JP2501438B2 - 低炭素鋼線材および棒鋼の製造法 - Google Patents

低炭素鋼線材および棒鋼の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は伸線加工や冷間鍛造加工に供せられるところ
の強度が低く、かつ加工性にすぐれた低炭素鋼線材およ
び棒鋼の製造法に関するものである。
[従来の技術] 低炭素鋼線材および棒鋼(以下、低炭素棒線と称す)
は通常0.2%以下の炭素を含有する普通炭素鋼で、熱間
圧延後、いわゆる二次加工工程と称される伸線、冷間鍛
造、焼鈍などの工程を経て多くの鋼製品の製造に供され
ている。低炭素棒線の材質上の特徴は、いうまでもなく
軟質で加工性にすぐれていることである。特に、引張強
さが低く、また冷間加工段階での加工硬化が小さいこと
は、焼鈍工程の省略化あるいは工具寿命の向上という経
済的な効果を生み出すため、従来低炭素棒線の軟質化を
目的とする多くの研究開発がなされている。
低炭素棒線を軟質化するための基本的な考え方を要約
すると次のようになる。
(1) C,Si,Mn,P等、含有成分量を低減して、純鉄に
近い組成とする。
(2) フェライト中に固溶しているCおよびNをそれ
ぞれ炭化物および窒化物という形に固定して時効硬化を
減らす。
(3) フェライト結晶粒を大きくする。
(1)に関しては、特公昭59-3535に述べられている
が、低炭素鋼でありながらSi,Mn,Al等の脱酸元素が少な
いために健全な鋳片肌が得にくいこと、また非金属介在
物が多いために加工性が劣るという問題点がある。
(2)に関しては、Nに起因する時効を防止する手段と
してAl,Bなどを添加する技術が特開昭55-61319、特開昭
56-158841、および特開昭59-215463に述べられている。
これらはいずれも固溶Nに起因する時効の抑制には有効
だが、固溶Cに起因する時効を防止することができない
ため時効抑制効果には自ずと限界がある。これに対して
「鉄と鋼(日本鉄鋼協会)」第70巻第5号、S535ページ
に公表されているようにTi添加を行えば、ほゞ完全に時
効を防止することが可能である。これはTiが強力な炭窒
化物形成元素であるためである。しかし、上記刊行物に
も記載されているようにTiにより非時効化を行うために
は、化学量論的に必要なTi量の2〜3倍、すなわちTiを
成分重量比Ti/(C+N)にして8〜10添加する必要が
ある。したがって一般的には、Ti添加による非時効棒線
の製造はコスト高となるため、より経済的な製造法の開
発が要請されている。(3)に関しては、AlとNの含有
量の比を適当に選ぶことにより、焼鈍中にフェライトの
異常粒成長を起こさせ、これにより鋼線の軟質化を達成
する方法が特開昭60-36618の「低強度軟鋼線の製造法」
に示されている。しかしこのような粗大結晶粒を有する
鋼線は引抜加工ができず、また冷間鍛造加工時、材料表
面に著しい凹凸(いわゆるオレンジピール)を生ずるた
め、その用途は自ずと限定されている。
以上のような状況を鑑み、本発明者らは上述(2)の
考え方にしたがってTi添加による非時効化の検討を重ね
てきた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、Tiを主体とする鋼組成とその熱間圧
延条件の最適化を検討し、これにより軟質かつ時効硬化
の少ない低炭素棒線を経済的に製造する方法を提供する
ことにある。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、C:0.003〜0.04%,Si:0.005〜0.
35%,Mn:0.10〜0.60%,Al:0.005〜0.080%にTiを成分重
量比Ti/Cで4〜8含み、残部がFeおよび不可避的不純物
からなる鋼片あるいは鋳片を700〜950℃の温度範囲に加
熱し、その後熱間圧延することを特徴とする低炭素鋼線
材および棒鋼の製造法である。
[作用] はじめに、本発明にかかわる化学成分の限定理由に関
して説明する。
Tiは強力な炭窒化物形成元素であり、TiNおよびTiCと
いう析出物を生成することによりフェライト中に固溶す
るNおよびCを固定して鋼を非時効化する。しかし、Ti
NとTiCでは析出温度が異なり、TiNは鋼の凝固温度付近
で析出するため、連続鋳造後の鋳片ではほとんどのNは
TiNとして析出していると考えてよい。これに対して、T
iCは通常の熱間圧延温度まで下って析出を開始すること
から、以下TiCの析出に限定して説明する。TiとCの原
子量比は4であるから、完全に非時効化するに必要なTi
の理論量はC量の4倍である。換言すれば、TiとCの成
分重量比Ti/Cは4以上でなければならない。したがって
Tiの添加量を減らして経済的に非時効化を行うためには
C量は少ない方が望ましい。これよりC量の上限は0.04
%とする。しかしC量を0.003%未満に下げることは製
錬コストの急増をまねくため0.003%を下限とする。
TiとCの成分重量比Ti/Cの下限値は上述の理論値に等
しいが、実際にはTiCの析出駆動力やTiとCの拡散時間
を考慮に入れる必要があり、工業的には4以上必要であ
る。本発明者らは、後述するように加熱炉における鋼片
あるいは鋳片の加熱温度と非時効化に必要なTi添加量お
よび棒線の材質におよぼす固溶Ti(TiCを形成しないT
i)の影響を調査した。その結果、加熱温度を700〜950
℃に選べばTi/C比8以下でほゞ完全に非時効できるこ
と、またTi/C比が8を越えるとフェライト中に固溶する
Tiの量が過剰となるため、冷間加工後の焼鈍に際して再
結晶の遅滞をまねき、そのため軟化が阻害されるという
新たな知見を得るに至った。これらの結果を総合すると
Ti/C比は4〜8とすることが好ましいことがわかる。Si
は脱酸上必要な元素であるため0.005%以上添加する
が、一方Siはフェライトの固溶強化作用が大きいため0.
35%を上限とする。
Mnは脱酸元素として、またSに起因する熱間脆性を防
止するために0.10%以上添加するが、Mnも固溶強化作用
があるので0.60%を上限とする。Alは脱酸上0.005%以
上添加するが、Alも他の元素と同様に、固溶強化作用が
あるので0.080%以下とする。
非時効化に要するTiの量を最小限に抑えるためには、
熱間圧延における鋼片あるいは鋳片の加熱温度を適正な
範囲に入れる必要がある。
本発明者らは溶体化状態からのTiCの析出に関して多
くの基礎実験を行い、その結果、TiCの析出速度が最大
となる温度は800〜850℃であるこを見出した。したがっ
て、この温度範囲で鋼片あるいは鋳片を加熱し、引きつ
ゞいて熱間圧延を行えば、加熱中にTiCの析出が進行
し、その後の熱間圧延および冷却条件にかゝわらず十分
な非時効化効果を得ることが可能である。これより、鋼
片あるいは鋳片の加熱温度は700〜950℃とすることが望
ましい。これより高い温度あるいは低い温度では、TiC
の析出に長時間を要し、また700℃未満では熱間圧延が
困難となるため、下限ならびに上限温度をそれぞれ700
℃および950℃とする。なおTiCの析出を熱間圧延中ある
いは熱間圧延後の冷却中に生じさせる方法も考えられる
が、通常の連続式熱間圧延においては圧延時間は短か
く、また冷却速度も大きいためにTiCの析出は不十分で
あり、本発明と比較するとその非時効化効果は小さい。
なお上述した成分元素以外の元素に関して言えば、P
は固溶強化作用があり、またSはTiSを生成して有効なT
iの量を減ずるため、極力低減することが望ましい。同
様なことはNについても言え、NはTiNを生成してTiを
消費することからできるだけ少なく、望ましくは0.0050
%以下とすることが好ましい。
[実施例] 低炭素鋼を250トン転炉で溶製し、脱ガス処理設備を
用いて脱炭ならびに成分調整を行った。第1表に供試材
の化学成分を示す。
連続鋳造設備により300×500mm鋳片とし、さらに分塊
圧延により122mm角断面の鋼片を製造した。これを線材
圧延工場の加熱炉で加熱後、連続式圧延機により直径5.
5mmの線材に圧延し、ステルモア冷却を行った。線材圧
延条件ならびに線材の特性を第1表に示す。
線材の時効特性はフェライト中に固溶しているCおよ
びNの量に支配されていることから、固溶(C+N)量
の測定を行った。測定は次に述べる時効指数を求める方
法で行った。すなわち、引張試験機で8%の予めひずみ
を与えたのち100℃×1時間の時効処理を行い、その後
再度引張試験を行うことにより、次式で示す時効指数を
求めた。
時効指数=(時効処理後の降伏付強さ)−(時効処理
前、8%予ひずみに相当する変形強さ) 時効指数の単位はkgf/mm2で、その値の小さい方が固
溶(C+N)量が少なく、したがって時効硬化量も少な
い。
第1表でNo.1〜No.5はTi/C比の影響を、また、No.6〜
No.10は鋼片加熱温度の影響を示したものである。な
お、No.11およびNo.12は従来法であるが、No.11は通常
の圧延条件で圧延を行った場合、No.12はNo.11と同一化
学成分の鋼を用い、圧延中の材料を水冷することにより
700〜900℃の温度範囲で低温圧延を行った場合である。
第1表より、本発明法に従って製造した線材は従来のい
ずれの方法と比較しても、強度が低く、かつ時効指数も
小さいことがわかる。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明法にしたがって製造された低
炭素鋼線材は、従来法で製造されたものにくらべて、よ
り一段と軟質化されており、さらに固溶(C+N)がほ
ゞ完全に固定されているために伸線加工中の加工硬化が
少なく、著しく軟質化された鋼線を製造することが可能
である。
なお、線材および棒鋼に関して述べてきたが、鋼板に
ついても同様な方法で製造することにより、強度が低
く、かつ加工性にすぐれた鋼板を製造することが可能で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.003〜0.04%,Si:0.005〜0.35% Mn:0.10〜0.60%,Al:0.005〜0.080% にTiを成分重量比Ti/Cで4〜8含み、残部がFeおよび不
    可避的不純物からなる鋼片あるいは鋳片を700〜950℃の
    温度範囲に加熱し、その後熱間圧延することを特徴とす
    る低炭素鋼線材および棒鋼の製造法
JP30117386A 1986-12-19 1986-12-19 低炭素鋼線材および棒鋼の製造法 Expired - Lifetime JP2501438B2 (ja)

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