JP2024519988A - 5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの使用 - Google Patents

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Abstract

5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの使用が提供される。具体的には、抗ウイルス薬の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグの使用が提供される。5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグは、ヒトパピローマウイルスとの闘いにおいて顕著な活性を有する。

Description

本出願は、2021年5月31日に出願された中国特許出願第2021106017773号の優先権を主張する。
本開示は、有機化学、医薬及び抗ウイルス療法の分野に関する。具体的には、本出願は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの使用に関する。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、パピローマウイルス科(Papillomaviridae)のファミリーに属するDNAウイルスであり、世界中でごく一般的なウイルスである。HPVのメンバーは、粘膜上皮及び皮膚上皮向性を有する。様々な生殖器系疾患、例えば性器疣贅に加えて、HPVはまた頸部がん、陰茎がん、肛門がん、口腔がん、咽頭及び喉頭がん、扁桃がん、食道がん等を含む様々な悪性腫瘍の原因となり得る。100超の型のヒトパピローマウイルスがあり、そのうち少なくとも12の型ががんの原因となり得るので、HPVは最も重要な型のヒト腫瘍ウイルスとなっている。ヒトパピローマウイルスは、高い感染率及び強い病原性を有し、集団、とりわけ女性に非常に有害であり、国内外の医学会から大きな注目を集めている。現在、臨床的に、複数の型のウイルスによる感染を防止することができる予防多価ワクチン(HPV6、11、16、18等)があるが、感染患者に対して予防ワクチンを使用しても、顕著な治療効果がない。複数の型のHPVを標的とする有効な薬物の開発は、悪性腫瘍を含むHPV関連疾患の臨床的処置及び防止のための新しい方法を提供することができる。
現在、HPVに対する有効な薬物が当該分野において依然として必要とされている。
WO2020/063824 WO2021/238978
Freireich等、1966、Cancer Chemother Rep 50:219 E.W. MartinによるRemington Pharmaceutical Sciences Beadle、J.等、Synthesis and Antiviral Evaluation of Octadecyloxyethyl Benzyl 9-[(2-Phosphonomethoxy) ethyl] guanine (ODE-Bn-PMEG)、a Potent Inhibitor of Transient HPV DNA Amplification. J Med Chem. 2016、59(23): 10470~8 Kachaeva、M.等、In vitro activity of novel 1,3-oxazole derivatives against HPV. Ibnosina J Med Biomed Sci. 2017; 9(4): 111~8
本開示で対処される技術的課題は、抗ウイルス薬の調製における、とりわけ抗ヒトパピローマウイルス(HPV)薬の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグの使用を提供することである。
本開示は、以下の技術的解決策を介して上記の技術的課題を解決する。
第1の態様において、本開示は、抗ウイルス薬の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグの使用を提供する。
好ましくは、抗ウイルス薬は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける使用のためのものである。
好ましくは、ウイルスは、ヒトパピローマウイルス、好ましくはヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)及びヒトパピローマウイルス18(HPV18)のうちの1つ又は複数である。
第2の態様において、本開示は、ウイルス感染の処置における使用のための5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを提供する。
好ましくは、本開示は、哺乳動物のウイルス感染の処置における使用のための5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを提供する。そこで哺乳動物は好ましくはヒトである。
好ましくは、ウイルスは、ヒトパピローマウイルス、好ましくはヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)及びヒトパピローマウイルス18(HPV18)のうちの1つ又は複数である。
第3の態様において、本開示は、治療有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを対象に投与する工程を含む、ウイルス感染を処置する方法を提供する。
好ましくは、本開示は、治療有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを対象に投与する工程を含む、哺乳動物のウイルス感染を処置する方法を提供する。そこで哺乳動物は好ましくはヒトである。
好ましくは、ウイルスは、ヒトパピローマウイルス、好ましくはヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)及びヒトパピローマウイルス18(HPV18)のうちの1つ又は複数である。
第4の態様において、本開示は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグ、及び薬学的に許容される賦形剤を含む、ウイルス感染の処置のための医薬組成物を提供する。
好ましくは、本開示は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグ、及び薬学的に許容される賦形剤を含む、哺乳動物のウイルス感染の処置のための医薬組成物を提供する。
好ましくは、ウイルスは、ヒトパピローマウイルス、好ましくはヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)及びヒトパピローマウイルス18(HPV18)のうちの1つ又は複数である。
第5の態様において、本開示は、非治療的方法を提供する。具体的には、本開示は、処置される環境又は目的物を、有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体と接触させる工程を含むin vitro消毒方法を提供する。
本開示のプラスの建設的で革新的な効果は、本開示が、ウイルスとの闘いにおける、とりわけヒトパピローマウイルス(HPV)との闘いにおける5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグの使用を提供することにある。
5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン及びその使用
ニトロキソリンは、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの化学名及びCAS番号4008-48-4を有する。
一部の実施形態によれば、抗ウイルス薬の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体、そのプロドラッグから選択される任意の化合物の使用が提供される。
一部の実施形態において、ヒトパピローマウイルス感染に対する薬物の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体、そのプロドラッグから選択される任意の化合物の使用が提供される。
一部の実施形態において、ヒトパピローマウイルス感染の防止又は処置における使用のための5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグが提供される。
一部の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンは、その薬学的に許容される塩の形態で提供される。薬学的に許容される塩は、酸付加塩又は塩基付加塩であってよい。一部の実施形態において、酸は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸を含むが、これらに限定されない無機酸であってもよく、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、グリコール酸、安息香酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、サリチル酸、ピルビン酸塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸を含むが、これらに限定されない有機酸であってもよい。一部の実施形態において、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムを含むが、これらに限定されない無機塩基であってもよく、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルコサミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、アルギニン又はリジンを含むが、これらに限定されない有機塩基であってもよく、リチウム、カリウム及びナトリウムの塩(例えばリン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウム)を含むが、これらに限定されないアルカリ金属塩であってもよく、バリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩を含むが、これらに限定されないアルカリ土類金属塩であってもよく、亜鉛塩を含むが、これらに限定されない遷移金属塩であってもよい。
用語「薬学的に許容される」は、医薬組成物の調製において使用される場合、医薬組成物が、一般に安全且つ無毒であり、生物学的必要性を満たし、哺乳動物(例えばヒト)使用のための薬剤として許容及び機能することができることを意味する。
一部の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンはその結晶形の形態で提供することができる。
他の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンはその溶媒和物の形態で提供される。
用語「溶媒和物」は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン及び好適な溶媒によって形成される物質を指す。特定の実施形態において、溶媒は水である。他の特定の実施形態において、溶媒は、薬学的に許容される有機溶媒である。
一部の他の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンは、その同位体誘導体の形態で提供される。
用語「同位体誘導体」は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンと比較した場合、1個又は複数の同位体富化原子を有する化合物を指す。例えば、該化合物は5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの構造を有し、ただし水素は「重水素」又は「トリチウム」で置換されており、且つ/又は炭素は11C、13C又は14Cで置換されているが、残りの部分は不変である。
一部の他の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンは、そのプロドラッグの形態で提供される。用語「プロドラッグ」は、生物学的に反応性の官能基が誘導体から切断されるか、又は別の方法では生物学的条件下(in vitro又はin vivo)で反応して、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンを提供することができるように、生物学的に反応性の官能基を含む5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの誘導体を指す。
一部の特定の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンのプロドラッグは、以下の構造式
を有する(S)-(5-ニトロキノリン-8-イルオキシ)メチル1-イソプロピオニルピロリジン-2-カルボキシレートである。
(S)-(5-ニトロキノリン-8-イルオキシ)メチル1-イソプロピオニルピロリジン-2-カルボキシレートは、WO2020/063824の実施例20の調製方法によって調製することができる。
一部の実施形態において、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンのプロドラッグは、WO2021/238978に開示される方法に従って製剤化することができる。
本開示において、抗ウイルス薬は、in vivo又はin vitroでウイルスの活性、生存能、複製、増殖、成長、感染力又は病原性を阻害する(又は低下させる、損なう、妨害する、失活させる、死滅させる)ことができる任意の化合物又は組成物を指す。
本開示において、抗ウイルス薬は、対象のウイルス関連疾患又は症状を防止する、処置する、寛解させるために使用される。
本開示において、抗ウイルス薬は、対象のヒトパピローマウイルス関連疾患又は症状を防止する、処置する、寛解させるために使用される。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、パポバウイルス科(Papovaviridae)ファミリーのアルファパピローマウイルス(Alphapapillomavirus)属に属する。HPVは球状のDNAウイルスである。現在、130超の異なる型のHPVが分離されており、感染組織及び部位に従って以下の型に分類することができる:
(1)皮膚低リスク型、HPV1、2、3、4、7、10、12、15等;
(2)皮膚高リスク型、HPV5、8、14、17、20、36、38等;
(3)粘膜低リスク型、HPV6、11、13、32、34、40、42、43、44、54等;
(4)粘膜高リスク型、HPV16、18、30、31、33、35、53、39等。
一部の実施形態において、本開示の抗ウイルス薬は、粘膜型(高リスク及び低リスク)ヒトパピローマウイルス関連疾患又は症状のための使用のためのものであり、HPV6、11、13、16、18、30、31、32、33、34、35、39、40、42、43、44、53、54を挙げることができる。
一部の特定の実施形態において、HPVは、とりわけ、ヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)、ヒトパピローマウイルス18(HPV18)又はこれらの組合せからなる群から選択される。
本開示において、「本開示の化合物」を指す場合、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを指す。
防止又は処置方法
本開示は、対象のウイルス感染を防止又は処置する方法を提供する。
一部の実施形態において、対象のウイルス感染を防止する方法は、予防有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを対象に投与する工程を含むか、又は該工程からなる。
一部の実施形態において、対象のウイルス感染を処置する方法は、治療有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを対象に投与する工程を含むか、又は該工程からなる。
「投与する(administering)」又は「投与(administration)」は、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官又は体液に適用される場合、外因性の薬物(例えば本開示の化合物)、治療剤又は組成物を動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官又は体液と接触させることを指す。
用語「対象」は、例えばラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ラット、ウサギ、モルモット、マウス、霊長類を含む、哺乳動物を指す。
一部の特定の実施形態において、対象はヒトである。
一部の特定の実施形態において、対象は、ウイルス感染に曝露されているか、ウイルス感染しやすいか、ウイルス感染の疑いがあるか、又はウイルス感染に既に冒されている。
「既に冒されている」は広義で理解されるべきであり、ウイルス感染を有する確率が所与の有意な閾値で対照のものより統計的に高いことも含む。統計的に「有意」について、pは、例えばそれだけに限らないが0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001又は更に低く設定される。例えば、比較が2つの個体又は群間でなされ、得られたp値が所与の特定のp値より低い場合、2つの個体又は群は、統計的に有意な差を有するとみなされる。
防止方法において、対象は、ウイルス感染しやすいか、ウイルス感染に曝露される可能性があるか、又はウイルス感染に曝露されている。
処置方法において、対象は、ウイルス感染の疑いがあるか、又はウイルス感染に既に冒されている。
用語「処置する(treating)」又は「処置(treatment)」は、疾患を排除するか、疾患の進行を防止するか、疾患の進行を緩慢にするか、疾患に関連する1種又は複数の症状の持続期間を減少させるか、疾患に関連する少なくとも1つの測定可能なパラメーターを改善するか若しくは逆転させるか、又は疾患を有する患者の生存を延長させることを指す。
用語「防止する(preventing)」又は「防止(prevention)」は、病原性因子、例えばウイルスへの曝露に対する予防対策を指し、環境又は対象に対して対策が講じられ得る。特定の実施形態において、防止する又は防止は、感染を防止する、感染のリスクを低減する、感染の確率を低減する、感染症状の出現又は発症を遅延させる等のために、本開示の化合物又は医薬組成物を使用して、感染していない対象、環境又は目的物を処置することである。
用語「有効量」は、対象、環境又は目的物において所望の効果を誘発する本開示の化合物又は医薬組成物の量を指す。
一部の実施形態において、「治療有効量」は、とりわけウイルス感染状態に関連する疾患状態若しくは症状を処置するのに十分な量、又はウイルス感染若しくは他の望ましくない症状を遮断するか、遅延させるか若しくは逆転させる量である。
一部の実施形態において、「予防有効量」は、対象、環境又は目的物に投与される場合、所定の予防効果がある量である。
治療又は予防効果は、必ずしも1用量が与えられた時点で生じるわけではなく、一連の用量が与えられた後に生じ得る。
特定の実施形態において、当業者は、様々な因子の考察に基づき(例えば臨床試験を介して)有効量の選択を決定することができ、因子としては、本開示の化合物の活性、使用した特定の化合物の代謝速度、処置される疾患、関与する症状、投与経路、投与時間、疾患の重症度、患者の体重、患者の免疫状態、使用した特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物(化合物及び/又は材料)及び当業者に公知の他の因子が挙げられる。当業者は、必要な有効量を簡単に決定することができる。有効量は、動物モデル試験系から誘導される用量応答曲線から得ることができ、医師の見解及び各患者の状況に従って決定することが可能である。動物用量とヒト用量との相関関係は、Freireich等、1966、Cancer Chemother Rep 50:219に記載されており、人体の表面積は、患者の身長及び体重によってほぼ決定することができる。
一般に、本開示の化合物の適当な1日用量は、予防又は治療効果を効果的に発揮する化合物の量である。
本開示の化合物の有効量は、0.01mg/kg~500mg/kg、好ましくは1mg/kg~200mg/kg、より好ましくは10mg/kg~100mg/kgであってよく、具体的には、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500mg/kg及び上記の値のうちのいずれか2つの間の範囲を挙げることができる。
必要な場合、本開示の化合物の1日用量は、1日を通して適当な時間間隔で2、3、4、5、6又はそれ以上のサブ用量で別個に投与することができ、任意選択で、サブ用量は、単位剤形の用量である。
本開示によって提供される医薬組成物又は化合物は、例えばウイルス感染に対する従来の臨床的処置方法に従って投与することができ、感染部位への灌流又は適用によって直接投与することができ、投与に使用される用量は、医療専門家によって決定された用量であってよい。
特定の実施形態において、本開示によって提供される医薬組成物又は化合物は、膣内投与用の剤形に調製される。
本開示の化合物は単独で投与されてもよいが、医薬組成物の形態で化合物を投与することも可能である。
本開示で使用する用語「単位用量」は、単位用量として対象、環境又は目的物への投与に好適な物理的に個別の単位を指す。各単位は、本開示の化合物又はその組成物の所定量を含有する。
一部の実施形態において、本開示に記載される単位用量は体積で表され、0.1ml、0.15ml、0.2ml、0.5ml、1.0ml、1.5ml、2.0ml、2.5ml、3.0ml、4.0ml、5.0ml、10.0ml、20.0ml、30.0ml、40.0ml、50.0ml、60.0ml、70.0ml、80.0ml、90.0ml、100.0ml、150ml、200ml、250.00ml及び上記の値のいずれか2つの間の範囲からなる群から選択される。
当業者は、多すぎる又は少なすぎる単位用量により臨床的不都合が生じることを理解する。例えば、ヒト対象に膣内投与される場合、単位用量は、好ましくは1ml~100mlの範囲、例えば1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ml及び上記の値のいずれか2つの間の範囲である。ヒト対象に皮下投与される場合、単位用量は、好ましくは0.5ml~1.0mlの範囲である。ヒト対象に静脈内投与される場合、単位用量は、好ましくは30.0ml~1000mlの範囲である。
単位用量は体積で表されるが、これは、本開示の化合物又はその組成物が液剤にしか製剤化されないことを意味するものではないと理解すべきである。固形(粉末又は凍結乾燥粉末)製剤に調製される場合、単位用量の体積は、粉末又は凍結乾燥粉末から調製された再構成液体の体積を表す。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、4年に1~4回、3年に1~3回、2年に1~2回、年1回、年2回、年3回、年4回、年5回、年6回、月1回、月2回、月3回、月4回、月5回、月6回、月7回、月8回、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、3日に1回、3日に2回、3日に3回、2日に1回、2日に2回、1日1回、1日2回の頻度で対象に投与される。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物の投与頻度は、同じであっても、異なってもよい。
一部の実施形態において、各投与の時間間隔は同じ又は異なる。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物の投与は全身又は局所である。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、皮内)注射によって投与される。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は筋肉内投与される。
他の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、(例えば機械装置によって上皮細胞障壁を破壊しない方式で)経皮送達される。
一部の他の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、直腸又は膣内経路を介して投与される。
消毒組成物及び消毒方法
一部の他の実施形態において、本開示の化合物は、非治療的使用のためのものである。
有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを含む消毒剤(又は消毒組成物)が提供される。
特定の実施形態において、消毒組成物は、医薬品の分野で慣習的な希釈剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、界面活性剤、吸着担体、滑沢剤又は共力剤等を含む1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を更に含むことができる。
本開示の消毒組成物に有用な好適な水性又は非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)又はその混合物、油(例えばオリーブ油、有機エステル)が挙げられる。
消毒組成物は、スプレー、洗浄剤、ローション、培養培地の形態で調製することができる。
本開示において、消毒剤(又は消毒組成物)は、とりわけ、in vitroで(例えば環境、目的物において及びその表面で等)ウイルスの活性、生存能、複製、増殖、成長、感染力又は病原性を阻害する(又は低下させる、損なう、妨害する、失活させる、死滅させる)ことができる任意の化合物(又は組成物)を指す。
本開示の消毒剤(又は消毒組成物)は、ウイルスに感染した又は汚染された環境、領域、物品、試料、表面、容器又は食品の消毒における使用のためのものである。
一部の実施形態において、病原体に曝露された又はその脅威にさらされた環境、領域、物品、試料、表面、容器又は食品を処置するのに好適な消毒方法又は抗ウイルス方法が提供される。
一部の実施形態によれば、環境、領域、物品、試料、表面、容器又は食品を、有効量の本開示の化合物又はその組成物と接触させる消毒方法が提供される。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、様々な表面(詳細には、これらのウイルスが比較的長時間活性状態を維持することができる硬質表面)並びに商業及び公共環境(例えば病院、外来診察室、ホテル)におけるウイルスに好適である。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は添加物として使用される。
「消毒」用途について、「有効量」は、ウイルスの活性、生存能、複製、増殖、成長、感染力又は病原性を阻害する(又は低下させる、損なう、妨害する、失活させる、死滅させる)のに必要とされるか又はそれに十分な量である。一例において、本開示の化合物の有効量は、環境中のウイルス負荷、ウイルス伝染力又はウイルス生存能を統計的に有意に低下させることができる量である。
医薬組成物
一部の実施形態によれば、本開示の化合物及び任意選択で薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。好適な薬学的に許容される賦形剤は、E.W. MartinによるRemington Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
特定の実施形態において、医薬組成物は、医薬品の分野で慣習的な希釈剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、界面活性剤、吸着担体、滑沢剤又は共力剤等を含む1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。
当業者は、医薬組成物が粉末又は凍結乾燥粉末の形態である場合、粉末形態の医薬組成物と液体形態の医薬組成物との間の違いが、含水量及び/又は緩衝液環境にあることを理解することができる。
特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、投与用の注射、坐剤、錠剤、丸薬、カプセル、懸濁液、エマルジョン、スプレー、洗浄剤、ローションの形態で調製することができる。
一部の実施形態において、医薬組成物は、経口投与に好適な形態、例えば錠剤、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、エマルジョン、カプセル又はシロップであってよい。経口組成物は、医薬組成物の調製について当技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤からなる群から選択される1種又は複数の成分を含有することができる。錠剤を調製するのに好適な賦形剤は、不活性賦形剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアラビアゴム;並びに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってよい。
一部の実施形態において、水性懸濁液は、本開示の化合物及び水性懸濁液の調製に好適な賦形剤を含む。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びアラビアゴム;天然に存在するリン脂質、例えばレシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールの縮合生成物であるポリエチレンオキシドソルビトールモノオレエート若しくはポリエチレンオキシドソルビタンモノオレエートであってよい分散剤又は湿潤剤である。水性懸濁液はまた、防腐剤(例えばエチルパラベン又はプロピルパラベン)、着色剤、香味剤も含有することができる。
一部の実施形態において、油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油、又は鉱油に懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有することができる。
本開示の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油、又は鉱油であってよい。好適な乳化剤は、天然に存在するリン脂質、例えば大豆レシチンであってよい。このような調製物はまた、緩衝液、防腐剤、着色剤及び抗酸化剤を含有することができる。
本開示の医薬組成物は、滅菌注射用水溶液の形態であってよい。使用できる許容される溶媒は、水、リンガー液及び等張食塩水である。注射液又はマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって患者の血流に注射することができる。あるいは、溶液及びマイクロエマルジョンは、本開示の化合物の一定の循環濃度を維持する方式で好ましくは投与される。この一定濃度を維持するために、連続静脈内薬物送達装置が使用できる。
一部の特定の実施形態において、膣内又は直腸投与用の坐剤の形態が提供される。これらの医薬組成物は、本開示の化合物を非刺激性賦形剤(室温で固体であるが、膣又は直腸内で液体である)と混合することによって調製することができる。このような組成物は、ココアバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを含む。
キット
本開示の別の態様によれば、本開示の化合物又はその組成物を独立して含む少なくとも1種の容器を含む、上記の防止又は処置又は消毒方法を実施するためのキットが提供される。異なる容器内の組成物及び/又は量は同じであっても、異なってもよい。
一部の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、滅菌液に製剤化され、滅菌容器(例えばチューブ、バイアル、アンプル及びシリンジ)に含有される。
一部の他の実施形態において、本開示の化合物又はその組成物は、粉末又は凍結乾燥粉末の形態で容器に含有される。これは、使用直前に液体形態に再構成される。
例示的な実施形態において、本開示のキットは、針、注射用水及び使用説明書又はこれらの組合せから選択されるものを更に含む。
本明細書において、数値範囲を記載する場合、表現「~(to)」、「の範囲内」又は「の範囲の間」は、終点の値を含むように使用される。この表現は、範囲内の各整数又は小数が一義的に示されるとみなされる略記である。
本明細書において、数値を記載する場合、別段指定されない限り、統計的誤差及び操作によって導入された誤差が考慮されるべきである。誤差の程度は、特定の状況に依存する。例えば、投与量について、秤量操作による誤差及び製剤化プロセス等において導入された誤差が含まれ、例えば150mlは150ml±10%とみなすことができる。
別段指定されない限り、本明細書で使用する冠詞「1つの(a、an)」、「その(the)」は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数」を含むことが意図される。
以下に実施例により本開示を更に説明するが、それによりこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。実験方法は、実施例において特定の条件を指定せず、従来の方法及び条件に従うか、又は製品説明書に示唆された方法及び条件に従う。
以下の効果例において、各ウイルス名及びそのラテン名は以下の通りである:
ヒトパピローマウイルス6(HPV6);
ヒトパピローマウイルス11(HPV11);
ヒトパピローマウイルス16(HPV16);
ヒトパピローマウイルス18(HPV18);
新規コロナウイルス(SARS-CoV-2);
チクングニアウイルス(CHIKV);
デングウイルス2;
インフルエンザA H1N1;
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV);
リフトバレー熱ウイルス(RVFV);
タカリベウイルス(TCRV);
wt-ワタオウサギパピローマウイルス(wt-CRPV);
mE8-ワタオウサギパピローマウイルス(mE8-CRPV);
マウスパピローマウイルス(MmuPV1)。
(実施例1 5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの調製)
本開示の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンは、調製方法によって限定されず、これは、先行技術に開示される任意の調製方法に従って得られるか、又は市販の製品が使用できる。
(実施例2 5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンのプロドラッグの調製)
WO2020/063824の実施例20に開示される方法に従って、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンのプロドラッグである(S)-(5-ニトロキノリン-8-イルオキシ)メチル1-イソプロピオニルピロリジン-2-カルボキシレートを調製した。
(効果例1)
ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの抗ウイルス活性を、一過性トランスフェクションアッセイを使用して試験及び評価した。
この評価系は、ウイルスヘリカーゼE1及び複製起点結合タンパク質E2を発現するプラスミド、その発現がTKプロモーターによって駆動されるNanoLuc遺伝子(Promega社)、及び以下に列挙するヒトパピローマウイルス株の複製起点配列を含有するプラスミドを含んでいた。E1又はE2単独での使用と比較して、プラスミドから発現するE1及びE2の相乗的結合及びヘリカーゼ活性は、レポータープラスミドの複製を駆動し、NanoLuc活性の100倍超の増加をもたらした。3つのNanoLucレポータープラスミドの複製起点配列の位置は、HPV11(NCBI受託番号HE611260.1)、HPV16(KP212151.1)並びにHPV18(KC470230.1)それぞれに対して7825-7993:1-99、7662-7901:1-99及び7740-7837:1-102であった。HPV11、HPV16及びHPV18に対応するE1オープンリーディングフレーム(ORF)配列の位置は、同じ配列内でそれぞれ832-2781、864-2813及び914-2887に位置していた。HPV11、HPV16及びHPV18に対応するE2オープンリーディングフレーム(ORF)配列の位置は、同じ配列内でそれぞれ2723-3826、2755-3852及び2817-3908に位置していた。HPV6に対する試験を、HPV11、HPV16及びHPV18に対するものと同様の試験方法を使用して行った。
一過性トランスフェクションに使用した細胞は、アール塩、L-グルタミン及び2%ウシ胎児血清を補充したDMEM培地中のC-33A細胞(ATCC HTB-31)であった。実験において、NanoLuc発現プラスミド(5ng/ウェル)を、Lipofectamine LTX及びPlusReagent(Invitrogen、Thermo Fisher Scientific社)を使用して相同ウイルスのE1及びE2発現プラスミドで共トランスフェクトした。1時間のインキュベーション後、トランスフェクトした細胞を、5倍に希釈した試験薬及び陽性対照薬9-[(2-ホスホノメトキシ)エチル]グアニン(PMEG)(Sigma-Aldrich社)を含有するウェルに接種した。トランスフェクトした細胞を、同じ希釈の試験薬を含有する二連の皿にも接種して、細胞毒性を評価した。全てのトランスフェクトした細胞単層を37℃で48時間インキュベートした。レポータープラスミドによって発現したNanoLuc活性をNano-Glo試薬(Promega社)で検出し、細胞毒性プレートの細胞生存能をCellTiter-Glo試薬(Promega社)で測定し、蛍光強度をマイクロプレートリーダー上で定量した。レポータープラスミドのコピー数が50%(EC50)、90%(EC90)減少した化合物の濃度を、実験データから同定した。
詳細な方法は参考文献(Beadle、J.等、Synthesis and Antiviral Evaluation of Octadecyloxyethyl Benzyl 9-[(2-Phosphonomethoxy) ethyl] guanine (ODE-Bn-PMEG)、a Potent Inhibitor of Transient HPV DNA Amplification. J Med Chem. 2016、59(23): 10470~8; Kachaeva、M.等、In vitro activity of novel 1,3-oxazole derivatives against HPV. Ibnosina J Med Biomed Sci. 2017; 9(4): 111~8)に記載されている通りであった。
詳細な試験結果をTables 1及びTables 2(表1及び表2)に示した。結果は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの抗ウイルス活性が陽性対照薬のものより良好であったことを示した。
(効果例2)
新規のコロナウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス2、インフルエンザA H1N1、中東呼吸器症候群コロナウイルス、リフトバレー熱ウイルス、タカリベウイルス、ヒトコロナウイルス(α)、ヒトコロナウイルス(β)、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、水泡帯状疱疹ウイルス、ヒトパピローマウイルス11、ヒトパピローマウイルス16、ヒトパピローマウイルス18、ヒトパピローマウイルス6に対する5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンの抗ウイルス活性を、効果例1で使用したのと同様の方法を使用して試験した。試験結果をTables 2(表2)に示した。
SI50値>10の場合、化合物はウイルスに対して活性であると判定された。結果は、5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンがHPVに対して特異的な阻害活性を有し、この活性は他のウイルスに対して観察されなかったことを示した。
(効果例3 (プロドラッグ))
WO2021/238978の試験例4の方法に従って、実施例2で調製したプロドラッグを動物(イヌ)に投与し、活性型5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンへのその変換が循環試料で検出された。したがって、プロドラッグ及び5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリンは、抗HPV効果において等価であった。

Claims (8)

  1. 抗ウイルス薬の調製における5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体、そのプロドラッグから選択されるいずれか1つの使用であって、
    ウイルスがヒトパピローマウイルスである、使用。
  2. 抗ウイルス薬が、哺乳動物、好ましくはヒトにおける使用のためのものである、請求項1に記載の使用。
  3. ウイルスが、ヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)、ヒトパピローマウイルス18(HPV18)又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
  4. プロドラッグが、(S)-(5-ニトロキノリン-8-イルオキシ)メチル1-イソプロピオニルピロリジン-2-カルボキシレートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 予防有効量又は治療有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体又はそのプロドラッグを対象に投与する工程を含む、ウイルス感染を防止又は処置する方法であって、
    ウイルスがヒトパピローマウイルスであり、
    対象が哺乳動物、好ましくはヒトである、方法。
  6. 処置される環境又は目的物を、有効量の5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体と接触させる工程を含むin vitro消毒方法。
  7. ウイルスが、ヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)、ヒトパピローマウイルス18(HPV18)又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5又は6に記載の方法。
  8. - 薬学的に許容される賦形剤、及び
    - 5-ニトロ-8-ヒドロキシキノリン、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、その同位体誘導体、そのプロドラッグから選択されるいずれか1つ
    を含む、ウイルス感染を処置するための医薬組成物であって、
    ウイルスがヒトパピローマウイルスであり、
    好ましくは、ウイルスが、ヒトパピローマウイルス6(HPV6)、ヒトパピローマウイルス11(HPV11)、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)、ヒトパピローマウイルス18(HPV18)又はこれらの組合せからなる群から選択され、
    好ましくは、プロドラッグが(S)-(5-ニトロキノリン-8-イルオキシ)メチル1-イソプロピオニルピロリジン-2-カルボキシレートである、医薬組成物。
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