JP2024056400A - 光学ガラスおよび光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスおよび光学素子を提供すること。【解決手段】 Fの含有量が20~45モル%であり、Alの含有量が1~13モル%であり、Pの含有量が1~13モル%であり、Liの含有量が5モル%以下であり、Baの含有量が1~10モル%であり、Oの含有量とPの含有量とのモル比[O/P]が3.30~4.20であり、Fの含有量とAlの含有量とのモル比[F/Al]が3.70~5.50であり、Pの含有量とAlの含有量とのモル比[P/Al]が0.90~1.20であり、Baの含有量とPの含有量とのモル比[Ba/P]が0.55~1.00であり、Baの含有量と、Mg、Ca、Sr、およびBaの合計含有量とのモル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]が0.65以下であり、Fの含有量と、O、F、およびClの合計含有量とのモル比[F/(O+F+Cl)]が0.45以上である、光学ガラス。【選択図】 なし

Description

本発明は、光学ガラスおよび光学素子に関する。
近年、低屈折・異常部分分散性のガラスからなるレンズは、生産性の向上にともない価格が低下し、デジタルカメラのみならず監視カメラなどの大量生産されるカメラにも多数搭載されるようになっている。そのため、今後も、このようなレンズに用いるガラスには、低コストで大量生産できることが求められる。
従来、低屈折・異常部分分散性のレンズの材料として広く用いられるフツリン酸ガラスは、ガラス成分の揮発により組成が変動しやすいために脈理が発生しやすい。さらに、屈折率を高めようとすると希土類を含有させるため高価となり、また割れやすいなどの問題があった。例えば脈理の問題に対しては、従来では、揮発しやすいガラス成分の配合量を低減することで対応していたが、このようなガラスでは再加熱時の安定性が低いという問題があった。特に、F(フッ素)は揮発によって組成変動を起こしやすい成分であり、脈理の発生要因となる。そこで、Fの配合量を低減することを検討したところ、Fの配合量が少なく、より高屈折であるフツリン酸ガラスでは、再加熱時の安定性が顕著に低下する傾向にあった。
特許文献1では、低分散であり、異常部分分散性を有するフツリン酸ガラスが提案されている。しかし、特許文献1のガラスでは、再加熱時の安定性に劣るという問題があった。
国際公開第2014/196523号公報
本発明者が鋭意検討した結果、Fの含有量とAlの含有量とのモル比[F/Al]、Pの含有量とAlの含有量とのモル比[P/Al]を適切な範囲に調整することで再加熱時の安定性が改善されることがわかった。
そこで、本発明では、異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスおよび光学素子を提供することを目的とする。かかる目的のもと、異常部分分散性を維持しながら、再加熱時の安定性を向上できるガラスを探索した結果、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)Fの含有量が20~45モル%であり、
Alの含有量が1~13モル%であり、
Pの含有量が1~13モル%であり、
Liの含有量が5モル%以下であり、
Baの含有量が1~10モル%であり、
Oの含有量とPの含有量とのモル比[O/P]が3.30~4.20であり、
Fの含有量とAlの含有量とのモル比[F/Al]が3.70~5.50であり、
Pの含有量とAlの含有量とのモル比[P/Al]が0.90~1.20であり、
Baの含有量とPの含有量とのモル比[Ba/P]が0.55~1.00であり、
Baの含有量と、Mg、Ca、Sr、およびBaの合計含有量とのモル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]が0.65以下であり、
Fの含有量と、O、F、およびClの合計含有量とのモル比[F/(O+F+Cl)]が0.45以上である、光学ガラス。
(2)アッベ数νdが70.0~85.0である、(1)に記載の光学ガラス。
(3)上記(1)または(2)に記載の光学ガラスからなる、光学素子。
本発明によれば、異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスおよび光学素子を提供できる。
図1は、結晶化の発熱ピークの立ち上がり温度Tx、およびガラス転移温度Tgを算出するための、参考図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、ガラス成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)等の方法で定量することができる。陰イオン成分となる元素、例えばO、F、Clについては、公知の分析法、例えばイオンクロマトグラフィー法、非分散赤外線吸収法(ND-IR)等によって同定および定量することができる。
また、本明細書において、ガラスの熱的安定性および再加熱時の安定性とは、ともにガラス中における結晶析出のしにくさを指す。特に、熱的安定性は熔融状態のガラスが固化する際の結晶析出のしにくさを指し、再加熱時の安定性はリヒートプレス時のように、固化したガラスを再加熱したときの結晶析出のしにくさを指すものとする。
本明細書では、屈折率は、特記しない限り、ヘリウムのd線(波長587.56nm)における屈折率ndをいう。
アッベ数νdは、分散に関する性質を表す値として用いられるものであり、以下の式で表される。ここで、nFは青色水素のF線(波長486.13nm)における屈折率、nCは赤色水素のC線(656.27nm)における屈折率である。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
本発明では、光学ガラスのガラス組成は、モル%にて表示する。モル%とは、ガラスが含有する全ての元素の含有量の合計を100%としたときのモル百分率である。また、モル比とは、モル%で表示する元素の含有量に基づいて算出される比率である。本明細書および本発明において、構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、該成分が不可避的不純物レベルで含まれることを許容する。
本発明において、各元素の原子量は、参考文献1(Pure Appl. Chem., Vol. 75, No. 8, pp. 1107-1122, 2003. )のTable.2に記載の原子量を参照するものとする。
本発明において、モル比[O/P]は、モル%表示におけるOの含有量とPの含有量との比率であるが、以下のように算出することもできる。
O/P比率の算出方法
本発明の光学ガラスは、少なくとも可視~近赤外領域に吸収を持たない絶縁体であり、かつその形式価数は概ね0(電気的中性)とみなすことができる。したがって、本発明の光学ガラスは、
m種の陽イオンとなりうる元素α1、α2…αm、並びにn種の陰イオンとなりうる元素β1、β2…βnの元素の質量%を、
C(α1)、C(α2)、…C(αm)、並びにC(β1)、C(β2)、…C(βn)とし、
1)陽イオンとなりうる元素α1、α2…αm、並びに陰イオンとなりうる元素β1、β2…βnの原子量を
M(α1)、M(α2)、…M(αm)、並びにM(β1)、M(β2)、…M(βn)とし、
2)陽イオンα1、α2…αm、並びに陰イオンβ1、β2…βnの価数を
V(α1)、V(α2)、…V(αm)、並びにV(β1)、V(β2)、…V(βn)とするとき、
Σ(i=1~m){C(αi)/M(αi)×V(αi)}
=-Σ(j=1~n){C(βj)/M(βj)×V(βj)}
の関係を持つと見なすことができる。
この関係を用いて、O元素以外の含有量(質量%)からO元素の含有率を計算することもできる。これは、例えば、Oの含有量の測定が困難である場合、またはOの含有量の測定結果にばらつきが大きい場合に有効である。
以下に、具体例を挙げて説明する。
算出例
下表Iに示すように、元素F、Al、Ba、P、およびOから成るガラスについて、Oを除く各元素の質量百分率表示での含有量が27.035質量%、7.384質量%、52.614質量%、5.086質量%と定量された場合について説明する。
Figure 2024056400000001
F、Al、Ba、P、およびOについて
1)F、Al、Ba、P、およびOの形式価数を、それぞれV(F)=-1、V(Al)=+3、V(Ba)=+2、V(P)=+5、およびV(O)=-2とし、
2)F、Al、Ba、P、およびOの原子量を、それぞれM(F)=18.9984、M(Al)=26.9815、M(Ba)=137.3277、M(P)=30.9738、およびM(O)=15.9994としたとき、
下記式(1)が成り立つ。
{C(P)/M(P)×V(P)+C(Al)/M(Al)×V(Al)+C(Ba)/M(Ba)×V(Ba)}={C(O)/M(O)×V(O)+C(F)/M(F)×V(F)}…式(1)
上記式(1)より、
C(O)/M(O)={7.384/26.9815×3+52.614/137.3277×2+5.086/30.9738×5+27.035/18.9984×(-1)}/2=0.4926…
と算出できる。
C(O)/M(O)を、C(P)/M(P)=5.086/30.9738=0.1642…で除することによって、
D1={C(O)/M(O)}/{C(P)/M(P)}=3.00…と求めることができる。
D1は、モル比[O/P]を質量%表示による含有量と原子量とで示したものである。
また、C(O)={C(O)/M(O)}×M(O)であるので、
C(O)=0.4926…×15.9994=7.881…(質量%)と求めることもできる。
このとき、ガラス成分の含有量の測定方法によっては、例えば少量の未測定の元素が存在したり、測定のばらつきによりOの含有量を含む質量%の合計がちょうど100%にならない場合があるが、O以外の元素がモル%単位で殆ど定量されている場合、上記の方法を用いることにより、Oの含有量の測定結果が無くても、D1等のパラメータを計算することができる。
たとえば元素をモル%換算したときに許容される合計量のばらつきの範囲は、100±5%となることがあるが、100±3%程度であることが好ましく、100%±2%、100%±1%、100%±0.5%、100%±0.3%、100%±0.1%の順に好ましい。不可避的な不純物まで測定しなくてもよい。
以下、本実施形態に係る光学ガラスについて詳述する。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Fの含有量は20~45モル%である。Fの含有量の下限は、好ましくは22モル%であり、さらには24モル%、26モル%、28モル%、30モル%、32モル%の順により好ましい。Fの含有量の下限を上記のとおり設定することで、再加熱時の安定性を高めることができる。Fの含有量の上限は、好ましくは44モル%であり、さらには43モル%、42モル%の順により好ましい。Fの含有量の上限を上記のとおり設定することで、ガラス成分の揮発を抑制することができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量は1~13モル%である。Alの含有量の下限は、好ましくは2.00モル%であり、さらには3.00モル%、4.00モル%、5.00モル%、5.50モル%、6.00モル%、6.50モル%、7.00モル%の順により好ましい。Alの含有量の下限を上記のとおり設定することで、化学的耐久性を高めることができる。また、Alの含有量の上限は、好ましくは12.0モル%であり、さらには11.0モル%、10.5モル%、10.0モル%、9.50モル%、9.00モル%の順により好ましい。Alの含有量の上限を上記のとおり設定することで、再加熱時の安定性を高めることができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Pの含有量は1~13モル%である。Pの含有量の下限は、好ましくは2.00モル%であり、さらには3.00モル%、4.00モル%、5.00モル%、5.50モル%、6.00モル%、6.50モル%、7.00モル%の順により好ましい。Pの含有量の下限を上記のとおり設定することで、再加熱時の安定性を高めることができる。また、Pの含有量の上限は、好ましくは12.0モル%であり、さらには11.0モル%、10.5モル%、10.0モル%の順により好ましい。Pの含有量の上限を上記のとおり設定することで、屈折率ndを高めることができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Liの含有量は5モル%以下である。Liの含有量の上限は、好ましくは4.00モル%であり、さらには3.00モル%、2.50モル%、2.00モル%、1.80モル%、1.60モル%の順により好ましい。Liの含有量の上限を上記のとおり設定することで、ガラス成分の揮発を抑制することができる。また、Liの含有量の下限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.08モル%、0.12モル%、0.15モル%、0.18モル%、0.20モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Baの含有量は1~10モル%である。Baの含有量の下限は、好ましくは1.50モル%であり、さらには2.00モル%、3.00モル%、4.00モル%、4.50モル%、5.00モル%の順により好ましい。Baの含有量の下限を上記のとおり設定することで、屈折率ndを高めることができる。また、Baの含有量の上限は、好ましくは9.50モル%であり、さらには9.20モル%、9.00モル%、8.80モル%、8.60モル%の順により好ましい。Baの含有量の上限を上記のとおり設定することで、再加熱時の安定性を高めることができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Oの含有量とPの含有量とのモル比[O/P]は3.30~4.20である。モル比[O/P]の下限は、好ましくは3.32であり、さらには3.34、3.36、3.38、3.40の順により好ましい。また、モル比[O/P]の上限は、好ましくは4.10であり、さらには4.00、3.95、3.90、3.85、3.80の順により好ましい。モル比[O/P]を上記範囲とすることで、異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスが得られる。本実施形態に係る光学ガラスでは、Fの揮発の影響によりPも揮発しやすくなるため、モル比[O/P]が小さすぎると、Fの揮発の影響が大きくなってガラス組成が変動し脈理が発生するおそれがある。モル比[O/P]が大きすぎると、異常部分分散性が損なわれるおそれがあり、また、ガラスの熱的安定性および再加熱時の安定性が低下するおそれがある。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Fの含有量とAlの含有量とのモル比[F/Al]は3.70~5.50である。モル比[F/Al]の下限は、好ましくは3.75であり、さらには3.80、3.85、3.90、3.95、4.00の順により好ましい。また、モル比[F/Al]の上限は、好ましくは5.45であり、さらには5.40、5.35、5.30、5.25、5.20、5.15、5.10の順により好ましい。モル比[F/Al]を上記範囲とすることで、異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスが得られる。モル比[F/Al]が小さすぎると、再加熱時の安定性が低下するおそれがある。モル比[F/Al]が大きすぎると、Fの揮発の影響によりガラス組成が変動し脈理が発生するおそれがある。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Pの含有量とAlの含有量とのモル比[P/Al]は0.90~1.20である。モル比[P/Al]の下限は、好ましくは0.92であり、さらには0.94、0.96、0.98、1.00、1.02の順により好ましい。また、モル比[P/Al]の上限は、好ましくは1.18であり、さらには1.16、1.14、1.12、1.10の順により好ましい。モル比[P/Al]を上記範囲とすることで、異常部分分散性および再加熱時の安定性を有する光学ガラスが得られる。モル比[P/Al]の好ましい範囲は、Fの含有量と連動して変化する。Fの含有量が多い場合、脈理の発生を抑制するために、Alの含有量を増やす必要があり、結果としてモル比[P/Al]は小さくなる。また、Fの含有量が少ない場合、再加熱時の安定性の低下を抑制するために、Pの含有量を増やし、Alの含有量を減らす必要があり、結果としてモル比[P/Al]は大きくなる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Baの含有量とPの含有量とのモル比[Ba/P]は0.55~1.00である。モル比[Ba/P]の下限は、好ましくは0.57であり、さらには0.59、0.61、0.63、0.65、0.67、0.71の順により好ましい。また、モル比[Ba/P]の上限は、好ましくは0.98であり、さらには0.96、0.94、0.92、0.90の順により好ましい。モル比[Ba/P]を上記範囲とすることで、異常部分分散性を有する光学ガラスが得られる。モル比[Ba/P]が小さすぎると、屈折率が低下するおそれがあり、またレンズにした場合に結像に影響するおそれがある。モル比[Ba/P]が大きすぎると、ネットワーク構造を形成できずガラス化できないおそれがあり、またBaが析出するおそれがある。また、再加熱時の安定性が低下するおそれがある。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Baの含有量と、Mg、Ca、Sr、およびBaの合計含有量とのモル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]は0.65以下である。モル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]の上限は、好ましくは0.63であり、さらには0.61、0.59、0.57の順により好ましい。モル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]の上限を上記のとおり設定することで、再加熱時の安定性を高めることができる。また、モル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]の下限は、好ましくは0.20であり、さらには0.30、0.34、0.38の順により好ましい。モル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]の下限を上記のとおり設定することで、屈折率ndを高めることができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Fの含有量と、O、F、およびClの合計含有量とのモル比[F/(O+F+Cl)]は0.45以上である。モル比[F/(O+F+Cl)]の下限は、好ましくは0.47であり、さらには0.48、0.49、0.50の順により好ましい。モル比[F/(O+F+Cl)]の下限を上記のとおり設定することで、異常部分分散性を付与でき、また熱的安定性を向上させることができる。また、モル比[F/(O+F+Cl)]の上限は、好ましくは0.70であり、さらには0.68、0.66、0.64、0.62の順により好ましい。モル比[F/(O+F+Cl)]の上限を上記のとおり設定することで、ガラスを安定化させることができ、またガラス成分の揮発を抑制することができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおける上記以外のガラス成分の含有量および比率について、以下に非制限的な例を示す。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiおよびNaの合計含有量[Li+Na]の下限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは0.00モル%であり、さらには0.05モル%、0.10モル%、0.15モル%、0.20モル%、0.25モル%の順により好ましい。合計含有量[Li+Na]の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは10.0モル%であり、さらには7.0モル%、5.00モル%、3.00モル%、2.00モル%、1.50モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Li、Na、およびKの合計含有量[Li+Na+K]の下限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは0.00モル%であり、さらには0.05モル%、0.10モル%、0.15モル%、0.20モル%、0.25モル%の順により好ましい。合計含有量[Li+Na+K]の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは10.0モル%であり、さらには7.00モル%、5.00モル%、3.00モル%、2.00モル%、1.50モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、SrおよびBaの合計含有量と、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnの合計含有量とのモル比[(Sr+Ba)/(Mg+Ca+Sr+Ba+Zn)]の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは0.100であり、さらには0.200、0.300、0.340、0.380、0.420、0.460の順により好ましい。モル比[(Sr+Ba)/(Mg+Ca+Sr+Ba+Zn)]の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは1.00であり、さらには0.950、0.900、0.850、0.830、0.810の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Ba、Sr、およびZnの合計含有量とPの含有量とのモル比[(Ba+Sr+Zn)/P]の下限は、屈折率を高める観点から好ましくは0.100であり、さらには0.200、0.300、0.400、0.500、0.550、0.600、0.650、0.700、0.750、0.800の順により好ましい。モル比[(Ba+Sr+Zn)/P]の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは2.10であり、さらには1.90、1.80、1.70、1.60、1.50、1.40、1.30の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、SrおよびLiの合計含有量[Sr+Li]の下限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは0.0モル%であり、さらには0.5モル%、1.0モル%、1.5モル%、2.0モル%、2.3モル%、2.5モル%の順により好ましい。合計含有量[Sr+Li]の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは10.0モル%であり、さらには9.0モル%、8.0モル%、7.0モル%、6.0モル%、5.5モル%、5.0モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Y、La、Gd、Yb、およびLuの合計含有量[Y+La+Gd+Yb+Lu]の下限は、屈折率ndを高め、また化学的耐久性を高める観点から、好ましくは0.0モル%であり、さらには0.04モル%、0.08モル%、0.12モル%、0.16モル%、0.20モル%、0.24モル%の順により好ましい。合計含有量[Y+La+Gd+Yb+Lu]の上限は、ガラス原料の熔解性を高め、また熔解時の耐失透性を高める観点から、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.4モル%、1.2モル%、1.0モル%、0.90モル%、0.80モル%、0.70モル%、0.60モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Oの含有量の下限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは10モル%であり、さらには13モル%、16モル%、18モル%、20モル%、22モル%、24モル%の順により好ましい。Oの含有量の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは47モル%であり、さらには44モル%、41モル%、39モル%、37モル%、36モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Clの含有量の下限は、清澄を促進する観点から、好ましくは0.00モル%であり、さらには0.01モル%、0.02モル%、0.03モル%、0.04モル%、0.05モル%の順により好ましい。Clの含有量の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは2.40モル%であり、さらには1.60モル%、1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%、0.32モル%、0.28モル%、0.24モル%、0.20モル%、0.16モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Bの含有量の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは1.6モル%であり、さらには1.2モル%、0.8モル%、0.6モル%、0.5モル%、0.4モル%、0.3モル%、0.2モル%、0.1モル%の順により好ましい。また、Bの含有量の下限は、ガラス原料の熔解性を維持する観点から、好ましくは0モル%である。Bの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Siの含有量の上限は、熔融性および熱的安定性を維持し、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは1.60モル%であり、さらには1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%、0.20モル%の順により好ましい。また、Siの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Siの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Naの含有量の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは6.00モル%であり、さらには5.20モル%、4.40モル%、3.60モル%、2.80モル%、2.00モル%、1.60モル%、1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%の順により好ましい。また、Naの含有量の下限は、ガラス原料の熔解性を維持する観点から、好ましくは0モル%である。Naの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Kの含有量の上限は、ガラス成分の揮発を抑制する観点から、好ましくは5.20モル%であり、さらには4.40モル%、3.60モル%、2.80モル%、2.00モル%、1.60モル%、1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%の順により好ましい。Kの含有量の下限は、ガラス原料の熔解性を維持する観点から、好ましくは0モル%である。Kの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Csの含有量の上限は、好ましくは1.60モル%であり、さらには1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%、0.20モル%の順により好ましい。Csの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Csの含有量は0モル%でもよい。Csは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下するおそれがある。そのため、Csの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Mgの含有量の下限は、再加熱時の安定性、機械的強度、および耐熱衝撃性を高める観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.20モル%、0.30モル%、0.40モル%、0.50モル%、0.55モル%、0.60モル%の順により好ましい。また、Mgの含有量の上限は、熔解時の耐失透性を高める観点から、好ましくは8.0モル%であり、さらには6.0モル%、4.0モル%、3.0モル%、2.5モル%、2.0モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Caの含有量の下限は、再加熱時の安定性、機械的強度、および耐熱衝撃性を高める観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.50モル%、1.00モル%、1.50モル%、1.80モル%の順により好ましい。また、Caの含有量の上限は、熔解時の耐失透性を高める観点から、好ましくは10.00モル%であり、さらには8.00モル%、6.00モル%、5.00モル%、4.50モル%、4.00モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Srの含有量の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.50モル%、1.00モル%、1.50モル%、1.80モル%の順により好ましい。また、再加熱時の安定性を高める観点から、Srの含有量の上限は、好ましくは10.00モル%であり、さらには8.00モル%、6.00モル%、5.50モル%、5.00モル%、4.60モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Znの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。また、Znの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Znの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnの合計含有量[Mg+Ca+Sr+Ba+Zn]の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは8.0モル%であり、さらには10.0モル%、11.0モル%、12.0モル%の順により好ましい。該合計含有量の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは25.0モル%であり、さらには23.0モル%、21.0モル%、19.0モル%、18.0モル%、17.0モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Sr、Ba、およびZnの合計含有量[Sr+Ba+Zn]の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは3.0モル%であり、さらには4.0モル%、5.0モル%、6.0モル%、7.0モル%、8.0モル%の順により好ましい。該合計含有量の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは20.0モル%であり、さらには18.0モル%、16.0モル%、14.0モル%、13.0モル%、12.0モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、SrおよびBaの合計含有量[Sr+Ba]の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは2.8モル%であり、さらには3.8モル%、4.8モル%、5.8モル%、6.8モル%、7.8モル%の順により好ましい。該合計含有量の上限は、再加熱時の安定性を高める観点から、好ましくは19.8モル%であり、さらには17.8モル%、15.8モル%、13.8モル%、12.8モル%、11.8モル%の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。また、Laの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Laの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Gdの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点、並びに原料コスト上昇を抑制し、また原料供給を安定化する観点から、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。また、Gdの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Gdの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Yの含有量の下限は、屈折率ndを高める観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.04モル%、0.08モル%、0.12モル%、0.16モル%、0.20モル%、0.22モル%、0.24モル%の順により好ましい。また、Yの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは3.0モル%であり、さらには2.4モル%、2.0モル%、1.6モル%、1.2モル%、1.0モル%、0.8モル%、0.6モル%の順により好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Luの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点、並びに原料コスト上昇を抑制し、また原料供給を安定化する観点から、好ましくは1.6モル%であり、さらには1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%、0.2モル%の順により好ましい。また、Luの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Luの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Ybの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点、並びに原料コスト上昇を抑制し、また原料供給を安定化する観点から、好ましくは1.6モル%であり、さらには1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%、0.2モルモル%の順により好ましい。また、Ybの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Ybの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Nbの含有量の上限は、蒸気圧の高いフッ化物の生成を抑えて脈理の発生を抑制し、さらに低分散性を維持する観点から、好ましくは2.00モル%であり、さらには1.60モル%、1.20モル%、0.80モル%、0.40モル%、0.20モル%、0.14モル%、0.10モル%、0.06モル%、0.02モル%の順により好ましい。Nbの含有量の下限は、紫外域に吸収を設け、製造時の紫外吸収端のばらつきを抑える観点から、好ましくは0モル%であり、さらには0.002モル%、0.004モル%、0.008モル%の順により好ましい。Nbの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Tiの含有量の上限は、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。Tiの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Tiの含有量は0モル%でもよい。蒸気圧の高いフッ化物の生成を抑えて脈理の発生を抑制し、さらに低分散性を維持する観点から、Tiの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Wの含有量の上限は、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。Wの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Wの含有量は0モル%でもよい。蒸気圧の高いフッ化物の生成を抑えて脈理の発生を抑制し、さらに低分散性を維持する観点から、Wの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Biの含有量の上限は、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。Biの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Biの含有量は0モル%でもよい。蒸気圧の高いフッ化物の生成を抑えて脈理の発生を抑制し、さらに低分散性を維持する観点から、Biの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Zrの含有量の上限は、ガラス原料の熔解性を高める観点から、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。Zrの含有量の下限は、屈折率ndを維持する観点から、好ましくは0モル%である。Zrの含有量は0モル%でもよい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Taの含有量の上限は、好ましくは2.0モル%であり、さらには1.6モル%、1.2モル%、0.8モル%、0.4モル%の順により好ましい。Taの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。Taの含有量は0モル%でもよい。蒸気圧の高いフッ化物の生成を抑えて脈理の発生を抑制し、さらに低分散性を維持する観点から、Taの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Scの含有量は、好ましくは2モル%以下である。また、Scの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。
本実施形態に係るガラスにおいて、Hfの含有量は、好ましくは2モル%以下である。また、Hfの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。
Sc、Hfは、ガラスの高分散性を高める働きを有し、また高価な成分でもある。そのため、Sc、Hfの各含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Geの含有量は、好ましくは2モル%以下である。また、Geの含有量の下限は、好ましくは0モル%である。
Geは、ガラスの高分散性を高める働きを有し、一般的に使用されるガラス成分の中で、突出して高価な成分である。したがって、ガラスの製造コストを低減する観点から、Geの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスは、主として上述のガラス成分、すなわち、必須成分としてF、Al、P、Ba、およびO、任意成分としてLi、Cl、B、Si、Na、K、Cs、Mg、Ca、Sr、Zn、La、Gd、Y、Lu、Yb、Nb、Ti、W、Bi、Zr、Ta、Sc、Hf、およびGeで構成されていることが好ましい。上述のガラス成分の合計含有量は、好ましくは95モル%以上であり、より好ましくは98モル%以上である、さらに好ましくは99モル%以上であり、特に好ましくは99.5モル%以上である。
本実施形態に係るガラスは、基本的に上記ガラス成分により構成されることが好ましいが、本発明の作用効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することも可能である。また、本発明において、不可避的不純物の含有を排除するものではない。
上記成分の他に、上記光学ガラスは、清澄剤としてSb等を少量含有することもできる。Sbの含有量(外割添加量)の上限は、好ましくは0.20モル%であり、さらには0.16モル%、0.12モル%、0.08モル%、0.04モル%、0.01モル%、0.008モル%、0.006モル%、0.004モル%、0.002モル%の順により好ましい。Sbの含有量(外割添加量)の下限は0モル%である。Sbの含有量(外割添加量)は0モル%でもよい。
なお、外割添加量とは、清澄剤を除く全ガラス成分の合計含有量を100%としたときの清澄剤の添加量をモル百分率で表したものである。
また、上記光学ガラスは、可視領域の広い範囲にわたり高い透過率が得られる。こうした特長を活かすには、着色性の元素を含まないことが好ましい。着色性の元素としては、Cu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、Er、V等を例示することができる。いずれの元素とも、100質量ppm未満であることが好ましく、0~80質量ppmであることがより好ましく、0~50質量ppmであることが更に好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。
Ga、Te、Tb等は、導入が不要な成分であり、高価な成分でもある。そのため、Ga、Te、Tbの含有量は、いずれも、それぞれ0~0.1モル%であることが好ましく、0~0.05モル%であることがより好ましく、0~0.01モル%であることが更に好ましく、0~0.005モル%であることが一層好ましく、0~0.001モル%であることがより一層好ましい。Ga、Te、Tbは、実質的に含まれないことが特に好ましい。
(ガラス特性)
<アッベ数νd>
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、アッベ数νdの下限は、好ましくは70.0であり、71.0、72.0、73.0、74.0、75.0、または75.5とすることもできる。アッベ数νdの上限は、好ましくは85.0であり、84.0、83.0、82.0、81.5、または81.0とすることもできる。
アッベ数νdは、各ガラス成分の含有量を適宜調整することにより所望の値にすることができる。相対的にアッベ数νdを高くする成分、すなわち低分散化成分は、Si、B、Li、Na、K、La、Ba、Ca、Sr等である。一方、相対的にアッベ数νdを低くする成分、すなわち高分散化成分は、Nb、Ti、Zr、W、Bi、Ta等である。
<屈折率nd>
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、屈折率ndの下限は、好ましくは1.40であり、1.45、1.46、1.47、1.48、または1.49とすることもできる。屈折率ndの上限は、好ましくは1.65であり、1.60、1.59、1.58、1.57、1.56、または1.55とすることもできる。
屈折率ndは各ガラス成分の含有量を適宜調整することにより所望の値にすることができる。相対的に屈折率ndを高める働きを有する成分(高屈折率化成分)は、Nb、Ti、Zr、Ta、La、Y、Gd、Ba、Sr、Zn等である。一方、相対的に屈折率ndを低くする働きを有する成分(低屈折率化成分)は、Si、B、P、Li、Na、K、Mg、Ca等である。
<再加熱時の安定性>
本実施形態に係る光学ガラスは、ガラス転移温度Tgより130~160℃高い温度に設定した試験炉で10分間加熱した場合に、白濁しないことが好ましい。より好ましくは、目視でガラス内部に失透が観察されないことであり、更に好ましくはガラス内部を顕微鏡で観察しても結晶が認められないことであり、いっそう好ましくはガラス内部に結晶が析出しないことである。再加熱時の安定性は、モル比[O/P]、[P/Al]、[F/Al]、[Ba/P]、[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]などを調整することで制御できる。
再加熱時の安定性は以下のように測定する。縦・横・高さの各寸法が10.0mm±0.5mmで、かつ試料の体積が512mm3以上である、おおむね直方体形状のガラス試料について、下記の手順で一次加熱および二次加熱を行う。一次加熱および二次加熱は、ガラス試料に対して十分に大きな熱容量を有する2つの試験炉を用いて行う。以降、それぞれの試験炉を一次加熱炉、二次加熱炉と呼ぶことにする。
前述の直方体形状のガラス試料を、所定の一次加熱温度に保温された一次加熱炉に投入する。一次加熱は、二次加熱においてガラス試料が確実に均熱され、かつ一次加熱において結晶析出や結晶核の生成を促進することがないような条件で行う。具体的には、一次加熱温度の下限は、ガラス試料のガラス転移温度Tgより20℃低い温度(Tg-20℃)とし、一次加熱温度の上限は、そのガラス試料のガラス転移温度Tgより15℃高い温度(Tg+15℃)とする。また、一次加熱時間は、10~30分とする。
一次加熱終了後のガラス試料を炉から取り出した後、直ちに、所定の二次加熱温度に保温された二次加熱炉に移動させる。二次加熱温度は、ガラス試料のガラス転移温度Tgより130~160℃高い温度とする。二次加熱時間は、10分とする。
二次加熱終了後のガラス試料を炉から取り出し、大気中で室温まで放冷する。ガラス試料全体の白濁および失透の有無を目視で確認する。また、ガラス内部を顕微鏡で観察し結晶の有無を確認する。
一次加熱および二次加熱において、試験炉内に置かれたガラス試料の加熱条件を一定にするため、ガラス試料は、耐火物の皿や底板を設けて炉内の中央部に置く。なお上述の一次加熱温度および二次加熱温度とは、ガラス試料を配置した位置の温度である。さらにガラス試料の張り付きを抑え、炉体からの熱伝達を抑え、主に炉内雰囲気からの伝熱によってガラスを加熱させるために、ガラス試料は窒化ホウ素あるいはアルミナのような反応性の低い粉体の上に配置する。なおこれらの粉体とガラス試料との接触面は安定性試験における観察対象から除外する。
<比重>
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、比重は、好ましくは4.20以下であり、さらには4.10以下、4.05以下、4.00以下の順により好ましい。比重の下限は、特に制限されないが、通常3.50である。比重は、アルキメデス法にて測定する。比重は原子量の大きな元素、たとえばBa、La、Gd、LuおよびYbなどの成分の導入により大きくなる傾向があり、原子量の小さなMg、Pなどの成分を導入することで小さくなる傾向がある。一方で、原子量の比較的小さな元素であっても、ガラス中の元素の充填率の増大に寄与する成分、例えばLi、Alなどの導入によっても比重は増大する傾向がある。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
<ガラス転移温度Tgおよび安定化指標ΔT>
本実施形態に係る光学ガラスの再加熱時の安定性は、参考文献2(山根, NEW GLASS No.7,p.19-30 (1987))に記載された安定化指標ΔTで評価することもできる。ここでTxは結晶化の発熱ピークの立ち上がり温度であり、Tgはガラス転移温度である。そして、ΔTはTxとTgの差であり、ΔT=Tx-Tgとあらわされる。Tg、Txは、参考文献2に開示された図(図1)に則って解析し数値を得ることができる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、ガラス転移温度Tgは、ガラスを徐冷する温度や加熱軟化の温度ないしプレス温度を下げるという観点から、好ましくは550℃以下であり、さらには540℃以下、535℃以下、530℃以下、520℃以下の順により好ましい。ガラス転移温度Tgの下限は、特に制限されないが、通常380℃である。なおガラスのネットワーク構造をより強固にして、ガラスの割れを抑える観点、あるいはガラスの熱膨張を小さくし、かつガラスの耐熱性を高める観点からは、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは390℃であり、さらには400℃、410℃、420℃、430℃、440℃以上の順により好ましい。ガラス転移温度Tgは、主にLi、Na、Kの含有量やその合計含有量、Fの含有量、ならびにZnの含有量、モル比[P/Al]、モル比[Ba/P]などを調整することで制御できる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、結晶化の発熱ピークの立ち上がり温度Txとガラス転移温度Tgとの差(Tx-Tg)である安定化指標ΔTは、好ましくは100℃以上であり、さらには110℃以上、115℃以上、120℃以上、125℃以上、130℃以上の順により好ましく、結晶化の発熱ピークの立ち上がりが見られなくなることが最も好ましい。安定化指標ΔTの上限は、特に制限されないが、通常300℃である。ΔTは再加熱安定性の向上に寄与する要素の一つであり、再加熱安定性とおおむね同様に、モル比[O/P]、[P/Al]、[F/Al]、[Ba/P]、[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]などを調整することで制御できる。
(光学ガラスの製造)
本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率・低分散特性を有する、すなわち異常部分分散性を有するガラスであり、ダイレクトプレス法、リヒートプレス法、精密プレス成形法のいずれの方法にも好適なガラスである。
本実施形態に係る光学ガラスは、目的のガラス組成が得られるように、原料であるリン酸塩、フッ化物、酸化物などを秤量、調合し、十分に混合して混合バッチとし、熔融容器内で加熱、熔融し、脱泡、攪拌を行い均質かつ泡を含まない熔融ガラスを作り、これを成形することによって得ることができる。具体的には公知の熔融法を用いて製造できる。
[光学素子ブランク、プレス成型用ガラス素材、およびそれらの製造方法]
本発明の他の一態様は、
上述の光学ガラスからなる光学素子ブランク;
上述の光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材;
上述の光学ガラスをプレス成形用ガラス素材に成形する工程を備えるプレス成形用ガラス素材の製造方法;および、
上述のプレス成形用ガラス素材を加熱により軟化した状態で、プレス成形型を用いてプレス成形することにより光学素子ブランクを作製する工程を備える光学素子ブランクの製造方法、
に関する。
光学素子ブランクとは、目的とする光学素子の形状に近似し、光学素子の形状に研磨しろなどのような加工しろを加えた光学素子母材である。光学素子ブランクの表面を少なくとも研磨することにより、光学素子が仕上げられる。上述の光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材を加熱により軟化した状態で、プレス成形型を用いてプレス成形することにより光学素子ブランクを作製することができる。上述の光学ガラスは、優れた耐失透性を示すことができるため、プレス成形時の加熱によりガラス中に結晶が析出することを防ぐことができる。
プレス成形用ガラス素材の加熱、プレス成形は、ともに大気中で行うことができる。例えば、プレス成形用ガラス素材の表面に、窒化硼素などの粉末状離型剤を均一に塗布し、加熱、プレス成形すると、ガラスと成形型の融着を確実に防止できるほか、プレス成形型の成形面に沿ってガラスをスムーズに延ばすことができる。プレス成形後にアニールしてガラス内部の歪を低減することにより、均質な光学素子ブランクを得ることができる。
一方、プレス成形用ガラス素材とは、プリフォームとも呼ばれ、そのままの状態でプレス成形に供されるもの(以下、「素材1」という)に加え、公知の機械加工を施すことによりプレス成形に供されるもの(以下、「素材2」という)も含む。
例えば以下に例示する方法により、上述の光学ガラスをプレス成形用ガラス素材に成形することができる。
(1)熔融ガラスを鋳型にキャストしてガラス板を成形する方法(以下、「方法1」という);
(2)方法1によって作製されたガラス板をアニール処理した後、所望の大きさに切断し、カットピースと呼ばれるガラス片を複数作製する方法(以下、「方法2」という);
(3)方法2によって作製された複数個のガラス片をバレル研磨する方法(以下、「方法3」という);
(4)熔融ガラスをパイプから流下させて成形型により受けてガラス塊を成形する方法(以下、「方法4」という);
(5)方法4により得られたガラス塊をアニール処理した後にバレル研磨する方法(以下、「方法5」という)。
上述の素材1としては、上記方法3、4、5によって作製されるガラス素材などを例示することができる。一方、素材2としては、方法1、2、4によって作製される素材などを例示することができる。
[光学素子およびその製造方法]
本発明の他の一態様は、
上述の光学ガラスからなる光学素子;
上述の光学素子ブランクを少なくとも研磨することにより光学素子を作製する工程を備える光学素子の製造方法(以下、「方法A」という);
上述のプレス成形用ガラス素材を加熱により軟化した状態で、プレス成形型を用いて精密プレス成形することにより光学素子を作製する工程を備える光学素子の製造方法(以下、「方法B」という)、
に関する。
方法Aにおいて、研磨は公知の方法を適用すればよく、加工後に光学素子表面を十分洗浄、乾燥させるなどすることにより、内部品質および表面品質の高い光学素子を得ることができる。方法Aは、各種球面レンズ、プリズムなどの光学素子を製造する方法として好適である。研磨工程の前に光学素子ブランクを公知の方法により、研削してもよい。
方法Bにおける精密プレス成形とは、モールドオプティクス成形とも呼ばれ、光学素子の光学機能面をプレス成形型の成形面を転写することにより形成する方法である。ここで、光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると、非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法は、プレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。精密プレス成形法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する方法として最適である。
精密プレス成形法の一実施態様では、表面が清浄状態のプリフォームを、プリフォームを構成するガラスの粘度が105~1011Pa・sの範囲を示すように再加熱し、再加熱されたプリフォームを上型、下型を備えた成形型によってプレス成形する。成形型の成形面には必要に応じて離型膜を設けてもよい。なお、プレス成形は、成形型の成形面の酸化を防止する上から、窒素ガスや不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。プレス成形品は成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。このようにして、各種成形法に好適な光学ガラスからなるレンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子を製造することができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(実施例1)
表1(1)~(3)に示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。なお、表1(1)~(3)ではガラス組成をモル%表示にて表示している。モル%とは、ガラスが含有する全ての元素の含有量の合計を100%としたときのモル百分率である。
[光学ガラスの製造]
まず、ガラスの構成成分に対応する酸化物、水酸化物、フッ化物、塩化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られる光学ガラスのガラス組成が、表1(1)~(3)に示す各組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。こうして得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、800℃~1000℃で0.5~2時間加熱して熔融ガラスとし、攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tgより50℃高い温度~Tgより100℃低い温度で15~120分間熱処理したのち、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスサンプルを得た。
[光学特性の測定]
得られたガラスサンプルを、さらにガラス転移温度Tg付近で約15分から約120分間アニール処理した後、炉内で降温速度-30℃/時間で室温まで冷却してアニールサンプルを得た。得られたアニールサンプルについて、下記のとおり屈折率nd、アッベ数νd、ΔT、および比重を測定した。
(i)屈折率ndおよびアッベ数νd
上記アニールサンプルについて、JIS規格 JIS B 7071-1の屈折率測定法により、屈折率nd、nF、nCを測定し、下記式に基づきアッベ数νdを算出した。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
(ii)安定化指標ΔT(Tx-Tg)
上記アニールサンプルについて、ネッチ・ジャパン社製の示差走査熱量計DSC3300Sを用いて、ガラス転移温度Tg、結晶化の発熱ピークの立ち上がり温度Txを測定した。上記アニールサンプルを粉砕して約0.02ccになる重さを量り取り、φ5mmのPtパンに投入後、昇温速度10℃/min、最高温度1000℃の条件で測定した。標準試料にはアルミナ(Al23)を使用した。
(iii)比重
アルキメデス法により比重を測定した。
[再加熱時の安定性]
10mm×10mm×7.5mmの大きさのガラス試料を、ガラス試料の設置位置の温度がガラス試料のガラス転移温度TgからTgより5℃高い温度(Tg~Tg+5℃)の範囲となるように設定・保温された試験炉で10分間、一次加熱したのち、そのガラス試料のガラス転移温度Tgより130~160℃高い温度に設定・保温された試験炉で10分間、二次加熱した。一次加熱および二次加熱において、ガラス試料は、アルミナの粉体を載せたアルミナ製の板の上に配置し、ガラス試料を板ごと搬送した。その後、ガラス試料を大気中で室温まで放冷した。ガラス内部を顕微鏡で観察し結晶の有無を確認した。また、目視でガラス全体の失透を確認したのち、下記の基準で評価した。
A:二次加熱において温度Tg+160℃で軟化する。顕微鏡で結晶が観察されない。
B:二次加熱において温度Tg+150℃で軟化する。顕微鏡で結晶が観察されない。
C:二次加熱において温度Tg+130℃で軟化する。顕微鏡で結晶が観察されない。
D:二次加熱において温度Tg+130℃で軟化する。顕微鏡で結晶が観察される。目視でガラス全体の失透は見られない。
E:二次加熱において、温度Tg+130℃で表面や内部の結晶化により軟化しない。
Figure 2024056400000002
Figure 2024056400000003
Figure 2024056400000004
(実施例2)
実施例1において作製した各光学ガラスを用いて、公知の方法により、レンズブランクを作製し、レンズブランクを研磨等の公知方法により加工して各種レンズを作製した。
作製した光学レンズは、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ等の各種レンズである。
各種レンズは、他種の光学ガラスからなるレンズと組合せることにより、高次の色収差を良好に補正することができた。
また、ガラスは比較的低比重であるため、各レンズとも同等の光学特性、大きさを有するレンズよりも重量が小さく、各種撮像機器、特に省エネ可能という理由等によりオートフォーカス式の撮像機器用として好適である。同様にして、実施例1で作製した各種光学ガラスを用いてプリズムを作製した。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記に例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成を調整することにより、本発明の一態様にかかる光学ガラスを作製することができる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。

Claims (3)

  1. Fの含有量が20~45モル%であり、
    Alの含有量が1~13モル%であり、
    Pの含有量が1~13モル%であり、
    Liの含有量が5モル%以下であり、
    Baの含有量が1~10モル%であり、
    Oの含有量とPの含有量とのモル比[O/P]が3.30~4.20であり、
    Fの含有量とAlの含有量とのモル比[F/Al]が3.70~5.50であり、
    Pの含有量とAlの含有量とのモル比[P/Al]が0.90~1.20であり、
    Baの含有量とPの含有量とのモル比[Ba/P]が0.55~1.00であり、
    Baの含有量と、Mg、Ca、Sr、およびBaの合計含有量とのモル比[Ba/(Mg+Ca+Sr+Ba)]が0.65以下であり、
    Fの含有量と、O、F、およびClの合計含有量とのモル比[F/(O+F+Cl)]が0.45以上である、光学ガラス。
  2. アッベ数νdが70.0~85.0である、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 請求項1または2に記載の光学ガラスからなる、光学素子。
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