JP2024006626A - パン生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトで口溶けがよく、老化耐性の高いパンを得ることができるパン生地を提供すること、および該特徴を有するパンの製造方法を提供すること。【解決手段】バターケーキ生地を含有するパン生地。該パン生地はベースとなるパン生地にバターケーキ生地を混合することによって得られる。その際、バターケーキ生地は糖類の含有量が6~35質量%であることが好ましく、ベースとなるパン生地は糖類の含有量が6~30質量%であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトで口溶けがよく、老化耐性の高いパンを得ることができるパン生地、及び、その製造方法に関する。
澱粉類を使用したベーカリー製品のなかでもパンは、よりソフトでしとりがあり、口溶けが良好である食感が求められている。
ここで、パンは水分含量の関係で特に澱粉の老化がおこりやすく、焼成当初はソフトでしとりがあり、口溶けが良好であっても、徐々にその主成分である澱粉の老化により硬くぱさついた食感になっていく。
この問題に対処するため、一般的には糖分や油分の配合量を増加させる方法が行われる。しかし、糖分含量や油分含量を増量させる方法は、老化抑制効果は低く、更には製造時にパン生地の物性がベタつき、扱いにくくなってしまうおそれもあった。
そこで、パン生地に他のベーカリー生地やベーカリー製品の破砕物を添加する方法が提案され、例えばケーキクラムやクッキークラムを添加、混合する方法(例えば特許文献1及び2参照)や、蒸しケーキ生地を添加、混合する方法する方法(例えば特許文献3参照)、シュー生地を添加、混合する方法する方法(例えば特許文献4参照)などが提案されている。
しかし、特許文献1及び2に記載の方法は添加量によってはパンがぱさつきやすすく、老化がむしろ加速してしまう問題があり、特許文献3に記載の方法はパン生地への混合性が低く添加量が限定されるため老化防止の効果が高くないという問題があり、特許文献4に記載の方法はソフトなパンは得られるが老化はむしろ加速されてしまうという問題があった。
特開2008-253143号公報 特開2013-081435号公報 特開2012-217434号公報 特開平04-222543号公報
したがって本発明の目的は、ソフトで口溶けがよく、老化耐性の高いパンを得ることができるパン生地を提供すること、および該特徴を有するパンの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、製造工程や食感が大きく異なるためにこれまでほとんど組み合わされることのなかったバターケーキ生地とパン生地を均質に混合したベーカリー生地から得られたパンは、ソフトでしっとりとしていながら老化耐性が極めて高いことを知見した。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものであり、バターケーキ生地を含有するパン生地を提供するものである。
また本発明はベースとなるパン生地にバターケーキ生地を混合することを特徴とするパン生地の製造方法の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ソフトで口溶けがよく、老化耐性の高いパンを得ることができる。
また本発明によれば、上記特徴を有するパンは、生地物性を大幅にそこなうことなく製造可能である。
以下、本発明のパン生地について詳細に説明する。
まず本発明で使用するバターケーキ生地について述べる。
上記バターケーキ生地は、主要原料として小麦粉、卵類、油脂、糖類を主要原料として使用し、油脂の含有量が小麦粉100質量部に対し15質量部以上するバッター生地をいい、具体的にはパウンドケーキ生地をはじめ、チーズケーキ生地、チョコレートケーキ生地、オレンジケーキ生地、バナナケーキ生地、マフィン生地、フィナンシェ生地、マドレーヌ生地、バームクーヘン生地等、各種のバターケーキ生地を挙げることができる。
上記バターケーキ生地で使用することのできる小麦粉は特に制限されず、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に薄力粉が好ましく用いられる。
上記バターケーキ生地で使用することのできる卵類は特に制限されず、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明において、バターケーキ生地における卵類の含有量は5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは20~35質量%である。5質量%未満であると、本発明の効果が得られにくく、50質量%超であると得られるパン製品の食感がねちゃつきやすく、また、卵風味が強く表れやすい。
上記バターケーキ生地で使用することのできる油脂は、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記油脂として、バター、マーガリン、ショートニング、ラード、ヘットなどの可塑性油脂をはじめ、サラダ油や流動状ショートニングの形態で使用することができる。
上記バターケーキ生地における油脂の含有量は、下記のその他の成分に含まれる油分も含め、5~40質量%であることが好ましく、より好ましくは15~30質量%である。5質量%未満であると、得られるパン製品の食感、とくにソフト性と老化耐性が得られにくい。
上記バターケーキ生地で使用することのできる糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。本発明において、バターケーキ生地における糖類の含有量は下記のその他の成分に含まれる糖分も含め、6~35質量%であることが好ましく、より好ましくは10~24質量%である。6質量%未満であると、得られるパン製品の食感、とくにソフト性と老化耐性が得られにくい。また、35質量%超であると、パン生地がべたつきやすく、また得られるパンもねちゃついた食感になりやすい。
上記バターケーキ生地は、通常のバターケーキに使用することのできるその他の成分を使用することができる。該その他の成分としては、例えば、水、でんぷん、乳化剤、増粘安定剤、イースト、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物および動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
なお、上記バターケーキ生地の好ましい比重は0.4~1.2、より好ましくは0.7~1.0である。
次に上記バターケーキ生地の製造方法について述べる。
上記バターケーキ生地の製造方法は特に制限されるものではなく、一般的なバターケーキ生地の製造法を適用することができる。例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。
本発明のパン生地は上記バターケーキ生地を含有するものである。本発明のパン生地におけるバターケーキ生地の含有量は10~50質量%であることが好ましく、より好ましくは20~40質量%である。10質量%未満であると本発明の効果が得られにくく、50質量%を超えると得られるパン製品がケービングを起こしてねちゃついた食感になるなど、良好な物性や食感が得られにくい。
なお、ここで「バターケーキ生地を含有する」とは、パン生地製造の際にバターケーキ生地をその原料の一つとして使用するものであり、パン生地を製造して後、トッピングやサンドなどの方法でフィリングしたベーカリー生地とは明確に区別されるものである。
本発明のパン生地は、ベースとなるパン生地に上記バターケーキ生地を混合することによって得ることができる。
ここで、上記ベースとなるパン生地について述べる。
上記ベースとなるパン生地は、小麦粉を主要原料として使用し、水の含有量が小麦粉100質量部に対し25~100質量部であるドウ生地をいい、具体的には食パン生地、菓子パン生地、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、フランスパン生地、セミハードロール生地、ワッフル生地、スコーン生地等、各種のパン生地を挙げることができる。
上記ベースとなるパン生地で使用することのできる小麦粉は特に制限されず、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に強力粉が好ましく用いられる。
上記ベースとなるパン生地で使用することのできる水としては、天然水や水道水の他に、水分を含む材料中の水分も含むものとする。水分を含む材料としては、牛乳、濃縮乳、クリームなどの乳や乳製品、全卵、生卵黄、生卵白などの卵類、液糖などが挙げられる。また油脂が乳化物の形態である場合には、上記水の含有量とは、該乳化物に含まれる水分をも含む。
上記の水は、上記小麦粉100質量部に対して、上述のように25~100質量部であるが、好ましくは45~85質量部、さらに好ましくは55~80質量部である。
また、上記ベースとなるパン生地における水の含有量は、上記小麦粉の水分や下記のその他の成分に含まれる水分も含め、30~55質量%であることが好ましく、さらに好ましくは30~50質量%である。
上記ベースとなるパン生地は油脂を含有することが好ましい。
上記ベースとなるパン生地で使用することのできる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記油脂として、バター、マーガリン、ショートニング、ラード、ヘットなどの可塑性油脂をはじめ、サラダ油や流動状ショートニングの形態で使用することができる。
上記ベースとなるパン生地における油脂の含有量は、下記のその他の成分に含まれる油分も含め、2~25質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましい。2質量部未満であると、バターケーキ生地との混合性が低下してしまうおそれがあり、25質量%超であると、作業性に劣るパン生地となってしまうおそれがある。
上記ベースとなるパン生地は糖類を含有することが好ましい。
上記ベースとなるパン生地で使用することのできる糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
上記ベースとなるパン生地における糖類の含有量は下記のその他の成分に含まれる糖分も含め、6~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。6質量部未満であると、本発明の効果、とくに老化耐性が得られにくく、30質量%を超えると作業性に劣るパン生地となってしまうおそれがある。
なお、デニッシュなどのロールイン油脂を使用するパン生地の場合は、ロールイン油脂を除いた生地で上記水分含量、油脂含量、及び糖分含量を算出するものとする。
上記ベースとなるパン生地は、通常のパン生地に使用することのできるその他の成分を使用することができる。該その他の成分としては、例えば、卵類、でんぷん、乳化剤、増粘安定剤、イースト、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物および動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
次に上記ベースとなるパン生地の製造方法について述べる。
上記ベースとなるパン生地の製造方法は特に制限されるものではなく、一般的なパン生地の製造法を適用することができる。例えば、速成法、ストレート法、中種法、加糖中種法、液種法、サワー種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、湯種法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法等、一般的なパン生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。
一方、ベースとなるパン生地に混合する、バターケーキ生地については上述のとおりである。
なお、バターケーキ生地はあらかじめ製造しておき、冷蔵保管または冷凍保管することができる。ただし、パン生地の製造時にベースとなるパン生地に混合した際にパン生地の温度を極度に下げないために、好ましくは15~36℃、より好ましくは20~30℃に調温しておくことが好ましい。
上記ベースとなるパン生地にバターケーキ生地を混合する方法については特に限定されず、各種ミキサーを使用する方法等一般的な方法を適宜選択することができる。
例えば、ベースとなるパン生地製造のミキシング途中でバターケーキ生地を添加し、さらに混合することにより行なうことができる。
上記バターケーキ生地をベースとなるパン生地へ添加する方法としては、バターケーキ生地をそのまま添加する方法、冷凍状態のバターケーキ生地を添加する方法等が挙げられる。
上記製造方法で用いるバターケーキ生地は、1種でもよいが、2種以上を同時に、又は別々に添加してもよい。
また、ベースとなるパン生地中でのバターケーキ生地は不均一分散でも均一分散でも良いが、一体感のある食感が得られる点で、均一分散であることが好ましい。
上記ベースとなるパン生地とバターケーキ生地の混合比率は、上述のとおり、本発明のパン生地におけるバターケーキ生地の含有量が、好ましくは10~50質量%となる量であり、より好ましくは20~40質量%となる量である。10質量%未満であると、本発明の効果が得られにくく、50質量部を超えると混合時に生地が流動状となり、パン生地の必須要件であるドウの物性を保つことができなくなる恐れがある。
なお、ここで、前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で好ましくは25:75~75:25、より好ましくは45:54~66:34であると、混合性が良好であることにくわえ、得られるパン製品の老化耐性の向上効果が高い点で好ましい。なお、ここでいう糖類の含量は前出のとおり、糖の固形分としての含量である。
ここでなぜ、糖類の含有量の比を上記範囲とすることでパン製品の老化耐性が高いものとなっているのかは明らかではないが、バターケーキ生地と、ベースとなるパン生地の糖類の含有量をできるだけ近似させることにより、おそらくはパン製品中のバターケーキ由来部分とベースとなるパン生地部分の水分移行が抑制されることによるものと思われる。
次に本発明のパン製品について述べる。
本発明のパン製品は、上記のパン生地を使用したものであり、その具体的な製法としては、上記のパン生地を通常のパン生地と同様に、必要に応じ、丸めたり、延展したり、さらに打抜く等の成形、型入れ、ホイロ等を行なった後、焼成、フライ、蒸す等の加熱工程に供することにより、得ることができ、焼成による加熱工程が最も好ましい。
また、本発明のパン生地は、ホイロをとらずに冷凍又は冷蔵しても良いし、ホイロをとった後に冷凍又は冷蔵しても良い。ホイロをとらずに冷凍又は冷蔵したものも、ホイロをとった後に冷凍又は冷蔵したものも、常法に従い、焼成して本発明のパン製品とすることができる。
また、本発明のパン生地を焼成等の加熱工程に供して得られたパン製品は、冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した該パン製品は、電子レンジで解凍調理することが可能である。
このようにして得られた本発明のパン製品は、ソフト性及び口溶けが向上し、パンの耳までソフトになり食べやすい食感となる。また、老化耐性も高く、保存性に優れたパン製品とすることができるため賞味期限を延長することができ、食品ロスの低減に貢献することが可能となる。
以下、本発明で用いられるバターケーキ生地の製造例、及び該バターケーキ生地を用いた本発明のパン生地の実施例等を挙げ、本発明について詳しく説明する。しかし、本発明はこれらの製造例及び実施例等により何等制限されるものではない。
<バターケーキ生地の製造>(シュガーバッター法)
〔製造例1〕
製菓・製パン用マーガリン(株式会社ADEKA製:ソシエル)100質量部、及び、上白糖60質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ビーターを用いて低速1分混合後、高速5分クリーミングし、さらに全卵(正味)100質量部を投入し、低速1分混合した。ここに、あらかじめ混合して篩っておいた、薄力粉100質量部、ベーキングパウダー2質量部の混合物を添加し、低速1分混合し、比重が0.85であるバターケーキ生地Aを得た。
バターケーキ生地Aの糖分含量は17質量%であった。
〔製造例2〕
上白糖の添加量を60質量部から100質量部に変更した以外は製造例1と同様の配合及び施法で比重が0.85であるバターケーキ生地Bを得た。
バターケーキ生地Bの糖分含量は25質量%であった。
<パン生地の製造>(加糖中種法)
〔実施例1〕
強力粉70質量部、生イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖3質量部、水40質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにフックをセットし、低速3分、中速2分ミキシングして中種生地を得た。捏ね上げ温度は26℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度80%の恒温室で、2時間中種醗酵をおこなった。
この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉30質量部、食塩1.2質量部、上白糖25質量部、脱脂粉乳1質量部、及び水18質量部を添加し、低速3分、中速3分ミキシングした。ここで練込油脂(マーガリン:油分80%含有)10質量部を投入し、フックを使用し、低速3分、中速2分、高速1分ミキシングをおこない、ベースとなるパン生地Aとした。このベースとなるパン生地Aは糖分含量が14質量%であった。
ここで、上記バターケーキ生地Aを、混合後のバターケーキ生地含量が30質量%となるように添加し、低速で1分混合した。添加したバターケーキ生地Aは均一に混合されていた。また、前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で55:45であった。
得られたパン生地はフロアタイムを30分とった後、380gに分割・丸目をおこなった。分割・丸目時の生地はべたつかず作業性は良好であった。次いでベンチタイムを20分とった後、モルダーを使用し、ワンローフ成形し、ワンロ―フ型に入れ、38℃、相対湿度85%、50分ホイロをとった後、190℃に設定した固定窯に入れ25分焼成し本発明のパン製品Aを製造した。
得られたパン製品Aは、全体が非常にソフトで口溶けが良く、また、3日間常温(25℃)で保管したあとで食しても良好なソフト性と口溶けを有しており、老化耐性が極めて高いものであった。
〔実施例2〕
使用するバターケーキ生地を、製造例1で得られたバターケーキ生地Aから、製造例2で得られたバターケーキ生地Bに変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、パン生地B及びパン製品Bを得た。添加したバターケーキ生地Bはほぼ均一に混合されていたが、得られたパン生地はややべたつきが強かった。また、前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で64:36であった。
得られたパン製品Bは、全体が非常にソフトであるがややべたつき感があった。なお、3日間常温(25℃)で保管したあとで食しても良好なソフト性と口溶けを有しており、老化耐性が極めて高いものであった。
〔実施例3〕
ベースとなるパン生地の本捏時の上白糖25質量部を10質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、ベースとなるパン生地B、パン生地C及びパン製品Cを得た。ベースとなるパン生地Bの糖分含量は7質量%であった。また、添加したバターケーキ生地Aは均一に混合されていた。また、前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で71:29であった。
得られたパン製品Cは、全体が非常にソフトで口溶けが良かったが、3日間常温(25℃)で保管したあとで食したとき、パン製品Aに比べソフト性がやや低いものの、老化耐性は高いものであった。
〔実施例4〕
ベースとなるパン生地の本捏時の上白糖25質量部を10質量部に変更し、さらに、使用するバターケーキ生地を、製造例1で得られたバターケーキ生地Aから、製造例2で得られたバターケーキ生地Bに変更した以外は、実施例1の配合及び製法で、ベースとなるパン生地B、パン生地D及びパン製品Dを得た。ベースとなるパン生地Bの糖分含量は7質量%であった。また、添加したバターケーキ生地Bはほぼ均一に混合されていたが、得られたパン生地はややべたつきが強かった。また、前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で78:22であった。
得られたパン製品Dは、全体が非常にソフトで口溶けが良かったが、3日間常温(25℃)で保管したあとで食したとき、パン製品Aに比べソフト性がやや低いものの、老化耐性は高いものであった。
〔比較例1〕
バターケーキ生地Aを添加しない以外は、実施例1の配合及び製法で、パン生地E及びパン製品Eを得た。
得られたパン製品Eはパン製品Aに比べてソフトが劣り、また、3日間常温(25℃)で保管したあとで食してみると、食感が硬くぱさついていて、老化耐性が低いものであった。

Claims (5)

  1. バターケーキ生地を含有するパン生地。
  2. 前記バターケーキ生地の含有量が10~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のパン生地。
  3. 請求項1または2に記載のパン生地を使用したパン製品。
  4. ベースとなるパン生地にバターケーキ生地を混合することを特徴とするパン生地の製造方法。
  5. 前記バターケーキ生地の糖類の含有量と、前記ベースとなるパン生地の糖類の含有量の比が前者:後者で25:75~75:25であることを特徴とする請求項4に記載のパン生地の製造方法。
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