JP2024034055A - 軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材 - Google Patents

軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材 Download PDF

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Abstract

Figure 2024034055000001
【課題】製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材を提供する。
【解決手段】軸受用リング部材の製造方法は、円筒状の本体部24、及び本体部24における軸方向の一端から径方向の一方側に延在する円環板状のフランジ部25を有する第1部材21と、円環板状の第2部材22と、を用意する用意工程と、フランジ部25と第2部材22とが軸方向において互いに向かい合うように配置された状態で、本体部24における軸方向の他端24bと第2部材22とを摩擦接合により接合する接合工程と、を含む。
【選択図】図11

Description

本発明は、軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材に関する。
軸受用リング部材(例えば軸受の内輪、外輪)の製造方法として、プレス工程や切削工程、熱処理工程等を経て軸受用リング部材を製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2021-50405号公報
上述したような軸受用リング部材の製造には、製造工程の容易化や、製造コストの低減が求められる。
そこで、本発明は、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材を提供することを目的とする。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[1]「円筒状の本体部、及び前記本体部における軸方向の一端から径方向の一方側に延在する円環板状のフランジ部を有する第1部材と、円環板状の第2部材と、を用意する用意工程と、前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合うように配置された状態で、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合する接合工程と、を含む、軸受用リング部材の製造方法」である。
[1]の軸受用リング部材の製造方法では、円筒状の本体部及び円環板状のフランジ部を有する第1部材と、円環板状の第2部材とが摩擦接合により接合されることにより、軸受用リング部材が製造される。このように板状部分からなる第1部材及び第2部材を接合して軸受用リング部材を製造することで、例えば特許文献1に記載の方法のように1つの素材を加工して軸受用リング部材の形状に作り込む場合と比べて、製造工程を容易化することができる。また、[1]の軸受用リング部材の製造方法では、板状部分からなる第1部材及び第2部材を接合することにより軸受用リング部材を製造するため、例えば他の部品や製品を製造する際に生じる、本来廃棄される板材を第1部材及び第2部材を形成するための素材として用いることできる。そのため、材料コストを低減することが可能となり、ひいては製造コストを低減することが可能となる。よって、[1]の軸受用リング部材の製造方法によれば、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[2]「前記用意工程では、円筒状の少なくとも1つの第3部材を更に用意し、前記接合工程では、前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合うように配置され、かつ前記本体部に対して径方向の前記一方側に前記第3部材が配置された状態で、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合すると共に、前記第3部材と前記フランジ部及び前記第2部材とを摩擦接合により接合する、[1]に記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、強度が高められた軸受用リング部材を製造することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[3]「前記接合工程では、前記第3部材における径方向の他方側の表面と前記本体部とを摩擦接合により接合する、[2]に記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、一層強度が高められた軸受用リング部材を製造することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[4]「前記接合工程では、摩擦接合において発生する熱により、前記第1部材及び前記第2部材を、オーステナイト化する変態点以上の温度に加熱する、[1]~[3]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、摩擦接合において発生する熱により焼入れを行うことができ、例えば燃焼炉や電気炉を用いて焼入れを行う場合と比べて、使用電力量を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができると共に、環境負荷を低減することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[5]「前記接合工程では、軸方向に平行な軸線を中心として前記第1部材及び前記第2部材の一方を回転させることにより、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合する、[1]~[4]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、摩擦接合を好適に実施することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[6]「前記接合工程では、各々が中心線を有して前記中心線を中心として回転可能な複数のローラが用いられ、前記複数のローラによって径方向の前記一方側から前記第3部材を押さえた状態で、摩擦接合が実施される、[2]又は[3]に記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、摩擦接合を好適に実施することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[7]「前記用意工程は、前記第1部材を形成する第1部材形成工程を含み、前記第1部材形成工程は、円板状の部材を打ち抜くことにより円環板状の加工部材を得る打ち抜き工程と、前記加工部材における径方向の他方側の部分を径方向の前記一方側の部分に対して立ち上がるように変形させるバーリング工程と、前記バーリング工程後の前記加工部材の断面方向を90度変化させることにより、前記本体部及び前記フランジ部を有する前記第1部材を得る反転工程と、を含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載のリング部材の製造方法」であってもよい。この場合、円板状の部材から第1部材を得ることができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[8]「前記用意工程は、前記第3部材を形成する第3部材形成工程を含み、前記第3部材形成工程は、円板状の部材を打ち抜くことにより円環板状の加工部材を得る打ち抜き工程と、前記打ち抜き工程後の前記加工部材の断面方向を90度変化させることにより、前記第3部材を得る反転工程と、を含む、[2]又は[3]に記載のリング部材の製造方法」であってもよい。この場合、円板状の部材から第3部材を得ることができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[9]「前記フランジ部は、前記本体部から径方向の外側に延在している、[1]~[8]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、軸受用リング部材として内輪を製造することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[10]「前記フランジ部は、前記本体部から径方向の内側に延在している、[1]~[8]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、軸受用リング部材として外輪を製造することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[11]「前記用意工程では、他の部品又は製品の製造時に生じた板材から前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方を形成する、[1]~[10]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、製造コストを低減することができる。
本発明の軸受用リング部材の製造方法は、[12]「前記用意工程では、コイル材の先端部又は終端部から前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方を形成する、[1]~[11]のいずれか1つに記載の軸受用リング部材の製造方法」であってもよい。この場合、製造コストを低減することができる。
本発明の軸受用リング部材は、[13]「円筒状の本体部、及び前記本体部における軸方向の一端から径方向の一方側に延在する円環板状のフランジ部を有する第1部材と、円環板状の第2部材と、を備え、前記本体部における軸方向の他端が前記第2部材に接合され、前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合っている、軸受用リング部材」である。
[13]の軸受用リング部材は、円筒状の本体部及び円環板状のフランジ部を有する第1部材と、円環板状の第2部材とが接合されることにより製造され得る。板状部分からなる第1部材及び第2部材を接合して軸受用リング部材を製造する場合、例えば特許文献1に記載の方法のように1つの素材を加工して軸受用リング部材の形状に作り込む場合と比べて、製造工程を容易化することができる。また、板状部分からなる第1部材及び第2部材を接合して軸受用リング部材を製造する場合、例えば他の部品や製品を製造する際に生じる、本来廃棄される板材を第1部材及び第2部材を形成するための素材として用いることできる。そのため、材料コストを低減することが可能となり、ひいては製造コストを低減することが可能となる。よって、[13]の軸受用リング部材によれば、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の軸受用リング部材は、[14]「前記第1部材の前記本体部に対して径方向の前記一方側に配置された円筒状の少なくとも1つの第3部材を更に備え、前記第3部材における軸方向の一端は、前記第1部材の前記フランジ部に接合されており、前記第3部材における軸方向の他端は、前記第2部材に接合されている、[13]に記載の軸受用リング部材」であってもよい。この場合、軸受用リング部材の強度を高めることができる。
本発明の軸受用リング部材は、[15]「前記第3部材における径方向の他方側の表面は、前記第1部材の前記本体部に接合されている、[14]に記載の軸受用リング部材」であってもよい。この場合、軸受用リング部材の強度を一層高めることができる。
本発明の軸受用リング部材は、[16]「前記少なくとも1つの第3部材は、絶縁材料により形成された円筒状の部材を含んでいる、[14]又は[15]に記載の軸受用リング部材」であってもよい。この場合、当該絶縁材料により形成された部材によって軸受用リング部材における電気の流れを抑制することができる。その結果、例えば電気自動車において軸受が用いられる場合に、電気が流れて電食が発生することを抑制することができる。
本発明の軸受用リング部材は、[17]「前記第1部材の前記本体部と前記第3部材との間には、隙間が形成されている、[14]に記載の軸受用リング部材」であってもよい。この場合、隙間が絶縁領域として機能することで、軸受用リング部材における電気の流れを抑制することができる。その結果、例えば電気自動車において軸受が用いられる場合に、電気が流れて電食が発生することを抑制することができる。また、隙間が形成されていることで軸受用リング部材を軽量化することができ、例えば電気自動車において軸受が用いられる場合に燃費効率を向上することができる。
本発明の軸受用リング部材は、[18]「前記第1部材の前記本体部と前記第3部材との間に配置され、前記第3部材を前記径方向の前記一方側に向けて付勢する付勢部材を更に備える、[14]に記載の軸受用リング部材」であってもよい。この場合、第3部材に付勢力を作用させることができ、自動調心機能を実現することができる。自動調心機能は、軸受により接続される軸の間にミスアライメントが生じている場合に有効である。
本発明によれば、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる軸受用リング部材の製造方法、及び軸受用リング部材を提供することが可能となる。
実施形態に係る軸受の断面図である。 内輪の一部を示す斜視図である。 第1部材形成工程、第2部材形成工程及び第3部材形成工程において用いられる素材について説明するための図である。 (a)及び(b)は、第1部材形成工程を説明するための図である。 (a)、(b)及び(c)は、第1部材形成工程を説明するための図である。 第2部材形成工程を説明するための図である。 (a)、(b)及び(c)は、第3部材形成工程を説明するための図である。 (a)及び(b)は、配置工程を説明するための図である。 (a)及び(b)は、配置工程を説明するための図である。 (a)及び(b)は、配置工程を説明するための図である。 接合工程を説明するための図である。 接合工程を説明するための図である。 (a)及び(b)は、冷却工程を説明するための図である。 第1変形例に係る軸受の断面図である。 第2変形例に係る軸受の断面図である。 第3変形例に係る軸受の断面図である。 第4変形例に係る軸受の断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、付勢部材の形成工程を説明するための図である。 第1~第3部材形成工程において用いられる素材について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[軸受の構成]
図1に示されるように、軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数のころ4と、を備えている。軸受1は、例えば、搬送用コンベアにおいてローラを回転可能に保持するための軸受として用いられる。あるいは、軸受1は、台車において車輪を回転可能に保持するための軸受として用いられてもよい。内輪2及び外輪3の各々は、軸受1において用いられる軸受用リング部材である。内輪2は、全体として略円環状(リング状)に形成されており、外周面として円筒状の軌道面2aを有している。外輪3は、全体として略円環状(リング状)に形成されており、内周面として円筒状の軌道面3aを有している。内輪2及び外輪3の詳細については後述する。外輪3は径方向において内輪2の外側に配置されており、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間には複数のころ4が配置されている。
ころ4は、この例では円筒ころである。複数のころ4は、周方向に沿って並んでいる。複数のころ4は、例えば、周方向に隣り合うころ4間の間隔が一定となるように、保持器(図示省略)によって保持されている。軸受1の使用時には、各ころ4が外周面において軌道面2a及び軌道面3a上を転動する。なお、図1では周方向に垂直な一の断面が示されているが、軸受1は周方向に関して一様な形状を有している。
図1及び図2に示されるように、内輪2は、第1部材21と、第2部材22と、複数(この例では3つ)の第3部材23と、を有している。第1部材21、第2部材22及び第3部材23は、例えば、SUJ2材(C1%)、SK85材(C0.85%)等の高炭素鋼の鉄鋼材料により形成されている。第1部材21は、円筒状の本体部24と、円環板状のフランジ部25とを有している。フランジ部25は、本体部24における軸方向の一端24aから径方向の外側(一方側)に向けて、径方向と平行に延在している。本体部24及びフランジ部25は、軸方向に平行な中心線Aを共通に有している。
第2部材22は、円環板状に形成されている。第2部材22の中心線は、中心線Aと一致している。第2部材22には、第1部材21の本体部24が接合されている。より具体的には、第2部材22における径方向の内側(他方側)の端部22aに、本体部24における軸方向の他端24bが接合されている。軸方向における端部22aの内面に、本体部24の他端24b(本体部24における軸方向の端面)が接合されている。第2部材22は、軸方向において第3部材23を介して第1部材21のフランジ部25と向かい合っている。この例では、第2部材22は、径方向と平行に(フランジ部25と平行に)延在している。
各第3部材23は、円筒状に形成されている。第3部材23の中心線は、中心線Aと一致している。複数の第3部材23は、第1部材21の本体部24に対して径方向の外側に配置されている。軸方向において、複数の第3部材23は、第1部材21のフランジ部25と第2部材22との間に配置されている。
複数の第3部材23は、第1部材21の本体部24に近い側(径方向の内側)から順に、第3部材23A、第3部材23B、第3部材23Cを含んでいる。第3部材23Aの内径は第3部材23Bの内径よりも小さく、第3部材23Bの内径は第3部材23Cの内径よりも小さい。第3部材23A,23B,23Cにおける軸方向の一端23Aa,23Ba,23Caは、第1部材21のフランジ部25に接合されている。第3部材23A,23B,23Cにおける軸方向の他端23Ab,23Bb,23Cbは、第2部材22に接合されている。
この例では、第3部材23Aにおける径方向の内側の表面(内周面)は、第1部材21の本体部24に接合されている。また、隣り合う第3部材23A,23Bが互いに接合されていると共に、隣り合う第3部材23B,23Cが互いに接合されている。第3部材23Cにおける径方向の外面は、内輪2の軌道面2aとして機能する。第1部材21のフランジ部25及び第2部材22は、軌道面2aに対して径方向の外側に突出している。これにより、フランジ部25と第2部材22との間に、ころ4を配置するための空間が形成されている。
図1に示されるように、外輪3は、第1部材31と、第2部材32と、複数(この例では3つ)の第3部材33と、を有している。第1部材31、第2部材32及び第3部材33は、例えば内輪2の第1部材21、第2部材22及び第3部材23と同一の鉄鋼材料により形成されている。この例では、外輪3は、径方向に関して内輪2と対称な外形状を有している。第1部材31は、円筒状の本体部34と、円環板状のフランジ部35とを有している。フランジ部35は、本体部34における軸方向の一端34aから径方向の内側(一方側)に向けて、径方向と平行に延在している。本体部34及びフランジ部35は、軸方向に平行な中心線Aを共通に有している。
第2部材32は、円環板状に形成されている。第2部材32の中心線は、中心線Aと一致している。第2部材32には、第1部材31の本体部34が接合されている。より具体的には、第2部材32における径方向の外側(他方側)の端部32aに、本体部34における軸方向の他端34bが接合されている。軸方向における端部32aの内面に、本体部34の他端34b(本体部34における軸方向の端面)が接合されている。第2部材32は、軸方向において第3部材33を介して第1部材31のフランジ部35と向かい合っている。この例では、第2部材32は、径方向と平行に(フランジ部35と平行に)延在している。
各第3部材33は、円筒状に形成されている。第3部材33の中心線は、中心線Aと一致している。複数の第3部材33は、第1部材31の本体部34に対して径方向の内側に配置されている。軸方向において、複数の第3部材33は、第1部材31のフランジ部35と第2部材32との間に配置されている。
複数の第3部材33は、第1部材31の本体部34に近い側(径方向の外側)から順に、第3部材33A、第3部材33B、第3部材33Cを含んでいる。第3部材33Aの内径は第3部材33Bの内径よりも大きく、第3部材33Bの内径は第3部材33Cの内径よりも大きい。第3部材33A,33B,33Cにおける軸方向の一端33Aa,33Ba,33Caは、第1部材31のフランジ部35に接合されている。第3部材33A,33B,33Cにおける軸方向の他端33Ab,33Bb,33Cbは、第2部材32に接合されている。
この例では、第3部材33Aにおける径方向の外側の表面(外周面)は、第1部材31の本体部34に接合されている。また、隣り合う第3部材33A,33Bが互いに接合されていると共に、隣り合う第3部材33B,33Cが互いに接合されている。第3部材33Cにおける径方向の内面は、外輪3の軌道面3aとして機能する。第1部材31のフランジ部35及び第2部材32は、軌道面2aに対して径方向の内側に突出している。これにより、フランジ部35と第2部材32との間に、ころ4を配置するための空間が形成されている。
[内輪の製造方法]
図3~図12を参照しつつ、内輪2の製造方法を説明する。以下では内輪2の製造方法を説明するが、後述のとおり外輪3についても同様の製造方法により製造され得る。内輪2の製造方法は、第1部材21、第2部材22及び第3部材23を用意する用意工程と、それらを所定の状態、位置に配置する配置工程と、それらを接合する接合工程と、を含んでいる。用意工程は、第1部材21を形成する第1部材形成工程と、第2部材22を形成する第2部材形成工程と、第3部材23を形成する第3部材形成工程と、を含んでいる。
第1部材形成工程、第2部材形成工程及び第3部材形成工程では、円板状の部材13が共通の素材として用いられる。図3に示されるように、この例では、他の部品や製品(例えばニードル軸受)の製造時に生じた円板状の部材13が素材として用いられる。例えば、ニードル軸受の製造時には、コイル材を伸ばして得られる板状の部材11に順送プレス加工を施すことにより、板状の部材11から円環板状の部材12が形成される。この円環板状の部材12の形成の際には、円環板状の部材12における中央の空洞部に対応した形状の円板状の部材13が得られる。この円板状の部材13は本来であればスクラップとして廃棄されるが、本実施形態の内輪2の製造方法では、当該円板状の部材13を第1部材21、第2部材22、及び第3部材23を形成するための素材として利用する。そのため、材料コストを低減することが可能となり、ひいては製造コストを低減することが可能となる。以下、第1部材形成工程、第2部材形成工程、第3部材形成工程の順に説明するが、これらの工程を実施する順序はこれに限られず、任意の順序で実施されてよい。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、第1部材形成工程では、まず、円板状の部材13の中央部を打ち抜いて外側部を残すことにより、円環板状の加工部材41を得る(打ち抜き工程)。続いて、図5(a)に示されるように、加工部材41にバーリング加工を施し、加工部材41における径方向の内側部分42を径方向の外側部分43に対して立ち上がるように変形させる(バーリング工程)。バーリング工程では、例えば加工部材41を一対のダイスによって軸方向に沿って挟み込んで固定した状態で、パンチによって内側部分42を押圧することにより、内側部分42を外側部分43に対して立ち上がるように変形させる。
続いて、図5(b)に示されるように、加工部材41に反転加工を施して加工部材41の断面方向を90度変化させることにより、本体部24及びフランジ部25を有する第1部材21を得る(反転工程)。反転工程では、例えばパンチとダイスとによって加工部材41を軸方向に沿って挟み込むことにより、加工部材41の断面方向を90度変化させる。これにより、加工部材41の内側部分42がフランジ部25となり、外側部分43が本体部24となる。
続いて、第1部材21の径を調整する(径調整工程)。例えば、図5(c)に示されるように、第1部材21の径(内径)が所定の大きさとなるように、第1部材21の径を拡大させる。図5(c)では、径を調整する前の第1部材21が破線で示されている。或いは、第1部材21の径が所定の大きさとなるように、第1部材21の径を縮小させてもよい。以上の工程により、所定の大きさの径を有する第1部材21が形成される。
図6に示されるように、第2部材形成工程では、円板状の部材13の中央部及び外側部を打ち抜いて中間部を残すことにより、円環板状の第2部材22を得る(打ち抜き工程)。これにより、所定の大きさの径を有する第2部材22が形成される。
図7(a)に示されるように、第3部材形成工程では、まず、円板状の部材13の中央部及び外側部を打ち抜いて中間部を残すことにより、円環板状の加工部材45を得る(打ち抜き工程)。続いて、図7(b)に示されるように、加工部材45に反転加工を施して加工部材45の断面方向を90度変化させることにより、第3部材23を得る(反転工程)。反転工程では、例えばパンチとダイスとによって加工部材45を軸方向に沿って挟み込むことにより、加工部材45の断面方向を90度変化させる。
続いて、第3部材23の径を調整する(径調整工程)。例えば、図7(c)に示されるように、第3部材23の径(内径)が所定の大きさとなるように、第3部材23の径を拡大させる。図7(c)では、径を調整する前の第3部材23が破線で示されている。或いは、第3部材23の径が所定の大きさとなるように、第3部材23の径を縮小させてもよい。以上の工程により、所定の大きさの径を有する第3部材23が形成される。
本実施形態の第3部材形成工程では、第3部材23A、第3部材23B及び第3部材23Cの3つの部材が形成される。一連の第3部材形成工程においてそれら3つの部材が形成されるとみなすこともできるし、第3部材形成工程が3回実施されるとみなすこともできる。径調整工程において異なる大きさに第3部材23の径を調整することにより、互いに径が異なる第3部材23A、第3部材23B及び第3部材23Cを形成することができる。
図8~図11を参照しつつ、第1部材21、第2部材22及び第3部材23を所定の状態、位置に配置する配置工程について説明する。配置工程では、まず、第1部材21に対して第3部材23を配置する(第3部材配置工程)。具体的には、まず、図8に示されるように、第1部材21の本体部24に対して第3部材23Aを圧入する。例えば、圧入前の時点において第3部材23Aの内径は本体部24の外径よりもわずかに大きくなるように設定されており、軸方向におけるフランジ部25とは反対側から本体部24に対して第3部材23Aを嵌め込んで圧入する。
続いて、図9に示されるように、第3部材23Aに対して第3部材23Bを圧入する。例えば、圧入前の時点において第3部材23Bの内径は第3部材23Aの外径よりもわずかに大きくなるように設定されており、軸方向におけるフランジ部25とは反対側から第3部材23Aに対して第3部材23Bを嵌め込んで圧入する。続いて、図10に示されるように、第3部材23Bに対して第3部材23Cを圧入する。例えば、圧入前の時点において第3部材23Cの内径は第3部材23Bの外径よりもわずかに大きくなるように設定されており、軸方向におけるフランジ部25とは反対側から第3部材23Bに対して第3部材23Cを嵌め込んで圧入する。
第3部材配置工程に続いて、図11に示されるように、本体部24及び第3部材23A~23Cにおける軸方向の端部と接触し、且つ第3部材23A~23Cを介してフランジ部25と向かい合うように、圧入により互いに固定された第1部材21及び第3部材23A~23C上に第2部材22を配置(載置)する(第2部材配置工程)。これにより、フランジ部25と第2部材22とが軸方向において互いに向かい合うように配置され、かつ本体部24に対して径方向の外側に第3部材23A~23Cが配置された状態となる。
図11及び図12を参照しつつ、第1部材21、第2部材22及び第3部材23を接合する接合工程について説明する。図11及び図12では、断面を示すハッチングが省略されている。接合工程では、第1部材21(フランジ部25)が一対のチャック部61により径方向に沿って挟み込んで固定(チャック)されると共に、第2部材22が一対のチャック部62により径方向に沿って挟み込んで固定(チャック)される。チャック部61,62は、例えば周方向に沿って等間隔で並んで配置された複数の押さえ部材によって構成されており、外径側の部材又は内径側の部材が径方向に移動可能となっている。チャック部62は軸方向に平行な軸線周りに回転可能となっている。この例では、当該軸線は第1部材21等の中心線Aと一致している。
また、径方向における第3部材23Cの外側には、複数のローラ63が配置される。複数のローラ63は、径方向に等間隔で並んで配置される。各ローラ63は、軸方向に平行な中心線63aを有し、中心線63aを中心として回転可能となっている。各ローラ63は、径方向の外側から第3部材23Cを押さえる。
この状態で、チャック部61の位置を固定したまま、チャック部62を軸線周りに回転させる。この際には、図11に矢印ARで示されるように、例えば押圧部材によって第2部材22を第3部材23側に向けて押圧した状態で、チャック部62を回転させる。チャック部62を回転させることにより、第2部材22が回転する。これにより、第2部材22と第1部材21の本体部24の他端24bとの間、及び第2部材22と第3部材23A~23Cの他端23Ab~23Cbとの間の接触箇所において、滑り摩擦により熱が発生する。図11には、当該摩擦による発熱箇所が破線P1で示されている。
また、上述したとおり第3部材23A~23Cは圧入により固定されているが、第2部材22が回転すると、供回り(連れ回り)により第3部材23A~23Cが隣接する部材に対して滑る(回転する)。これにより、第3部材23Aの内周面と第1部材21の本体部24の外周面との間、第3部材23Aの外周面と第3部材23Bの内周面との間、及び第3部材23Bの外周面と第3部材23Cの内周面との間の接触箇所において、滑り摩擦により熱が発生する。図11には、当該摩擦による発熱箇所が破線P2で示されている。上述したとおり第3部材23Cは径方向の外側からローラ63によって押さえられているため、第3部材23Cが回転するとローラ63もそれに伴って回転する。
また、第3部材23A~23Cが回転すると、第3部材23A~23Cの一端23Aa~23Caと第1部材21のフランジ部25との間の接触箇所において、滑り摩擦により熱が発生する。図11には、当該摩擦による発熱箇所が破線P3で示されている。
図12に示されるように、第2部材22を回転させ続けると、上記摩擦により発生した摩擦熱により、第1部材21、第2部材22及び第3部材23の全体が高温化し、オーステナイト化する変態点以上の温度となる。図12には、高温化する範囲が破線P4で示されている。この変態点はA3変態点又はACM変態点であり、例えば800℃~900℃程度である。すなわち、接合工程では、第1部材21、第2部材22及び第3部材23が、例えば900℃以上に加熱される。このとき、第1部材21の本体部24の他端24bと第2部材22とが圧接され、摩擦接合により接合される。第3部材23A~23Cの他端23Ab~23Cbと第2部材22とが圧接され、摩擦接合により接合される。第3部材23Aの内周面と第1部材21の本体部24の外周面との間、第3部材23Aの外周面と第3部材23Bの内周面との間、及び第3部材23Bの外周面と第3部材23Cの内周面との間でも圧接による摩擦接合が生じ、それらが互いに接合される。第3部材23A~23Cの一端23Aa~23Caと第1部材21のフランジ部25とが圧接され、摩擦接合により接合される。以上により第1部材21、第2部材22及び第3部材23が接合されて一体化され、内輪2となる。
続いて、図13に示されるように、高温化した内輪2を冷却液65に浸し、焼入れを行う(冷却工程、焼入工程)。急冷することで材料中のパーライトがマルテンサイトに変態し、硬さが高められる。続いて、軌道面(外周面)2a及び内周面に研削加工を施した後に、軌道面2aに研磨加工を施す。以上の工程により内輪2が得られる。外輪3についても内輪2と同様の製造方法により製造され得る。
[作用及び効果]
以上説明したように、実施形態に係る内輪2の製造方法では、円筒状の本体部24及び円環板状のフランジ部25を有する第1部材21と、円環板状の第2部材22とが摩擦接合により接合されることにより、内輪2が製造される。このように板状部分からなる第1部材21及び第2部材22を接合して内輪2を製造することで、例えば特許文献1に記載の方法のように1つの素材を加工して内輪2の形状に作り込む場合と比べて、製造工程を容易化することができる。また、実施形態に係る内輪2の製造方法では、板状部分からなる第1部材21及び第2部材22を接合することにより内輪2を製造するため、例えば他の部品や製品を製造する際に生じる、本来廃棄される板材(上記実施形態では円板状の部材13)を第1部材21及び第2部材22を形成するための素材として用いることできる。そのため、材料コストを低減することが可能となり、ひいては製造コストを低減することが可能となる。よって、実施形態に係る内輪2の製造方法によれば、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。
接合工程では、フランジ部25と第2部材22とが軸方向において互いに向かい合うように配置され、かつ本体部24に対して径方向の外側(一方側)に第3部材23が配置された状態で、本体部24における軸方向の他端24bと第2部材22とを摩擦接合により接合すると共に、第3部材23とフランジ部25及び第2部材22とを摩擦接合により接合する。これにより、強度が高められた内輪2を製造することができる。
接合工程では、第3部材23における径方向の内側(他方側)の表面(内周面)と本体部24とを摩擦接合により接合する。これにより、一層強度が高められた内輪2を製造することができる。
接合工程では、摩擦接合において発生する熱により、第1部材21及び第2部材22を、オーステナイト化する変態点以上の温度に加熱する。これにより、摩擦接合において発生する熱により焼入れを行うことができ、例えば燃焼炉や電気炉を用いて焼入れを行う場合と比べて、使用電力量を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができると共に、環境負荷を低減することもできる。
この点についてより具体的に説明する。従来の軸受用リング部材の製造方法では、プレス工程、切削工程、熱処理工程、研削工程及び研磨工程を経て、軸受用リング部材が製造される。熱処理工程では、加熱により焼入れが行われる。この加熱は、化石燃料を燃料させる燃料炉や、電気を用いた電気炉により行われる。燃料炉は、化石燃料を燃料させるため二酸化炭素の排出量が多く、環境負荷が高い。電気炉は燃焼炉よりも二酸化炭素の排出量が少ないが、それでも電気の使用量は多く、他の工程と比べると環境負荷が高い。これに対し、実施形態に係る内輪2(軸受用リング部材)の製造方法では、摩擦接合において発生する熱により焼入れを行うことができ、例えば燃焼炉や電気炉を用いて焼入れを行う場合と比べて、使用電力量を低減することができる。例えば、実施形態に係る内輪2の製造方法では、加熱のための電気は、チャック部62を回転させるための電気のみであり、その量は例えば旋盤工程において使用される電気量と同程度である。したがって、実施形態に係る内輪2の製造方法によれば、製造コストを低減することができると共に、環境負荷を低減することができる。
接合工程では、軸方向に平行な軸線を中心として第2部材22を回転させることにより、本体部24における軸方向の他端24bと第2部材22とを摩擦接合により接合する。これにより、摩擦接合を好適に実施することができる。
接合工程では、複数のローラ63によって径方向の外から第3部材23を押さえた状態で、摩擦接合が実施される。これにより、摩擦接合を好適に実施することができる。
用意工程が、第1部材21を形成する第1部材形成工程を含み、第1部材形成工程が、円板状の部材13を打ち抜くことにより円環板状の加工部材41を得る打ち抜き工程と、加工部材41における径方向の内側部分42を径方向の外側部分43に対して立ち上がるように変形させるバーリング工程と、バーリング工程後の加工部材41の断面方向を90度変化させることにより、本体部24及びフランジ部25を有する第1部材21を得る反転工程と、を含んでいる。これにより、円板状の部材13から第1部材21を得ることができる。
用意工程が、第3部材23を形成する第3部材形成工程を含み、第3部材形成工程が、円板状の部材13を打ち抜くことにより円環板状の加工部材45を得る打ち抜き工程と、打ち抜き工程後の加工部材45の断面方向を90度変化させることにより、第3部材23を得る反転工程と、を含んでいる。これにより、円板状の部材13から第3部材23を得ることができる。
フランジ部25が、本体部24から径方向の外側に延在している。これにより、軸受用リング部材として内輪2を製造することができる。
用意工程では、他の部品又は製品の製造時に生じた円板状の部材13(板材)から第1部材21及び第2部材22が形成される。これにより、製造コストを低減することができる。
実施形態に係る内輪2は、円筒状の本体部24及び円環板状のフランジ部25を有する第1部材21と、円環板状の第2部材22とが接合されることにより製造され得る。板状部分からなる第1部材21及び第2部材22を接合して内輪2を製造する場合、例えば特許文献1に記載の方法のように1つの素材を加工して内輪2の形状に作り込む場合と比べて、製造工程を容易化することができる。また、板状部分からなる第1部材21及び第2部材22を接合して内輪2を製造する場合、例えば他の部品や製品を製造する際に生じる、本来廃棄される板材(上記実施形態では円板状の部材13)を第1部材21及び第2部材22を形成するための素材として用いることできる。そのため、材料コストを低減することが可能となり、ひいては製造コストを低減することが可能となる。よって、実施形態に係る内輪2によれば、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。
内輪2は、第1部材21の本体部24に対して径方向の外側に配置された円筒状の第3部材23A~23Cを備えており、第3部材23A~23Cにおける軸方向の一端23Aa~23Caが第1部材21のフランジ部25に接合されており、第3部材23A~23Cにおける軸方向の他端23Ab~23Cbが第2部材22に接合されている。これにより、内輪2の強度を高めることができる。
内輪2では、第3部材23における径方向の内側の表面(内周面)が、第1部材21の本体部24に接合されている。これにより、内輪2の強度を一層高めることができる。
[変形例]
図14に示される第1変形例の軸受1は、ニードル軸受として構成されている。すなわち、第1変形例ではころ4がニードル(針状)ころである。また、外輪3が円筒状に形成されている。この場合、外輪3は、例えば円環板状の部材に反転加工を施すことにより形成され得る。このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。
図15に示される第2変形例では、内輪2の第3部材23Bが、絶縁材料により形成されている。第3部材23Bを構成する絶縁材料としては例えばセラミックが挙げられる。この場合、第3部材23Bは、上述した第3部材形成工程とは異なる工程により用意される。同様に、外輪3の第3部材33Bも、絶縁材料により形成されている。このような第2変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。また、絶縁材料により形成された第3部材23Bによって内輪2及び外輪3における電気の流れを抑制することができる。その結果、例えば電気自動車において軸受1が用いられる場合に、電気が流れて電食が発生することを抑制することができる。
図16に示される第3変形例では、内輪2の複数の第3部材23が、第3部材23A及び第3部材23Bのみを含んでおり、第3部材23Cを含んでいない。第1部材21の本体部24と第3部材23Aとの間、及び第3部材23Aと第3部材23Bとの間には隙間Gが形成されている。すなわち、本体部24と第3部材23Aとは互いに接合されておらず、第3部材23Aと第3部材23Bとは互いに接合されていない。第1部材21のフランジ部25には円環状の溝部25aが形成されており、第3部材23A,23Bにおける軸方向の一端23Aa,23Baは溝部25aに配置されている。同様に、外輪3の複数の第3部材33が、第3部材33A及び第3部材33Bのみを含んでおり、第3部材33Cを含んでいない。第1部材31の本体部34と第3部材33Aとの間、及び第3部材33Aと第3部材33Bとの間には隙間Gが形成されている。第1部材31のフランジ部35には円環状の溝部35aが形成されており、第3部材33A,33Bにおける軸方向の他端33Ab,33Bbは溝部35aに配置されている。
このような第3変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。また、隙間Gが絶縁領域として機能することで、内輪2及び外輪3における電気の流れを抑制することができる。その結果、例えば電気自動車において軸受1が用いられる場合に、電気が流れて電食が発生することを抑制することができる。また、隙間Gが形成されていることで内輪2及び外輪3を軽量化することができ、例えば電気自動車において軸受1が用いられる場合に燃費効率を向上することができる。
図17に示される第4変形例では、内輪2が第3部材23を1つのみ有している。また、内輪2は、第1部材21の本体部24と第3部材23との間に配置された付勢部材51を有している。付勢部材51は、第3部材23を径方向の外側に向けて付勢している。これにより、第3部材23に所定の大きさの予圧が作用しており、第3部材23の外周面により構成された軌道面2aが径方向に若干移動することが可能となっている。付勢部材51は、全体としてリング状に形成されており、例えば周方向に垂直な断面において径方向の外側に向けて凸の湾曲した形状を呈している。付勢部材51は、摩擦接合により第1部材21の本体部24に接合されている。
付勢部材51の形成工程においては、まず、図18(a)に示されるように、円板状の部材13の中央部及び外側部を打ち抜いて中間部を残すことにより、円環板状の加工部材47を得る(打ち抜き工程)。続いて、図18(b)に示されるように、加工部材47にバーリング加工を施し、軸方向の一方側に向けて凸の湾曲した形状となるように加工部材47を変形させる(バーリング工程)。続いて、図18(c)に示されるように、加工部材47に反転加工を施して加工部材47の断面方向を90度変化させることにより、付勢部材51を得る(反転工程)。
第4変形例では、外輪3が第3部材33を1つのみ有している。また、外輪3は、第1部材31の本体部34と第3部材33との間に配置された付勢部材52を有している。付勢部材52は、第3部材33を径方向の内側に向けて付勢している。これにより、第3部材33に所定の大きさの予圧が作用しており、第3部材33の内周面により構成された軌道面3aが径方向に若干移動することが可能となっている。付勢部材52は、全体としてリング状に形成されており、例えば周方向に垂直な断面において径方向の内側に向けて凸の湾曲した形状を呈している。付勢部材52は、摩擦接合により第1部材31の本体部34に接合されている。付勢部材52についても付勢部材51と同様の工程により形成され得る。
このような第4変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造工程を容易化することができると共に、製造コストを低減することができる。また、第3部材23,33に付勢力を作用させることができ、自動調心機能を実現することができる。
本発明は、上記実施形態及び変形例に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
上記実施形態では他の部品や製品の製造時に生じた円板状の部材13が素材として用いられたが、円環板状の部材12とは異なる部材が素材として用いられてもよい。例えば、図19に示されるように、順送プレス加工において用いられる巻回されたコイル材48の先端部49aや終端部49bは通常は廃棄されるが、これらの先端部49aや終端部49bから円板状の部材を形成し、当該部材を第1~第3部材形成工程において素材として用いてもよい。この場合にも、製造コストを低減することができる。なお、第1~第3部材形成工程では本来廃棄される板材以外の板材が素材として用いられてもよい。
第3部材23は設けられなくてもよく、例えば内輪2は第1部材21及び第2部材22のみにより構成されていてもよい。同様に、第3部材33は設けられなくてもよく、例えば外輪3は第1部材31及び第2部材32のみにより構成されていてもよい。
上記実施形態の接合工程ではチャック部61の位置を固定したままチャック部62を回転させて第2部材22を回転させたが、それとは逆に、チャック部62の位置を固定したままチャック部61を回転させて第1部材21を回転させてもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に摩擦接合を行うことができる。すなわち、接合工程では第1部材21及び第2部材22の一方を回転させればよい。上記実施形態ではチャック部62を軸線周りに回転させることにより摩擦接合が行われたが、第1部材21、第2部材22及び第3部材23が互いに相対移動して摩擦接合が行われればよく、相対移動の方法は上述した例に限られない。例えば、チャック部62(第2部材22)を軸方向と垂直な一方向に沿って往復移動させてもよいし、あるいは、チャック部62(第2部材22)を渦巻き状に移動させてもよい。
2…内輪(軸受用リング部材)、3…外輪(軸受用リング部材)、13…円板状の部材、21…第1部材、22…第2部材、23(23A,23B,23C)…第3部材、23Aa,23Ba,23Ca…一端、23Ab,23Bb,23Cb…他端、24…本体部、24a…一端、24b…他端、25…フランジ部、31…第1部材、32…第2部材、33(33A,33B,33C)…第3部材、33Aa,33Ba,33Ca…一端、33Ab,33Bb,33Cb…他端、34…本体部、34a…一端、34b…他端、35…フランジ部、41,45…加工部材、48…コイル材、49a…先端部、49b…終端部、51,52…付勢部材、63…ローラ、63a…中心線、G…隙間。

Claims (18)

  1. 円筒状の本体部、及び前記本体部における軸方向の一端から径方向の一方側に延在する円環板状のフランジ部を有する第1部材と、円環板状の第2部材と、を用意する用意工程と、
    前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合うように配置された状態で、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合する接合工程と、を含む、軸受用リング部材の製造方法。
  2. 前記用意工程では、円筒状の少なくとも1つの第3部材を更に用意し、
    前記接合工程では、前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合うように配置され、かつ前記本体部に対して径方向の前記一方側に前記第3部材が配置された状態で、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合すると共に、前記第3部材と前記フランジ部及び前記第2部材とを摩擦接合により接合する、請求項1に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  3. 前記接合工程では、前記第3部材における径方向の他方側の表面と前記本体部とを摩擦接合により接合する、請求項2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  4. 前記接合工程では、摩擦接合において発生する熱により、前記第1部材及び前記第2部材を、オーステナイト化する変態点以上の温度に加熱する、請求項1又は2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  5. 前記接合工程では、軸方向に平行な軸線を中心として前記第1部材及び前記第2部材の一方を回転させることにより、前記本体部における軸方向の他端と前記第2部材とを摩擦接合により接合する、請求項1又は2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  6. 前記接合工程では、各々が中心線を有して前記中心線を中心として回転可能な複数のローラが用いられ、前記複数のローラによって径方向の前記一方側から前記第3部材を押さえた状態で、摩擦接合が実施される、請求項2又は3に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  7. 前記用意工程は、前記第1部材を形成する第1部材形成工程を含み、
    前記第1部材形成工程は、
    円板状の部材を打ち抜くことにより円環板状の加工部材を得る打ち抜き工程と、
    前記加工部材における径方向の他方側の部分を径方向の前記一方側の部分に対して立ち上がるように変形させるバーリング工程と、
    前記バーリング工程後の前記加工部材の断面方向を90度変化させることにより、前記本体部及び前記フランジ部を有する前記第1部材を得る反転工程と、を含む、請求項1又は2に記載のリング部材の製造方法。
  8. 前記用意工程は、前記第3部材を形成する第3部材形成工程を含み、
    前記第3部材形成工程は、
    円板状の部材を打ち抜くことにより円環板状の加工部材を得る打ち抜き工程と、
    前記打ち抜き工程後の前記加工部材の断面方向を90度変化させることにより、前記第3部材を得る反転工程と、を含む、請求項2又は3に記載のリング部材の製造方法。
  9. 前記フランジ部は、前記本体部から径方向の外側に延在している、請求項1又は2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  10. 前記フランジ部は、前記本体部から径方向の内側に延在している、請求項1又は2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  11. 前記用意工程では、他の部品又は製品の製造時に生じた板材から前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方を形成する、請求項1又2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  12. 前記用意工程では、コイル材の先端部又は終端部から前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方を形成する、請求項1又2に記載の軸受用リング部材の製造方法。
  13. 円筒状の本体部、及び前記本体部における軸方向の一端から径方向の一方側に延在する円環板状のフランジ部を有する第1部材と、
    円環板状の第2部材と、を備え、
    前記本体部における軸方向の他端が前記第2部材に接合され、前記フランジ部と前記第2部材とが軸方向において互いに向かい合っている、軸受用リング部材。
  14. 前記第1部材の前記本体部に対して径方向の前記一方側に配置された円筒状の少なくとも1つの第3部材を更に備え、
    前記第3部材における軸方向の一端は、前記第1部材の前記フランジ部に接合されており、前記第3部材における軸方向の他端は、前記第2部材に接合されている、請求項13に記載の軸受用リング部材。
  15. 前記第3部材における径方向の他方側の表面は、前記第1部材の前記本体部に接合されている、請求項14に記載の軸受用リング部材。
  16. 前記少なくとも1つの第3部材は、絶縁材料により形成された円筒状の部材を含んでいる、請求項14又は15に記載の軸受用リング部材。
  17. 前記第1部材の前記本体部と前記第3部材との間には、隙間が形成されている、請求項14記載の軸受用リング部材。
  18. 前記第1部材の前記本体部と前記第3部材との間に配置され、前記第3部材を前記径方の前記一方側に向けて付勢する付勢部材を更に備える、請求項14に記載の軸受用リング部材。
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