JP2024508153A - モータ及び電気機器 - Google Patents
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Abstract
【要約】モータ及び電気機器を提供する。モータ(1000)は、ハウジングと、回転子ユニット(200)と、ハウジング内に設けられた固定子ユニット(100)と、エンドカバー(300)と、を含み、エンドカバー(300)はハウジングに接続されて回転子ユニット(200)を収納するキャビティを形成し、回転子ユニット(200)はこのキャビティ内に回転可能に設けられる。エンドカバー(300)の外周縁に外へ突出する複数の取り付けベース(310)が設けられている。これらの取り付けベース(310)はエンドカバー(300)に接続され、取り付け孔が設けられており、各取り付けベース(310)とエンドカバー(300)との間が肉抜きされて貫通孔(321)が形成され、ハウジングの外側には複数の放熱リブ(121)がハウジングの周方向に間隔を置いて設けられる。【選択図】図4
Description
本願は、2021年04月26日に提出された出願番号が202110455077.8、名称が「モータ及び電気機器」である中国特許出願、及び2021年04月26日に提出された出願番号が202120875860.5、名称が「モータ及び電気機器」である中国実用新案出願の優先権を主張しており、その全内容は、引用により本願に組み込まれている。
本発明は、モータに関連する技術分野に関し、特に、モータ及び電気機器に関する。
既存のモータは一般的に製品の取り付けブラケットに取り付けられている。例えば、セントラル方式の電気機器用のモータは、取り付けベースを介して取り付けブラケットに接続されている。モータが安定して動作できることを確保するために、通常、複数の取り付けベースを利用して取り付けブラケットに接続されている。しかし、このようなモータは、発熱量が多く、取り付けベースの設計が合理的でないと、モータの周囲の空気の流れを遮りやすく、モータ表面の熱を適時に放散できず、モータの温度上昇、モータの寿命短縮を引き起こすことになる。
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の1つを少なくとも部分的に解决することを目的とする。このため、本発明は、放熱効率を高めることができ、構造がより実用的且つ確実なモータを提供する。
本発明はまた、上記のモータを含む電気機器を提供する。
本発明の第1態様の実施例によるモータは、
ハウジングと、
回転子ユニットと、
前記ハウジング内に設けられた固定子ユニットと、
前記ハウジングに接続されて、前記回転子ユニットを収納するキャビティを形成するエンドカバーと、を含み、
前記回転子ユニットは前記キャビティ内に回転可能に設けられ、
前記エンドカバーの外周縁に外へ突出する複数の取り付けベースが設けられ、前記取り付けベースは前記エンドカバーに接続され、前記取り付けベースに取り付け孔が設けられ、各前記取り付けベースと前記エンドカバーとの間が肉抜きされて貫通孔が形成され、
前記ハウジングの外側において複数の放熱リブが前記ハウジングの周方向に間隔を置いて設けられる。
ハウジングと、
回転子ユニットと、
前記ハウジング内に設けられた固定子ユニットと、
前記ハウジングに接続されて、前記回転子ユニットを収納するキャビティを形成するエンドカバーと、を含み、
前記回転子ユニットは前記キャビティ内に回転可能に設けられ、
前記エンドカバーの外周縁に外へ突出する複数の取り付けベースが設けられ、前記取り付けベースは前記エンドカバーに接続され、前記取り付けベースに取り付け孔が設けられ、各前記取り付けベースと前記エンドカバーとの間が肉抜きされて貫通孔が形成され、
前記ハウジングの外側において複数の放熱リブが前記ハウジングの周方向に間隔を置いて設けられる。
本発明の実施例によるモータは、少なくとも下記の有益な効果を有する。
ハウジングの外側において複数の放熱リブが周方向に間隔を置いて設けられ、エンドカバーの外周縁にはエンドカバーに接続された複数の取り付けベースが設けられることによって、取り付けベースの構造強度を確保し、取り付け基準や使用要件を満たすことができる。また、各取り付けベースとエンドカバーとの間が肉抜きされ、換気を可能にする貫通孔が形成されることによって、モータの周辺の気流が貫通孔を流れることが可能になる。肉抜き構造は、構造材料の使用量を減らすとともに、気流に対する抵抗を小さくし、モータの周辺の風の流れの改善に有利であり、放熱リブへ吹き付ける風量を増加し、放熱リブの熱を素早く奪い、モータの表面の熱を適時放散することを可能とし、放熱効果をより良好なものとし、構造をより合理的かつ堅固にする。
ハウジングの外側において複数の放熱リブが周方向に間隔を置いて設けられ、エンドカバーの外周縁にはエンドカバーに接続された複数の取り付けベースが設けられることによって、取り付けベースの構造強度を確保し、取り付け基準や使用要件を満たすことができる。また、各取り付けベースとエンドカバーとの間が肉抜きされ、換気を可能にする貫通孔が形成されることによって、モータの周辺の気流が貫通孔を流れることが可能になる。肉抜き構造は、構造材料の使用量を減らすとともに、気流に対する抵抗を小さくし、モータの周辺の風の流れの改善に有利であり、放熱リブへ吹き付ける風量を増加し、放熱リブの熱を素早く奪い、モータの表面の熱を適時放散することを可能とし、放熱効果をより良好なものとし、構造をより合理的かつ堅固にする。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記貫通孔は、前記ハウジングの軸方向に沿って設けられ、前記ハウジングの軸方向に垂直な投影面において、前記放熱リブの少なくとも一部の投影が前記貫通孔の投影領域内に位置する。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記放熱リブの横断面幅が、前記ハウジングから離れるに従って減少し、前記放熱リブの前記ハウジングから離れた外側面が円弧面である。
本発明のいくつかの実施例によれば、隣接する前記放熱リブは最小間隔L1を有し、前記放熱リブの横断面は最大幅L2を有し、前記最小間隔L1と前記最大幅L2がL1≧2L2を満たす。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記ハウジングは、軸方向において前記エンドカバーから離れた一端にエンドプレートが設けられており、前記放熱リブの一端が、前記エンドプレートの径方向に沿って前記エンドプレートの中心へ向かって延設される。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記固定子ユニットは固定子鉄心を含み、前記固定子鉄心の外側に前記ハウジング及び前記放熱リブが射出成形されている。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記取り付けベースには、前記エンドカバーに接続された少なくとも2本の接続リブが設けられ、各前記取り付けベースには、隣接する2本の前記接続リブの間に前記貫通孔が形成されている。
本発明のいくつかの実施例によれば、各前記取り付けベースのいずれか2本の前記接続リブ間は角度αを有し、前記角度αは、0°≦α≦45°を満たす。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続リブは、前記エンドカバーの軸方向における一端に第1面が設けられ、他端に第2面が設けられ、前記第1面及び前記第2面は、それぞれ少なくとも1つの曲面で構成される。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記接続リブの横断面の面積が、両端から中央に向うに従って減少する。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記取り付けベースは、前記エンドカバーの径方向に沿って前記エンドカバーから離れる方向へ延設され、各前記取り付けベースの前記接続リブは、対応する前記取り付けベースに傾斜して設けられる。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記エンドカバーは、前記エンドカバーの軸方向における一端に第1の側の面が設けられ、他端に第2の側の面が設けられ、前記第1の側の面は前記ハウジングに接続され、前記第2の側の面には第1補強リブ及び第2補強リブが設けられ、前記第1補強リブは、前記エンドカバーの周方向に間隔を置いて分布しており、前記第2補強リブは、前記エンドカバーの径方向に間隔を置いて分布しており、前記第1補強リブと前記第2補強リブは交差して設けられる。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記回転子ユニットは、
内側鉄心と外側鉄心を含む回転子鉄心であって、前記内側鉄心に回転軸が設けられ、前記外側鉄心が前記内側鉄心の周りに間隔を置いて設けられた複数の外側鉄心セルを含み、隣接する前記外側鉄心セルの間が収納溝となる前記回転子鉄心と、
前記収納溝内に設けられた永久磁石と、を含み、
前記外側鉄心と前記内側鉄心は、間隔を置いて設けられ、この間隔に射出成形体が充填されており、前記外側鉄心と前記内側鉄心は前記射出成形体を介して接続される。
内側鉄心と外側鉄心を含む回転子鉄心であって、前記内側鉄心に回転軸が設けられ、前記外側鉄心が前記内側鉄心の周りに間隔を置いて設けられた複数の外側鉄心セルを含み、隣接する前記外側鉄心セルの間が収納溝となる前記回転子鉄心と、
前記収納溝内に設けられた永久磁石と、を含み、
前記外側鉄心と前記内側鉄心は、間隔を置いて設けられ、この間隔に射出成形体が充填されており、前記外側鉄心と前記内側鉄心は前記射出成形体を介して接続される。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記外側鉄心セルは、前記回転子鉄心の軸方向に積層された複数の扇形シートを含み、前記扇形シートの前記内側鉄心に面した内側には、前記永久磁石を位置決めするための第1ボスが設けられる。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記扇形シートの内側には、第2ボスがさらに設けられ、前記第2ボスは、前記内側鉄心に向かって延在しており、第1延在部と第2延在部を含み、前記第1延在部は前記回転子鉄心の周方向に延在しており、前記第2延在部は、前記回転子鉄心の周方向に沿って前記第1延在部から離れる方向に向かって延在している。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記扇形シートは、前記内側鉄心から離れた外側に円弧辺を有し、前記円弧辺は少なくとも3つ設けられ、前記円弧辺の数が奇数である。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記内側鉄心は、前記回転子鉄心の軸方向に積層された複数のリングシートを含み、前記リングシートの外側には、前記回転子鉄心の周方向に沿って第3ボスが設けられ、前記第3ボスは、前記永久磁石に対応して間隔を置いて設けられ、前記第3ボスと前記永久磁石との間に前記射出成形体が充填されている。
本発明のいくつかの実施例によれば、前記回転子鉄心の軸方向において、前記永久磁石の両端はそれぞれ前記外側鉄心の端面から突出し、突出した高さH1と前記外側鉄心の高さH2との比が、0.02≦H1/H2≦0.3を満たす。
本発明のいくつかの実施例によれば、各前記外側鉄心セルには、第1貫通溝が設けられ、前記第1貫通溝は、前記回転子鉄心の軸方向において対応する前記外側鉄心セルを貫通しており、前記第1貫通溝内に前記第2射出成形体が充填されている。
本発明のいくつかの実施例によれば、各前記外側鉄心セルには、第2貫通溝が設けられ、前記第2貫通溝は、前記回転子鉄心の軸方向において対応する前記外側鉄心セルを貫通しており、対応する前記外側鉄心セルを位置決めするために用いられる。
本発明の第2態様の実施例による電気機器は、上記の第1態様の実施例に記載のモータを含む。
本発明の他の特徴及び利点は、後述の明細書において説明され、また、明細書から部分的に明らかになり、又は、本発明を実施することにより把握される。
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより明らかかつ理解されやすくなる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の一例を図面に示すが、図面を通して同一又は類似の符号は同一又は類似の素子又は同一又は類似の機能を有する素子を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、本発明を説明するためにのみ使用される例示的なものであり、本発明を限定するものと理解されるべきではない。
なお、本発明の説明において、「内」、「外」、「反対方向」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであって、特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとは理解されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」に限定される特徴は、明示的又は暗黙的に1つ又は複数の当該特徴を含んでもよい。本発明の説明において、別段の記載がない限り、「複数」とは、2以上を意味する。
なお、本発明の説明において、特に明確な限定がない限り、「取り付ける」、「接続」などの用語は広義に理解されるべきであり、当業者は、技術案の具体的な内容と合わせて上記の用語の本発明における具体的な意味を合理的に理解することができる。
図1~図15を参照して本発明の実施例のモータ1000を説明する。該モータ1000は電気機器に適用できる。以下、具体例をもってモータ1000について説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施例によるモータ1000は、固定子ユニット100と、回転子ユニット200と、エンドカバー300と、を含む。回転子ユニット200は、回転子鉄心210と、回転軸220と、を含み、回転軸220は回転子鉄心210に接続される。固定子ユニット100は固定子鉄心110を含む。固定子鉄心110の外側にハウジングが設けられる。ハウジングとエンドカバー300が接続されて、モータ1000のケースが構成される。ケース内には収納キャビティが形成されており、回転軸220及び回転子鉄心210は収納キャビティ内に回転可能に設けられる。回転軸220の一端はモールドハウジング120を貫通してケースの外側まで延在し、駆動軸となる。
図1、図5、及び図6に示すように、固定子鉄心110は、リング形状として構成される。固定子鉄心110の外側に第1射出成形体が射出成形される。第1射出成形体により固定子鉄心110の一部が被覆されることによって、第1射出成形体は固定子鉄心110におけるハウジングとなる。該ハウジングはモールドハウジング120である。実施例では、モールドハウジング120の外周壁に複数の放熱リブ121が設けられる。放熱リブ121はモールドハウジング120の周方向に間隔を置いて分布しており、かつ、放熱リブ121は、モールドハウジング120の軸方向に延在している。モータ1000の内部で生じた熱が、モールドハウジング120を介して放熱リブ121に伝達される。放熱リブ121は、モールドハウジング120の表面積を大きくするのに有利であり、放熱効果を高めることができる。
図1、図3、及び図4に示すように、エンドカバー300の外縁に取り付けベース310が設けられる。モータ1000は、全体として取り付けベース310によって電気機器の取り付けブラケット(図示せず)に接続され、これにより、モータ1000は取り付けブラケットに固定して組付けられ得る。図4に示すように、エンドカバー300の外側に4つの取り付けベース310が設けられ、4つの取り付けベース310は対称に、エンドカバー300の外縁に分布している。
従来のモータ1000の取り付けベース310がエンドカバー300に直接接続されたり、接続板などの接続構造を介してエンドカバー300に接続されたりすることを考慮すると、取り付けベース310又は接続構造が軸方向の気流に対して一定の遮断作用を与えることから、モータ1000の周囲の風の流れが影響を受け、ファンの外面に吹き付ける風量が減少する。例えば、モータ1000が風車を駆動して作動させるときに、気流は、モータ1000の回転軸220の軸方向に沿って流れる。一方、複数の取り付けベース310はモータ1000の外側に突出して気流の流れの邪魔となり、モータ1000の表面を流れる気流が少なくなり、モータ1000の表面の放熱に不利であり、モータ1000の温度が上昇する。
図3及び図4に示すように、各取り付けベース310とエンドカバー300との間が肉抜きされ、取り付けベース310とエンドカバー300との間に貫通孔321が形成される。貫通孔321は放熱リブ121の少なくとも一部に対応してもよい。モールドハウジング120の軸方向に垂直な投影面において、放熱リブ121の少なくとも一部の投影は貫通孔321の投影領域内にある。つまり、モールドハウジング120の軸方向において、モータ1000の外周の気流が軸方向に沿って貫通孔321を通過することができ、また、貫通孔321を通過してから、放熱リブ121に直接吹き付けることができる。これにより、軸方向の気流に対する風の抵抗が低下し、モールドハウジング120の表面にある放熱リブ121へ吹き付ける風量が増加する。ただし、気流は放熱リブ121を経てから貫通孔321を貫通してもよく、これにより、風の抵抗を低減させる役割が果たされる。
例えば、取り付けベース310は接続板を介してエンドカバー300に接続されてもよく、接続板には貫通孔321が開けられており、貫通孔321が軸方向において接続板を貫通する。これにより、気流が貫通孔321を通過して接続板を通り抜けることが可能になり、接続板に対する風の抵抗が効果的に低下し、モータ1000の外周の風の流れを改善する役割が果たされる。
図3及び図4に示すように、いくつかの実施例では、各取り付けベース310には2本の接続リブ320が設けられ、取り付けベース310は接続リブ320を介してエンドカバー300に接続される。ここで、各接続リブ320は、一端が取り付けベース310に接続され、他端がエンドカバー300に接続され、各取り付けベース310の2本の接続リブ320は所定の間隔を置いている。これにより、取り付けベース310は2本の接続リブ320を介して取り付けベース310に固定接続され、安定的に支持される。
さらに、各取り付けベース310の2本の接続リブ320の間が肉抜きとされることによって、取り付けベース310とエンドカバー300との間に貫通孔321が形成され、貫通孔321はエンドカバー300の軸方向に沿って貫通している。これにより、気流が貫通孔321に沿って取り付けベース310とエンドカバー300との間の接続位置を通過することが可能になる。エンドカバー300はモールドハウジング120の底端位置に接続され、貫通孔321は取り付けベース310とエンドカバー300との間に形成され、このように、貫通孔321は放熱リブ121の一部に対応できるようになる。
図2、図3、及び図4に示すように、本実施例では、取り付けベース310とエンドカバー300は接続リブ320を介して互いに接続される。接続リブ320は長尺状構造であり、また、隣接する接続リブ320の間が肉抜きとされる。これにより、接続リブ320がエンドカバー300を安定的に支持しながら、モータ1000の外周の気流に対する接続リブ320の影響を低減させ、風の抵抗を効果的に低下させることができ、モータ1000の外周の風の流れを改善するのに有利である。気流は、モータ1000の軸方向に流れるときに貫通孔321に沿って通過し、モールドハウジング120の表面にある放熱リブ121に吹き付けられることができ、放熱リブ121による熱を効率的に放散し、モータ1000の放熱効率を高めることができる。
なお、貫通孔321は、接続リブ320、エンドカバー300、及び取り付けベース310に囲まれたものである。接続リブ320、エンドカバー300、及び取り付けベース310の投影面上の投影により囲まれた領域を貫通孔321の投影領域として理解することができ、放熱リブ121の投影面上の投影は該投影領域内にある。
図4に示すように、実施例では、放熱リブ121の一部の、モールドハウジング120の底端に位置する端面は、貫通孔321に面してもよい。モールドハウジング120の底端は、エンドカバー300に接続された端部である。気流が貫通孔321を流れて放熱リブ121に吹き付けられる際には、放熱リブ121の間の隙間に沿ってモールドハウジング120の外面を通過することができる。これにより、モータ1000の外面を通る風量が大幅に大きくなり、放熱効果が顕著に高まる。貫通孔321の数は、取り付けベース310の取り付け要件に応じて設定される。貫通孔321の数が多いほど、貫通孔321に対応する放熱リブ121が多くなり、これにより、モータ1000が十分な取り付け強度を有することを確保しつつ、モータ1000の外周の風の流れを効果的に改善する。
さらに、エンドカバー300と取り付けベース310は、接続リブ320によって接続される。接続リブ320の間で画定された肉抜き構造は、接続構造の材料の使用量を減少させ、モータ1000のエンドカバー300の製造コストを削減させるのに有利であるとともに、モータ1000の外周の気流に対して退避作用を果たし、モータ1000の組立や放熱の要件を満たし、構造が実用的且つ堅固である。
なお、各取り付けベース310の接続リブ320の数は実施例に示される数に限定されるものではなく、各取り付けベース310には、3つ以上の接続リブ320が設けられてもよい。隣接する接続リブ320の間がすべて肉抜き構造とされる。接続リブ320の増加により取り付けベース310とエンドカバー300との間の構造強度が効果的に上昇し、該構造強度が取り付け基準や使用要件を満たすことが確保され、モータ1000全体に対する支持がより確実に行われ得る。また、取り付けベース310の数は4つに限定されるものではなく、3つ又は5つ以上であってもよく、ここでは詳しく説明しない。
図5及び図6に示すように、放熱リブ121とモールドハウジング120は射出成形により一体成形される。モールドハウジング120は略円柱形状である。放熱リブ121はモールドハウジング120の外面から突出している。モールドハウジング120及び放熱リブ121は、いずれもプラスチック材質である。ここで、モールドハウジング120の径方向において、放熱リブ121は、根元部1211と、先端部1212と、を含む。根元部1211の底端はモールドハウジング120に接続され、根元部1211の頂端は先端部1212であり、根元部1211の横断面形状は略台形であり、先端部1212の横断面形状は略円弧状である。すなわち、放熱リブ121の横断面は、台形横断面と円弧状横断面とを組み合わせた形態とされる。
根元部1211の横断面幅が、モールドハウジング120から離れるに従って減少し、先端部1212の位置で円弧面に移行し、すなわち、放熱リブ121の幅が底端から頂端に向かうに従って狭くなる。この場合、平板状の放熱片と比べて、材料の使用量が同じ場合、放熱リブ121の放熱能力が効果的に向上し、放熱リブ121の放熱のコストパフォーマンスが高くなり、しかも、放熱リブ121の接続構造がより堅固である。
図4、及び図10に示すように、隣接する放熱リブ121には所定の間隔がある。間隔が小さすぎると、隣接する放熱リブ121の間を通る風量が限られ、放散される熱が小さくなる。その結果、放熱リブ121間の熱が効果的に放散できなくなり、放熱効果が低くなる。このことから、気流が隣接する放熱リブ121の間隙をスムーズに通過するように、この間隔は十分に大きくする必要がある。
いくつかの実施例では、放熱リブ121の根元部1211の横断面幅が先端部1212の横断面幅よりも大きく、放熱リブ121の横断面幅が実際の放熱要件に応じて設定されるが、ここでは限定しない。実施例では、根元部1211の横断面は最大幅L2を有し、図10に示すように、最大幅L2は、根元部1211とモールドハウジング120との接続部位の横断面幅として扱われ、隣接する放熱リブ121の根元部1211の間隔は最小間隔L1である。最小間隔L1と最大幅L2はL1≧2L2を満たす。つまり、隣接する放熱リブ121の根元部1211の間隔が根元部1211の横断面幅の2倍よりも大きい。これにより、放熱リブ121間の十分な間隔が確保され、放熱がより効率的になる。
図6に示すように、モールドハウジング120は、一端がエンドカバー300に接続され、他端がエンドプレートであり、エンドプレートには、回転軸220に対応する軸孔122が設けられる。放熱リブ121はエンドプレートの表面まで延在しており、エンドプレートの表面においてはモールドハウジング120の径方向に沿って延在している。これにより、放熱リブ121は該エンドプレートも覆っており、これは、モールドハウジング120の放熱性能の更なる向上に有利である。
図4に示すように、エンドカバー300の外側に4つの取り付けベース310が設けられる。各取り付けベース310は、2本の接続リブ320を介してエンドカバー300に接続され、2本の接続リブ320は一定の角度αをなす。実施例では、該角度αは、2本の接続リブ320が同一平面においてなす角度として扱われてもよい。該角度αは0°≦α≦45°を満たす。これにより、接続リブ320への荷重がより合理的になり、支持強度が十分であり、コストを最適化させる効果が得られる。例えば、2本の接続リブ320間の角度αは0°であってもよく、すなわち、2本の接続リブ320は互いに平行に設けられてもよい。また、2本の接続リブ320間の角度αは、20°、30°、45°などであってもよい。
取り付けベース310の位置が比較的固定されている場合、2本の接続リブ320間の角度が大きいほど、2本の接続リブ320間のスパンが長い。スパンが長すぎると、接続リブ320の荷重分布が影響を受け、接続リブ320による支持強度が低下しやすい。
なお、取り付けベース310には、3本以上の接続リブ320が設けられ、隣接する接続リブ320間の角度αがすべて0°≦α≦45°を満たしてもよい。例えば、3本の接続リブ320を例にすると、そのうち2本の接続リブ320は平行に設けられ、残りの1本の接続リブ320は平行な2本の接続リブ320の間に設けられ、しかも、この接続リブ320は平行な2本の接続リブ320のそれぞれと交差し、隣接する接続リブ320間の角度αは45°である。具体的には説明しない。
図2、図7、図8、及び図9に示すように、いくつかの実施例では、接続リブ320は、全体として長尺状であり、エンドカバー300の軸方向の表面において所定のラジアンをもって変化している。具体的には、エンドカバー300の軸方向において、接続リブ320の、モールドハウジング120に面した側は第1面322であり、第1面322と反対の側は第2面323である。気流が貫通孔321を流れてモールドハウジング120に吹き付けられるときに、第2面323及び第1面322を順次通過する。第1面322及び第2面323はいずれも曲面であり、このうち、第1面322は上面、第2面323は下面として扱われてもよい。
実施例では、第1面322及び第2面323は、それぞれ1つの曲面で構成される。第1面322及び第2面323の輪郭線が1つの円弧線であり、接続リブ320の上面及び下面のいずれも曲面とされることによって、風の抵抗の更なる低下に有利である。もちろん、接続リブ320の上面及び下面は実施例に示される構造に限定されず、複数の曲面を組み合わせたものであってもよい。このように、構造トポロジーの最適化を満たし、材料を充分に利用することができ、設計を最適化させる効果を得て、接続リブ320への荷重をより合理的にし、支持強度を向上させる。例えば、上面及び下面は、それぞれ3つの曲面で構成され、すなわち、上面及び下面の輪郭線は、それぞれ3つの円弧線を有してもよいし、上面が3つの曲面で構成され、下面が2つの曲面で構成されてもよい。
図7、及び図8に示すように、接続リブ320のそれぞれの横断面の形状は、接続リブ320の軸方向において不規則に変化している。実施例では、接続リブ320は、全体として、中央部が細くて両端が太い形状である。具体的には、接続リブ320の横断面の面積は、両端から中央に向かうに従って減少する。
接続リブ320の両端の横断面の面積は大きく、一方、接続リブ320の中央部の横断面の面積は小さいことによって、エンドカバー300及び取り付けベース310への接続リブ320の接続がより安定的且つ確実になる。すなわち、接続リブ320の両端が強化され、接続リブ320への荷重が最適化され、支持強度がより高くなる。しかも、接続リブ320の中央部を両端よりも細くすることにより、接続リブ320による風の抵抗をさらに低下させ、構造をより合理的にするのに有利である。
なお、接続リブ320がモータ1000全体を支持することを考慮すると、接続リブ320の主な荷重方向はエンドカバー300の軸方向である。接続リブ320の支持強度をさらに高めるために、実施例では、接続リブ320の横断面の高さが横断面の幅以上に設定される。接続リブ320の横断面の高さは、エンドカバー300の軸方向における接続リブ320の高さである。図9に示すように、接続リブ320の横断面の高さはH3であり、図10に示すように、接続リブ320の横断面の幅はH4である。H3とH4はH3≧H4を満たす。横断面における接続リブ320の高さが幅よりも大きいほど、支持強度が高く、これにより、エンドカバー300の軸方向における接続リブ320の強度が高く確保され、支持がより強固且つ確実になり、取り付け基準や使用要件が満たされる。
図2に示すように、取り付けベース310は板状を呈し、取り付けベース310はエンドカバー300の軸線に垂直である。取り付けベース310の具体的なサイズは、取り付け要件に応じて設計され、ここでは限定しない。各取り付けベース310の接続リブ320は取り付けベース310に対して傾斜して接続される。図2はモータ1000の側面図を示し、接続リブ320と取り付けベース310は異なる平面上にあり、また、接続リブ320の上面及び下面は曲面を有し、隣接する取り付けベース310の接続リブ320は組み合わせられてラッパの形状となる。
ここで、エンドカバー300では、モールドハウジング120に接続された側は第1の側の面であり、第1の側の面と反対の側は第2の側の面である。図7及び図8に示すように、第1の側の面はエンドカバー300の上端面、第2の側の面はエンドカバー300の下端面として扱われてもよい。エンドカバー300の上端面には取り付けキャビティ330が設けられ、固定子鉄心110が取り付けキャビティ330に適合することによって、固定子鉄心110がより安定的になる。
各取り付けベース310の接続リブ320は、一端がエンドカバー300の外側のうち取り付けキャビティ330の開口に近い位置に接続され、他端が取り付けベース310に接続される。取り付けベース310が下端面に接近して設けられる。これにより、接続リブ320は第1端面に近い位置から取り付けベース310の位置まで傾斜して延在している。このように、接続リブ320が均等に分布している場合、すべての接続リブ320が組み合わせられてラッパ形状構造となり、モータ1000を支持する。これにより、構造最適化の効果が高く、接続リブ320の支持強度が高くなり、接続リブ320による気流への抵抗が最小化される。
図3及び図4に示すように、各取り付けベース310には第1取り付け孔311が設けられ、取り付けベース310は、第1取り付け孔311を介して電気機器の取り付けブラケットに接続される。例えば、業務用セントラルエアコンを例にすると、セントラルエアコンの室外機に取り付けブラケットが設けられ、ねじなどの接続具が第1取り付け孔311に挿通されることにより、取り付けベース310は取り付けブラケットに接続され、モータ1000はセントラルエアコンに固定して取り付けられる。これに加えて、任意の2つの取り付けベース310に位置決めピン312が設けられてもよい。位置決めピン312は取り付けブラケットの位置決め孔に対応し、取り付けベース310と取り付けブラケットが効率的に位置決めされやすい。モータ1000を取り付ける際には、まず、位置決めピン312を取り付けブラケットの対応する位置決め孔に嵌合させた後、ねじで固定し、これは、取り付けの効率化に有利である。
なお、エンドカバー300と、接続リブ320、取り付けベース310とは一体成形構造である。これにより、モータ1000のエンドカバー300の全体構造に高い安定性及び信頼性を持たせる。さらに、図3及び図4に示すように、第1取り付け孔311は、エンドカバー300の軸方向において取り付けベース310を貫通し、位置決めピン312は、取り付けベース310の固定子ユニット100から離れた側に設けられる。
図7及び図8に示すように、いくつかの実施例では、エンドカバー300の外縁には、外へ延在しているフランジ340が設けられる。該フランジ340は、取り付けキャビティ330の開口に近い位置に設けられる。フランジ340は、径方向においてエンドカバー300の外側に突出し、接続リブ320はフランジ340に接続される。フランジ340は、接続リブ320とエンドカバー300との接続部位を補強する役割を果たすことができ、接続リブ320の構造をより堅固にし、支持強度をより高める。
実施例では、フランジ340がエンドカバー300の周方向に延在していることによって、隣接する取り付けベース310の接続リブ320はフランジ340を介して繋がり、構造強度がさらに高まる。ここで、フランジ340には第2取り付け孔341が設けられる。フランジ340は第2取り付け孔341を介してモールドハウジング120の突起124に接続され、エンドカバー300がモールドハウジング120に接続されることを可能とする。このように、フランジ340は、補強作用に加えて、モールドハウジング120に接続されることでモータ1000全体の構造を簡素化させることもできる。
図4及び図8に示すように、エンドカバー300の下端面には第1補強リブ350及び第2補強リブ360が設けられる。ここで、第1補強リブ350は、エンドカバー300の周方向に間隔を置いて分布しており、また、エンドカバー300の径方向においてエンドカバー300の縁部まで延在している。第2補強リブ360は、エンドカバー300の径方向に間隔を置いて分布しており、また、エンドカバー300の周方向に延在している。これにより、第1補強リブ350と第2補強リブ360が下端面上で交差し得る。第1補強リブ350が放射状に分布しており、周方向に延在している第2補強リブ360と交差して網目構造を形成することによって、エンドカバー300に対して効果的な補強作用が果たされる。
なお、実施例では、取り付けキャビティ330内の中心位置には第1軸受け室331が設けられる。第1軸受け室331内には軸受け400が取り付けられ、該第1軸受け室331は取り付けキャビティ330の底面に凹設される。第1軸受け室331の底面は密閉構造である。第1軸受け室331がエンドカバー300の下端面に向かって窪んだものであるため、下端面の表面のうち第1軸受け室331に対応する位置にボスが形成されている。これにより、第1補強リブ350は該ボスに接続されることができる。すなわち、第1補強リブ350は第1軸受け室331の外側と交差して接続される。これにより、モータ1000のエンドカバー300の全体構造の剛性がさらに高まり、軸受け400がより大きな負荷を受けるのに有利である。
図7、及び図8に示すように、エンドカバー300には引き出し孔332が設けられる。引き出し孔332は軸方向においてエンドカバー300を貫通しており、エンドカバー300の第1の側の面と第2の側の面を連通させる。これにより、電源コード500をモータ1000の外側から引き出し孔332に沿ってキャビティ内に入れることができ、電源コード500を固定子ユニット100に接続可能にする。
さらに、エンドカバー300には接地孔333がさらに設けられる。接地孔333は取り付けキャビティ330内に設けられる。エンドカバー300を組み立てる際には、接地孔333にねじを通すことによりエンドカバー300を接地ラインに接続し、エンドカバー300の接地を実現し、モータ1000の通電要件を満たす。
図6に示すように、モールドハウジング120内には第2軸受け室123が設けられる。第2軸受け室123内には軸受け400が取り付けられる。回転軸220の一端は第1軸受け室331内の軸受け400に接続され、回転軸220の他端は第2軸受け室123内の軸受け400に接続され、これにより、回転軸220が安定的に支持される。図1に示すように、軸孔122には防水カバー125が設けられ、これにより、モータ1000の防水性が効果的に向上する。
図11及び図15に示すように、いくつかの実施例では、回転子鉄心210は、内側鉄心213と、外側鉄心211と、を含む。回転軸220は内側鉄心213に接続される。外側鉄心211は複数の外側鉄心セル212を含む。複数の外側鉄心セル212は内側鉄心213の周りに間隔を置いて配列される。隣接する外側鉄心セル212が互いに間隔を置いており、収納溝が形成される。各収納溝内には永久磁石が設けられており、永久磁石は外側鉄心211内に配置される。図11に示すように、回転子鉄心210は、10個の外側鉄心セル212と、1個の内側鉄心213と、を含み、永久磁石の数も10個である。
モータ1000が作動する際に、回転子鉄心210とエンドカバー300との間に電位差が生じることを考慮して、従来の回転子鉄心210では、外側鉄心211と内側鉄心213が内部磁気ブリッジを介して接続されるので、軸電圧が軸受け400に電食を与え、軸受け400に損傷を与え、信頼性を低下させる。このため、図15に示すように、実施例では、各外側鉄心セル212は内側鉄心213と間隔を置いており、射出成形により絶縁性の非磁性材料が外側鉄心セル212と内側鉄心213との間に充填され、第2射出成形体215が形成される。第2射出成形体215は外側鉄心211、内側鉄心213及び永久磁石を一体式構造に結合する。実施例では、永久磁石はプレート磁石214である。
隣接する外側鉄心セル212がすべて非連続的なものであり、かつ、各外側鉄心セル212と内側鉄心213とが間隔を置いている。第2射出成形体215により、外側鉄心211と内側鉄心213との間及びプレート磁石214と内側鉄心213との間がすべて絶縁される。これにより、回転軸220と外側鉄心211との間の絶縁性が向上し、軸電圧が効果的に低下し、軸受け400に電食による損傷が生じるリスクが大幅に低減し、信頼性がより高くなる。実施例では、第2射出成形体215は樹脂類材質であってもよく、具体的には限定しない。
図11及び図13に示すように、各外側鉄心セル212は、回転子鉄心210の軸方向に積層された複数の扇形シート2121を含む。各扇形シート2121は略扇形である。回転子鉄心210の径方向において、扇形シート2121の内側鉄心213に面する側は内側、内側鉄心213から離れた側は外側である。扇形シート2121の内側には第1ボスが凸設されており、第1ボスはプレート磁石214を位置決めするものである。
具体的には、隣接する外側鉄心セル212はすべて非連続的なものであり、収納溝の内側はすべて開放されるとともに内側鉄心213に対応し、プレート磁石214は収納溝内に装着される。第1ボスは収納溝に向かって延在している。第1ボスは、扇形シート2121の内側に凸設されたボス構造として扱われてもよい。第1ボスはプレート磁石214の内側を支持することができ、第2射出成形体215を充填する際にプレート磁石214を位置決めする作用を果たし、プレート磁石214の収納溝内でのズレを少なくし、安定性及び信頼性を向上させることができる。
図11及び図13に示すように、いくつかの実施例では、扇形シート2121の内側には、第2ボスがさらに設けられ、第2ボスは内側鉄心213に向かって延在している。具体的には、第2ボスは、第1延在部2124と、第2延在部2125と、を含む。第1延在部2124及び第2延在部2125は、それぞれ回転子鉄心210の周方向に延在し、対称的に分布している。内側鉄心213と外側鉄心211との間に第2射出成形体215が充填され、第1延在部2124と第2延在部2125が第2射出成形体215内に嵌められることは、外側鉄心セル212と第2射出成形体215との結合力上昇、構造強度の向上に有利である。
なお、図13に示す実施例では、第2ボスの第1延在部2124及び第2延在部2125はY字形構造として形成され、第2射出成形体215は該Y字形構造を完全に覆う。すなわち、該Y字形構造は射出成形体内に完全に嵌められることができ、これにより、外側鉄心211と射出成形体がより緊密かつ強固に接続され、径方向及び周方向の両方における外側鉄心211と第2射出成形体215との結合が補強され、回転子ユニット200全体の強度が大幅に上昇し、回転子ユニット200が大きなタルクを出力するときの安定性がより高くなる。もちろん、第1延在部2124と第2延在部2125を組み合わせてなる形状は上記の例に限定されず、T字形や他の形状であってもよい。
なお、第1ボスは、第3延在部2122と、第3延在部2122と、を含む。第3延在部2122及び第4延在部2123は、それぞれ回転子鉄心210の周方向に延在している。これにより、第3延在部2122及び第4延在部2123は、それぞれ隣接するプレート磁石214に対応して位置決めを行う。第3延在部2122及び第4延在部2123は、いずれも扇形シート2121の内側に設けられ、かつ、回転子鉄心210の径方向に対して対称的に分布している。図11及び図13に示す第3延在部2122は反時計回りに延在しており、第4延在部2123は、時計回りに延在している。隣接する2つの扇形シート2121間が収納溝となり、扇形シート2121の一方の第3延在部2122と扇形シート2121の他方の第4延在部2123とが連携して該収納溝内のプレート磁石214を位置決めし、このような構造は安定的で確実である。
図11及び図14に示すように、いくつかの実施例では、扇形シート2121の外側は円弧辺である。該円弧辺は3つのアーチ状辺から構成される。3つのアーチ状辺は、回転子鉄心210の周方向に順次接続されて外輪郭線を形成する。図14に示す3つのアーチ状辺は、それぞれ、第1アーチ状辺2126、第2アーチ状辺2127、および第3アーチ状辺2128である。3つのアーチ状辺を有することにより、回転子鉄心210と固定子磁極シュー(図示せず)との間のエアギャップが変化する傾向がある。外輪郭線が円形の回転子鉄心210と比べて、本実施例では、上記のような外輪郭線の形状により、回転子鉄心210から固定子磁極シューへ流れてから回転子鉄心210に戻る磁路の量が減少し、回転子鉄心210の磁極交替箇所での磁束漏れが減少し、プレート磁石214の利用率が上昇し、モータ1000の性能向上に有利である。
なお、円弧辺のアーチ状辺は、実施例に示される第1アーチ状辺2126、第2アーチ状辺2127、及び第3アーチ状辺2128に限定されず、円弧辺は3つ以上で、且つ円弧辺の数は、例えば5つ、7つなどの奇数とすることができる。具体的には説明しない。
図12に示すように、いくつかの実施例では、回転子鉄心210の軸方向において、プレート磁石ル214の両端は、それぞれ外側鉄心211の端面から突出している。プレート磁石214の突出高さを例にして説明すると、該突出高さH1は、プレート磁石214の頂端と外側鉄心211の頂端との間の距離として扱われ、外側鉄心211の高さはH2であり、H1とH2との比は0.02≦H1/H2≦0.3を満たす。プレート磁石214と外側鉄心211の高さが一致する構造と比べて、逆起電力が高いという問題を解決することができ、モータ1000の性能向上に有利である。
プレート磁石214の外側鉄心211からの突出高さが大きすぎると、性能に対する効果が明らかではない、つまり、投入コストが性能の向上に比例しないことを考慮して、本実施例では、プレート磁石214の高さを、上記の割合の関係を満たすように限定し、回転子鉄心210の設計をより合理的にする。
なお、プレート磁石214の露出を回避するために、図15に示すように、第2射出成形体215はプレート磁石214の両端を覆っている。実施例では、プレート磁石214は、直方体構造を採用しており、フェライト類の焼結磁石やネオジム磁石などであってもよく、その形状が台形などであってもよい。
図11に示すように、いくつかの実施例では、内側鉄心213は、回転子鉄心210の軸方向に積層された複数のリングシートを含み、各リングシートの外側には、第3ボス2131が周方向に設けられる。該第3ボス2131は、リングシートの外周縁のボス構造として扱われてもよい。リングシートは略環状であり、第3ボス2131の頂端は円弧辺であり、第3ボス2131とリングシートの間は円弧状に移行している。
第3ボス2131の数をプレート磁石214の数と同じにすることによって、第3ボス2131とプレート磁石214は1対1で対応するようになる。また、第3ボス2131と永久磁石は第2射出成形体215により隔てられて絶縁され、第3ボス2131は第2射出成形体215内に嵌められる。第3ボス2131により内側鉄心213と第2射出成形体215との結合力が高まり、第2ボスによる作用と相まって、内側鉄心213及び外側鉄心211と第2射出成形体215との結合力が大幅に向上し、回転子鉄心210全体の強度が効果的に向上する。
図11に示すように、いくつかの実施例では、各外側鉄心セル212には第1貫通溝2111が設けられる。第1貫通溝2111は、回転子鉄心210の軸方向に沿って外側鉄心セル212を貫通し、つまり、第1貫通溝2111は各扇形シート2121を貫通する。射出成形に際しては、非磁性材料が各第1貫通溝2111に注入され、第2射出成形体215が各第1貫通溝2111に充填され、各外側鉄心セル212のすべての扇形シート2121が固定される。このように、第2射出成形体215は外側鉄心211と内側鉄心213との間及び外側鉄心211の各第1貫通溝2111の両方に充填され、回転子鉄心210全体の強度がさらに向上する。
第2射出成形体215が回転子鉄心210の軸方向の両端でプレート磁石214及び回転子鉄心210の一部を覆うことにより、外側鉄心211、内側鉄心213及びプレート磁石214で回転子ユニット200を構成することができる。これにより、構造強度を確保しつつ、外側鉄心211と内側鉄心213との間の磁束漏れを低減させ、モータ1000のパワー密度を高める。
なお、第1貫通溝2111の横断面の形状は円状に限定されるものではなく、多角形であってもよく、例えば、図14に示す扇形シート2121の構造概略図のように、第1貫通溝2111の形状は三角形である。第2射出成形体215が第1貫通溝2111内に充填されるものであるため、三角形の射出成形体はより高い強度を持ち、外側鉄心211の構造強度の向上に有利であり、より実用的且つ確実である。
さらに、各外側鉄心セル212には、第2貫通溝2112が設けられる。第2貫通溝2112は、回転子鉄心210の軸方向に沿って外側鉄心セル212を貫通し、第2貫通溝2112により外側鉄心セル212が位置決めされる。具体的には、射出成形においては、射出成形金型の第1位置決めピン(図示せず)が内側鉄心213の軸取り付け孔に挿入され、第1位置決めピンが内側鉄心213を位置決めし、各リングシートを積層することを可能にする。また、第2位置決めピン(図示せず)が第2貫通溝2112に挿入されることにより、各扇形シート2121が同時に位置決めされ、位置決めの安定性及び信頼性がより向上する。次に、外側鉄心211と内側鉄心213との隙間及び各第1貫通溝2111に対して射出成形を行い、射出成形完了後、第1位置決めピン及び第2位置決めピンを抜き出すと、回転子鉄心210の一体成形を完了する。
本発明の実施例はまた、電気機器(図示せず)を提供し、該電気機器は、エアコン、冷蔵庫などであってもよく、電気機器に使用されるモータ1000は、上記の実施例のモータ1000である。電気機器においては、上記の実施例のモータ1000の技術案のすべてが採用されているので、少なくとも上記の実施例の技術案によるすべての有益な効果を備える。ここでは詳しく説明しない。
以上、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で、本発明の趣旨を逸脱することなく、様々な変更を行ってもよい。
1000…モータ、100…固定子ユニット、110…固定子鉄心、120…モールドハウジング、121…放熱リブ、1211…根元部、1212…先端部、122…軸孔、123…第2軸受け室、124…突起、125…防水カバー、200…回転子ユニット、210…回転子鉄心、211…外側鉄心、2111…第1貫通溝、2112…第2貫通溝、212…外側鉄心セル、2121…扇形シート、2122…第3延在部、2123…第4延在部、2124…第1延在部、2125…第2延在部、2126…第1アーチ状辺、2127…第2アーチ状辺、2128…第3アーチ状辺、213…内側鉄心、2131…第3ボス、214…プレート磁石、215…第2射出成形体、220…回転軸、300…エンドカバー、310…取り付けベース、311…第1取り付け孔、312…位置決めピン、320…接続リブ、321…貫通孔、322…第1面、323…第2面、330…取り付けキャビティ、331…第1軸受け室、332…引き出し孔、333…接地孔、340…フランジ、341…第2取り付け孔、350…第1補強リブ、360…第2補強リブ、400…軸受け、500…電源コード。
Claims (21)
- ハウジングと、
回転子ユニットと、
前記ハウジング内に設けられた固定子ユニットと、
前記ハウジングに接続されて、前記回転子ユニットを収納するキャビティを形成するエンドカバーと、を含み、
前記回転子ユニットは前記キャビティ内に回転可能に設けられ、
前記エンドカバーの外周縁に外へ突出する複数の取り付けベースが設けられ、前記取り付けベースは前記エンドカバーに接続され、前記取り付けベースに取り付け孔が設けられ、各前記取り付けベースと前記エンドカバーとの間が肉抜きされて貫通孔が形成され、
前記ハウジングの外側において複数の放熱リブが前記ハウジングの周方向に間隔を置いて設けられる、モータ。 - 前記貫通孔は、前記ハウジングの軸方向に沿って設けられ、前記ハウジングの軸方向に垂直な投影面において、前記放熱リブの少なくとも一部の投影が前記貫通孔の投影領域内に位置する、請求項1に記載のモータ。
- 前記放熱リブの横断面幅が、前記ハウジングから離れるに従って減少し、前記放熱リブの前記ハウジングから離れた外側面が円弧面である、請求項1に記載のモータ。
- 隣接する前記放熱リブは最小間隔L1を有し、前記放熱リブの横断面は最大幅L2を有し、前記最小間隔L1と前記最大幅L2がL1≧2L2を満たす、請求項1に記載のモータ。
- 前記ハウジングは、軸方向において前記エンドカバーから離れた一端にエンドプレートが設けられており、前記放熱リブの一端が、前記エンドプレートの径方向に沿って前記エンドプレートの中心に向かって延設される、請求項1に記載のモータ。
- 前記固定子ユニットは固定子鉄心を含み、前記固定子鉄心の外側に前記ハウジング及び前記放熱リブが射出成形されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のモータ。
- 前記取り付けベースには、前記エンドカバーに接続された少なくとも2本の接続リブが設けられ、各前記取り付けベースには、隣接する2本の前記接続リブの間に前記貫通孔が形成されている、請求項1に記載のモータ。
- 各前記取り付けベースのいずれか2本の前記接続リブ間は角度αを有し、前記角度αは、0°≦α≦45°を満たす、請求項7に記載のモータ。
- 前記接続リブは、前記エンドカバーの軸方向における一端に第1面が設けられ、他端に第2面が設けられ、前記第1面及び前記第2面は、それぞれ少なくとも1つの曲面で構成される、請求項7に記載のモータ。
- 前記接続リブの横断面の面積が、両端から中央に向うに従って減少する、請求項9に記載のモータ。
- 前記取り付けベースは、前記エンドカバーの径方向に沿って前記エンドカバーから離れる方向へ延設され、各前記取り付けベースの前記接続リブは、対応する前記取り付けベースに傾斜して設けられる、請求項7に記載のモータ。
- 前記エンドカバーは、前記エンドカバーの軸方向における一端に第1の側の面が設けられ、他端に第2の側の面が設けられ、前記第1の側の面は前記ハウジングに接続され、前記第2の側の面には第1補強リブ及び第2補強リブが設けられ、前記第1補強リブは、前記エンドカバーの周方向に間隔を置いて分布しており、前記第2補強リブは、前記エンドカバーの径方向に間隔を置いて分布しており、前記第1補強リブと前記第2補強リブは交差して設けられる、請求項7に記載のモータ。
- 前記回転子ユニットは、
内側鉄心と外側鉄心を含む回転子鉄心であって、前記内側鉄心に回転軸が設けられ、前記外側鉄心が前記内側鉄心の周りに間隔を置いて設けられた複数の外側鉄心セルを含み、隣接する前記外側鉄心セルの間が収納溝となる前記回転子鉄心と、
前記収納溝内に設けられた永久磁石と、を含み、
前記外側鉄心と前記内側鉄心は、間隔を置いて設けられ、この間隔に射出成形体が充填されており、前記外側鉄心と前記内側鉄心は前記射出成形体を介して接続される、請求項1に記載のモータ。 - 前記外側鉄心セルは、前記回転子鉄心の軸方向に積層された複数の扇形シートを含み、前記扇形シートの前記内側鉄心に面した内側には、前記永久磁石を位置決めするための第1ボスが設けられる、請求項13に記載のモータ。
- 前記扇形シートの内側には、第2ボスがさらに設けられ、前記第2ボスは、前記内側鉄心に向かって延在しており、第1延在部と第2延在部を含み、前記第1延在部は前記回転子鉄心の周方向に延在しており、前記第2延在部は、前記回転子鉄心の周方向に沿って前記第1延在部から離れる方向に向かって延在している、請求項14に記載のモータ。
- 前記扇形シートは、前記内側鉄心から離れた外側に円弧辺を有し、前記円弧辺は少なくとも3つ設けられ、前記円弧辺の数が奇数である、請求項14に記載のモータ。
- 前記内側鉄心は、前記回転子鉄心の軸方向に積層された複数のリングシートを含み、前記リングシートの外側には、前記回転子鉄心の周方向に沿って第3ボスが設けられ、前記第3ボスは、前記永久磁石に対応して間隔を置いて設けられ、前記第3ボスと前記永久磁石との間に前記射出成形体が充填されている、請求項13に記載のモータ。
- 前記回転子鉄心の軸方向において、前記永久磁石の両端はそれぞれ前記外側鉄心の端面から突出し、突出した高さH1と前記外側鉄心の高さH2との比が、0.02≦H1/H2≦0.3を満たす、請求項13に記載のモータ。
- 各前記外側鉄心セルには、第1貫通溝が設けられ、前記第1貫通溝は、前記回転子鉄心の軸方向において対応する前記外側鉄心セルを貫通しており、前記第1貫通溝内に前記射出成形体が充填されている、請求項13に記載のモータ。
- 各前記外側鉄心セルには、第2貫通溝が設けられ、前記第2貫通溝は、前記回転子鉄心の軸方向において対応する前記外側鉄心セルを貫通しており、対応する前記外側鉄心セルを位置決めするために用いられる、請求項13に記載のモータ。
- 請求項1~20のいずれか1項に記載のモータを含む、電気機器。
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