JP2024056345A - 固体撮像装置、及び、信号処理方法 - Google Patents

固体撮像装置、及び、信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命化を図ることが可能な固体撮像装置、及び、信号処理方法を提供する。【解決手段】固体撮像装置1は信号処理部90を備える。信号処理部90の信号処理は、第1受光部5からの電荷に応じた第1信号S1と第2受光部6からの電荷に応じた第2信号S2とを加算して加算信号S3を生成する処理と、第1信号S1から第2信号S2を減算して減算信号S4を生成する処理と、減算信号S4に基づいて加算信号S3を補正して出力する処理と、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、固体撮像装置、及び、信号処理方法に関する。
特許文献1には、撮像装置が記載されている。この撮像装置は、二次元配置された光電変換素子で生成される電荷を、ライン毎に水平方向に転送して撮像信号に変換する水平転送部と、水平転送部に対して、電荷の供給を制御する転送制御ゲート部と、水平転送部と転送制御ゲート部を駆動する駆動部と、水平転送部から出力される撮像信号を用いて補正信号の生成を行い、該補正信号によって、その後に水平転送部から出力される撮像信号の補正を行う信号補正部を有する。また、駆動部は、転送制御ゲート部によって水平転送部への電荷の供給を停止する処理を行い、信号補正部は、水平転送部への電荷の供給が停止されているときに水平転送部から出力される撮像信号を用いて補正信号を生成する。
特開2008-005328号公報
ところで、上記のような撮像装置では、出荷後に、光入射がない状態でも信号量の多い白点(White Spot、以下「WS」)が発生することがある。WSの発生は、パッケージ等の撮像装置の材料由来のアルファ線や宇宙線起因の中性子線が、撮像装置の受光部の半導体(例えばシリコン)の結晶構造に欠陥を形成したりダメージを及ぼしたりすることが一因と考えられる。アルファ線は、受光部に近接した材料から放射されるため、受光部に対して遮蔽物を設けることが難しく、したがって遮蔽が困難である。また、外界から飛来する中性子線は、中性子が荷電粒子でないことから、同様に遮蔽が困難である。したがって、WSの発生自体を避けることは難しい。
したがって、出荷後にWSが発生した場合には、出力信号においてWSに起因するノイズを除去するように補正しながら撮像装置を継続して使用することが考えられる。しかし、WSが経時的に増加するおそれがあること、及び出力信号がRTS(Random Telegraph Signal)様の変化する場合があること等の理由により、従来の撮像装置では当該補正が困難であった。したがって、出力信号の補正を可能とし、撮像装置の長寿命化を図ることが望ましい。
本開示は、長寿命化を図ることが可能な固体撮像装置、及び、信号処理方法を提供することを目的とする。
本開示に係る固体撮像装置は、[1]「光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部及び第2受光部と、前記第1受光部で発生した電荷に応じた第1信号を出力すると共に、前記第2受光部で発生した電荷に応じた第2信号を出力するための出力部と、前記出力部から出力された信号の処理するための信号処理部と、を備え、前記第1受光部は、第1方向に沿って配列された複数の第1画素、又は1つの第1画素を含む画素エリアである複数の第1画素エリアが前記第1方向に交差する第2方向に沿って配列されて構成される第1画素領域を有し、前記第2受光部は、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素、又は1つの第2画素を含む画素エリアである複数の第2画素エリアが前記第2方向に沿って配列されて構成される第2画素領域を有し、前記第1画素エリアと前記第2画素エリアとは、前記第1画素領域と前記第2画素領域との前記第2方向の端部が一致するように前記第1画素領域及び前記第2画素領域を前記第1方向に沿って配置したとき、前記複数の第1画素エリアのそれぞれと、前記複数の第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように対応付けられており、前記信号処理部の信号処理は、前記第1信号と前記第2信号とを加算して加算信号を生成する加算信号生成処理と、前記第1信号から前記第2信号を減算して減算信号を生成する減算信号生成処理と、前記減算信号に基づいて、前記加算信号を補正して出力する補正処理と、を含む、固体撮像装置」である。
この固体撮像装置では、光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部及び第2受光部が備えられている。第1受光部は、1又は複数の第1画素を含む第1画素エリアが第2方向に沿って配列されて構成された第1画素領域を有し、第2受光部も同様に、1又は複数の第2画素を含む第2画素エリアが第2方向に沿って配列されて構成された第2画素領域を有する。第1受光部及び第2受光部では、第1画素及び第2画素のそれぞれにおいて、入射光に応じた電荷が発生させられる。
そして、第1画素エリアと第2画素エリアとが、第1画素領域と第2画素領域との第2方向の端部が一致するように第1画素領域及び第2画素領域を第1方向に沿って配置したとき(実際にそのように配置されているかは問われない)、複数の第1画素エリアのそれぞれと、複数の第2画素エリアのそれぞれとが第1方向に沿って並ぶように対応付けられている。したがって、この固体撮像装置では、第1受光部(第1画素領域)と第2受光部(第2画素領域)とに同一又は対応する光を入射させることにより、第1受光部からの電荷に応じた第1信号と、第2受光部からの電荷に応じた第2信号との間に対応関係が生じる。
このため、信号処理部が第1信号と第2信号との減算信号を生成することにより、第1信号と第2信号との間に対応関係なく生じ得るWSに起因した出力値に関する情報(例えばWSに起因した出力値を生じさせる画素エリアの位置や、当該出力値を含む信号自体)が得られる。したがって、信号処理部によって生成された第1信号と第2信号との加算信号(補正前の出力信号)を、この減算信号に基づいて補正することで、WSに起因した出力値を除去することが可能となる。よって、経時的にWSが発生した場合であっても、その影響を抑制しつつ継続した使用が可能となる。すなわち、固体撮像装置の長寿命化が図られる。
本開示に係る固体撮像装置は、[2]「前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号に基づいて補正信号を生成すると共に、前記加算信号から当該補正信号を減算することにより前記加算信号を補正し、前記補正信号では、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが認められる場合に、当該白点エリアの前記出力値の符号が正に変更される、上記[1]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、加算信号から補正信号を減算することにより、加算信号からWSに起因した出力値(白点エリアの出力値)を除去することが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[3]「前記信号処理部は、前記補正処理では、全ての前記第1画素エリア及び全ての前記第2画素エリアにおいて前記補正信号を生成し、前記加算信号から当該補正信号を減算することにより前記加算信号を補正する、上記[2]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、白点エリアの位置を特定することなく、加算信号からWSに起因した出力値を除去することが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[4]「前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号に基づいて補正信号を生成すると共に、前記加算信号に当該補正信号を加算することにより前記加算信号を補正し、前記補正信号では、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが認められる場合に、当該白点エリアの前記出力値の符号が負に変更される、上記[1]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、加算信号に補正信号を加算することにより、加算信号からWSに起因した出力値(白点エリアの出力値)を除去することが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[5]「前記信号処理部は、前記補正処理では、全ての前記第1画素エリア及び全ての前記第2画素エリアにおいて前記補正信号を生成し、前記加算信号に当該補正信号を加算することにより前記加算信号を補正する、上記[4]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、白点エリアの位置を特定することなく、加算信号からWSに起因した出力値を除去することが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[6]「前記信号処理部は、前記補正処理では、前記補正信号における正の閾値と負の閾値との間の出力値を示す前記画素エリアの当該出力値を0とする、上記[2]~[5]のいずれかに記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、補正信号の減算又は加算によるノイズの重畳が抑制される。
本開示に係る固体撮像装置は、[7]「前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号において、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが検出された場合、前記加算信号における当該白点エリアの出力値を、前記第2信号の当該白点エリアの位置の前記第2画素エリアの出力値を2倍した出力値に置き換えると共に、前記減算信号において、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが検出された場合、前記加算信号における当該白点エリアの出力値を、前記第1信号の当該白点エリアの位置の前記第1画素エリアの出力値を2倍した出力値に置き換える、上記[1]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、加算信号からWSに起因した出力値を除去するに際して、補正信号の減算及び加算が不要となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[8]「前記信号処理部は、前記減算信号において、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリア、及び、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアの少なくとも一方が検出された場合に、前記補正処理を実行する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、白点エリアが検出されない場合に、補正処理の実行を省略することができる。
本開示に係る固体撮像装置は、[9]「前記第1画素エリアのそれぞれからの電荷を転送するための第1転送ゲート部と、前記第2画素エリアのそれぞれからの電荷を転送するための第2転送ゲート部と、前記第1転送ゲート部により転送された電荷を前記出力部に転送するための第1水平転送CCD部と、前記第2転送ゲート部により転送された電荷を前記出力部に転送するための第2水平転送CCD部と、を備える上記[1]~[8]のいずれかに記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、CCD(Charge Coupled Device)を含んで構成される固体撮像装置の長寿命化を図ることが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[10]「前記第1画素領域及び前記第2画素領域は、前記第1画素エリアのそれぞれと前記第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように、前記第1方向に配列されている、上記[9]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、第1画素領域と第2画素領域とに同一又は対応する光を入射させることが容易となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[11]「前記第1画素領域、前記第1転送ゲート部、及び前記第1水平転送CCD部は、前記第1方向の一方側に向かって順に配列されており、前記第2画素領域、前記第2転送ゲート部、及び前記第2水平転送CCD部は、前記第1方向の反対側に向かって順に配列されている、上記[10]に記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、同一又は対応する光を入射させることを容易化した配置の第1画素領域及び第2画素領域に対して、第1水平転送CCD部、第2水平転送CCD部、第1転送ゲート部、及び第2転送ゲート部を適切に配置することが可能となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[12]「前記出力部は、前記第1受光部で発生した電荷を受けて前記第1信号を出力するための第1出力部と、前記第2受光部で発生した電荷を受けて前記第2信号を出力するための第2出力部と、を含む上記[1]~[11]のいずれかに記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、第1受光部及び第2受光部のそれぞれに対応した出力部が設けられることにより、処理速度を向上させることができる。
本開示に係る固体撮像装置は、[13]「前記第1画素エリアは、前記第1方向に沿って配列された複数の第1画素を含み、前記第2画素エリアは、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素を含む、上記[1]~[12]のいずれかに記載の固体撮像装置。
」であってもよい。この場合、ビニングが可能となり、出力信号のSN比が良好となる。
本開示に係る固体撮像装置は、[14]「前記第1画素領域と前記第2画素領域とは、互いに隣接して配置されている、上記[1]~[13]のいずれかに記載の固体撮像装置」であってもよい。この場合、第1画素領域と第2画素領域とが近接して配置されることにより、領域間の特性が近くなるため、より適切な補正を行うことが可能となる。
本開示に係る信号処理方法は、[15]「光の入射に応じて電荷を発生するための第1受光部及び第2受光部と、前記第1受光部で発生した電荷に応じた第1信号を出力すると共に、前記第2受光部で発生した電荷に応じた第2信号を出力するための出力部とを備える固体撮像装置の信号処理方法であって、前記第1信号と前記第2信号とを加算して加算信号を生成する加算信号生成工程と、前記第1信号から前記第2信号を減算して減算信号を生成する減算信号生成工程と、前記減算信号に基づいて前記加算信号を補正して出力する補正工程と、を備え、前記第1受光部は、第1方向に沿って配列された複数の第1画素、又は1つの第1画素を含む画素エリアである複数の第1画素エリアが前記第1方向に交差する第2方向に沿って配列されて構成される第1画素領域を有し、前記第2受光部は、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素、又は1つの第2画素を含む画素エリアである複数の第2画素エリアが前記第2方向に沿って配列されて構成される第2画素領域を有し、前記第1画素エリアと前記第2画素エリアとは、前記第1画素領域と前記第2画素領域との前記第2方向の端部が一致するように前記第1画素領域及び前記第2画素領域を前記第1方向に沿って配置したとき、前記複数の第1画素エリアのそれぞれと、前記複数の第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように対応付けられている、信号処理方法」である。
この信号処理方法によれば、上記と同様の理由により固体撮像装置の長寿命化が図られる。
本開示によれば、長寿命化を図ることが可能な固体撮像装置、及び、信号処理方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る固体撮像装置の一例を示す模式的な平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。 図3は、本実施形態に係る固体撮像装置の別の一例を示す模式的な平面図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。 図5は、各種信号を示すグラフである。 図6は、各種信号を示すグラフである。 図7は、本実施形態に係る信号処理方法の一例を示すフローチャートである。 図8は、本実施形態に係る信号処理方法の別の一例を示すフローチャートである。 図9は、本実施形態に係る信号処理方法のさらに別の一例を示すフローチャートである。 図10は、固体撮像装置の第1変形例を示す模式的な平面図である。 図11は、図10のXI-XI線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。 図12は、第1変形例の固体撮像装置の別の態様を示す模式的な平面図である。 図13は、図12のXIII-XIII線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。 図14は、固体撮像装置の第2変形例を示す模式的な平面図である。 図15は、図14の一部を拡大して示す模試的な平面図である。 図16は、図14,15のXVI-XVI線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。
以下、一実施形態について、図面を参照して説明を行う。なお、各図の説明において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、第1方向D1を規定する第1軸、第1方向D1に交差(直交)する第2方向D2を規定する第2軸、及び、第1方向D1及び第2方向D2に交差(直交)する第3方向D3を規定する第3軸からなる直交座標系を示す場合がある。
[固体撮像装置の構成]
図1は、本実施形態に係る固体撮像装置の一例を示す模式的な平面図である。図2は、図1のII-II線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。図2の上部にII-II線に沿っての断面図(ハッチング省略)が示され、図2の下部に当該断面におけるポテンシャルVが示されている。図1,2に示される固体撮像装置1は、例えばCCDイメージセンサである。固体撮像装置1は、第1画素領域10及び第2画素領域20を備えている。
第1画素領域10は、第2方向D2に沿って配列された複数の第1画素エリア11を有する。第1画素エリア11は、それぞれ、第1方向D1に沿って配列された複数の第1画素12を含む。第1画素12は、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第1画素領域10は、光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部5を構成している。ここでは、第1受光部5は、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれにおける第1画素12の配列数に応じて、第1方向D1と比較して第2方向D2に長尺な形状に形成されている。すなわち、ここでは、第1方向D1における第1画素12の配列数に比べて第2方向D2にける第1画素12の配列数が大きくされている。
第2画素領域20は、第2方向D2に沿って配列された複数の第2画素エリア21を有する。第2画素エリア21は、それぞれ、第1方向D1に沿って配列された複数の第2画素22を含む。第2画素22は、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第2画素領域20は、光の入射に応じて電荷を発生する第2受光部6を構成している。ここでは、第2受光部6は、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれにおける第2画素22の配列数に応じて、第1方向D1と比較して第2方向D2に長尺な形状に形成されている。すなわち、ここでは、第1方向D1における第2画素22の配列数に比べて第2方向D2にける第2画素22の配列数が大きくされている。
本実施形態では、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれについて、第1画素領域10の第1画素12の配列数と、第2画素領域20の第2画素22の配列数とが同一である。すなわち、第1画素領域10と第2画素領域20とが同一の面積を有する。したがって、ここでは、第1画素エリア11に含まれる第1画素12の数と、第2画素エリア21に含まれる第2画素22の数も同一であり、第1画素エリア11の数と第2画素エリア21の数も同一である。すなわち、本実施形態では、第1画素領域10と第2画素領域20とは、第1方向D1及び第2方向D2を含む面内において、互いに同一の形状を有する。
第1画素エリア11と第2画素エリア21とは、第1画素領域10と第2画素領域20との第2方向D2の端部が一致するように第1画素領域10及び第2画素領域20を第1方向D1に沿って配置したとき、複数の第1画素エリア11のそれぞれと、複数の第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に沿って並ぶように対応付けられている。本実施形態では、実際に、第1画素領域10と第2画素領域20とがその第2方向D2の端部が一致するように配置されることにより、複数の第1画素エリア11のそれぞれと、複数(第1画素エリア11と同数)の第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に配列されている。
以上の第1受光部5(第1画素領域10)及び第2受光部6(第2画素領域20)は、半導体基板2上において構成されている。すなわち、固体撮像装置1は、半導体基板2と、半導体基板2上に積層された半導体層3と、半導体層3の半導体基板2と反対側の表面上に形成された絶縁膜F1と、絶縁膜F1上に形成された複数の転送電極F2と、を含む。半導体基板2及び半導体層3は、例えばシリコンを含む。半導体基板2は、第1導電型(ここではP型)を有する。
半導体層3は、第1方向D1に沿って半導体基板2上に配列された一対の第1領域3A及び第2領域3Bを含む。第1領域3Aは、それぞれ、第1導電型と異なる第2導電型(ここではN型)を有する。第2領域3Bは、一対の第1領域3Aの間に形成されており、第1導電型(ここではP+型)を有する。一対の第1領域3Aのうちの一方の第1領域3Aと半導体基板2の当該第1領域3Aの直下の領域とによって第1受光部5が構成されており、他方の第1領域3Aと半導体基板2の当該第1領域3Aの直下の領域とによって第2受光部6が構成されている。また、転送電極F2の配置に応じて個別の第1画素12及び第2画素22が規定されている。
第2領域3Bは、第1受光部5及び第2受光部6のそれぞれで発生した電荷eに対するポテンシャル障壁を提供する。これにより、第1受光部5と第2受光部6との間に素子分離部が形成される。この結果、第1受光部5(第1画素領域10)と第2受光部6(第2画素領域20)とは、素子分離部を介して第1方向D1に互いに隣接して配置されることとなる。一方、図3,4に示されるように、半導体層3に第1導電型の第2領域3Bを設けないことにより、第1受光部5(第1画素領域10)と第2受光部6(第2画素領域20)とが、素子分離部を介さずに第1方向D1に隣接して配置されていてもよい。
第1画素領域10と第2画素領域20との間に素子分離部を設けた場合(図1,2の場合)、ブルーミングの発生が抑制される。一方、第1画素領域10と第2画素領域20との間に素子分離部を設けず、第1画素領域10と第2画素領域20とがより近接して配置された場合(図3,4の場合)、不感領域が低減される。なお、図3は、本実施形態に係る固体撮像装置の別の一例を示す模式的な平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。図4の上部にIV-IV線に沿っての断面図(ハッチング省略)が示され、図4の下部に当該断面におけるポテンシャルVが示されている。
図1,3に示されるように、固体撮像装置1は、第1転送ゲート部30、第2転送ゲート部40、第1水平転送CCD部50、第2水平転送CCD部60、第1出力部(出力部)70、第2出力部(出力部)80、及び、信号処理部90をさらに備えている。
第1転送ゲート部30は、第1方向D1における第1画素領域10の第2画素領域20と反対側に配置されており、第1画素エリア11のそれぞれからの電荷を第1方向D1に沿って転送するためのものである。第2転送ゲート部40は、第1方向D1における第2画素領域20の第1画素領域10と反対側に配置されており、第2画素エリア21のそれぞれからの電荷を第1方向D1に沿って転送するためのものである。
第1水平転送CCD部50は、第1転送ゲート部30を挟んで第1画素領域10の第1方向D1の反対側に配置されている。すなわち、第1画素領域10、第1転送ゲート部30、及び第1水平転送CCD部50は、第1方向D1の一方側(ここでは正側)に順に配列されている。第1水平転送CCD部50は、第1転送ゲート部30により転送された電荷を受け、当該電荷を第2方向D2に沿って第1出力部70に転送するためのものである。第2水平転送CCD部60は、第2転送ゲート部40を挟んで第2画素領域20の第1方向D1の反対側に配置されている。すなわち、第2画素領域20、第2転送ゲート部40、及び第2水平転送CCD部60は、第1方向D1の他方側(ここでは負側)に順に配列されている。第2水平転送CCD部60は、第2転送ゲート部40により転送された電荷を受け、当該電荷を第2方向D2に沿って第2出力部80に転送するためのものである。
第1出力部70は、第1水平転送CCD部50の第2方向D2の一端側に配置されている。第1出力部70は、第1受光部(第1画素領域10)で発生し、第1転送ゲート部30及び第1水平転送CCD部50により転送された電荷を受け、当該電荷を電圧に変換して第1信号S1を生成・出力するための第1アンプ部である。第2出力部80は、第2水平転送CCD部60の第2方向D2の一端側(第1出力部70と同一側)に配置されている。第2出力部80は、第2受光部(第2画素領域20)で発生し、第2転送ゲート部40及び第2水平転送CCD部60により転送された電荷を受け、当該電荷を電圧に変換して第2信号S2を生成・出力するための第2アンプ部である。
信号処理部90は、第1出力部70から第1信号S1の入力を受けると共に、第2出力部80から第2信号S2の入力を受ける。信号処理部90は、第1信号S1及び第2信号S2に対して適宜処理を施し、出力信号Soを生成・出力する。固体撮像装置1では、以上の第1転送ゲート部30、第2転送ゲート部40、第1水平転送CCD部50、第2水平転送CCD部60、第1出力部70、第2出力部80、及び、信号処理部90の各部が、半導体基板2において構成されていてもよいし、それらのうちの一部が半導体基板2の外部に構成されていてもよい。また、固体撮像装置1では、第1受光部5と第2受光部6とが互いに異なる半導体基板上に形成されて上記のように並べられていてもよい。
[信号処理の具体例]
引き続いて、信号処理部90が実施し得る具体的な信号処理について説明する。図5及び図6は、各種信号を示すグラフである。各グラフの横軸は、第1画素エリア11又は第2画素エリア21の第2方向D2における位置を示し、各グラフの縦軸は出力値(電圧値)を示している。
なお、以下では、第1画素領域10及び第2画素領域20に対して、等しく光が入射したものとする。第1画素領域10と第2画素領域20とに対して等しく光を入射させることは、例えば、第1画素領域10と第2画素領域20との境界に、入射光の広がりの中心を位置させることで実現され得る。第1画素領域10と第2画素領域20との境界とは、例えば、図1,2のように第1画素領域10と第2画素領域20との間に素子分離部(第2領域3B)が介在する場合、第1方向D1における素子分離部の中心である。また、図3,4のように、第1画素領域10と第2画素領域20との直接的に接する場合には、第1画素領域10と第2画素領域20との実際の境界である。
図5の(a)は、信号処理部90に入力された第1信号S1を示し、図5の(b)は、信号処理部90に入力された第2信号S2を示している。ここでは、第1信号S1において、複数の第1画素エリア11のうちの1つにWSが発生し、相対的に高い出力値V1が生じている。この出力値V1を示す第1画素エリア11をWSエリア(白点エリア)11aとする。また、第2信号S2においては、複数の第2画素エリア21のうちの1つにWSが発生し、相対的に高い出力値V2が生じている。この出力値V2を示す第2画素エリア21をWSエリア21aとする。第2方向D2におけるWSエリア11aの位置と、第2方向D2におけるWSエリア21aの位置とは、互いに異なっている。
図5の(c)に示されるように、信号処理部90の信号処理は、第1信号S1と第2信号S2とを加算して加算信号S3を生成する加算信号生成処理を含む。加算信号S3では、第1画素領域10及び第2画素領域20への入射光像に対応する第1信号S1及び第2信号S2の出力値の各ピークが互いに加算されて(例えば2倍に)増大されていると共に、第1信号S1のWSエリア11aの出力値V1に対応する出力値V1a及び第2信号S2のWSエリア21aの出力値V2に対応する出力値V2aの両方が含まれる。出力値V1に対応する出力値V1aとは、出力値V1に対して、第1信号S1のWSエリア11aに相当する第2信号S2の第2画素エリア21の出力値を加算した値である。また、出力値V2に対応する出力値V2aとは、出力値V2に対して、第2信号S2のWSエリア21aに相当する第1信号S1の第1画素エリア11の出力値を加算した値である。
図6の(a)に示されるように、信号処理部90の信号処理は、第1信号S1から第2信号S2を減算して減算信号S4を生成する減算信号生成処理を含む。減算信号S4では、第1画素領域10及び第2画素領域20への入射光像に対応する第1信号S1及び第2信号S2の出力値の各ピークが互いに減算されて除去されている一方で、第1信号S1のWSエリア11aの出力値V1に対応する出力値V1b及び第2信号S2のWSエリア21aの出力値V2に対応する出力値V2bは、互いに対応関係の無い位置で生じていることから除去されず、残存している。出力値V1に対応する出力値V1bとは、出力値V1から、第1信号S1のWSエリア11aに相当する第2信号S2の第2画素エリア21の出力値を減算した値である。また、出力値V2に対応する出力値V2bとは、第2信号S2のWSエリア21aに相当する第1信号S1の第1画素エリア11の出力値から出力値V2を減算した値であり、負の値となる。
図6の(b)に示されるように、信号処理部90の信号処理は、減算信号S4におけるWSエリア21aの出力値V2bの符号を正に変換して出力値V2cとし、補正信号S5を生成する補正信号生成処理を含む。なお、信号処理部90の信号処理では、減算信号S4におけるWSエリア11aの出力値V1bの符号を負に変換して補正信号S5を生成してもよい。信号処理部90は、さらに、補正信号S5における正の閾値Tpと負の閾値Tnとの間の出力値を示す画素エリア(第1画素エリア11及び第2画素エリア21)の出力値を0とするノイズ除去処理を行うことができる。ノイズ除去処理のタイミングは任意であり、当該ノイズ除去処理を、出力値V2b(又は出力値V1b)の符号を反転させる処理の前に行ってもよいし、出力値V2b(又は出力値V1b)の符号を反転させる処理の後や同時に行ってもよい。
これにより、補正信号S5において、WSに起因したノイズ以外のノイズが除去され、WSに起因した出力値V1b,V2c(又は出力値V1bの符号を負とした値と出力値V2b)のみが残存させられる。閾値Tpと閾値Tnとは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、ノイズを除去可能な任意の値に設定され得る。
図6の(c)に示されるように、信号処理部90の信号処理は、減算信号S4から生成された補正信号S5を加算信号S3から減算することにより、加算信号S3を補正して出力信号Soを生成する補正処理を含む。これにより、出力信号Soでは、加算信号S3から出力値V1a,V2aのみが除去される。このように、信号処理部90の補正処理では、減算信号S4に基づいて加算信号S3を補正して出力することとなる。なお、信号処理部90が、減算信号S4におけるWSエリア11aの出力値V1bの符号を負に変換して補正信号S5を生成した場合には、信号処理部90は、加算信号S3に当該補正信号S5を加算することにより、加算信号S3を補正して出力信号Soを生成してもよい。これによっても、加算信号S3から出力値V1a,V2aのみが除去される。
[信号処理方法の一例]
引き続いて、信号処理部90による固体撮像装置1の信号処理方法の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る信号処理方法の一例を示すフローチャートである。図7に示されるように、本実施形態に係る信号処理方法では、まず、撮像が行われる(工程S101)。工程S101では、第1画素領域10及び第2画素領域20に等しく光を入射させる(同様の光を入射させる)ことにより撮像が行われる。工程S101では、第1画素領域10及び第2画素領域20において発生した電荷に応じた第1信号S1及び第2信号S2が生成され、信号処理部90に入力される。
続いて、信号処理部90が、画像の加算を行う(工程S102:加算信号生成処理、加算信号生成工程)。より具体的には、工程S102では、信号処理部90が、第1信号S1(第1画素領域10で撮像された画像)と第2信号S2(第2画素領域20で撮像された画像)とを加算して加算信号S3を生成する。
これと共に、続く工程S103では、信号処理部90が、画像の減算を行う(工程S103:減算信号生成処理、減算信号生成工程)。より具体的には、工程S103では、信号処理部90が、第1信号S1から第2信号S2を減算して減算信号S4を生成する。なお、工程S102と工程S103の順序は問われない。
続いて、信号処理部90が、減算信号S4に基づいてWSの有無を判定する(工程S104)。より具体的には、工程S104では、信号処理部90は、減算信号S4に対して正の閾値Tp及び負の閾値Tnを設定する共に、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値の画素エリア(第1画素エリア11)の有無、及び、負の閾値Tnを下回る出力値の画素エリア(第2画素エリア21)の有無を判定する。
工程S104の判定の結果、減算信号S4においてWSが検出されなかった場合(工程S104:No)、信号処理部90は、加算信号S3(画像)を出力信号Soとして出力し(工程S108)、処理を終了する。すなわち、減算信号S4にWSがなかった場合には、信号処理部90は補正処理を行わない。
一方、工程S104の判定の結果、減算信号S4においてWSが検出された場合(工程S104:Yes)、すなわち、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1を示す画素エリアであるWSエリア11a、及び、負の閾値Tnを下回る出力値V2を示す画素エリアであるWSエリア21aの少なくとも一方が検出された場合に、信号処理部90が画像処理を行う(工程S105:補正処理、補正工程)。
より具体的には、工程S105では、信号処理部90は、減算信号S4において負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示す画素エリアであるWSエリア21aが認められる場合に、減算信号S4における当該WSエリア21aの出力値V2bの符号を正に変更して補正信号S5を生成する。このとき、信号処理部90は、補正信号S5における正の閾値Tpと負の閾値Tnとの間の出力値を示す画素エリアの当該出力値を0とすることができる。
続いて、信号処理部90が、加算信号S3から補正信号S5を減算することにより加算信号S3を補正して出力信号S0を生成する(工程S106:補正処理、補正工程)。これにより、加算信号S3からWSに起因する出力値V1a,V2aが除去される。このように、工程S105,S106では、信号処理部90は、減算信号S4に基づいて加算信号S3を補正する。なお、工程S106では、信号処理部90は、全ての第1画素エリア11及び全ての第2画素エリア21において補正信号S5を生成して加算信号S3から減算することにより、加算信号S3を補正することができる。
以上の後、信号処理部90は、補正信号S5を出力信号So(画像)として出力し(工程S107)、処理を終了する。
なお、工程S105では、信号処理部90は、減算信号S4において正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11aが認められる場合に、減算信号S4における当該WSエリア11aの出力値V1bの符号を負に変更して補正信号S5を生成してもよい。この場合にも、信号処理部90は、補正信号S5における正の閾値Tpと負の閾値Tnとの間の出力値を示す画素エリアの当該出力値を0とすることができる。
そして、この場合には、工程S106では、信号処理部90が、加算信号S3に補正信号S5を加算することにより加算信号S3を補正して出力信号S0を生成することができる。これにより、加算信号S3からWSに起因する出力値V1a,V2aが除去される。なお、この場合にも、工程S106では、信号処理部90が、全ての第1画素エリア11及び全ての第2画素エリア21において補正信号S5を生成して加算信号S3に加算することにより、加算信号S3を補正してもよい。
[信号処理方法の別の一例]
引き続いて、信号処理部90による固体撮像装置1の信号処理方法の別の一例について説明する。図8は、本実施形態に係る信号処理方法の別の一例を示すフローチャートである。図8に示されるように、この例に係る信号処理方法は、図7の例の信号処理方法と比較して、WSの有無を判定する工程S106を行わない点のみで相違している。
すなわち、ここでは、信号処理部90は、工程S102,S103において加算信号S3及び減算信号S4を生成した後に、減算信号S4におけるWSの有無に関わらず、工程S105の画像処理及び工程S106の画像の減算(又は加算)を行う。これにより、WSの有無の判定のための処理が不要となる。
[信号処理方法のさらに別の一例]
引き続いて、信号処理部90による固体撮像装置1の信号処理方法のさらに別の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る信号処理方法のさらに別の一例を示すフローチャートである。図9に示されるように、この例に係る信号処理方法では、図7の例の信号処理方法と同様に、工程S101,S102,S103が実施され、加算信号S3及び減算信号S4が生成されると共に、工程S104が実施され、減算信号S4におけるWSの有無が判定される。なお、減算信号S4は、第1信号S1から第2信号S2を減算することにより生成されたものであるから、減算信号S4において正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11aが検出された場合には、第1信号S1にWSに応じた出力値V1が含まれている状態であり、減算信号S4において負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示す画素エリアであるWSエリア21aが検出された場合には、第2信号S2にWSに応じた出力値V2が含まれている状態である。
その後、工程S104の判定の結果、減算信号S4においてWSが検出された場合(工程S104:Yes)、すなわち、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11a、及び、負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示す画素エリアであるWSエリア21aの少なくとも一方が検出された場合、信号処理部90は、当該検出されたWSエリア11a及び/又はWSエリア21aの第2方向D2の位置を抽出する(工程S205)。
続いて、信号処理部90が、工程S205で抽出されたWSの位置に関する情報に基づいて、加算信号S3の画像処理を行う(工程S206:補正処理、補正工程)。より具体的には、工程S206では、信号処理部90は、WSエリア11aが検出されている場合、加算信号S3におけるWSエリア11aの出力値V1aを、第2信号S2の当該WSエリア11aの位置の第2画素エリア21の出力値を2倍した出力値に置き換える。
或いは、工程S206では、信号処理部90は、WSエリア21aが検出されている場合、加算信号S3におけるWSエリア21aの出力値V2aを、第1信号S1の当該WSエリア21aの位置の第1画素エリア11の出力値を2倍した出力値に置き換える。これにより、加算信号S3に含まれるWSに起因した出力値V1aが第2信号S2の出力値に応じた正常値に補正され、加算信号S3に含まれるWSに起因した出力値V2aが第1信号S1の出力値に応じた正常値に補正され得る。
このように、工程S206では、信号処理部90は、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11aが検出された場合、加算信号S3における当該WSエリア11aの出力値V1aを、第2信号S2の当該WSエリア11aの位置の第2画素エリア21の出力値を2倍した出力値に置き換えると共に、減算信号S4において、負の閾値Tnを下回る出力値を示す画素エリアであるWSエリア21aが検出された場合、加算信号S3における当該WSエリア21aの出力値V2aを、第1信号S1の当該WSエリア21aの位置の第1画素エリア11の出力値を2倍した出力値に置き換える。これにより、加算信号S3からWSに起因する出力値V1a,V2aが除去される。その後の処理については、図7の例と同様である。
なお、工程S206では、加算信号S3の出力値V1a及び出力値V2aを第1信号S1の出力値や第2信号S2の出力値に置き換えるに際して、置き換えに用いられる出力値が適当であるか否かの判定を行ってもよい。この場合の一例として、信号処理部90は、WSが生じていない画素エリアの出力値の最大値以上であり、且つ、光入射のない場合の出力値(ノイズ)に対してWSを重畳した出力値以下で設定される所定の正の閾値Tpaを用いて、当該置き換えに用いられる出力値が0と閾値Tpaとの間の値であるか否かを判定してもよい。そして、この判定の結果、当該置き換えに用いられる出力値が0と閾値Tpatの間の値である場合に、置き換えを実行することができる。
すなわち、工程S206では、信号処理部90は、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11aが検出された場合であって、第2信号S2の当該WSエリア11aの位置の第2画素エリア21の出力値が0と閾値Tpaとの間の値である場合に、加算信号S3における当該WSエリア11aの出力値V1aを、第2信号S2の当該WSエリア11aの位置の第2画素エリア21の出力値を2倍した出力値に置き換えることができる。
また、工程S206では、信号処理部90は、減算信号S4において、負の閾値Tnを下回る出力値を示す画素エリアであるWSエリア21aが検出された場合であって、第1信号S1の当該WSエリア21aの位置の第1画素エリア11の出力値が0と閾値Tpaとの間の値である場合に、加算信号S3における当該WSエリア21aの出力値V2aを、第1信号S1の当該WSエリア21aの位置の第1画素エリア11の出力値を2倍した出力値に置き換えることができる。なお、ここで使用される正の閾値Tpaは、工程S104で減算信号S4のWSの有無の判定に用いた正の閾値Tpとは異なる値であり得る。
[作用・効果]
以上説明したように、本実施形態に係る固体撮像装置1では、光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部5及び第2受光部6が備えられている。第1受光部5は、複数の第1画素12を含む第1画素エリア11が第2方向D2に沿って配列されて構成された第1画素領域10を有し、第2受光部6も同様に、複数の第2画素22を含む第2画素エリア21が第2方向D2に沿って配列されて構成された第2画素領域20を有する。第1受光部5及び第2受光部6では、第1画素12及び第2画素22のそれぞれにおいて、入射光に応じた電荷が発生させられる。
そして、第1画素エリア11と第2画素エリア21とが、第1画素領域10と第2画素領域20との第2方向D2の端部が一致するように第1画素領域10及び第2画素領域20を第1方向D1に沿って配置したとき(本実施形態では実際にそのように配置されている)、複数の第1画素エリア11のそれぞれと、複数の第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に沿って並ぶように対応付けられている。したがって、固体撮像装置1では、第1受光部5(第1画素領域10)と第2受光部6(第2画素領域20)とに同一又は対応する光を入射させることにより、第1受光部5からの電荷に応じた第1信号S1と、第2受光部6からの電荷に応じた第2信号S2との間に対応関係が生じる。
このため、信号処理部90が第1信号S1と第2信号S2との減算信号S4を生成することにより、第1信号S1と第2信号S2との間に対応関係なく生じ得るWSに起因した出力値V1,V2に関する情報(例えばWSに起因した出力値V1,V2を生じさせる画素エリアの位置に関する情報や、出力値V1,V2を含む信号自体)が得られる。したがって、信号処理部90によって生成された第1信号S1と第2信号S2との加算信号S3(補正前の出力信号So)を、この減算信号S4に基づいて補正することで、WSに起因した出力値V1a,V2aを除去することが可能となる。よって、経時的にWSが発生した場合であっても、その影響を抑制しつつ継続した使用が可能となる。すなわち、固体撮像装置1の長寿命化が図られる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、補正処理において、信号処理部90が、減算信号S4に基づいて補正信号S5を生成すると共に、加算信号S3から当該補正信号S5を減算することにより加算信号S3を補正することができる。このとき、補正信号S5では、負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示す画素エリアであるWSエリア21aが認められる場合に、当該WSエリア21aの出力値V2bの符号が正に変更される。このため、加算信号S3から補正信号S5を減算することにより、加算信号S3からWSに起因した出力値V1a,V2aを除去して出力信号Soを生成することができる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、補正処理において、信号処理部90が、補正信号S5における正の閾値Tpと負の閾値Tnとの間の出力値を示す画素エリアの当該出力値を0とすることができる。このため、補正信号S5の減算によるノイズの重畳が抑制される。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、補正処理において、信号処理部90が、全ての第1画素エリア11及び全ての第2画素エリア21において補正信号S5を生成し、当該補正信号S5を加算信号S3から減算することにより加算信号S3を補正することができる。このため、WSエリアの位置を特定することなく、加算信号S3からWSに起因した出力値V1a,V2aを除去することが可能となる。
なお、本実施形態に係る固体撮像装置1では、信号処理部90が、補正処理において、減算信号S4に基づいて補正信号S5を生成すると共に、加算信号S3に当該補正信号S5を加算することにより加算信号S3を補正してもよい。このとき、補正信号S5では、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示す画素エリアであるWSエリア11aが認められる場合に、当該WSエリア11aの出力値V1bの符号が負に変更されてもよい。この場合、加算信号S3に補正信号S5を加算することにより、加算信号S3からWSに起因した出力値V1a,V2aを除去することが可能となる。
また、この場合には、信号処理部90が、補正処理では、全ての第1画素エリア11及び全ての第2画素エリア21において補正信号S5を生成し、加算信号S3に当該補正信号S5を加算することにより加算信号S3を補正してもよい。この場合、WSエリアの位置を特定することなく、加算信号S3からWSに起因した出力値V1a,V2aを除去することが可能となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、補正処理において、信号処理部90が、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示すWSエリア11a、及び、負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示すWSエリア21aの少なくとも一方が検出された場合に、加算信号S3における当該WSエリア11a,21aの出力値V1a,V2aを、第1信号S1の当該WSエリア11a,21aの位置の第1画素エリア11及び第2信号S2の当該WSエリア11a,21aの位置の第2画素エリア21のうちの出力値が正の閾値Tpaと0との間にある画素エリアの出力値を2倍した出力値に置き換えることができる。このため、加算信号S3からWSに起因した出力値V1a,V2aを除去するに際して、補正信号S5の減算及び加算が不要となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、信号処理部90は、減算信号S4において、正の閾値Tpを上回る出力値V1bを示すWSエリア11a、及び、負の閾値Tnを下回る出力値V2bを示すWSエリア21aの少なくとも一方が検出された場合に、補正処理を実行することができる。このため、WSエリアが検出されない場合に、補正処理の実行を省略することができる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1は、第1画素エリア11のそれぞれからの電荷を転送するための第1転送ゲート部30と、第2画素エリア21のそれぞれからの電荷を転送するための第2転送ゲート部40と、第1転送ゲート部30により転送された電荷を第1出力部70に転送するための第1水平転送CCD部50と、第2転送ゲート部40により転送された電荷を第2出力部80に転送するための第2水平転送CCD部60と、を備える。このため、CCDを含んで構成される固体撮像装置1の長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、第1画素領域10及び第2画素領域20が、第1画素エリア11のそれぞれと第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に沿って並ぶように、第1方向D1に配列されている。このため、第1画素領域10と第2画素領域20とに同一又は対応する光を入射させることが容易となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、第1画素領域10、第1転送ゲート部30、及び第1水平転送CCD部50は、第1方向D1の一方側に向かって順に配列されており、第2画素領域20、第2転送ゲート部40、及び第2水平転送CCD部60は、第1方向D1の反対側に向かって順に配列されている。このため、同一又は対応する光を入射させることを容易化した配置の第1画素領域10及び第2画素領域20に対して、第1水平転送CCD部50、第2水平転送CCD部60、第1転送ゲート部30、及び第2転送ゲート部40を適切に配置することが可能となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1は、第1受光部5で発生した電荷を受けて第1信号S1を出力するための第1出力部70と、第2受光部6で発生した電荷を受けて第2信号S2を出力するための第2出力部80とを備える。このように、第1受光部5及び第2受光部6のそれぞれに対応した出力部が設けられることにより、処理速度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、第1画素エリア11は、第1方向D1に沿って配列された複数の第1画素12を含み、第2画素エリア21は、第1方向D1に沿って配列された複数の第2画素22を含む。このため、ビニングが可能となり、出力信号SoのSN比が良好となる。
また、本実施形態に係る固体撮像装置1では、第1画素領域10と第2画素領域20とは、互いに隣接して配置されている(素子分離部が介在される場合もある)。このため、第1画素領域10と第2画素領域20とが近接して配置されることにより、領域間の特性が近くなるため、より適切な補正を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態に係る信号処理方法によっても、上記と同様の理由により固体撮像装置1の長寿命化が図られる。
以上の実施形態は、本発明の一側面を説明したものである。したがって、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、上記実施形態に示された態様を任意に変形したものとされ得る。引き続いて、変形例について説明する。
[第1変形例]
図10は、固体撮像装置の第1変形例を示す模式的な平面図である。図11は、図10のXI-XI線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。図11の上部にXI-XI線に沿っての断面図(ハッチング省略)が示され、図11の下部に当該断面におけるポテンシャルVが示されている。
図10,11に示される固体撮像装置1Aは、実施形態に係る固体撮像装置1がビニングCCDであったのに対して、レジスティブゲートCCDである点で相違している。具体的には、固体撮像装置1Aは、固体撮像装置1と比較して、第1画素領域10に代えて第1画素領域10Aを備える点、及び、第2画素領域20に代えて第2画素領域20Aを備える点で相違している。
第1画素領域10Aは、第2方向D2に沿って配列された複数の第1画素エリア11Aを有する。第1画素エリア11Aは、それぞれ、第1方向D1に沿って延在する1つの第1画素12Aを含む。第1画素12Aは、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第1画素領域10Aは、光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部5を構成している。
第2画素領域20Aは、第2方向D2に沿って配列された複数の第2画素エリア21Aを有する。第2画素エリア21Aは、それぞれ、第1方向D1に沿って延在する1つの第2画素22Aを含む。第2画素22Aは、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第2画素領域20Aは、光の入射に応じて電荷を発生する第2受光部6を構成している。
ここでも、第1画素領域10Aと第2画素領域20Aとが、その第2方向D2の端部が一致するように配置されることにより、複数の第1画素エリア11Aのそれぞれと、複数(第1画素エリア11Aと同数)の第2画素エリア21Aのそれぞれとが第1方向D1に配列されている。
固体撮像装置1Aの断面構造としては、固体撮像装置1と同様に半導体基板2及び半導体層3を有する一方で、絶縁膜F1上にレジスティブゲート構造を構成する高抵抗電極F2Aが設けられている。高抵抗電極F2Aは、半導体層3の一対の第1領域3A上にそれぞれ設けられ、個別の第1画素12A(第1画素エリア11A)及び第2画素22A(第2画素エリア21A)を規定している。固体撮像装置1Aでは、高抵抗電極F2Aの両端に異なる電圧を印加することにより、ポテンシャルスロープを形成し、電荷eを転送する。これにより、高速転送が可能となり、画素高さが大きい場合でも読み残しの少ない読み出しを行うことが可能となる。
なお、図10,11の例では、第1受光部5(第1画素領域10A)と第2受光部6(第2画素領域20A)との間に第2領域3Bによる素子分離部が介在されているが、図12,13に示されるように、半導体層3に第1導電型の第2領域3Bを設けないことにより、第1受光部5(第1画素領域10A)と第2受光部6(第2画素領域20A)とが、素子分離部を介さずに第1方向D1に隣接して配置されていてもよい。
なお、図12は、変形例に係る固体撮像装置の別の一例を示す模式的な平面図である。図13は、図12のXIII-XIII線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。図13の上部にXIII-XIII線に沿っての断面図(ハッチング省略)が示され、図13の下部に当該断面におけるポテンシャルVが示されている。
[第2変形例]
図14は、固体撮像装置の第2変形例を示す模式的な平面図である。図15は、図14の一部を拡大して示す模試的な平面図である。図16は、図14,15のXVI-XVI線に沿っての部分的な概略断面図、及び当該断面におけるポテンシャルを示す模式図である。図16の上部にXVI-XVI線に沿っての断面図(ハッチング省略)が示され、図16の下部に当該断面におけるポテンシャルVが示されている。
図14~16に示される固体撮像装置1Bは、実施形態に係る固体撮像装置1がビニングCCDであったのに対して、埋め込みPD(Photodiode)型CCDである点で相違している。具体的には、固体撮像装置1Bは、固体撮像装置1と比較して、第1画素領域10に代えて第1画素領域10Bを備える点、及び、第2画素領域20に代えて第2画素領域20Bを備える点で相違している。
第1画素領域10Bは、第2方向D2に沿って配列された複数の第1画素エリア11Bを有する。第1画素エリア11Bは、それぞれ、第1方向D1に沿って延在する1つの第1画素12Bを含む。第1画素12Bは、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第1画素領域10Bは、光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部5を構成している。
第2画素領域20Bは、第2方向D2に沿って配列された複数の第2画素エリア21Bを有する。第2画素エリア21Bは、それぞれ、第1方向D1に沿って延在する1つの第2画素22Bを含む。第2画素22Bは、光の入射に応じて電荷を発生する。したがって、第2画素領域20Bは、光の入射に応じて電荷を発生する第2受光部6を構成している。
ここでも、第1画素領域10Bと第2画素領域20Bとが、その第2方向D2の端部が一致するように配置されることにより、複数の第1画素エリア11Bのそれぞれと、複数(第1画素エリア11Bと同数)の第2画素エリア21Bのそれぞれとが第1方向D1に配列されている。
固体撮像装置1Bの断面構造としては、固体撮像装置1と同様に半導体基板2及び半導体層3を有する一方で、半導体層3と絶縁膜F1との間に第1導電型(ここではP型)の半導体層4が設けられている。これにより、第1受光部5及び第2受光部6の表面側にP拡散層(半導体層4)を設けたPP構造が形成される。
また、半導体層3は、固体撮像装置1の半導体層3の第1領域3Aに相当する領域において、第2導電型(ここではN型)のチャネル部3Abと、チャネル部3Abよりも不純物濃度の高い第2導電型(ここではN型)のチャネル追加注入部3Aaとを含む。チャネル追加注入部3Aaは、第1転送ゲート部30及び第2転送ゲート部40のそれぞれに向かうにつれて拡幅するように形成されている。これにより、ポテンシャルスロープを形成して電荷eを転送する。このような構造によれば、転送電極が形成されておらず、表面入射型においても高い量子効率が実現される。
[その他の変形例]
以上の固体撮像装置1(及び固体撮像装置1A,1B(以下同様))は、転送ゲートと水平転送ゲートCCD部とを備えるCCDイメージセンサとして構成されていたが、CCDイメージセンサではなくCMOSイメージセンサとして構成されてもよい。
また、固体撮像装置1では、第1画素領域10と第2画素領域20とが、その第2方向D2の端部が一致するように配置されることにより、複数の第1画素エリア11のそれぞれと、複数(第1画素エリア11と同数)の第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に配列されている形態を有していた。しかし、第1画素エリア11と第2画素エリア21とは、第1画素領域10と第2画素領域20との第2方向D2の端部が一致するように第1画素領域10及び第2画素領域20を第1方向D1に沿って配置したとき、複数の第1画素エリア11のそれぞれと、複数の第2画素エリア21のそれぞれとが第1方向D1に沿って並ぶように対応付けられていればよい。
すなわち、第1画素領域10と第2画素領域20とは、その第2方向D2の端部が互いにずらされつつ(第2方向D2にシフトされつつ)第1方向D1に沿って配列されていてもよい。この場合、第1画素領域10の一部の第1画素エリア11と、第2画素領域20の一部の第2画素エリア21とが、第1方向に重複するように並ぶこととなる。或いは、第1画素領域10と第2画素領域20とは、第1方向D1に重複する部分を有さず、第2方向D2に沿って配列されていてもよい。
また、第1画素領域10及び第2画素領域20と、第1転送ゲート部30及び第2転送ゲート部40と、第1水平転送CCD部50及び第2水平転送CCD部60と、の位置関係についても、上記形態に限定されず、任意に変形され得る。例えば、各部は、第1方向D1の一方から他方に向かい、第2画素領域20、第2転送ゲート部40、第2水平転送CCD部60、第1画素領域10、第1転送ゲート部30、第1水平転送CCD部50といった順で配列されていてもよい。
また、固体撮像装置1では、出力部として、第1出力部70と第2出力部80とを備えていたが、1つの出力部のみを備えていてもよい。さらに、第1画素領域10と第2画素領域20との間に、素子分離部以外の間隙が形成され、第1画素領域10と第2画素領域20とが互いに離間していてもよい。
また、固体撮像装置1では、画素領域が第1画素領域10と第2画素領域20との2つであったが、画素領域の数は2つに限らず任意のn個であってもよい。画素領域が3つ以上である場合、画素領域が2つの場合と比較して、より確実にWSに起因した出力値を除去するための補正を行うことができる。すなわち、画素領域が3つ以上である場合には、そのうちの2つの画素領域において、互いに対応する同位置の画素エリアでWSが生じていても、残りの画素領域からの信号を使用して、上記と同様の補正が可能である。
画素領域が2以上のn個である場合には、まず、n個の画素領域から2つの画素領域を選択し、上記と同様に補正信号S5の生成、又は、WSエリアの位置の抽出を行う。そして、これらを全ての画素領域の組み合わせについて行う。続いて、全ての組み合わせから得られた補正信号S5、又はWSエリアの位置情報を結合し、補正信号S5又は位置情報を完成させる。そして、全ての画素領域からの信号の加算信号S3に対して、得られた補正信号S5の減算又は位置情報に応じた出力値の置き換えを行い、出力信号Soを生成する。
さらに、第1画素領域10と第2画素領域20に対しては、等しく光を入射させる場合に限定されず、対応関係が既知の光をそれぞれ入射させてもよい。対応関係が既知の光とは、一例として、1つの光を分岐して第1画素領域10と第2画素領域20とに入射させる際に、第1画素領域10と第2画素領域20とで光強度が既知の比率となっている状態である。
1,1A,1B…固体撮像装置、5…第1受光部、6…第2受光部、10,10A,10B…第1画素領域、11,11A,11B…第1画素エリア、12,12A,12B…第1画素、20,20A,20B…第2画素領域、21,21A,21B…第2画素エリア、22,22A,22B…第2画素、30…第1転送ゲート部、40…第2転送ゲート部、50…第1水平転送CCD部、60…第2水平転送CCD部、70…第1出力部(出力部)、80…第2出力部、90…信号処理部、S1…第1信号、S2…第2信号、S3…加算信号、S4…減算信号、S5…補正信号、So…出力信号。

Claims (15)

  1. 光の入射に応じて電荷を発生する第1受光部及び第2受光部と、
    前記第1受光部で発生した電荷に応じた第1信号を出力すると共に、前記第2受光部で発生した電荷に応じた第2信号を出力するための出力部と、
    前記出力部から出力された信号の処理するための信号処理部と、
    を備え、
    前記第1受光部は、第1方向に沿って配列された複数の第1画素、又は1つの第1画素を含む画素エリアである複数の第1画素エリアが前記第1方向に交差する第2方向に沿って配列されて構成される第1画素領域を有し、
    前記第2受光部は、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素、又は1つの第2画素を含む画素エリアである複数の第2画素エリアが前記第2方向に沿って配列されて構成される第2画素領域を有し、
    前記第1画素エリアと前記第2画素エリアとは、前記第1画素領域と前記第2画素領域との前記第2方向の端部が一致するように前記第1画素領域及び前記第2画素領域を前記第1方向に沿って配置したとき、前記複数の第1画素エリアのそれぞれと、前記複数の第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように対応付けられており、
    前記信号処理部の信号処理は、
    前記第1信号と前記第2信号とを加算して加算信号を生成する加算信号生成処理と、
    前記第1信号から前記第2信号を減算して減算信号を生成する減算信号生成処理と、
    前記減算信号に基づいて、前記加算信号を補正して出力する補正処理と、
    を含む、
    固体撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号に基づいて補正信号を生成すると共に、前記加算信号から当該補正信号を減算することにより前記加算信号を補正し、
    前記補正信号では、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが認められる場合に、当該白点エリアの前記出力値の符号が正に変更される、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記信号処理部は、前記補正処理では、全ての前記第1画素エリア及び全ての前記第2画素エリアにおいて前記補正信号を生成し、前記加算信号から当該補正信号を減算することにより前記加算信号を補正する、
    請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号に基づいて補正信号を生成すると共に、前記加算信号に当該補正信号を加算することにより前記加算信号を補正し、
    前記補正信号では、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが認められる場合に、当該白点エリアの前記出力値の符号が負に変更される、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記信号処理部は、前記補正処理では、全ての前記第1画素エリア及び全ての前記第2画素エリアにおいて前記補正信号を生成し、前記加算信号に当該補正信号を加算することにより前記加算信号を補正する、
    請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記信号処理部は、前記補正処理では、前記補正信号における正の閾値と負の閾値との間の出力値を示す前記画素エリアの当該出力値を0とする、
    請求項2~5のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
  7. 前記信号処理部は、前記補正処理では、前記減算信号において、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが検出された場合、前記加算信号における当該白点エリアの出力値を、前記第2信号の当該白点エリアの位置の前記第2画素エリアの出力値を2倍した出力値に置き換えると共に、前記減算信号において、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアが検出された場合、前記加算信号における当該白点エリアの出力値を、前記第1信号の当該白点エリアの位置の前記第1画素エリアの出力値を2倍した出力値に置き換える、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 前記信号処理部は、前記減算信号において、正の閾値を上回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリア、及び、負の閾値を下回る出力値を示す前記画素エリアである白点エリアの少なくとも一方が検出された場合に、前記補正処理を実行する、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 前記第1画素エリアのそれぞれからの電荷を転送するための第1転送ゲート部と、
    前記第2画素エリアのそれぞれからの電荷を転送するための第2転送ゲート部と、
    前記第1転送ゲート部により転送された電荷を前記出力部に転送するための第1水平転送CCD部と、
    前記第2転送ゲート部により転送された電荷を前記出力部に転送するための第2水平転送CCD部と、
    を備える請求項1に記載の固体撮像装置。
  10. 前記第1画素領域及び前記第2画素領域は、前記第1画素エリアのそれぞれと前記第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように、前記第1方向に配列されている、
    請求項9に記載の固体撮像装置。
  11. 前記第1画素領域、前記第1転送ゲート部、及び前記第1水平転送CCD部は、前記第1方向の一方側に向かって順に配列されており、
    前記第2画素領域、前記第2転送ゲート部、及び前記第2水平転送CCD部は、前記第1方向の反対側に向かって順に配列されている、
    請求項10に記載の固体撮像装置。
  12. 前記出力部は、
    前記第1受光部で発生した電荷を受けて前記第1信号を出力するための第1出力部と、
    前記第2受光部で発生した電荷を受けて前記第2信号を出力するための第2出力部と、
    を含む請求項1に記載の固体撮像装置。
  13. 前記第1画素エリアは、前記第1方向に沿って配列された複数の第1画素を含み、
    前記第2画素エリアは、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素を含む、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  14. 前記第1画素領域と前記第2画素領域とは、互いに隣接して配置されている、
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  15. 光の入射に応じて電荷を発生するための第1受光部及び第2受光部と、前記第1受光部で発生した電荷に応じた第1信号を出力すると共に、前記第2受光部で発生した電荷に応じた第2信号を出力するための出力部とを備える固体撮像装置の信号処理方法であって、
    前記第1信号と前記第2信号とを加算して加算信号を生成する加算信号生成工程と、
    前記第1信号から前記第2信号を減算して減算信号を生成する減算信号生成工程と、
    前記減算信号に基づいて、前記加算信号を補正して出力する補正工程と、
    を備え、
    前記第1受光部は、第1方向に沿って配列された複数の第1画素、又は1つの第1画素を含む画素エリアである複数の第1画素エリアが前記第1方向に交差する第2方向に沿って配列されて構成される第1画素領域を有し、
    前記第2受光部は、前記第1方向に沿って配列された複数の第2画素、又は1つの第2画素を含む画素エリアである複数の第2画素エリアが前記第2方向に沿って配列されて構成される第2画素領域を有し、
    前記第1画素エリアと前記第2画素エリアとは、前記第1画素領域と前記第2画素領域との前記第2方向の端部が一致するように前記第1画素領域及び前記第2画素領域を前記第1方向に沿って配置したとき、前記複数の第1画素エリアのそれぞれと、前記複数の第2画素エリアのそれぞれとが前記第1方向に沿って並ぶように対応付けられている、
    信号処理方法。
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