JP2501008B2 - 溶媒の安定化方法および溶媒の回収方法 - Google Patents

溶媒の安定化方法および溶媒の回収方法

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JP2501008B2 JP5260788A JP26078893A JP2501008B2 JP 2501008 B2 JP2501008 B2 JP 2501008B2 JP 5260788 A JP5260788 A JP 5260788A JP 26078893 A JP26078893 A JP 26078893A JP 2501008 B2 JP2501008 B2 JP 2501008B2
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/26Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、フォトレジスト材料のため
の、環境に適合する現像剤およびストリッピング溶剤に
関する。とりわけ本発明は、溶媒を回収する際の発熱反
応を避けるために現像剤およびストリッピング溶剤を安
定化することに関する。
【0002】典型的な現像剤およびストリッピング溶剤
には、メチルクロロホルム(MCF;1,1,1−トリク
ロロエタン)およびメチレンクロライド(MC;ジクロ
ロメタン)のような塩素化溶媒の代替物としての環状ア
ルキレンカーボネート溶媒つまりプロピレンカーボネー
ト、および他の溶媒例えばベンジルアルコール、ガンマ
−ブチロラクトン、n−メチルピロリドンおよびジメチ
ルスルホキシドがある。回路板製造プロセスから溶媒お
よびフォトレジストおよび(または)ソルダーマスク材
料の液状の不純分組成物が回収される。
【0003】本発明では、製造プロセスから生成する不
純物液体が処理されて溶媒が回収される。回収工程に
は、流れの中の単量体物質が発熱的に重合するおそれの
ある条件下で流れを加熱することに基づく分離が含まれ
る。
【0004】本発明の方法によれば、上述の発熱を防止
するために現像剤/ストリッピング溶剤が安定化され
る。典型的な安定剤は、ハイドロキノン、p−メトキシ
フェノール、アルキル置換ハイドロキノン、アリール置
換キノン、第三−ブチルカテコール、ピロガロール、ナ
フチルアミン、ベータ−ナフトール、2,6−ジ−第三
−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、ピリジ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルエキ
ノンおよびクロラニルを含めてのキノン型安定剤ならび
に有機銅化合物である。
【0005】
【発明の背景】パッケージングにおける写真平版法は、
ニューヨークのVan Nostrand Reinhold 1989年刊、
Tummalaら編のMicroelectronics Packaging Handbook
898〜903頁、ニューヨークのMcGraw-Hill Book C
ompany 1989年刊、Seraphimら編のPrinciples of E
lectronic Packagingの12章、372〜393頁およ
びニューヨークのVan Nostrand Reinhold Company 19
83年刊、Considineら編Scientific Encyclopedia第6
版の2巻、1877〜1881頁に記載されており、こ
れらはすべて技術背景として使用するために、参照によ
って本明細書にとり入れる。
【0006】写真平版術はプリント回路パッケージング
技術において決定的な役割を果たす。写真平版術を用い
てフォトレジストの薄膜に銅が選択的にエッチングされ
て削除的に回路形成が行われるかあるいは選択的にメッ
キされて付加的に回路形成が行われる領域に形成する。
【0007】フォトレジストにはネガ型とポジ型の二つ
のタイプがある。ネガ型フォトレジストは、露光例えば
それが感受性をもつ特定の活性光線に対して十分な時間
選択的に露光されることにより重合される。次いでネガ
型フォトレジストは現像剤処理をされる。現像剤はレジ
ストの、活性光線に露光されなかった領域を溶解する。
活性光線に露光された、ネガ型フォトレジストの領域は
架橋により硬化され、未露光領域に比べて現像液に対す
る耐性が一層増大される。
【0008】ポジ型レジストは逆な働きをする。活性光
線は、ポジ型フォトレジストを現像液中に一層可溶に
し、露光領域は希薄なアルカリ現像剤により優先的に除
去される。
【0009】ポジ型フォトレジストは、シリコンデバイ
スを製作するため、またプリント回路板の削除的回路形
成のために広汎に使用される。しかしながら、希薄なア
ルカリ水溶液により容易に現像されまた一層濃厚なアル
カリ水溶液によりストリッピングされるポジ型フォトレ
ジストは、高苛性環境および高温度においては性能が劣
る。
【0010】他方、銅を必要としない領域から銅をエッ
チングするのでなく、むしろ銅を必要とする領域に銅を
付加的にメッキする、つまり無電解メッキするまたは無
電解メッキに加えて電解メッキすることにより、回路の
線がつくられる場合に、ネガ型レジストが使用される。
【0011】ネガ型フォトレジストは、重合を開始およ
び(または)維持するのに必要なフリーラジカルまたは
イオン基を形成する光活性性剤に対する活性線エネルギ
ーの作用によって架橋される。商業的に入手できるフォ
トレジストは、その組成により、紫外線、X線、電子線
などに対する感受性をもつ。放射線は、エマルジョンマ
スクまたはクロームマスクのようなマスクのパターンを
通じ、接触によりまたは投影によりレジストに照射され
るか、あるいは放射線ビームによりラスターが形成され
る。
【0012】ネガ型フォトレジストは、有機樹脂バイン
ダー、光開始剤/光増感剤および反応性単量体を含む。
ネガ型フォトレジストは、必要に応じてフィラー、例え
ば有機または無機フィラー、難燃材、可塑剤、染料、柔
軟剤、熱安定剤、およびパッケージの加工特性を改良す
るための他の添加剤も含有する。
【0013】典型的なネガ型フォトレジスト組成物は、
すべての成分の重量に基づき40〜70重量%のバイン
ダー10〜40重量%の単量体および0.5〜15重量
%の光開始剤を含有する。
【0014】一般に、ネガ型レジストは、光重合性物質
である。ネガ型フォトレジストをつくるのに単独または
他のものと組み合わせて使用されうる単量体には、t−
ブチルアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−プロパンジオールジアクリレート、デカメ
チレングリコールジアクリレート、デカメチレングリコ
ールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオー
ルジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジア
クリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、グリセロールトリアク
リレート、トリメチロールプロピレントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリオキ
シエチル化トリメチロールプロパントリアクリレートお
よびトリメタクリレートならびに類似の化合物例えば
2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパン
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリオキシエチル−2,2−ジ−(p−ヒドロキ
シフェニル)−プロパンジメタクリレート、ビスフェノ
ール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキ
シプロピル)エーテル、ビスフェノール−Aのジ−(2
−メタクリルオキシエチル)エーテル、ビスフェノール
−Aのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロ
ピル)エーテル、ビスフェノール−Aのジ−(2−アク
リルオキシエチル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェ
ノール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロ
キシプロピル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノー
ル−Aのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテ
ル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ−(3−メ
タクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、
テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ−(2−メタク
リルオキシエチル)エーテル、1,4−ブタンジオール
のジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)エーテル、ジフェノール酸のジ−(3−メタクリル
オキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピル
トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレー
ト、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメ
タクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペン
タンジオールジメタクリレート、ジアリルフマレート、
スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレー
ト、1,4−ジイソプロペニルベンゼンおよび1,3,5
−トリイソプロペニルベンゼンがある。
【0015】上記した単量体に加えて、フォトレジスト
材料は、少なくとも約300の分子量を有する、フリー
ラジカルにより開始される重合可能な一つまたはそれ以
上の単量体も含有することができる。このタイプの単量
体はアルキレングリコールジアクリレートまたはポリア
ルキレングリコールジアクリレートである。
【0016】活性光線によって活性化されうるフォトレ
ジスト中に含められる、185℃以下で熱的に不活性で
あるフリーラジカル開始剤には、置換されているまたは
置換されていない多核キノン例えば9,10−アントラ
キノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアント
ラキノン、2−メチルアントラキノン、2−第三−ブチ
ルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,
4−ナフトキノン、9,10−フェナンスレキノン、1,
2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキ
ノン、2−メチル−1,4−ナフトン、2,3−ジクロロ
ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3
−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノ
ン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アントラキノ
ンアルファ−スルホン酸のナトリウム塩、3−クロロ−
2,3−メチルアントラキノン、レテンキノン、7,8,
9,10−テトラヒドロナフタセンキノンおよび1,2,
3,4−テトラヒドロベンズ(a)アントラセン−7,1
2−ジオンがある。
【0017】他の好適な光開始剤は専門家に知られてお
りまた、次の文献:ニューヨークのJohn Willey & Sons
1965年刊のJ. Kosar著「Light-Sensitive System
s」第4章(「Unsaturated Compounds」)、第5章(「Pho
topolymerization Processes」)および第8章(「Photop
olymerization of Vinyl Monomers」);「Chem. Revs.68
(1968年)125〜151頁;Photochem. Photobiol. 7(1968
年)5〜57頁のJ. F. Rabek「Photosensitized Processes
in Polymer Chemistry:A Review」;Ind. Chim.Belge 2
4(1959年)739〜764頁のG. Delzenne著「Sensitizers of
Photopolymerization」;Ind. Eng. Chem. 47(1955
年)、2,125〜2,129頁のC. M. McCloskeyおよびJ. Bond
著「Photosensitizers for Polyestervinyl Polymerizat
ion」から知ることができる。
【0018】光還元性を有するフォトレジスト中に含ま
れる染料には、フェナジン、オキサジンおよびキノン
類;ミヒラーケトン、ベンゾフェノン、水素供与体を有
する2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体および
これらの混合物がある。
【0019】単独でまたは重合性単量体と組合わせて使
用できる重合体バインダーには、ポリアクリレートおよ
びアルファ−アルキルポリアクリレートエステルつまり
ポリメチルメタクリレートおよびポリエチルメタクリレ
ート;ポリビニルエステル:つまりポリビニルアセテー
ト、ポリビニルアセテート/アクリレート、ポリビニル
アセテート/メタクリレートおよび加水分解されたポリ
ビニルアセテート;エチレン/ビニルアセテート共重合
体;ポリスチレンの重合体および共重合体つまり無水マ
レイン酸およびエステルとの共重合体;ビニリデンクロ
ライド共重合体つまりビニリデンクロライド/アクリロ
ニトリル;ビニリデンクロライド/メタクリレートおよ
びビニリデンクロライド/ビニルアセテート共重合体;
ポリビニルクロライドおよび共重合体つまりポリビニル
クロライド/アセテート;飽和および不飽和ポリウレタ
ン;合成ゴムつまりブタジエン/アクリロニトリル、ア
クリロニトリル/ブタジエン/スチレン、メタクリレー
ト/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合
体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴ
ム、およびスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン
/イソプレン/スチレンブロック共重合体;約4,00
0〜1,000,000の平均分子量をもつポリグリコー
ルの高分子量ポリエチレンオキサイド;エポキシドつま
りアクリレートまたはメタクリレート基を含むもの;コ
ポリエステル;ナイロンまたはポリアミドつまりN−メ
トキシメチル、ポリヘキサメチレンアジパミド;セルロ
ースエステルつまりセルロースアセテートスクシネート
およびセルロースアセテートブチレート;セルロースエ
ーテルつまりメチルセルロース、エチルセルロースおよ
びベンジルセルロース;ポリカーボネート;ポリビニル
アセタールつまりポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマル;ポリホルムアルデヒドがある。
【0020】上述した重合体バインダーに加えて、粒状
増粘剤つまりシリカ、粘土、アルミナ、ベントナイト、
カオリナイトなどを使用できる。
【0021】フォトレジストの水性現像が望ましい場
合、バインダーは、組成物を水性現像剤中で処理可能に
するのに十分な酸性のまたはその他の官能基を含むべき
である。アミノアルキルアクリレートまたはアミノアル
キルメタクリレート、膜形成性の酸性共単量体およびア
ルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルアクリレ
ートから誘導される重合体が使用されてよい。
【0022】レジスト像の可視度を高めるために染料お
よび顔料もまた添加できる。しかしながら使用する着色
剤は使用する活性光線に対して透明でなければならな
い。
【0023】これらの処方物を製造するのに、常圧で揮
発性を有する不活性溶媒が一般に使用される。溶媒の例
には、アルコールおよびエーテルアルコール、エステ
ル、芳香族化合物、ケトン類、塩素化炭化水素、脂肪族
炭化水素、種々な溶媒例えばジメチルスルホキシド、ピ
リジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジシアノシ
クロブタンおよび1−メチル−2−オキソ−ヘキサンメ
チレンイミンおよび溶液を得るのに必要な種々な割合の
これらの溶媒の混合物がある。コーティングが支持膜に
粘着するのを防止する粘着防止剤もまた含めることがで
きる。
【0024】ある種の重合体の場合、膜またはコーティ
ングに可撓性を与えるために固体または液体の可塑剤を
添加するのが好ましい。好ましい液体可塑剤はノニルフ
ェノキシポリ(エチレンオキシ)−エタノールである。
好ましい固体可塑剤はN−エチル−p−トルエンスルホ
ンアミドである。
【0025】光により画像形成できる組成物はソルダー
マスクとしても使用される。このような応用において、
この組成物は、それをプリント回路板に適用し、引続い
て回路板上で組成物の下にある種々の要部を写真平版術
により露出しつつ他の部分はマスキングすることによ
り、使用される。はんだ付け工程では、はんだは、露出
された下方の部分に付着することになる。ソルダーマス
ク材料は、適切な方法例えばフローコーティングによっ
て適用されるように処方される必要がある。
【0026】ネガ型レジストを処理する場合、像形成さ
れたフィルムの未露光領域は、典型的には、数分間でス
プレイの形態の液体現像剤の作用により、プリント回路
板または基板の表面から除去される。フォトレジスト組
成物の特定のタイプに応じて、液体現像剤は単純な有機
溶媒、無機塩基の水溶液または半水性現像剤をつくるよ
うに有機溶媒と塩基水溶液とを組み合わせたものであっ
てよい。
【0027】メチルクロロホルム(MCF、1,1,1-
トリクロロエタン)およびメチレンクロライド(MC、
ジクロロメタン)は、これら以外による化学的侵襲に対
して耐性のある多数のフォトレジストを現像しそして除
去するためにエレクトロニックパッケージングおよびそ
の他の技術において広く用いられている。
【0028】付加的方法で使用される著しくアルカリ性
である無電解銅メッキ浴は、フォトレジストにとって過
酷な環境となる。一般に、化学的に抵抗性の大きいレジ
ストはメチレンクロライドのような有機溶媒中でとりは
ずせる。過酷さが少ない化学的環境の場合、水性現像が
可能なフォトレジストが適当であろう。しかしながら有
機現像が可能なレジストは無電解銅環境において使用さ
れつづけており、またプリントバンド(print band)技術
および薄膜技術においては、水性レジストが攻撃をうけ
る環境である、Du PontのRiston T−168のようなア
クリルベースのレジストやDu PontのVacrel 700およ
び900系列の溶剤処理されたソルダーマスクとともに
使用されつづけている。
【0029】地球のオゾン層の減少に及ぼすハロゲン化
炭化水素ガスの影響や発ガン性の疑いのある物質が大気
中に入っていくことに関する環境上の懸念が高まりつつ
あるため、1,1,1-トリクロロエタンやメチレンクロ
ライドの使用は好ましくない。これらを全廃する目標を
掲げている国もある。しかしながら、水性現像可能なレ
ジストの使用のみが実施できない製造工程が多く存続し
ている。
【0030】従って産業界では1,1,1-トリクロロエ
タンおよびメチレンクロライドに代わる有機溶媒の研究
が続いている。新たな溶媒は、可燃性、毒性、溶解化能
力、保存寿命、廃棄処分、再使用の可能性、組成の単純
さおよび各種のレジストとの相溶性に関する製造上およ
び環境上の特別の要求を満たさねばならない。
【0031】ストリッピング溶媒をベースとするRiston
フォトレジストのための別な溶媒もまたResearch Discl
osures 1989年6月号の302頁の無署名の文献中
に記載されている。
【0032】1,1,1-トリクロロエタンおよびメチレ
ンクロライドに対する環境に優しい代替物を提供する従
来からの試みが技術文献中に報告されている。しかしな
がら、いかなる参考文献も、N. R. Bantu、Anilkumar B
hatt、Ashwinkumar Bhatt、G. W. Jones、J. A. Kotyl
o、R. J. Owen、K. I. PapathomasおよびA. K. Vardya
の「Photoresist Develop and Strip Solvents and Meth
ods for their Use;フォトレジスト現像およびストリ
ッピング溶剤およびそれらの使用方法」に関する199
1年10月22日受付の、共に譲渡された同時係属中の
米国特許出願07/781,541号に記載の環境上許
容される単純な室温現像剤およびストリッピング剤につ
いては記載していない。この特許出願には、現像剤およ
びストリッピング剤として4−メチル−1,2−ジオキ
ソラン−2−オン(プロピレンカーボネート、メチルエ
チレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネー
ト)の使用が記載されている。
【0033】上記の特願07/781,541号には、R
iston T−168やポリメチルメタクリレートのような
アクリレートをベースとするフォトレジストおよびVacr
el700および900系列のような溶剤処理されたソル
ダーマスクを現像しまたストリッピングするのに使用す
るためのハロゲン化炭化水素現像剤およびストリッピン
グ剤に対する代替物としてプロピレンカーボネートを使
用することが記載されている。
【0034】同明細書に述べられているごとく、放射線
露光したレジストは、プロピレンカーボネート(P
C)、ガンマ−ブチロラクトン(BLO)およびベンジ
ルアルコール(BA)からなる群から選択される蒸気圧
が低く沸点が高い溶媒中で現像される。現像処理は約2
4〜45℃で約0.5〜12分にわたって起こり、通常
は引続いて余剰の現像剤を除去するために温水または別
な低沸点溶剤によるすすぎ洗いが行われる。これらの溶
媒は高沸点、低蒸気圧の溶媒である。Ristonタイプのフ
ォトレジストを現像するための既知の一般的な現像剤
は、対照的に低沸点溶媒である。メチルクロロホルム
(MCF)、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン
またはこれらの混合物のような低沸点溶媒の使用は、熱
的管理を目的とするメチレンクロライドストリッピング
法に似ている。
【0035】対照的に、低蒸気圧、高沸点の溶媒すなわ
ちn−メチルピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラ
クトン(BLO)、ジメチルスルホキシド(DMSO)
およびプロピレンカーボネート(PC)は引続く工程で
親和性の溶媒または水によりすすぎ洗いされねばならな
い。さらに、溶解時間をメチレンクロライドのそれに比
肩するようにするためストリッピング中の温度を約50
℃より高く保つ必要がある。ストリッピング温度を50
℃〜100℃にすることにより溶解時間を改善できるこ
とが判っている。しかしながら、これらの必要性は、高
沸点、低蒸気圧のプロピレンカーボネートのような高価
な溶媒を再使用するために回収する費用を増加し、困難
さを高める。加えて、プロピレンカーボネートや類似の
溶媒のような高沸点、低蒸気圧の溶媒を回収する方法で
は、フォトレジスト材料も含有する廃棄物流が制御不能
な反応にさらされる。
【0036】従って、プロピレンカーボネートのような
高沸点溶媒を回収するための低費用で、安全で熱的な管
理が可能な方法が必要なことは明らかである。この方法
は、比較的高価な高沸点、低蒸気圧溶媒の回収および再
使用を可能にしなければならない。特に、この方法で
は、流出液流の制御不能な発熱反応が避けられねばなら
ない。
【0037】
【発明の目的】環状アルキレンカーボネートすなわちプ
ロピレンカーボネート、ガンマ−ブチロラクトンおよび
ベンジルアルコールのような高沸点(絶対圧1気圧で測
定)、低蒸気圧(室温で測定)の溶媒であって、写真平
版用現像剤および写真平版用ストリッピング剤を含有す
るものをリサイクルして再使用するための安全で、管理
可能で、簡単で、低費用の方法を提供することが本発明
の主目的である。
【0038】これらの溶媒、現像剤およびストリッピン
グ溶剤を、発熱性副反応を最小にしつつリサイクルして
再使用するのを促進することが本発明の別な目的であ
る。
【0039】これらの溶媒、現像剤およびストリッピン
グ溶剤を、それらの熱的劣化を最小にしてリサイクルし
て再使用するのを促進することが本発明の別な目的であ
る。
【0040】燃焼および爆発の危険を最少にするプロセ
ス制御性、温度および圧力の諸条件の下で溶媒を回収
し、特別な構造の必要性を避けることが本発明のさらに
別な目的である。
【0041】
【発明の概要】本発明は、例えばRistonタイプのフォト
レジスト用の普通な現像剤およびストリッピング溶剤と
して現在用いられているハロゲン化炭化水素低沸点溶媒
の安全な代替物として提案される非毒性の高沸点溶媒の
回収につき説述する。
【0042】高沸点溶媒すなわちn−メチルピロリドン
(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン(BLO)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ベンジルアルコール
(BA)およびプロピレンカーボネート(PC)により
有機重合体膜を現像しまたストリッピングする場合、引
き続く工程で親和性溶媒または水によりすすぎ洗いする
ことが必要である。このすすぎ洗いの工程においては、
環状アルキレンカーボネート溶媒の回収に厄介な事が加
わる。すなわち、すすぎ洗い工程中に導入される溶媒ま
たは水によりカーボネート溶媒が汚染される。このこと
は、J. J. Wagner、A. C. Bhatt、R. N. Bantu、R. W.
Keesler、T. D. SinclairおよびK. I. Papathomasの「Pr
opylene Carbonate Recovery Process;プロピレンカー
ボネートの回収方法」に関する共通に付託された、同時
係属中の米国特許出願(弁護士書類番号、EN9−92
−099号)中で取り扱われている。
【0043】さらにまた、重合体の溶解時間をハロゲン
化溶媒のそれと比肩させるためには、例えば写真平版用
マスク材料のストリッピング中の温度を約50℃より高
く保つことが必要である。この温度とともに、溶媒の分
離および回収に関わる分離工程に際して遭遇する温度
は、溶媒の回収に対してさらに別な困難をもたらす。こ
のような困難の一つは、熱的に開始される溶媒の劣化ま
たは分解であり、これは、例えばアクリル酸−アクリレ
ートエステルタイプのフォトレジスト中にあるトリメチ
ロール−プロパントリアクリレート(TMPTA)のよ
うな熱重合可能な単量体のごとく、重合体の単量体成分
の熱的に開始される発熱的重合により開始される。
【0044】これらの問題は本明細書に記載する方法に
より解決される。本明細書記載の方法に従えば、溶媒は
それ独自の熱重合抑制剤を含む。この抑制剤は重合体中
に普通に存在する熱重合抑制剤に加わるものである。こ
のようにして、同伴されそして(あるいは)溶解された
フォトレジストが、発熱的重合を抑制される一方、写真
平版工程からの流出液流から溶媒が回収される。
【0045】流出液流例えば写真平版工程流出液は溶
媒、水および重合体固形物を含有し、また少量の単量体
を含む。回収工程において、写真平版工程流出液は、ま
ずそれにある量の熱重合抑制剤が加えられ、次いで垂直
管熱交換器型の蒸発器のような第一の分離段階に供給さ
れ、そして(i)水と揮発性物質および(ii)溶媒(同
伴されたそして(または)溶解されたフォトレジスト材
料を含む)に分離される。これによって溶媒流中の水の
濃度が、溶媒の加水分解を実質的に回避するのに十分な
水準まで低下される。
【0046】脱水された溶媒は、次いで、より高沸点の
物質と重合体固形物とから溶媒を分離するために、例え
ば液膜払拭型の蒸発器内で分離される。この段階におい
て、脱水された溶媒流は、(i)溶媒留分および(ii)重
合体固形物留分に分離される。重合体固形物留分は溶媒
液中の重合体物質を含む。溶媒留分は、分留手段内で高
蒸気圧留分および低蒸気圧留分にさらに分離される。
【0047】
【発明の詳述】プロピレンカーボネート、ガンマ−ブチ
ロラクトンまたはベンジルアルコールのような、不純物
を含む溶媒は、脱脂溶剤、清浄化剤、写真平版用現像
剤、写真平版用ストリッピング剤等として、比較的純粋
な溶媒が重合体物質の薄膜、層または被覆物の取りはず
しに使用されてきた、上流にある工業的方法からの流出
液である。この不純物を含む溶媒は、溶解された重合体
および分散された固形の重合体をともに含有する。少量
の単量体を含む、溶解されまたは分散された重合体は本
明細書においては「固形物」と称する。
【0048】本発明の一実施態様において、重合体はフ
ォトレジスト例えば、Du PontのRistonのようにアクリ
ル酸部分とアクリレートエステル部分とからつくられる
ネガ型フォトレジストであり、また流出液は現像工程お
よびストリッピング工程の一方または両方からの流出液
である。別な実施態様において、重合体は、少量の単量
体物質例えば未反応の単量体物質または架橋剤を含有す
る、製作、機械仕上、鋳込み、または被覆工程からのア
クリル重合体またはビニル重合体の残渣物であることが
できる。
【0049】本発明はプロピレンカーボネート
【化1】 に関して説明されそして例示されるが、もちろん、式
【化2】 (式中、R′およびR″は短鎖アルキル基、C1〜C10
の各アルキル、アリールまたはアルアルキル基である)
のようなプロピレンカーボネートのより高級な環状アル
キレンカーボネート同族体が使用されてよいことを理解
すべきである。短鎖アルキル基の例は、R′およびR″
中のnが0〜3の互いに独立な整数であるとしたCH3
−(CH2)n−である。環状アルキレンカーボネートの蒸
気圧が分留または分離を可能とするよう十分に高くなけ
ればならないことは、勿論了解すべきである。環状アル
キレンカーボネートはプロピレンカーボネートであるの
が最も好ましいが、ブチレンカーボネート、オクチレン
カーボネートまたはスチレンカーボネートのようなエチ
レンカーボネートもまた使用できる。
【0050】本発明の方法は高い大気圧沸点と低い室温
蒸気圧を有する他の溶媒、例えばガンマ−ブチロラクト
ン、ベンジルアルコール、n−メチルピロリドンおよび
ジメチルスルホキシドに直接適用できることも理解すべ
きである。
【0051】重合体が、トリメチロール−プロパントリ
アクリレート(TMPTA)のような単量体を低水準で
含有するアクリル酸−アクリレートタイプのフォトレジ
ストである本発明の実施態様においては、写真平版法か
らの流出液は、(i)約7〜約99重量%のプロピレン
カーボネート、(ii)約0.2〜約30重量%の「固形
物」すなわち分散された固形重合体、溶解された重合
体、可溶化された重合体およびTMPTAのような単量
体物質、(iii)約0.01〜約12重量%のプロピレング
リコールつまりプロピレンカーボネートの加水分解によ
る分解生成物および(iv)約0.01〜約7.0重量%の水
を含有する。現像剤またはストリッピング剤として再使
用するために環状アルキレンカーボネート例えばプロピ
レンカーボネートをリサイクルするために、精製された
環状アルキレンカーボネート例えばプロピレンカーボネ
ートを回収する必要がある。精製されたプロピレンカー
ボネートとは、色彩値が20APHA(白金−コバルト
標準との対比による)より低いことによって確認される
ごとく固形物を実質的に含有せず、また0.1重量%よ
り少ない水と、0.1重量%より少ないプロピレングリ
コールとを含有するプロピレンカーボネート生成物をさ
す。
【0052】図1はプロピレンカーボネートによって、
単量体添加剤および不純物を含有する有機重合体物質が
基体から除去される工程の流出液流からプロピレンカー
ボネートを回収するためのフローチャートである。この
流出液流は、プロピレンカーボネート、水および重合体
固形物流からなる水性のプロピレンカーボネート流出液
である。
【0053】図1に例示される回収工程において、流出
液例えばプロピレンカーボネート流出液は第1分離段階
である脱水装置に供給される。
【0054】この第1の分離段階は、垂直短管熱交換器
型の蒸発器であってよい。この第1分離段階において、
流出液流は(i)同段階の頂部から抜出される水と揮発
性物質とのガス流および(ii)液体プロピレンカーボネー
ト流の二つの流れに分離される。
【0055】この第1段階分離により、環状アルキレン
カーボネート中の水の濃度が、カーボネートの対応する
グリコールへの加水分解を実質的に回避するのに十分な
低水準まで低下される。プロピレンカーボネートの場
合、プロピレンカーボネートの濃度は、プロピレングリ
コールへのプロピレンカーボネートの加水分解を実施的
に回避するのに十分に低い水準まで減少される。熱交換
器型蒸発器11のような第1段階分離器において、熱交
換器内の全圧は、プロピレンカーボネートのオープンカ
ップ引火点における蒸気圧より高く保たれる。プロピレ
ンカーボネート中に0.1重量%の水を含有するプロセ
ス流の場合、このことはプロセス流の温度をプロピレン
カーボネートのオープンカップ引火点より低く保つこと
に相当する。換言すると、プロセス流は約132℃より
低く保たれ、また全圧は約25トルより低く保たれる。
【0056】第1の分離段階からの底部生成物は、
(i)約70〜約99重量%のプロピレンカーボネー
ト、(ii)約0.2〜約30重量%の「固形物」つまり分
散された固形重合体と溶解され可溶化された重合体(単
量体を含む)との双方、(iii)約0.1〜約12重量%の
プロピレングリコールおよび(iv)約0.01〜約0.11
重量%の水を含有する脱水されたプロピレンカーボネー
トである。
【0057】第1段階分離11からの脱水されたプロピ
レンカーボネートは、高沸点物質および重合体固形物か
ら例えば蒸発によりプロピレンカーボネートを分離する
ために、第2段階分離41においてさらに分離される。
液膜払拭式の蒸発器41内で実施されてよい第2段階分
離において、脱水されたプロピレンカーボネートは、
(i)プロピレンカーボネート留分および(ii)重合体固
形物留分に分離される。重合体固形物留分はプロピレン
カーボネート中の重合体物質を含有する。
【0058】蒸発器41内の圧力は約35トルより低
く、例えば約5〜約12トルに保たれる。蒸発器41内
の温度は約100℃より高く保たれる。
【0059】第2段階分離41においては、約98〜約
99.9重量%のプロピレンカーボネートの頂部生成物
とプロピレンカーボネート中の重合体物質の底部生成物
とが得られる。
【0060】第2段階分離41の頂部生成物すなわち蒸
発され、脱水されたプロピレンカーボネートは、分溜手
段71に供給される。充填塔71であってよいこの分溜
手段は、蒸発され、脱水されたプロピレンカーボネート
を蒸気圧のより高いプロピレングリコール留分および蒸
気圧のより低いプロピレンカーボネート留分へとさらに
分離するために使用される。
【0061】必要に応じて、第2段階41の底部生成物
からプロピレンカーボネートも回収されてよい。底部生
成物は環状アルキレンカーボネート溶媒例えばプロピレ
ンカーボネート中の重合体物質である。底部生成物は約
70〜約99.9重量%のプロピレンカーボネートと残
部の固形物を含有する。本発明のこの別法による場合、
蒸発器41の底部生成物は別な蒸発工程61に供給さ
れ、その後分溜手段71−71aに供給される。第2の
蒸発器の頂部生成物は図2に示すように分溜装置71−
71aに流入する。蒸発装置61の底部生成物は重合体
に富む物質であり、廃棄される。
【0062】分溜工程71の生成物は、重合体物質を実
質的に含有しない分溜された生成物である。重合体物質
を実質的に含まないということは、プロピレンカーボネ
ート生成物が20 APHA(白金−コバルト標準との
対比による)より低い色彩値を有することを意味する。
分溜された生成物もまた、0.01重量%より少ない水
を含むので実質的に水を含有しない。
【0063】蒸発器または蒸発缶の底部生成物としての
高純度の環状アルキレンカーボネート例えば高純度のプ
ロピレンカーボネートを、カーボネートを劣化させずに
回収するには、塔の圧力を注意深く維持せねばならな
い。分溜手段の頂部圧力は好ましくは35トルより低
く、また約6〜約10トルであり、そして底部圧力は約
20トルである。
【0064】高純度の環状アルキレンカーボネート例え
ばプロピレンカーボネートを高度に回収するために決定
的なことは、環状アルキレンカーボネートのプロセス内
損失を最少にすることである。プロピレンカーボネート
は固形物とともに失われるのみでない。プロピレンカー
ボネートは例えば副生物の生成や加水分解物の生成を通
じて化学的にも損失する。
【0065】本発明者は、これらのプロセス内の損失経
路の制御には、低い操作温度、より高い温度での滞留時
間を最少にすることおよび水が実質的に存在しないこと
が必要なことを見出している。(i)プロピレンカーボ
ネートの分解速度を低下し、同時に(ii)重合体中に存在
する任意の単量体化学種の発熱的重合の速度を低下する
ために、操作温度と熱投入面への曝露時間とが最低にさ
れる。しかしながら、このような比較的低い温度におい
てさえ、流出液流中に同伴されるフォトレジスト中に存
在する熱重合可能な単量体トリメチロール−プロパント
リアクリレート(TMPTA)は発熱的に重合すること
ができる。従って熱重合抑制剤を溶媒中に含ませること
が必要である。
【0066】本発明において含ませることのできるこの
ような熱重合抑制剤は一般式(1)または(2)、
【化3】 (式中、nは0または1であり、Xは、
【化4】 であり、そしてR1およびR2は独立にH、−OH、C1
〜C6アルキル基であり、R3はH、−OH、−COO−
(C1〜C6アルキル基)、C1〜C6アルキル基またはC
1〜C6アルコキシ基であるが、ただし化合物は少なくと
も三つの環を有するものとする)を有する化合物であ
る。上記の記法において、2重環の置換基R 3はいずれ
の環に結合していてもよい。
【0067】式(2)において、環は二つのC=O基を
有しまた二つののC=C結合を含む。
【0068】本発明の目的のための溶媒に添加される熱
重合抑制剤としては、置換フェノールが好ましい。選好
される置換フェノールには、バニリン、ブチルカテコー
ル、ハイドロキノンおよびブチル化ヒドロキシトルエン
がある。
【0069】反応による発熱を制御するあるいは効果的
に減少するのに使用でき、そして感光性組成物の保存時
の安定性も増大する別な好適な熱重合抑制剤には、p−
メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルおよび
アリール−置換されたハイドロキノンおよびキノン、第
三ブチルカテコール、ピロガロール、樹脂酸銅、ナフチ
ルアミン、ベータ−ナフトール、塩化第一銅、2,6−
ジ−第三−ブチルp−クレゾール、フェノチアジン、ピ
リジン、ニトロベンゼンおよびジニトロベンゼン、p−
トルエキノンおよびクロラニルがある。含有される熱重
合抑制剤としてやはり有用なのは有機銅化合物およびニ
トロソ組成物である。
【0070】本発明は、ビニル結合を有する単量体に、
それの1モルあたり約0.01モルまでの上記の式
(1)または(2)の抑制剤を添加することにより、単
量体組成物または単量体流中での単量体の重合を抑制す
る方法を含む。抑制剤は、工程例えば写真平版工程から
の再生すべき溶媒組成物または溶媒流中に抑制剤を溶解
することにより添加されてよい。熱重合抑制剤は、例え
ば現像剤、ストリッピング剤、脱脂剤、清浄化剤等とし
て使用するために溶媒を導入する前に、あるいは溶媒を
使用した後、ただし溶媒を回収する前に、溶媒に添加で
きる。従って、熱重合抑制剤は溶媒の再使用時に溶媒の
リサイクル流中に存在してよい。
【0071】フリーラジカル重合を適切に抑制しあるい
は阻害するために本発明において使用する抑制剤は、溶
媒組成物中に可溶でありまた適度に少ない量で有効であ
る。溶媒中に存在する熱重合抑制剤の量は、通常の分
離、回収および再生条件ならびに保存条件の下で単量体
の重合を抑制するのに有効な量でみなければならない。
一般に約0.01モル%(単量体のモル基準)までの濃
度を使用できるが、約0.001〜約0.005モル%の
量も十分に好ましい。
【0072】抑制剤を含まないあるいはさほど有効でな
い抑制剤を含む単量体と比較して、重合がそれほど起こ
りそうになく思われあるいは起こっても程度が一層低い
ならば、そして望ましくは重合が全く起こらないなら
ば、重合が「抑制された」と考えられる。一層特定的に
は、水、他の溶媒、重合体および単量体から溶媒を分離
するための、熱的な処理、例えば蒸留、分溜および蒸発
が関与する分離および回収方法においては、熱的に開始
される発熱的重合により発生される熱が、分離されそし
て回収されつつある溶媒を著しくは劣化しないならば、
熱重合が抑制されると考えられる。
【0073】温度を比較的低くし、伝熱面への溶媒の曝
露時間を短くするために、分離および回収処理を実質的
な真空条件下で実施する必要がある。実質的な真空条件
は、環状アルキレンカーボネート流例えばプロピレンカ
ーボネート流を高温度に加熱する必要を減らしまた無く
しさえする。有害な副生物を避けるように思われる高い
温度は、環状アルキレンカーボネートのオープンカップ
引火点である。プロピレンカーボネートの場合、この温
度は132℃である。この場合、プロピレンカーボネー
トの132℃のオープンカップ引火点より低い温度で処
理することにより、燃焼および爆発の懸念を最小にでき
る。これによって損害を限定する構造の必要性が避けら
れるとともに、耐火性および耐爆性の回収装置が必要で
なくなる。加えて、低温のため分解速度が低下する。
【0074】さらに、工程の系列の上流において水を除
去するならば、プロピレンカーボネートのような環状ア
ルキレンカーボネートの例えば加水分解による分解を最
少にすることが可能である。これらの考慮を払って、図
1に示す工程の系列や、以下に示す工程の個々の段階を
操作する。
【0075】本明細書に記載する多段階分離方法は、可
視的な懸濁固形物を含み、色が濃くそして不透明なひど
く汚染された供給物から開始される。この供給物を処理
して、懸濁固形物を含まず、APHA色彩値(白金−コ
バルト標準と対比する)が20より低い透明な生成物を
得る。本発明の方法は水の除去に特に有効でもあり、供
給物中の7重量%の水含有率が回収されるプロピレンカ
ーボネート生成物中の0.01重量%の水含有率まで低
下する。
【0076】
【実施例】
実施例1 メチレンクロライド中に溶解したRiston T168と熱
重合抑制剤としての328ppmのハイドロキノンとを含
有する溶液を室温で完全に混合し、次いで均一な膜を得
るように真空乾燥器内にいれて溶媒を除去した。ハイド
ロキノンをそれぞれ548ppmおよび2000ppm含有す
る類似な膜も製造した。比較対照物としてDu Pontから
入手したRiston T168(2ミルフィルム)を使用し
た。
【0077】流延および乾燥の後、フィルムを示差走査
熱分析を用いて放出されるエネルギー、重合開始温度お
よび反応中に到達する最高温度について測定した。この
実験の結果を表1に示す。
【表1】
【0078】実施例2 抑制剤を含むそしてそれを含まないRiston T168の
試料を色々な時間にわたって110℃の温度下におき、
そして示差走査熱分析を用いて残存する反応熱を測定し
た。表の結果は、熱重合中の熱の放出の遅れを示す。
【表2】
【0079】いくつかの好ましい実施態様および例示に
ついて本発明を説明してきたが、これによって本発明の
範囲を限定する意図はなく、発明の範囲は添付の特許請
求の範囲によって限定されるのみである。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルキレンカーボネートの回収工程を
それぞれ例示するフローチャートである。
【図2】本発明のアルキレンカーボネートの回収工程を
それぞれ例示するフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コースタス・アイ・パパトマス アメリカ合衆国ニユーヨーク州13760. エンデイコツト.コベントリーロード75 (72)発明者 テリー・ドナルド・シンクレア アメリカ合衆国ニユーヨーク州13760. エンデイコツト.イーストメインストリ ート416 (72)発明者 ジエローム・ジエイムズ・ワグナー アメリカ合衆国ニユーヨーク州13760. エンデイコツト.ウエストフランクリン ストリート413 (56)参考文献 特開 平1−258702(JP,A) 特表 平3−505339(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱重合性単量体を含有する重合体膜に、
    環状アルキレンカーボネート、ベンジルアルコール、ガ
    ンマーブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびジ
    メチルスルホキシドよりなる群から選択される有機溶媒
    を接触させて基体から重合体膜を除去する方法であっ
    て、 a.重合体膜の除去工程から排出される熱重合性単量体
    を含む不純物を含有する有機溶媒に、キノン型熱重合抑
    制剤を添加する工程; b.キノン型熱重合抑制剤および不純物を含有する有機
    溶媒を第1の分離段階に導入して、25トルより低い圧
    力下、132℃より低い温度で水分および揮発成分を溜
    出させ除去する工程; c.第1の分離段階からの不揮発分を第2の分離段階に
    導入し、35トルより低い圧力下、100℃より高い温
    度に維持して有機溶媒を含む低沸点溜分と熱重合性単量
    体を含む高沸点溜分とに分離する工程;および d.有機溶媒を含む低沸点溜分を蒸留塔に導入し、塔頂
    圧力を35トルより低く維持し低沸点不純物を溜出させ
    て精製有機溶媒を回収する工程; からなる方法。
  2. 【請求項2】 不純物を含有する有機溶媒がさらに水を
    含有する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒がプロピレンカーボネートであ
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 キノン型熱重合抑制剤がハイドロキノン
    である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 キノン型熱重合抑制剤の添加量が熱重合
    性単量体のモル基準で少なくとも0.001モル%であ
    る請求項1記載の方法。
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