JP2019112941A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中央噴射の内燃機関において、点火プラグに生じる温度の低下を抑制する内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置10は、燃焼室23を区画する燃焼室壁面のうち、シリンダヘッド22側の燃焼室壁面における中央部分に筒内噴射弁24及び点火プラグ25が配置されている内燃機関20に適用される。制御装置10は、筒内噴射弁24による燃料の噴射が吸気行程中に開始されるように、内燃機関20の機関回転数に基づいて燃料の噴射開始時期を設定する噴射制御部11を備える。そして、機関回転数が規定回転数であるときに噴射制御部11によって設定される噴射開始時期を規定時期とした場合、噴射制御部11は、機関回転数が規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、規定時期から当該規定時期よりも遅角側の範囲に噴射開始時期を設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、筒内噴射を行う内燃機関に適用される内燃機関の制御装置が開示されている。この制御装置では、内燃機関の機関回転数に基づいて燃料噴射量と噴射時期が設定されるようになっている。すなわち、噴射終了時期が設定され、噴射終了時期から燃料噴射量に対応した期間だけ進角した時期が噴射開始時期として設定される。なお、燃料噴射量は、機関回転数が大きいほど多く演算される。したがって、特許文献1に開示されている制御装置では、機関回転数が大きいほど、噴射開始時期が進角される。
特開平3‐33449号公報
内燃機関における吸気行程では、ピストンが上死点から下死点に向かう際、ピストンが上死点から離れるにつれてピストンの移動速度が増加し、その後、ピストンが下死点に近づくにつれてピストンの移動速度が減少する。そして、吸気行程時では、ピストンの移動速度が大きいときほど燃焼室内における気流の流れが速くなる。また、一般的に筒内噴射を行う内燃機関では、吸気行程又は圧縮行程において燃料噴射が実行される。このため、特許文献1のように機関回転数が大きいほど噴射開始時期が進角される場合、噴射開始時期の進角に伴って、ピストンが中間点近傍に位置しておりピストンの移動速度が大きいときに燃料噴射が行われることがある。ピストンの移動速度が大きく燃焼室内における気流の流れが速いときに燃料噴射が行われると、燃料噴霧が気流によって流されやすい。
特に、燃焼室を区画する燃焼室壁面のうち、シリンダヘッド側の燃焼室壁面における中央部分に筒内噴射弁及び点火プラグが配置される内燃機関である中央噴射の内燃機関では、燃料噴射弁と点火プラグとの距離が近いために、気流によって流された燃料噴霧が点火プラグの周辺に及びやすい。このように燃料噴霧が点火プラグの周辺に到達して気化した場合、燃料噴霧の気化潜熱によって点火プラグの温度が低下し、点火プラグの耐久性が低下する虞があった。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、燃焼室を区画する燃焼室壁面のうち、シリンダヘッド側の燃焼室壁面における中央部分に筒内噴射弁及び点火プラグが配置されている内燃機関に適用され、前記筒内噴射弁による燃料の噴射が吸気行程中に開始されるように、内燃機関の機関回転数に基づいて燃料の噴射開始時期を設定する噴射制御部を備える内燃機関の制御装置であって、前記機関回転数が規定回転数であるときに前記噴射制御部によって設定される噴射開始時期を規定時期とした場合、前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、前記規定時期から当該規定時期よりも遅角側の範囲に噴射開始時期を設定することをその要旨とする。
吸気行程中では、ピストンが上死点から下死点に向かう際、ピストンが上死点から離れるにつれてピストンの移動速度が増加し、その後、ピストンが下死点に近づくにつれてピストンの移動速度が減少する。そして、ピストンの移動速度が大きいときには、ピストンが上死点の近傍や下死点の近傍に位置しており当該移動速度が大きくないときと比較して、燃焼室内での気流の流れが速い。このため、吸気行程中においてピストンの移動速度が大きいときに筒内噴射弁によって燃料噴射が行われると、その燃料噴霧が燃焼室内の気流によって点火プラグ側に流されやすい。また、機関回転数が小さいときよりも機関回転数が大きいときの方が、ピストンの移動速度が大きく燃焼室内の気流の流れが速くなる。
そこで、上記構成では、機関回転数が規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、機関回転数が大きいと判断し、規定時期よりも進角側の範囲に噴射開始時期が設定されないようにしている。すなわち、機関回転数が大きいときには、ピストンの移動速度が大きい時期に噴射開始時期が設定されにくくなる。これによって、吸気行程中に燃焼室内で生じる気流によって燃料噴霧が点火プラグ側に流されることを抑制できる。したがって、点火プラグ周辺での燃料噴霧の気化に起因する点火プラグの温度低下量を少なくすることができる。
上記内燃機関の制御装置の一例では、前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、前記機関回転数が大きいほど噴射開始時期を遅角側に設定する。
機関回転数が大きいときには、機関回転数が小さいときよりも吸気行程中におけるピストンの平均移動速度が大きくなりやすい。このため、機関回転数が大きいほどピストンの移動速度が所定速度よりも大きい期間が長くなる傾向がある。ピストンの移動速度が所定速度よりも大きい場合、燃焼室内で生じる気流の流れが速く、この気流によって燃料噴霧が点火プラグ側に流されやすい。すなわち、機関回転数が大きいときほど、吸気行程中に燃焼室内で生じた気流によって燃料噴霧が流されやすい。この点、上記構成によれば、機関回転数が大きいほど噴射開始時期が遅角側に設定される。すなわち、機関回転数が大きいときほど、噴射開始時期がピストンの移動速度が大きい時期に設定されにくくなる。これによって、燃焼室内で生じた気流によって燃料噴霧が点火プラグの周辺まで流されることを抑制する効果を高めることができる。
上記内燃機関の制御装置の一例として、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときに、前記噴射制御部が噴射開始時期として前記規定時期を設定するようにしてもよい。
上記内燃機関の制御装置の一例では、前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、前記規定時期を超えない範囲で、前記機関回転数が大きいほど噴射開始時期を進角側に設定する。
筒内噴射弁の燃料噴射量は、機関回転数が大きいほど多くされやすい。このため、機関回転数が大きいほど、燃料噴射量に対応する期間が長くなりやすく、噴射終了時期が遅角側に設定されやすい。この点、上記構成では、機関回転数が規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、機関回転数が大きいほど噴射開始時期が進角側に設定されるようにしている。これによって、機関回転数が規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、噴射終了時期が遅角側に設定されにくくすることができる。
上記内燃機関の制御装置の一例として、前記機関回転数が前記規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、前記噴射制御部が噴射開始時期として前記規定時期を設定することもできる。
上記内燃機関の制御装置の一例では、前記噴射制御部は、噴射開始時期と燃料噴射量とに基づいて噴射終了時期を設定する。
燃料噴射量は、機関回転数と機関負荷に基づいて設定される。そのため、機関負荷が高い場合、機関回転数がそれほど大きくなくても、燃料噴射量が比較的多くされることがある。そのため、噴射終了時期を設定し、この噴射終了時期と燃料噴射量を基に噴射開始時期を設定するようにした場合、燃料噴射量が比較的多く設定されていると、噴射開始時期が進角側の値に設定されやすくなる。この点、上記構成では、噴射終了時期の設定に先立って噴射開始時期が設定されるようになっている。これによって、燃料噴射量が多くても吸気行程中においてピストンの移動速度が大きい時期に噴射開始時期が設定されやすくなることを抑制できる。
上記内燃機関の制御装置をアルコール混合燃料を採用する内燃機関に適用する場合には、前記噴射制御部は、噴射される燃料中のアルコール濃度が高いほど噴射開始時期を遅角側に設定することが好ましい。
混合燃料中のアルコール濃度が高いほど燃料の気化潜熱は大きくなる。そして、アルコール濃度の高い燃料が点火プラグの周辺まで導かれてから気化した場合、当該燃料の気化潜熱による点火プラグの温度低下量が多くなりやすい。この点、上記構成では、燃料中のアルコール濃度が高いときほど、噴射開始時期が遅角側に設定されるようになっている。このため、気化潜熱の大きい燃料が使用されている場合に、ピストンの移動速度が大きい時期に噴射開始時期が設定されることを、より抑制することができる。これによって、気化潜熱の大きい燃料が点火プラグの周辺に導かれ、当該燃料が点火プラグの周辺で気化することを抑制できる。
内燃機関の制御装置の第1の実施形態と、その制御対象である内燃機関を示す模式図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する燃料噴射制御のフローチャート。 同実施形態にかかる制御装置が設定する噴射開始時期と機関回転数との関係を示すマップ。 比較例としての制御装置が設定する噴射開始時期と機関回転数との関係を示すマップ。 燃料噴射開始後における点火プラグの温度変化を示す図。 第2の実施形態の内燃機関の制御装置が設定する噴射開始時期と機関回転数との関係を示すマップ。 第3の実施形態の内燃機関の制御装置が設定する噴射開始時期と機関回転数との関係を示すマップ。 第4の実施形態の内燃機関の制御装置が設定する噴射開始時期と機関回転数との関係を示すマップ。 変形例の内燃機関の制御装置に関し、噴射開始時期の算出に用いられる遅角補正量とアルコール濃度との関係を示すマップ。
(第1の実施形態)
以下、内燃機関の制御装置の第1の実施形態である制御装置10について、図1〜図5を参照して説明する。
図1には、制御装置10と、その制御対象として制御装置10が適用される内燃機関20を示している。
内燃機関20では、シリンダブロック21と、シリンダヘッド22と、シリンダブロック21の気筒21A内に配置されているピストン26とによって、燃焼室23が区画形成されている。ピストン26が気筒21A内で往復移動する場合、内燃機関20の駆動軸であるクランクシャフト27がピストン26の往復移動に連動して回転する。燃焼室23には、燃焼室23に吸気を導入する吸気通路31と燃焼室23から排気が排出される排気通路33が接続されている。そして、燃焼室23に吸気通路31から吸気を導入することにより、燃焼室23内に図1に矢印で示すような気流、すなわちタンブル流を発生させることができる。
吸気通路31には、スロットルバルブ32が設けられている。吸気通路31においてスロットルバルブ32よりも上流側には、吸気通路31を通過する吸入空気量を検出するエアフロメータ91が設けられている。
内燃機関20には、吸気バルブ28が設けられている。吸気バルブ28の傘部28Aによって燃焼室23に対する吸気通路31の開閉が行われる。また、内燃機関20には、排気バルブ29が設けられている。排気バルブ29の傘部29Aによって燃焼室23に対する排気通路33の開閉が行われる。
内燃機関20は、所謂中央噴射式の内燃機関である。燃焼室23を区画する燃焼室壁面のうち、シリンダヘッド22側の燃焼室壁面における中央部分、すなわち吸気バルブ28の傘部28Aと排気バルブ29の傘部29Aとの間の部分に筒内噴射弁24及び点火プラグ25が配置されている。点火プラグ25は、筒内噴射弁24よりも排気バルブ29の傘部29A側、すなわち図1に矢印で示す気流の流れ方向における下流側に配置されている。
制御装置10には、内燃機関20が備える各種センサからの検出信号が入力される。
制御装置10は、クランクポジションセンサ92からの検出信号に基づいて機関回転数NEを算出する。また、制御装置10は、クランクポジションセンサ92からの検出信号に基づいてクランクシャフト27の回転角を検出する。本実施形態では、回転角の表記に関して、ピストン26が圧縮上死点TDCに位置するときのクランクシャフト27の回転角を基準角度の「0°CA」としている。そして、基準角度よりもクランクシャフト27の回転角度が進角側に位置するときにクランク角度BTDCが正の値となるように、クランク角度BTDCを表記している。
制御装置10は、エアフロメータ91からの検出信号に基づいて吸入空気量GAを算出する。
制御装置10は、筒内噴射弁24を制御するための機能部として噴射制御部11を備えている。噴射制御部11は、筒内噴射弁24の燃料噴射に際して、噴射設定処理を実行して燃料噴射量TAUと噴射開始時期SOIと噴射終了時期EOIの設定を行う。また、噴射制御部11は、設定した燃料噴射量TAUと噴射開始時期SOIと噴射終了時期EOIに基づいて筒内噴射弁24を制御して燃料噴射を実行する。
図2を参照して、噴射制御部11が実行する噴射設定処理の処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、制御装置10が燃料噴射の実行を許可している間、所定の周期毎に繰り返し実行される。
本処理ルーチンの実行が開始されると、まずステップS11において、噴射制御部11が燃料噴射量TAUを算出する。燃料噴射量TAUは、一度の燃料噴射において噴射する燃料の総量として算出される。燃料噴射量TAUは、機関回転数NE及び吸入空気量GAに基づいて算出される。燃料噴射量TAUの算出後、処理がステップS12に移行される。
ステップS12では、噴射制御部11が噴射開始時期SOIを設定する。噴射制御部11は、機関回転数NEを取得し、機関回転数NEと噴射開始時期SOIとの関係を示すマップに基づいて噴射開始時期SOIを導出する。当該マップは、噴射制御部11に記憶されている。当該マップとして、図3に示すマップが用いられる。
図3に示すマップでは、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも低回転側の回転数領域内の値である場合、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側の値に設定される。そして、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1である場合、噴射開始時期SOIとして第1規定時期SOIP1が設定される。
一方、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値である場合、第1規定時期SOIP1よりも遅角側に噴射開始時期SOIが設定される。具体的には、噴射開始時期SOIは、機関回転数NEが大きいほど遅角側に設定される。また、内燃機関20の出力が最大であるときの機関回転数NEを最大回転数NEmaxとした場合、機関回転数NEが最大回転数NEmaxであるときには、噴射開始時期SOIとして最大回転数時噴射時期SOIRが設定される。最大回転数時噴射時期SOIRは、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値である場合に噴射開始時期SOIとして許容できる最も遅角側の時期として予め実験等によって定められている。
図2に戻り、ステップS12において噴射開始時期SOIが設定されると、処理がステップS13に移行される。
ステップS13では、ステップS12において設定された噴射開始時期SOIと、ステップS11において設定された燃料噴射量TAUとを基に、噴射制御部11が噴射終了時期EOIを設定する。噴射終了時期EOIは、噴射開始時期SOIから燃料噴射量TAUに対応する期間を遅角した時期として設定される。燃料噴射量TAUに対応する期間の長さは、燃料噴射量TAUが多いほど長い。なお本実施形態では、噴射制御部11は、噴射終了時期EOIが吸気下死点よりも遅角側に設定されることを許容し、燃料噴射が圧縮行程においても継続して行われることを妨げない。
ステップS13において噴射終了時期EOIが設定されると、本処理ルーチンが終了される。
以上のように制御装置10では、噴射制御部11が噴射設定処理を実行することによって、機関回転数NEが規定回転数としての第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、規定時期としての第1規定時期SOIP1よりも遅角側の範囲に噴射開始時期SOIが設定される。具体的には、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。また、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、第1規定時期SOIP1を超えない範囲で、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側に設定される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、図4を用いて比較例の内燃機関の制御装置について説明する。図4には、比較例の制御装置によって用いられる、噴射開始時期SOIと機関回転数NEとの関係を示すマップが図示されている。比較例の制御装置では、図4に示すマップを用いて噴射開始時期SOIが設定される。図4に示すマップでは、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側に設定される。なお、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1であるとき、図3に示したマップを用いて噴射開始時期SOIを設定する制御装置10と同様に、噴射開始時期SOIとして第1規定時期SOIP1が設定される。
制御装置10では、図3を参照して説明したように、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側であるときには噴射開始時期SOIが第1規定時期SOIP1よりも遅角側に設定される。対して比較例の制御装置では、図4に示すように、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側であるときには噴射開始時期SOIが第1規定時期SOIP1よりも進角側に設定される。比較例の制御装置は、噴射開始時期SOIの設定時に用いるマップが異なる点のみが制御装置10と異なり、他の構成については制御装置10と共通している。
図5には、内燃機関20の運転に伴って変化する点火プラグ25の温度を例示している。図5の横軸には、クランク角度BTDCを表示している。図5の縦軸には、クランク角度BTDCが360°CAであるときの点火プラグ25の温度からの変化量である温度変化量ΔTを表示している。制御装置10の場合の温度変化量ΔTを実線で例示し、比較例の制御装置の場合の温度変化量ΔTを破線で例示している。なお、図5に示す例では、機関回転数NEは、第1規定回転数NEP1よりも高回転側の所定値で保持されている。また、内燃機関20の機関負荷も一定である。
図5には、比較例の制御装置によって設定される噴射開始時期SOIを噴射開始時期SOIe1と示している。また、制御装置10によって設定される噴射開始時期SOIを噴射開始時期SOIe2と示している。機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値であるため、図3及び図4を用いて説明したように、比較例における噴射開始時期SOIe1が、本実施形態における噴射開始時期SOIe2よりも進角側に設定される。
図5に実線及び破線で示すように、燃料噴射の開始後には点火プラグ25の温度が低下する。これは、図1に示すような中央噴射の内燃機関20の場合、点火プラグ25と筒内噴射弁24との配置位置が近く、また点火プラグ25が筒内噴射弁24よりも排気バルブ29側に配置されていることが要因となる。すなわち、内燃機関20では、吸入行程において吸気通路31から燃焼室23に吸気が流入されるとき、燃焼室23に流入した吸気は、排気バルブ29の傘部29A方向に進むため、図1に矢印で示すようなタンブル流が燃焼室23内に形成される。点火プラグ25と筒内噴射弁24とが上記位置関係を有しているため、筒内噴射弁24から噴射された燃料噴霧が、燃焼室23内に形成されるタンブル流によって流されると、点火プラグ25の周辺に燃料噴霧が到達する。そして、点火プラグ25の周辺で燃料噴霧が気化した場合、燃料噴霧の気化潜熱によって点火プラグ25の温度が低下すると考えられる。
ここで、設定された噴射開始時期(すなわち、噴射開始時期SOIe1や噴射開始時期SOIe2)からの燃料噴射を開始した後、点火プラグ25の温度が低下し始めてから所定期間P1の間でのそれぞれの温度変化量ΔTを比較する。図5に示すように、破線で示す比較例の場合における低下量T1は、実線で示す本実施形態の場合における低下量T2よりも大きい。すなわち、本実施形態の場合には、比較例の場合と比較して時間当たりの温度低下が小さいと云える。
温度変化量ΔTの差異が生じる要因について説明する。吸気行程においてピストン26の移動速度が最大となる期間、すなわち燃焼室23内で生じる気流の流れが速い期間に燃料噴射率が最大値である期間が重なるように燃料噴射が筒内噴射弁24によって実行されると、燃焼室23内で生じる気流によって、多くの燃料噴霧が点火プラグ25側に流される。そして、このように多くの燃料噴霧が点火プラグ25側に流された場合、点火プラグ25の周辺で気化する燃料噴霧の量が多くなる。このため、点火プラグ25の温度が大きく低下しやすい。なお、筒内噴射弁24から噴射される燃料の燃料噴射率は、燃料噴射量TAUに対応する噴射期間において一定ではなく、噴射が開始される噴射開始時期SOIから燃料噴射率の最大値に達するまでは増加する。そして、燃料噴射率は、燃料噴射量TAUが多いほど最大値に長く維持され、噴射終了時期EOIに燃料噴射量TAUの噴射が完了するように最大値から減少していく。
比較例の制御装置の場合には、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角されるため、ピストン26の移動速度が最大となる時期よりも進角側に噴射開始時期SOIが設定されやすい。すなわち、燃料噴射率が最大値である期間が、吸気行程においてピストン26の移動速度が大きくて気流の流れが速い期間に重なりやすい。このため、気流によって点火プラグ25側に流され、点火プラグ25の周辺で気化する燃料噴霧の量が多くなりやすい。したがって、点火プラグ25の温度が低下しやすい。
これに対して本実施形態の制御装置10では、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域である場合、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIを遅角するようにしている。このため、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも大きいときには第1規定時期SOIP1よりも進角側の範囲に噴射開始時期SOIが設定されない。すなわち、ピストン26の移動速度が最大となる時期よりも進角側に噴射開始時期SOIが設定されにくい。これによって、燃料噴射率が最大値である期間が、吸気行程においてピストン26の移動速度が大きくて気流の流れが速い期間に重なることを抑制できる。その結果、比較例の制御装置の場合と比して、気流によって点火プラグ25側に流される燃料噴霧の量を少なくしやすく、ひいては点火プラグ25の周辺で気化する燃料噴霧の量を少なくしやすい。したがって、比較例の制御装置の場合と比して、点火プラグ25の温度低下を軽減することができる。
以上のように制御装置10では、機関回転数NEが大きいときには、ピストン26の移動速度が大きくて燃焼室23内で生じる気流の流れが速い時期に噴射開始時期SOIが設定されにくいため、吸気行程中に燃焼室23内で生じる気流によって燃料噴霧が点火プラグ25側に流されることを抑制できる。したがって、点火プラグ25周辺での燃料噴霧の気化に起因する点火プラグ25の温度低下量を少なくすることができる。
なお、機関回転数NEが大きいときには、機関回転数NEが小さいときよりも吸気行程中におけるピストン26の平均移動速度が大きくなりやすい。このため、機関回転数NEが大きいほど、ピストン26の移動速度が所定速度よりも大きい期間が長くなる傾向がある。ピストン26の移動速度が所定速度よりも大きい期間では、燃焼室23で生じる気流の流れが速く、燃料噴霧が気流によって点火プラグ25側に流されやすいと考えられる。すなわち、機関回転数NEが大きいときほど、吸気行程中に燃焼室23内で生じた気流によって燃料噴霧が点火プラグ25側に流されやすい。この点、制御装置10によれば、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも大きいときには機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。すなわち、機関回転数NEが大きいためにピストン26の移動速度が所定速度よりも大きい期間が長くても、ピストン26の移動速度が大きくて燃焼室23内で生じる気流の流れが速い時期に噴射開始時期SOIが設定されにくくなる。これによって、燃焼室23内で生じた気流によって燃料噴霧が点火プラグ25の周辺まで流されることを抑制する効果を高めることができる。
さらに、制御装置10では、噴射開始時期SOIを設定してから、噴射開始時期SOIと燃料噴射量TAUとに基づいて噴射終了時期EOIを設定する。これによって、燃料噴射量TAUが比較的多い場合であっても、燃料噴射率が最大値である期間が、吸気行程においてピストン26の移動速度が大きくて気流の流れが速い期間に重なることを抑制できる。
機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側であるときには、機関回転数NEが大きいために燃料噴射量TAUが比較的多く、噴射終了時期EOIが圧縮行程時に設定されやすい。この点、制御装置10では、機関回転数NEが最大回転数NEmaxであるときに、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側の回転数領域内の値である場合に噴射開始時期SOIとして許容できる最も遅角側の時期である最大回転数時噴射時期SOIRが噴射開始時期SOIとして設定される。したがって、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも高回転側であるときには、噴射開始時期SOIが最大回転数時噴射時期SOIRよりも遅角側に設定されない。これによって、噴射終了時期EOIが圧縮行程時に設定されにくい。また、噴射終了時期EOIが圧縮行程時に設定されたとしても圧縮行程中に噴射される燃料の量を少なくすることができる。すなわち、吸気行程中に噴射される燃料の量が少なくなることを抑制できる分、吸気行程中に気化する燃料の量を確保できる。このため、吸気行程中に噴射された燃料の気化潜熱によって燃焼室23内の温度を低下させて吸気の充填効率を向上させる効果が低下することを抑制できる。
また、制御装置10は、機関回転数NEが第1規定回転数NEP1よりも低回転側であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側に設定される。すなわち、機関回転数NEが大きく燃料噴射量TAUが多くされやすいときほど、噴射開始時期SOIを進角側に設定することができる。したがって、機関回転数NEが小さくピストン26の移動速度の最大値が大きくないときには、吸気行程中に燃料噴射が終了するように燃料噴射量TAUに対応する噴射期間を確保することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、図2を用いて説明した噴射設定処理のステップS12において、図3に示したマップに替えて、図6に示すマップを用いて噴射開始時期SOIを設定する点で第1の実施形態と異なる。その他の構成については第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図6に示すマップでは、機関回転数NEが第2規定回転数NEP2よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側の値に設定される。機関回転数NEが第2規定回転数NEP2であるときには、噴射開始時期SOIとして第2規定時期SOIP2が設定される。そして、機関回転数NEが第2規定回転数NEP2よりも高回転側の回転数領域内の値であるときにおいても、噴射開始時期SOIとして第2規定時期SOIP2が設定される。
また、機関回転数NEが最大回転数NEmaxであるときには、噴射開始時期SOIとして、第1の実施形態における最大回転数時噴射時期SOIRと等しい値である最大回転数時噴射時期SOIRが設定される。機関回転数NEが第2規定回転数NEP2よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには噴射開始時期SOIとして第2規定時期SOIP2が設定されるため、第2規定時期SOIP2が最大回転数時噴射時期SOIRである。このため、第2規定時期SOIP2は、第1規定時期SOIP1よりも遅角側の値である。
すなわち、本実施形態では、噴射制御部11が噴射設定処理を実行することによって、機関回転数NEが規定回転数としての第2規定回転数NEP2よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、規定時期としての第2規定時期SOIP2が噴射開始時期SOIとして設定される。また、機関回転数NEが第2規定回転数NEP2よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、第2規定時期SOIP2を超えない範囲で、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側に設定される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
機関回転数NEが第2規定回転数NEP2よりも高回転側であるときには、第2規定時期SOIP2よりも進角側の範囲に噴射開始時期SOIが設定されない。これによって、第1の実施形態と同様に、吸気行程においてピストン26の移動速度が大きくて気流の流れが速い期間に燃料噴射率が最大値である期間が重なることを抑制できる。このため、燃焼室23内で生じる気流によって点火プラグ25側に流される燃料噴霧の量を少なくし、ひいては点火プラグ25の周辺で気化する燃料噴霧の量を少なくすることができる。したがって、点火プラグ25の温度低下を抑制することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、図2を用いて説明した噴射設定処理のステップS12において、図7に示すマップを用いて噴射開始時期SOIを設定する点で第1及び第2の実施形態と異なる。その他の構成については第1及び第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図7に示すマップでは、機関回転数NEが第3規定回転数NEP3よりも低回転側の回転数領域内の値であるとき、及び、機関回転数NEが第3規定回転数NEP3であるときには、噴射開始時期SOIとして第3規定時期SOIP3が設定される。そして、機関回転数NEが第3規定回転数NEP3よりも高回転側の回転数領域の値であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。
また、機関回転数NEが最大回転数NEmaxであるときに噴射開始時期SOIとして設定される最大回転数時噴射時期SOIRは、第1の実施形態及び第2の実施形態における最大回転数時噴射時期SOIRと等しい値である。そして、第3規定時期SOIP3は、最大回転数時噴射時期SOIRよりも進角側の値である。このため、第3規定時期SOIP3は、第2規定時期SOIP2よりも進角側の値である。
すなわち、本実施形態では、噴射制御部11が噴射設定処理を実行することによって、機関回転数NEが規定回転数としての第3規定回転数NEP3よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、規定時期としての第3規定時期SOIP3が噴射開始時期SOIとして設定される。また、機関回転数NEが第3規定回転数NEP3よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、第3規定時期SOIP3よりも遅角側の範囲に噴射開始時期SOIが設定される。より具体的には、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
機関回転数NEが第3規定回転数NEP3よりも低回転側から第3規定回転数NEP3までの間では噴射開始時期SOIが第3規定時期SOIP3に維持され、機関回転数NEが第3規定回転数NEP3よりも大きくなると、噴射開始時期SOIが第3規定時期SOIP3よりも遅角側に設定される。すなわち、全ての回転数領域において噴射開始時期SOIが第3規定時期SOIP3よりも進角されない。これによって、機関回転数NEが大きいときには、ピストン26の移動速度が大きくて燃焼室23内で生じる気流の流れが速い時期に噴射開始時期SOIが設定されにくいため、吸気行程中に燃焼室23内で生じる気流によって燃料噴霧が点火プラグ25側に流されることを抑制できる。したがって、点火プラグ25周辺で気化する燃料噴霧の量を少なくすることができ、ひいては点火プラグ25の温度低下を抑制することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、図2を用いて説明した噴射設定処理のステップS12において、図8に示すマップを用いて噴射開始時期SOIを設定する点で第1〜3の実施形態と異なる。その他の構成については第1〜3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図8に示すマップでは、機関回転数NEがどのような回転領域の値であっても、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。機関回転数NEが第4規定回転数NEP4であるときには、噴射開始時期SOIとして第4規定時期SOIP4が設定される。機関回転数NEが最大回転数NEmaxであるときに噴射開始時期SOIとして設定される最大回転数時噴射時期SOIRは、第1〜3の実施形態における最大回転数時噴射時期SOIRと等しい値である。そして、第4規定時期SOIP4は、最大回転数時噴射時期SOIRよりも進角側の値である。このため、第4規定時期SOIP4は、第2規定時期SOIP2よりも進角側の値である。
すなわち、本実施形態では、噴射制御部11が噴射設定処理を実行することによって、機関回転数NEが規定回転数としての第4規定回転数NEP4よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、規定時期としての第4規定時期SOIP4よりも遅角側の範囲に噴射開始時期SOIが設定される。さらに、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。また、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4よりも低回転側の回転数領域内の値であるときにも、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
機関回転数NEがどのような回転領域の値であっても機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定されるため、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4よりも高回転側であるときには、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが遅角される。これによって、第1の実施形態と同様に、吸気行程においてピストン26の移動速度が最大となる期間に燃料噴射率が最大値である期間が重なることを抑制できる。その結果、機関回転数NEが大きいときには、ピストン26の移動速度が大きくて燃焼室23内で生じる気流の流れが速い時期に噴射開始時期SOIが設定されにくいため、吸気行程中に燃焼室23内で生じる気流によって燃料噴霧が点火プラグ25側に流されることを抑制できる。したがって、点火プラグ25周辺で気化する燃料噴霧の量を少なくすることができ、ひいては点火プラグ25の温度低下を抑制することができる。
上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・制御装置10の制御対象がアルコール混合燃料を採用する内燃機関である場合、噴射される燃料中のアルコール濃度ALに基づいて噴射開始時期SOIを補正することもできる。この場合、図1に破線で示すように、アルコール濃度センサ93から制御装置10に入力される検出信号に基づいて燃料中のアルコール濃度ALを制御装置10が検出することができる。また、アルコール濃度ALは、アルコール濃度センサ93によって検出することに限らず制御装置10によって推定することもできる。例えば、排気の空燃比の変動に基づいてアルコール濃度ALを推定することができる。
噴射開始時期SOIを補正する構成としては、例えば次の処理を採用することができる。図3,6,7,8に示したようなマップを用いて導出した噴射開始時期SOIを基本開始時期SOIBとする。そして、基本開始時期SOIBに対して遅角補正量Kの値だけ遅角側に移動した値を噴射開始時期SOIと設定する。
図9には、アルコール濃度ALと遅角補正量Kとの関係を示すマップが図示されている。このマップを用いて遅角補正量Kを導出することで、アルコール濃度ALが高いほど遅角補正量Kが大きくされる。すなわち、アルコール濃度ALが高いほど噴射開始時期SOIが遅角側に設定される。
混合燃料中のアルコール濃度が高いほど燃料の気化潜熱が大きくなるため、アルコール濃度ALの高い燃料が点火プラグ25の周辺まで導かれてから気化した場合、当該燃料の気化潜熱による点火プラグ25の温度低下量が多くなりやすい。この点、上記構成のようにアルコール濃度ALに基づいて噴射開始時期SOIを補正することによって、気化潜熱の大きい燃料が使用されている場合に、ピストン26の移動速度が大きくて燃焼室23内で生じた気流の流れが速い時期に噴射開始時期SOIが設定されることを抑制する効果を、より高くすることができる。すなわち、気化潜熱の大きい燃料が点火プラグ25の周辺に導かれることを抑制できる。
・上記各実施形態において噴射制御部11は、機関回転数NEの全回転数領域で機関回転数NEと噴射開始時期SOIとの関係が設定されているマップとして同一のマップを用いて噴射開始時期SOIを設定したが、機関回転数NEに基づいて複数のマップを切り換えるようにしてもよい。
例えば、次のような構成を採用してもよい。機関回転数NEが規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値から規定回転数までの場合に用いるマップを第1マップとする。第1マップに基づくと、機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIが進角側の値に設定される。機関回転数NEが規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値である場合に、第1マップとは傾向の異なる関係が設定されている第2マップを用いる。第2マップに基づくと、噴射開始時期SOIは、機関回転数NEが規定回転数であるときの規定時期よりも遅角側の値に設定される。上記構成であっても、上記各実施形態と同様に、吸気行程中に燃焼室23内で生じる気流によって燃料噴霧が点火プラグ25側に流されることを抑制できる。すなわち、点火プラグ25周辺での燃料噴霧の気化に起因する点火プラグ25の温度低下量を少なくすることができる。
・上記第1,3,4の実施形態では、機関回転数NEが規定回転数よりも高回転側であるときに、機関回転数NEが大きいほど遅角されるように噴射開始時期SOIを設定した。噴射開始時期SOIの設定態様としては、例えば、機関回転数NEが増大する変化に対して段階的に遅角されるように噴射開始時期SOIを設定することもできる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、機関回転数NEが規定回転数よりも低回転側であるときに、機関回転数NEが増大する変化に対して段階的に進角されるように噴射開始時期SOIを設定することもできる。また同様に、上記第4の実施形態において、機関回転数NEが規定回転数よりも低回転側であるときに、機関回転数NEが増大する変化に対して段階的に遅角されるように噴射開始時期SOIを設定することもできる。
・上記各実施形態において、第1〜4規定回転数NEP1〜4は同一の回転数でもよく、それぞれが異なる回転数であってもよい。
・上記第4の実施形態では、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4未満である場合における機関回転数NEの単位変化量に対する噴射開始時期SOIの変化量の比が、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4以上である場合における機関回転数NEの単位変化量に対する噴射開始時期SOIの変化量の比と同じである。しかし、機関回転数NEがどのような回転領域の値であっても機関回転数NEが大きいほど噴射開始時期SOIを遅角させる構成は、これに限らない。例えば、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4未満である場合における機関回転数NEの単位変化量に対する噴射開始時期SOIの変化量の比を、機関回転数NEが第4規定回転数NEP4以上である場合における機関回転数NEの単位変化量に対する噴射開始時期SOIの変化量の比と相違させるようにしてもよい。
・上記各実施形態における噴射開始時期SOIの設定に関して、少なくとも、吸気行程においてピストン26の移動速度が最大となる期間と燃料噴射率が最大値である期間との重なりを避けることができれば、点火プラグ25の温度低下を抑制する効果を奏することができる。したがって上記各実施形態では、例えば、噴射が開始される噴射開始時期SOIから燃料噴射率が最大値に達するまでの期間がピストン26の移動速度が最大となる期間に重なってもよく、噴射開始時期SOIをピストン26の移動速度が最大となる期間よりも遅角側に設定してもよい。
10…制御装置、11…噴射制御部、20…内燃機関、21…シリンダブロック、21A…気筒、22…シリンダヘッド、23…燃焼室、24…筒内噴射弁、25…点火プラグ、26…ピストン、27…クランクシャフト、28…吸気バルブ、28A…傘部、29…排気バルブ、29A…傘部、31…吸気通路、32…スロットルバルブ、33…排気通路、91…エアフロメータ、92…クランクポジションセンサ、93…アルコール濃度センサ。

Claims (7)

  1. 燃焼室を区画する燃焼室壁面のうち、シリンダヘッド側の燃焼室壁面における中央部分に筒内噴射弁及び点火プラグが配置されている内燃機関に適用され、前記筒内噴射弁による燃料の噴射が吸気行程中に開始されるように、内燃機関の機関回転数に基づいて燃料の噴射開始時期を設定する噴射制御部を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記機関回転数が規定回転数であるときに前記噴射制御部によって設定される噴射開始時期を規定時期とした場合、
    前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、前記規定時期から当該規定時期よりも遅角側の範囲に噴射開始時期を設定する
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、前記機関回転数が大きいほど噴射開始時期を遅角側に設定する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも高回転側の回転数領域内の値であるときには、噴射開始時期として前記規定時期を設定する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、前記規定時期を超えない範囲で、前記機関回転数が大きいほど噴射開始時期を進角側に設定する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記噴射制御部は、前記機関回転数が前記規定回転数よりも低回転側の回転数領域内の値であるときには、噴射開始時期として前記規定時期を設定する
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記噴射制御部は、噴射開始時期と燃料噴射量とに基づいて噴射終了時期を設定する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. アルコール混合燃料を採用する内燃機関に適用され、
    前記噴射制御部は、噴射される燃料中のアルコール濃度が高いほど噴射開始時期を遅角側に設定する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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