JP2024017248A - シフト切替装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することが可能なシフト切替装置を提供する。【解決手段】このシフト切替装置100は、シフト切替部材1と、モータ5と、位置決め部2と、減速機構7と、出力軸6とを備える。減速機構7は、モータ側端部72aと、出力側端部72bとを有し、モータ5から伝達されたトルクを減速する第1リンク72と、第1リンク72のモータ側端部72aが接続されるリンク側ギヤ71cとを含む。第1リンク72は、位置決め部2がパーキング位置に対応する最深谷部11から抜ける際に出力軸5に発生させるトルクが、他のシフト位置に対応する他の谷部から抜ける際に出力軸5に発生させるトルクよりも大きいトルクになるように、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置と、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さとが調整されている。【選択図】図2
Description
本発明は、シフト切替装置に関し、特に、モータを備えるシフト切替装置に関する。
従来、モータを備えるシフト切替装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ロータリーソレノイド(モータ)を備えるシフトアクチュエータ(シフト切替装置)が開示されている。このシフトアクチュエータは、前進5段、および、後進1段の歯車機構を有する変速機において、第5速と、第4速と、第5速と第4速との間のニュートラルとを切り替える装置である。シフトアクチュエータは、入力軸と、リンク機構と、出力軸とを備えている。入力軸は、ロータリーソレノイドに接続されている。入力軸は、ロータリーソレノイドの駆動力(トルク)により回動するように構成されている。リンク機構は、ニュートラル位置において、入力軸の回動を減速させて出力軸に伝達するように構成されている。出力軸は、リンク機構から伝達されたトルクにより回動して、第5速とニュートラル位置と第4速とを切り替えるように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1のシフトアクチュエータでは、ニュートラル位置において入力軸の回動がリンク機構により減速されて出力軸に伝達されるが、パーキング位置において入力軸の回動がリンク機構により減速されて出力軸に伝達されない。このため、上記特許文献1のシフトアクチュエータでは、たとえば、坂道においてパーキング位置から他のシフト位置に切り替えて発進する場合など、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替える際に大きなトルクを出力軸に伝達する必要がある場合、リンク機構において減速されないことに起因してロータリーソレノイドから入力軸に伝達されたトルクを増大させることができないので、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクが不足してしまうという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することが可能なシフト切替装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるシフト切替装置は、複数のシフト位置の各々に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、ロータとステータとを含み、シフト切替部材を駆動させるモータと、シフト切替部材の複数の谷部のいずれかを押圧して嵌まり込んだ状態で複数のシフト位置の各々を成立させるための位置決め部と、モータに接続され、モータのトルクを減速させる減速機構と、減速機構の出力側に接続され、減速機構により減速されたモータのトルクをシフト切替部材に伝達する出力軸とを備え、減速機構は、モータから伝達されたトルクにより回動する一端部であるモータ側端部と、モータ側端部の回動に伴って回動する他端部である出力側端部とを有し、モータから伝達されたトルクを減速する第1リンクと、第1リンクのモータ側端部が接続され、モータから伝達されたトルクにより回動するリンク側ギヤとを含み、第1リンクは、位置決め部が複数の谷部のうちのパーキング位置に対応する最深谷部から抜ける際に出力軸に発生させるトルクが、パーキング位置以外の他のシフト位置に対応する複数の谷部のうちの他の谷部から抜ける際に出力軸に発生させるトルクよりも大きいトルクになるように、リンク側ギヤとモータ側端部との接続位置と、モータ側端部から出力側端部までの長さとが調整されている。
この発明の第1の局面におけるシフト切替装置では、上記のように、第1リンクにおいて、位置決め部が複数の谷部のうちのパーキング位置に対応する最深谷部から抜ける際に出力軸に発生させるトルクが、他のシフト位置に対応する他の谷部から抜ける際に出力軸に発生させるトルクよりも大きいトルク(抜けトルク)になるように、リンク側ギヤとモータ側端部との接続位置と、モータ側端部から出力側端部までの長さとを調整する。これにより、リンク側ギヤとモータ側端部との接続位置と、モータ側端部から出力側端部までの長さとが調整された第1リンクにより、たとえば、急な坂道での停車などの大きな負荷がシフト切替部材に加えられる場合においてパーキング位置から他のシフト位置に切り替えて発進する際、モータの回転を減速させて出力軸に発生させるトルクを抜けトルクまで大きくすることができるので、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することができる。また、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替える際に大きな負荷がシフト切替部材に加えられてシフトの切り替えが困難になった場合でも、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを確実に切り替えることができる。
上記第1の局面によるシフト切替装置において、好ましくは、減速機構は、第1リンクの出力側端部が接続され、第1リンクから伝達されたトルクを出力軸に伝達する第2リンクをさらに含み、第1リンクは、リンク側ギヤの回動に伴ってモータ側端部が回動するとともに、出力側端部が回動することにより、第2リンクを介して出力軸にトルクを発生させるように構成されている。
このように構成すれば、リンク側ギヤを介して第1リンクに伝達されたモータのトルクが、モータ側端部の回動位置と出力側端部の回動位置とにより変化する第1リンクにおけるリンク側ギヤと第2リンクとを接続する姿勢によって、第1リンクから第2リンクに伝達される際に変化するので、減速機構の減速比を変化させることができる。
上記第1の局面によるシフト切替装置において、好ましくは、減速機構は、位置決め部がパーキング位置に対応する最深谷部から抜ける際、リンク側ギヤを回動させる際に生じる力の方向と出力側端部からモータ側端部に向かう方向とのモータ側相対角度と、出力軸を回動させる際に生じる力の方向と出力側端部からモータ側端部に向かう方向との出力軸側相対角度との比により変化する減速比を最大値にすることにより、出力軸にトルクとして最大トルクを伝達するように構成されている。
このように構成すれば、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替える際の出力軸に伝達されるトルクを最大トルクとすることにより、他のシフト位置からシフトを切り替える際の出力軸に伝達されるトルクが最大トルク未満になるので、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替える際のトルクを十分に確保しつつ、それ以外のシフトの切り替えの際のトルクを比較的小さくすることができる。その結果、減速機構の減速比が一定の場合と比較して、モータからのトルクにより発生する出力軸のトルクの無駄の発生を抑制することができる。
この場合、好ましくは、減速機構は、第1リンクの回動に伴って変化する、モータ側相対角度の範囲のうちの最大角度にモータ側相対角度をしつつ、出力軸側相対角度の範囲のうちの最小角度に出力軸側相対角度をして減速比を最大値にすることにより、出力軸に最大トルクを伝達するように構成されている。
このように構成すれば、モータ側端部の回動位置と出力側端部の回動位置とにより変化する第1リンクのリンク側ギヤと第2リンクとを接続する姿勢の変化を利用して減速比が変化するが、モータ側相対角度が最大角度であり、かつ、出力軸側相対角度が最小角度である第1リンクの姿勢の際にシフト切替部材の最深谷部に位置決め部材が配置されるように第1リンクを設計することにより、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することができる。
上記モータ側相対角度と出力軸側相対角度との比により変化する減速比を最大値にすることにより、出力軸に最大トルクを伝達するように構成されたシフト切替装置において、好ましくは、減速機構の減速比は、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比である減速比を有する。
このよう構成すれば、モータからのトルクが、モータ側相対角度と出力軸側相対角度との比だけでなく、第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比により減速されるので、モータからのトルクにより発生する出力軸のトルクを十分に大きくすることができる。
上記減速機構の減速比が、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比である減速比を有するシフト切替装置において、好ましくは、減速機構は、リンク側ギヤを有し、モータから伝達されたトルクを減速して第1リンクに伝達するモータ用減速部をさらに含み、減速機構の減速比は、モータ用減速部の減速比をさらに有する。
このように構成すれば、モータからのトルクをさらに減速することができるので、モータからのトルクにより発生する出力軸のトルクをより十分に大きくすることができる。
上記モータ用減速部を備えるシフト切替装置において、好ましくは、モータ用減速部は、リンク側ギヤの回動中心上に配置された回転軸をさらに有し、第1リンクは、回転軸との干渉を避ける凹部を有する。
このように構成すれば、凹部により回転軸との干渉を避けた範囲の分だけ、第1リンクの可動域を増加させることができるので、減速機構の減速比の範囲も増加させることができる。
この発明の第2の局面におけるシフト切替装置は、複数のシフト位置の各々に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、ロータとステータとを含み、シフト切替部材を駆動させるモータと、シフト切替部材の複数の谷部のいずれかを押圧して嵌まり込んだ状態で複数のシフト位置の各々を成立させるための位置決め部と、モータに接続され、モータのトルクを減速させる減速機構と、減速機構の出力側に接続され、減速機構により減速されたモータのトルクをシフト切替部材に伝達する出力軸とを備え、減速機構は、モータから伝達されたトルクにより回動する一端部であるモータ側端部と、モータ側端部の回動に伴って回動する他端部である出力側端部とを有し、モータから伝達されたトルクを減速する第1リンクと、第1リンクのモータ側端部が接続され、モータから伝達されたトルクにより回動するリンク側ギヤと、第1リンクの出力側端部が接続され、第1リンクから伝達されたトルクを出力軸に伝達する第2リンクとを含み、第1リンクは、リンク側ギヤの回動に伴ってモータ側端部が回動するとともに、出力側端部が回動することにより、第2リンクを介して出力軸にトルクを発生させるように構成されている。
この発明の第2の局面におけるシフト切替装置では、上記のように、第1リンクは、リンク側ギヤの回動に伴ってモータ側端部が回動するとともに、出力側端部が回動することにより、第2リンクを介して出力軸にトルクを発生させるように構成されている。これにより、リンク側ギヤを介して第1リンクに伝達されたモータのトルクが、モータ側端部の回動位置と出力側端部の回動位置とにより変化する第1リンクにおけるリンク側ギヤと第2リンクとを接続する姿勢によって、第1リンクから第2リンクに伝達される際に減速されるので、減速機構の減速比を変化させることができる。その結果、パーキング位置から他のシフト位置に切り替える際に出力軸に発生させるトルクが大きくなるような構造を実現することができるので、たとえば、急な坂道での停車などの大きな負荷がシフト切替部材に加えられる場合においてパーキング位置から他のシフト位置に切り替えて発進する際、パーキング位置から他のシフト位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することが可能なシフト切替装置を提供できる。
なお、上記第1の局面におけるシフト切替装置において、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
上記モータ用減速部を備えるシフト切替装置において、モータ用減速部は、モータの回転に伴って回転するように設けられ、リンク側ギヤと噛み合うモータ側ギヤをさらに有し、リンク側ギヤの歯数は、モータ側ギヤの歯数よりも多い。
上記モータ用減速部を備えるシフト切替装置において、モータ用減速部は、モータの回転に伴って回転するように設けられ、リンク側ギヤと噛み合うモータ側ギヤをさらに有し、リンク側ギヤの歯数は、モータ側ギヤの歯数よりも多い。
このように構成すれば、リンク側ギヤの歯数をモータ側ギヤの歯数よりも多くするだけで、モータ側ギヤからリンク側ギヤに伝達されるモータからのトルクを増加させることができるので、モータからのトルクを容易に増加させることができる。
(付記項2)
上記第1の局面によるシフト切替装置において、リンク側ギヤは、外周の一部に複数の外歯を有する扇形歯車であり、第1リンクのモータ側端部は、リンク側ギヤのうちの複数の外歯が設けられていない位置においてリンク側ギヤと接続している。
上記第1の局面によるシフト切替装置において、リンク側ギヤは、外周の一部に複数の外歯を有する扇形歯車であり、第1リンクのモータ側端部は、リンク側ギヤのうちの複数の外歯が設けられていない位置においてリンク側ギヤと接続している。
このように構成すれば、リンク側ギヤを円形状の歯車にした場合と比較して、リンク側ギヤの配置スペースを小さくすることができるので、シフト切替装置の大型化を抑制することができる。
(付記項3)
上記モータ側相対角度と出力軸側相対角度との比により変化する減速機構の減速比を最大値にすることにより、出力軸に最大トルクを伝達するように構成されたシフト切替装置において、第1リンクは、パーキング位置から他のシフト位置である非パーキング位置に到達する間に、出力軸に伝達されるトルクが最大トルクから最小トルクに向かって減少するとともに、出力軸に伝達されるトルクが最小トルクから最大トルクと最小トルクとの間の中間値に増加するように減速機構の減速比を変化させるように構成されている。
上記モータ側相対角度と出力軸側相対角度との比により変化する減速機構の減速比を最大値にすることにより、出力軸に最大トルクを伝達するように構成されたシフト切替装置において、第1リンクは、パーキング位置から他のシフト位置である非パーキング位置に到達する間に、出力軸に伝達されるトルクが最大トルクから最小トルクに向かって減少するとともに、出力軸に伝達されるトルクが最小トルクから最大トルクと最小トルクとの間の中間値に増加するように減速機構の減速比を変化させるように構成されている。
このように構成すれば、パーキング位置から非パーキング位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保しつつ、非パーキング位置からパーキング位置へのシフトの切り替えの際のトルクを比較的小さくすることができるので、減速機構の減速比が一定の場合と比較して、モータからのトルクにより発生する出力軸のトルクの無駄の発生を抑制することができる。
(付記項4)
上記減速機構の減速比が、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比である減速比を有するシフト切替装置において、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径は、リンク側ギヤの回動中心からリンク側ギヤの外歯の先端部までの長さよりも小さく、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径は、リンク側ギヤの回動中心からリンク側ギヤの外歯の先端部までの長さよりも大きい。
上記減速機構の減速比が、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比である減速比を有するシフト切替装置において、リンク側ギヤの回動中心から第1リンクのモータ側端部の中心までの半径は、リンク側ギヤの回動中心からリンク側ギヤの外歯の先端部までの長さよりも小さく、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径は、リンク側ギヤの回動中心からリンク側ギヤの外歯の先端部までの長さよりも大きい。
このように構成すれば、第1リンクのモータ側端部の中心までの半径と、出力軸の回動中心から第1リンクの出力側端部の中心までの半径との比により減速される減速機構の減速比に関する機構の設計を容易に行うことができる。
(付記項5)
上記第2リンクを備えるシフト切替装置において、第1リンクは、出力軸の回転軸線の延びる方向の一方側に配置され、第2リンクとリンク側ギヤとを接続する一方側リンク部材と、出力軸の回転軸線の延びる方向の他方側に配置され、第2リンクとリンク側ギヤとを接続する他方側リンク部材とを有し、減速機構は、一方側リンク部材のモータ側端部と他方側リンク部材のモータ側端部とをリンク側ギヤを貫通して連結する一方側ピンと、一方側リンク部材の出力側端部と他方側リンク部材の出力側端部とを第2リンクを貫通して連結する他方側ピンとをさらに含む。
上記第2リンクを備えるシフト切替装置において、第1リンクは、出力軸の回転軸線の延びる方向の一方側に配置され、第2リンクとリンク側ギヤとを接続する一方側リンク部材と、出力軸の回転軸線の延びる方向の他方側に配置され、第2リンクとリンク側ギヤとを接続する他方側リンク部材とを有し、減速機構は、一方側リンク部材のモータ側端部と他方側リンク部材のモータ側端部とをリンク側ギヤを貫通して連結する一方側ピンと、一方側リンク部材の出力側端部と他方側リンク部材の出力側端部とを第2リンクを貫通して連結する他方側ピンとをさらに含む。
このように構成すれば、リンク側ギヤを介して第1リンクに伝達されたモータのトルクが、モータ側端部の回動位置と出力側端部の回動位置とにより第1リンクがリンク側ギヤと第2リンクとを接続する姿勢を変化させる際、一方側ピンおよび他方側ピンにより第1リンクと第2リンクとが連結されていることにより、第1リンクがガタつかないように姿勢を変化させることができる。
(付記項6)
上記第2リンクを備えるシフト切替装置において、減速機構は、リンク側ギヤの回動中心に配置された回転軸をさらに含み、出力軸と回転軸とが並ぶ方向から見て、第2リンクの少なくとも一部とリンク側ギヤの少なくとも一部とが、オーバーラップしている。
上記第2リンクを備えるシフト切替装置において、減速機構は、リンク側ギヤの回動中心に配置された回転軸をさらに含み、出力軸と回転軸とが並ぶ方向から見て、第2リンクの少なくとも一部とリンク側ギヤの少なくとも一部とが、オーバーラップしている。
このように構成すれば、オーバーラップしている分だけ出力軸と回転軸とが並ぶ方向に直交する幅方向のシフト切替装置の長さの増大を抑制することができるので、シフト切替装置の大型化を抑制することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図7を参照して、一実施形態によるシフト切替装置100の構成について説明する。
図1に示すように、シフト切替装置100は、自動車などの車両に搭載されている。車両では、乗員(運転者)がシフトレバーおよびパーキングスイッチのいずれかを介してシフトの切替操作を行った場合に、電気的なシフト切替制御が行われる。
すなわち、シフトレバーに設けられたセンサを介してシフト位置が図示しないシフト切替装置に入力される。シフトレバーから入力されてシフト切替装置から送信される制御信号に基づいて、乗員のシフト操作に対応したR(リバース)位置、N(ニュートラル)位置およびD(ドライブ)位置のいずれかのシフト位置に変速機構部が切り替えられる。
また、パーキングスイッチに設けられたセンサを介してシフト位置がシフト切替装置100に入力される。パーキングスイッチから入力された信号に基づいて、乗員の切替操作に対応したP(パーキング)位置、および、非P(非パーキング)位置にシフト切替装置100を切り替えるとともにパーキングロック装置200が車輪に駆動力を伝達するシャフト(駆動力伝達シャフト)の回転をロックするか否かを切り替えられる。
上記したようなシフト切替制御は、シフトバイワイヤと呼ばれる。
このようなシフト切替制御が行われる車両は、エンジンとモータとを備えるハイブリッド車である。なお、車両は、モータのみを動力源として備える電気自動車であってもよい。以下では、パーキングスイッチ側のシフト切替制御を行うシフト切替装置100について説明する。まず、シフト切替装置100により駆動するパーキングロック装置200について説明する。
パーキングロック装置200は、シフト切替装置100に接続されている。パーキングロック装置200は、駆動力伝達シャフト(図示せず)の回転の停止と停止の解除とを切替可能な構造を有している。パーキングロック装置200は、パーキングギヤ201と、ロックポール202と、制御カム203と、パークロッド204とを備えている。
パーキングギヤ201は、駆動力伝達シャフトに固定されている。パーキングギヤ201は、駆動力伝達シャフトと一体的に回転するようになっている。そして、パーキングギヤ201は、パーキングギヤ201の歯201aにロックポール202の係止爪202aが噛み合い可能に構成されている。
ロックポール202は、パーキングギヤ201側に回動して係止爪202aとパーキングギヤ201の歯201aとが互いに噛み合う位置(ロック位置)にガイドされる。そして、ロックポール202は、係止爪202aがロック位置にガイドされることでパーキングギヤ201の回転を停止させるようになっている。また、ロックポール202は、パーキングギヤ201の歯201aから離間する方向に回動して係止爪202aとパーキングギヤ201の歯201aとの噛み合いが解除される位置(アンロック位置)にガイドされる。そして、ロックポール202は、係止爪202aが、アンロック位置にガイドされることでパーキングギヤ201の回転を可能にさせるようになっている。
制御カム203は、パークロッド204の先端部に固定されている。制御カム203は、パークロッド204の往復移動とともに、ロックポール202に近付く方向および離れる方向に往復移動するように構成されている。ここで、制御カム203がロックポール202に近付く方向に移動することにより制御カム203のカム面Caによって、係止爪202aがロック位置に到達するようにロックポール202が回動する。制御カム203がロックポール202から離れる方向に移動することにより制御カム203のカム面によって、係止爪202aがアンロック位置に到達するようにロックポール202が回動する。
(シフト切替装置)
シフト切替装置100は、パーキングロック装置200による駆動力伝達シャフトの回転の停止と停止の解除とを切り替えるために、後述するディテントプレート1(特許請求の範囲の「シフト切替部材」の一例)を回動させるように構成されている。
シフト切替装置100は、パーキングロック装置200による駆動力伝達シャフトの回転の停止と停止の解除とを切り替えるために、後述するディテントプレート1(特許請求の範囲の「シフト切替部材」の一例)を回動させるように構成されている。
シフト切替装置100は、図1および図2に示すように、ディテントプレート1と、ディテントスプリング2(特許請求の範囲の「位置決め部材」の一例)と、第1ケース3と、第2ケース4と、モータ5と、出力軸6と、減速機構7とを備えている。
ここで、出力軸6の延びる方向をZ方向とし、Z方向のうちディテントプレート1側をZ1方向とし、Z1方向とは逆側をZ2方向とする。
ディテントプレート1は、P位置(特許請求の範囲の「パーキング位置」の一例)および非P位置(特許請求の範囲の「他のシフト位置」の一例)に対応するように設けられた複数(2つ)の谷部11(特許請求の範囲の「最深谷部」の一例)および谷部12を有している。谷部11は、シフト位置のうちP位置に対応するように設けられている。谷部12は、シフト位置のうち非P位置に対応するように設けられている。また、谷部11および谷部12によって、ディテントプレート1には連続的な起伏形状を有するカム面Caが形成されている。また、互いに隣接する谷部11および谷部12同士は、1つの頂部Tを有する山部Mにより隔てられている。
ディテントプレート1は、出力軸6にスプライン接続されるシャフト13の上端部(Z1方向側)に取り付けられている。ディテントプレート1は、出力軸6と一体的に回動中心Co回りに回動される。
ディテントスプリング2は、P位置および非P位置の各々に対応する回動角度位置でディテントプレート1を保持するように構成されている。
ディテントスプリング2は、基端部が固定されているとともに、自由端にローラ部21が取り付けられている。そして、ディテントスプリング2は、ローラ部21が、常時、カム面Ca(谷部11、谷部12または山部Mのいずれかの位置)を押圧している。そして、ディテントスプリング2は、複数の谷部11および谷部12のいずれかを押圧して嵌まり込んだ状態でP位置および非P位置の各々を成立させるように構成されている。
すなわち、ディテントスプリング2は、ディテントプレート1の正方向または正方向とは逆方向の回動(揺動)に伴ってローラ部21がカム面Caに沿って摺動するように構成されている。ここで、ディテントスプリング2は、ディテントスプリング2の付勢力によりローラ部21を谷部11、および、谷部12のいずれかに嵌合するように構成されている。ディテントスプリング2は、ローラ部21がディテントプレート1の谷部11および谷部12のいずれかに選択的に嵌合することにより、それぞれ、P位置または非P位置に対応する回動角度位置でディテントプレート1を保持するように構成されている。これにより、P位置または非P位置が個々に成立される。
図2および図3に示すように、第1ケース3および第2ケース4は、モータ5、出力軸6、および、減速機構7を内部に収容するケース部材を構成する。第1ケース3は、モータ5、出力軸6、および、減速機構7をZ1方向側から覆う。第2ケース4は、モータ5、出力軸6、および、減速機構7をZ2方向側から覆う。
モータ5は、ディテントプレート1を駆動させるように構成されている。モータ5は、永久磁石を組み込んだ表面磁石型(SPM(Surface Permanent Magnet Motor))の三相モータである。具体的には、モータ5は、ロータと、ステータとを含んでいる。ロータは、出力軸6と同じようにZ方向に平行に延びた回動軸Ci回りに回転される。ロータは、ロータ回転角度センサ(図示せず)により回転角度が検出されるように構成されている。ロータ回転角度センサは、たとえば、MRセンサ(Magneto Resistive Sensor)から構成されている。ステータは、図示はしないが、ケース部材の内部空間に配置されたステータコアと、通電により磁力を発生する複数相(U相、V相およびW相)の励磁コイルとを有している。
出力軸6は、減速機構7の出力側に接続されている。出力軸6は、減速機構7により減速されたモータ5のトルクをディテントプレート1に伝達するように構成されている。出力軸6は、回動中心Co回りに回動されるように構成されている。出力軸6は、出力軸回転角度センサにより回転角度が検出されるように構成されている。出力軸回転角度センサは、たとえば、ホール素子により構成されている。
(減速機構)
図2および図3に示すように、減速機構7は、入力側においてモータ5に接続されている。減速機構7は、出力側において出力軸6に接続されている。これにより、減速機構7は、モータ5のトルクを減速させて出力軸6に伝達するように構成されている。具体的には、減速機構7は、モータ用減速部71と、第1リンク72と、第2リンク73とを含んでいる。モータ5のトルクは、モータ用減速部71、第1リンク72、第2リンク73および出力軸6の順に伝達される。そして、伝達されたトルクにより、出力軸6とともに回動するシャフト13に取り付けられたディテントプレート1が回動する。
図2および図3に示すように、減速機構7は、入力側においてモータ5に接続されている。減速機構7は、出力側において出力軸6に接続されている。これにより、減速機構7は、モータ5のトルクを減速させて出力軸6に伝達するように構成されている。具体的には、減速機構7は、モータ用減速部71と、第1リンク72と、第2リンク73とを含んでいる。モータ5のトルクは、モータ用減速部71、第1リンク72、第2リンク73および出力軸6の順に伝達される。そして、伝達されたトルクにより、出力軸6とともに回動するシャフト13に取り付けられたディテントプレート1が回動する。
モータ用減速部71は、モータ5から伝達されたトルクを減速して第1リンク72に伝達するように構成されている。具体的には、モータ用減速部71は、モータ側ギヤ71aと、回転軸71bと、リンク側ギヤ71cとを有している。
モータ側ギヤ71aは、モータ5の回転に伴って回転するようにモータ5のモータシャフトに設けられている。すなわち、モータ側ギヤ71aは、螺旋状のヘリカルギヤが外周部に形成されたモータ5のモータシャフトである。モータ側ギヤ71aは、リンク側ギヤ71cと噛み合っている。モータ側ギヤ71aの歯数は、たとえば、2である。
回転軸71bは、リンク側ギヤ71cの回動中心Cr上に配置されている。回転軸71bは、回動中心Crに回りに回動可能に構成されている。回転軸71bは、Z2方向側の端部が第2ケース4に取り付けられている。回転軸71bは、第2ケース4からZ1方向側に直線状に延びている。回転軸71bのZ方向における中間部分には、リンク側ギヤ71cの回動中心部分が取り付けられている。
リンク側ギヤ71cは、モータ5から伝達されたトルクにより回転軸71b回りを回動するように構成されている。リンク側ギヤ71cは、外周の一部に複数の外歯を有する扇形歯車である。リンク側ギヤ71cにおける複数の外歯が設けられていない部分には、第1リンク72のモータ側端部72aが接続されている。また、リンク側ギヤ71cの歯数は、モータ側ギヤ71aの歯数よりも多い。リンク側ギヤ71cの歯数は、たとえば、26である。リンク側ギヤ71cの歯数とモータ側ギヤ71aの歯数との比が、モータ5の回転を減速する後述する減速機構7の減速比のうちのギヤ減速比(特許請求の範囲の「モータ用減速部の減速比」の一例)である。
〈第1リンクおよび第2リンク〉
図3および図4に示すように、第1リンク72は、リンク側ギヤ71cの回動に伴ってモータ側端部72aが回動するとともに、出力側端部72bが回動することにより、第2リンク73を介して出力軸6にトルクを発生させるように構成されている。ここで、モータ側端部72aは、第1リンク72におけるモータ5から伝達された駆動力(トルク)により回動する一端部である。出力側端部72bは、第1リンク72におけるモータ側端部72aの回動に伴って回動する他端部である。
図3および図4に示すように、第1リンク72は、リンク側ギヤ71cの回動に伴ってモータ側端部72aが回動するとともに、出力側端部72bが回動することにより、第2リンク73を介して出力軸6にトルクを発生させるように構成されている。ここで、モータ側端部72aは、第1リンク72におけるモータ5から伝達された駆動力(トルク)により回動する一端部である。出力側端部72bは、第1リンク72におけるモータ側端部72aの回動に伴って回動する他端部である。
このような第1リンク72は、一方側リンク部材721と、他方側リンク部材722と、一方側ピン723と、他方側ピン724とを有している。
一方側リンク部材721は、Z1方向側に配置されている。一方側リンク部材721は、第2リンク73とリンク側ギヤ71cとを接続している。一方側リンク部材721は、回転軸71bとの干渉を避ける凹部721aを有している。また、一方側リンク部材721は、凹部721aによりリンク側ギヤ71cとの干渉も避けることが可能である。すなわち、一方側リンク部材721は、Z1方向側から見て、回転軸71b側の側面が出力軸6側に窪む略C字形状を有している。
他方側リンク部材722は、Z2方向側に配置されている。他方側リンク部材722は、第2リンク73とリンク側ギヤ71cとを接続している。他方側リンク部材722は、回転軸71bとの干渉を避ける凹部722aを有している。また、他方側リンク部材722は、凹部722aによりリンク側ギヤ71cとの干渉も避けることが可能である。すなわち、他方側リンク部材722は、Z1方向側から見て、回転軸71b側の側面が出力軸6側に窪む略C字形状を有している。
一方側ピン723は、Z方向に延びている。一方側ピン723は、一方側リンク部材721のモータ側端部72aと他方側リンク部材722のモータ側端部72aとをリンク側ギヤ71cを貫通して連結している。一方側ピン723は、一方側リンク部材721、他方側リンク部材722およびリンク側ギヤ71cを回動可能に連結している。ここで、Z1方向側から見て、第1リンク72において一方側ピン723側の端部が、モータ側端部72aである。
他方側ピン724は、Z方向に延びている。他方側ピン724は、一方側リンク部材721の出力側端部72bと他方側リンク部材722の出力側端部72bとを第2リンク73を貫通して連結している。他方側ピン724は、一方側リンク部材721、他方側リンク部材722および第2リンク73を回動可能に連結している。ここで、Z1方向側から見て、第1リンク72において他方側ピン724側の端部が、出力側端部72bである。
ここで、一方側リンク部材721および他方側リンク部材722は、リンク側ギヤ71cの回動に伴って同様に回動するように構成されている。
第2リンク73は、第1リンク72から伝達された駆動力(トルク)を出力軸6に伝達するように構成されている。第2リンク73のリンク側ギヤ71c側の端部には、第1リンク72の出力側端部72bが接続されている。すなわち、第2リンク73のリンク側ギヤ71c側の端部には、他方側ピン724が回動可能に挿入される挿入孔731が形成されている。第2リンク73の出力軸6側の端部には、出力軸6が接続されている。すなわち、第2リンク73の出力軸6側の端部には、出力軸6が圧入される圧入孔732が形成されている。第2リンク73は、Z1方向側から見て、出力軸6から第1リンク72の出力側端部72bに向かうにしたがって、扇形歯車のように幅が広がるのではなく、先細り形状を有している。
Z方向において、リンク側ギヤ71c、第1リンク72および第2リンク73は、第2ケース4の設置面4aと第2ケース4のZ1方向側の端部4bとの間に配置されている。また、図6に示すように、出力軸6と回転軸71bとが並ぶ方向から見て、第2リンク73の少なくとも一部とリンク側ギヤ71cの少なくとも一部とが、オーバーラップしている。
〈減速機構の減速比〉
図5~図7に示すように、本実施形態の第1リンク72は、モータ5(図1を参照)から伝達されたトルクを減速するように構成されている。具体的には、第1リンク72は、ディテントスプリング2(図1を参照)がP位置に対応する谷部11から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクが、非P位置に対応する谷部12から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクよりも大きい抜けトルクになるように、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置Pcと、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さL1(モータ側端部72aの中心と出力側端部72bの中心との距離)とが調整されている。
図5~図7に示すように、本実施形態の第1リンク72は、モータ5(図1を参照)から伝達されたトルクを減速するように構成されている。具体的には、第1リンク72は、ディテントスプリング2(図1を参照)がP位置に対応する谷部11から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクが、非P位置に対応する谷部12から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクよりも大きい抜けトルクになるように、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置Pcと、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さL1(モータ側端部72aの中心と出力側端部72bの中心との距離)とが調整されている。
これにより、図5に示すように、出力軸6に発生するトルクは、P位置から非P位置に到達する間に、出力軸6に伝達されるトルクが最大トルクTmaxから最小トルクTminに向かって減少するとともに、出力軸6に伝達されるトルクが最小トルクTminから最大トルクTmaxと最小トルクTminとの間の中間トルクTmidに増加する。最大トルクTmaxは、抜けトルクである。なお、出力軸6に発生するトルクは、モータ5のイナーシャ(慣性モーメント)とロータ回転角度センサにより取得されるモータ5の角加速度とに基づいて取得されるモータ5のトルクに減速機構7の減速比を乗算することにより取得される。
すなわち、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11(図1を参照)から抜ける際、減速機構7の減速比を最大値にすることにより、出力軸6に伝達されるトルクが所定トルクTdよりも大きい最大トルクTmaxになるので、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11から抜けやすくなる。また、ディテントスプリング2が非P位置に対応する谷部12から抜ける際、減速機構7の減速比を最大値と最小値との中間値にすることにより、出力軸6に伝達されるトルクが所定トルクTdよりも大きい中間トルクTmidになるので、ディテントスプリング2が非P位置に対応する谷部12から抜けやすくなる。また、最小トルクTminは、所定トルクTdよりも小さい。
ここで、図5に示す、必要トルクTr、所定トルクTd、第1トルクTq1および第2トルクTq2について説明する。なお、図5では、必要トルクTrは1点鎖線で示され、所定トルクTdは2点鎖線で示され、第1トルクTq1は実線で示されおよび第2トルクTq2は点線で示されている。
必要トルクTrとは、ディテントスプリング2をディテントプレート1のカム面Ca(図1を参照)に沿って摺動させるために、モータ5の回転角度に応じて必要となるトルクである。必要トルクTrは、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11から山部Mの頂部Tに昇る区間で増加している。必要トルクTrは、ディテントスプリング2が山部Mの頂部Tから谷部12の底に降りる区間で減少している。必要トルクTrは、ディテントスプリング2が谷部12の底から山部Mの頂部Tに昇る区間で増加している。
P位置に対応する谷部11から山部Mの頂部Tに昇る区間では、所定トルク(約20[Nm])Td以上のトルクが必要になる。これは、出力軸6に最大負荷が加えられるシチュエーションが、シフト位置をP位置から切り替える場合に想定されるからである。出力軸6に最大負荷が加えられるシチュエーションとは、車両を急な坂道で停車させた場合が想定される。この場合、車両が坂道に沿ってずり落ちることに起因する駆動力伝達シャフトの回転が、パーキングギヤ201の歯201aがロックポール202の係止爪202aに噛み合うことにより止められている。このため、ロックポール202とパークロッド204とが制御カム203を挟み込む状態になり、ロックポール202と制御カム203と間の摩擦が増大し、制御カム203がロックポール202から離れる方向に移動しにくくなる。したがって、パーキングロック装置200による車両の駆動力伝達シャフトのロックを解除するために、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11から抜ける際、所定トルクTdよりも大きい最大トルクTmaxが出力軸6に伝達される。このように、所定トルクTdとは、パーキングロック装置200による車両の駆動力伝達シャフトのロックを確実に解除するために必要となるトルクである。
第1トルクTq1は、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置が接続位置Pc(図6を参照)であるとともに、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さが長さL1(図6を参照)に調整されている場合に、モータ5から減速機構7を介して出力軸6に伝達されるトルクを示している。第2トルクTq2は、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置が接続位置Pc(図6を参照)よりもモータ側ギヤ71a側であるとともに、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さが長さL1(図6を参照)よりも大きく調整されている場合に、モータ5から減速機構7を介して出力軸6に伝達されるトルクを示している。
このように出力軸6に発生するトルクを変化させるために、減速機構7の減速比は、モータ5の回転角度に応じて変化する。減速機構7の減速比は、ギヤ減速比、半径減速比および相対角度減速比を乗算した数値である。すなわち、減速機構7では、モータ5の回転が3段階で減速されている。
図5および図6に示すように、ギヤ減速比(以下ではKと記載する)は、上記したように、リンク側ギヤ71cの歯数とモータ側ギヤ71aの歯数との比である。すなわち、Kは、リンク側ギヤ71cの歯数をモータ側ギヤ71aの歯数で除算することにより取得される。モータ側ギヤ71aの歯数と比較してリンク側ギヤ71cの歯数が多いので、モータ5の回転が減速されてモータ5から伝達されるトルクがKにより増加する。
半径減速比(以下ではR2/R1と記載する)は、Z1方向側から見て、リンク側ギヤ71cの回動中心Crから第1リンク72のモータ側端部72aの中心までの半径R1と、出力軸6の回動中心Coから第1リンク72の出力側端部72bの中心までの半径R2との比である。すなわち、R2/R1は、半径R2を半径R1で除算することにより取得される。リンク側ギヤ71cの回動中心Crから第1リンク72のモータ側端部72aの中心までの半径R1は、リンク側ギヤ71cの回動中心Crからリンク側ギヤ71cの外歯の先端部までの長さL2よりも小さい。出力軸6の回動中心Coから第1リンク72の出力側端部72bの中心までの半径R2は、リンク側ギヤ71cの回動中心Crからリンク側ギヤ71cの外歯の先端部までの長さL2よりも大きい。半径R1と比較して半径R2が大きいので、モータ5の回転が減速されてモータ5から伝達されるトルクがR2/R1により増加する。
相対角度減速比(以下ではcosθ2/cosθ1と記載する)は、モータ側相対角度θ1の余弦であるcosθ1と、出力軸側相対角度θ2の余弦であるcosθ2との比である。すなわち、cosθ2/cosθ1は、cosθ2をcosθ1で除算することにより取得される。cosθ1は、リンク側ギヤ71cを回動させる際に生じる力F1の方向と出力側端部72bからモータ側端部72aに向かって生じる力Frの方向とのモータ側相対角度θ1の余弦である。cosθ2は、出力軸6を回動させる際に生じる力F2の方向と出力側端部72bからモータ側端部72aに向かう力Frの方向との出力軸側相対角度θ2の余弦である。ここで、第1リンク72が回動して、θ1の値が大きくなり、かつ、θ2の値が小さくなった場合、相対角度減速比が大きくなるので、モータ5の回転が減速されてモータ5から伝達されるトルクが増加する。また、第1リンク72が回動して、θ1の値が小さくなり、かつ、θ2の値が大きくなった場合、相対角度減速比が小さくなるので、モータ5の回転が増速されてモータ5から伝達されるトルクが減少する。
これらにより、出力軸6に発生するトルクは、モータ5のトルクと、K、R2/R1およびcosθ2/cosθ1を乗算した減速機構7の減速比とを乗算した数値に相当する。すなわち、出力軸6に発生するトルクは、cosθ2/cosθ1の変化に合わせて変化する減速機構7の減速比により変化する。
具体的には、第1リンク72は、P位置から非P位置に到達する間に、出力軸6に伝達されるトルクが最大トルクTmaxから最小トルクTminに向かって減少するとともに、出力軸6に伝達されるトルクが最小トルクTminから最大トルクTmaxと最小トルクTminとの間の中間トルクTmidに増加するように減速機構7の減速比を変化させるように構成されている。シフト切替装置100では、ディテントスプリング2がP位置から非P位置に到達する場合、モータ側ギヤ71aがA方向(図6参照)に回動することにより、ディテントプレート1がB方向(図1を参照)に回動する。
ここで、第1リンク72は、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11から抜ける際、モータ側相対角度θ1の余弦であるcosθ1と、出力軸側相対角度θ2の余弦であるcosθ2との比により変化する減速機構7の減速比を最大値にすることにより、出力軸6にトルク(抜けトルク)として最大トルクTmaxを伝達するように構成されている。すなわち、減速機構7は、第1リンク72の回動に伴って変化するモータ側相対角度θ1の範囲のうちの最大角度にモータ側相対角度θ1をするとともに、出力軸側相対角度θ2の範囲のうちの最小角度に出力軸側相対角度θ2をして減速機構7の減速比を最大値にすることにより、出力軸6に最大トルクTmaxを伝達するように構成されている。
また、図7に示すように、第1リンク72は、ディテントスプリング2が非P位置に対応する谷部12から抜ける際、モータ側相対角度θ1の余弦であるcosθ1と、出力軸側相対角度θ2の余弦であるcosθ2との比により変化する減速機構7の減速比を中間値にすることにより、出力軸6にトルクとして中間トルクTmidを伝達するように構成されている。すなわち、減速機構7は、第1リンク72の回動に伴って変化するモータ側相対角度θ1を出力軸側相対角度θ2と比較して小さくすることにより減速機構7の減速比を中間値にすることによって、出力軸6に中間トルクTmidを伝達するように構成されている。
また、図示は省略するが、第1リンク72は、ディテントスプリング2が山部Mの頂部Tに到達した際、モータ側相対角度θ1の余弦であるcosθ1と、出力軸側相対角度θ2の余弦であるcosθ2との比により変化する減速機構7の減速比を最小値にすることにより、出力軸6にトルクとして最小トルクTminを伝達するように構成されている。すなわち、減速機構7は、第1リンク72の回動に伴って変化するモータ側相対角度θ1の範囲のうちの最小角度にモータ側相対角度θ1をするとともに、出力軸側相対角度θ2の範囲のうちの最大角度に出力軸側相対角度θ2をして減速機構7の減速比を最小値にすることにより、出力軸6に最小トルクTminを伝達するように構成されている。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、第1リンク72は、ディテントスプリング2が谷部11および谷部12のうちのP位置に対応する谷部11から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクが、非P位置に対応する谷部12から抜ける際に出力軸6に発生させるトルクよりも大きい抜けトルクになるように、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置Pcと、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さとが調整されている。これにより、リンク側ギヤ71cとモータ側端部72aとの接続位置Pcと、モータ側端部72aから出力側端部72bまでの長さとが調整された第1リンク72により、たとえば、急な坂道での停車などの大きな負荷がディテントプレート1に加えられる場合においてP位置から非P位置に切り替えて発進する際、モータ5の回転を減速させて出力軸6に発生させるトルクを抜けトルクまで大きくすることができるので、P位置から非P位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することができる。また、P位置から非P位置にシフトを切り替える際に大きな負荷がディテントプレート1に加えられてシフトの切り替えが困難になった場合でも、P位置から非P位置にシフトを確実に切り替えることができる。
また、本実施形態では、上記のように、減速機構7は、第1リンク72の出力側端部72bが接続され、第1リンク72から伝達されたトルクを出力軸6に伝達する第2リンク73を含んでいる。第1リンク72は、リンク側ギヤ71cの回動に伴ってモータ側端部72aが回動するとともに、出力側端部72bが回動することにより、第2リンク73を介して出力軸6にトルクを発生させるように構成されている。これにより、リンク側ギヤ71cを介して第1リンク72に伝達されたモータ5のトルクが、モータ側端部72aの回動位置と出力側端部72bの回動位置とにより変化する第1リンク72におけるリンク側ギヤ71cと第2リンク73とを接続する姿勢によって、第1リンク72から第2リンク73に伝達される際に変化するので、減速機構7の減速比を変化させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、減速機構7は、ディテントスプリング2がP位置に対応する谷部11から抜ける際、リンク側ギヤ71cを回動させる際に生じる力F1の方向と出力側端部72bからモータ側端部72aに向かう方向とのモータ側相対角度θ1と、出力軸6を回動させる際に生じる力F2の方向と出力側端部72bからモータ側端部72aに向かう方向との出力軸側相対角度θ2との比により変化する減速比を最大値にすることにより、出力軸6にトルク(抜けトルク)として最大トルクTmaxを伝達するように構成されている。これにより、P位置から非P位置にシフトを切り替える際の出力軸6に伝達されるトルクを最大トルクTmaxとすることにより、非P位置からシフトを切り替える際の出力軸6に伝達されるトルクが最大トルクTmax未満になるので、P位置から非P位置にシフトを切り替える際のトルクを十分に確保しつつ、それ以外のシフトの切り替えの際のトルクを比較的小さくすることができる。この結果、減速機構7の減速比が一定の場合と比較して、モータ5からのトルクにより発生する出力軸6のトルクの無駄の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、減速機構7は、第1リンク72の回動に伴って変化する、モータ側相対角度θ1の範囲のうちの最大角度にモータ側相対角度θ1をしつつ、出力軸側相対角度θ2の範囲のうちの最小角度に出力軸側相対角度θ2をして減速比を最大値にすることにより、出力軸6にトルクとして最大トルクTmaxを伝達するように構成されている。これにより、モータ側端部72aの回動位置と出力側端部72bの回動位置とにより変化する第1リンク72のリンク側ギヤ71cと第2リンク73とを接続する姿勢の変化を利用して減速比が変化するが、モータ側相対角度θ1が最大角度であり、かつ、出力軸側相対角度θ2が最小角度である第1リンク72の姿勢の際にディテントプレート1の谷部11にディテントスプリング2が配置されるように第1リンク72を設計することにより、P位置から非P位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することができる。
また、本実施形態では、上記のように、減速機構7の減速比は、リンク側ギヤ71cの回動中心Crから第1リンク72のモータ側端部72aの中心までの半径R1と、出力軸6の回動中心Coから第1リンク72の出力側端部72bの中心までの半径R2との比である減速比(半径減速比)を有している。これにより、モータ5からのトルクが、モータ側相対角度θ1と出力軸側相対角度θ2との比だけでなく、リンク側ギヤ71cの回動中心Crから第1リンク72のモータ側端部72aの中心までの半径R1と、出力軸6の回動中心Coから第1リンク72の出力側端部72bの中心までの半径R2との比により減速されるので、モータ5からのトルクにより発生する出力軸6のトルクを十分に大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、減速機構7は、リンク側ギヤ71cを有し、モータ5から伝達されたトルクを減速して第1リンク72に伝達するモータ用減速部71を含んでいる。減速機構7の減速比は、モータ用減速部71の減速比(ギヤ減速比)をさらに有している。これにより、モータ5からのトルクをさらに減速することができるので、モータ5からのトルクにより発生する出力軸6のトルクをより十分に大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、モータ用減速部71は、リンク側ギヤ71cの回動中心上に配置された回転軸71bを有している。第1リンク72は、回転軸71bとの干渉を避ける凹部721a(722a)を有している。これにより、凹部721a(722a)により回転軸71bとの干渉を避けた範囲の分だけ、第1リンク72の可動域を増加させることができるので、減速機構7の減速比の範囲も増加させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1リンク72は、リンク側ギヤ71cの回動に伴ってモータ側端部72aが回動するとともに、出力側端部72bが回動することにより、第2リンク73を介して出力軸6にトルクを発生させるように構成されている。これにより、リンク側ギヤ71cを介して第1リンク72に伝達されたモータ5のトルクが、モータ側端部72aの回動位置と出力側端部72bの回動位置とにより変化する第1リンク72におけるリンク側ギヤ71cと第2リンク73とを接続する姿勢によって、第1リンク72から第2リンク73に伝達される際に減速されるので、減速機構7の減速比を変化させることができる。この結果、P位置から非P位置に切り替える際に出力軸6に発生させるトルクが大きくなるように減速機構7の減速比を変化させるような構造を実現することができるので、たとえば、急な坂道での停車などの大きな負荷がディテントプレート1に加えられる場合においてP位置から非P位置に切り替えて発進する際、P位置から非P位置にシフトを切り替えるトルクを十分に確保することが可能なシフト切替装置100を提供できる。
[変形例]
今回開示された上記実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
今回開示された上記実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ディテントプレート1(シフト切替部材)は、P位置(パーキング位置)および非P位置(非パーキング位置)に対応するように設けられた複数(2つ)の谷部11(最深谷部)および谷部12を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、シフト切替部材は、パーキング位置および非パーキング位置ではなく、パーキング位置、リバース位置、ニュートラル位置およびドライブ位置に対応するように設けられた複数(4つ)の谷部を有していてもよい。
また、上記実施形態では、減速機構7の減速比は、半径減速比を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、減速機構の減速比は、半径減速比を有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、減速機構7の減速比は、ギヤ減速比を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、減速機構の減速比は、ギヤ減速比を有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、一方側リンク部材721および他方側リンク部材722は、それぞれ、回転軸71bとの干渉を避けるため、凹部721aおよび凹部722aを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一方側リンク部材および他方側リンク部材の各々は、凹部を有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1リンク72は、一方側リンク部材721および他方側リンク部材722の2つを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1リンクは、1つ、または、3つ以上のリンク部材を有していてもよい。
1 ディテントプレート(シフト切替部材)
2 ディテントスプリング(位置決め部材)
5 モータ
6 出力軸
7 減速機構
11、12 谷部
71 モータ用減速部
71b 回転軸
71c リンク側ギヤ
72 第1リンク
72a モータ側端部
72b 出力側端部
73 第2リンク
100 シフト切替装置
721a、722a 凹部
Co、Cr 回動中心
F1、F2 力
Pc 接続位置
R1、R2 半径
Tmax 最大トルク
θ1 モータ側相対角度
θ2 出力軸側相対角度
2 ディテントスプリング(位置決め部材)
5 モータ
6 出力軸
7 減速機構
11、12 谷部
71 モータ用減速部
71b 回転軸
71c リンク側ギヤ
72 第1リンク
72a モータ側端部
72b 出力側端部
73 第2リンク
100 シフト切替装置
721a、722a 凹部
Co、Cr 回動中心
F1、F2 力
Pc 接続位置
R1、R2 半径
Tmax 最大トルク
θ1 モータ側相対角度
θ2 出力軸側相対角度
Claims (8)
- 複数のシフト位置の各々に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、
ロータとステータとを含み、前記シフト切替部材を駆動させるモータと、
前記シフト切替部材の前記複数の谷部のいずれかを押圧して嵌まり込んだ状態で前記複数のシフト位置の各々を成立させるための位置決め部と、
前記モータに接続され、前記モータのトルクを減速させる減速機構と、
前記減速機構の出力側に接続され、前記減速機構により減速された前記モータのトルクを前記シフト切替部材に伝達する出力軸とを備え、
前記減速機構は、
前記モータから伝達されたトルクにより回動する一端部であるモータ側端部と、前記モータ側端部の回動に伴って回動する他端部である出力側端部とを有し、前記モータから伝達されたトルクを減速する第1リンクと、
前記第1リンクの前記モータ側端部が接続され、前記モータから伝達されたトルクにより回動するリンク側ギヤとを含み、
前記第1リンクは、前記位置決め部が前記複数の谷部のうちのパーキング位置に対応する最深谷部から抜ける際に前記出力軸に発生させるトルクが、前記パーキング位置以外の他のシフト位置に対応する前記複数の谷部のうちの他の谷部から抜ける際に前記出力軸に発生させるトルクよりも大きいトルクになるように、前記リンク側ギヤと前記モータ側端部との接続位置と、前記モータ側端部から前記出力側端部までの長さとが調整されている、シフト切替装置。 - 前記減速機構は、前記第1リンクの前記出力側端部が接続され、前記第1リンクから伝達されたトルクを前記出力軸に伝達する第2リンクをさらに含み、
前記第1リンクは、前記リンク側ギヤの回動に伴って前記モータ側端部が回動するとともに、前記出力側端部が回動することにより、前記第2リンクを介して前記出力軸にトルクを発生させるように構成されている、請求項1に記載のシフト切替装置。 - 前記減速機構は、前記位置決め部が前記パーキング位置に対応する前記最深谷部から抜ける際、前記リンク側ギヤを回動させる際に生じる力の方向と前記出力側端部から前記モータ側端部に向かう方向とのモータ側相対角度と、前記出力軸を回動させる際に生じる力の方向と前記出力側端部から前記モータ側端部に向かう方向との出力軸側相対角度との比により変化する減速比を最大値にすることにより、前記出力軸にトルクとして最大トルクを伝達するように構成されている、請求項1に記載のシフト切替装置。
- 前記減速機構は、前記第1リンクの回動に伴って変化する、前記モータ側相対角度の範囲のうちの最大角度に前記モータ側相対角度をしつつ、前記出力軸側相対角度の範囲のうちの最小角度に前記出力軸側相対角度をして減速比を最大値にすることにより、前記出力軸に最大トルクを伝達するように構成されている、請求項3に記載のシフト切替装置。
- 前記減速機構の減速比は、前記リンク側ギヤの回動中心から前記第1リンクの前記モータ側端部の中心までの半径と、前記出力軸の回動中心から前記第1リンクの前記出力側端部の中心までの半径との比である減速比を有する、請求項3に記載のシフト切替装置。
- 前記減速機構は、前記リンク側ギヤを有し、前記モータから伝達されたトルクを減速して前記第1リンクに伝達するモータ用減速部をさらに含み、
前記減速機構の減速比は、前記モータ用減速部の減速比をさらに有する、請求項5に記載のシフト切替装置。 - 前記モータ用減速部は、前記リンク側ギヤの回動中心上に配置された回転軸をさらに有し、
前記第1リンクは、前記回転軸との干渉を避ける凹部を有する、請求項6に記載のシフト切替装置。 - 複数のシフト位置の各々に応じた複数の谷部を含むシフト切替部材と、
ロータとステータとを含み、前記シフト切替部材を駆動させるモータと、
前記シフト切替部材の前記複数の谷部のいずれかを押圧して嵌まり込んだ状態で前記複数のシフト位置の各々を成立させるための位置決め部と、
前記モータに接続され、前記モータのトルクを減速させる減速機構と、
前記減速機構の出力側に接続され、前記減速機構により減速された前記モータのトルクを前記シフト切替部材に伝達する出力軸とを備え、
前記減速機構は、
前記モータから伝達されたトルクにより回動する一端部であるモータ側端部と、前記モータ側端部の回動に伴って回動する他端部である出力側端部とを有し、前記モータから伝達されたトルクを減速する第1リンクと、
前記第1リンクの前記モータ側端部が接続され、前記モータから伝達されたトルクにより回動するリンク側ギヤと、
前記第1リンクの前記出力側端部が接続され、前記第1リンクから伝達されたトルクを前記出力軸に伝達する第2リンクとを含み、
前記第1リンクは、前記リンク側ギヤの回動に伴って前記モータ側端部が回動するとともに、前記出力側端部が回動することにより、前記第2リンクを介して前記出力軸にトルクを発生させるように構成されている、シフト切替装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022119765A JP2024017248A (ja) | 2022-07-27 | 2022-07-27 | シフト切替装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022119765A JP2024017248A (ja) | 2022-07-27 | 2022-07-27 | シフト切替装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024017248A true JP2024017248A (ja) | 2024-02-08 |
Family
ID=89807927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022119765A Pending JP2024017248A (ja) | 2022-07-27 | 2022-07-27 | シフト切替装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024017248A (ja) |
-
2022
- 2022-07-27 JP JP2022119765A patent/JP2024017248A/ja active Pending
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