JP2024010975A - 画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネ/高生産性を維持しつつ、タッキングの発生を抑制し得る画像形成システムを提供すること。【解決手段】用紙を搬送する搬送部と、トナーを担持する像担持体を有し、当該像担持体への露光、現像処理により形成したトナー像を前記用紙に印刷する画像形成部と、定着ニップを用いた加熱及び加圧により、前記用紙に形成された前記トナー像を前記用紙の紙面上に定着させる定着部と、前記定着部の搬送方向下流側に配設され、前記用紙を冷却する冷却部と、前記搬送部における前記用紙の排出先として前記搬送部の搬送経路から各別に分岐して配設され、印刷済みの前記用紙を積載する複数の用紙積載部と、前記用紙が前記定着部を通過してから、前記複数の用紙積載部のうちの排出先積載部に到達するまでの搬送時間が長いほど、前記冷却部の出力が小さくなるように、前記冷却部の作動状態を制御する制御部と、を備える画像形成システム。【選択図】図5

Description

本開示は、画像形成システムに関する。
従来、像担持体に潜像を形成し、該潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、該トナー像を用紙に転写して定着装置により加熱定着し、該トナー像を用紙に定着させた後、該用紙を排紙トレイに搬送し堆積させる画像形成装置が知られている。
トナー像が定着された用紙は、搬送中に他の部材に接触したり用紙同士が擦れたりしながら最終的に排紙トレイに堆積される。用紙に定着された直後のトナーは、高温で不安定な溶着状態にあり、時間経過とともに次第に冷却され徐々に固まっていく。
しかしながら、近年、高速かつ大量処理に対応する画像形成装置の開発が進み、加熱定着後の温度が高いため固まりきっていない溶着状態にあるトナーを搭載した用紙が排紙トレイ上に堆積されるケースが増えてきている。
このような画像形成装置においては、用紙に搭載された溶着状態のトナーは、その上部に堆積される大量の用紙の質量で押圧され、トナー同士/紙同士を付着させ、隣接する用紙に付着し易くなり、タッキング(トナー剥がれ)を引き起こす問題が生じている。
特開2006-350244号公報 特開2006-16193号公報 特開2002-268305号公報
従来、上記したタッキング対策として、冷却ファンによる送風(紙条件によって風量変更)で紙を冷却することでトナーを早く冷え固まらせる方法が採られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
しかしながら、タッキングを確実に防止するために、常時、冷却ファンを高出力で稼働させることは、消費電力の増加や騒音の悪化といった課題を引き起こす。加えて、冷却ファンの風量を大きくして搬送経路上にある用紙に大量の送風を行うと、搬送経路と用紙との間の摩擦抵抗による紙折れや搬送不良を起こし易いという問題もある。
他のタッキング対策として、用紙を搬送経路中で一旦停止させたり、搬送経路を長くしたりして、用紙を冷却するまで待機させる方法もあるが、かかる方法では、生産性が低下するという問題がある(例えば、特許文献3を参照)。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、省エネ/高生産性を維持しつつ、タッキングの発生を抑制し得る画像形成システムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、
用紙を搬送する搬送部と、
トナーを担持する像担持体を有し、当該像担持体への露光、現像処理により形成したトナー像を前記用紙に印刷する画像形成部と、
定着ニップを用いた加熱及び加圧により、前記用紙に形成された前記トナー像を前記用紙の紙面上に定着させる定着部と、
前記定着部の搬送方向下流側に配設され、前記用紙を冷却する冷却部と、
前記搬送部における前記用紙の排出先として前記搬送部の搬送経路から各別に分岐して配設され、印刷済みの前記用紙を積載する複数の用紙積載部と、
前記用紙が前記定着部を通過してから、前記複数の用紙積載部のうちの排出先積載部に到達するまでの搬送時間が長いほど、前記冷却部の出力が小さくなるように、前記冷却部の作動状態を制御する制御部と、
を備えた画像形成システムである。
本発明に係る画像形成システムによれば、省エネ/高生産性を維持しつつ、タッキングの発生を抑制することができる。
第1の実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す図 第1の実施形態に係る画像形成システムの後処理装置の構成例を示す図 第1の実施形態に係る画像形成システムの制御系の構成を示す図 第1の実施形態に係る制御部が参照する、風量設定テーブルのデータ構造の一例を示す図 第1の実施形態に係る画像形成システムの制御部による、冷却ファンの制御手順を示すフローチャート 第2の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図 第3の実施形態に係る画像形成システムの後処理装置の構成例を示す図 第3の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図 第4の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図 第5の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図 第5の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの他の一例を示す図 第6の実施形態に係る制御部が参照する、冷却ファンの出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
[画像形成装置の構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成システム(以下、「画像形成システムU」と称する)の全体構成について、図1~図3を参照して説明する。
図1は、画像形成システムUの全体構成を示す図である。
画像形成装置システムUは、画像形成装置1と、画像形成装置1の後段に接続された後処理装置200とから構成されている
まず、画像形成装置1の構成について、説明する。
画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、及び特色(ここでは、ホワイト)の5色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。
画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ユニット50と、2次転写部60と、定着部80と、冷却部90と、制御部100とを有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラー12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラー15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラー12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラー15は、複数のローラー12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Pのサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙Pは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部60に搬送される。又、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
又、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、制御部100のRAM103(図3を参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と中間転写ユニット50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(ここでは、クリアトナー)の各色のトナー像を形成するために、5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。又、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成し、第5の画像形成ユニット40Zは、ホワイトのトナー像を形成する。これら5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モーターによって回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行うことにより感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、トナーを用いて感光体41上に形成された静電潜像を現像する。この現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。そして、第5の画像形成ユニット40Zの現像部44は、感光体41にホワイトのトナーを付着させる。
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ユニット50は、中間転写ベルト51と、中間転写ベルト51が掛け渡される複数のローラーとを有している。
又、中間転写ベルト51における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zの感光体41と対向する位置には、1次転写ローラー52が設けられている。この1次転写ローラー52は、中間転写ベルト51にトナーと反対の極性の電圧を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト51に転写する。
そして、中間転写ベルト51が回転駆動することで、中間転写ベルト51の表面には、5つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40K,40Zで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト51の表面上には、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック及び特色のトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト51の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向下流には、2次転写部60が配置されている。2次転写部60は、搬送部23によって送られてきた用紙Pを中間転写ベルト51に接触させて、中間転写ベルト51の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する。
2次転写部60は、2次転写下ローラー61を有している。2次転写下ローラー61は、中間転写ユニット50の複数のローラー(中間転写ベルト51が掛け渡された複数のローラー)のうちの1つである2次転写上ローラー56に圧接されている。そして、2次転写下ローラー61と2次転写上ローラー56とによって、2次転写ニップ部62が構成されている。2次転写ニップ部62は、中間転写ベルト51の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写位置である。
2次転写部60における用紙Pの排出側には、定着部80が設けられている。定着部80は、用紙Pを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラー81及び定着下ローラー82で構成されている。定着上ローラー81及び定着下ローラー82は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラー81と定着下ローラー82との圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラー81の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラー81のローラー部が温められる。そして、定着上ローラー81のローラー部の熱が用紙Pへ伝達されることにより、用紙P上のトナー画像が熱定着される。
用紙Pは、2次転写部60によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラー81と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙Pには、定着上ローラー81と定着下ローラー82とによる加圧と、定着上ローラー81のローラー部の熱による加熱が行われる。
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Pの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成モードの場合には、用紙Pを直進させる。これにより、用紙Pは、一対の排紙ローラー25によって排紙される。一方、切換ゲート24は、両面画像形成モードの場合には、用紙Pを下方に案内する。搬送部23は、両面画像形成モードの場合には、切換ゲート24によって下方に案内された用紙Pを、用紙反転搬送部26に送る。これにより、用紙Pは、用紙反転搬送部26にて表裏反転処理が施された後、再給紙路27を介して、再び画像形成部40の転写位置へ送られる。
冷却部90は、例えば、搬送部23の搬送経路に沿って、定着部80の搬送方向下流側に配設され、画像形成処理が行われ、且つ、定着処理が行われた後の用紙Pを冷却する。冷却部90は、例えば、冷却ファンによって構成されている(以下、「冷却ファン90」とも称する)。冷却ファン90は、制御部100の制御下で、例えば、モータの回転速度の変更により、風量(即ち、出力)が可変に構成され、これにより用紙Pに対する冷却能力が可変となっている。
尚、冷却部90は、冷却ファンに代えて/又はこれと共に、搬送部23に搬送されている間に用紙Pを冷却するように配設された冷却用のローラー対によって構成されてもよい。かかるローラー対は、例えば、自身の外周面(即ち、用紙Pとの接触面)の温度の調整や、用紙Pを挟持する圧力の調整により、用紙Pに対する冷却能力を可変とすることができる。
排紙ローラー25の搬送方向下流側には、後処理装置200(図2を参照)が配置されている。冷却ファン90にて冷却された用紙Pは、排紙ローラー25を介して後処理装置200内に導入され、後処理装置200にて、印刷ジョブに設定された後処理が施された後、後処理装置200に設けられた5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のいずれかに排出される。
図2は、後処理装置200の構成例を示す図である。
後処理装置200は、第1後処理ユニット210、第2後処理ユニット220、及び第3後処理ユニット230を有し、第1後処理ユニット210、第2後処理ユニット220、及び第3後処理ユニット230が、用紙Pの搬送方向に沿って、この順で接続されて構成されている。そして、後処理装置200は、第1~第3後処理ユニット210、220、230それぞれを用いて、用紙Pに対してジョブ設定に応じた後処理を施した後に、用紙Pを、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20(本発明の「用紙積載部」に相当)のいずれかに排出する。
尚、排紙トレイH1は、第1後処理ユニット210に設けられ、排紙トレイH2と排紙トレイH20は、第2後処理ユニット220に設けられ、排紙トレイH3と排紙トレイHMは、第3後処理ユニット230に設けられている。ここでは、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20は、後処理装置200内の搬送部における用紙Pの排出先として搬送経路から各別に分岐して配設され、印刷ジョブで連続的に印刷される用紙Pを積載し得るように構成されている。
後処理装置200は、図2中に、矢印a、b、c、d、e、f、g、h、r、t、u、v、wで示す搬送経路を構成する搬送部を有し、画像形成装置1の搬送部23にて搬送されてきた画像形成済みの用紙Pを受け取り、これらの矢印で示す搬送経路に沿って用紙Pを搬送する。後処理装置200の搬送制御は、予めジョブ設定された後処理態様に従って、行われる。
第1後処理ユニット210は、穿孔手段211と中折り手段212とを備える。画像形成装置1の搬送部23(排紙ローラー25)から送られた用紙Pは、矢印aの方向から第1後処理ユニット210に進入して、予めジョブ設定された後処理態様となるように、図2中のb、c、dで示す3つの進路のうちのいずれかに搬送される。
進路bは、後処理を施さずに用紙Pを排紙トレイH1に導く進路である。
進路cは、穿孔手段211により用紙Pの端部に孔をあけて第2後処理ユニット220に送る場合、もしくは用紙Pに後処理を施さずに、そのまま第2後処理ユニット220に送る場合の進路である。
進路dは、画像形成装置1から送られた用紙Pを1枚ずつ、あるいは複数枚をまとめて中折り手段212により中折り処理を施す進路で、中折り処理された用紙Pは進路eを経由して第2後処理ユニット220に送られる。
第2後処理ユニット220は、ステイプラ221と中折り手段222とを備える。第1後処理ユニット210から送られた用紙Pは、予めジョブ設定された後処理態様となるように、図2中のf、g、hで示す3つの進路のうちのいずれかに搬送される。
進路fは、第2後処理ユニット220による後処理を施さずに用紙Pを排紙トレイH2に導く進路である。
進路gは、第2後処理ユニット220による後処理を施さずに用紙Pを第3後処理ユニット230に導く進路である。
進路hは、用紙Pをステイプラ221に導く進路で、ステイプラ221は複数枚の用紙Pを集積して用紙束を作り、用紙束の端部、あるいは中央線に綴じ針による綴じ処理を施す。中央線に綴じ処理が施された用紙束は矢印rで示される進路に進み、中折り手段222により中折り処理が施されて、排紙トレイH20に排出される。端部に綴じ処理が施された用紙束は矢印tで示される進路に送られ、第3後処理ユニット230に進む。
第3後処理ユニット230は、糊による綴じ処理を行う製本手段231を備える。
第2後処理ユニット220から送られた用紙Pは予めジョブ設定された後処理態様となるように、図2中のu、v、wで示す3つの進路のうちのいずれかに搬送される。
進路uは、第3後処理ユニット230による後処理を施さずに用紙Pを排紙トレイH3に導く進路である。
進路vは、第3後処理ユニット230による後処理を施さずに用紙Pを排紙トレイHMに導く進路である。
進路wは、用紙Pに製本処理を施すための進路である。製本手段231は、用紙Pの端部に塗布手段232にてホットメルトタイプの糊を塗布して、これらの用紙Pを載置台233の上に所定の枚数積載して、前記端部を加圧加熱することにより綴じ処理を行う。そして、製本手段231は、綴じ処理を行った用紙Pを、排紙トレイHMに送り出す。
図3は、画像形成システムUの制御系の構成を示す図である。
制御部100は、画像形成システムUの各部を統括制御する。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を含んで構成される。そして、制御部100は、CPU101が、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成システムUの各ブロックの動作を集中制御する。
制御部100は、図1、図2を参照して説明した画像形成システムUの各部(画像読取部30、画像形成部40、給紙部21、定着部80、冷却部90、及び、後処理装置200)、出力済みの画像データ等を記憶したりする記憶部104、液晶表示装置(LCD)等のタッチパネルである操作表示部105、及び、外部の情報処理装置であるPC(パーソナルコンピュータ)Uaと通信接続された通信部108等に、システムバス107を介して接続されている。尚。記憶部104には、制御部100が冷却部90(冷却ファン90)の風量を設定する際に参照する風量設定テーブル等も記憶されている。
制御部100は、通信部108を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)Uaとの間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置Uaから送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて、画像形成装置1にて用紙Pにトナー像を形成させる。
<制御部100の詳細構成>
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る制御部100の詳細構成について、説明する。
本実施形態に係る制御部100は、上記したように、省エネ/高生産性を維持しつつ、タッキングの発生を抑制する観点から、冷却ファン90の制御手法に、特に、特徴を有する。
具体的には、制御部100は、用紙Pが定着部80を通過してから、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のうちの排出先トレイに到達するまでの搬送時間(以下、「画像形成後搬送時間」と称する)が長いほど、冷却ファン90の出力(即ち、風量)が小さくなるように、冷却ファン90の作動状態を制御する。これは、画像形成後搬送時間が、長くなるほど、用紙P上に定着されたトナーの固化が進み、用紙Pが、排紙トレイ上に載置された際にタッキングが生じにくくなるためである。即ち、印刷実行時、画像形成後搬送時間が長く、排紙トレイ上に載置(即ち、堆積)されるまでの間に、自然冷却で、用紙P上に定着されたトナーの固化が進むものについては、冷却ファン90による出力(即ち、風量)を小さくしてもタッキングの問題は生じず、省エネの観点からは、冷却ファン90による出力(即ち、風量)を小さくした方が有用であるからである。
制御部100は、かかる冷却ファン90の出力制御を、例えば、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に基づいて行う。即ち、本実施形態に係る制御部100は、用紙Pの排出先トレイの位置から、画像形成後搬送時間を推定して、冷却ファン90の出力を制御する。
但し、制御部100は、画像形成後搬送時間を、定着部80及び排出先トレイに設けられた用紙検出センサ(図示せず)を用いて、特定してもよい。その場合、例えば、制御部100は、ジョブ開始時の1枚目に検出された画像形成後搬送時間をもとに、冷却ファン90の出力を制御すればよい。
図4は、風量設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。このテーブルは、画像形成システム1の制御部100が、空冷ファンの風量を特定する際に参照されるテーブルである。この風量設定テーブルは、空冷ファンの風量を示す情報(尚、風量の大きさは、レベル1<レベル2<レベル3となっている。以下同じ)を、用紙Pの排出先トレイと関連付けて記憶する。
本実施形態に係る画像形成システムUは、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20を有し、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のいずれに用紙Pを排出するかによって、画像形成後搬送時間は、異なる。具体的には、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20の後処理装置200の用紙搬入口からの距離(即ち、定着部80からの距離)は、排紙トレイH1、排紙トレイH2、排紙トレイH20、排紙トレイH3、排紙トレイHMの順に遠くなっており、その距離に応じて、画像形成後搬送時間は、排紙トレイH1、排紙トレイH2、排紙トレイH20、排紙トレイH3、排紙トレイHMの順に長くなる(ここでは、後処理に掛かる時間を無視した搬送時間を述べているが、より好ましくは、後処理に掛かる時間を考慮する(第2の実施形態を参照))。
従って、図4の風量設定テーブル上では、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH1である場合、風量レベル3を適用し、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH2である場合、風量レベル2を適用し、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH3である場合、風量レベル1を適用し、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイHMである場合、風量レベル1を適用するように構成されている。
尚、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH20である場合、風量レベル3を適用し、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH2である場合の風量レベル2よりも大きなレベルを適用する構成となっているのは、排紙トレイH20は、後処理装置200の機内の密閉空間内に存在し、印刷済み用紙Pの余熱の影響で(即ち、放熱が籠る)、排紙トレイH20の周辺雰囲気温度が高温化しやすい状況下に配されているためである。即ち、排紙トレイH20上に載置(即ち、堆積)された場合、用紙Pは、外気に曝された状態で配される他の4つの排紙トレイH1、H2、H3、HMと比較して、温度低下までに時間が掛かることになる。排出先トレイ上で、用紙Pが大量積載されると、用紙Pの重量で用紙P同士/トナー同士が押圧されて付着し、タッキングが生じやすくなる。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、用紙Pの排出先トレイが密閉空間内に存在する場合、画像形成後搬送時間が同一の条件下では、用紙Pの排出先トレイが外気に曝される状況下に存在する場合よりも、冷却ファン90の出力が大きくなるように、冷却ファン90の作動状態を制御する。
又、図4の風量設定テーブルのテーブルには特定されていないが、本実施形態に係る制御部100は、用紙Pへの印刷が両面印刷である場合にのみ、冷却ファン90の出力を大きくし(即ち、風量レベル2又は風量レベル3)、用紙Pへの印刷が片面印刷である場合には、冷却ファン90の出力を小さくする(即ち、風量レベル1)(図5のフローチャートを参照)。これは、用紙Pへの印刷が片面印刷である場合には、排紙トレイ上に重なった用紙Pのトナー像同士が接触することはないため、タッキングが生じるおそれはないためである。
尚、印刷ジョブにおける、用紙Pへの印刷が両面印刷であるか否かを判定する際には、印刷ジョブで両面印刷が設定されているか否かを参照してもよいし、印刷ジョブで設定された印刷対象の画像の偶数ページのカバレッジが所定の基準値(例えば、5%)以上であるか否かを判定する手法が用いられてもよい。
図5は、制御部100による、冷却ファン90の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、ユーザーから印刷指令を受け付けたときに実行される。
ステップS1において、制御部100は、印刷指令を受けた印刷ジョブのプリント条件に係るデータを取得する。プリント条件に係るデータとしては、例えば、片面印刷若しくは両面印刷のいずれかを示すプリントモード、用紙Pの種別(例えば、サイズや物性)、用紙Pに対する後処理の態様、及び、用紙Pの排出先トレイ等である。
尚、ここでは、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のうち、用紙Pの排出先トレイは、ユーザーに設定される態様としているが、当該排出先トレイは、印刷ジョブに設定された後処理の態様、及び/又は用紙Pの種別(例えば、サイズや物性)に基づいて、自動設定されてもよい。例えば、制御部100は、後処理装置200で綴じ処理(製本処理)を行う設定がなされている場合には、用紙Pの排出先トレイとして、排紙トレイHMを自動設定してもよい。又、制御部100は、用紙PのサイズがA4サイズの場合には、用紙Pの排出先トレイとして、排紙トレイH2を自動設定し、用紙PのサイズがB4サイズの場合には、用紙Pの排出先トレイとして、排紙トレイH3を自動設定してもよい。
ステップS2において、制御部100は、印刷ジョブのプリントモードが両面印刷か否かを判定する。そして、制御部100は、印刷ジョブのプリントモードが両面印刷である場合(S2:YES)、ステップS3に処理を進め、印刷ジョブのプリントモードが両面印刷でない場合(S2:NO)、ステップS5に処理を進める。
ステップS3において、制御部100は、印刷ジョブの印刷対象の偶数ページ目の画像のカバレッジが所定の基準値(例えば、5%)以上であるか否かを判定する。そして、制御部100は、印刷ジョブの印刷対象の偶数ページ目の画像のカバレッジが所定の基準値(例えば、5%)以上である場合(S3:YES)、ステップS4に処理を進め、印刷ジョブの印刷対象の偶数ページ目の画像のカバレッジが所定の基準値(例えば、5%)未満である場合(S3:NO)、ステップS5に処理を進める。
このステップS3は、印刷ジョブが実質的に両面印刷であるか否かを判定するための処理である。即ち、印刷ジョブの印刷対象の偶数ページ目の画像のカバレッジが所定の基準値(例えば、5%)未満である場合には、用紙Pへの印刷が片面印刷である場合と同様に、排紙トレイ上に重なった用紙Pのトナー像同士が接触する可能性は低くなるため、タッキングが生じる可能性も低くなるためである。
ステップS4において、制御部100は、プリント条件に係るデータにおいて、用紙Pの排出先トレイが、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のいずれに設定されているかを判定し、排出先トレイに応じて、ステップS5、ステップS6又はステップS7のいずれかに処理を進める。ここで、制御部100は、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH3又はHMの場合、ステップS5に処理を進め、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH2の場合、ステップS6に処理を進め、用紙Pの排出先トレイが排紙トレイH1又はH20の場合、ステップS7に処理を進める。
ステップS5において、制御部100は、冷却ファン90の出力を風量レベル1に設定して、冷却ファン90の動作を開始する。
ステップS6において、制御部100は、冷却ファン90の出力を風量レベル2に設定して、冷却ファン90の動作を開始する。
ステップS7において、制御部100は、冷却ファン90の出力を風量レベル3に設定して、冷却ファン90の動作を開始する。
ステップS8において、制御部100は、印刷指令を受け付けた印刷ジョブを開始する。
以上のような一連のフローによって、制御部100は、冷却ファン90の出力を適切に制御した状態で、印刷ジョブを実行する。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る制御部100は、印刷時、用紙Pの排出先トレイに係る情報(例えば、排出先トレイが、5つの排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のうちのいずれかを特定する情報)に基づいて、用紙Pが定着部80を通過してから、排出先トレイに到達するまでの時間が長いほど、冷却部90の出力を小さくするように、冷却部90の作動状態を制御する(例えば、冷却ファン90の風量を制御する)。
これによって、画像形成装置1において、タッキングの発生を抑制しながら、冷却ファン90の稼働状態を必要最小限に止めることが可能である。即ち、これによって、冷却ファン90の消費電力を抑制でき、且つ、冷却ファン90の稼働に伴う騒音の発生も抑制することができる。又、これにより、画像形成装置1に、用紙Pを搬送経路の途中で一旦停止させたりする必要がないため、高い生産性を維持することができる。又、これにより、冷却ファン90の風量を過剰に大きくすることに伴って発生する搬送不良の事故の発生頻度も抑制することができる。
(第2の実施形態)
上記実施形態においては、制御部100が、後処理装置200における後処理態様を考慮することなく、冷却ファン90の出力を決定する態様を示した。しかしながら、用紙Pが定着部80を通過してから複数の排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20のうちの排出先トレイに到達するまでの搬送時間(画像形成後搬送時間)は、排出先が同一の排出先トレイであっても、後処理装置200における後処理態様に依拠するところが大きい。この際、上記したように、画像形成後搬送時間が長くなれば、搬送時間中の自然冷却により、用紙Pの温度は低下するため、タッキングが発生するおそれは小さくなる。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に係る情報と後処理装置200における後処理態様とに基づいて、冷却ファン90の出力(即ち、風量)を制御する。尚、本実施形態に係る画像形成システムUは、制御部100が冷却ファン90の出力を決定するプロセスの点でのみ、第1の実施形態と相違する。第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する(以下、他の実施形態についても同様)。
図6は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図である。図6のテーブルデータには、第1後処理ユニット210による後処理(即ち、中折り手段212により中折り処理)が施される場合の冷却ファン90の出力調整量(-ΔVs1)、第2後処理ユニット220による後処理(即ち、ステイプラ221により綴じ処理)が施される場合の冷却ファン90の出力調整量(-ΔVs2)、及び、第3後処理ユニット230による後処理(即ち、製本手段231により製本処理)が施される場合の冷却ファン90の出力調整量(-ΔVs3)が記憶されている。これらの出力調整量は、例えば、図4で決定された冷却ファン90の風量レベルの出力から減算するように適用される。
具体的には、本実施形態に係る制御部100は、例えば、後処理装置200における後処理工程が入る場合には、後処理工程に伴う画像形成後搬送時間の長時間化を考慮して、図4のテーブルデータに従って決定された冷却ファン90の出力(即ち、図5のステップS5、S6、S7の処理で決定した出力)から、図6のテーブルデータに従って決定された冷却ファン90の出力調整量だけ減算した値を、最終的な冷却ファン90の出力として決定する。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、後処理装置200における後処理態様を考慮して、冷却部90の出力を調整することが可能であるため、より一層省エネ化を促進することができる点で、有用である。
(第3の実施形態)
図7は、本実施形態に係る画像形成システムUの後処理装置200の構成例を示す図である。本実施形態に係る画像形成システムUは、排紙トレイH1、H2、H3、HM、H20それぞれの周辺雰囲気温度を検出する温度センサS-H1、S-H2、S-H3、S-HM、S-H20を含んでいる。
上記したように、排出先トレイ上に載置された際に、用紙Pにタッキングが生じるか否かは、当該用紙Pの上に他の用紙Pが積み重なる前に、当該用紙Pのトナーが固化する程度に依拠する。これは、排出先トレイ上で、用紙Pが大量積載されると、用紙Pの重量で用紙P同士/トナー同士が押圧されて付着し、タッキングが起き易いためである。
即ち、用紙Pにタッキングが生じる程度は、当該用紙Pが温度低下する速度に影響を及ぼす、排出先トレイの周辺雰囲気温度にも依拠する。尚、排紙トレイの周辺雰囲気温度が温度上昇する要因としては、排紙トレイが密閉空間内に存在する状況や、外気温度が高くなっている状況や、用紙Pの種別や印刷設定の関係から印刷済み用紙P自体の温度が高くなっている状況(即ち、排紙トレイ上に堆積した用紙Pにより、周辺雰囲気温度が高くなっている)等が挙げられる。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に係る情報に加えて、更に、検出された用紙Pの排出先トレイの周辺雰囲気温度に基づいて、冷却ファン90の出力を制御する。そして、制御部100は、排出先トレイの周辺雰囲気温度が高いほど、冷却ファン90の出力が大きくなるように、冷却ファン90の出力を制御する。
図8は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図である。図8のテーブルデータには、排紙トレイ(ここでは、排出先トレイ)の周辺雰囲気温度が基準温度未満のときの出力調整量(調整量なし)、排紙トレイ(ここでは、排出先トレイ)の周辺雰囲気温度が基準温度以上~基準温度+3℃未満のときの出力調整量(+ΔVt)、及び、排紙トレイ(ここでは、排出先トレイ)の周辺雰囲気温度が基準温度+3℃以上のときの出力調整量(+2ΔVt)が記憶されている。
尚、この基準温度としては、例えば、画像形成システムUが通常用いられるときの外気温度(たとえば 25℃)程度が設定される。即ち、制御部100は、排出先トレイの周辺雰囲気温度が基準温度よりも高い場合には、図8のテーブルデータに従って、排出先トレイ上での用紙Pの温度低下の遅延を考慮して、冷却ファン90の出力を大きくする方向で出力調整を行う。これによって、省エネを考慮しながら、必要に応じて、タッキングの発生を抑制するために好適な出力となるように、冷却部の出力を調整することができる。
具体的には、本実施形態に係る制御部100は、例えば、図5のステップS5、S6、S7の処理の後、温度センサS-H1、S-H2、S-H3、S-HM、S-H20のうち、ジョブ設定から特定される排出先トレイの周辺雰囲気温度を検出する温度センサの検出信号を取得して、排出先トレイの周辺雰囲気温度を特定する。そして、制御部100は、図4のテーブルデータに従って決定された冷却ファン90の出力から、当該排出先トレイの周辺雰囲気温度と図8のテーブルデータとに基づいて決定された冷却ファン90の出力調整量だけ加算した値を、最終的な冷却ファン90の出力として決定し、冷却ファン90の動作を開始した後、印刷を実行する(ステップS8)。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、排出先トレイ上での用紙Pの温度低下の遅延を考慮して、冷却ファン90の出力を調整することが可能であるため、より確実に、省エネ化を図りつつ、タッキングの発生を抑制することができる点で、有用である。
(第4の実施形態)
本発明者らの知見によると、用紙Pの用紙面が平滑な場合、排出先トレイ上で、用紙同士/トナー同士の接触面積が拡がり、タッキングが起き易い。換言すると、用紙Pの平滑度が低い場合、紙積載時の紙同士/トナー同士の密着性が低くなり、放熱もし易い。即ち、冷却ファン90の出力を小さく抑えながら、タッキングを確実に抑制する観点からは、用紙Pの平滑度を考慮するのが好ましい。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に係る情報に加えて、更に、用紙Pの平滑度に係る物性に基づいて、冷却ファン90の出力を制御する。そして、制御部100は、用紙Pの平滑度が高いほど、冷却ファン90の出力が大きくなるように、冷却ファン90の出力を制御する。
用紙Pの平滑度に係る物性は、例えば、画像形成装置1の搬送部23の搬送経路中に設けられた用紙Pの平滑度に係る物性を検出するメディアセンサ(図示せず)の検出結果を用いるのが好ましい。尚、用紙Pの平滑度に係る物性としては、用紙Pの平滑度そのもの以外にも、用紙Pの密度や用紙Pの透気度等、用紙Pの平滑度を間接的に認識することができる検出結果が用いられてもよい。
他方、用紙Pの平滑度に係る物性は、印刷ジョブに設定された印刷条件に係る情報から特定されてもよい。その場合、例えば、印刷ジョブに設定された用紙Pの種別に係る情報が用いられてもよいし、ユーザー自身が用紙Pの平滑度に係る物性を入力し得る構成となっていてもよい。
図9は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図である。図9のテーブルデータには、用紙Pの平滑度が予め定めた中程度に該当するときの出力調整量(調整量なし)、用紙Pの平滑度が予め定めた高平滑状態に該当するときの出力調整量(+ΔVu)、及び用紙Pの平滑度が予め定めた低平滑状態に該当するときの出力調整量(-ΔVu)が記憶されている。
即ち、本実施形態に係る制御部100は、用紙Pの用紙面が平滑な場合には、排出先トレイ上で、用紙同士/トナー同士の接触面積が拡がり、タッキングが起き易いことを考慮して、冷却ファン90の出力を大きくする方向で出力調整を行い、用紙Pの用紙面が粗い場合には、排出先トレイ上で、用紙同士/トナー同士の接触面積が少なく、タッキングが起き難いことを考慮して、冷却ファン90の出力を小さくする方向で出力調整を行う。これによって、省エネを考慮しながら、必要に応じて、タッキングの発生を抑制するために好適な出力となるように、冷却部90の出力を調整することができる。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、用紙Pの平滑度を考慮して、冷却ファン90の出力を調整することが可能であるため、より確実に、省エネ化を図りつつ、タッキングの発生を抑制することができる点で、有用である。
(第5の実施形態)
本発明者らの知見によると、排出先トレイ上で、用紙Pが大量積載されると、用紙Pの重量で用紙同士/トナー同士が押圧されて付着し、タッキングが起き易い。即ち、冷却ファン90の出力を小さく抑えながら、タッキングを確実に抑制する観点からは、印刷ジョブ中に、排出先トレイに積載される用紙Pの重量を考慮するのが好ましい。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に係る情報に加えて、更に、印刷ジョブ中に、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載枚数又は総積載重量に基づいて、冷却ファン90の出力を制御する。
図10は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図である。図10のテーブルデータには、印刷ジョブ中に、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載枚数が所定の閾値(ここでは、1000枚)以上である場合の出力調整量(+ΔVk)が記憶されている。尚、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載枚数は、印刷ジョブにおける用紙Pの印刷予定枚数から特定可能である。
図11は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの他の一例を示す図である。図11のテーブルデータには、印刷ジョブ中に、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載重量が所定の閾値(ここでは、1000g)以上である場合の出力調整量(+ΔVm)が記憶されている。尚、印刷ジョブ中に、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載重量は、印刷ジョブにおける用紙Pの印刷予定枚数と、用紙Pの種別から算出可能である。
即ち、本実施形態に係る制御部100は、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載枚数が閾値(ここでは、1000枚)以上である場合や、排出先トレイに積載される用紙Pの総積載重量が所定の閾値(ここでは、1000g)以上である場合には、タッキングを確実に抑制する観点から、冷却ファン90の出力を大きくする方向で出力調整を行う。
これによって、省エネを考慮しながら、必要に応じて、タッキングの発生を抑制するために好適な出力となるように、冷却ファン90の出力を調整することができる。
(第6の実施形態)
本発明者らの知見によると、画像形成装置1の外部環境の温度が高温である場合、排出先トレイ上で、用紙Pの温度が下がり難いので、タッキングが起き易い。
かかる観点から、本実施形態に係る制御部100は、ジョブ設定から特定される用紙Pの排出先トレイの位置に係る情報に加えて、更に、外部環境の温度を測定する温度センサ(図示せず)の示す温度情報に基づいて、冷却ファン90の出力を制御する。
図12は、本実施形態に係る制御部100が参照する、冷却ファン90の出力を調整するための調整量設定テーブルの一例を示す図である。図12のテーブルデータには、外部環境の温度が閾値(ここでは、25℃)以上である場合の出力調整量(+ΔVo)が記憶されている。即ち、本実施形態に係る制御部100は、外部環境の温度が高温である場合には、冷却ファン90の出力を大きくする方向で出力調整を行う。
これによって、省エネを考慮しながら、必要に応じて、タッキングの発生を抑制するために好適な出力となるように、冷却部90の出力を調整することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明に係る画像形成システムによれば、省エネ/高生産性を維持しつつ、タッキングの発生を抑制することができる。
U 画像形成システム
1 画像形成装置
10 原稿搬送部
20 用紙収納部
30 画像読取部
40 画像形成部
50 中間転写ユニット
60 2次転写部
80 定着部
90 冷却部(冷却ファン)
100 制御部
200 後処理装置
H1、H2、H3、HM、H20 排紙トレイ(用紙積載部)
S-H1、S-H2、S-H3、S-HM、S-H20 温度センサ

Claims (13)

  1. 用紙を搬送する搬送部と、
    トナーを担持する像担持体を有し、当該像担持体への露光、現像処理により形成したトナー像を前記用紙に印刷する画像形成部と、
    定着ニップを用いた加熱及び加圧により、前記用紙に形成された前記トナー像を前記用紙の紙面上に定着させる定着部と、
    前記定着部の搬送方向下流側に配設され、前記用紙を冷却する冷却部と、
    前記搬送部における前記用紙の排出先として前記搬送部の搬送経路から各別に分岐して配設され、印刷済みの前記用紙を積載する複数の用紙積載部と、
    前記用紙が前記定着部を通過してから、前記複数の用紙積載部のうちの排出先積載部に到達するまでの搬送時間が長いほど、前記冷却部の出力が小さくなるように、前記冷却部の作動状態を制御する制御部と、
    を備えた画像形成システム。
  2. 前記制御部は、ジョブ設定から特定される前記排出先積載部の位置に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記搬送経路中の前記定着部の下流側に配設され、前記用紙に対してジョブ設定に応じた後処理を施した後に、前記用紙を前記排出先積載部に排出する後処理装置を更に備え、
    前記制御部は、前記ジョブ設定から特定される前記後処理の態様に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  4. 前記制御部は、前記搬送時間が同一の条件下では、前記用紙の前記排出先積載部が密閉空間内に存在する場合の方が、前記用紙の前記排出先積載部が外気に曝される状況下に存在する場合よりも、前記冷却部の出力が大きくなるように、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  5. 前記複数の用紙積載部それぞれの周辺雰囲気温度を検出する複数の温度センサを含み、
    前記制御部は、検出された前記用紙の前記排出先積載部の前記周辺雰囲気温度に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  6. 前記搬送部の前記搬送経路中で、前記用紙の平滑度に係る物性を検出するメディアセンサを更に備え、
    前記制御部は、前記メディアセンサによって検出された前記用紙の前記平滑度に係る物性に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  7. ユーザーの操作入力による印刷条件の設定を受け付ける受付部を更に備え、
    前記制御部は、設定された前記印刷条件から特定される前記用紙の物性に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  8. 前記制御部は、前記搬送時間が同一の条件下では、前記用紙の両面に印刷を実行する場合の方が、前記用紙の片面のみに印刷を実行する場合よりも、前記冷却部の出力が大きくなるように、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  9. 前記制御部は、印刷ジョブの内容に基づいて、前記印刷ジョブ中に、前記排出先積載部に積載される前記用紙の総積載枚数を特定し、前記搬送時間が同一の条件下では、前記総積載枚数が所定の閾値以上となる場合の方が、前記総積載枚数が前記所定の閾値未満の場合よりも、前記冷却部の出力が大きくなるように、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  10. 前記制御部は、印刷ジョブの内容に基づいて、前記印刷ジョブ中に、前記排出先積載部に積載される前記用紙の総積載重量を算出し、前記搬送時間が同一の条件下では、前記総積載重量が所定の閾値以上となる場合の方が、前記総積載重量が前記所定の閾値未満の場合よりも、前記冷却部の出力が大きくなるように、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  11. 前記画像形成システムが設置された外部環境の温度を検出する温度センサを備え、
    前記制御部は、検出された前記外部環境の温度に基づいて、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  12. 前記制御部は、印刷ジョブに設定された印刷対象画像のカバレッジを算出し、前記搬送時間が同一の条件下では、前記カバレッジが所定の閾値以上となる場合の方が、前記カバレッジが前記所定の閾値未満の場合よりも、前記冷却部の出力が大きくなるように、前記冷却部の出力を制御する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  13. 前記冷却部は、前記用紙が前記搬送部に搬送されている間に、前記用紙を冷却するように配設されたファンである、
    請求項1に記載の画像形成システム。
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