JP2024034389A - 食品廃棄物処理用微生物担持体 - Google Patents

食品廃棄物処理用微生物担持体 Download PDF

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Abstract

【課題】焼却や埋め立てによる処理が不要であり(またはその量が十分に低減され)、環境への影響が少ない食品廃棄物処理用生物担持体を提供する。【解決手段】熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルを基材樹脂とし、JIS K6953に基づく生分解性試験における生分解度が60%以上である、柱状の食品廃棄物処理用生物担持体。【選択図】図7

Description

本発明は、食品廃棄物を処理するための微生物を担持する食品廃棄物処理用微生物担持体に関する。
食品廃棄物の多くは、焼却工場における焼却や埋め立てにより処理されている。焼却による処理では、排熱や二酸化炭素を大量に排出されるため、環境面への影響が懸念されている。また、埋め立てによる処理では、埋め立て地の確保が困難であるという実情もある。
そこで、焼却や埋め立て以外の処理で食品廃棄物を処理するための各種の技術が提案されている。例えば、微生物を利用して食品廃棄物を生分解する技術は、環境への影響も低く、埋め立て地を確保する必要もないことから注目を浴びている。食品廃棄物は、微生物により水と二酸化炭素とに分解される。微生物は担持体に担持され、当該担持体を廃棄物
処理装置に食品廃棄物とともに撹拌することで、食品廃棄物が分解される。
例えば、特許文献1および特許文献2には、微生物を担持するため担持体に関する技術が開示されている。特許文献1の担持体は熱可塑性樹脂を含み、特許文献2の担持体はポリオレフィンとポリスチレンとを含む。
特開2003-55562号公報 特許第6869307号公報
ここで、担持体は、生分解性の低下や臭いが付着するため、一定期間、例えば2年程度で交換が必要になる。そうすると、特許文献1や特許文献2における使用済の担持体は、大量のごみとなり、上述したような焼却による処理や埋め立てによる処理が必要になる。したがって、環境への影響や埋め立て地の確保といった問題があった。
以上の事情を考慮して、本発明では、焼却や埋め立てによる処理が不要であり(またはその量が十分に低減され)、環境への影響が少ない食品廃棄物処理用生物担持体を提供することを目的とする。
[1]熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルを基材樹脂とし、JIS K6953に基づく生分解性試験における生分解度が60%以上である柱状の食品廃棄物処理用生物担持体。
[2]前記微生物担体の表面における、表面凹凸の算術平均高さ(Sa)が2.4μm以上である[1]に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
[3]前記微生物担体の見掛け密度が400kg/m以上800kg/m以下である[1]または[2]に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
[4]前記微生物担体が柱状であり、前記微生物担体の高さ方向に対して垂直に切断した場合における断面の形状が多角形状である[1]から[3]の何れかに記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
[5]前記熱可塑性デンプン又は脂肪族ポリエステルの、ASTM D6866に基づく植物度が40%以上である[1]から[4]の何れかに記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
本発明の食品廃棄物処理用微生物担持体は、生分解が可能である。したがって、焼却や埋め立てによる処理が不要であり(またはその量が十分に低減され)、環境への影響も低減できる。
本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の斜視図である。 本発明の一例に係る担持体の側面部分の表面の電子顕微鏡写真(10000倍)である。
本発明に係る食品廃棄物処理用生物担持体(以下、単に「担持体」と表記する)は、食品廃棄物を処理するための微生物を担持する構造体である。食品廃棄物とは、食品の調理過程で生じる残さ、食品の流通過程で生じる売れ残り、および、食品の消費段階で生じる食べ残しなどである。
本発明の担持体は、食品廃棄物が担持体により粉砕される。食品廃棄物は、処理装置における粉砕に並行して、微生物によって水と二酸化炭素に分解され排出される。以上の通り、担持体は、微生物を担持する機能と、食品廃棄物を粉砕する機能とを有する。
具体的には、本発明の担持体は、JIS K6953の生分解性試験における生分解度が60%以上であり、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。すなわち、本発明の担持体は、微生物による生分解が可能である。したがって、使用後の担持体を焼却や埋め立てによる処理を行う必要がない(またはそれらの処理をする量が十分に低減される)。
JIS K6953の生分解性試験とは、好気的コンポスト(通気性の良い堆肥)の中に測定試料(本発明では担持体)を入れて、微生物によって分解した際の二酸化炭素の発生量より生分解度を算出する試験である。
本発明の担持体は、熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルを基材樹脂とする。
熱可塑性デンプンは、デンプンまたはデンプン誘導体に熱可塑性をもたせた変性デンプンである。熱可塑性デンプンとしては、例えば、デンプン分子鎖の構成単位であるグルコースの三つの水酸基のいくつかをエーテル化、エステル化反応などで疎水性基とし、グリセリンやエチレングリコール等の可塑剤が加えられたものが挙げられる。
基材樹脂中の熱可塑性デンプンの含有量は、例えば50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。
脂肪族ポリエステルは、主鎖に脂肪族エステルを主成分として含むものである。脂肪族エステルの主鎖中の含有割合は、少なくとも60モル%以上、好ましくは80~100モル%、より好ましくは90~100モル%の割合である。脂肪族ポリエステル系樹脂には、ヒドロキシ酸重縮合物、ラクトンの開環重合物及び多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合体等が包含される。ヒドロキシ酸重縮合物としてはポリ乳酸、ヒドロキシ酪酸の重縮合物等が挙げられる。ラクトンの開環重合物としてはポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン等が挙げられる。多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合体としては、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート(PBAT)、ポリエチレンサクシネート等が挙げられる。これらの中でも、担持体の成形性の観点からは、ポリ乳酸およびポリブチレンサクシネートが好ましい。
基材樹脂中の脂肪族ポリエステルの含有量は、例えば50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
なお、基材樹脂として使用する熱可塑性デンプンおよび脂肪族ポリエステルについても、JIS K6953における生分解度が60%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
熱可塑性デンプンおよび脂肪族ポリエステルの少なくとも一方の植物度は、20%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。熱可塑性デンプンおよび脂肪族ポリエステルの植物度を上記の範囲にすることで、カーボンニュートラル効果を向上させ、温暖化を抑制することが可能である。なお、植物度は、ASTM D6866により測定することができる。
また、前記熱可塑性デンプンおよび脂肪族ポリエステルの少なくとも一方は、その海洋分解度が90%以上であることが好ましい。上記のような基材樹脂を用いることにより、廃棄物の処理中に担持体が破損した場合には、排水と共に川や海に流出しても、速やかに分解されることができる。上記海洋分解度は、ASTM D6691により測定することができる。
基材樹脂中の熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルの含有量は、例えば50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。なお、基材樹脂中の熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルの含有量とは、基材樹脂中に熱可塑性デンプンと脂肪族ポリエステルとの双方が含まれる場合には、その合計量である。
本発明に係る担持体の基材樹脂には、担持体の生分解度が60%以上を維持できる範囲内で、熱可塑性デンプン及び脂肪族ポリエステル以外のその他の樹脂を含有させてもよい。その他の樹脂として、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂やエラストマー等の他の重合体が含まれていてもよい。ただし、基材樹脂中のその他の樹脂の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましく、0(すなわち基材樹脂として熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルのみを含むこと)が最も好ましい。
担持体には、担持体の生分解度が60%以上を維持できる範囲内で、その他の各種の成分を含有してもよい。その他の成分としては、その他の添加剤としては、例えば、発泡剤(物理発泡剤および化学発泡剤)、気泡調整剤、可塑剤、顔料、染料等の着色剤、熱安定剤、充填剤等各種の添加剤を挙げることができる。
担持体の構造上の特徴は、以下の通りである。
[形状]
図1から図7は、担持体の斜視図である。図1から図7に例示される通り、本発明の担持体は、柱状である。好ましくは、担持体は、底面と、上面と、底面と上面との間に位置する側面とを含む構造体である。
担持体の断面積(すなわち底面および上面の面積)は、例えば、0.5~1.4cmであり、高さが0.8~1.3cmの柱状である。断面積とは、担持体の高さ方向x(軸方向)に対して垂直な平面で切断した場合における断面の面積である。
図1は、断面形状が円形である担持体である。一方で、図2から図7は、断面形状が多角形の担持体である。具体的には、図2の断面形状は三角形であり、図3の断面形状は四角形であり、図3の断面形状は五角形であり、図4の断面形状は六角形であり、図6の断面形状は十字形(2つの長方形の重心が重なる位置で直交するような形状)であり、図7の断面形状は星形である。ただし、担持体の断面形状は、以上の例示には限定されない。なお、断面形状とは、担持体の高さ方向xに対して垂直な平面で切断した場合における断面の形状である。
体積を同等にした場合、断面形状が多角形の担持体は、断面形状が円形の担持体と比較して、表面積が増大して微生物が定着しやすくなったり、角部分によって破砕性が向上するので、食品廃棄物の分解効率が向上すると考えられる。したがって、担持体の断面形状は、多角形が好ましく、多角形の中でも星形がより好ましい。ただし、断面形状が円形の担持体も本発明には包含される。
[平均粒子径]
平均粒子径は、5~20mmであることが好ましく、6~15mmであることがより好ましく、7~13mmであることがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、取扱性に優れる。上記平均気泡径は、柱状体の担持体の、最大高さの平均値を、ノギスなどで測定することで特定することができる。また、担持体1個当たりの体積は、0.2~1cmであることが好ましく、0.3~0.8cmであることがより好ましい。担持体1個当たりの体積が上記範囲内であれば、分解性能に優れる担持体となる。上記担持体1個当たりの体積は、別途測定した担持体の見掛け密度と、担持体1個当たりの重量から、計算により求めることができる。
また、担持体の断面における最大長さに対する、担持体の平均粒子径の比(L/d)は、1~2であることが好ましく、1.0~1.6であることがさらに好ましい。(L/d)が上記範囲内であれば、廃棄物処理装置内での流動性に優れるものとなる。
[算術平均高さ(Sa)]
担持体の表面における表面凹凸の算術平均高さ(Sa)は、好ましくは2.4~5μmであり、より好ましくは2.5~4.5μmであり、さらに好ましくは3.0~4.2μm算術平均高さは、平均面からの高低差の平均値を示す指標である。算術平均高さ(Sa)が上記範囲内であれば、表面凹凸が食品廃棄物と接触した際に抵抗となって、粉砕力がより優れたものとなると考えられる。上記のような構造により、担持体の全面において、凹凸構造が形成されることとなるので、より食品廃棄物の粉砕性に優れるものとなる。
本発明において、算術平均高さは、柱状の担持体の表面を、公知の任意の方法で測定することで特定される。例えば、レーザー顕微鏡(マイクロスコープ)にて撮像した担持体の表面のうち側面の3D画像から解析ソフトを用いて算術平均高さを特定する。なお、3D画像は、L-フィルター(うねりや形状成分といった長波長を除去するフィルター)をかけて形状を平らに補正したものを使用する。
また、柱状の担持体の側面部分の表面には、図8に示されるような、0.3~3μm程度の孔が形成されていることが好ましい。上記のような孔が形成され、担持体が多孔体となっている場合には、微生物の吸着性に特に優れるものとなる。上記観点から、孔の最大直径が0.3~3μmであることが好ましく、0.5~2μmであることが好ましい。なお、担持体の表面における孔の最大直径とは、絶対最大長をいう。
また、柱状の担持体の側面部分の表面の電子顕微鏡写真において、100μmの面積中に、5~80個の、最大直径0.3~3μmの孔が形成されていることが好ましい。なお、孔の個数は、好ましくは10~40個/100μmである。上記のような孔の形成は、例えば、熱可塑性デンプンが配合された基材樹脂を用いることにより、形成させることができる。
[見かけ密度]
担持体の見かけ密度は、300~950kg/mであることが好ましく、より好ましくは350~900kg/mであり、さらに好ましくは400~800kg/mである。上記範囲内であれば、担持体が適度な重量を有しつつ、撹拌時には食品廃棄物の粉砕性に優れるものとなる。なお、見かけ密度は、担持体の重量を体積にて除することにより算出される。
[独立気泡率]
担持体の独立気泡率が50%以下であることが好ましく、0~40%であることがより好ましく、さらに好ましくは0~20%である。担持体が、上記範囲の独立気泡率の気泡構造を有することにより、微生物が担持体の内部まで侵入しやすくなり、微生物が担持体に多く定着しやすくなる。
したがって、担持体が上記特定の見掛け密度と独立気泡率を有していることにより、微生物を担持するための連通した空孔が形成され、微生物が添加された液体を担持体に含浸することで、微生物を空孔に定着させる。そして、複数の担持体と食品廃棄物とを攪拌機能の付いた処理装置に投入した後に撹拌することで、食品廃棄物の分解が促進される。
担持体の独立気泡率は、ASTM-D2856-70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定することができる。
[担持体断面のタイプCデュロメータ硬さ]
担持体の断面の、タイプCデュロメータ硬さ(平均硬さ)は、80~100であることが好ましく、85~98であることがさらに好ましい。担持体の断面が上記の硬さを有する場合には、食品廃棄物の破砕性に優れたものとなる。特に、担持体の表面硬さは、担持体を構成する基材樹脂自体の硬さと、担持体の見掛け密度を調整することにより、上記範囲に調製することができる。上記観点から、用いられる基材樹脂は、熱可塑性デンプン又は脂肪族ポリエステルであることが好ましく、より好ましくはデンプンポリエステル樹脂やポリ乳酸樹脂であることが好ましい。
本発明の担持体は、押出機による押出成形により製造される。例えば、基材樹脂を加熱溶融して得られた溶融物を、押出機(シングル押出機)の先端に設置されたダイス(所望する断面形状に対応するダイス)から押し出して発泡させる。なお、物理発泡剤は溶融物に圧入され、化学発泡剤は基材樹脂とともに加熱溶融される。そして、押し出し発泡された成形体(紐状のストランド)を水槽で十分に冷却した後に、切断装置(ペレタイザー)でカットして、長さを調整することで、柱状の担持体を得ることができる。
なお、担持体は、上記ストランドを切断することで柱状の粒子としたものであることが好ましい。特に、ストランドが発泡体である場合には、発泡体が切断されることにより、切断面が形成され、気泡構造が切断面に現れることによる凹凸が形成される。このような気泡に由来する凹凸部分には、微生物が定着し易くなり、食品廃棄物の分解性にさらに優れるものとなる。上記観点から、気泡構造に由来する、担持体の見掛け密度は、350~800kg/mであることが好ましい。
発泡剤としては、特に限定されず、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、酸素、ネオン等の無機物理発泡剤、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素、クロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のジアルキルエーテル等の有機物理発泡剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。以上の中でも、環境面からは、窒素、空気、二酸化炭素がより好ましく、二酸化炭素が特に好ましい。
発泡剤の添加量は、無機物理発泡剤を使用する場合には、基材樹脂100質量部に対して0.5~30質量部が好ましく、有機物理発泡剤を使用する場合には、基材樹脂100質量部に対して5~50質量部が好ましい。
気泡調整剤としては、特に限定されないが、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末を用いることができる。これらの中でも気泡径の調整が容易であることから、タルクが好ましい。
気泡調整剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対して0.1~7質量部が好ましく、0.2~5質量部がより好ましく、0.3~3質量部がさらに好ましい。
以下に、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明は実施例の記載には限定されない。
実施例1~7および比較例1,2について、表1の配合で断面形状が星形である担持体を製造した。
Figure 2024034389000002
表1の各成分の詳細は、以下の通りである。
(1)PLA(ポリ乳酸):「LX975(非晶PLA、D体含有率12%、植物度99.9%、トタルコービオン社製)
(2)澱粉ポリエステル樹脂:「マタービー(植物度100%、ノバモント社製)」
(3)※澱粉ポリエステル樹脂は、熱可塑性デンプンとPBAT(植物度100%)とを混合した樹脂である。熱可塑性デンプンの添加量としては約30%である。
(4)PBS(ポリブチレンサクシネート):「FZ91PB(植物度48.5%、三菱ケミカル製)」
※PLAおよびPBSの植物度は日本バイオプラスチック協会の-バイオマスプラPLリストより参照した。
(5)PP(ポリプロピレン):「J-750HP(b-pp、石油系熱可塑性樹脂、プライムポリマー製)」
(6)PVA(ポリビニルアルコール):「商品名ポバールC-500T(密度1.3g/cm(クラレ製))
(7)気泡調整剤:「タルク(Hi-Filler5000PJ,松村産業製))
(8)物理発泡剤:「炭酸ガス(物理発泡剤)」
(9)化学発泡剤:「PO217K(クエン酸重曹系、大日精化製)」
実施例1~7および比較例1,2に係る担持体は、基材樹脂および気泡調整剤を加熱溶融して得られた溶融物を、押出機(I号機:φ50 mm、L/D=50、シングル押出機)の先端に設置された星形形状のダイスから押し出して発泡した。次に、押し出し発泡された成形体(ストランド)を4m水槽で十分に冷却した後に、ペレタイザー(大型ファンカッター:星プラスチック製)でカットすることで、担持体を得た。なお、物理発泡剤は溶融物に注入され、化学発泡剤は基材樹脂とともに加熱溶融される。
実施例1~7および比較例1,2の担持体について、生分解度、見かけ密度、独立気泡率、平均粒子径、算術平均高さ(Sa)、重量減少率および生ごみ分解試験を特定した。その結果を表2に示す。
Figure 2024034389000003
[生分解度]
担持体の生分解度は、JIS K6953に基づき測定することができ、[(コンポスト環境下で90日間保存中の総CO発生量)/(組成式から算出される理論二酸化炭素発生量)]×100で算出される値である。
[見かけ密度]
見かけ密度は、担持体の重量を水の入った目盛り線の付いた容器中に沈めて水位の上昇を測定する方法(水没法)より、求めた体積にて除することにより算出した。
[独立気泡率]
独立気泡率は、STM D2856-70に記載されている手順Cに準拠し、空気比較式比重計(東芝ベックマン(株)製 930型)を使用して測定した担持体の真の体積Vxから、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、N=3の平均値で求めた。
S(%)=(Vx-W/ρ)×100/(VA-W/ρ)・・・(1)
Vx:前記方法で測定されたサンプルの真の体積(cm)(担持体のサンプルを構成する樹脂の容積と、サンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
VA:測定に使用されたサンプルの重量を測定に使用されたサンプルの見かけ密度にて除した見掛け上の体積(cm
W:測定に使用されたサンプル全重量(g)
ρ:担持体を構成する樹脂の密度(g/cm
[平均粒子径]
平均粒子径は、個々の柱状体の担持体の、最大高さをノギスなどを用いて測定し、その平均値(N=3)を算出したものである。
[算術平均高さ(Sa)]
算術平均高さ(Sa)は、デジタルマイクロスコープVHX-7000(非接触式)にて撮像した担持体の側面の3D画像から解析ソフト(VHX-H5M)を用いて特定した。なお、3D画像は、L-フィルター(カットオフ値:0.25mm)をかけて形状を平らに補正したものを使用した。
[重量減少率]
各担持体3 mlと粉砕対象となる10 mm角で長さ60 mmの試験片(ネオマフォーム、旭化成製)とを、水35 mlを入れた胴径φ40 mm、高さ120 mmのサンプル瓶の中に、撹拌子とともに投入し、マグネットスターラーにて攪拌速度1,000 rpmの条件で攪拌試験を行い、1時間ごとに試験片をサンプル瓶から取り出し、十分に乾燥させたのちに重量を測定し、下記式(2)から算出した重量減少率:W(%)の値より評価した。
W(%)=(wb-wa)×100/(wa)・・・(2)
但し、上記式(2)中のwa、wbはそれぞれ以下の通りである。
wa:試験開始前の試験片重量(g)
wb:試験開始1時間後の試験片重量(g)
試験数はn=3とした。
[生ごみ分解試験]
生ごみ分解試験は生ごみ処理機SINKPIA GJ-20(シンクピアジャパン製)を使用して、処理機内に微生物を定着させた担持体(20L)と4等分したキャベツ(2.5kg)を投入後、処理機内で2日間攪拌後に処理機内のキャベツの残渣より重量を測り、下記式(3)より算出した分解率:C(%)の値より生ごみの分解性能を評価した。
C(%)=(A-B)×100/(A)・・・(3)
但し、上記式(2)中のA、Bはそれぞれ以下の通りである。
A:試験開始前のキャベツ重量(g)
B:試験開始48時間後の処理機内キャベツ残渣(g)
生ごみ分解性能の評価基準は以下の通りとである。
上記式(3)より算出した試験開始から2日後のキャベツの分解率が80%以上であり、キャベツの芯部分が残存していない場合・・・◎
上記式(3)より算出した試験開始から2日後のキャベツの分解率が80%以上であるが、キャベツの芯部分が一部残存している場合・・・〇
上記式(3)より算出した試験開始から2日後のキャベツの分解率が80%以下の場合・・・×
[担持体断面のタイプCデュロメータ硬さ]
該担持体断面のタイプCデュロメータ硬さは、JIS K7312(1996年)に基づき、タイプCデュロメータ(アスカーC型硬度計)を用いて測定される硬さを意味し、担持体断面の、気泡膜部分を測定した値である。
[担持体の側面部分の表面状態]
柱状の担持体の側面部分の表面の電子顕微鏡写真(10000倍)を撮影した。得られた写真において、100μmの面積中における、最大直径0.3~3μmの孔の数を計測した。基材樹脂として澱粉ポリエステルをもちいた、実施例4~6において、孔の径性が確認された。実施例4では42個/100μm、実施例5では58個/100μm、実施例6では42個/100μmであった。
実施例1~7では、生分解度が60%以上であることから、生分解が可能であった。一方で、比較例1では、生分解度が0%であることから、担持体の生分解性に劣るものであった。また、比較例2では、生ごみに含まれる水分や生ごみ分解時に発生する水によって担持体が溶解してしまい、食品廃棄物の分解性能を発揮できなかった。

Claims (5)

  1. 熱可塑性デンプン及び/又は脂肪族ポリエステルを基材樹脂とし、JIS K6953に基づく生分解性試験における生分解度が60%以上である、柱状の食品廃棄物処理用生物担持体。
  2. 前記微生物担体の表面における、表面凹凸の算術平均高さ(Sa)が2.4μm以上である、請求項1に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
  3. 前記微生物担体の見掛け密度が400kg/m以上800kg/m以下である、請求項1または2に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
  4. 前記微生物担体の高さ方向に対して垂直に切断した場合における断面の形状が多角形状である、請求項1または2に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。
  5. 前記熱可塑性デンプン又は脂肪族ポリエステルの、ASTM D6866に基づく植物度が40%以上である、請求項1または2に記載の食品廃棄物処理用微生物担持体。

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