JP2024069825A - 良否判定システムおよび良否判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形装置から発信される成形波形データを編集して判定閾値を設定し、この判定閾値と教師なし学習プログラムを組み合せて、成形開始と同時に精度の高い成形装置の良否判定を可能とする良否判定システムおよび良否判定方法を提供することを目的とする。【解決手段】成形波形データを収集してモデル波形データを作成するモデル作成部およびモデル作成工程と、モデル波形データを編集した編集波形データとモデル波形データを比較して判定閾値を設定するモデル検証部およびモデル検証工程と、成形波形データと判定閾値を比較して良否判定を行う良否判定部および第1良否判定工程と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置から発信される成形波形データに基づいて、教師なし学習プログラムを用いて成形装置の良否判定を行う良否判定システムおよび良否判定方法に関する。
成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、射出部から溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置および成形方法において、溶融状態の成形材料として、例えば、熱可塑性樹脂を可塑化溶融した溶融樹脂や、アルミニウム合金等の金属を加熱溶融した溶湯が挙げられる。ここで、溶融樹脂を用いる成形装置を射出成形機といい、射出成形機を用いた成形および成形品を射出成形および射出成形品という。また、溶湯を用いる成形装置を鋳造装置といい、鋳造装置を用いた成形および成形品を鋳造成形および鋳造品という。また、射出成形に用いる成形金型を射出成形金型といい、鋳造成形に用いる成形金型を鋳造金型という。また、成形金型および成形装置の温度管理を行う温度調整手段や、溶融状態の成形材料を製造し供給する材料供給手段、等の周辺設備と成形金型を加えて成形装置ということもある。
このように、金型キャビティ内に溶融状態の成形材料を射出充填して成形する成形品は、成形材料の溶融安定性に加えて、成形金型や成形装置および周辺設備の全ての安定稼働によって、成形品質の安定性が確保される。言い換えれば、溶融安定性や安定稼働のうち1つでも異常が存在すれば、成形品質は大きく乱れてしまう。そのために、成形金型や成形装置および周辺設備の稼働状態、あるいは成形材料の溶融状態、等の成形運転データを監視して、成形運転データの異常の有無を判定して成形装置等や成形品の品質確認を行う良否判定の手段が多く提案されている。その中で、成形運転データに明確な異常が確認され、かつ、成形品の品質も大きく乱れたことを示す成形運転データ(異常データという)が事前に存在する場合は、この異常データを教師データとして、教師あり学習プログラムを用いた良否判定の手段が、精度が高く幅広く利用されている。
しかしながら、実際の成形において、異常データを事前に入手することは困難なことが多い。例えば、新規に設計され製作された成形金型や、設計変更により修正加工を行った成形金型を用いた場合、同様に、新規に設計し製作した成形装置や、部品交換等により再調整を行った直後の成形装置を用いた場合、成形装置や周辺設備を交換した場合、成形材料を変更した場合、成形材料の溶融温度や射出充填量等の成形条件を変更した場合、生産性を改善する目的で成形サイクルの短縮を試みる場合、成形金型や成形装置および周辺設備の経年変化による性能変化、等では、異常データ(教師データ)は存在しないので、教師あり学習プログラムを用いた良否判定の手段を利用することができない。
そのために、異常データ(教師データ)を必要としない、教師なし学習プログラムを用いた良否判定の手段が提案されている。例えば、特許文献1に示すように、成形機の成形状態を示す数値を検出して、検出した数値に基づいて閾値と不良率の関係を算出する。また、予め設定した不良率の目標値に対応する閾値を算出した関係に基づいて閾値を設定し、設定した閾値と検出する数値を比較して良品と不良品の判別(良否判定)を行う手段が提案されている。これによると、適切な閾値の設定によって、教師なし学習プログラムを用いた良否判定の精度を高めることができるとされている。
特開2006-289773号公報
ここで、特許文献1に示す手段は、実際に成形を開始し、良品と不良品との判別のための閾値と不良率の関係を成形ショット毎に算出し閾値を設定する、あるいは、予め設定した成形ショット数の数値を検出した後に閾値と不良率の関係を算出し閾値を設定するとしている。そのために、算出に必要な不良率データが蓄積されるまでは閾値を設定することができず、閾値が設定されるまでは良否判定できない成形が継続されることになる。例えば、成形金型や成形装置および周辺設備が新規に製作されたものや設計変更および再調整を行った場合、成形材料や成形条件を変更した場合、等では、不良率データ蓄積に多くの時間を要す。そこで、特許文献1に示す手段は、予め不良率データが蓄積された場合の成形に限定される。なお、仮に不良率データが蓄積されていたとしても、成形金型や成形装置および周辺設備の経年変化による性能変化の影響により、蓄積された不良率のデータは適用できなくなることが想定される。
そこで、本発明は、成形装置から発信される成形波形データを編集して判定閾値を設定し、この判定閾値と教師なし学習プログラムを組み合せて、成形開始と同時に精度の高い成形装置の良否判定を可能とする良否判定システムおよび良否判定方法を提供することを目的とする。
本発明の良否判定システムは、
成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置から発信される成形波形データに基づいて、教師なし学習プログラムを用いて前記成形装置の良否判定を行う良否判定システムにおいて、
前記成形波形データを収集してモデル波形データを作成するモデル作成部と、前記モデル波形データを編集して編集波形データを作成し、前記モデル波形データと前記編集波形データを比較して第1判定スコア値を算出し、前記第1判定スコア値に基づいて判定閾値を設定するモデル検証部と、前記モデル波形データと前記成形波形データを比較して第2判定スコア値を算出し、前記第2判定スコア値と前記判定閾値を比較して前記成形装置の良否判定を行う良否判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の良否判定システムにおいて、
前記モデル作成部と前記モデル検証部および前記良否判定部の状態を表示する表示部を更に備える、ことが好ましい。
本発明の良否判定方法は、
成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置から発信される成形波形データを収集する波形データ収集工程と、前記成形波形データからモデル波形データを作成するモデル作成工程と、前記第1モデル波形データを編集して編集波形データを作成し、前記モデル波形データと前記編集波形データを比較して第1判定スコア値を算出し、前記第1判定スコア値に基づいて、教師なし学習プログラムを用いた前記成形装置の良否判定に用いる判定閾値を設定するモデル検証工程と、前記モデル波形データと前記成形波形データを比較して第2判定スコア値を算出し、前記第2判定スコア値と前記判定閾値を比較して前記成形装置の良否判定を行う第1良否判定工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の良否判定方法において、
前記モデル作成工程は、正常判定の前記成形装置で成形した前記成形波形データを用いる、ことが好ましい。
また、本発明の良否判定方法において、
前記判定閾値を用いて、前記編集波形データを編集して異常判定を示す教師データを作成する教師データ作成工程と、教師あり学習プログラムを用いて、前記教師データと前記成形波形データを比較して前記成形装置の良否判定を行う第2良否判定工程と、を更に備えることが好ましい。
さらに、本発明の良否判定方法において、
前記判定閾値を用いて、前記編集波形データを編集して正常判定を示す正常波形データを作成する正常データ作成工程、を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、成形装置から発信される成形波形データを編集して判定閾値を設定し、この判定閾値と教師なし学習プログラムを組み合せて、成形開始と同時に精度の高い成形装置の良否判定を可能とする良否判定システムおよび良否判定方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鋳造装置の良否判定システムの概念図である。 本発明の実施形態に係る射出成形機の良否判定システムの概念図である。 図1および図2に示す良否判定部の詳細図である。 図3に示すモデル検証部と良否判定部の詳細図である。 本発明の第1実施形態に係る良否判定方法のフロー図である。 図5に示す良否判定方法の具体例を示す図である。 図6に続いて良品判定方法の具体例を示す図である。 本発明の第2および第3実施形態に係る良否判定方法のフロー図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
また、成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、射出部から溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する本発明の実施形態において、溶融状態の成形材料として、アルミニウム合金等の金属を加熱溶融した溶湯を用いた成形装置を鋳造装置といい、熱可塑性樹脂を可塑化溶融した溶融樹脂を用いた成形装置を射出成形機という。また、鋳造装置を用いた成形を鋳造成形といい、鋳造成形で得られる成形品を鋳造品という。同様に、射出成形機を用いた成形を射出成形といい、射出成形で得られる成形品を射出成形品という。
(鋳造装置を用いた良否判定システム)
先ず、鋳造装置を用いた本発明の実施形態に係る良否判定システムについて、図1を用いて説明する。図1に示す良否判定システム200は、鋳造装置100に判定部50を接続する形態である。
鋳造装置100は、鋳造金型10と、型締部20と、射出部30と、成形制御部40と、周辺設備80と、を備える。なお、図1において、鋳造金型10と射出部30が水平方向に配置された形態(横型締横鋳込み鋳造装置という)としたが、これに限定されることなく、例えば、水平方向に配置された鋳造金型10と鉛直方向に配置された射出部30の形態(横型締竪鋳込み鋳造装置という)であっても良く、鋳造金型10と射出部30が鉛直方向に配置された形態(竪型締竪鋳込み鋳造装置という)であっても良い。また、鋳造金型10に対して複数の射出部30を配置した形態であっても良く、射出部30に対して複数の鋳造金型10を配置した形態であっても良い。いずれにおいても、構成要素は変わらず、鋳造金型10と射出部30の配置の組合せを変えたものであるので、ここでは横型締横鋳込みの鋳造装置100を用いて説明する。
鋳造金型10は、型締部20を操作して固定金型11と可動金型12を型締することで金型キャビティ13と金型ゲート14が形成される。射出部30から金型キャビティ13に向けて溶湯を射出充填する前に、金型キャビティ13および金型ゲート14に離型剤を塗布することが好ましい。また、固定金型11および可動金型12には、図示しない温調回路を含む金型温調手段を設けて、所定の温度に調整することが好ましい。また、鋳造金型10に図示しない真空吸引手段を設け、この真空吸引手段を用いて金型キャビティ13内を直接的に真空吸引するとしても良い。
型締部20は、固定金型11を支持する固定盤21と、可動金型12を支持する可動盤22と、型締駆動部26を支持する型締盤23と、を備える。型締駆動部26は、回転運動する電動モータ等の電動駆動手段とし、トグルリンク部25を介して型締駆動部26と可動盤22が接続される。トグルリンク部25のボールネジ253で型締駆動部26の回転運動を直線運動に変換し、クロスヘッド252を前後方向に動作させる。クロスヘッド252の動作によって複数のリンク251が動いて、固定盤21と型締盤23を連結した複数のタイバー24をガイドとして、可動盤22が前後方向に動作する。型締制御部27で型締駆動部26の回転運動を操作する。
ここで、可動盤22および可動金型12が固定盤21および固定金型11に近接する動作を型閉動作といい、離間する動作を型開動作という。また、可動金型12と固定金型11がタッチした後も(金型タッチ点という)、型締制御部27で型締駆動部26を操作して、トグルリンク部25を介して可動金型12と固定金型11を強固に押圧すると、タイバー24が伸張し弾性回復力が発生する。この弾性回復力を型締力として可動金型12と固定金型11を型締して金型キャビティ13を形成する。金型タッチ点から金型キャビティ13を形成する型閉動作を昇圧動作といい、昇圧動作の完了位置を型締限といい、型締限から金型タッチ点に向けた型開動作を降圧動作という。また、型閉動作と昇圧動作を合わせて型締動作という。
なお、図1において、型締駆動部26を電動モータ等の電動駆動手段としたが、例えば、回転運動する油圧モータ等の油圧駆動手段であっても良い。また、トグルリンク部25で型開閉動作するとしたが、例えば、型締駆動部26に前後方向に動作するロッド部材を備えた油圧シリンダ等の油圧駆動手段を用い、ロッド部材と可動盤22を連結して型開閉動作させる形態であっても良い。また、例えば、型締盤23に型締駆動部26を複数配置しても良く、タイバー24に型締駆動部26を配置した形態であっても良い。
射出部30は、水平方向に配置された円筒状の射出スリーブ31と、射出スリーブ31内で前後方向に摺動するプランジャチップ32と、射出スリーブ31内にアルミニウム合金等の溶湯Mを供給する注湯口34と、プランジャチップ32の摺動を操作する射出駆動部36と、を備える。射出スリーブ31の先端部(注湯口34と反対側)は、固定盤21と固定金型11を貫通して、金型ゲート14に接続される。ここで、プランジャチップ32の摺動について、金型ゲート14に近接する動作を前進動作といい、金型ゲート14から離間する動作を後退動作という。
プランジャチップ32と連結するプランジャロッド33は、連結部35を介して射出駆動部36に連結される。プランジャチップ32が注湯口34よりも後方Rに待機している間に、図示しない給湯手段を用いて、注湯口34から射出スリーブ31内に溶湯Mを供給する。射出制御部37で射出駆動部36を操作し、連結部35およびプランジャロッド33を介して、プランジャチップ32の前進動作および後退動作が制御される。プランジャチップ32の前進動作により、射出スリーブ31内に供給された溶湯Mが押圧され、金型ゲート14を経由して金型キャビティ13内に射出充填される。
また、射出スリーブ31およびプランジャチップ32には、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却手段が設けられている。また、プランジャチップ32および射出スリーブ31の強固な接触によるカジリ損傷の防止や摺動状態の安定化及び溶湯残渣物の付着抑制等のため、射出スリーブ31とプランジャチップ32との摺動面に潤滑剤を塗布することが好ましい。また、射出スリーブ31に図示しない真空吸引手段を設け、射出スリーブ31内を真空吸引し、金型ゲート14を介して金型キャビティ13内を間接的に真空吸引するとしても良く、直接的な真空吸引と間接的な真空吸引を組み合せて行う形態であっても良い。
ここで、図1に示す射出駆動部36は、例えば、電動モータの回転運動を直線運動に変換するボールネジ等の変換手段を用いた電動駆動手段とする。なお、これに限定することなく、例えば、油圧シリンダ等の油圧駆動手段であっても良く、油圧駆動手段と電動駆動手段を組み合せたハイブリット駆動手段であっても良い。また、油圧駆動手段の場合は、アキュムレータ等の蓄圧手段を更に備える形態であっても良い。
また、図1において、射出スリーブ31を水平方向に配置したが、例えば、金型キャビティ13および金型ゲート14に対して水平方向から鉛直下方の範囲で任意に配置するとしても良い。また、注湯口34から溶湯Mを供給するとしたが、例えば、溶湯Mを保持する図示しない溶解炉と射出スリーブ31を給湯管等の連結手段を用いて溶湯Mを供給するとしても良い。また、射出スリーブ31とプランジャチップ32の組合せとしたが、例えば、図示しない密閉された溶湯Mの保持炉内に加圧ガス等を供給し、給湯管を経由して金型キャビティ13に溶湯Mを射出充填する形態であっても良く、加圧ガスの供給の代わりに輸送ポンプ等の輸送手段を用いて、溶湯Mを射出充填するとしても良い。
成形制御部40は、型締制御部27および射出制御部37と接続し、予め設定された鋳造条件に基づいて、型締制御部27および射出制御部37を操作して、鋳造金型10の型締動作および型開閉動作と、金型キャビティ13内に向けて溶湯Mの射出充填、等の鋳造成形を行う。その他に、図示しない給湯手段や冷却手段および真空吸引手段等の周辺設備80に対して操作指令を発信し、鋳造装置100を操作して鋳造成形を管理する。
判定部50は、鋳造装置100から発信される成形波形データに基づいて、教師なし学習プログラムを用いて鋳造装置100および鋳造装置100で鋳造成形した鋳造品の良否判定を行う。詳しくは、図3を用いて説明する。なお、図1において、成形制御部40と判定部50を分けて配置したが、例えば、成形制御部40と判定部50を一体構造とする形態であっても良い。
周辺設備80は、鋳造成形を行うに際して併用される設備であって、例えば、鋳造金型10の温度調整手段や離型剤塗布手段、鋳造品の離型手段や搬送手段、インサート部材を用いる鋳造成形ではインサート部材搬送手段、射出スリーブ31やプランジャチップ32の温度調整手段や潤滑剤塗布手段、溶湯Mの溶解手段や搬送手段、射出スリーブ31内に所定量の溶湯Mを供給する給湯手段、溶湯Mの酸化防止のための不活性ガス供給手段、鋳造金型10や射出部30の稼働状況を監視する監視手段、金型キャビティ13や射出スリーブ31内を真空吸引する真空吸引手段、等の設備が挙げられる。
(射出成形機を用いた良否判定システム)
次に、射出成形機を用いた本発明の実施形態に係る良否判定システムについて、図2を用いて説明する。図2に示す良否判定システム400は、射出成形機300に判定部50を接続する形態である。なお、図1と図2に示す判定部50は、同じ形態であるので説明を省略する。
射出成形機300は、射出成形金型70と、型締部20と、射出部60と、成形制御部90と、周辺設備85と、を備える。なお、型締部20は、図1と同じ形態であるので説明を省略する。また、図1において、射出成形金型70と射出部60が水平方向に配置された形態(横型射出成形機という)としたが、これに限定されることなく、例えば、鉛直方向に配置された射出成形金型70と水平方向に配置された射出部60の形態(竪型射出成形機という)であっても良く、射出成形金型70と射出部60が鉛直方向に配置された形態であっても良い。また、射出成形金型70に対して複数の射出部60を配置した形態であっても良く、射出部60に対して複数の射出成形金型70を配置した形態であっても良い。いずれにおいても、構成要素は変わらず、射出成形金型70と射出部60の配置の組合せを変えたものであるので、ここでは横型射出成形機300を用いて説明する。
射出成形金型70は、型締部20を操作して固定金型71と可動金型72を型締することで金型キャビティ73と金型ゲート74が形成される。固定金型71および可動金型72には、図示しない温調回路を含む金型温調手段を設けて、所定の温度に調整することが好ましい。また、射出成形金型70に図示しない真空吸引手段を設け、この真空吸引手段を用いて金型キャビティ73内を真空吸引するとしても良い。また、圧力調整された加圧ガスを金型キャビティ73内に注入する図示しない加圧ガス注入手段を設けても良い。例えば、発泡性ガスを混合した溶融樹脂においては、発泡性ガスの放出を防止することができる。なお、溶融樹脂の酸化防止を目的とする場合は、不活性ガスを用いることが好ましい。また、金型ゲート74と射出部60を接続する溶融樹脂の樹脂流路に温度調整手段を設けても良く、溶融樹脂の流路の開閉を行う開閉手段を金型ゲート74に設けても良い。
射出部60は、図示しない温度ヒータ等の温度調整手段で所定の温度に加熱調整された射出シリンダ61と、射出シリンダ61内で回転動作と前後方向に摺動するスクリュ62と、射出シリンダ61内にペレット状の熱可塑性樹脂等の樹脂材料を供給するホッパ64と、を備える。なお、樹脂材料には、樹脂材料の熱的および機械的物性を調整する改質剤や着色剤等の添加剤を含む。射出シリンダ61の先端部(ホッパ64と反対側)は、固定盤21を貫通して金型ゲート74の樹脂流路に接続される。また、スクリュ62に連結するスクリュロッド63は、連結部65を介して射出駆動部66に連結される。射出制御部67で射出駆動部66を操作して、スクリュ62の回転動作と摺動を操作する。ここで、スクリュ62の摺動について、金型ゲート74に近接する方向を前方Fといい、前方Fに向かう動作を前進動作という。また、離間する方向を後方Rといい、後方Rに向かう動作を後退動作という。
スクリュ62は、後方Rから前方Fに向かって連続した螺旋状の凸部(フライトという)を備える。ホッパ64から供給された樹脂材料は、スクリュ62の回転動作によって、フライトに押されて前方Fへ回転輸送される(計量回転動作という)。ここで、フライトの間隔(または樹脂材料が回転輸送される断面積)は、後方Rから前方Fに向かって縮小するように設計されている。これによって、回転輸送される樹脂材料にせん断力が作用し、射出シリンダ61に設けた温度調整手段からの熱量を加えて、樹脂材料は次第に溶融され溶融樹脂Pが生成される(可塑化という)。可塑化された溶融樹脂Pは、スクリュ62の前方Fの射出シリンダ61内に蓄圧される。溶融樹脂Pの蓄圧に伴ってスクリュ62は後退動作し、所定の位置で停止させる(計量動作という)。この計量動作で蓄圧された溶融樹脂Pを計量樹脂といい、計量動作を正確に制御することで計量樹脂の状態が安定する。計量動作の後、スクリュ62を前進動作させて、金型ゲート74を経由して金型キャビティ73内に計量樹脂を射出充填する(射出動作という)。なお、フライトは1条であってもよく、複数条としても良く、任意の範囲のみを複数条としても良い。
また、射出シリンダ61あるいはホッパ64に図示しない真空吸引手段を設け、計量動作中に発生した揮発性ガス等を真空吸引するとしても良い。また、ホッパ64に図示しない不活性ガス供給手段を設けて、射出シリンダ61内に不活性ガスを充満させて計量樹脂の酸化防止を行うとしても良い。また、熱可塑性樹脂等の樹脂材料と添加剤を分けてホッパ64から供給する形態であっても良い。また、射出シリンダ61に図示しないガス排気手段を設けて、可塑化中に発生したガス等を射出シリンダ61から排気するとしても良い。あるいは、射出シリンダ61に図示しないガス供給手段を設けて、可塑化中の溶融樹脂Pに向けて、例えば、発泡性ガス等のガスを供給するとしても良い。溶融樹脂P内に発泡性ガスを混入させて発泡膨張させる発泡成形に好適である。
ここで、図2に示す射出駆動部66は、例えば、電動モータの回転運動を直線運動に変換するボールネジ等の変換手段を用いた電動駆動手段とする。なお、これに限定されることなく、例えば、油圧シリンダ等の油圧駆動手段であっても良く、油圧駆動手段と電動駆動手段を組み合せたハイブリット駆動手段であっても良い。また、油圧駆動手段の場合は、アキュムレータ等の蓄圧手段を更に備える形態であっても良い。また、図2において、射出シリンダ61内にスクリュ62が配置され、計量動作と射出動作の両方を行う射出部60(インライン式射出部という)としたが、計量動作のうち可塑化だけを行う可塑化手段と、可塑化手段で可塑化した溶融樹脂Pを蓄圧して射出する動作を行う計量射出手段に分割した射出部60(プリプラ式射出部という)であっても良い。
成形制御部90は、型締制御部27および射出制御部67と接続し、予め設定された射出成形条件に基づいて、型締制御部27および射出制御部67を操作して、射出成形金型70の型締動作および型開閉動作と、金型キャビティ73内に向けて溶融樹脂Pの射出充填、等の射出成形を行う。その他に、図示しない材料供給手段や温調手段および不活性ガス供給手段等の周辺設備85に対して操作指令を発信し、射出成形機300を操作して射出成形を管理する。
周辺設備85は、射出成形を行うに際して併用される設備であって、例えば、射出成形金型70の温度調整手段、射出成形品の離型手段や搬送手段、金型ゲート74の開閉手段、インサート部材を用いる射出成形ではインサート部材搬送手段、射出シリンダ61の温度調整手段、樹脂材料の供給手段や乾燥処理等の準備手段、添加剤の配合調整手段および供給手段、溶融樹脂Pの酸化防止のための不活性ガス供給手段、射出成形金型70や射出部60の稼働状況を監視する監視手段、金型キャビティ73や射出シリンダ61内を真空吸引する真空吸引手段、等の設備が挙げられる。
ここで、以後は、鋳造装置100および射出成形機300を成形装置(100、300)と表現し、鋳造金型10および射出成形金型70を成形金型(10、70)と表現する。また、鋳造品および射出成形品を成形品と表現し、鋳造成形および射出成形を成形と表現する。さらに、溶湯Mおよび溶融樹脂Pを溶融状態の成形材料と表現する。
(判定部50)
次に、図1および図2に示す良否判定システム(200、400)の判定部50について、図3および図4を用いて説明する。先ず、図3(a)に示すように、判定部50は、成形波形データを収集してモデル波形データを作成するモデル作成部51と、モデル波形データを編集して判定閾値を設定するモデル検証部52と、判定閾値に基づいて良否判定を行う良否判定部53と、モデル作成部51とモデル検証部52および良否判定部53の状態を表示する表示部54と、を備える。
また、判定部50は、成形装置(100、300)の成形制御部(40、90)と接続し、成形制御部(40、90)を経由して、射出制御部(37、67)と型締制御部27および周辺設備(80、85)に対して、成形波形データや良否判定部53の判定結果等のデータ送受信を行う。また、成形波形データは、成形金型(10、70)を型締して形成される金型キャビティ(13、73)に向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置(100、300)から発信される成形運転データを示す。
ここで、成形装置(100、300)の型締制御部27から発信される成形波形データとして、例えば、成形の1ショット分の開始から終了までを時間軸として、型締力波形、型締駆動部26の駆動トルク波形、型締部20の振動波形、型開動作初期の型締駆動部26の離型力波形、型締部20に内蔵された図示しない押出手段の押出力波形、型開閉速度波形、複数のタイバー24に発生する応力波形、図示しない監視装置を用いた型締部20の稼動監視情報、等を示す。
また、成形装置(100、300)の射出制御部(37、67)から発信される成形波形データとして、例えば、成形の1ショット分の開始から終了までを時間軸として、プランジャチップ32またはスクリュ62の前進速度波形(射出速度波形という)、プランジャチップ32またはスクリュ62による溶融状態の成形材料の押圧力波形(鋳造圧力波形または射出圧力波形という)。または、金型キャビティ(13、73)に溶融状態の成形材料の射出充填に要した時間波形(射出時間波形という)、プランジャチップ32またはスクリュ62の位置波形(射出位置波形という)、射出駆動部(36、66)の駆動トルク波形、射出スリーブ31やプランジャチップ32または射出シリンダ61の温度波形、溶融状態の成形材料の温度波形、プランジャチップ32またはスクリュ62の前進動作および後退動作時の振動波形または振動加速度波形、射出速度の切替え時間波形(加速度波形という)、あるいは、射出制御部(37、67)の操作指令波形と射出駆動部(36、66)の実行波形、図示しない監視装置を用いた射出部(30、60)の稼動監視情報、等を示す。
さらに、成形装置(100、300)の周辺設備(80、85)から発信される成形波形データとして、例えば、成形の1ショット分の開始から終了までを時間軸として、成形金型(10、70)または金型キャビティ(13、73)の温度波形、成形金型(10、70)の温調手段に用いる温調媒体の温度波形および流量波形、射出部(30、60)の温調手段に用いる温調媒体の温度波形および流量波形、金型キャビティ(13、73)や射出スリーブ31内または射出シリンダ61内の真空度波形や加圧ガス圧力波形、溶融状態の成形材料の組成および供給量に関する情報、成形金型(10、70)の熱膨張波形、金型キャビティ(13、73)への離型剤塗布波形、成形金型(10、70)の変形量波形、図示しない給湯手段または材料供給手段の溶融状態の成形材料の輸送時間波形および輸送量波形、気温および湿度あるいは気圧等の成形環境の状態を示す情報、等を示す。
次に、図3(b)に示すように、モデル作成部51は、データ収集開始スイッチ511と、データ選択スイッチ512と、学習区間設定スイッチ513と、モデル作成開始スイッチ514と、モデル保存スイッチ515と、を備える。なお、図3(b)において、スイッチの表記は省略している。また、各スイッチには、設定状況を表示する表示パネルEPを備える。
データ収集開始スイッチ511は、成形装置(100、300)から発信される成形波形データの収集開始および収集停止を選択する。収集した成形波形データは、モデル作成部51に保存する。
データ選択スイッチ512は、データ収集開始スイッチ511で収集した成形波形データの中から、モデル波形データの作成に用いる成形波形データを選択する。この操作は、成形を操作する技術者(成形技術者という)が行う。また、選択する成形波形データは、正常な状態であると判定(正常判定という)された成形装置(100、300)を用いて成形した成形品が、要求性能を満足する状態の成形波形データを選択することが好ましい。その理由として、例えば、原因不明の異常な状態を示す成形波形データを選択して判定閾値の設定を行ったとしても、その判定閾値には原因不明な要素が含まれ信頼性が損なわれる。そこで、本発明においては、正常な状態の成形波形データを選択し判定閾値を設定することを特徴とする。
学習区間設定スイッチ513は、データ選択スイッチ512で選択した成形波形データの表示する軸と学習区間の設定を行う。この学習区間の設定は、例えば、過去の成形を参考にして成形技術者が行っても良い。また、流動解析等の解析手段を用いて解析結果を設定しても良い。また、良否判定システム(200、400)を用いた良否判定を繰り返し行うことで、学習区間を好適な範囲に調整することができる。また、例えば、成形波形データの全範囲を学習区間に設定し、その後の良否判定を繰り返し行うことで好適な範囲に学習区間を再設定するとしても良い。この学習区間の設定により、判定閾値の算出に用いる成形波形データの容量を圧縮することができ、良否判定システム(200、400)の小型化やコスト低減および良否判定に要する判定時間の短縮を図ることができる。
モデル作成開始スイッチ514は、モデル波形データの作成開始および停止を選択する。具体的には、学習区間設定スイッチ513で設定した学習区間に基づいて、例えば、ディープラーニング画像解析手法を用いて、データ選択スイッチ512で選択した成形波形データの特徴の定義付けを行う(AI学習という)。このAI学習した波形データをモデル波形データとして設定する。
モデル保存スイッチ515は、モデル作成開始スイッチ514で作成したモデル波形データに識別番号を付与して、モデル作成部51に保存する。
次に、図4(a)に示すように、モデル検証部52は、モデル読出しスイッチ521と、モデル編集開始スイッチ522と、モデル判定開始スイッチ523と、判定閾値設定スイッチ524と、を備える。なお、図4(a)において、スイッチの表記は省略している。また、各スイッチには、設定状況を表示する表示パネルEPを備える。
モデル読出しスイッチ521は、モデル作成部51に保存したモデル波形データの読出しを行う。なお、モデル波形データが複数ある場合は、識別番号を指定して該当するモデル波形データの読出しを行う。
モデル編集開始スイッチ522は、例えば、画像データを任意に編集し加工できる画像編集手段等を用いて、モデル読出しスイッチ521で読出したモデル波形データの編集(モデル編集という)の開始および停止を選択する。このモデル編集した波形データを編集波形データといい、必要に応じて複数のパターンの編集波形データを作成し、モデル検証部52に識別番号を付与して保存する。ここで、モデル編集は、例えば、過去の成形において経験した類似の成形波形データを再現させても良く、流動解析等の解析手段を用いて解析を行った際の成形波形データを再現させても良い。また、想定外の要素を盛り込んだ成形波形データを編集しても良い。さらに、モデル編集は、成形装置(100、300)の成形制御部(40、90)と判定部50が接続した状態で行っても良く、また、成形制御部(40、90)と判定部50を切り離した状態で行っても良い。あるいは、判定部50の機能を有する図示しない別に配置した編集手段で編集した結果を、判定部50にデータ転送する形態であっても良い。
モデル判定開始スイッチ523は、モデル読出しスイッチ521で読出したモデル波形データと、モデル編集開始スイッチ522で編集した編集波形データとの比較(モデル判定という)の開始および停止を選択する。このモデル判定に続いて、モデル波形データと編集波形データの差異を、予め設定したルールに基づいて数値化し第1判定スコア値として算出し、識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。
判定閾値設定スイッチ524は、モデル判定開始スイッチ523で算出した第1判定スコア値に基づいて、教師なし学習プログラムを用いた成形装置(100、300)の良否判定に用いる判定閾値を設定する。設定した判定閾値は、識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。ここで、判定閾値は、例えば、過去の成形の実績を参考にして設定しても良く、流動解析等の解析手段を用いた解析結果を参考にして設定しても良い。また、良否判定システム(200、400)を用いた良否判定の結果に基づいて、判定閾値を調整するとしても良い。
次に、図4(b)に示すように、良否判定部53は、モデル読出しスイッチ531と、判定閾値読出しスイッチ532と、良否判定開始スイッチ533と、を備える。なお、図4(b)において、スイッチの表記は省略している。また、各スイッチには、設定状況を表示する表示パネルEPを備える。
モデル読出しスイッチ531は、モデル作成部51に保存したモデル波形データの中から、成形装置(100、300)の良否判定に用いるモデル波形データを読出して、良否判定部53に設定する。
判定閾値読出しスイッチ532は、モデル検証部52に保存した判定閾値の中から、成形装置(100、300)の良否判定に用いる判定閾値を読出して、良否判定部53に設定する。
良否判定開始スイッチ533は、教師なし学習プログラムを用いた成形装置(100、300)の良否判定の開始と停止を選択する。良否判定の開始を選択すると、先ず、モデル読出しスイッチ531で設定したモデル波形データと、データ収集開始スイッチ511で収集した成形波形データとの比較の開始および停止を選択する。次に、モデル波形データと成形波形データの差異を、予め設定したルールに基づいて数値化し第2判定スコア値として算出する。その後、判定閾値読出しスイッチ532で設定した判定閾値と第2判定スコア値を比較して、成形装置(100、300)の良否判定を行う。良否判定の結果は、成形制御部(40、90)を経由して、射出制御部(37、67)や型締制御部27および周辺設備(80、85)にデータ転送される。また、良否判定の結果をモデル検証部52にデータ転送し、判定閾値の調整を行うとしても良い。
このように、成形装置(100、300)から発信される成形波形データに基づいて、モデル作成部51でモデル波形データを作成し、次いで、モデル検証部52でモデル波形データを編集して判定閾値を設定する。その後、教師なし学習プログラムを用いて、良否判定部53で判定閾値と成形波形データを比較して、成形装置(100、300)の良否判定を行うとした。これにより、成形開始の1ショット目から精度の高い良否判定を行うことが可能となる。また、実際の成形とは別の工程で判定閾値の設定を行うとしたので、事前に判定閾値の是非を評価することができ、判定閾値の精度を高めることができ、これにより良否判定の精度を更に高めることが可能となる。さらに、良否判定の結果に基づいて判定閾値を調整するとしたので、より好適な判定閾値を作り上げていくことができ、良否判定の安定化と高精度化を可能とする。
(良否判定方法の第1実施形態)
次に、図1から図4に示す良否判定システム(200、400)を用いた、成形装置(100、300)の良否判定方法について、図5を用いて説明する。図5(a)は、本発明の第1実施形態に係る良否判定方法の全体フロー図を示し、図5(b)は、モデル作成工程のフロー図を示す。また、図5(c)は、モデル検証工程のフロー図を示し、図5(d)は、第1良否判定工程のフロー図を示す。ここで、波形データ収集工程とモデル作成工程は、モデル作成部51で行う。また、モデル検証工程は、モデル検証部52で行い、第1良否判定工程は、良否判定部53で行う。
先ず、図5(a)に示すように、良否判定方法は、波形データ収集工程と、モデル作成工程と、モデル検証工程と、成形工程と、第1良否判定工程と、を備える。ここで、成形工程は、成形金型(10、70)を型締して形成される金型キャビティ(13、73)に向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する工程を示す。ここで、成形工程の前に、モデル作成工程とモデル検証工程を行うことを、本発明の特徴とする。
波形データ収集工程は、成形装置(100、300)から発信される成形波形データを収集する。収集した成形波形データは、モデル作成工程ではモデル作成部51に保存し、第1良否判定工程では良否判定部53に保存する。
次に、モデル作成工程は、波形データ収集工程に続いて、図5(b)に示すように、データ選択ステップと、学習区間設定ステップと、学習モデル作成ステップと、モデル保存ステップと、を備える。なお、図5(b)において、ステップの表記は省略している。
データ選択ステップは、波形データ収集工程で収集した成形波形データの中から、モデル波形データの作成に用いる成形波形データを選択し設定する。この操作は、成形技術者が行う。また、選択する成形波形データは、正常な状態であることが確認された成形装置(100、300)を用いて成形した成形品が要求性能を満足する状態であると判定(正常判定という)された成形波形データを選択することが好ましい。その理由として、例えば、原因不明の異常な状態を示す成形波形データを選択して判定閾値の設定を行ったとしても、その判定閾値には原因不明な要素が含まれ信頼性が損なわれる。そこで、本発明においては、正常な状態の成形波形データを選択し判定閾値を設定することを特徴とする。
学習区間設定ステップは、データ選択ステップで選択した成形波形データにおいて、表示する軸と学習区間を設定する。この学習区間の設定は、例えば、過去の成形を参考にして成形技術者が行っても良い。また、流動解析等の解析手段を用いて解析結果を設定しても良い。また、良否判定システム(200、400)を用いた良否判定を繰り返し行うことで、学習区間を好適な範囲に調整することができる。また、例えば、成形波形データの全範囲を学習区間に設定し、その後の良否判定を繰り返し行うことで好適な範囲に学習区間を再設定するとしても良い。この学習区間の設定により、判定閾値の算出に用いる成形波形データの容量を圧縮することができ、良否判定システム(200、400)の小型化やコスト低減および良否判定の時間短縮を図ることができる。
学習モデル作成ステップは、学習区間設定ステップで設定した学習区間に基づいて、例えば、ディープラーニング画像解析手法を用いて、データ選択した成形波形データの特徴の定義付けを行う(AI学習)。また、AI学習を行った成形波形データをモデル波形データとして設定する。
モデル保存ステップは、学習モデル作成ステップで設定したモデル波形データを、モデル作成部51に識別番号を付与して保存する。
次に、モデル検証工程は、図5(c)に示すように、モデル読出しステップと、第1モデル編集ステップと、モデル判定ステップと、判定閾値設定ステップと、判定閾値保存ステップと、を備える。なお、図5(c)において、ステップの表記は省略している。
モデル読出しステップは、モデル作成工程で作成したモデル波形データを読出して、モデル検証部52に設定する。なお、モデル波形データが複数ある場合は、識別番号を指定して該当するモデル波形データの読出しを行う。
第1モデル編集ステップは、例えば、画像データを任意に編集し加工できる画像編集手段等を用いて、モデル読出しステップで読出したモデル波形データを編集(モデル編集という)し、編集波形データとして設定する。この編集波形データは、必要に応じて複数のパターンを作成しても良く、識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。また、モデル編集は、例えば、過去の成形において経験した類似の成形波形データを再現させても良く、流動解析等の解析手段を用いて解析を行った際の成形波形データを再現させても良い。また、想定外の要素を盛り込んだ成形波形データを再現するとしても良い。さらにモデル編集は、成形装置(100、300)の成形制御部(40、90)と判定部50が接続した状態で行っても良く、また、成形制御部(40、90)と判定部50を切り離した状態で行っても良い。あるいは、判定部50の機能を有する図示しない別に配置した編集手段で編集した結果を、判定部50にデータ転送する形態であっても良い。
モデル判定ステップは、第1モデル編集ステップでモデル編集した複数の編集波形データに対して、モデル作成工程の学習区間設定ステップと同様に学習区間をそれぞれに設定する。次いで、学習モデル作成ステップと同様にディープラーニング画像解析手法を用いてAI学習を行う。その後、モデル読出しステップで読出したモデル波形データと、AI学習した複数の編集波形データと比較して、その差異を予め設定したルールに基づいて数値化し、複数の第1判定スコア値を算出し、モデル検証部52に保存する
判定閾値設定ステップは、複数の第1判定スコア値に基づいて、成形装置(100、300)の良否判定を行う判定閾値を設定する。この判定閾値は、例えば、過去の成形の実績を参考にして設定しても良く、流動解析等の解析手段を用いた解析結果を参考にして設定しても良い。また、良否判定システム(200、400)を用いた良否判定の結果に基づいて、判定閾値設定ステップで設定した判定閾値を調整するとしても良い。
判定閾値保存ステップは、判定閾値設定ステップで設定した判定閾値に識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。
次に、第1良否判定工程は、図5(d)に示すように、モデル読出しステップと、判定閾値読出しステップと、第1良否判定ステップと、を備える。なお、図5(d)において、ステップの表記は省略している。
モデル読出しステップは、モデル作成工程で作成したモデル波形データを読出して、良否判定部53に設定する。なお、モデル波形データが複数ある場合は、識別番号を指定して該当するモデル波形データの読出しを行う。
判定閾値読出しステップは、モデル検証工程で作成した判定閾値を読出して、良否判定部53に設定する。なお、判定閾値が複数ある場合は、識別番号を指定して該当する判定閾値の読出しを行う。また、第1良否判定工程の判定結果に基づいて調整された判定閾値を読出しても良い。
第1良否判定ステップは、成形工程において、モデル作成工程で作成したモデル波形データと、波形データ収集工程で収集した成形波形データを比較して、予め設定したルールに基づいて、モデル波形データと成形波形データの差異を数値化して第2判定スコア値を算出する。さらに、モデル検証工程で設定した判定閾値と第2判定スコア値を比較して、成形装置(100、300)の良否判定を行う。良否判定の結果は、成形制御部(40、90)を経由して、射出制御部(37、67)や型締制御部27および周辺設備(80、85)にデータ転送される。また、良否判定の結果をモデル検証部52にデータ転送し、モデル検証工程で判定閾値の調整を行うとしても良い。また、成形装置(100、300)の良否判定は、教師なし学習プログラムを用いて行う。
なお、第1良否判定工程において、例えば、図5(d)に示すように、正常判定(第2判定スコア値>判定閾値)の場合は、成形工程を継続する。また、異常判定(第2判定スコア値≦判定閾値)の場合は、例えば、成形工程を中断して成形装置(100、300)のメンテナンスを行う等の異常判定処置を行う。なお、判定閾値の設定によって、良否判定とする第2判定スコア値と判定スコア値の大小関係が決まる。
ここで、具体例を用いて良否判定方法を説明する。先ず、図6(a)に示すように、鋳造装置100から発信される鋳造成形の鋳造圧力波形データを成形波形データH1として、データ選択ステップで選択したと仮定する。次に、横軸に射出位置および縦軸に鋳造圧力の軸設定と、学習区間(S1、S2)を学習区間設定ステップで設定する。さらに、学習モデル作成ステップでAI学習を行う。例えば、図6(a)において、学習区間(S1、S2)の中で、山が1つ、山の高さP1(最大鋳造圧力を示す)、と特徴が定義付けされ、モデル波形データHSとして設定する。
次に、図6(b)に示すように、第1モデル編集ステップで複数の編集波形データ(H2~H5)を作成する。ここで、編集波形データ(H2~H5)は、例えば、学習区間(S1、S2)の中で、山が1つ、山の高さ(P2~P5、最大鋳造圧力を示す)、と特徴が定義される。なお、編集波形データ(H2~H5)は、必要に応じて増減しても良く、特徴の定義を大きく変化させても良い。さらに、モデル判定ステップで、モデル波形データHSと編集波形データ(H2~H5)の山の高さ(P1~P5)との差異を、第1判定スコア値(E1~E4)として算出する。
次に、図7(a)に示すように、判定閾値設定ステップで判定閾値R1を設定する。例えば、複数の第1判定スコア値(E1~E4)を回帰分析して回帰分析曲線K1を求め、この回帰分析曲線K1を用いて判定閾値R1を設定するとしても良い。最後に、図8(b)に示すように、成形工程において、第1良否判定ステップで、モデル波形データHSと複数の成形波形データH1の差異を第2判定スコア値HHとして都度算出する。さらに、複数の第2判定スコア値HHと判定閾値R1を比較して良否判定を行う。また、複数の第2判定スコア値HHを回帰分析して回帰分析曲線K2を求め、回帰分析曲線K2と判定閾値R1を用いて良否判定するとしても良い。この場合、例えば、第2判定スコア値HHが大きく変動したとしても良否判定の精度を高めることができる。また、良否判定の予測を行うことも可能である。なお、図7(b)において、第2判定スコア値HHが判定閾値R1よりも超過すると、射出充填時の鋳造圧力が過大に上昇し溶湯Mが漏出する鋳造不具合(過大なサージ圧による鋳バリ不良)を示す。
このように、波形データ収集工程で収集した成形装置(100、300)から発信される成形波形データに基づいて、モデル作成工程でモデル波形データを作成し、次いで、モデル検証工程でモデル波形データを編集して判定閾値を設定する。その後、成形工程において、教師なし学習プログラムを用いて、第1良否判定工程で判定閾値と成形波形データを比較して、成形装置(100、300)の良否判定を行うとした。これにより、成形開始の1ショット目から精度の高い良否判定を行うことが可能となる。また、実際の成形とは別の工程で判定閾値の設定を行うとしたので、事前に判定閾値の是非を評価することができ、判定閾値の精度を高めることができ、これにより良否判定の精度を更に高めることが可能となる。さらに、良否判定の結果に基づいて判定閾値を調整するとしたので、より好適な判定閾値を作り上げていくことができ、良否判定の安定化と高精度化を可能とする。また、良否判定の予測も可能とした。
(良否判定方法の第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る成形装置(100、300)の良否判定方法について説明する。第2実施形態の良否判定方法は、第1実施形態の波形データ収集工程とモデル作成工程およびモデル検証工程に続いて、図8(a)に示すように、第1実施形態で設定した判定閾値を用いて教師データを作成する教師データ作成工程と、成形工程と、作成した教師データに基づいて教師あり学習プログラムを用いた第2良否判定工程を行う。ここで、教師データ作成工程は、データ読出しステップと、第2モデル編集ステップと、教師データ設定ステップと、を備える。また、第2良否判定工程は、第2良否判定ステップを備える。なお、図8(a)において、ステップの表記は省略している。また、第1実施形態と重複する波形データ収集工程とモデル作成工程、およびモデル検証工程と成形工程の説明は省略する。
データ読出しステップは、第1実施形態のモデル検証工程で設定した編集波形データと判定閾値を読出して、図3(a)に示すモデル検証部52に設定する。なお、編集波形データおよび判定閾値が複数ある場合は、識別番号を指定して該当する編集波形データおよび判定閾値の読出しを行う。また、判定閾値については、第1良否判定工程の判定結果に基づいて調整された判定閾値を読出しても良い。
第2モデル編集ステップは、データ読出しステップで読出した判定閾値と編集波形データを用いて、モデル検証部52で編集波形データを編集して、確実に異常判定となる異常波形データを作成する。例えば、図6(b)に示す編集波形データH5を異常波形データとする。この編集波形データH5の第1判定スコア値E1は、図7(a)に示すように、判定閾値R1を大きく超過(E1>R1)していることから、確実に鋳バリ不良が発生すると断定される。なお、編集波形データの代わりに、第1実施形態のモデル作成工程で選択したモデル波形データ、あるいは、波形データ収集工程で収集し選択した成形波形データであっても良い。
教師データ設定ステップは、第2モデル編集ステップで編集した異常波形データを教師データとして設定し、図4(a)に示す教師データ設定スイッチ525で、識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。なお、第1実施形態の第1良否判定工程で異常判定された成形波形データを教師データに採用しても良い。
第2良否判定ステップは、先ず、図4(b)に示す教師データ読出しスイッチ534で、モデル検証部52に保存した教師データを読出して、図3(a)に示す良否判定部53に設定する。なお、教師データが複数ある場合は、識別番号を指定して該当する教師データの読出しを行う。次に、良否判定部53で、波形データ収集工程で収集した成形波形データと、読出した教師データを比較して、教師あり学習プログラムを用いた成形装置(100、300)の良否判定を行う。この第2良否判定工程において、図8(a)に示すように、正常判定(例えば、成形波形データ≠教師データ)の場合は、成形工程を継続する。異常判定(例えば、成形波形データ=教師データ)の場合は、例えば、成形工程を中断して成形装置(100、300)のメンテナンスを行う等の異常判定処置を行う。
このように、異常を示す成形運転データが存在しない成形においても、教師データ作成工程によって明確な異常を示す教師データを作成することができる。さらに、第2良否判定工程で、作成した教師データを用いて教師あり学習プログラムによる良否判定方法を行うことができる。これによって、精度の高い良否判定を可能とする。さらに、第2良否判定工程で異常判定となった成形波形データを用いて、設定した教師データを調整することで、良否判定の精度を更に高めることが可能となる。また、回帰分析の手法を組み合せて、精度の高い良否判定の予測を行うことも可能である。
(良否判定方法の第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る成形装置(100、300)の良否判定方法について説明する。第3実施形態の良否判定方法は、第1実施形態の波形データ収集工程とモデル作成工程およびモデル検証工程に続いて、図8(b)に示すように、第1実施形態で設定した判定閾値を用いて、図3(a)に示すモデル検証部52で、正常波形データを作成する正常データ作成工程を行う。さらに、この正常データを用いて、第1実施形態のモデル検証工程および第1良否判定工程を行う。ここで、正常データ作成工程は、データ読出しステップと、第3モデル編集ステップと、モデル保存ステップと、を備える。なお、図8(b)において、ステップの表記は省略している。また、第1実施形態と重複する波形データ収集工程とモデル作成工程、および、モデル検証工程と第1良否判定工程の説明は省略する。
データ読出しステップは、第1実施形態のモデル検証工程で設定した編集波形データと判定閾値を読出して、モデル検証部52に設定する。なお、編集波形データおよび判定閾値が複数ある場合は、識別番号を指定して該当する編集波形データおよび判定閾値の読出しを行う。また、判定閾値については、第1良否判定工程の判定結果に基づいて調整された判定閾値を読出しても良い。
第3モデル編集ステップは、データ読出しステップで読出した判定閾値と編集波形データを用いて、モデル検証部52で編集波形データを編集して、確実に正常判定となる正常波形データを作成する。例えば、図6(b)に示す編集波形データH2を正常波形データとする。この編集波形データH2の第1判定スコア値E4は、図7(a)に示すように、判定閾値R1よりも確実に小さい(E4<R1)ことから、高い確率で品質の良い成形品が成形できると断定される。なお、編集波形データの代わりに、第1実施形態のモデル作成工程で選択したモデル波形データ、あるいは、波形データ収集工程で収集し選択した成形波形データであっても良い。
モデル保存ステップは、第3モデル編集ステップで編集した正常波形データを、図4(a)に示す正常データ設定スイッチ526で、識別番号を付与してモデル検証部52に保存する。なお、第1実施形態の第1良否判定工程で正常判定された成形波形データを正常波形データとしても良い。この正常データを用いた成形装置(100、300)の良否判定を行う場合は、図4(a)に示すモデル読出しスイッチ521で、識別番号を指定して読み出して、モデル検証工程および第1良否判定工程を行う。
このように、正常データ作成工程によって、モデル作成工程を省略することができ、成形工程の前に行う良否判定工程の事前準備に要する時間を短縮でき、効率アップが大いに期待できる。さらに、正常データの種類と数が増えて、その後の判定閾値の精度を高めることができ、成形装置(100、300)の良否判定の精度を安定とすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
200、400 良否判定システム
100 鋳造装置
300 射出成形機
10 鋳造金型
70 射出成形金型
11、71 固定金型
12、72 可動金型
13、73 金型キャビティ
14、74 金型ゲート
20 型締部
21 固定盤
22 可動盤
23 型締盤
24 タイバー
25 トグルリンク部
251 リンク
252 クロスヘッド
253 ボールネジ
26 型締駆動部
27 型締制御部
30、60 射出部
31 射出スリーブ
32 プランジャチップ
33 プランジャロッド
34 注湯口
35、65 連結部
36、66 射出駆動部
37、67 射出制御部
40、90 成形制御部
50 判定部
51 モデル作成部
511 データ収集開始スイッチ
512 データ選択スイッチ
513 学習区間設定スイッチ
514 モデル作成開始スイッチ
515 モデル保存スイッチ
52 モデル検証部
521、531 モデル読出しスイッチ
522 モデル編集開始スイッチ
523 モデル判定開始スイッチ
524 判定閾値設定スイッチ
525 教師データ設定スイッチ
526 正常データ設定スイッチ
53 良否判定部
532 判定閾値読出しスイッチ
533 良否判定開始スイッチ
534 教師データ読出しスイッチ
54 表示部
61 射出シリンダ
62 スクリュ
63 スクリュロッド
64 ホッパ
80、85 周辺設備
M 溶湯
P 溶融樹脂
F 前方
R 後方
H1 成形波形データ
HS モデル波形データ
S1、S2 学習区間
H2~H5 編集波形データ
P1~P5 山の高さ(最大鋳造圧力)
R1 判定閾値
E1~E4 第1判定スコア値
K1、K2 回帰分析曲線
HH 第2判定スコア値
EP 表示パネル

Claims (6)

  1. 成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置から発信される成形波形データに基づいて、教師なし学習プログラムを用いて前記成形装置の良否判定を行う良否判定システムにおいて、
    前記成形波形データを収集してモデル波形データを作成するモデル作成部と、前記モデル波形データを編集して編集波形データを作成し、前記モデル波形データと前記編集波形データを比較して第1判定スコア値を算出し、前記第1判定スコア値に基づいて判定閾値を設定するモデル検証部と、前記モデル波形データと前記成形波形データを比較して第2判定スコア値を算出し、前記第2判定スコア値と前記判定閾値を比較して前記成形装置の良否判定を行う良否判定部と、を備えることを特徴とする良否判定システム。
  2. 前記モデル作成部と前記モデル検証部および前記良否判定部の状態を表示する表示部を更に備える、請求項1に記載の良否判定システム。
  3. 請求項1に記載の良否判定システムを用いた良否判定方法において、
    成形金型を型締して形成される金型キャビティに向けて、溶融状態の成形材料を射出充填して成形品を成形する成形装置から発信される成形波形データを収集する波形データ収集工程と、前記成形波形データからモデル波形データを作成するモデル作成工程と、前記モデル波形データを編集して編集波形データを作成し、前記モデル波形データと前記編集波形データを比較して第1判定スコア値を算出し、前記第1判定スコア値に基づいて、教師なし学習プログラムを用いた前記成形装置の良否判定に用いる判定閾値を設定するモデル検証工程と、前記モデル波形データと前記成形波形データを比較して第2判定スコア値を算出し、前記第2判定スコア値と前記判定閾値を比較して前記成形装置の良否判定を行う第1良否判定工程と、を備えることを特徴とする良否判定方法。
  4. 前記モデル作成工程は、正常判定の前記成形装置で成形した前記成形波形データを用いる、請求項2に記載の良否判定方法。
  5. 前記判定閾値を用いて、前記編集波形データを編集して異常判定を示す教師データを作成する教師データ作成工程と、教師あり学習プログラムを用いて、前記教師データと前記成形波形データを比較して前記成形装置の良否判定を行う第2良否判定工程と、を更に備える請求項2または3に記載の良否判定方法。
  6. 前記判定閾値を用いて、前記編集波形データを編集して正常判定を示す正常波形データを作成する正常データ作成工程、を更に備える請求項2または3に記載の良否判定方法。
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