JP2024084979A - 食器用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い洗浄力と泡立ち性とを有し、洗浄後は洗浄対象物に付着した泡が簡単に流れ落ち、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる食器用液体洗浄剤組成物。
【解決手段】(A)成分:特定の構造で表される第2級アルキルエーテル硫酸エステル塩及び特定の構造で表されるジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上と、(B)成分:半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上と、(C)成分:特定の構造で表されるノニオン界面活性剤と、を含有し、前記(A)成分の含有量が、食器用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上5.0質量%未満である、食器用液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、食器用液体洗浄剤組成物に関する。
食器用液体洗浄剤組成物には、洗浄力に加えて、洗浄時に豊かな泡立ちを示すこと(泡立ち性)が求められる。
近年、環境負荷軽減、水資源有効利用の観点から、手洗い洗浄に用いる水の量を低減することが求められている。このため、食器用液体洗浄剤組成物においては、洗浄後のすすぎ水を極力低減することが求められる。
例えば、特許文献1には、特定の構造を有するスルホコハク酸アルキルエステル又はその塩と、硫酸エステル塩基又はスルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤と、スルホベタイン界面活性剤とを含有する食器用液体洗浄剤組成物が提案されている。特許文献1の発明によれば、洗浄時には豊かな泡立ちと洗浄時の泡の持続性を示すが、すすぎ時には瞬時に泡が消え、少量の水ですすぎを完了できることが図られている。
特開2013-100462号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、最初に洗浄対象物に付着している泡を水で洗い流す工程は必須であり、この工程の水量の削減は考慮されていない。
そこで、本発明は、高い洗浄力と泡立ち性とを有し、洗浄後は洗浄対象物に付着した泡が簡単に流れ落ち、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる食器用液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:下記式(a1)で表される第2級アルキルエーテル硫酸エステル塩及び下記式(a2)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上と、
(B)成分:半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上と、
(C)成分:下記式(c1)で表されるノニオン界面活性剤と、を含有し、
前記(A)成分の含有量が、食器用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上5.0質量%未満である、食器用液体洗浄剤組成物。
Figure 2024084979000001
[式(a1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、Rの炭素数とRの炭素数との合計は7~21であり、ROは炭素数2~5のオキシアルキレン基を表し、nはROの平均繰り返し数を表す1~20の数であり、Mは対イオンを表す。]
Figure 2024084979000002
[式(a2)中、Rは、炭素数5~18のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~18のアルキル基を表す。A、Aは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、x、yは、平均繰り返し数を表し、それぞれ独立に0~6であり、Mは陽イオンを表す。]
Figure 2024084979000003
[式(c1)中、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均繰返し数を表す8~12の数であり、jとkはそれぞれ1~6の整数であり、6≦(j+k)≦12である。]
[2](D)成分:炭素数8~24の脂肪酸又はその塩、をさらに含有する、[1]に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
[3](前記(A)成分の含有量)/(前記(B)成分の含有量)で表される質量比が0.1~1.0である、[1]又は[2]に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
[4](前記(A)成分の含有量)/(前記(C)成分の含有量)で表される質量比が0.1~1.0である、[1]~[3]のいずれかに記載の食器用液体洗浄剤組成物。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物によれば、高い洗浄力と泡立ち性とを有し、洗浄後は洗浄対象物に付着した泡が簡単に流れ落ち、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる。
[食器用液体洗浄剤組成物]
本発明の食器用液体洗浄剤組成物(以下、単に液体洗浄剤ともいう。)は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有する組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、下記式(a1)で表される第2級アルキルエーテル硫酸エステル塩(以下、(a1)成分ともいう。)及び下記式(a2)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩(以下、(a2)成分ともいう。)から選ばれる1種以上である。
液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、洗浄力をより高められる。加えて、液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、洗浄対象物に付着した泡をより容易に流れ落とせる(泡の付着性をより良好にできる。)。
Figure 2024084979000004
[式(a1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、Rの炭素数とRの炭素数との合計は7~21であり、ROは炭素数2~5のオキシアルキレン基を表し、nはROの平均繰り返し数を表す1~20の数であり、Mは対イオンを表す。]
Figure 2024084979000005
[式(a2)中、Rは、炭素数5~18のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~18のアルキル基を表す。A、Aは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、x、yは、平均繰り返し数を表し、それぞれ独立に0~6であり、Mは陽イオンを表す。]
式(a1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。Rのアルキル基の炭素数は、1~20であり、1~16が好ましく、1~12がより好ましい。Rのアルキル基の炭素数が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。Rのアルキル基の炭素数が上記上限値以下であると、液体洗浄剤の粘度を低減でき、使いやすさ(使用性)をより高められる。
のアルキル基の炭素数は、Rのアルキル基の炭素数と同様である。
式(a1)において、Rのアルキル基は、直鎖のアルキル基が好ましい。Rのアルキル基についても同様である。
式(a1)において、Rの炭素数とRの炭素数との合計は7~21であり、9~17が好ましく、11~13がより好ましい。Rの炭素数とRの炭素数との合計が上記数値範囲内であると、高い洗浄力を維持でき、かつ、泡の付着性をより良好にできる。
式(a1)における、(R)(R)CH-は高級第二級アルコールに由来する疎水基である。(a1)成分が、このような第二級炭素を含む疎水基を有することが、泡の付着性をより良好にすることに寄与すると考えられる。
式(a1)において、ROは炭素数2~5のオキシアルキレン基であり、nはROの平均繰り返し数を表す。
nが2以上であるとき、複数の(RO)は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。ROは、オキシエチレン基(以下、EOともいう。)又はオキシプロピレン基(以下、POともいう。)が好ましい。nが2以上であるとき、(RO)で表されるオキシアルキレン鎖は、EOのみからなるEO鎖、又はEOとPOとからなるブロック鎖もしくはランダム鎖が好ましい。
nは1~20であり、2~15が好ましく、3~12がさらに好ましい。nが大きい方が泡の付着性をより良好にできる傾向にあり、nが小さい方が泡立ち性に優れる傾向がある。nが上記数値範囲内であると、付着性と泡立ち性の両方に優れる。
式(a1)において、Mは対イオンである。対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、プロトン化したアミン等が挙げられる。特に、アルカリ金属イオンが好ましい。
前記対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
前記対イオンになり得るアミンとしては、第一級~第三級アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)が挙げられる。
(a1)成分は、炭素数が8~22である第二級アルコールにアルキレンオキシドを付加したアルコールアルコキシレートを、硫酸エステル化したのち中和して得られる化合物である。(a1)成分は、常法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
(a1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a1)成分は、下記の数式(S)で求められるナロー率が40~80質量%であることが好ましく、50~70質量%がより好ましい。ナロー率が高いほど、オキシアルキレン基(RO)の繰り返し数(n)の分布が狭いことを意味する。
(a1)成分のナロー率が上記数値範囲内であると、付着性と泡立ち性の両方をバランスよく向上させる効果に優れる。
Figure 2024084979000006
式(S)において、iはオキシアルキレン基(RO)の繰り返し数(n)を表す。smaxは、(a1)成分中に最も多く存在する化合物におけるオキシアルキレン基の繰り返し数を表す。Yiは(a1)成分中に存在する、オキシアルキレン基の付加モル数がiである化合物の(a1)成分全体に対する割合(単位:質量%)を表す。
(a1)成分のナロー率は、公知の方法で制御できる。例えば、(a1)成分の製造方法によって制御できる。
(a1)成分として、上式(a1)で表される化合物の2種以上の混合物を用いる場合、(a1)成分のナロー率は、混合物における値である。
(a1)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1質量%以上5.0質量%未満が好ましく、1.0質量%以上4.5質量%以下がより好ましい。(a1)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められ、泡の付着性をより良好にできる。(a1)成分の含有量が上記上限値未満であると、泡立ち性をより高められる。
式(a2)において、Rは、炭素数5~18のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~18のアルキル基を表す。
の炭素数は、5~18であり、6~14が好ましく、7~10がより好ましい。Rは直鎖のアルキル基でもよく、分岐鎖のアルキル基でもよい。Rとしては、分岐鎖のアルキル基が好ましい。
の炭素数は、1~18であり、6~14が好ましく、7~10がより好ましい。Rは直鎖のアルキル基でもよく、分岐鎖のアルキル基でもよい。Rとしては、分岐鎖のアルキル基が好ましい。
式(a2)中、R、Rは、それぞれ具体的には、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、sec-オクチル基、イソペンチル基、イソノニル基、イソデシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R、Rとしては、n-オクチル基、sec-オクチル基、デシル基、イソデシル基、及び2-エチルヘキシル基から選ばれる基であることが好ましく、2-エチルヘキシル基がより好ましい。
式(a2)において、A、Aは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基であり、A、Aの炭素数は、2~3が好ましい。A、Aの炭素数が2~3であると、洗浄力をより高められる。
式(a2)において、x、yは、それぞれ独立に0~6の平均繰り返し数であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。x、yが、0~3であると、液体洗浄剤の洗浄力をより高められる。xが0である場合は、Rが酸素原子と直接結合し、yが0である場合は、Rが酸素原子と直接結合する。
式(a2)において、Mは陽イオンである。Mとしては、例えば、水素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。Mとしては、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましい。
(a2)成分において、R、Rが同一である化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、米国特許明細書第2,028,091号公報に記載の方法を参考にして製造することができる。
、Rが異なる非対称の化合物の調製方法としては、例えば、特開昭58-24555号公報を参考にして製造することができる。市販の化合物を用いる場合には、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製リパール(登録商標)870P(R、Rが共に2-エチルヘキシル基である化合物)、BASF社製LuensitA-BO(R、Rが共に2-エチルヘキシル基である化合物)、三井サイテック株式会社から入手可能であったエアロゾルAY-100(R、Rが共にアミル基である化合物)、同エアロゾルA-196(R、Rが共にシクロヘキシル基である化合物)等を用いることができる。
(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a2)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1質量%以上3.0質量%未満が好ましく、1.0質量%以上2.6質量%以下がより好ましい。(a2)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められ、泡の付着性をより良好にできる。(a2)成分の含有量が上記上限値未満であると、泡立ち性をより高められる。
(A)成分の含有量((a1)成分の含有量と(a2)成分の含有量との合計量)は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1質量%以上5.0質量%未満であり、0.1質量%以上3.0質量%未満が好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められ、泡の付着性をより良好にできる。(A)成分の含有量が上記上限値未満であると、泡立ち性をより高められる。
<(B)成分>
(B)成分は、半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上である。液体洗浄剤は、(B)成分を含有することで、洗浄力及び泡立ち性をより高められる。
半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤、アルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤等が挙げられる。
アルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミンオキシド、n-ドデシルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
アルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、洗浄力及び泡立ち性により優れることから、アルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤が好ましく、n-ドデシルジメチルアミンオキシドがより好ましい。
半極性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン系両性界面活性剤、アミノ酸系両性界面活性剤等が挙げられる。
ベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、カルボベタイン系両性界面活性剤、アミドベタイン系両性界面活性剤、スルホベタイン系(ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系)両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤、ホスホベタイン系両性界面活性剤、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤等が挙げられる。
カルボベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
アミドベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(コカミドプロピルベタイン)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
スルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン等が挙げられる。
イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
ホスホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタイン等が挙げられる。
アミノプロピオン酸系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
アミノ酸系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノ脂肪酸塩、ステアリルアミノ脂肪酸塩、ミリスチルアミノ脂肪酸塩等が挙げられる。
これらの両性界面活性剤としては、洗浄力及び泡立ち性により優れることから、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤が好ましく、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムがより好ましい。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力及び泡立ち性をより高められる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、泡の付着性をより良好にできる。
<(C)成分>
(C)成分は、下記式(c1)で表されるノニオン界面活性剤である。
液体洗浄剤は、(C)成分を含有することで、泡立ち性をより高められる。加えて、液体洗浄剤は、(A)成分と(C)成分とを併用することで、泡の付着性をより良好にできる。
Figure 2024084979000007
[式(c1)中、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均繰返し数を表す8~12の数であり、jとkはそれぞれ1~6の整数であり、6≦(j+k)≦12である。]
mは、8~10が好ましく、9~10がより好ましい。mが上記数値範囲内であると、泡の付着性をより良好にできる。なお、ここでのmは、EOの平均繰返し数を表している。従って、式(c1)で表されるノニオン界面活性剤は、EOの繰返し数が単一の化合物でもよいし、EOの繰返し数が異なる分子の集合体でもよい。
jとkはそれぞれ1~6の整数であり、6≦(j+k)≦12である。中でも、泡の付着性をより良好にできることから、6≦(j+k)≦10が好ましく、6≦(j+k)≦8がより好ましく、j+k=8がさらに好ましい。
式(c1)において、C2j+1、C2k+1としては、それぞれ直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、直鎖のアルキル基が好ましい。C2j+1、C2k+1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好適なものとして挙げられる。中でも、C2j+1、C2k+1としては、エチル基とブチル基との組合せ、プロピル基とペンチル基との組合せ(以上、いずれの組合せも一方がどちらの基であってもよい)が好ましく、プロピル基とペンチル基との組合せ(一方がどちらの基であってもよい)が特に好ましい。
(C)成分としては、ガーベット反応による2分子縮合で得られ、β位に分岐構造を有するアルコールのエチレンオキシド付加物が特に好適なものとして挙げられる。
好適な(C)成分としては、例えば、BASF社製のポリオキシエチレンモノ(2-プロピルへプチル)エーテルが挙げられる。具体的には、Lutensol XP90(商品名、式(c1)における、j=5、k=3、m=9の化合物)、Lutensol XP100(商品名、式(c1)における、j=5、k=3、m=10の化合物)が挙げられる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、1~20質量%が好ましく、2~12質量%がより好ましく、4~8質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、泡立ち性をより高められる。加えて、(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、洗浄力をより高められる。
液体洗浄剤において、((A)成分の含有量)/((B)成分の含有量)で表される質量比(以下、「(A)/(B)比」ともいう。)は、0.05~1.0が好ましく、0.2~0.8がより好ましい。(A)/(B)比が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められる。加えて、(A)/(B)比が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。(A)/(B)比が上記上限値以下であると、ゲル化を抑制でき、液体安定性をより高められる。
液体洗浄剤において、((A)成分の含有量)/((C)成分の含有量)で表される質量比(以下、「(A)/(C)比」ともいう。)は、0.05~1.0が好ましく、0.2~0.9がより好ましく、0.2~0.45がさらに好ましい。(A)/(C)比が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められる。加えて、(A)/(C)比が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。(A)/(C)比が上記上限値以下であると、泡立ち性をより高められる。
<(D)成分>
(D)成分は、炭素数8~24の脂肪酸又はその塩である。すなわち、(D)成分は、高級脂肪酸又はその塩、いわゆる石鹸である。
液体洗浄剤は、(D)成分を含有することで、泡切れ性(泡を消えやすくすること)を高め、泡の付着性をより良好にできる。
(D)成分は、鎖状モノカルボン酸が好ましい。
(D)成分としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸等の単一脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸等が挙げられる。
(D)成分の炭素数は、8~18が好ましく、10~16がより好ましい。(D)成分の炭素数が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。(D)成分の炭素数が上記上限値以下であると、洗浄力をより高められる。
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~2.0質量%が好ましく、0.1~1.0質量%がより好ましく、0.1~0.7質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、泡の付着性をより良好にできる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、泡立ち性をより高められる。
<任意成分>
液体洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、食器用液体洗浄剤組成物に通常用いられる成分が挙げられる。任意成分としては、例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、水、水混和性有機溶剤、表面改質剤、ハイドロトロープ剤、防腐剤、pH調整剤、漂白成分、金属捕捉成分、ラジカルトラップ剤、香料等が挙げられる。
任意界面活性剤としては、例えば、(A)成分を除くアニオン界面活性剤、(C)成分を除くノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等が挙げられる。
(A)成分を除くアニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩、直鎖アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩等が挙げられる。
(A)成分を除くアニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8~16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、直鎖アルキル基の炭素数10~14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩がより好ましい。
α-オレフィンスルホン酸又はその塩としては、炭素数10~20のα-オレフィンスルホン酸又はその塩が好ましい。
直鎖アルキル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8~18の直鎖アルキル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシ基(EO)を付加したものが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、例えば、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(4)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(4)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩等が挙げられる。
ここで、例えば、「ポリオキシエチレン(1)」とは、エチレンオキシ基の平均繰返し数が1(エチレンオキシドの平均付加モル数が1)であることを意味する。
「アルキル(C12)」とは、アルキル基の炭素数が12であることを意味する。
「C12/14=75/25;天然油脂由来」とは、炭素数12の直鎖アルキル基を有する化合物と、炭素数14の直鎖アルキル基を有する化合物と、の質量比で75/25の混合物であること、及び天然油脂由来の直鎖のアルキル基であることを意味する。
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシ基(EO)を付加したもの、さらに平均0~6モルのプロピレンオキシ基(PO)を付加したもの(即ち、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルケニルエーテル硫酸塩)が好ましい。
α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のα-スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、市場において容易に入手することができる。また、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
(C)成分を除くノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジ(ステアロイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ(ステアロイルオキシイソプロピル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシイソプロピル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシブチル)ジメチルアンモニウムクロライド、ジ(ステアロイルオキシエチル)メチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、トリ(ステアロイルオキシエチル)メチルメトサルフェート等が挙げられる。なお、「牛脂アルキル」基の炭素数は14~18である。
液体洗浄剤が任意界面活性剤を含有する場合、任意界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~3.0質量%が好ましい。
任意界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤は、取扱いのしやすさ、泡の付着性をより良好にできることから、溶媒として水を含有することが好ましい。
水の含有量は、特に限定されないが、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、50~99質量%が好ましく、70~99質量%がより好ましい。
水混和性有機溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、ポリグリコール類、アルキルエーテル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等が挙げられる。
グリコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
ポリグリコール類としては、例えば、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
アルキルエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等が挙げられる。
本明細書において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含有する場合、水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~3.0質量%が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤は、泡の付着性をより良好にする観点から、表面改質剤を含有してもよい。表面改質剤としては、例えば、カチオン化セルロースが挙げられる。
カチオン化セルロースとしては、例えば、ヒドロキシトリメチルアンモニオプロピルヒドロキシエチルセルロースクロリド、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体等のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
液体洗浄剤が表面改質剤を含有する場合、表面改質剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~1.0質量%が好ましい。
表面改質剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイドロトロープ剤としては、例えば、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩等が挙げられる。
ハイドロトロープ剤において、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩は、それぞれo体、m体、p体の3異性体のいずれでもよい。
液体洗浄剤がハイドロトロープ剤を含有する場合、ハイドロトロープ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.1~1.0質量%が好ましい。
ハイドロトロープ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
防腐剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物が挙げられる。具体的には、ベンズイソチアゾリノン(1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン)、メチルイソチアゾリノン(2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)、ブチルベンズイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノン、ジクロロオクチルイソチアゾリノン等が挙げられる。
液体洗浄剤が防腐剤を含有する場合、防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、例えば、0.0002~0.01質量%(2~100質量ppm)が好ましい。
防腐剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
pH調整剤としては、例えば、無機アルカリ剤、有機アルカリ剤等が挙げられる。
無機アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
有機アルカリ剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン等のアミン化合物等が挙げられる。
なお、液体洗浄剤のpHが高すぎる場合には、pH調整剤として、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等のカルボン酸等の酸を用いてもよい。
なお、液体洗浄剤に含まれる全ての成分の含有量の合計が、100質量%となるものとする。
<物性>
液体洗浄剤の25℃におけるpHは、例えば、6~8が好ましい。
液体洗浄剤の25℃におけるpHは、JIS Z8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値である。
液体洗浄剤の25℃における粘度は、例えば、10~200mPa・sが好ましく、50~150mPa・sがより好ましい。粘度が上記下限値以上であると、容器の注ぎ口からの液だれを良好に抑制できる。粘度が上記上限値以下であると、容器から液体洗浄剤をより容易に吐出できる。
液体洗浄剤の25℃における粘度は、水の含有量、増粘剤の添加等により調整できる。
液体洗浄剤の25℃における粘度は、測定対象を25℃とし、B型粘度計を用いて、ローター番号No.1、ローター回転数60rpmで、ローターの回転の開始から60秒後に測定される値である。
[液体洗浄剤の製造方法]
本発明の液体洗浄剤は、例えば、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて(D)成分又は任意成分とを水に溶解し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整することによって製造できる。
[使用方法]
液体洗浄剤の使用方法(すなわち、食器の洗浄方法)を以下に説明する。
食器を洗浄する方法としては、例えば、任意の量の液体洗浄剤を洗浄具に付着させ、この洗浄具を用いて洗浄対象を擦り洗いする(擦り洗い操作)方法が挙げられる。
洗浄具に付着させる液体洗浄剤の量は、例えば、1~10gである。
洗浄対象は、皿、箸、スプーン等の食器が挙げられる。また、洗浄対象は、鍋、包丁等の調理器具でもよい。本明細書において、食器及び調理器具を総じて、「食器」と称する。
本発明の液体洗浄剤は、泡の付着性が良好である(洗浄対象に付着した泡を容易に流し落とせる)ため、擦り洗い操作の後、洗浄対象を傾けることで、洗浄対象に付着している泡を落とすことができる。このため、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる。その結果、食器を洗浄する際の水量をより削減できる。
なお、洗浄対象に泡が残る場合は、液体洗浄剤を含有しない浄水(すすぎ水)で洗い流してもよい(すすぎ操作)。本発明の液体洗浄剤は、泡の付着性が良好であるため、仮に洗浄対象に泡が残ったとしても、少量のすすぎ水、あるいは、少ないすすぎ回数で、洗浄対象に付着した泡を速やかに流し落とせる。
また、食器を洗浄する方法としては、例えば、液体洗浄剤を水に分散して洗浄液とし、洗浄液に洗浄対象を任意の時間(浸漬時間)で浸漬する(浸漬操作)方法(浸漬法)が挙げられる。
洗浄液の総量に対する液体洗浄剤の含有量は、例えば、0.01~50質量%(すなわち、2~10000倍希釈)が好ましく、0.05~20質量%がより好ましく、0.1~5質量%がさらに好ましい。
浸漬法における浸漬時間は、洗浄対象の汚れの程度等を勘案して決定され、例えば、5分間以上が好ましく、5分間~10時間がより好ましく、5分間~1時間、15分間~1時間がさらに好ましい。浸漬時間が上記下限値以上であると、洗浄力のさらなる向上を図れる。浸漬時間が上記上限値以下であると、食器の洗浄時間が過剰に長くなるのを防止できる。
浸漬操作においては、必要に応じて、洗浄液内で又は洗浄液から取り出して、洗浄対象を洗浄具で擦り洗いしてもよい。洗浄具としては、例えば、スポンジ、刷子等が挙げられる。
任意の時間、洗浄対象を洗浄液に浸漬し、次いで、洗浄液から洗浄対象を取り出す。本発明の液体洗浄剤は、泡の付着性が良好であるため、浸漬操作の後、取り出した洗浄対象を傾けることで、洗浄対象に付着している泡を落とすことができる。このため、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる。その結果、食器を洗浄する際の水量をより削減できる。
洗浄液を利用することで、洗浄対象に付着した泡をより良好に流し落とせる。
なお、洗浄対象に泡が残る場合は、すすぎ操作を施してもよい。
以上説明した本発明の液体洗浄剤は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有し、(A)成分の含有量が特定量であるため、高い洗浄力と泡立ち性とを有し、洗浄後は洗浄対象物に付着した泡が簡単に流れ落ち、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できる。このため、食器を洗浄する際の水量をより削減できる。かかる理由は以下のように考えられる。
(A)成分は、第二級炭素を有する嵩高い化合物である。このため、陶器等の滑りやすい表面を有する洗浄対象に付着しにくく、水を用いなくても自重で泡が流れ落ちるものと考えられる。同様に、(B)成分、(C)成分も分岐鎖を有する嵩高い化合物であり、洗浄対象に付着しにくく、水を用いなくても自重で泡が流れ落ちるものと考えられる。
さらに、(A)/(B)比、(A)/(C)比を調整することで、洗浄力、泡立ち性、泡の付着性のバランスを調整し、本発明の効果をより奏することが可能となる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、評価方法は、以下の通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
・A-1:二級AES(3EO)、タイポールSFES-326(商品名)、泰光油脂化学工業株式会社製、第二級アルコール(EO平均3モル付加)硫酸エステルナトリウム、第二級アルコールの炭素数は12~14、ナロー率78.5%。
・A-2:二級AES(7EO)、タイポールSFES-733(商品名)、泰光油脂化学工業株式会社製、第二級アルコール(EO平均7モル付加)硫酸エステルナトリウム、第二級アルコールの炭素数は12~14、ナロー率67.8%。
・A-3:スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルナトリウム、リパール(登録商標)870P(商品名)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、式(a2)中、R及びRが2-エチルヘキシル基、Mがナトリウム、x=0、y=0の化合物。
<(A’)成分((A)成分の比較成分)>
・A’-1:直鎖AES、下記合成方法により合成されたもの。
・A’-2:モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキル基の炭素数12~14、コハクール(登録商標)L-400(商品名)、東邦化学工業株式会社製。
(A’-1の合成方法)
4Lオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名「CO1270アルコール(C12/C14=75%/25%、質量比)」400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとをそれぞれ仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、エチレンオキシド91gを導入し、反応させた。得られたポリオキシアルキレンエーテルのエチレンオキシドの平均付加モル数は1であった。
次いで、得られたポリオキシアルキレンエーテルのエチレンオキシド237gを攪拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換した後、液体無水硫酸(サルファン(登録商標)、日曹エンジニアリング(株)製)96gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、攪拌を1時間続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、得られたポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、A’-1を得た。
<(B)成分>
・B-1:n-ドデシルジメチルアミンオキシド(AX)、カデナックス(登録商標)DM12D-W(商品名)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、アルキルジメチルアミンオキシド型の半極性界面活性剤。
・B-2:ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、エナジコール(登録商標)DP-30(商品名)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤。
<(C)成分>
・C-1:ポリオキシエチレンモノ(2-プロピルへプチル)エーテル(EO10)、Lutensol XP100(商品名)、BASFジャパン株式会社製、式(c1)中、m=10、j=3、k=5の化合物。
<(C’)成分((C)成分の比較成分)>
・C’-1:AE(15EO)、ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、LMAO-90(商品名)、ライオンケミカル株式会社製、炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=75:25)を有し、オキシエチレン基(EO)の平均繰返し数が15の化合物。
<(D)成分>
・D-1:パルミチン酸、富士フイルム和光純薬株式会社製。
・D-2:ミリスチン酸、富士フイルム和光純薬株式会社製。
・D-3:ヤシ油脂肪酸、椰子脂肪酸(製品名)、日油株式会社製。
<任意成分>
・LAS:アニオン界面活性剤、炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ライポン(登録商標)LH-200(商品名)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製。
・PPG 4000:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコール(登録商標)T-4000(商品名)、三井化学株式会社製、質量平均分子量4000。
・CC:カチオン化セルロース、UCARE JR125(商品名)、ダウ・ケミカル社製。
・GE:グリコールエーテル溶剤、水混和性有機溶剤、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルジグリコール(製品名)、日本乳化剤株式会社製。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム、48%水酸化ナトリウム溶液(製品名)、関東化学株式会社製。
・水:精製水。
[評価方法]
<泡立ち性の評価>
食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)(商品名)、115mm×75mm×30mm)に、25℃の水道水38gと各例の液体洗浄剤2gとを採り、手で10回揉んだ後の泡の立ち具合を目視で確認し、以下の点数をつけ、下記評価基準に基づいて泡立ち性を評価した。
《点数》
5+点:泡がスポンジの表面積全体(100%)を覆いつくし、かつ5点のものよりも泡の量が多い。
5点:泡がスポンジの表面積全体(100%)を覆いつくす。
4点:泡がスポンジの表面積の80%以上100%未満を覆う。
3点:泡がスポンジの表面積の50%以上80%未満を覆う。
2点:泡がスポンジの表面積の30%以上50%未満を覆う。
1点:泡立たない(スポンジの表面積の30%未満)。
《評価基準》
◎:上記点数が5+点。
○:上記点数が5点。
×:上記点数が4点以下。
<洗浄力の評価>
食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)(商品名))に、25℃の水道水38gと各例の液体洗浄剤2gとを採り、手で10回揉んだ。このスポンジを用いて、牛脂1gを内側の全面に均一に塗り拡げたポリプロピレン製の食品容器(岩崎工業(株)製、NEOキーパーM(商品名)、870mL、127mm×179mm×55mm)の内側の底面を10回、内側の各側面を10回、各四隅を5回手で擦って洗った。水道水ですすいだ後の食品容器の内側の表面の状態とスポンジの油残りの状態とを手で触った官能評価を行い、以下の点数をつけ、下記評価基準に基づいて洗浄力を評価した。
《点数》
5点:食品容器のいずれの部位を触っても油の残留によるヌルつきは全くなく、スポンジの油残りも感じられない。
4+点:食品容器の側面及び四隅の一部分に油の残留によるヌルつきが残っているが、スポンジの油残りは感じられない。
4点:食品容器の側面又は四隅に油の残留によるヌルつきが残っているが、スポンジの油残りは感じられない。
3点:食品容器の内側の全面に油の残留によるヌルつきが感じられるが、スポンジの油残りは感じられない。
2点:食品容器の内側の全面に油の残留によるヌルつきが感じられ、スポンジの表面積の0%超50%以下に油残りが目視で認められる。
1点:食品容器の内側の全面に油の残留によるヌルつきが感じられ、スポンジの表面積の50%超100%以下に油残りが目視で認められる。
《評価基準》
◎:上記点数が5点。
○:上記点数が4+点。
△:上記点数が4点。
×:上記点数が3点以下。
<泡の付着性の評価>
陶器製の円形の皿(直径240mm)に1gの水道水を滴下し、皿の表面全体を濡らした。各例の液体洗浄剤を水道水で5質量%に希釈した洗浄液をキレイキレイ(登録商標)ポンプフォーマー(250mL)に充填し、3プッシュ分の泡を皿の中央に横並びで等間隔に載せた。皿を垂直に傾けて、5秒後の皿の上に残った泡の残量(質量)を測定し、下記式(i)により皿の泡残量率(%)を算出し、下記評価基準に基づいて泡の付着性を評価した。
皿の泡残量率(%)=泡の残量(g)/(水道水1g+皿に滴下した泡の質量(g))×100 ・・・(i)
《評価基準》
◎:皿の泡残量率が10%未満。
○:皿の泡残量率が10%以上20%未満。
△:皿の泡残量率が20%以上30%未満。
×:皿の泡残量率が30%以上。
[実施例1~27、比較例1~11]
表1~6に示す食器用液体洗浄剤組成物(液体洗浄剤)1000gを下記の手順で調製した。
1Lビーカーに(A)成分、PPG4000、CC、水を500g入れ、マグネチックスターラー(Fine社製、「F-606N」)で攪拌した。続いて、(B)成分、(C)成分、(D)成分、他の任意成分を加え、混合した。その後、25℃でのpHが7.8になるように、必要に応じpH調整剤を適量添加した後、全体量が100質量%になるように残りの水を入れ、さらによく攪拌し、各例の液体洗浄剤を得た。
液体洗浄剤のpH(25℃)は、液体洗浄剤を25℃に調温し、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM-30G」)を用い、ガラス電極を液体洗浄剤に直接に浸漬し、1分間経過後に示すpHを測定した。測定方法は、JIS Z8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
なお、表中の配合量(質量%)は純分換算値である。また、表中「-」は、その成分を含有しないことを意味する。pH調整剤の配合量「適量」は、液体洗浄剤をpH7.8にするのに必要な量である。水の配合量「バランス」は、液体洗浄剤の総量を100質量%とするのに必要な量である。
各例の液体洗浄剤について、泡立ち性、洗浄力、泡の付着性を評価し、その結果を表中に示す。
Figure 2024084979000008
Figure 2024084979000009
Figure 2024084979000010
Figure 2024084979000011
Figure 2024084979000012
Figure 2024084979000013
表1~6に示すように、本発明を適用した実施例1~27は、泡立ち性、洗浄力、泡の付着性の評価がいずれも「◎」~「△」であった。
これに対し、(A)成分を欠く比較例1は、洗浄力及び泡の付着性の評価が「×」だった。(B)成分を欠く比較例2は、洗浄力の評価が「×」だった。(C)成分を欠く比較例3~4は、泡立ち性及び洗浄力の評価が「×」だった。(A)成分に代えて(A’)成分を用いた比較例5及び7は、泡の付着性の評価が「×」だった。(A)成分に代えて(A’)成分を用いた比較例6は、洗浄力及び泡の付着性の評価が「×」だった。(A)成分に代えて(A’)成分を用いた比較例8は、全ての評価が「×」だった。(C)成分に代えて(C’)成分を用いた比較例9及び10は、泡立ち性及び泡の付着性の評価が「×」だった。(A)成分の含有量が本発明の範囲外である比較例11は、泡の付着性の評価が「×」だった。
これらの結果から、本発明によれば、高い洗浄力と泡立ち性とを有し、洗浄後は洗浄対象物に付着した泡が簡単に流れ落ち、洗浄対象物上の泡を水で洗い流す工程を省略できることが分かった。

Claims (4)

  1. (A)成分:下記式(a1)で表される第2級アルキルエーテル硫酸エステル塩及び下記式(a2)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上と、
    (B)成分:半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上と、
    (C)成分:下記式(c1)で表されるノニオン界面活性剤と、を含有し、
    前記(A)成分の含有量が、食器用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上5.0質量%未満である、食器用液体洗浄剤組成物。
    Figure 2024084979000014
    [式(a1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、Rの炭素数とRの炭素数との合計は7~21であり、ROは炭素数2~5のオキシアルキレン基を表し、nはROの平均繰り返し数を表す1~20の数であり、Mは対イオンを表す。]
    Figure 2024084979000015
    [式(a2)中、Rは、炭素数5~18のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~18のアルキル基を表す。A、Aは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、x、yは、平均繰り返し数を表し、それぞれ独立に0~6であり、Mは陽イオンを表す。]
    Figure 2024084979000016
    [式(c1)中、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均繰返し数を表す8~12の数であり、jとkはそれぞれ1~6の整数であり、6≦(j+k)≦12である。]
  2. (D)成分:炭素数8~24の脂肪酸又はその塩、をさらに含有する、請求項1に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
  3. (前記(A)成分の含有量)/(前記(B)成分の含有量)で表される質量比が0.1~1.0である、請求項1又は2に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
  4. (前記(A)成分の含有量)/(前記(C)成分の含有量)で表される質量比が0.1~1.0である、請求項1又は2に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
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