JP2024070129A - 放射線検出装置及び放射線撮像システム - Google Patents

放射線検出装置及び放射線撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像の面内の解像度を均一にするのに有利な構造の放射線検出装置を提供すること。【解決手段】放射線検出装置は、複数の光電変換素子を含む画素アレイを有する矩形状のセンサパネルと、放射線を光に変換する複数の柱状結晶が前記センサパネルを覆うように配置されたシンチレータ層とを備える。前記シンチレータ層は、1辺と対辺との間に、柱状結晶の延在する方向と前記センサパネルの主面の法線とが角度をなす領域を有し、前記角度は、前記1辺の中央部から前記対辺に向かって小さくなる同心円状の分布を持ち、前記複数の前記柱状結晶の太さは、前記1辺の前記中央部から前記対辺へ向かって増加する同心円状の分布を持つ。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出装置及び放射線撮像システムに関する。
タリウム添加ヨウ化セシウム(CsI:Tl)などのハロゲン化アルカリ系の材料をセンサパネルに真空蒸着し、シンチレータ層を形成した放射線検出装置がある。放射線検出装置では、撮像された放射線画像の解像度を均一にすることが望まれる。例えば、特許文献1には、放射線の入射角に合わせて、柱状結晶を傾斜させ、放射線入射角に起因する解像度の低下の改善を図った放射線検出装置が記載されている。
特開2009-236704号公報
しかしながら、真空蒸着の際に形成される柱状結晶の太さが、放射線検出装置の面内で分布を持つことがある。太さの分布により放射線検出装置の面内の解像度が不均一になり、撮像された放射線画像の面内の解像度が不均一になることがありうる。そこで本発明は、放射線画像の面内の解像度を均一にするのに有利な構造の放射線検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による放射線検出装置は、複数の光電変換素子を含む画素アレイを有する矩形状のセンサパネルと、放射線を光に変換する複数の柱状結晶が前記センサパネルを覆うように配置されたシンチレータ層と、を備え、前記シンチレータ層は、前記矩形状のセンサパネルの外形に沿った1辺と前記1辺の対辺とを有し、前記1辺と前記対辺との間に、柱状結晶の延在する方向と前記センサパネルの主面の法線とが角度をなす領域を有し、前記角度は、前記1辺の中央部から前記対辺に向かって小さくなる同心円状の分布を持ち、前記複数の前記柱状結晶の太さは、前記1辺の前記中央部から前記対辺へ向かって増加する同心円状の分布を持つことを特徴とする。
本発明によれば、放射線画像の面内の解像度を均一にするのに有利な構造の放射線検出装置を提供することができる。
放射線検出装置の構成例。 シンチレータ層の形成方法。 シンチレータ層の構成例。 シンチレータ層の比較例。 放射線撮像システムの構成例。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(実施形態1)
本発明の実施形態に係る放射線検出装置100について図1(a)及び図1(b)により説明する。図1(a)は放射線検出装置100を放射線120が入射する方向から見た平面図である。図1(b)は図1(a)のA-A‘線における放射線検出装置100の断面図である。放射線検出装置100は、基板101及び複数の光電変換素子を含む画素が複数配置された画素アレイを有する撮像部102を備えたセンサパネル110を有する。
撮像部102は樹脂等のセンサ保護膜106で覆われて保護されている。センサ保護膜106は、撮像部102を保護するのに有利であり且つ光透過性を有する材料が用いられる。センサパネル110の一面にはシンチレータ層104が形成されている。シンチレータ層104は入射された放射線を撮像部102が検出可能な電磁波に変換する。シンチレータ層104は撮像部102が光電変換素子を有するものであれば放射線を光に変換する。シンチレータ層104において変換された光は、センサ保護膜106を透過して撮像部102に入射する。センサ保護膜106を形成する典型的な材料の例としては、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、パラキシリレンやアクリル等の有機物質を含む樹脂等が用いられる。
撮像部102には配線部105が接続されている。配線部105は複数設けられていてもよい。配線部105はセンサパネル110の端部に接続されている。配線部105には、COF(Chip On Film(Flexible))を用いることができる。なお、本発明においては、配線部105は、COFに限定されるものではなく、例えば、FPC(Flexible Print Circuit)やTAB(Tape Automated Bonding)等の他の可撓性の配線を用いてもよい。
配線部105は不図示の回路基板に接続されうる。配線部105を介してセンサパネルと回路基板との間で撮像信号や制御信号が伝送されうる。回路基板は放射線検出装置に含まれてもよい。シンチレータ層104はセンサパネルを覆う複数の柱状結晶を有し、シンチレータ層104の表面はシンチレータ保護膜103により保護されている。シンチレータ保護膜103はシンチレータ層を湿気等から保護する機能を有する。シンチレータ保護膜103は、シンチレータ104の潮解を防止するのに有利であり且つ光反射性を有する材料が用いてもよい。これにより、シンチレータ保護膜103は、シンチレータ104で発生した光のうち、撮像部102とは反対側に進む光を、撮像部102に向けて反射しうる。
典型的な例として、シンチレータ保護膜103は、Ag、Cu、Au、Al、Ni等の金属薄膜に樹脂のフィルムを貼り合わせたものが用いられる。この際、樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アクリル等が用いられる。また、シンチレータ保護膜103は、ラミネート加工により、それぞれ、シンチレータ104の上面と側面とを覆うように形成される。また、シンチレータ保護膜103は、更に接着層を含み、この接着層には、例えば、ポリイミド系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系のホットメルト樹脂が用いられる。この接着層により、シンチレータ保護膜103は、それぞれ、端部において圧着で固定されている。
撮像部102に設けられた光電変換素子は、アモルファスシリコン素子やCMOS素子であってもよい。光電変換素子は基板101の一方の面上に設けることができる。この例では、放射線120が入射すると、放射線120はシンチレータ層104によって撮像部102が検出可能な光に変換され、撮像部102によって電気信号に変換される。
撮像部102は、基板101上に、複数の行及び複数の列を形成するように行列状に配置された光電変換素子と当該光電変換素子で得られた電荷信号を出力するスイッチ素子とを含みうる。光電変換素子は、本実施形態においてはPIN型センサを用いうる。なお、本発明においては、光電変換素子は、このPIN型センサに限定されるものではなく、例えばMIS型センサ等のセンサを用いてもよく、さらに、CCD/CMOSイメージセンサチップを用いて構成されていてもよい。
シンチレータ層104は、複数の柱状結晶を備える。柱状結晶の材料として、例えば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tl、NaI:Tl、LiI:Eu、KI:Tl等が用いられる。柱状結晶の形成は、蒸着法が一般的に用いられる。以下に異なるシンチレータ層の形状を持つ放射線検出装置について説明する。
(シンチレータ層の例1)
まず、本発明の実施形態に係るシンチレータ層について図1(a)、(b)により説明する。図1(a)に図示するように、シンチレータ層104は矩形状のセンサパネル110を覆っている。シンチレータ層104を形成する複数の柱状結晶が延在する方向は、センサパネル110の主面(例えばシンチレータ層が形成される面)の法線方向に対し傾斜した領域を有しうる。その傾斜の角度はセンサパネル110の1辺の外形に沿った、シンチレータ層104の1辺の中央部A’から、1辺の対辺に向かって同心円上の分布を持ちうる。具体的には、図1(b)に示すように、同心円の中心部にあたるA’で傾斜角は最大となり、A’から離れて同心円の外周部に行くにしたがって傾斜角は次第にセンサパネル110の法線方向に近づく。また、柱状結晶の太さも1辺の中心部A’から1辺の対辺に向かって同心円状に分布を持ち、A’に最も近い側で太さが最小となっている。A’から離れてAに近づくにしたがって次第に太さが増加しうる。
放射線に基づいて柱状結晶で変換された光は、結晶内を反射しながら伝播するため、柱状結晶の太さに応じた、ズレをもって撮像部102入射する。柱状結晶の太さが細い領域では放射線画像の解像度が高く、柱状結晶の太さが太い領域では、放射線画像の解像度が低くなりうる。そのために太さの分布に応じた、解像度の分布が生じうる。しかし、本実施形態では、太さの分布に対応して、柱状結晶の傾斜角が分布を持つ。太さの細いA’に近い領域付近では、柱状結晶で発光した光はその傾斜角度に応じたズレをもって撮像部102に入射する。太さが細くて傾斜した箇所では、柱に沿って放射線が散乱するので、シンチレータにより発光される光は傾斜のない箇所より広がって画素へ届く。傾斜のある太さが細い柱状結晶において発生する光と、太さが太く傾斜が少ない柱状結晶において発生する光とがほぼ同程度の広がりをもって画素へ入射される。この結果、柱状結晶の傾斜角に応じた散乱と太さに応じた解像度とが互いに打ち消し合い相殺することで、放射線検出装置の解像度の面内の分布が均一となる。
次いで、図2を用いて本例の放射線検出装置の製造方法を説明する。シンチレータ層が形成される基板201が用意される。シンチレータ層を形成するために用いる蒸着装置200は、基板201を保持する基板保持機構202、回転軸203、蒸着源204、シャッター205を有する。蒸着源204にはシンチレータ層を形成する材料が格納される。基板201は、不図示のPIN型の受光素子とポリイミド保護膜を有しうる。基板201は基板保持機構202によって、回転軸の回転する面に対して角度θ3を持って保持される。したがって基板201は回転軸203を中心に回転する。この時、回転軸の中心は基板201の1辺の中心の外側になるように基板は配置される。
本例では、460mm×390mmかつ厚さt=0.5mmの矩形状の基板201を回転軸203と基板201の中心距離Ls=195mm、θ3=5°となるようにセットした。蒸着源204は回転の中心から、垂直距離H:400mm、水平距離L:600mmとなるように設置した。この時、垂直距離H、水平距離Lは、この値に限定されるものでなく、水平距離L:600mm以上を確保できれば、垂直距離H:400mm以下にしてもよい。これによって、蒸着源204と基板201との間の距離を大きく離れることを防ぎうるので、蒸着時間と蒸発材料の使用量を抑制でき、且つ装置の大型化を抑制することができる。
蒸着は次のように行われる。最初に蒸発材料として、CsI:Tlを蒸発源に充填した後、蒸着装置200の内部を真空に排気する。蒸着装置200の内部が真空となったところで、基板201を回転軸203を中心に回転させ、CsI:Tlを加熱した。CsI:Tlが蒸気となったところで、シャッター205を開き、基板201にCsI:Tlを着膜させ、柱状結晶を形成させた。膜厚が500μmとなったところで、シャッター205を閉じ蒸着を終了させた。その後、蒸着装置200から取り出し、シンチレータの形状評価を行った。なお、膜厚は500μmに限らない。
シンチレータ層のA-A’の断面形状の観察には走査電子顕微鏡(SEM)を用いた。断面はセンサパネル110の基板101に垂直な法線に対して平行な面でA’側の1辺の中央部から対辺のAに向かう直線に沿って切断して得ることができる。柱状結晶が延在する方向とセンサパネル110の法線方向とのなす傾斜角は、回転中心に最も近い位置(A’側)での傾斜角度θ1=4°、回転中心から250mm位置でθ2=2°、回転軸から最も遠い450mm位置で0°であった。また、太さは回転中心に最も近い点でΦ1=3μm、回転中心から250mm位置で、Φ2=3.8μm、回転軸から最も遠い450mm位置でΦ3=4.5μmであった。太さの測定は、本例では柱状結晶の延びる方向の先端から、柱状結晶の全長に対し7%の位置、すなわち35μm位置の太さを測定した。この例では20本の柱状結晶の太さの平均値を所定位置の太さとした。また、柱状結晶の傾斜角度は、柱状結晶のセンサパネル側の下端と反対側の先端とを結ぶ直線と、センサパネル110の法線方向とがなす角度を、柱状結晶の20本について測定し平均値を用いた。この例では柱状結晶の太さΦ1と太さΦ3との比率は、1.5だった。
太さの算出方法の一例について図3により説明する。図3はSEMで得られたA-A’の切断面を示す。柱状結晶が法線方向に形成された位置P1と、法線方向に対して角度θ1をなす位置P2に形成された太さの算出例を説明している。位置P1にある柱状結晶の太さは、例えば先端から約35μmの位置で基板に平行な面140で切断した位置P1を含む所定幅W1に含まれる柱状結晶の数により、所定幅W1を割って得ることができる。柱状結晶の数は切断面に表れている切断された柱状結晶の数とすることができる。柱状結晶の太さによる解像度への影響は、相対的な太さの比に基づく。太さの測定は他の方法を用いてもよい。
先端から一定距離が離れた位置の太さを測るのは、柱状結晶の端部に片寄った位置は、結晶の成長による影響を受けている可能性があるためである。この例では、シンチレータ層の厚さが500μmの場合に先端から35μmの位置とした。シンチレータ層の厚さに対して、柱状結晶の、基部と反対側の先端から5%から20%程度の位置で太さを測定するとよい。
また、傾斜角を有する柱状結晶の場合、位置P2にある柱状結晶の太さは傾斜角に対して垂直な面130で切断した所定幅W2に含まれる柱状結晶の本数を求めて、その本数で所定幅W2を割って得ることができる。切断する位置は先端から5%から20%程度の範囲内であればよい。所定幅W1とW2とは同じでよく、例えば60μmであるが、これに限定されない。所定幅W1、W2は適宜の数の柱状結晶を含みうる幅を設定することができる、また位置P1、位置P2は所定幅Wの中央部の位置でありうる。
柱状結晶が延在する方向とセンサパネル110の主面に対する法線とのなす角度についても太さと同様に、所定幅内における切断面に含まれる複数本の柱状結晶の延在する方向の平均値を、その位置P1ないしP2での傾斜角度とすることができる。延在する方向は、柱状結晶のセンサパネル側の基部の中央部から、先端の中央部に向かう方向とすればよい。あるいは、柱状結晶の軸の方向や切断面の切り口に設定した3点について求めた近似直線の向きの平均値としてもよい。
柱状結晶を形成後に、シンチレータ層を、アルミニウム(Al)、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ系のホットメルト樹脂からなる保護膜で覆い、端部において圧着して固定した後、COFを基板に圧着接続し、放射線検出装置を完成させた。この放射線検出装置にX線を照射し、MTF(変調伝達関数Modulation Transfer Function)を測定した。回転中心に最も近い位置の変調伝達関数MTFcと、回転軸から最も遠い450mm位置の変調伝達関数MTFpの差が8%以下と、極めて良好な解像度の面内分布であった。
(シンチレータ層の例2)
次に、シンチレータ層の例2について説明する。なお、以下に記載する例の説明においては、上述した例1と共通する事項については説明を省略する。
本例では、例1と同じサイズの基板201を使用し、蒸着源204との水平距離L、垂直距離Hは、例1を踏襲し、θ3=10°となるように設置した。その後、真空下で、基板201を、回転軸203を中心として回転させ、CsI:Tlを着膜させ、膜厚が500μmとなったところで、シャッター205を閉じ蒸着を終了させた。
形成した柱状結晶の形状観察をSEMで実施した。傾斜角は、センサパネル110の主面の法線方向に対して、回転中心に最も近い点での傾斜角度θ1=7°、回転中心から250mm位置で、θ1=2°、回転中心から最も遠い450mm位置で0°であった。また、柱状結晶の太さは、回転中心に最も近い点でΦ1=4.3μm、回転中心から250mm位置でΦ2=4.6μm、回転中心から最も遠い450mm位置でΦ3=5.0μmであった。柱状結晶の太さΦ1と太さΦ3との太さの比率は、約1.2だった。その後、実施形態1と同様に放射線検出器を完成させ、この放射線検出器にX線を照射し、変調伝達関数(MTF:Modulation Transfer Function)を測定した。回転中心に最も近い位置の変調伝達関数MTFcと、回転軸から最も遠い450mm位置の変調伝達関数MTFpの差は10%以下であり良好な解像度の面内分布が達成された。
(シンチレータ層の例3)
次に、シンチレータ層の例3について説明する。なお、以下に記載する例3の説明においては、上述した例1、例2と共通する事項については説明を省略する。
本例では、例1と同じサイズの基板201を使用し、蒸着源204との水平距離L、垂直距離Hは、実施形態1を踏襲し、θ3=20°となるように設置した。その後、真空下で、基板201を回転軸203を中心に回転させ、CsI:Tlを着膜させ、膜厚が500μmとなったところで、シャッター205を閉じ蒸着を終了させた。
形成した柱状結晶の形状観察をSEMで実施した。傾斜角は、センサパネル110の主面からの法線方向に対して、回転中心に最も近い点での傾斜角度θ1=12°、回転中心から250mm位置でθ2=8°、回転中心から最も遠い450mm位置で0°であった。また、太さは、回転中心に最も近い点でΦ1=4.0μm、回転中心から250mm位置でΦ2=5.5μm、回転中心から最も遠い450mm位置でΦ3=7.0μmであった。柱状結晶の太さΦ1と太さΦ3の比率は、約1.8だった。その後、例1と同様に放射線検出器を完成させた。この放射線検出器にX線を照射し、MTFを測定した。回転中心に最も近い位置の変調伝達関数MTFcと、回転軸から最も遠い450mm位置の変調伝達関数MTFpの差が15%以下と、極めて良好な解像度の面内分布であった。
(比較例)
次に、本発明の比較例を説明する。なお、以下に記載する説明においては、上述した例1~3の説明と共通する事項については説明を省略し、上述した例1~3と異なる事項について説明を行う。
図4(a)~(c)を用いて比較例のシンチレータの形成方法を説明する。比較例では、実施形態1と同じサイズの基板201を使用し、蒸着源204との水平距離L、垂直距離Hは、実施形態1を踏襲し、θ3=0°となるように設置した。その後、真空下で、基板201を回転軸203を中心に回転させ、CsI:Tlを着膜させ、膜厚が500μmとなったところで、シャッター205を閉じ蒸着を終了させた。
形成した柱状結晶の形状観察をSEMで実施したところ、全領域で傾斜角は0°すなわち、傾斜角はセンサパネルの主面の法線方向に一致していた。一方、柱状結晶の太さは、回転中心に最も近い点での3.5μm、回転中心から250mm位置で4.3μm、回転中心から最も遠い450mm位置で5.5μmであった。実施形態1と同様の構成で放射線検出器を完成させ、MTFを測定した。回転中心に最も近い位置の変調伝達関数MTFcと、回転中心から450mm位置の変調伝達関数MTFpの差は20%以上であった。
比較例では、蒸発源と基板の位置関係によって、形成された柱状結晶の太さが分布を持った。この太さの分布に応じて放射線画像の解像度は変化する。図3(c)に示すように、回転中心に最も近い位置は、柱状結晶の太さは細く、且つ基板面に対し垂直に形成されたため、柱状結晶で発光した光はズレが少なく直下の画素に入射し、例1~3と比較してより高い変調伝達関数となる。このため、太さが太い回転中心から最も遠い450mm位置での変調伝達関数との差が大きくなる。このために解像度の面内における分布は、例1~3の構造のシンチレータ層を持つ放射線検出装置よりも不均一になったと考えられる。
(まとめ)
例1乃至例3の構造のシンチレータ層は、柱状結晶の延在する方向とセンサパネルの主面の法線とのなす角度が同心円状において0°から12°の範囲で変化した場合の解像度が良好だった。柱状結晶の太さについては、同心円の中央部と周辺部との柱状結晶の太さの比率は1.2から1.8の範囲では解像度の差が15%以下と良好だった。回転中心に最も近い位置の変調伝達関数MTFcと、回転軸から最も遠い450mm位置の変調伝達関数MTFpの差を20%未満とするのであれば、柱状結晶の傾斜角度については0°から15°の範囲とすればよい。また中心部と周辺部の柱状結晶の太さの比率は2以下とすればよい。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態の放射線撮像システムについて説明する。本実施形態の放射線撮像システムは、実施形態1~3に係る放射線検出装置100のうちのいずれかの放射線検出装置100を放射線撮像システムに適用したものである。図5は放射線撮像システムの概略構成の一例を示す図である。ここでは、放射線120としてX線6060を用いた、いわゆるレントゲン撮影を行うためのX線撮影システムの例を示している。なお、本発明においては、放射線120として、X線のみならず、アルファ線やベータ線等を含んでもよい。
放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、撮影対象である患者6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置6040に入射する。放射線検出装置6040には実施形態1で説明した放射線検出装置100のうちのいずれかを適用することができる。放射線検出装置6040に入射したX線6060には、患者6061の体内の情報が含まれており、放射線検出装置100によりX線6060に応じた放射線画像が得られる。この放射線画像は、画像信号を処理する信号処理部を備えるイメージプロセッサ6070(画像処理部)によって所定の画像処理が行われる。このイメージプロセッサ6070で処理された放射線画像は、コントロールルームのディスプレイ6080に表示されて、ユーザ(医師等)が観察することができるようになっている。
また、このイメージプロセッサ6070で処理された放射線画像は、ユーザの操作入力等により、電話回線6090等の通信回線を介して、遠隔地のドクタールームに転送することができる。例えば、ドクタールームにあるディスプレイ6081に放射線画像を表示することにより、ドクタールームにいるユーザ(医師等)も放射線画像を観察することができる。また、ドクタールームにおいて、ユーザ(医師等)は、転送された放射線画像を所定の記録媒体に記録することもでき、例えば、フィルムプロセッサ6100によってフィルム6110に記録することもできる。
(その他の実施例)
本明細書の開示は、以下の放射線検出装置及び放射線撮像システムを含む。
(項目1)
複数の光電変換素子を含む画素アレイを有する矩形状のセンサパネルと、
放射線を光に変換する複数の柱状結晶が前記センサパネルを覆うように配置されたシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、前記矩形状のセンサパネルの外形に沿った1辺と前記1辺の対辺とを有し、前記1辺と前記対辺との間に、柱状結晶の延在する方向と前記センサパネルの主面の法線とが角度をなす領域を有し、
前記角度は、前記1辺の中央部から前記対辺に向かって小さくなる同心円状の分布を持ち、前記複数の前記柱状結晶の太さは、前記1辺の前記中央部から前記対辺へ向かって増加する同心円状の分布を持つことを特徴とする、放射線検出装置。
(項目2)
前記角度は0°から15°の範囲であることを特徴とする項目1に記載の放射線検出装置。
(項目3)
前記対辺の中央部にある前記柱状結晶の延在する方向は前記センサパネルの主面に対する法線方向と平行であることを特徴とする項目1又は2に記載の放射線検出装置。
(項目4)
前記1辺の中央部の前記柱状結晶の平均の太さΦ1と、前記対辺の中央部の前記柱状結晶の平均の太さΦ2との比率が1.2<Φ1/Φ2≦2.0であることを特徴とする項目1乃至3のいずれか1項目に記載の放射線検出装置。
(項目5)
前記角度に応じて放射線を散乱することを特徴とする項目1乃至4のいずれか1項目に記載の放射線検出装置。
(項目6)
放射線を、前記柱状結晶の前記太さに応じて光に変換することを特徴とする項目1乃至5のいずれか1項目に記載の放射線検出装置。
(項目7)
前記中央部のMTFに対する、前記対辺の周辺部のMTFの比率の差が15%以下であることを特徴とする項目1乃至6のいずれか1項目に記載の放射線検出装置。
(項目8)
前記複数の光電変換素子はアモルファスシリコン素子であることを特徴とする項目1乃至7のいずれか1項目に記載の放射線検出装置。
(項目9)
項目1乃至8のいずれか1項目に記載の放射線検出装置と、
前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理部と、を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:放射線検出装置、101:基板、102:撮像部、103:シンチレータ保護膜、104:シンチレータ層、105:配線部、106:センサ保護膜、110:センサパネル、120:放射線

Claims (9)

  1. 複数の光電変換素子を含む画素アレイを有する矩形状のセンサパネルと、
    放射線を光に変換する複数の柱状結晶が前記センサパネルを覆うように配置されたシンチレータ層と、を備え、
    前記シンチレータ層は、前記矩形状のセンサパネルの外形に沿った1辺と前記1辺の対辺とを有し、前記1辺と前記対辺との間に、柱状結晶の延在する方向と前記センサパネルの主面の法線とが角度をなす領域を有し、
    前記角度は、前記1辺の中央部から前記対辺に向かって小さくなる同心円状の分布を持ち、前記複数の前記柱状結晶の太さは、前記1辺の前記中央部から前記対辺へ向かって増加する同心円状の分布を持つことを特徴とする、放射線検出装置。
  2. 前記角度は0°から15°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記対辺の中央部にある前記柱状結晶の延在する方向は前記センサパネルの主面に対する法線方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  4. 前記1辺の中央部の前記柱状結晶の平均の太さΦ1と、前記対辺の中央部の前記柱状結晶の平均の太さΦ2との比率が1.2<Φ1/Φ2≦2.0であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  5. 前記角度に応じて放射線を散乱することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  6. 放射線を、前記柱状結晶の前記太さに応じて光に変換することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  7. 前記中央部のMTFに対する、前記対辺の周辺部のMTFの比率の差が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  8. 前記複数の光電変換素子はアモルファスシリコン素子であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理部と、を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
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