JP2024055671A - モルタル外壁及びモルタル外壁の固定構造 - Google Patents

モルタル外壁及びモルタル外壁の固定構造 Download PDF

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紀明 中島
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広樹 村山
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Abstract

【課題】下地板とラスモルタル層の間に胴縁材を配して通気用の空間を形成したモルタル外壁において、木造建築物に作用する外力に対して躯体とモルタル外壁が一体となって変形して木造建築物の強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等によりモルタル外壁が大きく揺れても、モルタル外壁が躯体から剥がれないようにする。【解決手段】木造建築物の躯体1に固定されるモルタル外壁10であって、モルタル外壁10は、通気胴縁材11、12、13、ラス網21、22、23及びモルタル層16を備え、ラス網21、22、23は一定間隔で配置された帯状のリブ21R、22R、23Rとリブ21R、22R、23Rの間に形成された網部21N、22N、23Nからなり、リブ21R、22R、23を貫通して通気胴縁材11、12、13及び躯体1の骨格材にねじ込まれる多数のビス31により、ラス網21、22、23が躯体1に固定されるモルタル外壁10。【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築物の躯体に固定したモルタル外壁及びモルタル外壁の固定構造に関するものである。
木造住宅においては、外壁に耐久性等で優れているモルタル壁を使用することが多く、モルタル壁の施工は、通常ラス網と呼ばれる金属製の網(金網)をモルタルの下地として建物の柱や梁等に取り付け、ラス網にモルタルを塗り込むことにより行われる。
また、木造住宅では、室内の温度が外気の温度の影響を受けにくくし、気密性を保つために外壁と内壁との間に断熱材を設けることが多く、このような断熱材を使用した壁構造では、内壁と外壁の温度差が大きくなり、外壁の内面に結露が生じて周囲の木材等を腐食させるといった問題が生ずることから、外壁の内側に通気性を持たせ、外壁の内面に結露が生じないようにする必要がある。
そして、外壁にモルタル壁を使用し、外壁と内壁の間に断熱材を設け、外壁の内側に通気性を持たせた壁構造において、通気構造や断熱性能等の観点から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開2006-52538号公報)には、建築物躯体1の外面側に防水紙3を介して敷設されたモルタル用ラス網4と、モルタル用ラス網4を埋設する状態で防水紙3の外面に形成されたモルタル層5とを備え、建築物躯体1の外面側とモルタル層5側との間に通気層形成用のスペーサ部材を介在した建築物の通気機能を有する外壁構造において、前記スペーサ部材が、金属製ラス網状基材の全域に建築物躯体外面側に向かって突出する多数の凸部を散在状態に突設してなる通気用ラス網2から構成されてなる建築物の通気機能を有する外壁構造が開示されている。
この特許文献1の外壁構造では、通気用ラス網2の凸部21が、タッカーやステープルなどの留め付け具11により外壁下張板1aと建築物躯体1に固定されており、モルタル用ラス網4が、タッカーやステープルなどの留め付け具12により外壁下張板1aと建築物躯体1に固定されており、これによりモルタル層5が建築物躯体1に対して固定される。
しかしながら、留め付け具11による通気用ラス網2の凸部21と外壁下張板1a(建築物躯体1)との固定部分は、モルタル層5から離れた通気層S内にあることから、通気用ラス網2の凸部21は、外壁下張板1a(建築物躯体1)に対して動きやすく、また、モルタル用ラス網4と外壁下張板1a(建築物躯体1)とは、通気層Sを挟んで留め付け具12により固定されていることから、モルタル層5を外壁下張板1a(建築物躯体1)からずらそうとする力が作用すると、留め付け具12の通気層S内にある部分が変形しやすい。
このため、地震や強風等により建築物躯体1が大きく揺れて、モルタル層5を建築物躯体1からずらそうとする力が繰り返し作用すると、通気用ラス網2の凸部21が外壁下張板1a(建築物躯体1)に対して動き、留め付け具12の通気層S内にある部分が変形して、建築物躯体1に作用する外力に対して建築物躯体1とモルタル層5が一体となって変形せず、建築物躯体1とモルタル層5を合わせた建築物全体の強度(耐力)が低下するという問題が生ずる。
また、留め付け具11、12は、引抜耐力がそれほど大きくないタッカーやステープルであることから、地震や強風等により建築物躯体1が大きく揺れて、モルタル層5を建築物躯体1から引き離そうとする力が繰り返し作用すると、留め付け具11、12が外壁下張板1a(建築物躯体1)から引き抜かれて、モルタル層5が外壁下張板1a(建築物躯体1)から剥がれるという問題も生ずる。
また、特許文献2(特開2013-113033号公報)には、外壁11の骨組み(枠組体)の構成部材である縦枠12の屋外側の面に取り付けられた構造用面材13と、構造用面材13の屋外側の面に取り付けられた第1外装下地材14と、第1外装下地材14の屋外側の面に取り付けられた断熱材15と、断熱材14の屋外側の面に取り付けられた第1防水紙16と、第1防水紙16の屋外側の面に所定のピッチで横方向に間隔をおいて複数取り付けられた縦胴縁材17と、縦胴縁材17の屋外側の面に取り付けられた第1アルミニウム箔層18と、第1アルミニウム箔層18の屋外側の面に取り付けられた第2外装下地材19と、第2外装下地材19の屋外側の面に取り付けられた第2アルミニウム箔層20と、第2アルミニウム箔層20の屋外側の面に取り付けられた第3外装下地材21と、第3外装下地材21の屋外側の面に取り付けられた第2防水紙22と、第2防水紙22の屋外側の面に施工されたラスモルタル層23とを含んで構成される断熱耐火構造が開示されている。
この特許文献2の断熱耐火構造では、構造用面材13が構造用面材固定用留付材35a(例えば鉄丸くぎ)により縦枠12等に固定され、第1外装下地材14が外装下地材固定用留付材35b(例えばスクリューくぎ)により縦枠12等に固定され、縦胴縁材17が、断熱材15、第1外装下地材14、及び構造用面材13を貫通する胴縁固定用留付材35c(例えばビス)により縦枠12等に固定され、第3外装下地材21が外装下地材固定用留付材35b(例えばスクリューくぎ)により縦胴縁材17等に固定され、ラスモルタル層23を構成する鉄網23aが鉄網固定用留付材(ステープル)により第3外装下地材21に固定される。
この場合、ラスモルタル層23(鉄網23a)を固定する鉄網固定用留付材(ステープル)は、第3外装下地材21だけに打ち込まれ、第3外装下地材21はスラグせっこう板であって厚みもなく、鉄網固定用留付材(ステープル)の引抜耐力はそれほど大きくない。
このため、地震や強風等により外壁11が大きく揺れて、ラスモルタル層23を第3外装下地材21から引き離そうとする力が作用すると、鉄網固定用留付材(ステープル)が第3外装下地材21から引き抜かれ、ラスモルタル層23が外壁11から剥がれるという問題が生ずる。
この点、特許文献3(特開2007-205057号公報)には、木造住宅の間柱、柱、土台、桁等を利用して下地板2を設け、下地板2の外面に防水紙3を貼り付け、防水紙3の外面に、鋼製金網4をステープル、タッカー釘で打ちつけ固定し、鋼製金網4の外面に緩衝性を高める弾性材からなるリング5を配置し、その外側から座金6を介在させて間柱1等にビス7で螺設し、鋼製金網4、リング5、座金6全てを覆い隠すようにモルタルをコテ圧を十分にかけてこすり塗りし、塗厚は、鋼製金網4、合成ゴム等のリング5、座金6、ビス7の頭部等全てを埋没するように仕上げたモルタル壁仕上工法が開示されている。
しかしながら、特許文献3では、モルタル壁を間柱等に固定するビスがモルタル内で弾性材からなるリング5により覆われており、住宅の躯体に作用する外力に対して住宅の躯体とモルタル壁が一体となって変形せず、地震や強風等による大きな揺れに対する住宅全体の強度(耐力)が低いという問題が生ずる。
また、特許文献3では、下地板2とモルタル壁との間に通気用空間がなく、内壁の外壁の間に断熱材を設けると、外壁の内面に結露が生ずるという問題がある。
ところで、非特許文献1のメタルラス標準施工マニュアルには、鉄骨造の低中層建築建物の外装および内装間仕切り壁の平坦な下地に、セメントモルタルを塗りつけるメタルラス下地施工方法が記載され、その中に、リブラス(リブという帯状に成形された骨部をメッシュの間に一定間隔で配置されたラス)と呼ばれるメタルラスのリブを、鉄骨造外部ラス下地となる一般構造用軽量形鋼(リップ溝形鋼)等の縦胴縁に、座金を用いたドリルねじやシンワッシャービスを用いて留め付ける方法が記載されている。
しかしながら、非特許文献1に記載されたリブラスの留め付ける方法は、鉄骨造外部ラス下地となる一般構造用軽量形鋼等の鋼製の縦胴縁にリブラスを取り付ける場合に適用されるものであり、非特許文献1のリブラスの留め付ける方法を木造建築物の躯体にラス網を取り付ける場合に適用することはできない。
特開2006-52538号公報 特開2013-113033号公報 特開2007-205057号公報
"メタルラス標準施工マニュアル-鉄骨造編-",[online],[令和4年8月29日検索],インターネット,<URL:http://lath.jp/survey/pdf/metal-lath.pdf>
本発明が解決しようとする課題は、木造建築物の躯体に固定したモルタル外壁であって、下地板とラスモルタル層の間に胴縁材を配して通気用の空間を形成したモルタル外壁において、木造建築物に作用する外力に対して躯体とモルタル外壁が一体となって変形して木造建築物の強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等によりモルタル外壁が大きく揺れても、モルタル外壁が躯体から剥がれないようにすることである。
請求項1の発明は、木造建築物の躯体に固定されるモルタル外壁であって、前記モルタル外壁は、通気胴縁材、ラス網及びモルタル層を備え、前記ラス網は一定間隔で配置された帯状のリブと該リブの間に形成された網部からなり、前記リブを貫通して前記通気胴縁材及び前記躯体の骨格材にねじ込まれる多数のビスにより、前記ラス網が前記躯体に固定されるモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項2の発明は、前記躯体は前記骨格材に取り付けられる面材を備え、前記多数のビスは前記面材にもねじ込まれるモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項3の発明は、前記リブを挟んで前記通気胴縁材及び前記骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、前記ラス網が前記躯体に固定されるモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項4の発明は、前記モルタル外壁は前記面材と前記通気胴縁材の間に透湿防水シートを備えているモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項5の発明は、前記骨格材は木造枠組壁構造の枠組材又は木造軸組構造の柱及び/又は横架材であるモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項6の発明は、前記モルタル外壁は、前記通気胴縁材と前記モルタル層の間に防水紙を備えているモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項7の発明は、前記モルタル層は、クラック防止用ネットを備えているモルタル外壁を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項8発明は、モルタル外壁を木造建築物の躯体に固定するモルタル外壁の固定構造であって、前記モルタル外壁は、通気胴縁材、ラス網及びモルタル層を備え、前記ラス網は一定間隔で配置された帯状のリブと該リブの間に形成された網部からなり、前記リブを貫通して前記通気胴縁材及び前記躯体の骨格材にねじ込まれる多数のビスにより前記躯体に固定された前記ラス網を介して前記モルタル外壁が前記躯体に固定されているモルタル外壁の固定構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項9の発明は、前記躯体は前記骨格材に取り付けられる面材を備え、前記多数のビスは前記面材にもねじ込まれるモルタル外壁の固定構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項10の発明は、前記リブを挟んで前記通気胴縁材及び前記骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、前記ラス網が前記躯体に固定されるモルタル外壁の固定構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項11の発明は、前記モルタル外壁は前記面材と前記通気胴縁材の間に透湿防水シートを備えているモルタル外壁の固定構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項12の発明は、前記骨格材は木造枠組壁構造の枠組材又は木造軸組構造の柱及び/又は横架材であるモルタル外壁の固定構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項1に記載の発明のモルタル外壁においては、ラス網のリブを貫通して通気胴縁材及び前記骨格材にねじ込まれる多数のビスにより、前記ラス網が前記躯体に固定されることから、躯体とモルタル外壁を備えた木造建築物に作用する外力に対して前記躯体と前記モルタル外壁が一体となって変形して木造建築物の強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等により前記モルタル外壁が大きく揺れても、前記モルタル外壁が前記躯体から剥がれるのが防止されるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、躯体は骨格材に取り付けられる面材を備えていることから、前記躯体は面材耐力壁となり、地震や強風等により前記躯体を変形させようとする力に対して強い抵抗力を示すという効果を奏する。
請求項3に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、リブを挟んで通気胴縁材及び躯体の骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、ラス網がより強固に躯体に固定されるという効果を奏する。
請求項4に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、面材と通気胴縁材の間にある透湿防水シートにより、内壁で発生した水蒸気など湿気を含んだ空気が内壁や断熱材内に入り込んでも、湿気は通気層を通じて屋外に排出されて結露の発生が防止されると共に、前記通気胴縁により形成された空間内に侵入した雨水が前記面材内に入り込むのが防止されるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、木造枠組壁構造または木造軸組構造の躯体に固定されるモルタル外壁において、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項6に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、モルタル外壁が防水紙を備えていることから、モルタル層に生じたひび割れから入り込んだ雨水が躯体内に侵入しても前記躯体の木材が劣化するのを防止されるという効果を奏する。
請求項7に記載の発明のモルタル外壁においては、さらに、モルタル層がクラック防止用ネットを備えていることから、前記モルタル層のひび割れや地震による前記モルタル層の剥落等が防止されるという効果を奏する。
請求項8に記載の発明のモルタル外壁の固定構造においては、ラス網のリブを貫通して通気胴縁材及び前記骨格材にねじ込まれる多数のビスにより、前記ラス網が前記躯体に固定されることから、躯体とモルタル外壁を備えた木造建築物に作用する外力に対して前記躯体と前記モルタル外壁が一体となって変形して木造建築物の強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等により前記モルタル外壁が大きく揺れても、前記モルタル外壁が前記躯体から剥がれるのが防止されるという効果を奏する。
請求項9に記載の発明のモルタル外壁の固定構造においては、さらに、躯体は骨格材に取り付けられる面材を備えていることから、前記躯体は面材耐力壁となり、地震や強風等により前記躯体を変形させようとする力に対して強い抵抗力を示すという効果を奏する。
請求項10に記載の発明のモルタル外壁の固定構造においては、さらに、リブを挟んで通気胴縁材及び躯体の骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、ラス網がより強固に躯体に固定されるという効果を奏する。
請求項11に記載の発明のモルタル外壁の固定構造においては、さらに、面材と通気胴縁材の間にある透湿防水シートにより、内壁で発生した水蒸気など湿気を含んだ空気が内壁や断熱材内に入り込んでも、湿気は通気層を通じて屋外に排出されて結露の発生が防止されると共に、前記通気胴縁により形成された空間内に侵入した雨水が前記面材内に入り込むのが防止されるという効果を奏する。という効果を奏する。
請求項12に記載の発明のモルタル外壁の固定構造においては、さらに、木造枠組壁構造または木造軸組構造の躯体に固定されるモルタル外壁において、請求項8と同様の効果を奏する。
本発明のモルタル外壁の固定構造の構成を示す斜視図である。 図1に示すモルタル外壁の固定構造の正面図である。 図2のA-A断面図とB-B断面図である。 図3(a)のD-D’部分拡大図である。 図3(b)のE-E’部分拡大図である。 図2のC-C拡大断面図である。 図1のモルタル外壁の固定構造から内壁とモルタル層を除いた部分の斜視図である。 図1のモルタル外壁の固定構造から内壁とモルタル層を除いた部分の分解斜視図である。 ラス網21~23の正面図である。 ラス網21の左上部分の斜視図である。 図10に示すラス網21の左上部分の正面図である。 各段に複数のラス網を左右方向に並べ、各段のラス網を隣り合う段のラス網と千鳥になるように配置したラス網群の正面図である。
[モルタル外壁の固定構造の構成]
図1は、本発明の実施形態となるモルタル外壁の固定構造の構成を示す斜視図、図2は、図1に示すモルタル外壁の固定構造の正面図、図3(a)は、図2のA-A断面図、図3(b)は、図2のB-B断面図、図4は、図3(a)のD-D’部分拡大図、図5は、図3(b)のE-E’部分拡大図、図6は、図2のC-C拡大断面図、図7は、図1のモルタル外壁の固定構造から内壁とモルタル層を除いた部分の斜視図、図8は、図1のモルタル外壁の固定構造から内壁とモルタル層を除いた部分の分解斜視図、図9は、ラス網21~23の正面図、図10は、ラス網21の左上部分の斜視図、図11は、図10に示すラス網21の左上部分の正面図である。
図中、1は躯体、2は左縦枠、3は右縦枠、4はスタッド(縦枠)、5は上枠、6は下枠、7は面材、8は内壁、9a、9bは断熱材、10はモルタル外壁、11、12、13は通気胴縁材、14は透湿防水シート、15は防水紙、16はモルタル層、17はクラック防止用ネット、20はラス網群、21、22、23はラス網、21R、22R、23Rはリブ、21Rmは溝部、21Rfはフランジ、21N、22N、23Nは網部、21Ntは縦線部、21Nyは横線部、30はステープル、30aは肩部、30bは針足部、31はビス、31aは頭部、30aは胴部である。
本発明のモルタル外壁の固定構造は、躯体1と躯体1に固定されるモルタル外壁10から構成される。
[躯体1]
躯体1は、木造建築物における枠組面材耐力壁となるものであり、左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5及び下枠6は、躯体1の骨格材である枠組材となるものである。
この躯体1(枠組面材耐力壁)においては、上枠5と下枠6が、その軸方向が水平方向(左右方向)になるようにして上下に配置され、上枠5と下枠6の間の一部に左縦枠2、右縦枠3、スタッド4が接合されて木造枠組壁構造のフレームが形成され、左縦枠2の右半分に面材7の左端部が重ねられ、右縦枠3の左半分に面材7の右端部が重ねられ、このフレームに面材7が取り付けられる。
そして、左縦枠2の左半分には別の面材が重ねられ、右縦枠3の右半分にはさらに別の面材が重ねられ、複数枚の面材が左右方向に連続して配置された枠組面材耐力壁が形成される。
この場合、上枠5と下枠6への左縦枠2、右縦枠3、スタッド4の接合、面材7と枠組材との接合は、釘等(図示せず)により行われる。
図1には、面材1枚分の枠組面材耐力壁(躯体1)が示されている。
なお、左縦枠2と右縦枠3の間に配置するスタッド4の本数は、本実施形態のような1本に限定されず、2本~4本としてもよい。
また、左縦枠2や右縦枠3には、2本の縦枠(スタッド)を左右方向に重ねたものを使用してもよく、上枠2に頭つなぎを重ねてもよい。
左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5、下枠6には、例えば、ヒノキ(桧)、ヒバ(桧葉)、スギ(杉)、国産松(ジマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ)、米松、欧州赤松等の木材の他、SPF材、すなわち、北米産の針葉樹であるスプルース(Spruce/トウヒ)、パイン(Pine/松)、ファー(Fir/もみの木)等が使用される。
左縦枠2、右縦枠3、スタッド4の断面寸法(短辺×長辺)は、38mm×89mm、38mm×140mm、38mm×184mm等であり、高さ(長さ)は、約1m~9mである。
上枠5、下枠6の断面寸法(短辺×長辺)は、左縦枠2等と同じ、38mm×89mm、38mm×140mm、38mm×184mm等であり、長さは、約1m~12mである。
面材7には、木質系耐力面材である構造用合板、MDF(Medium density fiberboard、中質繊維板)、OSB(Oriented Strand Board、薄い木片を一定の方向性を持たせて積層接着したボード)、パーチクルボード等が使用され、厚さは5mm~45mm、幅(左右方向の長さ)は、約0.9m~2.5m、高さ(上下方向の長さ)は、約1m~9mであり、左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5、下枠6で形成されるフレームと同じサイズとなる。
躯体1は、上述の枠組面材耐力壁に限定されず、面材が取り付けられた木造軸組構造の耐力壁(以下「軸組面材耐力壁」という。)であってもよい。
躯体1が軸組面材耐力壁の場合、骨格材には、柱、間柱、梁や土台等の横架材が使用され、左縦枠2と右縦枠3に代えて左右の柱が配置され、スタッド4に代えて間柱が配置され、上枠5に代えて梁が配置され、下枠6に代えて土台又は梁が配置される。
そして、柱と梁又は土台の結合は、柱に形成されたホゾが土台又は梁に形成されたホゾ穴にはめ込まれることにより行われる。
また、柱、間柱には、木製の材料、例えば、ヒノキ(桧)、ヒバ(桧葉)、スギ(杉)、国産松(ジマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ)、米松、欧州赤松等の木材が使用され、その断面寸法(短辺×長辺)は、105~240mm×105~240mmであり、高さ(長さ)は、約1m~9mである。
梁には、柱と同様の木材が使用され、その断面寸法(短辺×長辺)は、105~240mm×105~1200mmであり、長さは、約1m~12mである。
土台には、柱と同様の木材が使用され、その断面寸法(短辺×長辺)は、105~240mm×105~1200mmであり、長さは、約1m~12mである。
躯体1の内側(面材7が取り付けられていない側)には、内壁8が設けられている。
内壁8は、クロス(ビニールクロス、布クロス、紙クロス等)、塗り壁(珪藻土、漆喰、土壁、繊維壁、砂壁、プラスター等)、板壁(無垢材、合板)、化粧石膏ボード等からなる。
そして、内壁8と面材7の間(左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5、下枠6で形成されるフレームの空間部分)には、断熱材9a、9bが取り付けられている。
断熱材9a、9bには、無機繊維系(グラスウール、ロックウール)や木質繊維系(セルロースファイバー、インシュレーションボード)の繊維系、発泡プラスチック系(ビーズ法ポリエチレンフォーム、押出法ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム)が使用される。
なお、躯体1が軸組面材耐力壁の場合、内壁8と面材7の間の柱、間柱、横架材で形成されるフレームの空間に、断熱材9a、9bが取り付けられる。
[モルタル外壁10]
モルタル外壁10は、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14、防水紙15、ラス網20及びモルタル層16を備えている。
通気胴縁材11、12、13は、面材7の外側(左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5、下枠6のない側)に取り付けられ、通気胴縁材11は左縦枠2と重なる位置に配置され、通気胴縁材12はスタッド4と重なる位置に配置され、通気胴縁材13は右縦枠3と重なる位置に配置される。
この場合、通気胴縁材11、12、13と面材7との接合は、釘等(図示せず)により行われる。
通気胴縁材11、12、13には、枠組材と同じ材料からなる角材が使用され、厚さは10~25mm、幅(左右方向の長さ)は、30~60mm、高さ(上下方向の長さ)は、面材7の高さと同じかそれ以上である。
この通気胴縁材11、12、13は、面材7とモルタル層16との間に空間を形成し、モルタル層16の内側に通気性を持たせる機能を果たす。
透湿防水シート14は、面材7と通気胴縁材11、12、13の間、すなわち、面材7の通気胴縁材11、12、13側の面に接着剤等により取り付けられる(図4、図5、図8参照)。
透湿防水シート14は、ポリエチレン不織布、ポリエステル不織布等からなる透湿性と防水性を備えたシートである。
透湿防水シート14の透湿性により、室内(内壁8の内側)で発生した水蒸気など湿気を含んだ空気が内壁8、断熱材9a、9b内に入り込んだ場合、湿気は透湿性のある透湿防水シートから通気層を通じて屋外に排出され結露の発生が防止される。
透湿防水シート14の防水性により、通気胴縁材11、12、13により形成された空間内に侵入した雨水が面材7内に入り込むのが防止される。
防水紙15は、通気胴縁材11、12、13とモルタル層16との間、すなわち、通気胴縁材11、12、13の外側の面(面材7が取り付けられた面と対向する面)に接着剤等により取り付けられる。
防水紙15には、クラフト紙、原紙にアスファルトを含浸させたアスファルトフェルト、改質アスファルトと合成繊維不織布を用いたもの等が使用される。
防水紙15は、モルタル層16の下張材となるもので、モルタル層16にひび割れが発生した場合、ひび割れから入り込んだ雨水が躯体1内に侵入してモルタル層15のアルカリにより躯体1の木材が劣化するのを防止する機能を果たす。
ラス網群20は、上段のラス網21、中段のラス網22、下段のラス網23からなり、モルタル層16を補強する下地材として防水紙15の外側の面(通気胴縁材11、12、13側でない面)に取り付けられる(図7、図8参照)。
ラス網21、22、23は、板厚0.3~1.0mmの薄い鋼板に、リブ成形を行う部分と網になる部分に分かれた刃物で切れ目を入れ、リブ付けを行うと共に網になる部分を引き延ばして網状にしたものである。
具体的には、図9に示すように、ラス網21、22、23は、同じものであり、左右方向に延びる6本の帯状のリブ21R、22R、23Rと、リブ21R、22R、23Rの間に設けられた(形成された)網部21N、22N、23Nから構成される。
上段のラス網21のリブ21Rは、図10、図11に示すように、断面がコの字状の溝部21Rmと、溝部21Rmに連続する上下のフランジ21Rfからなり、中段のラス網22のリブ22R、下段のラス網23のリブ23Rも、リブ21Rと同様に断面がコの字状の溝部と、溝部に連続する上下のフランジからなる。
上段のラス網21の網部21Nは、図10、図11に示すように、上下方向に延びる多数本の縦線部21Nt、左右方向も延びる多数本の横線部21Nyからなり、縦線部21Ntと横線部21Nyは、互いに交差する部分で連続し、縦線部21Ntの上端部は、上端のリブ21Rのフランジ21Rfと連続し、縦線部21Ntの下端部は、下端のリブ21Rのフランジ21Rfと連続する。
中段のラス網22網部22N、下段のラス網23の網部23Nも、網部21Nと同様の縦線部と横線部からなる。
なお、ラス網群20を構成するラス網の数、各ラス網におけるリブの数、網部の縦線部と横線部の本数は、図示のものに限定されず、上枠5・下枠6と左縦枠2・右縦枠3・スタッド4で形成されるフレームの大きさに対応して適宜選択される。
ラス網21、22、23からなるラス網群20の上下方向の長さ(ラス網21の上端のリブ21Rからラス網23の下端のリブ23Rまでの距離)と左右方向の幅(リブ21R、22R、23Rの左右方向の長さ)は、面材7の上下方向の長さと左右方向の幅と同じである。
これにより、上段ラス網21の上端のリブ21Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7と上枠5に重なる位置に置かれ、下段ラス網23の下端のリブ23Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7と下枠6に重なる位置に置かれ、上端を除くリブ21R、リブ22、下端を除くリブ23が、通気胴縁材11、12、13と面材7と左縦枠2・右縦枠3・スタッド4に重なる位置に置かれる。
ラス網21、22、23の上下方向の長さは、600~1200mmである。
リブ21Rにおいて、溝部21Rmの上下方向の幅は、3~10mmであり、溝部21Rmの深さは3~10mmであり、リブ21Rの上下方向の幅(上側のフランジ21Rfの上端から下側のフランジ21Rfの下端までの長さ)は、6~20mmであり、他のリブ22R、23Rの溝部の寸法も同様である。
網部21Nにおいて、縦線部21Ntの左右方向の幅は、0.5~2mmであり、横線部21Nyの上下方向の幅は、0.5~2mmであり、縦線部21Ntと横線部21Nで形成される網目(矩形の空間)の大きさは、縦横それぞれ10~20mmである。
また、網部22N、23Nにおける縦線部の左右方向の幅、横線部の上下方向の幅、縦線部と横線部で形成される網目の大きさは、網部21Nの縦線部21Ntの左右方向の幅、横線部横線部21Nyの上下方向の幅、縦線部21Ntと横線部21Nで形成される網目の大きさと同じである。
モルタル層16は、下張材としての防水紙15とその外側に固定されたラス網群20(ラス網21、22、23)の上にセメントと砂を水で混練したモルタルを塗布して形成された層であり、その厚みは、10~30mmである。
モルタル層16の表層の全面あるいは四隅部分には、クラック防止用ネット17が取り付けられている。
クラック防止用ネット17には、ガラス繊維を格子状に配置したグラスファイバーネット、金網等が使用される
このようにモルタル層16の内部にクラック防止用ネット17を取り付けることにより、モルタル層16のひび割れや地震によるモルタル層16の剥落等が防止される。
[ラス網群20(ラス網21、22、23)の躯体1への固定]
ラス網群20の各ラス網21、22、23は、多数のステープル30と多数のビス31により、躯体1に固定される。
具体的には、図3(a)、図4、図6、図7、図8に示すように、ステープル30の肩部30aがラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rを挟み、ステープル30の一方の針足部30bが、リブ21R、22R、23Rの溝部(21Rm等)を貫通し、他方の針足部30bが網目を通り、ステープル30(針足部30b)が、防水紙15、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14及び面材7を突き抜けて、躯体1の枠組材(左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5及び下枠6)まで打ち込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7を介して、ステープル30により躯体1の枠組材に固定される。
ステープル30には、肩幅(肩部31aの長さ)が6~20mm、線径が0.6~1.4mmの軟鋼線材、硬鋼線材等が使用される。
また、図3(b)、図5、図6、図7、図8に示すように、ビス31の頭部31aが、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rのフランジ(21Rf等)を押し付け、ビス31の胴部31bが、リブ21R、22R、23Rの溝部(21Rm等)を貫通し、防水紙15、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14及び面材7を突き抜けて、躯体1の枠組材(左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5及び下枠6)までねじ込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7を介して、ビス31により躯体1の枠組材に固定される。
ビス31には、呼び径(胴部31aの径)が3~10mmの木ネジ、コーススレッド、硬質木用ネジ、万能ネジ、特殊木用ネジ等が使用され、ビス31長さ(胴部31bの長さ)は、60~120mmである。
このようにラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rは、多数のステープル30と多数のビス31により躯体1の枠組材に固定されるが、ラス網21、22、23を躯体1からずらしたり引き離したりしようする力に対する抵抗力は、ステープル30よりビス31の方が大きく、主にビス31によりラス網21、22、23と躯体1の一体性が保持される。
この場合、ビス31をねじ込む前にステープル30よりラス網21、22、23を躯体1に固定することにより、ビス31をリブ21R、22R、23Rの溝部からねじ込む作業の作業性が向上する。
また、ステープル30は、ビス31によるラス網21、22、23の躯体1への固定を補強する。
なお、ステープル30の打ち込み方法に関し、ステープル30の両方の針足部30bが、リブ21R、22R、23Rのフランジを跨ぐようにして挟んで網目を通り、ステープル30(針足部30b)が、防水紙15、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14及び面材7を突き抜けて、躯体1の枠組材(左縦枠2、右縦枠3、スタッド4、上枠5及び下枠6)まで打ち込まれるようにしてもよい。
躯体1が軸組面材耐力壁の場合、躯体1が枠組材である場合と同様に、ステープル30(針足部30b)が、防水紙15、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14及び面材7を突き抜けて、躯体1の骨格材(柱、間柱、梁や土台等の横架材)まで打ち込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7を介して、ステープル30により躯体1の骨格材に固定される。
また、ビス31の胴部31bが、リブ21R、22R、23Rの溝部(21Rm等)を貫通し、防水紙15、通気胴縁材11、12、13、透湿防水シート14及び面材7を突き抜けて、躯体1の骨格材(柱、間柱、梁や土台等の横架材)までねじ込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rが、通気胴縁材11、12、13と面材7を介して、ビス3により躯体1の枠組材に固定される。
このように多数のビス31がリブ21R、22R、23Rの溝部を貫通し、通気胴縁材11、12、13と面材7と躯体1の骨格材にねじ込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rが躯体1の骨格材にビス31により固定されることから、ラス網群20(ラス網21、22、23)とその上の形成されたモルタル層16を備えたモルタル外壁10は、躯体1に強固に固定され、地震や強風等によりモルタル外壁10が大きく揺れて、モルタル外壁10を躯体1から引き離そうとする力やずらそうとする力が作用しても、多数のビス31が強い抵抗力を示し、モルタル外壁10が躯体1から剥がれるのが防止される。
また、多数のステープル30がリブ21R、22R、23Rを挟んで、通気胴縁材11、12、13と面材7と躯体1の骨格材(枠組面材耐力壁の枠組材または軸組面材耐力壁の柱、間柱、梁や土台等の横架材)に打ち込まれて、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rがステープル30より躯体1に固定されることにより、ビス31をリブ21R、22R、23Rの溝部からねじ込む作業の作業性が向上すると共に、より強固にラス網21、22、23が躯体1に固定される。
この場合、本実施形態では、図7、図8に示すように、すべてのリブ21R、22R、23Rと通気胴縁材11、12、13が交差する部分にステープル30が打ち込まれ、1段置きのリブ21R、22R、23Rと通気胴縁材11、12、13が交差する部分にビス31がねじ込まれているが、ステープル30の打ち込み箇所やビス31のねじ込み箇所は適宜選択でき、すべてのリブ21R、22R、23Rと通気胴縁材11、12、13が交差する部分にビス31をねじ込まんでもよく、リブ21R、22R、23Rの各段ごとにステープル30を打ち込む箇所やビス31をねじ込む箇所を変えてもよい。
また、ラス網群を形成するラス網の配置も図7、図8に示すような各段のラス網の左右端部を揃えて上下のラス網が重ならないようにするものに限定されず、各段ごとにラス網の左右方向の位置を変えたり、上下のラス網が重なるように配置してもよい。
図12は、各段に複数のラス網を左右方向に並べ、各段のラス網を隣り合う段のラス網と千鳥になるように配置したラス網群の正面図と、このラス網群に使用される短尺のラス網の正面図であり、図中、20’はラス網群、22’はラス網、22R’はリブ、22N’は網部であり、図7、図9に示すラス網と同一のものには同一の符号を付す。
ラス網22’は、左右方向の長さがラス網22の半分であり、上下方向の長さがラス網22と同じ短尺のラス網である。
このラス網22’は、上下方向に配置された6本のリブ22R’を備え、各リブ22R’の間には網部22N’が形成されている。
ラス網群20’においては、上段に2枚のラス網21を左右に並べ、中段に1枚のラス網22と2枚のラス網22’をラス網22の左右にラス網22’がくるように並べ、下段に2枚のラス網23を左右に並べ、上段のラス網21の左右端部の左右方向の位置と下段のラス網23左右端部の左右方向の位置を一致させ、中段のラス網22の左右方向の中央部が、上段のラス網21同士の境界と下段のラス網23同士の境界に一致するように配置し、各段に配置した複数枚のラス網が、上下方向に千鳥になるように配置されている。
また、ラス網群20’においては、上段のラス網21の下端のリブ21Rが、中段のラス網22の上端の網部22Nとラス網22’の上端の網部22N’に外側から重なり(中段のラス網22の上端のリブ22Rとラス網22’の上端のリブ22R’は、上段のラス網21の下端の網部21Nに外側から重なる)、中段のラス網22の下端のリブ22Rとラス網22’の下端のリブ22R’は、下段のラス網23の上端の網部23Nに外側から重なっている(下段のラス網23の上端のリブ23Rは、中段のラス網22の下端の網部22Nとラス網22’の下端の網部22N’に内側から重なる)。
この場合、リブと網部が重なる部分においては、外側から網部に重なるリブにステープルとビスが打ち込まれ(ねじ込まれ)、内側から網部に重なるリブにはステープルとビスが打ち込まれない(ねじ込まれない)こととなる。
具体的には、上段のラス網21の下端のリブ21Rと、中段のラス網22の下端のリブ22Rとラス網22’の下端のリブ22R’に、ステープル30とビス31が打ち込まれ(ねじ込まれ)、中段のラス網22の上端のリブ22Rとラス網22’の上端のリブ22R’と、下段のラス網23の上端のリブ23Rには、ステープル30とビス31が打ち込まれない(ねじ込まれない)こととなる。
このように各段に配置した複数枚のラス網を上下方向に千鳥になるように配置することにより、ラス網の左右方向の境界部分が上下方向に揃わず、ラス網同士をずらそうとしたり離そうとしたりする力がモルタル壁全体に分散され、モルタル壁に連続した亀裂が入ることが防止される。
以上のようにモルタル外壁10を躯体1に固定するモルタル外壁の固定構造においては、モルタル外壁10は、通気胴縁材11、12、13、ラス網群20(ラス網21、22、23)、20’及びモルタル層16を備え、ラス網群20等のラス網21、22、23等は、一定間隔で配置された帯状のリブ21R、22R、23R等とリブ21R、22R、23R等の間に形成された網部21N、22N、23N等からなり、多数のビス31がラス網21、22、23等のリブ21R、22R、23R等の溝部を貫通して、通気胴縁材11、12、13及び躯体1の骨格材(枠組面材耐力壁の枠組材または軸組面材耐力壁の柱、間柱、梁や土台等の横架材)にねじ込まれることにより、ラス網21、22、23等が躯体1の枠組材に固定されることから、躯体1とモルタル外壁10を備えた木造建築物に作用する外力に対して躯体1とモルタル外壁10が一体となって変形して木造建築物の強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等によりモルタル外壁10が大きく揺れても、モルタル外壁10が躯体1から剥がれるのが防止される。
また、躯体1の骨格材には面材7が取り付けられ、多数のビス31は面材7にもねじ込まれることから、躯体1は枠組面材耐力壁または軸組面材耐力壁となり、地震や強風等により躯体1を変形させようとする力に対して強い抵抗力を示す。
その上、多数のステープル30がリブ21R、22R、23Rを挟んで、通気胴縁材11、12、13と面材7と躯体1の骨格材に打ち込まれることにより、ラス網21、22、23のリブ21R、22R、23Rがステープル30より躯体1に固定されることから、ビス31をリブ21R、22R、23Rの溝部からねじ込む作業の作業性が向上すると共に、より強固にラス網21、22、23が躯体1に固定される。
しかも、モルタル外壁10は、面材7と通気胴縁材11、12、13の間に透湿防水シート14を備えていることから、室内(内壁8の内側)で発生した水蒸気など湿気を含んだ空気が内壁8、断熱材9a、9b内に入り込んでも、湿気は透湿防水シートから通気層を通じて屋外に排出され結露の発生が防止されると共に、透湿防水シート14の防水性により、通気胴縁材11、12、13により形成された空間内に侵入した雨水が面材7内に入り込むのが防止される。
その上、モルタル外壁10は、通気胴縁材11、12、13とモルタル層16との間に防水紙15を備えていることから、モルタル層16に生じたひび割れから入り込んだ雨水が躯体1内に侵入しても躯体1の木材が劣化するのを防止される。
さらに、モルタル層16は、クラック防止用ネット17を備えていることから、モルタル層16のひび割れや地震によるモルタル層16の剥落等が防止される。
本発明のモルタル外壁及びモルタル外壁の固定構造は、外力に対して躯体とモルタル外壁が一体となって変形してその強度(耐力)を高めると共に、地震や強風等によりモルタル外壁が大きく揺れても、モルタル外壁が躯体から剥がれるのが防止され、木造建築物に利用することができる。
1 躯体
2 左縦枠
3 右縦枠
4 スタッド(縦枠)
5 上枠
6 下枠
7 面材
8 内壁
9a、9b 断熱材
10 モルタル外壁
11、12、13 通気胴縁材
14 透湿防水シート
15 防水紙
16 モルタル層
17 クラック防止用ネット
20、20’ ラス網群
21、22、22’、23 ラス網
21R、22R、22R’、23R リブ
21Rm 溝部
21Rf フランジ
21N、22N、22N’、23N 網部
21Nt 縦線部
21Ny 横線部
30 ステープル
30a 肩部
30b 針足部
31 ビス
31a 頭部
31b 胴部

Claims (12)

  1. 木造建築物の躯体に固定されるモルタル外壁であって、
    前記モルタル外壁は、通気胴縁材、ラス網及びモルタル層を備え、
    前記ラス網は一定間隔で配置された帯状のリブと該リブの間に形成された網部からなり、
    前記リブを貫通して前記通気胴縁材及び前記躯体の骨格材にねじ込まれる多数のビスにより、前記ラス網が前記躯体に固定されることを特徴とするモルタル外壁。
  2. 前記躯体は前記骨格材に取り付けられる面材を備え、
    前記多数のビスは前記面材にもねじ込まれることを特徴とする請求項1記載のモルタル外壁
  3. 前記リブを挟んで前記通気胴縁材及び前記骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、前記ラス網が前記躯体に固定されることを特徴とする請求項1記載のモルタル外壁。
  4. 前記モルタル外壁は、前記面材と前記通気胴縁材の間に透湿防水シートを備えていることを特徴とする請求項2記載のモルタル外壁。
  5. 前記骨格材は、木造枠組壁構造の枠組材、又は、木造軸組構造の柱及び/又は横架材であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載したモルタル外壁。
  6. 前記モルタル外壁は、前記通気胴縁材と前記モルタル層の間に防水紙を備えていることを特徴とする請求項1記載のモルタル外壁。
  7. 前記モルタル層は、クラック防止用ネットを備えていることを特徴とする請求項1記載のモルタル外壁。
  8. モルタル外壁を木造建築物の躯体に固定するモルタル外壁の固定構造であって、
    前記モルタル外壁は、通気胴縁材、ラス網及びモルタル層を備え、
    前記ラス網は一定間隔で配置された帯状のリブと該リブの間に形成された網部からなり、
    前記リブを貫通して前記通気胴縁材及び前記躯体の骨格材にねじ込まれる多数のビスにより前記躯体に固定された前記ラス網を介して前記モルタル外壁が前記躯体に固定されていることを特徴とするモルタル外壁の固定構造。
  9. 前記躯体は前記骨格材に取り付けられる面材を備え、
    前記多数のビスは前記面材にもねじ込まれることを特徴とする請求項8記載のモルタル外壁の固定構造。
  10. 前記リブを挟んで前記通気胴縁材及び前記骨格材に打ち込まれる多数のステープルにより、前記ラス網が前記躯体に固定されることを特徴とする請求項8記載のモルタル外壁の固定構造。
  11. 前記モルタル外壁は、前記面材と前記通気胴縁材の間に透湿防水シートを備えていることを特徴とする請求項9記載のモルタル外壁の固定構造。
  12. 前記骨格材は、木造枠組壁構造の枠組材、又は、木造軸組構造の柱及び/又は横架材であることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載したモルタル外壁の固定構造。
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