JP2024087449A - 位置決め構造,ワークの製造方法,及び溶接方法 - Google Patents

位置決め構造,ワークの製造方法,及び溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】治具を用いることなくワークの位置決めを行うことができ、ワークの位置決めに作業に係る時間を削減する位置決め構造を提供する。【解決手段】位置決め構造(GK)は、板金の第1ワークW1の端面W1aから突出して形成された位置決め用凸部Wcと、第2ワークW2の表面に、位置決め用凸部Wcが埋没して係合するように形成された位置決め用凹部Wdと、を備え、位置決め用凹部Wdに位置決め用凸部Wcを係合させることで、第1ワークW1は、その端面W1aが第2ワークW2の表面W2bに当接して第2ワークW2に対し直交する姿勢で位置決めされる。【選択図】図10B

Description

本発明は、位置決め構造,ワークの製造方法,及び溶接方法に関する。
特許文献1に角継手の溶接方法が記載されている。特許文献1に記載された溶接方法は、一方のワークの端部近傍の表面に他方のワークの端面が重なる突き当て状態で直交するよう治具を用いて位置決め保持し、突き当てた部位に対しレーザビームを照射して突き合わせ溶接を行うものである。
特開2018-187665号公報
特許文献1に記載された溶接方法は、ワークの形状等に応じた治具が必要となるため治具のコスト及び治具のセット時間を削減できる余地がある。
本発明の第1の一態様は、板金の第1ワークの端面から突出して形成された位置決め用凸部と、第2ワークの表面に、前記位置決め用凸部が埋没して係合するように形成された位置決め用凹部と、を備え、前記位置決め用凹部に前記位置決め用凸部を係合させることで、前記第1ワークは、その端面が前記第2ワークの表面に当接して前記第2ワークに対し直交する姿勢で位置決めされる位置決め構造GKである。
また、本発明の第2の一態様は、第2ワークに形成した位置決め用凹部に、第1ワークの位置決め用凸部を凹凸係合させて、前記第2ワークに対し直交姿勢で位置決めするワークの製造方法であって、前記位置決め用凸部を、板金の前記第1ワークの端面の全面から突出する突出部を形成し、前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチが前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して形成するワークの製造方法である。
また、本発明の第3の一態様は、板金の第1ワークにおいて、端面の全面から突出する突出部を形成し、前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチを前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して位置決め用凸部を形成し、前記第1ワークの前記端面を突き当てる第2ワークの表面に、前記第1ワークを突き当てる所定位置から前記位置決め用凸部の高さ分ずらした位置に、前記位置決め用凸部が埋没して係合する位置決め用凹部を形成し、前記位置決め用凸部を前記位置決め用凹部に係合させて前記第1ワークを前記第2ワークの前記所定位置に位置決めして突き合わせ、突き合わせた部分を溶接して前記第1ワークと前記第2ワークとを接合する溶接方法である。
本発明の一態様によれば、治具を用いることなくワークの突き合わせ溶接の位置決めを行うことができ、治具のコスト及び治具のセット時間が削減できる。
図1Aは、第1実施形態に係る位置決め用凸部WcAを成形する薄板用凸部成形金型KD1の構成例を示す模式的断面図である。 図1Bは、図1Aの部分拡大図である。 本実施形態の一態様に係る位置決め用凸部WcBを成形する厚板用凸部成形金型KD2の構成例を示す模式的断面図である。 図2Bは、図2Aの部分拡大図である。 図3Aは、位置決め用凸部Wcの成形方法における第1実施形態を説明するための第1の模式的平面図である。 図3Bは、第1実施形態を説明するための第2の模式的平面図である。 図3Cは、第1実施形態を説明するための第3の模式的平面図である。 図3Dは、第1実施形態を説明するための第4の模式的平面図である。 図4Aは、係る位置決め用凸部Wcの成形方法における第2実施形態を説明するための第1の模式的平面図である。 図4Bは、第2実施形態を説明するための第2の模式的平面図である。 図4Cは、第2実施形態を説明するための第3の模式的平面図である。 図4Dは、第2実施形態を説明するための第4の模式的平面図である。 図5Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdを成形する凹部成形金型KD3の構成例を示す模式的断面図である。 図5Bは、図5Aの部分拡大図である。 図5Cは、凹部成形金型KD3の成形部32Pを左前斜め上方から見た斜視図である。 図5Dは、凹部成形金型KD3の変形例である凹部成形金型KD3Aの構成例を示す模式的断面図である。 図6Aは、位置決め用凹部Wdの上面図である。 図6Bは、図6AにおけるA-A位置における断面図である。 図7Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第1の工程を示す模式的平面図である。 図7Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第2の工程を示す模式的平面図である。 図7Cは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第3の工程を示す模式的平面図である。 図8Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第1の工程を示す模式的平面図である。 図8Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第2の工程を示す模式的平面図である。 図8Cは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第3の工程を示す模式的平面図である。 図9Aは、厚板のワークWbにおける位置決め構造GKを説明するための上面図である。 図9Bは、図9AのB-B位置における断面図である。 図10Aは、薄板のワークWaにおける位置決め構造GKを説明するための上面図である。 図10Bは、図10AのC-C位置における断面図である。 図10Cは、薄板のワークWaにおける位置決め構造GKを説明するための斜視図である。 図11Aは、位置決め構造GK2を説明するための部分断面図である。 図11Bは、位置決め構造GK2の第1態様を説明するための断面図である。 図11Cは、位置決め構造GK2の第2態様を説明するための断面図である。 図12Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め構造GKが対応可能な片引きでの溶接態様を示す模式的側面図である。 図12Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め構造GKが対応可能な半引きでの溶接態様を示す模式的側面図である。 図12Cは、位置決め構造GK2における溶接態様例を示す模式的断面図である。
実施形態の一態様について図面を参照して説明する。
図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。説明の便宜上、上下左右前後の各方向を、各図に矢印で規定する。本実施形態の一態様に係る位置決め構造GKは、直交姿勢で接合する二つの板金ワーク(以下、ワーク)の一方に位置決め用凸部を、他方に位置決め用凹部を形成し、位置決め用凸部と位置決め用凹部との凹凸係合によって二つのワークの直交姿勢での位置決めを行うものである。
位置決め用凸部及び位置決め用凹部は、それぞれ凸部成形金型及び凹部成形金型によって成形される。まず、位置決め用凸部を成形する薄板用凸部成形金型KD1及び厚板用凸部成形金型KD2について、図1A~図2Bを参照して説明する。ワークWは金属板であり、例えば鉄板又はアルミニウム板である。鉄板は、例えば冷間圧延鋼板(SPC)、ステンレス板(SUS)である。鉄板のワークWにおいて、板厚tが1.6mm未満を薄板のワークWaとし、板厚tが1.6mm以上を厚板のワークWbとする。薄板用凸部成形金型KD1は薄板のワークWaの加工に用い、厚板用凸部成形金型KD2は厚板のワークWbの加工に用いる。
(薄板用凸部成形金型KD1の構成)
まず、薄板用凸部成形金型KD1について図1A及び図1Bを参照して説明する。図1Aは、第1実施形態に係る位置決め用凸部WcAを成形する薄板用凸部成形金型KD1の構成例を示す模式的断面図である。図1Bは、図1Aの部分拡大図である。
薄板用凸部成形金型KD1は、薄板に分類される板厚が1.6mm未満のワークWaに位置決め用凸部WcAを成形する際に用いられる。薄板用凸部成形金型KD1は、パンチ11と、カウンタ13を有するダイ12とを備えている。パンチ11とダイ12は、それぞれが同芯で対向する位置関係となるようにタレットパンチプレス(不図示)などに取付けられる。位置決め用凸部WcAを成形する際、パンチ11は、タレットパンチプレスの作動によりダイ12に向かって移動(下降)し、対向する位置に配置されたダイ側部材であるカウンタ13と協働してワークWaを挟んで押圧する。
ワークWaには、予め別工程で、パンチ11に対応した矩形形状の下孔Wa1(図1B参照)を形成しておく。パンチ11は、下孔Wa1に対し、右側の縁部のみが干渉して加工するよう左右方向に位置決めされている。図1Bでは、パンチ11による加工前の下孔Wa1の形状を一点鎖線で示してある。ワークWaにおけるパンチ11に干渉する部分を、凸部成形素材残存部Rmとする。以下、凸部成形素材残存部Rmは突出部Rmとも称する。
パンチ11は、軸線が上下に延びる四角柱状に形成されている。パンチ11は、下端縁部に面取り角θc(図1B参照)のC面で面取り加工された面取り部Cを有している。面取り部Cは、パンチ11の下端縁部における右側の縁部のみに設けられていてもよい。
ダイ12は、ワークWaに当接する上面が平坦であり、パンチ11に対応する範囲に貫通孔が形成され、貫通孔内にカウンタ13が昇降するよう収められている。カウンタ13は、不図示のスプリングによって上方に付勢されている。カウンタ13は、この付勢力に抗するパンチ11の下方への押圧力を受けることで所定の移動量δだけ下降する。
位置決め用凸部WcAの加工において、パンチ11は、下降して下孔Wa1を通過し、カウンタ13の上面13aに当接する。パンチ11がさらに下降して下降範囲の下端位置に達したときにカウンタ13は所定の移動量δだけ下方に移動している。このとき、ワークWaの凸部成形素材残存部Rmは、パンチ11の下降に伴って、面取り部Cとカウンタ13の上面13aとの間の前後方向(図1Bの紙面表裏方向)に延びる空間に流れ込むように塑性流動する。これにより、凸部成形素材残存部Rmは、図1Bに示されるように、下孔Wa1の右縁から左下方向に延出した位置決め用凸部WcAとなる。
位置決め用凸部WcAの形状は、概ね面取り部Cの形状に倣った形状となる。すなわち、位置決め用凸部WcAは、下孔Wa1の右縁におけるパンチ11の前後方向の幅に対応して前後方向に延び左下方に延出した部位として形成される。
詳細には、位置決め用凸部WcAは、図1Bの断面形状において、底面Xと傾斜面XCとを有する。底面Xはカウンタ13の上面13aに接して形成される面であり、傾斜面XCは、面取り部Cの斜面に圧延されて形成される傾斜面である。従って、底面Xと傾斜面XCとが成す角である突起角θwは、面取り部Cの面取り角θcと同じ角度となる。位置決め用凸部WcAは、ワークWaの下孔Wa1の右縁の下端である端部Wcsから左下方に向け斜めに延び、前後方向に長く形成されている。面取り角θcは例えば30°である。
位置決め用凸部WcAの上下方向の長さ(高さWct)は、カウンタ13の所定の移動量δにより決定される。詳しくは、高さWctの最大値が移動量δとなる。従って、カウンタ13の所定の移動量δに応じて、位置決め用凸部WcAの高さWctを異なる高さにすることができる。例えば、所定の移動量δを0.5mmとした場合、位置決め用凸部WcAの高さWctは、ワークWaの下方側の端部Wcsから最大0.5mmとして成形される。
(厚板用凸部成形金型KD2の構成)
次に、厚板用凸部成形金型KD2について図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凸部WcBを成形する厚板用凸部成形金型KD2の構成例を示す模式的断面図である。図2Bは、図2Aの部分拡大図である。図2A及び図2Bを参照して、厚板用凸部成形金型KD2の構成例について説明する。
厚板用凸部成形金型KD2は、厚板に分類される板厚が1.6mm以上のワークWbに位置決め用凸部WcBを成形する際に用いられる。厚板用凸部成形金型KD2は、薄板用凸部成形金型KD1に対してダイ22の構成が異なる。
厚板用凸部成形金型KD2は、パンチ21とダイ22とを備えている。パンチ21は薄板用凸部成形金型KD1のパンチ11と同じ形状を有する。一方、ダイ22は、カウンタ13に相当する部材を備えてなく、パンチ21が下降したときに当接する平坦な上面22aを有する。
厚板用凸部成形金型KD2に供されるワークWbは、薄板用凸部成形金型KD1に供されるワークWaと板厚のみが異なり、同様の下孔Wb1が予め別工程で形成されている。位置決め用凸部WcBを成形する際、パンチ21は、タレットパンチプレス(不図示)の作動によりダイ22に向かって移動(下降)し、ダイ22の上面22aとの間でワークWbを挟んで押圧する。パンチ21は、下孔Wb1に対し、図2Bの右側の縁部のみが干渉して加工するよう左右方向に位置決めされている。図2Bでは、パンチ21による加工前の下孔Wb1の形状を一点鎖線で示してある。ワークWbにおけるパンチ21に干渉する部分を、凸部成形素材残存部Rmとする。以下、凸部成形素材残存部Rmは突出部Rmとも称する。
パンチ11と同様にパンチ21は、軸線が上下に延びる四角柱状に形成されている。パンチ21は、下端縁部に面取り角θc(図2B参照)のC面の面取り加工された面取り部Cを有している。面取り部Cは、パンチ21の下端縁部における右側の縁部のみに設けられていてもよい。
位置決め用凸部WcBの加工において、パンチ21は、下降して下孔Wb1を通過し、ダイ22の上面22aに当接して停止する。このとき、ワークWbは、パンチ21とダイ22とで挟まれて押圧された状態となる。このとき、ワークWbの凸部成形素材残存部Rmは、パンチ21の下降に伴って、面取り部Cとダイ22の上面22aとの間の前後方向に延びる空間に流れ込むように塑性流動する。これにより、凸部成形素材残存部Rmは、図2Bに示されるように、下孔Wb1の右縁から左方向に延出した位置決め用凸部WcBとなる。
位置決め用凸部WcBの形状は、概ね面取り部Cの形状に倣った形状となる。すなわち、位置決め用凸部WcBは、下孔Wb1の右縁におけるパンチ21の前後方向の幅に対応して前後方向に延び左方に延出した部位として形成される。
詳細には、位置決め用凸部WcBは、図2Bの断面形状において、底面Xと傾斜面XCとを有する。ダイ22に接しワークWbの下面の延長面となる底面Xと、面取り部Cの斜面を含む傾斜面XCとからなる三角形断面の凸形状となる。底面Xと傾斜面XCとの成す突起角θwは、面取り角θcと等しい。
上述のように薄板用凸部成形金型KD1と厚板用凸部成形金型KD2とを使い分ける理由は、位置決め用凸部Wcを成形する際の塑性変形量に起因する。ワークWの板厚tが厚いほど、位置決め用凸部Wcを成形する際の凸部成形素材残存部Rmの塑性変形量は大きくなる。そのため、ワークWが厚板のワークWbの場合に、薄板用凸部成形金型KD1によって斜め下方に延出する位置決め用凸部WcAと同様の形状を形成すると、割れ或いはしわなどの不具合が生じる可能性が高くなる。そこで、厚板のワークWbにおいては、塑性変形量を抑制しつつ確実に位置決め用凸部Wcを形成するため、位置決め用凸部Wcを表面から突出するよう斜め方向に延出させず、ワークWbの延在方向に沿う方向に延出させる位置決め用凸部WcBを形成するようにしている。
(第1ワークW1に対する位置決め用凸部Wcの成形方法)
次に、突き合わせ溶接する二つのワークのうちの、一方のワークである第1ワークW1に対し、板厚に応じて薄板用凸部成形金型KD1及び厚板用凸部成形金型KD2のいずれかを選択して位置決め用凸部Wcを成形する方法について説明する。説明は図3A~図4Dを参照する。
図3Aは、位置決め用凸部Wcの成形方法における第1実施形態を説明するための第1の模式的平面図である。図3Bは、第1実施形態を説明するための第2の模式的平面図である。図3Cは、第1実施形態を説明するための第3の模式的平面図である。図3Dは、第1実施形態を説明するための第4の模式的平面図である。図4Aは、位置決め用凸部Wcの成形方法における第2実施形態を説明するための第1の模式的平面図である。図4Bは、第2実施形態を説明するための第2の模式的平面図である。図4Cは、第2実施形態を説明するための第3の模式的平面図である。図4Dは、第2実施形態を説明するための第4の模式的平面図である。
第1ワークW1は、板金の母材Bmから切り出される。母材Bmは鉄板とし、母材Bmは、必要な場合、符号を薄板の母材BmAと厚板の母材BmBとで区別する。また、位置決め用凸部WcA,WcBは、区別不要の場合に纏めて位置決め用凸部Wcと称する。
(第1実施形態)
第1実施形態は、第1ワークW1の外形(輪郭)を標準抜き型で打ち抜く方法である。まず、図3Aに示されるように、母材Bmにレイアウトされた第1ワークW1の輪郭に沿って、標準抜き型によって複数の矩形の開口部BHを形成する。第1ワークW1の四隅は微小の接続部であるミクロジョイントJmを形成して、第1ワークW1と残材となる部分とを連結しておく。また、位置決め用凸部WcA,WcBを形成する部位(2箇所)は、開口部BHを形成せずミクロジョイントJmより幅の広いワイヤジョイントJwとして、第1ワークW1と残材となる部分とを連結しておく。
次に、図3Bに示されるように、ワイヤジョイントJwを、矩形の標準抜き型によって第1ワークW1の縁部が少し突出するよう残して打ち抜く。図3Bでは、標準抜き型の抜き形状KDaを実線で示してある。残されて輪郭から突出した縁部が、既述の凸部成形素材残存部Rmとなる。凸部成形素材残存部Rmは、第1ワークW1の端面W1aの全面から突出している。
次に、図3Cに示されるように、薄板用凸部成形金型KD1又は厚板用凸部成形金型KD2を用い、既述のように凸部成形素材残存部Rmを塑性変形させて位置決め用凸部WcA,WcBを成形する成形加工を行う。図3Cでは、打ち抜く金型の抜き形状KDbを実線で示してある。母材BmAでは薄板用凸部成形金型KD1を用いて位置決め用凸部WcAを形成し、母材BmBでは厚板用凸部成形金型KD2を用いて位置決め用凸部WcBを成形する。位置決め用凸部WcA,WcBは、第1ワークW1の端面Wa1の全面から突出した突出部Rm(凸部成形素材残存部Rm)が、厚さ方向に移動するパンチ11,21の干渉する抜き下降動作によって、端面W1aの一部(下方側の部分)から突出するように塑性変形して形成される。
この成形加工により、図3Dに示される位置決め用凸部Wc(WcA,WcB)が形成される。その後、ミクロジョイントJmを周知の方法で切断し、位置決め用凸部Wcを有する第1ワークW1を得る。
(第2実施形態)
第1ワークW1は、上述の標準抜き型で打ち抜く方法(第1実施形態)に限定されず、以下に説明するようにレーザビームで切断する方法(第2実施形態)によって母材Bmから切り出してもよい。
図4Aに示されるように、第1ワークW1の輪郭を、レーザビームにより、四隅を微小接続部であるミクロジョイントJmとして残して切断する。ここで、輪郭は、位置決め用凸部Wcを形成する部位(2箇所)について左方に矩形に突出する突出部Mmを形成するように切断する。
次いで、図4Bに示されるように、矩形の標準抜き型で、突出部Mmを第1ワークW1の輪郭からわずかに突出するよう残して成形する。この抜き形状KDc1を実線で示す。この成形で残され輪郭から突出した部分が、既述の凸部成形素材残存部Rm(突出部Rm)となる。さらに、隣接する前側と後側とにも抜き形状KDc1と一部重なるように打ち抜きを行う。それぞれの抜き形状KDc2,KDc3は実線で示されている。この打ち抜きにより、図4Cに示されるように一つの開口部BH2が形成される。
次に、凸部成形素材残存部Rmを塑性変形させるように、母材BmAでは薄板用凸部成形金型KD1を用い、母材BmBでは厚板用凸部成形金型KD2を用いて成形加工する。図4Cでは、このパンチKDdが実線で示されてある。
これにより、図4Dに示される位置決め用凸部Wcが形成される。詳しくは、図1B及び図2Bで説明したように、母材BmAでは薄板用凸部成形金型KD1によって位置決め用凸部WcAが形成され、母材BmBでは厚板用凸部成形金型KD2によって位置決め用凸部WcBが形成される。その後、ミクロジョイントJmを周知の方法で切断し、位置決め用凸部Wcを有する第1ワークW1を得る。
(作用効果)
以上説明したように、位置決め用凸部Wcの成形方法の一態様によれば、第1の工程において、第1ワークW1の輪郭を、四隅に母材Bmと接続する接続部であるミクロジョイントJmを形成するように切り出す。従って、母材Bmから第1ワークW1を切り出す作業途中で第1ワークW1は母材Bmと連結した状態で維持される。そのため、第1ワークW1の輪郭における所定の位置に、位置決め用凸部Wcを、母材Bmを把持した状態で成形できる。これにより、位置決め用凸部Wcを、高精度の形状及び寸法で安定して得ることができる。
また、位置決め用凸部Wcの成形工程において、位置決め用凸部Wcを成形する位置に予め突出部Rmを形成しておく。これにより、後の成形加工によって位置決め用凸部Wcを塑性変形で成形するために十分な体積の素材を確保できる。
詳しくは、第2の工程において、パンチ11,21が突出部Rm,Mmと干渉してこれを塑性変形させる成形加工を行う。この成形加工により突出部Rmを塑性流動させて第1ワークW1の端面から延出した位置決め用凸部Wcを成形する。位置決め用凸部Wcは、横断面形状が、傾斜面XC及び底面Xを有する先細り形状(略三角形)となる。傾斜面XCは、パンチ11,21の先端縁部の面取り部Cの面取り角θcに応じた突起角θwを有する形状で形成できる。さらに、第1ワークW1が薄板の場合は、パンチ11の下降ストロークにおける、第1ワークW1の下面から下方への移動量δによって、位置決め用凸部Wcの、第1ワークW1の厚さ方向の突出量(高さWct)を制御できる。
この位置決め用凸部Wcにおける突起角θw及び高さWctなどの制御によって、後述するように、位置決め用凸部Wcを、第2ワークW2の表面に成形された位置決め用凹部Wdに対し高精度に凹凸係合させることができる。この凹凸係合によって、第1ワークW1と第2ワークW2とを、直角をなすよう突き当てた状態で治具を用いることなく高精度に位置決めできる。第1ワークW1及び第2ワークW2は、既述のワークWを適用できる。すなわち、第1ワークW1及び第2ワークW2は、金属板であり、例えば鉄板又はアルミニウム板である。鉄板は、例えば冷間圧延鋼板(SPC)、ステンレス板(SUS)である。また、第2ワークW2は板材でなくてもよく、鉄又はアルミニウムの塊材などであってもよい。
次に、上述の位置決め用凸部Wcが係合する位置決め用凹部Wd(図6A参照)及び位置決め用凹部Wdを形成するための凹部成形金型KD3及びその変形例である凹部成形金型KD3Aについて、図5A~図5Dを参照して説明する。
図5Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdを成形する凹部成形金型KD3の構成例を示す模式的断面図である。図5Bは、図5Aの部分拡大図である。図5Cは凹部成形金型KD3の成形部32Pを左前斜め上方から見た斜視図である。図5Dは、凹部成形金型KD3の変形例である凹部成形金型KD3Aの構成例を示す模式的断面図である。
(凹部成形金型KD3の構成)
位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの凹凸係合で位置決めする第1ワークW1と第2ワークW2との位置決め精度は、位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの係合状態での隙間が少ないほど向上する。従って、位置決め用凹部Wdの形状及び寸法は、位置決め用凸部Wcと凹凸が逆転した同形状及び同寸法であることが望ましい。
換言すれば、金型において、位置決め用凹部Wdを成形する成形部の形状は、第1ワークW1に成形された位置決め用凸部Wcとほぼ同形状及び同寸法であることが望ましい。
この望ましい態様において金型の成形部は長手を有し直線状に突出し、突起角θwを成す先細りの形状となる。突起角θwは、面取り角θcと同じであって、例えば約30°の鋭角とされる。そのため、成形部の先端部は、成形時に掛かる力によって割れる、摩耗により欠損する、などの不具合が生じる可能性が高い。そこで、凹部成形金型KD3は、先端部の不具合発生を抑制し、かつ位置決め用凹部Wdを高精度で位置決めできる凹部として成形できるようになっている。
図5Aに示されるように、凹部成形金型KD3は、パンチ31及びダイ32を備える。パンチ31は、下端部に第2ワークW2に平坦面で接する平坦面部31aを有する。ダイ32は、位置決め用凹部Wdを成形する部分として成形部32Pを有する。成形部32Pの先端の部分は先端部32Tである。
パンチ31とダイ32は、軸線CL3を同芯として対向する位置関係となるようにタレットパンチプレス(不図示)などに取付けられる。位置決め用凹部Wdを成形する際、パンチ31は、タレットパンチプレスの作動によりダイ32に向かって移動(下降)し、対向する位置に配置されたダイ32と協働して第2ワークW2を挟んで押圧する。
図5Bに示されるように、成形部32Pは、横断面形状が三角形形状で上方に突出し、前後方向(図5Bの紙面表裏方向)に延びるリブ状に形成されている。先端部32Tの成す角度θpは、位置決め用凸部Wcの突起角θw(図1B及び図2B参照)よりも大きく設定されている。具体的には、角度θpは、先端部32Tを通る上下方向に延びる軸線CL3を中心として左右に突起角θwで振り分けられた角度とされている。すなわち、角度θp=(突起角θw)×2 である。
このように、成形部32Pは、位置決め用凸部Wcと実質的に同形状及び同寸法とした場合と比べて先端部32Tの横断面形状でなす角度が大きく形成されている。そのため、先端部32Tに割れや欠損などの不具合が生じにくい。図5B及び図5Cに示されるように、成形部32Pは、斜面S31及び斜面S32を有する。斜面S31は、位置決め用凹部Wdの一方の凹部斜面Sd3を成形し、斜面S32は他方の凹部斜面Sd4を成形する。斜面S31は、位置決め用凹部Wdに位置決め用凸部Wcが係合した際の、位置決め用凸部Wcの傾斜面XCが接触する傾斜面として形成される。
成形部32Pの斜面S32には、窪み部32Hが形成されている。窪み部32Hは、上下方向に延びる軸を有する円筒を、斜面S32に対し左方から右方に抉り込ませたときの周面形状を有する。成形部32Pによって断面がV字形状の位置決め用凹部Wdが成形されると共に、窪み部32Hに第2ワークW2の素材が塑性流動して流れ込む。そのため、斜面S32に突起部Wp(図6A及び図6B参照)が形成される。従って、位置決め用凹部Wdは、突起部Wpの最突出位置において、図6Bに示されるように、突起角θwと同等の傾斜角θ3を成す溝として形成される。突起部Wpの周面Wp1は上下方向に延在する面となる。
位置決め用凹部Wdは、突起部Wpが形成されていない部分の横断面形状が、対向する両面が傾斜したV字形状に形成される。このV字形状の角度θdは、凹部成形金型KD3の先端部32Tの角度θpと同じになる。これにより、第1ワークW1に形成した位置決め用凸部Wcを、その傾斜面XCが位置決め用凹部Wdの凹部斜面Sd3に密着するように係合させると、位置決め用凸部Wcの底面Xは、上下前後方向に延在する面となる。すなわち、底面Xは、突起部Wpの周面Wp1の最突出部位と線接触する。
このように、位置決め用凸部Wcを位置決め用凹部Wdに係合させると、位置決め用凸部Wcの傾斜面XCは位置決め用凹部Wdの凹部斜面Sd3に面接触で密着し、位置決め用凸部Wcの底面Xは位置決め用凹部Wdの突起部Wpの周面Wp1に線接触で密着する。
傾斜面XC,底面X,凹部斜面Sd3,及び周面Wp1は、いずれも金型によって直接形成される面であるから、安定して高精度に形成される。これにより、位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとは、係合状態で左右方向に高い精度で位置決めされる。また、係合は下方が細くなるくさび状の係合となる。そのため、第2ワークW2に対し第1ワークW1を上方から係合させることで、第1ワークW1の自重により、位置決め用凸部Wcは位置決め用凹部Wdにくい込むように係合する。これにより、第1ワークW1は、第2ワークW2に対し、がたつきがなく安定して係合が維持される。
次に、凹部成形金型KD3の変形例である凹部成形金型KD3Aの概略構成について図5Dを参照して説明する。凹部成形金型KD3Aは、凹部成形金型KD3においてダイ側に備えられていた成形部32Pを、パンチ側に成形部31APとして備えたものである。
図5Dに示されるように、凹部成形金型KD3Aは、軸線CL3Aを同芯として対向配置されるパンチ31A及びダイ32Aを備える。パンチ31Aは、パンチケース31A1とパンチ本体部31A2とを有する。
パンチ本体部31A2はパンチケース31A1に対し不図示の駆動部によって昇降する。パンチ本体部31A2は、下面に成形部31APを有する。成形部31APは、図5A~図5Cに示された成形部32Pに対し、窪み部32Hも含め同形状とされており、パンチ側に形成されていることから、上下方向反転した向きとなっている。
一方、ダイ32Aの上面32Aaは平坦面となっている。
凹部Wdを形成する際には、パンチ31Aのパンチケース31A1とダイ32AとによってワークW2を挟んで押さえ、パンチ本体部31A2を下降させることで成形部31APがワークW2のパンチ31A側の面に凹部Wdを形成する。この凹部Wdは、凹部成形金型KD3で形成した凹部Wdと同形状となる。
(位置決め用凹部Wdの成形方法)
(第1の成形方法)
次に、第2ワークW2に対する位置決め用凹部Wdの成形方法例を、図7A~図8Cを参照して説明する。
図7Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第1の工程を示す模式的平面図である。図7Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第2の工程を示す模式的平面図である。図7Cは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第1の成形方法例の第3の工程を示す模式的平面図である。図8Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第1の工程を示す模式的平面図である。図8Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第2の工程を示す模式的平面図である。図8Cは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法例の第3の工程を示す模式的平面図である。
まず、図7A~図7Cを参照して、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部の第1の成形方法について説明する。
(第1の成形方法)
図7Aは、第1の工程を示す。第1の工程では、母材Bmに対し凹部成形金型KD3による刻印加工を行って、一直線上に離隔した所定の位置及び数で位置決め用凹部Wdを形成する。位置決め用凹部Wdは、突起部Wpが左側(図7Aの紙面上方側)となるように形成するものとする。第1の工程での加工は刻印加工であるため、位置決め用凹部Wdに隣接した部位に厚さ方向に膨れた膨れ部B(一点鎖線)が生じる。
図7Bは、第2の工程を示す。第2の工程では、第1の工程で生じた膨れ部Bを潰すための潰し加工を行う。膨れ部Bは、位置決め用凹部Wdの抉られた部分の素材が塑性流動することに起因して厚さ方向に膨らむことで生じる。第2の工程では、潰し加工に用いられる一般的な金型が用いられる。潰し加工により、膨れ部Bは、膨れた部分の素材が周辺部材に均一的に塑性流動し、膨れの度合が実用上支障のない程度に抑えられて実質的に平坦化される。
図7Cは、第3の工程を示す。第3の工程では、標準抜き型による打ち抜き加工、又はレーザビームによる切断加工によって、母材Bmから第2ワークW2を切り出す。この際、第2ワークW2の四隅は、母材Bmと接続する接続部としてミクロジョイントJmを形成する。図7Cでは、標準抜き型によってミクロジョイントJmを形成するように開口部BH3を形成することで輪郭を切断した例を示している。ミクロジョイントJmは加工の最終段階で切断し、第2ワークW2を母材Bmから分離する。これにより、位置決め用凹部Wdを有する第2ワークW2が得られる。
次に、図8A~図8Cを参照して、本実施形態の一態様に係る位置決め用凹部Wdの第2の成形方法について説明する。
(第2の成形方法)
図8A~図8Cは、本実施形態の一態様に係る位置決め用凸部が係合する凹部を成形する第2の成形方法を示す模式図である(第1の工程~第3の工程)。第1の成形方法とは、第1の工程と第2の工程が異なる。よって、相違点についてのみ説明する。
図8Aは、第2の成形方法における第1の工程を示す。第1の工程では、位置決め用凹部Wdの形成位置に対応して第2ワークW2の外周部(輪郭)よりも外側となる位置に、貫通孔である孔部Hを形成する。孔部Hは、位置決め用凹部Wdを成形した際に凹みに相当する素材が厚さに影響を及ぼすことなく容易に塑性流動できるよう、素材逃げとして形成する。孔部Hは、標準抜き金型による抜き打ち加工によって形成する。これにより、位置決め用凹部Wdを成形する際に生じる塑性流動によって行き場を失った素材を孔部Hを変形させるように逃がすことができる。そのため、第1の成形方法で生じる膨れ部Bは実質的に生じない。
図8Bは、第2の工程を示す。第2の工程は、第1の成形方法の第1の工程と同じである。図8Cは、第3の工程を示す。第3の工程は、第1の成形方法の第3の工程と同じである。第1の成形方法の場合と同様に、第3の工程の後、最終段階でミクロジョイントJmを切断し、第2ワークW2を母材Bmから分離する。これにより、位置決め用凹部Wdを有する第2ワークW2が得られる。孔部Hは、輪郭を標準抜き型で打ち抜く場合は打ち抜かれる部材に形成されており、レーザ切断の場合は残材に残る。そのため、第2ワークW2の形状に孔部Hは残らない。
以上説明したように、一態様の位置決め用凹部の成形方法によれば、凹部成形金型KD3を用いて横断面形状がV字形状の位置決め用凹部Wdを成形できる。位置決め用凹部Wdは、位置決め用凸部Wcの傾斜面XCが当接する一方の凹部斜面Sd3と、位置決め用凸部Wcの底面Xに接触する突起部Wpを含んで成形された他方の凹部斜面Sd4とを有する。
詳しくは、位置決め用凹部Wdは、位置決め用凸部を係合した際に、一方の凹部斜面Sd3が位置決め用凸部Wcの傾斜面XCに密着し、他方の凹部斜面Sd4に成形された突起部Wpが底面Xと線接触する。従って、位置決め用凹部Wdは、位置決め用凸部Wcが係合した際の隙間を実質的になくすことができる。これにより、第1ワークW1と第2ワークW2とを、直角をなす角度で突き当てた際に高精度に位置決めできる。
(位置決め構造GK)
上述の位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの凹凸係合によって第1ワークW1と第2ワークW2とを位置決めする位置決め構造GKを、第2ワークW2に第1ワークW1を直交突き当てした状態を示す図9A~図10Bを参照して説明する。
図9Aは、厚板のワークWbにおける位置決め構造GKを説明するための上面図である。図9Bは、図9AのB-B位置における断面図である。図10Aは、薄板のワークWaにおける位置決め構造GKを説明するための上面図である。図10Bは、図10AのC-C位置における断面図である。図10Cは、薄板のワークWaにおける位置決め構造GKを説明するための斜視図である。
厚板のワークWbにおける位置決め構造GKは、図9A及び図9Bに示されるように、厚板である第1ワークW1の端面W1aを、第2ワークW2の表面W2b(上面W2b)の端部近傍の所定位置に直交突き当てさせるときの位置決め構造である。この厚板における位置決め構造GKは、第1ワークW1に成形された位置決め用凸部WcBと、第2ワークW2の上面W2bに形成された位置決め用凹部Wdとを有する。
位置決め用凹部Wdは、この例で端部側となる一方の凹部斜面Sd3が、位置決め用凸部WcBの傾斜面XCと同じ傾斜角で形成され、他方の凹部斜面Sd4には位置決め用凸部WcBの底面Xと位置Pwで線接触する上下方向に延在する円周面を有する突起部Wpを含んで形成されている。
これにより、位置決め用凸部WcBを位置決め用凹部Wdに係合させると、位置決め用凸部WcBは位置決め用凹部Wdに埋没して係合し、第1ワークW1と第2ワークW2とが直角をなすよう突き合わされた状態で治具を用いることなく位置決めできる。第2ワークW2に突き当てられる第1ワークW1の左右方向の位置は、位置決め用凹部Wdの左右方向の形成位置に応じて決まる。図9Bでは、第1ワークW1の端面W1aの半面が第2ワークW2に突き当てられているいわゆる半引きでの突き当て状態が示されている。これに対し、第2ワークW2において位置決め用凹部Wdをさらに右方に形成することで、端面W1aの全面が第2ワークW2に突き当てられるいわゆる片引きでの突き当て状態にすることができる。
薄板のワークWaにおける位置決め構造GKは、図10A~図10Cに示されるように、薄板である第1ワークW1の端面W1aを、第2ワークW2の上面W2bの端部近傍の所定位置に直交させて突き当てたるときの位置決め構造である。この薄板における位置決め構造GKは、第1ワークW1に成形された位置決め用凸部WcAと、第2ワークW2の上面W2bに形成された位置決め用凹部Wdとを有する。
厚板の場合と同様に、位置決め用凹部Wdは、この例で端部側となる一方の凹部斜面Sd3が、位置決め用凸部WcAの傾斜面XCと同じ傾斜角で形成され、他方の凹部斜面Sd4には位置決め用凸部WcBの底面Xと位置Pwで線接触する上下方向に延びる円周面を有する突起部Wpを含んで形成されている。
これにより、図10Cに示されるように、位置決め用凸部WcAを位置決め用凹部Wdに係合させることで、位置決め用凸部WcAは位置決め用凹部Wdに埋没して係合し、第1ワークW1と第2ワークW2とが直角をなすよう突き合わされた状態で治具を用いることなく位置決めできる。第2ワークW2に突き当てられる第1ワークW1の左右方向の位置は、位置決め用凹部Wdの左右方向の形成位置に応じて決まる。図10Bでは、第1ワークW1の端面W1aにおける厚さ方向の半分の面が第2ワークW2に突き当てられる、いわゆる半引きでの突き当て状態が示されている。これに対し、第2ワークW2において位置決め用凹部Wdをさらに右方に形成することで、端面W1aの全面が第2ワークW2に突き当てられるいわゆる片引きでの突き当て状態にすることができる。
また、薄板の第1ワークW1は、位置決め用凸部WcAが表面から図10Bに示されるように右方に突出して形成されているので、第1ワークW1の突き当て位置を、厚板の場合よりも左方に位置させることができる。
薄板のワークWaにおける位置決め構造GKは、厚板のワークWbにおける位置決め構造GKに対して、第1ワークW1において位置決め用凸部Wcが成形される厚さ方向の位置が異なる。具体的には、厚板の場合の位置決め用凸部Wc(WcB)は、第1ワークW1の厚さの範囲内で端面から延出するよう成形される。一方、薄板の場合の位置決め用凸部Wc(WcA)は、第1ワークW1の厚さの範囲内を超え、端面から延出し表面から厚さ方向に突出するように形成される。従って、薄板のワークWaにおける位置決め構造GKは、次に説明する図11A及び図11Bに示す位置決め方法に対応することができる。薄板のワークWaにおける位置決め構造GKは、厚板の場合と同様に治具を用いることなく、第1ワークW1を第2ワークW2に対し所望の位置関係で突き当てるように位置決めできる。
(位置決め構造GK2)
上述の位置決め用凹部Wdを利用して、その位置決め用凹部Wdに凹凸係合する凸部を有する第1ワークW1を、第2ワークW2に対し重ね合わせて位置決めすることができる。この重ね合わせの位置決め構造を位置決め構造GK2と称し、図11A~図11Cを参照して説明する。
図11Aは、位置決め構造GK2を説明するための部分断面図である。図11Bは、位置決め構造GK2の第1態様を説明するための断面図である。図11Cは、位置決め構造GK2の第2態様を説明するための断面図である。
図11Aに示されるように、第2ワークW2には、突起部Wpを有する位置決め用凹部Wdが形成されている。この位置決め用凹部Wdは、位置決め構造GKにおける位置決め凹部Wdと同じである。
一方、第1ワークW1には、位置決め用凹部Wdに係合する位置決め用凸部WcCが形成されている。位置決め用凸部WcCは、第1ワークW1の右縁部から厚さ方向(下方向)に突出し前後方向(紙面表裏方向)に長く形成されている。
位置決め用凸部WcCは、第1ワークW1の右縁部を打ち抜き加工で形成する際に生じるバリを、所定形状の金型の隙間に塑性流動で充填させる、などの方法で成形されている。位置決め用凸部WcCは、横断面形状が下方を頂点とする先細りの三角形形状で成形されており、第1ワークW1の厚さ方向に延在する底面Xと、底面Xに対し傾斜し位置決め用凹Wdの凹部斜面Sd3と同じ傾斜角で延在する傾斜面XCとを有する。
第1ワークW1は、位置決め用凸部WcCを位置決め用凹部Wdに上方から係合させることで第2ワークW2に対し、端面ではなく表面同士を重ね合わせた状態で位置決めされる。詳しくは、位置決め用凸部WcCは位置決め用凹部Wdに埋没し、第1ワークW1の下面W1bと第2ワークW2の上面W2bとが接触して重ね合わされる。その際、位置決め用凹部Wdに埋没した位置決め用凸部WcCの傾斜面XC及び底面Xが、それぞれ位置決め用凸部Wdの凹部斜面Sd3及び突起部Wpの厚さ方向に延在する周面Wp1に接触する。これにより、第1ワークW1は、第2ワークW2に対する左右方向の位置が高精度に決められる。第1ワークW1の前後方向の位置は、位置決め用凸部WcC及び位置決め用凹部Wdがそれぞれ金型によって直接成形されることから凹凸係合の前後方向の隙間を微小にして高精度に位置決めできる。
位置決め構造GK2の第1態様は図11Bに示される。第1ワークW1には、左右両端部それぞれに位置決め用凸部WcCを形成し、第2ワークW2には、第1ワークW1に形成された一対の位置決め用凸部WcCのうちの一方に係合する凹部として突起部Wpを有する位置決め用凹部Wdを形成し、他方に係合する凹部を突起部Wpが形成されていない位置決め用凹部WdCとする。
第1態様は、第1ワークW1が第2ワークW2に対し左右両端の2箇所で凹凸係合するので、左右方向はもとより、上下方向を軸とする回動を良好に規制するので、重ね合わせの位置決めが安定する。また、2箇所の凹凸係合のうち、一方を、突起部Wpを有する位置決め用凹部Wdとしているので、第1ワークW1の左右方向の位置を、治具を用いることなく高精度に決められる。
位置決め構造GK2の第2態様は図11Cに示される。第1ワークW1は単なる平板ではなく、左縁部に上方に折り曲げられた折り曲げ部W1dを有して位置決め用凸部が形成できない立体形状となっている。この場合でも、一つの縁部(図11Cにおける右縁部)の凹凸係合に突起部Wpを有する位置決め用凹部Wdを用いることで、立体形状の第1ワークW1を第2ワークW2に重ね合わせる際の位置決めを、治具を用いることなく高精度に行うことができる。
(溶接態様)
厚板のワークWbにおける位置決め構造GK、又は薄板のワークWaにおける位置決め構造GKで可能な突き合わせ溶接態様例について、図11A及び図11Bを参照して説明する。図11Aは、本実施形態の一態様に係る位置決め構造GKが対応可能な片引きでの溶接態様を示す模式的側面図である。図11Bは、本実施形態の一態様に係る位置決め構造GKが対応可能な半引きでの溶接態様を示す模式的側面図である。
図11Aは、片引きでの溶接態様を示す。第1ワークW1に成形された位置決め用凸部WcA又は位置決め用凸部WcBと、第2ワークW2に成形された位置決め用凹部Wdとを係合させて、第1ワークW1と第2ワークW2とが直角をなすよう突き合わせる。位置決め用凹部Wdの左右方向の形成位置は、第1ワークW1の端面W1aの全面が第2ワークW2の上面W2bに当接する片引きで設定する。
次いで、第1ワークW1と第2ワークW2との突き合わせた部分を、溶接部WSを形成して溶接する。このように、第1ワークW1と第2ワークW2とを治具を用いることなく片引きで突き合わせ溶接できるので、治具コスト及び治具のセット時間を削減できる。
位置決め用凹部Wdの左右方向の形成位置に応じて、第1ワークW1の端面W1aの第2ワークW2の上面W2bへの突き当て範囲を異ならせることができる。第2ワークW2において、位置決め用凹部Wdを図11Aよりも左方の位置に形成することで、図11Bに示される、いわゆる半引きでの突き合わせ溶接が可能である。
上述のように、第2ワークW2に対する第1ワークW1の突き当て位置は、位置決め用凹部Wdの形成位置に依存する。すなわち、第1ワークW1が位置決め用凸部WcAを有する場合には、位置決め用凹部Wdの突起部Wpにおける位置決め用凸部WcAの底面Xが接する最突出位置が、第1ワークW1における位置決め用凸部WcAを形成した側の表面(図10Bにおけるの右面)位置から右方に位置決め用凸部WcAの高さWctだけ足した位置になるようにする。
また、第1ワークW1が位置決め用凸部WcBを有する場合には、位置決め用凹部Wdの突起部Wpにおける位置決め用凸部WcBの底面Xが接する最突出位置が、第1ワークW1における位置決め用凸部WcBを形成した側の表面(図9Bにおける右面)の位置になるようにする。位置決め用凸部WcBは、位置決め用凸部WcBの高さWctが0(ゼロ)の場合とみなせる。すなわち、高さWctは、0(ゼロ)から最大で移動量δまでの間で自由に設定できる。
第1ワークW1と第2ワークW2とは、第1ワークW1の厚さ方向(図9B及び図10Bの左右方向)について、金型で直接形成された位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとによる、厚さ方向に直交する面と斜面との組み合わせで当接係合するので、高精度に位置決めされる。また、第1ワークW1の第2ワークW2に沿う延在方向(前後方向、すなわち図9B及び図10Bの紙面表裏方向)の位置決め精度は、位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの係合状態での前後方向の隙間に依存する。この隙間は、突出部Rmと凹部斜面Sd3と前後方向の長さの差に基づいて生じる。しかしながら、突出部Rm及び凹部斜面Sd3は金型によって直接形成される部位であるから、長さの差は実用上支障のない程度に十分小さくすることができる。従って、第1ワークW1の第2ワークW2に沿う延在方向の位置決めは高精度になされる。また、第1ワークW1と第2ワークW2の突き当て方向(図9B及び図10Bの上下方向)の位置決めは、端面と表面との当接によるものであるから、十分に高精度にすることができる。このように、第1ワークW1と第2ワークW2とは、位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの凹凸係合によって3軸方向すべてにおいて、治具を用いることなく高精度に位置決めされる。
位置決め構造GK2における溶接態様例は、図12Cに示される。図12Cは、位置決め構造GK2における溶接態様例を示す模式的断面図である。第2ワークW2に対し重ね合わせの位置決め構造GK2によって表面同士が重なるように位置決めされた第1ワークW1の縁部を、隅肉溶接で溶接部WSを形成して溶接する。このように、第1ワークW1と第2ワークW2とを治具を用いることなく重ね合わせた態様で溶接できるので、治具コスト及び治具のセット時間を削減できる。
以上詳述のように、本発明の第1の一態様は、板金の第1ワークW1の端面W1aから突出して形成された位置決め用凸部Wcと、第2ワークW2の表面に、位置決め用凸部Wcが埋没して係合するように形成された位置決め用凹部Wdと、を備え、位置決め用凹部Wdに位置決め用凸部Wcを係合させることで、第1ワークW1は、その端面W1aが第2ワークW2の表面W2bに当接して第2ワークW2に対し直交する姿勢で位置決めされる位置決め構造GKである。
これにより、治具を用いることなく第1ワークW1を第2ワークW2に対し位置決めできるので、位置決め作業における治具のコスト及び治具のセット時間が削減できる。
また、本発明の第2の一態様は、第2ワークW2に形成した位置決め用凹部Wdに、第1ワークW1の位置決め用凸部Wcを凹凸係合させて、第2ワークW2に対し直交姿勢で位置決めするワークの製造方法であって、位置決め用凸部Wcを、板金の第1ワークW1の端面W1aの全面から突出する突出部をRm形成し、第1ワークW1の厚さ方向に移動するパンチ11が突出部Rmと干渉する位置で厚さ方向に移動して、突出部Rmを端面W1aの一部から突出するよう塑性変形して形成するワークの製造方法である。
これにより、治具を用いることなく第1ワークW1を第2ワークW2に対し位置決めして両部材を突き合わせ溶接できるので、溶接作業において位置決め作業における治具のコスト及び治具のセット時間が削減できる。
この第2の一態様において、パンチ11の先端縁部に面取り部Cを形成し、位置決め用凸部Wcを、パンチ11の先端面が当接するダイ側部材13の上面13aと面取り部Cとの隙間に突出部Rmを塑性流動させて、面取り部Cに対応した傾斜面XCと上面13aに対応した底面Xとを有する先細り形状に成形してもよい。
これにより、位置決め用凸部Wcは、形状が金型の面によって直接形成されるので高精度で安定した形状で形成され、第1ワークW1の第2ワークW2に対する位置決め精度が向上する。
また、本発明の第3の一態様は、板金の第1ワークW1において、端面W1aの全面から突出する突出部Rmを形成し、第1ワークW1の厚さ方向に移動するパンチ11を突出部Rmと干渉する位置で厚さ方向に移動して、突出部Rmを端面W1aの一部から突出するよう塑性変形して位置決め用凸部Wcを形成し、第1ワークW1の端面W1aを突き当てる第2ワークW2の表面W2bに、第1ワークW1を突き当てる所定位置から位置決め用凸部Wcの高さWct分ずらした位置に、位置決め用凸部Wcが埋没して係合する位置決め用凹部Wdを形成し、位置決め用凸部Wcを位置決め用凹部Wdに係合させて第1ワークW1を第2ワークW2の所定位置に位置決めして突き合わせ、突き合わせた部分を溶接して第1ワークW1と第2ワークW2とを接合する溶接方法である。
これにより、治具を用いることなく第1ワークW1を第2ワークW2に対し位置決めして両部材を突き合わせ溶接できるので、溶接作業において位置決め作業における治具のコスト及び治具のセット時間が削減できる。
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
成形部32Pの形状は、上記形状に限定されない。成形部32Pの形状は、少なくとも一方の斜面S31が位置決め用凸部Wcの傾斜面XCに密着する形状を有していればよい。また、窪み部32Hの表面形状は、円筒面状である必要はなく、角筒面状であってもよい。また、窪み部32Hが設けられる位置は成形部32Pの前後方向においていずれの位置でもよく、独立して複数設けられていてもよい。
成形部32Pは、窪み部32Hを有してなくてもよく、軸線CL3を含む直交面に対して斜面S31が成す傾斜角θ1と斜面S32が成す傾斜角である(角度θp-傾斜角θ1)とが異なっていてもよい。第1ワークW1と第2ワークW2との間で係合する位置決め用凸部Wcと位置決め用凹部Wdとの組は、上述のように2組に限定されず、1組であってもよい。また、突き当てる端面が長い場合は、3組以上としてもよい。
11 パンチ
12 ダイ
13 カウンタ
13a 上面
21 パンチ
22 ダイ
22a 上面
31,31A パンチ
31A1 パンチケース
31A2 パンチ本体部
31a 平坦面部
32,32A ダイ
32Aa 上面
32H 窪み部
32P,31AP 成形部
32T 先端部
Bm,BmA,BmB 母材
BH,BH2,BH3 開口部
C 面取り部
CL3,CL3A 軸線
GK 位置決め構造
H 孔部
Jm ミクロジョイント(接続部)
Jw ワイヤジョイント
KDa,KDb,KDc1,KDc2,KDc3,KDd 抜き形状
KD1 薄板用凸部成形金型
KD2 厚板用凸部成形金型
KD3,KD3A 凹部成形金型
Mm 突出部
Pw 位置
Rm 突出部(凸部成形素材残存部)
S31,S32 斜面
Sd3,Sd4 凹部斜面
t 板厚
W,Wa,Wb ワーク
Wa1,Wb2 下孔
Wc,WcA,WcB,WcC 位置決め用凸部
Wcs 端部
Wct 高さ
Wd,WdC 位置決め用凹部
Wp 突起部
Wp1 周面
WS 溶接部
W1 第1ワーク
W1a 端面
W1b 下面
W1d 折り曲げ部
W2 第2ワーク
W2b 上面(表面)
X 底面
XC 傾斜面
δ 移動量
θc 面取り角
θp 角度
θw 突起角
θ1 傾斜角
本発明の第1の一態様は、板金の第1ワークの端面から突出して形成された位置決め用凸部と、第2ワークの表面に、前記第1ワークの所定の突き当て位置に対し前記位置決め用凸部の前記表面からの突出高さ分ずれた位置に前記位置決め用凸部が埋没して係合するように形成された位置決め用凹部と、を備え、前記位置決め用凹部に前記位置決め用凸部を係合させることで、前記第1ワークは、その端面が前記第2ワークの表面に当接して前記第2ワークに対し直交する姿勢で位置決めされる位置決め構造である。
また、本発明の第2の一態様は、第2ワークに形成した位置決め用凹部に、第1ワークの位置決め用凸部を凹凸係合させて、前記第2ワークに対し直交姿勢で位置決めするワークの製造方法であって、前記位置決め用凸部を、板金の前記第1ワークの輪郭から端面の厚さ方向全面突出する突出部を形成し、前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチの先端縁部に面取り部を形成しておき、前記パンチを前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して形成し、前記塑性変形において、前記パンチの先端面が当接するダイ側部材の上面と前記面取り部との隙間に前記突出部を塑性流動させて、前記面取り部に対応した傾斜面と前記上面に対応した底面とを有する先細り形状に成形するワークの製造方法である。
また、本発明の第3の一態様は、板金の第1ワークの輪郭から端面の厚さ方向全面突出する突出部を形成し、前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチを前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して位置決め用凸部を形成し、前記第1ワークの前記端面を突き当てる第2ワークの表面に、前記第1ワークを突き当てる所定位置から前記位置決め用凸部の高さ分ずらした位置に、前記位置決め用凸部が埋没して係合する位置決め用凹部を形成し、前記位置決め用凸部を前記位置決め用凹部に係合させて前記第1ワークを前記第2ワークの前記所定位置に位置決めして突き合わせ、突き合わせた部分を溶接して前記第1ワークと前記第2ワークとを接合する溶接方法である。

Claims (4)

  1. 板金の第1ワークの端面から突出して形成された位置決め用凸部と、
    第2ワークの表面に、前記位置決め用凸部が埋没して係合するように形成された位置決め用凹部と、を備え、
    前記位置決め用凹部に前記位置決め用凸部を係合させることで、前記第1ワークは、その端面が前記第2ワークの表面に当接して前記第2ワークに対し直交する姿勢で位置決めされる位置決め構造。
  2. 第2ワークに形成した位置決め用凹部に、第1ワークの位置決め用凸部を凹凸係合させて、前記第2ワークに対し直交姿勢で位置決めするワークの製造方法であって、
    前記位置決め用凸部を、
    板金の前記第1ワークの端面の全面から突出する突出部を形成し、
    前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチが前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して形成するワークの製造方法。
  3. 前記パンチの先端縁部に面取り部を形成し、
    前記位置決め用凸部を、
    前記パンチの先端面が当接するダイ側部材の上面と前記面取り部との隙間に前記突出部を塑性流動させて、前記面取り部に対応した傾斜面と前記上面に対応した底面とを有する先細り形状に成形する請求項2記載のワークの製造方法。
  4. 板金の第1ワークにおいて、端面の全面から突出する突出部を形成し、
    前記第1ワークの厚さ方向に移動するパンチを前記突出部と干渉する位置で前記厚さ方向に移動して、前記突出部を前記端面の一部から突出するよう塑性変形して位置決め用凸部を形成し、
    前記第1ワークの前記端面を突き当てる第2ワークの表面に、前記第1ワークを突き当てる所定位置から前記位置決め用凸部の高さ分ずらした位置に、前記位置決め用凸部が埋没して係合する位置決め用凹部を形成し、
    前記位置決め用凸部を前記位置決め用凹部に係合させて前記第1ワークを前記第2ワークの前記所定位置に位置決めして突き合わせ、突き合わせた部分を溶接して前記第1ワークと前記第2ワークとを接合する溶接方法。
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