JP2024090644A - 紙密度調整剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙密度を調整でき、更にサイズ性能に優れた紙密度調整剤を提供する。【解決手段】本発明の紙密度調整剤は、(A)ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピクロロヒドリンを反応させて得られるアミド化合物、及び(B)アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーを含有し、前記(A)成分及び(B)成分の含有量が、固形分換算で55質量%以上であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、紙類に使用される紙密度調整剤に関する。
製紙業界は装置産業であり、基本的に製造は全て抄紙機を通じて行われる。1つの抄紙機からは通常1種類の紙しか製造できないため、顧客の要望に合わせて紙の品質を細かく変えたい場合は機械的な調整だけでは困難なケースが多い。そこで工程中に薬剤を添加することで、撥水、着色、柔軟、強度等の品質をコントロールする手法が用いられている。
近年、パルプ資源の不足、パルプ価格の高騰、地球環境保護の必要性等を背景として、パルプの使用量をできるだけ抑えるために、嵩(厚み)を増やし、原料であるパルプの使用量を低減するため、薬剤として紙密度調整剤を添加することが行われている。紙の主成分であるセルロース(β-1,4-グルコース)は分子間の水素結合で結合しているが、この部分に紙密度調整剤を吸着させて分子間の結合力を弱めることで、繊維間に空間を作って嵩を出し、密度を低くさせている。
従来、印刷用紙等に紙密度調整剤が使用されているが、紙密度調整剤の使用は、紙の吸水性を制御して水性インクのにじみを防止し、紙に高い筆記性や印刷性を付与するサイズ剤の効果を損なう場合もあり、紙密度の調整に加えてサイズ効果に寄与する性能も求められている。
このように紙の密度を減らし、容積を増やす目的で加えられる薬剤である紙密度調整剤には、非イオンエステル型、ポリマー配合型など様々なタイプがある。また内添用と外添用に大別される。特許文献1には、内添用の紙密度調整剤として、ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに由来するアミド化合物が提案されている。このようなアミド化合物は、繊維用柔軟剤としては旧来より検討がなされており、抄紙薬剤として使用すると紙に嵩高性能を付与できることが知られている。しかし、繊維用柔軟剤向けのアミド化合物は強親水性のため、抄紙用途に使用するとサイズ性能を著しく阻害することが問題となっていた。
特に、アミドアミンの活性アミノ基に対して過剰量のアルキル化剤を反応させて得られるアミン4級化物は著しくサイズ性能を阻害し、印刷品質が劣るという問題があった。特許文献1は、強度低下の少ない低密度紙を容易に製造することを目的とするが、サイズ性能について十分な検討がされていない。例えば、アルキル化剤としてジアルキル硫酸を過剰に用いた4級化物を開示しているが、上記したようにアミン4級化物は著しくサイズ性能を阻害し、印刷品質が劣るという問題があった。
(メタ)アクリル系モノマーを原料とするポリマーは、外添用の薬剤として使用される場合があるが、内添用の紙密度調整剤においては、紙密度を調整する成分を液中に分散させるための分散剤として使用することが提案されているものの(特許文献2)、嵩高性能は十分に検討がされていなかった。
嵩高性能を目的とする薬剤として、特許文献3には、(メタ)アクリル系モノマーを原料とするカチオン性共重合体を単独で用いた薬剤が提案され、特許文献4には、更にエピハロヒドリンを使用しないことや抄紙系内での発泡抑制に着目して、ポリアルキレンポリアミンと一価脂肪酸と尿素類との反応物(A)に、アニオン性モノマーと疎水性モノマーと(メタ)アクリルアミドの重合物である(メタ)アクリルアミド系ポリマー(B)を併用した紙用添加剤が提案されている。
特開2008-285774号公報 特開2005-060921号公報 特開2007-204885号公報 特開2021-167480号公報
しかしながら、特許文献3ではそのサイズ性能については検討されていない。また嵩高性能は必ずしも十分ではなく、更に改良の余地があった。特許文献4はエピハロヒドリンを使用しないことや抄紙系内での発泡抑制に着目したものであるが、従来の薬剤は、嵩高性能とサイズ性能のうち、いずれかが一方が優れていても他方が不十分となり、これらをいずれも満足する紙密度調整剤が望まれていた。
また従来の紙密度調整剤は、嵩高性能を付与する目的以外に、分散性や乳化性を高めたり、固形の場合には賦形性を向上させたりするなど、それ以外の目的も考慮した成分を配合することがあるが、嵩高性能やサイズ性能を損なうこともあり得る。また、嵩高性能を付与する成分を複数組み合わせたとしても、必ずしも組み合わせたことによる期待した効果、特に嵩高性能とサイズ性能をいずれも満足する効果が得られるとは限らない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、紙密度を調整でき、更にサイズ性能に優れた紙密度調整剤を提供することを課題としている。
前記の課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、(A)ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させて得られるアミド系化合物と、(B)アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーを組み合わせて使用し、かつ(A)成分及び(B)成分の合計含有量を特定範囲以上とすると、相乗的な作用で、嵩高性能とサイズ性能がいずれも優れた紙密度調整剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち前記の課題を解決するために、本発明の紙密度調整剤は、
(A)ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させて得られるアミド化合物、及び
(B)アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマー原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマー
を含有し、
前記(A)成分及び(B)成分の含有量が、固形分換算で55質量%以上であることを特徴としている。
本発明の紙密度調整剤によれば、紙密度を調整でき、更にサイズ性能に優れている。
以下に、本発明の具体的な実施形態を説明する。
<(A)成分)>
本発明の紙密度調整剤において、(A)成分は、ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させて得られるアミド化合物である。
(A)成分におけるポリアミンは、特に限定されないが、複数のアミノ基を有する。各アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよいが、1級又は2級であることが好ましい。例えば、複数のアミノ基は、2価の炭化水素基を介して連結し、両末端のアミノ基は、1級アミノ基であってもよく、1価の炭化水素基が結合した2級アミノ基であってもよい。これらの中でも、両末端のアミノ基は、1級アミノ基が好ましい。
ポリアミンにおけるアミノ基の数は、3~8が好ましく、3~5がより好ましい。2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。2価の炭化水素基は、複数の場合は各々同一でも異なる種類でもよく、その炭素数は、1~4が好ましく、2又は3がより好ましく、2が更に好ましい。末端に1価の炭化水素基を有する場合、1価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。1価の炭化水素基は、複数の場合は各々同一でも異なる種類でもよく、その炭素数は、1~22が好ましく、1~10がより好ましく、1~4が更に好ましい。ポリアミンは、分岐構造や環状構造を含んでもよいが、直鎖が好ましい。ポリアミンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリアミンは、次の式(I)で表されるポリアルキレンポリアミンが好ましい。このポリアルキレンポリアミンを用いると、本発明の紙密度調整剤は紙密度の調整効果に優れる。
Figure 2024090644000001
式中、Rは炭素数1~4のアルキレン基を示し、nは1~3の整数を示す。Rが2つ以上の場合、これらは同一でもよく異なる種類であってもよい。
アルキレン基Rとして、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。好ましくは、Rはエチレン基である。式(I)で表されるポリアルキレンポリアミンとして、具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
(A)成分における脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数が好ましくは4~30である。炭素数の下限は、より好ましくは8以上、更に好ましくは12以上、特に好ましくは16以上である。炭素数の上限は、より好ましくは22以下である。炭素数がこの範囲であると、本発明の紙密度調整剤は紙密度の調整効果とサイズ性能に優れる。
脂肪酸は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。好ましくは、直鎖状である。脂肪酸は、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。好ましくは、飽和脂肪酸である。脂肪酸は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸として、具体的には、例えば、酪酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられる。また、天然油脂由来の混合脂肪酸及びその水素添加物等が挙げられる。
(A)成分における、ポリアミン中の活性アミノ基に対する脂肪酸の反応モル比は、特に限定されないが、好ましくは0.3~0.8、より好ましくは0.4~0.8、更に好ましくは0.5~0.8である。当該モル比がこの範囲であると、紙密度の調整効果とサイズ性能に優れる。
ポリアミンと脂肪酸との反応は、例えば、エタノール等の溶媒中で、必要に応じて触媒を用いて行い、脱水によりアミド化してアミドアミンが生成する。反応温度は、特に限定されないが、反応の効率等を考慮すると180~210℃が好ましい。この反応において、アミドアミンの一部が、アミドとそれに隣接するアミンがイミダゾリン化して環化物となる場合があるが、冷却し水を添加して所定時間攪拌する等の手段により開環することが好ましい。
ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させることにより、(A)成分のアミド化合物とする。
アルキル化剤は、アルキル基の炭素数が好ましくは1~5、より好ましくは1~3、更に好ましくは1又は2である。炭素数がこの範囲であると、本発明の紙密度調整剤は紙密度の調整効果とサイズ性能に優れる。
アルキル化剤としては、特に限定されないが、例えば、ジアルキル硫酸、ジアルキル炭酸、アルキルハライド等が挙げられる。
ジアルキル硫酸としては、特に限定されないが、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジイソプロピル硫酸等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が好ましい。
ジアルキル炭酸としては、特に限定されないが、例えば、ジメチル炭酸、ジエチル炭酸、ジプロピル炭酸、ジイソプロビル炭酸等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル炭酸、ジエチル炭酸が好ましい。
アルキルハライドとしては、特に限定されないが、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、又はヨウ化物イオン等をハロゲンとする、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロビルクロライド、イソプロピルクロライド等が挙げられる。これらの中でも、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライドが好ましい。
アルキル化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エピハロヒドリンとしては、特に限定されないが、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。
(A)成分における、アミドアミン中の活性アミノ基に対するアルキル化剤又はエピハロヒドリンの反応モル比は、特に限定されないが、(A)成分がパルプに静電吸着することで低密度化効果が向上する観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。また、サイズ効果が向上するという観点から、2.0以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
アミドアミンに、アルキル化剤を反応させてアミド化合物とする場合、アミドアミン中の活性アミノ基に対するアルキル化剤の反応モル比は、1.0以下好ましく、0.8以下がより好ましく、0.6以下が更に好ましい。アルキル化剤の反応モル比が1モル以下であると、4級化せず3級以下のアンモニウム塩となる。3級以下のアンモニウム塩であると、適度な疎水性が付与され、アミドアンモニウム塩によるサイズ性能に優れる。
アミドアミンとアルキル化剤又はエピハロヒドリンとの反応は、例えば、必要に応じてエタノール等の溶媒を用いて行い、アミドアミン中の活性アミノ基をアルキル化剤によりアルキル化し、あるいはエピハロヒドリンと反応させることで、(A)成分のアミド化合物が生成する。アミドアミンの溶液へアルキル化剤又はエピハロヒドリンを滴下してもよい。反応温度は、特に限定されないが、反応の効率等を考慮して加熱下で行うことができる。
<(B)成分)>
本発明の紙密度調整剤において、(B)成分のアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位を主体とするポリマーである。
(B)成分は、(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーを原料に含んでもよいが、アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマー等の(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位を全構成単位に対して好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、特に好ましくは100質量%含む。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」の用語は、「アクリル」と「メタクリル」の両方を含む意味で用いる。「(メタ)アクリレート」も同様に、メタクリレート及びアクリレートの両方を意味する。
(B)成分の原料モノマーは、アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを必須とし、(B)成分はこれを含む原料モノマーを重合する工程を経て得られる。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、そのアミノ基としては1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれであってもよい。特に限定されないが、例えば、アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、次の式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024090644000002
式(II)において、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~22、好ましくは炭素数1~8、より好ましくは1~4のアルキル基を示す。アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。pは1~4の整数であり、好ましくは1~3の整数である。
具体的には、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N-メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-エチル-N-メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分の原料モノマーには、アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてもよい。アルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、その炭素数は4以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が更に好ましい。また30以下が好ましく、22以下がより好ましい。
アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル又はアルケニルエステル、アルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキル又はアルケニルエステルとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチルアクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチルアクリルアミド、ドデシル(メタ)アクリルアミド、オクタデシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(B)成分の原料モノマーには、上記以外の(メタ)アクリル系モノマーを含んでいてもよい。上記以外の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分が(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位以外の構成単位を含む場合、その構成単位が由来する原料モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ビニル系モノマー等のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、p-クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
(B)成分は、(メタ)アクリル系モノマーの全量に対する、アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸系モノマー及びアミノ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーの合計量が、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
(B)成分は、原料モノマーとして、アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸系モノマー及びアミノ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーの両方を含むことが好ましい。
この場合、低密度化効果及びサイズ効果が向上するという観点から、アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーとアミノ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーとの質量比は、20:80~95:5が好ましく、30:70~90:10がより好ましく、50:50~90:10が更に好ましい。
(B)成分のアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマー原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとしてアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分を重合した、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーであってもよいが、このアミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマー(以下、共重合体ともいう。)を酸で中和して(B)成分の(メタ)アクリル系ポリマーとしてもよく、共重合体にアルキル化剤、エピハロヒドリン、尿素類等を反応させて、(B)成分の(メタ)アクリル系ポリマーとしてもよい。その中でも、酸で中和させたもの、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させたものが好ましく、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させたものがより好ましい。
アルキル化剤は、アルキル基の炭素数が好ましくは1~5、より好ましくは1~3、更に好ましくは1又は2である。炭素数がこの範囲であると、本発明の紙密度調整剤は紙密度の調整効果とサイズ性能に優れる。
アルキル化剤としては、特に限定されないが、例えば、ジアルキル硫酸、ジアルキル炭酸、アルキルハライド等が挙げられる。
ジアルキル硫酸としては、特に限定されないが、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジイソプロピル硫酸等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が好ましい。
ジアルキル炭酸としては、特に限定されないが、例えば、ジメチル炭酸、ジエチル炭酸、ジプロピル炭酸、ジイソプロビル炭酸等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル炭酸、ジエチル炭酸が好ましい。
アルキルハライドとしては、特に限定されないが、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、又はヨウ化物イオン等をハロゲンとする、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロビルクロライド、イソプロピルクロライド等が挙げられる。これらの中でも、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライドが好ましい。
アルキル化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エピハロヒドリンとしては、特に限定されないが、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。
原料モノマーを重合した共重合体中の活性アミノ基に対するアルキル化剤又はエピハロヒドリンの反応モル比は、特に限定されないが、低密度化効果及びサイズ効果が向上するという観点から、0.5~1.0が好ましい。
前記共重合体とアルキル化剤又はエピハロヒドリンとの反応は、例えば、必要に応じて溶媒を用いて行い、前記共重合体中の活性アミノ基をアルキル化剤によりアルキル化し、あるいはエピハロヒドリンと反応させることで、(B)成分の(メタ)アクリル酸系ポリマーが生成する。前記共重合体の溶液へアルキル化剤又はエピハロヒドリンを滴下してもよい。反応温度は、特に限定されないが、反応の効率等を考慮して加熱下で行うことができる。
(B)成分であるアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、5000以上である。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、分子量が既知の標準物質と比較することにより求めることができる。
(B)成分であるアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマーの製造方法は、特に限定されない。例えば、ポリマーを得る工程では、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の重合方法で、原料モノマーを重合することにより製造できる。
例えば、溶液重合法では、反応槽に所定の有機溶剤、原料モノマー、及び重合開始剤を仕込み、撹拌しながら数時間加熱反応させる。窒素気流中で反応させてもよい。有機溶剤は、(メタ)アクリル系共重合体の溶解性、重合反応の容易さ等の観点から。重合開始剤としては、例えば、通常の溶液重合法で用いられる、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物や、有機過酸化物等が挙げられ、その使用量は特に限定されず、例えば、目的とする(メタ)アクリル系ポリマーの分子量に応じて、適宜設定できる。(メタ)アクリル系ポリマーの製造に際しては、必要に応じて、連鎖移動剤を使用してもよい。重合温度は、特に限定されず、例えば、目的とする(メタ)アクリル系ポリマーの分子量に応じて、適宜設定できる。
<紙密度調整剤>
本発明の紙密度調整剤は、(A)成分及び(B)成分を含有する。そして本発明の紙密度調整剤は、(A)成分及び(B)成分の含有量が、固形分換算で55質量%以上であることを特徴としている。(A)成分及び(B)成分の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。なお、本発明において(A)成分の含有量には、(A)成分の製造時における未反応物、特にアミドアミンにアルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させる工程における未反応物も含む。
本発明において固形分とは、主に溶媒以外の不揮発分を指し、例えば水を主体とした溶媒では、105℃で揮発分を十分に除去した後の不揮発分を指す。
(A)成分と(B)成分を組み合わせて使用すると、相乗的な作用で、嵩高性能とサイズ性能がいずれも優れた紙密度調整剤が得られる。(A)成分及び(B)成分の含有量を固形分換算で55質量%以上とすると、相乗的な作用が発現する。
本発明の紙密度調整剤は、(A)成分と(B)成分の質量比が、30:70~99:1である。好ましくは40:60~95:5、より好ましくは50:50~90:10である。当該質量比がこの範囲であると、相乗的な作用がより顕著となり、嵩高性能とサイズ性能がいずれも優れた紙密度調整剤が得られる。
本発明の紙密度調整剤の剤型は特に限定されず、例えば、(A)成分及び(B)成分をそのまま固体又は液状で用いることができ、あるいは、水や有機溶媒に乳化、分散又は溶解して用いることができる。
紙密度調整剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含んでもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、溶媒、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、低級アルコール、グリコール類、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。乳化する場合には、溶媒は、水又は、水及びそれと相溶する有機溶媒の混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。乳化する場合には、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
他の成分を含んだ場合の紙密度調整剤における(A)成分及び(B)成分の合計含有量は、5~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましい。当該含有量が5質量%以上であると、多量に添加せずとも(A)成分及び(B)成分による紙密度の調整効果とサイズ性能が得られる。当該含有量が40質量%以下であると、乳化により調製した紙密度調整剤を常温で低粘度の液状とすることができ、ペースト状やゲル状のものに比べてハンドリング性に優れる。
<紙類の製造方法>
本発明の紙密度調整剤を用いた紙類の製造方法について説明する。
紙類の原料や製紙方法等は特に限定されない。原料のパルプとしては、例えば、化学パルプ(針葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独又は任意の割合で混合したものが挙げられる。また、紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
紙類としては、特に限定されないが、例えば、非塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙、軽量コート紙等)、微塗工印刷用紙、特殊印刷用紙等の印刷用紙;コピー用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン紙、感光紙、感熱紙等の情報用紙;新聞用紙;未晒し包装紙、晒し包装紙等の包装用紙;ティッシュペーパー、トイレットペーパー等の衛生用紙;雑種紙;板紙、ライナー、中芯等のダンボール用紙;壁紙、襖紙原紙やその裏打ち紙等が挙げられる。
これらの中でも、サイズ性能が求められる印刷用紙、情報用紙に好適に用いることができる。
紙類を製造する際には、原料のパルプに、本発明の紙密度調整剤を添加する。特に、内部添加法が好ましく適用され、パルプと水とを含む混合物(例えば、パルプスラリー)に紙密度調整剤及び必要に応じて他の添加剤を添加し、得られた混合物を用いて通常の方法により抄造を行うことにより紙が得られる。
紙類の製造工程は一般に、木材及びチップを機械力や化学薬品で処理してパルプを得るパルプ製造工程、回収古紙を離解・脱墨・水洗・漂白して脱墨パルプを得る古紙脱墨パルプ化工程、得られたパルプの洗浄・精選工程、漂白工程、各種薬品を添加して紙料を調成する調成工程、抄紙工程、湿紙水分を除去するプレス工程、そして乾燥工程等があるが、抄紙工程前の任意の箇所であってよく、各チェストやそれらをつなぐ配管内に、薬剤をそのまま、あるいは予め希釈したものを添加すればよい。例えば、パルプを含む工程水と接する各工程に付帯する配管、ポンプ、貯留タンク等の設備に添加することができる。例えば、製紙工程において目的に応じた性質を紙製品に与えるための設備等である、パルパー、リファイナー、原料チェスト、ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱、ファンポンプ等において、薬剤を添加して行うことができる。各薬剤の添加場所は、抄紙工程前のパルプスラリーが攪拌されている場所であれば特に限定されないが、ミキシングチェスト、マシンチェスト等に添加すると、これに備えられた撹拌機で十分に混合できる。また、チェストに直接添加するだけでなく、チェストの配管入口や出口等から薬剤を添加してもよい。
紙類の製造に使用するパルプへの、本発明の紙密度調整剤の添加量は、特に限定されないが、パルプ100質量部を基準として、0.3~1.0質量部が好ましい。
抄紙工程においては、その低密度化の性能を損なわない程度に、他の薬剤を添加することができる。
他の薬剤としては、例えば、染料、顔料、蛍光増白剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の脱墨剤;硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミド等のポリマー類、デンプン類等の歩留向上剤;ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、カチオン化デンプン等の濾水向上剤;乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤等の紙力増強剤;ポリアクリルアミド等の粘剤;ロジン石鹸、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ポリビニルアルコール等のサイズ剤;タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の填料;塩素、有機臭素化合物、有機硫黄化合物等のスライムコントロール剤;界面活性剤、キレート剤、硫酸バンド等のピッチコントロール剤;シリコン系等の消泡剤;陰イオンを持つ塩類等が抄紙系内に累積するのを抑制する凝結剤等が挙げられる。
また、低密度化する目的は特に限定されず、コスト低減、パルプ使用量の節減の他、例えば、印刷適性、ボリューム感、風合い、手触り等の柔軟性等であってもよい。
なお、本発明において必須である(A)成分は、原料のモル比に応じて複数の構造が取り得、通常は不特定の混合物であることから、本発明の特徴を、物の構造又は特性により直接特定することは困難であるか過大な負担を要し、他に、当該特徴を構造上又は特性上、明確かつ簡潔に特定する文言も存在しない。従って本発明を製造方法で特定した。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)化合物の合成
(合成例1:アミド化合物A-1の合成)
反応容器に、テトラエチレンペンタミン、ステアリン酸を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、180~210℃にて4時間脱水反応した。反応終了後、120℃まで冷却し、その後水を添加して1時間攪拌することでイミダゾリン化した環化物を開環し、更に120℃前後を維持しながらジメチル硫酸を滴下し、滴下終了後1時間半反応してアミド化合物A-1を得た。
(合成例2~11:アミド化合物A-2~A-11の合成)
表1に示したアミン化合物、脂肪酸及びジメチル硫酸/エピクロロヒドリンを用いて、所定のモル比にて合成例1と同様の操作を行い、アミド化合物A2~A11を得た。
(合成例12:アミド化合物A-12の合成)
反応容器に、テトラエチレンペンタミン、ステアリン酸を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、180~210℃にて4時間脱水反応した。反応終了後、120℃まで冷却し、その後水を添加して1時間攪拌することでイミダゾリン化した環化物を開環し、アミド化合物A-12を得た。
(合成例13:アミド化合物A-13の合成)
反応容器に、テトラエチレンペンタミン、ステアリン酸を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、180~210℃にて4時間脱水反応した。反応終了後、120℃まで冷却し、その後水を添加して1時間攪拌することでイミダゾリン化した環化物を開環し、更に30℃に冷却後酢酸を滴下し、滴下終了後1時間半攪拌してアミド化合物A-13を得た。
(合成例14:(メタ)アクリル系ポリマーB-1の合成)
反応容器に、ステアリン酸メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、イソプロパノール、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、65~75℃にて3時間重合反応した。反応終了後、40℃まで冷却し、イソプロパノールを加え、ジメチル硫酸を滴下し、滴下終了後65~75℃で2時間反応した。反応後、40℃まで冷却し、水を加えることで(メタ)アクリル系ポリマーB-1を得た。
(合成例15~23:(メタ)アクリル系ポリマーB-2~B-10の合成)
表2に示したメタクリル酸アルキル、ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルアミノエチルメタクリレート/アミノエチルメタクリレート、ジメチル硫酸/エピクロロヒドリンを用いて、所定の質量比、モル比にて、(メタ)アクリル系ポリマーB-1と同様の操作を行い、メタクリル酸ポリマーB-2~B-10を得た。
(合成例24:(メタ)アクリル系ポリマーB-11の合成)
反応容器に、ステアリン酸メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、イソプロパノール、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、65~75℃にて3時間重合反応した。反応終了後、40℃まで冷却し、イソプロパノール、水を加えることで(メタ)アクリル系ポリマーB-11を得た。
(合成例25:(メタ)アクリル系ポリマーB-12の合成)
反応容器に、ステアリン酸メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、イソプロパノール、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、65~75℃にて3時間重合反応した。反応終了後、40℃まで冷却し、イソプロパノール、水を加え、酢酸を滴下し、1時間攪拌することで(メタ)アクリル系ポリマーB-12を得た。
(合成例26:(メタ)アクリル系ポリマーB-13の合成)
反応容器に、ステアリン酸メタクリレート、イソプロパノール、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を仕込み、窒素雰囲気下で徐々に加熱昇温し、65~75℃にて3時間重合反応した。反応終了後、40℃まで冷却し、イソプロパノール、水を加えることで(メタ)アクリル系ポリマーB-13を得た。
(2)紙密度調整剤の調製
(実施例1)
反応容器に、アミド化合物A-1を7g、(メタ)アクリル系ポリマーB-2を3g仕込み、80℃に加熱して溶融し水を90g添加し、3時間攪拌、冷却後、固形分が10%(105℃での揮発分が90%)になるように水を添加し、紙密度調整剤を得た。得られた紙密度調整剤を用いて、抄紙を行い、以下の評価を行った。
(実施例2、4)
反応容器に、アミド化合物A-1を5.6g、(メタ)アクリル系ポリマーB-2を2.4g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート又はポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルを2g仕込み、実施例1と同様の操作を行い、得られた紙密度調整剤を用いて、抄紙を行い、以下の評価を行った。
(実施例3、5)
反応容器に、アミド化合物A-1を4.55g、(メタ)アクリル系ポリマーB-2を1.95g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート又はポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルを3.5g仕込み、実施例1と同様の操作を行い、得られた紙密度調整剤を用いて、抄紙を行い、以下の評価を行った。
(比較例2、3)
反応容器に、アミド化合物A-1を3.78g、(メタ)アクリル系ポリマーB-2を1.62g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート又はポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルを4.6g仕込み、実施例1と同様の操作を行い、得られた紙密度調整剤を用いて、抄紙を行い、以下の評価を行った。
(実施例6~31、比較例1、4~9)
表3に示したアミド化合物、(メタ)アクリル系ポリマーを用いて、所定の配合比にて、実施例1と同様の操作を行い、得られた紙密度調整剤を用いて、抄紙を行い、以下の評価を行った。
(3)抄紙
広葉樹晒しクラフトパルプをジュースミキサーにて1分攪拌し0.75%パルプスラリー(フリーネス480ml)を調製した。このパルプスラリーを、回転数調整付モーター攪拌器にて撹拌しながら、紙密度調整剤中のアミド化合物量として対パルプ0.5質量%になるように紙密度調整剤を添加し、1分間撹拌した。次に、角型シートマシーン[熊谷理機工業(株)製]にて坪量60g/m2となるように抄紙し、プレスにより14.7kMPaで3分間プレスしたのち、ドラム式乾燥機にて105℃で2分間乾燥して低密度紙を得た。
(4)嵩高効果の評価
調湿した手すきシートについて、JIS紙厚測定機TM-600(熊谷理機工業(株))により異なる10箇所の厚さを測定し、その平均値を厚さとした。手すきシートの坪量と厚さから求めた密度により嵩高効果を評価した。嵩高効果は、ブランクに対する密度の比である嵩高率により以下の基準で評価した。
密度=手すきシートの坪量(g/m2)/手すきシートの厚さ(μm)
嵩高率=(手すきシートの密度/ブランクの密度)×100
評価基準
×:嵩高率が100%以下 嵩高効果なし
△:嵩高率が101~103% 嵩高効果が弱い
〇:嵩高率が104~108% 嵩高効果あり
◎:嵩高率が109%以上 嵩高効果良好
(5)サイズ性の評価
調湿した手すきシートのステキヒトサイズ度をJIS P 8122:2007に準じて測定し、小数第1位以下を四捨五入し、以下の基準で評価した。
×:ステキヒトサイズ度が0s サイズ性なし
△:ステキヒトサイズ度が1~4s サイズ性が弱い
〇:ステキヒトサイズ度が5~15s サイズ性あり
◎:ステキヒトサイズ度が16s以上 サイズ性良好
評価の結果を表3A、3Bに示す。
Figure 2024090644000003
TEPA:テトラエチレンペンタミン
DETA:ジエチレンテトラミン
Figure 2024090644000004
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート
MAEMA:メチルアミノエチルメタクリレート
AEMA:アミノエチルメタクリレート
Figure 2024090644000005
Figure 2024090644000006

Claims (3)

  1. (A)ポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミドアミンに、アルキル化剤又はエピハロヒドリンを反応させて得られるアミド化合物、及び
    (B)アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原料とする構成単位を含む(メタ)アクリル系ポリマー
    を含有し、
    前記(A)成分及び(B)成分の含有量が、固形分換算で55質量%以上である、紙密度調整剤。
  2. 前記(A)成分と(B)成分の質量比が、40:60~95:5である、請求項1に記載の紙密度調整剤。
  3. 前記(A)成分は、アルキル化剤又はエピハロヒドリンの反応モル比がアミドアミンの活性アミノ基に対して0.1~2.0である、請求項1又は2に記載の紙密度調整剤。
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