JP2024041315A - コネクタ - Google Patents

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佑多 兼松
Yuta Kanematsu
ソンヒョン ビョン
Sung-Hyun Byun
宣和 廣脇
Nobukazu Hirowaki
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AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • HELECTRICITY
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Abstract

【課題】分割リテーナ間の開きを抑制して、電線に伝わる外力の端子側への伝搬を抑制できる、コネクタを開示する。【解決手段】コネクタ10が、複数の端子12と複数の電線16とコネクタハウジング14側に組み付けられる合成樹脂製のバックリテーナ18とを備え、バックリテーナ18は分割リテーナ42a,42bを有し、分割リテーナ42a,42bが複数の電線16の間に位置する分割突部46をそれぞれ有しており、分割リテーナ42a,42bが相互に固定されることで、分割突部46が組み合わされて複数の電線16の間に配置される電線押え突部48が構成され、電線押え突部48が第1バンド装着部58を有し、第1バンド装着部58の間に架け渡された第1結束バンド65によって、複数の電線16が、それぞれ電線押え突部48に密接した状態で相互に結束固定されており、それぞれの分割突部46同士を第1方向の両側から相互に押圧している。【選択図】図2

Description

本開示は、コネクタに関するものである。
従来から、車載機器間を電気的に接続するために、コネクタが用いられている。このようなコネクタは、コネクタハウジングと、コネクタハウジングに収容された端子と、端子に接続された電線とを含んでおり、電線がコネクタハウジングの電線引出口から外部に引き出されている。外部に引き出された電線に加わる外力が、端子側に伝わると接点微摺動摩耗等の問題が生じる。そこで、電線に加わる外力が端子側に及ぼされることを抑制するために、例えば特許文献1では、電線の振れを抑えつつ、電線をコネクタハウジングに保持する樹脂製のバックリテーナを備えている。
特開2022-78600号公報
ところが、バックリテーナは、電線の軸直角方向で電線を間に挟んで相互に組み付けられる一対の分割リテーナを組み合わせて構成されている。それゆえ、電線からの振動が繰り返しバックリテーナに伝わることや高温環境下でのクリープ現象等によって、分割リテーナが相互に開き気味になり、バックリテーナと電線との間に隙間が生じ、電線に伝わる外力が端子側に及ぶ可能性も考えられる。特に、車載部品の高電圧化により電線が大径化する場合には、隙間が生じる可能性が高くなることも考えられた。
そこで、分割リテーナ間の開きを抑制して、電線に伝わる外力の端子側への伝搬を抑制できる、コネクタを開示する。
本開示のコネクタは、コネクタハウジングに収容された複数の端子と、複数の前記端子にそれぞれ接続されて前記コネクタハウジングの外部に相互に隙間を隔てて並列して引き出される複数の電線と、前記コネクタハウジングの外部に引き出された複数の前記電線がそれぞれ圧接状態で挿通されて保持される複数の電線挿通筒部を有し、前記コネクタハウジング側に組み付けられる合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、前記バックリテーナは、各前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される一対の分割リテーナを有し、一対の前記分割リテーナが、複数の前記電線の外周面にそれぞれ密接する複数の凹溝と、複数の前記電線の並列方向で複数の前記凹溝の間に位置して複数の前記電線の引出方向に突出する分割突部と、をそれぞれ有しており、一対の前記分割リテーナが相互に固定されることで、複数の前記凹溝によって複数の前記電線挿通筒部が区画されて並列配置されると共に、前記分割突部が組み合わされて、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線の間に配置される電線押え突部が構成され、前記電線押え突部が、前記並列方向で両側に配置された前記電線に接触する一対の電線接触面と、一対の前記電線接触面の対向方向に直交する第1方向の両側の端面に設けられた一対の第1バンド装着部と、を有し、一対の前記第1バンド装着部の間に架け渡された第1結束バンドによって、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線が、それぞれ前記バックリテーナの前記電線押え突部の一対の前記電線接触面に密接した状態で、相互に結束固定されており、一対の前記第1バンド装着部に前記第1方向の両側から前記第1結束バンドが接触して、前記電線押え突部を構成する一対の前記分割リテーナのそれぞれの前記分割突部同士を前記第1方向の両側から相互に押圧している、ものである。
本開示のコネクタによれば、分割リテーナ間の開きを抑制して、電線に伝わる外力の端子側への伝搬を抑制できる。
図1は、実施形態1に係るコネクタを示す斜視図である。 図2は、図1に示されたコネクタにおける要部を拡大して示す平面図である。 図3は、図2におけるIII-III断面図である。 図4は、図2におけるIV-IV断面図である。 図5は、図2におけるV-V断面図である。 図6は、図1に示されたコネクタを部分的に分解して示す分解斜視図である。 図7は、図1に示されたコネクタにおいてバックリテーナを取り外した状態を示す横断面図であって、図3に対応する図である。 図8は、図1に示されたコネクタを構成する分割リテーナを示す斜視図である。 図9は、図8に示された分割リテーナを底面側から示す斜視図である。 図10は、図8に示された分割リテーナにおける平面図である。 図11は、図8に示された分割リテーナにおける正面図である。 図12は、図1に示されたコネクタを構成するバックリテーナを背面側から示す斜視図である。
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)コネクタハウジングに収容された複数の端子と、複数の前記端子にそれぞれ接続されて前記コネクタハウジングの外部に相互に隙間を隔てて並列して引き出される複数の電線と、前記コネクタハウジングの外部に引き出された複数の前記電線がそれぞれ圧接状態で挿通されて保持される複数の電線挿通筒部を有し、前記コネクタハウジング側に組み付けられる合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、前記バックリテーナは、各前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される一対の分割リテーナを有し、一対の前記分割リテーナが、複数の前記電線の外周面にそれぞれ密接する複数の凹溝と、複数の前記電線の並列方向で複数の前記凹溝の間に位置して複数の前記電線の引出方向に突出する分割突部と、をそれぞれ有しており、一対の前記分割リテーナが相互に固定されることで、複数の前記凹溝によって複数の前記電線挿通筒部が区画されて並列配置されると共に、前記分割突部が組み合わされて、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線の間に配置される電線押え突部が構成され、前記電線押え突部が、前記並列方向で両側に配置された前記電線に接触する一対の電線接触面と、一対の前記電線接触面の対向方向に直交する第1方向の両側の端面に設けられた一対の第1バンド装着部と、を有し、一対の前記第1バンド装着部の間に架け渡された第1結束バンドによって、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線が、それぞれ前記バックリテーナの前記電線押え突部の一対の前記電線接触面に密接した状態で、相互に結束固定されており、一対の前記第1バンド装着部に前記第1方向の両側から前記第1結束バンドが接触して、前記電線押え突部を構成する一対の前記分割リテーナのそれぞれの前記分割突部同士を前記第1方向の両側から相互に押圧している、ものである。
本開示のコネクタによれば、合成樹脂製のバックリテーナは、電線の軸直角方向両側から電線を挟み込んで保持して相互に固定される一対の分割リテーナによって構成されており、一対の分割リテーナが、それぞれ電線の外周面に密接する複数の凹溝と、電線の並列方向で複数の凹溝の間に位置して複数の電線の引出方向に突出する分割突部と、をそれぞれ有している。そして、一対の分割リテーナが相互に固定されることで、複数の凹溝によって複数の電線挿通筒部が区画されて並列配置されると共に、分割突部が組み合わされて複数の電線挿通筒部から突出して引出方向に延びる複数の前記電線の間に配置される電線押え突部が構成されるようになっている。さらに、電線押え突部が、電線の並列方向で両側に配置された電線に接触する一対の電線接触面と、一対の電線接触面の対向方向に直交する第1方向の両側の端面に設けられた一対の第1バンド装着部と、を有している。
そして、一対の第1バンド装着部の間に第1結束バンドを架け渡して結束することにより、複数の電線挿通筒部から突出して引出方向に延びる複数の電線を、バックリテーナの電線押え突部の一対の前記電線接触面に密接させた状態で、電線押え突部を間に挟持して相互に結束固定することができる。これにより、バックリテーナの電線挿通筒部から突出して引出方向に延びる複数の電線の動きを、第1結束バンドの結束力により電線押え突部の一対の電線接触面に密接させて、抑制することができる。その結果、電線挿通筒部から突出した電線が外力により変位する動きを有利に抑制または防止することができ、分割リテーナ間の開きによりバックリテーナと電線との間に隙間が生じることを有利に抑制または防止することができる。
加えて、一対の前記第1バンド装着部に第1方向の両側から第1結束バンドが接触して、電線押え突部を構成する一対の分割リテーナのそれぞれの分割突部同士を第1方向の両側から相互に押圧している。その結果、一対の分割リテーナのそれぞれの分割突部によって構成された電線押え突部を、第1結束バンドの結束力により組み付け方向に保持することができ、分割リテーナ間の開きを一層有利に抑制または防止することができる。
このように、本開示のコネクタでは、第1結束バンドの結束力を利用して、バックリテーナに対する電線の動きを抑制することと、バックリテーナを構成する分割リテーナを結合状態に保持することとを、両立して達成することができる。その結果、分割リテーナ間の開きを抑制して、電線に伝わる外力の端子側への伝搬を抑制できる、コネクタを提供することができるのである。
なお、バックリテーナは、コネクタハウジング側に組み付けられていればよく、例えば、コネクタハウジングに直接組み付けられていてもよいし、コネクタハウジングの外面を覆う金属製のシールドシェル等、コネクタハウジングに組み付けられた他部材を介してコネクタハウジングに間接的に組み付けられていてもよい。
また、第1バンド装着部や後述する第2バンド装着部は、結束バンドを装着できる形状であれば任意の形状が採用可能であり、樋形状であってもよいし、筒形状や枠形状であってもよい。
(2)上記(1)において、前記電線押え突部の一対の前記電線接触面が、それらの前記対向方向の内方に凸となる湾曲面によって構成されている、ことが好ましい。一対の電線接触面をそれらの対向方向の内方に凸となる湾曲面にすることにより、電線と電線接触面の接触面積を広く確保することができ、複数の電線間に配置された電線押え突部による電線の保持効果を向上させることができるからである。
(3)上記(1)または(2)において、前記コネクタハウジングに固定されて前記コネクタハウジングを覆い、前記コネクタハウジングの外部に引き出された複数の前記電線が引き出される筒状の電線引出口を有する金属製のシールドシェルを、さらに備え、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合されており、前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の周方向で相互に離隔して設けられた複数の被係合部を有し、前記バックリテーナは、前記第1方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第1係合部と、前記並列方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第2係合部と、を有し、前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第1係合部が前記被係合部に対して前記第1方向の両側で前記潰しリブを介して圧接され、前記第2係合部が前記被係合部に対して前記並列方向の両側で前記潰しリブを介して圧接される、ことが好ましい。
コネクタハウジングから引き出される複数の電線が圧接状態で挿通されて保持されるバックリテーナが、コネクタハウジングに固定された金属製のシールドシェルの電線引出口に嵌合されている。そして、バックリテーナは、電線引出口への嵌合状態で、電線引出口の被係合部に対して第1方向の両側(例えば、上下両側)で潰しリブを介して圧接される第1係合部と、電線引出口の被係合部に対して電線の並列方向の両側(例えば、左右両側)で潰しリブを介して圧接される第2係合部と、を含んでいる。それゆえ、シールドシェルの電線引出口に対してバックリテーナが多少のガタツキをもって嵌合された場合でも、電線の引出方向(軸方向)に直交する2方向である第1方向(例えば、上下方向)と並列方向(例えば、左右方向)の何れにおいても、第1係合部と第2係合部が被係合部に対して潰しリブを潰しながら圧接される。その結果、潰しリブによりガタツキを吸収して、電線引出口に嵌合されたバックリテーナの電線引出口に対する変位が抑制される。これにより、コネクタハウジングやバックリテーナを大型化したり、バックリテーナを金属製にすることなく、バックリテーナを合成樹脂製としつつ、潰しリブを利用して車載時の振動等によるバックリテーナのシールドシェルに対する変位を抑制できる。それゆえ、コネクタ自体の大型化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制または阻止することができる。そして、バックリテーナによる電線からの外力の伝達を抑制する外力遮断性能を向上させることができる。特に、バックリテーナが嵌合される電線引出口が、金属製のシールドシェルを利用して構成されていることから、電線引出口が合成樹脂製のコネクタハウジングに設けられている場合に比して、高温環境下のクリープ現象による隙間の発生等の不具合を有利に抑制して、係合部の潰しリブを介した被係合部への圧接状態を有利に維持できる。
なお、シールドシェルの電線引出口に対するバックリテーナの嵌合構造は、任意の構造
が採用可能であり、例えば、バックリテーナに弾性ロック片を設けてシールドシェルに設
けられたロック突起にロック嵌合するようにしてもよい。
(4)上記(3)において、各前記分割リテーナが、前記引出方向において前記分割突部とは反対の端部側に設けられた第2バンド装着部を有し、前記分割リテーナが相互に組み付けられて構成された前記バックリテーナが、前記第1方向の両側に配置された一対の前記第2バンド装着部を有し、一対の前記第2バンド装着部の間に架け渡された第2結束バンドによって、前記一対の分割リテーナ同士が、前記第1方向の両側から相互に押圧されていると共に、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に結束固定されている、ことが好ましい。
分割リテーナが、第1バンド装着部が設けられた分割突部から引出方向で反対側に一対の第2バンド装着部を有しており、一対の第2バンド装着部の間に架け渡された第2結束バンドによって、分割リテーナ同士を組み合わされた状態に保持することができる。これにより、分割リテーナ同士を分割突部とは離れた部位において、第2結束バンドの結束力により組み付け方向に保持することができ、分割リテーナ間の開きを一層有利に抑制または防止することができる。
さらに、第2結束バンドの結束力を利用して、バックリテーナをシールドシェルの電線引出口に結束固定できる。その結果、分割リテーナ間の開きを抑制して、電線に伝わる外力の端子側への伝搬を一層有利に抑制できる。
(5)上記(3)または(4)において、前記電線引出口の複数の前記被係合部は、前記並列方向の両側に配置された複数の第1被係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の第2被係合部を含み、前記バックリテーナは、前記並列方向の両側に配置された複数の前記第1係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の前記第2係合部を含み、前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記並列方向の両側で前記第1被係合部に対して前記第1係合部が前記第1方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されており、前記第1方向の両側で前記第2被係合部に対して前記第2係合部が前記並列方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されている、ことが好ましい。
第1方向と並列方向のそれぞれの両側で、係合部を被係合部に対して潰しリブを介して圧接でき、一層安定してバックリテーナのシールドシェルに対する変位を抑制して、電線に加わる外力が端子側に伝達することを抑制または阻止できるからである。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つにおいて、前記バックリテーナの各前記電線挿通筒部の内周面の径寸法が、前記電線挿通筒部の内部を挿通する各前記電線の前記外周面の径寸法よりも大きくされており、各前記電線挿通筒部の前記内周面には、各前記電線の前記外周面よりも径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部が、相互に離隔して突設されており、各前記電線押圧凸部が、各前記電線の前記外周面を構成する絶縁被覆を、前記径方向内方に押圧することで、前記電線が前記電線挿通筒部に圧接状態で挿通されて保持されている、ことが好ましい。
各電線挿通筒部の内周面の径寸法が各電線の外周面の径寸法よりも大きく、それらの間に隙間が形成される。さらに、複数の電線押圧凸部が相互に離隔して設けられている。それゆえ、電線押圧凸部に押圧されて径方向外方に弾性変形された絶縁被覆を各電線押圧凸部間に広がる当該隙間に吸収することができる。それゆえ、電線押圧凸部の絶縁被覆に対する押圧による電線挿通筒部への電線の位置固定を有利に実現しつつ、電線に対して電線挿通筒部を組み付ける際の組付力の低減を図り、組み付け作業性を向上できる。好ましくは、複数の電線押圧凸部は、電線挿通筒部の軸方向と周方向の何れにおいても相互に離隔して点在していることが望ましい。これにより、電線をより広い範囲で電線押圧凸部の押圧により固定でき、バックリテーナによる電線からの外力の伝達を抑制する外力遮断性能をさらに向上させることができる。
(7)上記(3)から(5)のいずれか1つにおいて、前記バックリテーナは、前記シールドシェルの前記電線引出口に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片を有し、前記弾性ロック片は、突出端部に嵌合穴を有し、前記シールドシェルは、前記電線引出口の外周面に突出するロック突起を有し、前記バックリテーナの前記弾性ロック片の前記嵌合穴に、前記シールドシェルの前記ロック突起が嵌め入れられることで、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合される、ことが好ましい。合成樹脂製のバックリテーナに弾性ロック片を設け、シールドシェルにはロック突起を形成すればよいことから、弾性ロック片の成形を容易に行いつつシールドシェルの構造を簡素化し、製造コストを抑えることができる。
(8)上記(7)において、前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の前記外周面に開口する凹状のロック片収容部を有し、前記ロック片収容部の底面に前記ロック突起が突設され、前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記バックリテーナの前記弾性ロック片が前記ロック片収容部に収容されている、ことが好ましい。
シールドシェルに対するバックリテーナの嵌合状態で、バックリテーナの弾性ロック片がシールドシェルのロック片収容部に収容されていることから、弾性ロック片の電線引出口の外周側への突出を抑制できる。これにより、弾性ロック片の他部材との干渉を抑制してバックリテーナの電線引出口からの予期せぬ離脱等の発生を有利に抑制できる。さらに、電線引出口のロック突起もロック片収容部の底面に設けられていることから、ロック突起の電線引出口の外周側への突出も抑制して他部材との干渉を抑制できる。なお、より好ましくは、弾性ロック片が電線引出口の外周面から外周側に突出しないよう、ロック片収容部の深さ寸法が調整される。
(9)上記(8)において、前記シールドシェルの前記電線引出口には、前記電線の前記引出方向側に位置する筒状端部に、板厚方向に貫通して前記引出方向側の端面に開口する複数の切欠状の前記被係合部が設けられており、少なくとも1つの前記被係合部が、前記ロック片収容部の前記底面に開口して設けられており、前記バックリテーナの前記弾性ロック片の基端側には、前記弾性ロック片から前記電線側に向かって突出して前記少なくとも1つの前記被係合部に圧入される突形状の前記第2係合部が設けられている、ことが好ましい。
シールドシェルの電線引出口に設けられる被係合部が筒状端部の板厚方向に貫通して電線の引出方向側の端面に開口する切欠状に構成されていることから、シールドシェルの大型化を伴うことなく、被係合部を設けることができる。さらに、被係合部の1つは、ロック片収容部の底面に開口して設けられ、そこに圧入される第2係合部は、弾性ロック片から電線側に向かって突出する突形状であることから、弾性ロック片の裏面側の空きスペースを巧く利用して、スペース効率よく設けられている。これにより、コネクタの大型化を伴うことなく、省スペースに被係合部とそれに嵌め入れられる第2係合部を設けることができる。
(10)上記(9)において、前記バックリテーナは、前記電線引出口の前記筒状端部の内周側に嵌め入れられる装着筒部と、前記装着筒部の外周面に突設された突形状の前記第1係合部を含み、前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記第1係合部が、前記電線引出口の外周側に突出することなく前記被係合部に収容されている、ことが好ましい。
電線引出口の筒状端部の内周側に嵌め入れられるバックリテーナの装着筒部の外周面に第1係合部を突出し、筒状端部の板厚方向に貫設された被係合部に第1係合部を収容して、第1係合部を被係合部に圧入することができる。それゆえ、電線引出口の筒状端部を利用して、被係合部とそこに圧入された第1係合部を配置することができ、コネクタの大型化を伴うことなく、省スペースに被係合部とそれに嵌め入れられる第1係合部を設けることができる。
<本開示の実施形態の詳細>
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1のコネクタ10について、図1から図12を用いて説明する。コネクタ10は端子12を含んでおり、コネクタ10と図示しない相手側コネクタとが接続されることで、コネクタ10における端子12と相手側コネクタにおける相手側端子とが電気的に導通状態となるようになっている。なお、コネクタ10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは図3中の上方、下方とは図3中の下方、前方とは図2中の左方、後方とは図2中の右方、左方とは図2中の下方、右方とは図2中の上方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
<コネクタ10>
図1から図4にも示されるように、コネクタ10は、コネクタハウジング14に収容された複数(実施形態1では一対)の端子12,12と、複数の端子12にそれぞれ接続されてコネクタハウジング14の外部に相互に隙間を隔てて並列して引き出される複数(実施形態1では一対)の電線16,16と、を有している。また、コネクタ10は、コネクタハウジング14側に組み付けられる合成樹脂製のバックリテーナ18を備えており、バックリテーナ18が、コネクタハウジング14の外部に引き出された複数の電線16がそれぞれ圧接状態で挿通されて保持される複数(実施形態1では一対)の電線挿通筒部20を有している。実施形態1では、一対のコネクタハウジング14,14が設けられており、各コネクタハウジング14のそれぞれに各端子12が収容されている。
これら各コネクタハウジング14、各端子12および各電線16は、それぞれ左右方向で相互に離隔して配置されており、実施形態1では、各電線16の並列方向が左右方向とされている。また、後述するように各電線16は各コネクタハウジング14から後方に引き出されており、各電線16の引出方向が前後方向(特に前方から後方に向かう方向)とされている。
さらに、実施形態1では、コネクタ10が、コネクタハウジング14に固定されてコネクタハウジング14を覆い、コネクタハウジング14の外部に引き出された複数の電線16が引き出される筒状の電線引出口22を有する金属製のシールドシェル24を備えている。そして、バックリテーナ18がシールドシェル24の電線引出口22に嵌合されている。
<端子12>
実施形態1では、各端子12に接続される図示しない相手側端子がピン端子とされており、ピン状の相手側端子が圧入される筒状接続部26を有していればその具体的な構造は限定されるものではなく、例えば特開2021-28899号公報に記載の雌端子(10)のような構造が採用され得る。より詳細には、実施形態1の各端子12は、筒状接続部26を有する端子本体28と、端子本体28の先端部(前端部)に取り付けられる弾性部材としてのクリップばね30とを含んで構成されている。そして、各端子本体28の基端部(後端部)に、各電線16が固着される電線固着部32が設けられている。
各電線16は被覆電線であり、芯線34と、芯線34を略全長にわたって被覆する合成樹脂製の絶縁被覆36とから構成されている。そして、各電線16の端末において絶縁被覆36が剥がされて芯線34が露出しているとともに、露出された芯線34が各端子本体28の電線固着部32に固着されることで、各端子本体28と各電線16とが接続されている。なお、電線固着部32と芯線34との固着方法は限定されるものではなく、接着や溶着等でもよいし、圧着片による圧着等であってもよい。
<コネクタハウジング14>
コネクタハウジング14は、図2に示されるように、各電線16の前端部分および各電線16の端末に固着される各端子12が収容される略矩形筒状の端子収容部38を有している。上述のように、実施形態1では、一対のコネクタハウジング14,14が設けられており、各コネクタハウジング14がそれぞれ端子収容部38を有している。各コネクタハウジング14(各端子収容部38)は左右方向で相互に離隔するとともに、それぞれ前後方向に延びている。そして、各端子収容部38に収容される各電線16は、各コネクタハウジング14(各端子収容部38)の後方開口部40を通じて外部空間へ引き出されている。すなわち、各電線16が、各コネクタハウジング14から後方に向かって引き出されており、各電線16の引出方向が前後方向(特に前方から後方に向かう方向)とされている。
なお、これら各コネクタハウジング14と各コネクタハウジング14を覆った状態で固定されるシールドシェル24との固定方法は限定されるものではないが、実施形態1では、後述するように、各コネクタハウジング14はシールドシェル24の後方開口部(電線引出口22)から内部に挿入される。そして、例えば各コネクタハウジング14の外面とシールドシェル24の内面に設けられる凹凸の嵌合により、各コネクタハウジング14がシールドシェル24に固定されるようになっている。
<バックリテーナ18>
図12にも示されるように、バックリテーナ18は、各電線16の軸直角方向両側(実施形態1では上下方向両側)から各電線16を挟み込んで保持して相互に固定される一対の分割リテーナ42a,42bを有している。特に、実施形態1では、一対の分割リテーナ42a,42bが相互に同形状とされており、上下反転状態とされた一対の分割リテーナ42a,42bを相互に組み付けることでバックリテーナ18が構成されている。以下では、図8から図11を示して、一方(上方)の分割リテーナ42aについて説明して、他方(下方)の分割リテーナ42bについての説明を省略する。
<分割リテーナ42a,42b>
分割リテーナ42aは、各電線16の外周面(各絶縁被覆36の外周面)にそれぞれ密接する複数(実施形態1では一対)の凹溝44,44と、複数の電線16の並列方向(左右方向)で複数の凹溝44,44の間に位置して、複数の電線16の引出方向(後方)に突出する分割突部46を有している。そして、一対の分割リテーナ42a,42bが相互に固定されることで、上下の各凹溝44によって電線挿通筒部20が区画されており、複数(一対)の電線挿通筒部20,20が左右方向で並列配置されている。また、一対の分割リテーナ42a,42bが相互に固定されることで、上下の各分割突部46によって電線押え突部48が構成されており、この電線押え突部48が、各電線挿通筒部20から引出方向(後方)に突出して延びる各電線16の左右方向間に配置されている。
より具体的には、分割リテーナ42aは、各凹溝44を構成する分割筒部50を備えており、一対の分割筒部50,50が左右方向で相互に離隔して設けられている。そして、一対の分割リテーナ42a,42bが相互に固定されることで、上下の各分割筒部50によって各電線挿通筒部20が構成されるようになっている。なお、実施形態1では、左右両側に設けられる一対の分割筒部50,50における後方部分において、それぞれの周方向長さが異ならされている。すなわち、図4に示されるように、上側の分割リテーナ42aにおいて、左側に設けられる分割筒部50が1/2周よりも短い周方向長さをもって形成されているとともに、右側に設けられる分割筒部50が略1/2周か、1/2周よりも僅かに長い周方向長さをもって形成されている。これにより、上下の各分割筒部50を重ね合わせて各電線挿通筒部20を構成した際には、各電線挿通筒部20の後方部分において、上下の各分割筒部50の周方向間に、前後方向に延びる隙間52が形成されるようになっている。
また、分割リテーナ42aにおいて左右の各分割筒部50は、連結部54により連結されている。前述のように、左右の各凹溝44(各分割筒部50)の間に分割突部46が設けられていることから、分割突部46は連結部54に設けられており、分割突部46が各分割筒部50よりも後方まで突出している。上側の分割リテーナ42aにおいて連結部54の下面は平坦面であり、上下の分割リテーナ42a,42bが相互に固定されることで、連結部54における平坦面同士が重ね合わされるようになっている。なお、左右の各分割筒部50および連結部54には、適切な位置に肉抜部が設けられてもよい。
さらに、左右両側に設けられる一対の分割筒部50,50において前方部分の周方向長さは略1/2周とされている。これにより、上下の各分割筒部50を重ね合わせて各電線挿通筒部20を構成した際には、各電線挿通筒部20の前方部分が略円筒状となるようになっている。実施形態1では、上下の各分割筒部50(各凹溝44)から構成される各電線挿通筒部20の内周面の径寸法φα(図4参照)が、各電線挿通筒部20の内部を挿通する各電線16の外周面の径寸法φβ(図4参照)よりも大きくされている。
<電線押え突部48>
各分割突部46が重ね合わされて構成される電線押え突部48は、各電線16の並列方向(左右方向)で両側に配置されて、各電線16に接触する一対の電線接触面56,56を有している(図5参照)。実施形態1では、各電線接触面56が、それらの対向方向(左右方向)の内方に凸となる湾曲面によって構成されており、各電線接触面56の上下方向中央が左右方向で最も内方に突出している。また、電線押え突部48は、一対の電線接触面56,56の対向方向(左右方向)に直交する第1方向、すなわち上下方向の両側の端面に、一対の第1バンド装着部58,58を有している。なお、実施形態1において、各電線接触面56の曲率は各電線16の外周面(各絶縁被覆36の外周面)の曲率と略等しくされており、各電線接触面56が各電線16の外周面と略対応する湾曲面形状とされている。これにより、各電線接触面56が各電線16の外周面と密接する際には、各電線接触面56が略全面にわたって各電線16の外周面と密接するようになっている。
そして、電線押え突部48は上下方向で各分割突部46に分割されることから、各電線接触面56も上下方向で分割されており、図5や図12等にも示されるように、各分割突部46の左右方向両側には、各電線接触面56を構成する分割接触面60が設けられている。すなわち、上側の分割リテーナ42aにおいて、分割突部46の下端部分における左右両外面には、上方になるにつれて次第に左右方向外方へ湾曲する分割接触面60が設けられている。そして、上下の分割リテーナ42a,42bが重ね合わされて上下反転状態とされた分割接触面60,60同士が上下方向で連続することで、上下方向中央が左右方向で最も内方に突出する各電線接触面56が構成されている。
<第1バンド装着部58>
また、上側の分割リテーナ42aにおける分割突部46の上端面に第1バンド装着部58が形成されている。実施形態1では、第1バンド装着部58が左右方向に延びる樋形状であり、第1バンド装着部58が、分割突部46の上端面により構成されて左右方向全長に延びる平坦面62と、平坦面62の前後方向両側において平坦面62から上方に突出する両側縁部64,64とから構成されている。このように、分割リテーナ42aにおける分割突部46の上端面に第1バンド装着部58が形成されることで、上下の分割突部46,46が重ね合わされて構成される電線押え突部48の上下方向両側の端面に一対の第1バンド装着部58,58が設けられている。
<第1結束バンド65>
そして、これら各第1バンド装着部58の間に架け渡された第1結束バンド65によって、各電線挿通筒部20から突出して後方に延びる各電線16が、それぞれバックリテーナ18における電線押え突部48の各電線接触面56に密接した状態で、相互に結束固定されている。また、各第1バンド装着部58に上下方向の両側から第1結束バンド65が接触しており、電線押え突部48を構成する上下の分割リテーナ42a,42bにおける各分割突部46同士を上下方向の両側から相互に押圧している。要するに、それぞれ略樋形状とされた各第1バンド装着部58に第1結束バンド65が挿し入れられており、第1結束バンド65における上下方向両側部分が各第1バンド装着部58における両側縁部64間に挿し入れられて平坦面62に重ね合わされている。これにより、各第1バンド装着部58からの第1結束バンド65の脱落が防止されている。
また、図5に示されるように、第1結束バンド65における左右方向両側部分が、各電線16の外周面(各絶縁被覆36の外周面)における左右方向外方部分に外側から重ね合わされて密接している。すなわち、各電線16は、左右方向両側が電線押え突部48と第1結束バンド65とに密接しており、これら電線押え突部48と第1結束バンド65との間で挟持されている。実施形態1では、電線押え突部48の上下方向寸法γ(図5参照)が各電線16の外周面の径寸法φβよりも僅かに大きくされており、第1結束バンド65による結束固定時において、第1結束バンド65の上下方向両側部分が各第1バンド装着部58における各平坦面62から浮き上がるおそれが低減されている。これにより、第1結束バンド65によって、上下の分割リテーナ42a,42bにおける上下の分割筒部50,50が相互に開く(離隔する)方向に変位して各電線挿通筒部20と各電線16との間に隙間が発生することが防止される。なお、第1結束バンド65は、例えば合成樹脂製であり、従来公知の結束バンドが採用され得る。
<電線押圧凸部66>
そして、図4や図9にも示されるように、分割リテーナ42aにおける左右の各分割筒部50の内周面には、径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部66が形成されている。各分割筒部50のそれぞれにおいて、複数の電線押圧凸部66は同一円周上の周方向で相互に離隔して配置されている。また、同一円周上の周方向で相互に離隔して配置された複数の電線押圧凸部66が、前後方向の2箇所において相互に離隔して配置されている。これら左右の各分割筒部50に設けられた複数の電線押圧凸部66は前後方向で略等しい位置にある。それゆえ、各分割筒部50を上下方向で重ね合わせて各電線挿通筒部20を構成した際には、略円筒形状とされた各電線挿通筒部20において同一円周上の略全周にわたって複数の電線押圧凸部66が周方向で相互に離隔して配置されるようになっている。
図4に示されるように、複数の電線押圧凸部66は、各電線挿通筒部20に各電線16が挿通された状態において各電線16の外周面よりも径方向内方に突出している。この結果、各電線押圧凸部66により各電線16の外周面を構成する絶縁被覆36が径方向内方に押圧されている。これにより、各電線16が各電線挿通筒部20に対して圧接状態で挿通されて保持されている。なお、実施形態1では、後述するように各電線16にバックリテーナ18を装着後、バックリテーナ18を前方へ移動させてシールドシェル24に組み付けることから、各電線押圧凸部66により各電線16における絶縁被覆36を押圧しつつも、各電線16に対するバックリテーナ18の前後方向の変位が可能とされている。
また、分割リテーナ42aにおいて、一方(実施形態1では左方)の分割筒部50における後方部分の外周面には、下方に突出するロック爪部68が設けられているとともに、他方(実施形態1では右方)の分割筒部50における外周面には、外周側に突出するロック枠体70が設けられている。これにより、上下の分割リテーナ42a,42bが重ね合わされて各電線挿通筒部20が構成された際には、各ロック爪部68および/または各ロック枠体70が弾性変形して係合する。この結果、各分割筒部50の分離が阻止されて、各電線挿通筒部20が略円筒形状で維持されるようになっている。
そして、分割リテーナ42aの前方部分には、ベース部72が設けられている。すなわち、左右の各分割筒部50の前方部分において周方向長さが略1/2周とされた部分と、これら各分割筒部50の間に設けられる連結部54の前方部分によりベース部72が構成されている。換言すれば、左右の各分割筒部50および連結部54が、ベース部72から後方に向かって突出している。ベース部72は、所定の厚さ寸法(前後方向寸法)を有しており、図11にも示されるように前後方向視において全体として略矩形状とされているが、各凹溝44に対応する箇所が略半円形に凹んでいる。
なお、上下の分割リテーナ42a,42bを組み付けてバックリテーナ18が構成される際には、一方のベース部72と上下反転されたもう一方のベース部72とが上下方向で重ね合わされる。そして、図3に示されるように、これら一対のベース部72,72が上下方向で重ね合わされることで、電線引出口22における後述する筒状端部128の内周側に嵌め入れられる装着筒部74が構成されている。すなわち、シールドシェル24に対してバックリテーナ18が組み付けられてコネクタ10が構成された状態において、装着筒部74が筒状端部128に嵌め入れられている。
また、分割リテーナ42aにおいて、左右の各分割筒部50および連結部54の上面には、ベース部72から後方に延びる複数のリブ76が設けられており、これら複数のリブ76が左右方向で相互に離隔している。これら複数のリブ76は、それぞれ左右方向視において略三角形状または略台形状とされており、前方から後方に向かうにつれて上下方向寸法が次第に小さくなる部分を有している。これら複数のリブ76により、左右の各分割筒部50および連結部54がそれぞれ補強されている。
特に、各リブ76において前方部分の上下方向寸法が後方部分に比して大きくされることで、バックリテーナ18がシールドシェル24の電線引出口22に嵌合された際に、電線引出口22に近い部分における補強効果が比較的強く発揮されて、各電線挿通筒部20に挿通される各電線16において電線引出口22付近での変位が防止される。それに対して、各リブ76の後方部分の上下方向寸法が前方部分に比して小さくされることで、左右の各分割筒部50の弾性変形がある程度許容されており、各分割筒部50に対して各電線16が大きく変位する際に各電線16が損傷するおそれが低減されている。
<弾性ロック片78>
そして、ベース部72の上端部には、前方に向かって、すなわちシールドシェル24の電線引出口22に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片78が設けられており、弾性ロック片78が上下方向で弾性変形可能とされている。分割リテーナ42aには、一対の弾性ロック片78,78が設けられており、各弾性ロック片78が左右方向で相互に離隔している。具体的には、各弾性ロック片78は、それぞれ左右の各分割筒部50と対応する位置に設けられている。また、これら各弾性ロック片78の突出端部(前端部)には、上下方向で貫通する略矩形の嵌合穴80が設けられている。そして、分割リテーナ42aにおいて、各弾性ロック片78の上端面における突出基端部(後端部)には、後述する第2結束バンド87が装着される第2バンド装着部82が設けられている。
<第2バンド装着部82>
各第2バンド装着部82は、前述の第1バンド装着部58と同様に左右方向に延びる樋形状であり、各第2バンド装着部82が、各弾性ロック片78の上端面により構成されて左右方向全長に延びる平坦面84と、平坦面84の前後方向両側において平坦面84から上方に突出する両側縁部86,86とから構成されている。すなわち、分割リテーナ42aにおいて、各電線16の引出方向(前後方向)における分割突部46とは反対の端部側(前端側)に各第2バンド装着部82が設けられている。そして、分割リテーナ42aにおける各弾性ロック片78の上端面に各第2バンド装着部82が形成されることで、上下の分割リテーナ42a,42bが重ね合わされて構成されるバックリテーナ18の第1方向(上下方向)両側の端面に各第2バンド装着部82,82が設けられている。
<第2結束バンド87>
これら各第2バンド装着部82の間に架け渡された第2結束バンド87によって、上下の分割リテーナ42a,42b同士が上下両側から相互に押圧されているとともに、バックリテーナ18がシールドシェル24の電線引出口22に結束固定されている。要するに、それぞれ略樋形状とされた各第2バンド装着部82に第2結束バンド87が挿し入れられており、第2結束バンド87における上下方向両側部分が各第2バンド装着部82における両側縁部86間に挿し入れられて平坦面84に重ね合わされている。これにより、各第2バンド装着部82からの第2結束バンド87の脱落が防止されている。
また、図3に示されるように、第2結束バンド87における左右方向両側部分が、シールドシェル24の後述する筒状端部128の外周面における左右方向外方部分に外側から重ね合わされて密接している。実施形態1では、バックリテーナ18とシールドシェル24との嵌合箇所、すなわち後述する第1係合部104と第1被係合部132との係合箇所、および第2係合部108と第2被係合部134との係合箇所を外側から覆うように、第2結束バンド87が設けられている。これにより、例えば各電線16を通じて外部から伝達される振動がバックリテーナ18に伝達されてバックリテーナ18とシールドシェル24との嵌合が解除されるおそれが低減される。なお、第2結束バンド87は、例えば合成樹脂製であり、従来公知の結束バンドが採用され得る。
さらに、各弾性ロック片78において、各第2バンド装着部82の前端部には、左右方向で相互に離隔するとともに前方に突出する一対の前方突出部88,88と、これら各前方突出部88の突出先端部(前端部)を接続する接続部90とを有している。そして、これら各第2バンド装着部82、各前方突出部88および接続部90で囲まれた領域により嵌合穴80が構成されている。また、図3や図11にも示されるように、分割リテーナ42aにおける各弾性ロック片78の突出基端部(後端部)には、ベース部72の前面に沿って下方に延出する一対の下方延出部92,92が、左右方向で相互に離隔して設けられている。そして、図3や図11に示されるように、左右方向で相互に離隔する各下方延出部92の左右方向外面には、後述する第2係合部108における潰しリブ106が設けられている。なお、図3において、変形前の各潰しリブ102,106を二点鎖線で示す。
また、分割リテーナ42aにおいて、ベース部72の左端面には、下方に突出する弾性ロック枠体94が設けられているとともに、右端面には、右方に突出するロック爪部96が設けられている。弾性ロック枠体94は左右方向で弾性変形可能とされており、分割リテーナ42a,42bを上下方向で対向させて弾性ロック枠体94とロック爪部96とを係合させることで、バックリテーナ18が構成されるようになっている。すなわち、ロック爪部68とロック枠体70との係合に加えて、弾性ロック枠体94とロック爪部96とが係合することで、上下の分割リテーナ42a,42bの分離が阻止されて、バックリテーナ18が構成されるようになっている。
なお、弾性ロック枠体94は、前後方向で相互に離隔するとともにベース部72から下方に突出する一対の下方突出部98,98と、これら各下方突出部98の突出先端部(下端部)を接続する接続部100とを有している。そして、これら各下方突出部98および接続部100で囲まれる領域に、ロック爪部96が係合されるようになっている。
<第1係合部104および第2係合部108>
ここにおいて、バックリテーナ18は、第1方向(上下方向)の両側に設けられた潰しリブ102,102を有してシールドシェル24における後述する被係合部130を構成する第1被係合部132に係合される第1係合部104と、各電線16の並列方向(左右方向)の両側に設けられた潰しリブ106,106を有して後述する被係合部130を構成する第2被係合部134に係合される第2係合部108と、を有している。後述するように、シールドシェル24における電線引出口22において、複数の第1被係合部132は左右方向の両側に配置されているとともに、複数の第2被係合部134は上下方向の両側に配置されている。それゆえ、バックリテーナ18において、複数の第1係合部104が左右方向の両側に配置されているとともに、複数の第2係合部108が上下方向の両側に配置されている。
具体的には、分割リテーナ42aにおいて、第1係合部104は、左端部に設けられる弾性ロック枠体94の外周面から外周側(左側)に突出する突形状をもって形成されている。すなわち、弾性ロック枠体94において前後方向で離隔する一対の下方突出部98,98における上下方向中間部分には、左方に突出して上下方向に広がる縦壁部110,110が設けられている。また、各縦壁部110の突出先端(左端)は、連結壁部112により連結されている。図8,10にも示されるように、各縦壁部110および連結壁部112により囲まれる領域は、上下方向で貫通する略矩形の貫通孔114を形成している。そして、各縦壁部110および連結壁部112を含んで第1係合部104が構成されており、連結壁部112の上下両端面において、各縦壁部110よりも第1方向(上下方向)の両側に突出する潰しリブ102,102が設けられている。このような形状とされた上下の分割リテーナ42a,42bが上下方向で相互に組み付けられることで、バックリテーナ18における左右方向の両側にそれぞれ第1係合部104が設けられている。さらに、第1係合部104はベース部72を構成する弾性ロック枠体94の外周面から突出して設けられていることから、一対のベース部72,72から構成される装着筒部74においても、その外周面から突出して設けられている。
第1係合部104が後述する第1被係合部132に係合される前における分割リテーナ42aの単品状態において、各潰しリブ102の突出先端間の上下方向寸法A(図11参照)は、後述する第1被係合部132における上下方向寸法C(図7参照)よりも大きくされている。これにより、バックリテーナ18が電線引出口22へ嵌合されて各第1被係合部132に対して各第1係合部104が嵌め入れられた際には、各第1被係合部132に対して各第1係合部104が第1方向(上下方向)の両側で各潰しリブ102を介して圧接されるようになっている。また、各第1被係合部132に対して各第1係合部104が嵌め入れられた際には、各第1係合部104が、電線引出口22の外周側に突出することなく各第1被係合部132に収容されるようになっている。
また、前述のように、分割リテーナ42aにおいて、各弾性ロック片78から下方に延出する各下方延出部92の左右方向外面に、第2係合部108における潰しリブ106,106が設けられている。具体的には、各下方延出部92の上端部分に各潰しリブ106が設けられており、各下方延出部92の上端部分を含んで各第2係合部108が構成されている。すなわち、バックリテーナ18(分割リテーナ42a)の各弾性ロック片78の基端側(後方側)において、各弾性ロック片78から各電線16側(下側)に向かって突出する各下方延出部92を含んで、突形状の各第2係合部108が構成されている。このような形状とされた上下の分割リテーナ42a,42bが上下方向で相互に組み付けられることで、バックリテーナ18における第1方向(上下方向)の両側にそれぞれ第2係合部108が設けられている。
第2係合部108が後述する第2被係合部134に係合される前における分割リテーナ42aの単品状態において、各潰しリブ106の突出先端間の左右方向寸法B(図11参照)は、第2被係合部134における左右方向寸法D(図7参照)よりも大きくされている。これにより、バックリテーナ18が電線引出口22へ嵌合されて各第2被係合部134に対して各第2係合部108が嵌め入れられた際には、各第2被係合部134に対して各第2係合部108が左右方向の両側で各潰しリブ106を介して圧接されるようになっている。なお、図3に示されるように、各下方延出部92の左右方向間には空間が設けられており、各潰しリブ106が各第2被係合部134に対して圧接される際に、各下方延出部92が対向方向内方に僅かに弾性変形できるようになっていてもよい。
分割リテーナ42aをこのような形状とすることにより、分割リテーナ42aの成形時において成形時の金型を上下方向で抜くことができるようになっている。これにより、金型の種類が増加することがなく、コストの増大が回避される。また、上下の分割リテーナ42a,42bを同形状とすることでも、部品の種類数の増加が抑制されて、コストの低下が図られる。なお、上下の分割リテーナは必ずしも同形状である必要はない。
<シールドシェル24>
シールドシェル24は全体として前方に開口する略筒形状であり、一対のコネクタハウジング14,14の略全体を覆っている。すなわち、シールドシェル24は、各コネクタハウジング14の上方を覆う上方壁部116と、各コネクタハウジング14の下方を覆う下方壁部118と、左側のコネクタハウジング14を左方から覆う左方壁部120と、右側のコネクタハウジング14を右方から覆う右方壁部122と、各コネクタハウジング14の前方を覆う前方壁部124と、を備えている。また、シールドシェル24の内部には、各コネクタハウジング14(各端子収容部38)の左右方向間において、シールドシェル24の内部空間を左右方向で仕切る仕切部126が設けられている。
この仕切部126は、シールドシェル24の前方壁部124から後方に延び出してはいるが、シールドシェル24の後方開口部には至らない前後方向寸法をもって形成されている。これにより、シールドシェル24の後方開口部は、図3や図7にも示されるように、上方壁部116、下方壁部118、左方壁部120および右方壁部122により四方を囲まれた略矩形筒形状とされている。そして、各コネクタハウジング14の後方開口部40を通じて後方に引き出された各電線16が、略矩形筒形状とされたシールドシェル24の後方開口部を通じてシールドシェル24の外部に引き出されており、このシールドシェル24の後方開口部により筒状の電線引出口22が構成されている。
特に、シールドシェル24の電線引出口22における各電線16の引出方向側となる後方側の端部において、筒状端部128が構成されている。すなわち、筒状端部128は、上述のように上方壁部116、下方壁部118、左方壁部120および右方壁部122により囲まれた略筒状の部分であり、上方壁部116および下方壁部118における左右方向中間部分と左方壁部120および右方壁部122における上下方向中間部分には、略平坦に広がる部分が設けられている。また、筒状端部128において、上方壁部116および下方壁部118は、左方壁部120および右方壁部122に対してそれぞれ左右方向両端部分において接続されており、これらの接続部分が角丸状に湾曲する部分をもって構成されている。
<被係合部130>
ここで、シールドシェル24の電線引出口22には、電線引出口22の周方向で相互に離隔する複数の被係合部130が設けられている。具体的には、電線引出口22における筒状端部128において、板厚方向に貫通するとともに各電線16の引出方向側(後方側)の端面に開口して、複数の切欠状の被係合部130が設けられている。より詳細には、複数の被係合部130は、筒状端部128において、各電線16の引出方向(前後方向)に直交する第1方向(実施形態1では上下方向)と、各電線16の延出方向と第1方向の両方向に直交する各電線16の並列方向(実施形態1では左右方向)の両側に設けられている。すなわち、被係合部130は、筒状端部128において、左右方向の両側に配置された複数の第1被係合部132と、上下方向の両側に配置された複数の第2被係合部134とを含んでいる。要するに、図7にも示されるように、筒状端部128を構成する左方壁部120および右方壁部122において、それぞれ第1被係合部132が設けられているとともに、筒状端部128を構成する上方壁部116および下方壁部118において、それぞれ第2被係合部134が設けられている。
各第1被係合部132は、筒状端部128を構成する左方壁部120および右方壁部122において略平坦に広がる上下方向中間部分に設けられており、筒状端部128の後端面に開口するとともに板厚方向となる左右方向で貫通している。これら各第1被係合部132は、所定の上下方向寸法C(図7参照)を有している。
各第2被係合部134は、筒状端部128を構成する上方壁部116および下方壁部118において略平坦に広がる左右方向中間部分に設けられており、実施形態1では、上方壁部116と下方壁部118のそれぞれにおいて、一対の第2被係合部134,134が左右方向で相互に離隔して設けられている。各第2被係合部134は、筒状端部128の後端面に開口するとともに板厚方向となる上下方向で貫通しており、所定の左右方向寸法D(図7参照)を有している。
<ロック片収容部136>
特に、実施形態1では、シールドシェル24における電線引出口22の外周面において、バックリテーナ18における各弾性ロック片78を収容する凹状のロック片収容部136が、外周側および後方に開口して設けられている。具体的には、電線引出口22(筒状端部128)を構成する上方壁部116および下方壁部118のそれぞれにおいて、略平坦に広がる左右方向中間部分に、一対のロック片収容部136,136が左右方向で相互に離隔して、外周側となる上下方向外方および後方に開口して設けられている。そして、上述の各第2被係合部134は、各ロック片収容部136の底部における後端面において、板厚方向となる上下方向で貫通して、要するに各ロック片収容部136の底面に開口して設けられている。また、電線引出口22の外周面には上下方向外方に突出するロック突起138が設けられており、実施形態1では、各ロック片収容部136の底面において、各第2被係合部134よりも前方に、上下方向外方に突出するロック突起138が設けられている。
なお、図6に示されるように、シールドシェル24の上方壁部116における前方部分には、上方壁部116を厚さ方向(上下方向)で貫通する貫通孔140が形成されており、当該貫通孔140を通じてシールドシェル24の内部に配置される各端子12の筒状接続部26が外部空間に露出するようになっている。また、上方壁部116に設けられる貫通孔140の周縁部には、上方に突出する筒状部142が設けられている。筒状部142は、前後方向寸法に比して左右方向寸法の大きな略長円形状であり、この筒状部142にフロントリテーナ144が組み付けられている。図2に示されるように、フロントリテーナ144において各端子12の筒状接続部26と対応する位置には略円形の貫通孔146が上下方向で貫通して形成されており、コネクタ10と相手側コネクタとの接続時において、当該貫通孔146を通じてピン状の相手側端子が各端子12の筒状接続部26に挿し入れられるようになっている。なお、筒状部142とフロントリテーナ144とは、例えば図示しないロック機構等により相互に固定され得る。
また、シールドシェル24における左右方向中央部分において、筒状部142よりも後方には、締結ボルト148が挿通されるボルト挿通孔150が、上下方向で貫通して形成されている。この締結ボルト148は、例えば図示しない相手側端子が設けられる相手側機器の筐体に締結されるようになっており、締結ボルト148の締結力を利用して各端子12における筒状接続部26への相手側端子の圧入を行うことができるようになっている。なお、ボルト挿通孔150に挿通された締結ボルト148は、例えばCリング等の固定部材152によってボルト挿通孔150からの脱落が防止され得る。
そして、シールドシェル24の内部において、各コネクタハウジング14の後方開口部40から後方に引き出される各電線16には、環状の防水ゴム154が外挿されて取り付けられている。各防水ゴム154は、シールドシェル24の後方開口部(電線引出口22)からシールドシェル24の内部に挿入されて、各コネクタハウジング14の後方に位置している。さらに、前述のように、シールドシェル24の後方開口部(電線引出口22)にはバックリテーナ18における装着筒部74が嵌め入れられており、各防水ゴム154の脱落が防止されている。
<コネクタ10の組立て>
以下、コネクタ10を組み立てる方法の具体的な一例を説明する。なお、コネクタ10の組立方法は、以下に記載の態様に限定されるものではない。
先ず、各電線16における端末において絶縁被覆36を剥いで露出させた芯線34を各端子本体28の電線固着部32に固着するとともに、各端子本体28の前端部に各クリップばね30を取り付ける。これにより、各電線16の端末に各端子12が接続された状態とされる。そして、各電線16に各防水ゴム154を外挿して取り付ける。
次に、各端子12および各防水ゴム154が組み付けられた各電線16を、各コネクタハウジング14の後方開口部40から挿入する。各端子12を所定位置まで挿入した後、各端子12が組み付けられた各コネクタハウジング14をシールドシェル24の後方開口部(電線引出口22)から挿入して、例えば凹凸嵌合により各コネクタハウジング14とシールドシェル24とを固定する。また、シールドシェル24の筒状部142に対して上方からフロントリテーナ144を組み付ける。これにより、シールドシェル24における各電線引出口22から各電線16が外部(後方)へ引き出された状態とされる。なお、ボルト挿通孔150に対して締結ボルト148は、適切なタイミングで挿通される。
続いて、図6に示されるように、各電線16におけるシールドシェル24の電線引出口22から後方へ引き出された部分において、各電線16を上下から挟むように上下の分割リテーナ42a,42bを上下方向で対向させる。その後、上下の分割リテーナ42a,42bを上下方向で接近させて、各ロック爪部68と各ロック枠体70、および各弾性ロック枠体94と各ロック爪部96とを係合させる。これにより、各電線16において、シールドシェル24から後方に離隔した位置に、バックリテーナ18が装着される。
次に、各電線16に装着されたバックリテーナ18をシールドシェル24に向かって前方へ移動させる。これにより、バックリテーナ18において前方に突出する各弾性ロック片78が、シールドシェル24の電線引出口22において後方に開口する各ロック片収容部136へ挿し入れられて、各ロック片収容部136に対して各弾性ロック片78が収容される。そして、各弾性ロック片78の弾性変形を伴いつつ、各弾性ロック片78が各ロック片収容部136の底面に設けられた各ロック突起138を乗り越えることで、各弾性ロック片78の各嵌合穴80に各ロック突起138が嵌め入れられて係合される。
また、何れもシールドシェル24の電線引出口22において後方に開口する各第1被係合部132および各第2被係合部134に対して、それぞれ各第1係合部104および各第2係合部108を挿し入れる。これにより、各第1係合部104における各潰しリブ102および各第2係合部108における各潰しリブ106が、それぞれ各第1被係合部132および各第2被係合部134により潰されるように圧縮変形させられることで、各第1係合部104および各第2係合部108が、それぞれ各第1被係合部132および各第2被係合部134に対して圧接される。この結果、シールドシェル24の電線引出口22に対してバックリテーナ18が嵌合する。この状態で、バックリテーナ18の電線挿通筒部20,20から突出して引出方向(後方)に延びる電線16,16の間には、電線押え突部48が配置されている(図2参照)。
その後、電線16,16の間に配置された電線押え突部48における上下の各第1バンド装着部58の間に第1結束バンド65を架け渡して、バックリテーナ18における電線押え突部48と各電線16とを、第1結束バンド65により固定する。また、各弾性ロック片78に設けられた上下の各第2バンド装着部82の間に第2結束バンド87を架け渡して、バックリテーナ18とシールドシェル24とを、第2結束バンド87により固定する。これにより、コネクタ10が完成する。
上記のような構造とされた実施形態1のコネクタ10によれば、各第1バンド装着部58の間に架け渡された第1結束バンド65によって、各電線挿通筒部20から突出して引出方向(後方)に延びる各電線16が、電線押え突部48における各電線接触面56に密接した状態で相互に結束固定されている。これにより、各電線16とバックリテーナ18とが第1結束バンド65により固定されることから、振動等に伴って各電線16に入力される外力が各端子12側にまで伝達することが防止される。また、各第1バンド装着部58に対して上下方向両側から第1結束バンド65が接触して、上下の分割リテーナ42a,42bにおける各分割突部46同士を上下方向の両側から相互に押圧している。これにより、上下の分割リテーナ42a,42bにおいて相互に開く(離隔する)方向への変位が抑制されて、各電線挿通筒部20を構成する各分割筒部50により各電線16が挟持された状態が安定して維持される。この結果、単に第1結束バンド65により各電線16を固定するだけでなく、第1結束バンド65により各電線挿通筒部20と各電線16との間に隙間が発生することが抑制されて、外力の遮断効果がより確実に発揮され得る。
電線押え突部48における一対の電線接触面56,56が、それらの対向方向(左右方向)の内方に凸となる湾曲面によって構成されている。これにより、各電線接触面56を、各電線16の外周面に略対応する形状とすることができて、各電線接触面56と各電線16の外周面との接触面積を広く確保することができる(図5参照)。この結果、第1結束バンド65により電線押え突部48の左右両側において各電線16を安定して保持することができて、外力の遮断効果を向上させることができる。また、例えば各電線接触面が平坦面とされる場合に比べて、各電線16間に分割突部46を挿し入れる際の抵抗を小さくすることができて、各電線16に対して上下の分割リテーナ42a,42bを組み付ける際の組付性を向上させることができる。
シールドシェル24の電線引出口22における複数の被係合部130(第1被係合部132および第2被係合部134)に対して、バックリテーナ18における各潰しリブ102を有する第1係合部104と各潰しリブ106を有する第2係合部108とが嵌め入れられるようになっている。特に、各潰しリブ102,106が各第1被係合部132や各第2被係合部134に対して潰されるように変形することで、各第1係合部104や各第2係合部108が各第1被係合部132および各第2被係合部134に対して圧接されることから、シールドシェル24とバックリテーナ18とのガタツキが防止される。これにより、外部から入力される振動等の外力が各電線16に及ぼされて、例えば各電線16が上下方向や左右方向に振れる場合でも、シールドシェル24に対してバックリテーナ18が変位して外力が各電線16に接続された各端子12にまで及ぼされてしまうことが防止される。
各分割リテーナ42a,42bが上下方向の両側に配置された一対の第2バンド装着部82を有しており、各第2バンド装着部82の間に架け渡された第2結束バンド87によって、上下の分割リテーナ42a,42b同士が上下方向の両側から相互に押圧されているとともに、バックリテーナ18がシールドシェル24の電線引出口22に結束固定されている。この結果、第2結束バンド87によりバックリテーナ18とシールドシェル24とのガタツキを防止することができて、各電線16をバックリテーナ18を介してシールドシェル24に固定することができる。特に、実施形態1では、第2結束バンド87が、バックリテーナ18とシールドシェル24との嵌合位置となる各第1係合部104と各第1被係合部132との係合部分、および各第2係合部108と各第2被係合部134との係合部分を外周側から覆うように設けられている。これにより、バックリテーナ18とシールドシェル24とのガタツキが抑制されて、これらの嵌合が意図せず解除されることも防止される。
各第1係合部104および各第1被係合部132が左右方向の両側に設けられているとともに、各第2係合部108および各第2被係合部134が上下方向の両側に設けられている。これにより、電線引出口22における周方向において、各第1係合部104および各第1被係合部132と各第2係合部108および各第2被係合部134とを左右方向および上下方向で対称的に配置することができて、シールドシェル24に対するバックリテーナ18の変位を一層抑制することができる。
バックリテーナ18における各電線押圧凸部66が、各電線16における絶縁被覆36を径方向内方に押圧することで、各電線16が各電線挿通筒部20に対して圧接状態で挿通されて保持されている。これにより、バックリテーナ18に対する各電線16の変位量を小さく抑えることができる。特に、実施形態1では、各電線挿通筒部20において周方向で離隔して配置された複数の各電線押圧凸部66が軸方向でも離隔して配置されており、各電線16における回転方向の変位(捻回)についても変位量を効果的に抑制することができる。
バックリテーナ18が各弾性ロック片78を有しているとともにシールドシェル24が各ロック突起138を有しており、各弾性ロック片78に各ロック突起138が嵌め入れられることで、バックリテーナ18がシールドシェル24の電線引出口22に嵌合されるようになっている。これにより、各弾性ロック片78と各ロック突起138という簡単な構造をもってシールドシェル24に対するバックリテーナ18の組付けを実現することができる。また、シールドシェル24には、外周面に開口して各弾性ロック片78を収容する各ロック片収容部136が設けられていることから、各ロック片収容部136からの各弾性ロック片78の突出量を小さく、または0にすることができる。これにより、バックリテーナ18およびシールドシェル24、ひいてはコネクタ10のサイズを小さくすることができる。また、各弾性ロック片78と各ロック突起138との係合が意図せず解除されてバックリテーナ18がシールドシェル24から脱落するおそれも低減され得る。特に、実施形態1では、各第2バンド装着部82が各弾性ロック片78に設けられている。それゆえ、各弾性ロック片78と各ロック突起138とを嵌合させた後に第2結束バンド87を装着することで、各弾性ロック片78が各ロック突起138との係合が解除される方向へ意図せず変位することが一層防止される。
各弾性ロック片78が収容される各ロック片収容部136の底部において各第2被係合部134が設けられているとともに、各弾性ロック片78の基端側(後方側)には、各第2被係合部134に圧入される各第2係合部108が設けられている。すなわち、シールドシェル24における上方壁部116および下方壁部118において、各ロック片収容部136と各第2被係合部134とは上下方向で連続的に設けられており、例えば各ロック片収容部と各第2被係合部とを電線引出口の周方向において異なる位置に設ける場合に比べて、シールドシェル24が大型化することを回避することができる。同様に、各弾性ロック片78と各第2係合部108とをバックリテーナ18における装着筒部74の周方向で同じ位置に設けることができて、バックリテーナ18の大型化も回避することができる。
シールドシェル24に対するバックリテーナ18の嵌合状態で、各第1係合部104が電線引出口22の外周側に突出することなく各第1被係合部132に収容されている。これにより、他部材や作業者の接触等により、各第1被係合部132から各第1係合部104が意図せず脱落することが防止され得る。
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)前記実施形態における端子12の形状は単なる例示であり、限定されるものではない。すなわち、前記実施形態では、端子12がピン状の相手側端子が挿入される筒状接続部26を有していたが、この態様に限定されない。相手側端子は、例えば国際公開2021/145197号に記載のように平タブ状であってもよいし、その場合、端子は、略矩形の端子挿通隙間を有していればよい。
(2)前記実施形態では、複数の第1係合部104および第2係合部108が設けられているとともに、これら複数の第1係合部104および第2係合部108に対応して、複数の第1被係合部132および第2被係合部134が設けられていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、本開示に係るコネクタでは、第1係合部や第2係合部の数は限定されるものではなく、1つまたは複数の第1係合部や第2係合部が設けられるとともに、これら第1係合部や第2係合部に対応して、1つまたは複数の第1被係合部や第2被係合部が設けられてもよい。なお、本開示に係るコネクタにおいて、第1係合部や第2係合部、第1被係合部や第2被係合部は必須なものではなく、設けられなくてもよい。
(3)前記実施形態では、シールドシェル24における電線引出口22の外周面に各ロック片収容部136が設けられて、各ロック片収容部136の底面に各ロック突起138が設けられていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、本開示に係るコネクタにおいて、ロック片収容部は設けられなくてもよい。例えば、ロック突起はシールドシェルにおける電線引出口の外周面から外周側に突出していてもよく、その場合、各弾性ロック片は、シールドシェルにおける電線引出口の外周面に重ね合わされて配置される。
(4)前記実施形態では、各第2係合部108の外周側(上下方向外方)に各弾性ロック片78が設けられていたが、第2係合部に代えて、または加えて、第1係合部の外周側に各弾性ロック片が設けられてもよい。すなわち、前記実施形態では、バックリテーナ18の上下方向両側に各弾性ロック片78が設けられていたが、バックリテーナの左右方向一方または両側に弾性ロック片が設けられて、シールドシェルの左右方向一方または両側に設けられたロック突起と係合するようになっていてもよい。なお、本開示に係るコネクタにおいて、弾性ロック片は必須なものではない。
(5)前記実施形態では、バックリテーナ18が相互に同形状とされた一対の分割リテーナ42a,42bから構成されていたが、一対の分割リテーナは相互に異なる形状であってもよい。なお、一対の分割リテーナは一体として形成されてもよい。例えば、各分割リテーナの周方向一方の端部にヒンジ部を設けて各分割リテーナを開閉可能とし、各電線を挟み込んだ後、各分割リテーナの周方向他方の端部に設けたロック機構等により、各分割リテーナが相互に固定されるようになっていてもよい。
(6)前記実施形態では、各電線16の外周面が電線押え突部48における左右両側の各電線接触面56の略全面に密接していたが、各電線の外周面と各電線接触面とは少なくとも一部が密接していればよい。また、前記実施形態では、各電線接触面56がそれらの対向方向(左右方向)の内方に凸となる湾曲面によって構成されていたが、例えば上下方向に広がる鉛直面であってもよく、上下方向に広がる各電線接触面により各電線における絶縁被覆の左右方向内方部分が押圧されて変形するようになっていてもよい。
(7)前記実施形態では、第1結束バンド65に加えて第2結束バンド87が設けられていたが、本開示に係るコネクタにおいては、第2結束バンドは設けられなくてもよい。また、第1結束バンドや第2結束バンドが装着される第1バンド装着部や第2バンド装着部の形状は限定されるものではなく、前記実施形態のような樋形状の他、筒形状や枠形状であってもよい。
(8)バックリテーナはコネクタハウジング側に組み付けられていればよく、コネクタハウジングに直接組み付けられてもよいし、シールドシェル等、コネクタハウジングに組み付けられた他部材を介してコネクタハウジングに間接的に組み付けられてもよい。すなわち、本開示に係るコネクタにおいて、シールドシェルは必須なものではない。
10 コネクタ
12 端子
14 コネクタハウジング
16 電線
18 バックリテーナ
20 電線挿通筒部
22 電線引出口
24 シールドシェル
26 筒状接続部
28 端子本体
30 クリップばね
32 電線固着部
34 芯線
36 絶縁被覆
38 端子収容部
40 後方開口部
42a,42b 分割リテーナ
44 凹溝
46 分割突部
48 電線押え突部
50 分割筒部
52 隙間
54 連結部
56 電線接触面
58 第1バンド装着部
60 分割接触面
62 平坦面
64 側縁部
65 第1結束バンド
66 電線押圧凸部
68 ロック爪部
70 ロック枠体
72 ベース部
74 装着筒部
76 リブ
78 弾性ロック片
80 嵌合穴
82 第2バンド装着部
84 平坦面
86 側縁部
87 第2結束バンド
88 前方突出部
90 接続部
92 下方延出部
94 弾性ロック枠体
96 ロック爪部
98 下方突出部
100 接続部
102 潰しリブ
104 第1係合部
106 潰しリブ
108 第2係合部
110 縦壁部
112 連結壁部
114 貫通孔
116 上方壁部
118 下方壁部
120 左方壁部
122 右方壁部
124 前方壁部
126 仕切部
128 筒状端部
130 被係合部
132 第1被係合部
134 第2被係合部
136 ロック片収容部
138 ロック突起
140 貫通孔
142 筒状部
144 フロントリテーナ
146 貫通孔
148 締結ボルト
150 ボルト挿通孔
152 固定部材
154 防水ゴム

Claims (10)

  1. コネクタハウジングに収容された複数の端子と、
    複数の前記端子にそれぞれ接続されて前記コネクタハウジングの外部に相互に隙間を隔てて並列して引き出される複数の電線と、
    前記コネクタハウジングの外部に引き出された複数の前記電線がそれぞれ圧接状態で挿通されて保持される複数の電線挿通筒部を有し、前記コネクタハウジング側に組み付けられる合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、
    前記バックリテーナは、
    各前記電線の軸直角方向両側から前記電線を挟み込んで保持して相互に固定される一対の分割リテーナを有し、
    一対の前記分割リテーナが、複数の前記電線の外周面にそれぞれ密接する複数の凹溝と、複数の前記電線の並列方向で複数の前記凹溝の間に位置して複数の前記電線の引出方向に突出する分割突部と、をそれぞれ有しており、
    一対の前記分割リテーナが相互に固定されることで、複数の前記凹溝によって複数の前記電線挿通筒部が区画されて並列配置されると共に、前記分割突部が組み合わされて、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線の間に配置される電線押え突部が構成され、
    前記電線押え突部が、前記並列方向で両側に配置された前記電線に接触する一対の電線接触面と、一対の前記電線接触面の対向方向に直交する第1方向の両側の端面に設けられた一対の第1バンド装着部と、を有し、
    一対の前記第1バンド装着部の間に架け渡された第1結束バンドによって、複数の前記電線挿通筒部から突出して前記引出方向に延びる複数の前記電線が、それぞれ前記バックリテーナの前記電線押え突部の一対の前記電線接触面に密接した状態で、相互に結束固定されており、一対の前記第1バンド装着部に前記第1方向の両側から前記第1結束バンドが接触して、前記電線押え突部を構成する一対の前記分割リテーナのそれぞれの前記分割突部同士を前記第1方向の両側から相互に押圧している、コネクタ。
  2. 前記電線押え突部の一対の前記電線接触面が、それらの前記対向方向の内方に凸となる湾曲面によって構成されている、請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記コネクタハウジングに固定されて前記コネクタハウジングを覆い、前記コネクタハウジングの外部に引き出された複数の前記電線が引き出される筒状の電線引出口を有する金属製のシールドシェルを、さらに備え、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合されており、
    前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の周方向で相互に離隔して設けられた複数の被係合部を有し、
    前記バックリテーナは、前記第1方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第1係合部と、前記並列方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第2係合部と、を有し、
    前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第1係合部が前記被係合部に対して前記第1方向の両側で前記潰しリブを介して圧接され、前記第2係合部が前記被係合部に対して前記並列方向の両側で前記潰しリブを介して圧接される、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
  4. 各前記分割リテーナが、前記引出方向において前記分割突部とは反対の端部側に設けられた第2バンド装着部を有し、前記分割リテーナが相互に組み付けられて構成された前記バックリテーナが、前記第1方向の両側に配置された一対の前記第2バンド装着部を有し、
    一対の前記第2バンド装着部の間に架け渡された第2結束バンドによって、前記一対の分割リテーナ同士が、前記第1方向の両側から相互に押圧されていると共に、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に結束固定されている、請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記電線引出口の複数の前記被係合部は、前記並列方向の両側に配置された複数の第1被係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の第2被係合部を含み、
    前記バックリテーナは、前記並列方向の両側に配置された複数の前記第1係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の前記第2係合部を含み、
    前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記並列方向の両側で前記第1被係合部に対して前記第1係合部が前記第1方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されており、前記第1方向の両側で前記第2被係合部に対して前記第2係合部が前記並列方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されている、請求項3に記載のコネクタ。
  6. 前記バックリテーナの各前記電線挿通筒部の内周面の径寸法が、前記電線挿通筒部の内部を挿通する各前記電線の前記外周面の径寸法よりも大きくされており、
    各前記電線挿通筒部の前記内周面には、各前記電線の前記外周面よりも径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部が、相互に離隔して突設されており、
    各前記電線押圧凸部が、各前記電線の前記外周面を構成する絶縁被覆を、前記径方向内方に押圧することで、前記電線が前記電線挿通筒部に圧接状態で挿通されて保持されている、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
  7. 前記バックリテーナは、前記シールドシェルの前記電線引出口に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片を有し、前記弾性ロック片は、突出端部に嵌合穴を有し、
    前記シールドシェルは、前記電線引出口の外周面に突出するロック突起を有し、
    前記バックリテーナの前記弾性ロック片の前記嵌合穴に、前記シールドシェルの前記ロック突起が嵌め入れられることで、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合される、請求項3に記載のコネクタ。
  8. 前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の前記外周面に開口する凹状のロック片収容部を有し、前記ロック片収容部の底面に前記ロック突起が突設され、
    前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記バックリテーナの前記弾性ロック片が前記ロック片収容部に収容されている、請求項7に記載のコネクタ。
  9. 前記シールドシェルの前記電線引出口には、前記電線の前記引出方向側に位置する筒状端部に、板厚方向に貫通して前記引出方向側の端面に開口する複数の切欠状の前記被係合部が設けられており、
    少なくとも1つの前記被係合部が、前記ロック片収容部の前記底面に開口して設けられており、
    前記バックリテーナの前記弾性ロック片の基端側には、前記弾性ロック片から前記電線側に向かって突出して前記少なくとも1つの前記被係合部に圧入される突形状の前記第2係合部が設けられている、請求項8に記載のコネクタ。
  10. 前記バックリテーナは、前記電線引出口の前記筒状端部の内周側に嵌め入れられる装着筒部と、前記装着筒部の外周面に突設された突形状の前記第1係合部を含み、
    前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記第1係合部が、前記電線引出口の外周側に突出することなく前記被係合部に収容されている、請求項9に記載のコネクタ。
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