に添加しても樹脂の透明性、着色性は良好で
ある。又、このアンチモン含有難燃剤を上記樹脂に添加
しても、引張り強さ、衝撃強さ、成型性、熱安定性、耐
候性等の樹脂の基礎物性を損なうことはない。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 市販珪酸ソーダ(JIS3号:富士化学社製:SiO228.8
%、Na2O9.3%)1355gに水5300gを加え、次いで固形苛
性ソーダ(試薬、純度93%)655gを徐々に加え溶解し
た。溶液中のSiO2濃度は5.33重量%、Na2O濃度は8.14重
量%、SiO2/Na2Oモル比は0.68である。
別に35%塩酸2000gに水1000gを加え、次いで三酸化ア
ンチモン(三国製錬社製:Sb2O399.5%)475gを撹拌しな
がら添加し、溶解させた。溶液中のSb2O3濃度は13.6重
量%、HCl20.1重量%で、Cl/Sbモル比は5.9である。こ
の溶液は放置してもオキシ塩化アンチモンの生成はなく
安定であった。
上記珪酸ソーダの水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しな
がら、上記の三塩化アンチモンの塩酸水溶液を添加し
た。添加時間は約30分で、添加終了時のpHは8.0であっ
た。添加終了後も約1時間撹拌を続行した。
得られたスラリー中のSiO2−Sb2O3系コロイド凝集体
濃度は8.0重量%であった。このスラリーを吸引ロ過に
てロ過し、1回3の水で4回洗浄を行った。ロ過洗浄
にようした時間は1時間であった。得られたウェットケ
ーキの重量は4800gで含水率は82.0%と非常に大きい
が、ケーキは取扱い易かった。これを熱風乾燥機で180
℃で乾燥した。乾燥ケーキの重量は920gであった。この
乾燥ケーキは非常に脆く、指で抑えるだけで容易に粉砕
することが出来た。これをピンディスクミルで粉砕し
た。粉砕時パウダーの装置への付着はほとんどなかっ
た。得られたパウダーのかさ比重は0.2と著しく小さ
く、遠心法で測定した粒子径は1.4μであった。
このパウダーのSiO2/Sb2O3重量比は45/55であった。
このパウダーの粉末X線回折を行ったところ図1に示す
ように無定形であった。
実施例2 市販珪酸ソーダ(JIS3号:富士化学社製:SiO228.8
%、Na2O9.3%)1880gに水6000gを加え、次いで固形苛
性ソーダ(試薬、純度93%)382gを徐々に加え溶解し
た。溶液中のSiO2濃度は6.53重量%、Na2O濃度は5.44重
量%、SiO2/Na2Oモル比は1.23である。
別に35%塩酸1500gに水1000gを加え、次いで三酸化ア
ンチモン(三国製錬社製:Sb2O399.5%)362gを撹拌しな
がら添加し、溶解させた。溶液中のSb2O3濃度は12.6重
量%、HCl18.3重量%で、Cl/Sbモル比は6.0である。こ
の溶液は放置してもオキシ塩化アンチモンの生成はなく
安定であった。
上記珪酸ソーダの水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しな
がら、上記の三塩化アンチモンの塩酸水溶液を添加し
た。添加時間は約20分で、添加終了時のpHは7.6であ
り、液温は48℃であった。添加終了後撹拌を約1時間続
行した。
得られたスラリー中のSiO2−Sb2O3系コロイド凝集体
濃度は8.1重量%であり、(NaCl濃度は7.6重量%、全固
形分は15.7%であった。)このスラリーを吸引ロ過にて
ロ過し、1回3の水で4回洗浄を行った。ロ過洗浄に
ようした時間は45分であった。得られたウェットケーキ
の重量は3010gで含水率は70%であった。このウェット
ケーキを熱風乾燥機で200℃で乾燥した。乾燥ケーキの
重量は940gであった。この乾燥ケーキをピンディスクミ
ルで粉砕しパウダーとした。得られたパウダーのかさ比
重は0.13で、遠心法で測定した粒子径は1.1μであっ
た。
このパウダーの粒子径は1.1μであるが、図3に難燃
剤パウダーの粒子構造の透過型電子顕微鏡写真(20万
倍)を示すように一次粒子径は30〜150mμであり極めて
小さい粒子の集合体である。このパウダーの比表面積は
20.8m2/gで真比重が2.95であり、比表面積より計算した
粒子径は98mμと非常に小さい値を示した。この値は電
子顕微鏡の粒子径とほゞ一致する。
パウダー中のナトリウムと塩素の残存量は分析の結
果、Na2Oとして0.8%、Clとして0.2%であった。
又、このパウダーの示差熱分析の結果300℃までは脱
水による重量減が認められたがそれ以上では認められな
かった。300℃までの含水量は4.2%であった。このパウ
ダーのSiO2/Sb2O3重量比は60/40であった。このパウダ
ーの粉末X線回折の結果は無定形であり、屈折率は1.57
であった。
実施例3 市販珪酸ソーダ(JIS3号:富士化学社製:SiO228.8
%、Na2O9.3%)435gに水2000gを加え、次いで固形苛性
ソーダ(試薬、純度93%)112gを徐々に加え溶解させ
た。更に錫酸ナトリウム(Na2SnO3・3H2O:関東化学社
製)112gを加え溶解させた。溶液中のSiO2濃度は4.70重
量%、SnO2濃度は2.35%、Na2O濃度は5.57重量%、(Si
O2+SnO2)/Na2Oモル比は1.04である。
別に35%塩酸500gに水200gを加え、次いで三酸化アン
チモン(三国製錬社製:Sb2O399.5%)125gを撹拌しなが
ら添加し、溶解させた。溶液中のSb2O3濃度は15.2重量
%、HCl21.2重量%で、Cl/Sbモル比は5.56である。この
溶液は放置してもオキシ塩化アンチモンの生成はなく安
定であった。
上記珪酸ソーダの水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しな
がら、上記の三塩化アンチモンの塩酸水溶液を添加し
た。添加時間は約30分で、添加終了時のpHは6.0であっ
た。添加終了後約1時間撹拌を続行した。スラリーの粘
度は低く、色調は極わずかに黄味をおびていた。
このスラリーを吸引ロ過にてロ過し、1回2の水で
4回洗浄を行った。ロ過洗浄にようした時間は2時間で
あった。得られたウェットケーキの重量は1350gで含水
率は77%であった。このウェットケーキを熱風乾燥機で
300℃で乾燥した。乾燥ケーキの重量は315gであった。
この乾燥ケーキに着色はなかった。このケーキをピンデ
ィスクミルで粉砕しパウダーとした。得られたパウダー
の含水量は0.5%で、かさ比重は0.25で粒子径は1.6μで
あった。
このパウダーの真比重は3.7で屈折率は1.68であり、粉
末X線回折の結果は無定形であった。
このパウダーの(SiO2+SnO2)/Sb2O3重量比は60/40で
あり、電子顕微鏡観察による一次粒子の大きさは20〜10
0mμであった。
比較例1 35%塩酸2000gに水1000gを加え、次いで三酸化アンチ
モン(三国製錬社製)450gを撹拌しながら添加し溶解し
た。この溶液中のSb2O3濃度は13.0%であった。
一方、市販珪酸ソーダ(JIS3号:富士化学社製:SiO22
8.8%、Na2O9.3%)1270gに水5200gを加え、次いで固形
苛性ソーダ(試薬、純度93%)667gを撹拌しながら添加
し溶解させた。
上記三塩化アンチモンの塩酸溶液に撹拌しながら珪酸
ソーダの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加した。添
加量が多くなると増粘が著しくなるため水を1000g加
え、更に添加を続け約1時間で添加を終了した。添加終
了時のpHは7.5であった。添加終了後1時間撹拌を続け
た。
得られたスラリーを吸引ロ過したがロ過性は悪かっ
た。ロ過後1回当たり3.5の水を用いて3回注水洗浄
を行った。ロ過、洗浄に7時間を要した。得られたウェ
ットケーキ4020gを180℃の熱風乾燥機で乾燥した。乾燥
ケーキは860gで実施例で示した乾燥ケーキよりもかなり
硬かった。ミキサー粉砕後、粉末X線回折を行ったとこ
ろ図2に示すように三酸化アンチモンの非常におおきな
ピークが観察された。
SiO2とSb2O3の比はSiO2/Sb2O3重量比で45/55である。
電子顕微鏡の観察結果によると、SiO2−Sb2O3系コロイ
ド、SiO2コロイド、Sb2O3又はSbOClコロイドの混合物で
あった。
比較例2 市販珪酸ソーダ(JIS3号:富士化学社製:SiO228.8
%、Na2O9.3%)208gに水1500gを加え、次いで固形苛性
ソーダ(試薬、純度93%)179gを撹拌しながら添加し溶
解させた。
一方、35%塩酸500gに水200gを加え三酸化アンチモン
120gを撹拌しながら溶解させた。
上記珪酸ソーダの水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しな
がら上記三塩化アンチモンの塩酸水溶液を約30分で添加
した。添加終了時のpHは6.7であった。添加終了後約1
時間撹拌を続行した。得られたスラリーを吸引ロ過し、
1回2の水で3回注水洗浄を行った。ウェットケーキ
の重量は750gで含水量は76%であった。このケーキを20
0℃の熱風乾燥機で乾燥した。この乾燥品をミキサー粉
砕後、粉末X線回折を行ったところ三酸化アンチモンの
まだかなり大きなピークが観察された。
この組成物のSiO2とSb2O3の比はSiO2/Sb2O3重量比で3
3/67であった。
〔難燃性の評価〕
表−1に示すように合成樹脂100重量部に実施例、及
び比較例で製造したアンチモン含有難燃剤、有機ハロゲ
ン化合物、青色顔料等を配合し高速回転ミキサーで充分
混合した後、射出成型にて3.2mm厚のテストピースを作
成し、えられた難燃性樹脂組成物の主要物性、難燃性、
透明性、着色性を測定した。尚、乾燥温度の低いものに
ついては300℃で乾燥した上で使用した。又、塩化ビニ
ールについては熱ロール混練後、プレス成型を行い、同
様の測定を行った。
難燃性:米国のUL規格第94号に準じ測定した。難燃性の
良いものから94−V−0、94−V−1、94−V−2、94
HBとなる。
透明性:透過率(%)で示す。塩ビは1mmのプレスシー
トを用いた。
青色性:視覚により青色の鮮やかの優劣を判定した。
主要物性:熱安定性、耐候性、引張り強さ、耐衝撃性を
測定した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた粉末のX線回折図、第2図
は比較例1で得られた粉末の粉末X線回折図、第3図は
実施例2で得られた粉末の粒子構造を示す透過型電子顕
微鏡写真(20万倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 21/02 C09K 21/02 (72)発明者 宍戸 浩二 船橋市坪井町722番地1 日産化学工業 株式会社中央研究所内 審査官 徳永 英男 (56)参考文献 特公 昭52−33141(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪酸アルカリのアルカリ水溶液に三塩化ア
    ンチモンの塩酸水溶液を、三酸化アンチモン、酸化珪素
    換算の重量比でSiO2/Sb2O3が2/3〜7/3になるように添加
    した後、得られたスラリーを濾過洗浄し、次いで250〜3
    50℃で乾燥し、粉砕することを特徴とする無定形の微粉
    末のアンチモン含有難燃剤の製造方法。
  2. 【請求項2】珪酸アルカリと錫酸アルカリを酸化珪素、
    酸化錫換算の重量比でSnO2/SiO2が2以下に混合したア
    ルカリ水溶液に三塩化アンチモンの塩酸水溶液を、三酸
    化アンチモン換算の重量比で、(SiO2+SnO2)/Sb2O3
    2/3〜7/3になるように添加した後、得られたスラリーを
    濾過洗浄し、次いで250〜350℃で乾燥し、粉砕すること
    を特徴とする無定形の微粉末のアンチモン含有難燃剤の
    製造方法。
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