JP2013237052A - 非接触溶接による溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被溶接部材同士の隙間を無くして密着性を向上することにより、溶接不良や溶接強度不足の心配が無い高精度な溶接を可能とすると共に、レーザービームや電子ビームの正確な照射位置が容易に把握できる非接触溶接による溶接方法を提供する。
【解決手段】第一金属板10の端部には、端部から垂直に突出する突起部14を所定の間隔を空けて複数形成する。第二金属板12には、突起部14を嵌合させるための貫通穴26を所定の間隔を空けて複数形成する。第一金属板10の突起部14を第二金属板12の貫通穴26に挿入嵌合し、突起部14の突起端面18を第二金属板12の一方の表面12aと同一高さかそれに近い高さにする。第二金属板12の表面12aには、突起部14と貫通穴26の嵌合箇所である溶接指標線30が現われ、第二金属板12の表面12a側から溶接指標線30に沿ってレーザービームLを照射して溶接加工を実施する。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属板等の複数の被溶接部材をレーザー溶接や電子ビーム溶接等の非接触溶接により溶接する溶接方法に関するものである。
亜鉛めっき鋼板を始め、アルミニウム、真鍮、銅、冷間圧延鋼板、軟鋼、ブリキ、クロム、ニッケル、チタニウム等の種々の金属板を使用する板金加工においては、複数の部材を固定して製品化されるものも多い。そのような板金加工における固定方法としては、旧来から「かしめ」による固定が一般によく利用されてきた。しかしながら、「かしめ」による固定では、振動や経年変化によって固定箇所が外れる不都合が生じていた。このため、最近では、レーザー溶接や電子ビーム溶接等の非接触溶接による溶接方法も頻繁に利用されてきている。
例えば、レーザービームを熱源として利用するレーザー溶接は、金属板等の複数の被溶接部材を任意の位置で接合させ、その接合位置にレーザービームを照射させて接合位置を加熱溶融し、その溶融箇所を冷却凝固して被溶接部材同士を溶接するものである。レーザー溶接では、レーザービーム(レーザーを集光したエネルギー密度の高い光束)を集中熱源として被溶接部材に局所的に照射するものであるため、非常に深い溶け込みが得られるうえ、被溶接部材全体に与える熱影響は極めて少なく、被溶接部材の変形も殆ど生じないという利点がある。また、被溶接部材におけるレーザービームの照射部位やその近傍に、溶接専用箇所であるタブ状部(特許文献1)やスリット(特許文献2)を形成することにより、さらに安定した溶接を図る技術も公開されている。
特開平10−334957号公報 特開平10−99982号公報
ここで、従来のレーザー溶接の代表的な仕様の2つを図9に例示する。1つ目の例を図9(a)に示し、2つ目の例を図9(b)に示す。
図9(a)は板状の第一被溶接部材110の端部(厚み箇所の端面)を板状の第二被溶接部材112の片面の任意の位置に接合させ、その接合箇所を溶接するものである。即ち、2個の板状部材を直角に溶接するものである。この場合、レーザービームは、第二被溶接部材112の上方(第二被溶接部材112における第一被溶接部材110が接合している面とは反対側の面)から照射する。レーザービームの照射によって、第一被溶接部材110の端部が接合している箇所の第二被溶接部材112の厚み全域と、第一被溶接部材110における端部位置から内部側の浅い深さ位置までとが溶融される。その後、溶融箇所が冷却して固まる(溶着箇所114となる)ことによって、第一被溶接部材110と第二被溶接部材112とが固定される。
図9(b)は、第二被溶接部材112の片面と溶接固定するための第一被溶接部材110は、その端部付近を主体部に対して90度折り曲げて溶接専用箇所であるタブ状部110aを形成したものを使用する。第一被溶接部材110のタブ状部110aの外側面を第二被溶接部材112の片面と接合させ、その接合面の任意の箇所において、第二被溶接部材112の上方(第二被溶接部材112における第一被溶接部材110のタブ状部110aと接合している面とは反対側の面)からレーザービームを照射する。レーザービームの照射によって、第二被溶接部材112の厚み全域と、第一被溶接部材110のタブ状部110aの厚み全域か厚みの一部までとが溶融される。その後、その溶融箇所が冷却して固まる(溶着箇所114となる)ことによって、第一被溶接部材110(タブ状部110a)と第二被溶接部材112とが固定される。
しかしながら、図9(b)に示すように、2つの面を接合した箇所(第一被溶接部材110のタブ状部110aと第二被溶接部材112とを接合した箇所)に従来のレーザー溶接(スポット溶接)する方法では、第一被溶接部材110のタブ状部110aと第二被溶接部材112との接合箇所の面積が溶着箇所114に比べて大幅に広いため、その広い接合箇所における密着性が悪い状態が発生するおそれがある。密着性が悪いと、溶接箇所に鋼板荷重がかかり、溶接不良や溶接強度不足の心配がある。密着性が悪いと、2つの部材が所望の位置より若干ずれた角度で固定されるおそれがあり、製品の形状に若干の変形が生じるおそれがある。
また、図9(a)や図9(b)に示す従来のレーザー溶接方法では、レーザー照射側からは第一被溶接部材110と第二被溶接部材112の接合箇所が第二被溶接部材112の背後の死角位置になってしまう。このため、第一被溶接部材110と第二被溶接部材112の接合箇所を正確に認識するのが困難であり、レーザービームを照射する際に狙いが付け難いという問題もある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みて為されたものであり、被溶接部材同士の接合箇所の密着性を向上させることで、溶接不良や溶接強度不足のおそれを解消し、溶接箇所を広い面積とすることで溶接強度を強くし、レーザービームや電子ビームの正確な照射位置が容易に把握できる非接触溶接による溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、
第一被溶接部材と第二被溶接部材とを溶接する非接触溶接による溶接方法であって、前記第一被溶接部材に突起部を形成すると共に、前記第二被溶接部材に前記第一被溶接部材の前記突起部と嵌合するための貫通穴を形成し、前記第一被溶接部材の前記突起部を前記第二被溶接部材の前記貫通穴に挿入嵌合して前記突起部と前記貫通穴との嵌合位置を前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材の存在位置とは反対の表面側に露出させ、前記嵌合位置又はその近傍にレーザービーム又は電子ビームを照射してその照射箇所に位置する前記第一被溶接部材と前記第二被溶接部材とを溶接することを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、前記第一被溶接部材の前記突起部を前記第二被溶接部材の前記貫通穴に挿入嵌合した際に、前記突起部の突起端面を前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材の挿入側とは反対側の面と同一又は近い高さに配置することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、前記突起部の外側面と前記貫通穴の内壁との前記嵌合位置に沿って、前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材とは反対側の面から、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、前記突起部の高さが前記第二被溶接部材の板厚と同じであることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、前記突起部の側面をテーパー状とすることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明に係る非接触溶接による溶接方法は、前記第一被溶接部材の前記突起部と前記第二被溶接部材の前記貫通穴とが、同じ所定の間隔を空けてそれぞれ複数個形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る溶接方法によれば、第一被溶接部材に形成した突起部を第二被溶接部材に形成した貫通穴に嵌合させた密着状態で溶接するので、溶接を行なう嵌合箇所に隙間が無くなり、溶接時に第一被溶接部材と第二被溶接部材との位置が固定され、両者が角度のズレなく溶接することができる。この結果、製品の形状に変形が生じるおそれを無くし、溶接した箇所にその後に交番荷重がかかることは無い。
また、第一被溶接部材と第二被溶接部材とは嵌合状態なので、抑えたりして固定せずとも安定しているので、レーザービームや電子ビームが正確に照射できるうえ、冶具も不要となる。
さらに、レーザービームや電子ビームを照射する第二被溶接部材の表面に、溶接を行うべき目印としての溶接作業指示線(第一被溶接部材の突起部と第二被溶接部材の貫通穴との嵌合箇所)が露出するので、レーザービームを照射する際に、第一被溶接部材が第二被溶接部材の背面の死角位置にあっても、目印としての照射位置である溶接作業指示線が明確且つ容易に把握でき、溶接作業者がその溶接作業指示線に沿って溶接すれば、正確な位置に確実に溶接を行うことができる。
第一被溶接部材の突起部と第二被溶接部材の接合箇所は、第一被溶接部材の突起部の側面外周と第二被溶接部材の貫通穴の内壁周囲であり、接合面積は従来のもの(図9)より広いものである。溶接作業指示線に沿ってレーザービームや電子ビームを照射すれば、2つの部材の接合箇所が溶融するので、隙間が無くなり、しかも溶融面積が広くなるので、溶接強度をより強くすることができる。
また、突起部の高さと第二被溶接部材の厚みとを同等にすれば、溶接後に突起部の先端部が第二被溶接部材の面と同一面となり、邪魔な出っ張りや膨らみが無くなり完成品の汎用性が向上するうえ、溶接跡の外観も良好となる。
また、突起部の側面をテーパー状とすれば、貫通穴に嵌合させる際に、嵌め込みやすくなる
また、突起部及びそれに対応する貫通穴が複数形成されていれば、溶接強度をより向上させることができる。
溶接前における第一被溶接部材及び第二被溶接部材を示す斜視図である。 図1に示す第一被溶接部材と第二被溶接部材とが分離している状態から、第一被溶接部材と第二被溶接部材とを嵌合させた状態を示す断面図である。 第一被溶接部材と第二被溶接部材とが嵌合した状態から溶接を行う状態を示す斜視図である。 本実施例に係る非接触溶接による溶接方法を示す略概念図である。 他の形態における第一被溶接部材と第二被溶接部材とが分離している状態から、第一被溶接部材と第二被溶接部材とを嵌合させた状態を示す断面図である。 (a)(b)は溶接跡の拡大平面図である。 他の形態における第一被溶接部材及び第二被溶接部材を示す斜視図である。 図7に示した第一被溶接部材と第二被溶接部材とを嵌合した状態を示す平面図である。 (a)(b)は従来のレーザー溶接の構造を示す略断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る非接触溶接による溶接方法の一実施形態について説明する。
図1は、溶接前における第一被溶接部材及び第二被溶接部材が分離している状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す第一被溶接部材と第二被溶接部材とが分離している状態から、第一被溶接部材と第二被溶接部材とを嵌合させた状態を示す断面図である。図3は、第一被溶接部材と第二被溶接部材とが嵌合した状態から溶接を行う状態を示す斜視図である。
本発明における非接触溶接による溶接方法は、第一被溶接部材である第一金属板10の端面(板の厚み面)側と、第二被溶接部材である第二金属板12の一方の面とをレーザー溶接するものである。本発明では、レーザー溶接を行う前に、第一金属板10にも第二金属板12にも、事前加工を施すものである。
図1や図2に示すように、第一金属板10における端部(板の厚み箇所)には、所定の間隔を空けて複数の突起部14が形成され、突起部14と突起部14の間には凹み空間16が形成されている。第一金属板10における第二金属板12に対向する端部の先端面は、突起部14の先端の突起端面18と、突起部14と突起部14の間の凹み空間16に面する凹み端面20とから成る。突起部14の高さは、凹み端面20と突起端面18との間の高さであり、この高さを“h”とする。
突起部14の周囲を一周する側面は、凹み空間16に面するものであって相対的に狭い面積の一対の第一突起側面22(突起部14の高さ“h”を一辺とし、第一金属板10の厚みを他の一辺とするもの)と、一対の第一突起側面22に対して直角方向に配置される相対的に広い面積の一対の第二突起側面24(突起部14の高さ“h”を一辺とし、突起部14の長手方向の長さ(突起部14における表面または裏面に沿った長さ)を他の一辺とするもの)とから成る。1枚の金属板に、突起端面18と一方の突起側面22と凹み端面20と他方の突起側面22とを連続して形成される外形形状を形成するようにプレス加工を行うことで、第一金属板10を形成することができる。
第二金属板12には、その厚み方向に、所定の間隔を空けて断面四角形の貫通穴26を同一の直線方向に複数個形成する。第二金属板12の各貫通穴26の断面の内壁28は、第一金属板10の各突起部14が丁度嵌合する形状に設定されている。即ち、第一金属板10の突起部14を第二金属板12の貫通穴26に嵌合させた際に、突起部14の側面外周と貫通穴26の内壁28とが隙間なく接合するように、それぞれの寸法や形状を設定する。また、第二金属板12の板厚(貫通穴26の深さ)“t”は、誤差がないものと仮定して、第一金属板10の突起部14の高さ“h”と同じ寸法にするのが望ましい。
第一金属板10と第二金属板12とを溶接する際には、第一金属板10の突起部14を第二金属板12の貫通穴26内に挿入嵌合させる。この挿入嵌合によって、第一金属板10の凹み端面20が第二金属板12の片面12bと当接し、その当接によって第一金属板10の突起部14の第二金属板12の貫通穴26への挿入移動が停止する。この挿入移動が停止した状態では、第一金属板10の突起部14と第二金属板12の貫通穴26とが溶接可能な嵌合した状態となる(図2及び図3)。第一金属板10の突起部14と第二金属板12の貫通穴26とが嵌合した状態では、第一金属板10の突起部14の周囲の側面(一対の突起側面22と一対の突起側面24)が貫通穴26の内壁28と隙間無く密着接合する。
第一金属板10の突起部14と第二金属板12の貫通穴26とが嵌合した状態(図2及び図3)においては、突起部14の突起端面18は第二被溶接部材12における第一被溶接部材10の挿入側とは反対側の表面12aと同一又は近い高さとなるように設定する。第二金属板12の一方の表面12a(図3において見える位置、第一金属板10の凹み端面20が当接した第二金属板12の表面12bとは反対側の表面)側には、第一金属板10の突起部14の突起端面18が露出する。即ち、第二金属板12における第一金属板10の存在位置とは反対の表面12側に、第二金属板12の貫通穴26と第一金属板10の突起部14とが嵌合した四角い嵌合位置(溶接指標線30)が現われる。この四角い溶接指標線30は、溶接作業者が溶接を行う指標となるものである。この溶接指標線30が現われる第二金属板12の表面12a側から溶接指標線30を中心に溶接指標線30沿ってレーザービームLを照射する。レーザービームLの幅は、溶接指標線30の線の厚みよりも充分広いものである。レーザービームLを照射して第一金属板10と第二金属板12を溶接する場合には、第一金属板10と第二金属板12を固定状態としてレーザービームLを移動させても、レーザービームLを固定状態として第一金属板10と第二金属板12を移動させても、どちらでも良い。
ここで、図4にレーザービームLを照射する際の具体例を略概念図として示す。溶接対象である第一金属板10と第二金属板20は嵌合された状態において、その嵌合位置(溶接指標線30)を、リモート溶接光学装置50の集光レンズ群52によって捉えられ、その映像は各種ミラー54及びガルバノ・ミラー56を経てカメラ58によって画像として認識される(一点鎖線)。画像として認識された情報は、画像認識処理用PC60に送られ、溶接形状認識処理及び位置補正算出処理等を施される。上記処理を施された情報は、適切な加工プログラム及び位置補正データとして画像認識処理用PC60からレーザー発振器(制御系)62に送られる。レーザー発振器(制御系)62では、それらのプログラム及びデータに従って、レーザー発振器64からレーザービームLを発振する。レーザー発振器64により発振されたレーザービームLは、各種ミラー54及びガルバノ・ミラー56を経て集光レンズ群52を介して溶接対象である第一金属板10と第二金属板20との嵌合位置(溶接指標線30)に照射される。このとき、ガルバノ・ミラー56は、スキャナー装置(制御系)66によって、レーザー発振器(制御系)60から送信される位置補正データ等に従って制御され角度を変える。このようにガルバノ・ミラー56の角度を変えることにより、照射位置の調整を行い、溶接指標線30に沿って正確にレーザービームLを照射することができる。
上記の通り、レーザービームLを第一金属板10と第二金属板12との間の嵌合位置に現われる溶接指標線30に照射することで、第一金属板10側における溶接指標線30の近傍と第二金属板12側における溶接指標線30側の近傍とが溶融され、その後、第一金属板10側の溶融箇所と第二金属板12側の溶融箇所とが一体となり、その後溶融箇所が凝固することで、第一金属板10と第二金属板12とが溶接固定される。
レーザービームLを照射する際に、レーザービームLを照射する第二金属板12の表面12a側には溶接指標線30が露出しているので、溶接すべき照射位置(溶接指標線30)が正確に把握でき、照射作業が容易である。また、溶接時には、2つの部材は突起部14が貫通穴26に嵌合した固定状態となっているので、2つの部材は別途抑えたりする必要もなく、そのための冶具も不要となる。
また、突起部14の高さ“h”と第二金属板12の板厚“t”を同一寸法(部材の寸法の誤差が無いものとして)とすれば、突起部14の突起端面18と第二金属板12の表面12aとが同一面(同一高さ面)となり、溶接をした際の表面12a全体に邪魔な出っ張りや凹みが無く、その結果、表面12aを手で触っても手を傷をつけることが無く、見た目にも綺麗な表面とすることができる。なお、突起部14の突起端面18と第二金属板12の表面12aとが同一面(同一高さ面)となるのが望ましいが、第二金属板12の貫通穴26への突起部14の突出長さは、少なくとも貫通穴26の深さの半分以上であれば良い。それ以下であれば、嵌合状態が外れ易くなるおそれがあり、突起部14の側面と貫通穴26の壁面28との接合面積即ち溶着面積が少なくなる。
また、突起部14の形状は、図5に示すように、突起側面22に勾配を付けテーパー状として、突起部14の先端部分(突起端面18)の幅をその付け根部分の幅よりも狭くする形状としてもよい。これにより、先端部分(突起端面18)の幅“w1”は貫通穴26の幅“w2”よりも小さくすることができる。このような構成であれば、第一金属板10の突起部14を第二金属板12の貫通穴26内に挿入嵌合させる際に、挿入し易くなる。このとき、突起部14の高さ“h”を第二金属板12の板厚(貫通穴26の深さ“t”)よりも若干高くし、第一金属板10の突起部14を第二金属板12の貫通穴26内に嵌合させた際に、突起部14の先端(突起端面18)が少し突出する位の寸法とすることが好ましい。そうすれば、レーザーで溶着した際に、溶着面が少し盛り上がることになるが、テーパーによって生じた隙間が埋まり密着性を高めることができる。
図6は、溶接跡の拡大平面図であり、具体的な溶接部位の形状である溶接跡32,34を示したものである。
図6(a)に示す溶接跡32は、第一金属板10の突起部14と第二金属板12の貫通穴26とが嵌合した溶接指標線30に沿ってレーザービームLを照射した場合のものである。レーザービームLの幅(図6における斜線で囲んだ領域の幅)は、溶接指標線30より広いので、溶接指標線30を中心にして溶接指標線30に沿ってレーザービームLを照射すれば、溶接指標線30の両側に位置する第一金属板10と第二金属板12とを溶融することができる。特に、突起部14が形成されている第一金属板10の板厚が比較的厚い場合(突起部14の突起端面18の幅が広い場合)には有効な溶接形状である。図6(a)では、溶接跡32は2個であり、例えばレーザービームLを2回移動させたものである。
一方、図6(b)に示す溶接跡34は、四角い溶接指標線30の外側から内側に向けて直線状に通過して溶接指標線30の外側に突出し、その後、折り返して再び溶接指標線30の内側を直線状に通って溶接指標線30の外側に突出し、その後、折り返して移動するように、“くの字状”に交差にジグザクにレーザービームLを照射した場合のものである。この図6(b)の照射方法であれば、レーザービームLを一筆書きで照射でき、照射工程が一箇所につき一回で済むというメリットがある。特に、溶接強度よりも照射の簡易度(狙い易さ)を優先する場合には、このように波型にすることにより位置外れにも対応可能となり有効である。
なお、突起部14が形成されている第一金属板10の板厚が比較的薄い場合には(例えば、0.7mm以下)、第二金属板12の貫通穴26に嵌合している第一金属板10の突起部14(突起端面18)の幅がレーザービームLの幅よりも狭くなるので、図6(c)の溶接跡35に示すように、突起端面18の中心を狙い直線状にレーザービームLを照射しても第一金属板10と第二金属板12とを好適に溶接できる。
次に、第一金属板10に固定した突起部36を第二金属板12に溶接する他の例を図7及び図8に基づいて説明する。第一金属板10に突起部36を固定する。この突起部36は、例えば、第一金属板10に固定する円筒形雌螺子部材とする。この突起部36は、円筒形状の内壁に雌螺子部38を形成したものである。この突起部36の上端は突起端面40とする。なお、突起部36は円筒形雌螺子部材に限るものではない。第二金属板12には、円筒形状の突起部36の外形に合致する形状の貫通穴42が形成される。円筒形状の突起部36の第一金属板10からの突出高さを“h”とし、第二金属板12の厚み(貫通穴42の深さ)を“t”とすれば、“h”と“t”とが同一寸法とするのが望ましい。
第一金属板10に固定した突起部36を第二金属板12に溶接する場合には、円筒形状の突起部36を第二金属板12の貫通穴42に嵌合させる(図8)。これによって、第二金属板12の一方の表面12a(レーザービームを照射する側の面)からは、突起部36の外形線と第二金属板12の貫通穴42の外形線とが合致した溶接指標線44が現われる。溶接指標線44の内側は、環状の突起部36の突起端面40とその内側に円形の内部空間46が見える。
ここで、突起部36と第二金属板12とを溶接する場合には、溶接指標線44を中心に溶接指標線44に沿ってレーザービームLを照射する。レーザービームLを照射することによって、溶接指標線44の内側に位置する突起部36(但し、雌螺子部38は溶融しないようにする)と、溶接指標線44の外側に位置する第二金属板12とが溶融する。その後、溶融した箇所の突起部36と溶融した箇所の第二金属板12とが一体となって固着し、第一金属板10に固定した突起部36と第二金属板12とが溶接される。この結果、突起部36は、第一金属板10と第二金属板12とに固定される。このように、第二金属板12の死角位置に存在する第一金属板10と、第二金属板12の表側に位置する何かの部材とを雄螺子(図示せず)を用いて固定させることができる。なお、突起部36の断面外形形状や第二金属板12の貫通穴42の形状は、円筒形状の他に、六角形等の多角形状でも構わない。
本実施例において、レーザーの種類及びレーザー加工機の構造等については説明を省略してあるが、レーザーは、気体レーザー(炭酸ガスレーザー等)、固体レーザー(YAGレーザー等)、半導体レーザー、液体レーザー等の従来から周知或いは実用化されている各種レーザーが用途に応じて利用できる。また、レーザー加工機は、レーザー照射部(発振器)又は被溶接部材側が任意の速度で垂直方向及び平行方向に適宜移動できるようになっている。
また、上記実施例においては、レーザービームについて説明したが、真空中でフィラメントを加熱させて放出された電子を加速収束することにより、電子ビームとして被溶接部材に当てて溶接を行う電子ビーム溶接においても、本発明の技術は適用可能である。
本発明に係るレーザー溶接や電子ビーム溶接等の非接触溶接による溶接方法であれば、溶接不良や溶接強度不足、ましてや、溶接不能等の心配が無い高精度な溶接が可能であるので、特に精密度を要する家電製品やエレクトロニクス製品等に利用される薄厚板の溶接において好適に応用できる。また、本発明では、レーザービームや電子ビームの照射の際に、照射側から正確な照射位置が明確且つ容易に把握でき、レーザービームを照射する際に狙いが付け易いうえ、嵌合状態となっているので、抑えたりして固定せずとも安定しており、冶具も不要となる。そのため、レーザー溶接や電子ビーム溶接における大幅なコストダウンや労力削減を実現することも可能となり、汎用性が向上し、今後、より様々な分野においても利用できるようになることが期待できる。
10 第一金属板
12 第二金属板
12a 表面
14 突起部
22 第一突起側面
24 第二突起側面
26 貫通穴
28 内壁
30 溶接指標線
32 溶接跡
34 溶接跡
36 突起部
42 貫通穴
44 溶接指標線

Claims (6)

  1. 第一被溶接部材と第二被溶接部材とを溶接する非接触溶接による溶接方法であって、
    前記第一被溶接部材に突起部を形成すると共に、前記第二被溶接部材に前記第一被溶接部材の前記突起部と嵌合するための貫通穴を形成し、
    前記第一被溶接部材の前記突起部を前記第二被溶接部材の前記貫通穴に挿入嵌合して前記突起部と前記貫通穴との嵌合位置を前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材の存在位置とは反対の表面側に露出させ、
    前記嵌合位置又はその近傍にレーザービーム又は電子ビームを照射してその照射箇所に位置する前記第一被溶接部材と前記第二被溶接部材とを溶接することを特徴とする非接触溶接による溶接方法。
  2. 前記第一被溶接部材の前記突起部を前記第二被溶接部材の前記貫通穴に挿入嵌合した際に、前記突起部の突起端面を前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材の挿入側とは反対側の面と同一又は近い高さに配置することを特徴とする請求項1記載の非接触溶接による溶接方法。
  3. 前記突起部の側面と前記貫通穴の内壁との前記嵌合位置に沿って、前記第二被溶接部材における前記第一被溶接部材とは反対側の面から、レーザービーム又は電子ビームを照射することを特徴とする請求項1又は2記載の非接触溶接による溶接方法。
  4. 前記突起部の高さが前記第二被溶接部材の板厚と同じであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触溶接による溶接方法。
  5. 前記突起部の側面をテーパー状とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非接触溶接による溶接方法。
  6. 前記第一被溶接部材の前記突起部と前記第二被溶接部材の前記貫通穴とが、同じ所定の間隔を空けてそれぞれ複数個形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非接触溶接による溶接方法。
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