JP2024038539A - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法および装置 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気微粒子数の抑制と燃費最良運転とを両立させる。【解決手段】冷機時に排気微粒子数が最少となる基本噴射時期を割り付けた冷機時噴射時期マップと、暖機時に排気微粒子数が最少となる基本噴射時期を割り付けた暖機時噴射時期マップと、を備える。冷機時は、冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、PNセンサで検出する排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、ノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正して目標噴射時期とする。暖機時は、暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、ノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正して目標噴射時期とする。【選択図】図3

Description

この発明は、排気微粒子数(いわゆるPN)とノッキングとを考慮した筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御に関する。
筒内直接噴射式火花点火内燃機関では、一般に、ポート噴射式火花点火内燃機関に比較して排気微粒子数が問題となりやすい。車両の内燃機関が排出する排気微粒子数は、多くの国で法的に規制されている。他方、近年の高圧縮比化の傾向に伴い、筒内直接噴射式火花点火内燃機関にあっても、ノッキングが生じやすい傾向となる。ノッキングが生じると、ノッキング抑制制御として点火時期遅角がなされるので、結果として、燃費が最良とならない。
このような排気微粒子数の多少やノッキングの発生は、筒内直接噴射式火花点火内燃機関では、噴射時期の影響を受ける。そのため、実用機関では、多くの場合、排気微粒子数とノッキングとの適当な妥協点となる噴射時期を、機関回転速度と負荷とをパラメータとするマップに予め割り付けておき、このマップを用いて噴射時期制御を行っている。なお、本発明において「噴射時期」とは噴射開始時期を意味しており、複数回に分割して噴射を行う場合には、初回の噴射の噴射開始時期である。
特許文献1には、筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、燃料が重質燃料であるときに、噴射時期を進角補正し、点火時期までの霧化時間を長く確保することで、ドライバビリティや排気エミッションの向上を図ることが開示されている。
特開2004-232575号公報
上記従来の技術は、単に燃料の重質度合いに応じて噴射時期を進角させるに過ぎず、ノッキングの発生(換言すれば点火時期遅角)や機関温度との関係を考慮した噴射時期制御は行われていない。
この発明は、筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法であって、
内燃機関の温度が相対的に低い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた冷機時噴射時期マップと、内燃機関の温度が相対的に高い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた暖機時噴射時期マップと、を備え、
内燃機関から排出される排気微粒子数の多少を直接に検出し、あるいは燃料性状から推定し、
内燃機関の温度が相対的に低い条件下では、上記冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正して目標噴射時期とし、
内燃機関の温度が相対的に高い条件下では、上記暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正して目標噴射時期とする。
すなわち、内燃機関の温度が相対的に低い条件下つまり冷機時には、排気微粒子数が最少となる噴射時期(換言すれば基本噴射時期)は、ノッキング最良噴射時期よりも遅角側に存在する。従って、排気微粒子数が許容レベルを越えない範囲内で基本噴射時期をノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正することで、排気微粒子数を許容レベル内としつつノッキング最良噴射時期にできるだけ近い噴射時期とすることができる。このときの目標噴射時期は、ノッキング最良噴射時期よりも遅角側に得られる。
一方、内燃機関の温度が相対的に高い条件下つまり暖機時には、排気微粒子数が最少となる噴射時期(換言すれば基本噴射時期)は、ノッキング最良噴射時期よりも進角側に存在する。従って、排気微粒子数が許容レベルを越えない範囲内で基本噴射時期をノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正することで、排気微粒子数を許容レベル内としつつノッキング最良噴射時期にできるだけ近い噴射時期とすることができる。このときの目標噴射時期は、ノッキング最良噴射時期よりも進角側に得られる。
この発明によれば、内燃機関の冷機時および暖機時の双方において、排気微粒子数を許容レベル内としつつノッキング最良噴射時期にできるだけ近い噴射時期とすることができ、排気微粒子数の抑制と燃費の向上とを両立させることができる。
一実施例の内燃機関の構成を示す説明図。 暖機時の噴射時期に対する、(a)圧縮端温度、(b)燃料均一性、(c)MB50、の特性を示した特性図。 暖機時の噴射時期に対するPNの特性を示した特性図。 噴射時期に対する、(a)壁面付着PN、(b)Tip soot PN、の特性を示した特性図。 壁温度に対する壁面付着PNとTip soot PNとの割合変化を示した特性図。 冷機時の噴射時期に対する、(a)圧縮端温度、(b)燃料均一性、(c)MB50、の特性を示した特性図。 冷機時の噴射時期に対するPNの特性を示した特性図。 暖機時の燃料性状とPNの許容レベルとの関係を示した特性図。 冷機時の燃料性状とPNの許容レベルとの関係を示した特性図。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、一実施例の筒内直接噴射式火花点火内燃機関1のシステム構成を示している。この内燃機関1は、4ストロークサイクルの火花点火内燃機関であって、燃焼室3の天井壁面に、一対の吸気弁4および一対の排気弁5が配置されているとともに、これらの吸気弁4および排気弁5に囲まれた中央部に点火プラグ6が配置されている。また、点火プラグ6に隣接して、燃焼室3内に燃料を直接に噴射する燃料噴射弁7が配置されている。この燃料噴射弁7は、駆動パルス信号が印加されることによって開弁する電磁式ないし圧電式の噴射弁であって、駆動パルス信号のパルス幅に実質的に比例した量の燃料を噴射する。
吸気ポート10に接続された吸気通路11のコレクタ部12上流側には、エンジンコントローラ8からの制御信号によって開度が制御される電子制御型スロットルバルブ13が介装されている。スロットルバルブ13の上流側に、吸入空気量を検出するエアフロメータ14が配設されており、さらに上流側に、エアクリーナ15が配設されている。
また、排気ポート16に接続された排気通路17には、三元触媒からなる触媒装置18が介装されており、その上流側に、空燃比を検出する空燃比センサ19と、排気中に含まれる排気微粒子数を検出するPNセンサ20と、が配置されている。PNセンサ20としては、種々の方式ないし形式のものが提供されているが、本発明においてはどのような方式・形式のものであってもよい。
また内燃機関1は、機関温度を代表する温度パラメータとして冷却水温を検出する水温センサ21を適当な位置に備えている。なお、機関温度を代表する温度パラメータとして潤滑油温等の他のパラメータを用いてもよい。また、内燃機関1のシリンダブロック等の適当な位置に、ノッキングを検出するためのノッキングセンサ22が設けられている。なお、筒内圧センサを用いてノッキング検出を行う構成であってもよい。
上記エンジンコントローラ8には、上記のエアフロメータ14、空燃比センサ19、PNセンサ20、水温センサ21、ノッキングセンサ22、の検出信号が入力されているほか、機関回転速度を検出するためのクランク角センサ25やアクセルペダル開度センサ26、等の多数のセンサ類の検出信号が入力されている。エンジンコントローラ8は、これらの入力信号に基づき、燃料噴射弁7による燃料噴射量および噴射時期、点火プラグ6による点火時期、スロットルバルブ13の開度、等を最適に制御している。
例えば点火時期については、エンジンコントローラ8は、ノッキングセンサ22のノッキング検出に基づき、公知の点火時期遅角制御を行う。つまり、ノッキングが生じていない場合はできるだけMBT点に近付くように点火時期が徐々に進角され、ノッキングが検出されると例えば一定量の遅角が行われる。結果的に弱ノッキング状態が維持されるように点火時期が制御される。燃費の観点からは、一般に、点火時期がMBT点付近にあるときが最良燃費となる。
次に、本発明の要部である噴射時期制御について説明する。エンジンコントローラ8は、内燃機関1の温度が相対的に低い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた冷機時噴射時期マップと、内燃機関1の温度が相対的に高い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた暖機時噴射時期マップと、を備えている。
そして、内燃機関1の温度が相対的に低い条件下(つまり冷機時)では、冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、PNセンサ20で検出される排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関1のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正して目標噴射時期とする。
また、内燃機関の温度が相対的に高い条件下(つまり暖機時)では、暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、PNセンサ20で検出される排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関1のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正して目標噴射時期とする。
なお、上記の冷機時と暖機時とは、例えば適当な閾値温度で区分することができる。例えば、暖機が完了した後の冷却水温度は70~90℃程度であり、冷機始動時の冷却水温度は30℃以下程度であるから、これらの間に適当な閾値を設定すればよい。
図2は、横軸を噴射時期として、ノッキングに関与する、(a)圧縮端温度、(b)燃料均一性、(c)MB50、の特性を示した特性図であり、特に、暖機時の特性を示している。なお、図2~図10の特性は、いずれも、ある運転点(回転速度および負荷)の下での特性を、説明のためにある程度単純化して示したものである。また各図の横軸の噴射時期は、具体的な数値は記載していないが、吸気上死点後の吸気行程(ピストン下降行程)から圧縮行程(ピストン上昇行程)にわたるおおよそ360°CAの区間に相当する。
(a)圧縮端温度は、点火時期における燃焼室ガス温度であるが、燃料噴霧の気化熱の影響で図示するよう噴射時期が遅いほど低くなり、ノッキングの上で有利である。(b)燃料均一性は、燃焼室3内での燃料成分の均一性を示しているが、点火時期までの時間を確保することから、図示するように噴射時期が早いほど良好となり、ノッキングの上で有利である。
従って、これら2つの特性から、ノッキングは中間付近のクランク角(概ね吸気弁閉時期に相当する)で生じにくく、これよりも進角側および遅角側の双方で生じやすい。
(c)MB50は、いわゆる燃焼重心を示しているが、これは、ノッキング発生に伴う点火時期遅角を考慮したものである。図示するように、ノッキングが生じにくい中間のクランク角で点火時期がMBT点付近となる結果、MB50が進角側に得られる。従って、噴射時期として、この中間のクランク角(「Knock best」として示す)が、ノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期である。これは、同時に燃費が最良となる噴射時期でもある。
一方、図3は、暖機時の噴射時期に対するPN(排気微粒子数)の特性を示した特性図である。図示するように、暖機時は、吸気行程前半付近に相当する比較的進角側のクランク角(「PN best」として示す)に噴射時期があるときに排気微粒子数が最少となる。そして、これよりも進角側および遅角側の双方で排気微粒子数は増加する。一例としては、60~80°ATDC付近で排気微粒子数が最少となる。
排気微粒子は、燃焼室壁面に付着した液状燃料が火炎に晒されて発生する排気微粒子と、燃料噴射弁7の先端に付着した液状燃料が火炎に晒されて発生する排気微粒子と、に大別され、ここでは、前者に起因する排気微粒子数を壁面付着PNと呼び、後者に起因する排気微粒子数をTip soot PNと呼ぶ。図4(a),(b)は、これらの噴射時期に対する特性を示している。壁面付着PNは、ピストン冠面位置や噴霧のペネトレーション等の関係で、図4(a)に示すようにW字状の特性となる。なお、図4(a)は比較的低温時の特性である。Tip soot PNは、噴射時期が遅いほど点火時期までの時間(先端に付着した燃料の気化時間)が短いことから、噴射時期が遅いほど増加する。
さらに、図5に示すように、燃焼室の壁温度(つまり内燃機関1の温度)が低いほど壁面付着PNは大となり、他方、Tip soot PNは、温度上昇しても減少せずに概ね一定である。
従って、暖機時の特性としては、壁面付着PNの影響は比較的に少なく、図3に示したような特性となるのである。
前述した機関回転速度と負荷とをパラメータとした暖機時噴射時期マップには、各運転点に対し、図3に「PN best」として示した排気微粒子数が最少となる噴射時期が基本噴射時期として割り付けられている。
そして、実際の目標噴射時期は、暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、PNセンサ20で検出される排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、ノッキング最良噴射時期(「Knock best」として示すクランク角)に近付くように遅角側に補正することで得られる。つまり、図3と図2(c)とから明らかなように、排気微粒子数が最少となる噴射時期はノッキング最良噴射時期よりも進角側にあるので、排気微粒子数が許容レベルとなるまで噴射時期を遅角することで、排気微粒子数を許容レベル内としつつ最もノッキング最良噴射時期に近い噴射時期とすることができる。
例えば、サイクル毎に噴射時期を一定微小量ずつ遅角していき、排気微粒子数が許容レベルを越えたら噴射時期を一定量進角する、といった制御を繰り返すことで、排気微粒子数を許容レベル付近としつつ最も遅角したクランク角位置(最もノッキング最良噴射時期に近いクランク角位置)に維持することができる。
次に、図6は、図2と同様に、横軸を噴射時期として、ノッキングに関与する、(a)圧縮端温度、(b)燃料均一性、(c)MB50、の特性を示した特性図であり、特に、冷機時の特性を示している。冷機時においても基本的な傾向は暖機時(図2)と同様であり、中間のクランク角(吸気弁閉時期付近)が、ノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期(「Knock best」)となる。
図7は、冷機時の噴射時期に対するPNの特性を示した特性図である。図5に示したように、冷機時には、壁面付着PNが大であり、その結果、排気微粒子数が最少となる噴射時期(PN best)は、図7に示すように、吸気下死点よりも僅かに遅れたクランク角付近に生じる。
前述した機関回転速度と負荷とをパラメータとした冷機時噴射時期マップには、各運転点に対し、図7に「PN best」として示した排気微粒子数が最少となる噴射時期が基本噴射時期として割り付けられている。
そして、実際の目標噴射時期は、冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、PNセンサ20で検出される排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、ノッキング最良噴射時期(「Knock best」として示すクランク角)に近付くように進角側に補正することで得られる。つまり、図7と図6(c)とから明らかなように、排気微粒子数が最少となる噴射時期はノッキング最良噴射時期よりも遅角側にあるので、排気微粒子数が許容レベルとなるまで噴射時期を進角することで、排気微粒子数を許容レベル内としつつ最もノッキング最良噴射時期に近い噴射時期とすることができる。
例えば、サイクル毎に噴射時期を一定微小量ずつ進角していき、排気微粒子数が許容レベルを越えたら噴射時期を一定量遅角する、といった制御を繰り返すことで、排気微粒子数を許容レベル付近としつつ最も進角したクランク角位置(最もノッキング最良噴射時期に近いクランク角位置)に維持することができる。
このように、上記実施例では、暖機時および冷機時の双方で適切な噴射時期制御を行うことができ、排気微粒子数の抑制と燃費向上との両立が図れる。また、排気微粒子数の多少は、例えば燃料性状(重質であるか軽質であるか)の影響を受けるが、燃料性状によって排気微粒子数の多少が変化しても、PNセンサ20によって検出される排気微粒子数が許容レベル内となるように制御することで、排気微粒子数の悪化は生じない。
以上、排気系にPNセンサ20を設けて実際の排気微粒子数の多少を監視するようにした実施例を説明したが、この発明は、PNセンサ20を用いずに燃料性状(重質度合い)に応じて排気微粒子数の多少を推定することで同様に行うことができる。燃料性状(重質度合い)は公知の適当な方法によって検出することが可能である。
燃料が重質であるほど排気微粒子数が大となる。そのため、重質度合いに代えて排気微粒子数の多少を示すPNインデックスを用い、図8,図9に示すように、噴射時期に対する排気微粒子数が許容レベル内であるかどうかを判定することができる。
すなわち、図8は、暖機時における燃料の重質度合いと排気微粒子数の許容レベルLimHとの関係を示し、この場合は、許容レベルLimHよりも進角側であれば排気微粒子数が許容レベル内となる。そして、許容レベルLimHは、重質であるほど進角側となる。つまり、暖機時は、許容レベルLimHが遅角限界となり、軽質であれば噴射時期をノッキング最良噴射時期に近付くように遅角することができるが、重質であるほど進角側の噴射時期に制限される。
図9は、冷機時における燃料の重質度合いと排気微粒子数の許容レベルLimCとの関係を示し、この場合は、許容レベルLimCよりも遅角側であれば排気微粒子数が許容レベル内となる。そして、許容レベルLimCは、重質であるほど遅角側となる。つまり、冷機時は、許容レベルLimCが進角限界となり、軽質であれば噴射時期をノッキング最良噴射時期に近付くように進角することができるが、重質であるほど遅角側の噴射時期に制限される。
1…内燃機関
6…点火プラグ
7…燃料噴射弁
8…エンジンコントローラ
20…PNセンサ
21…水温センサ
22…ノッキングセンサ

Claims (6)

  1. 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法であって、
    内燃機関の温度が相対的に低い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた冷機時噴射時期マップと、内燃機関の温度が相対的に高い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた暖機時噴射時期マップと、を備え、
    内燃機関から排出される排気微粒子数の多少を直接に検出し、あるいは燃料性状から推定し、
    内燃機関の温度が相対的に低い条件下では、上記冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正して目標噴射時期とし、
    内燃機関の温度が相対的に高い条件下では、上記暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正して目標噴射時期とする、
    筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法。
  2. 内燃機関の排気系に設けられたPNセンサを用いて排気微粒子数を検出する、
    請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法。
  3. 燃料性状として、用いられている燃料の重質度合いを検出し、重質であるほど排気微粒子数が大であるものとして所定の特性から噴射時期に対応した排気微粒子数の多少を推定する、
    請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法。
  4. 噴射時期は、吸気行程および圧縮行程の範囲内で変化する、
    請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法。
  5. 上記冷機時噴射時期マップにおける基本噴射時期は吸気下死点後にあり、上記暖機時噴射時期マップにおける基本噴射時期は吸気下死点前にある、
    請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御方法。
  6. 筒内直接噴射式火花点火内燃機関と、
    ノッキングの検出を行うためのセンサと、
    内燃機関から排出される排気微粒子数の多少を直接にあるいは間接に検出するためのセンサと、
    内燃機関の温度を検出するためのセンサと、
    コントローラと、
    を備え、
    上記コントローラは、
    ノッキング検出に基づく点火時期制御を実行するとともに、
    内燃機関の温度が相対的に低い条件下で排気微粒子が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた冷機時噴射時期マップと、内燃機関の温度が相対的に高い条件下で排気微粒子数が最少となるように機関回転速度と負荷とに対応した基本噴射時期を割り付けた暖機時噴射時期マップと、を備え、
    内燃機関の温度が相対的に低い条件下では、上記冷機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように進角側に補正して目標噴射時期とし、
    内燃機関の温度が相対的に高い条件下では、上記暖機時噴射時期マップから読み出された基本噴射時期を、上記排気微粒子数が所定の許容レベルを越えない範囲内で、内燃機関のノッキングに伴う点火時期遅角量が最小となるノッキング最良噴射時期に近付くように遅角側に補正して目標噴射時期とする、
    筒内直接噴射式火花点火内燃機関の噴射時期制御装置。
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