JP2023554669A - 明るい銀ベースの四元ナノ構造を含むフィルム - Google Patents

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Abstract

Ag、In、Ga、及びS(AIGS)ナノ構造と、ナノ構造に結合された少なくとも1つのリガンドとを含むフィルムが開示される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、32%を超える光子変換効率及び480~545nmのピーク波長発光を有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、24~38nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。【選択図】なし

Description

本発明は、ナノテクノロジーの分野に関する。より具体的には、本発明は、約450nmの波長を有する青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える高い光子変換効率(PCE)を有する薄い重金属フリーのナノ構造色変換フィルムを提供する。
色の効率的な変換は、照明及びディスプレイ用途にとって重要である。ディスプレイ用途では、約450nmの波長を有する青色光源がバックライトとして最も一般的に使用されている。ほとんどの用途では、Cd及びPbなどの重金属を含まない材料が必要とされている。
効率が向上すると、無駄な電力が少なくなるとともに、発光が増加する。色変換薄フィルムは、放出された光子の数を光源光子の数で除算したものとして定義される光子変換効率(PCE)によって特徴付けられる。ディスプレイに使用される緑色の重金属フリーQD色変換フィルムは、通常、励起される青色光において吸収が限定されるため、性能が不十分である。青色吸収は、使用される材料系によって本質的に制限されることが多く、その結果、450nmの光を十分に吸収するためには、より厚いフィルムが必要となる。
QDインクの堆積によって形成された薄フィルムは、通常、UV照射によって硬化される。多くの場合、その後、空気の存在下で180℃で最大1時間の熱加工が続く。これらのフィルムの光子変換効率は、これらの加工ステップを通した不安定性のために、貧弱な吸収と貧弱な光変換との組み合わせによって制限される。
高いバンド端発光(BE)、狭い半値全幅(FWHM)、高い量子収率(QY)、及び低減されたレッドシフトを有し、約450nmの励起波長を使用して、480~545nmのピーク発光波長で高い(32%を超える)光子変換効率(PCE)を有するフィルムを調製するのに有用であるAg/In/Ga/S(AIGS)ナノ構造に対する必要性が当該技術分野で依然として存在する。
本発明は、約450nmの波長を有する青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える高い光子変換効率(PCE)を有する薄い重金属フリーのナノ構造色変換フィルムを提供する。これは、1つ以上のリガンドを含有するインク配合物中でAg/In/Ga/S(AIGS)ナノ構造を使用し、インクの取り扱い、フィルムの堆積、加工、及び測定の全てを、青色光または紫外線に曝露される前の無酸素環境で行うことで達成される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、28~38nmのFWHMを有する。他の実施形態では、AIGSナノ構造は、32nm未満のFWHMを有する。この狭いFWHMは、少なくとも1つのポリアミノリガンドをAIGSナノ構造に添加し、フィルム層を作製することによって達成され、ナノ構造インクの全ての取り扱い、インクの堆積、フィルムの加工及び測定は、無酸素環境で行われる。
QDインクの堆積によって形成された薄フィルムは、通常、UV照射によって硬化される。多くの場合、その後、空気の存在下で180℃で最大1時間の熱加工が続く。光子変換効率は、これらの加工ステップによる不安定性に起因する不十分な吸収及び不十分な光変換によって低下することが発見されている。
本明細書に開示されるのは、熱加工後に(>)32%を超えるPCEを達成する、少なくとも1つのリガンドを含むインク配合物中にAIGSナノ構造を含むフィルムである。一部の実施形態では、AIGSナノ構造と、少なくとも1つのリガンドとを含み、450nmの波長を有する青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超えるPCEを示すフィルムが提供される。PCEは、484nm~700nmの発光スペクトルを積分することによって計算され、緑色部分は484~588nmとして定義される。一部の実施形態では、フィルムは、薄い(5~15μm)色変換フィルムである。
調製されたこれらのフィルムは、約450nmでの吸収付近で良好な(>95%)青色光吸収を有するが、中程度の発光特性を有する。しかしながら、フィルムをUVまたは青色光に曝露する前に、酸素及び/または光の不在下で加工され、及び/またはカプセル化される場合、これらのフィルムの発光特性は著しく改善する。
一部の実施形態では、フィルムは、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート(HDDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタンまたはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
AIGSフィルムを調製する方法が提供され、
(a)AIGSナノ構造及びナノ構造をコーティングする少なくとも1つのリガンドを提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)のAIGSナノ構造と混合することと、
(c)第1のバリア層上に、混合されたAIGSナノ構造、ナノ構造をコーティングする少なくとも1つのリガンド、及び少なくとも1つの有機樹脂を含む第1のフィルムを調製することと、
(d)UV照射及び/またはベークによりフィルムを硬化させることと、
(e)第1のバリア層と第2のバリア層との間に第1のフィルムをカプセル化することと、を含み、
カプセル化されたフィルムは、波長約450nmの青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える変換効率(PCE)を示す。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGS表面をコーティングする少なくとも1つのリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。
また、
(f)少なくとも1つの酸素反応性材料を(a)のAIGSナノ構造及びリガンドの混合物に添加し、少なくとも1つの酸素反応性材料を(b)の混合物に添加し、及び/または少なくとも1つの酸素反応性材料を含む第2のフィルムを(c)で調製された第1のフィルムの上に形成すること、及び/または
(g)酸素及び/または水を一時的に遮断する犠牲バリア層を(c)で調製された第1のフィルム上に形成し、フィルムのPCEを測定し、次いで犠牲バリア層を除去することを更に含む方法も提供される。
また、
(a)熱加工及び/または測定の前にフィルムをカプセル化すること、
(b)熱加工または曝露中の配合物の一部としての酸素反応性材料の使用、及び/または
(c)犠牲バリア層を使用することによる酸素の一時的な遮断を含む方法も提供される。
一部の実施形態では、ナノ構造は、40nm未満のFWHMを有する発光スペクトルを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、24~38nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、27~32nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、29~31nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。
一部の実施形態では、ナノ構造は、80~99.9%のQYを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、85~95%のQYを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、約86~94%のQYを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、0.8以上のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有し、ODは、光学密度である。一部の実施形態では、ナノ構造は、0.8~2.5(両端含む)の範囲のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、0.87~1.9(両端含む)の範囲のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。一部の実施形態では、ナノ構造の平均直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって10nm未満である。一部の実施形態では、平均直径は約5nmである。
一部の実施形態では、発光の少なくとも約80%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の少なくとも約90%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、約450nmのピーク発光波長(PWL)を有する。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、ナノ構造の表面からの増加したガリウムからナノ構造の中心の減少したガリウムまでの勾配を含む。
一部の実施形態では、少なくとも1つのリガンドは、アミノリガンド、ポリアミノリガンド、メルカプト基を含むリガンド、またはシラン基を含むリガンドである。ポリアミノリガンドの使用が、32nmより大きいFWHMを有するAIGS含有フィルムをもたらすことが、予想外に発見された。
一部の実施形態では、少なくとも1つのポリアミノリガンドは、ポリアミノアルカン、ポリアミノシクロアルカン、ポリアミノ複素環式化合物、ポリアミノ官能化シリコーン、またはポリアミノ置換エチレングリコールである。一部の実施形態では、ポリアミノリガンドは、2つまたは3つのアミノ基で置換され、任意選択的に炭素基の代わりに1つまたは2つのアミノ基を含むC2-20アルカンまたはC2-20シクロアルカンである。一部の実施形態では、ポリアミノ-リガンドは、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、またはトリス(2-アミノエチル)アミンである。
一部の実施形態では、リガンドは、式Iの化合物であり、
Figure 2023554669000001
式中、
xは、1~100であり、
yは、0~100であり、
は、C1-20アルキルである。
一部の実施形態では、x=19、y=3、及びR=-CHである。
一部の実施形態では、少なくとも1つのリガンドは、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン)、(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、DL-α-リポ酸、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、6-メルカプト-1-ヘキサノール、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.800)、ジエチルフェニルホスホナイト、ジベンジルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、ジ-tert-ブチルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.2000)、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.750)、アクリルアミド、またはポリエチレンイミンである。ポリマーのm.w.は、質量分析によって決定される。
一部の実施形態では、少なくとも1つのリガンドは、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び6-メルカプト-1-ヘキサノール、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、ならびに6-メルカプト-1-ヘキサノール及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)の組み合わせである。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGS表面をコーティングする少なくとも1つのリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。
また、
(a)32%を超えるPCEを示すAIGSナノ構造、及び
(b)少なくとも1つの有機樹脂を含むナノ構造組成物が提供される。
一部の実施形態では、少なくとも1つの有機樹脂は、硬化される。
本明細書に記載のナノ構造組成物を調製する方法もまた提供され、該方法は、
(a)AIGSナノ構造及びナノ構造をコーティングする少なくとも1つのリガンドを提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)のナノ構造と混合することと、
(c)第1のバリア層上に、混合されたAIGSナノ構造、ナノ構造をコーティングする少なくとも1つのリガンド、及び少なくとも1つの有機樹脂を含む第1のフィルムを調製することと、
(d)UV照射及び/またはベークによりフィルムを硬化させることと、
(e)第1のバリア層と第2のバリア層との間に第1のフィルムをカプセル化することと、を含み、
カプセル化されたフィルムは、波長約450nmの青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える変換効率(PCE)を示す。
一部の実施形態では、(a)のナノ構造は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、またはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
一部の実施形態では、本方法は、カプセル化されたフィルムがAIGSナノ構造の発光スペクトルの測定のために空気中に曝露される前に実施される。一部の実施形態では、本方法は、不活性雰囲気下で行われる。
一部の実施形態では、本方法は、
(f)AIGSナノ構造と(a)のリガンドとの混合物中に少なくとも1つの酸素反応性材料を添加すること、
(g)(b)の混合物中に少なくとも1つの酸素反応性材料を添加すること、及び/または
(h)(c)で調製された第1のフィルムの上に少なくとも1つの酸素反応性材料を含む第2のフィルムを形成すること、及び/または
(i)酸素及び/または水を一時的に遮断する犠牲バリア層を(c)で調製された第1のフィルム上に形成し、フィルムのPCEを測定し、次いで犠牲バリア層を除去することを更に含む。
一部の実施形態では、2つのバリア層は、酸素及び/または水を排除する。
一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
また、組成物を調製する方法であって、
(a)AIGSナノ構造及びナノ構造表面をコーティングする少なくとも1つのリガンドを提供することと、
(b)(a)で得られた組成物を少なくとも1つの第2のリガンドと混合することと、を含む方法が提供される。
一部の実施形態では、(a)における組成物は、有機樹脂を更に含む。一部の実施形態では、(a)における組成物は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、組成物をインクジェット印刷することを更に含む。
一部の実施形態では、本方法は、(b)で得られた組成物を含むフィルムを調製することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、フィルムを硬化させることを更に含む。一部の実施形態では、フィルムは、加熱によって硬化される。一部の実施形態では、フィルムは、電磁放射線に曝露することによって硬化される。
上記のフィルムを含むデバイスもまた提供される。
また、
(a)第1の導電層と、
(b)第2の導電層と、
(c)第1の導電層と第2の導電層との間にAIGSナノ構造層を含むフィルムと、を含むナノ構造成形体が提供され、
ナノ構造層は、32%を超えるPCEを有するAIGSナノ構造を含む。
また、
バックプレーンと、
バックプレーン上に配置されたディスプレイパネルと、
32%を超えるPCEを有するAIGSナノ構造を含むAIGSナノ構造層を含むフィルムであって、ナノ構造層は、ディスプレイパネル上に配置される、フィルムと、を含むナノ構造色変換体が提供される。
一部の実施形態では、ナノ構造層は、パターン化されたナノ構造層を含む。一部の実施形態では、バックプレーンは、LED、LCD、OLED、またはマイクロLEDを備える。
更なる本発明の特徴及び利点、ならびに本発明の種々の実施形態の構成及び動作が、添付の図面を参照して、以下で詳細に記述される。本発明は本明細書に記述されている特定の実施形態に限定されないことに注意されたい。かかる実施形態は、例示目的のみのために本明細書に提示される。追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて当業者(複数可)には明らかであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本実施形態を示し、本明細書とともに、本実施形態の原理を説明し、当業者(複数可)が本実施形態を作製及び使用することを可能にするように更に機能する。
左から右に、写真であり、ポリアミノリガンドを含有しない第1及び第3のフィルムは、延伸しわを示した。ポリアミノリガンドを含有する第2の及び第4のフィルムはしわを示さなかった。 A~Cは、イオン交換処理前(A)、1回のイオン交換処理後(B)、及び2回のイオン交換処理後(C)のAIGSナノ構造を示すTEM画像である。 カプセル化されていないフィルム(A)及びカプセル化されたフィルム(B)の概略図である。 カプセル化されていないフィルム(A)及びカプセル化されたフィルム(B)の概略図である。 種々のリガンドの混合物によって示されるQY%を示す散布図である。 改善されたQY%を提供するリガンドの組み合わせ(良好な組み合わせ)及び低減されたQY%を提供する組み合わせ(不良な組み合わせ)を示す散布図である。 リガンド交換前(NG)、リガンド交換後(LE)、及び30分間の熱試験後の種々のリガンドの組み合わせのQY%を示すグラフである。 種々のリガンド比での種々のリガンドの組み合わせのQY%を示すグラフである。 通常のポストベーク(PoB)測定(左のグラフ)及びPCE測定前のカプセル化(右のグラフ)を用いたAIGSフィルムのPCEを示す2つの散布図である。 PCE測定前のカプセル化なし(左のグラフ)及びカプセル化あり(右のグラフ)の、180℃でベークされたAIGSフィルムのPCEを示す2つの散布図である。 室温及び80℃で種々の溶媒中でリガンド交換されたAIGSナノ構造のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)を示す棒グラフである。 種々のモノマーの存在におけるリガンド交換AIGSナノ構造のQYを示す棒グラフである。 リガンド交換され、種々のモノマーで処理され、UV硬化された後のAIGSナノ構造のフィルム外部量子効率(EQE)を示す線グラフである。 リガンド交換され、種々のモノマーで処理され、800rpmでスピンコーティングされたAIGSナノ構造インクの青色光吸収を示す棒グラフである。 UV及び180℃で30分間のポストベーク(POB)後のフィルムEQEに対するジアミン((1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)の効果を示す線グラフである。 粘度が800RPMでのスピンコーティング後のフィルムにおける青色光吸収として間接的に測定された、粘度に対する添加されたジアミンの効果を示す線グラフである。 溶液QYに対するジアミン(DA)とのリガンド交換(LE)の効果を示す棒グラフである。グラフは、180℃での加熱後のQY低下が、ジアミンの量の増加とともに小さくなったことを示している。 UV硬化させた後のフィルムPCEに対するDAの量の増加の効果を示す線グラフである。 フィルム中のDAの量を増加させることによるフィルム青色光吸収に対する効果を示す線グラフである。 モノマー分散体中、LE中、ならびにモノマー分散体及びLEの両方における、添加されたDAのPCEフィルム青色光吸収に対する効果を示す線グラフである。 モノマー分散体中、LE中、ならびにモノマー分散体及びLEの両方における、添加されたDAのフィルム粘度及び青色光吸収に対する効果を示す線グラフである。 初期フィルムEQEに対する種々の添加剤の効果を示す線グラフである。 POB後のフィルムEQEに対する種々の添加剤の効果を示す線グラフである。 追加の添加剤を用いた場合のフィルムEQE及び青色光吸収の効果を示す線グラフである。
本発明の特徴及び利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて考慮されるとき、以下に記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照番号は、概して、同一の、機能的に類似の、及び/または構造的に類似の要素を示す。要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号の左端の数字(複数可)によって示される。別段の指示がない限り、本開示全体を通して提供される図面は、一定の縮尺の図面として解釈されるべきではない。
定義
別段に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。以下の定義は、当該技術分野における定義を補足し、本出願を対象とし、任意の関連するまたは関連しない事例、例えば、任意の共同所有される特許または出願に帰属されるべきではない。本明細書に記載される方法及び材料と類似または均等な任意の方法及び材料が、本発明の試験のための実施において使用され得るが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載される。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図されていない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ナノ構造」への言及は、複数のかかるナノ構造などを含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、所与の量の値がその値の+/-10%変動することを示す。例えば、「約100nm」は、90nm~110nm(両端を含む)のサイズの範囲を包含する。
「ナノ構造」は、約500nm未満の寸法を有する少なくとも1つの領域または特徴的な寸法を有する構造である。一部の実施形態では、ナノ構造は、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、または約10nm未満の寸法を有する。通常、領域または特性寸法は、構造の最小軸に沿っている。かかる構造の例としては、ナノワイヤ、ナノロッド、ナノチューブ、分岐ナノ構造、ナノテトラポッド、トリポッド、バイポッド、ナノ結晶、ナノドット、量子ドット、ナノ粒子などが挙げられる。ナノ構造は、例えば、実質的に結晶性、実質的に単結晶性、多結晶性、非晶質、またはそれらの組み合わせであることができる。一部の実施形態では、ナノ構造の3つの寸法の各々は、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、または約10nm未満の寸法を有する。
「ヘテロ構造」という用語は、ナノ構造に関して使用される場合、少なくとも2つの異なる及び/または区別可能な材料タイプによって特徴付けられるナノ構造を指す。通常、ナノ構造の1つの領域は第1の材料タイプを含み、ナノ構造の第2の領域は第2の材料タイプを含む。特定の実施形態では、ナノ構造は、第1の材料のコアと、第2(または第3など)の材料の少なくとも1つのシェルとを備え、異なる材料タイプは、例えば、ナノワイヤの長軸、分岐ナノワイヤのアームの長軸、またはナノ結晶の中心を中心として半径方向に分布される。シェルは、シェルとみなされるために、またはナノ構造がヘテロ構造とみなされるために、隣接する材料を完全にカバーすることができるが、その必要はなく、例えば、第2の材料の小島で被覆された1つの材料のコアによって特徴付けられるナノ結晶は、ヘテロ構造である。他の実施形態では、異なる材料タイプは、ナノ構造内の異なる場所に、例えば、ナノワイヤの主要(長)軸に沿って、または分岐ナノワイヤのアームの長軸に沿って分布される。ヘテロ構造内の異なる領域は、完全に異なる材料を含むことができ、または異なる領域は、異なるドーパントまたは異なる濃度の同じドーパントを有するベース材料(例えば、シリコン)を含むことができる。
本明細書で使用されるように、ナノ構造の「直径」は、ナノ構造の第1の軸に垂直な断面の直径を指し、第1の軸は、第2の及び第3の軸に対して長さの最大差を有する(第2の及び第3の軸は、その長さが相互にほぼ等しい2つの軸である)。第1の軸は、必ずしも、ナノ構造の最長軸ではなく、例えば、ディスク形状のナノ構造に関して、断面は、ディスクの短い縦軸に垂直な実質的に円形の断面である。断面が円形でない場合、直径は、その断面の長軸と短軸の平均である。ナノワイヤなどの細長いまたは高アスペクト比のナノ構造の場合、直径は、ナノワイヤの最長軸に垂直な断面にわたって測定される。球状ナノ構造の場合、直径は、球の中心を通って一方の側から他方の側まで測定される。
「結晶性」または「実質的に結晶性」という用語は、ナノ構造に関して使用されるとき、ナノ構造が、通常、構造の1つ以上の寸法にわたって長距離秩序化を示すという事実を指す。単結晶の秩序化は結晶の境界を越えて広がることができないため、用語「長距離秩序化」は特定のナノ構造の絶対サイズに依存することが当業者によって理解されるであろう。この場合、「長距離秩序化」とは、ナノ構造の寸法の少なくとも大部分にわたる実質的な秩序を意味する。一部の例において、ナノ構造は、酸化物または他のコーティングを有することができ、またはコア及び少なくとも1つのシェルからなり得る。かかる場合、酸化物、シェル(複数可)、または他のコーティングは、かかる秩序化を示すことができるが、その必要はない(例えば、それは、非晶質、多結晶、またはその他であり得る)ことが理解されるであろう。かかる場合、語句「結晶性」、「実質的に結晶性」、「実質的に単結晶性」、または「単結晶性」は、ナノ構造の中心コア(コーティング層またはシェルを除く)を指す。本明細書で使用される「結晶性」または「実質的に結晶性」という用語は、構造が実質的な長距離秩序化(例えば、ナノ構造またはそのコアの少なくとも1つの軸の長さの少なくとも約80%にわたる秩序)を示す限り、種々の欠陥、積層欠陥、原子置換などを含む構造も包含することが意図される。加えて、コアとナノ構造の外側との間、またはコアと隣接シェルとの間、またはシェルと第2の隣接シェルとの間の界面は、非結晶性領域を含有してもよく、非晶質でさえあってもよいことが理解されるであろう。これは、ナノ構造が本明細書で定義されるような結晶性または実質的に結晶性であることを妨げない。
「単結晶」という用語は、ナノ構造に関して使用される場合、ナノ構造が実質的に結晶性であり、実質的に単結晶を含むことを示す。コア及び1つ以上のシェルを含むナノ構造ヘテロ構造に関して使用される場合、「単結晶」は、コアが実質的に結晶性であり、実質的に単結晶を含むことを示す。
「ナノ結晶」は、実質的に単結晶であるナノ構造である。したがって、ナノ結晶は、約500nm未満の寸法を有する少なくとも1つの領域または特徴的寸法を有する。一部の実施形態では、ナノ結晶は、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、または約10nm未満の寸法を有する。「ナノ結晶」という用語は、種々の欠陥、積層欠陥、原子置換などを含む実質的に単結晶のナノ構造、ならびにかかる欠陥、欠陥、または置換を含まない実質的に単結晶のナノ構造を包含することが意図される。コア及び1つ以上のシェルを含むナノ結晶ヘテロ構造の場合、ナノ結晶のコアは通常、実質的に単結晶であるが、シェル(複数可)はそうである必要はない。一部の実施形態では、ナノ結晶の3つの寸法の各々は、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、または約10nm未満の寸法を有する。
用語「量子ドット」(または「ドット」)は、量子閉じ込めまたは励起子閉じ込めを示すナノ結晶を指す。量子ドットは、材料特性において実質的に均質であり得るか、または特定の実施形態では、例えば、コア及び少なくとも1つのシェルを含む、不均質であり得る。量子ドットの光学特性は、それらの粒径、化学組成、及び/または表面組成によって影響され得、当該技術分野において利用可能な好適な光学試験によって決定され得る。ナノ結晶サイズを、例えば、約1nm~約15nmの範囲に調整する能力は、光スペクトル全体における光電子放出範囲が、演色において大きな多用途性を提供することを可能にする。
「無酸素リガンド」という用語は、本明細書で使用される金属イオンに配位するか、またはそれと反応し得る酸素原子を含有しない配位分子を指す。
「リガンド」は、例えば、ナノ構造の表面との共有結合、イオン、ファンデルワールス、または他の分子相互作用を介して、ナノ構造の1つ以上の面と(弱くまたは強く)相互作用し得る分子である。
「光ルミネセンス量子収率」(QY)は、例えば、ナノ構造またはナノ構造の集団によって吸収された光子に対する放出された光子の比である。当該技術分野で知られているように、量子収率は、通常、積分球内の試料を照射したときの光子数の絶対変化によって、または既知の量子収率値を有する十分に特徴付けられた標準試料を使用する比較方法によって決定される。
「ピーク発光波長」(PWL)は、光源の放射測定発光スペクトルがその最大値に達する波長である。
本明細書で使用される場合、「半値全幅」(FWHM)という用語は、ナノ構造のサイズ分布の尺度である。ナノ構造の発光スペクトルは、概して、ガウス曲線の形状を有する。ガウス曲線の幅は、FWHMとして定義され、粒子のサイズ分布の概念を与える。より小さいFWHMは、より狭いナノ構造ナノ結晶サイズ分布に対応する。FWHMは、発光波長の最大値にも依存する。
バンド端発光は、より高いエネルギー(より低い波長)を中心とし、対応する欠陥発光と比較して、吸収開始エネルギーからのオフセットがより小さい。加えて、バンド端発光は、欠陥発光に比べて波長分布が狭い。バンド端発光及び欠陥発光の両方は、通常の(ほぼガウスの)波長分布に従う。
光学密度(OD)は、溶質またはナノ粒子の濃度を定量化するために概して使用される方法である。ベールランバートの法則によれば、特定の試料の吸光度(「吸光度」としても知られる)は、光の特定の波長を吸収する溶質の濃度に比例する。
光学密度は、通常、1cmの経路長で特定される標準分光計を使用して測定される、材料1センチメートル当たりの光減衰である。ナノ構造溶液は、多くの場合、質量またはモル濃度の代わりに、それらの光学密度によって測定されるが、それは、光学密度が濃度に正比例し、関心波長においてナノ構造溶液内で生じる光学吸収の量を表すためのより便利な方式であるためである。100のODを有するナノ構造溶液は、1のODを有する生成物よりも100倍濃縮されている(1mL当たり100倍多い粒子を有する)。
光学密度は、蛍光ナノ構造を励起するために選択された波長などの、対象となる任意の波長で測定することができる。光学密度は、光が特定の波長でナノ構造溶液を通過するときに失われる強度の尺度であり、
OD=log10*(IOUT/IIN
の式を使用して計算され、式中、
OUT=セルに入る放射線の強度であり、
IN=セルを透過した放射線の強度である。
ナノ構造溶液の光学密度は、UV-VIS分光計を使用して測定することができる。したがって、UV-VIS分光計の使用により、光学密度を計算して、試料中に存在するナノ構造の量を決定することが可能である。
特に明確に指示がない限り、本明細書に記載された範囲は包括的である。
種々の追加の用語は、本明細書において定義ないしは特徴付けられる。
AIGSナノ構造
Ag、In、Ga及びSを含むナノ構造であって、480~545nmのピーク発光波長(PWL)を有するナノ構造が提供される。一部の実施形態では、発光の少なくとも約80%は、バンド端発光である。バンド端発光の割合は、ナノ構造発光スペクトルのガウスピーク(通常、2つ以上)を適合させ、ナノ構造バンドギャップ(バンド端発光を表す)にエネルギーがより近いピークの面積を全てのピーク面積の合計(バンド端+欠陥発光)と比較することによって計算される。
一実施形態では、ナノ構造は、40nm未満のFWHM発光スペクトルを有する。別の実施形態では、ナノ構造は、36~38nmのFWHMを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、27~32nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、29~31nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する。
別の実施形態では、ナノ構造は、約80%~99.9%のQYを有する。別の実施形態では、ナノ構造は、85~95%のQYを有する。別の実施形態では、ナノ構造は、約86%~約94%のQYを有する。一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
AIGSナノ構造は、高い青色光吸収を提供する。青色光吸収効率の予測値として、質量当たりの450nmでの光学密度(OD450/質量)を、1cm経路長キュベット中のナノ構造溶液の光学密度を測定し、真空下(<200mTorr)で全ての揮発性物質を除去した後の同じ溶液のmL当たりの乾燥質量(mg/mL)で除算することによって計算する。一実施形態では、本明細書で提供されるナノ構造は、少なくとも0.8のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。別の実施形態では、ナノ構造は、0.8~2.5のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。別の実施形態では、ナノ構造は、0.87~1.9のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。
一実施形態では、ナノ構造は、AIGSナノ構造全体にわたってガリウムのインジウムとのイオン交換が起こるように、ガリウムイオンで処理されている。別の実施形態では、ナノ構造は、コア内にAg、In、Ga、及びSを有し、ガリウムイオン及びSとのイオン交換によって処理される。別の実施形態では、ナノ構造は、コア内にAg、In、Ga、及びSを有し、銀イオン、ガリウムイオン、及びSとのイオン交換によって処理される。一部の実施形態では、イオン交換処理は、ナノ構造全体にガリウム、銀、及び/または硫黄の勾配をもたらす。
一実施形態では、ナノ構造の平均直径は、TEMによって測定して10nm未満である。別の実施形態では、平均直径は約5nmである。
GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されたAIGSナノ構造
文献におけるAIGS調製の報告では、酸素含有リガンドを排除することは試みられていない。ガリウムによるAIGSのコーティングでは、Ga前駆体を安定化させるために酸素含有リガンドがしばしば使用される。概して、ガリウム(III)アセチルアセトネートは、容易に空気処理される前駆体として使用され、一方、Ga(III)塩化物は、水分感受性のために慎重な処理を必要とする。例えば、Kameyama et al.,ACS Appl.Mater.Interfaces 10:42844-42855(2018)に記載されているように、ガリウム(III)アセチルアセトネートがコア及びコア/シェル構造の前駆体として使用された。ガリウムは、酸素に対して高い親和性を有するため、無酸素条件下で調製されなかったガリウム前駆体を使用する酸素含有リガンドは、Ga及びS前駆体を使用して、有意なガリウム含有量を含有するナノ構造を生成する場合、酸化ガリウムなどの望ましくない副反応を生じ得る。これらの副反応は、ナノ構造内の欠陥につながり、量子収率が低くなる可能性がある。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGSコアの調製における前駆体として無酸素GaX(X=F、Cl、またはBr)を使用して調製される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、Ga濃縮AIGSナノ構造の調製において、前駆体としてのGaX(X=F、Cl、またはBr)及び無酸素リガンドを使用して調製される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGSコアの調製において、前駆体としてGaX(X=F、Cl、またはBr)及び無酸素リガンドを使用して調製される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、前駆体としてGaX(X=F、Cl、またはBr)、ならびにAIGSコアの調製及びAIGSコアのイオン交換処理において無酸素リガンドを使用して調製される。
Ag、In、Ga、及びSを含むナノ構造であって、480~545nmのピーク発光波長(PWL)を有し、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製された、ナノ構造が提供される。
一部の実施形態では、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されたナノ構造は、35nm以下のFWHM発光スペクトルを示す。一部の実施形態では、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されたナノ構造は、30~38nmのFWHMを示す。一部の実施形態では、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されるナノ構造は、少なくとも75%のQYを有する。一部の実施形態では、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されるナノ構造は、75~90%のQYを有する。一部の実施形態では、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されるナノ構造は、約80%のQYを有する。
本明細書で調製されるAIGSナノ構造は、高い青色光吸収を提供する。一部の実施形態では、ナノ構造は、少なくとも0.8のOD450/質量(mL・mg-1.cm-1)を有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、0.8~2.5のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。別の実施形態では、ナノ構造は、0.87~1.9のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する。
一部の実施形態では、ナノ構造は、AIGSナノ構造の全体にわたってガリウムのインジウムとのイオン交換が起こるように、ガリウムイオンで処理される。一部の実施形態では、ナノ構造は、コア中にAg、In、Ga、及びSを含み、ナノ構造の表面と中心との間にガリウムの勾配を有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、AGSで処理されたAIGSコアであり、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及びコア中の無酸素リガンドを使用して調製される。一部の実施形態では、ナノ構造は、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製されるAIGSナノ構造である。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、予め形成されたIn-Ga試薬をAgSナノ構造と反応させてAIGSナノ構造を得、その後、無酸素Ga塩と反応させることによってガリウムとイオン交換してAIGSナノ構造を形成することによって調製される。
AIGSナノ構造を作製する方法
AIGSナノ構造を作製する方法が提供され、
(a)AIGSコア、硫黄源、及びリガンドを含む混合物を調製することと、
(b)(a)で得られた混合物を、180~300℃の温度で、カルボン酸ガリウム及びリガンドの混合物に添加して、ナノ構造の表面から中心へのガリウムの勾配を有するイオン交換されたナノ構造を得ることと、
(c)ナノ構造を単離することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約60%がバンド端発光である。
また、AIGSナノ構造を作製する方法が提供され、
(a)Ga(アセチルアセトネート)、InCl、及びリガンドを、任意選択的に溶媒中で、In-Ga試薬を得るのに十分な温度で反応させることと、
(b)AIGSナノ構造を作製するのに十分な温度で、In-Ga試薬をAgSナノ構造と反応させることと、
(c)ナノ構造の表面から中心へのガリウムの勾配を有するイオン交換されたナノ構造を得るのに十分な温度で、リガンドを含有する溶媒中で、AIGSナノ構造を無酸素Ga塩と反応させることと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約60%がバンド端発光である。
一部の実施形態では、リガンドは、アルキルアミンである。一部の実施形態では、アルキルアミンリガンドは、オレイルアミンである。一部の実施形態では、リガンドは、過剰に使用され、溶媒として作用し、列挙された溶媒は、反応中に存在しない。一部の実施形態では、溶媒は、反応中に存在する。一部の実施形態では、溶媒は、高沸点溶媒である。一部の実施形態では、溶媒は、オクタデセン、スクアラン、ジベンジルエーテルまたはキシレンである。一部の実施形態では、(a)で十分な温度は100~280℃であり、(b)で十分な温度は150~260℃であり、(c)で十分な温度は170~280℃である。一部の実施形態では、(a)で十分な温度は約210℃であり、(b)で十分な温度は約210℃であり、(c)で十分な温度は約240℃である。
一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
リガンドの例は、米国特許第7,572,395号、同第8,143,703号、同第8,425,803号、同第8,563,133号、同第8,916,064号、同第9,005,480号、同第9,139,770号、及び同第9,169,435号、ならびに米国特許出願公開第2008/0118755号に開示されている。一実施形態では、リガンドは、アルキルアミンである。一部の実施形態では、リガンドは、ドデシルアミン、オレイルアミン、ヘキサデシルアミン、ジオクチルアミン、及びオクタデシルアミンからなる群から選択されるアルキルアミンである。
一部の実施形態では、(a)の硫黄源は、トリオクチルホスフィンスルフィド、硫黄元素、オクタンチオール、ドデカンチオール、オクタデカンチオール、トリブチルホスフィンスルフィド、シクロへキシルイソチオシアネート、α-トルエンチオール、エチレントリチオカーボネート、アリルメルカプタン、ビス(トリメチルシリル)スルフィド、トリオクチルホスフィンスルフィド、またはそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、(a)における硫黄源は、Sに由来する。
一実施形態では、硫黄源は、Sに由来する。
一実施形態では、(a)及び(b)の温度は、約270℃である。
一部の実施形態では、(b)の混合物は、溶媒を更に含む。一部の実施形態では、溶媒は、トリオクチルホスフィン、ジベンジルエーテル、またはスクアランである。
一部の実施形態では、ガリウムカルボキシレートは、ガリウムC2-24カルボキシレートである。C2-24カルボキシレートの例としては、アセテート、プロピオネート、ブタノエート、ペンタノエート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、オクタノエート、ノナノエート、デカノエート、ウンデカノエート、トリデカノエート、テトラデカノエート、ペンタデカノエート、ヘキサデカノエート、オクタデカノエート(オレエート)、ノナデカノエート、及びイコサノエートが挙げられる。一実施形態では、カルボン酸ガリウムは、オレイン酸ガリウムである。
一部の実施形態では、AIGSコアに対するカルボン酸ガリウムの比は、AIGS1mg当たり0.008~0.2mmolのカルボン酸ガリウムである。一実施形態では、AIGSコアに対するガリウムカルボキシレートの比は、AIGS1mg当たり約0.04mmolのガリウムカルボキシレートである。
更なる実施形態では、AIGSナノ構造は、例えば沈殿によって単離される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGSナノ構造のための非溶媒の添加によって沈殿される。一部の実施形態では、非溶媒はトルエン/エタノール混合物である。沈殿したナノ構造は、遠心分離及びナノ構造用の非溶媒での洗浄によって更に単離することができる。
また、ナノ構造を作製する方法が提供され、
(a)溶媒中にAIGSコア及びハロゲン化ガリウムを含む混合物を調製し、ナノ構造の表面から中心へのガリウムの勾配を有するイオン交換ナノ構造を得るのに十分な時間にわたって混合物を保持することと、
(b)ナノ構造を単離することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約60%は、バンド端発光である。
一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。
一部の実施形態では、ハロゲン化ガリウムは、塩化ガリウム、臭化ガリウムまたはヨウ化ガリウムである。一実施形態では、ハロゲン化ガリウムは、ヨウ化ガリウムである。
一部の実施形態では、溶媒は、トリオクチルホスフィンを含む。一部の実施形態では、溶媒は、トルエンを含む。
一部の実施形態では、(a)において十分な時間は、0.1~200時間である。一部の実施形態では、(a)において十分な時間は、約20時間である。
一部の実施形態では、混合物は、20~100℃で保持される。一実施形態では、混合物は、約室温(20℃~25℃)で保持される。
一部の実施形態では、AIGSコアに対するハロゲン化ガリウムのモル比は、約0.1~約30である。
更なる実施形態では、AIGSナノ構造は、例えば沈殿によって単離される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGSナノ構造のための非溶媒の添加によって沈殿される。一部の実施形態では、非溶媒はトルエン/エタノール混合物である。沈殿したナノ構造は、遠心分離及び/またはナノ構造の非溶媒での洗浄によって更に単離することができる。
また、ナノ構造を作製する方法が提供され、
(a)AIGSナノ構造、硫黄源、及びリガンドを含む混合物を調製することと、
(b)(a)で得られた混合物を、GaX(X=F、Cl、またはBr)及び無酸素リガンドの混合物に180~300℃の温度で添加して、ナノ構造の表面から中心へのガリウムの勾配を有するイオン交換されたナノ構造を得ることと、
(d)ナノ構造を単離することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有する。
一部の実施形態では、(a)における調製は、無酸素条件下である。一部の実施形態では、(a)における調製は、グローブボックス内である。
一部の実施形態では、(b)における添加は、無酸素条件下である。一部の実施形態では、(b)における添加は、グローブボックス内である。
一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。
リガンドの例は、米国特許第7,572,395号、同第8,143,703号、同第8,425,803号、同第8,563,133号、同第8,916,064号、同第9,005,480号、同第9,139,770号、及び同第9,169,435号、ならびに米国特許出願公開第2008/0118755号に開示されている。一部の実施形態では、(a)におけるリガンドは、無酸素リガンドである。一部の実施形態では、(b)におけるリガンドは、無酸素リガンドである。一部の実施形態では、(a)及び(b)におけるリガンドは、アルキルアミンである。一部の実施形態では、リガンドは、ドデシルアミン、オレイルアミン、ヘキサデシルアミン、ジオクチルアミン、及びオクタデシルアミンからなる群から選択されるアルキルアミンである。一部の実施形態では、(a)におけるリガンドは、オレイルアミンである。一部の実施形態では、(b)におけるリガンドは、オレイルアミンである。一部の実施形態では、(a)及び(b)におけるリガンドは、オレイルアミンである。
一実施形態では、硫黄源は、Sに由来する。
一実施形態では、(a)及び(b)の温度は、約270℃である。
一部の実施形態では、(b)の混合物は、溶媒を更に含む。一部の実施形態では、溶媒は、トリオクチルホスフィン、ジベンジルエーテル、またはスクアランである。
一部の実施形態では、GaXは、塩化ガリウム、フッ化ガリウム、またはヨウ化ガリウムである。一部の実施形態では、GaXは、塩化ガリウムである。一部の実施形態では、GaXは、塩化Ga(III)である。
一部の実施形態では、AIGSコアに対するGaXの比は、AIGS1mg当たり0.008~0.2mmolのGaXである。一部の実施形態では、GaX対AIGSコアのモル比は、約0.1~約30である。一部の実施形態では、AIGSコアに対するGaXの比は、AIGS1mg当たり約0.04mmolのGaXである。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、例えば、沈殿によって単離される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGSナノ構造のための非溶媒の添加によって沈殿される。一部の実施形態では、非溶媒はトルエン/エタノール混合物である。沈殿したナノ構造は、遠心分離及び/またはナノ構造の非溶媒での洗浄によって更に単離することができる。
一部の実施形態では、(a)における混合物は、約20℃~100℃で保持される。一部の実施形態では、(a)における混合物は、約室温(20℃~25℃)で保持される。
一部の実施形態では、(b)における混合物は、200℃~300℃で0.1時間~200時間保持される。一部の実施形態では、(b)における混合物は、200℃~300℃で約20時間保持される。
ドープされたAIGSナノ構造
一部の実施形態では、AIGSナノ構造はドープされる。一部の実施形態では、ナノ結晶コアのドーパントは、1つ以上の遷移金属を含む金属を含む。一部の実施形態では、ドーパントは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される遷移金属である。一部の実施形態では、ドーパントは、非金属を含む。一部の実施形態では、ドーパントは、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSe、CdS、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、CuInS、CuInSe、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、またはGaAsである。
一部の実施形態では、コアは、非溶媒からの沈殿によって精製される。一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、コア溶液から沈殿物を除去するために濾過される。
ナノ構造組成物
一部の実施形態では、本開示は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団と、
(b)少なくとも1つの有機樹脂と、を含むナノ構造組成物を提供する。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有する。
一部の実施形態では、ナノ構造発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、ナノ構造の少なくとも1つの第2の集団を更に含む。480~545nmのPWLを有するナノ構造は、緑色光を放出する。スペクトルの緑色、黄色、橙色、及び/または赤色領域で発光するナノ構造の追加の集団を添加してもよい。これらのナノ構造は、545nmを超えるPWLを有する。一部の実施形態では、ナノ構造は、550~750nmのPWLを有する。ナノ構造のサイズは、発光波長を決定する。ナノ構造の少なくとも1つの第2の集団は、BN、BP、BAs、BSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、及びInSbからなる群から選択されるIII-V族ナノ結晶を含んでもよい。一部の実施形態では、ナノ構造の第2の集団のコアは、InPナノ結晶である。
有機樹脂
一部の実施形態では、有機樹脂は、熱硬化性樹脂または紫外線(UV)硬化性樹脂である。一部の実施形態では、有機樹脂は、ロールツーロール加工を容易にする方法によって硬化される。
熱硬化性樹脂は、樹脂を不融性にする不可逆的な分子架橋プロセスを受ける硬化を必要とする。一部の実施形態では、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミド-イミド系樹脂、フェノールアミン縮重合系樹脂、ユリアメラミン縮重合系樹脂、またはこれらの組み合わせであることが好ましい。
一部の実施形態では、熱硬化樹脂は、エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、広範囲の化学物質による揮発性物質または副生成物を発生することなく容易に硬化される。エポキシ樹脂はまた、ほとんどの基材と相溶性であり、表面を容易に濡らす傾向がある。Boyle,M.A.,et al.,”Epoxy Resins,”Composites,Vol.21,ASM Handbook,pages 78-89(2001)を参照されたい。
一部の実施形態では、有機樹脂は、シリコーン熱硬化性樹脂である。一部の実施形態では、シリコーン熱硬化性樹脂は、OE6630AまたはOE6630B(Dow Corning Corporation,Auburn,MI)である。
一部の実施形態では、熱開始剤が使用される。一部の実施形態では、熱開始剤は、AIBN[2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)]または過酸化ベンゾイルである。
UV硬化性樹脂は、特定の光波長に曝露されたときに硬化し、迅速に固化するポリマーである。一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、官能基として、(メタ)アクリリルオキシ基、ビニルオキシ基、スチリル基、またはビニル基などのラジカル重合性基、エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、またはオキセタニル基などのカチオン重合性基を有する樹脂である。一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、スピロアセタール系樹脂、ポリブタジェン系樹脂、またはポリチオールポリエン系樹脂である。
一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ウレタンアクリレート、アリルオキシドシクロヘキシルジアクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシルイソシアヌラート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジパート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、・ジシクロペンタニルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、グリセロールメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート・ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、リン酸ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、リン酸トリアクリレート、リン酸ジアクリレート、アクリル酸プロパルギルエステル、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニル末端トリフルオロメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニルメチルシロキサン、モノメタクリロイルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、モノビニル末端ポリジメチルシロキサン、モノアリル-モノトリメチルシロキシ末端ポリエチレンオキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、UV硬化条件下でイソシアネート、エポキシ、または不飽和化合物と架橋することができるメルカプト官能性化合物である。一部の実施形態では、ポリチオールは、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプト-プロピオネート)(PETMP)、トリメチロール-プロパントリ(3-メルカプト-プロピオネート)(TMPMP)、グリコールジ(3-メルカプト-プロピオネート)(GDMP)、トリス[25-(3-メルカプト-プロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート(TEMPIC)、ジ-ペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプト-プロピオネート)(Di-PETMP)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプト-プロピオネート)(ETTMP1300及びETTMP700)、ポリカプロラクトンテトラ(3-メルカプト-プロピオネート)(PCL4MP1350)、ペンタエリスリトールテトラメルカプトアセテート(PETMA)、トリメチロール-プロパントリメルカプトアセテート(TMPMA)、またはグリコールジメルカプトアセテート(GDMA)である。これらの化合物は、Bruno Bock,Marschacht,GermanyからTHIOCURE(登録商標)の商品名で販売されている。
一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、ポリチオールである。一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオナート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(PETMP)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリチオールである。一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、PETMPである。
一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、ポリチオール及び1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(TTT)を含むチオール-エン配合物である。一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、PETMP及びTTTを含むチオール-エン配合物である。
一部の実施形態では、UV硬化性樹脂は、光開始剤を更に含む。光開始剤は、曝露中に感光性材料の架橋及び/または硬化反応を開始させる。一部の実施形態では、光開始剤は、アセトフェノン系、ベンゾイン系、またはチオキサテノン系である。
一部の実施形態では、光開始剤は、ビニルアクリレート系樹脂である。一部の実施形態では、光開始剤は、MINS-311RM(Minuta Technology Co.,Ltd,Korea)である。
一部の実施形態では、光開始剤は、IRGACURE(登録商標)127、IRGACURE(登録商標)184、IRGACURE(登録商標)184D、IRGACURE(登録商標)2022、IRGACURE(登録商標)2100、IRGACURE(登録商標)250、IRGACURE(登録商標)270、IRGACURE(登録商標)2959、IRGACURE(登録商標)369、IRGACURE(登録商標)369EG、IRGACURE(登録商標)379、IRGACURE(登録商標)500、IRGACURE(登録商標)651、IRGACURE(登録商標)754、IRGACURE(登録商標)784、IRGACURE(登録商標)819、IRGACURE(登録商標)819Dw、IRGACURE(登録商標)907、IRGACURE(登録商標)907FF、IRGACURE(登録商標)Oxe01、IRGACURE(登録商標)TPO-L、IRGACURE(登録商標)1173、IRGACURE(登録商標)1173D、IRGACURE(登録商標)4265、IRGACURE(登録商標)BP、またはIRGACURE(登録商標)MBF(BASF Corporation,Wyandotte,MI)である。一部の実施形態では、光開始剤は、TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド)またはMBF(メチルベンゾイルホルメート)である。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物中の少なくとも1つの有機樹脂の重量パーセントは、約5%~約99%、約5%~約95%、約5%~約90%、約5%~約80%、約5%~約70%、約5%~約60%、約5%~約50%、約5%~約40%、約5%~約30%、約5%~約20%、約5%~約10%、約10%~約99%、約10%~約95%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約10%~約20%、約20%~約99%、約20%~約95%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約30%~約99%、約30%~約95%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約99%、約40%~約95%、約40%~約90%、約40%~約80%、約40%~約70%、約40%~約60%、約40%~約50%、約50%~約99%、約50%~約95%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約50%~約60%、約60%~約99%、約60%~約95%、約60%~約90%、約60%~約80%、約60%~約70%、約70%~約99%、約70%~約95%、約70%~約90%、約70%~約80%、約80%~約99%、約80%~約95%、約80%~約90%、約90%~約99%、約90%~約95%、または約95%~約99%である。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを含有するAIGSナノ構造は、高いQY、インクジェット印刷可能なインクに使用される一般的なモノマーであるHDDAとの良好な適合性、及び良好な青色光吸収を有することが発見されている。
一部の実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである。アクリレートモノマーの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、tert-ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリル酸、エチレングリコールジアクリレート、1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及び4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、またはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
AIGSナノ構造組成物を調製する方法
本開示は、ナノ構造組成物を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団を提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)の組成物と混合することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約80%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
本開示はまた、ナノ構造組成物を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団を提供することであって、ナノ構造は、GaX(X=F、Cl、またはBr)前駆体及び無酸素リガンドを使用して調製される、提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)の組成物と混合することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約60%は、バンド端発光である。
本開示はまた、ナノ構造組成物を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団を提供することであって、ナノ構造が480~545nmのPWLを有し、発光の少なくとも約80%がバンド端発光であり、ナノ構造が80~99%のQYを示す、提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)の組成物と混合することと、を含む。
一部の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造の集団は、約100rpm~約10,000rpm、約100rpm~約5,000rpm、約100rpm~約3,000rpm、約100rpm~約1,000rpm、約100rpm~約500rpm、約500rpm~約10,000rpm、約500rpm~約5,000rpm、約500rpm~約3,000rpm、約500rpm~約1,000rpm、約1,000rpm~約10,000rpm、約1,000rpm~約5,000rpm、約1,000rpm~約3,000rpm、約3,000rpm~約10,000rpm、約3,000rpm~約10,000rpm、または約5,000rpm~約10,000rpmの撹拌速度で、少なくとも1つの有機樹脂と混合される。
一部の実施形態では、ナノ構造の少なくとも1つの集団は、約10分~約24時間、約10分~約20時間、約10分~約15時間、約10分~約10時間、約10分~約5時間、約10分~約1時間、約10分~約30分、約30分~約24時間、約30分~約20時間、約30分~約15時間、約30分~約10時間、約30分~約5時間、約30分~約1時間、約1時間~約24時間、約1時間~約20時間、約1時間~約15時間、約1時間~約10時間、約1時間~約5時間、約5時間~約24時間、約5時間~約20時間、約5時間~約15時間、約5時間~約10時間、約10時間~約24時間、約10時間~約20時間、約10時間~約15時間、約15時間~約24時間、約15時間~約20時間、または約20時間~約24時間、少なくとも1つの有機樹脂と混合される。
一部の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造の集団は、約-5℃~約100℃、約-5℃~約75℃、約-5℃~約50℃、約-5℃~約23℃、約23℃~約100℃、約23℃~約75℃、約23℃~約50℃、約50℃~約100℃、約50℃~約75℃、または約75℃~約100℃の温度で、少なくとも1つの有機樹脂と混合される。一部の実施形態では、少なくとも1つの有機樹脂は、約23℃~約50℃の温度で少なくとも1つのナノ構造の集団と混合される。
一部の実施形態では、2つ以上の有機樹脂が使用される場合、有機樹脂は一緒に添加され、混合される。一部の実施形態では、第1の有機樹脂は、約100rpm~約10,000rpm、約100rpm~約5,000rpm、約100rpm~約3,000rpm、約100rpm~約1,000rpm、約100rpm~約500rpm、約500rpm~約10,000rpm、約500rpm~約5,000rpm、約500rpm~約3,000rpm、約500rpm~約1,000rpm、約1,000rpm~約10,000rpm、約1,000rpm~約5,000rpm、約1,000rpm~約3,000rpm、約3,000rpm~約10,000rpm、約3,000rpm~約10,000rpm、または約5,000rpm~約10,000rpmの撹拌速度で、第2の有機樹脂と混合される。
一部の実施形態では、第1の有機樹脂は、約10分~約24時間、約10分~約20時間、約10分~約15時間、約10分~約10時間、約10分~約5時間、約10分~約1時間、約10分~約30分、約30分~約24時間、約30分~約20時間、約30分~約15時間、約30分~約10時間、約30分~約5時間、約30分~約1時間、約1時間~約24時間、約1時間~約20時間、約1時間~約15時間、約1時間~約10時間、約1時間~約5時間、約5時間~約24時間、約5時間~約20時間、約5時間~約15時間、約5時間~約10時間、約10時間~約24時間、約10時間~約20時間、約10時間~約15時間、約15時間~約24時間、約15時間~約20時間、または約20時間~約24時間、第2の有機樹脂と混合される。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、樹脂と組み合わされる前に、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーと組み合わされる。一部の実施形態では、モノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、またはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
AIGSナノ構造の特性
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、高い光ルミネセンス量子収率を示す。一部の実施形態では、ナノ構造は、約50%~約99%、約50%~約95%、約50%~約90%、約50%~約85%、約50%~約80%、約50%~約70%、約50%~約60%、60%~約99%、約60%~約95%、約60%~約90%、約60%~約85%、約60%~約80%、約60%~約70%、約70%~約99%、約70%~約95%、約70%~約90%、約70%~約85%、約70%~約80%、約80%~約99%、約80%~約95%、約80%~約90%、約80%~約85%、約85%~約99%、約85%~約95%、約80%~約85%、約85%~約99%、約85%~約90%、約90%~約99%、約90%~約95%、または約95%~約99%のフォトルミネセンス量子収率を示す。一部の実施形態では、ナノ構造は、約82%~約96%、約85%~約96%、及び約93%~約94%のフォトルミネセンス量子収率を示す。
ナノ構造のフォトルミネセンススペクトルは、スペクトルの広い所望の部分をカバーすることができる。一部の実施形態では、ナノ構造のフォトルミネセンススペクトルは、300nm~750nm、300nm~650nm、300nm~550nm、300nm~450nm、450nm~750nm、450nm~650nm、450nm~550nm、450nm~750nm、450nm~650nm、450nm~550nm、550nm~750nm、550nm~650nm、または650nm~750nmの発光極大を有する。一部の実施形態では、ナノ構造のフォトルミネセンススペクトルは、450nm~550nmの発光極大を有する。
ナノ構造のサイズ分布は、比較的狭くすることができる。一部の実施形態では、ナノ構造の集団の光ルミネセンススペクトルは、10nm~60nm、10nm~40nm、10nm~30nm、10nm~20nm、20nm~60nm、20nm~40nm、20nm~30nm、25nm~60nm、25nm~40nm、25nm~30nm、30nm~60nm、30nm~40nm、または40nm~60nmの半値全幅を有することができる。一部の実施形態では、ナノ構造の集団のフォトルミネセンススペクトルは、24nm~50nmの半値全幅を有することができる。
一部の実施形態では、ナノ構造は、約400nm~約650nm、約400nm~約600nm、約400nm~約550nm、約400nm~約500nm、約400nm~約450nm、約450nm~約650nm、約450nm~約600nm、約450nm~約550nm、約450nm~約500nm、約500nm~約650nm、約500nm~約600nm、約500nm~約550nm、約550nm~約650nm、約550nm~約600nm、または約600nm~約650nmのピーク発光波長(PWL)を有する光を放出する。一部の実施形態では、ナノ構造は、約500nm~約550nmのPWLを有する光を放出する。
青色光吸収効率の予測値として、質量基準当たりの450nmでの光学密度(OD450/質量)は、1cm経路長キュベット中のナノ構造溶液の光学密度を測定し、真空(<200mTorr)下で全ての揮発性物質を除去した後の同じ溶液のmL当たりの乾燥質量で除算することによって計算することができる。一部の実施形態では、ナノ構造は、約0.28/mg~約0.5/mg、約0.28/mg~約0.4/mg、約0.28/mg~約0.35/mg、約0.28/mg~約0.32/mg、約0.32/mg~約0.5/mg、約0.32/mg~約0.4/mg、約0.32/mg~約0.35/mg、約0.35/mg~約0.5/mg、約0.35/mg~約0.4/mg、または約0.4/mg~約0.5/mgの質量基準当たりの450nmでの光学密度(OD450/質量)を有する。
フィルム
本発明のナノ構造は、任意の好適な方法を使用してポリマーマトリックス中に埋め込むことができる。本明細書で使用される場合、用語「埋め込まれた」は、ナノ構造が、マトリックスの成分の大部分を構成するポリマーで囲まれているかまたは包まれていることを示すために使用される。一部の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造集団は、好適には、マトリックス全体に均一に分布している。一部の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造集団は、特定用途向け分布に従って分布している。一部の実施形態では、ナノ構造は、ポリマー中に混合され、基材の表面に適用される。
一部の実施形態では、本開示は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団と、ナノ構造に結合した少なくとも1つのリガンドとを含む組成物と、
(b)少なくとも1つの有機樹脂と、を含むナノ構造フィルム層を提供する。
一部の実施形態では、リガンドの一部は、ナノ構造に結合される。他の実施形態では、ナノ構造表面は、リガンドで飽和される。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有する。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団を含む組成物は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、またはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。
本開示はまた、ナノ構造フィルム層を調製する方法を提供し、該方法は、
(a)AIGSナノ構造の少なくとも1つの集団を提供することと、
(b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)の組成物と混合することと、を含む。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有する。
一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、式Iを有するアミノリガンドを更に含み、
Figure 2023554669000002
式中、
xは、1~100であり、
yは、0~100であり、
は、C1-20アルキルである。
一部の実施形態では、xは、1~100、1~50、1~20、1~10、1~5、5~100、5~50、5~20、5~10、10~100、10~50、10~20、20~100、20~50、または50~100である。一部の実施形態では、xは、10~50である。一部の実施形態では、xは、10~20である。一部の実施形態では、xは、1である。一部の実施形態では、xは、19である。一部の実施形態では、xは、6である。一部の実施形態では、xは、10である。
一部の実施形態では、Rは、C1-20アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C1-10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C1-5アルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、Huntsman Petrochemical Corporationから市販されているアミン末端ポリマーである。一部の実施形態では、式(VI)のアミン末端ポリマーは、x=1、y=9、及びR=-CHを有し、JEFFAMINE M-600(Huntsman Petrochemical Corporation,Texas)である。JEFFAMINE M-600は、約600の分子量を有する。一部の実施形態では、式(III)のアミン末端ポリマーは、x=19、y=3、及びR=-CHを有し、JEFFAMINE M-1000(Huntsman Petrochemical Corporation,Texas)である。JEFFAMINE M-1000は、約1,000の分子量を有する。一部の実施形態では、式(III)のアミン末端ポリマーは、x=6、y=29、及びR=-CHを有し、JEFFAMINE M-2005(Huntsman Petrochemical Corporation,Texas)である。JEFFAMINE M-2005は、約2,000の分子量を有する。一部の実施形態では、式(III)のアミン末端ポリマーは、x=31、y=10、及びR=-CHを有し、JEFFAMINE M-2070(Huntsman Petrochemical Corporation,Texas)である。JEFFAMINE M-2070は、約2,000の分子量を有する。別の実施形態では、リガンドは、CreativePEGWorksから入手可能なポリエチレングリコールアミン、例えば、PEG550-アミン及びPEG350-アミンである。
一部の実施形態では、ナノ構造フィルム層は、色変換層である。
ナノ構造組成物は、限定はしないが、塗装、スプレーコーティング、溶媒噴霧、湿式コーティング、接着剤コーティング、スピンコーティング、テープコーティング、ロールコーティング、フローコーティング、インクジェット蒸気噴射、ドロップキャスティング、ブレードコーティング、ミスト堆積、またはそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で知られている任意の好適な方法によって堆積させることができる。一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、堆積後に硬化される。好適な硬化方法には、UV硬化などの光硬化、及び熱硬化が含まれる。従来の積層フィルム加工方法、テープコーティング方法、及び/またはロールツーロール製作方法が、本発明のナノ構造フィルムを形成する際に採用され得る。ナノ構造組成物は、基材の所望の層上に直接コーティングすることができる。代替的に、ナノ構造組成物は、独立した要素として固体層に形成され、その後、基材に適用され得る。一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、1つ以上のバリア層上に堆積され得る。
スピンコーティング
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、スピンコーティングを使用して基材上に堆積される。スピンコーティングでは、少量の材料が、通常、真空によって固定されるスピナーと称される機械に装填された基材の中心上に堆積される。高速の回転が、基材の中心から縁部まで材料を広げる求心力を生じさせる、スピナーを介して基材に適用される。材料の大部分は振り落とされるが、ある量は基材上に残り、回転が続くにつれて表面上に材料の薄フィルムを形成する。フィルムの最終的な厚さは、スピン速度、加速度、及びスピン時間などのスピンプロセスのために選択されたパラメータに加えて、堆積される材料及び基材の性質によって決定される。典型的なフィルムでは、1500~6000rpmのスピン速度が10~60秒のスピン時間で使用される。一部の実施形態では、フィルムは、非常に低速、例えば、1000rpm未満で堆積される。一部の実施形態では、フィルムは、約300、約400、約500、約600、約700、約800または約900rpmでキャストされる。
ミスト堆積
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、ミスト堆積を使用して基材上に堆積される。ミスト堆積は、室温及び大気圧で行われ、プロセス条件を変更することによってフィルムの厚さを正確に制御することができる。ミスト堆積中、液体原料物質は、非常に微細なミストに変えられ、窒素ガスによって堆積チャンバに運ばれる。次に、ミストは、フィールドスクリーンとウェハホルダとの間の高電圧電位によってウェハ表面に引き寄せられる。液滴がウェハ表面上で合体すると、ウェハをチャンバから取り出し、熱硬化させて溶媒を蒸発させる。液体前駆体は、溶媒と堆積される材料との混合物である。それは、加圧窒素ガスによって噴霧器に運ばれる。Price,S.C.,et al.,”Formation of Ultra-Thin Quantum Dot Films by Mist Deposition,”ESC Transactions 11:89-94(2007)。
スプレーコーティング
一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、スプレーコーティングを使用して基材上に堆積される。スプレーコーティングのための典型的な機器は、スプレーノズル、噴霧器、前駆体溶液、及びキャリアガスを含む。噴霧堆積プロセスでは、前駆体溶液は、キャリアガスを用いて、または霧化(例えば、超音波、空気ブラスト、または静電)によってマイクロサイズの液滴に粉砕される。噴霧器から出てくる液滴は、所望のように制御及び調節されるキャリアガスの助けによって、ノズルを通って基材表面によって加速される。スプレーノズルと基材との間の相対運動は、基材上を完全に被覆するための設計によって規定される。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物の適用は、溶媒を更に含む。一部の実施形態では、ナノ構造組成物の適用のための溶媒は、水、有機溶媒、無機溶媒、ハロゲン化有機溶媒、またはそれらの混合物である。例示的な溶媒としては、水、DO、アセトン、エタノール、ジオキサン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロパノール、アニソール、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、トルエン、ジメチルスルホキシド、シクロペンタノン、テトラメチレンスルホキシド、キシレン、ε-カプロラクトン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
インクジェット印刷
ナノ構造のインクジェット印刷に好適な溶媒は、当業者に既知である。一部の実施形態では、有機溶媒は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0230321号に記載されている置換芳香族またはヘテロ芳香族溶媒である。
一部の実施形態では、インクジェット印刷配合物として使用されるナノ構造組成物中で使用される有機溶媒は、その沸点、粘度、及び表面張力によって規定される。インクジェット印刷配合物に好適な有機溶媒の特性を表1に示す。
Figure 2023554669000003
一部の実施形態では、有機溶媒は、1気圧で約150℃~約350℃の沸点を有する。一部の実施形態では、有機溶媒は、1気圧で約150℃~約350℃、約150℃~約300℃、約150℃~約250℃、約150℃~約200℃、約200℃~約350℃、約200℃~約300℃、約200℃~約250℃、約250℃~約350℃、約250℃~約300℃、または約300℃~約350℃の沸点を有する。
一部の実施形態では、有機溶媒は、約1mPas~約15mPasの粘度を有する。一部の実施形態では、有機溶媒は、約1mPas~約15mPas、約1mPas~約10mPas、約1mPas~約8mPas、約1mPas~約6mPas、約1mPas~約4mPas、約1mPas~約2mPas、約2mPas~約15mPas、約2mPas~約10mPas、約2mPas~約8mPas、約2mPas~約6mPas、約2mPas~約4mPas、約4mPas~約15mPas、約4mPas~約10mPas、約4mPas~約8mPas、約4mPas~約6mPas、約6mPas.~約15mPas、約6mPas~約10mPas、約6mPas~約8mPas、約8mPas~約15mPas、約8mPas~約10mPas、または約10mPas~約15mPasの粘度を有する。
一部の実施形態では、有機溶媒は、約20ダイン/cm~約50ダイン/cmの表面張力を有する。一部の実施形態では、有機溶媒は、約20ダイン/cm~約50ダイン/cm、約20ダイン/cm~約40ダイン/cm、約20ダイン/cm~約35ダイン/cm、約20ダイン/cm~約30ダイン/cm、約20ダイン/cm~約25ダイン/cm、約25ダイン/cm~約50ダイン/cm、約25ダイン/cm~約40ダイン/cm、約25ダイン/cm~約35ダイン/cm、約25ダイン/cm~約30ダイン/cm、約30ダイン/cm~約50ダイン/cm、約30ダイン/cm~約40ダイン/cm、約30ダイン/cm~約35ダイン/cm、約35ダイン/cm~約50ダイン/cm、約35ダイン/cm~約40ダイン/cm、または約40ダイン/cm~約50ダイン/cmの表面張力を有する。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物において使用される有機溶媒は、アルキルナフタレン、アルコキシナフタレン、アルキルベンゼン、アリール、アルキル置換ベンゼン、シクロアルキルベンゼン、C-C20アルカン、ジアリールエーテル、安息香酸アルキル、安息香酸アリール、またはアルコキシ置換ベンゼンである。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物において使用される有機溶媒は、1-テトラロン、3-フェノキシトルエン、アセトフェノン、1-メトキシナフタレン、n-オクチルベンゼン、n-ノニルベンゼン、4-メチルアニソール、n-デシルベンゼン、p-ジイソプロピルベンゼン、ペンチルベンゼン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、クロロナフタレン、1,4-ジメチルナフタレン、3-イソプロピルビフェニル、p-メチルクメン、ジペンチルベンゼン、o-ジエチルベンゼン、m-ジエチルベンゼン、p-ジエチルベンゼン、1,2,3,4-テトラメチルベンゼン、1,2,3,5-テトラメチルベンゼン、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ドデシルベンゼン、1-メチルナフタレン、1,2,4-トリクロロベンゼン、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、4-イソプロピルビフェニル、ベンジルベンゾエート、1,2-ビ(3,4-ジメチルフェニル)エタン、2-イソプロピルナフタレン、ジベンジルエーテル、またはそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、ナノ構造組成物に使用される有機溶媒は、1-メチルナフタレン、n-オクチルベンゼン、1-メトキシナフタレン、3-フェノキシトルエン、シクロヘキシルベンゼン、4-メチルアニソール、n-デシルベンゼン、またはそれらの組み合わせである。
一部の実施形態では、有機溶媒は、無水有機溶媒である。一部の実施形態では、有機溶媒は、実質的に無水の有機溶媒である。
一部の実施形態では、有機溶媒は、上に提示されるリストから選択される不揮発性モノマーまたはモノマーの組み合わせである。
一部の実施形態では、ナノ構造組成物中の有機溶媒の重量パーセントは、約70%~約99%である。一部の実施形態では、ナノ構造組成物中の有機溶媒の重量パーセントは、約70%~約99%、約70%~約98%、約70%~約95%、約70%~約90%、約70%~約85%、約70%~約80%、約70%~約75%、約75%~約99%、約75%~約98%、約75%~約95%、約75%~約90%、約75%~約85%、約75%~約80%、約80%~約99%、約80%~約98%、約80%~約95%、約80%~約90%、約80%~約85%、約85%~約99%、約85%~約98%、約85%~約95%、約85%~約90%、約90%~約99%、約90%~約98%、約90%~約95%、約95%~約99%、約95%~約98%、または約98%~約99%である。一部の実施形態では、ナノ構造組成物中の有機溶媒の重量パーセントは、約95%~約99%である。
一部の実施形態では、インクジェット印刷用の組成物は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれたモノマーを更に含む。一部の実施形態では、モノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(AIGS表面リロイルオキシをコーティングするリガンドに組み込まれる)ブタン、またはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。インクジェット組成物中のモノマーの使用は、インクジェット組成物中のAIGSナノ構造のより良好な適合性を提供し、QYを改善し、青色光吸収を改善することが見出されている。
フィルム硬化
一部の実施形態では、組成物は熱硬化されてナノ構造層を形成する。一部の実施形態では、組成物は、UV光を使用して硬化される。一部の実施形態では、ナノ構造組成物は、ナノ構造フィルムの障壁層上に直接コーティングされ、追加の障壁層が、続いて、ナノ構造層上に堆積され、ナノ構造フィルムを生成する。支持基材は、強度、安定性、及びコーティング均一性を追加するために、ならびに材料の不一致、気泡形成、及びバリア層材料または他の材料のしわまたは折れを防止するために、バリアフィルムの下に用いることができる。加えて、1つ以上の障壁層が、ナノ構造層を覆って堆積され、上部障壁層と底部障壁層との間の材料を密閉してもよい。好適には、バリア層は、積層フィルムとして堆積され、任意選択的に封止されるかまたは更に加工され、その後、ナノ構造フィルムを特定の照明デバイスに組み込むことができる。ナノ構造組成物堆積プロセスは、当業者によって理解されるように、付加的または種々の構成要素を含むことができる。かかる実施形態は、輝度及び色(例えば、量子フィルム白色点を調整するため)、ならびにナノ構造フィルム厚及び他の特性などのナノ構造放出特性のインラインプロセス調整を可能にするであろう。加えて、これらの実施形態は、生産中のナノ構造フィルム特性の周期的試験、ならびに精密なナノ構造フィルム特性を達成するための任意の必要な切り替えを可能にするであろう。コンピュータプログラムを用いて、ナノ構造フィルムを形成する際に使用される混合物のそれぞれの量を電子的に変更することができるため、かかる試験及び調整は、加工ラインの機械的構成を変更することなく達成することもできる。
高いPCEを有するナノ構造フィルムは、ナノ構造のための無酸素環境を提供する前に、AIGSナノ結晶を青色光またはUV光に曝露することなく、フィルムが加工されるときに得ることができることが発見された。無酸素環境は、
(a)PCE測定のための熱加工及び/または青色光への曝露の前に、フィルムを酸素バリアでカプセル化すること、
(b)熱加工または曝露中の配合物の一部としての酸素反応性材料の使用、及び/または
(c)犠牲バリア層を使用することによる酸素の一時的な遮断によって提供することができる。
一部の実施形態では、PCEの改善は、AIGS層上に酸素バリアを形成することができる任意の方法によって達成することができる。これらのAIGS-CC層を含むデバイスの大量生産において、カプセル化は、蒸着プロセスを使用して実施され得る。この場合の典型的なプロセスフローは、AIGS層のインクジェット印刷、続いてUV照射による硬化、揮発物を除去するための180℃でのベーク、有機平坦化層の堆積、次いで無機バリア層の堆積を含む。無機層の堆積に使用される技術としては、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、化学気相堆積(CVD)(プラズマ強化を伴うまたは伴わない)、パルス気相堆積(PVD)、スパッタリング、または金属蒸着を挙げることができる。他の潜在的なカプセル化方法には、溶液加工または印刷された有機層、UVまたは熱硬化性接着剤、バリアフィルムを使用したラミネートなどが挙げられる。
一部の実施形態では、フィルムは、不活性雰囲気中でカプセル化される。一部の実施形態では、フィルムは、窒素またはアルゴン雰囲気中でカプセル化される。
酸素反応性材料は、AIGSナノ構造よりも酸素に対してより反応性である任意の材料を含む。酸素反応性材料の例としては、ホスフィン、ホスファイト、有機金属前駆体、窒化チタン、及び窒化タンタルが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ホスフィンは、C1-20トリアルキルホスフィンのいずれか1つであり得る。一実施形態では、ホスフィンは、トリオクチルホスフィンである。一部の実施形態では、ホスファイトは、トリアルキルホスファイト、アルキルアリールホスファイトまたはトリアリールホスファイトであり得る。一部の実施形態では、有機金属前駆体は、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルガリウム、トリアルキルインジウム、ジアルキル亜鉛などであり得る。
犠牲バリア層の例としては、溶媒に溶解して洗い流すことができるポリマー層が挙げられる。かかるポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。犠牲バリア層の他の例としては、ケイ酸リチウム、フッ化リチウムなどの無機化合物または塩が挙げられる。犠牲層を洗い流すために使用することができる溶媒の例には、水、ならびにアルコール(例えば、エタノール、メタノール)、ハロカーボン(例えば、塩化メチレン及び塩化エチレン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、オクタン、オクタデセン)、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのC4-20エーテル、及び酢酸エチルなどのC2-20エステルなどの有機溶媒が挙げられる。
ナノ構造フィルムの特徴及び実施形態
一部の実施形態では、本発明のナノ構造フィルムは、ディスプレイデバイスを形成するために使用される。本明細書で使用されるように、ディスプレイデバイスは、照明ディスプレイを伴う任意のシステムを指す。かかるデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビ、コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ゲームデバイス、電子読み取りデバイス、デジタルカメラ、拡張現実/仮想現実(AR/VR)眼鏡、光投射システム、ヘッドアップディスプレイなどを包含するデバイスを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、ナノ構造フィルムは、ナノ構造色変換層の一部である。
一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、ナノ構造色変換体を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、バックプレーンと、バックプレーン上に配置されたディスプレイパネルと、ナノ構造層とを備える。一部の実施形態では、ナノ構造層は、ディスプレイパネル上に配置される。一部の実施形態では、ナノ構造層は、パターン化されたナノ構造層を含む。
一部の実施形態では、バックプレーンは、青色LED、LCD、OLED、またはマイクロLEDを備える。
一部の実施形態では、ナノ構造層は、光源要素上に配置される。一部の実施形態では、ナノ構造層は、パターン化されたナノ構造層を含む。パターン化されたナノ構造層は、当該技術分野における任意の既知の方法によって調製されてもよい。一実施形態では、パターン化されたナノ構造層は、ナノ構造の溶液のインクジェット印刷によって調製される。溶液に好適な溶媒としては、限定するものではないが、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMA)、ポリグリシジルメタクリレート(PGMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(EDGAC)、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)が挙げられる。揮発性溶媒は、急速な乾燥を可能にするため、インクジェット印刷に使用することもできる。揮発性溶媒としては、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。代替的に、AIGSナノ構造がインクモノマー中に分散されている「無溶媒」インクをインクジェット印刷に使用されてもよい。
一部の実施形態では、AIGSナノ構造は、AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーも含む組成物でインクジェット印刷される。一部の実施形態では、少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである。一部の実施形態では、アクリレートは、エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタンまたはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである。リガンド交換中に少なくとも1つのモノマーで処理されたAIGSナノ構造は、インクジェット印刷可能なインクに使用される一般的なモノマーであるHDDAとのより良好な適合性を提供し、QY及び青色光吸収を改善することが発見された。
一部の実施形態では、ナノ構造層は、約1μm~約25μmの厚さを有する。一部の実施形態では、ナノ構造層は、約5μm~約25μmの厚さを有する。一部の実施形態では、ナノ構造層は、約10μm~約12μmの厚さを有する。
一部の実施形態では、ナノ構造表示デバイスは、少なくとも32%のPCEを示す。一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、32~40%のPCEを示す。一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、33~40%、34~40%、35~40%、36~40%、37~40%、38~40%、39~40%、33~39%、34~39%、35~39%、36~39%、37~39%、38~39%、33~38%、34~38%、35~38%、36~38%、37~38%、33~37%、34~37%、35~37%、36~37%、33~36%、34~36%、35~36%、33~35%、または34~35%のPCEを示す。
一部の実施形態では、ナノ構造層を含む光学フィルムは、カドミウムを実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「カドミウムを実質的に含まない」という用語は、ナノ構造組成物が100重量ppm未満のカドミウムを含有することを意図する。RoHSコンプライアンス定義は、原料の均一な前駆体材料中に0.01重量%(100ppm)以下のカドミウムが存在すべきであることを要求している。カドミウム濃度は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって測定することができ、10億分の1(ppb)レベルである。一部の実施形態では、「カドミウムを実質的に含まない」光学フィルムは、10~90ppmのカドミウムを含有する。他の実施形態では、カドミウムを実質的に含まない光学フィルムは、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、または約1ppm未満のカドミウムを含有する。
ナノ構造成形体
一部の実施形態では、本開示は、
(a)第1のバリア層と、
(b)第2のバリア層と、
(c)第1のバリア層と第2のバリア層との間のナノ構造層であって、AIGSナノ構造を含むナノ構造の集団を含むナノ構造層と、少なくとも1つの有機樹脂と、を含むナノ構造成形体を提供する。
一部の実施形態では、ナノ構造は、480~545nmのPWLを有する。
一部の実施形態では、発光の少なくとも80%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも90%は、バンド端発光である。他の実施形態では、発光の少なくとも95%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の92~98%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、発光の93~96%は、バンド端発光である。一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、少なくとも32%のPCEを示す。一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、32~40%のPCEを示す。一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、33~40%、34~40%、35~40%、36~40%、37~40%、38~40%、39~40%、33~39%、34~39%、35~39%、36~39%、37~39%、38~39%、33~38%、34~38%、35~38%、36~38%、37~38%、33~37%、34~37%、35~37%、36~37%、33~36%、34~36%、35~36%、33~35%、または34~35%のPCEを示す。
バリア層
一部の実施形態では、ナノ構造成形体は、ナノ構造層の片側または両側のいずれかに配置される1つ以上の障壁層を含む。好適なバリア層は、高温、酸素、及び湿気などの環境条件からナノ構造層及びナノ構造成形体を保護する。好適なバリア材料としては、疎水性であり、ナノ構造成形体と化学的及び機械的に適合性があり、光及び化学的安定性を示し、高温に耐えることができる、非黄変性の透明光学材料が挙げられる。一部の実施形態では、1つ以上のバリア層は、ナノ構造成形体に屈折率整合される。一部の実施形態では、ナノ構造成形体のマトリックス材料及び1つ以上の隣接するバリア層は、バリア層を通ってナノ構造成形体に向かって透過する光の大部分がバリア層からナノ構造層内に透過されるように、同様の屈折率を有するように屈折率整合される。この屈折率整合は、バリア材料とマトリックス材料との間の界面における光損失を低減する。
バリア層は、好適には固体材料であり、硬化された液体、ゲル、またはポリマーであり得る。バリア層は、特定の用途に応じて、可撓性材料または非可撓性材料を含むことができる。バリア層は、概して平面層であり、特定の照明用途に応じて、任意の好適な形状及び表面積構成を含むことができる。一部の実施形態では、1つ以上のバリア層は、積層フィルム加工技術と適合性であり、それによって、ナノ構造層は、少なくとも第1のバリア層上に配置され、少なくとも第2のバリア層は、ナノ構造層の反対側のナノ構造層上に配置されて、本発明の一実施形態によるナノ構造成形体を形成する。好適なバリア材料としては、当該技術分野において既知の任意の好適なバリア材料が挙げられる。例えば、好適なバリア材料には、ガラス、ポリマー、及び酸化物が含まれる。好適なバリア層材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーと、酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化アルミニウム(例えば、SiO、Si、TiO、またはAl)などの酸化物と、これらの好適な組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ナノ構造成形体の各バリア層は、異なる材料または組成物を含む少なくとも2つの層を含み、その結果、多層バリアは、バリア層におけるピンホール欠陥の整列を排除または低減し、ナノ構造層への酸素及び水分の浸透に対する有効なバリアを提供する。ナノ構造層は、任意の好適な材料または材料の組み合わせと、ナノ構造層の片側または両側の任意の好適な数の障壁層とを含むことができる。バリア層の材料、厚さ、及び数は、特定の用途に依存し、ナノ構造成形体の厚さを最小にしながら、ナノ構造層のバリア保護及び輝度を最大にするように好適に選択される。一部の実施形態では、各バリア層は、積層フィルム、一部の実施形態では、二重積層フィルムを備え、各バリア層の厚さは、ロールツーロールまたは積層製造プロセスにおけるしわを排除するために十分に厚い。バリアの数または厚さは、ナノ構造が重金属または他の毒性材料を含む実施形態における法的毒性ガイドラインに更に依存し得、このガイドラインは、より多くのまたはより厚いバリア層を必要とし得る。バリアについての更なる考慮事項には、コスト、入手可能性、及び機械的強度が含まれる。
一部の実施形態では、ナノ構造フィルムは、ナノ構造層の各側面に隣接する2つ以上の障壁層、例えば、ナノ構造層の各側面上の2つもしくは3つの層または各側面上の2つの障壁層を含む。一部の実施の形態において、各バリア層は、薄いガラスシート、例えば、約100μm、100μm以下、または50μm以下の厚さを有するガラスシートを含む。
本発明のナノ構造フィルムの各バリア層は、当業者によって理解されるように、照明デバイス及び用途の特定の要件及び特性、ならびにバリア層及びナノ構造層などの個々のフィルム構成要素に依存する、任意の好適な厚さを有することができる。一部の実施形態では、各バリア層は、50μm以下、40μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、または15μm以下の厚さを有することができる。特定の実施形態では、バリア層は、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウム(例えば、SiO、Si、TiO、またはAl)などの材料を含むことができる酸化物コーティングを含む。酸化物コーティングは、約10μm以下、5μm以下、1μm以下、または100nm以下の厚さを有することができる。特定の実施形態では、バリアは、約100nm以下、10nm以下、5nm以下、または3nm以下の厚さを有する薄い酸化物コーティングを含む。上部及び/または下部バリアは、薄い酸化物コーティングからなることができ、または薄い酸化物コーティング及び1つ以上の追加の材料層を含むことができる。
ナノ構造色変換層を有するディスプレイデバイス
一部の実施形態では、本発明は、
(a)第1の光を放出するディスプレイパネルと、
(b)第1の光をディスプレイパネルに提供するバックライトユニットと、
(c)色変換層を含む少なくとも1つの画素領域を含むカラーフィルタと、を備えるディスプレイデバイスを提供する。
一部の実施形態では、カラーフィルタは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のピクセル領域を備える。カラーフィルタに青色光が入射すれば、画素領域を通じて赤色光、白色光、緑色光、及び/または青色光が放出される。一部の実施形態では、カラーフィルタは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,971,076号に記載されている。
一部の実施形態では、各画素領域は、色変換層を含む。一部の実施形態では、色変換層は、入射光を第1の色の光に変換するように構成された本明細書に記載のナノ構造を含む。一部の実施形態では、色変換層は、入射光を青色光に変換するように構成された本明細書に記載のナノ構造を含む。
一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の色変換層を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、本明細書に記載のナノ構造を含む1つの色変換層を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、本明細書に記載のナノ構造を含む2つの色変換層を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、本明細書に記載のナノ構造を含む3つの色変換層を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、本明細書に記載のナノ構造を含む4つの色変換層を含む。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスは、少なくとも1つの赤色変換層、少なくとも1つの緑色変換層、及び少なくとも1つの青色変換層を含む。
一部の実施形態では、色変換層は、約3μm~約10μm、約3μm~約8μm、約3μm~約6μm、約6μm~約10μm、約6μm~約8μm、または約8μm~約10μmの厚さを有する。一部の実施形態では、色変換層は、約3μm~約10μmの厚さを有する。
ナノ構造色変換層は、限定はしないが、塗装、スプレーコーティング、溶媒噴霧、湿式コーティング、接着剤コーティング、スピンコーティング、テープコーティング、ロールコーティング、フローコーティング、インクジェット印刷、フォトレジストパターニング、ドロップキャスティング、ブレードコーティング、ミスト堆積、またはそれらの組み合わせを含む、当該技術分野で知られている任意の好適な方法によって堆積され得る。一部の実施形態では、ナノ構造色変換層は、フォトレジストパターニングによって堆積される。一部の実施形態では、ナノ構造色変換層は、インクジェット印刷によって堆積される。
AIGSナノ構造及びリガンドを含む組成物
一部の実施形態では、AIGSナノ構造組成物は、1つ以上のリガンドを更に含む。リガンドには、アミノ-リガンド、ポリアミノ-リガンド、メルカプト-リガンド、ホスフィノ-リガンド、シランリガンド、ならびにアミン及びシラン基を有するポリエチレングリコールなどのポリマーまたはオリゴマー鎖が含まれる。
一部の実施形態では、アミノリガンドは、式Iを有し、
Figure 2023554669000004
式中、
xは、1~100であり、
yは、0~100であり、
は、C1-20アルキルである。
一部の実施形態では、ポリアミノ-リガンドは、ポリアミノアルカン、ポリアミン-シクロアルカン、ポリアミノ複素環式化合物、ポリアミノ官能化シリコーン、またはポリアミノ置換エチレングリコールである。一部の実施形態では、ポリアミノリガンドは、2つまたは3つのアミノ基で置換され、任意選択的に炭素基の代わりに1つまたは2つのアミノ基を含むC2-20アルカンまたはC2-20シクロアルカンである。一部の実施形態では、ポリアミノリガンドは、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、N-メチルエチレンジアミン、N-エチル-エチレンジアミン、N-イソプロピルエチレンジアミン、N-シクロヘキシル-エチレンジアミン、N-シクロヘキシル-エチレンジアミン、N-オクチルエチレンジアミン、N-デシルエチレンジアミン、N-ドデシル-エチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N’-ジエチル-エチレンジアミン、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、N-イソプロピル-ジエチレントリアミン、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N-(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、N-(ヒドロキシエチル)トリエチレンテトラミン、ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、ポリエチレンイミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,5-ジミノペマン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ジアミノプロパン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N-エチル-1,3-プロパンジアミン、N-イソプロピル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N’-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N’-ジイソプロピル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリメチル-1,3-プロパンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、N,N’-ジメチル-1,6-ヘキサンジアミン、3,3’-ジアミノ-N-メチル-ジプロピルアミン、N-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、スペルミジン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、N,N’,N”-トリメチル-ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、4-アミノ-1,8-オクタンジアミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロピジアミン、スペルミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,2-ビス(アミノエトキシ)エタン、4,9-ジオキサ-1,12-ドデカンジアミン、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン、1,3-ジアミノ-ヒドロキシ-プロパン、4,4-メチレンジピペリジン、4-(アミノメチル)ピペリジン、3-(4-アミノブチル)ピペリジン、またはポリアリルアミンである。一部の実施形態では、ポリアミノ-リガンドは、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミノ)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、またはトリス(2-アミノエチル)アミンである。
一部の実施形態では、ポリアミノ-リガンドは、ポリアミノ複素環式化合物である。一部の実施形態では、ポリアミノ複素環式化合物は、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジ、6-メチル-1,3,5-トリアジ-2,4-ジアミン、2,4-ジアミノ-6-ジエチルアミノ-1,3,5-トリアジ、2-N,4-N,6-N-トリプロピル-1,3,5-トリアジ-2,4,6-トリアミン、2,4-ジアミノピリミジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、2,5-ジアミノピリジン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、ピリジン-2,4,5-トリアミン、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、4-フェニル-1H-イミダゾール-1,2-ジアミン、1H-イミダゾール-2,5-ジアミン、4-フェニル-N(1)-[(E)-フェニルメチリデン]-1H-イミダゾール-1,2-ジアミン、2-フェニル-1H-イミダゾール-4,5-ジアミン、1H-イミダゾール-2,4,5-トリアミン、1H-ピロール-2,5-ジアミン、1,2,4,5-テトラジン-3,6-ジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-1,2,4,5-テトラジン-3,6-ジアミン、N3-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾ-ル-3,5-ジアミン、またはN,N’-ビス(2-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾ-ル-3,5-ジアミンである。
一部の実施形態では、ポリアミノ-リガンドは、ポリアミノ官能化シリコーンである。一部の実施形態では、ポリアミノ官能化シリコーンは、
Figure 2023554669000005
のうちの1つである。
一部の実施形態では、ポリアミノリガンドは、ポリアミノ置換エチレングリコールである。一部の実施形態では、ポリアミノ置換エチレングリコールは、2-[3-アミノ-4-[2-[2-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)フェノキシ]エトキシ]フェニル]エタノール、1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン、1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、ビス[5-クロロ-1H-インドール-2-イル-カルボニル-アミノエチル]-エチレングリコール、アミノ-PEG8-t-Boc-ヒドラジド、または2-(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)エタンアミンである。
一部の実施形態では、メルカプトリガンドは、(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、6-メルカプト-1-ヘキサノール、メルカプト琥珀酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトヘキサン酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸、システイン、メチオニン、及びメルカプトポリ(エチレングリコール)である。
一部の実施形態では、シラン-リガンドは、アミノアルキルトリアルコキシシランまたはチオアルキルトリアルコキシシランである。一部の実施形態では、アミノアルキルトリアルコキシシランは、3-アミノプロピル)トリエトキシシランまたは3-メルカポプロピル)トリエトキシシランである。
一部の実施形態では、リガンドとしては、アミノ-ポリアルキレンオキシド(例えば、約m.w.1000)、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン)、(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、DL-α-リポ酸、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、6-メルカプト-1-ヘキサノール、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.800)、ジエチルフェニルホスホナイト、ジベンジルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、ジ-tert-ブチルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.2000)、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.750)、アクリルアミド、及びポリエチレンイミンが挙げられるが、これらに限定されない。
リガンドの特定の組み合わせとしては、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び6-メルカプト-1-ヘキサノール、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、ならびに6-メルカプト-1-ヘキサノール及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)が挙げられ、これらは、優れた分散性及び熱安定性を提供した。実施例9を参照されたい。
AIGSナノ構造及びポリアミノリガンドを含むフィルムは、ポリアミノリガンドを含まないAIGS含有フィルムと比較して、及びモノアミノリガンドと比較して、より高いフィルム光変換効率(PCE)を示し、フィルムのより少ないしわ及びより少ない層間剥離を示す。したがって、AIGS-ポリアミノ-リガンドを含む組成物は、ナノ構造色変換層での使用に比類なく好適である。
以下の実施例は、本明細書に記載の生成物及び方法を例示するものであり、限定するものではない。当該分野で通常遭遇し、本開示を考慮して当業者に明らかである種々の条件、配合物、及び他のパラメータの好適な改変及び適合は、本発明の趣旨及び範囲内である。
実施例1: AIGSコア合成
試料ID1を、AIGSコアの以下の代表的な合成を使用して調製した:オレイルアミン中0.06M CHCOAgの4mL、エタノール中0.2M InClの1mL、オレイルアミン中0.95M硫黄の1mL、及びドデカンチオール0.5mLを、脱気したオクタデセンの5mL、トリオクチルホスフィンオキシドの300mg、及びガリウムアセチルアセトネートの170mgを含有するフラスコに注入した。混合物を40℃まで5分間加熱し、次いで温度を210℃まで上昇させ、100分間保持した。180℃まで冷却した後、5mLのトリオクチルホスフィンを加えた。反応混合物をグローブボックスに移し、5mLのトルエンで希釈した。最終AIGS生成物を、75mLのエタノールを添加することによって沈殿させ、遠心分離し、トルエン中に再分散させた。試料ID2及び3も、この方法を使用して調製した。AIGSコアの光学特性を測定し、表2にまとめた。AIGSコアのサイズ及び形態を、透過型電子顕微鏡(TEM)によって特徴付けた。
Figure 2023554669000006
実施例2: イオン交換処理を有するAIGSナノ構造
試料ID4は、以下の典型的なイオン交換処理を使用して調製した。2mLの0.3Mオレイン酸ガリウムのオクタデセン溶液及び12mLのオレイルアミンをフラスコに導入し、脱気した。混合物を270℃まで加熱した。オレイルアミン中0.95M硫黄溶液の1mLと1mLの単離AIGSコア(15mg/mL)との予混合溶液を同時注入した。30分後に反応を停止した。最終生成物をグローブボックスに移し、トルエン/エタノールで洗浄し、遠心分離し、トルエン中に再分散させた。試料ID4~8もこの方法を使用して調製した。このようにして製造されたAIGSナノ構造の光学特性を表3にまとめる。ガリウムイオンとのイオン交換は、ほぼ完全なバンド端発光をもたらした。平均粒径の増加がTEMによって観察された。
Figure 2023554669000007
実施例:3 ハロゲン化ガリウム及びトリオクチルホスフィンのイオン交換処理
トリオクチルホスフィン中のGaI溶液(0.01~0.25M)をAIGS QDに添加し、室温で20時間保持することによって、AIGSナノ構造との室温イオン交換反応を行った。この処理は、ピーク波長(PWL)を実質的に維持しながら、表4に要約されるバンド端発光の有意な増強をもたらした。
GaI添加の前後の組成変化を、表4に要約されるように、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP-AES)及びエネルギー分散型X線分光法(EDS)によってモニタした。GaI/TOP処理の前後のIn及びGa元素分布の合成画像は、In対Gaの半径方向分布を示し、したがって、イオン交換処理が、ナノ構造の表面近傍のより大量のガリウム及びナノ構造の中心のより少量のガリウムの勾配をもたらしたことを示す。
Figure 2023554669000008
実施例4: 無酸素Ga源を使用するAIGSイオン交換処理
試料ID14及び15を、無酸素Ga供給源を使用するAIGSナノ粒子の以下の代表的な処理を使用して調製した。8mLの脱気したオレイルアミンに、400μLのトルエン中に溶解した400mgのGaClを添加し、続いて40mgのAIGSコアを添加し、次いでオレイルアミン中0.95M硫黄の1.7mLを添加した。240℃まで加熱した後、反応物を2時間保持し、次いで冷却した。最終生成物をグローブボックスに移し、トルエン/エタノールで洗浄し、遠心分離し、トルエン中に分散させた。試料ID15及び16も、この方法を使用して調製した。試料ID11~13は、実施例2の方法を使用して調製した。処理されたAIGS材料の光学特性を表5に示す。
Figure 2023554669000009
表5に示されるように、処理されたAIGSナノ構造の量子収率は、オレイルアミンが溶媒として使用される場合、Ga(III)アセチルアセトネートまたはオレイン酸ガリウムではなく、Ga(III)塩化物を使用することによって改善され得る。Ga(III)塩化物を使用してイオン交換に供された最終材料は、出発ナノ構造と同様のサイズ及び同様のバンド端対トラップ発光特性を与えた。したがって、量子収率(QY)の増加は、単にトラップ発光成分の増加によるものではない。また、予想外に、塩化Ga(III)の代わりにヨウ化Ga(III)を使用した場合、AIGSナノ構造は反応混合物中に溶解するように見え、イオン交換は起こらなかったことが見出された。
試料14のエネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いた高分解能TEMは、ナノ構造が、AIGSナノ構造の中心から表面へとInを低下させるわずかな勾配を含む可能性が高いことを示し、これは、これらの条件下での処理が、InがAIGS構造から出てGaで置き換えられ、一方、Agが、GSの別個の層を成長させるのではなく、構造全体にわたって存在するプロセスから生じることを示す。これはまた、より少ない歪みに起因して、ナノ構造の量子収率を改善することに寄与し得る。
実施例5: 予め形成されたIn-Ga試薬と混合された予め形成されたAgSナノ構造のホットインジェクションからのAIGSコア
AgSナノ構造を作製するために、N雰囲気下で、0.5gのAgI及び2mLのオレイルアミンを20mLのバイアルに添加し、透明な溶液が得られるまで58℃で撹拌する。別の20mLバイアル中で、5mLのDDT及びオレイルアミン中0.95M硫黄の9mLを混合した。DDT+S-OYA混合物をAgI溶液に添加し、58℃で10分間撹拌する。得られたAgSナノ粒子を洗浄せずに使用した。
In-Ga試薬混合物を作製するために、1.2gのGa(アセチルアセトネート)、0.35gのInCl、2.5mLのオレイルアミン及び2.5mLのODEを100mLのフラスコに入れた。N atm下で、210℃まで加熱し、10分間保持した。橙色の粘性生成物が得られた。
AIGSナノ粒子を形成するために、N下で、1.75gのTOPO、23mLのオレイルアミン及び25mLのODEを250mLフラスコに添加した。真空下で脱気した後、この溶媒混合物を40分かけて210℃まで加熱する。40mLのバイアル中で、上記からのAgS及びIn-Ga試薬混合物を58℃で混合し、シリンジに移す。次いで、Ag-In-Ga混合物を210℃で溶媒混合物に注入し、3時間保持する。180℃まで冷却した後、5mLのトリオクチルホスフィンを加えた。反応混合物をグローブボックスに移し、50mLのトルエンで希釈した。150mLのエタノールを添加することによって最終生成物を沈殿させ、遠心分離し、トルエン中に再分散させた。次いで、AIGSナノ構造を、実施例4に記載の方法によってイオン交換した。この方法によって製造された材料の、上記の24倍までのスケールでの光学特性を表6に示す。
Figure 2023554669000010
実施例7 繰り返されるガリウムイオン交換は、AIGSナノ構造のフォトルミネセンス安定性を改善する。
7.1 第1のイオン交換プロセス
オレイルアミン(OYA、2.5L)を真空下、40℃で40分間脱気する。AIGSナノ構造(トルエン中25.4g)を添加し、続いてGaCl(最小量のトルエン中127g)及びOYAに溶解した硫黄(0.95M、570mL)を添加する。混合物を40分かけて240℃まで加熱し、4時間保持する。冷却後、混合物を1容量のトルエンで希釈する。遠心分離していくらかの副生成物を除去した後、この物質を2容量のエタノールで洗浄し、遠心分離により集め、トルエンに再溶解する。2回目の洗浄後、ナノ構造を保存のためにヘプタンに溶解する。
7.2 第2のイオン交換プロセス
オレイルアミン(OYA、960mL)を真空下、40℃で20分間脱気する。実施例7.1からのようなAIGSイオン交換ナノ構造(ヘプタン中12g)をOYAに添加し、続いてGaCl(最小体積のトルエン中22.5g)、次いでOYAに溶解した硫黄(0.95M、100mL)を添加する。混合物を40分かけて240℃まで加熱し、3時間保持する。冷却後、混合物を1volのトルエンで希釈し、次いで洗浄し(1.6volのエタノールで沈殿させ、遠心分離し)、必要に応じてトルエンまたはヘプタンに再分散させる。インク配合のためにリガンド交換を実施する場合、更なるエタノール洗浄を適用し、QDをヘプタン中に再分散させる。
7.3 交互の第2のイオン交換プロセス
オレイルアミン(15mL)を真空下、60℃で20分間脱気する。GaCl(最小体積のトルエン中360mg)をOYAに加え、続いて実施例7.1からのようなAIGS(ヘプタン中200mg)を加え、次いでOYAに溶解した硫黄(0.95M、1.6mL)を加える。混合物を40分かけて240℃まで加熱し、3時間保持する。冷却後、実施例7.1に記載したように混合物を洗浄する。
7.4 交互の第2のイオン交換プロセス
この実施例は、実施例7.3について記載されるように実施したが、3倍スケールで実施した。
7.5 交互の第2のイオン交換プロセス
オレイルアミン(10mL)及びオレイン酸(5mL)を真空下、90℃で20分間脱気する。(Ga(NMe(206mg)及びGaCl(最小体積のトルエン中180mg)を添加し、続いて実施例7.1からのようなAIGS(ヘプタン中200mg)を添加する。130℃まで加熱した後、TMSS(ODE中の50%溶液0.65mL)を20分間かけて添加し、混合物を2.5時間保持する。冷却後、実施例7.1に記載したように混合物を洗浄する。
7.6 結果
AIGSナノ構造を、InがGaと交換されるイオン交換プロセスに供した。コア成長と比較して、このプロセスに使用されるより高い温度(240℃対210℃)は、平均サイズが未処理ナノ構造よりも大きくなるように熟成をもたらす。ナノ構造は、十分に区別されたシェル構造を有さない。これは、断面TEM元素マッピングにおいて観察することができる。より高いバンドギャップシェルの欠如は、フィルム加工中のこれらの材料のフォトルミネセンスの保持を制限することが予想される。
第2のイオン交換プロセスの後、平均TEMサイズは増加しなかったが(図2A~図2C)、TEM元素マッピングは、Gaリッチ(より高いバンドギャップ)領域へのより明確な勾配がQDにおいて発生したことを実証した。
単一及び複数のイオン交換プロセスの元素組成を表7に示す。値は、実施例7.1及び7.2からの10~20個の試料の平均である。
Figure 2023554669000011
イオン交換されたAIGSナノ構造の特性を表8に示す。金属比は、ICPによって決定されるモル比である。
Figure 2023554669000012
UV硬化及び180℃ベーク後に保持されたフィルムPCEは、表9に示されるように、第2のイオン交換プロセスによって著しく改善される。これは、ナノ構造の外層中のGa濃度を増加させるプロセスが、イオン交換によって導入されるより高いバンドギャップ領域への勾配をもたらすためであると考えられる。
Figure 2023554669000013
実施例8-AIGSナノ構造及びポリアミノリガンドを含む組成物
略語
・Jeffamine-Jeffamine M-1000
・HDDA-1-6ヘキサンジオールジアクリレート
・ビスメチルアミン-1,3シクロヘキサンビスメチルアミン
・PCE-光子変換効率
粗AIGS QD成長溶液を、エタノールで洗浄し、ヘプタンに再分散させることによって精製した(溶液1)。溶液1に6-メルカプト-1-ヘキサノールを添加し、50℃で30分間加熱し、エタノールで洗浄し、ヘプタンに再分散させた(溶液2)。100mgのQD無機固体当たり2μLの6-メルカプト-1-ヘキサノールを添加した。溶液2に、リガンド交換段階のためにJeffamine及びHDDAを添加し、80℃で1時間加熱し、ヘプタンで沈殿させ、HDDA中に再分散させた(溶液3)。100mgのQD無機固体当たり83mgのJeffamineを添加した。100mgのQD無機固体当たり0.42gのHDDAを添加した。10重量%のTiO及び90重量%のモノマーを含むインクジェットインク組成物に、溶液3及びHDDAを添加した。インクジェット配合物は、10重量%のQD無機質量、4重量%のTiOの組成を有し、残りの86重量%は、リガンド(結合及び非結合)、HDDA、モノマー、光開始剤、及びQD溶液から残った他の種々の有機物の組み合わせであった。このインク配合物は溶液4であった。
溶液4に、ポリアミノリガンドビスメチルアミン(100mgのQD無機固体当たり50mgのビスメチルアミン)を添加し、次いで、組成物をフィルムとしてキャストした。
フィルムキャスティング
溶液4を2インチ×2インチのガラス基材上にスピンコーティングした。フィルムをUV LED硬化ランプで硬化させた。次に、輝度の尺度であるフィルム光変換効率(PCE)を試験した。次いで、フィルムを、180℃に設定したホットプレートで、ホットプレートよりわずかに高い温度で30分間ベークした。代替的に、フィルムを180℃に設定したホットプレートを用いて、ホットプレース表面と直接接触させて10分間ベークした。
次いで、フィルムPCEを試験した。1インチ×1インチのマスクされた青色448nm LEDのアレイが、フィルムの励起源を提供した。積分球をフィルムの上に置き、蛍光光度計に接続した。図3A及び3Bを参照されたい。収集したスペクトルを分析して、PCEを得た。
PCEは、試験プラットフォームによって生成された青色光子の数に対する前方発光の緑色光子の数の比である。484nm~700nmの発光スペクトルがPCEを計算するために使用されるが、緑色発光は484~545nmのピーク波長を有し、発光の大部分は588nm未満であることが予想される。PCE、LRR及びフィルム形態を表10に報告する。予想外に、リガンド1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、トリス(2-アミノエチル)アミン及び2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミンの存在は、リガンドを含まないフィルムと比較して、180℃ベーク後のPCEの高い保持、高いLRR及びしわなしをもたらした。
Figure 2023554669000014
図1は、フィルム形態に対するジアミン添加の効果を示す。図1のフィルムは左から右に、添加剤なし(しわあり)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(ジアミン、しわなし)、シクロヘキサンメチルアミン(モノアミン、しわあり)、及びトリス(2-アミノエチル)アミン(トリアミン、しわなし)を含んでいた。左から右に、ジアミンを含有しない第1及び第3のフィルムは、広範なしわを示した。対照的に、第2の及び第4のフィルムは、しわを示さなかった。予想外に、AIGSフィルムにおけるジアミノリガンドの使用は、フィルムのしわの大幅な減少をもたらした。
実施例9-AIGSナノ構造のための更なるリガンドの試験
この実験において、AIGSナノ粒子のための更なるリガンドを、増強されたQY、高い適合性及び良好な熱安定性について試験した。加えて、これらのリガンドを、AIGSナノ構造を劣化及び酸化から保護することについて評価した。また、AIGSインク組成物に配合することができるリガンドの組み合わせも試験した。
これらのリガンドとのリガンド交換は、酢酸エチル、PGMEA、アセトン、キシレン、1,2-ジクロロベンゼン(ODCB)、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGMEE)などの有機溶媒中で行った。
AIGSナノ構造は、アミン基及びシラン基を有するポリエチレングリコールなどのポリマー鎖またはオリゴマー鎖、ならびに共不動態化のためのホスフィノ-、メルカプト-及びそれらの組み合わせなどのソフト塩基を含むリガンドでリガンド交換された。
図4は、本明細書に記載されるような単一のイオン交換処理に供された多数の個々のリガンド及びAIGSナノ構造の量子収率値を示す。このグラフにおいて、NG:天然AIGS、NG-NL1:アミノ-ポリアルキレンオキシド、約m.w.1000、NG-NL2:(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン)、NG-NL3:(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、NG-NL4:DL-α-リポ酸、NG-NL5:3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、NG-NL6:6-メルカプト-1-ヘキサノール、NG-NL7:メトキシポリエチレングリコールアミン500、NG-NL8:ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオールMn800、NG-NL9:ジエチルフェニルホスホナイト、NG-NL10:ジベンジルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、NG-NL11:ジ-tert-ブチルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、NG-NL12:トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、NG-NL13:ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオールMn2000、NG-NL14:メトキシポリエチレングリコールアミン750、NG-NL15:アクリルアミド、及びNG-NL16:ポリエチレンイミン)である。
図4に見られるように、AIGSナノ構造を3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(NL3)、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール(NL5)、及び6-メルカプト-1-ヘキサノール(NL6)で処理すると、高いQY(それぞれ73.7%、72.9%及び76.1%)が得られた。したがって、本発明は、改善されたQYを提供する少なくとも1つのメルカプト置換リガンドを含むAIGSナノ構造組成物を提供する。メルカプト置換リガンドは、AIGSナノ構造の表面を不動態化し、欠陥放出を低減することによって、高いQYを提供すると考えられる。アミノ置換リガンドもQYを改善した。
この単一リガンド試験において、ポリエチレングリコールアミン置換リガンド(L1、L7、L8及びL13)、チオール置換リガンド(L3、L5及びL6)、及びシランリガンド(L2)は、天然AIGSナノ構造と比較して良好なQYを示した。また、リガンドL1、L7及びL8は、HDDA中に分散された場合に、モノマーとのより良好な相溶性を提供した。
図5は、改善されたQY%(良好な組み合わせ)及び低減されたQY%(不良な組み合わせ)を与えた種々の2リガンドの組み合わせのQY%を示すグラフである。表面欠陥は、チオールリガンドを添加することによって減少させることができる。L6及びL7の組み合わせは、他のものよりも良好な安定性を与えた。しかし、比較的親水性であるインク組成物については、より良好なリガンドは、メトキシポリエチレングリコールアミン及びポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオールなどの比較的親水性のリガンドである。このチオールはまた、表面欠陥を不動態化することによってQYを改善する。
リガンド交換に好適な温度は、室温~120℃である。組成物中のリガンドの総量は、AIGS質量の60%~150%であり得る。
表11は、複数のリガンドとのリガンド交換前後のQY、PWL、及びFWHMの相対的変化を示す。表11は、L6及びL7が、特にアクリレートモノマーと組み合わせた場合に、インク配合物にとって最も有効なリガンドの組み合わせであったことを示している。L2及びL7、L2及びL6、ならびにL2及びL3、L6及びL7の組み合わせは、優れた分散性及び熱安定性を提供した。図6を参照されたい。
Figure 2023554669000015
グローブボックス内で180℃まで30分間加熱したときに良好な熱安定性を提供するリガンドの組み合わせを更に研究した。リガンドの組み合わせL6&L7、L2&L6、及びL2&L3は、単一のリガンドL1よりも良好な安定性を提供した。図6を参照されたい。
また、QYに対する異なる比率のリガンドの組み合わせの効果も研究した。リガンドの重量比を変化させたが、リガンドの総量は固定した。最良のQYは、7:3のL6対L7の比で達成された。図7を参照されたい。L6及びL7との全ての組み合わせは、9:1の比を除いて、天然AIGSナノ構造と比較して増強されたQYを示した。例えその混合物が高いQYを示したとしても、沈殿が生じないので精製することは困難であった。L6&L2、L3&L7、及びL5&L7の混合物は、AIGSナノ構造のための良好なリガンド混合物である。これらのリガンドの組み合わせは、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2-(アクリロイルオキシ)エチル水素スクシネート、及び1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどの種々のモノマーと組み合わせて使用することができる。
実施例10-AIGSフィルムにおけるPCEの改善
が充填されたグローブボックス内で、適切なリガンドでコーティングされたAIGS QDを、1つ以上のモノマー、TiO散乱粒子、及び光開始剤を含有するインクに混合した。これらのインクをスピンコーティングすることによってフィルムをキャストし、次いでUV照射を使用して硬化させた。次いで、フィルムをホットプレート上で180℃で30分間ベークして、残った揮発性成分を除去した。これらのプロセスは全て、Nを充填したグローブボックス内で、不活性雰囲気中で実施した。
通常、この段階で、フィルムは、フィルム側を上に向けて青色LED光源上に配置することによって空気中で測定される。分光光度計に接続された積分球をQDフィルムの上に配置し(図3A及び3Bを参照)、フィルムの発光スペクトルを捕捉する。ブランクのガラス基材(QDなし)を用いて測定を繰り返す。QDフィルムの青色光吸収及び光子変換効率(PCE)は、以下の式を使用して測定される。
青色吸収=QDフィルムを透過した青色光子の数/入射青色光子の数
PCE=順方向発光の緑色光子(484~588nm)の数/入射青色光子の数
測定中の空気及び水分の影響を研究するために、ベークされたQDフィルムを、Nグローブボックスから出す前にカプセル化した。これは、QD層上に数滴のUV硬化性透明接着剤を適用し、次いでガラスカバースリップを置き、UV照射によって接着剤を硬化させることによって行った。このようにガラス及び接着剤を使用して封止されたQDフィルムを、上記の方法を使用して空気中で測定した。
結果は、空気中で測定する前にQDフィルムをカプセル化することが、高い光子変換効率(PCE)を達成するために重要であることを示す。表12は、カプセル化あり及びなしで測定した1組のフィルムからの結果を示す。比較のために、InP QDを含有する典型的なQDCCフィルムからのPCE値も示す。カプセル化して測定すると、AIGSナノ構造を含むフィルムは、はるかに低いQD添加量で、InPよりも高いポストベークPCE値を有していた。PCEの更なる改善は、青色光源(約6mW/cm)上に1時間置くことによってフィルムを照射することによって達成された。加えて、AIGS QDで作製されたQDCCフィルムは、InP QD(FWHM 36nm)で作製されたフィルムと比較して、はるかに狭い発光(FWHM約30nm)を示す。これは、インク樹脂中での良好な分散を可能にするモノ-及びポリ-アミノリガンドの使用と組み合わせた、溶液中のAIGS QDのより低いFWHM(34nm対39nm)の結果である。
Figure 2023554669000016
図8は、はるかに広範囲の試料にわたるカプセル化及び青色光処理の影響を示す。予想外に、カプセル化によって達成されたPCE値は、カプセル化なしの場合よりも有意に高かった(32%超)。
図9は、180℃のベークステップ及びその後のカプセル化後のフィルムの発光線幅(FWHM)を示す。180℃でベークされたフィルムのFWHM中央値は30.5nmであり、これは、カプセル化時に30.1nmまで更に狭くなる。この狭くなることは、カプセル化の際にフィルムが明るくなる結果であり得る。
この研究における試料は、ガラス及び接着剤を使用してカプセル化されたが、PCEにおけるこの改善は、QD層上に酸素バリアを形成することができる任意の方法によって達成することができる。これらのQDCC表面層を含むデバイスの大量生産において、カプセル化は、蒸着プロセスを使用して実施される可能性が高い。この場合の典型的なプロセスフローは、QD層のインクジェット印刷、その後のUV照射による硬化、揮発性物質を除去するための180℃でのベーク、有機平坦化層の堆積、次いで無機バリア層の堆積を含む。無機層の堆積に使用される技術は、原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、化学気相堆積(CVD)(プラズマ強化を伴うまたは伴わない)、パルス気相堆積(PVD)、スパッタリング、または金属蒸着を含むことができる。その他の潜在的なカプセル化方法には、溶液加工または印刷された有機層、UVまたは熱硬化性接着剤、バリアフィルムを使用したラミネートなどが含まれる。
実施例11-AIGS表面をコーティングするリガンドに組み込まれたモノマーを含むAIGSインク
モノマーの存在下でのAIGSナノ構造のリガンド交換(LE)は、純粋に溶媒中で行われたLEと比較して、より高い溶液QY、より良好な相溶性インク及びより良好なフィルム性能をもたらすことが発見された。これは、16の異なる媒体を使用してLE及びフィルム評価を通して実証された。
CdSe及びInPなどの量子ドット(QD)のLEを有機溶媒中で実施して、天然リガンドを所望のリガンドで置き換えることができる。次いで、得られたQDは、QDをモノマー中に分散させ、元の溶媒を除去し、散乱媒体及び光開始剤などの他のインク成分を添加することによって、無溶媒インクに配合することができる。
この手順は、AIGSナノ構造のLEにも同様に使用することができ、QYの保持が高い。しかしながら、このアプローチは、通常、溶媒を除去する際に、モノマー中のナノ構造の不十分な分散性をもたらす。インク中のAIGSナノ構造の良好な分散性、及びリガンドによるナノ構造表面の効率的な不動態化は、UV照射、高温ベークなどの過酷な加工条件を通してフィルムパフォーマンスを維持するために必要である。したがって、従来のプロセスを使用してリガンド交換されたAIGSナノ構造は、QDCC用途には好適でない。
図10は、アセトン、PGMEA、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、ジメチルホルムアミド(DMF)及びエタノールなどの種々の有機溶媒中で、2つの温度-室温(25℃)及び80℃でリガンド交換されたAIGSナノ構造のPLQYを示す。Jeffamine M1000をリガンドとして、AIGSナノ構造に対して0.8:1の質量比で使用した。
一部の溶媒、PGMEA、酢酸エチル、トルエン及びDCMは、LE後のQYを維持するのに非常に有効であった。特に、室温でのLEは、80℃でのLEよりも高いQYをもたらした。アセトン、クロロホルム、DMF及びエタノールなどの試験した他の溶媒は、より低いQYをもたらした。
しかしながら、表13に示されるように(o=透明な分散液;Δ=濁った分散液)、室温で溶媒中でリガンド交換されたAIGSナノ構造は、インクジェット印刷可能なインクに使用される一般的なモノマーであるHDDAとの相溶性が低かった。80℃でリガンド交換されたAIGSナノ構造は、HDDAとのより良好な適合性を有したが、より低いQYを有した。したがって、高いQY及びHDDAとの良好な適合性をもたらす有効なLE条件を見出すことは困難であった。
Figure 2023554669000017
一連の一般的なモノマー(表14に示す)を有機溶媒の代わりの媒体として使用して、LE研究を繰り返した。LEは、出発AIGSナノ構造(ヘプタン中)をモノマーと混合し、次いでJeffamine M1000を添加し、80℃で加熱することによって行った。
Figure 2023554669000018
図11は、モノマーの存在下でのLE後のQYを示す。全ての16の場合において、QYは、LEの際に増加し、また、有機溶媒中でLEによって達成されたQYより高かった。
LE後、AIGSナノ構造を単離し、ヘプタン中で沈殿させることによって精製し、出発及び最終QD質量を記録することによって収率を計算した。質量の小さな変化のみが観察される溶媒中のLEとは異なり、モノマー中で交換されたQDリガンドの質量は、モノマーに依存して30~100%増加した。試験したモノマーのほとんどはヘプタンと混和性であり、QD沈殿の際に除去されるため、これは、ある量のモノマーがQD表面をコーティングするリガンドに組み込まれたことを示した。
全16個のAIGS試料をHDDA中に分散させ、次いで散乱媒体及び光開始剤を含有するインク中に混合した。溶媒中でリガンド交換されたナノ構造とは異なり、ここで試験した16個の試料は全て、HDDA中で良好な適合性を示した。3つのフィルムを、700、800及び900rpmでのスピンコーティングによって各インクからキャストし、次いでUV照射で硬化させた。
図12に示されるように、一部のモノマーM2、M3、M4、M5、M6及びM8は、高いフィルムEQEを示し、AIGS QDのための良好なLE媒体であり得る。
図13は、800RPMでフィルム紡糸されたAIGSナノ構造の青色吸収を示す。M7、M10、M13、M15及びM16は、非常に高い青色吸収を提供した。
実施例12 ポリアミノリガンドによる青色吸収の増加
典型的なフィルム堆積プロセスは、あらゆる残留溶媒及び揮発性成分を完全に除去するために、非常に高い温度、通常は約200℃でのハードベークを含む。このハードベークは、QDCC層の上に他の層を堆積する間のガス放出を防止する。この過酷なベークは、非常に低いEQEをもたらすことがある。また、ナノ構造が高温によって損傷を受けるか、またはリガンドがナノ構造から脱離し、凝集をもたらす。表15は、UV硬化後及び180℃ハードベーク後の典型的なAIGSフィルムのEQEを示す。EQEは良好であり、UV硬化後に33%より高かったが、ハードベーク後に180℃で30分間で19%未満に低下した。ベーク前のEQEに対するベーク後のEQEの比である光保持率(LRR)が60%未満と非常に低かったことは、ベーク後にフィルム性能が40%超低下したことを意味する。
Figure 2023554669000019
ハードベーク中のかかる高いEQE損失及び結果として生じる低いLRRを克服するために、LRRを改善するための2つのアプローチを試験した。
AIGSナノ構造をフィルム全体に均一に分散させたままにし、凝集を防止するために、インク配合前にジアミン(1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)をAIGS-モノマー分散液に添加した。代替的に、AIGSモノマー分散体中に散乱媒体及び光開始剤などの他のインク成分を混合した後に、インク配合物に添加することができる。図14に見られるように、インク配合前のAIGS-モノマー分散液へのジアミンの添加は、UV硬化及びPOB後のEQEを増加させた。ジアミンをAIGS無機塊の5%w/wの量で添加した場合、UV硬化後のEQEは3%増加した。ジアミンを更に添加してもEQEは更に改善されなかった。EQEを改善することに対するジアミンの効果は、POB後に更に高かった。モノマー中にジアミンを含まない場合と比較して、EQEは、5%のジアミンの添加により5%改善された。30%のジアミン添加により、EQEは25%~32%に増加し、LRRは92%であり、これはInP緑色QDフィルムで見られた結果と同様である。ジアミンの副作用は、図15に見られるように、粘度の増加であった。しかしながら、エチルアクリレートなどのモノマーについては、インク粘度は、室温で20cP未満のレベルまで劇的に低下した。
EQEを増加させるための代替アプローチとして、ジアミンによるより良好なAIGS表面不動態化が試みられた。図16に示されるように、ジアミンの存在下でリガンド交換されたAIGSナノ構造のQYは、LEの直後に12%超増強された。AIGSナノ構造のQYは、モノマーの存在下で180℃で30分間のハードベークをシミュレートする熱処理後にも向上したことに留意すべきである。180℃で30分後のQYの低下は、LEに対するジアミンの添加量が増えるにつれて小さくなった。LE中の50%w/wのジアミンでは、熱プロセス前後のQYはほぼ等しく、熱プロセス後のQYは、70%のジアミンをLEに使用した場合により高くなった。
これらのAIGSナノ構造を使用してQDCCフィルムのパフォーマンスを図17にプロットした。フィルムのEQEは、LE中にジアミンを使用しなかった場合と比較して、LEにジアミンを使用した場合の方が良好であり、その向上は、50%までのより多くのジアミンの添加で更に高かった。70%のジアミン添加及びLEで得られたEQEは、30%及び50%より低かった。より多量のジアミンがLEのために使用される場合、AIGS表面上に組み込まれるジアミンの量は増加するが、これはAIGS表面上のリガンド及び/またはモノマーの量を減少させると推測される。ジアミンを用いたLE後に観察されたQD質量の減少は、QD表面上のより少ないリガンド及び/またはモノマーの結果である可能性が高い。これは、ジアミンがLEのためのモノマーに添加される場合にも同様に起こり、インク粘度の増加をもたらす。
図19に見られるように、これらの2つのアプローチを使用してフィルムEQEを改善する場合、フィルムEQEに対するジアミンの効果は、ジアミンをリガンド交換及びモノマー分散の両方に添加した場合に最も高かった。粘度は、必ずしもインク中の全ジアミン量に依存しない。ジアミンがLE及びモノマー分散液の両方に使用された最も高いジアミン量の試料は、中間の粘度を有していた。この粘度は、同じ量のジアミンをLEのみに使用した場合よりも低かった。
LE及び/またはモノマー分散体中のジアミンを使用したEQE向上を、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、及び表16に列挙される追加の5つの他の添加剤を用いて試験した。全ての添加剤は、初期EQEに対して同様の効果を有し、A1、A5及びA6は、モノマーとともに直接添加された場合、他のものよりもわずかに良好であった。しかしながら、ハードベーク後、A1及びA6は、最終フィルムEQEにおける2つの最良の添加剤であった。加えて、良好なEQEは、列挙されたアミンの中で、LE及びモノマー添加において同じ添加剤を使用することなく得られた。LE及びモノマー添加において同じジアミンが使用される場合でさえ、EQEを改善するその効果は異なり得る。例えば、図23に見られるように、A6は、モノマー添加において使用されたとき、A1と同様にEQEを保持するのに有効であったが、A1がLEにおいて使用されたときほど有効ではなかった。
Figure 2023554669000020
種々の実施形態が上記で説明されてきたが、それらは、限定ではなく例としてのみ提示されたことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の種々の変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、本発明が属する分野の当業者の技術レベルを示し、各個々の刊行物、特許または特許出願が、参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (46)

  1. Ag、In、Ga、及びS(AIGS)ナノ構造と、少なくとも1つのリガンドとを含み、波長約450nmの青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える変換効率(PCE)を示す、フィルム。
  2. 前記ナノ構造は、40nm未満の半値全幅(FWHM)を有する発光スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記ナノ構造は、24~38nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルム。
  4. 前記ナノ構造は、27~32nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルム。
  5. 前記ナノ構造は、29~38nmのFWHMを有する発光スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルム。
  6. 前記ナノ構造は、80~99.9%の量子収率(QY)を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. 前記ナノ構造は、85~95%のQYを有する、請求項6に記載のフィルム。
  8. 前記ナノ構造は、約86~94%のQYを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルム。
  9. 前記ナノ構造は、0.8以上のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のフィルム。
  10. 前記ナノ構造は、0.8~2.5(両端含む)の範囲内のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する、請求項9に記載のフィルム。
  11. 前記ナノ構造は、0.87~1.9(両端含む)の範囲内のOD450/質量(mLmg-1.cm-1)を有する、請求項10に記載のフィルム。
  12. 前記ナノ構造の平均直径は、TEMによって10nm未満である、請求項1~11のいずれか1項に記載のフィルム。
  13. 平均直径は、約5nmである、請求項12に記載のフィルム。
  14. 前記発光の少なくとも約80%は、バンド端発光である、請求項1~13のいずれか1項に記載のフィルム。
  15. 前記発光の少なくとも約90%は、バンド端発光である、請求項1~13のいずれか1項に記載のフィルム。
  16. 前記発光の92~98%は、バンド端発光である、請求項15に記載のフィルム。
  17. 前記発光の93~96%は、バンド端発光である、請求項15に記載のフィルム。
  18. 前記少なくとも1つのリガンドは、ポリアミノリガンドである、請求項1~17のいずれか1項に記載のフィルム。
  19. 前記少なくとも1つのポリアミノリガンドは、ポリアミノアルカン、ポリアミノシクロアルカン、ポリアミノ複素環式化合物、ポリアミノ官能化シリコーン、またはポリアミノ置換エチレングリコールである、請求項18に記載のフィルム。
  20. 前記ポリアミノリガンドは、2つまたは3つのアミノ基で置換され、任意選択的に炭素基の代わりに1つまたは2つのアミノ基を含むC2-20アルカンまたはC2-20シクロアルカンである、請求項18に記載のフィルム。
  21. 前記ポリアミノリガンドは、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミノ)、2,2-ジメチル-1,3-プロパジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、または2-メチル-1,5-ジアミノペンタンである、請求項20に記載のフィルム。
  22. 前記少なくとも1つのリガンドは、式Iの化合物であり、
    Figure 2023554669000021
    式中、
    xは、1~100であり、
    yは、0~100であり、
    は、C1-20アルキルである、請求項1~17のいずれか1項に記載のフィルム。
  23. x=19、y=3、及びR=-CHである、請求項22に記載のフィルム。
  24. 前記少なくとも1つのリガンドは、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン)、(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、DL-α-リポ酸、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、6-メルカプト-1-ヘキサノール、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.800)、ジエチルフェニルホスホナイト、ジベンジルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、ジ-tert-ブチルN,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルチオール(約m.w.2000)、メトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.750)、アクリルアミド、またはポリエチレンイミンである、請求項1~17のいずれか1項に記載のフィルム。
  25. 前記少なくとも1つのリガンドは、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び6-メルカプト-1-ヘキサノール、アミノ-ポリアルキレンオキシド(約m.w.1000)及び(3-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、ならびに6-メルカプト-1-ヘキサノール及びメトキシポリエチレングリコールアミン(約m.w.500)の組み合わせである、請求項1~17のいずれか1項に記載のフィルム。
  26. 少なくとも1つの有機樹脂を更に含む、請求項1~25のいずれか1項に記載のフィルム。
  27. 前記少なくとも1つの有機樹脂は、硬化されている、請求項26に記載のフィルム組成物。
  28. 前記フィルムの厚さは、5~15μmである、請求項1~27のいずれか1項に記載のフィルム組成物。
  29. 前記AIGS表面をコーティングする前記少なくとも1つのリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーを更に含む、請求項1~28のいずれか1項に記載のフィルム組成物。
  30. 前記少なくとも1つのモノマーは、アクリレートである、請求項29に記載のフィルム組成物。
  31. 前記モノマーは、エチルアクリレート、HDDA、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタンまたはイソボルニルアクリレートのうちの少なくとも1つである、請求項29に記載のフィルム組成物。
  32. 450nmで95%を超える青色光吸収を示す、請求項1~31のいずれか1項に記載のフィルム組成物。
  33. 前記AIGSナノ構造は、前記ナノ構造の表面から増加したガリウムから前記ナノ構造の中心の減少したガリウムまでの勾配を含む、請求項1~32のいずれか1項に記載のフィルム組成物。
  34. 請求項26~33のいずれか1項に記載のフィルムを調製する方法であって、前記方法は、
    (a)AIGSナノ構造及び前記AIGSナノ構造表面をコーティングする少なくとも1つのリガンドを提供することと、
    (b)少なくとも1つの有機樹脂を(a)のAIGSナノ構造と混合することと、
    (c)第1のバリア層上に、前記混合されたAIGSナノ構造、前記表面をコーティングする前記少なくとも1つのリガンド、及び前記少なくとも1つの有機樹脂を含む第1のフィルムを調製することと、
    (d)前記フィルムを硬化させることと、
    (e)前記第1のバリア層と第2のバリア層との間に前記第1のフィルムをカプセル化することと、を含み、
    前記カプセル化されたフィルムは、約450nmの波長を有する青色光源を使用して励起されたときに、480~545nmのピーク発光波長で32%を超える光子変換効率(PCE)を示す、前記方法。
  35. 前記方法は、前記カプセル化されたフィルムを空気中で青色LED光源に曝露する前に実施される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記方法は、不活性雰囲気下で行われる、請求項34に記載の方法。
  37. 前記方法は、
    少なくとも1つの酸素反応性材料を(a)のAIGSナノ構造及びリガンドの混合物に添加し、少なくとも1つの酸素反応性材料を(b)の前記混合物に添加し、及び/または少なくとも1つの酸素反応性材料を含む第2のフィルムを(c)で調製された前記第1のフィルムの上に形成し、及び/または酸素及び/または水を一時的に遮断する犠牲バリア層を(c)で調製された前記第1のフィルム上に形成し、前記フィルムの前記PCEを測定し、次いで前記犠牲バリア層を除去することを更に含む、請求項34に記載の方法。
  38. 前記2つのバリア層は、酸素及び/または水を排除する、請求項34に記載の方法。
  39. 前記少なくとも1つのリガンドは、ポリアミノリガンドである、請求項34~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 少なくとも1つのモノマーを、前記AIGS表面をコーティングする前記少なくとも1つのリガンドに組み込むことを更に含む、請求項34~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 請求項1~33のいずれか1項に記載のフィルムを含むデバイス。
  42. ナノ構造成形体であって、
    (a)第1の導電層と、
    (b)第2の導電層と、
    (c)前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の、請求項1~33のいずれか1項に記載のフィルムと、を含む、前記ナノ構造成形体。
  43. ナノ構造色変換体であって、
    バックプレーンと、
    前記バックプレーン上に配置されたディスプレイパネルと、
    前記ディスプレイパネル上に配置された、請求項1~33のいずれか1項に記載のフィルムと、を含む、前記ナノ構造色変換体。
  44. フィルムは、パターン化されたAIGSナノ構造を含む、請求項43に記載のナノ構造色変換体。
  45. 前記フィルムは、AIGSナノ構造と、前記AIGS表面をコーティングする前記少なくとも1つのリガンドに組み込まれた少なくとも1つのモノマーとを含む、請求項43に記載のナノ構造色変換体。
  46. 前記バックプレーンは、LED、LCD、OLED、またはマイクロLEDを含む、請求項43に記載のナノ構造色変換体。
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