JP2024082776A - 硬化性重合体、硬化性組成物、プリプレグ、積層体、金属張積層板および配線基板 - Google Patents

硬化性重合体、硬化性組成物、プリプレグ、積層体、金属張積層板および配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波条件における誘電正接(Df)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高い樹脂を得ることが可能な硬化性重合体の提供。【解決手段】1種以上の下式で表される構造単位(UX)を含む単独重合体または共重合体であり、プリプレグ、金属張積層板または配線基板の製造用である。TIFF2024082776000038.tif4235(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、水酸基または有機基である。ベンゼン環は上記以外の置換基を有していてもよい。nは0以上の整数である。)【選択図】図1

Description

本開示は、硬化性重合体、硬化性組成物、プリプレグ、積層体、金属張積層板および配線基板に関する。
電気機器および電子機器等の用途に、配線基板(プリント配線板とも言う。)が使用される。配線基板は例えば、以下のようにして、製造できる。硬化性重合体、および必要に応じて、難燃剤および無機充填材(フィラーとも言う。)等の添加剤を含む硬化性組成物を繊維基材に含浸させ、硬化性組成物を(半)硬化させて、プリプレグを作製する。1つ以上のプリプレグを一対の金属箔で挟み、得られた第1の仮積層体を加熱加圧して、金属張積層板を作製する。この金属張積層板の最表面にある金属箔を用いて、配線等の導体パターン(回路パターンとも言う。)を形成する。最表面の金属箔は、第1の仮積層体の片面側にのみ配置してもよい。
得られた配線基板に対してさらに、1つ以上のプリプレグを重ね、これを一対の金属箔で挟み、得られた第2の仮積層体を加熱加圧し、最表面にある金属箔を用いて配線等の導体パターンを形成することで、多層配線基板(多層プリント配線板とも言う。)を製造できる。最表面の金属箔は、第2の仮積層体の片面側にのみ配置してもよい。
プリプレグの加熱加圧物は、繊維基材、樹脂および無機充填材等を含み、コンポジット基材とも呼ばれる。配線基板において、コンポジット基材は、絶縁層として機能する。
プリプレグに含まれる樹脂は硬化性組成物の(半)硬化物であり、コンポジット基材に含まれる樹脂は硬化性組成物の硬化物である。
特開平3-269436号公報
従来、配線基板の製造に用いられるプリプレグ用の硬化性重合体としては、両末端に重合性官能基を有する変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマー(後記式(PPE-o)を参照されたい。)が広く用いられている。
近年、携帯用電子機器等の用途では、通信の高速化と大容量化が進み、信号の高周波化が進んでいる。この用途に用いられる配線基板には、高周波領域での伝送損失の低減が求められる。伝送損失には、主に金属箔の表面抵抗に起因する導体損失と、コンポジット基材の誘電正接(D)に起因する誘電損失とがある。このため、上記用途に用いられる配線基板のコンポジット基材に含まれる樹脂には、高周波領域での誘電損失の低減が求められる。一般的に、誘電正接(D)は周波数に依存し、同じ材料であれば、周波数が高くなる程、誘電正接(D)が大きくなる傾向がある。コンポジット基材に含まれる樹脂は、高周波条件における誘電正接(D)が低いことが好ましい。
上記変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマーの硬化物であるポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂の10GHzにおける誘電正接(D)は、0.002~0.003程度である。
今後、通信の高速化と大容量化は益々進むと考えられ、コンポジット基材に含まれる樹脂の高周波条件における誘電正接(D)をより低減できる材料が必要になると考えられる。
配線基板は、比較的高温の環境下で使用される場合がある。この場合でも、配線基板の信頼性を確保するために、プリプレグおよびコンポジット基材に含まれる樹脂は、充分な高さのガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。
本発明者らは、主鎖に極性原子である酸素原子を含むPPE樹脂よりも、主鎖に極性原子を含まない樹脂では、高周波条件における誘電正接(D)をより低減できると考えて材料開発を行った。その結果、配線基板の製造に用いられるプリプレグ用として好適で、高周波条件における誘電正接(D)のより低い樹脂を得ることが可能な硬化性重合体を発明した。この硬化性重合体を含む硬化性組成物を用いて得られるコンポジット基材は、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高く、高周波領域で用いられる配線基板用として良好な特性を有することが分かった。
本開示の関連技術として、特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、下式(1)で示される共重合体を主成分とするネガ型レジスト材料が開示されている(請求項1)。
Figure 2024082776000002
(式中、Rの共重合成分はクロロメチルスチレンまたはグリシジルメタクリレートを示し、Rはメチル基、アリル基、ビニル基を示し、Kは0以上の整数、lは1以上の整数を示し、K/lは0~0.5を示す。mは0~3、nは1~3の整数を示す。)
特許文献1には、プリプレグ、金属張積層板、および配線基板の用途について記載がなく、誘電特性についても記載がない。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高い樹脂を得ることが可能な硬化性重合体およびこれを含む硬化性組成物の提供を目的とする。
本開示は、以下の硬化性重合体、硬化性組成物、プリプレグ、積層体、金属張積層板および配線基板を提供する。
[1] 1種以上の下式で表される構造単位(UX)を含む単独重合体または共重合体であり、プリプレグ、金属張積層板または配線基板の製造用である、硬化性重合体。
Figure 2024082776000003
(上式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基または有機基である。ベンゼン環は上記以外の置換基を有していてもよい。nは0以上の整数である。)
[2] RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1~18のアルキル基、または、置換基を有していてもよいフェニル基である、[1]の硬化性重合体。
[3] nは、1~18である、[1]または[2]の硬化性重合体。
[4] 1種以上の構造単位(UX)と1種以上のモノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY)とを含む共重合体である、[1]~[3]のいずれかの硬化性重合体。
[5] 全構造単位の総量100mol%に対する、1種以上の構造単位(UX)の含有量が1~90mol%である、[4]の硬化性重合体。
[6] [1]~[5]のいずれかの硬化性重合体を含む、硬化性組成物。
[7] さらに、1つ以上の重合性官能基を有する他の硬化性化合物を含む、[6]の硬化性組成物。
[8] 繊維基材と、[6]または[7]の硬化性組成物の半硬化物または硬化物とを含む、プリプレグ。
[9] 基材と、[6]または[7]の硬化性組成物からなる硬化性組成物層とを含む、積層体。
[10] 基材と、[6]または[7]の硬化性組成物の半硬化物または硬化物を含む(半)硬化物含有層とを含む、積層体。
[11] [6]または[7]の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを含む、金属張積層板。
[12] [6]または[7]の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、配線とを含む、配線基板。
本開示によれば、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高い樹脂を得ることが可能な硬化性重合体およびこれを含む硬化性組成物を提供できる。
本発明に係る第1の実施形態の金属張積層板の模式断面図である。 本発明に係る第2の実施形態の金属張積層板の模式断面図である。 本発明に係る一実施形態の配線基板の模式断面図である。
本明細書において、(半)硬化は、半硬化および硬化の総称である。
本明細書において、特に分けて記載しない限り、「配線基板」は、多層配線基板を含むものとする。
本明細書において、特に明記しない限り、「重合体」は、単独重合体および共重合体を包含する。
本明細書において、特に明記しない限り、「炭素数が3以上のアルキル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
本明細書において、特に明記しない限り、異性体が存在する化合物は、すべての異性体を包含する。
本明細書において、特に明記しない限り、「重量平均分子量(Mw)」はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により求められる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量であり、「数平均分子量(Mn)」はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により求められるポリスチレン換算の数平均分子量である。
本明細書において、化学式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。
本明細書において、「高周波領域」は、周波数1GHz以上の領域と定義する。
本明細書において、特に明記しない限り、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[硬化性重合体]
本開示の硬化性重合体は、1種以上の下式で表される構造単位(UX)を含む単独重合体または共重合体である。
本開示の硬化性重合体は、プリプレグ、金属張積層板または配線基板の製造用の硬化性重合体である。
Figure 2024082776000004
(UX)
上式は、式(UX)とも言う。
式(UX)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基または有機基である。有機基は、酸素原子等の極性原子を含まないことが好ましい。ベンゼン環は、下式で表される置換基(SX)以外の置換基を有していてもよい。nは0以上の整数である。
Figure 2024082776000005
(SX)
本開示の硬化性重合体の第1態様は、構造単位として、1種以上の構造単位(UX)のみを含む単独重合体または共重合体である。
本開示の硬化性重合体の第2態様は、1種以上の構造単位(UX)と1種以上の上記以外の他の構造単位とを含む共重合体である、
上記第2態様において、本開示の硬化性重合体の硬化物のガラス転移温度(Tg)の向上の観点から、上記以外の他の構造単位としては、モノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY)が好ましい。
モノビニル芳香族化合物としては、芳香環に1つの重合性ビニル基が連結した構造を含む化合物である。重合性ビニル基は、芳香環の置換基であってもよいし、芳香環に縮環したシクロペンタジエン環に含まれるビニル基であってもよい。
例えば、スチレンおよびビニルナフタレン;メチルスチレン、エチルスチレン、およびt-ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン;核アルキル置換ビニルナフタレン;その他の核アルキル置換芳香族ビニル化合物;ジメチルスチレン等の核ジアルキル置換スチレン;その他の核ジアルキル置換芳香族ビニル化合物;α-メチルスチレン等のα-アルキル置換スチレン;その他のα-アルキル置換芳香族ビニル化合物;β-メチルスチレン等のβ-アルキル置換スチレン;その他のβ-アルキル置換芳香族ビニル化合物;インデン、アセナフチレン;これらの置換体および変性体等の誘導体;等が挙げられる。
モノビニル芳香族化合物が構造異性体を有する場合、オルト体、メタ体、パラ体のいずれを用いてもよい。
構造単位(UY)としては、下式(UY-1)~(UY-5)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2024082776000006
(UY-1)
Figure 2024082776000007
(UY-2)
Figure 2024082776000008
(UY-3)
Figure 2024082776000009
(UY-4)
Figure 2024082776000010
(UY-5)
本発明者らが検討したところ、本開示の硬化性重合体を用いることで、硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件における誘電正接(D)を効果的に低減できることが分かった。
本開示の硬化性重合体において、全構造単位の合計量100mol%に対する1種以上の構造単位(UX)の含有量は特に制限されない。本発明者らが検討したところ、構造単位(UX)の含有量以外を共通条件として比較した場合、構造単位(UX)の含有量が多くなると、硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)が高くなる傾向があることが分かった。
構造単位として、1種以上の構造単位(UX)のみを含む単独重合体または共重合体よりも、1種以上の構造単位(UX)と1種以上の他の構造単位(好ましくは、モノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY))とを含む共重合体の方が、硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)を効果的に低減できる傾向がある。
硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)を効果的に低減できることから、本開示の硬化性重合体は、1種以上の構造単位(UX)と1種以上のモノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY)とを含む共重合体であることが好ましい。
硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)を効果的に低減できることから、本開示の硬化性重合体において、全構造単位の合計量100mol%に対する1種以上の構造単位(UX)の含有量は、好ましくは1~90mol%、より好ましくは5~80mol%、特に好ましくは5~70mol%、最も好ましくは10~50mol%である。
本開示の硬化性重合体に含まれる構造単位(UX)において、RおよびRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または、置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましい。
硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)をより効果的に低減できることから、RおよびRは、酸素原子等の極性原子を含まないことが好ましい。
および/またはRがアルキル基である場合、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、直鎖状であることが好ましい。
および/またはRがアルキル基である場合、原料単量体の合成容易性等の観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは1~18、より好ましくは1~12、特に好ましくは1~8である。
および/またはRが置換基を有していてもよいフェニル基である場合、硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)をより効果的に低減できる傾向がある。これは、Rおよび/またはRが置換基を有していてもよいフェニル基である場合、電位がかかっても、硬化性重合体を(半)硬化して得られる高分子の分子運動が効果的に抑制されるためと、考えられる。
ただし、Rおよび/またはRが置換基を有していてもよいフェニル基である場合、硬化性重合体を単独で硬化した場合に得られる樹脂が硬く脆く、プリプレグ、金属張積層板または配線基板用として実用的でない場合がある。この場合、適切な他の硬化性化合物を併用することで、得られる樹脂の脆さを、プリプレグ、金属張積層板または配線基板用として実用的なレベルに改善できる。
本開示の硬化性重合体に含まれる構造単位(UX)において、ベンゼン環上の置換基(SX)の置換位置としては、オルト位、メタ位およびパラ位があり、いずれでもよい。原料単量体の合成容易性および本開示の硬化性重合体の合成容易性等の観点から、上記置換位置はパラ位であることが好ましい。
構造単位(UX)中のベンゼン環は、上記置換基(SX)以外の他の置換基を有していてもよい。ベンゼン環が有していてもよい他の置換基としては例えば、炭素数1~18のアルキル基およびアリール基が挙げられ、原料入手性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基およびトリル基が好ましい。式(UX)中のベンゼン環は、上記置換基(SX)以外の置換基を有さないことが好ましい。
構造単位(UX)において、nは0以上の整数であり、好ましくは1~18、より好ましくは1~12、特に好ましくは1~8である。
本開示の硬化性重合体は、熱硬化性でも活性エネルギー線硬化性でもよい。活性エネルギー線硬化性重合体は、紫外線および電子線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する重合体である。金属張積層板および配線基板等の用途では、熱硬化性が好ましい。
構造単位として1種以上の構造単位(UX)のみを含む第1態様の硬化性重合体は、下式で表される1種以上の単量体(MX)を単独重合または共重合することで、製造できる。換言すれば、第1態様の硬化性重合体は、1種以上の単量体(MX)の単独重合体または共重合体である。
1種以上の構造単位(UX)と1種以上の他の構造単位とを含む第2態様の硬化性重合体は、下式で表される1種以上の単量体(MX)と、これと共重合可能な1種以上の他の単量体(好ましくは1種以上のモノビニル芳香族化合物)とを共重合することで、製造できる。換言すれば、第2態様の硬化性重合体は、1種以上の単量体(MX)と、これと共重合可能な1種以上の他の単量体(好ましくは1種以上のモノビニル芳香族化合物を含む1種以上の他の単量体)との共重合体である。
Figure 2024082776000011
(MX)
上式は、式(MX)とも言う。
式(MX)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基または有機基である。有機基は、酸素原子等の極性原子を含まないことが好ましい。ベンゼン環は上記以外の置換基を有していてもよい。nは0以上の整数である。好ましいR、好ましいR、および好ましいnは、式(UX)と同様である。
重合方法としては、連鎖重合等が好ましい。連鎖重合としては、カチオン重合、アニオン重合およびラジカル重合等が挙げられ、カチオン重合等が好ましい。
単量体(MX)は、クロロメチルスチレン(CMS)等のクロロアルキルスチレンを出発原料とし、公知方法により合成できる。単量体(MX)は、好ましくは、クロロメチルスチレン(CMS)を出発原料として得られるCMS変性体である。
以下に、クロロメチルスチレン(CMS)を出発原料とした、単量体(MX)の合成の反応スキームと得られた単量体(MX)を用いた重合の反応スキームの一例を示す。この例では、単量体(MX)において、ベンゼン環上の置換基(SX)の置換位置がパラ位であり、n=1である。この例では、得られた単量体とモノビニル芳香族化合物であるスチレンとの共重合を示してある。
Figure 2024082776000012
本開示の硬化性重合体の具体例としては、下式(MC-11)~(MC-20)で表される共重合体が挙げられる。共重合体中の構造単位の配列は、交互配列、ブロック配列、およびランダム配列のいずれでもよい。
Figure 2024082776000013
(MC-11)
Figure 2024082776000014
(MC-12)
Figure 2024082776000015
(MC-13)
Figure 2024082776000016
(MC-14)
Figure 2024082776000017
(MC-15)
Figure 2024082776000018
(MC-16)
Figure 2024082776000019
(MC-17)
Figure 2024082776000020
(MC-18)
Figure 2024082776000021
(MC-19)
Figure 2024082776000022
(MC-20)
式(MC-11)~(MC-20)中のm、nは、各構造単位のモル数を示し、m>0、n>0である。これら式中のnは、式(MX)、(SX)中のnとは、無関係である。
mとnの合計mol数を100mol%としたとき、mのモル分率は、好ましくは1~90mol%、より好ましくは5~80mol%であり、nのモル分率は、好ましくは99~10mol%、より好ましくは95~20mol%である。
本開示の硬化性重合体の他の具体例としては、下式(MC-21)および(MC-22)で表される単独重合体が挙げられる。
Figure 2024082776000023
(MC-21)
Figure 2024082776000024
(MC-22)
式(MC-21)および(MC-22)中のmは、構造単位のモル数を示し、m>0である。mは、好ましくは5~250、より好ましくは10~200である。なお、これら式中のmは、式(MX)、(SX)中のmとは、無関係である。
本開示の硬化性重合体の他の具体例としては、上式(MC-21)と上式(MC-22)とを組合せた構造を有する共重合体が挙げられる。
本開示の硬化性重合体の分子量は、特に制限されない。数平均分子量(Mn)は、好ましくは1000~30000、より好ましくは5000~17000である。重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000~100000、より好ましくは10000~90000である。
本開示の硬化性重合体は、両末端に重合性官能基を有する変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマー等と異なり、主鎖が極性原子を含まない構造であることができる。
本開示の硬化性重合体は、極性原子を含まない、または、極性原子の少ない構造であることができる。本開示の硬化性重合体は、極性原子を含まないことが好ましい。
極性原子を含まない、または、極性原子の少ない本開示の硬化性重合体または本開示の硬化性重合体を用いることで、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減された樹脂を得ることができる。
[硬化性組成物]
本開示の硬化性組成物は、本開示の硬化性重合体を1種以上含む。
本開示の硬化性組成物は、必要に応じて、1つ以上の重合性官能基を有する他の硬化性化合物を1種以上含むことができる。
本開示の硬化性重合体は、分子構造によっては、単独で硬化した場合に得られる樹脂が硬く脆く、プリプレグ、金属張積層板または配線基板用として実用的でない場合がある。この場合、適切な他の硬化性化合物を併用することで、得られる樹脂の脆さを、プリプレグ、金属張積層板または配線基板用として実用的なレベルに改善できる。
本開示の硬化性重合体と適切な他の硬化性化合物とを併用することで、硬化性組成物の(半)硬化物のガラス転移温度(Tg)を向上できる場合がある。
本開示の硬化性組成物は、さらに必要に応じて、1種以上の任意成分を含むことができる。
本開示の硬化性組成物は、熱硬化性でも活性エネルギー線硬化性でもよい。金属張積層板および配線基板等の用途では、熱硬化性が好ましい。
他の硬化性化合物は、1つ以上の重合性官能基を有する単官能化合物でもよいし、2つ以上の重合性官能基を有する多官能化合物でもよい。
重合性官能基としては、例えば、重合性炭素-炭素不飽和結合を有する基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、カルボキシ基、スルホン酸基、酸クロライド基、および塩素原子等が挙げられる。重合性炭素-炭素不飽和結合を有する基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ジエニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、および(メタ)アクリルアミノ基等が挙げられる。
他の硬化性化合物としては、例えば、単独で硬化した場合に、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、炭化水素エラストマー、ベンゾオキサジン樹脂、活性エステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ブタジエン樹脂、水添または非水添スチレンブタジエン樹脂、ビニル系樹脂、シクロオレフィンポリマー、芳香族重合体、およびジビニル芳香族重合体等の樹脂となる硬化性化合物が挙げられる。
他の硬化性化合物の形態としては、モノマー、オリゴマーおよびプレポリマー等が挙げられる。
他の硬化性化合物としては、例えば、下式(PPE-o)で表され、両末端に重合性官能基を有する変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマー等が挙げられる。
Figure 2024082776000025
式(PPE-o)中のm、nは、式(MX)、(SX)、(MC-11)~(MC-22)中のm、nとは、無関係である。
式(PPE-o)の両端のXはそれぞれ独立に、下式(x1)または下式(x2)で表される基である。これら式中、「*」は酸素原子との結合手を示す。
Figure 2024082776000026
式(PPE-o)中、mは、好ましくは1~20、より好ましくは3~15であり、nは、好ましくは1~20、より好ましくは3~15である。
変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマーの数平均分子量(Mn)は特に制限されず、好ましくは1000~5000、より好ましくは1000~4000である。
硬化性化合物として、本開示の硬化性重合体と、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)オリゴマー等の主鎖が極性原子を含む他の硬化性化合物とを併用する場合も、硬化性化合物として、変性PPEオリゴマー等の極性原子を多く含む硬化性化合物のみを用いる場合に比較して、硬化性組成物の(半)硬化物に含まれる極性原子の量を低減できる。その結果、硬化性組成物の(半)硬化物の誘電正接(D)を効果的に低減できる。
硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件での誘電正接(D)を効果的に低減できることから、本開示の硬化性組成物において、1種以上の本開示の硬化性重合体と1種以上の他の硬化性化合物との総量100質量部に対して、1種以上の本開示の硬化性重合体の含有量は、好ましくは20~100質量部、より好ましくは30~100質量部、特に好ましくは50~100質量部、最も好ましくは70~100質量部である。
硬化性組成物は、1種以上の重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物、その他の公知の重合開始剤、およびこれらの組合せを用いることができる。具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイドおよびアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
硬化性組成物は必要に応じて、1種以上の添加剤を含むことができる。添加剤としては、無機充填材(フィラーとも言う。)、相溶化剤および難燃剤等が挙げられる。
無機充填材としては、例えば、球状シリカ等のシリカ、アルミナ、酸化チタンおよびマイカ等の金属酸化物;水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;タルク;ホウ酸アルミニウム;硫酸バリウム;炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは、1種以上用いることができる。中でも、低熱膨張性の観点から、シリカ、マイカおよびタルク等が好ましく、球状シリカがより好ましい。
無機充填材は、エポキシシランタイプ、ビニルシランタイプ、メタクリルシランタイプ、またはアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものでもよい。シランカップリング剤による表面処理のタイミングは、特に制限されない。予め、シランカップリング剤で表面処理された無機充填材を用意してもよいし、硬化性組成物の調製時にインテグラルブレンド法でシランカップリング剤を添加してもよい。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤およびリン系難燃剤等が挙げられる。これらは、1種以上用いることができる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAおよびヘキサブロモシクロドデカン等の臭素系難燃剤;塩素化パラフィン等の塩素系難燃剤等が挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、縮合リン酸エステルおよび環状リン酸エステル等のリン酸エステル;環状ホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物;ジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩等のホスフィン酸塩系難燃剤;リン酸メラミンおよびポリリン酸メラミン等のメラミン系難燃剤;ジフェニルホスフィンオキサイド基を有するホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
硬化性組成物は必要に応じて、1種以上の有機溶媒を含むことができる。有機溶媒としては特に制限されず、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素等が挙げられる。
硬化性組成物において、配合組成および固形分濃度は、適宜設計できる。
硬化性組成物の配合組成は、得られる(半)硬化物が脆くならず、得られる(半)硬化物の誘電正接(D)およびガラス転移温度(Tg)等の特性が好適となるように、設計できる。
プリプレグ等の用途では、硬化性組成物の固形分濃度は、繊維基材への含浸がしやすいように設計でき、好ましくは50~90質量%である。
[プリプレグ]
本開示のプリプレグは、繊維基材と、本開示の硬化性組成物の(半)硬化物とを含む。
プリプレグは、硬化性組成物を繊維基材に含浸させ、熱硬化等により(半)硬化させることで、製造できる。
(半)硬化物は、1種の本開示の硬化性重合体の単独硬化物、複数種の本開示の硬化性重合体の反応生成物、または、1種以上の本開示の硬化性重合体と1種以上の他の硬化性化合物との反応生成物を含むことができる。
(半)硬化物は必要に応じて、無機充填材(フィラー)等の添加剤を含むことができる。
繊維基材の材料としては特に制限されず、ガラス繊維、シリカ繊維および炭素繊維等の無機繊維;アラミド繊維およびポリエステル繊維等の有機繊維;これらの組合せ等が挙げられる。金属張積層板および配線基板等の用途では、ガラス繊維等が好ましい。ガラス繊維基材の形態としては、ガラスクロス、ガラスペーパーおよびガラスマット等が挙げられる。
硬化性組成物の硬化条件は、硬化性組成物の組成に応じて設定でき、半硬化条件(完全硬化しない条件)が好ましい。
例えば、80~180℃で1~10分間加熱する熱硬化が好ましい。
金属張積層板および配線基板等の用途では、得られるプリプレグ中の樹脂含有量が40~80質量%の範囲内となるように、硬化性組成物の組成および硬化条件を調整することが好ましい。
[積層体]
本開示の第1の積層体は、基材と、上記の本開示の硬化性組成物からなる硬化性組成物層とを含む。
本開示の第2の積層体は、基材と、上記の本開示の硬化性組成物の(半)硬化物を含む(半)硬化物含有層とを含む。
本開示の第1、第2の積層体において、基材としては特に制限されず、樹脂フィルム、金属箔およびこれらの組合せ等が挙げられる。
(半)硬化物含有層は、繊維基材と本開示の硬化性組成物の(半)硬化物とを含む層であってもよい。
樹脂フィルムとしては特に制限されず、公知のものを用いることができる。樹脂フィルムの構成樹脂としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマーおよびポリエーテルサルファイド等が挙げられる。
電気抵抗が低いことから、金属箔としては、銅箔、銀箔、金箔、アルミニウム箔およびこれらの組合せ等が好ましく、銅箔等がより好ましい。
[金属張積層板]
本開示の金属張積層板は、本開示の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを含む。
絶縁層は、繊維基材と本開示の硬化性組成物の硬化物とを含む層であってもよい。
電気抵抗が低いことから、金属箔としては、銅箔、銀箔、金箔、アルミニウム箔およびこれらの組合せ等が好ましく、銅箔等がより好ましい。金属箔は、表面に金属メッキ層を有するものでもよい。金属箔は、極薄金属箔とそれを支持するキャリア金属箔とを含むキャリア付き金属箔であってもよい。金属箔は、少なくとも一方の表面に、防錆処理、シラン処理、粗面化処理およびバリア形成処理等の表面処理が施されたものでもよい。
金属箔の厚みは特に制限されず、配線等の導体パターン(回路パターンとも言う。)の形成に好適であることから、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.2~50μm、特に好ましくは1.0~40μmである。
金属張積層板は、片面に金属箔を有する片面金属張積層板であってもよいし、両面に金属箔を有する両面金属張積層板であってもよく、両面金属張積層板であることが好ましい。
片面金属張積層板は、1つ以上の上記のプリプレグと金属箔とを重ね、得られた第1の仮積層体を加熱加圧することで、製造できる。
両面金属張積層板は、1つ以上の上記のプリプレグを一対の金属箔で挟み、得られた第1の仮積層体を加熱加圧することで、製造できる。
金属箔として銅箔を使用した金属張積層板は、銅張積層板(Copper Clad Laminate:CCL)と呼ばれる。
絶縁層は好ましくは、プリプレグの加熱加圧物からなる。プリプレグの加熱加圧物は、繊維基材と樹脂とを含み、必要に応じて無機充填材および難燃剤等の1種以上の添加剤を含むことができる。プリプレグの加熱加圧物は、コンポジット基材とも呼ばれる。
第1の仮積層体の加熱加圧条件は特に制限されず、例えば、温度170~250℃、圧力0.3~30MPa、時間3~240分間が好ましい。
図1および図2に、本開示に係る第1、第2の実施形態の金属張積層板の模式断面図を示す。
図1に示す金属張積層板1は、プリプレグの加熱加圧物からなり、本開示の硬化性組成物の硬化物を含むコンポジット基材(硬化物含有層)11の片面に、金属箔(金属層)12が積層された片面金属張積層板(積層体)である。
図2に示す金属張積層板2は、プリプレグの加熱加圧物からなり、本開示の硬化性組成物の硬化物を含むコンポジット基材(硬化物含有層)11の両面に、金属箔(金属層)12が積層された両面金属張積層板である。
金属張積層板1、2は、上記以外の層を有していてもよい。
金属張積層板1、2は、コンポジット基材(硬化物含有層)11と金属箔(金属層)12との間に、これらの接着性を高めるために、接着層を有することができる。接着層の材料としては公知のものを用いることができ、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、接着性フッ素樹脂およびこれらの組合せ等が挙げられる。市販の接着性フッ素樹脂としては、AGC社製の「Fluon LM‐ETFE LH-8000」、「AH-5000」、「AH-2000」および「EA-2000」等が挙げられる。
コンポジット基材の厚みは、用途に応じて適宜設計できる。配線基板の断線予防の観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上、特に好ましくは100μm以上である。配線基板の柔軟性、小型化および軽量化の観点から、好ましくは、300μm以下、より好ましくは250μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
[配線基板]
本開示の配線基板は、本開示の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、配線とを含む。
配線基板は、上記の本開示の金属張積層板の最表面にある金属箔を用いて配線等の導体パターン(回路パターン)を形成することで、製造できる。配線等の導体パターンを形成する方法としては、金属箔をエッチングして配線等を形成するサブトラクティブ法、および、金属箔の上にメッキで配線を形成するMSAP(Modified Semi Additive Process)法等が挙げられる。
図3に、本開示に係る一実施形態の配線基板の模式断面図を示す。図3に示す配線基板3は、図2に示した第2の実施形態の金属張積層板2の少なくとも一方の最表面にある金属箔12を用いて配線22W等の導体パターン(回路パターン)22を形成したものである。
配線基板3は、プリプレグの加熱加圧物からなり、本開示の硬化性組成物の硬化物を含むコンポジット基材(硬化物含有層、絶縁層)11の少なくとも片面に、配線22W等の導体パターン(回路パターン)22が形成されたものである。
得られた配線基板に対してさらに、1つ以上のプリプレグを重ね、これを一対の金属箔で挟み、得られた第2の仮積層体を加熱加圧し、最表面の金属箔を用いて配線等の導体パターンを形成することで、多層配線基板(多層プリント配線板とも言う。)を製造してもよい。最表面の金属箔は、第2の仮積層体の片面側にのみ配置してもよい。
本開示の配線基板は、高周波領域(周波数1GHz以上の領域)で用いて好適である。
近年、携帯用電子機器等の用途では、通信の高速化と大容量化が進み、信号の高周波化が進んでいる。この用途に用いられる配線基板には、高周波領域での伝送損失の低減が求められる。このため、上記用途に用いられる配線基板のコンポジット基材に含まれる樹脂には、高周波領域での誘電損失の低減が求められる。一般的に、誘電正接(D)は周波数に依存し、同じ材料であれば、周波数が高くなる程、誘電正接(D)が大きくなる傾向がある。コンポジット基材に含まれる樹脂は、高周波条件における誘電正接(D)が低いことが好ましい。
配線基板は、比較的高温の環境下で使用される場合がある。この場合でも、配線基板の信頼性を確保するために、プリプレグおよびコンポジット基材に含まれる樹脂は、充分な高さのガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。
プリプレグまたはコンポジット基材と金属箔との熱膨張係数(CTE)の差が大きいと、プリプレグと金属箔とを含む第1の仮積層体、またはコンポジット基材とプリプレグと金属箔とを含む第2の仮積層体を加熱加圧する際に、金属箔のずれまたは剥離が生じる恐れがある。プリプレグまたはコンポジット基材と金属箔との熱膨張係数(CTE)の差は、小さい方が好ましい。一般的に、樹脂は金属箔より熱膨張係数(CTE)が大きいので、プリプレグおよびコンポジット基材の熱膨張係数(CTE)は小さい方が好ましい。
本発明者らが検討したところ、極性原子を含まない、または、極性原子の少ない本開示の硬化性重合体を用いることで、硬化性組成物の(半)硬化物の高周波条件における誘電正接(D)を効果的に低減できることが分かった。
また、本開示の硬化性重合体を含む硬化性組成物の(半)硬化物は、ガラス転移温度(Tg)が充分に高いことが分かった。
また、本開示の硬化性重合体を含む硬化性組成物の(半)硬化物は、熱膨張係数(CTE)が充分に低いことが分かった。
また、本開示の硬化性重合体を含む硬化性組成物の(半)硬化物は、銅箔等の金属との密着性も実用的に良好であることが分かった。
本開示の硬化性重合体を用いることで、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高い樹脂を得ることができる。この(半)硬化物は、高周波領域で用いられる配線基板用として好適なコンポジット基材および絶縁層等に好適である。
本開示の硬化性組成物の(半)硬化物およびこれを含むコンポジット基材の高周波条件における誘電正接(D)は、例えば、以下のような範囲内であることが好ましい。
周波数10GHzにおける誘電正接(D)は小さい方が好ましく、好ましくは0.010以下、より好ましくは0.005以下、さらに好ましくは0.003以下、特に好ましくは0.002以下、最も好ましくは0.002未満である。
周波数10GHzにおける誘電正接(D)は、0.0018以下、0.0016以下、0.0014以下、0.0012以下、または0.0010以下であることができる。
周波数10GHzにおける誘電正接(D)の下限値は特に制限されず、例えば0.0001である。
本開示の硬化性組成物の(半)硬化物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上、最も好ましくは180℃以上である。上限値は特に制限されず、例えば300℃である。
本開示の硬化性組成物の(半)硬化物およびこれを含むコンポジット基材の熱膨張係数(CTE)は、例えば、以下のような範囲内であることが好ましい。
熱膨張係数(CTE)は小さい方が好ましく、好ましくは70ppm/℃以下、より好ましくは60ppm/℃以下である。下限値は特に制限されず、例えば1ppm/℃である。
誘電正接(D)およびガラス転移温度(Tg)は、後記[実施例]の項に記載の方法にて測定できる。
熱膨張係数(CTE)は、市販の熱機械分析装置を用いて、公知方法にて、測定できる。
以上説明したように、本開示によれば、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高い樹脂を得ることが可能な硬化性重合体およびこれを含む硬化性組成物を提供できる。
[用途]
本開示の硬化性重合体およびこれを含む硬化性組成物は、プリプレグ、金属張積層板および配線基板等の用途に好適である。
本開示の金属張積層板は、各種電気機器および各種電子機器等に使用される配線基板等に好適である。
本開示の配線基板は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末およびノートパソコン等の携帯用電子機器;携帯電話基地局および自動車等のアンテナ;サーバー、ルーターおよびバックプレーン等の電子機器;無線インフラ;衝突防止用等のレーダー;各種センサ(例えば、エンジンマネージメントセンサ等の自動車用センサ)等に好適である。
本開示の配線基板は特に、高周波信号を用いて通信を行う用途に好適であり、高周波領域において伝送損失の低減が求められる様々な用途に好適である。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例11、12、21~23、31、41、101~111、301が実施例であり、例201が比較例である。特に明記しない限り、室温は25℃程度である。
[市販試薬]
[実施例]の項において、触媒および試薬は、特に明記しない限り、市販品をそのまま反応に用いた。溶媒は、脱水および脱酸素された市販品を用いた。
[硬化性重合体の評価項目と評価方法]
(単量体の構造)
合成した単量体の構造は、核磁気共鳴装置(Bruker社製「AVANCE NEO400」)を用い、H-NMR測定を行うことで同定した。
(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))
合成した硬化性重合体の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。GPC装置として、示差屈折率検出器(RI検出器)を備えた東ソー社製「HLCー8320GPC」を使用した。溶離液としてテトラヒドロフランを用いた。カラムとして、「TSKgel SuperHZ2000」、「TSKgel SuperHZ2500」、「TSKgel SuperHZ3000」および「TSKgel SuperHZ4000」(いずれも東ソー社製)の4本を直列に接続したものを用いた。樹脂20mgをテトラヒドロフラン2mLに溶解させて試料溶液を調製した。試料溶液10μlを注入して、クロマトグラムを測定した。分子量が400~5000000の範囲の標準ポリスチレン10点を用いてGPC測定し、保持時間と分子量との関係を示す検量線を作成した。この検量線に基づいて、硬化性重合体のMnとMwを決定した。
[フィルム状硬化物の評価項目と評価方法]
(比誘電率(D)および誘電正接(D))
評価用サンプル(フィルム状硬化物)の10GHzにおける比誘電率(D)および誘電正接(D)を、室温で、ベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製「E8361C」)を用い、SPDR法により測定した。
(ガラス転移温度Tg)
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製「DVA-200」)を用いて、評価用サンプル(フィルム状硬化物)の動的粘弾性測定(DMA)を行い、ガラス転移温度(Tg)(℃)を測定した。測定は、周波数10Hz、昇温速度2℃/min、温度範囲25~300℃の条件で行った。
[合成例1]クロロジメチルビニルゲルマンの合成
Organometallics, 35, 2454-2461(2016)に記載の方法に従い、クロロジメチルゲルマンを合成した。
反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2024082776000027
[合成例2]ジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマンの合成
窒素雰囲気下、1Lの四ツ口フラスコに、マグネシウム(切削片状、7.96g、328mmol)とジエチルエーテル(327mL)とを仕込み、氷浴で冷却した。この懸濁液にヨウ素(250mg、0.985mmol)を加えた後、4-(クロロメチル)スチレン(50.0g、328mmol)を1時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応混合物にクロロジメチルビニルゲルマン(62.3g、377mmol)を30分間かけて滴下した後、フラスコを室温まで加温して20時間攪拌した。フラスコを0℃に冷却して、飽和塩化アンモニウム水溶液(328mL)を加えてクエンチした後、不溶物をろ過により取り除いた。ろ液を静置した後、有機相を分離する抽出を行った。さらに、水相に酢酸エチル(328mL)を加え、有機相を分離する抽出を行った。これら抽出で得られた有機相を合わせて、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、粗物を得た。粗物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n-ヘキサン)を用いて精製し、ジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマンを69.7g得た(収率:86%)。得られた化合物は、単量体(MX)の1つである(R=メチル基、R=メチル基、n=1)。
反応スキームおよびNMR分析結果は、以下の通りである。
Figure 2024082776000028
H-NMR(CDCl3):δ(ppm)7.26(d,2H,J=8.1Hz,Ar-H),6.98(d,2H,J=8.1Hz,Ar-H),6.67(dd,1H,J=10.9,17.6Hz),6.27(dd,1H,J=13.6,19.6Hz),6.04(dd,1H,J=3.8,13.6Hz),5.66(d,1H,J=17.6Hz),5.66(dd,1H,J=3.8,19.6Hz),5.13(d,1H,J=10.9Hz),2.23(s,2H),0.05(s,6H).
[例11]共重合体(P11)の合成
窒素雰囲気下、100mLの耐圧反応容器に、合成例2で得られたジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマン(8.12g、32.9mmol)、スチレン(13.3g、128.2mmol)、トルエン(20g、21.7mmol)、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.36g、2.6mmol)を投入し、50℃で5時間反応させた。反応終了後、重合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を投入して、反応を停止させた。この重合溶液を大量のメタノール中に滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を回収し、洗浄および乾燥して、共重合体(P11)を11.8g得た(収率:60%)。
[例12]共重合体(P12)の合成
ジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマンの量を11.0g、44.5mmol、スチレンの量を11.0g、105.8mmolに変更した以外は例11と同様にして、共重合体(P12)を13.1g得た(収率:59%)。
例11、12の反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2024082776000029
[例21]共重合体(P21)の合成
窒素雰囲気下、100mLの耐圧反応容器に、合成例2で得られたジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマン(5.60g、22.7mmol)、4-メチルスチレン(15.4g、130.4mmol)、トルエン(20g、21.7mmol)、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.36g、2.6mmol)を投入し、50℃で5時間反応させた。反応終了後、重合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を投入して、反応を停止させた。この重合溶液を大量のメタノール中に滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を回収し、洗浄および乾燥して、共重合体(P21)を20.4g得た(収率:97%)。
[例22]共重合体(P22)の合成
ジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマンの量を7.30g、29.6mmol、4-メチルスチレンの量を14.0g、118.5mmolに変更した以外は例21と同様にして、共重合体(P22)を20.4g得た(収率:96%)。
[例23]共重合体(P23)の合成
ジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマンの量を10.2g、41.5mmol、4-メチルスチレンの量を11.6g、98.2mmolに変更した以外は例21と同様にして、共重合体(P23)を20.7g得た(収率:95%)。
例21~23の反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2024082776000030
[例31]共重合体(P31)の合成
窒素雰囲気下、100mLの耐圧反応容器に、合成例2で得られたジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマン(5.85g、23.7mmol)、4-tert-ブチルスチレン(15.2g、94.8mmol)、トルエン(20g、21.7mmol)、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.36g、2.6mmol)を投入し、50℃で5時間反応させた。反応終了後、重合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を投入して、反応を停止させた。この重合溶液を大量のメタノール中に滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を回収し、洗浄および乾燥して、共重合体(P31)を20.0g得た(収率:95%)。
反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2024082776000031
[例41]共重合体(P41)の合成
窒素雰囲気下、100mLの耐圧反応容器に、合成例2で得られたジメチル(ビニル)(4-ビニルベンジル)ゲルマン(7.31g、29.6mmol)、インデン(14.0g、120.5mmol)、トルエン(20g、21.7mmol)、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.36g、2.6mmol)を投入し、50℃で5時間反応させた。反応終了後、重合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を投入して、反応を停止させた。この重合溶液を大量のメタノール中に滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を回収し、洗浄および乾燥して、共重合体(P41)を20.2g得た(収率:95%)。
反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2024082776000032
例11、12、21~23、31、41において、単量体組成と得られた重合体の物性を、表1に示す。
Figure 2024082776000033
[例101]
硬化性重合体(P11)と、ラジカル重合開始剤としてのジクミルパーオキサイド(DCP)と、トルエンとを、質量比100:1:100で混合し、室温で攪拌して、硬化性組成物を調製した。
次に、アプリケータ(ヨシミツ精機社製)を用いて、厚み125μmのポリイミドフィルム上に、上記硬化性組成物を塗布して、厚さ250μmの塗布膜を形成した。
オーブンにて、空気雰囲気下、80℃で30分間加熱乾燥させた後、窒素雰囲気下、200℃で2時間加熱することで、塗布膜を熱硬化させて、厚み約100μmのフィルム状硬化物を得た。
硬化性組成物の溶媒を除く配合組成と、得られるフィルム状硬化物の評価結果を表2に示す。表中の配合量の単位は、「質量部」である。
[例102]
硬化性重合体(P12)と、以下の変性ポリフェニレンエーテル(PPE)オリゴマー(SA9000)と、ラジカル重合開始剤としてのジクミルパーオキサイド(DCP)と、トルエンとを、質量比50:50:1:100で混合し、室温で攪拌して、硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物を用いて、例101と同様にして、フィルム状硬化物を作製した。
(SA9000)下式で表される2官能メタクリル変性PPEオリゴマー(SABIC社製「SA9000」)。
Figure 2024082776000034
硬化性組成物の溶媒を除く配合組成と、得られたフィルム状硬化物の評価結果を表2に示す。
[例103~111、201]
1種以上の硬化性重合体の種類と配合量を変更した以外は例101または例102と同様にして、硬化性組成物の調製およびフィルム状硬化物の作製を実施した。硬化性組成物の溶媒を除く配合組成と、得られたフィルム状硬化物の評価結果を表2および表3に示す。
Figure 2024082776000035
Figure 2024082776000036
[結果のまとめ]
例101~111では、構造単位(UX)とモノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY)とを含む共重合体である硬化性重合体を用いて、フィルム状硬化物を得た。
例201では、構造単位(UX)を含まない変性PPEオリゴマーのみを用いて、フィルム状硬化物を得た。
例101~111では、例201に対して、高周波条件における誘電正接(D)を効果的に低減できた。これらの例では、高周波条件における誘電正接(D)が効果的に低減され、ガラス転移温度(Tg)が充分に高いフィルム状硬化物を得ることができた。
[例301]
例11で得られた硬化性重合体(P11)と、ラジカル重合開始剤としてのジクミルパーオキサイド(DCP)と、無機充填材としての球状シリカと、トルエンとを、質量比100:1:100:100で混合し、室温で攪拌して、硬化性組成物(ワニス)を調製した。
得られた硬化性組成物(ワニス)を繊維基材としてのガラスクロス(Eガラス、#2116)に含浸させた後、130℃で5分間加熱して、硬化性組成物を半硬化させて、プリプレグを得た。
得られたプリプレグを2枚重ね、これらを一対の銅箔で挟み、得られた仮積層体を、200℃、1.5時間、3MPaの条件で加熱加圧して、金属張積層板を作製した。
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更できる。
1、2:金属張積層板、3:配線基板、11:コンポジット基材、12:金属箔、22:導体パターン(回路パターン)、22W:配線。

Claims (12)

  1. 1種以上の下式で表される構造単位(UX)を含む単独重合体または共重合体であり、プリプレグ、金属張積層板または配線基板の製造用である、硬化性重合体。
    Figure 2024082776000037
    (上式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、水酸基または有機基である。ベンゼン環は上記以外の置換基を有していてもよい。nは0以上の整数である。)
  2. およびRはそれぞれ独立に、炭素数1~18のアルキル基、または、置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項1に記載の硬化性重合体。
  3. nは、1~18である、請求項1または2に記載の硬化性重合体。
  4. 1種以上の構造単位(UX)と1種以上のモノビニル芳香族化合物に由来する構造単位(UY)とを含む共重合体である、請求項1に記載の硬化性重合体。
  5. 全構造単位の総量100mol%に対する、1種以上の構造単位(UX)の含有量が1~90mol%である、請求項4に記載の硬化性重合体。
  6. 請求項1または4に記載の硬化性重合体を含む、硬化性組成物。
  7. さらに、1つ以上の重合性官能基を有する他の硬化性化合物を含む、請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 繊維基材と、請求項6に記載の硬化性組成物の半硬化物または硬化物とを含む、プリプレグ。
  9. 基材と、請求項6に記載の硬化性組成物からなる硬化性組成物層とを含む、積層体。
  10. 基材と、請求項6に記載の硬化性組成物の半硬化物または硬化物を含む(半)硬化物含有層とを含む、積層体。
  11. 請求項6に記載の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを含む、金属張積層板。
  12. 請求項6に記載の硬化性組成物の硬化物を含む絶縁層と、配線とを含む、配線基板。
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