JP2024005390A - 眼鏡レンズ加工システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送ロボットによって、眼鏡レンズ加工装置から加工済み眼鏡レンズを適切に取り出して搬送可能にする。【解決手段】 眼鏡レンズ加工装置によって加工された眼鏡レンズを搬送ロボットによって取り出して搬送する眼鏡レンズ加工システムであって、搬送ロボットは、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズに取り付けられた加工治具のカップの何れかの対象物の周縁を、開閉可能な一対のフィンガーによって保持するように構成され、眼鏡レンズ加工装置は、カップを介して眼鏡レンズを保持するレンズ保持軸と、レンズ保持軸を回転する保持軸回転手段と、保持軸回転手段を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、眼鏡レンズの加工後、搬送ロボットが一対のフィンガーによって眼鏡レンズ又はカップを保持して眼鏡レンズを取り出すために、保持軸回転手段を制御し、レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させる。【選択図】 図16

Description

本開示は、眼鏡レンズの周縁を眼鏡レンズ加工装置によって加工する眼鏡レンズ加工システムに関する。
眼鏡レンズの周縁を加工するための種々の製作工程を自動化する上で、汎用性の高いロボットアーム(搬送ロボット)を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このロボットアームは、一対のフィンガーの間隔を変化させることで眼鏡レンズ等の対象物を保持して搬送する。
特開2021―58947号公報
ところで、眼鏡レンズ加工装置によって加工された眼鏡レンズの外形形状は、様々な形状となる。この様々な外形形状の加工済み眼鏡レンズの周縁を、搬送ロボットの開閉されるフィンガー部にて保持させて取り出す場合、加工済み眼鏡レンズの外形形状によっては適切に保持して取り出せず、眼鏡レンズが落下してしまう可能性がある。
また、眼鏡レンズに取り付けられた加工治具のカップの周縁を開閉されるフィンガー部にて保持させる場合においても、適切に保持して取り出せないことがある。
本開示は、搬送ロボットによって、眼鏡レンズ加工装置から加工済み眼鏡レンズを適切に取り出して搬送することができる眼鏡レンズ加工システムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 本開示の第1態様に係る眼鏡レンズ加工システムは、眼鏡レンズの周縁を眼鏡レンズ加工装置によって加工し、加工された眼鏡レンズを搬送ロボットによって取り出して搬送する眼鏡レンズ加工システムであって、前記搬送ロボットは、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズに取り付けられた加工治具のカップの何れかの対象物の周縁を、開閉可能な一対のフィンガーによって保持するように構成され、前記眼鏡レンズ加工装置は、前記カップを介して眼鏡レンズを保持するレンズ保持軸と、前記レンズ保持軸を回転する保持軸回転手段と、前記保持軸回転手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、眼鏡レンズの加工後、前記搬送ロボットが前記一対のフィンガーによって眼鏡レンズ又は前記カップを保持して眼鏡レンズを取り出すために、前記保持軸回転手段を制御し、前記レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させることを特徴とする。
実施例に係る眼鏡レンズ加工システムを示す図である。 搬送ロボットの例を説明する図である。 保持部の構成を説明する図である。 開閉機構による第1フィンガーと第2フィンガーとの開閉幅の関係を説明する図である。 眼鏡レンズ加工装置の概略構成を説明する図である。 カップ及び粘着テープを説明する図である。 代表的なトレイの構成を説明する図である。 求心装置の構成を説明する図である。 カップ取り付け装置の概略構成図である。 粘着テープ供給装置の構成を説明する図である。 仮置台の構成を説明する図である。 眼鏡レンズ加工システムの全体の制御系の構成を示す図である。 搬送対象物に関する各装置間での搬送工程のフローを示す図である。 フィンガー部によるレンズ保持軸への眼鏡レンズの取り付けを説明する図である。 加工済みレンズの外形形状に対するフィンガーの関係を説明する図である。 加工済みレンズの回転角を求める例を説明する図である。 フィンガーの変容例を示す図である。
[概要]
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
<搬送ロボット>
例えば、搬送ロボット(例えば、搬送ロボット100)は、アーム部(例えば、アーム部130)と、保持部(例えば、保持部150)と、を備える。例えば、アーム部は複数の関節部を有する。例えば、搬送ロボットは、関節部を介してアーム部を回転させることで、保持部にて保持された対象物を移動させる。例えば、搬送ロボットは、制御手段(例えば、制御部139)を備える。
例えば、保持部はアーム部の先端に設けられている。例えば、保持部は、フィンガー部(例えば、フィンガー部151)と、吸着部(例えば、吸着部170)と、を有する。これにより、眼鏡レンズの搬送の汎用性に優れ、搬送工程に応じて適切にレンズを搬送できる。また、一台の搬送ロボットで、より汎用性を高められる。
<フィンガー部>
例えば、フィンガー部は、少なくとも一対のフィンガー(例えば、フィンガー152)によって眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの加工治具であるカップ(例えば、カップCU)の何れかの対象物を挟んで保持する。なお、フィンガー部は、2本のフィンガーに限られず、2本以上のフィンガーで構成されていてもよい。
例えば、フィンガー部は、少なくとも未加工の眼鏡レンズの周縁を挟んで保持するために開閉される一対の第1フィンガー(例えば、第1フィンガー154)と、少なくとも加工済の眼鏡レンズの周縁又はカップの周縁を挟んで保持するために開閉される一対の第2フィンガー(例えば、第2フィンガー156)と、を少なくとも備えるとよい。これにより、フィンガー部の開閉機構を大きくすることなく、言い換えれば、搬送ロボットのアーム部を大きくすることなく、大径の未加工レンズから小径の加工済みレンズまで保持できる。
例えば、第1フィンガーの左第1フィンガー(例えば、左第1フィンガー154L)と第2フィンガーの左第2フィンガー(例えば、左第2フィンガー156L)とは、一体的に形成され、第1フィンガーの右第1フィンガー(例えば、右第1フィンガー154R)と第2フィンガーの右第2フィンガー(例えば、右第2フィンガー156R)とは、一体的に形成されている。また、例えば、第1フィンガーと第2フィンガーは、フィンガーが延びる方向に対して垂直方向に段階的に配置されていてもよいし、フィンガーが延びる方向に段階的に配置されていてもよい。
例えば、一対の第1フィンガーと一対の第2フィンガーの開閉機構(例えば、開閉機構160)は共通であってもよい。この場合、一対の第1フィンガーの開閉ストロークと一対の第2フィンガーの開閉ストロークとは同一であり、開閉機構によって一対の第1フィンガーが開く最大幅(間隔)は、開閉機構によって一対の第2フィンガーが開く最大幅(間隔)より大きくされていると、よりよい。これにより、開閉機構が共通で開閉ストロークが同じであっても、開閉機構を大型化させることなく、大径の未加工レンズから小径の加工済みレンズまで保持できる。このため、搬送ロボットのアーム部を大型化させずに、眼鏡レンズ加工装置の搬入口への保持部及びアーム部の先端部の出し入れを支障なく行える。
例えば、開閉機構による第2フィンガーの開閉可能な最小幅(例えば、幅W3)は、少なくとも加工済み眼鏡レンズの所定の最小径を保持可能な幅に設定され、開閉機構による第1フィンガーの開閉可能な最大幅(例えば、幅W1)は、少なくとも未加工眼鏡レンズの所定の最大径を保持可能な幅に設定されているとよい。そして、開閉機構による第1フィンガーの開閉可能な最小幅(例えば、幅W4)は、少なくとも第2フィンガーの開閉可能な最大幅(例えば、幅W2)の値以下に設定されているとよい。これにより、開閉機構の開閉ストロークの幅を大きくすることなく、2段階の構成のフォンガーであっても、加工済みレンズの所定の最小径又は所定の径のカップから未加工レンズの所定の最大径まで保持可能となる。
なお、第1フィンガーと第2フィンガーとの間に中間的な開閉幅の第3フィンガーがあってもよい。また、第1フィンガーと第2フィンガーは、別体で構成され、第1フィンガーの開閉機構と第2フィンガー156の開閉機構も、別々の構成であってもよい。
<吸着部>
例えば、吸着部は対象物の内の眼鏡レンズを吸着して保持する。例えば、吸着部は、眼鏡レンズの屈折面を吸着して保持する。例えば、吸着部は、フィンガー部に設けられているとよい。さらに、吸着部は、一対のフィンガーによって対象物を保持させた場合にも、保持した対象物との干渉を回避可能な位置に設けられているとよい。例えば、吸着部は、一対のフィンガーの一方の基部側に設けられている。吸着部が配置される箇所は、対象物がフィンガーによって保持された場合にも支障をきたさない位置であれば、左右のフィンガーの間であってもよい。
<搬送ロボットの制御手段>
例えば、制御手段は搬送ロボットの動作を制御する。例えば、制御手段は、眼鏡レンズの搬送工程に応じてフィンガー部による保持と吸着部による保持とを使い分けるように搬送ロボットを制御する。これにより、各種の搬送工程において、より適切に眼鏡レンズを搬送できる。
例えば、制御手段は、未加工の眼鏡レンズに加工治具のカップを取り付けるために、トレイ(例えば、トレイTR)に入れられた眼鏡レンズを取り出して搬送する工程では、吸着部によって眼鏡レンズを保持するように搬送ロボットを制御する。これにより、トレイから眼鏡レンズを取り出す工程では、より適切に眼鏡レンズを取り出して搬送できる。
例えば、制御手段は、カップが眼鏡レンズに取り付けれた後、眼鏡レンズ加工装置(例えば、眼鏡レンズ加工装置200)が備えるレンズ保持軸(例えば、レンズ保持軸202)であって、水平方向に延びたレンズ保持軸にカップを装着して眼鏡レンズを保持させるために眼鏡レンズを搬送する工程では、フィンガー部によって未加工の眼鏡レンズの周縁又はカップの周縁を保持するように搬送ロボットを制御する。これにより、眼鏡レンズが落下することなく、水平方向に延びたレンズ保持軸へ眼鏡レンズを保持させ、適切に搬送できる。
例えば、制御手段は、眼鏡レンズの周縁が加工された後、レンズ保持軸から加工済みレンズを取り出して搬送する工程では、フィンガー部によって加工済みレンズの周縁又はカップの周縁を保持するように搬送ロボットを制御する。これにより、眼鏡レンズが落下することなく、水平方向に延びたレンズ保持軸から眼鏡レンズを保持して取り出すことができる。
また、眼鏡レンズ加工装置から取り出した加工済み眼鏡レンズをトレイに戻す搬送工程で、その途中で仮置台(例えば、仮置台700)が使用されてもよい。この場合、仮置台にはカップを下向きにして眼鏡レンズが置かれ、その眼鏡レンズを仮置台から取り出してトレイに搬送する搬送工程では、制御手段は、加工済み眼鏡レンズの後面側を吸着部で吸着して保持するように、搬送ロボットを制御する。これにより、加工済み眼鏡レンズが安定してトレイに戻される。なお、眼鏡レンズ加工装置から加工済み眼鏡レンズの周縁がフィンガー部によって保持されて取り出された場合は、制御手段は、フィンガー部で保持した加工済み眼鏡レンズをそのままトレイに搬送して戻してもよい。
また、上記以外の搬送工程で、例えば、制御手段は、眼鏡レンズの光学特性を測定するためのレンズメータ(例えば、レンズメータ500)又はレンズメータ機能を持つカップ取り付け装置に未加工レンズの眼鏡レンズを搬送する工程では、フィンガー部によって未加工の眼鏡レンズの周縁を保持するように搬送ロボットを制御してもよい。この場合、例えば、トレイから取り出された眼鏡レンズは求心装置(例えば、求心装置300)に搬送され、又は、仮置台に置かれてよい。
また、例えば、レンズメータによる測定後、カップ取り付け装置(例えば、カップ取り付け装置600)に未加工の眼鏡レンズを搬送する工程では、制御手段は、フィンガー部によって未加工の眼鏡レンズの周縁を保持するように搬送ロボットを制御してもよい。また、例えば、カップ取り付け装置からカップが取り付けられた未加工の眼鏡レンズを搬送する工程でも、制御手段は、フィンガー部によって未加工の眼鏡レンズの周縁を保持するように搬送ロボットを制御してもよい。
<眼鏡レンズ加工システム>
例えば、眼鏡レンズ加工システム(例えば、眼鏡レンズ加工システム1)は、眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置と、眼鏡レンズを搬送する搬送ロボットと、を備える。例えば、眼鏡レンズ加工システムは、眼鏡レンズの周縁を眼鏡レンズ加工装置によって加工し、加工された眼鏡レンズを搬送ロボットによって取り出して搬送する。例えば、搬送ロボットは、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズに取り付けられた加工治具のカップの何れかの対象物の周縁を、開閉可能な一対のフィンガーによって保持するように構成されている。具体的には、左フィンガーと右フィンガーを開閉する(互いの間隔を変化させる)ことで対象物を保持するように構成されている。
<眼鏡レンズ加工装置>
例えば、眼鏡レンズ加工装置は、レンズ保持軸(例えば、レンズ保持軸202)を備える。レンズ保持軸は、カップを介して眼鏡レンズを保持する。例えば、眼鏡レンズ加工装置は、レンズ保持軸を回転する保持軸回転手段(例えば、回転ユニット256)を備える。例えば、眼鏡レンズ加工装置は、制御手段(例えば、制御部210)を備える。例えば、この制御手段は保持軸回転手段を制御する。
また、例えば、眼鏡レンズ加工装置は、情報取得手段(例えば、制御部210)を備えていてもよい。例えば、情報取得手段は、眼鏡レンズの加工に関する各種の情報を取得する。例えば、情報取得手段は、レンズ保持軸に保持された加工済み眼鏡レンズ又はカップの何れかの対象物の外形形状に関する情報を取得する。なお、情報取得手段は、眼鏡レンズ加工システムに設けられていてもよい。
<眼鏡レンズ加工装置の制御手段>
例えば、制御手段は、眼鏡レンズの加工後、搬送ロボットが一対のフィンガーによって眼鏡レンズ又はカップを保持して眼鏡レンズを取り出すために、保持軸回転手段を制御し、レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させる。これにより、加工済み眼鏡レンズを、落下させずに、眼鏡レンズ加工装置から適切に取り出して搬送することができる。
例えば、制御手段は、眼鏡レンズの加工後、搬送ロボットによる眼鏡レンズの取り出しにおける一対のフィンガーの開閉方向と、情報取得手段で取得された外形形状に関する情報と、に基づいて保持軸回転手段を制御し、レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させる。
例えば、制御手段は、対象物を一対のフィンガーにて保持させるときに、一対のフィンガーの保持圧によって対象物が回転しないように、一対のフィンガーの開閉方向と、情報取得手段で取得された外形形状に関する情報と、に基づいてレンズ保持軸の回転角度を調整する。詳細には、例えば、制御手段は、左フィンガーと右フィンガーが閉じられたときに、それぞれのフィンガーが対象物の外形周縁に当接する2点を通る直線が、フィンガーの開閉方向に対して平行(略平行を含む)となる対象物の回転角を求め、求めた回転角に基づいてレンズ保持軸の回転角度を調整する。これにより、真円(略真円を含む)でない加工済み眼鏡レンズ又はカップの対象物を一対のフィンガーで保持する場合に、その保持圧によって眼鏡レンズ又はカップが回転してしまうことなく、対象物を安定して保持できる。
例えば、対象物の回転角に関し、さらに具体的には、制御手段は、眼鏡レンズの回転中心を基準に対象物の外形形状を微小角度毎に回転し、各回転でそれぞれのフィンガーが当接する2点を求め、フィンガーの開閉方向に直交する方向における当接点の2点の差分(距離の差分)がゼロとなるときの回転角を求めることで、その当接点の2点を通る直線がフィンガーの開閉方向に対して平行となる回転角を求めることができる。
例えば、制御手段は、求めた回転角の内で、左右のそれぞれのフィンガーが当接する2点を通る直線が最大となる回転角を求めるとよい。これにより、様々な形状の対象物であってもフィンガー部で保持可能とされる。すなわち、例えば、本開示ではフィンガー部の開閉の最小幅は、少なくともカップの長手方向の幅を保持可能に設定されている。そして、眼鏡レンズが小径に加工される場合であっても、少なくともカップの長手方向の部分までしか加工されない。このため、眼鏡レンズの外形形状の最大幅部分を保持するように決定すれば、様々な形状の対象物であってもフィンガー部で保持可能とされる。対象物がカップの場合であっても、カップの長手方向は最大幅となるため、フィンガー部で保持可能とされる。
なお、制御手段は、求めた回転角が複数個ある場合、左右のそれぞれのフィンガーが当接する2点を通る直線の長さが、フィンガーで保持可能な最小幅より大きな幅となるように、回転角に決定してもよい。
なお、制御手段は、レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させるときに、上記のように求められた眼鏡レンズの回転角又はカップの回転角に加え、レンズ保持軸の回転の基準方向に対するフィンガー部の進入軸の角度を基に、レンズ保持軸の調整の回転角度を決めると、さらに良い。これにより、より適切にレンズ保持軸の回転角度を調整して待機させることができる。なお、レンズ保持軸の回転の基準方向は、玉型の右方向基準(これは眼鏡レンズの乱視軸の0度方向でもある)とされ、例えば、眼鏡レンズの加工の開始時及び終了時には水平方向とされている。
例えば、搬送ロボットは、一対のフィンガーがカップの周縁の長手方向を保持する構成とされていた場合、制御手段は、眼鏡レンズに取り付けられたカップの長手方向の角度情報に基づき、カップの長手方向がフィンガーの開閉方向に対して平行となるカップの回転角を求め、求めた回転角に基づいてレンズ保持軸の回転角度を調整してもよい。例えば、制御手段は、フィンガー部の進入軸に対して直交する方向に、カップの長手方向が位置するようにレンズ保持軸の回転角度を調整する。これにより、フィンガー部にてカップを保持する場合でも、フィンガー部の保持圧によってカップが回転してしまうことなく、眼鏡レンズに取り付けられたカップを安定して保持して眼鏡レンズを搬送できる。
[実施例]
本開示における典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。図1は、実施例に係る眼鏡レンズ加工システム1を示す図である。
図1において、眼鏡レンズ加工システム1は、搬送ロボット100と、眼鏡レンズ加工装置200と、を備える。搬送ロボット100は、対象物を保持して搬送するために使用される。眼鏡レンズ加工装置200は、図5に示すように、レンズ保持軸202に保持された眼鏡レンズ(以下、レンズLE)の周縁を加工具260によって加工するために使用される。
眼鏡レンズ加工システム1は、付加的に、求心装置300、粘着テープ供給装置400、レンズメータ500、カップ取り付け装置(ブロッカー)600、仮置台700、トレイ搬送装置800、の少なくとも一つを備えていてもよい。
本実施例では、未加工のレンズLEは、トレイTRの所定位置に置かれる。また、トレイTRに、レンズLEの加工治具であるカップCU(図6参照)が置かれている。そして、トレイTRには加工済みのレンズLEが戻される。また、粘着テープ供給装置400は、レンズLEの屈折面にカップCUを固定するための粘着テープTAを供給するために使用される。
<搬送ロボット>
図2は、搬送ロボット100の例を説明する図である。本実施例の搬送ロボット100は、アーム部130と、アーム部130の先端に設けられた保持部150と、を備える。アーム部130は、複数の関節部を有し、関節部を介して各部位を回転させることで姿勢を変えることができる。詳細には、本実施例の搬送ロボット100のアーム部130は、ベース131、ショルダ132、下アーム133、第1上アーム134、第2上アーム135、手首136、および保持部150を備える。なお、図4では、回転軸X1~X6の軸周りの方向を図示することで、それぞれの回転軸X1~X6を示す。
ベース131は、アーム部130の全体を支持する。ショルダ132は、第1関節部J1を介してベース131の上部に接続されている。ショルダ132は、基台140に対して交差する方向(本実施例では鉛直方向)に延びる回転軸X1を中心として、ベース131に対して回転する。下アーム133の一端部は、第2関節部J2を介してショルダ132の一部に接続されている。下アーム133は、水平方向に延びる回転軸X2を中心として、ショルダ132に対して回転する。第1上アーム134は、下アーム133のうち、ショルダ132に接続されている側とは反対側の端部に、第3関節部J3を介して接続されている。第1上アーム134は、水平方向に延びる回転軸X3を中心として、下アーム133に対して回転する。第2上アーム135は、第4関節部J4を介して、第1上アーム134の先端側(保持部150が設けられている側)に接続されている。第2上アーム135は、回転軸X4を中心として、第1上アーム134に対して回転する。手首136は、第5関節部J5を介して、第2上アーム135の先端側に接続されている。手首136は、回転軸X5を中心として、第2上アーム135に対して回転する。保持部150は、第6関節部J6を介して、手首136の先端側に接続されている。保持部150は、回転軸X6を中心として、手首136に対して回転する。
なお、アーム部130の内部には、回転軸X1~X6の各々を中心として各部を回転させるためのモータが内蔵されている。
アーム部130は、基台140に固定されている。本実施例では、基台140は水平な設置面に載置される。基台140には、アーム部130を設置面に対して平行な方向に移動させるアーム移動部141が設けられている。アーム移動部141が駆動することで、アーム部130の全体が設置面上を平行移動する。
本実施例の搬送ロボット100は、各種制御(例えば、各部を回転させるモータ、及び保持部150を駆動するアクチュエータ等の制御等)を司る制御部139を備える。なお、搬送ロボット100のアーム部130等の詳細な構成の例は、例えば、特開2021―58947号公報、特開2019-141970等に記載されている。
図3は、保持部150の構成を説明する図である。図3(a)は保持部150の斜視図であり、図3(b)は保持部150の正面図である。
保持部150は、フィンガー部151と、吸着部170と、を備える。フィンガー部151は、少なくとも一対のフィンガー152を備える。一対のフィンガー152は、開閉機構160によって開閉される。言い換えると、一対のフィンガー152は間隔が変えられることにより、対象物を挟み込んで保持する。なお、開閉機構160は手首136の内部に内蔵されている。
実施例の一対のフィンガー152は、未加工のレンズLEを保持するために開閉される、外側の一対の第1フィンガー154と、加工済のレンズLE又はカップCUを保持するために開閉される、内側の一対の第2フィンガー156と、を少なくとも備える。図3に示された実施例の第1フィンガー154と第2フィンガー156は、フィンガーが延びる方向に対して垂直方向に段階的に配置されている。
第1フィンガー154は、左第1フィンガー154Lと右第1フィンガー154Rからなる。第2フィンガー156は、左第2フィンガー156Lと右第2フィンガー156Rからなる。本実施例では、左フィンガーを構成する左第1フィンガー154Lと左第2フィンガー156Lとが一体的に形成され、右フィンガーを構成する右第1フィンガー154Rと右第2フィンガー156Rも一体的に形成されている。これにより、第1フィンガー154と第2フィンガー156は、共通の開閉機構160によって開閉される。また、一対の第1フィンガー154と対の第2フィンガー156の開閉ストロークは同一とされている。なお、実施例のフィンガー152の開閉機構160は、左フィンガーと右フィンガーを平行移動(言い換えれば、直線移動)させる構成とされている。
図4は、開閉機構160による第1フィンガー154と第2フィンガー156との開閉幅の関係を説明する図である。図4において、W5は一対のフィンガー152を開閉するために、開閉機構160の片側の移動幅(開閉ストローク)を示す。例えば、移動幅W5は、15mmとされている。図4に示すように、開閉機構160によって一対の第1フィンガー154が開く最大の幅W1は、開閉機構160によって一対の第2フィンガー156が開く最大の幅W2より大きくされている。そして、開閉機構160の移動幅W5を考慮して、一対の第1フィンガー154と一対の第2フィンガー156の位置関係が定められている。
詳しくは、開閉機構160による一対の第2フィンガー156の開閉可能な最小の幅W3は、少なくとも加工済みレンズLEの所定の最小径LEr1(例えば、30mm)を保持可能な幅に設定されている。なお、幅W3は、所定の径のカップCUを保持可能な幅でもある。また、開閉機構160による一対の第1フィンガー154の開閉可能な最大の幅W1は、少なくとも未加工のレンズLEの所定の最大径LEr2(例えば、90mm)を保持可能な幅に設定されている。また、開閉機構160による一対の第1フィンガー154の開閉可能な最小の幅W4(例えば、60mm)は、少なくとも一対の第2フィンガー156の開閉可能な最大の幅W2の値以下に設定されている。
このような構成により、一対の第1フィンガー154と一対の第2フィンガー156の移動幅(開閉ストローク)が同じでありながら、最小径LEr1から最大径LEr2を持つレンズLEを切れ目なく保持可能とされている。すなわち、フィンガー部152の開閉機構160を大きくすることなく、大径の未加工レンズLEから小径の加工済みレンズLE及びカップCUまで保持できる。また、開閉機構160が共通で開閉ストロークが同じであっても、開閉機構160を大型化させることなく、2段階の構成のフォンガー152であっても、大径の未加工レンズLEから小径の加工済みレンズLE及び所定の径のカップCUまで保持できる。これにより、搬送ロボット100のアーム部130を大型化させずに、眼鏡レンズ加工装置200の搬入口270(図1参照)への保持部150及びアーム部130の先端の出し入れを支障なく行える。
なお、第1フィンガー154と第2フィンガー156の何れを使用するかは、対象物(例えば、加工済みレンズLE)の保持される幅が幅W2を超えているか否かに基づき、制御部139により決定されてもよい。
図3の保持部150の説明に戻る。吸着部170は、フィンガー部151に設けられている。ここで、吸着部170は、一対のフィンガー152によって対象物(レンズLE及びカップCUの何れか)を保持させた場合にも、保持した対象物との干渉を回避可能な位置に設けられている。具体的には、吸着部170は、一対のフィンガー152によって最大径LEr2を持つ未加工のレンズLEが保持された場合に、その未加工のレンズLEの周縁から離れた位置で、一対のフィンガー152の一方の基部側に設けられている。本実施例では、吸着部170は、一体的に形成された右第1フィンガー154Rと右第2フィンガー156Rの基部側から下方向に延びるように設けられている。なお、吸着部170が配置される箇所は、フィンガー152に限られず、対象物がフィンガー152によって保持された場合にも支障をきたさない位置であれよい。例えば、吸着部170が配置される箇所は、一対のフィンガー152の間(開閉方向の間)であってもよい。
本実施例では、吸着部170は、ラッパ状の形状を持ち、その内部に吸引孔(図示を略す)が形成さている。吸着部170は蛇腹の形状であってもよい。もちろん、吸着部170の形状は、これらに限られず、種々のものが使用され得る。吸引孔は、右第2フィンガー156Rの上部に配置された吸引チューブ172に接続されている。さらに、吸引チューブ172は、アーム部130又は基台140に設けられた吸引源175に接続されている。吸引源175の駆動は、制御部139によって制御される。吸引源175は小型のコンプレッサーであってもよいし、空気の吸引が可能な小型のシリンダー型であってもよい。もちろん、吸着部170は、実施例とは異なる構成であってもよく、対象物を吸引して保持し、移動できる構成であればよい。
<眼鏡レンズ加工装置>
図5は、眼鏡レンズ加工装置200の概略構成を説明する図である。眼鏡レンズ加工装置200は、レンズLEを保持するレンズ保持軸202(レンズ保持軸202L、202R)と、レンズLEの周縁を加工するための加工具260と、レンズ保持軸202にて保持されたレンズLEと加工具263との相対的な位置関係を変えるための移動ユニット250と、移動ユニット250を制御する制御部210と、を備える。
例えば、レンズ保持軸202は、水平方向に延び、眼鏡レンズ加工装置200に配置されている。例えば、加工具260は、加工具回転軸261に取り付けられ、ヤゲン形成用のV溝を持つ仕上げ加工具262、粗加工具263の少なくとも一つを備える。例えば、移動ユニット250は、レンズ保持軸202を回転可能に保持するキャリッジ(図示を略す)をレンズ保持軸202の軸方向(X方向)に移動する第1移動ユニット252と、レンズ保持軸202と加工具回転軸261との軸間距離を変える方向(Y方向)に移動する第2移動ユニット254と、を備える。また、移動ユニット250は、キャリッジに保持されたレンズ保持軸202を回転する回転ユニット256を備える。
レンズLEは、一対のレンズ保持軸202L、202Rによって保持される。片方のレンズ保持軸202Lにはカップホルダー230が取り付けられている、カップホルダー230には、レンズLEに固定されたカップCUの基部10が挿入される。カップホルダー230は、キー231bが形成された挿入穴231aを備える。キー231bにカップCUの基部10(図6参照)に形成されたキー溝10bが嵌め込まれることにより、レンズLEの乱視軸角度とレンズ保持軸230の基準方向とが一定の関係にされる。カップホルダー230にカップCUが装着された後、レンズ保持軸202RがレンズLE側に移動され、レンズ保持軸202Rに取り付けられたレンズ押さえ235によってレンズLEが押さえられる。これにより、レンズLEがレンズ保持軸202によって保持される。眼鏡レンズ加工装置200は、レンズ保持軸202Rをレンズ保持軸202L側に移動するレンズ保持機構240を備え、レンズ保持機構240は制御部210によって制御される。
なお、眼鏡レンズ加工装置200の詳細な構成の一例は、例えば、特開2013-158866号公報に記載されている。
<カップ及び粘着テープ>
図6は、実施例に係るカップCU及び粘着テープTAを説明する図である。カップCUは、レンズLEの加工治具として使用される。粘着テープTAは、カップCUをレンズLEの屈折面に固定するために使用される。カップCUが固定されるレンズLEの屈折面は、一般的にはレンズ前面(表面)であるが、レンズ後面(裏面)の場合もあり得る。
図6において、本実施例のカップCUは、基部10と鍔部11を備える。例えば、基部10と鍔部11は樹脂にて一体的に形成されている。基部10は、眼鏡レンズ加工装置200のレンズ保持軸202Lに備えられたカップホルダー230(図5参照)に挿入される。基部10の上部に、左右方向に延びるキー溝10bが形成されている。キー溝10bは、レンズLEへのカップCUの取り付け時、及びレンズLEの周縁加工時に、レンズLEの乱視軸角度とレンズLEの左右方向とを所定の位置関係にするために利用される。また、基部10には、レンズLEの上下方向(ここでは、眼鏡装用時の上下方向を言う)を決めるための指標の例となる切り欠け10cが形成されている。
鍔部11は、基部10より大きな径を持つ楕円形状に形成されている。楕円形状の長手方向は、キー溝10bが延びる方向と同一とされている。鍔部11の上面における基部10の周辺には、凹凸部11aが形成されている。凹凸部11aは、カップホルダー430に挿入された場合に、回転ズレを軽減するために利用される。なお、カップホルダー430の先端には、鍔部11に形成された凹凸部11aが篏合される凹凸部(図示を略す)が形成されている。
なお、上からカップCUを見たときのカップCUの外形形状(鍔部11の外形形状)は、カップCUの中心を基準にして左右方向及び左右方向の直交方向で対称形状とされている。
なお、鍔部11の上面における長手方向の両側には、2つのフック12が形成されている。例えば、2つのフック12は、粘着テープTAを介してレンズLEに取り付けられたカップCUを剥がす場合に、作業者が指で持つ部材として使用される。フック12は無くてもよい。
図6において、粘着テープTAは、鍔部11の下面と同一(略同一であればよい)の外形形状に形成されている。例えば、粘着テープTAの基材は、ゴムである。粘着テープTAの上面がカップCUの固定面(すなわち、鍔部11の下面)に貼り付けられ、レンズLEの屈折面に粘着テープTAの下面が貼り付けられる。これにより、粘着テープTAを介してレンズLEの屈折面にカップCUが固定される。
<トレイ>
図7は、実施例に係る、代表的なトレイTRの構成を説明する図である。
トレイTRは、上から見た形状が略四角形状に形成されている。底板TR01上には、左眼用レンズLEを載置するためのレンズ載置部TR10Lと、右眼用レンズLEを載置するためのレンズ載置部TR10Rと、が設けられている。レンズ載置部TR10Lとレンズ載置部TR10Rとは、同じ構成のため、レンズ載置部TR10Lを例にして説明する。
レンズ載置部TR10Lの中央部には、カップCUが置かれるカップ載置部TR20が形成されている。カップ載置部TR20は、カップCUの基部10が挿入される挿入穴TR21が形成されている。挿入穴TR21の内部には、カップCUのキー溝10bが嵌め込まれるキーTR22が形成されている。
カップ載置部TR20の回りには、レンズ台TR30が形成されている。レンズ台TR30は、底板TR01から一定の高さ(例えば、12mm)の板からなる骨組み構造に形成されている。この実施例では、レンズ台TR30は、左右方向と前後方向の四方に形成された直交台TR31と、各直交TR31の間に補完的に形成された補間台TR32と、から成る。さらに、各直交台TR31及び各補間台TR32の外周側には、レンズ台TR30からのレンズLEの落下を防止するための側壁TR34が形成されている。側壁TR34の高さは、レンズ台TR30の高さよりも、さらに高さH分(例えば、3mm)だけ高くされている。側壁TR34は円形に配置され、その内側の直径は、一般的な未加工のレンズLEが内部に収まる寸法(例えば、84mm)に形成されている。側壁TR34により、トレイTRの搬送中に未加工のレンズLEがレンズ台TR30から落下したり、大きくズレたりすることが抑制される。
なお、底板TR01の四方には、左右の側板TR02と、前後の側板TR03と、が形成されている。前後の側板TR03の高さは、左右の側板TR02の高さより低くされ、レンズ台TR30に置かれたレンズLEを前後方向から取り出し易くされている。また、同一形状のトレイTRは、左右の側板TRの上に積み重ねが可能とされている。
なお、レンズLEへの取り付け前のカップCUは、カップ載置部TR20又はトレイTR内の所定位置に、その基部10が上側にされて置かれる。
<求心装置>
図8は、求心装置300の構成を説明する図である。求心装置300は、未加工のレンズLEの周縁に当接する、少なくとも3つの当接部材314と、当接部材314を求心軸N1側に移動させる移動機構310と、を備える。また、実施例の求心装置300は、円筒ベース311と、レンズLEが載せられるレンズ台313と、を備える。例えば、移動機構310は、3つの回転軸315と、各回転軸に取り付けられたアーム316と、3つの回転軸315を連動して回転するモータ317と、求心軸N1を中心にレンズ台313を回転するモータ418と、備える。3つの回転軸315は、求心軸LC1を中心に等角度で且つ等距離に、円筒ベース311の外周部に配置されている。回転軸315の上端にそれぞれアーム316が取付けられている。アーム316の先端に当接部材314が取り付けられている、
モータ317の駆動により、図示を略す回転伝達機構を介して各回転軸315が回転され、アーム316及び当接部材314は、実線で示す退避位置から点線で示す支持位置に移される。これにより、レンズ台313に載せられた未加工レンズLEの周縁の幾何中心が、求心軸LC1に対して求心される。また、レンズ台313は、図示を略す回転伝達機構を介してモータ418により回転される。モータ317及びモータ418の駆動は、制御部320によって制御される。
<レンズメータ>
レンズメータ500は、所定位置に置かれたレンズLEの光学中心、乱視軸方向、屈折度数等の光学特性を測定するための測定光学系(例えば、シャックハルトマン光学系等)を備える。例えば、測定時に、レンズLEはレンズ支持部502(図1参照)上に置かれる。レンズメータ500は制御部510(図12参照)を備える。制御部510はレンズメータ500の動作を制御し、測定光学系により測定されたレンズLEの光学中心、乱視軸方向、屈折度数等の光学特性を得る。レンズメータ500の構成は、例えば、特開2003-075296号公報に開示されている技術を使用できる。このため、詳細な説明は省略する。
<カップ取り付け装置>
図9はカップ取り付け装置600の概略構成図である。カップ取り付け装置600は、レンズLEの屈折面(例えば、前面)にカップCUを取付けるために用いられる。
カップ取り付け装置600は、ブロッキングアーム610にて保持されたカップCUと、レンズ支持台602に置かれたレンズLE、又は搬送ロボット100の保持部150に保持されたレンズLEと、の位置とを相対的に変化させることで、粘着テープTAを介してレンズLEの屈折面にカップCUを取付ける(固定する)。
ブロッキングアーム610は、カップCUを保持するための装着部630を備える。装着部630は、ブロッキングアーム610の先端に取り付けられている。装着部630には、カップCUの基部10が挿入される。装着部630は、キー631bが形成された挿入穴631aを備える。なお、挿入穴631aには、カップCUを保持する荷重を付与する例のプランジャーが内蔵されている。キー631bにカップCUの基部10に形成されたキー溝10bが嵌め込まれることにより、レンズLEの乱視軸角度とカップCUの基準方向とが一定の関係にされる。
カップ取り付け装置600は、レンズLEに対し、ブロッキングアーム610の装着部630にて保持されたカップCUの相対的な位置関係を変えるアーム移動ユニット620を備える。ブロッキングアーム610はアーム保持ベース612に保持されている。アーム保持ベース612は、アーム移動ユニット620により、XYZの三次元方向に移動される。これにより、ブロッキングアーム610は、レンズLEに対して、三次元的に移動される。
また、アーム移動ユニット620は、装着部630の中心軸K2の軸回りにカップCUを回転する回転ユニット621を含んでいてもよい。装着部630は、回転ユニット621が備えるモータ(図示を略す)によって中心軸K2の軸回りに回転される。これにより、レンズLEが乱視軸(円柱軸)を持つ場合に、カップCUの基準の水平方向の角度が変更され、乱視軸をレンズ処方に合わせた形でレンズLEへのカップCUの取り付けが行われる。
なお、レンズLEへのカップCUの取り付け時には、レンズ支持台602の中心を通るカップ取り付けの基準軸N2に中心軸K2が一致するようにブロッキングアーム610が移動され、その後、レンズLE側にブロッキングアーム610が移動されることにより、レンズLEの前面にカップCUが固定される。
また、カップ取り付け装置600は、レンズLEへのカップCUの取り付け時に、装着部630とは反対方向から、レンズLEの屈折面(後面)を押さえる押さえ軸640を備えていてもよい。押さえ軸640の先端には押さえ部材642が取り付けられている。
押さえ軸640は軸保持ベース645に保持されている。軸保持ベース645は、レンズ押さえ軸移動ユニット650によって、XYZの三次元方向に移動される。押さえ軸640が利用される場合には、押さえ軸640の中心軸は基準軸N2に一致され、レンズ押さえ軸移動ユニット650によって押さえ部材642がレンズLEの後面に押し当てられることにより、レンズLEにカップCUが取り付けられる。アーム移動ユニット620及びレンズ押さえ軸移動ユニット650の駆動は、制御部660によって制御される。
<粘着テープ供給装置>
図10は、粘着テープ供給装置400の構成を説明する図である。粘着テープ供給装置400は、基体移動ユニット410を備える。複数の粘着テープTAは基体の例である下台紙30上に接着配置され、下台紙30は粘着テープ供給装置400に装填される。基体移動ユニット410は、下台紙30を送り方向に移動するために使用される。例えば、基体移動ユニット410は、2つのタイミングプーリー412,414に掛け渡されたベルト416と、ベルト416を移動するために、タイミングプーリー412を回転するためのモータ418と、を備える。また、粘着テープ供給装置400は、対物センサ450を備えていてもよい。対物センサ450は、ベルト416によって移動される下台紙30上の粘着テープTAを検出する。
また、ローラ422とベルト416との間に下台紙30が挟まれた状態で、ローラ422がベルト416を押さえつけるように配置されている。ローラ422がベルト416の移動と同期して回転されることにより、下台紙30が粘着テープTAから離れる方向(実施例では下方向)に導かれる。
また、粘着テープ供給装置400は、基体移動ユニット410の上に配置された保護体剥離ユニット430を備えていてもよい。例えば、下台紙30上に配置された粘着テープTAの上には、粘着テープTAを覆うように保護体の例である上台紙31が貼り付けられている。保護体剥離ユニット430は、2つのタイミングプーリー432,434に掛け渡されたベルト436と、タイミングプーリー432を回転するためのモータ438と、を備える。保護体剥離ユニット430は、下台紙30に接着配置された粘着テープTAの上台紙31を剥がすために使用される。ローラ442とベルト436との間に上台紙31が挟まれた状態で、ローラ442がベルト436を押さえつけるように配置されている。そして、ローラ442がベルト436の移動と同期して回転されることにより、粘着テープTA上から剥がされた上台紙31が上方向に導かれる。
粘着テープ供給装置400は、制御部460を備える。制御部460は、基体移動ユニット410及び保護体剥離ユニット430を制御する。
下台紙30が送り方向に移動され、粘着テープTAが所定のカップ貼付け位置PT1に移動されると、基体移動ユニット410の移動が停止される。位置PT1にて、搬送ロボット100のフィンガー部151にて保持されて搬送されたカップCUが下降されることで、カップCUの固定面に粘着テープTAが貼り付けられる。その後、位置PT2にカップCUが移動され、カップ取り付け装置600のブロッキングアーム610にてカップCUが保持された後、ブロッキングアーム610の動作及び基体移動ユニット410の移動が制御され、ブロッキングアーム610と下台紙30が同期して送り方向(矢印A方向)に移動されることで、下台紙30が粘着テープTAから離れる方向(実施例では下方向)に導かれ、下台紙30が粘着テープTAから剥離される。
粘着テープ供給装置400の構成は上記に限られず、搬送ロボット100との協働で、カップCUの固定面に粘着テープTAを貼付けできればよい。例えば、ブロッキングアーム610の代わりに、搬送ロボット100のフィンガー部151にカップCUが保持された状態で、位置PT2からフィンガー部151が送り方向に移動されることで、下台紙30が粘着テープTAから剥離されることでもよい。
<仮置台>
図11は、仮置台700の構成を説明する図である。仮置台700は、搬送ロボット100の保持部150によるレンズLE又はカップCUの保持を持ち替えるために使用される。仮置台700は、ベース702と、ベース702に保持された支持軸704と、支持軸704の先端に取り付けられたカップ装着部710と、を備える。カップ装着部710は、カップCUの基部10が挿入される挿入穴711aと、カップCUに形成されたキー溝10bが嵌め込まれるキー711bと、備える。
<システムの制御系構成>
図12は、眼鏡レンズ加工システム1の全体の制御系の構成を示す図である。眼鏡レンズ加工システム1は、システム全体の制御を司る制御装置50を備える。制御装置50は、搬送ロボット100の制御部139と、眼鏡レンズ加工装置200の制御部210と、求心装置300の制御部320と、粘着テープ供給装置400の制御部460と、レンズメータ500の制御部510と、カップ取り付け装置600の制御部660と、に接続されている。また、制御装置50は、トレイ搬送装置800の制御部(図示を略す)にも接続されている。制御装置50との接続は、有線に限られず、無線で通信可能に接続されていてもよい。
制御装置50は、搬送ロボット100の搬送工程に応じて各装置の制御部に動作指令信号を送る。各装置の制御部は、制御装置50からの指令信号に基づいて各装置の構成要素を制御する。制御装置50は、操作部52、表示部52に接続されている。制御装置50は、ホストコンピュータの機能を兼ねていてもよい。また、制御装置50は、インタフェース55を外部装置と通信可能にされ、レンズLEの周縁を加工するために必要なレンズ加工情報を取得する。例えば、レンズ加工情報には、レンズLEの周縁加工の目標となる玉型、レイアウトデータ(玉型に対するレンズLEの光学中心の位置関係のデータ)、レンズLEの処方データ(乱視軸角度、マイナス度数又はプラス度数の処方度数、等)の少なくとも一つが含まれる。レンズ加工情報は、操作部52によって入力されてもよい。
また、各装置の制御部(139、210、320、450、510、660)は、各種の情報を出力する情報出力部の機能と、各種の情報を取得する情報取得部の機能と、を兼ねる。例えば、搬送ロボット100の制御部139は、レンズメータ500の制御部510から出力されるレンズLEの測定結果の情報(光学中心位置、乱視軸角度、等)を取得する。また、眼鏡レンズ加工装置200の制御部210は、加工済みレンズLEの外形形状の情報を取得する。また、制御部210は、カップCUの外形形状の情報を取得する。カップCUの外形形状は、眼鏡レンズ加工装置200又は制御装置50が備える記憶部(図示を略す)に予め記憶された情報が読みだされることで、取得されてもよい。
<動作>
以上のような構成を備える眼鏡レンズ加工システム1の動作を、図13を使用して説明する。図13は、搬送対象物に関する各装置間での搬送工程のフローを示す図である。
<搬送工程S1>
トレイTRに入れられた未加工のレンズLEを取り出して搬送する工程では、吸着部170が使用される。搬送工程S1は、トレイTRに入れられた未加工のレンズLEを取り出して求心装置300に搬送する工程である。なお、搬送工程S1は、未加工のレンズLEにカップCUを取り付けるために行われる一つの工程である。制御装置50からの指令信号を受けた搬送ロボット100の制御部139は、アーム部130の移動を制御すると共に、保持部150の保持動作を制御する。
未加工のレンズLEは、その後面が下側に位置するように、トレイTRのレンズ台TR30に載置されている。レンズ台TR30の外周には、レンズ台TR30より高さH分(例えば、3mm)だけ高くされた側壁TR34が位置している。このため、レンズLEの周縁厚が高さH以下の場合(例えば、プラス度数レンズ、度数が弱いマイナス度数レンズ、等)、フィンガー部151によるレンズLEの周辺の保持は難しい。そこで、トレイTRに入れられた未加工のレンズLEを取り出して搬送する工程では、吸着部170が使用される。
例えば、初めに右眼用の未加工のレンズLEを搬送するために、制御部139により吸着部170が、レンズ載置部TR10R側のレンズ台TR30の中心に位置するように、アーム部130が移動される。その後、吸引源175が駆動されると共に吸着部170が下降される。これによりレンズLEの前面が吸着部170に吸着され、レンズLEが保持される。
次に、レンズLEが吸着部170にて保持された状態で求心装置300のレンズ台313上に搬送される。吸着部170の吸引源175による吸引が停止され、レンズ台313上にレンズLEが置かれると、制御装置50からの指令信号を受けた制御部320により求心装置300が動作される。すなわち、制御部320により移動機構310が制御され、3つの当接部材314がレンズLEの周縁に当接して求心軸LC1側に移動される。これにより、未加工のレンズLEの幾何中心が求心軸LC1に一致(略一致であればよい)される。
<搬送工程S2>
トレイTRに入れられたカップCUを取り出して搬送する工程では、フィンガー部151が使用される。搬送工程S2は、トレイTRに入れられたカップCUを取り出して粘着テープ供給装置400に搬送する工程である。
制御装置50からの指令信号を受けた搬送ロボット100の制御部139によりアーム部130の移動が制御され、内側の一対の第2フィンガー156が下側となるように手首136が回転された後、第2フィンガー156にて、トレイTR内の所定位置に置かれたカップCUの周縁の長手方向が保持される。カップCUは第2フィンガー156にて保持された状態で、粘着テープ供給装置400に搬送される。そして、図10における位置PT1に位置する粘着テープTA上に、第2フィンガー156にて保持されたカップCUが、下降されることでカップCUの固定面に粘着テープTAが貼り付けられる。
<搬送工程S3>
搬送工程S3は、粘着テープTAが貼り付けられたカップCUを、カップ取り付け装置600が持つブロッキングアーム610の装着部630に装着させる工程である。この工程では、ブロッキングアーム610又は搬送ロボット100のフィンガー部151が使用される。
例えば、ブロッキングアーム610が使用される場合、制御装置50からの指令信号を受けたカップ取り付け装置600の制御部660により、アーム移動ユニット620の駆動が制御され、図10に示すように、装着部630が位置PT2に位置するカップCU上に移動された後、ブロッキングアーム610が下降されることで、カップCUが装着部630に装着される。その後、ブロッキングアーム610と下台紙30が同期して送り方向(矢印A方向)に移動されることで、下台紙30が粘着テープTAから剥離される。
あるいは、搬送ロボット100のフィンガー部151が使用される場合、図10において、ブロッキングアーム610の代わりに、位置PT2でカップCUがフィンガー部151にて保持された状態で、フィンガー部151と下台紙30が同期して送り方向に移動されることで、下台紙30が粘着テープTAから剥離される。そして、搬送ロボット100により、フィンガー部151にてカップCUが保持された状態でカップ取り付け装置600に搬送され、所定位置で待機するブロッキングアーム610の装着部630にカップCUが装着される。
<搬送工程S4>
レンズLEをレンズメータ500に搬送する工程では、フィンガー部151又は吸着部170が使用される。搬送工程S4は、先の搬送工程S1で求心装置300によってレンズLEの求心が行われた後、求心装置300からレンズLEを取り出してレンズメータ500に搬送する工程である。例えば、この搬送工程では、フィンガー部151が使用される。
求心装置300の求心軸LC1の二次元位置は、求心装置300の配置により既知であり、その情報は制御装置50又は搬送ロボット100の制御部139により予め取得されている。制御装置50の指令信号を受けた制御部139は、アーム部130の移動を制御し、求心軸LC1の位置が、一対のフィンガー152の開閉方向の中心に位置すると共に、フィンガー152が延びる方向の所定の保持位置に位置するように、フィンガー部151を移動する。また、未加工のレンズLEを保持する場合には、外側の一対の第1フィンガー154にてレンズLEの周縁を保持するように、レンズ台313に対するフィンガー部151の高さ位置が調整される。
第1フィンガー154にて保持され、求心装置300から取り出されたレンズLEは、搬送ロボット100によってレンズメータ500のレンズ支持部502(図1参照)上に搬送される。
レンズLEが単焦点レンズの場合、一般的にレンズLEの外形形状の幾何中心付近に光学中心が位置する。搬送ロボット100の制御部139は、フィンガー部151によって保持されたレンズLEの幾何中心が、レンズメータ500の測定光軸に位置するようにアーム部130の移動を制御する。レンズメータ500の測定光軸に対するレンズLEの光学中心位置は、レンズメータ500の測定光学系の測定結果に基づき、レンズメータ500の制御部510によって得られる。その結果は、搬送ロボット100の制御部139(又は制御装置50であってもよい)に送信される。これにより、制御部139は、レンズLEの幾何中心とレンズLEの光学中心との位置関係の情報を取得する。また、レンズLEが乱視成分を持つ場合、レンズLEの乱視軸方向の情報は、レンズメータ500の測定光学系の測定結果に基づいて得られる。これにより、制御部139は、レンズLEの乱視軸方向の情報を取得する。
なお、レンズメータ500によるレンズLEの測定においては、測定光学系の測定光軸上にレンズLEの光学中心が位置するように、搬送ロボット100がフィンガー部151にて保持した状態のレンズLEを移動させてもよい。
また、この搬送工程S4では、吸着部170が使用されてもよい。例えば、レンズメータ500のレンズ支持部502又は測定光学系が移動される構成で、吸着部170にて保持された未加工のレンズLEをレンズ支持部502上に搬送可能なスペースが確保されることにより、吸着部170の使用が可能とされる。
<搬送工程S5>
レンズメータ500からカップ取り付け装置600にレンズLEを搬送する工程では、フィンガー部151又は吸着部170が使用される。搬送工程S5は、レンズメータ500によるレンズLEの測定後、レンズメータ500からレンズLEをカップ取り付け装置600のカップCUの取り付け位置に搬送する工程である。この搬送工程では、例えば、フィンガー部151が使用される。
レンズメータ500での測定において、レンズ支持部502上にレンズLEが置かれていた場合は、外側の一対の第1フィンガー154にてレンズLEの周縁が保持される。また、レンズLEが第1フィンガー154にて保持された状態で、レンズメータ500による測定が行われた場合は、その保持のままカップ取り付け装置600のレンズ支持台602上に搬送される。
例えば、レンズLEの光学中心にカップCUが取り付けられるように設定されている場合、制御装置50からの指令信号を受けた搬送ロボット100の制御部139によりアーム部130の移動が制御され、レンズメータ500によって測定された光学中心がカップ取り付け装置600の基準軸N2に一致するように、レンズ支持台602上にレンズLEが置かれる。
また、例えば、玉型の幾何中心にカップCUが取り付けられるように設定されている場合、その幾何中心が基準軸N2に一致するように、レンズ支持台602上にレンズLEが置かれる。なお、レンズLEにおける玉型の幾何中心は、制御装置50により取得されているレンズ加工情報における玉型及びレイアウトデータ(玉型に対するレンズLEの光学中心の位置関係のデータ)に基づいて求められ、搬送ロボット100の制御部139に取得される。
レンズ支持台602上にレンズLEが置かれると、制御部660によってアーム移動ユニット620の駆動が制御され、ブロッキングアーム610がレンズLE側に移動されることで、装着部630に装着されたカップCUが粘着テープTAを介してレンズLEの前面に取り付けられる。なお、レンズLEが乱視軸を持つ場合、レンズメータ500の測定に得られた乱視軸角度と制御装置50によって取得された処方データとに基づき、装着部631が軸線K2の軸回りに回転され、レンズLEの乱視軸角度とカップCUの基準方向とが一定の関係にされる。例えば、カップCUの基準方向は、カップCU(鍔部11)の長手方向で、乱視軸の0度方向とされている。
なお、レンズLEへのカップCUの取り付けは、レンズLEがレンズ支持台602上に置かれるのではなく、フィンガー部151にてレンズLEが保持された状態で行われてもよい。例えば、制御部139によりアーム部130の移動が制御され、基準軸N2における所定の高さ位置にフィンガー部151に保持されたレンズLEが移動される共に、レンズLEの光学中心又は玉型の幾何中心の位置が基準軸N2に一致するように移動される。その後、フィンガー部151にてレンズLEが保持された状態で、ブロッキングアーム610及び押さえ軸640がレンズLE側に移動されることで、レンズLEの前面にカップCUが取り付けられると共に、レンズLEの後面が押さえ部材642によって押さえられ、レンズLEがブロッキングアーム610と押さえ軸640とによって挟持される。レンズLEがブロッキングアーム610と押さえ軸640とによって挟持されたら、フィンガー部151の保持が開放され、搬送ロボット100は移動可能とされる。
<搬送工程S6>
カップCUが取り付けられたレンズLEを眼鏡レンズ加工装置200に搬送する工程では、フィンガー部151が使用される。搬送工程S6は、カップ取り付け装置600からカップCUが取り付けられたレンズLEを取り出し、眼鏡レンズ加工装置200に搬送する工程である。この搬送工程では、吸着部170の使用では不都合があるため、フィンガー部151が使用される。具体的には、次の事情による。
眼鏡レンズ加工装置200の一対のレンズ保持軸202にレンズLEを保持させる場合、レンズ保持軸202L側のカップホルダー230に、レンズLEに固定されたカップCUを装着させた後、もう片方のレンズ保持軸202Rを移動させる。しかし、本開示の眼鏡レンズ加工装置200では、一対のレンズ保持軸202が水平方向に延びて配置されている。このため、吸着部170の使用では、カップホルダー230にカップCUを装着させた後に、吸着部170の吸着を解除して吸着部170を離脱させ、レンズ保持軸202Rをレンズ側に移動する必要があるが、吸着部170の吸着を解除すると、レンズLEがレンズ保持軸202L側から落下してしまう恐れがある。このため、レンズ保持軸202にレンズLEを保持させるに当たり、フィンガー部151が使用される。
搬送工程S6を説明する。カップ取り付け装置600において、レンズLEへのカップCUの取り付けが完了すると、ブロッキングアーム632は上昇された後、所定の待機位置に移動される。このとき、カップCUは装着部630に保持された状態であるため、カップCUが固定されたレンズLEも持ち上げられ、カップCUと一緒に移動される。なお、レンズLEが乱視軸を持ち、装着部631が軸線K2の軸回りに回転されていた場合は、その回転が戻され、カップCUの長手方向が所定の方向とされる。
制御装置50からの指令信号を受けた搬送ロボット100の制御部139によりアーム部130の移動が制御され、例えば、フィンガー部151にてカップCUの周縁を保持するようにフィンガー部151の位置が制御される。この場合、内側の一対の第2フィンガー156が使用され、カップCUの周縁の長手方向が第2フィンガー156の開閉方向と平行となるように、フィンガー部151の位置及び向きが制御される。第2フィンガー156にてカップCUの周縁が保持された状態で、レンズLEが搬送ロボット100によって搬送される。
なお、変容例として、カップ取り付け装置600からレンズLEを取り出して搬送する場合、フィンガー部151にて未加工のレンズLEの周縁を保持してもよい。この場合、外側の一対の第1フィンガー154される。また、この場合も、カップCUの長手方向が第1フィンガー154の開閉方向と平行となるように、フィンガー部151の位置及び向きが制御される。
搬送ロボット100によって搬送されたレンズLEは、眼鏡レンズ加工装置200のレンズ保持軸202Lに取り付けられる。このとき、制御装置50からの指令信号を受けた眼鏡レンズ加工装置200の制御部210は、回転ユニット256を制御し、レンズ保持軸202の回転角度を調整して待機させる。
例えば、図14(図14は、フィンガー部151によるレンズ保持軸202へのレンズLEの取り付けを説明する図である)に示すように、搬送ロボット100は、レンズLEの加工時におけるレンズ保持軸202の回転の基準方向ST1に対して、角度β1だけ傾斜した進入軸M1の方向からフィンガー部151が進入するように制御される。なお、レンズ保持軸202の回転の基準方向ST1は、玉型の左右方向(これはレンズLEの乱視軸の0度方向でもある)とされ、例えば、レンズLEの加工の開始時及び終了時には水平方向とされている。
フィンガー部151の進入に関し、具体的には、待機位置に置かれたレンズ保持軸202の中心Oを通る進入軸M1に沿って、フィンガー部151が搬入口270から進入される。また、フィンガー部151にて保持されたカップCUの長手方向(カップCUのキー溝10bの方向)は、進入軸M1に直交する方向M2となるように進入される。これに合わせて、レンズ保持軸202の回転角度が調整される。すなわち、カップホルダー230のキー231bが進入軸M1に直交する方向M2となるように、角度β2(90°―β1)にてレンズ保持軸202の回転角度が調整される。これにより、レンズ保持軸202Lが持つカップホルダー230へのカップCUの装着が可能とされる。
なお、フィンガー部151にて未加工のレンズLEの周縁が保持される場合も、カップホルダー230へのカップCUの装着時には、同様にレンズ保持軸202の回転角度が調整され、待機される。
カップホルダー230へのカップCUの装着が完了した後、フィンガー部151にてカップCU又はレンズLEが保持された状態で、制御部210の制御によりレンズ保持機構240が駆動されることで、レンズ保持軸202RがレンズLE側に移動され、レンズ押さえ235によってレンズLEが押さえられる。これにより、レンズLEが落下することなく、レンズ保持軸202によって保持される。その後、フィンガー部151によるカップCU又はレンズLEの保持が解除され、進入軸M1に沿って、フィンガー部151が搬入口270から退避される。
搬送ロボット100のフィンガー部151が退避した後、制御部210によって移動ユニット250の駆動が制御され、制御装置50からの指令に含まれる玉型等のレンズ加工情報に基づき、レンズ保持軸202に保持されたレンズLEの周縁が加工具260によって加工される。
<搬送工程S7>
眼鏡レンズ加工装置200から加工済みレンズLEを取り出して搬送する工程では、フィンガー部151が使用される。搬送工程S7は、眼鏡レンズ加工装置200から加工済みレンズLEを取り出し、取り出した加工済みレンズLEをトレイTRに戻す途中で、仮置台700へ搬送する工程である。この搬送工程においても、レンズ保持軸202に保持されたレンズLEを取り出すときに、前述と同様に、吸着部170の使用では不都合があるため、フィンガー部151が使用される。
眼鏡レンズ加工装置200の制御部210は、レンズLEの加工後、搬送ロボット100が加工済みレンズLEを取り出すために、回転ユニット256を制御し、レンズ保持軸202の回転角度を調整して待機させる。
<フィンガー部による加工済みレンズの保持>
搬送工程S7におけるフィンガー部151の使用に当たり、加工済みレンズLEの周縁を一対のフィンガー152にて保持させる場合を説明する。この場合、制御部210は、レンズ保持軸202に保持された加工済みレンズLEの外形形状に関する情報を取得し、これと一対のフィンガー152の開閉方向の情報と基づき、レンズ保持軸202の回転角度を調整する。
レンズLEは様々な外形形状に加工される。加工済みレンズLEの外形形状を考慮せずに、レンズLEの加工が終了した時点におけるレンズ保持軸202の回転停止状態で、フィンガー152にて加工済みレンズLEを保持させると、レンズLEが落下してしまう場合がある。
図15は、加工済みレンズLEの外形形状に対するフィンガー152の関係を説明する図である。例えば、図15に示す加工済みレンズLEの外形形状TBに対し、図15においては、左第2フィンガー156Lの当接点はP1となり、右第2フィンガー156Rの当接点はP2となる。この場合、当接点P1に掛かる保持圧FL及び当接点P2に掛かる保持圧FRは、一対のフィンガー152の開閉方向M2に平行で互いに逆方向に働く。そして、当接点P1及び当接点P2は、フィンガー152の開閉の中心線MC3方向における位置が異なる。この状態で加工済みレンズLEを一対のフィンガー152にて保持させると、当接点P1に掛かる保持圧FL及び当接点P2に掛かる保持圧FRにより、レンズLEは矢印B方向に回転され、安定して保持されずに落下してしまう可能性がある。
そこで、本開示では、制御部210は、加工済みレンズLEを一対のフィンガー152にて保持させるときに、一対のフィンガー152の保持圧によって加工済みレンズLEが回転しないように、レンズ保持軸202の回転角度を調整する。具体的には、制御部210は、一対のフィンガー152(左第2フィンガー156Lと右第2フィンガー156R)が閉じられたときに、それぞれが加工済みレンズLEの外形形状TBに当接する2点を求め、この2点を通る直線がフィンガー152の開閉方向M2に対して平行となる場合の加工済みレンズLEの回転角α(図示せず)を求める。そして、制御部210は、求めた回転角αに基づいてレンズ保持軸202の回転角度を調整して、待機させる。なお、外形形状TBは、制御部210により、レンズLEの加工の制御データが求められることで得られるが、簡易的にはレンズ加工情報に含まれる玉型が使用されてもよい。
図16は、加工済みレンズLEの回転角αを求める例を説明する図である。図16において、フィンガー152の開閉方向をX方向とし、X方向に直交する方向で、フィンガー152の開閉の中心線MC3の方向(図14の進入方向M1)をY方向とする。なお、図16でのXY方向は、説明の便宜上で使用したものであり、眼鏡レンズ加工装置200及び他の装置の説明で使用されたXY方向とは異なる。
まず、図16(a)に示す、加工終了後の初期状態における加工済みレンズLEの外形形状TBに関し、制御部210は、レンズLEの回転中心O(レンズ保持軸202の中心)を基準に、X方向における左方向の距離XLが最大となる点PLと、X方向における右方向の距離XRが最大となる点PRと、の2点を求める。点PLが左第2フィンガー156Lに当接する点となり、点PRが右第2フィンガー156Rに当接する点となる。このときの点PLと点PRとのY方向の差分をΔYとし、点PLと点PRの2点を通る直線をLPPとする。
次に、制御部210は、回転中心Oを基準に外形形状TBを微小角度(例えば、0.36度)毎に回転し、各回転での点PLと点PRを求め、そのときの差分ΔYを求める。この演算をレンズLEの1回転分(360度分)行う。点PLと点PRの2点を通る直線が、X方向に平行になる条件は、差分ΔYがゼロになるときである。
図16(a)に示される加工済みレンズLEの外形形状TBにおいては、図16(a)の初期状態に対し、図16(b)に示す回転角α1のとき、及び図16(c)に示する回転角α2のときに、差分ΔYがゼロとなる。さらに、回転角α1+180度のとき、回転角α2+180度のときにも差分ΔYがゼロとなる。制御部210は、これらの何れかの回転角にレンズ保持軸202の回転角度を調整し、待機させる。これにより、フィンガー152の保持圧によって加工済みレンズLEが回転してしまうことなく、加工済みレンズLEを落下させずに、加工済みレンズLEを安定して保持して取り出すことができ、適切に搬送できる。
例えば、制御部210は、外形形状TBの最大幅部分をフィンガー152にて保持するように、回転角α2にレンズ保持軸202の回転角度を調整する。ここで、実施例のフィンガー152の開閉の最小幅は、少なくともカップCUの長手方向の幅を保持可能に設定されている。そして、レンズLEが小径に加工される場合であっても、少なくともカップCUの長手方向の部分までしか加工できない。このため、外形形状TBの最大幅部分をフィンガー部151で保持することで、どのような加工形状のレンズLEであってもフィンガー部151で保持可能となる。なお、カップCUの外形形状が最大幅となる長手方向の2点は、一対のフィンガー152が保持可能な最小幅(図4の幅W3)より大きな幅とされている。
なお、レンズ保持軸202の回転角度の調整に関しては、実際には、図14で示されたように、レンズ保持軸202の回転の基準方向ST1に対するフィンガー部151の進入軸M1の角度β1が考慮され、フィンガー152の開閉方向M2が角度β2(90°―β1)となるように調整される。
なお、外形形状TBが一対の第2フィンガー156が開く最大の幅W2を超える場合は、第1フィンガー154が使用されるように決定される。
上記の演算方法は一例に過ぎず、フィンガー152の左右が加工済みレンズLEの外形形状TBに当接する2点を通る直線PLLがフィンガー152の開閉方向に平行となるように、加工済みレンズLEの回転角αを求める方法は、種々のものが有り得る。
フィンガー152による加工済みレンズLEの保持が完了すると、レンズ保持軸202RがレンズLEから離れる側に移動され、一対のレンズ保持軸202によるレンズLEの保持が解除される。このとき、レンズLEは、フィンガー152によって保持された状態であるため、落下することなく、水平方向に延びたレンズ保持軸から取り出して搬送することができる。
搬送ロボット100の制御部139は、眼鏡レンズ加工装置200から加工済みレンズLEを取り出した後、トレイTRに戻す前に、一旦、仮置台700に搬送する。図7に示されたように、レンズLEに取り付けられたカップCUが下側となるように、手首136が回転される。その後、仮置台700が持つカップ装着部710の挿入穴711aにカップCUの基部10が挿入されるように、フィンガー部151が下降される。また、カップCUのキー溝10bがキー711bに嵌め込まれるように、フィンガー部151の移動が制御される。これにより、加工済みレンズLEが仮置台700の支持軸704上に置かれる。
<フィンガー部によるカップの保持>
次に、搬送工程S7におけるフィンガー部151の使用に当たり、カップCUの周縁を一対のフィンガー152にて保持させる場合を説明する。この場合も、制御部210は、加工済みレンズLEに取り付けられたカップCUの外形形状に関する情報を取得し、これと一対のフィンガー152の開閉方向の情報と基づき、レンズ保持軸202の回転角度を調整する。
例えば、制御部210は、カップCUの外形形状が最大幅となる長手方向を、フィンガー152の開閉方向となるように、レンズ保持軸202の回転角度を調整する。カップCUの外形形状が最大幅となる長手方向の2点は、一対のフィンガー152が保持可能な最小幅(図4の幅W3)より大きな幅とされている。
ここで、図14と同じく、フィンガー部151は、レンズLEの加工終了時におけるレンズ保持軸202の基準方向ST1に対して、角度β1だけ傾斜した進入軸M1の方向からが進入される。レンズLEの加工終了時には、カップCUの長手方向は基準方向ST1の方向とされている。この状態でカップCUがフィンガー152にて保持されると、図15に示した加工済みレンズLEの場合と同様に、一対のフィンガー152の左右の当接点P1及び当接点P2を通る直線が、フィンガー152の開閉方向M2に平行とならない場合がある。この場合、カップCUが安定して保持されず、レンズLEが落下してしまう可能性がある。
そこで、レンズ保持軸202Lのカップホルダー230に装着されたカップCUの長手方向がフィンガー152の開閉方向M2に平行となるように、基準方向ST1に対して角度β2だけ時計回りにレンズ保持軸202の回転角度が調整される。そして、カップCUの長手方向がフィンガー152にて保持されることで、カップCUが安定して保持され、レンズLEを落下させずに搬送できる。
その後は、フィンガー152にて加工済みレンズLEが保持される場合と同様に、一対のレンズ保持軸202によるレンズLEの保持が解除された後、眼鏡レンズ加工装置200から加工済みレンズLEが取り出され、仮置台700の支持軸704上に搬送される。
<搬送工程S8>
加工済みレンズLEをトレイTRに戻す搬送工程では、好ましくは、吸着部170が使用される。搬送工程S8は、仮置台700に置かれた加工済みレンズLEを取り出して、トレイTRに戻す搬送工程である。
加工済みレンズLEは、その後面側が上にされて仮置台700に置かれている。搬送ロボット100の制御部139は、加工済みレンズLEの後面側を吸着部170で保持するように、アーム部130を制御し、吸着部170を移動する。吸着部170の中心位置は、カップ装着部710の中心位置に位置合わせされる。
制御部139の制御によりアーム部130の移動が制御され、吸着部170にて加工済みレンズLEの後面が保持された後、所定位置に置かれているトレイTRに搬送される。加工済みレンズLEは、元のレンズ載置部TR10R側に戻される。このとき、吸着部170にて保持されたレンズLEの前面側(下側)に位置するカップCUの基部10が挿入穴TR21に挿入されるように位置合わせされ、レンズLEの後面側が上にされた状態でレンズLEが戻される。これにより、加工済みレンズLEが安定してトレイTRに設置される。
上記のように、仮置台700及び吸着部170が利用されることにより、前述の搬送工程S7でフィンガー152にてカップCUの周縁が保持されて取り出された場合でも、レンズLEの前面側に位置するカップCUの基部10を挿入穴TR21に位置合わし、安定してレンズLEをトレイTRに戻すことができる。
なお、前述の搬送工程S7でフィンガー152にて加工済みレンズLEの周縁が保持されて取り出された場合には、搬送工程S7における仮置台700への搬送が省略され、直接、加工済みレンズLEがトレイTRに戻されてもよい。しかし、レンズ台TR30より高い位置にある側壁TR34にフィンガー152が干渉する等で、加工済みレンズLEを安定してトレイTRに設置するに支障がある場合には、仮置台700及び吸着部170が使用されるとよい。
左眼用の未加工のレンズLEも、右眼用の未加工のレンズLEと同様に搬送され、その加工済みレンズLEがトレイTRの元の位置に戻される。
<変容例>
以上、本開示の典型的な実施例を説明したが、本開示はここに示した実施例に限られず、本開示の技術思想を同一にする範囲において種々の変容が可能である。
例えば、レンズメータ500の測定光学系とカップ取り付け装置600は一体化された装置であってもよい。一体化された装置は、特開2008―299140号公報に記載された装置が使用できる。このカップ取り付け装置は、レンズLEの光学特性を測定する機能を有する。
例えば、レンズメータ500にレンズLEが搬送される工程(上記の搬送工程S4)においては、吸着部170が使用されてもよい。この場合、レンズメータ500のレンズ支持部502は、レンズLEがフィンガー部151にて保持されなくても、レンズLEが所定の高さ位置で置かれる状態であればよい。
また、上記の説明では、フィンガー部151は、第1フィンガー154と第2フィンガー156との2段階としたが、開閉機構160のストローク幅と、対象物の最小幅及び最大幅と、の関係でさらに3段階以上であってもよい。例えば、第1フィンガー154と第2フィンガー156との間に、中間的な開閉の第3フィンガーがあってもよい。また、第1フィンガー154と第2フィンガー156の左右のフィンガーは、上記の説明では一体的に構成されているものとしたが、それぞれ別体で構成され、第1フィンガーの開閉機構と第2フィンガー156の開閉機構も、別々の構成であってもよい。
また、一対のフィンガー152の段階的な第1フィンガー154と第2フィンガー156は、上記の説明では、フィンガーが延びる方向(開閉の中心線MC3方向)に対して垂直方向で段階的に配置されているものとしたが、これに限られない。例えば、図17に示すように、第1フィンガー154と第2フィンガー156は、フィンガーが延びる方向(開閉の中心線MC3方向)で段階的に設けられていてもよい。
また、一対のフィンガー152の構成に関し、実施例では、左フィンガーと右フィンガーが共に開閉方向に移動するものとしたが、一方のフィンガーが固定で、他方のフィンガーが開閉方向に移動する構成であってもよい。
100 搬送ロボット
130 アーム部
139 制御部
150 保持部
151 フィンガー部
152 フィンガー
154 第1フィンガー
154L 左第1フィンガー
154R 右第1フィンガー
156 第2フィンガー
156L 左第2フィンガー
156R 右第2フィンガー
160 開閉機構
170 吸着部
200 眼鏡レンズ加工装置
202 レンズ保持軸
210 制御部
256 回転ユニット
TR トレイ
CU カップ

Claims (6)

  1. 眼鏡レンズの周縁を眼鏡レンズ加工装置によって加工し、加工された眼鏡レンズを搬送ロボットによって取り出して搬送する眼鏡レンズ加工システムであって、
    前記搬送ロボットは、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズに取り付けられた加工治具のカップの何れかの対象物の周縁を、開閉可能な一対のフィンガーによって保持するように構成され、
    前記眼鏡レンズ加工装置は、
    前記カップを介して眼鏡レンズを保持するレンズ保持軸と、
    前記レンズ保持軸を回転する保持軸回転手段と、
    前記保持軸回転手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、眼鏡レンズの加工後、前記搬送ロボットが前記一対のフィンガーによって眼鏡レンズ又は前記カップを保持して眼鏡レンズを取り出すために、前記保持軸回転手段を制御し、前記レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させることを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工システムにおいて、
    前記レンズ保持軸に保持された加工済み眼鏡レンズ又は前記カップの何れかの対象物の外形形状に関する情報を取得する情報取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記搬送ロボットによる眼鏡レンズの取り出しにおける前記一対のフィンガーの開閉方向と、前記情報取得手段で取得された前記外形形状に関する情報と、に基づいて前記レンズ保持軸の回転角度を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
  3. 請求項2の眼鏡レンズ加工システムにおいて、
    前記搬送ロボットは、前記一対のフィンガーの左フィンガーと右フィンガーを開閉することで前記対象物を保持するように構成され、
    前記制御手段は、前記左フィンガーと前記右フィンガーが閉じられたときに、それぞれのフィンガーが前記対象物の外形形状に当接する2点を通る直線が前記開閉方向に対して平行となる前記対象物の回転角を求め、求めた回転角に基づいて前記レンズ保持軸の回転角度を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
  4. 請求項3の眼鏡レンズ加工システムにおいて、
    前記制御手段は、前記回転角の内で、それぞれのフィンガーが前記対象物の外形形状に当接する2点を通る直線が最大となる回転角を求め、求めた回転角に基づいて前記レンズ保持軸の回転角度を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
  5. 請求項2~4の何れかの眼鏡レンズ加工システムにおいて、
    前記制御手段は、前記レンズ保持軸の回転角度を調整して待機させるときに、求めた前記回転角と、前記レンズ保持軸の回転の基準方向に対する前記一対のフィンガーの進入軸の角度と、に基づいて、前記レンズ保持軸の調整の回転角度を決めることを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
  6. 請求項2の眼鏡レンズ加工システムにおいて、
    前記搬送ロボットは、前記一対のフィンガーが前記カップの周縁の長手方向を保持する構成とされ、
    前記制御手段は、眼鏡レンズに取り付けられた前記カップの長手方向の角度情報に基づき、前記カップの長手方向が前記開閉方向に対して平行となる前記カップの回転角を求め、求めた回転角に基づいて前記レンズ保持軸の回転角度を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工システム。
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