JP2023545791A - 射出成形用ポリマー組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、溶融物流動性及び耐衝撃性の高度バランスを有するポリオレフィン組成物に関し、このポリオレフィン組成物は、A)と、B)とを含み、A)5g/10 min以上のMIPを有する 88質量%~99質量%のエチレンポリマーであって、MIPは、1133-2:2011に基づいて190℃及び5 kgの負荷におけるメルトフローレートであり、B)800 g/10 min以上のMIEを有する 1質量%~12質量%のブテン-1ポリマーであって、MIEは、1133-2:2011に基づいて決定された190℃及び2.16kgの負荷におけるメルトフローレートであり、A)とB)の量は、A)+B)の総重量である。【選択図】なし

Description

本開示は、エチレンポリマーと、非常に高いメルトフローレート値を有する低量のブテン-1ポリマーとを含む射出成形用ポリマー組成物に関する。
前記ブテン-1ポリマーの配合は、射出成形プロセスにおいて改善されたメルトフローインデックスを達成することを可能にするとともに、エチレンポリマーのいくつかの機械的特性を向上させる。
一般的に、射出成形は、様々なポリマー成形品、特に複雑な形状を持つものの製造に使用される。
ポリオレフィンは、ポリエチレンを含み、射出成形において最も広く用いられているプラスチックである。
射出成形プロセスでは、ポリマーに熱と圧力を印加して、溶融・流動させる。溶融物を高圧下で金型に注入する。
冷却及び固化するまで、キャビティ内の材料に圧力を保持する。温度がポリマーの変形温度よりも十分に低下したとき、金型を開けて、成形品が排出される。
したがって、射出成形用のポリオレフィンの設計において、実施可能な圧力及び温度条件下で高品質かつ均一な最終成形品を得、サイクル時間を減少させるために、高溶融物流動性が必要であることは明らかである。
ポリエチレンの場合、このような効果は、分子量と分子量分布を適切に設定することにより実現されるが、機械的特性を低下させることなく、射出成形プロセス条件下で最適な可能な溶融流動性を得るための継続的な努力が存在する。
フィッシャートロプシュワックスなどのパラフィンワックスは、一般に、射出成形プロセスにおけるポリエチレンの溶融物流動性を改善するための添加剤として用いられる。
しかしながら、ワックスを、約2質量%を超える量でポリエチレンに添加すると、均一なブレンドを得ることがより困難になってきて、溶融物流動性の改善が制限される。
また、最終的な機械的特性は通常悪くなる。
WO2010025918及びWO2007082817で記載されているように、ポリエチレンに少量のブテン-1ポリマーを添加することで、チューブ、フィルム及び繊維を製造するために用いられることが知られているが、当分野では、射出成形用組成物における加工助剤としてブテン-1ポリマーの使用は考慮されていない。
非常に高いメルトフローレート値を有するブテン-1ポリマーをエチレンポリマーに添加することにより、意図しない特性分布を有する射出成形用ポリマー組成物が得られることが分かった。
したがって、本開示は、A)と、B)とを含むポリマー組成物であって、
A)88質量%~99質量%、好ましくは90質量%~98.5質量%、より好ましくは92質量%~98.5質量%のエチレンポリマーであって、5g/10 min以上、好ましくは6g/10 min以上、より好ましくは8g/10 min以上のMIPを有し、ここで、MIPは、1133-2:2011に基づいて決定された190℃及び5kgの負荷におけるメルトフローレートであり、
B)1質量%~12質量%、好ましくは1.5質量%~10質量%、より好ましくは1.5質量%~8質量%のブテン-1ポリマーであって、800 g/10 min以上、好ましくは1000 g/10 min以上、特に800~3000 g/10 min、又は1000~3000 g/10 minのMIEを有し、ここで、MIEは、1133-2:2011に基づいて決定された190℃及び2.16kgの負荷におけるメルトフローレートであり、
A)とB)の量は、A)+B)の総重量である、ポリマー組成物を提供する。
前記組成物は、高い螺旋長さで測定された溶融物流動性と、シャルピー衝撃強度で測定された耐衝撃性の値とを有する。
本明細書で使用されるように、「エチレンポリマー」という表記は、エチレン単独重合体及びエチレン共重合体からなる群から選択されるポリマーを含み、このエチレン共重合体は、エチレンと異なるα-オレフィン共重合単量体を含有し、好ましくは3~8個の炭素原子(好ましくは共重合体の総重量に対して1質量%~10質量%の量)、及びそれらの混合物を有する。前記3~8個の炭素原子を有するα-オレフィン共重合単量体としては、例えば、プロペン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1及び4-メチルペンテン-1が挙げられる。
ブテン-1とヘキセン-1が好ましい。
「エチレンポリマー」という表記はまた、当技術分野において「単峰性」ポリマーと呼ばれる代替として単一成分からなるポリマーと、「二峰性」又は「多峰性」ポリマーである2種類以上のエチレンポリマー成分を含み、好ましくは異なる分子量を有するポリマー(ポリマー組成物)とをカバーすることが意図されている。
本明細書で使用されるように、「ブテン-1ポリマー」という表記は、ブテン-1単独重合体及びブテン-1と異なるα-オレフィン共重合単量体を含有するブテン-1共重合体からなる群から選択されるポリマーを含み、好ましくはエチレン、プロペン、5~10個の炭素原子を有するα-オレフィン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
エチレンが特に好ましい。
前記5~10個の炭素原子を有するα-オレフィンとしては、例えばヘキセン-1及びオクテン-1が挙げられる。
「ブテン-1ポリマー」という表記はまた、代替として単一成分からなるポリマーと、2種類以上のブテン-1ポリマー成分を含み、好ましくは異なる量の共重合単量体を有するポリマー(ポリマー組成物)とをカバーすることが意図されている。
A)とB)の特に好ましい量は、
- 88質量%~97質量%のA)と3質量%~12質量%のB)、又は
- 90質量%~97質量%のA)と3質量%~10質量%のB)、又は
- 92質量%~97質量%のA)と3質量%~8質量%のB)であり、
ここで、A)とB)の含有量は、A)+B)の総重量である。
ISO 1183-1:2012に従って23℃下で測定されたエチレンポリマーA)の密度の好ましい値は0.930~0.970 g/cm、特に0.940~0.965g/cmである。
エチレンポリマーA)のMIPの特に好ましい値は、
- 5~20 g/10 min、又は
- 5~15g/10 min、又は
- 6~20 g/10 min、又は
- 6~15g/10 min、又は
- 8~20 g/10 min、又は
- 8~15g/10 minである。
任意に、エチレンポリマーA)は、以下のさらなる追加特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよく、
- 50~200 g/10 min、又は50~150 g/10 min、好ましくは60~200 g/10 min、又は60~150 g/10 min、より好ましくは80~200 g/10 min、又は80~150 g/10 minのMIF値、ここで、MIFは、ISO 1133-2:2011に従って決定された190℃及び21.60 kgの負荷におけるメルトフローレートであり、
- 1~10 g/10 min、又は1~8 g/10 min、好ましくは2~10 g/10 min、又は2~8 g/10 minのMIE値、
- 5以上、特に5~20又は5~15のMIF/MIP比、
- 20以上、特に20~40又は20~35のMIF/MIE比。
本発明のエチレンポリマーA)は、市販のものを利用できる。それは、配位触媒の存在下で重合プロセスにより得られるポリマー(単独重合体と共重合体)ファミリーに属する。前記プロセス及びそれから得られるポリマーは、当技術分野で広く説明されている。
特に、重合プロセスは、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で行うことができる。
周知のように、チーグラー・ナッタ重合触媒は、周期律表の第I~III族金属の有機化合物(例えば、アルキルアルミニウム)と周期律表の第IV~VIII族遷移金属の無機化合物(例えば、ハロゲン化チタン)の反応生成物を含み、好ましくはハロゲン化マグネシウムに担持されている。このような触媒を併せて用いる重合条件も一般に公知である。
前記重合は、単一の工程で行われて、単峰性エチレンポリマーを製造するか、又は異なる重合条件下で2つ以上の工程で行われて、多峰性エチレンポリマーを製造することができる。
本発明のブテン-1ポリマーB)は、190℃で1500~20000 mPa・sec、特に2000~15000 mPa・sec、又は2500~10000 mPa・secのブルックフィールド粘度を有することが好ましい。
一実施例では、ブテン-1ポリマーB)は、共重合を有する共重合単量体含有量、特に共重合のエチレン含有量が0.5モル%~4.0モル%、好ましくは0.7モル%~3.5モル%である共重合体であってもよい。
さらなる一実施例では、ブテン-1ポリマーB)は、B1)と、B2)とを含むブテン-1共重合体組成物であってもよく、
B1)ブテン-1単独重合体又はブテン-1とエチレン、プロペン、5~10個の炭素原子を有するα-オレフィン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種共重合単量体との共重合体であって、共重合を有する共重合単量体含有量(CA1)が最大2モル%であり、
B2)ブテン-1とエチレン、プロペン、5~10個の炭素原子を有するα-オレフィン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種の共重合単量体との共重合体であって、共重合を有する共重合単量体含有量(CA2)が3~5モル%であり、
前記組成物に合計重合を有する共重合単量体含有量は、0.5モル%~4.0モル%、好ましくは0.7モル%~3.5モル%であり、B1)+B2)の和と呼ばれる。
B1)とB2)の相対量は、B1)の10質量%~40質量%、特に15質量%~35質量%、及びB2)の90質量%~60質量%、特に85質量%~65質量%の範囲内であってもよく、前記量は、B1)+B2)の和である。
ブテン-1ポリマーB)の特に好ましいMIP値は、1800 g/10 min以上、特に1800~3000 g/10 minである。
好ましくは、ブテン-1ポリマーB)は、以下の追加特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよく、
a)分子量分布(Mw/Mn)が4未満、好ましくは3未満、より好ましくは2.5未満、全ての場合に下限が好ましくは1.5であり、
b)融点(TmII)が110℃未満、好ましくは100℃未満、より好ましくは90℃未満であり、
c)融点(TmII)が80℃よりも高く、
d)ガラス転移点(Tg)が-40℃~-10℃、好ましくは-30℃~-10℃の範囲内であり、
e)150.91 MHzで動作する13C-NMRで測定されたアイソタクティックペンタッド(mmmm)は90%よりも高く、特に93%又は95%よりも高く、
f)150.91 MHz下で動作する13C-NMRで4,1挿入が検出されず、
g)X線結晶化度が25%~65%である。
任意に、ブテン-1ポリマーB)は、以下のさらなる追加特徴のうちの少なくとも1つを有していてもよく、
i)135℃下でテトラリン(THN)で測定した固有粘度(IV)が0.6 dl/g以下であり、好ましくは0.2と0.6 dl/gとの間に含まれ、
ii)Mwが30.000 g/mol以上、特に30.000~100.000 g/molであり、
iii)密度が0.885~0.925 g/cm、特に0.890~0.920 g/cmであり、
ブテン-1ポリマーB)は、メタロセン触媒系の存在下でモノマーを重合させることにより得ることができ、このメタロセン触媒系は、以下の物質を接触させることにより得ることができ、
- 立体剛性メタロセン化合物、
- アルミノキサン又はアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物、及び、任意に
- 有機アルミニウム化合物。
好ましくは、立体剛性メタロセン化合物は、下式(I)に属し、
ここで、
Mは、第4族に属する遷移金属から選択された原子であり、好ましくはMは、ジルコニウムである。
互いに同じあるいは異なるXは、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSOCF、OCOR、SR、NR又はPR基であり、ここで、Rは、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC-C20-アルキル基、C-C20-シクロアルキル基、C-C20-アリール基、C-C20-アルキルアリール基又はC-C20-アリールアルキルラジカルであり、任意に、元素の周期表の第13~17族に属するヘテロ原子を含有し、そしてR’は、C-C20-アルキレン基、C-C20-アリーレン基、C-C20-アルキル基アリーレン基又はC-C20-アリールアルキレンラジカルであり、好ましくは、Xは、水素原子、ハロゲン原子、OR’O又はR基であり、より好ましくは、Xは、塩素又はメチルラジカルであり、
互いに同じあるいは異なるR、R、R、R、R、RとRは、水素原子、又は直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC-C20-アルキル基、C-C20-シクロアルキル基、C-C20-アリール基、C-C20-アルキルアリール基又はC-C20-アリールアルキルラジカルであり、任意に、元素の周期表の第13~17族に属するヘテロ原子を含有し、又はRとR、及び/又はRとRは、任意に飽和又は不飽和の5又は6員環を形式することができ、前記環は、置換基としてC-C20アルキルラジカルをついてもよく、条件は、R又はRにおける少なくとも1つが直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC-C20-アルキル基であり、任意に、元素の周期表の第13~17族に属するヘテロ原子を含有し、C-C10-アルキルラジカルが好ましく、
互いに同じあるいは異なるRとRは、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC-C20-アルキルラジカルであり、任意に、元素の周期表の第13~17族に属するヘテロ原子を含有し、好ましくは、互いに同じあるいは異なるRとRは、C-C10-アルキルラジカルであり、より好ましくは、Rは、メチル又はエチルラジカルであり、そしてRは、メチル、エチル又はイソプロピルラジカルである。
好ましくは、式(I)の化合物は、式(Ia)を有し、

(Ia)
ここで、
M、X、R、R、R、R、RとR前述するように、
は、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC-C20-アルキルラジカルであり、任意に、元素の周期表の第13~17族に属するヘテロ原子を含有し、好ましくは、Rは、C-C10-アルキルラジカルであり、より好ましくは、Rは、メチル又はエチルラジカルである。
メタロセン化合物の具体例としては、ジメチルシリル基{(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)-7-(2,5-ジメチル-シクロペンタジエン[1,2-b:4,3-b’]-ビチオフェン)}ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル{(1-(2,4,7-トリメチルインデニル)-7-(2,5-ジメチル-シクロペンタジエン[1,2-b:4,3-b’]-ビチオフェン)}ジルコニウムジクロライドとジメチルシランジイル{(1-(2,4,7-トリメチルインデニル)-7-(2,5-ジメチル-シクロペンタジエン[1,2-b:4,3-b’]-ビチオフェン)}ジメチルジルコニウムが挙げられる。
アルミノキサンとして、メチルアルミノキサン(MAO)、テトラ-(イソブチル)アルミノキサン(TIBAO)、テトラ-(2,4,4-トリメチル-ペンチル)アルミノキサン(TIOAO)、テトラ-(2,3-ジメチルブチル)アルミノキサン(TDMBAO)及びテトラ-(2,3,3-トリメチルブチル)アルミノキサン(TTMBAO)が挙げられる。
アルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物としては、式Dの化合物であり、ここで、Dは、プロトンを提供し、式(I)のメタロセンの置換基Xと不可逆的に反応することができるブレンステッド酸(Bronsted acid)であり、また、Eは、2つの化合物の反応に由来する活性触媒物質を安定化することができ、そしてオレフィンモノマーによって除去することができるように十分に不安定である相溶性アニオンである。好ましくは、アニオンEは、1つ以上のホウ素原子を含む。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリス(2,4,4-トリメチル-ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3-ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)及びトリス(2,3,3-トリメチルブチル)アルミニウムTTMBA)が挙げられる。
前記触媒系及びそのような触媒系を用いた重合プロセスの具体例としては、WO2004099269及びWO2009000637を参照されたい。
重合プロセスは、液相中で、任意に不活性炭化水素溶媒の存在下、又は気相中で、流動床を用いるか、気相反応器を機械的撹拌して動作することによって、前記触媒で行うことができる。
炭化水素溶媒は、芳香族(例えば、トルエン)又は脂肪族(例えば、プロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサン及び2,2,4-トリメチルペンタン、イソドデカンなど)であってもよい。
好ましくは、重合媒体として液体ブテン-1を用いることにより重合プロセスを行う。重合温度は、20℃~150℃、特に50℃~90℃の間、例えば65℃~82℃であってもよい。
重合反応の液相中の水素濃度(モルppm H/ブテン-1モノマー)は、通常、1800 ppm~6000 ppm、特に1900 ppm~5500 ppmである。
本発明のブテン-1ポリマーに上述した2つの成分B1)及びB2)が含まれる場合、別途に製造されてもよく、そして単軸押出機及び二軸スクリュー押出機などの公知のポリマー加工装置を用いて溶融状態で一緒にブレンドしてもよい。
しかしながら、前記成分を含む本発明のブテン-1ポリマーは、重合において直接製造することができる。
したがって、この場合、重合プロセスは、直列に接続された2つ以上の反応器で行われる少なくとも2つの連続段階を含み、ここで、成分B1)及びB2)は、別々の後続段階で調製され、第1の段階を除く各段階において、形成されたポリマー及び前段階で使用される触媒の存在下で動作する。
触媒は、第1の反応器にのみ添加されてもよく、又は複数の反応器に添加されてもよい。
800 g/10 min以上のMIEを有するブテン-1ポリマーB)の具体例は、WO2006045687、WO2018007279、WO2018007280、WO2020016143及びWO2020016144に開示されている。
本発明のポリマー組成物は、成分を溶融及びブレンドすることによって製造することができ、そしてブレンドは、ブレンド装置において、通常、180~310℃、好ましくは190~280℃、より好ましくは200~250℃の温度で行われる。全ての公知の装置及び技術は、この目的に用いることができる。
この文脈において有用な溶融ブレンド装置は、特に押出機又は混練機であり、特に二軸スクリュー押出機が好ましい。各成分を混合装置にて室温で予備混合することもできる。
この方法は、予備混合成分形態の本発明のポリマー組成物を、最終成形品を製造するための加工装置に直接投入することによって、前の溶融ブレンド工程を省略することができる。
ポリマー組成物の製造時に、成分A)とB)及び他の任意のポリマー成分に加えて、安定剤(耐熱、光、UV)、可塑剤、制酸剤、帯電防止剤及び撥水剤、顔料などの当分野でよく使われる添加剤を導入してもよい。
上記したように、本発明のポリマー組成物は、高い耐衝撃性の値を有する。
特に、
- 23℃下で5~70 kJ/mのシャルピー、
- 0℃下で4~50 kJ/mのシャルピー、
- 20℃下で2~40 kJ/mのシャルピーのうちの少なくとも1つを有することが好ましい。
前記シャルピー値は、成形後48時間で、ISO 179/1eAに従って測定したものである。
本発明のポリマー組成物は、比較的低い曲げ弾性率値をさらに有し、それは、好ましくは成分A)の曲げ弾性率よりも低く、改善された柔軟性に変換される。
特に、本発明のポリマー組成物は、好ましくは、成形後48時間で、規格ISO 178:2019に従って測定した500~1000 MPa、より好ましくは、500~900 MPaの曲げ弾性率を有する。
本発明のポリマー組成物は、従来の射出成形機にて加工することができる。得られた成形品上の粗滑度は、均一であり、射出速度を増大させるか、又は金型温度を高めることによって、さらに改善させることができる。
溶融物流動性が高いため、押出成形品、特に押出ケーブル被覆の製造にも使用することができる。
したがって、本開示は、本発明のポリマー組成物を含む射出成形品又は押出成形品をさらに提供する。
具体例
ここで提供される様々な実施例、組成物及び方法は、以下の具体例に開示される。これらの具体例は、本質的に例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
以下の分析方法は、ポリマー組成物を特徴付けるために用いられる。
MIF、MIEとMIP
規格ISO 1133-2:2011に従って190℃と規定負荷において決定される。
密度
ISO 1183-1:2012に基づいて、23℃で測定される。
ブルックフィールド粘度
試験速度を変化させることができる駆動モータと、約80%のトルクを達成かつ維持することができる一組の心軸とを備える円筒型心軸回転粘度計HA、アメテック/ベネルクス経済同盟(Ametek/Benelux)科学モデルDV2Tによって190℃で測定される。
選択された心軸/チャンバの組み合わせは、SC4-27/SC4-13R/RPである。
試験中、トルク値の約80%に到達かつ維持するまで、試料に段階的な回転を増加させる。10 RPMで回転を開始し、その後、5秒ごとに2 RPMを徐々に増加させる。
mPa*sで表されるブルックフィールド粘度は、せん断応力(mPa)/せん断速度(sec-1)比として算出され、最後の20分取得中に得られた結果(1データ点/分)により決定される。
固有粘度(IV)
テトラリン中の標準ASTM D 2857に基づいて135℃で決定される。
共重合単量体含有量
成分A)
ブルーカー(Bruker)からのFT-IR分光計Tensor 27を用いて、ASTM D 6248 98に基づいてIRによって共重合単量体含有量を決定する。
成分B)
共重合単量体含有量は、FT-IRによって決定される。
ポリマーのプレス膜のスペクトルは、吸光度対波数(cm-1)で記録される。以下の測定値でエチレン含有量を算出する。
a)膜厚のスペクトル規格化に用いられる4482と3950 cm-1との間の複合吸収帯の面積(A)。
b)ポリマー試料のスペクトル及びメチレン基(CHシェイク振動)によるシーケンスBEEとBEB(B:1,ブテン単位、E:エチレン単位)の吸収帯との間のデジタル減算の減算因子(FCRC2)。
c)CPBスペクトルを減算した残存帯の面積(AC2、ブロック)。それは、メチレン基のシーケンスEEE(CHシェイク振動)に由来する。
設備
上述したスペクトル測定を提供することができるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いる。
200℃に加熱可能なプラテンを有する油圧プレス(Carver又は等価物)を用いる。
方法
(BEB+BEE)シーケンスの較正
%(BEB+BEE)wt対FCRC2/Aをプロットすることで、較正直線を得る。傾斜度Gと切片Iは、線形回帰により算出される。
EEEシーケンスの較正
%(EEE)wt対AC2、ブロック/Aをプロットすることで、較正直線を得る。傾斜度Gと切片Iは、線形回帰により算出される。
試料調製
油圧プレスを用いて、2枚のアルミニウム箔間でg 1.5の試料をプレスすることにより厚シートを得る。均一性の問題があれば、最低2回のプレス操作を行うことを提案する。このシートからごく一部を切り出して膜を成形する。推奨膜厚は、0.1~0.3 mmである。
プレス温度は、140±10℃である。
結晶相改質が経時的に発生するため、試料膜が成形されると、そのIRスペクトルを収集することが提案されている。
プログラム
機器のデータ収集パラメータは以下のとおりであり、
パージ時間: 最低30秒。
収集時間: 最低3分。
アポダイゼーション: Happ-Genzel。
分解能: 2 cm-1
空気背景に対する試料のIRスペクトルを収集する。
算出
エチレン単位のBEE+BEBシーケンスの重量濃度を算出する。
上述した減算後の残存面積(AC2,ブロック)は、残存帯肩部間のベースラインを用いて算出される。
エチレン単位のEEEシーケンスの重量濃度を算出する。
エチレンの総量の重量パーセントを算出する。
熱特性(溶融温度とエンタルピー)
後述するように、示差走査熱量測定(D.S.C.)は、パーキンエルマー(Perkin Elmer)DSC-7機器にて決定される。
-TmII(2回目の加熱運転で測定された溶融温度)を決定するために、重合により得られた重み付け試料(5~10 mg)をアルミニウム製パンに封止し、200℃で10℃/分に対応する走査速度で加熱する。試料を全ての微結晶が完全に溶融するように200℃で5分間保持し、それによって試料の熱履歴を除去する。次に、10℃/分に対応する走査速度で-20℃まで冷却した後、ピーク温度を結晶温度(Tc)とする。-20℃で5分間静置した後、試料を10℃/minに対応する走査速度で、200℃で2回目加熱する。この2回目加熱運転において、測定したピーク温度をTmII)とする。複数のピークが存在する場合、最も高い(最も強い)ピークをTmIIとする。ピーク(又は複数のピーク)における面積を総溶融エンタルピー(DH TmII)とする。
- 老化後の溶融エンタルピーと溶融温度も、パーキンエルマーDSC-7機器を用いた示差走査熱量測定法(D.S.C.)によって以下のように測定される。重合により得られた重み付け試料(5~10 mg)をアルミニウム製パンに封止し、200℃で10℃/分に対応する走査速度で加熱する。試料を全ての微結晶が完全に溶融するように200℃で5分間保持する。そして試料を室温で10日間保管する。10日後、試料をDSCに供し、-20℃まで冷却し、そして10℃/minに対応する走査速度で、200℃で加熱した。この加熱運転において、ピーク温度を溶融温度(TmI)とする。複数のピークが存在する場合、最も高い(最も強い)ピークをTmIとする。ピーク(又は複数のピーク)における面積を10日後の総溶融エンタルピー(DH TmI)とする。
鎖構造のNMR解析
13C NMRスペクトルは、120℃でフーリエ変換モードにより150.91 MHzで動作し、凍結プローブを備えたブルカーAV-600分光計上で取得される。
bd炭素のピーク(C. J. Carman, R. A. HarringtonとC. E. Wilkesの命名法により、<高分子(Macromolecules)>、10、、536(1977))は、内部参照として37.24 ppmで利用される。試料を120℃で1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2に8% wt/v濃度で溶解する。90°パルスで各スペクトルを取得し、パルス間の15秒の遅延及びCPDでH-13Cカップリングを除去する。9000 Hzのスペクトルウインドウを用いて、約512個の過渡状態を32Kデータ点に格納する。
Kakugo[M. Kakugo, Y. Naito, K. MizunumaとT. Miyatake,<高分子>、16、、1160(1982)]とRandall[J. C. Randall,<高分子化学及び物理Macromol.Chem Phys.)>、C30,211(1989)]に基づいて、以下の各項を用いてスペクトルに値を付与し、三元分布と組成を評価する。
BBB = 100 (Tbb)/S = I5
BBE = 100Tbd/S = I4
EBE= 100 Pdd /S= I14
BEB = 100 Sbb/S = I13
BEE= 100 Sad/S = I7
EEE = 100(0.25 Sgd+0.5 Sdd)/S = 0.25 I9+ 0.5I10
第1の近似値については、以下のように2B2炭素でmmmmを算出する。
mmmm =B*100/(B+B-2*A-A-A14
GPCによる分子量の決定
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)で測定する。全ての試料の分子量パラメータ(Mn、Mw)と分子量分布Mw/Mnは、PolymerCharのGPC-IR装置を用いて測定し、この装置は、4つのPLgel Olexis混合床(ポリマー実験室)のカラム群とIR5赤外線検出器PolymerChar)とを備えている。カラムサイズは、300 × 7.5 mmであり、粒径は、13 μmである。移動相流速は、1.0 mL/minに維持する。全ての測定は150℃で行われる。溶液濃度は、2.0 mg/mL(150℃で)であり、そして0.3 g/Lの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを添加して分解を防止する。GPC計算には、PolymerCharから提供された12個のポリスチレン(PS)標準試料(ピーク分子量範囲266~1220000)を用いて汎用校正曲線を得る。3次の多項式フィッティングで実験データを補間し、関連する較正曲線を得る。Empower 3(Waters)を用いることによりデータ収集と処理を行う。マーク-フウィンク(Mark-Houwink)関係を用いて分子量分布及び関連平均分子量を決定する。PSとポリブテン(PB)のK値は、それぞれKPS = 1.21 × 10-4dL/g及びKPB = 1.78 × 10-4 dL/gであり、PSのマーク-フウィンク指数a=0.706、とPBのマーク-フウィンク指数a=0.725を併用する。
ブテン/エチレン共重合体の場合、データ評価にとって、各試料の組成が分子量の全範囲で一定であると仮定し、マーク-フウィンク関係のK値は、以下で報告される線形組み合わせを用いて算出される。
ここで、KEBは、共重合体の定数であり、KPE(4.06× 10-4、dL/g)とKPB(1.78 × 10-4 dL/g)は、ポリエチレン(PE)とPBの定数であり、xとxは、エチレンとブテン重量相対量であり、ここで、x + x = 1である。マーク-フウィンク指数a=0.725は、全てのブテン/エチレン共重合体の組成に独立して使用される。全ての試料の最終処理データ処理は、分子量当量において1000以上のフラクションを含むように固定されている。GCを介して1000以下のフラクションを検討する。
X線結晶化度の決定
X線結晶化度は、固定スリットを有するCu-Kα1放射を使用し、回折角2Θ=5°と2Θ=35°との間のスペクトルを6秒ごとに0.1°のステップサイズで収集することができる粉末X線回折分析装置(XDPD)を用いて測定される。
試料は、押圧成形により製造され、厚さが約1.5~2.5 mm、直径が2.5~4.0 cmである磁気ディスクである。磁気ディスクを室温(23℃)で96時間老化させる。
この調製後、試料をXDPD試料支持器に挿入する。6秒の計数時間を用いて回折角2Θ = 5°~2Θ = 35°から0.1°のステップサイズで試料のXRPDスペクトルを収集し、終了時に最終スペクトルを収集するようにXRPD装置を調整する。
Taを計数/sec・2Θで表されるスペクトル輪郭とベースラインとの間の総面積、Aaを計数/sec・2Θで表される総無定形面積と定義し、Caは、計数/sec・2Θで表される総結晶面積である。
以下のステップでスペクトル又は回折パターンを分析し、
1)スペクトル全体のために適切な線形ベースラインを定義し、スペクトル輪郭とベースラインとの間の総面積(Ta)を算出し、
2)相モデルに基づいて無定形領域を結晶領域から分離する適切な無定形プロファイルをスペクトル全体に沿って定義し、
3)無定形輪郭とベースラインとの間の面積である無定形面積(Aa)を算出し、
4)スペクトル輪郭と無定形輪郭との間の面積として、結晶面積(Ca)、例えばCa = Ta- Aa を算出し、
5)次式により試料の結晶化度(%Cr)を算出し、
%Cr = 100 x Ca / Ta
DMTA(動的機械熱分析)のガラス転移点を介して76 mm×13 mm×1 mmの成形試料をDMTA機械上に固定し、引張応力に用いられる。試料の張力と依存周波数を1 Hzに固定する。DMTAは、試料の弾性応答を-100℃から130℃に変換する。このようにして、温度に対する弾性応答のグラフを作成することができる。粘弾性材料の弾性係数をE=E’+iE”と定義する。DMTAは、それらの共振及びグラフE’及びE’/E” = tan (δ)を介して、温度を2つの成分E’とE”に分割することができる。ガラス転移点Tgを温度の最大値に対する曲線E’/E” = tan (δ)の温度と仮定する。
シャルピー衝撃強度
ISO 179/1eAに従って成形48時間後、23℃、0℃及び-20℃で測定する。
曲げ弾性率
ISO 178:2019に従って成形48時間後に測定する。
螺旋流動性試験(螺旋長さ)
螺旋厚さが2.5 mmである螺旋金型を備えたRipress FL 170 HES装置にて螺旋流動性試験を行う。
ポリマー試験対象を、以下の条件下で3mmプレス金型を介して螺旋金型のキャビティに注入し、
- 原料温度230℃、
- 注射位置=0.1 mmに設定することにより投影ステップを排除し、
- 29バール~126バールの油圧保持圧力は、300バール~1220バールのポリマー材料上の圧力に相当し、
- スクリュー直径50 mm、
- 金型温度40℃、及び
- 閉鎖圧力170 t。
螺旋長さは、冷却後に螺旋金型から取り出した固体ポリマー螺旋の長さである。
螺旋長さが長いほど、ポリマーが射出成形プロセス条件下で加工しやすくなる。
具体例1~6及び比較例1~4
後述する材料を用いる。
エチレンポリマーA)
高密度ポリエチレンは、0.955 g/cm密度、11.0 g/10 minMIP、105g/10 minMIF及び4 g/10 minMIEを有し、バーゼル(Basell)により商標ホスタロン(Hostalen)GD 7255 LSで販売されている。
ブテン-1ポリマーB)
2種類の異なるポリマー、即ちブテン-1ポリマーB)-Iとブテン-1ポリマーB)-IIを用いる。
ブテン-1ポリマーB)-I
以下で記述されるように、調製する。
触媒溶液の調製
窒素雰囲気下で、イソドデカンにおける6400gのトリイソブチルアルミニウム(TIBA)33 g/L溶液とトルエンにおける567gのメチルアルミノキサン(MAO)の30% wt/wt溶液を20 Lジャケット付きガラス反応器に充填し、アンカー撹拌機により撹拌し、室温で約1時間撹拌反応させる。
そして、WO0147939の具体例32に基づいて調製されたメタロセンジメチルシリル基{(2,4,7-トリメチル-l-インデニル)-7-(2,5-ジメチル-シクロペンタジエン[l,2-b:4,3-b’]-ビチオフェン)}ジルコニウムジクロライド1.27 gを加え、撹拌して約30分溶解させる。
最終溶液はフィルターを介して反応器から円筒に排出されて、最終的な固体残渣を除去する。
得られた溶液の組成:
重合
重合は、直列に動作される2つの撹拌反応器にて行われ、そのうち、液体ブテン-1が液体媒体を構成する上記触媒溶液を2つの反応器に投入する。重合条件を表1に記載する。ブテン-1/エチレン共重合体は、溶融物として溶液から回収され、ペレットに切断される。さらに共重合体を特徴付け、データを表2に記録する。
注:C2-=エチレン、kg/gMe=メタロセン1グラム当たりのポリマーのキログラム、分割=関連する反応器中で生成されるポリマーの量。
ブテン-1ポリマーB)-II
ブテン-1ポリマーB)-Iと同じの触媒溶液及び同じの重合装置を用いて、直列に動作する前記2つの撹拌反応器で重合され、そのうち、液体ブテン-1が液体媒体を構成する。触媒溶液を2つの反応器に注入し、75℃の重合温度で重合を連続的に行う。各反応器における滞留時間は120÷200 minの範囲内である。重合中の水素濃度は4900 ppm mol H/(C4-)本体であり、ここで、C4-=ブテン-1である。共重合単量体は、C2-/C4- 0.35%wtの量で反応器に投入される。エチレン共重合単量体はほぼ直ちに共重合する(C2-「化学定量論」反応器に投入される)。触媒収量(マイル数)は、2000 kg/gメタロセン活性成分である。ブテン-1共重合体は、溶融物として溶液から回収され、ペレットに切断される。さらに共重合体を特徴付け、データを表3に記録する。
ワックス(比較)
フィッシャー・トロプシュワックスは、(ASTM D 3954に従って測定されたもの)が116℃、25℃での浸透度(ASTM D 1321に従って測定されたもの)が0.1 mm、そして135℃でのブルックフィールド粘度(サゾールワックス(Sasol Wax)011方法により測定されたもの)が12 CPである滴融点を有し、サゾールが商標EnHance FGで販売されている。
ポリマー組成物の調製
具体例1~6
以下の表4に記載される量で前記ブテン-1ポリマーB)-IとB)-II をエチレンポリマーA)とブレンドし、そのうち、得られたポリマー組成物の最終特性も記載されている。
比較例1~4
次の表5において、比較例1に純態のエチレンポリマーA)の特性を記載している。
比較例2~4では、表5に記載される量で前記フィッシャー・トロプシュワックスをエチレンポリマーA)とブレンドし、そのうち、得られたポリマー組成物の最終特性も記載されている。
表4と5に記載される量は、ポリマー組成物の総重量に対する重量パーセントで表される。
具体例1~6と比較例2~4の組成物は、成分をオフラインドライブレンドし、螺旋流動試験に用いられる射出成形装置のホッパーに投入することによって調製される。
このため、溶融ブレンド工程は、前記射出成形装置にて行われる。

Claims (9)

  1. A)と、B)とを含むポリマー組成物であって、
    A)88質量%~99質量%、好ましくは90質量%~98.5質量%、より好ましくは92質量%~98.5質量%のエチレンポリマーであって、5g/10 min以上、好ましくは6g/10 min以上、より好ましくは8g/10 min以上のMIPを有し、ここで、MIPは、1133-2:2011に基づいて決定された190℃及び5kgの負荷におけるメルトフローレートであり、
    B)1質量%~12質量%、好ましくは1.5質量%~10質量%、より好ましくは1.5質量%~8質量%のブテン-1ポリマーであって、800 g/10 min以上、好ましくは1000 g/10 min以上、特に800~3000 g/10 min、又は1000~3000 g/10 minのMIEを有し、ここで、MIEは、1133-2:2011に基づいて決定された190℃及び2.16kgの負荷におけるメルトフローレートであり、
    A)とB)の量は、A)+B)の総重量である、ポリマー組成物。
  2. 190℃におけるブテン-1ポリマーB)のブルックフィールド粘度は、1500~20000 mPa・sec、特に2000~15000 mPa・sec、又は2500~10000 mPa・secである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ブテン-1ポリマーB)は、ブテン-1単独重合体及びブテン-1と異なるα-オレフィン共重合単量体を含有するブテン-1の共重合体、好ましくはエチレン、プロペン、5~10個の炭素原子を有するα-オレフィン及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 共重合を有する前記ブテン-1ポリマーB)共重合単量体含有量、特に共重合されたエチレン含有量は、0.5モル%~4.0モル%、好ましくは0.7モル%~3.5モル%である請求項3に記載の組成物。
  5. 前記ブテン-1ポリマーB)は、以下の追加特徴、すなわち、
    a)分子量分布(Mw/Mn)が4未満、好ましくは3未満、より好ましくは2.5未満、全ての場合に下限が好ましくは1.5であること、
    b)融点(TmII)が110℃未満、好ましくは100℃未満、より好ましくは90℃未満であること、
    c)融点(TmII)が80℃よりも高いこと、
    d)ガラス転移点(Tg)が-40℃~-10℃、好ましくは-30℃~-10℃の範囲内であること、
    e)150.91 MHzで動作する13C-NMRで測定されたアイソタクティックペンタッド(mmmm)は90%よりも高く、特に93%又は95%よりも高いこと、
    f)150.91 MHz下で動作する13C-NMRで4,1挿入が検出されないこと、
    g)X線結晶化度が25%~65%であることのうちの少なくとも1つを有する請求項1又は2に記載の組成物。
  6. エチレンポリマーA)は、ISO 1183-1:2012に従って23℃で測定された0.930~0.970 g/cm、特に0.940~0.965g/cmの密度を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  7. 前記エチレンポリマーA)は、以下の追加特徴、すなわち、
    - 50~200 g/10 min、又は50~150 g/10 min、好ましくは60~200 g/10 min、又は60~150 g/10 min、より好ましくは80~200 g/10 min、又は80~150 g/10 minのMIF値、ここで、MIFは、ISO 1133-2:2011に従って決定された190℃と21.60 kgの負荷におけるメルトフローレートであること、
    - 1~10 g/10 min、又は1~8 g/10 min、好ましくは2~10 g/10 min、又は2~8 g/10 minのMIE値、
    - 5以上、特に5~20又は5~15のMIF/MIP比、
    - 20以上、特に20~40又は20~35のMIF/MIE比のうちの少なくとも1つを有する請求項1又は2に記載の組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のポリオレフィン組成物を含む成形品。
  9. 射出成形品又は押出成形品である、請求項8に記載の成形品。
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