JP2024013761A - 自動駐車表示システム - Google Patents

Abstract

【課題】 乗車者が操作することなく適時に適切な表示態様で周辺画像を表示する自動駐車表示システムを提供する。【解決手段】 自動駐車表示システム１０は、自動運転機能を有する車両２００の自動駐車中に車両２００の上空から車両２００を含む周辺環境を俯瞰した俯瞰画像３２を車内のモニタ２４の所定範囲に表示する俯瞰表示部４７と、駐車操作部４５による自動駐車時に車両２００と障害物２９との距離が所定の第１距離以下になることを規定する障害物近接条件、及び自動駐車時に予定した駐車位置３６の駐車区画３８と車両２００との距離が所定の第２距離以下になることを規定する駐車区画条件を保持する条件保持部４８と、を備え、俯瞰表示部４７は、障害物近接条件及び区画近接条件の少なくとも一方が満たされたとき、広域表示で表示された俯瞰画像３２の視野範囲を狭めることで車両２００の周辺の表示を拡大した狭域表示の俯瞰画像３２を所定範囲に切り替えて表示する。【選択図】 図１

Description

本発明は、自動運転機能を有する車両の自動駐車表示システムに関する。

従来から、自動車の自動運転の一形態として自動駐車が知られている。自動駐車は、運転者の駐車運転の操作や車両周囲の監視、衝突事故の回避を代替する。
自動駐車の運転操作時には、車載カメラで得られる撮像画像に基づいて車両の周囲の周辺画像が車室内のモニタに表示される。運転者などの乗車者は、モニタを確認することで自動運転の状況をリアルタイムで確認することができる。

また、近年では、乗車者の指示に従って、車両周辺の広範囲を周辺画像として表示する広域表示から周辺画像中の一領域をフォーカスして表示する狭域表示へ切り替える技術が開発されている。

特開２０１２－２１６９９１号公報

しかしながら、上述の従来の技術では、乗車者が周辺画像の表示態様の切り替えを指示する必要があるという課題があった。

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、乗車者が操作することなく適時に適切な表示態様で周辺画像を表示する自動駐車表示システムを提供することを目的とする。

本実施形態に係る自動駐車表示システムは、自動運転機能を有する車両の自動駐車中に前記車両の上空から前記車両を含む周辺環境を俯瞰した俯瞰画像を車内のモニタの所定範囲に表示する俯瞰表示部と、自動駐車時に前記車両と障害物との距離が所定の第１距離以下になることを規定する障害物近接条件、及び前記自動駐車時に予定した駐車位置の駐車区画と前記車両との距離が所定の第２距離以下になることを規定する区画近接条件を保持する条件保持部と、を備え、前記俯瞰表示部は、前記障害物近接条件及び前記区画近接条件の少なくとも一方が満たされたとき、広域表示で表示された前記俯瞰画像の視野範囲を狭めることで前記車両の周辺の表示を拡大した狭域表示の前記俯瞰画像を前記所定範囲に切り替えて表示するものである。

本発明により、乗車者が操作することなく適時に適切な表示態様で周辺画像を表示する自動駐車表示システムが提供される。

本発明の第１実施形態に係る自動駐車システムが適用された車両の構成を示すブロック図。 （Ａ）ソナーセンサの実際の検知範囲を示す図、（Ｂ）各ソナーセンサの検知範囲を結合した概形の検知範囲を示す図。 （Ａ）車両が駐車位置から離れているときのモニタ画面の表示態様を示す図、（Ｂ）車両が駐車位置に近づいたときのモニタ画面の表示態様を示す図。 （Ａ）広域俯瞰画像の表示範囲を示す図、（Ｂ）狭域俯瞰画像の表示範囲を示す図。 本発明の第１実施形態における自動駐車表示方法を含む動作のフローチャート。 本発明の第２実施形態における自動駐車表示方法を含む動作のフローチャート。

以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

（第１実施形態）
＜１．自動駐車システム１００の関連機器＞
まず、図１を用いて、自動駐車システム（以下、単に「駐車システム」という）１００と車両２００内の関連機器との関係について概説する。
図１は、本発明の第１実施形態に係る駐車システム１００が適用された車両２００の構成を示すブロック図である。

駐車システム１００は、ＣＰＵ、ＲＡＭ及びＲＯＭなどを備えたコンピュータであり、車両２００の例えばＥＣＵ（Electronic Control Unit）２１０に搭載される。
駐車システム１００は、図１に示されるように、車両２００を駆動するためのアクセル装置１１、ブレーキ装置１２、ステアリング装置１３及びシフト装置１４のそれぞれに通信可能に接続され、これらの駆動系統１１～１４を制御する。

また、駐車システム１００は、走行用各種センサ１５、操作入力部２１、周辺環境撮像部２２、ソナーセンサ２３及びモニタ２４にも通信可能に接続される。
走行用各種センサ１５は、例えば、車速センサ１６、加速度センサ１７、アクセル開度センサ１８、ブレーキセンサ１９及び操舵角センサ２０である。これらの走行用各種センサ１５からの情報により、駐車システム１００は車両２００の走行状態を把握して駆動系統１１～１４を制御する。

操作入力部２１は、運転者や助手席座者などのユーザから自動駐車の開始の指示を受け付ける例えば自動駐車ボタンや車両２００の次の動作を選択するための動作選択ボタンである。操作入力部２１は、ハードスイッチであってもモニタ２４の画面を構成するタッチパネル上のアイコンであってもよい。自動駐車ボタンが押下されると、自動駐車が開始される。

周辺環境撮像部２２は、車両２００の前端に取り付けられる前方カメラ２５、車両２００の後端に取り付けられる後方カメラ２６、及び左右のサイドミラーに取り付けられる左側方カメラ２７及び右側方カメラ２８など、車両２００に搭載された複数の撮像カメラで構成される。
周辺環境撮像部２２のそれぞれのカメラ２５～２８は、レンズ及び撮像素子により、電子的な車両２００の周囲環境画像を取得する。

ソナーセンサ２３は、パーキングセンサとも呼ばれ、例えば自動駐車時に超音波を発信して反射した超音波を感知して障害物２９（図３（Ａ），（Ｂ））の方角や距離を特定する。ソナーセンサ２３は、車両２００の前方部に設けられて前方に超音波を発信する前方ソナーセンサ２３ａと、車両２００の後方部に設けられて後方に超音波を発信する後方ソナーセンサ２３ｂと、車両２００の側方部に設けられて側方に超音波を発信する側方ソナーセンサ２３ｃと、で構成される。

前方ソナーセンサ２３ａは、車両２００の前方部の複数個所に設けられる。
ここで、図２（Ａ）はソナーセンサ２３ａ～２３ｃの実際の検知範囲３３を示す図である。また、図２（Ｂ）は各ソナーセンサ２３ａ～２３ｃの検知範囲を結合した概形の検知範囲３３ａを示す図である。

複数台で構成される前方ソナーセンサ２３ａは、図２（Ａ）に示されるように、各前方ソナーセンサ２３ａの取り付け位置から照射方向へ向けて検知距離が長く、照射方向に垂直な方向では検知距離が短いという特性を有する。そして、前方ソナーセンサ２３ａによる検知範囲３３ａは、図２（Ｂ）に示されるように、これらの各々の前方ソナーセンサ２３ａの検知範囲３３の和となる。この前方ソナーセンサ２３ａの検知範囲３３に側方ソナーセンサ２３ｃの検出範囲３３が重なる。この結果、ソナーセンサ２３ａ，２３ｃによる車両前方部の検知範囲３３ａは、車両２００の前部から扇形を描くような概形を有する。

また、後方ソナーセンサ２３ｂについても同様である。つまり、後方ソナーセンサ２３ｂの検知範囲３３ａは、車両２００の後方部の複数個所に設けられた複数台の後方ソナーセンサ２３ｂの各々の後方ソナーセンサ２３ｂの検知範囲３３の和となる。この後方ソナーセンサ２３ｂの検知範囲３３に側方ソナーセンサ２３ｃの検出範囲３３が重なる。この結果、ソナーセンサ２３ｂ，２３ｃによる車両後方部の検知範囲３３ａは、車両２００の後部から扇形を描くような概形を有する。

モニタ２４は、例えばインストルメントパネル上の運転席と助手席との間に設置される。モニタ２４は、自動駐車中以外では、カーナビゲーション画面や音楽再生画面などの画面をユーザの操作で表示する。また、自動駐車中には、後に詳述するように、モニタ２４は、撮像された周辺環境の様子を表す画像を周辺環境撮像部２２で表示する。なお、モニタ２４は、操作入力部２１としてユーザの操作を受け付けるタッチパネルであってもよい。

＜２．自動駐車システム１００及び自動駐車表示システム１０＞
次に、駐車システム１００について、図１に加えて図３（Ａ），（Ｂ）及び図４（Ａ），（Ｂ）を用いて説明する。
図３（Ａ），（Ｂ）はモニタ２４に表示されるモニタ画面５９の一例を示す図である。
図３（Ａ）は車両２００が駐車位置３６から離れているときのモニタ画面５９の表示態様を示す。図３（Ｂ）は車両２００が駐車位置３６に近づいたときのモニタ画面５９の表示態様を示す。
また、図４（Ａ）は広域俯瞰画像３２ａの表示範囲を示す図、図４（Ｂ）は狭域俯瞰画像３２ｂの表示範囲を示す図である。

駐車システム１００は、駐車区画認識部４１と、駐車位置設定部４２と、障害物検知部４３と、経路算出部４４と、駐車操作部４５と、を備える。
さらに駐車システム１００は、自動駐車表示システム（以下、単に「表示システム」という）１０を構成する進行方向表示部４６と、俯瞰表示部４７と、条件保持部４８と、を備える。駐車システム１００は、各種機能部４１～４８の機能を発揮することで自動又は半自動で車両２００を所望の駐車位置３６に駐車する。
駐車システム１００のこれらの機能部４１～４８の機能は、所定のプログラムに従ってＣＰＵが演算処理を行うことで実行される。また、条件保持部４８は、ＲＡＭ又はＲＯＭで構成される。

駐車区画認識部４１は、図４（Ａ），（Ｂ）に示されるように、ユーザである乗車者の操作により操作入力部２１から駐車の指示があった場合に、車両２００の駐車区画３８を認識する。駐車区画認識部４１は、例えば、周辺環境撮像部２２で取得された周辺画像に基づいて、白線又は駐車中の自動車の車間距離に基づいて駐車区画３８を認識する。
駐車位置設定部４２は、駐車区画３８に基づいて車両２００の駐車位置３６を設定する。

障害物検知部４３は、例えばソナーセンサ２３を利用して、車両２００の周辺の障害物２９を検知する。
経路算出部４４は、車両２００を駐車位置３６に駐車するまでの経路を算出する。車両２００の進行方向Ωの切り返し箇所及び切り返し経路も経路に含める。また、経路算出部４４は、自動運転の途中で障害物検知部４３から障害物２９の位置を新たに取得した場合、経路を修正する。

駐車操作部４５は、アクセル装置１１、ステアリング装置１３、ブレーキ装置１２及びシフト装置１４を操作して経路に従い運転して車両２００を駐車位置３６に駐車する。ただし、シフト装置１４のシフトポジションを運転者が手動で操作する半自動駐車の場合、シフト装置１４は駐車システム１００による制御を受けないこともある。また、自動駐車中であっても、運転者はブレーキ装置１２を発動して車両２００を強制的に停止させることができる。

表示システム１０は、全体として進行方向画像３１及び俯瞰画像３２を適時にモニタ画面５９上のそれぞれ割り当てられた範囲に表示する。表示システム１０は、条件保持部４８、進行方向表示部４６及び俯瞰表示部４７で構成される。
次に、表示システム１０の各構成を説明する。

条件保持部４８は、障害物近接条件及び区画近接条件を保持する。
障害物近接条件とは、自動駐車中すなわち駐車操作部４５による駐車操作時に車両２００と障害物２９との距離が所定の第１距離以下になることである。第１距離は、例えばソナーセンサ２３の検知範囲３３である、車両２００の中央から０．５～１．５ｍ程度の範囲に設定される。第１距離は、車両２００からの一律の距離ではなく、図２（Ａ），（Ｂ）に示されるような車両２００の前端又は後端から扇形状を描く線と車両２００の前端又は後端とを結ぶ距離である。
また、区画近接条件とは、自動駐車中に車両２００と駐車位置３６の駐車区画３８との距離が所定の第２距離以下になることである。第２距離は例えば車両２００の中央から約２ｍである。つまり、障害物近接条件及び区画近接条件は、いずれも、乗車者にとって自車付近の周辺環境をより詳しく確認したい状況を規定した条件である。

進行方向表示部４６は、図３（ａ），（ｂ）に示されるように、車両２００の車外後方又は車外前方を撮影した進行方向画像３１をモニタ２４に表示する。
進行方向表示部４６は、まず、複数台のカメラ２５～２８で同時に取得された車両前方又は車両後方のいずれかの複数の撮影画像を１枚の結合画像に結合する。そして、進行方向表示部４６は、この結合画像に歪み補正、拡大縮小及び切り出しをして進行方向画像３１としてモニタ２４に表示する。
モニタ画面５９上の下部には、複数の進行方向画像３１及び後述の俯瞰画像３２のモニタ画面５９上での表示態様を切り替える切り替えボタン５６がタッチパネルのアイコンとして表示される。また、切り替えボタン５６で選択された表示を中止するための中止ボタン５４もアイコンとして切り替えボタン５６に並んで表示される。

俯瞰表示部４７は、図３（ａ），（ｂ）及び図４（ａ），（ｂ）に示されるように、車両２００を含む車両２００の周辺環境を上空から俯瞰した俯瞰画像３２をモニタ２４の所定範囲５７に表示する。俯瞰画像３２の表示領域５７は、例えば、モニタ画面５９上の進行方向画像３１の右隣り又は左隣りである。つまり、進行方向画像３１及び俯瞰画像３２は左右に並べて表示される。ただし、進行方向画像３１及び俯瞰画像３２のモニタ画面５９上での表示位置はこれに限定されない。

俯瞰表示部４７は、前方カメラ２５、後方カメラ２６、左側方カメラ２７及び右側方カメラ２８で同時に撮像された複数の画像から結合画像を合成する。さらに、俯瞰表示部４７は、この結合画像に歪み補正、拡大縮小及び切り出しをする。そして、俯瞰表示部４７は、この結合画像に基づいて、車両２００の周囲の上空からみた車両２００の周囲の領域を示す俯瞰画像３２を生成する。
車両２００の乗車者は、このように表示される進行方向画像３１及び俯瞰画像３２によって、車両２００の周囲の様子をほぼリアルタイムに把握することができる。

また、俯瞰表示部４７は、自動駐車時に、障害物近接条件及び区画近接条件の少なくとも一方が満たされたとき、広域俯瞰画像３２ａを狭域俯瞰画像３２ｂに切り替えてモニタ２４上の表示領域５７に表示する。つまり、俯瞰表示部４７は、自動駐車時に障害物２９に接近した場合又は目的の駐車区画３８の周辺に到達した場合、表示を狭域俯瞰画像３２ｂに切り替える。

広域俯瞰画像３２ａとは、図４（Ａ）に示されるように、車両２００を含む周辺環境が広い視野範囲で表示された俯瞰画像３２のことである。広域俯瞰画像３２ａでは、例えば車両２００の前端及び後端から視野範囲のそれぞれ前端辺及び後端辺までの長さが１．５～２車両分程度の長さとなる範囲である。

また、狭域俯瞰画像３２ｂとは、図４（Ｂ）に示されるように、広域俯瞰画像３２ａよりも視野範囲を狭めることで車両２００の周辺を拡大して表示された俯瞰画像３２のことである。つまり、広域俯瞰画像３２ａと狭域俯瞰画像３２ｂとは、俯瞰画像３２の広域表示と狭域表示とに対応する。狭域俯瞰画像３２ｂでは、例えば車両２００の前端及び後端から視野範囲のそれぞれ前端辺及び後端辺までの長さが２．５ｍ程度の長さとなる範囲である。
なお、広域俯瞰画像３２ａから狭域俯瞰画像３２ｂへ表示態様を切り替える際、図３（Ａ），（Ｂ）に示されるように、切り替え前後でモニタ２４上での表示領域５７のサイズを同一に維持すると乗車者がより安心して俯瞰画像３２を確認することができる。

なお、狭域表示へ移行する閾値を車両２００の駐車区画３８までの距離で規定した第２距離は、狭域表示へ移行する閾値を車両２００の障害物２９までの距離で規定した第１距離より長く設定することが望ましい。一度車両２００が駐車区画３８に近づくと、それ以降の車両２００の移動範囲は小さくなるため、広域表示で表示する必要性が低下するためである。この結果、車両２００が駐車区画３８に接近すると、車両２００と障害物２９との距離が第２距離以下になる前に狭域表示に切り替えられ、駐車位置３６付近の障害物２９も僅かに早期に確認することができる。

ただし、第１距離及び第２距離の規定の仕方は自由であり、ソナーセンサ２３の検出範囲内で、このような距離以外の距離として規定することもできる。
なお、乗車者が俯瞰画像３２の表示態様の切り替わりを予測できるように、進行方向画像３１上には、切り返し線３９が表示される。障害物２９が切り返し線３９に到達したときに車両２００の進行方向Ωが切り返されて、俯瞰画像３２が狭域表示に切り替わる。

ところで、狭域表示が必要とされていないタイミングで俯瞰画像３２の視野範囲を狭めると、乗車者が車両２００を含む広範囲の周辺環境を把握することができなくなり、恐怖感や不快感を与える。そこで、広域表示から狭域表示への切り替えのタイミングが早すぎないような処理をすることが望ましい。
例えば、ある構造物がソナーセンサ２３の検知範囲３３に入った場合でも、その構造物が車両２００の切り返しを発生させる障害物２９ではないときには、早い段階で狭域表示にする必要性は低い。

そこで、さらに条件保持部４８に、障害物２９が車両２００の進行方向を切り返す必要性を発生させる対象物であることを規定する切返対象条件を保持させることが望ましい。そして、俯瞰表示部４７は、障害物近接条件が満たされても、切返対象条件が満たされない場合には広域表示を継続することが望ましい。切返対象条件を課すことで、乗車者が確認する必要性の高いときにのみ、広域表示が狭域表示に切り替えられる。また、切返対象条件を課すことで、俯瞰画像３２の表示視野が狭いことに起因する、運転者の不要なブレーキ装置１２の使用を防止することもできる。ただし、切返対象条件を満たさない障害物２９であっても、その障害物２９が車両２００からさらに短い第３距離以内にある場合には、狭域表示に切り替えることが望ましい。

＜３．自動駐車表示方法＞
次に、図５のフローチャートを用いて、本発明の第１実施形態における自動駐車表示方法について説明する。なお、フローチャートには、理解を助けるため、自動駐車の表示動作に加えユーザの動作及び自動駐車動作も含めて示している。なお、以下では、少なくとも一度は進行方向Ωの切り返し（ステップＳ１４）をする例で説明する。また、ステップＳ１１は「Ｓ１１」と略記する。他のステップにおいても同様に略記する。

まず、運転者が自動駐車スイッチをＯＮにして、駐車システム１００の制御による自動駐車を開始する（Ｓ１１）。
ところで、大型店舗の駐車場や公共の駐車場では、駐車場への進入時には既に障害物２９としての多数の自動車が駐車されていることがある。また、フェンスや電柱が駐車場の入口付近にあり車両２００に近接することもある。このように、自動駐車の開始時点で既に障害物近接条件を満たす障害物２９が既に存在する場合がある。

しかし、駐車場への進入時点では、車両２００の駐車位置３６までの距離が長いため、通常、侵入後の車両２００の移動量が大きくなる。このような場合に障害物近接条件を満たすような障害物２９があることを理由に俯瞰画像３２を狭域表示にすると、乗車者は視野を狭められた状態で長距離を監視しなければならない。前述のように、周辺環境を乗車者が詳細に確認して把握することが必要のないタイミングで狭域表示をすると、乗車者は恐怖感や不快感を覚える。よって、自動駐車の開始時に広域表示にされた俯瞰画像３２は、狭域表示が求められるまでは、広域表示に維持される。

このような方針に基づき、自動駐車の開始時には、障害物２９の有無にかかわらず（Ｓ１２においてＹＥＳ又はＮＯ）、モニタ画面５９には、進行方向画像３１とともに広域俯瞰画像３２ａが表示される（Ｓ１３）。
俯瞰画像３２の広域表示は、進行方向Ωの切り返しがされるまで維持される（Ｓ１２，Ｓ１３，Ｓ１４）。
そして、車両２００が経路算出部４４で算出された進行方向Ωの切り返しポイントに到達すると、駐車操作部４５は、最初の進行方向Ωの切り返しをする（Ｓ１４）。
このとき、俯瞰表示部４７は、切り返し時に周囲に障害物２９がない場合、俯瞰画像３２の広域表示を維持する（Ｓ１５においてＮＯの場合Ｓ１７へ進む）。

また、初回の切り返し時に障害物２９があっても、この障害物２９が切返対象条件を満たさない場合、俯瞰表示部４７は、広域表示を維持する（Ｓ１５においてＹＥＳ、かつＳ１６においてＮＯの場合Ｓ１７へ進む）。

一方、初回の切り返し時に切返対象条件を満たす障害物２９がある場合、俯瞰表示部４７は、俯瞰画像３２を広域表示から狭域表示に切り替える（Ｓ１５においてＹＥＳ、かつＳ１６においてＹＥＳの場合Ｓ２３へ進む）。俯瞰画像３２の切り替え頻度を低減させる観点から、狭域俯瞰画像３２ｂの表示後は、自動駐車の終了時まで広域俯瞰画像３２ａによる広域表示に戻さずに、狭域俯瞰画像３２ｂによる狭域表示を継続することが望ましい。車両２００の自動駐車は事前に経路算出部４４で算出した経路に沿って駐車操作部４５で駐車するため、狭域俯瞰画像３２ｂへの切り替え後の車両２００の移動範囲は小さいと考えられるためである。

その後、障害物２９がない場合、俯瞰画像３２は広域表示に維持される（Ｓ１８においてＮＯの場合Ｓ２１へ）。
また、障害物２９があるとき、この障害物２９が障害物近接条件を満たさないときは、俯瞰画像３２は広域表示に維持される（Ｓ１８においてＹＥＳ、かつＳ１９においてＮＯの場合Ｓ２１へ進む）。

また、この障害物２９が障害物近接条件を満たす場合でも切返対象条件を満たさない場合には、俯瞰画像３２は広域表示に維持される（Ｓ１８においてＹＥＳ、かつＳ１９においてＹＥＳ、かつＳ２０においてＮＯの場合Ｓ２１へ進む）。
一方、この障害物２９が障害物近接条件及び切返対象条件の両方を満たす場合には、俯瞰画像３２は狭域表示に切り替えられる（Ｓ１８においてＹＥＳ、かつＳ１９においてＹＥＳ、かつＳ２０においてＹＥＳの場合Ｓ２３へ進む）。

そして、車両２００が駐車区画３８に近づくと区画近接条件が自然に満たされる（Ｓ２２）。よって、俯瞰表示部４７は、俯瞰画像３２を狭域表示にする（Ｓ２２，Ｓ２３）。つまり、直前の俯瞰画像３２が広域表示か狭域表示かに関わらず、車両２００が駐車区画３８に近づくと俯瞰画像３２は狭域表示となる。駐車位置３６の付近では、障害物２９の多くが駐車に関係するものとなる。よって、駐車位置３６の付近で狭域表示により周辺環境が拡大表示されると、駐車位置３６の障害物２９も少し早めに詳細に確認することができることになる。

この狭域表示は車両２００が駐車位置３６に停止後から所定の第１時間、例えば数秒から数分、が経過するまで継続される（Ｓ２４においてＮＯの場合Ｓ２３へ進む）。
停止直後から一定時間は、車両２００と近接する障害物２９との距離を乗車者が詳細に把握するための確認作業をすることが多いためである。そして、停止後から所定の第１時間が経過すると、狭域表示は終了する（Ｓ２４においてＹＥＳの場合Ｓ２５へ進む，ＥＮＤ）。狭域表示を終了した後は、俯瞰画像３２を広域表示に戻してもよいし、モニタ画面５９をＯＦＦにしてもよい。なお、狭域表示の終了のタイミングは、所定の第１時間経過後ではなく、シフトポジションがニュートラルに切り替えられてかつパーキングブレーキが入れられたタイミングであってもよい。

以上のように、第１実施形態に係る表示システム１０によれば、乗車者が操作することなく適時に適切な表示態様で俯瞰画像３２を表示することできる。

（第２実施形態）
第２実施形態では、図６のフローチャートを用いて、狭域表示をした後に自動駐車を中断した場合の操作手順について説明する。
図６は第２実施形態における自動駐車表示方法を含む動作のフローチャートである。
図６のサブルーチンＳ１００は、図５のフローチャートのステップＳ１１の自動駐車スイッチの押下からステップＳ２３の狭域表示までのサブルーチンである。つまり、第２実施形態は、第１実施形態においてステップＳ２３の狭域表示がなされた後に自動駐車が中断された場合の動作を示している。

自動駐車中には、障害物２９の突発的な出現や、運転者がブレーキ装置１２を踏むことで自動駐車が中断されることがある。また、駐車をやめて新たな目的地に進路を変更する場合にも自動駐車が中断される。第２実施形態では、このような自動駐車の中断がなされた際の、俯瞰画像３２の表示態様を説明する。

自動駐車が中断されると（Ｓ３１）、駐車操作部４５はユーザから次の動作選択を受け付ける（Ｓ３２）。次に選択可能な動作は、例えば、自動駐車の再開、現在位置からの離脱である自動離脱、開始時の位置に復帰させる自動復帰、自動駐車のキャンセルなどがある。
駐車操作部４５が中断開始から所定の第２時間経過しても次の動作選択がなされなかった場合、俯瞰表示部４７は狭域表示を終了して広域俯瞰画像３２ａを表示する（Ｓ３２においてＮＯ，Ｓ３４へ，ＥＮＤ）。

ユーザが次の操作を選択する際、周辺環境を加味した適切な選択をする観点から、俯瞰画像３２は広域表示にすることが望ましい。広域表示は狭域表示と比較して車両２００を含む全体像が把握しやすく、自動離脱位置や復帰位置などもより確認しやすいためである。また、所定の第２時間経過しても次の動作が選択されない場合は、狭域俯瞰画像３２ｂには、自動離脱位置や復帰位置などが含まれておらず、乗車者が位置を把握できていない可能性もある。そこで、第２時間経過の後は俯瞰画像３２を広域表示に戻して乗車者に車両２００を含む広域の周辺環境を把握させる。第２時間は、例えば数十秒から数分である。

一方、障害物２９の検知により自動駐車が中断された場合、乗車者は、多くの場合車両２００と障害物２９との位置関係を把握する動作をする。よって、狭域表示が第２時間だけ維持されることで、乗車者は降車前に車両２００と隣接する障害物２９との詳細な位置関係を把握することができる。

また、駐車操作部４５が次の動作選択を受け付けた場合、俯瞰表示部４７は狭域表示を終了して広域俯瞰画像３２ａを表示する（Ｓ３２においてＹＥＳの場合Ｓ３４，ＥＮＤ）。次の動作が選択された場合、通常、選択された動作に従って車両２００は大きく移動する。よって、ユーザから次の動作の選択を受け付けた場合、俯瞰画像３２を広域表示に戻す。

なお、自動駐車に中断が発生した場合の動作以外、第２実施形態に係る表示システム１０及び駐車システム１００は第１実施形態と同様の動作を有する。よって、重複するステップには同一の符号を付して説明を省略する。

以上のように、第２実施形態に係る表示システム１０によれば、一旦狭域表示された俯瞰画像３２を適切なタイミングで広域表示に戻すことができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

例えば、実施形態では、障害物をソナーセンサで検知する例で説明したが、周辺環境撮像部が取得した画像からＡＩ技術等を利用して障害物の位置を特定してもよい。

１０…自動駐車表示システム（表示システム）、１１…アクセル装置、１２…ブレーキ装置、１３…ステアリング装置、１４…シフト装置、１５（１６～２０）…走行用各種センサ、１６…車速センサ、１７…加速度センサ、１８…アクセル開度センサ、１９…ブレーキセンサ、２０…操舵角センサ、２１…操作入力部、２２…周辺環境撮像部、２３（２３ａ，２３ｂ，２３ｃ）…ソナーセンサ（前方ソナーセンサ，後方ソナーセンサ，側方ソナーセンサ）、２４…モニタ、２５…前方カメラ、２６…後方カメラ、２７…左側方カメラ、２８…右側方カメラ、２９…障害物、３１…進行方向画像、３２（３２ａ，３２ｂ）…俯瞰画像（広域俯瞰画像，狭域俯瞰画像）、３３…実際の検知範囲、３３ａ…概形の検知範囲、３６…駐車位置、３８…駐車区画、３９…切り返し線、４１…駐車区画認識部、４２…駐車位置設定部、４３…障害物検知部、４４…経路算出部、４５…駐車操作部、４６…進行方向表示部、４７…俯瞰表示部、４８…条件保持部、５４…中止ボタン、５６…切り替えボタン、５７…表示領域（所定範囲）、５９…モニタ画面、１００…自動駐車システム（駐車システム）、２００…車両、Ω…進行方向。

Claims (7)

1. 自動運転機能を有する車両の自動駐車中に前記車両の上空から前記車両を含む周辺環境を俯瞰した俯瞰画像を車内のモニタの所定範囲に表示する俯瞰表示部と、
   自動駐車時に前記車両と障害物との距離が所定の第１距離以下になることを規定する障害物近接条件、及び前記自動駐車時に予定した駐車位置の駐車区画と前記車両との距離が所定の第２距離以下になることを規定する区画近接条件を保持する条件保持部と、を備え、
   前記俯瞰表示部は、前記障害物近接条件及び前記区画近接条件の少なくとも一方が満たされたとき、広域表示で表示された前記俯瞰画像の視野範囲を狭めることで前記車両の周辺の表示を拡大した狭域表示の前記俯瞰画像を前記所定範囲に切り替えて表示することを特徴とする自動駐車表示システム。
2. 前記条件保持部は、前記障害物が前記車両の進行方向の切り返しを必要とする対象物であることを規定する切返対象条件を保持し、
   前記俯瞰表示部は、前記障害物近接条件が満たされても、前記切返対象条件が満たされない場合には前記広域表示を継続する請求項１に記載の自動駐車表示システム。
3. 前記俯瞰表示部は、前記自動駐車の開始から最初の前記切り返しより前は、前記障害物近接条件が満たされた場合にも前記広域表示を継続する請求項２に記載の自動駐車表示システム。
4. 前記俯瞰画像の前記狭域表示への切り替え後は、前記自動駐車の終了時まで前記狭域表示を継続する請求項１に記載の自動駐車表示システム。
5. 前記狭域表示で表示された前記俯瞰画像は、前記駐車位置に停車後所定の第１時間が経過したときに終了する請求項１に記載の自動駐車表示システム。
6. 前記自動駐車が中断された場合、表示する前記俯瞰画像を所定の第２時間が経過後に前記狭域表示から前記広域表示に切り替える請求項１に記載の自動駐車表示システム。
7. 前記第２距離は前記第１距離より長い請求項１に記載の自動駐車表示システム。

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