JP2024523820A - 電極歪の影響を補償する方法、評価システム - Google Patents

電極歪の影響を補償する方法、評価システム Download PDF

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Abstract

評価システム及び方法が開示される。一配置では、対物レンズアレイ内の電極歪の影響が補償される。電極歪は対物レンズアレイ内の静電界を変動させることにより調節される。この調節は、サンプルに衝突するマルチビームのサブビームに対する電極歪の影響を補償するような調節である。サブビームは対物レンズアレイ内の静電界の変動に応じて再集束される。調節すること及び再集束することは対物レンズアレイの少なくとも2つの電極へ印加される電位を変更することを含む。【選択図】 図12

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年6月10日に申請されそしてその全体を参照により本明細書に援用する欧州特許出願公開第21178810.4号の優先権を主張する。
[0002] 本明細書において提供される実施形態は、荷電粒子(特に電子)を使用してサンプルを評価する(例えばサンプルから放出される信号電子を検出することにより)方法及び評価システムに関する。
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際、例えば光学効果及び偶発的粒子の結果として、望ましくないパターン欠陥が製作プロセス中に基板(即ちウェーハ)又はマスク上で不可避的に生じ、それにより歩留まりが低下する。従って、望ましくないパターン欠陥の程度をモニタリングすることは、ICチップの製造において重要なプロセスである。より一般的には、基板又は他の物体/材料の表面の検査及び/又は測定は、その製造中及び/又は製造後において重要なプロセスである。
[0004] 荷電粒子ビームによるパターン検査ツールは、サンプルと呼ばれ得る物体を検査するために、例えばパターン欠陥を検出するために使用されている。これらのツールは、一般的に、走査電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡法技術を使用する。SEMでは、比較的高いエネルギーの電子の一次電子ビームが、比較的低い着地エネルギーでサンプル上に着地するために、最終減速ステップでターゲットにされる。電子ビームは、サンプル上にプロービングスポットとして集束される。プロービングスポットにおける材料構造と、電子ビームからの着地電子との相互作用により、二次電子、後方散乱電子又はオージェ電子などの信号電子が表面から放出される。信号電子は、サンプルの材料構造から放出され得る。サンプル表面にわたり、プロービングスポットとして一次電子ビームを走査することにより、サンプルの表面にわたって信号電子を放出させることができる。サンプル表面からのこれらの放出された信号電子を収集することにより、パターン検査ツールは、サンプルの表面の材料構造の特徴を表す画像を取得し得る。
[0005] 評価システム及び方法における荷電粒子ビームの制御を改善するための一般的必要性がある。
[0006] 本開示の目的は、評価システム及び方法における荷電粒子ビームの制御を改善することである。
[0007] 本発明の一態様によると、マルチビーム荷電粒子評価システムの対物レンズアレイ内の電極歪の影響を補償する方法が提供され、本方法は、対物レンズアレイ内の静電界を変動させることにより電極歪を調節することであって、対物レンズアレイは対物レンズアレイ内の予測電極歪からのサブビームに対する予測影響を補償するためのハードウェア補正を含み、調節は、サンプルに衝突するマルチビームのサブビームに対する電極歪の影響を補償するような調節である、調節すること;及び、対物レンズアレイ内の静電界の変動に応答してマルチビームのサブビームを再集束することを含み、調節すること及び再集束することは対物レンズアレイの2つの電極へ印加される電位を変更することを含み、そして電極歪の調節は、予測電極歪にほぼ整合するように電極歪を調節することを含む。
[0008] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せた例示的な実施形態の説明からより明白になるであろう。
[0009]例示的な荷電粒子ビーム検査装置を示す概略図である。 [0010]図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置の一部である例示的なマルチビーム装置を示す概略図である。 [0011]集光レンズアレイを含む例示的な電子光学コラムの概略図である。 [0012]例示的な配置の着地エネルギー対解像度のグラフである。 [0013]対物レンズ及び制御レンズの拡大線図である。 [0014]例示的な配置の対物レンズアレイの一部分の概略断面図である。 [0015]図6の対物レンズアレイの一部の底面図である。 [0016]図6の対物レンズアレイの一部の修正版の底面図である。 [0017]図6の対物レンズに組み込まれた検出器の拡大概略断面図である。 [0018]マクロコリメータ及びマクロ走査偏向器を含む例示的な電子光学コラムの概略図である。 [0019]評価システムの制御レンズアレイ及び対物レンズアレイの一部分の概略断面図である。 [0020]電極歪(撓み)を示すための対物レンズアレイ内の電極の一部分の概略断面図である。 [0021]基本レンズの動作を示すための、動作中の対物レンズの電極のアパーチャ近くの領域内の等電位線を示す概略側断面図である。 [0022]サンプルの上の対物レンズアレイ内の電極の一部分の概略側断面図であり、ここではステージが、対物レンズアレイ内の静電界の変動に応答してサブビームを再集束するために移動される。 [0023]サンプルの上の対物レンズアレイ内の電極の一部分の概略側断面図であり、ここでは、対物レンズアレイの最低電極におけるビームエネルギーがサブビームを再集束するために調節され、サンプルの上の電界は一定に保たれ、そして着地エネルギーは変動することが許される。 [0024]サンプルの上の対物レンズアレイ内の電極の一部分の概略側断面図であり、ここでは対物レンズアレイの最低電極におけるビームエネルギーがサブビームを再集束するために調節され、着地エネルギーは一定に保たれ、そしてサンプルの上の電界は変動することが許される。 [0025]サンプルの上の対物レンズアレイ内の電極の一部分の概略側断面図であり、ここでは、対物レンズアレイの最低電極におけるビームエネルギーがサブビームを再集束するために調節され、そして中間素子の電位はサンプルにおける着地エネルギー及び電界を一定に維持するために調節される。 [0026]電極歪を補償する様々な方法の分解能への予測影響を示すグラフである。
[0027] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代替的に、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
[0028] デバイスの物理的サイズを減少させる、電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、さらに小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。従って、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは、驚くべきことではない。1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与え得る。1つのみの「致命的欠陥」がデバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここで、ステップは、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るために、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有しなければならない。個々のそれぞれのステップが95%の歩留まりを有した場合、全体的なプロセス歩留まりは、7%と低い。
[0029] ICチップ製造設備において、高いプロセス歩留まりが望ましい一方、1時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(即ちウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。従って、検査ツール(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
[0030] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明装置と、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影装置とを含む。共に、少なくとも照明装置又は照明システム及び投影装置又は投影システムは、合わせて電子光学系又は装置と呼ばれ得る。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子を発生させる。検出装置は、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成できるように、サンプルが走査されるとき、サンプルからの二次電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、即ちマルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれ得る。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査することができる。従って、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査することができる。
[0031] 既知のマルチビーム検査装置の実装形態を以下に説明する。
[0032] 図面は概略的である。従って図面内の構成要素の相対寸法は明瞭化のために誇張される。図面の以下の説明では、同じ又は同様な参考番号は同じ又は同様な構成要素又はエンティティを指し、そして個々の実施形態に対する差だけが説明される。説明及び図面は、電子光学装置を対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されないことが理解される。従って、本明細書全体を通して、電子への言及は、より一般的に荷電粒子への言及であると見なすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子ではない。
[0033] ここで、荷電粒子ビーム評価システム又は単に評価システムとも呼ばれ得る例示的な荷電粒子ビーム検査装置100を示す概略図である図1を参照する。図1の荷電粒子ビーム検査装置100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームツール40、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30及びコントローラ50を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。
[0034] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加的な1つ又は複数の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料でできている基板)又は検査対象のサンプル(以降では、基板、ウェーハ及びサンプルは、まとめて「サンプル」と呼ばれる)を収容する基板前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取り得る。EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、サンプルを装填ロックチャンバ20に運ぶ。
[0035] 装填ロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され得、装填ロック真空ポンプシステムは、装填ロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、装填ロックチャンバが、大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体粒子を取り除く。第2の圧力に達した後、サンプルは、電子ビームツールに運ばれ、サンプルは、電子ビームツールによって検査され得る。電子ビームツール40は、マルチビーム電子光学装置を含み得る。
[0036] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)であり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部であり得ることが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置のコンポーネント要素の1つの内部に位置し得るか、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散され得る。本開示は、電子ビーム検査ツールを収納するメインチャンバ10の例を提供するが、本開示の態様は、広い意味において、電子ビーム検査ツールを収納するチャンバに限定されないことに留意されたい。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する装置の他のツール及び他の配置にも適用できることが理解される。
[0037] 次に、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であるマルチビーム検査ツールを含む例示的な電子ビームツール40を示す概略図である図2を参照する。マルチビーム電子ビームツール40(本明細書では装置40とも呼ばれる)は電子源201、投影装置230、電動ステージ209及びサンプルホルダ207を含む。電子源201及び投影装置230はまとめて照明装置と呼ばれ得る。サンプルホルダ207は、検査のためにサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するように電動又は作動式ステージ209により支持される。マルチビーム電子ビームツール40はさらに電子検出デバイス240を含む。
[0038] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されて、一次電子ビーム202を形成する。
[0039] 投影装置230は、一次電子ビーム202を複数のサブビーム211、212、213に変換し、各サブビームをサンプル208上に導くように構成される。簡潔にするために3つのサブビームが示されているが、何十、何百、何千又は何十万(又はそれ以上)ものサブビームが存在し得る。サブビームは、ビームレットと呼ばれ得る。
[0040] コントローラ50は、電子源201、電子検出デバイス240、投影装置230及び電動ステージ209など、図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
[0041] 投影装置230は、検査のためにサブビーム211、212及び213をサンプル208上に集束するように構成され得、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット221、222及び223を形成し得る。投影装置230は、サンプル208の表面のセクション内の個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222及び223を走査するために、一次サブビーム211、212及び213を偏向させるように構成され得る。サンプル208上のプローブスポット221、222及び223上への一次サブビーム211、212及び213の入射に応答して、信号粒子と呼ばれ得る二次電子及び後方散乱電子を含む電子がサンプル208から生成される。二次電子は一般的に50eV以下の電子エネルギーを有し、後方散乱電子は一般的に50eVと一次サブビーム211、212及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する。
[0042] 電子検出デバイス240は二次電子及び/又は後方散乱電子を検出するようにそして対応信号を生成するように構成され、これらの信号はコントローラ50又は信号処理システム(図示せず)へ送信される(例えばサンプル208の対応走査エリアの画像を構築するために)。電子検出デバイスは投影装置に組み込まれ得る又はそれから分離し得、2次光学コラムが二次電子及び/又は後方散乱電子を電子検出デバイスへ誘導するように設けられる。
[0043] コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。例えば、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。従って、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はこれらの組み合わせなど、信号通信を可能にする装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合され得、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存するか、又は後処理された画像を保存するために使用され得る。
[0044] 画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づきサンプルの1つ又は複数の画像を取得し得る。撮像信号は荷電粒子撮像を行うための走査動作に対応し得る。取得された画像は複数の撮像エリアを含む単一画像であり得る。単一画像はストレージデバイス内に格納され得る。単一画像は複数の領域に分割され得る元画像であり得る。これらの領域の各々は、サンプル208のフィーチャを含む1つの撮像エリアを含み得る。取得された画像は、一定期間にわたって複数回サンプリングされたサンプル208の単一撮像エリアの複数の画像を含み得る。この複数の画像はストレージデバイス内に格納され得る。コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理工程を行うように構成され得る。
[0045] コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、サンプル表面に入射した一次サブビーム211、212及び213の各々の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査中のサンプル構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができる。従って、再構築された画像は、サンプルに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
[0046] コントローラ50は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中、好ましくは継続的に例えば一定の速度である方向にサンプル208を移動させることを可能にし得る。コントローラ50は、電動ステージ209が、様々なパラメータに依存するサンプル208の移動の速度を変えるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラは、少なくともステージの組み合わされたステップ/スキャン戦略に関する限り、例えば本明細書に援用される2021年5月3日に出願された欧州特許出願公開第A21171877.0号で開示されるように、走査プロセスの検査工程及び/又は走査の特徴に応じてステージ速度(その方向を含む)を制御し得る。
[0047] 図3は、評価システムで使用される例示的な電子光学コラムの概略図である。図解を簡易にするために、レンズアレイは、本明細書では楕円形のアレイによって概略的に描写される。各楕円形状は、レンズアレイ内のレンズの1つを表す。楕円形状は、光学レンズで多くの場合に採用される両凸形状の類推により、レンズを表すために慣例的に使用される。しかし、本明細書で論述されるような荷電粒子配置に関連して、レンズアレイは、通常、静電的に動作するため、両凸形状を採用するいかなる物理的素子も必要としなくてよいことを理解されたい。以下に述べるように、レンズアレイは、代わりに、アパーチャを有する複数のプレートを含み得る。アパーチャを有する各プレートは、電極と呼ばれ得る。電極は、マルチビームのサブビームのサブビーム経路に沿って直列に設けられ得る。
[0048] 電子源201は、投影システム230の一部を形成する集光レンズ231のアレイに向けて電子を誘導する。電子源は、望ましくは、輝度と全放出電流との間の良好な妥協点を有する高輝度熱場放出器である。何十、何百、又は何千又はさらには何万もの集光レンズ231が存在し得る。集光レンズのアレイ231は、多電極レンズを含み得、そして特に電子ビームを複数のサブビームに分割するためのレンズアレイ(サブビーム毎に1つのレンズを提供する)の開示を参照により本明細書に援用する欧州特許出願公開第1602121A1号に基づく構造を有し得る。集光レンズアレイは、電極として働く少なくとも2つ(好適には3つ)のプレートの形式を取り得、各プレート内のアパーチャはプレートを介したサブビームの経路を画定するために他のプレート内のアパーチャとアライメントされる。プレートの少なくとも2つは、所望のレンズ効果を実現するために、動作中に異なる電位に維持される。集光レンズアレイのプレート間には、例えばセラミック又はガラスなどの絶縁材で製作される電気的絶縁プレートがあり、サブビーム毎に1つ又は複数のアパーチャを有する。代替配置において、プレートの1つ又は複数は、それぞれが自らの電極を有するアパーチャであって、例えば、その周囲の周りに電極のアレイを有するか又は共通の電極を有するアパーチャの群として配置されるアパーチャを特徴とし得る。
[0049] ある構成では、集光レンズアレイは、3つのプレートアレイから形成され、これらのプレートアレイでは、荷電粒子は、各レンズに入るときと、各レンズを出るときとで同じエネルギーを有し、この構成は、アインツェルレンズと呼ばれ得る。従って、分散は、アインツェルレンズ自体の内部(レンズの入口電極と出口電極との間)でのみ生じ、それによりオフアクシス色収差が制限される。集光レンズの厚さが薄い場合、例えば数mmである場合、そのような収差の影響は、小さいか又は無視できる。
[0050] アレイ内の各集光レンズは、電子を、それぞれの中間焦点233において集束されるそれぞれのサブビーム211、212、213内に導く。コリメータ又はコリメータのアレイは、それぞれの中間焦点233上で動作するように位置決めされ得る。コリメータは、中間焦点233に設けられる偏向器235の形態を取り得る。偏向器235は、主光線(ビーム軸とも呼ばれ得る)がサンプル208にほぼ垂直に(即ちサンプルの公称表面に対してほぼ90°で)入射することを確実にするために、効果的な量だけそれぞれのビームレット211、212、213を曲げるように構成される。
[0051] 偏向器235の下(即ち電子源201のダウンビーム側又は電子源201からより遠く)には、各サブビーム211、212、213の制御レンズ251を含む制御レンズアレイ250が存在する。制御レンズアレイ250は、例えば、好ましくは電極と接触する絶縁プレートを有する、電極間のそれぞれの電位源に接触する2つ以上、好ましくは少なくとも3つのプレート電極アレイを含み得る。プレート電極アレイの各々は、制御電極と呼ばれ得る。制御レンズアレイ250の機能は、ビームの縮小率に関してビーム開角度を最適化すること及び/又は対物レンズ234に送達されるビームエネルギーを制御することであり、対物レンズ234の各々は、それぞれのサブビーム211、212、213をサンプル208上に導く。
[0052] 任意選択的に、走査偏向器260のアレイは、制御レンズアレイ250と、対物レンズ234のアレイ(対物レンズアレイ)との間に設けられる。走査偏向器260のアレイは、サブビーム211、212、213毎に1つの走査偏向器261を含む。各走査偏向器は、それぞれのサブビーム211、212、213をサンプル208全体にわたって一方向又は二方向に走査するように、サブビームを一方向又は二方向に偏向させるように構成される。
[0053] 検出器の検出器モジュール402は、サンプル208から放射された信号電子/粒子を検出するために対物レンズ234とサンプル208との間に設けられる。このような検出器モジュール402の例示的な構成が以下に説明される。検出器は、対物レンズアレイ又はさらに制御レンズアレイの一次ビーム経路に沿ったアップビーム側に検出器素子を追加的又は代替的に有し得ることに留意されたい。
[0054] 図3のシステムは制御レンズ及び対物レンズの電極へ印加される電位を変えることによりサンプル上の電子の着地エネルギーを制御するように構成される。制御レンズ及び対物レンズは一緒に働き、そして対物レンズアセンブリと呼ばれ得る。着地エネルギーは、評価されているサンプルの性質に依存して二次電子の放出及び検出を増加させるように選択され得る。コントローラは着地エネルギーを所定範囲内の任意の所望値へ又は複数の所定値のうちの望ましい1つの所定値へ制御するように構成され得る。一実施形態では、着地エネルギーは所定範囲内(例えば1000eV~5000eV)の所望値へ制御され得る。図4は、ビーム開角度/縮小率が着地エネルギーを変動させるために再最適化されるということを仮定した着地エネルギーに応じた解像度を描写するグラフである。見て分かるように、評価ツールの解像度は、最小値LE_minまでの着地エネルギーの変化とともにほぼ一定に保たれ得る。解像度は、対物レンズ及び/又は検出器とサンプルとの間の最小間隔を維持するために対物レンズのレンズ強度及び対物レンズの内の電界を低減することが必要であるのでLE_min未満まで悪化する。交換可能モジュールが、以下にさらに論述されるように、また、着地エネルギーを変動させる又は制御するために採用され得る。
[0055] 望ましくは、着地エネルギーは主として制御レンズを出る電子のエネルギーを制御することにより変動される。対物レンズ内の電位差は対物レンズ内の電界ができるだけ高いままであるようにこの変動中に一定に保たれることが好ましい。制御レンズへ印加される電位はビーム開角度及びビーム縮小率を最適化するために使用され得る。制御レンズはまた、着地エネルギーの変化を考慮して焦点位置を補正するように機能し得るので再集束レンズと呼ばれ得る。望ましくは、各制御レンズは以下にさらに論述されるように2つの独立制御変数を提供するように3つの電極を含む。例えば、電極の1つは縮小率を制御するために使用され得る一方で異なる電極は着地エネルギーを独立に制御するために使用され得る。代替的に、各制御レンズは2つの電極だけを有し得る。対照的に、2つの電極だけが存在する場合、電極の1つは縮小率及び着地エネルギーの両方を制御する必要があり得る。
[0056] 図5は、対物レンズアレイの1つの対物レンズ300及び制御レンズアレイ250の1つの制御レンズ600の拡大概略図である。対物レンズ300は10より大きい係数(望ましくは50~100以上の範囲内の)だけ電子ビームを縮小するように構成され得る。対物レンズは中央又は第1の電極301、下側又は第2の電極302及び上側又は第3の電極303を含む。電圧源V1、V2、V3はそれぞれ電位を第1、第2、第3の電極へ印加するように構成される。別の電圧源V4が第4の電位(グランド電位であり得る)を印加するためにサンプルへ接続される。電位はサンプル208に対して定義され得る。第1、第2及び第3の電極は各々それぞれのサブビームがその中を伝播するアパーチャを備える。第2の電位はサンプルの電位と同様(例えばサンプルより正に50V~200Vの範囲内)であり得る。代替的に、第2の電位はサンプルに対して約+500V~約+1,500Vの範囲内にあり得る。より高い電位は、検出器モジュール402が最低電極より光学コラム内でより高ければ、役立つ。第1及び/又は第2の電位は焦点補正を達成するためにアパーチャ毎又は一群のアパーチャ毎に変動され得る。
[0057] 望ましくは、一実施形態では第3の電極は省略される。2つだけの電極を有する対物レンズはより多くの電極を有する対物レンズより低い収差を有し得る。3電極対物レンズは電極間のより大きな電位差を有し得るのでより強力なレンズを可能にし得る。追加電極(即ち3つ以上の電極)は、例えば入射ビームだけでなく二次電子も集束させるために、電子軌道を制御するための追加の自由度を提供する。
[0058] 上述のように、着地エネルギーを判断するために制御レンズを使用することが望ましい。しかし、着地エネルギーを制御するために対物レンズ300を追加で使用することが可能である。このような場合、対物レンズ全体にわたる電位差は、異なる着地エネルギーが選択される場合は変更される。対物レンズ全体にわたる電位差を変更することにより着地エネルギーを部分的に変更することが望ましい状況の一例は、サブビームの焦点が対物レンズに近づき過ぎることを防止するためのものである。この状況は例えば着地エネルギーが低下されれば発生し得る。これは、対物レンズの焦点距離が、選択される着地エネルギーに応じて粗くスケーリングされるからである。対物レンズ全体にわたり電位差を低下させることにより、そしてこれにより対物レンズの内側の電界を低下させることにより、対物レンズの焦点距離は再びより大きくされ、その結果対物レンズのさらに下の焦点位置を生じる。
[0059] 描写される配置では、制御レンズ600は電位源V5~V7へ接続される3つの電極601~603を含む。電極601~603は数ミリメートル(例えば3mm)互いに離間され得る。制御レンズと対物レンズとの間隔(即ち対物レンズの下側電極602と上側電極とのギャップ)は広範囲(例えば2mm~200mm以上)から選択され得る。小さな離間距離はアライメントをより容易にする一方で、より大きな離間距離はより弱いレンズが使用されることを可能にし、収差を低減する。望ましくは、制御レンズ600の最上側電極603の電位V5は制御レンズ(例えば偏向器235)のアップビーム側の次の電子光学素子の電位と同じに維持される。下側電極602へ印可される電位V7はビームエネルギーを判断するために変動され得る。中央電極601へ印可される電位V6は、制御レンズ600のレンズ強さを判断するためにそして従ってビームの開角度及び縮小率を制御するために変動され得る。望ましくは、制御レンズの下側電極602及び対物レンズの最上側電極及びサンプルはほぼ同じ電位を有する。一設計では、対物レンズV3の上側電極は省略される。この場合、望ましくは、制御レンズの下側電極602及び対物レンズの電極301はほぼ同じ電位を有する。着地エネルギーが変更される必要がなくても又は他の手段により変更されても制御レンズはビーム開角度を制御するために使用され得るということに留意すべきである。サブビームの焦点の位置は、それぞれの制御レンズの作用とそれぞれの対物レンズの作用との組み合わせにより判断される。
[0060] 一例では、1.5kV~2.5kVの範囲内の着地エネルギーを取得するために、電位V1、V2、V4、V5、V6及びV7が下表1に示されるように設定され得る。この表内の電位は、ビーム源201の陰極に対する電極電位と等価であるkeVのビームエネルギーの値として与えられる。電子光学系を設計する際に電子光学系内のどの点がグランド電位に設定されるかに関するかなりの設計自由度があり、そして電子光学系の動作が絶対電位よりむしろ電位差により判断されるということが理解されることになる。
[0061] V1、V3、V7におけるビームエネルギーは同じであるということが分かるようになる。いくつかの実施形態では、これらの点におけるビームエネルギーは10keV~50keVであり得る。より低い電位が選択されれば、電極間隔(特に対物レンズ内の)は電界の低減を制限するために低減され得る。
[0062] 制御レンズ(集光レンズよりむしろ)が電子ビームの開角度/縮小率補正のために使用される場合、コリメータは中間焦点にあるままであるのでコリメータの非点補正値の必要性はない。加えて、着地エネルギーは対物レンズ内の最適電界強度を維持する一方で広範囲のエネルギーにわたって変動され得る。これは対物レンズの収差を最小限にする。集光レンズ(使用されれば)の強度も一定に維持され、コリメータが中間焦点面に存在しないことに起因する又は集光レンズを通る電子の経路の変化に起因する追加収差のいかなる導入も回避する。
[0063] いくつかの実施形態では、荷電粒子評価ツールはサブビーム内の1つ又は複数の収差を低減する1つ又は複数の収差補正器をさらに含む。一実施形態では、収差補正器の少なくともサブセットの各々は、中間焦点のそれぞれ1つに位置決めされる又はそれに直接隣接する(例えば、中間像面内にある又はそれに隣接する)。サブビームは、中間面などの焦点面内に又はその近くに最小断面積を有する。これにより、他の場所(即ち中間平面のアップビーム又はダウンビーム側)で利用可能な収差補正器のためのより大きな空間(又は中間像面を有しない代替構成において利用可能だろうものよりも大きな空間)を提供する。
[0064] 一実施形態では、中間焦点(又は中間像面)内に位置決めされる又はそれに直接隣接する収差補正器は、源201が様々なビームの様々な位置にあるように見えるように補正するために偏向器を含む。補正器は、各サブビームと対応対物レンズとの間の良好なアライメントを妨げる源に由来するマクロ収差を補正するために使用され得る。
[0065] 収差補正器は適正なコラムアライメントを妨げる収差を補正し得る。このような収差はサブビームと補正器との間のミスアライメントにも到り得る。このため、収差補正器を集光レンズアレイ231に又はその近くに追加的に又は代替的に位置決めする(例えば、各このような収差補正器が集光レンズ231の1つ又は複数と一体化される又はそれらに直接隣接する)ことが望ましいかもしれない。これは、集光レンズアレイ231において又はその近くで収差は集光レンズがビームアパーチャと垂直方向に近い又はそれと一致するので対応サブビームのずれに未だ到らいないので望ましい。しかし、集光レンズにおいて又はその近くに補正器を位置決めすることに伴う挑戦は、各サブビームがさらなるダウンストリーム側の場所と比べてこの場所では比較的大きな断面積と比較的小さなピッチとを有することである。収差補正器は、そのビームレットマニピュレータの説明が参照により本明細書に援用される欧州特許出願公開第2702595A1号に開示されるようなCMOSベースの個々のプログラム可能偏向器又は欧州特許出願公開第2715768A2号に開示されるような多極偏向器のアレイであり得る。
[0066] いくつかの実施形態では、収差補正器の少なくともサブセットの各々は、対物レンズ234の1つ又は複数と一体化される又はそれらに直接隣接する。一実施形態では、これらの収差補正器は、像面湾曲、焦点誤差及び非点収差のうちの1つ又は複数を低減する。追加的に又は代替的に、1つ又は複数の走査偏向器(図示せず)は、サンプル208全体にわたりサブビーム211、212、214を走査するための対物レンズ234のうちの1つ又は複数と一体化され得る又はそれに直接隣接し得る。一実施形態では、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許出願公開第2010/0276606号に記載の走査偏向器が使用され得る。
[0067] いくつかの実施形態では、対物レンズアレイアセンブリは、対物レンズアレイ241の少なくとも1つの電極のダウンビーム側に検出器モジュール402を有する検出器を含む。検出器モジュール402は検出器アレイの形式を取り得る。一実施形態では、検出器の少なくとも一部は対物レンズアレイ241に隣接する及び/又はそれと一体化される。例えば、検出器モジュール402は、CMOSチップ検出器を対物レンズアレイ241の底部電極へ一体化することによって実装され得る。対物レンズアレイへの検出器モジュール402の一体化は2次コラムを置換する。CMOSチップはサンプルに面するように配向されることが好ましい(ウェーハと電子光学系の底部との間の短い距離(例えば100μm)のために)。一実施形態では、二次電子信号を捕捉するための電極がCMOSデバイスの最上金属層内に形成される。電極は(例えばCMOSチップの)基板の他の層内に形成され得る。CMOSチップの電力及び制御信号はシリコン貫通ビアによりCMOSチップへ接続され得る。頑強性のために、好適には最下電極は次の2つの要素から成る:CMOSチップ及び穴を有するパッシブシリコン板。パッシブシリコン板はCMOSチップを高電界から遮蔽する。
[0068] 検出効率を最大化するためには、(アパーチャを除く)対物レンズアレイのほぼすべてのエリアが電極により占められそして各電極がアレイピッチにほぼ等しい径を有するように電極表面をできる限り大きくすることが望ましい。一実施形態では、電極の外形は円形であるが、検出エリアを最大化するために正方形にされ得る。基板貫通穴の径も最小化され得る。電子ビームの典型的サイズは約5~15マイクロメートルである。
[0069] 一実施形態では、単一電極が各アパーチャを囲む。別の実施形態では、複数の電極素子が各アパーチャの周囲に設けられる。1つのアパーチャを取り囲む電極素子により捕捉された電子は単一信号へ合成され得る又は独立信号を生成するために使用され得る。電極素子は、半径方向に分割され得る(即ち複数の同心環を形成するように)、角度的に分割され得る(即ち複数の扇状部分を形成するように)、半径方向及び角度的の両方で分割され得る、又は他の任意の便利なやり方で分割され得る。
[0070] しかし、より大きな電極表面はより大きな寄生容量に至るのでより狭い帯域幅に到る。このため、電極の外径を制限することが望ましいかもしれない。特に、より大きな電極が若干大きな検出効率を与えるだけでなく若干大きな容量も与える場合。円形(環状)電極は収集効率と寄生容量との間の良好な妥協点を提供し得る。
[0071] 電極のより大きな外径はまたより大きなクロストーク(近隣穴の信号に対する感度)に至り得る。これは、電極外径をより小さくするための理由でもあり得る。特に、より大きな電極が若干大きな検出効率を与えるだけでなく著しく大きなクロストークも与える場合。
[0072] 電極により収集された後方散乱及び/又は二次電子電流はトランスインピーダンス増幅器により増幅される。
[0073] 対物レンズアレイへ一体化された検出器の例示的な実施形態が、マルチビーム対物レンズ401の一部を概略断面図で示す図6に示される。この実施形態では、検出器は、好適には検出器素子のアレイ(即ち好適には2次元面全体にわたるパターン又は配置の複数の検出器素子)として複数(例えばアレイ)の検出器素子405(例えば捕捉電極などのセンサ素子)を含む検出器モジュール402を含む。この実施形態では、検出器モジュール402は対物レンズアレイの出力側に設けられる。出力側は対物レンズ401の出力側である。図7は、それぞれがビームアパーチャ406を取り囲む複数の捕捉電極405が設けられる基板404を含む検出器モジュール402の底面図である。ビームアパーチャ406は基板404をエッチングすることにより形成され得る。図7に示される構成では、ビームアパーチャ406は矩形アレイで示される。ビームアパーチャ406はまた、異なるやり方で(例えば図8に描写するような最密六角形アレイで)配置され得る。
[0074] 図9は断面での検出器モジュール402の一部をより大きい縮尺で描写する。捕捉電極405は検出器モジュール402の最底(即ちサンプルに最も近い)面を形成する。捕捉電極405とシリコン基板404の本体との間には論理層407が設けられる。論理層407は増幅器(例えばトランスインピーダンス増幅器)、アナログ/デジタル変換器及び読み出し論理を含み得る。一実施形態では、捕捉電極405毎に1つの増幅器及び1つのアナログ/デジタル変換器が存在する。これらの素子を特徴とする回路が、アパーチャに関連付けられたセルと呼ばれる単位エリア内に含まれ得る。検出器モジュール402はそれぞれがアパーチャに関連付けられたいくつかのセルを有し得、好適にはセルは同様な形状を有する。論理層407及び捕捉電極405はCMOSプロセスを使用することにより製造され得、捕捉電極405は最終金属化層を形成する。
[0075] 配線層408は、基板404の裏側又は内部に設けられ、そしてシリコン貫通ビア409により論理層407へ接続される。シリコン貫通ビア409の数はビームアパーチャ406の数と同じである必要はない。具体的には、電極信号が論理層407内でデジタル化されれば、データバスを提供するために少数のシリコン貫通ビアだけが必要とされ得る。配線層408は制御線、データ線及び電力線を含み得る。ビームアパーチャ406にも関わらずすべての必要な接続のための十分な空間が存在するということに留意されたい。検出器モジュール402はまた、バイポーラ製造技術又は他の製造技術を使用することにより製造され得る。プリント回路基板及び/又は他の半導体チップが検出器モジュール402の裏側に設けられ得る。
[0076] 上に説明された集積化検出器モジュール402は、二次電子捕捉が一連の着地エネルギーに関して最適化され得るので調節可能着地エネルギーを有するツールとともに使用されると特に有利である。アレイの形式の検出器モジュールはまた、最下電極アレイだけでなく他の電極アレイへも一体化され得る。対物レンズへ一体化される検出器モジュールのさらなる詳細及び代替構成は参照により本明細書に援用される欧州特許出願公開第20184160.8号に見出され得る。
[0077] 図10は評価システムにおいて使用される別の例示的な電子光学コラムの概略図である。電子光学コラムは対物レンズアレイアセンブリを含む。対物レンズアレイアセンブリは対物レンズアレイ241を含む。対物レンズアレイ241は複数の対物レンズを含む。各対物レンズはそれぞれの電位源に接続された少なくとも2つの電極(例えば、2つ又は3つの電極)を含む。対物レンズアレイ241はそれぞれの電位源へ接続された2つ以上(例えば3つ)のプレート電極アレイを含み得る。対物レンズアレイ241のプレート電極アレイは対物電極と呼ばれ得る。プレート電極アレイにより形成される各対物レンズは、マルチビーム内の異なるサブビーム又は一群のサブビーム対し働くマイクロレンズであり得る。各プレートは複数のアパーチャ(穴とも呼ばれ得る)を画定する。プレート内の各アパーチャの位置は他のプレート(又は複数の他のプレート)内の対応アパーチャ(又は対応穴)の位置に対応する。対応アパーチャは対物レンズを画定し、従って、各組の対応穴はマルチビーム内の同じサブビーム又は一群のサブビーム上の使用時に働く。各対物レンズはマルチビームのそれぞれのサブビームをサンプル208上へ投射する。対物レンズアレイ234の説明も参照。
[0078] いくつかの配置では、対物レンズアレイ241内のアパーチャはマルチビーム内の軸外収差を補償するように適合化される。例えば、対物電極のうちの1つ又は複数の対物電極のアパーチャは、軸外収差を補償するように成形、サイジング、及び/又は位置決めされ得る。アパーチャは、例えば、像面湾曲を補償するための一連の様々なエリア、非点収差を補償するための一連の様々な楕円率、及び/又はテレセントリック性誤差により引き起こされる歪を補償するための公称グリッド位置からの一連の様々な変位を有し得る。軸外収差補正に関する限り参照により本明細書に援用される、例えば欧州特許出願公開第A-21166214.3号を参照。
[0079] 対物レンズアレイアセンブリはさらに制御レンズアレイ250を含む。制御レンズアレイ250は複数の制御レンズを含む。各制御レンズはそれぞれの電位源に接続された少なくとも2つの電極(例えば、2つ又は3つの電極)を含む。制御レンズアレイ250はそれぞれの電位源に接続された2つ以上(例えば、3つ)のプレート電極アレイを含み得る。制御レンズアレイ250のプレート電極アレイは制御電極と呼ばれ得る。制御レンズアレイ250は、対物レンズアレイ241に関連付けられる(例えば、2つのアレイは、互いの近くに配置される、及び/又は互いに機械的に接続される、及び/又はユニットとして一緒に制御される)。制御レンズアレイ250は対物レンズアレイ241のアップビーム側に配置される。制御レンズはサブビームを事前集束する(例えば、サブビームが対物レンズアレイ241に到達することに先立って集束作用をサブビームへ適用する)。事前集束化により、サブビームの発散度を低減し得る又はサブビームの収束率を高め得る。制御レンズアレイ及び対物レンズアレイは合成された焦点距離を提供するように一緒に動作する。中間焦点のない合成動作が収差のリスクを低減し得る。
[0080] 一実施形態では、対物レンズアレイアセンブリを含む電子光学系は、制御レンズの焦点距離が制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との間の離隔距離よりも大きくなるように(例えば、制御レンズアレイ250の電極に印加される電位を制御することにより)対物レンズアセンブリを制御するように構成される。従って、制御レンズアレイ250及び対物レンズアレイ241は互いに比較的近くに配置され得、制御レンズアレイ250からの集束作用は制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との間に中間焦点を形成するためには余りに弱い。他の実施形態では、対物レンズアレイアセンブリは、制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との間に中間焦点を形成するように構成され得る。
[0081] 一実施形態では、制御レンズアレイは、それ自体が交換可能モジュールであるか、対物レンズアレイ及び/又は検出器モジュールなどの他の要素と組み合わせた交換可能モジュールであるかの何れかである。交換可能モジュールはフィールド交換可能であり得る、即ちモジュールはフィールドエンジニアにより新しいモジュールとスワップされ得る。フィールド交換可能は、その中に電子光学ツール40がある真空を維持しながらモジュールが取り外され、同じ又は異なるモジュールと交換され得るということを意味するように意図されている。交換可能モジュールに対応するコラムの一セクションだけが、交換可能モジュールが取り外され戻される又は置換されるために排出される。
[0082] 制御レンズアレイは、対物レンズアレイ241と同じモジュール内にあり得る(即ち対物レンズアレイアセンブリ又は対物レンズ配置を形成し得る)、又は別個のモジュール内にあり得る。
[0083] 電源が、それぞれの電位を制御レンズアレイ250の制御レンズの電極及び対物レンズアレイ241の対物レンズの電極へ印加するために設けられ得る。
[0084] 対物レンズアレイ241に加えた制御レンズアレイ250の提供が、サブビームの特性を制御するための追加自由度を提供する。この追加自由度は、例えばいかなる中間焦点も制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との間に形成されないように、制御レンズアレイ250及び対物レンズアレイ241が互いの比較的近くに設けられる場合でも、提供される。制御レンズアレイ250は、ビームの縮小率に関してビーム開角度を最適化するために及び/又は対物レンズアレイ241へ送達されるビームエネルギーを制御するために使用され得る。制御レンズは2又は3以上の電極を含み得る。2つの電極が存在すれば、縮小率及び着地エネルギーは一緒に制御される。3つ以上の電極があれば、縮小率及び着地エネルギーは独立に制御され得る。従って、制御レンズはそれぞれのサブビームの縮小率及び/又はビーム開角度を調節するように構成され得る(例えば、適切なそれぞれの電位を制御レンズ及び対物レンズの電極へ印加するために電源を使用することにより)。この最適化は、対物レンズの数に過度な悪影響を及ぼすことによりそして対物レンズの収差を過度に悪化させることなく(例えば、対物レンズの強度を増加させることなく)、達成され得る。
[0085] 図10の実施形態では、電子光学系は源201を含む。源201は荷電粒子(例えば、電子)のビームを提供する。サンプル208上に集束されるマルチビームは源201により提供されるビームから導出される。サブビームは、例えばビーム制限アパーチャのアレイを画定するビーム制限器を使用することによりビームから導出され得る。源201は、輝度と全放出電流との間の良好な妥協点を有する高輝度熱電界放出器であることが望ましい。示された例では、コリメータが対物レンズアレイアセンブリのアップビーム側に設けられる。コリメータは、マクロコリメータ270を含み得る。マクロコリメータ270は、ビームがマルチビームに分割される前に電子源201からのビームに作用する。マクロコリメータ270は、ビームから導出されたサブビームの各サブビームのビーム軸がサンプル208にほぼ垂直に(即ちサンプル208の公称表面に対してほぼ90°で)入射することを確実にするために、効果的な量だけビームのそれぞれの部分を曲げる。マクロコリメータ270はマクロコリメーションをビームに適用する。従って、マクロコリメータ270は、ビームの異なる個々の部分に作用するようにそれぞれが構成されたコリメータ素子のアレイを含むのではなくむしろビームのすべてに作用し得る。マクロコリメータ270は、磁気レンズを含み得る又は複数の磁気レンズサブユニット(例えば、多極構成を形成する複数の電磁石)を含む磁気レンズ構成を含み得る。代わりに又は加えて、マクロコリメータは静電的に少なくとも部分的に実装され得る。マクロコリメータは、静電レンズを含み得る又は複数の静電レンズサブユニットを含む静電レンズ構成を含み得る。マクロコリメータ270は磁気レンズと静電レンズとの組み合わせを使用し得る。
[0086] 図10の実施形態では、マクロ走査偏向器265は、サブビームにサンプル208全体にわたって走査させるために設けられる。マクロ走査偏向器265は、ビームのそれぞれの部分を偏向させて、サブビームにサンプル208全体にわたって走査させる。一実施形態では、マクロ走査偏向器256は、例えば、8極以上を有するマクロマルチ極偏向器を含む。偏向は、ビームから導出されたサブビームに一方向(例えば、X軸などの単一軸と平行な)又は二方向(例えば、X軸及びY軸などの2つの非平行軸に対して)でサンプル208全体にわたって走査させるような偏向である。いくつかの配置では、サブビームの走査はサンプル208の運動とコーディネートされる。例えば、サンプル208をY軸に平行に移動させながらサブビームをX軸に平行に走査する組み合わせが、サンプル208上の複数の平行な細長いストリップを処理するためにサンプルの様々な段差位置において繰り返され得る。このとき、サンプル208のより大きな運動が、サンプル208上の新しい処理場所へジャンプするために使用され得る。この運動の例は、ステージ運動を伴うビーム走査に関する限り参照により本明細書に援用される2021年5月3日申請の欧州特許出願公開第A-21171877.0号に記載されている。マクロ走査偏向器265は、それぞれがビームの異なる個々の部分に作用するように構成された一連の偏向器素子を含むのではなくむしろビームのすべてに対しマクロ的に作用する。示された実施形態では、マクロ走査偏向器265はマクロコリメータ270と制御レンズアレイ250との間に設けられる。
[0087] 本明細書において説明される対物レンズアレイアセンブリの何れもさらに検出器を含み得る(例えば検出器モジュール402を含む)。検出器はサンプル208から放出された荷電粒子を検出する。検出される荷電粒子はSEMにより検出される荷電粒子(サンプル208から放出された二次電子及び/又は後方散乱電子を含む)の任意のものを含み得る。検出器モジュール402の例示的な構造は図6~9を参照して上に説明された。
[0088] 図10の実施形態の変形形態では、対物レンズアレイアセンブリは走査偏向器アレイを含み得る。走査偏向器アレイは複数の走査偏向器を含む。各走査偏向器はそれぞれのサブビームをサンプル208全体にわたって走査する。従って、走査偏向器アレイはサブビーム毎に走査偏向器を含み得る。偏向は、サブビームを一方向又は二方向(即ち1次元的又は2次元的)にサンプル208全体にわたって走査させるような偏向である。一実施形態では、特に走査偏向器に関してその全体を参照により本明細書に援用する欧州特許第2425444号に記載される走査偏向器が走査偏向器アレイを実装するために使用され得る。走査偏向器アレイは対物レンズアレイ241と制御レンズアレイ250との間に位置決めされる。走査偏向器アレイはマクロ走査偏向器265の代わりに設けられ得る。他の実施形態では、マクロ走査偏向器265及び走査偏向器アレイの両方が、設けられ、そして同期して操作され得る。いくつかの実施形態では、図10に例示するように、制御レンズアレイ250は源201のダウンビーム側のビーム経路内の第1の偏向又はレンズ電子光学アレイ素子である。
[0089] コリメータ素子アレイがマクロコリメータ270の代わりに設けられ得る。示さないが、マクロ走査偏向器及びコリメータ素子アレイを有する実施形態を提供するためにこの変形形態を図3の実施形態へ適用することも可能である。各コリメータ素子はそれぞれのサブビームをコリメートする。コリメータ素子アレイはマクロコリメータ270より空間的にコンパクトであり得る。従って、コリメータ素子アレイ及び走査偏向器アレイ260を一緒に設けることでスペース節約を提供し得る。このスペース節約は、対物レンズアレイアセンブリを含む複数の電子光学系が電子光学系アレイ内に設けられる場合に望ましい。このような実施形態では、いかなるマクロ集光レンズも集光レンズアレイもないかもしれない。従って、このシナリオでは、制御レンズは、着地エネルギーの変化に対するビーム開角度及び縮小率を最適化する可能性を提供する。
[0090] 一実施形態では、電子光学系アレイが設けられる。電子光学系アレイは、本明細書において説明される電子光学系のうちの複数又は任意のものを含み得る。電子光学系の各々は、それぞれのマルチビームを同じサンプルの様々な領域上へ同時に集束する。各電子光学系は、異なるそれぞれの源201からの荷電粒子のビームからサブビームを形成し得る。各それぞれの源201は複数の源201うちの1つの源であり得る。複数の源201の少なくともサブセットが源アレイとして提供され得る。源アレイは共通基板上に複数の放射器を含み得る。同じサンプルの様々な領域上への同時の複数のマルチビームの集束は、サンプル208の増加されたエリアが同時に処理(例えば、評価)されることを可能にする。アレイ内の電子光学系はそれぞれのマルチビームをサンプル208の隣接領域上へ投射するように互いに隣接して配置され得る。任意数の電子光学系がアレイ内で使用され得る。好適には、電子光学系の数は9~200の範囲内である。一実施形態では、電子光学系は矩形アレイ又は六角形アレイで配置される。他の実施形態では、電子光学系は不規則的アレイで又は矩形又は六角形以外の幾何学的形状を有する規則的アレイで設けられる。アレイ内の各電子光学系は、単一電子光学系を参照する際に本明細書において説明されたやり方のうちの任意のやり方で構成され得る。上述のように、走査偏向器アレイ260及びコリメータ素子アレイ271は、互いに接近した電子光学系の位置決めを容易にするそれらの空間的コンパクト性のために、電子光学系アレイ内への取り込みに特に適切である。
[0091] 図11は対物レンズアレイアセンブリの別の例の一部分を描写する。この対物レンズアレイアセンブリは図10の配置において使用される可能性がある。対物レンズアレイアセンブリは制御レンズアレイ250及び対物レンズアレイ241を含む。図11に描写するように、制御レンズアレイ250は複数の制御電極501~503により規定され得る。各制御電極501~503は、サブビーム経路510毎にアパーチャを有する板状素子(アパーチャのアレイを形成する)を含み得る。対物レンズアレイ241は複数の対物電極503~504により規定され得る。各対物電極503~504は、サブビーム経路510毎にアパーチャを有する板状素子(アパーチャのアレイを形成する)を含み得る。制御電極501~503及び対物電極503~504はレンズ電極と呼ばれ得る。制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との組み合わせは少なくとも4つのこのようなレンズ電極を含み得る。レンズ電極は、マルチビームのサブビーム経路510に対し直角に及び/又はそれに沿って直列に配置され得る。
[0092] 5つの例示的なサブビーム経路510が図11に示される。制御電極501~503は、サブビーム経路510に沿って直列に配置され、そして制御レンズを規定するためにサブビーム経路510とアライメントされたそれぞれのアパーチャを規定する。従って、各制御レンズは、それぞれのサブビームのサブビーム経路510とアライメントされ、そしてサブビームに作用する(例えば、サブビームを静電気的に操作する)。各制御電極501~503はサブビームの一部又はサブビームのすべてに作用し得る。対物レンズアレイ241内の各対物レンズは、それぞれの制御レンズとアライメントされたサブビーム経路510とアライメントされ得る。対物レンズアレイ241はサブビームをサンプル208上へ誘導する。
[0093] この配置は、プレートである4つ以上のレンズ電極として説明され得る。プレート内に画定されるのは、対応ビームアレイ内の多くのビームとアライメントされたアパーチャ(例えばアパーチャアレイ)である。電極は、例えば制御電極群及び対物電極群を提供するために2つ以上の電極内へグループ化され得る。一配置では、対物電極群は少なくとも3つの電極を有しそして制御電極群は少なくとも2つの電極を有する。
[0094] 図11の例では、サンプル208から最も遠い対物電極503(対物レンズアレイ641の最アップビーム側電極と呼ばれ得る)及びサンプル208に最も近い制御電極503(制御レンズアレイ250の最ダウンビーム側電極と呼ばれ得る)は共通電極により提供される。従って、対物電極群の最アップビーム側電極はまた、制御電極群のメンバーでもある共通電極である。サンプル208から見て外方に向く共通電極503の表面(アップビーム面として説明され得る)は、制御レンズアレイに機能的に貢献し、従って、制御レンズアレイの一部を含むと考えられ得る。サンプル208に面する共通電極503の表面(ダウンビーム面と呼ばれ得る)は対物レンズアレイ241に機能的に貢献し、従って、対物レンズアレイ241の一部を含むと考えられ得る。
[0095] 共通電極の提供は、制御レンズアレイ250が対物レンズアレイ241近くに位置決めされることが望ましい場合に有益である。これは、走査偏向器260のアレイが使用されない場合(例えばマクロ走査偏向器265が代わりに使用される場合)の配置におけるケースである可能性が高い。これは、走査偏向器260のアレイが使用される場合、走査偏向器260のアレイを制御レンズアレイ250と対物レンズアレイ241との間に位置決めする(例えば走査偏向器260と対物レンズアレイ241との間の距離をできるだけ短くするために)ことが望ましいからである。マクロ走査偏向器265を有する配置が図10に例示される。しかし、集光レンズアレイを依然として有しないが走査偏向器のアレイを有する図10の配置に関する変形形態が可能であるということに留意されたい。このような配置では、走査偏向器のアレイを制御レンズアレイと対物レンズアレイとの間に位置決めすることが望ましいかもしれない。代替的に、走査偏向器のアレイは、制御レンズアレイ内に又は制御レンズアレイのアップビーム側など(制御レンズアレイとビーム制限アパーチャのアレイとの間など)の他のどこかに位置決めされる可能性がある。
[0096] 図11のこの例では、対物レンズアレイアセンブリはビーム整形制限器242をさらに含む。ビーム整形制限器242はビーム制限アパーチャのアレイを画定する。ビーム整形制限器242はビーム整形制限アパーチャアレイ又は最終ビーム制限アパーチャアレイと呼ばれ得る。ビーム整形制限器242は複数のアパーチャを有するプレート(板状体であり得る)を含み得る。ビーム整形制限器242は制御レンズアレイ250の少なくとも1つの電極(任意選択的にすべて電極)のダウンビーム側にある。いくつかの実施形態では、ビーム整形制限器242は対物レンズアレイ241の少なくとも1つの電極(任意選択的にすべて電極)のダウンビーム側にある。別の実施形態では、これはアレイ(例えば対物レンズアレイ241の最下アレイ)であり得る。
[0097] 一配置では、ビーム整形制限器242は対物レンズアレイ241の電極と構造的に一体化される。各ビーム制限アパーチャは、ビーム整形制限器242に入射するサブビームの選択された部分だけがビーム制限アパーチャ124を通過することを許容するビーム制限効果を有する。選択された部分は、対物レンズアレイ内のそれぞれのアパーチャの中央部分を通過するそれぞれのサブビームの一部分だけがサンプル208に到達するようにし得る。
[0098] いくつかの実施形態では、電子光学系は上側ビーム制限器252をさらに含む。上側ビーム制限器252はビーム制限アパーチャのアレイを規定する又は例えば源201からの源ビームからビームのアレイを生成する。上側ビーム制限器252は複数のアパーチャを有するプレート(板状体であり得る)を含み得る。上側ビーム制限器252は源201により放射された荷電粒子のビームからサブビームを形成する。サブビームの形成に貢献するもの以外のビームの部分は、ダウンビーム側のサブビームと干渉しないように上側ビーム制限器252により阻止(例えば吸収)され得る。
[0099] 上側ビーム制限器252は対物レンズアレイアセンブリの一部を形成し得る。上側ビーム制限器252は例えば制御レンズアレイ250に隣接し得る及び/又はそれと一体化され得る(例えば、源201に最も近い制御レンズアレイ250の電極にすら隣接し得る及び/又はそれと一体化され得る)。一実施形態では、上側ビーム制限器252は、ビーム整形制限器242のビーム制限アパーチャより大きい(例えばより大きな断面積を有する)ビーム制限アパーチャを画定する。従って、ビーム整形制限器242のビーム制限アパーチャは、対物レンズアレイ241内に及び/又は制御レンズアレイ250内に画定される対応アパーチャより小さな寸法のものであり得る。
[0100] ビーム整形制限器242は望ましくは、ビーム制限効果を有する(即ちビーム整形制限器242に入射する各サブビームの一部を除去する)ように構成される。ビーム整形制限器242は例えば、対物レンズアレイ241を出る各サブビームがそれぞれの対物レンズの中心を通過したということを保証するように構成され得る。さらに、ビーム整形制限器242は、走査がサブビームに作用する長さを低減する。この距離はビーム整形制限器242からサンプル表面までのビーム経路の長さまで低減される。
[0101] ビーム整形制限器242は対物レンズアレイ241の最下電極と一体的に形成され得る。ビーム整形制限器242を最強レンズ効果を有する各対物レンズの電極に隣接して位置決めすることが通常望ましい。一配置では、ビーム整形制限器242を検出器の検出器モジュール402のアップビーム側に設けることが望ましい。検出器モジュール402をビーム整形制限器242のアップビーム側に設けることは、ビーム整形制限器242が、サンプル208から放出された荷電粒子を妨害せず、そしてこれら荷電粒子が検出器モジュール402に到達するのを防止するということを保証する。従って、ビーム整形制限器242はアップビーム方向に検出器モジュール402に直接隣接して設けられ得る。
[0102] 図1~11を参照し上に例示したように、マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導する評価システムが提供され得る。評価システムはマルチビーム荷電粒子評価システムと呼ばれ得る。評価システムは対物レンズアレイ241を含む。対物レンズアレイ241は、図3及び図5~11を参照して説明した形式のうちの任意のものを取り得る。いくつかの配置では、評価システムは制御レンズアレイ250をさらに含む。存在すれば、制御レンズアレイ250は図3、5、10及び図11を参照して説明した形式のうちの任意のものを取り得る。評価システムは、サンプル208に関する情報を取得するためにサンプル208から放出された信号電子を検出する(例えば、上に説明された検出器モジュール402を含み得る検出器を使用することにより)。
[0103] 上述のように、対物レンズアレイ241は電極(対物電極と呼ばれ得る)を含む。電極はサブビーム経路に沿って直列な導電板を含み得る。各導電板はサブビーム経路とアライメントされたアパーチャを画定する。図5及び図11では、電極301~302及び503~504はこのような導電板の例である。評価システムはマルチビームのサブビームを制御するための(例えば、サブビームを評価されるサンプル上に正確に縮小及び/又は集束するための)電位を電極へ印加する。
[0104] 評価システムは電極の動作を制御するためのコントローラ500(図3及び10に概略的に描写されるような)を含み得る。以下に述べるように、コントローラ500はコンピュータ実装され得、素子(例えばCPU、RAMなど)の任意の好適な組み合わせが必要機能を提供するために使用される。図5を参照して上に説明されたように、制御電極及び対物電極は電極を電位源へ接続することにより制御され得る。従って、コントローラ500は電位源を含み得る及び/又は制御し得る。電位源は電位を様々な電極、サンプル208及び/又は他の素子(以下に説明されるような中間素子555など)へ印加し得る。コントローラ500はさらに、サンプルを支持するためのステージを制御し得る。
[0105] 機能を行うように構成される評価システム(又は単純に系)への本明細書におけるいかなる参照も、(例えば必要制御信号を電位源及び/又はステージなどの装置へ提供するように適切にプログラムされることにより)コントローラ500が機能を行うように構成されるケースを包含するように意図されている。
[0106] 動作中、評価システムは対物レンズアレイ241の電極間に強電界を生成する。著しい電界はまた、システム内の他のどこかの電極間に生成され得る。強電界はそれに応じた強い静電気圧力を伴う。静電気圧力はフィールドエネルギー密度ηに比例し、フィールドエネルギー密度は延いてはη=1/2εEに従ってEに比例する(ここでεは誘電率であり、Eは電界強度である)。従って、静電気圧力はEの増加とともに急速に増加する。
[0107] いくつかの構成では、静電気圧力は評価システムの1つ又は複数の電極の形状及び/又は位置の変化を引き起こす。電極の形状及び/又は位置の変化は電極歪と呼ばれ得る。図12は対物レンズアレイ241の電極503及び504のこのような電極歪を概略的に描写する。描写を簡略化するために、電極503及び504はアパーチャなしに示され、従って実寸に比例していない。破線(矩形として形作られた)は、システムがオンにされる前の(即ちいかなる電界も電極503と504との間に存在しないときの)電極503及び504の例示的な断面形状を描写する。この例では、電極503及び504はこの段階ではほぼ平坦である。実線矩形は、システムがオンにされそして例示的な電界が電極間に存在するときの電極503及び504の例示的な断面形状を描写する。図12は電極が高電界強度の領域内へ撓む(bow)典型的ケースを描写する。電極歪のこのモードは撓み(bow)と呼ばれ得る。撓みは、放物線又はほぼ放物線形式を有する歪を引き起こし得る。即ち、歪は半径方向位置の2乗の近似関数として変動する。
[0108] 対物レンズアレイ241内の電極歪はマルチビームのサブビームに影響し得る。電極歪は例えば像面湾曲に寄与し得る。像面湾曲は焦点面がマルチビームの様々なサブビームに関して異なる場所にあり、サンプル208の平面における焦点誤差に至り得る。対物レンズアレイ内の予測電極歪からのサブビームへの予測影響を補償するように対物レンズアレイを構成することが可能である。従って、対物レンズアレイはハードウェア補正を備え得る。いくつかの配置では、ハードウェア補正は、各電極内の位置に応じた1つ又は複数の電極内に画定されたアパーチャのサイズ(例えばアパーチャが円形である場合は径)の変動を含む。電極内のアパーチャのサイズを変えることで像面湾曲の変化を補償し得る。
[0109] 有限製造公差が電極歪予測の精度を制限する。有限製造公差は、対物レンズアレイ241の様々な製造インスタンス間の小さいが有意な変動(電極厚さ及び/又はアパーチャサイズの差など)に至る。これらの変動は電極の剛性に影響し得、所与の静電気圧力が様々な製造インスタンスの様々な電極歪を伴うという結果を生じ得る。この変動性は、上に説明されたタイプのハードウェア補正が最適補償を実現し得ないということを意味する。図3に示されるタイプの典型的実装形態に関して、電極歪は約10マイクロメートルまでの表面変位に至る可能性があるということが予測される。100nmの予算デフォーカス量がこの効果に割り当てられれば、これは、ハードウェア補正(例えば開口径を変えることによる)が効果的であれば電極歪は1%以内で再生可能であるべきであるということを意味するだろう。このような厳しい製造公差に制約されることは望ましくない。図10に示されるタイプの配置に関して、電極歪ははるかに小さくなると予想されるが、調節可能着地エネルギーを支援することがこのようなシステムにおいて特に望ましい。着地エネルギーを調整することは対物レンズアレイ内の静電界の著しい変化に至り、不適切なハードウェア補正に再び至り得る。以下に説明される配置は、電極歪の影響の補償を改善することを目標とする。改善された補償は、製造公差が緩和されること(例えば1%から10%へ)及び/又は調節可能着地エネルギー機能を支援することを可能にし得る。
[0110] 1クラスの配置では、対物レンズアレイ241の電極内の電極歪の影響を補償する方法が提供される。電極歪の影響はマルチビームのサブビームへの影響(像面湾曲の変化など)を含む。本方法は電極歪を調節することを含む。この調節は、電極歪からサブビームへの影響を低減する。従って、電極歪がマルチビーム内の像面湾曲を引き起こすケースでは、電極歪の調節が像面湾曲を低減し得る。いくつかの配置では、電極歪の調節は、予測電極歪にほぼ整合するように電極歪を調節することを含む。予測電極歪のこのような整合が実際の電極歪を補償し得る。予測電極歪のこの整合は、予測電極歪からサブビームへの予測影響を補償するためのハードウェア補正がより効果的になるということを意味し得る。例えば、像面湾曲のハードウェア補正はより効果的になり、これにより像面湾曲を低下させる。一配置では、予測歪は、所望電子光学効果を提供するために(例えばサブビーム間に所望像面湾曲を適用するために)サブビームに作用するように対物レンズアレイへ適用すると実際の歪と整合し得る又はそうでなければ対物レンズアレイ241の電極を調節し得る、標的歪である。
[0111] 電極歪は対物レンズアレイ241内の静電界を変動させることにより調節される。静電界の変動はそれらの電極間に作用する静電界圧力を変更するために2つの電極間の容積内の電界強度を変更することを含み得る。電界強度の増加は電極の歪の量を増加させることになる。電界強度の減少は電極の歪の量を低減することになる。
[0112] 上述のように、対物レンズアレイ241の電極503及び504は、サブビーム経路に沿って直列に導電板を含み得る。各導電板内には、サブビーム経路とアライメントされたアパーチャが画定される。このような導電板内のアパーチャは、電界がアパーチャの片側に存在しそしてサブビームがアパーチャを通過するというレンズ効果を有することになる。このようなやり方で動作する各アパーチャは基本レンズ又はアパーチャレンズと呼ばれ得る。このような基本レンズの焦点距離fは、f=4U/Eに従ってサブビームのエネルギーU及び電界強度Eに依存する。対物レンズアレイ241が2つだけの電極を有する配置では、例えば図11及び12に例示されるように、各対物レンズは2つの基本レンズを含むことになる。第1の基本レンズはサンプル208から最も遠い電極503内のアパーチャにより画定されることになる。第2の基本レンズはサンプルに最も近い電極504内のアパーチャにより画定されることになる。各電極におけるビームエネルギーは電極へ印加される電位により規定される。
[0113] 対物レンズが減速レンズであれば、第1の基本レンズは負レンズになりそして第2の基本レンズは正レンズになる。第2の基本レンズは、サブビームのビームエネルギーUはサブビームが第2の基本レンズに到達すると(即ち減速後)より低いので、第1の基本レンズより強く(即ちより短い焦点距離fに)なる。
[0114] 逆に、対物レンズが加速レンズであれば、第1の基本レンズは正レンズになりそして第2の基本レンズは負レンズになる。第1の基本レンズは、サブビームのビームエネルギーUはサブビームが第2の基本レンズに到達すると(即ち加速後)より高いので、この場合第2の基本レンズより強く(即ちより短い焦点距離fに)なる。
[0115] 本開示のいくつかの配置では、各対物レンズは通常、第1の基本レンズと第2の基本レンズとの間にビームエネルギーの大きな差を有する減速レンズとして作動される。これは、各対物レンズ内の第2の基本レンズが第1の基本レンズよりはるかに強くそして対物レンズの特性を概して支配するということを意味する。例えば、一実装形態では、電極503におけるビームエネルギーは30keVでありそして電極504におけるビームエネルギーは2.5keVであり、第1の基本レンズを第2の基本レンズより12倍弱くする。レンズ効果を提供する第2の基本レンズ及び関連等電位の一例が図13に概略的に描写される。矢印は、基本レンズを通過する荷電粒子へ加えられるだろう力の方向(等電位に対し垂直な)を概略的に表す。
[0116] 上に説明されたように、電極間の静電界を変動させることで静電気圧力を変動させる。静電気圧力の変動が電極歪の所望調節を提供する。本方法はさらに、静電界のこの変動に応答してマルチビームのサブビーム(任意選択的にサブビームのすべて)を再集束することを含む。再集束することは、サブビームがサンプル208において望ましくなくデフォーカスされることを回避する。
[0117] 特に図14~17を参照して以下に例示されるように、電極歪の調節及び再集束は、対物レンズアレイ241の少なくとも2つの電極へ印加される電位V1、V2を変更することにより行われる。(電位V1はアップビーム側電極電位と呼ばれ得、そして電位V2はダウンビーム側電極電位と呼ばれ得る)。2つの電極は503及び504とラベル付けされた電極により例示される。これらの電極は図11の503及び504とラベル付けされた電極及び/又は図5の301及び302とラベル付けされた電極に対応し得る。サンプル208における電位Vs(サンプル電位と呼ばれ得る)がサブビームの着地エネルギーを規定する。サンプル208における電位Vsの制御と組み合わせて、電位V1及びV2の制御は2つの電極及びサンプル208から成る系の3つの自由度を提供する。3つの自由度は3つの電位V1、V2及びVsにより表され得る。
[0118] 電極歪の調節は対物レンズアレイ241内の電界E1(又はレンズ電界強度)の制御に関与する。図14~17の例では、電界E1は電極503と504との間の電界である。サブビームの着地エネルギー(Vsにより定義された)、サブビームに作用する対物レンズの全焦点距離f(又はサブビーム焦点距離f)、及びサンプル208における電界強度E2(又はサンプル電界強度E2)を制御することがさらに望ましい。3つの自由度V1、V2及びVsはE1、Vs、f及びE2のすべてを独立に制御するには十分でない。図15及び16を参照して以下に説明されるように、V1、V2及びVsの制御はE1、Vs、f及びE2のうちの選択された3つを制御するために使用され得る。追加自由度が提供されれば、図14及び17を参照して以下に論述されるように、E1、Vs、f及びE2のすべてを独立に制御することが可能である。
[0119] 図11及び図14~17の例では、評価システムはまた中間素子555を含む。中間素子555はサンプル208と対物レンズアレイ241との間(即ちサンプル208とサンプル208に最も近い対物レンズアレイ241の電極504との間)にある。中間素子555はサンプル208から放出された信号電子を検出するための検出器を含む又は支援する。図11の例では、中間素子555は図6~9を参照して上に説明されたように検出器モジュール402を含む検出器を支援する。図14~16では、中間素子555は電極504に電気的に接続される。従って、中間素子555の電位は、これらの例(両方の素子の電位がV2である)における電極504の電位V2と独立に制御可能ではない。図11及び図17を参照して以下に説明されるように、いくつかの配置では、中間素子555は中間素子555の電位Vintが独立に制御されることを可能にするように構成される。電位Vintは中間素子電位と呼ばれ得る。
[0120] いくつかの構成では、図14に例示されるように、再集束することはサンプル208と対物レンズアレイ241(及びこの例では中間素子555)との間の距離を変動させること(即ち、制御すること)を含む。この距離は、例えばサンプル208を対物レンズアレイ241の方向に又はそれから離れる方向に移動することにより変動され得る。この運動はZ軸に沿った運動(又はZ変位)として説明され得る。この運動はサンプル208を支持するステージを少なくとも部分的に移動することにより行われ得る。ステージは対物レンズアレイ241の方向に又はそれから離れる方向に移動され得る。図14の例では、電極歪の調節は電位V1及びV2の適切な制御(例えば、電極間の離隔距離dを有する平行板幾何学的形状のE1=|V1-V2|/dによる)により電極503と504との間の電界E1を低減することに関与する。即ち、レンズ電界強度は、一方でアップビーム側電極電位とダウンビーム側電極電位との間の差の絶対値と他方で電極間の離隔距離の差との比と同じである)。E1の減少が電極歪を減少させる。E1の減少はまた、電極504におけるビームエネルギー(V2により規定される)の低減に関与する。上に説明したように、2つの電極だけを含む減速対物レンズアレイ241に関して、サンプル208に最も近い電極504に関連する基本レンズが支配的基本レンズになる。従って、対物レンズの全焦点距離は、図14のf1(第1の焦点距離)からf2(第2の焦点距離)までの変化により概略的に指示されるように増加する。この例では、従って、静電界の変動に応じたサンプル208の運動は、サンプル208を対物レンズアレイ241及び中間素子555からより遠くに(例えばf1とf2との間の差に等しい距離だけ)移動させるような運動になるだろう。
[0121] サンプル208を移動することによりサブビームを再集束することは実施するのが比較的容易である。この機能により提供される追加自由度はまた、電界E2及び着地エネルギー(Vsにより与えられる)の両方が電極歪の調節及び再集束中に一定に保たれることを可能にする。この例では、Vs及びE2を一定に保つための要求がV2を効果的に判断する。(注:V2は電極504(又は存在していれば中間素子555)とサンプル208との間の増加された離隔距離を補償するために増加する必要があることになる)。次に、V1は電極歪の所望調節を実現するために必要とされるE1の値から得られる。V1の変化はまた、これが存在する場所での制御レンズアレイ250のセッティングの変化に至り得る。
[0122] 例示的な一実装形態では、電極503、504間の電界E1の1%変化が、支配的基本レンズのf=4U/Eに従って対物レンズの焦点距離fの1%の変化を与えることになる。0.5mmの典型的焦点距離fに関して、結果の焦点ズレは5マイクロメートルになるだろう。これは、サンプル208の上の(例えばサンプル208と検出器を含む中間素子555との間の)典型的クリアランス(50マイクロメートルの程度であり得る)より小さい。
[0123] 図15~17はサンプル208が対物レンズアレイ241に対して移動されない配置を描写する。結果として、図15及び16の配置は1つ少ない自由度を有し、従ってパラメータE1、Vs、f及びE2のうちの3つだけが独立に制御され得る。
[0124] 図15の例では、サンプル208における電界E2は電極歪の調節及び再集束中に一定に保たれるように制御される一方で、サンプル208における着地エネルギー(Vsにより定義される)は変動することを許される(即ち、一定となるように制御されない)。電界E2を一定に保つことは、SEM像コントラスト形成への悪影響を回避することになるのでオペレータにとって望ましいかもしれない。静電界E1が10%だけ増加され、そしてV2がfを一定に保つのに10%だけ増加されれば、着地エネルギー(Vs)をV2の約10%だけ増加させることが必要になる。着地エネルギーが例えば2.5keVであれば、これは着地エネルギーの約250eV変化を生じるだろう。着地エネルギーが1keVであれば、着地エネルギーの絶対的変化は小さくなる(通常約100eV)。
[0125] 図16の例では、電位Vsは電極歪の調節及び再集束中に一定着地エネルギーを維持するように制御され、そしてサンプル208における電界E2は変動することが許される(即ち、一定となるように制御されない)。この手法は、着地エネルギーの望まれない変化を回避するが、サンプル208における電界E2の変動に関与する。例示的な一実装形態では、電極503と504との間の電界E1の5%変化及び電極504におけるビームエネルギーの結果125eV変化の場合(2.5keV着地エネルギーの場合)、サンプル208とサンプルに最も近い電極504の電位におけるコラムの素子(例えば中間素子555(存在すれば)及び/又は電極504へ電気的に接続された検出器)との間の電位差は50V(公称オフセット電圧)から175Vへ変化するだろう。175Vはサンプル208上の3.5kV/mmの電界E2(E2=175V/0.05mm)に至るだろう。この電界強度は高く、そしてこの電界強度は実際に受容可能だろう電界強度に近いかもしれない。より低い着地エネルギーでは、補正の範囲はより大きいだろう。例えば、上記配置における1keV着地エネルギーに関して、検出器とサンプル208との間の電位差の変化は、電極503と504との間の電界E1の10%の変化に対し50V~150Vだろう。
[0126] 上述のように、調節すること及び再集束することは対物レンズアレイ241内の2つの電極へ印加される電位を変更することを含む。いくつかの構成では、2つの電極のうちの1つは、対物レンズの他の電極と比較して最強レンズ効果をサブビームへ与える対物レンズアレイ241の対物レンズの電極である。この手法は、最強レンズ効果を与える電極が対物レンズの全集束作用に大きな影響を与えることになるので再集束を実現するために特に効果的である。示された例では、最強レンズ効果を与える電極は、サンプル208に最も近い対物レンズアレイ241の電極504(即ちダウンビーム側電極)である。このような配置はしばしば減速対物レンズである。通常、加速対物レンズでは、サンプルから最も遠い対物レンズ241の電極503(アップビーム側電極)が最強レンズ効果を与える電極である。
[0127] 対物レンズアレイが各サブビーム経路に沿って直列に3つ以上の電極を含む配置では、サンプル208に最も近い電極は最強レンズ効果を提供する電極でなくてもよい。例えば、各サブビーム経路に沿って直列に3つの電極を有するEinzelレンズ構成では、中央電極が最強レンズ効果を与え得る(ビームエネルギーは中央電極において最も低いので)。3つ以上の電極を有する他の配置(3つ以上の電極(様々な対の隣接電極間の非一様間隔を有する)がサブビーム経路に沿って非対称に配置される配置を含む)が使用され得る。3つ以上の電極を使用することで、マルチビーム内のサブビームを制御するためのより多くの自由度を提供することになる。様々な電界強度の領域間に設けられる対物レンズアレイのいかなる電極も電極の歪を引き起こし得る静電気圧力からの力に晒されることになる。3つ以上の電極を有する配置では、2つ以上の個別容積がそれぞれの対の隣接電極間に画定され得る。このような容積の何れかの側の電極の歪は、図12の例示的な容積に関して概略的に示されるようにこれらの容積の形状の変化に至り得る。容積の形状の変化は、容積の何れかの側の電極間の歪として説明され得、歪はそれらの相対的無擾乱状態から離れる分散又は擾乱として説明され得る。容積の形状の変化は、容積内の位置に応じた容積内の電界の対応変動に至ることになる。電界は、電極同士が互いに離間された領域(例えば図12の例における周囲領域内の)と比較して例えば電極が互いに近い領域内(例えば図12の中央領域内)でより強くなる。容積内の位置に応じた電界の変動は、容積内の電界に依存する基本レンズの強度の対応変動を引き起こすことにより像面湾曲に寄与し得る。基本レンズを画定するアパーチャのサブビーム経路に沿った位置を変更する電極の歪もまた像面湾曲に寄与することになる。様々な電極は様々なやり方で歪み得、電極の形状及び電極間の容積の広範囲の電位変動に至る。従って、対物レンズアレイ内の全電極歪への多くの寄与があり得る。静電気圧力からの歪に晒される任意の電極へ印可される電位を制御することで、当該電極の形状を修正し得、そしてこれにより対物レンズアレイ内の全電極歪と電極歪の影響(像面湾曲などの)とを調節することに寄与し得る。サンプル208に最も近い電極はこのようにして歪められ得るので、サンプル208に最も近い電極へ印加される電位を変更することが、電極歪を調節するために使用され得る。
[0128] 従って、要約すると、その電位が、上に述べられた調節及び再集束を行うために変更される2つの電極のうちの1つは、サブビームに作用しそして対物レンズの他の電極と比較してサンプル208に最も近い対物レンズアレイ241の対物レンズの電極であり得る。上述のように、これは、サンプルに最も近い電極が最も強い基本レンズを提供するので又は対物レンズアレイ内の電極歪の所望調節を提供するためにこの電極におけるビームエネルギーを調節することが必要であるので、行われ得る。
[0129] いくつかの構成では、図17に例示するように、別の自由度が提供される。別の自由度は、中間素子555と対物レンズアレイ241との間に電界E3(又は中間電界)を生成するために中間素子555へ印加される電位を変更することにより実現される。(従って、電界E3は、中間素子555と、サブビーム又はダウンビーム側電極504に作用する各対物レンズとの間にある)。図11及び図14~17に例示されるように、中間素子555はサンプル208と対物レンズアレイ241との間(そして従ってサンプル208とサブビームに作用する各対物レンズとの間)に設けられる。図14の例のように、追加の自由度は、電界E2及び着地エネルギー(Vsにより与えられる)の両方が電極歪の調節及び再集束中に一定に保たれることを可能にする。これは、第1の容積551及び第2の容積552内の電界を異なるやり方で変動させる可能性を導入することにより効果的に実現される。ダウンビーム側電極504と中間素子555との間にある第1の容積551は対物レンズアレイ241から第2の容積552に向かって延伸する。第2の容積はサンプル208を覆う;即ち第2の容積552は中間素子555とサンプル555との間にある。第1の容積551内の電界E3は、第2の容積552内の電界E2を依然として一定にそして従ってサンプル208において一定に保つ一方で電極504へ印加される電位の変化を補償するために(例えばサンプル208における一定着地エネルギーを維持するために)変動され得る。例示的な一実施形態では、電極503と電極504との間の電界E1の10%変化は電極504におけるビームエネルギーの250eV変化を生じる(2.5keV着地エネルギーの場合)。これは、電極504と中間素子555との間に250V電位差を生じるだろう。電極504と中間素子555との間の50マイクロメートルの典型的距離に関して、これは、受容可能である5kV/mmのこれらの素子間の電界E3に至るだろう。
[0130] 中間素子555の電位の独立制御を可能にするために、中間素子555は対物レンズアレイ241及びステージから電気的に絶縁されるべきである。従って、中間素子555は対物レンズアレイ241とステージとの間に位置決めされ、そしてその両方から電気的に絶縁され得る。図11の例では、中間素子555は電気的絶縁接続部材510によりサンプル208に最も近い対物レンズアレイ241の電極504へ機械的に取り付けられる。
[0131] 図18は電極歪の影響を補償する様々な方法の分解能への予測影響を示すグラフである。グラフは対物レンズアレイを通るサブビームの解析的光線追跡により導出された。縦軸は解像度の変動を示す。水平軸は対物レンズアレイ内に電界強度の変動を示す。モード1は調節すること及び再集束することがサンプルの運動を許容することにより一定E2及びVsにおいて行われるケースに対応する(図14を参照して上に説明されたように)。モード2は調節すること及び再集束することが一定E2及び可変Vsにおいて行われるケースに対応する(図15を参照して上に説明されたように)。モード3は調節すること及び再集束することが一定Vs及び可変E2において行われるケースに対応する(図16を参照して上に説明されたように)。モード4は、調節すること及び再集束することが中間素子555における電位Vintを調節することにより一定E2及びVsにおいて行われるケースに対応する(図17を参照して上に説明されたように)。
[0132] グラフにより表される例示的なモデル化実装形態では、モード1の補正範囲は99%~101%の範囲内のE1に制限される。これは、検出器がサンプル運動に応じて移動される必要があるだろうということとこの運動が-5マイクロメートル~+5マイクロメートルのズレに制限されただろうということとをモデルが仮定したからである。検出器の運動は、所望制御を実現するために印加される電位(例えばE2の)が異なることになるがモード1の動作原理を変更しない。
[0133] モード3の補正範囲は、サンプル上の電界E2が1kV/mm~2.7kV/mmの範囲から外れるのを回避する望みのために100%~103.3%の間のE1に制限される。電界E2の範囲は、検出効率が、意味のある信号(即ち、低過ぎない)に関して十分に高いということと、過度に高い電界E2において発生する可能性があるサンプルへの損傷を回避するということとを保証する。
[0134] モード2及び4に関して、E1の90%~110%の全範囲がカバーされ得る。モード4は、モード2より複雑であるが、着地エネルギーを変動させることを回避する。オペレータは、動作中の着地エネルギーの最適制御と従って重要パラメータの制御とを行うだろう。加えて、モード4はモード2より小さな影響を解像度に与えるが、モード2の性能は多くの応用に依然として受容可能である。
[0135] 上述のように、評価システムはその動作を制御するためのコントローラ500を含み得る。特に図11~18を参照して上に説明された方法の場合、コントローラは電極503、504及び/又は中間素子555へ印加される電位を制御することにより及び/又はステージを制御することにより本方法のうちの任意の方法をシステムに行わせるように構成され得る。
[0136] 電極歪の影響を低減又は回避するための代替手法は、対物レンズアレイの電極をより厚くすることだろう。より厚い電極は、より強く、従って所与の静電気圧力に対しより小さく歪む。電極歪が10倍だけ低減され得れば、これは電極歪は、図11~18を参照して上に説明された微調整の必要性なく対物レンズアレイの様々な製造インスタンス間で10%公差内で再現可能である必要があるだけであろうということを意味するだろう。例示的な一実施形態では、電極歪を10倍だけ低減することは電極が少なくとも3倍厚い(例えば約210%厚い)ということを必要とするだろうということが予測される。従って200マイクロメートル厚電極は430マイクロメートル厚になるだろう。これは2.5keV着地エネルギーにおいて約0.3nmの解像度の増加に至るだろう。像面湾曲のためのいかなるハードウェア補正(アパーチャサイズを変動させることによる)も最早必要ではないように電極歪を100倍だけ低減することは電極が少なくとも5倍厚い(例えば電極は430%厚くされる)ということを必要とするだろう。従って200マイクロメートル厚電極は730マイクロメートル厚になるだろう。これは2.5keV着地エネルギーにおける約0.9nmの解像度の増加に至るだろう。
[0137] 図10において描写されたような電子光学設計(マクロコリメータ270を含む)を有するタイプの配置に関して、相当な量の像面湾曲がマクロコリメータ270を起源とする。サンプル208におけるこの像面湾曲の大きさは通常、使用される倍率(制御レンズアレイ250により設定され得る)に依存して1~3マイクロメートルの範囲内であり得る。従って、マクロコリメータ270に起因する像面湾曲は対物レンズアレイ241内の電極歪に起因する像面湾曲より大きいかもしれない。従って、電極歪の変動は倍率を最適化することにより(制御レンズアレイ250を使用することにより)補償される可能性がある。マクロコリメータからの像面湾曲及び電極歪からの像面湾曲は反対符号を有するので少なくとも部分的に相殺する。
[0138] 粒子トラップを含む又は使用する実施形態に関連した上側及び下側、アップ及びダウン、の上及びの下などへの参照は、サンプル208に衝突する電子ビーム又はマルチビームの(常ではないが通常は垂直な)アップビーム及びダウンビーム方向に対し平行な方向を指すとして理解されるべきである。従って、アップビーム及びダウンビームへの参照は、いかなる現在の重力場とも無関係にビーム経路に対する方向を参照するように意図されている。
[0139] 本明細書で説明される実施形態は、ビーム経路又はマルチビーム経路に沿ってアレイ内に配置された一連のアパーチャアレイ又は電子光学素子の形態を取り得る。このような電子光学素子は、静電的であり得る。一実施形態では、例えば、ビーム制限アパーチャアレイからサンプルの前のサブビーム経路内の最終電子光学素子までのすべての電子光学素子は、静電的であり得、及び/又はアパーチャアレイ若しくはプレートアレイの形態であり得る。いくつかの構成では、電子光学素子の1つ又は複数は、微小電子機械システム(MEMS)として(即ちMEMS製造技術を使用することによって)製造される。電子光学素子は、磁性素子及び静電気素子を有し得る。例えば、複合アレイレンズは、磁気レンズ内に上側及び下側極プレートによってマルチビーム経路を包含し、マルチビーム経路に沿って配置されたマクロ磁気レンズを特徴とし得る。極プレート内には、マルチビームのビーム経路のアパーチャのアレイが存在し得る。電極は、複合レンズアレイの電磁場を制御及び最適化するために極プレートの上、下又はその間に存在し得る。
[0140] 互いに対し異なる電位へ設定され得る電極又は他の素子が設けられる場合、このような電極/素子群は互いに電気的に絶縁されるということが理解されることになる。電極/素子群が互いに機械的に接続されれば、電気的絶縁コネクタが設けられ得る。例えば、それぞれがアパーチャアレイを画定する一連の導電板として電極/素子群が設けられる場合(例えば対物レンズアレイ又は制御のレンズアレイを形成するために)、電気的絶縁板が導電板間に設けられ得る。絶縁板は、導電板へ接続され得、これにより絶縁コネクタとして働き得る。導電板同士は絶縁板によりサブビーム経路に沿って互いに分離され得る。
[0141] 本開示による評価ツール又は評価システムは、サンプルの定性的評価(例えば、合格/不合格)を行う装置、サンプルの定量的(例えば、フィーチャのサイズ)測定を行う装置又はサンプルのマップの画像を生成する装置を含み得る。評価ツール又はシステムの例は、検査ツール(例えば、欠陥を識別するための)、精査ツール(例えば、欠陥を分類するための)及び計測学ツール又は検査ツール、精査ツール若しくは計測学ツール(例えば、メトロ検査ツール)に関連付けられた評価機能の任意の合成を行うことができるツールである。
[0142] 荷電粒子ビームをある方法で操作するために制御可能である部品又は部品若しくは素子のシステムの参照は、荷電粒子ビームを上述の方法で操作するために部品を制御するようにコントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットを構成することと、荷電粒子ビームをこの方法で操作するように部品を制御するために他のコントローラ又はデバイス(例えば、電圧源)を任意選択的に使用することとを含む。例えば、電圧源は、コントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットの制御下で電位を部品に印加するために、1つ又は複数の部品、例えば制御レンズアレイ250及び対物レンズアレイ241の電極に電気的に接続され得る。ステージなどの活性化可能部品は、部品の活性化を制御するために、1つ又は複数のコントローラ、制御システム又は制御ユニットを使用することによって活性化し、従ってビーム経路などの別の部品に対して移動するように制御可能であり得る。
[0143] コントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットによって提供される機能は、コンピュータ実装され得る。素子の任意の好適な組み合わせは、例えば、CPU、RAM、SSD、マザーボード、ネットワーク接続、ファームウェア、ソフトウェア及び/又は必要とされるコンピューティング操作が行われることを可能にする当技術分野で知られている他の素子を含む必要な機能を提供するために使用され得る。必要なコンピューティング操作は、1つ又は複数のコンピュータプログラムによって定義され得る。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、コンピュータ可読命令を格納する媒体、任意選択的に非一時的媒体の形態で提供され得る。コンピュータ可読命令がコンピュータによって読み込まれると、コンピュータは、必要とされる方法工程を行う。コンピュータは、内蔵ユニットで又はネットワークを介して互いに接続される複数の異なるコンピュータを有する分散コンピューティングシステムで構成される。
[0144] 用語「サブビーム」及び「ビームレット」は、本明細書では互換的に使用され、両方とも親放射ビームを分割又は分離することによって親放射ビームから導出された任意の放射ビームを包含するものと理解される。用語「マニピュレータ」は、レンズ又は偏向器など、サブビーム又はビームレットの経路に影響を与える任意の素子を包含するように使用される。ビーム経路又はサブビーム経路に沿ってアライメントされる素子の参照は、それぞれの素子がビーム経路又はサブビーム経路に沿って位置決めされることを意味するものと理解される。光学系の参照は、電子光学系を意味するものと理解される。
[0145] 本発明の別の態様によると、マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムが提供され、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;サンプルを支持するためのステージ;及び電極へ印加される電位を制御するように及び/又はステージを制御して本システムに本発明の第1の態様の方法を行わせるように構成されたコントローラを含む。
[0146] 本発明の別の態様によると、マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムが提供され、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;サンプルを支持するためのステージ;及び対物レンズアレイとステージとの間に位置決めされるとともに対物レンズアレイ及びステージの両方から電気的に絶縁された中間素子を含む。
[0147] 本発明の別の態様によると、マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムを制御するコンピュータ実装型方法が提供され、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;及びサンプルを支持するためのステージを含み、本方法は、電極へ印加される電位を制御すること、及び/又は本システムに本発明の第1の態様の方法を行わせるようにステージを制御することを含む。
[0148] 本発明を様々な実施形態に関連して説明してきたが、本明細書に開示される本発明の仕様及び実施を考慮することで本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。本明細書及び例は、例示的なものにすぎないと考えられ、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲及び条項によって示されることが意図される。
[0149] 以下の条項が提供される。条項1:マルチビーム荷電粒子評価システムの対物レンズアレイ内の電極歪の影響を補償する方法であって、本方法は、対物レンズアレイ内の静電界を変動させることにより電極歪を調節することであって、サンプルに衝突するマルチビームのサブビームに対する電極歪の影響を補償するような、調節すること;及び対物レンズアレイ内の静電界の変動に応答してマルチビームのサブビームを再集束することを含み、調節すること及び再集束することは対物レンズアレイの2つの電極へ印加される電位を変更することを含む、方法。
[0150] 条項2:2つの電極のうちの1つは、対物レンズの他の電極と比較して最強レンズ効果をサブビームへ与える対物レンズアレイの対物レンズの電極である、条項1に記載の方法。
[0151] 条項3:2つの電極のうちの1つは、サブビームに作用するとともに対物レンズの他の電極と比較してサンプルに最も近い対物レンズアレイの対物レンズの電極である、条項1又は2に記載の方法。
[0152] 条項4:サンプルにおける電界は調節及び再集束中に一定に保たれる、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0153] 条項5:サンプルにおける電位は調節及び再集束中に一定着地エネルギーを維持するように制御される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0154] 条項6:再集束することはサンプルと対物レンズアレイとの間の距離を変動させることを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0155] 条項7:調節すること及び再集束することは、中間素子とサブビームに作用する対物レンズとの間の電界を生成又は変更するために中間素子へ印加される電位を変更することを含み、中間素子はサンプルと対物レンズとの間にある、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0156] 条項8:中間素子はサンプルから放出された信号電子を検出するための検出器を含む又は支援する、条項7に記載の方法。
[0157] 条項9:サンプルにおける電位は調節及び再集束中に変動することが許される、条項4に記載の方法。
[0158] 条項10:サンプルにおける電界は調節及び再集束中に変動することが許される、条項5に記載の方法。
[0159] 条項11:調節すること及び再集束することは少なくとも2つ、好適には3つ、又は少なくとも4つの自由度を調節することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0160] 条項12:電極歪の少なくとも大多数は静電気圧力により引き起こされる、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0161] 条項13:電極歪は対物レンズアレイ内の1つ又は複数の電極の形状及び/又は位置の変化を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0162] 条項14:サブビームに対する補償された影響は像面湾曲を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0163] 条項15:対物レンズアレイは対物レンズアレイ内の予測電極歪からのサブビームに対する予測影響を補償するためのハードウェア補正を含み、そして電極歪の調節は、予測電極歪にほぼ整合するように電極歪を調節することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0164] 条項16:予測電極歪は、マルチビームのサブビームの電子光学特性に対する所望影響を実現するための目標電極歪である、条項15に記載の方法。
[0165] 条項17:ハードウェア補正は、各電極内の位置に応じた電極のうちの1つ又は複数の電極内に画定されたアパーチャのサイズの変動を含む、条項15又は16に記載の方法。
[0166] 条項18:電極はサブビーム経路に沿って直列な導電板を含み、各導電板はサブビーム経路とアライメントされたアパーチャを画定する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0167] 条項19:対物レンズアレイは複数の電極を含み複数の電極の各々内には、マルチビームの通路の複数のアパーチャが確定され、複数の電極は好適には二次元基板である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
[0168] 条項20:マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムであって、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;サンプルを支持するためのステージ;及び電極へ印加される電位を制御するように構成された及び/又はステージを制御して、本システムに、先行する条項の何れか一項に記載の方法を行わせるように構成されたコントローラを含む、評価システム。
[0169] 条項21:マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムであって、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;サンプルを支持するためのステージ;及び対物レンズアレイとステージとの間に位置決めされるとともに対物レンズアレイ及びステージの両方から電気的に絶縁された中間素子を含む、評価システム。
[0170] 条項22:中間素子はサンプルから放出された信号電子を検出するように構成された検出器を含む又は支援する、条項21に記載のシステム。
[0171] 条項23:異なる静電気電位を、サンプルに最も近くにあるように構成された対物レンズアレイの電極よりむしろ中間素子へ印加するように構成されたコントローラ、をさらに含む、条項21又は22に記載のシステム。
[0172] 条項24:コントローラは電極歪を調節することにより対物レンズアレイ内の電極歪の影響を補償するように構成され、コントローラは対物レンズアレイ内の静電界を変動させることにより電極歪の調節を行うように構成される、条項23に記載のシステム。
[0173] 条項25:コントローラはさらに、対物レンズアレイ内の静電界の変動に応じてマルチビームのサブビームを再集束するように構成される、条項24に記載のシステム。
[0174] 条項26:コントローラは対物レンズアレイの電極のうちの2つへ印加される電位を調節することによりサブビームを再集束するように構成される、条項25に記載のシステム。
[0175] 条項27:コントローラは、調節すること及び再集束することが、対物レンズアレイを画定する電極のうちの2つへ及び中間素子へ印加される電位を変更することを含むように構成される、条項26に記載のシステム。
[0176] 条項28:マルチビームで配置されたサブビーム内の荷電粒子をサンプルに向かって誘導するように構成された評価システムを制御するコンピュータ実装型方法であって、本システムは、サブビームをサンプル上へ誘導するように構成された対物レンズアレイを画定する複数の電極であって、サブビームの少なくとも1つのサブビーム経路に沿って直列に配置される、複数の電極;及びサンプルを支持するためのステージを含み、本方法は、電極へ印加される電位を制御すること、及び/又は条項1~19の何れか一項に記載の方法をシステムに行わせることを含む、コンピュータ実装型方法。
[0177] 条項29:コンピュータにより実行されるとコンピュータに条項1~19の何れか一項に記載の方法を行わせる命令を含むコンピュータプログラム製品。

Claims (15)

  1. マルチビーム荷電粒子評価システムの対物レンズアレイ内の電極歪の影響を補償する方法であって、前記方法は、
    前記対物レンズアレイ内の静電界を変動させることにより電極歪を調節することであって、前記対物レンズアレイは前記対物レンズアレイ内の予測電極歪からのサブビームに対する予測影響を補償するためのハードウェア補正を含み、前記調節はサンプルに衝突する前記マルチビームのサブビームに対する電極歪の影響を補償するように調節する、調節すること、及び
    前記対物レンズアレイ内の静電界の前記変動に応答して前記マルチビームのサブビームを再集束することを含み、
    前記調節すること及び前記再集束することは前記対物レンズアレイの2つの電極へ印加される電位を変更することを含み、前記電極歪の前記調節は前記予測電極歪にほぼ整合するように前記電極歪を調節することを含む、方法。
  2. 前記2つの電極のうちの1つは、前記対物レンズの他の電極と比較して最強レンズ効果を前記サブビームへ与える前記対物レンズアレイの前記対物レンズの電極である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2つの電極のうちの1つは、前記サブビームに作用するとともに前記対物レンズの他の電極と比較して前記サンプルに最も近い前記対物レンズアレイの前記対物レンズの電極である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記サンプルにおける電界は前記調節及び前記再集束中に一定に保たれる、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記サンプルにおける電位は前記調節及び前記再集束中に一定着地エネルギーを維持するように制御される、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記再集束することは前記サンプルと前記対物レンズアレイとの間の距離を変動させることを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
  7. 前記調節すること及び前記再集束することは、中間素子と前記サブビームに作用する前記対物レンズとの間の電界を生成する又は変更するために前記中間素子へ印加される電位を変更することであって、前記中間素子は前記サンプルと前記対物レンズとの間にある、変更することを含む、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記中間素子は前記サンプルから放出された信号電子を検出するための検出器を含む又は支援する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記サンプルにおける電位は前記調節及び前記再集束中に変動することが許される、請求項4に記載の方法。
  10. 前記サンプルにおける電界は前記調節及び前記再集束中に変動することが許される、請求項5に記載の方法。
  11. 前記調節すること及び前記再集束することは少なくとも2つ、好適には3つ、又は少なくとも4つの自由度を調節することを含む、請求項1~10の何れか一項に記載の方法。
  12. 前記電極歪は前記対物レンズアレイ内の1つ又は複数の電極の形状及び/又は位置の変化を含む、請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
  13. 前記サブビームに対する前記補償された影響は像面湾曲を含む、請求項1~12の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記予測電極歪は、前記マルチビームの前記サブビームの電子光学特性に対する所望影響を実現するための目標電極歪である、請求項1~13の何れか一項に記載の方法。
  15. 前記電極歪の少なくとも大多数は静電気圧力により引き起こされる、請求項1~14の何れか一項に記載の方法。
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