JP2500010Y2 - 内燃機関点火装置用信号発生装置 - Google Patents

内燃機関点火装置用信号発生装置

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JP2500010Y2
JP2500010Y2 JP7742291U JP7742291U JP2500010Y2 JP 2500010 Y2 JP2500010 Y2 JP 2500010Y2 JP 7742291 U JP7742291 U JP 7742291U JP 7742291 U JP7742291 U JP 7742291U JP 2500010 Y2 JP2500010 Y2 JP 2500010Y2
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浩 山田
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Kokusan Denki Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内燃機関の点火時期を
定めるための信号を発生する内燃機関点火装置用信号発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関用の点火装置で
は、機関の点火時期に信号発生装置から点火信号を発生
させて、この点火信号により半導体スイッチを動作さ
せ、この半導体スイッチの動作により点火コイルの1次
電流を急変させて、該点火コイルの2次コイルに点火用
の高電圧を誘起させるようにしている。
【0003】点火信号を発生する信号発生装置としては
種々のものが実用されているが、その1つとしてホール
素子等の磁気感応素子からなる磁気検出器を用いたもの
がある。
【0004】従来のこの種の信号発生装置では、フライ
ホイール磁石回転子の外周部にリラクタを設けるととも
に、小形の永久磁石と鉄心とからなる磁気回路の一部に
磁気検出器を配設した信号発生用の固定子をリラクタに
近接して配置して、リラクタによる磁束の変化に応じて
磁気検出器に点火信号を発生させるようにしていた。ま
た実公昭52−57326号に示されたものでは、フラ
イホイール磁石回転子の磁極面とボス部の外周部との間
にH字形の磁心と該磁心の中心を通る磁束を受けるよう
に設けられたホール素子とを備えた信号発生用の固定子
を配設するとともに、回転子のボス部の外周に切欠部か
らなるリラクタを形成し、該リラクタによりホール素子
を通る磁束を変化させることにより該ホール素子に点火
信号を発生させている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】従来の内燃機関点火装
置用信号発生装置においては、少なくとも磁気検出器と
これに磁束を通す磁気回路とからなる信号発生用固定子
を磁石発電機の固定子とは別の箇所に配設する必要があ
った。そのため、磁石発電機の構造が複雑になって大形
化するという問題があった。また、磁気検出器を通る磁
束を変化させるためにフライホイール磁石回転子の外周
部やボス部にリラクタを設ける必要があったため、フラ
イホイールの加工が面倒になるという問題があった。本
考案の目的は、磁石発電機の構造を複雑にしたり、回転
子の加工を面倒にしたりすることなく、1回転当り1回
だけ点火信号を発生する内燃機関点火装置用信号発生装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案に係わる信号発生
装置は、多極の磁石回転子と、該磁石回転子の磁極に対
向する磁極部を有する電機子鉄心に発電コイルを巻回し
てなる固定子とを備えた磁石発電機と、磁石回転子の周
方向に間隔をあけた状態で配置されて、該磁石回転子か
ら生じる磁束の変化を検出して低レベルと高レベルの2
つの状態を示す信号を出力する複数の磁気検出器と、複
数の磁気検出器の出力が同時に高レベルまたは低レベル
になっている間内燃機関の点火時期を定めるための点火
信号を出力する信号出力回路とにより構成される。上記
磁気検出器は、検出した磁束が一方の極性から他方の極
性に交番する際に出力が高レベルになり、磁束が他方の
極性から一方の極性に交番する際には出力が低レベルに
なる磁束交番形の磁気感応素子により構成し、複数の磁
気検出器の出力が同時に高レベルになる期間または低レ
ベルになる期間が磁石回転子の1回転当り1回だけ生じ
るように、磁石回転子の磁極の極間隔と各磁極の極弧角
と複数の磁気検出器相互間の角度間隔とを設定する。
【0007】
【作用】上記のように、磁石回転子の周方向に間隔をあ
けた状態で磁束交番形の磁気検出器を複数配置すると、
磁石回転子の回転に伴って各磁気検出器に流れる磁束が
交番するため、各磁気検出器からは高レベルの状態と低
レベルの状態とが交互に現われる信号が出力される。複
数の磁気検出器から得られる出力は磁気検出器相互間の
周方向の角度位置の差に相当する位相差を有する上に、
複数の磁気検出器からそれぞれ得られる出力が同時に高
レベルまたは低レベルになる期間が磁石回転子の1回転
当り1回だけ生ずるように該磁石回転子が構成されてい
るため、信号出力回路からは磁石回転子の1回転当り1
回だけ点火信号を出力させることができる。上記のよう
に構成すると、磁石発電機内には、小形の磁気検出器を
配置するスペースを確保すればよく、磁石や鉄心を備え
た信号発生用の固定子を配置する必要がないため、磁石
発電機が大形になるのを防ぐことができる。また磁気検
出器を通る磁束を変化させるためにリラクタを必要とし
ないため、リラクタを形成するための面倒な加工を省略
することができ、コストの低減を図ることができる。
【0008】
【実施例】以下添付図面を参照して本考案の実施例を説
明する。
【0009】図1ないし図3は本考案の実施例を示した
もので、図1及び図2は本考案で用いる磁石発電機を示
した構成図、また図3は磁気検出器を点火回路に接続し
た状態を示した回路図である。
【0010】図1及び図2において1は図示しない内燃
機関の回転軸に取付けられる磁石回転子で、この磁石回
転子は、磁性材料からなるほぼカップ状のフライホイー
ル2と、該フライホイールの周壁部2aの内周に取付け
られた永久磁石3a〜3dとからなる。永久磁石3a〜
3dはフライホイールの周方向に交互に異なる極性の磁
極が並ぶように、交互に着磁方向を異ならせて径方向着
磁されている。フライホイール2の底壁部2bの中央部
には機関の回転軸に嵌着されるテーパ孔2cを有するボ
ス部2dが形成されている。
【0011】4は磁石回転子1の隣り合う磁極に対向す
る磁極部4a及び4bを両端に有するI字形の電機子鉄
心で、所定の形状に打ち抜いた鋼板を積層したものから
なっている。電機子鉄心4は磁極部4a及び4bにそれ
ぞれ設けられた貫通孔4c,4dにより図示しない機関
のクランクケース等に設けられた固定子取付け部にねじ
止めされる。5は電機子鉄心4に巻かれた発電コイル
で、この実施例の発電コイル5は、図3に示したように
1次コイル5a及び2次コイル5bを有する点火コイル
である。
【0012】6及び8はホールIC等の磁気感応素子か
らなる第1及び第2の磁気検出器で、これらの磁気検出
器は、電機子鉄心4の一端及び他端の磁極部4a及び4
bにそれぞれ取付けられた取付け金具7及び9に固定さ
れて、磁石回転子1の磁極に小間隙を介して対向させら
れている。第1及び第2の磁気検出器6及び8は、磁石
回転子1の磁極から流れる磁束が一方の極性(例えばN
極性)から他方の極性(例えばS極性)に交番した際に
出力が高レベルになり、磁束が他方の極性(例えばS極
性)から一方の極性(例えばN極性)に交番する際に出
力が低レベルになる磁束交番形の磁気感応素子からなっ
ている。このような磁気感応素子としてはホールICを
用いることができる。
【0013】本実施例では、磁石回転子1の永久磁石3
a〜3dの極弧角(各磁石の円弧角)が全て等しく設定
されているが、永久磁石3a〜3dの隣接する磁極間の
角度間隔(極間隔)α,α,β及びγ(図1参照)は、
α=90°、β<α<γの関係を満たすようにに選定さ
れている。また第1及び第2の磁気検出器6及び8の間
の周方向の角度間隔δは、本実施例ではβ≦δ<αにな
るように選定されている。
【0014】図3は上記磁気検出器6及び8から得られ
る信号を入力として点火信号を出力する信号出力回路
と、点火信号を用いて動作する点火回路の一例とを示し
たものである。図3において、15は機関の点火プラグ
17に点火電圧を供給する点火回路、11は磁気検出器
6及び8の出力V1 及びV2 を入力して点火回路15に
点火信号VG を供給する信号出力回路、10は磁気検出
器6及び8と信号出力回路11とに駆動電流を供給する
バッテリ等の直流電源である。信号出力回路11は、そ
れぞれ第1及び第2の磁気検出器6及び8の出力を入力
とする第1及び第2の増幅回路12及び13と、両増幅
回路の出力を入力とするAND回路14と、該AND回
路の出力側にアノードを接続したダイオードD1 とによ
り構成されている。第1及び第2の増幅回路はいずれも
公知のもので、第1の増幅回路12は抵抗器R4 〜R6
とトランジスタTr2及びTr3とからなり、第2の増幅回
路13は抵抗器R7 〜R9 とトランジスタTr4及びTr5
とからなっている。本実施例では、第1及び第2の磁気
検出器6及び8の出力V1 及びV2 が同時に高レベルに
なっている間信号出力回路11の出力VG が高レベルに
なり、V1 及びV2 の少なくとも一方が低レベルのとき
には出力VG は低レベルになる。
【0015】本実施例の点火回路15は、電機子鉄心4
に巻かれた1次コイル5a及び2次コイル5bからなる
点火コイル5と、スイッチングトランジスタTr1とサイ
リスタSCRと抵抗器R1 〜R3 とからなる1次電流制
御回路16とからなる公知の電流遮断形の回路である。
この点火回路においては、磁石回転子1の回転により生
じた1次コイル5aの誘起電圧でトランジスタTr1が導
通して1次電流が確立されたのち、サイリスタSCRの
ゲートに点火信号VG が印加されて該SCRが導通する
とトランジスタTr1が遮断する。このトランジスタTr1
の遮断により2次コイル5bに高電圧が誘起し、該高電
圧により点火プラグ17に火花が飛ぶ。図4は上記実施
例の各部の信号波形を、磁石回転子1の回転角θを横軸
にとって示したものである。磁石回転子1が図1に示し
た位置(θ=θ1 )から図示の矢印方向に回転すると、
第1及び第2の磁気検出器6及び8をそれぞれ流れる磁
束φ1 とφ2 とは位相差δをもってそれぞれ一方の極性
と他方の極性との間を交番して1回転につき2サイクル
の変化をする[図4(A),(B)]。磁気検出器6及
び8の出力V1 及びV2 は、それぞれ磁束φ1 ,φ2 が
一方の極性から他方の極性に交番する際に高レベルにな
り、磁束φ1 ,φ2 が他方の極性から一方の極性に交番
する際に低レベルになるので、出力V1 とV2 は位相差
δをもち、それぞれ高レベルと低レベルになる期間(回
転角度)が順次α,α,β及びγになる(図4(C),
(D))。本実施例では前記したように、α=90°,
β<α<γに選定されており、かつ位相差δはβ≦δ<
αの関係になるように選定されていて、V1 とV2 とが
同時に高レベルになるのは図示のようにθがθ1 からθ
2 までの期間となり、この期間は磁石回転子1の1回転
あたり1回だけ生ずる。従って、信号出力回路11から
出力される点火信号VG は、回転角θがθ1 からθ2 ま
での期間(θ2 −θ1 =α−δ)だけ高レベルとなる
[図4(E)]。点火回路の発電コイル(点火コイル)
5の1次コイル5aには、磁石回転子1の回転に伴って
角度θ1 の位置より前の位置で正方向の電圧が誘起し始
め、この電圧によりスイッチングトランジスタTr1が導
通して1次電流i1 が流れ始める。この1次電流i1 は
角度θ1 の位置でほぼ最高値に達する。このとき点火回
路のサイリスタSCRに点火信号VG が印加されると、
該サイリスタが導通するため、スイッチングトランジス
タTr1が非導通になって1次電流i1 が遮断され、2次
コイル5bに高電圧が誘起する。磁石回転子1が更にほ
ぼ180°回転した位置(θ3 )付近では、スイッチン
グトランジスタTr1が再び導通して1次短絡電流i10が
流れるが、このときは点火信号VG が低レベルになって
いるのでサイリスタSCRは導通せず、1次電流が遮断
されることはない[図4(F)]。
【0016】上記の実施例においては、第1及び第2の
磁気検出器6及び8の出力が同時に高レベルになってい
る間信号出力回路11から出力される点火信号VG が高
レベルになるようにしたが、第1及び第2の磁気検出器
6及び8の出力が磁石回転子1の1回転当り1回だけ同
時に低レベルになる期間が生ずるようにして、この期
間、信号出力回路11から出力される点火信号VG が高
レベルになるようにしてもよい。例えば図1の実施例に
おいて、磁石回転子1の永久磁石3a〜3dの各極性が
図1に示した極性と反対の極性になるように着磁する
と、第1及び第2の磁気検出器6及び8の出力V1 及び
V2 の波形は、図4(C)及び(D)に示した波形を反
転した波形になり、角度θ1 とθ2 との間の期間、V1
とV2 とが同時に低レベルになる。この場合、信号出力
回路11の第1及び第2の増幅回路12及び13は、入
力が低レベルのときに出力が高レベルになり、入力が高
レベルのとき出力が低レベルになるように構成(例えば
図3の回路でトランジスタTr2及びTr4と抵抗器R4 及
びR7 を除去)するか、または、AND回路14の代り
にNOR回路を用いて、磁気検出器6及び8の出力が同
時に低レベルになっている間のみ信号出力回路11から
高レベルの点火信号VG を出力させる。
【0017】また図3に示した回路においては、電流遮
断形の点火回路を用いているが、コンデンサ放電式の点
火回路にも本考案の点火信号発生装置を用いることがで
きるのは勿論である。
【0018】上記の実施例においては、第1及び第2の
磁気検出器を点火用の発電コイルの一端付近及び他端付
近に取付けたが、点灯やバッテリ充電用の発電コイルを
巻いた電機子鉄心の一端付近及び他端付近に磁気検出器
を取付けてもよい。
【0019】上記の実施例では、電機子鉄心がI字形の
鉄心からなっているが、電機子鉄心として環状の多極鉄
心を用いる場合にも本考案を適用することができる。図
5ないし図7は、電機子鉄心として環状多極鉄心を用い
る場合に本考案を適用した実施例を示したものである。
図5及び図6に示したように、この実施例のフライホイ
ール磁石回転子21は、カップ状のフライホイール22
と、該フライホイールの周壁部22aの内周に固定され
た4個の円弧状の永久磁石23a〜23dとからなって
いる。4個の磁石23a〜23dは相互間に比較的狭い
間隙を介して等角度間隔で並べて配置されていて、それ
ぞれの磁石が2極の磁極を構成するように着磁され、全
体で8極の磁極M1 〜M8 が構成されている。各着磁領
域の着磁方向はフライホイールの径方向である。図5に
おいては、N極の回転子磁極を構成するように着磁され
た領域に斜線を施し、S極の回転子磁極を構成するよう
に着磁された領域には無数の黒点を付して各着磁領域を
表示している。尚各磁石の白抜きの部分は無着磁領域を
示している。
【0020】電機子鉄心24は、環状に形成された継鉄
部24aから8個の突極部24b1〜24b8を突出させた
環状星形多極鉄心で、突極部24b1〜24b8にそれぞれ
発電コイル25a1〜25a8が巻回されている。
【0021】第1及び第2の磁気検出器6及び8は隣り
合う2つの突極部24b1及び24b2の先端にそれぞれ設
けられている極片部P(図6参照)の軸線方向端部に取
り付けられて、磁石回転子の磁極に対向させられてい
る。
【0022】本実施例においては、第1及び第2の磁気
検出器6及び8の出力が同時に低レベルになる期間が、
磁石回転子21の1回転当り1回だけ生じるように、磁
石回転子の極間隔と各磁極の極弧角と、第1及び第2の
磁気検出器相互間の角度間隔とが設定されている。図示
の例では、磁石回転子の磁極M1 ,M3 ,M5 ,M6及
びM7 の極弧角(磁極の幅)が等しく設定されている。
磁極M2 及びM4 の極弧角も等しく設定されているが、
これらの磁極の極弧角は、磁極M1 ,M3 ,M5 ,M6
及びM7 の極弧角よりも小さく設定されている。また磁
極M8 は磁極M2 及びM4 の極弧角よりも更に小さく設
定されている。
【0023】本実施例において、磁石回転子21は図5
において時計方向に回転する。磁石回転子21が回転し
た際に第1の磁気検出器6が検出する磁束φ1 の変化は
図8(B)に示した通りであり、第1の磁気検出器6は
この磁束の変化により、図8(D)に示すような矩形波
信号V1 を出力する。また第2の磁気検出器8が検知す
る磁束φ2 の変化は図8(A)に示した通りであり、第
2の磁気検出器はこの磁束変化により図8(C)に示す
矩形波信号V2 を出力する。
【0024】上記矩形波信号V1 及びV2 は、図7に示
したように、OR回路30に入力され、OR回路30の
出力はNOT回路31に入力されている。OR回路30
及びNOT回路31により、点火信号VG を出力する点
火信号出力回路32が構成されている。
【0025】図8(D)及び(C)にそれぞれ示された
矩形波信号V1 及びV2 がOR回路30に入力される
と、該OR回路30の出力Vo は、図8(E)に示すよ
うに、矩形波信号V1 及びV2 がともに低レベルになる
角度θ1 とθ2 との間の期間だけ低レベルになり、NO
T回路31の出力(点火信号)VG は、角度θ1 とθ2
との間の期間だけ高レベルになる。
【0026】図7に示した例では、この点火信号VG
が、コンデンサ放電式の点火回路33に与えられる。図
示の点火回路33は、点火コイル5と、該点火コイルの
1次コイルに対して直列に接続された点火エネルギー蓄
積用コンデンサC1 と、導通した際にコンデンサC1 の
電荷を点火コイル5の1次コイルに放電させるように設
けられたサイリスタTh1とを備え、磁石発電機の固定子
に設けられた発電コイル25の出力がダイオードD2 を
介してコンデンサC1 と点火コイルの1次コイルとの直
列回路の両端に印加されている。点火信号出力回路32
から得られる点火信号VG は、サイリスタTh1のゲート
に供給されている。図7に示した発電コイル25は、磁
石発電機の電機子鉄心24に巻かれた発電コイル25a1
〜25a8の内の1つ、またはこれらの発電コイルの内の
複数個を直列に接続したものからなっていて、機関の回
転に同期して交流電圧を誘起する。
【0027】図7の点火回路において、発電コイル25
が図示の矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起する
と、ダイオードD2 を通してコンデンサC1 が図示の極
性に充電される。点火信号出力回路32からサイリスタ
Th1に点火信号VG が与えられると、該サイリスタTh1
が導通し、コンデンサC1 の電荷を点火コイルの1次コ
イルに放電させる。これにより点火コイルの鉄心中で大
きな磁束変化が生じ、該点火コイルの2次コイルに点火
用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ17に
印加されるため該点火プラグに火花が生じ、機関が点火
される。
【0028】図5ないし図7に示した実施例では、磁気
検出器6及び8の出力が同時に低レベルになる期間が、
磁石回転子の1回転当り1回だけ生じるように、磁石回
転子21の磁極の極間隔と各磁極の極弧角と、第1及び
第2の磁気検出器6及び8相互間の角度間隔とを設定し
ているが、磁気検出器6及び8の出力が同時に高レベル
になる期間が、磁石回転子の1回転当り1回だけ生じる
ように、磁石回転子21の磁極の極間隔と各磁極の極弧
角と第1及び第2の磁気検出器6及び8相互間の角度間
隔とを設定するようにしてもよい。
【0029】図5に示した例では、第1及び第2の磁気
検出器6及び8が電機子鉄心の隣り合う突極部に取付け
られているが、1つ以上離れた位置にある2つの突極部
にそれぞれ第1の磁気検出器6及び第2の磁気検出器8
を取付けて、両磁気検出器の出力が同時に高レベルにな
る期間、または低レベルになる期間が、磁石回転子の1
回転当り1回だけ生じるように、磁石回転子の磁極の極
間隔と各磁極の極弧角と、第1及び第2の磁気検出器相
互間の角度間隔とを設定するようにしてもよい。
【0030】上記の各実施例では、磁気検出器を2個設
けているが、本考案においては、複数の磁気検出器によ
り磁石回転子の磁極から生じる磁束の変化を検出して、
これらの磁気検出器から得られる複数の信号に論理演算
を施して、1回転当り1回だけ点火信号を発生させれば
よく、3個以上の磁気検出器を設けることもできる。図
9は3個の磁気検出素子を設けた実施例を示したもの
で、この実施例では、カップ状のフライホイール21の
周壁部の内周にリング状の磁石23が配置され、磁石2
3の所定の着磁領域が径方向に着磁されて、M1 〜M12
の12個の磁極を備えた磁石回転子21が構成されてい
る。図9においては、内周側がN極になるように着磁さ
れた着磁領域に斜線を施し、内周側がS極になるように
着磁された着磁領域に多数の黒点を付してある。磁極M
1 〜M12の角度間隔(中心間の角度間隔)は360/1
2=30度に設定されている。また磁極M1 〜M9 及び
M11及び12は等しい極弧角を有し、磁極M10は他の磁極
よりも大きな極弧角を有している。磁極M10の極弧角を
大きくしたことにより、該磁極M10とその両側の磁極M
9 及びM11との間の間隔は他の磁極相互間の間隔よりも
小さくなっている。電機子鉄心24は、環状の継鉄部2
4aから12個の突極部24b1〜24b12を30度の等
角度間隔で突出させたもので、突極部24b1〜24b12
にはそれぞれ発電コイル25a1〜25a12 が巻回されて
いる。
【0031】本実施例では、電機子鉄心の突極部24b1
の極片部の中央部に第1の磁気検出器6が取り付けら
れ、突極部24b2の極片部の両端寄りの位置に第2の磁
気検出器8及び第3の磁気検出器8´が取り付けられて
いる。
【0032】本実施例において、磁石回転子21が時計
方向に回転すると、第1ないし第3の磁気検出器6,8
及び8´がそれぞれ検出する磁束φ1 ,φ2 及びφ3 の
変化はそれぞれ図10(C),(A)及び(B)に示し
た通りであり、第1ないし第3の磁気検出器6,8及び
8´はこれらの磁束の変化によりそれぞれ図10
(G),(D)及び(E)に示すような矩形波信号V1
,V2 及びV3 を出力する。上記矩形波信号V1 ない
しV3 は、図11に示した点火信号出力回路32に入力
されている。この点火信号出力回路32は、OR回路3
0A及び30BとNOT回路31とからなり、矩形波信
号V2 及びV3 がOR回路30Aに入力されている。矩
形波信号V1 はOR回路30Aの出力Vo'とともにOR
回路30Bに入力され、OR回路30Bの出力Vo がN
OT回路31に入力されている。
【0033】この場合、OR回路30Aの出力Vo'は図
10(F)に示すようになり、OR回路30Bの出力V
o は図10(H)に示すようになる。即ち、OR回路1
0Bから得られる信号Vo は、矩形波信号V1 ,V2 及
びV3 がともに低レベルになる角度θ1 とθ2 との間の
期間だけ低レベルになり、NOT回路31の出力(点火
信号)VG は、角度θ1 とθ2 との間の期間だけ高レベ
ルになる。
【0034】図9に示した例では、第2及び第3の磁気
検出器8及び8´を電機子鉄心の同じ突極部に取付けて
いるが、第1ないし第3の磁気検出器をそれぞれ異なる
突極部に取り付けて、これらの磁気検出器の出力が同時
に高レベルになる期間、または低レベルになる期間が、
磁石回転子の1回転当り1回だけ生じるように、磁石回
転子の磁極の極間隔と各磁極の極弧角と、第1及び第2
の磁気検出器相互間の角度間隔とを設定するようにして
もよい。
【0035】上記の各実施例では、磁気検出器を電機子
鉄心の突極部に取り付けているが、本考案において磁気
検出器は、磁石回転子から生じる磁束を検出すればよい
ので、各磁気検出器を電機子鉄心の継鉄部等に取り付け
てもよく、または電機子鉄心以外の部分(例えば固定子
を取り付ける台板上等)に取り付けてもよい。
【0036】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、磁石回
転子から生じる磁束の変化を検出して低レベルと高レベ
ルの2つの状態を示す信号を出力する複数の磁気検出器
を磁石回転子の周方向に間隔をあけた状態で配置すると
ともに、該複数の磁気検出器の出力が同時に高レベルま
たは同時に低レベルになる期間が磁石回転子の1回転に
つき1回だけ生ずるように磁石回転子の極間隔と磁極の
極弧角と磁気検出器相互間の角度間隔とを設定し、該複
数の磁気検出器の出力が同時に高レベルまたは低レベル
になっている間信号出力回路から内燃機関の点火時期を
定めるための点火信号を出力させるようにしたので、信
号発生用の特別な永久磁石やリラクタを必要としないで
磁石回転子の1回転当り1回だけ点火信号を発生させる
ことができ、小形かつ構造が簡単で、しかも取付けのた
めに大きなスペースを必要としない内燃機関点火装置用
信号発生装置を得ることができる利点がある。また磁気
検出器を通る磁束を変化させるためにリラクタを必要と
しないため、リラクタを形成するための面倒な加工を省
略することができ、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例で用いる磁石発電機の構成を示
した構成図である。
【図2】図1のO−A線断面図である。
【図3】図1の実施例で用いる点火信号出力回路の構成
を点火回路の構成とともに示した回路図である。
【図4】(A)ないし(F)は図1の実施例において磁
気検出器が検知する磁束の波形及び図3の点火信号出力
回路の各部の信号波形を示した波形図である。
【図5】本考案の他の実施例で用いる磁石発電機の構成
を示した構成図である。
【図6】図5のO−A´線断面図である。
【図7】図5の実施例で用いる点火信号出力回路の構成
を点火回路の構成とともに示した回路図である。
【図8】(A)ないし(F)は図5の実施例において磁
気検出器が検出する磁束の波形及び図7の点火信号出力
回路の各部の信号波形を示した波形図である。
【図9】本考案の他の実施例で用いる磁石発電機の構成
を示した構成図である。
【図10】(A)ないし(I)は図9の実施例において
磁気検出器が検出する磁束の波形と点火信号出力回路の
各部の信号波形とを示した波形図である。
【図11】図9の実施例で用いる点火信号出力回路の構
成を示した回路図である。
【符号の説明】
1…磁石回転子、4…電機子鉄心、4a,4b…電機子
鉄心の磁極部、6…第1の磁気検出器、8…第2の磁気
検出器、8´…第3の磁気検出器、11…信号出力回
路、15…点火回路、21…フライホイール磁石回転
子、22…フライホイール、23a〜23d…永久磁
石、24…環状鉄心、24a…継鉄部、24b1〜24b1
…突極部、25a1〜25a12 …発電コイル、M1 〜M12
…磁石回転子の磁極、30,30A,30B…OR回
路、31…NOT回路、32…点火信号出力回路、33
…点火回路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多極の磁石回転子と、前記磁石回転子の磁
    極に対向する磁極部を有する電機子鉄心に発電コイルを
    巻回してなる固定子とを備えた磁石発電機と、 前記磁石回転子の周方向に間隔をあけた状態で配置され
    て、前記磁石回転子から生じる磁束の変化を検出して低
    レベルと高レベルの2つの状態を示す信号を出力する複
    数の磁気検出器と、 前記複数の磁気検出器の出力が同時に高レベルまたは低
    レベルになっている間内燃機関の点火時期を定めるため
    の点火信号を出力する信号出力回路とを具備し、 前記磁気検出器は検出した磁束が一方の極性から他方の
    極性に交番する際に出力が高レベルになり、磁束が他方
    の極性から一方の極性に交番する際には出力が低レベル
    になる磁束交番形の磁気感応素子からなり、 前記複数の磁気検出器の出力が同時に高レベルになる期
    間または低レベルになる期間が前記磁石回転子の1回転
    当り1回だけ生じるように、前記磁石回転子の磁極の極
    間隔と各磁極の極弧角と複数の磁気検出器相互間の角度
    間隔とが設定されていることを特徴とする内燃機関点火
    装置用信号発生装置。
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