JP2023535409A - Brm分解の抗体コンジュゲート化化学的誘導物質及びbrm分解の方法 - Google Patents
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Abstract
ここに記載の主題は、分解のためにBRMを標的化する抗体-CIDEコンジュゲート(Ab-CIDE)、それらを含有する医薬組成物、並びにBRM分解が有益である疾患及び状態の治療におけるそれらの使用、に関する。【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月21日に出願された米国特許出願第63/054,757号の優先権及び利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年7月21日に出願された米国特許出願第63/054,757号の優先権及び利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
配列表の公式コピーは、2021年7月20日に作成された44,936バイトのサイズを有するP36010-WO_SL.txtというファイルを有するASCII形式の配列表としてEFS-Webを介して電子的に提出され、明細書と同時に提出される。このASCII形式の文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
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分野
本明細書に記載の主題は、一般に、標的BRMタンパク質の細胞内分解を促進するのに有用な抗体-タンパク質分解標的化キメラ分子を含むデグレーダーコンジュゲートに関する。
本明細書に記載の主題は、一般に、標的BRMタンパク質の細胞内分解を促進するのに有用な抗体-タンパク質分解標的化キメラ分子を含むデグレーダーコンジュゲートに関する。
背景
細胞維持及び正常な機能は、細胞タンパク質の制御された分解を必要とする。例えば、調節タンパク質の分解は、DNA複製、染色体分離などの細胞周期における事象を引き起こす。したがって、そのようなタンパク質の分解は、細胞の増殖、分化、及び死に影響を及ぼす。
細胞維持及び正常な機能は、細胞タンパク質の制御された分解を必要とする。例えば、調節タンパク質の分解は、DNA複製、染色体分離などの細胞周期における事象を引き起こす。したがって、そのようなタンパク質の分解は、細胞の増殖、分化、及び死に影響を及ぼす。
タンパク質の阻害剤は、細胞内のタンパク質活性を遮断又は低下させることができるが、細胞内のタンパク質分解はまた、活性を低下させるか又は標的タンパク質を完全に除去することができる。したがって、細胞のタンパク質分解経路を利用することは、タンパク質活性を低下させる又は除去するための手段を提供することができる。細胞の主要な分解経路の1つは、ユビキチン-プロテアソーム系として知られている。この系では、タンパク質は、タンパク質をユビキチン化することによってプロテアソームによる分解のためにマークされる。タンパク質のユビキチン化は、タンパク質に結合し、ユビキチン分子をタンパク質に付加するE3ユビキチンリガーゼによって達成される。E3ユビキチンリガーゼは、E1及びE2ユビキチンリガーゼを含む経路の一部であり、これらは、ユビキチンをE3ユビキチンリガーゼに利用可能にしてタンパク質に付加する。
この分解経路を利用するために、化学的分解誘導物質(CIDE)として知られている分子構築物は、E3ユビキチンリガーゼを分解の標的となるタンパク質と一緒にさせる。プロテアソームによる分解のためのタンパク質を促進するために、CIDEは、E3ユビキチンリガーゼに結合する基及び分解のためのタンパク質標的に結合する基から構成される。これらの基は、典型的には、リンカーで連結されている。このCIDEは、E3ユビキチンリガーゼをタンパク質に近接させることができ、その結果、E3ユビキチンリガーゼはユビキチン化され、分解のために標識される。しかし、比較的大きなサイズのCIDEは、標的化送達に問題があるだけでなく、迅速な代謝/クリアランス、短い半減期、及び低いバイオアベイラビリティなどの望ましくない特性に寄与する可能性がある。
タンパク質標的を含有する細胞へのCIDEの標的化送達の増強を含む、CIDEを改善するための継続的な必要性が当技術分野において存在する。本明細書に記載の主題は、当技術分野におけるこの欠点及びその他の欠点に対処する。
簡単な概要
一態様において、本明細書中に記載される主題は、コンジュゲートされた、又は共有結合的に連結されたAb-CIDEであって、Ab-CIDEの構成要素を連結する共有結合の位置:抗体(Ab)、リンカー1(L1)、リンカー2(L2)、タンパク質結合基(PB)及びE3リガーゼ結合基(E3LB)は、効能、インビボ薬物動態、安定性及び溶解性などの望ましい特性を有するAb-CIDEを調製するために所望に応じて調整することができる。
一態様において、本明細書中に記載される主題は、コンジュゲートされた、又は共有結合的に連結されたAb-CIDEであって、Ab-CIDEの構成要素を連結する共有結合の位置:抗体(Ab)、リンカー1(L1)、リンカー2(L2)、タンパク質結合基(PB)及びE3リガーゼ結合基(E3LB)は、効能、インビボ薬物動態、安定性及び溶解性などの望ましい特性を有するAb-CIDEを調製するために所望に応じて調整することができる。
一態様では、本明細書に記載される主題は化学構造:
Ab-(L1-D)p
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、
BRMは、BRM結合化合物の残基であり、
E3LBは、E3リガーゼ結合化合物の残基であり、
L2は、BRMをE3LBと共有結合させる部分である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグであり、
L1は、AbをBRM、E3LB又はL2の1つに共有結合させるリンカー-1であり、並びに
pは、1~16である]
を有するAb-CIDEに関する。
Ab-(L1-D)p
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、
BRMは、BRM結合化合物の残基であり、
E3LBは、E3リガーゼ結合化合物の残基であり、
L2は、BRMをE3LBと共有結合させる部分である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグであり、
L1は、AbをBRM、E3LB又はL2の1つに共有結合させるリンカー-1であり、並びに
pは、1~16である]
を有するAb-CIDEに関する。
別の態様では、本明細書に記載される主題は化学構造:
Ab-(L1-D)p
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、L1は、L1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、並びに存在する場合には任意に、L1-U、L1-V及びL1-Yから選択される1つの結合点に結合しており、
L1Qは、BRM上の
にあり、ここでMはOであり、
L1-Q’は、BRM上の
にあり、ここでM’は-NHであり、
L1-Sは、L2上の
にあり、
L1-Tは、E3LB上の
にあり、ここでAはL2に共有結合した基であり、
L1-U及びL1-Vは、E3LB上の
にあり、並びに
L1-Yは、E3LB上の
にあり、ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
Ab-(L1-D)p
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、L1は、L1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、並びに存在する場合には任意に、L1-U、L1-V及びL1-Yから選択される1つの結合点に結合しており、
L1Qは、BRM上の
にあり、ここでMはOであり、
L1-Q’は、BRM上の
にあり、ここでM’は-NHであり、
L1-Sは、L2上の
にあり、
L1-Tは、E3LB上の
にあり、ここでAはL2に共有結合した基であり、
L1-U及びL1-Vは、E3LB上の
にあり、並びに
L1-Yは、E3LB上の
にあり、ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
別の態様では、本明細書に記載される主題は化学構造:
Ab-(L1-D)p、
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、
R3は、シアノ、
であり、
ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
Ab-(L1-D)p、
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、
R3は、シアノ、
であり、
ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
別の態様では、本明細書に記載される主題は化学構造:
Ab-(L1-D)p、
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成する)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
Ab-(L1-D)p、
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成する)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグである]
を有するAb-CIDEに関する。
別の態様では、本明細書に記載される主題は化学構造:
Ab-(L1-D)p
[式中、
Dは、構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、
E3LBは、L2に共有結合しており、該E3LBは、以下の式:
(式中、
R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNである)
を有し、
L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、該L2は、以下の式:
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有し、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、以下の構造:
を有し;
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
qは、1又は0であり、
及び、
pは、約1~約8の値を有する]
を有するAb-CIDEに関する。
Ab-(L1-D)p
[式中、
Dは、構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、
E3LBは、L2に共有結合しており、該E3LBは、以下の式:
(式中、
R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNである)
を有し、
L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、該L2は、以下の式:
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有し、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、以下の構造:
を有し;
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
qは、1又は0であり、
及び、
pは、約1~約8の値を有する]
を有するAb-CIDEに関する。
本明細書中に記載される主題の別の態様は、Ab-CIDEと、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物である。
本明細書中に記載される主題の別の態様は、Ab-CIDEを含む医薬組成物を対象に投与することによって状態及び疾患を治療する方法におけるAb-CIDEの使用である。
本明細書に記載の主題の別の態様は、Ab-CIDEを作製する方法である。
本明細書に記載の主題の別の態様は、Ab-CIDE、容器、及び医薬組成物が疾患又は状態を治療するために使用され得ることを示す添付文書又はラベルを含む医薬組成物を含む製造品である。
さらに他の実施形態も本明細書で完全に説明される。
詳細な説明
SMARCA2としても知られるBRMの標的化タンパク質分解、並びに関連する疾患及び障害の治療に有用な抗体-化学的分解誘導物質(「CIDE」)コンジュゲート(本明細書では「Ab-CIDE」と呼ばれる)が本明細書に開示される。特に、本開示は、標的タンパク質がユビキチンリガーゼに近接して配置されて分解をもたらし、したがってBRMを調節するように、一端にVon Hippel-Lindau E3ユビキチンリガーゼに結合するリガンドを含み、他端にBRM(標的タンパク質)に結合する部分を含む抗体コンジュゲート化CIDESに関する。本明細書に記載されるように、連結戦略及びリンカーの種類を調節し、調節がBRMに対するCIDEの活性に有利な効果を有し得ることを示すデータを報告する。
SMARCA2としても知られるBRMの標的化タンパク質分解、並びに関連する疾患及び障害の治療に有用な抗体-化学的分解誘導物質(「CIDE」)コンジュゲート(本明細書では「Ab-CIDE」と呼ばれる)が本明細書に開示される。特に、本開示は、標的タンパク質がユビキチンリガーゼに近接して配置されて分解をもたらし、したがってBRMを調節するように、一端にVon Hippel-Lindau E3ユビキチンリガーゼに結合するリガンドを含み、他端にBRM(標的タンパク質)に結合する部分を含む抗体コンジュゲート化CIDESに関する。本明細書に記載されるように、連結戦略及びリンカーの種類を調節し、調節がBRMに対するCIDEの活性に有利な効果を有し得ることを示すデータを報告する。
本明細書に記載の主題は、抗体標的化を利用して、CIDEを標的細胞又は組織に誘導する。本明細書中に記載されるように、抗体をCIDEに連結してAb-CIDEを形成することにより、CIDEが標的細胞又は標的組織に送達されることが示されている。本明細書において、例えば実施例において示されるように、抗原を発現する細胞は、抗原特異的Ab-CIDEによって標的化され得て、それにより、Ab-CIDEのCIDE部分が標的細胞内に送達される。細胞上に見られない抗原に対する抗体を含むCIDEは、細胞へのCIDEの有意な細胞内送達をもたらさない。
したがって、本明細書中に記載される主題は、標的タンパク質のユビキチン化及びその後のタンパク質の分解をもたらすAb-CIDE組成物に関する。組成物は、リンカー1(L1)に共有結合した抗体を含み、これは、CIDEへの任意の利用可能な結合点で共有結合しており、CIDEは、E3ユビキチンリガーゼ結合(E3LB)部分を含み、E3LB部分は、VHLであるE3ユビキチンリガーゼタンパク質を認識し、リンカー2(L2)は、E3LB部分をタンパク質結合部分(PB)に共有結合し、これは、BRM又はSMARCA2である標的タンパク質を認識する部分である。本明細書に記載の主題は、タンパク質活性を分解し、したがって調節し、タンパク質活性に関連する疾患及び状態を治療するために有用である。
ここで、本明細書に開示されている主題を以下により完全に記載する。しかし、本明細書で説明する、本明細書にて開示する主題の多くの修正及び他の実施形態が、前述の記載にて提示される教示の利益を有する、本明細書にて開示する主題が関係する当業者に想到されるであろう。したがって、本明細書にて開示する主題は、開示した特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると意図されるものと考えられるべきである。換言すれば、本明細書に記載されている主題は、全ての代替物、変更及び均等物を包含する。組み込まれる文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、定義される用語、用語の用法、記載される技術等を非限定的に含む、本出願と異なるか、又は矛盾する場合は、本出願が優先される。別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。
I.定義
「CIDE」という用語は、一般に3つの成分、E3ユビキチンリガーゼ結合基(E3LB)、リンカーL2、及びタンパク質結合基(PB)を有するタンパク質分解標的化キメラ分子である、化学的分解誘導物質(Chemical Inducers of DEgradation)を指す。
「CIDE」という用語は、一般に3つの成分、E3ユビキチンリガーゼ結合基(E3LB)、リンカーL2、及びタンパク質結合基(PB)を有するタンパク質分解標的化キメラ分子である、化学的分解誘導物質(Chemical Inducers of DEgradation)を指す。
「残基」、「部分」、「一部」、又は「基」という用語は、別の成分に共有結合又は連結された成分を指す。「成分」という用語はまた、本明細書では、そのような残基、部分、一部又は基を記載するために使用される。例として、化合物の残基は、共有結合で置き換えられた水素又はヒドロキシなどの化合物の原子(複数の場合がある)を有し、それによって残基をCIDE、L1-CIDE又はAb-CIDEの別の成分に結合する。例えば、「CIDEの残基」とは、リンカーL2などの1つ以上の基に共有結合しているCIDEを指し、それ自体は任意に抗体にさらに連結され得る。
「共有結合した(covalently bound)」又は「共有結合した(covalently linked)」という用語は、1つ又は複数の電子対の共有によって形成される化学結合を指す。
本明細書で使用される「ペプチド模倣」又はPMという用語は、非ペプチド化学部分を意味する。ペプチドは、あるアミノ酸のカルボキシル基が別のアミノ酸のアミノ基と反応するときに形成される共有化学結合であるペプチド(アミド)結合によって連結されたアミノ酸モノマーの短鎖である。最短のペプチドは、単一のペプチド結合によって結合された2アミノ酸からなるジペプチド、続いてトリペプチド、テトラペプチドなどである。ペプチド模倣化学部分には、非アミノ酸化学部分が含まれる。ペプチド模倣化学部分はまた、1つ又は複数の非アミノ酸化学単位によって分離された1つ又は複数のアミノ酸を含み得る。ペプチド模倣化学部分は、その化学構造のいずれの部分にも、ペプチド結合によって連結された2個以上の隣接アミノ酸を含有しない。
本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望される生物活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を具体的に網羅する(Miller et al(2003)Jour.of Immunology 170:4854-4861)。抗体は、マウス、ヒト、ヒト化、キメラであってもよいか、又は他の種に由来するものであってもよい。抗体は、特定の抗原を認識し、それに結合することができる、免疫系によって生成されるタンパク質である(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immuno Biology,5th Ed.,Garland Publishing,New York).標的抗原は、一般に、複数の抗体のCDR(相補性決定領域)によって認識されるエピトープとも呼ばれる多数の結合部位を有する。異なるエピトープに特異的に結合するそれぞれの抗体は、異なる構造を有する。したがって、1つの抗原は、1を超える対応する抗体を有し得る。抗体は、完全長免疫グロブリン分子又は完全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、目的の標的又はその一部の抗原を免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を含み、そのような標的としては、がん細胞又は自己免疫疾患に関連する自己免疫抗体を産生する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される免疫グロブリンは、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、又はサブクラスのものであり得る。免疫グロブリンは、任意の種に由来し得る。しかしながら、一態様において、免疫グロブリンは、ヒト、マウス、又はウサギ起源のものである。
本明細書で使用される「抗体断片(複数の場合がある)」という用語は、完全長抗体の一部分、一般にはその抗原結合領域又は可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ;直鎖抗体;ミニボディ(Olafsen et al(2004)Protein Eng.Design&Sel.17(4):315-323)、Fab発現ライブラリによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及びがん細胞抗原、ウイルス抗原、又は微生物抗原に免疫特異的に結合する上記のいずれかのエピトープ結合断片、一本鎖抗体分子、並びに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する突然変異の可能性を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向されている。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して指向される異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体が混入することなく合成することができるという点で、有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本明細書中に記載される主題に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler et al(1975)Nature,256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、又は組換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号;米国特許第5807715号を参照)によって作製され得る。モノクローナル抗体はまた、例えば、Clackson et al(1991)Nature,352:624-628;Marks et al(1991)J.Mol.Biol.,222:581-597に記載される技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離され得る。
本明細書におけるモノクローナル抗体には、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が、特定の種に由来するか、又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一又は相同である一方で、鎖(複数の場合がある)の残りが、別の種に由来するか、又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同である「キメラ」抗体、並びにそのような抗体の断片を具体的に含み、これは、それらが所望される生物活性を呈する限りにおいてである(米国特許第4816567号;及びMorrisonら(1984年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851~6855頁)。本明細書において対象となるキメラ抗体としては、非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル、類人猿など)に由来する可変ドメイン抗原結合配列と、ヒト定常領域配列とを含む、「霊長類化」抗体が挙げられる。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、重鎖及び/又は軽鎖の残りの部分が異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメイン又は定常領域の型を指す。抗体には、次の5種類の主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、下位クラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
本明細書で使用される「インタクト抗体」という用語は、VL及びVHドメイン、並びに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメインCH1、CH2、及びCH3を含むものである。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然配列の定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列バリアントであり得る。インタクト抗体は、1つ以上の「エフェクター機能」を有し得、この機能は、抗体のFc定常領域(天然配列のFc領域又はアミノ酸配列バリアントのFc領域)に起因し得る生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合、補体依存性細胞毒性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、食作用、並びにB細胞受容体及びBCRなどの細胞表面受容体の下方制御が挙げられる。
本明細書で使用される「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列Fc領域及びバリアントFc領域を含む。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、又はPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在していてもよく、又は存在していなくてもよい。本明細書で特に指示がない限り、Fc領域又は定常領域のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されている、EUインデックスとも呼ばれるEUナンバリングシステムに従う。
本明細書で使用される「フレームワーク」又は「FR」という用語は、超可変領域(hypervariable region:HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般的に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3及びFR4からなる。したがって、HVR及びFR配列は、一般的に、VH(又はVL)中において以下の配列で現れる:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、又は本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように同義に使用される。
「ヒト抗体」とは、ヒト若しくはヒト細胞により産生された抗体、又はヒト抗体レパートリなどのヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト由来の抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。このヒト抗体の定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、HVR(例えばCDR)の全て又は実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
「単離された抗体」とは、その自然環境の構成要素から分離されているものである。いくつかの実施形態において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフ(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)によって決定される、95%超又は99%超の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の総説については、例えば、Flatmanら、「J.Chromatogr.B」、第848巻79~87頁(2007年)を参照されたい。
「単離された核酸」とは、自然環境の構成要素から切り離されている核酸分子のことである。単離された核酸には、通常核酸分子を含む細胞内に含まれる核酸分子が含まれるが、核酸分子は、染色体外、又は天然の染色***置とは異なる染色***置に存在する。
「抗体をコードする単離核酸」は、抗体重鎖及び軽鎖(又はその断片)をコードする1つ又は複数の核酸分子を指し、単一のベクター又は別個のベクター内の核酸分子(複数可)を含み、そのような核酸分子(複数可)は、宿主細胞内の1つ又は複数の場所に存在する。
「ネイキッド抗体」は、異種部分(例えば細胞傷害性部分)又は放射性標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。ネイキッド抗体は、薬学的製剤中に存在してもよい。
「天然抗体」は、様々な構造を有する天然に存在する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖で構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端までの各重鎖は、可変重ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、これに3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)が続く。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、これに定常軽(CL)ドメインが続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2種類の1つに割り当てられ得る。
基準となるポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列同一性最大パーセントが得られるように、配列をアライメントし、必要に応じてギャップを導入した後に、いかなる保存的置換も配列同一性の部分として考慮せずに、基準となるポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のための整列は、当技術分野における技術の範囲内にある種々の方法において、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて達成され得る。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列のアラインメントのための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書での目的のために、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を用いて生成している。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.が作成したものであり、ソースコードは、使用者用書類と共に、米国著作権局、Washington D.C.、20559に提出され、米国著作権登録番号TXU510087として登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.(South San Francisco,California)から公的に入手可能であり、又はそのソースコードからコンパイルし得る。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含め、UNIXオペレーティングシステムで使用するためにコンパイルされるべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定されており、変わらない。
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bへの、アミノ酸配列Bとの、又はアミノ酸配列Bに対する、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(あるいは、所与のアミノ酸配列Bへの、アミノ酸配列Bとの、又はアミノ酸配列Bに対する、ある特定のアミノ酸配列同一性%を有する又は含む、所与のアミノ酸配列Aとして記述され得る)は、以下のように計算される:
100 × 分数X/Y
式中、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2によって、そのプログラムのAとBのアラインメントにおいて同一のマッチとしてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さに等しくない場合、A対Bの%アミノ酸配列同一性は、B対Aの%アミノ酸配列同一性に等しくないことが理解されよう。特に明記しない限り、本明細書で使用される全ての%アミノ酸配列同一性の値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して直前の段落に記載されているように得られる。
100 × 分数X/Y
式中、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2によって、そのプログラムのAとBのアラインメントにおいて同一のマッチとしてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さに等しくない場合、A対Bの%アミノ酸配列同一性は、B対Aの%アミノ酸配列同一性に等しくないことが理解されよう。特に明記しない限り、本明細書で使用される全ての%アミノ酸配列同一性の値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して直前の段落に記載されているように得られる。
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、無傷抗体には、異なる「クラス」が割り当てられ得る。インタクトな免疫グロブリン抗体には5つの主要なクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分けることができる。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元配置は周知である。Ig形態には、ヒンジ修飾又はヒンジなしの形態(Rouxら(1998年)、「J.Immunol.」161:4083~4090頁;Lundら(2000年)、「Eur.J.Biochem.」267:7246~7256頁;米国特許出願公開第2005/0048572号;米国特許出願公開第2004/0229310号明細書)が含まれる。
本明細書で使用される「ヒトコンセンサスフレームワーク」という用語は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークを指す。一般に、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからである。一般に、配列のサブグループは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、NIH Publication 91~3242、Bethesda MD(1991)、第1~3巻におけるようなサブグループである。一実施形態では、VLに関して、サブグループは、Kabatら(上記参照)におけるようなサブグループカッパIである。一実施形態では、VHに関して、サブグループは、Kabatら(上記参照)におけるようなサブグループIIIである。
本明細書の目的において「受容体ヒトフレームワーク」とは、以下に定義するように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「由来の」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでいてもよく、又はアミノ酸配列の変更を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、アミノ酸変更の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列に対して、配列が同一である。
本明細書で使用される「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗原に対する抗体の結合に抗体重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、概して、類似の構造を有しており、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの超可変領域(HVR)と、を含む。例えば、Kindt et al.,Kuby Immunology,6th、W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照のこと。単一のVH又はVLドメインは、抗原結合特異性を付与するために充分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体のVH又はVLドメインを使用し、それぞれ、相補的VL又はVHドメインのライブラリをスクリーニングして、単離してもよい。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarkson et al.,Nature 352:624-628(1991)を参照のこと。
「超可変領域」又は「HVR」という用語は、本明細書で使用される場合、配列において超可変性であり、及び/又は構造上規定されたループ(「超可変ループ」)を形成する、抗体可変ドメインの領域の各々を指す。一般的に、天然4鎖抗体は、VHに3つ(H1、H2、H3)、及びVLに3つ(L1、L2、L3)、計6つのHVRを含む。HVRは、一般的に、超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、最も高い配列可変性を有し、及び/又は抗原認識に関与している。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26-32(L1)、50-52(L2)、91-96(L3)、26-32(H1)、53-55(H2)及び96-101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)。)例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3)は、L1のアミノ酸残基24-34、L2の50-56、L3の89-97、H1の31-35B、H2の50-65及びH3の95-102に存在する。(Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991)。)VHにおけるCDR1を除き、CDRは、概して、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、「特異性決定領域」、すなわち「SDR」も含み、それは、抗原と接触する残基である。SDRは、省略-CDR、すなわちa-CDRと呼ばれるCDRの領域内に含まれる。例示的なa-CDR(a-CDR-L1、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-H1、a-CDR-H2及びa-CDR-H3)は、L1の31-34、L2の50-55、L3の89-96、H1の31-35B、H2の50-58及びH3の95-102のアミノ酸残基に存在する。(Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照。)別途指定されない限り、HVR残基、及び可変ドメイン中の他の残基(例えば、FR残基)は、Kabatら(前出)に従って本明細書では番号付けされる。
「エフェクター機能」は、抗体のアイソタイプにより異なる抗体のFc領域に起因する生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、以下のものが挙げられる:C1q結合及び補体依存性細胞毒性(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御;並びにB細胞活性化。
「エピトープ」という用語は、抗体が結合する抗原分子上の特定の部位を指す。
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の、合計の非共有性相互作用の強度を指す。特に明記しない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1相互作用を反映する特異的結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(Kd)によって表され得る。親和性は、本明細書に記載するものを含め、当技術分野で一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な説明的かつ例示的な実施形態が以下に記載される。特定の実施形態において、本明細書に記載される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦5nm、≦4nM、≦3nM、≦2nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、例えば10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。
「親和性成熟」抗体とは、改変などを有しない親抗体と比較して、1つ以上の超可変領域(HVR)に1つ以上の改変を有し、そのような改変により抗体の抗原に対する親和性が改善される抗体を指す。
「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、連結している別の核酸を増殖することができる核酸分子を指す。この用語には、自己複製する核酸構造としてのベクターだけでなく、ベクターが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターも含まれる。ある種のベクターは、それらが作動的に連結された核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
本明細書で使用される「遊離システインアミノ酸」という用語は、親抗体へと操作され、チオール官能基(-SH)を有し、分子内又は分子間ジスルフィド架橋として対になっていないシステインアミノ酸残基を指す。本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン又はシトルリンを意味する。
本明細書で使用される「リンカー」、「リンカー単位」又は「連結」という用語は、CIDE部分を抗体に共有結合させる原子の鎖を含む化学部分、又はCIDEの残基、部分、一部、基若しくは成分をCIDEの別の残基、部分、一部、基若しくは成分に共有結合させる原子の鎖を含む化学部分を意味する。様々な実施形態において、リンカーは、リンカー1、リンカー2、L1又はL2として特定される二価の基である。
「患者」又は「個体」又は「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、並びに齧歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、患者、個体、又は対象は、ヒトである。いくつかの実施形態において、患者は「がん患者」、すなわち、がんの1つ以上の症候を罹患しているか、又は罹患するリスクがある者であり得る。
「患者母集団」は、がん患者の群を指す。これらのような母集団を使用して、薬物の統計的に有意な有効性及び/又は安全性を実証することができる。
用語「がん」及び「がん性」は、制御されない細胞成長/増殖を典型的な特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指す又は説明する。「腫瘍」は、1つ以上のがん性細胞を含む。がんの例は、本明細書の他の箇所に提供される。
本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」(及びその文法的な変形語、例えば、「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」)は、治療される個体の本来の経過を変える試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、又は臨床病理の経過の間に行うことができる。治療の所望の効果としては、疾患の発症又は再発を予防すること、症候の軽減、疾患の任意の直接的又は間接的な病理学的結果の減弱、転移を予防すること、疾患進行率を低下させること、病状の寛解又は緩和、及び回復又は改良された予後が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される主題の抗体は、疾患の発症を遅延させるために、又は疾患の進行を遅らせるために使用される。
1つ以上の他の薬物と「同時に」投与される薬物は、同一治療サイクル中、1つ以上の他の薬物と同じ治療日に、及び任意に、1つ以上の他の薬物と同じ時間に投与される。例えば、3週間毎に付与されるがん療法の場合、同時に投与される薬物はそれぞれ、3週間のサイクルの1日目に投与される。
薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」は、所望の治療結果又は予防結果を達成するために必要な薬用量及び所要期間で有効な量を指す。例えば、がんを治療するための有効量の薬物によって、がん細胞の数が低減し、腫瘍サイズが縮小し、抹消臓器へのがん細胞浸潤が阻害され(すなわち、ある程度遅れる、好ましくは止まる)、腫瘍転移が阻害され(すなわち、ある程度遅れる、好ましくは止まる)、腫瘍成長がある程度阻害され、かつ/又はがんと関連付けられる症候のうちの1つ以上がある程度緩和され得る。薬物が既存のがん細胞の成長を予防し、及び/又はそれらを死滅させることができる程度まで、この薬物は、細胞増殖抑制性及び/又は細胞傷害性であり得る。有効量によって、無進行生存率が上昇し(例えば、固体腫瘍の奏効評価基準(RECIST)若しくはCA-125変化によって測定される)、客観的奏効がもたらされ(部分奏効(PR)若しくは完全奏効(CR))がもたらされ、全生存期間が延長し、及び/又はがんの1つ以上の症候が改善される(例えば、FOSIによって評価される)。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、そのような量を受けていない対応する対象と比較して、疾患、障害、若しくは副作用の治療、又は疾患若しくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量を含む。治療に使用するために、治療有効量のAb-CIDE及びその塩を生の化学物質として投与することができる。加えて、有効成分は医薬組成物として提供され得る。
「薬学的製剤」という用語は、調製物中に含有される活性成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつ製剤を投与する対象にとって許容できないほど有毒である更なる構成成分を含有しない調製物を指す。
「薬学的に許容され得る賦形剤」とは、対象にとって無毒である活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容され得る賦形剤としては、緩衝液、担体、安定剤、又は防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、語句「薬学的に許容され得る塩」とは、分子の薬学的に許容され得る有機又は無機塩を意味する。代表的な塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容され得る塩には、酢酸イオン、コハク酸イオン又は他の対イオン等の、別の分子が含まれてもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定させる任意の有機又は無機部位であってよい。さらに、薬学的に許容され得る塩は、その構造内に複数の荷電原子を有することができる。複数の荷電原子が薬学的に許容され得る塩の一部である場合、複数の対イオンを有することができる。したがって、薬学的に許容され得る塩は、1つ又は複数の荷電原子及び/又は1つ又は複数の対イオンを有することができる。
薬学的に許容され得ない他の塩は、本明細書に記載の化合物の調製に有用であり得て、これらは主題のさらなる態様を形成すると見なされるべきである。シュウ酸塩又はトリフルオロ酢酸塩などのこれらの塩は、それ自体は薬学的に許容され得ないが、本明細書に記載の化合物及びそれらの薬学的に許容され得る塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に有用であり得る。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1~5個のいずれかの長さの炭素原子(C1-C5)の飽和した直鎖又は分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを指し、アルキルラジカルは、以下に記載する1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよい。別の実施形態では、アルキルラジカルは、1、2、3、4又は5個の炭素原子である。アルキル基の例としては、メチル(Me、-CH3)、エチル(Et、-CH2CH3)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CH2CH2CH3)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH3)2)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CH2CH2CH2CH3)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CH2CH(CH3)2)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH3)3)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)などが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキレン」とは、本明細書で使用する場合、1~12個の炭素原子(C1-C12)の任意の長さを有する、飽和直鎖又は分枝鎖二価炭化水素ラジカルであって、アルキレンラジカルが独立して、以下に記載する1つ以上の置換基で置換されていてもよい、炭化水素ラジカルである。別の実施形態において、アルキレンラジカルは、1~8個の炭素原子(C1-C8)、又は1~6個の炭素原子(C1-C6)である。アルキレン基の例としては、メチレン(-CH2-、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環」及び「シクロアルキル」という用語は、単環式環として3~5個の炭素原子(C3-C5)を有する一価の非芳香族の飽和又は部分不飽和環を指す。単環式炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。カルボシクリル基は、1つ又は複数のアルキル基で独立して置換されていてもよい。
「複素環」、「複素環式」、「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」は、縮合、架橋又はスピロ環系を含む単環又は複数の縮合環を有し、1~10個のヘテロ原子を含む3~20個の環原子を有する飽和又は部分不飽和基を指す。これらの環原子は、炭素、窒素、硫黄、又は酸素からなる群から選択され、縮合環系では、結合点が非芳香族環を通ることを条件として、環の1つ又は複数はシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり得る。特定の実施形態では、複素環基の窒素原子及び/又は硫黄原子は、任意に酸化されて、N-オキシド、-S(O)-又は-SO2-部分を提供する。複素環の例としては、アゼチジン、ジヒドロインドール、インダゾール、キノリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、チアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ばれる)、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリル基は、国際公開第2014/100762号に記載されているように置換することができる。
「キラル」という用語は、鏡像パートナーの重ね合せできない特性を有する分子を指し、一方で「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーと重ね合せできる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同一の化学構成を有するが、空間内の原子又は基の配置に関して異なる、化合物を指す。
「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル性の中心を有し、それらの分子が互いの鏡像でない、立体異性体を指す。ジアステレオマーは、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、及び反応性等の異なる物理特性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動法及びクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順の下で分離されてもよい。
「エナンチオマー」は、互いに重ね合せできない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
本明細書で使用される立体化学的な定義及び慣例は、一般的にS.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York;及びEliel,E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物が光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を説明する際、接頭辞D及びL、又はR及びSは、そのキラル中心を中心とした分子の絶対配置を表すために使用される。接頭語dとl又は(+)と(-)は、化合物による平面偏光の回転の符号を表すために使用され、(-)又は1はその化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)又はdを有する化合物は、右旋性である。所与の化学構造において、これらの立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて同一である。また、特定の立体異性体はエナンチオマーと呼ばれることもあり、そのような異性体の混合物をしばしばエナンチオマー混合物と呼ぶこともある。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と称され、これは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性がなかった場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指し、光学活性がないものをいう。
本明細書における他の用語、定義及び略語には、以下が含まれる。野生型(「WT」);システイン操作変形体抗体(「チオ」);軽鎖(「LC」);重鎖(「HC」);6-マレイミドカプロイル(「MC」);マレイミドプロパノイル(「MP」);バリン-シトルリン(「val-cit」又は「vc」)、アラニン-フェニルアラニン(「ala-phe」)、p-アミノベンジル(「PAB」)及びp-アミノベンジルオキシカルボニル(「PABC」);A118C(EUナンバリング)=A121C(順次ナンバリング)=軽鎖の重鎖K149C(Kabatナンバリング)のA114C(Kabatナンバリング)。本明細書では、さらに追加の定義及び略語が提供される。
II.化学的分解誘導物質
化学的分解誘発物質(CIDE)分子を抗体とコンジュゲートさせて「Ab-CIDE」コンジュゲートを形成することができる。抗体は、リンカー(L1)を介してCIDE(「D」)にコンジュゲートされ、CIDEは、ユビキチンE3リガーゼ結合基(「E3LB」)、リンカー(「L2」)及びタンパク質結合基(「PB」)を含む。Ab-CIDE分子の一般式は以下のとおりである:
Ab-(L1-D)p
式中、Dは構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、E3LBは、L2に共有結合したE3リガーゼ結合基であり、L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、Abは、L1に共有結合した抗体であり、L1は、Ab及びDに共有結合したリンカーであり、pは約1~約50の値を有する。変数pは、抗体が1つ以上のL1-D基に連結され得ることを反映する。一実施形態において、pは、1~8である。別の実施形態において、pは、約2である。
化学的分解誘発物質(CIDE)分子を抗体とコンジュゲートさせて「Ab-CIDE」コンジュゲートを形成することができる。抗体は、リンカー(L1)を介してCIDE(「D」)にコンジュゲートされ、CIDEは、ユビキチンE3リガーゼ結合基(「E3LB」)、リンカー(「L2」)及びタンパク質結合基(「PB」)を含む。Ab-CIDE分子の一般式は以下のとおりである:
Ab-(L1-D)p
式中、Dは構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、E3LBは、L2に共有結合したE3リガーゼ結合基であり、L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、Abは、L1に共有結合した抗体であり、L1は、Ab及びDに共有結合したリンカーであり、pは約1~約50の値を有する。変数pは、抗体が1つ以上のL1-D基に連結され得ることを反映する。一実施形態において、pは、1~8である。別の実施形態において、pは、約2である。
以下のセクションでは、Ab-CIDEを構成する成分について説明する。強力な効力及び望ましい治療指数を有するab-CIDEを得るために、以下の成分を提供する。
1.抗体(Ab)
本明細書に記載されるように、抗体、例えばモノクローナル抗体(mAb)を使用して、CIDEを標的細胞、例えば抗体によって標的化される特異的タンパク質を発現する細胞に送達する。Ab-CIDEの抗体部分は、抗原を発現する細胞を標的とすることができ、それによって抗原特異的Ab-CIDEは、典型的にはエンドサイトーシスによって標的細胞に細胞内送達される。細胞表面上に見出されない抗原に対する抗体を含むAb-CIDEは、細胞内へのCIDE部分のより特異性の低い細胞内送達をもたらし得るが、Ab-CIDEは依然として飲作用を受け得る。本明細書に記載されるAb-CIDE及びそれらの使用方法は、細胞表面の抗体認識及び/又はAb-CIDEのエンドサイトーシスを有利に利用して、細胞内のCIDE部分を送達する。
本明細書に記載されるように、抗体、例えばモノクローナル抗体(mAb)を使用して、CIDEを標的細胞、例えば抗体によって標的化される特異的タンパク質を発現する細胞に送達する。Ab-CIDEの抗体部分は、抗原を発現する細胞を標的とすることができ、それによって抗原特異的Ab-CIDEは、典型的にはエンドサイトーシスによって標的細胞に細胞内送達される。細胞表面上に見出されない抗原に対する抗体を含むAb-CIDEは、細胞内へのCIDE部分のより特異性の低い細胞内送達をもたらし得るが、Ab-CIDEは依然として飲作用を受け得る。本明細書に記載されるAb-CIDE及びそれらの使用方法は、細胞表面の抗体認識及び/又はAb-CIDEのエンドサイトーシスを有利に利用して、細胞内のCIDE部分を送達する。
特定の実施形態では、抗体は、以下に完全に記載されるチオマブである。チオマブは、調節されたFcエフェクター、例えば、LALAPG又はNG2LH突然変異を有し得る。さらに、任意の抗体標的(CD71、Trop2、MSLN、NaPi2b、Ly6E、EpCAM及びCD22)を、LALAPG又はNG2LH突然変異を含む任意のFcエフェクター調節を伴うチオマブ突然変異の任意の適切な組み合わせと組み合わせることができるような組み合わせが企図される。
a.ヒト抗体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の様々な技術を使用して作製され得る。ヒト抗体は一般的に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)に記載されている。
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の様々な技術を使用して作製され得る。ヒト抗体は一般的に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することによって調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座に取って代わるヒト免疫グロブリン遺伝子座の全て又は一部を含むか、又は染色体外に存在するか、又は動物の染色体にランダムに統合されている。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照されたい。また、例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載する米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載する米国特許第5,770,429号;K-M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7,041,870号;及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載する米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。かかる動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組合せることによって更に改変され得る。
ヒト抗体は、ハイブリドーマベースの方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫細胞株及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照。)ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体もまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。さらなる方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株由来のモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載する)、及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載する)が挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)はまた、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)にも記載されている。
ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても作製され得る。その後、そのような可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組み合わせられ得る。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
b.ライブラリ由来の抗体
Ab-CIDEで使用するための抗体は、コンビナトリアルライブラリを所望される活性(複数の場合がある)を有する抗体についてスクリーニングすることによって、単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリを産生し、所望の結合特性を有する抗体についてかかるライブラリをスクリーニングするための様々な方法が当該技術分野で知られている。そのような方法については、例えば、Hoogenboomら、「Methods in Molecular Biology」第178巻1~37頁(O’Brienら編、Human Press、ニュージャージー州トトワ、2001年)で概説し、更に下に記載されている:例えば、McCaffertyら、「Nature」第348巻552~554頁;Clacksonら、「Nature」第352巻624~628頁(1991年);Marksら、「J.Mol.Biol.」第222巻581~597頁(1992年);Marks及びBradbury、「Methods in Molecular Biology」第248巻161~175頁(Loら、Human Press、ニュージャージー州トトワ、2003年);Sidhuら、「J.Mol.Biol.」第338巻2号第299~310頁(2004年);Leeら、「J.Mol.Biol.」第340巻5号1073~1093頁(2004年);Fellouse、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第101巻34号第12467~12472頁(2004年);及びLeeら、「J.Immunol.Methods」第284巻1~2号第119~132頁(2004年)。
Ab-CIDEで使用するための抗体は、コンビナトリアルライブラリを所望される活性(複数の場合がある)を有する抗体についてスクリーニングすることによって、単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリを産生し、所望の結合特性を有する抗体についてかかるライブラリをスクリーニングするための様々な方法が当該技術分野で知られている。そのような方法については、例えば、Hoogenboomら、「Methods in Molecular Biology」第178巻1~37頁(O’Brienら編、Human Press、ニュージャージー州トトワ、2001年)で概説し、更に下に記載されている:例えば、McCaffertyら、「Nature」第348巻552~554頁;Clacksonら、「Nature」第352巻624~628頁(1991年);Marksら、「J.Mol.Biol.」第222巻581~597頁(1992年);Marks及びBradbury、「Methods in Molecular Biology」第248巻161~175頁(Loら、Human Press、ニュージャージー州トトワ、2003年);Sidhuら、「J.Mol.Biol.」第338巻2号第299~310頁(2004年);Leeら、「J.Mol.Biol.」第340巻5号1073~1093頁(2004年);Fellouse、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第101巻34号第12467~12472頁(2004年);及びLeeら、「J.Immunol.Methods」第284巻1~2号第119~132頁(2004年)。
ある種のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリはポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリ内で無作為に再結合され、次いでWinterら、「Ann.Rev.Immunol.」、第12巻:第433~455頁(1994年)に記載されているような、抗原結合ファージに対してスクリーニングすることが可能である。ファージは、典型的には、一本鎖Fv(scFv)断片として、又はFab断片としてのいずれかで、抗体断片を提示する。免疫化源からのライブラリは、ハイブリドーマを構築する必要なく、免疫原に対する高親和性抗体を与える。あるいは、ナイーブレパートリーは、Griffithsら、「EMBO J」、第12巻:第725~734頁(1993年)によって記載されるように、(例えば、ヒトから)クローニングされて、いかなる免疫化も伴うことなく、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対する単一抗体源を提供することができる。最後に、天然ライブラリはまた、Hoogenboom及びWinter、「J.Mol.Biol.」、第227巻第381~388頁(1992年)に記載されるように、幹細胞からの再配列されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含有するPCRプライマーを使用して高度可変CDR3領域をコードし、インビトロで再配列を遂行することによって、合成的に作製し得る。ヒト抗体ファージライブラリについて記載する特許公報としては、例えば:米国特許第5,750,373号、並びに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
ヒト抗体ライブラリから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書ではヒト抗体又はヒト抗体断片と見なされる。
c.キメラ抗体及びヒト化抗体
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、キメラ抗体である。ある種のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一つの例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)とヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のそれらから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、キメラ抗体である。ある種のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一つの例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)とヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のそれらから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
特定の実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体が、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化される。通常、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(又はその一部)が非ヒト抗体に由来する1つ以上の可変ドメインを含み、FR(又はその一部)はヒト抗体配列に由来する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を復元又は改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
ヒト化抗体及びそれらを作製する方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)でレビューされ、例えば、Riechmannら,Nature 332:323-329(1988);Queenら,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989)、米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、及び同第7,087,409号、Kashmiriら.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフトの記載)、Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「resurfacing」の記載)、Dall’AcquaらMethods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」の記載)、並びにOsbournらMethods 36:61-68(2005)及びKlimkaらBr.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングの「ガイド付き選択」アプローチの記載)にさら記載されている。
ヒト化に使用可能なフレームワーク領域としては、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Simsら、「J.Immunol.」、151巻:2296頁(1993年)を参照されたい);軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列から誘導されるフレームワーク領域(例えば、Carterら、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」、89巻:4285頁(1992年);及びPrestaら、「J.Immunol.」、151巻:2623頁(1993年)を参照されたい);ヒト成熟(体細胞性変異を受けた)フレームワーク領域又はヒト生殖系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson、「Front.Biosci.」、13巻:1619~1633頁(2008年)を参照されたい);並びに、FRライブラリのスクリーニングから誘導されるフレームワーク領域(例えば、Bacaら、「J.Biol.Chem.」、272巻:10678~10684頁(1997年)及び、Rosokら、「J.Biol.Chem.」、271巻:22611~22618頁(1996年)を参照されたい)が挙げられる。
d.多重特異性抗体
特定の実施形態において、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。本明細書で使用される「多重特異性抗体」という用語は、多重エピトープ特異性を有する(すなわち、1つの生物学的分子上の2つ若しくはそれ以上の異なるエピトープに結合することができるか、又は2つ若しくはそれ以上の異なる分子上のエピトープに結合することができる)抗原結合ドメインを含む抗体を網羅する。
特定の実施形態において、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。本明細書で使用される「多重特異性抗体」という用語は、多重エピトープ特異性を有する(すなわち、1つの生物学的分子上の2つ若しくはそれ以上の異なるエピトープに結合することができるか、又は2つ若しくはそれ以上の異なる分子上のエピトープに結合することができる)抗原結合ドメインを含む抗体を網羅する。
いくつかの実施形態において、多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原結合部位(二重特異性抗体など)に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、多重特異的抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、1つかつ同一の分子内の2つのエピトープを結合してもよい(分子内結合)。例えば、多重特異的抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、同じタンパク質分子上の2つの異なるエピトープに結合してもよい。特定の実施形態において、多重特異的抗体が結合する2つの異なるエピトープは、通常1つの単一特異性抗体(例えば、従来の抗体など)又は1つの免疫グロブリンの単一可変ドメインに同時には結合しないエピトープである。いくつかの実施形態において、多重特異的抗体の第1の抗原結合ドメイン及び第2の抗原結合ドメインは、2つの別個の分子内に位置するエピトープに結合してもよい(分子内結合)。例えば、多重特異性抗体の第1の抗原結合ドメインは、1つのタンパク質分子上の1つのエピトープに結合し得るが、多重特異性抗体の第2の抗原結合ドメインは、異なるタンパク質分子上の別のエピトープに結合し、それによって2つの分子を架橋し得る。
いくつかの実施形態において、多重特異性抗体(二重特異性抗体など)の抗原結合ドメインは、2つのVH/VL単位を含み、第1のVH/VL単位は、第1のエピトープに結合し、第2のVH/VL単位は、第2のエピトープに結合し、各VH/VL単位は、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。そのような多重特異性抗体としては、完全長抗体、2つ以上のVL及びVHドメインを有する抗体、及び抗体断片(共有結合的又は非共有結合的に連結されているFab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディ、及びトリアボディなど)が挙げられるが、これらに限定されない。重鎖可変領域の少なくとも一部分及び/又は軽鎖可変領域の少なくとも一部分を更に含むVH/VL単位はまた、「アーム」又は「ヘミマー」又は「半抗体」とも称され得る。いくつかの実施形態において、ヘミマーは、第2のヘミマーとの分子内ジスルフィド結合が形成されることを可能にするのに十分な重鎖可変領域の一部分を含む。いくつかの実施形態において、ヘミマーは、例えば、相補的ホール突然変異又はノブ突然変異を含む第2のヘミマー又は半抗体とのヘテロ二量体化を可能にする、ノブ突然変異又はホール突然変異を含む。ノブ突然変異及びホール突然変異は、以下でさらに論じられる。
特定の実施形態において、本明細書に提供される多重特異性抗体は、二重特異性抗体であり得る。本明細書で使用される「二重特異性抗体」という用語は、1つの分子上の2つの異なるエピトープに結合することができるか、又は2つの異なる分子上のエピトープに結合することができる抗原結合ドメインを含む多重特異性抗体を指す。二重特異性抗体はまた、本明細書において、「二重特異性」を有するもの、又は「二重特異性」であるとも称される。例示的な二重特異性抗体は、タンパク質及び任意の他の抗原の両方に結合し得る。特定の実施形態において、結合特異性のうちの一方は、タンパク質に対するものであり、他方はCD3に対するものである。例えば、米国特許第5,821,337号を参照されたい。特定の実施形態において、二重特異性抗体は、同じタンパク質分子の2つの異なるエピトープに結合し得る。特定の実施形態において、二重特異性抗体は、2つの異なるタンパク質分子に対する2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体を使用して、タンパク質を発現する細胞に細胞毒性薬剤を局在化することもできる。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製され得る。
多重特異性抗体を作製するための技法には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現が含まれるが、これらに限定されない(Milstein及びCuello、「Nature」305:537(1983年)、国際公開第93/08829号、並びにTrauneckerら「EMBO J.」10:3655(1991年)を参照のこと)、及び「ノブ・イン・ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照のこと)、国際公開第2009/089004号、米国特許出願公開第2009/0182127号、同第2011/0287009号、Marvin及びZhu、「Acta Pharmacol.Sin.」(2005年)26(6):649~658頁、並びにKontermann(2005年)「Acta Pharmacol.Sin.」、26:1~9頁)。本明細書で使用される場合、「ノブイントゥホール」又は「KnH」技術という用語は、2つのポリペプチドを、それらが相互作用する界面で一方のポリペプチドに***(ノブ)を導入し、他方のポリペプチドに空洞(ホール)を導入することによって、インビトロ又はインビボでの対合を指向する技術を指す。例えば、KnHは、抗体のFc:Fc結合界面、CL:CH1界面、又はVH/VL界面に導入されている(例えば、米国特許出願公開第2011/0287009号、米国特許出願公開第2007/0178552号、国際公開第96/027011号、国際公開第98/050431号、Zhuら、1997年、「Protein Science」6:781~788頁、及び国際公開第2012/106587号を参照のこと)。いくつかの実施形態において、KnHにより、多重特異性抗体の製造中に2つの異なる重鎖の対合が駆動される。例えば、それらのFc領域内にKnHを有する多重特異性抗体は、各Fc領域に連結された単一可変ドメインをさらに含み得るか、又は類似の若しくは異なる軽鎖可変ドメインと対合する異なる重鎖可変ドメインをさらに含み得る。KnH技術を使用して、2つの異なる受容体細胞外ドメインを共に、又は異なる標的認識配列を含む(例えば、アフィボディ、ペプチボディ、及び他のFc融合を含む)任意の他のポリペプチド配列を対合させることもできる。
本明細書で使用される「ノブ突然変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面で***(ノブ)をポリペプチドに導入する突然変異を指す。いくつかの実施形態において、他のポリペプチドは、ホール突然変異を有する。
本明細書で使用される「ホール突然変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面で空洞(ホール)をポリペプチドに導入する突然変異を指す。いくつかの実施形態において、他のポリペプチドは、ノブ突然変異を有する。
「***」は、第1のポリペプチドの界面から突出し、したがって、隣接界面(すなわち、第2のポリペプチドの界面)の補償空洞内に位置付け可能となることで、例えば、ヘテロ多量体を安定させ、それによりホモ多量体形成よりもヘテロ多量体形成が好都合になる、少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。***は、元の界面に存在し得るか、又は合成的に(例えば、界面をコードする核酸を改変することによって)導入され得る。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドの界面をコードする核酸は、突起をコードするように変化する。これを達成するために、第1のポリペプチドの界面の少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基をコードする核酸が、元のアミノ酸残基よりも大きい側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードする核酸で置き換えられる。1つを超える元の残基及び対応する移入残基が存在し得ることが理解される。様々なアミノ残基の側鎖体積は、例えば、米国特許出願公開第2011/0287009号の表1に示される。「突起」を導入する突然変異は、「ノブ突然変異」と称され得る。
いくつかの実施形態において、***の形成のための移入残基は、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、及びトリプトファン(W)から選択される天然に存在するアミノ酸残基である。いくつかの実施形態において、移入残基は、トリプトファン又はチロシンである。いくつかの実施形態において、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、トレオニン、又はバリンなどの***の形成のための元の残基は、小さい側鎖体積を有する。
「空洞」は、第2のポリペプチドの界面から凹んでおり、したがって、隣接する第1のポリペプチドの界面上の対応する***を収容する少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。空洞は、元の界面に存在し得るか、又は合成的に(例えば、界面をコードする核酸を改変することによって)導入され得る。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドの界面をコードする核酸は、空洞をコードするように変化する。これを達成するために、第2のポリペプチドの界面の少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基をコードする核酸が、元のアミノ酸残基よりも小さい側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードするDNAで置き換えられる。1つを超える元の残基及び対応する移入残基が存在し得ることが理解される。いくつかの実施形態において、空洞の形成のための移入残基は、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、及びバリン(V)から選択される天然に存在するアミノ酸残基である。いくつかの実施形態において、移入残基は、セリン、アラニン、又はトレオニンである。いくつかの実施形態において、チロシン、アルギニン、フェニルアラニン、又はトリプトファンなどの空洞の形成のための元の残基は、大きい側鎖体積を有する。「空洞」を導入する突然変異は、「ホール突然変異」と称され得る。
***は、空洞内で「位置付け可能」であり、これは、それぞれ、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドの界面の***及び空洞の空間的位置、並びに***及び空洞の大きさが、界面での第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの正常な会合を著しく乱すことなく***が空洞内に位置し得るようなものであることを意味する。Tyr、Phe、及びTrpなどの***は典型的には、界面の軸から垂直には延びず、好ましい立体構造を有さず、***と対応する空洞との整列は、場合によっては、X線結晶学又は核磁気共鳴(NMR)によって得られるものなどの三次元構造に基づいて***/空洞の対をモデル化することに依存し得る。これは、当該技術分野で広く受け入れられている技術を使用して達成され得る。
いくつかの実施形態において、IgG1定常領域内のノブ突然変異は、T366W(EU番号付け)である。いくつかの実施形態において、IgG1定常領域内のホール突然変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)から選択される1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、IgG1定常領域内のホール突然変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)を含む。
いくつかの実施形態において、IgG4定常領域内のノブ突然変異は、T366W(EU番号付け)である。いくつかの実施形態において、IgG4定常領域内のホール突然変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)から選択される1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態において、IgG4定常領域内のホール突然変異は、T366S、L368A、及びY407V(EU番号付け)を含む。
多重特異性抗体はまた、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果の操作(国際公開第2009/089004A1号);2つ以上の抗体又は断片の架橋(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照);二重特異性抗体を作製するためのロイシンジッパーの使用(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547-1553(1992)を参照);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術の使用(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)を参照);及び単鎖Fv(sFv)二量体の使用(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照);及び、例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載される三重特異性抗体の調製によっても作製され得る。
「オクトパス抗体」又は「二重可変ドメイン免疫グロブリン」(DVD)を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた、本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576号A1、及びWuら、「Nature Biotechnology」(2007年))。本明細書の抗体又は断片には、標的タンパク質並びに別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用(Dual Acting)FAb」又は「DAF」も含まれる(例えば、US2008/0069820を参照されたい)。
e.抗体断片
特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、及び以下に記載する他の断片が挙げられるがこれらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の総説に関して、例えばPluckthun、「The Pharmacology of Monoclonal Antibodies」中、第113巻、Rosenburg及びMoore編(Springer-Verlag、ニューヨーク)、第269~315頁(1994年)を参照されたい;また、国際公開第WO93/16185号を参照されたい;及び米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボ半減期が長くなったFab及びF(ab’)2断片の説明については、米国特許第5,869,046号を参照のこと。
特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、及び以下に記載する他の断片が挙げられるがこれらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の総説に関して、例えばPluckthun、「The Pharmacology of Monoclonal Antibodies」中、第113巻、Rosenburg及びMoore編(Springer-Verlag、ニューヨーク)、第269~315頁(1994年)を参照されたい;また、国際公開第WO93/16185号を参照されたい;及び米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボ半減期が長くなったFab及びF(ab’)2断片の説明については、米国特許第5,869,046号を参照のこと。
ダイアボディは、二価又は二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第WO1993/01161号、Hudsonら、「Nat.Med.」第9巻129~134頁(2003年)、及びHollingerら、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第90巻6444~6448頁(1993年)を参照されたい。トリアボディ及びテトラボディはまた、Hudson et al.Nat.Med.9:129~134(2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部若しくは一部又は軽鎖可変ドメインの全部若しくは一部を含む抗体断片である。特定の実施形態において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.、マサチューセッツ州ウォルサム;例えば、米国特許第6,248,516号B1を参照)。
抗体断片は、本明細書に記載されているように、インタクト抗体のタンパク質分解消化、及び組換え宿主細胞(例えば、大腸菌又はファージ)による生産を含むがこれらに限定されない様々な技術によって作製することができる。
f.抗体バリアント
特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適正な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって調製されてもよい。このような改変としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基への挿入、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられる。最終構築物に到達するために欠失、挿入、及び置換を任意に組み合わせることができるが、ただし、その最終構築物が所望の特性、例えば、抗原結合を保有することを条件とする。
特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適正な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって調製されてもよい。このような改変としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基への挿入、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられる。最終構築物に到達するために欠失、挿入、及び置換を任意に組み合わせることができるが、ただし、その最終構築物が所望の特性、例えば、抗原結合を保有することを条件とする。
g.組換え法及び組成物
抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載される組換え法及び組成物を使用して生成されうる。一実施形態において、本明細書に記載される抗体をコードする単離核酸が提供される。そのような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードしうる。さらなる実施形態では、そのような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。さらなる実施形態では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。そのような一実施形態において、宿主細胞は、以下を含む(例えば、以下を用いて形質転換されている):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸と、抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクターと、抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターとを含むベクター。一実施形態において、宿主細胞は、真核細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ球細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施形態において、抗体の作製方法が提供され、本方法は、上述される抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することと、任意に、抗体を宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から回収することとを含む。
抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載される組換え法及び組成物を使用して生成されうる。一実施形態において、本明細書に記載される抗体をコードする単離核酸が提供される。そのような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードしうる。さらなる実施形態では、そのような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。さらなる実施形態では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。そのような一実施形態において、宿主細胞は、以下を含む(例えば、以下を用いて形質転換されている):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸と、抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクターと、抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターとを含むベクター。一実施形態において、宿主細胞は、真核細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ球細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施形態において、抗体の作製方法が提供され、本方法は、上述される抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することと、任意に、抗体を宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から回収することとを含む。
抗体の組換え産生に関しては、例えば、上述の抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために、1つ以上のベクター中に挿入される。そのような核酸は、容易に単離可能であり、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができる。
抗体コード化ベクターのクローニング又は発現のための好適な宿主細胞には、本明細書に記載の原核細胞又は真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、特に糖鎖修飾やFcエフェクター機能を必要としない場合には、細菌中で産生されてもよい。バクテリアにおける抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、第5,789,199号、及び第5,840,523号を参照されたい。(また、E.coliにおける抗体断片の発現について記載している、Charlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245-254も参照のこと。)発現後、抗体は、可溶性画分中で細菌細胞ペーストから単離されてもよく、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌や酵母等の真核生物は、抗体をコードするベクターのクローニング又は発現宿主として適しており、その中には、グリコシル化経路が「ヒト化」された菌株や酵母株が含まれ、その結果、部分的又は完全にヒトのグリコシル化パターンを有する抗体が産生される。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004)、及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)を参照されたい。
また、グリコシル化抗体を発現させるのに適した宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞及び昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株が同定されており、昆虫細胞と組み合わせて使用することができ、特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションに使用することができる。
植物細胞培養物も、宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5,959,177号、第6,040,498号、第6,420,548号、第7,125,978号、及び第6,417,429号(トランスジェニック植物で抗体を生成するためのPLANTIBODIESTM技法について記載)を参照されたい。
脊椎動物細胞も、宿主として使用されてもよい。例えば、懸濁物中で成長するように適合した哺乳動物細胞株が有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS-7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胎児腎臓系統(例えば、「GrahamらJ.Gen Virol.36:59(1977)」に記載の293細胞又は293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、「Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)」に記載のTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸癌腫細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(Hep G2);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562);例えば、Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載のTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては、DHFR-CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、並びにY0、NS0、及びSp2/0等の骨髄腫細胞株が挙げられる。抗体産生に適した特定の哺乳類宿主細胞株の総説に関して、例えば、Yazaki及びWu、「Methods in Molecular Biology」、248巻(B.K.C.Lo,ed.,Human APress、ニュージャージー州トトワ)255~268頁(2003年)を参照されたい。
ここで抗体親和性に関して、実施形態において、抗体は、1つ又は複数の腫瘍関連抗原又は細胞表面受容体に結合する:複数の実施形態において、腫瘍関連抗原又は細胞表面受容体は、CD71、Trop2、MSLN、NaPi2b、Ly6E、EpCAM及びCD22から選択される。
本明細書に記載されるように、Ab-CIDEは、抗体、例えば、以下から選択される抗体を含み得る:
本明細書に記載されるように、Ab-CIDEは、抗体、例えば、以下から選択される抗体を含み得る:
i.抗Ly6E抗体
Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E;Ly67,RIG-E,SCA-2,TSA-1);NP_002337.1;NM_002346.2;de Nooij-van Dalen,A.G.ら(2003年)「Int.J.Cancer」103(6)、768~774頁;Zammit,D.J.ら(2002年)「Mol.Cell.Biol.」22(3):946~952頁;国際公開第2013/17705号。
Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E;Ly67,RIG-E,SCA-2,TSA-1);NP_002337.1;NM_002346.2;de Nooij-van Dalen,A.G.ら(2003年)「Int.J.Cancer」103(6)、768~774頁;Zammit,D.J.ら(2002年)「Mol.Cell.Biol.」22(3):946~952頁;国際公開第2013/17705号。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗Ly6E抗体を含むことができる。レチノイン酸誘導型遺伝子E(RIG-E)及び幹細胞抗原2(SCA-2)としても知られるリンパ球抗原6複合体、遺伝子座E(Ly6E)。GPI結合した131アミノ酸長、約8.4kDaタンパク質の既知でない結合パートナーとの未知の機能である。これは、マウスの未成熟胸腺細胞、胸腺髄質上皮細胞で発現される転写物として最初に同定された(Mao,et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:5910-5914)。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される主題は、PCT公開番号WO2013/177055号に記載される抗Ly6E抗体を含むAb-CIDEを提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される主題は、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3、(d)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(e)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのHVRを含む、抗Ly6E抗体を含むAb-CIDEを提供する。
一態様において、本明細書に記載される主題は、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVH HVR配列を含む抗体を含むAb-CIDEを提供する。更なる実施形態において、抗体は、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含む。
別の態様において、本明細書に記載される主題は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVL HVR配列を含む抗体を含むAb-CIDEを提供する。一実施形態では、抗体は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
別の態様において、Ab-CIDEは、(a)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(iii)配列番号6から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVH HVR配列を含むVHドメイン、並びに(b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVL HVR配列を含むVLドメインを含む、抗体を含む。
別の態様では、本明細書に記載される主題は、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3、(d)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(e)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗体を含む、Ab-CIDEを提供する。
上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗Ly6E抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗Ly6E抗体は、上の実施形態のいずれかにあるようなHVRを含み、ヒトアクセプターフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークをさらに含む。
別の態様では、Ab-CIDEの抗Ly6E抗体は、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。特定の実施形態において、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列と比べて、置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗Ly6E抗体は、Ly6Eに結合する能力を保持する。特定の実施形態において、配列番号8において合計で1~10個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、配列番号8において合計で1~5個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域内で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗Ly6E抗体は、配列番号8のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施形態では、VHは、以下から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む:(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H3。
別の態様では、Ab-CIDEの抗Ly6E抗体が提供され、該抗体は、配列番号7のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。特定の実施形態において、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列と比べて、置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗Ly6E抗体は、Ly6Eに結合する能力を保持する。特定の実施形態において、配列番号7において合計で1~10個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、配列番号7において合計で1~5個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗Ly6E抗体は、配列番号7のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、1つ、2つ、又は3つのHVRを含む。
別の態様において、抗Ly6E抗体を含むAb-CIDEが提供され、この抗体は、上述の実施形態のいずれかにあるようなVH、及び上述の実施形態のいずれかにあるようなVLを含む。
一実施形態において、Ab-CIDEが提供され、該抗体は、それぞれ配列番号8及び配列番号7のVH配列及びVL配列を含み、これにはそれらの配列の翻訳後修飾が含まれる。
さらなる態様において、本明細書において、本明細書に提供される抗Ly6E抗体と同じエピトープに結合する抗体を含む、Ab-CIDEが提供される。例えば、特定の実施形態において、配列番号8のVH配列及び配列番号7のVL配列をそれぞれ含む抗Ly6E抗体と同じエピトープに結合する抗体を含むAb-CIDEが提供される。
更なる態様において、上記のいずれかの実施形態によるAb-CIDEの抗Ly6E抗体は、ヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗Ly6E抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。別の実施形態において、本抗体は、実質的に完全長の抗体、例えば、本明細書に定義されるIgG1抗体、IgG2a抗体、又は他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。いくつかの実施形態において、Ab-CIDEは、それぞれ配列番号10及び9のアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖を含む抗Ly6E抗体を含む
ii.抗NaPi2b抗体
Napi2b(Napi3b、NAPI-3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質担体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b、Genbank受託番号NM_006424)J.Biol.Chem.277(22):19665~19672頁(2002年),「Genomics」62(2):281~284頁(1999年),Feild,J.A.ら(1999年)「Biochem.Biophys.Res.Commun.」258(3):578~582頁);国際公開第2004022778号(請求項2);欧州特許第1394274号(実施例11);国際公開第2002102235号(請求項13;326頁);欧州特許第875569号(請求項1;17~19頁);国際公開第200157188号(請求項20;329頁);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第200175177号(請求項24;139~140頁);相互参照:MIM:604217;NP_006415.1;NM_006424_1。
Napi2b(Napi3b、NAPI-3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質担体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b、Genbank受託番号NM_006424)J.Biol.Chem.277(22):19665~19672頁(2002年),「Genomics」62(2):281~284頁(1999年),Feild,J.A.ら(1999年)「Biochem.Biophys.Res.Commun.」258(3):578~582頁);国際公開第2004022778号(請求項2);欧州特許第1394274号(実施例11);国際公開第2002102235号(請求項13;326頁);欧州特許第875569号(請求項1;17~19頁);国際公開第200157188号(請求項20;329頁);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第200175177号(請求項24;139~140頁);相互参照:MIM:604217;NP_006415.1;NM_006424_1。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗NaPi2b抗体を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書には、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-H3、(d)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(e)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(f)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのHVRを含む、抗NaPi2b抗体を含むAb-CIDEが記載される。
一態様において、本明細書には、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVH HVR配列を含む抗体を含むAb-CIDEが記載される。更なる実施形態において、抗体は、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含む。
別の態様において、本明細書には、(a)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVL HVR配列を含む抗体を含むAb-CIDEが記載される。一実施形態では、抗体は、(a)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
別の態様において、Ab-CIDEは、(a)(i)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(iii)配列番号13から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVH HVR配列を含むVHドメイン、並びに(b)(i)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(ii)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つ全てのVL HVR配列を含むVLドメインを含む、抗体を含む。
別の態様では、本明細書には、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-H3、(d)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(e)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(f)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗体を含む、Ab-CIDEが記載される。
上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗NaPi2b抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗NaPi2b抗体は、上の実施形態のいずれかにあるようなHVRを含み、ヒトアクセプターフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークをさらに含む。
別の態様において、Ab-CIDEの抗NaPi2b抗体は、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。特定の実施形態では、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するVH配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗NaPi2b抗体は、NaPi2bに結合する能力を保持する。特定の実施形態において、配列番号17において合計で1~10個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、配列番号17において合計で1~5個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域内で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗NaPi2b抗体は、配列番号17のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施形態では、VHは、以下から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む:(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(c)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-H3。
別の態様では、Ab-CIDEの抗NaPi2b抗体が提供され、該抗体は、配列番号18のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。特定の実施形態において、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列と比べて、置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗NaPi2b抗体は、抗NaPi2bに結合する能力を保持する。特定の実施形態において、配列番号18において合計で1~10個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、配列番号18において合計で1~5個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は欠失している。特定の実施形態において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗NaPi2b抗体は、配列番号18のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(c)配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、1つ、2つ、又は3つのHVRを含む。
別の態様において、抗NaPi2b抗体を含むAb-CIDEが提供され、この抗体は、上述の実施形態のいずれかにあるようなVH、及び上述の実施形態のいずれかにあるようなVLを含む。
一実施形態において、Ab-CIDEが提供され、該抗体は、それぞれ配列番号17及び配列番号18のVH配列及びVL配列を含み、これにはそれらの配列の翻訳後修飾が含まれる。
さらなる態様において、本明細書において、本明細書に提供される抗NaPi2b抗体と同じエピトープに結合する抗体を含む、Ab-CIDEが提供される。例えば、特定の実施形態において、配列番号17のVH配列及び配列番号18のVL配列をそれぞれ含む抗NaPi2b抗体と同じエピトープに結合する抗体を含むAb-CIDEが提供される。
更なる態様において、上記のいずれかの実施形態によるAb-CIDEの抗NaPi2b抗体は、ヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗NaPi2b抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。別の実施形態において、本抗体は、実質的に完全長の抗体、例えば、本明細書に定義されるIgG1抗体、IgG2a抗体、又は他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。
iii.抗CD22抗体
CD22(B細胞受容体CD22-Bアイソフォーム、BL-CAM、Lyb-8、Lyb8、SIGLEC-2、FLJ22814、Genbank受託番号AK026467);Wilson et al(1991)J.Exp.Med.173:137-146;WO2003072036(請求項1;図1);相互参照:MIM:107266;NP_001762.1;NM_001771_1
CD22(B細胞受容体CD22-Bアイソフォーム、BL-CAM、Lyb-8、Lyb8、SIGLEC-2、FLJ22814、Genbank受託番号AK026467);Wilson et al(1991)J.Exp.Med.173:137-146;WO2003072036(請求項1;図1);相互参照:MIM:107266;NP_001762.1;NM_001771_1
特定の実施形態において、Ab-CIDEは、3つの軽鎖超可変領域(HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3)を含む抗CD22抗体を含むことができる。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD22抗体は、3つの軽鎖超可変領域及び3つの重鎖超可変領域(配列番号19~24)を含み、その配列を以下に示す。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD22抗体が、配列番号25の可変軽鎖配列及び配列番号26の可変重鎖配列を含む。一実施形態において、本発明のAb-CIDEsの抗CD22抗体は、配列番号27の軽鎖配列及び配列番号28の重鎖配列を含む:
iv.抗CD71抗体
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗CD71抗体を含むことができる。CD71(トランスフェリン受容体)は、鉄の細胞取り込みにおいて重要な役割を果たす内在性膜糖タンパク質である。これは、細胞増殖及び活性化のマーカーとしてよく知られている。造血系における全ての増殖細胞はCD71を発現するが、CD71は有用な赤血球関連抗原と考えられてきた。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗CD71抗体はヒト化されている。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗CD71抗体を含むことができる。CD71(トランスフェリン受容体)は、鉄の細胞取り込みにおいて重要な役割を果たす内在性膜糖タンパク質である。これは、細胞増殖及び活性化のマーカーとしてよく知られている。造血系における全ての増殖細胞はCD71を発現するが、CD71は有用な赤血球関連抗原と考えられてきた。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗CD71抗体はヒト化されている。
一実施形態において、抗CD71抗体は、N297G突然変異と、IgG1 mAbエフェクター機能を低減/排除するIgG2下部ヒンジ領域との組み合わせであるNG2LH改変を含む。別の実施形態では、抗CD71抗体は、リンカーへのコンジュゲートに使用される操作されたCys残基を含む。1つの実施形態において、これらの変化の全てを欠く親IgG1 mAbが、WO2016081643に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。
複数の実施形態において、抗CD71抗体は、抗huTfR1.hIgG1.LC.K149C.HC.L174C.Y373C.NG2LH ABP1AA25970(高親和性DAR6)である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD71抗体は、配列番号30の軽鎖配列及び配列番号29の重鎖配列を含む。
複数の実施形態において、抗CD71抗体は、抗huTfR2.hIgG1.LC.K149C.HC.L174C.Y373C.NG2LH ABP1AA25969(低親和性DAR6)である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD71抗体は、配列番号32の軽鎖配列及び配列番号31の重鎖配列を含む。
複数の実施形態において、抗CD71抗体は、抗huTfR1.hIgG1.LC.K149C.NG2LH ABP1AA30139(高親和性DAR2)である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD71抗体は、配列番号34の軽鎖配列及び配列番号33の重鎖配列を含む。
複数の実施形態において、抗CD71抗体は、抗huTfR2.hIgG1.LC.K149C.NG2LH ABP1AA30140(低親和性DAR2)である。一実施形態において、Ab-CIDEの抗CD71抗体は、配列番号36の軽鎖配列及び配列番号35の重鎖配列を含む。
v.抗Trop2抗体
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗Trop2抗体を含むことができる。Trop2(栄養膜抗原2)は、多くのがんにおいて示差的に発現される細胞内カルシウムシグナル伝達物質である膜貫通糖タンパク質である。それは、自己再生、増殖、浸潤及び生存について細胞にシグナル伝達する。Trop2は、細胞表面糖タンパク質Trop-2/Trop2、胃腸腫瘍関連抗原GA7331、膵癌腫マーカータンパク質GA733-1/GA733、膜成分第1染色体表面マーカー1M1S1、上皮糖タンパク質-1、EGP-1、CAA1、ゼラチン滴様角膜ジストロフィーGDLD及びTTD2としても知られている。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗Trop2抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗Trop2抗体は、米国特許出願公開第2014/0377287号及び米国特許出願公開第2015/0366988号に記載されており、それぞれその全体が参照により組み込まれる。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗Trop2抗体を含むことができる。Trop2(栄養膜抗原2)は、多くのがんにおいて示差的に発現される細胞内カルシウムシグナル伝達物質である膜貫通糖タンパク質である。それは、自己再生、増殖、浸潤及び生存について細胞にシグナル伝達する。Trop2は、細胞表面糖タンパク質Trop-2/Trop2、胃腸腫瘍関連抗原GA7331、膵癌腫マーカータンパク質GA733-1/GA733、膜成分第1染色体表面マーカー1M1S1、上皮糖タンパク質-1、EGP-1、CAA1、ゼラチン滴様角膜ジストロフィーGDLD及びTTD2としても知られている。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗Trop2抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗Trop2抗体は、米国特許出願公開第2014/0377287号及び米国特許出願公開第2015/0366988号に記載されており、それぞれその全体が参照により組み込まれる。
vi.抗MSLN抗体
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗MSLN抗体を含むことができる。MSLN(メソテリン)は、細胞接着タンパク質として機能し得るグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー細胞表面タンパク質である。MSLNは、CAK1及びMPFとしても知られている。このタンパク質は、上皮中皮腫、卵巣がん及び特定の扁平上皮癌腫において過剰発現される。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗MSLN抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗MSLN抗体は、その全体が参照により組み込まれる、Scales,S.J.et al.,Mol.Cancer Ther.2014,13(11),2630-2640に記載されるh7D9.v3である。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗MSLN抗体を含むことができる。MSLN(メソテリン)は、細胞接着タンパク質として機能し得るグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー細胞表面タンパク質である。MSLNは、CAK1及びMPFとしても知られている。このタンパク質は、上皮中皮腫、卵巣がん及び特定の扁平上皮癌腫において過剰発現される。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、Ab-CIDEの抗MSLN抗体はヒト化されている。一実施形態において、抗MSLN抗体は、その全体が参照により組み込まれる、Scales,S.J.et al.,Mol.Cancer Ther.2014,13(11),2630-2640に記載されるh7D9.v3である。
vii.抗EpCAM抗体
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗EpCAM抗体を含むことができる。一態様では、Ab-CIDEの抗体は、多数の細胞又は組織型上に見出されるタンパク質に対する抗体であり得る。そのような抗体の例としては、EpCAMが挙げられる。上皮細胞接着分子(EpCAM)は、上皮におけるCa2+非依存性ホモタイプ細胞-細胞接着を媒介する膜貫通糖タンパク質である(Litvinov,S.ら(1994年)「Journal of Cell Biology」125(2):437~46頁)。DIAR5、EGP-2、EGP314、EGP40、ESA、HNPCC8、KS1/4、KSA、M 4 S 1、MIC18、MK-1、TACSTD1、TROP1、EpCAMとしても知られており、細胞シグナル伝達(Maetzel,D.ら(2009年)「Nature Cell Biology」11(2):162~71頁)、遊走(ワシントン州オスタ;ら(2004)、「Cancer Res.」、64(16):5818~24頁)、増殖及び分化(Litvinov,S.ら(1996年)「Am J Pathol.」148(3):865~75頁)にも関与している。さらに、EpCAMは、c-myc、e-fabp及びサイクリンA及びEを上方調節する能力を介して発癌性の可能性を有する(Munz,M.ら(2004年)「Oncogene」23(34):5748~58頁)。EpCAMは、上皮及び上皮由来新生物において排他的に発現されるので、EpCAMは、様々ながんの診断マーカーとして使用することができる。言い換えれば、Ab-CIDEを使用して、標的化抗体を使用する場合のように特定の細胞型又は組織型ではなく、多くの細胞又は組織にCIDEを送達することができる。
特定の実施形態において、Ab-CIDEは抗EpCAM抗体を含むことができる。一態様では、Ab-CIDEの抗体は、多数の細胞又は組織型上に見出されるタンパク質に対する抗体であり得る。そのような抗体の例としては、EpCAMが挙げられる。上皮細胞接着分子(EpCAM)は、上皮におけるCa2+非依存性ホモタイプ細胞-細胞接着を媒介する膜貫通糖タンパク質である(Litvinov,S.ら(1994年)「Journal of Cell Biology」125(2):437~46頁)。DIAR5、EGP-2、EGP314、EGP40、ESA、HNPCC8、KS1/4、KSA、M 4 S 1、MIC18、MK-1、TACSTD1、TROP1、EpCAMとしても知られており、細胞シグナル伝達(Maetzel,D.ら(2009年)「Nature Cell Biology」11(2):162~71頁)、遊走(ワシントン州オスタ;ら(2004)、「Cancer Res.」、64(16):5818~24頁)、増殖及び分化(Litvinov,S.ら(1996年)「Am J Pathol.」148(3):865~75頁)にも関与している。さらに、EpCAMは、c-myc、e-fabp及びサイクリンA及びEを上方調節する能力を介して発癌性の可能性を有する(Munz,M.ら(2004年)「Oncogene」23(34):5748~58頁)。EpCAMは、上皮及び上皮由来新生物において排他的に発現されるので、EpCAMは、様々ながんの診断マーカーとして使用することができる。言い換えれば、Ab-CIDEを使用して、標的化抗体を使用する場合のように特定の細胞型又は組織型ではなく、多くの細胞又は組織にCIDEを送達することができる。
1.抗体親和性
特定の実施形態において、本明細書中に提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦5nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM又は≦0.001nMの解離定数(Kd)を有し、任意に、≧10-13M(例えば10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦5nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM又は≦0.001nMの解離定数(Kd)を有し、任意に、≧10-13M(例えば10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)である。
一実施形態では、Kdは、以下のアッセイにより説明されるように、目的の抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて行われる放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、未標識抗原の一連の滴定の存在下で、Fabを最小濃度の(125I)標識抗原と平衡化し、その後抗Fab抗体コーティングプレートと結合した抗原を捕捉することによって測定される(例えば、Chenら、「J.Mol.Biol.」、293:865~881頁(1999年)を参照されたい)。アッセイの条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mlの捕捉用抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、その後、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで2~5時間にわたって室温(およそ23℃)で遮断する。非吸着性プレート(Nunc番号269620)中、100pM又は26pMの[125I]-抗原を、目的とされるFabの段階希釈液と混合する(例えば、Prestaら、「Cancer Res.」、57巻:4593~4599頁(1997年)における抗VEGF抗体Fab-12の評価と一貫する)。次に、目的とするFabを一晩インキュベートするが、このインキュベーションは、平衡が達成されることを確実にするために、より長い期間(例えば、約65時間)継続し得る。その後、混合物を、室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のため、捕捉プレートに移す。次に、溶液を除去し、プレートを、PBS中0.1%のポリソルベート20(TWEEN-20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μL/ウェルのシンチラント(scintillant)(MICROSCINT-20(商標)、Packard)を付加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマ計数器(Packard)上で10分間、計数する。最大結合の20%以下をもたらす各Fabの濃度を、競合結合アッセイでの使用のために選択する。
別の実施形態によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)-2000又はBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用した表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、25℃で、約10応答単位(RU)で固定化された抗原CM5チップを用いて測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、供給業者の指示に従って、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化する。抗原を、pH4.8の10mMの酢酸ナトリウムによって、5μg/ml(約0.2μM)に希釈した後、5μl/分の流速でインジェクトし、カップリングされたタンパク質のおよそ10応答ユニット(RU)を達成する。抗原のインジェクション後、1Mのエタノールアミンをインジェクトして、未反応基をブロックする。動態測定のため、Fabの2倍段階希釈液(0.78nM~500nM)を、およそ25μL/分の流量にて25℃で0.05%のポリソルベート20(TWEEN-20(商標))界面活性剤(PBST)を有するPBS中に注射する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって、単純1対1 Langmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して計算する。平衡解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chenら、「J.Mol.Biol.」、293:865~881頁(1999年)を参照されたい。上述の表面プラズモン共鳴アッセイによりオン速度が106M-1 s-1を超える場合、オン速度を、ストップフローを装備した分光測色計(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを有する8000シリーズSLM-AMINCO(商標)分光測色計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定される抗原の増加した濃度の存在下でPBS(pH7.2)中20nMの抗抗原抗体(Fab形態)の25℃での蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加又は減少を測定する蛍光クエンチ技法を使用することによって決定することができる。
2.リンカー(L1)
本明細書に記載の「リンカー」(L1、リンカー-1)は、1つ以上のCIDE部分(D)を抗体(Ab)に連結してAb-CIDEを形成するために使用することができる二官能性又は多官能性部分である。いくつかの実施形態において、Ab-CIDEは、CIDEに及び抗体に共有結合するための反応性官能基を有するL1を使用して調製することができる。例えば、いくつかの実施形態において、抗体(Ab)のシステインチオールは、リンカーの反応性官能基又はリンカーL1-CIDE基と結合を形成して、Ab-CIDEを作製することができる。具体的に、リンカーの化学構造が、Ab-CIDEの効能及び安全性の両方に対して大きな影響を及ぼし得る(Ducry&Stump、「Bioconjugate Chem」、2010年、21,5~13頁)。正しいリンカーを選択することは、標的細胞の意図された細胞区画への適切な薬物送達に影響する。
本明細書に記載の「リンカー」(L1、リンカー-1)は、1つ以上のCIDE部分(D)を抗体(Ab)に連結してAb-CIDEを形成するために使用することができる二官能性又は多官能性部分である。いくつかの実施形態において、Ab-CIDEは、CIDEに及び抗体に共有結合するための反応性官能基を有するL1を使用して調製することができる。例えば、いくつかの実施形態において、抗体(Ab)のシステインチオールは、リンカーの反応性官能基又はリンカーL1-CIDE基と結合を形成して、Ab-CIDEを作製することができる。具体的に、リンカーの化学構造が、Ab-CIDEの効能及び安全性の両方に対して大きな影響を及ぼし得る(Ducry&Stump、「Bioconjugate Chem」、2010年、21,5~13頁)。正しいリンカーを選択することは、標的細胞の意図された細胞区画への適切な薬物送達に影響する。
特定の実施形態において、L1リンカーは、自壊性であり得る。
特定の実施形態において、L1リンカーは、L1a、L1b及びL1c:
L1aの例:
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3;又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、
R5及びR6は、独立して、水素又はC1-5アルキルであり、又は、R5及びR6は、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシであり、
は、Abへの結合点である)
からなる群から選択される。
L1aの例:
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3;又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、
R5及びR6は、独立して、水素又はC1-5アルキルであり、又は、R5及びR6は、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシであり、
は、Abへの結合点である)
からなる群から選択される。
特定の実施形態において、L1リンカーは、親水性自壊性リンカーである。これらのタイプのL1リンカーの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2014/100762号に記載されているものである。L1リンカーとしては、限定されないが、式I~XIIが挙げられる。
本開示は、式(I):
(式中、
Dは薬物部分又はCIDEであり、
Tは抗体などの標的化部分であり、
Xは親水性自壊性リンカーであり、
L1は、L1とは異なり、結合、第2の自壊性リンカー、又は環化自己消去リンカーであり、
L2は、結合又は第2の自壊性リンカーであり、
L1が第2の自壊性リンカー又は環化自己消去リンカーである場合、Lは結合であり、
L2が第2の自壊性リンカーである場合、L1は結合であり、
L3はペプチドリンカーであり、
L4は、結合又はスペーサーであり、並びに
Aはアシル単位である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
(式中、
Dは薬物部分又はCIDEであり、
Tは抗体などの標的化部分であり、
Xは親水性自壊性リンカーであり、
L1は、L1とは異なり、結合、第2の自壊性リンカー、又は環化自己消去リンカーであり、
L2は、結合又は第2の自壊性リンカーであり、
L1が第2の自壊性リンカー又は環化自己消去リンカーである場合、Lは結合であり、
L2が第2の自壊性リンカーである場合、L1は結合であり、
L3はペプチドリンカーであり、
L4は、結合又はスペーサーであり、並びに
Aはアシル単位である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(la):
(式中、D、T、X、L1、L2、L3、L4及びAは、式(I)について定義されるとおりであり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
本開示はまた、式(II):
(式中、
Dは、薬物部分又はCIDEであり、
Tは、標的化部分又は抗体であり、
R1は、水素、非置換若しくは置換C1-3アルキル、又は非置換若しくは置換ヘテロシクリルであり、
L1は、結合、第2の自壊性リンカー、又は環化自己消去リンカーであり、2
L2は、結合、第2の自壊性リンカーであり、
L1が第2の自壊性リンカー又は環化自己消去リンカーである場合、L2は結合であり、
L1が第2の自壊性リンカーである場合、L2は結合であり、
L3はペプチドリンカーであり、
L4は、結合又はスペーサーであり、並びに
Aはアシル単位である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
(式中、
Dは、薬物部分又はCIDEであり、
Tは、標的化部分又は抗体であり、
R1は、水素、非置換若しくは置換C1-3アルキル、又は非置換若しくは置換ヘテロシクリルであり、
L1は、結合、第2の自壊性リンカー、又は環化自己消去リンカーであり、2
L2は、結合、第2の自壊性リンカーであり、
L1が第2の自壊性リンカー又は環化自己消去リンカーである場合、L2は結合であり、
L1が第2の自壊性リンカーである場合、L2は結合であり、
L3はペプチドリンカーであり、
L4は、結合又はスペーサーであり、並びに
Aはアシル単位である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IIa):
(式中、D、T、L1、L2、L3、L4及びAは、式(II)について定義されるとおりであり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
(式中、D、T、L1、L2、L3、L4及びAは、式(II)について定義されるとおりであり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
本開示はまた、式(III):
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IIIa):
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
本開示は、式(IV):
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IVa):
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
本開示は、式(V):
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
(式中、Tは標的化部分である)
のL1リンカー又はその塩、溶媒和物若しくは水和物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(Va):
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
(式中、Tは標的化部分であり、pは1~20である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。いくつかの実施形態において、pは、1~8である。いくつかの実施形態において、pは、1~6である。いくつかの実施形態において、pは、1~4である。いくつかの実施形態において、pは、2~4である。いくつかの実施形態において、pは、1、2、3、又は4である。
本開示は、式(VI):
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物を提供する。
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物を提供する。
本開示は、式(VII):
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物を提供する。
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物を提供する。
本開示は、式(VIII):
のL1リンカーを提供する。
のL1リンカーを提供する。
本開示は、式(XII):
(式中、RはNO2又はNH2である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。
(式中、RはNO2又はNH2である)
のL1リンカー又はその塩若しくは溶媒和物若しくは立体異性体を提供する。
特定の実施形態において、L1リンカーはまた、一般に、切断可能(例えば、ペプチド、ヒドラゾン又はジスルフィドなど)又は切断不可能(チオエーテルなど)の2つのカテゴリーに分けることもできる。リンカーが切断不可能なリンカーである場合、E3LB部分上のその位置は、VHL結合を妨害しないような位置である。具体的には、切断不可能なリンカーは、VHL結合ドメインのプロリン上のヒドロキシル位置で共有結合されるべきではない。リソソーム酵素(カテプシンB等)によって加水分解され得るバリン-シトルリン(Val-Cit)等のペプチドリンカーが、薬物を抗体と接続するために使用されてきた(米国特許第6,214,345)。それらは、全身循環におけるそれらの相対的安定性及び腫瘍内で薬物を効率的に放出する能力に一部起因して、特に有用であった。しかしながら、天然ペプチドによって表されるケミカルスペースは限定されているため、ペプチドのように作用し、リソソームプロテアーゼによって有効に切断され得る、多様な非ペプチドリンカーを有することが望ましい。より優れた非ペプチド構造の多様性が、ペプチドリンカーによって付与されない新規の有益な特性をもたらし得る。リソソーム酵素によって切断され得るリンカーL1のための異なる種類の非ペプチドリンカーが、本明細書に提供される。
a.ペプチド模倣リンカー
リソソーム酵素によって切断可能なAb-CIDEのための異なるタイプの非ペプチド性ペプチド模倣リンカーが本明細書で提供される。例えば、ジペプチド(例えばVal-Cit)の中央のアミド結合をアミド模倣物で置き換えられていた、及び/又はアミノ酸全体(例えば、Val-Citジペプチド中のバリンアミノ酸)が非アミノ酸部分(例えば、シクロアルキルジカルボニル構造(例えば、環サイズ=4又は5))で置き換えられていた。
リソソーム酵素によって切断可能なAb-CIDEのための異なるタイプの非ペプチド性ペプチド模倣リンカーが本明細書で提供される。例えば、ジペプチド(例えばVal-Cit)の中央のアミド結合をアミド模倣物で置き換えられていた、及び/又はアミノ酸全体(例えば、Val-Citジペプチド中のバリンアミノ酸)が非アミノ酸部分(例えば、シクロアルキルジカルボニル構造(例えば、環サイズ=4又は5))で置き換えられていた。
L1がペプチド模倣リンカーである場合、下記式:
-Str-(PM)-Sp-、
(式中、
Strは、Abに共有結合したストレッチャー単位であり、
Spは、結合又はCIDE部分に共有結合したスペーサー単位であり、並びに
PMは、
からなる群から選択される非ペプチド化学部分であり、
Wは、-NH-ヘテロシクロアルキル-又はヘテロシクロアルキルであり、
Yは、ヘテロアリール、アリール、-C(O)C1~C6アルキレン、C1~C6アルキレン-NH2、C1~C6アルキレン-NH-CH3、C1~C6アルキレン-N-(CH3)2、C1~C6アルケニル、又はC1~C6アルキレニルであり、
各R1は、独立して、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、アリールアルキル、又は、ヘテロアリールアルキルであるか、又は、R3及びR2は、一緒に、C3~C7シクロアルキルを形成してもよく;及び
R4及びR5は、それぞれ独立して、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C1~C10アルキル)OCH2-であるか、又はR4及びR5はC3~C7シクロアルキル環を形成してもよい)
によって表される。
-Str-(PM)-Sp-、
(式中、
Strは、Abに共有結合したストレッチャー単位であり、
Spは、結合又はCIDE部分に共有結合したスペーサー単位であり、並びに
PMは、
からなる群から選択される非ペプチド化学部分であり、
Wは、-NH-ヘテロシクロアルキル-又はヘテロシクロアルキルであり、
Yは、ヘテロアリール、アリール、-C(O)C1~C6アルキレン、C1~C6アルキレン-NH2、C1~C6アルキレン-NH-CH3、C1~C6アルキレン-N-(CH3)2、C1~C6アルケニル、又はC1~C6アルキレニルであり、
各R1は、独立して、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、アリールアルキル、又は、ヘテロアリールアルキルであるか、又は、R3及びR2は、一緒に、C3~C7シクロアルキルを形成してもよく;及び
R4及びR5は、それぞれ独立して、C1~C10アルキル、C1~C10アルケニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C1~C10アルキル)OCH2-であるか、又はR4及びR5はC3~C7シクロアルキル環を形成してもよい)
によって表される。
L1は、E3LB、L2、又はPB基のいずれかを介してCIDEに接続されてもよいことに留意されたい。
複数の実施形態において、Yは、ヘテロアリールであり、R4及びR5は、一緒に、シクロブチル環を形成する。
複数の実施形態において、Yは
からなる群から選択される部分である。
からなる群から選択される部分である。
複数の実施形態において、Strは、下記式:
(式中、R6は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルケニル、C3~C8シクロアルキル、(C1~C8アルキレン)O-、及びC1~C10アルキレン-C(O)N(Ra)-C2~C6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンは、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオ、C3~C8シクロアルキル、C4~C7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、各Raは、独立して、H又は1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは(C1~C10アルキレン)O-である。マレイミドが抗体上の露出したCys残基とマイケル付加を介して反応すると、抗体へのコンジュゲートが起こり得る)
で表される化学部分である。露出したCys残基は、分子工学によって人工的に導入することができ、及び/又は、鎖間ジスルフィド結合の還元によって生成することができる)
(式中、R6は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルケニル、C3~C8シクロアルキル、(C1~C8アルキレン)O-、及びC1~C10アルキレン-C(O)N(Ra)-C2~C6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンは、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオ、C3~C8シクロアルキル、C4~C7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、各Raは、独立して、H又は1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは(C1~C10アルキレン)O-である。マレイミドが抗体上の露出したCys残基とマイケル付加を介して反応すると、抗体へのコンジュゲートが起こり得る)
で表される化学部分である。露出したCys残基は、分子工学によって人工的に導入することができ、及び/又は、鎖間ジスルフィド結合の還元によって生成することができる)
複数の実施形態において、Strは、式:
(式中、R7は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルケニル、(C1~C10アルキレン)O-、N(Rc)-(C2~C6アルキレン)-N(Rc)及びN(Rc)-(C2~C6アルキレン)から選択され、各Rcは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは、(C1~C10アルキレン)O-又はSp-C1~C6-アルキレン-C(O)NH-である)
を有する。
(式中、R7は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルケニル、(C1~C10アルキレン)O-、N(Rc)-(C2~C6アルキレン)-N(Rc)及びN(Rc)-(C2~C6アルキレン)から選択され、各Rcは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは、(C1~C10アルキレン)O-又はSp-C1~C6-アルキレン-C(O)NH-である)
を有する。
複数の実施形態において、L1は、下記式:
(R1は、C1~C6アルキル、C1~C6アルケニル、(C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H又はC1~C10アルキルである)
で表される非ペプチド化学部分である。
(R1は、C1~C6アルキル、C1~C6アルケニル、(C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H又はC1~C10アルキルである)
で表される非ペプチド化学部分である。
複数の実施形態において、L1は、下記式:
(R1は、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、
R4及びR5は、一緒に、C3~C7シクロアルキル環を形成する)
で表される非ペプチド化学部分である。
(R1は、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、
R4及びR5は、一緒に、C3~C7シクロアルキル環を形成する)
で表される非ペプチド化学部分である。
複数の実施形態において、L1は、下記式:
(R1は、C1~C6アルキル、C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、Wは上に定義されるとおりである)
で表される非ペプチド化学部分である。
(R1は、C1~C6アルキル、C1~C6アルキル)NHC(NH)NH2又は(C1~C6アルキル)NHC(O)NH2であり、Wは上に定義されるとおりである)
で表される非ペプチド化学部分である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、国際公開第2015/095227号、国際公開第2015/095124号又は国際公開第2015/095223号に記載されているものなどのペプチド模倣リンカーであり得、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態において、リンカーは
からなる群から選択される。
からなる群から選択される。
b.非ペプチド模倣リンカー
一態様では、リンカーL1は、以下のように抗体及びCIDEに共有結合し得る。
一態様では、リンカーL1は、以下のように抗体及びCIDEに共有結合し得る。
一態様では、リンカーL1は、抗体とジスルフィド結合を形成し、リンカーは構造:
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、独立して、H、置換されていてもよい分枝又は直鎖のC1-C5アルキル、及び置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は、R1とR2が、若しくはR3とR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3-C6シクロアルキル環又は3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成する)
を有する。
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、独立して、H、置換されていてもよい分枝又は直鎖のC1-C5アルキル、及び置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は、R1とR2が、若しくはR3とR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3-C6シクロアルキル環又は3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成する)
を有する。
一態様では、リンカーのカルボニル基は、CIDE内のアミン基に接続されている。Abに結合した硫黄原子は、抗体中のシステインからの硫黄基であることにも留意されたい。別の態様において、L1は、抗体上に存在する遊離システインと反応して共有結合を形成することが可能である官能性を有する。そのような反応性官能基の非限定的な例には、マレイミド、ハロアセトアミド、α-ハロアセチル、コハク酸イミドエステル、4-ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル等の活性化エステル、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアン酸塩、及びイソチオシアン酸塩が含まれる。例えば、Klussmanら(2004年)、「Bioconjugate Chemistry」15(4):765~773の766頁におけるコンジュゲート方法、及びその中の実施例を参照されたい。
いくつかの実施形態において、L1リンカーは、抗体上に存在する求電子基と反応することが可能である官能性を有する。そのような求電子性基の例としては、アルデヒド及びケトンカルボニル基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、リンカーの反応性官能基のヘテロ原子が、抗体上の求電子基と反応して抗体ユニットとの共有結合を形成することができる。そのような反応性官能基の非限定的な例には、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボン酸塩、及びアリールヒドラジドが含まれるが、これらに限定されない。
L1リンカーは、1つ又は複数のリンカー構成要素を含んでもよい。例示的なリンカー構成成分としては、6-マレイミドカプロイル(「MC」)、マレイミドプロパノイル(「MP」)、バリン-シトルリン(「val-cit」又は「vc」)、アラニン-フェニルアラニン(「ala-phe」)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(「PAB」)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルチオ)吉草酸(「SPP」)、及び4-(マレイミドメチル)シクロヘキサン-1カルボキシレート(「MCC」)が挙げられる。様々なリンカー構成成分が当技術分野で既知であり、このうちのいくつかが以下に記載される。
L1リンカーは、CIDEの放出を容易にする「切断可能リンカー」であってもよい。非限定的な例示的な切断可能リンカーとしては、酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾンを含む)、プロテアーゼ感受性(例えば、ペプチダーゼ感受性)リンカー、感光性リンカー、又はジスルフィド含有リンカー(Chariら、「Cancer Research」52:127~131頁(1992年)、米国特許第5,208,020号)が挙げられる。
特定の実施形態において、リンカーは下記式:
(式中、Aは、「ストレッチャー単位」であり、及び、aは0~1の整数であり、Wは「アミノ酸単位」であり、及び、wは0~12の整数であり、Yは「スペーサー単位」であり、及び、yは0、1、又は2である)
を有する。そのようなリンカーの例示的な実施形態は、米国特許第7,498,298号に記載されている。
(式中、Aは、「ストレッチャー単位」であり、及び、aは0~1の整数であり、Wは「アミノ酸単位」であり、及び、wは0~12の整数であり、Yは「スペーサー単位」であり、及び、yは0、1、又は2である)
を有する。そのようなリンカーの例示的な実施形態は、米国特許第7,498,298号に記載されている。
いくつかの実施形態において、L1リンカー成分は、抗体を別のリンカー成分又はCIDE部分に連結する「ストレッチャー単位」を含む。例示的なストレッチャー単位を、以下に示す(波線は、抗体、CIDE、又は追加のリンカー成分への共有結合の部位を示す)。
特定の実施形態において、リンカーは
である。
である。
特定の実施形態において、リンカーは下記式:
-Aa-Yy-
(式中、A及びYは上記のように定義される)
を有する。特定の実施形態において、スペーサー単位Yは、モノホスフェート又はビスホスフェートなどのホスフェートであってもよい。特定の実施形態において、ストレッチャー成分Aは
を含む。
-Aa-Yy-
(式中、A及びYは上記のように定義される)
を有する。特定の実施形態において、スペーサー単位Yは、モノホスフェート又はビスホスフェートなどのホスフェートであってもよい。特定の実施形態において、ストレッチャー成分Aは
を含む。
特定の実施形態において、リンカーは
である。
である。
3.CIDE(「D」)
有用なCIDEは、上記の一般式を有する。
有用なCIDEは、上記の一般式を有する。
有用なAb-L1-CIDE及び非コンジュゲートデグレーダーは、細胞標的化、並びにタンパク質標的化及び分解などの望ましい特性を示す。特定の実施形態において、Ab-L1-CIDEは、0.0001~約2.0未満、又は約1.0未満、又は約0.8未満、又は約0.7未満、又は約0.6未満、又は約0.5未満、又は約0.4未満、又は約0.3未満、又は約0.2未満のDC50(μg/mL)を示す。特定の実施形態において、Ab-L1-CIDEは、少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98又は99のDCmaxを示す。
CIDEには、以下の構成要素を有するものが含まれる。
a.E3ユビキチンリガーゼ結合基(E3LB)
E3ユビキチンリガーゼ(そのうち600以上がヒトで知られている)は、ユビキチン化の基質特異性を付与する。これらのリガーゼに結合する既知のリガンドが存在する。本明細書に記載のE3ユビキチンリガーゼ結合基は、フォンヒッペル・リンドウ(VHL)であるE3ユビキチンリガーゼを結合することができるペプチド又は小分子である。
E3ユビキチンリガーゼ(そのうち600以上がヒトで知られている)は、ユビキチン化の基質特異性を付与する。これらのリガーゼに結合する既知のリガンドが存在する。本明細書に記載のE3ユビキチンリガーゼ結合基は、フォンヒッペル・リンドウ(VHL)であるE3ユビキチンリガーゼを結合することができるペプチド又は小分子である。
特定のE3ユビキチンリガーゼはフォンヒッペル・リンドウ(VHL)腫瘍抑制因子であり、E3リガーゼ複合体VCBの基質認識サブユニットであり、エロンギンB及びCと、Cul2とRbxlとから構成されている。VHLの主要な基質は、低酸素誘導因子Iα(HIF-Iα)であり、これは、低酸素レベルに応答して血管新生促進増殖因子VEGF及び赤血球誘導サイトカインエリスロポエチンなどの遺伝子をアップレギュレートする転写因子である。
一態様では、本明細書の主題は、化学構造:
(式中、R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、qは1又は0であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNであり、
ここでL1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yは、それぞれ独立して、本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、L2は、本明細書の他の箇所に記載されているとおりである)
を有するCIDEのE3LB部分に関する。
(式中、R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、qは1又は0であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNであり、
ここでL1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yは、それぞれ独立して、本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、L2は、本明細書の他の箇所に記載されているとおりである)
を有するCIDEのE3LB部分に関する。
特定の実施形態において、E3LBは、R3がシアノである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R3が
である構造を有する。
である構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R3が
である構造を有する。
である構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R1A、R1B及びR1Cがそれぞれ独立して水素又はメチルである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R1A及びR1Bがそれぞれメチルである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、以下の式:
のうちの1つを有する。
のうちの1つを有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R2が水素、メチル、エチル又はプロピルである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R2がメチルである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、R2が
である構造を有する。
である構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、Y1及びY2がそれぞれ-CHである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、Y1がNであり、Y2が-CHである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBは、Y1が-CHであり、Y2がNである構造を有する。
特定の実施形態において、E3LBのプロリン部分は、構造:
を有する。
を有する。
E3LB部分は、L2部分に共有結合しているか又は共有結合することができる部分を有する少なくとも1つの末端と、L1部分に共有結合しているか又は共有結合することができる部分を有する少なくとも1つの末端とを有する。例えば、E3LB部分は、アミド結合を介してL2部分に共有結合することができる-NHCOOH部分で終端する。
本明細書に記載の態様又は実施形態のいずれかでは、本明細書に記載のE3LBは、その薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物又は多形であり得る。加えて、本明細書に記載の態様又は実施形態のいずれかでは、本明細書に記載のE3LBは、結合を介して又は化学リンカーによってPBに直接結合されてもよい。
b.BRMタンパク質結合群(PB)
CIDEのPB部分は、BRMの全てのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合物を含む、BRMに結合する小分子部分である。BRMは、サブファミリーA、メンバー2、SMARCA2及びBRAHMAとしても知られている。そのような小分子標的タンパク質結合部分には、これらの組成物の薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー、溶媒和物及び多形、並びに目的のタンパク質を標的とし得る他の小分子も含まれる。
CIDEのPB部分は、BRMの全てのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合物を含む、BRMに結合する小分子部分である。BRMは、サブファミリーA、メンバー2、SMARCA2及びBRAHMAとしても知られている。そのような小分子標的タンパク質結合部分には、これらの組成物の薬学的に許容され得る塩、エナンチオマー、溶媒和物及び多形、並びに目的のタンパク質を標的とし得る他の小分子も含まれる。
本明細書に記載のCIDE又はDACは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2019/195201号に開示されているものを含む、既知のBRM結合化合物、結合化合物の任意の残基を含むことができる。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式I:
式中、Xは、水素又はハロゲンであり、
は、
からなる群から選択され、
ここで(a)~(e)については、*は[X]への結合点を示すか、又は[X]が存在しない場合、*は[Y]への結合点を示し、**はフェニル環への結合点を示しており、
(i)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)である場合、[X]は、
(式中、#は
への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではなく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は存在しないか、あるいは
(ii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、[X]の3~15員ヘテロシクリルは、1つ又は複数の-OH又はC1-6アルキルで置換されていてもよく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)であり[X]が
(式中、&は
への結合点を示し、&&は[Z]への結合点を示す)である場合、[Z]は、
(式中、#は[X]への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではないか、あるいは
(iii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
[Y]は、メチレンであり、[Y]のメチレンは、1つ又は複数のメチル基で置換されていてもよく、
[Z]は、3~15員ヘテロシクリルであるか、あるいは
(iv)[X]は、存在せず、
[Y]は、エテニレンであり、[Y]のエテニレンが1つ又は複数のハロで置換されていてもよく、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)であるか、あるいは
(v)[X]は、存在せず、
[Y]は、エチニレンであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)であるか、あるいは
(vi)[X]は、存在せず、
[Y]は、シクロプロピル又はシクロブチルであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)である
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
式中、Xは、水素又はハロゲンであり、
は、
からなる群から選択され、
ここで(a)~(e)については、*は[X]への結合点を示すか、又は[X]が存在しない場合、*は[Y]への結合点を示し、**はフェニル環への結合点を示しており、
(i)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)である場合、[X]は、
(式中、#は
への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではなく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は存在しないか、あるいは
(ii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、[X]の3~15員ヘテロシクリルは、1つ又は複数の-OH又はC1-6アルキルで置換されていてもよく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)であり[X]が
(式中、&は
への結合点を示し、&&は[Z]への結合点を示す)である場合、[Z]は、
(式中、#は[X]への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではないか、あるいは
(iii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
[Y]は、メチレンであり、[Y]のメチレンは、1つ又は複数のメチル基で置換されていてもよく、
[Z]は、3~15員ヘテロシクリルであるか、あるいは
(iv)[X]は、存在せず、
[Y]は、エテニレンであり、[Y]のエテニレンが1つ又は複数のハロで置換されていてもよく、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)であるか、あるいは
(v)[X]は、存在せず、
[Y]は、エチニレンであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)であるか、あるいは
(vi)[X]は、存在せず、
[Y]は、シクロプロピル又はシクロブチルであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、若しくは(e)である
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式(I-A):
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式(I-B):
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式(I-C):
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式(I-D):
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、BRM結合化合物は、式(I-E):
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、[X]、[Y]及び[Z]は、式(I)の化合物について上に定義されるとおりである)
の化合物又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩である。
特定の実施形態において、CIDEのPB(BRM)部分は、構造:
(式中、
は、L2への共有結合点である)
を有する。
(式中、
は、L2への共有結合点である)
を有する。
c.リンカーL2
本明細書に記載のCIDEのE3LB及びPB部分は、リンカー(L2、リンカーL2、リンカー-2)と連結することができる。特定の実施形態において、リンカーL2は、E3LB部分に共有結合し、PB部分に共有結合し、したがってCIDEを構成する。
本明細書に記載のCIDEのE3LB及びPB部分は、リンカー(L2、リンカーL2、リンカー-2)と連結することができる。特定の実施形態において、リンカーL2は、E3LB部分に共有結合し、PB部分に共有結合し、したがってCIDEを構成する。
特定の実施形態において、L2部分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2019/195201号に開示されているリンカーから選択することができる。
E3LB基及びPB基は、リンカーの化学的性質に対して適切かつ安定である任意の基を介してリンカー基に共有結合していてもよいが、特定の態様では、L2は、アミド、エステル、チオエステル、ケト基、カルバメート(ウレタン)又はエーテルを介してE3LB基及びPB基に独立して共有結合しており、これらの基の各々は、E3LB基及びPB基のどこかに挿入されて、E3LB基のユビキチンリガーゼへの結合及びPB基のBRM標的タンパク質への結合が分解されるのを可能にし得る。換言すれば、本明細書に示されるように、リンカーは、E3LB及びPBのそれぞれの結合パートナーへの結合を調節するように設計され、E3LB及びPBに接続され得る。
特定の実施形態において、L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、L2は、式:
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有する。
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有する。
L2aの特定の実施形態において、R4は水素である。
L2aの特定の実施形態において、R4はメチルである。
L2aの特定の実施形態において、R4はメチルであり、以下:
のように、メチルは、それが結合しているピペラジンに対して配向される。
L2cの特定の実施形態において、zは0である。
L2cの特定の実施形態において、zは1である。
ここでAb-CIDEを参照すると、Ab-CIDEは単一の抗体を含むことができ、単一の抗体は1つを超えるCIDEを有することができ、各CIDEはリンカーL1を介して抗体に共有結合している。「CIDE負荷」は、抗体あたりのCIDE部分の平均数である。CIDE負荷は、抗体(Ab)あたり1~20個のCIDE(D)の範囲であり得る。すなわち、Ab-(L1-D)pのAb-CIDEの式において、pは、約1~約20、約1~約8、約1~約5、約1~約4、又は約1~約3の値を有する。リンカーL1を介して抗体に共有結合した各CIDEは、同じ又は異なるCIDEであり得て、抗体に共有結合した任意の他のL1と同じタイプ又は異なるタイプのリンカーを有し得る。ある特定の実施形態において、Abはシステイン操作抗体であり、pは約2である。
コンジュゲート反応からのAb-CIDEの調製物中の抗体あたりのCIDEの平均数は、質量分析、ELISAアッセイ、電気泳動及びHPLCなどの従来の手段によって特性評価され得る。pに関するAb-CIDEの定量的分布も決定され得る。ELISAにより、Ab-CIDEの特定の調製物中のpの平均値を決定することができる(Hamblettら(2004年)「Clin.Cancer Res.」10:7063-7070頁;Sandersonら(2005年)「Clin.Cancer Res.」11:843-852頁)。しかしながら、pの値の分布は、抗体-抗原結合及びELISAの検出限界によって識別できない。また、Ab-CIDEの検出のためのELISAアッセイは、CIDE部分が抗体のどこに結合しているか(重鎖若しくは軽鎖断片、又は特定のアミノ酸残基など)を決定しない。いくつかの例では、pが他のCIDE負荷を有するAb-CIDEからの特定の値である均一なAb-CIDEの分離、精製及び特徴付けは、逆相HPLC又は電気泳動などの手段によって達成され得る。
いくつかのAb-CIDEの場合、pは抗体上の結合部位の数によって制限され得る。例えば、抗体は、1個のみ若しくはいくつかのシステインチオール基を有し得るか、又は、1個のみ若しくはいくつかの十分に反応性のチオール基を有し得、それによって、リンカーが結合され得る。L1-Dを接続するためのAb上の別の反応部位は、リジン残基のアミン官能基である。pの値は、約1~約20、約1~約8、約1~約5、約1~約4、約1~約3の値を含み、pは2に等しい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の主題は、pが約1、2、3、4、5、6、7、又は8である任意のAb-CIDEに関する。
一般に、コンジュゲーション反応中に抗体にコンジュゲート化されるCIDE部分は理論上の最大値よりも少ない。抗体は、例えば、リンカーL1-CIDE基(L1-D)又はリンカー試薬と反応しない多くのリジン残基を含み得る。最も反応性の高いリジン基のみがアミン反応性リンカー試薬と反応し得る。また、最も反応性のシステインチオール基のみが、チオール反応性リンカー試薬又はリンカーL1-CIDE基と反応してもよい。一般に、抗体は、存在するとしても、CIDE部分に連結され得る多くの遊離及び反応性システインチオール基を含有しない。化合物の抗体中のほとんどのシステインチオール残基はジスルフィド架橋として存在し、部分的又は完全な還元条件下で、ジチオスレイトール(DTT)又はTCEPなどの還元剤で還元されなければならない。しかしながら、CARのCIDE負荷(CIDE/抗体比、「CAR」)は、以下を含むいくつかの異なる方法で制御され得る:(i)抗体と比較してモル過剰のL1-CIDE基又はリンカー試薬を限定すること、(ii)コンジュゲート反応時間又は温度を限定すること、及び(iii)システインチオール修飾のための部分又は限定的還元条件によって制御されてもよい。
III.L1-CIDE化合物
本明細書に記載のCIDEは、リンカーL1に共有結合してL1-CIDE基を調製することができる。これらの化合物は、以下の一般式を有する:
(L1-D)、
式中、Dは構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、ここでE3LBは、L2に共有結合したE3リガーゼ結合基であり、L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、PBは、L2に共有結合したBRMタンパク質結合基であり、L1はリンカーであり、Dに共有結合されている。これらの各成分の有用な基は上記のとおりである。
本明細書に記載のCIDEは、リンカーL1に共有結合してL1-CIDE基を調製することができる。これらの化合物は、以下の一般式を有する:
(L1-D)、
式中、Dは構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、ここでE3LBは、L2に共有結合したE3リガーゼ結合基であり、L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、PBは、L2に共有結合したBRMタンパク質結合基であり、L1はリンカーであり、Dに共有結合されている。これらの各成分の有用な基は上記のとおりである。
特定の実施形態において、L1は、ペプチド模倣リンカーを含む、本明細書の他の箇所に記載されるとおりである。これらの実施形態において、L1-CIDEは下記式:
(式中、
Strはストレッチャー単位であり、
Spは、結合又はD、すなわちCIDE部分に共有結合したスペーサー単位であり、
R1は、C1~C10アルキル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R4及びR5は、それぞれ独立して、C1~C10アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C1~C10アルキル)OCH2-であるか、又はR4及びR5はC3~C7シクロアルキル環を形成してもよく、
DはCIDE部分である)
を有する。
(式中、
Strはストレッチャー単位であり、
Spは、結合又はD、すなわちCIDE部分に共有結合したスペーサー単位であり、
R1は、C1~C10アルキル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R4及びR5は、それぞれ独立して、C1~C10アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C1~C10アルキル)OCH2-であるか、又はR4及びR5はC3~C7シクロアルキル環を形成してもよく、
DはCIDE部分である)
を有する。
L1-CIDE化合物を下記式:
(式中、6は、C1~C10アルキレン;R4及びR5は、一緒に、C3~C7シクロアルキル環を形成し、DはCIDEである)
で表すことができる。
(式中、6は、C1~C10アルキレン;R4及びR5は、一緒に、C3~C7シクロアルキル環を形成し、DはCIDEである)
で表すことができる。
L1-CIDE化合物を下記式:
(式中、R1、R4及びR5は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
(式中、R1、R4及びR5は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
L1-CIDE化合物を下記式:
(式中、
Strはストレッチャー単位であり、
Spは、D、すなわちCIDE部分に共有結合した任意のスペーサー単位であり、
Yは、ヘテロアリール、アリール、-C(O)C1~C6アルキレン、C1~C6アルキレン-NH2、C1~C6アルキレン-NH-CH3、C1~C6アルキレン-N-(CH3)2、C1~C6アルケニル、又はC1~C6アルキレニルであり、
R1は、C1~C10アルキル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H、C1~C10アルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであるか、又はR3及びR2は、一緒に、C3~C7シクロアルキルを形成してもよく;並びに
DはCIDE部分である)
で表すことができる。
(式中、
Strはストレッチャー単位であり、
Spは、D、すなわちCIDE部分に共有結合した任意のスペーサー単位であり、
Yは、ヘテロアリール、アリール、-C(O)C1~C6アルキレン、C1~C6アルキレン-NH2、C1~C6アルキレン-NH-CH3、C1~C6アルキレン-N-(CH3)2、C1~C6アルケニル、又はC1~C6アルキレニルであり、
R1は、C1~C10アルキル、(C1~C10アルキル)NHC(NH)NH2、又は(C1~C10アルキル)NHC(O)NH2であり、
R3及びR2は、それぞれ独立して、H、C1~C10アルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであるか、又はR3及びR2は、一緒に、C3~C7シクロアルキルを形成してもよく;並びに
DはCIDE部分である)
で表すことができる。
L1-CIDE化合物を下記式:
(式中、R6は、C1~C10アルキレンであり、R1、R2及びR3は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
(式中、R6は、C1~C10アルキレンであり、R1、R2及びR3は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
L1-CIDE化合物を下記式:
(式中、R1、R2及びR3は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
(式中、R1、R2及びR3は本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり、DはCIDE部分である)
で表すことができる。
上記のL1-CIDE化合物のいずれにおいても、Strは下記式:
(式中、R6は、C1~C10アルキレン、C3~C8シクロアルキル、O-(C1~C8アルキレン)、及びC1~C10アルキレン-C(O)N(Ra)-C2-C6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオ、C3~C8シクロアルキル、C4~C7ヘテロシクロアルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されていてもよい;各Raは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは(C1~C10アルキレン)O-である)
を有することができる。
(式中、R6は、C1~C10アルキレン、C3~C8シクロアルキル、O-(C1~C8アルキレン)、及びC1~C10アルキレン-C(O)N(Ra)-C2-C6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオ、C3~C8シクロアルキル、C4~C7ヘテロシクロアルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されていてもよい;各Raは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール又はヘテロアリールであり、Rbは(C1~C10アルキレン)O-である)
を有することができる。
特定のL1-CIDE化合物において、R6は、C1~C10アルキレンであり、Spは-Ar-Rb-であり、ここでArはアリールであり、Rbは(C1~C6アルキレン)O-であり、又はR6は-(CH2)であり、qは1~10である。
上記のL1-CIDE化合物のいずれにおいても、Strは下記式:
(式中、
は抗体にコンジュゲートすることができる部分を示し、R7は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルキレン-O、N(Rc)-(C2~C6アルキレン)-N(Rc)及びN(Rc)-(C2-C6アルキレン)から選択される;各Rcは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、
Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール若しくはヘテロアリールであり、Rbは、(C1~C10アルキレン)O-であり、又はR6は、C1~C10アルキレンであり、Spは-Ar-Rb-であり、Arはアリール、Rbは(C1~C6アルキレン)O-である)
を有することができる。
(式中、
は抗体にコンジュゲートすることができる部分を示し、R7は、C1~C10アルキレン、C1~C10アルキレン-O、N(Rc)-(C2~C6アルキレン)-N(Rc)及びN(Rc)-(C2-C6アルキレン)から選択される;各Rcは、独立して、H又はC1~C6アルキルであり、
Spは、-Ar-Rb-であり、ここでArはアリール若しくはヘテロアリールであり、Rbは、(C1~C10アルキレン)O-であり、又はR6は、C1~C10アルキレンであり、Spは-Ar-Rb-であり、Arはアリール、Rbは(C1~C6アルキレン)O-である)
を有することができる。
L1-CIDEは、下記式を有することができ、式中、各例において、DはCIDE部分である。
ここでCIDEのPB基を参照すると、特定の実施形態では、PBは本明細書の他の箇所に記載されているとおりである。ここでCIDEのE3LB基を参照すると、E3LBは本明細書の他の箇所に記載されているとおりである。Ab-CIDEは、PB、E3LB、Ab、L1及びL2の任意の組み合わせを含むことができる。
本明細書に開示される主題を考慮して、当業者は、L1及びL2の結合点が変化し得ることを理解するであろう。さらに、-Str-(PM)-Sp-などのリンカーの部分を交換することができる。さらに、リンカーL1の一部を交換することができる。CIDE、抗体及び交換され得る他のリンカーへのL1リンカー結合の非限定的な例としては、表1~L1に示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、リンカーL1は、異なる位置、L1-T、L1-U、L1-V及びL1-Y(R3基由来)でE3LB残基に共有結合することができる。
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、並びに
qは1又は0である。
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、並びに
qは1又は0である。
リンカーL1は、リンカーL1と抗体との間の共有結合がジスルフィド結合である限り、抗体の任意の位置に結合することができる。
複数の実施形態において、抗体Abは、それぞれリンカーL1を介して、1~8個の化学的分解誘発物質(CIDE)Dにコンジュゲート化される。
Ab-(L1-D)p、ここでpは1~8である
Dは、以下のように、リンカーL2を介して標的タンパク質結合(PB)リガンドに連結されたE3リガーゼ結合(E3LB)リガンドを含む。
E3LB-L2-PB
Ab-(L1-D)p、ここでpは1~8である
Dは、以下のように、リンカーL2を介して標的タンパク質結合(PB)リガンドに連結されたE3リガーゼ結合(E3LB)リガンドを含む。
E3LB-L2-PB
複数の実施形態において、L1は、抗体の操作されたCys残基の硫黄とジスルフィド結合を形成して、CIDEをAbに連結する。
複数の実施形態において、抗体は、L1を介してCIDEのE3LBリガンドに連結される。
複数の実施形態において、L1は、CIDEのE3LBリガンドのE3LBリガンド残基に連結される。
例えば、実施形態では、L1は、以下:
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、L1はL1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q)でBRMの一部に共有結合している。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、L1はL1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q)でBRMの一部に共有結合している。
実施形態では、L1は、以下:
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、L1はL1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q’)でBRMの一部に共有結合している。
(式中、Xは水素又はハロゲンであり、L1はL1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q’)でBRMの一部に共有結合している。
実施形態では、L1は、以下:
(式中、L1は、L1a、L1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q’)でE3LBの一部に共有結合している。
(式中、L1は、L1a、L1b及びL1cから選択される)
に示すように、結合点(L1-Q’)でE3LBの一部に共有結合している。
ここで、本明細書中に記載されるようなAb-CIDE及びL1-CIDE化合物を参照すると、これらは固体形態又は液体形態で存在することができる。固体状態では、それは結晶形態若しくは非結晶形態で、又はそれらの混合物として存在し得る。当業者は、薬学的に許容され得る溶媒和物が結晶性又は非結晶性化合物のために形成され得ることを理解するであろう。結晶性溶媒和物では、結晶化中に溶媒分子が結晶格子に組み込まれる。溶媒和物は、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、又は酢酸エチルなどであるがこれらに限定されない非水性溶媒を含んでもよく、又は結晶格子に組み込まれる溶媒として水を含んでもよい。水が結晶格子に組み込まれる溶媒である溶媒和物は、一般的に水和物と呼ばれる。水和物には、化学量論的な水和物、並びに様々な量の水を含有する組成物が含まれる。本明細書に記載される主題は、全てのそのような溶媒和物を含む。
当業者は、その様々な溶媒和物を含む結晶形態で存在する本明細書に記載される特定の化合物及びAb-CIDEが多型(すなわち、異なる結晶構造で生じる能力)を示し得ることをさらに理解するであろう。これらの異なる結晶形態は、典型的には「多形」として知られている。本明細書に開示される主題は、全てのそのような多形を含む。多形は、同じ化学組成を有するが、充填、幾何学的配置、及び結晶性固体状態の他の記述特性が異なる。したがって、多形は、形状、密度、硬度、変形能、安定性、及び溶解特性などの異なる物理的特性を有し得る。多形は、典型的には、異なる融点、IRスペクトル、及びX線粉末回折パターンを示し、これを同定に使用することができる。当業者は、例えば、化合物の製造に使用される反応条件又は試薬を変更又は調整することによって、異なる多形が製造され得ることを理解するであろう。例えば、温度、圧力又は溶媒の変化は、多形をもたらし得る。さらに、ある多形は、特定の条件下で別の多形に自発的に変換し得る。
本明細書中に記載される化合物及びAb-CIDE又はその塩は、立体異性体型(例えば、それは1つ以上の不斉炭素原子を含有する)で存在し得る。各立体異性体(鏡像異性体及びジアステレオマー)及びこれらの混合物は、本明細書に開示されている主題の範囲に含まれる。同様に、式(I)の化合物又は塩は、その式で示すもの以外の互変異性形態で存在することができ、これらもまた、本明細書にて開示する主題の範囲に含まれると理解されている。本明細書にて開示する主題は、本明細書で記載する全ての具体的な基の組み合わせ及び部分集合を含むものと理解されるべきである。本明細書に開示されている主題の範囲には、立体異性体の混合物の他に、精製された鏡像異性体又は鏡像異性体的に/ジアステレオマー的に濃縮された混合物が含まれる。本明細書にて開示する主題は、本明細書で上記に定義される全ての具体的な基の組み合わせ及び部分集合を含むものと理解されるべきである。
本明細書に開示されている主題には、1つ又は複数の原子が、通常自然に見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置き換えられているという事実を除いて本明細書に記載されている化合物の同位体標識された形態も含まれる。本明細書に記載されている化合物及びその薬学的に許容され得る塩の中に取り込まれることができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素及び塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iが挙げられる。
上述の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する、本明細書中に開示されるような化合物及びAb-CIDE並びにその薬学的に許容され得る塩は、本明細書中に開示される主題の範囲内である。同位体標識化合物、例えば3H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものが本明細書に開示されており、薬物及び/又は基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム標識(即ち、3H)及び炭素14(即ち14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さから、一般に、使用される。11C及び18F同位体はPET(陽電子放出断層撮影)において有用であり、125I同位体はSPECT(単一光子放出コンピュータ断層撮影)において有用であり、これらは全て脳撮像において有用である。さらに、重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増加又は必要投与量の減少をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況では好ましい場合がある。同位体標識化合物を、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって、以下のスキーム及び/又は実施例に開示される手順を行うことによって調製することができる。
いくつかの実施形態において、Dは、
であり、式中、L1は、L1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yからなる群から選択される1つの結合点でDに共有結合している。L1の結合点ではないL1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yのそれぞれは、その元の価数を保持することを理解されたい。例えば、L1がL1-Q’に結合している場合、L1-Q、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V又はL1-Yでは結合しておらず、Dは構造:
を有する。
であり、式中、L1は、L1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yからなる群から選択される1つの結合点でDに共有結合している。L1の結合点ではないL1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V及びL1-Yのそれぞれは、その元の価数を保持することを理解されたい。例えば、L1がL1-Q’に結合している場合、L1-Q、L1-S、L1-T、L1-U、L1-V又はL1-Yでは結合しておらず、Dは構造:
を有する。
複数の実施形態において、L1は、構造
(式中、
Ra、Rb、Rc、及びRdは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよい分岐又は直鎖C1-C5アルキル、及び置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は、RaとRbが、若しくはRcとRdが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3-C6シクロアルキル環又は3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで
はAbとの結合点である)
を有するL1aである。
(式中、
Ra、Rb、Rc、及びRdは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよい分岐又は直鎖C1-C5アルキル、及び置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は、RaとRbが、若しくはRcとRdが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3-C6シクロアルキル環又は3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで
はAbとの結合点である)
を有するL1aである。
複数の実施形態において、L1aは、L1-Tに結合しており、Ra、Rb、Rc及びRdの少なくとも1つは、メチルである。
複数の実施形態において、L1aは、L1-Tに結合しており、Ra、Rb、Rc及びRdの少なくとも2つは、メチルである。
複数の実施形態において、L1aは、L1-Tに結合しており、Ra及びRcはそれぞれメチルであり、Rb及びRdはそれぞれ水素である。
複数の実施形態において、L1aは、L1-Tに結合しており、Ra、Rc及びRdはそれぞれメチルであり、Rbは水素である。
複数の実施形態において、L1aは、L1-Tに結合しており、Ra及びRbはそれぞれ水素であり、Rc及びRdは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成する。複数の実施形態において、3~6員ヘテロシクロアルキル環は、置換されていてもよいピペリジン環である。複数の実施形態において、ピペリジン環は、メチルで置換されている。
複数の実施形態において、L1aはL1-Tに結合しており、ここでRa、Rb、Rc及びRdのうち少なくとも2つはメチルであり、リン酸部分はL1-Qに結合しており、リン酸部分は構造:
(式中、eは1である)
を有する。
(式中、eは1である)
を有する。
複数の実施形態において、L1は、構造
(式中、
Z及びZ1は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5であり、RzはH又はC1-3アルキルであり、dは、0、1又は2であり、
はAbへの結合点である)
を有するL1bである。
(式中、
Z及びZ1は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5であり、RzはH又はC1-3アルキルであり、dは、0、1又は2であり、
はAbへの結合点である)
を有するL1bである。
複数の実施形態において、Z及びZ1は、それぞれ独立して、C1-12アルキレンであり、Rzは、水素であり、dは、0又は1である。
複数の実施形態において、Zは、C2アルキレンであり、Z1は、C5アルキレンであり、Rzは、水素であり、dは、0又は1である。
複数の実施形態において、L1bはL1-Qに結合しており、dは1である。
複数の実施形態において、L1bはL1-Tに結合しており、dは0である。
複数の実施形態において、L1は、構造
(式中
Z2は、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5であり、
wは、0、1、2、3、4又は5であり、ここで
はAbへの結合点であり、
Jは、水素、-N(Rx)(Ry)、-C(O)NH2、-NH-C(O)-NH2、-NH-C(=NH)-NH2であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、Rx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、
Kは、-CH2-、-CH(R)-、-CH(R)-O-^、-C(O)-、^-C(O)-O-CH(R)-、-CH2-O-C(O)-^、-CH2-O-C(O)-NH-^、^-O-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、^-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、-CH2-O-C(O)-NH-CH2-、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-O-^、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-^から選択され、ここで^は、CIDEへの結合を示し、Rは、水素、C1-3アルキル、N(Rx)(Ry)、-O-N(Rx)(Ry)又はC(O)-N(Rx)(Ry)であり、qは0、1、2又は3であり、Rx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRa及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、及び
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシルである)
を有するL1cである。
(式中
Z2は、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5であり、
wは、0、1、2、3、4又は5であり、ここで
はAbへの結合点であり、
Jは、水素、-N(Rx)(Ry)、-C(O)NH2、-NH-C(O)-NH2、-NH-C(=NH)-NH2であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、Rx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、
Kは、-CH2-、-CH(R)-、-CH(R)-O-^、-C(O)-、^-C(O)-O-CH(R)-、-CH2-O-C(O)-^、-CH2-O-C(O)-NH-^、^-O-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、^-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、-CH2-O-C(O)-NH-CH2-、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-O-^、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-^から選択され、ここで^は、CIDEへの結合を示し、Rは、水素、C1-3アルキル、N(Rx)(Ry)、-O-N(Rx)(Ry)又はC(O)-N(Rx)(Ry)であり、qは0、1、2又は3であり、Rx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRa及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、及び
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシルである)
を有するL1cである。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Kは、-CH2-O-C(O)-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Kは、-CH2-O-C(O)-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれメチルであり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と共に、C4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、Kは、-CH2-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれメチルであり、Kは、-CH2-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と共に、C4シクロアルキルを形成し、R7及び8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、0であり、Jは、水素であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、0であり、Jは、水素であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、0、Jは、水素であり、Kは、-CH2-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、0、Jは、水素であり、Kは、-CH2-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Kは、-CH(R)-O-C(O)-であり、ここでRは、C(O)-N(Rx)(Ry)であり、Rx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、2であり、Jは、-NH-C(O)-NH2であり、Kは、-CH(R)-O-C(O)-であり、ここでRは、C(O)-N(Rx)(Ry)であり、Rx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよいピペラジンを形成し、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC4シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C1-12アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、Kは、-CH2-O-C(O)-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、Z2は、C5アルキレンであり、wは、3であり、Jは、-N(Rx)(Ry)であり、ここでRx及びRyは、それぞれメチルであり、Kは、-CH2-O-C(O)-であり、Ra及びRbは、それぞれが結合している炭素と共に、C4シクロアルキルを形成し、R7及び8は、それぞれ独立して、水素である。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Qに結合しており、Kは、-CH2-である。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Qに結合しており、Kは、-CH2-O-C(O)-である。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Sに結合しており、Kは、-CH2-である。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Tに結合しており、Kは、-CH(R)-O-C(O)-であり、ここでRは、C(O)-N(Rx)(Ry)であり、Rx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成する。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Uに結合している。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Vに結合している。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Yに結合しており、Kは、-CH2-である。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Qに結合しており、ここでKは、-CH2-であり、リン酸部分は、L1-Tに結合しており、リン酸部分は、構造:
(式中、eは0である)
を有する。
複数の実施形態において、L1cは、L1-Qに結合しており、ここでKは、-CH2-であり、リン酸部分は、L1-Tに結合しており、リン酸部分は、構造:
(式中、eは0である)
を有する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の主題は、以下のL1-CIDEを含む。
本明細書に開示される主題は、以下の非限定的な実施形態を含む。
1.化学構造
Ab-(L1-D)p
[式中、
Dは、構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、
E3LBは、L2に共有結合しており、該E3LBは、式:
(式中、
R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNである)
を有し、
L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、該L2は、式:
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有し、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、構造:
を有し、
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
qは、1又は0であり、及び、
pは、約1~約8の値を有する]
を有するコンジュゲート。
Ab-(L1-D)p
[式中、
Dは、構造E3LB-L2-PBを有するCIDEであり、
E3LBは、L2に共有結合しており、該E3LBは、式:
(式中、
R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素若しくはC1-5アルキルであるか;又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成し、
R2は、C1-5アルキルであり、
R3は、シアノ、
からなる群から選択され、ここで----は、単結合又は二重結合であり、
Y1及びY2の一方は-CHであり、Y1及びY2の他方は-CH又はNである)
を有し、
L2は、E3LB及びPBに共有結合したリンカーであり、該L2は、式:
(式中、R4は、水素又はメチルである)
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、PBへの結合点である)
を有し、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、構造:
を有し、
Abは、リンカーである少なくとも1つのL1に共有結合した抗体であり、
L1-T、L1-U及びL1-Vは、それぞれ独立して、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
L1-Yは、水素、又はAb及びDに共有結合したL1リンカーであり、
qは、1又は0であり、及び、
pは、約1~約8の値を有する]
を有するコンジュゲート。
2.R3がシアノである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
3.R3が
である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
4.R3が
である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
5.R1A、R1B及びR1Cが、それぞれ独立して、水素又はメチルである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
6.R1A及びR1Bがそれぞれメチルである、実施形態5に記載のコンジュゲート。
7.E3LBが式:
を有する、実施形態6のコンジュゲート。
を有する、実施形態6のコンジュゲート。
8.L1が、各場合において、独立して、
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3;又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、
R5及びR6は、独立して、水素又はC1-5アルキルであり、又は、R5及びR6は、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシであり、
ここで
はAbへの結合点である)
からなる群から選択されるリンカーである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2;-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3;又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、
R5及びR6は、独立して、水素又はC1-5アルキルであり、又は、R5及びR6は、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシであり、
ここで
はAbへの結合点である)
からなる群から選択されるリンカーである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
9.構造:
を有する、実施形態8に記載のコンジュゲート。
を有する、実施形態8に記載のコンジュゲート。
10.L1-Tがリンカーである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
11.L1-U又はL1-Vがリンカーである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
12.
L1-Yがリンカーであり、qが1である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
L1-Yがリンカーであり、qが1である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
13.L1-Yが構造
を有する、実施形態12に記載のコンジュゲート。
を有する、実施形態12に記載のコンジュゲート。
14.L1-Tはリンカーであり、
L1-U及びL1-Tはそれぞれ水素であり、並びに
qは0である
実施形態1に記載のコンジュゲート。
L1-U及びL1-Tはそれぞれ水素であり、並びに
qは0である
実施形態1に記載のコンジュゲート。
15.zが0である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
16.zが1である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
17.R2が、水素、メチル、エチル又はプロピルである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
18.R2がメチルである、実施形態17に記載のコンジュゲート。
19.R2が
としてE3LBに結合している、実施形態18に記載のコンジュゲート。
としてE3LBに結合している、実施形態18に記載のコンジュゲート。
20.Y1及びY2がそれぞれ-CHである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
21.Y1がNであり、Y2が-CHである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
22.Y1が-CHであり、Y2がNである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
23.R4が水素である、実施形態1に記載のコンジュゲート。
24.R4がメチルである、実施形態1に記載のコンジュゲート。
25.R4が以下
のメチルである、実施形態24に記載のコンジュゲート。
のメチルである、実施形態24に記載のコンジュゲート。
26.Abが、CD71、Trop2、NaPi2b、Ly6E、EpCAM、MSLN、及びCD22からなる群から選択される1つ又は複数のポリペプチドに結合する抗体である、実施形態1のコンジュゲート。
27.Abが、CD71及びTrop2からなる群から選択される1つ又は複数のポリペプチドに結合する抗体である、実施形態26のコンジュゲート。
28.PBが、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、構造:
を有する、実施形態1のコンジュゲート。
を有する、実施形態1のコンジュゲート。
29.式Ia:
(式中、
L1-Tは、Abに共有結合したリンカーであり、
Abは、CD71、Trop2、NaPi2b、Ly6E、EpCAM、MSLN、及びCD22からなる群から選択される1つ又は複数のポリペプチドに結合する抗体であり、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、構造:
を有し、
L2は、L2a、L2b及びL2cからなる群から選択され;
及び、
pは、約4~約8の値を有する)
を有する実施形態1のコンジュゲート。
(式中、
L1-Tは、Abに共有結合したリンカーであり、
Abは、CD71、Trop2、NaPi2b、Ly6E、EpCAM、MSLN、及びCD22からなる群から選択される1つ又は複数のポリペプチドに結合する抗体であり、
PBは、L2に共有結合したタンパク質結合基であり、構造:
を有し、
L2は、L2a、L2b及びL2cからなる群から選択され;
及び、
pは、約4~約8の値を有する)
を有する実施形態1のコンジュゲート。
30.L1-Tが、
(式中、
はAbへの結合点である)
からなる群から選択されるリンカーである、実施形態29に記載のコンジュゲート。
(式中、
はAbへの結合点である)
からなる群から選択されるリンカーである、実施形態29に記載のコンジュゲート。
31.L2がL2aである、実施形態29に記載のコンジュゲート。
32.Gが
である、実施形態31に記載のコンジュゲート。
である、実施形態31に記載のコンジュゲート。
33.R4がメチルである、実施形態31に記載のコンジュゲート。
34.PBが
である、実施形態29のコンジュゲート。
である、実施形態29のコンジュゲート。
35.pが約5~約7の値を有する、実施形態29に記載のコンジュゲート。
36.構造:
を有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
を有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
37.構造:
を有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
を有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
38.実施形態1に記載のコンジュゲートと、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤と、を含む医薬組成物。
39.治療を必要とするヒトにおいて疾患を治療する方法であって、有効量の実施形態1に記載のコンジュゲート又は実施形態38に記載の組成物を前記ヒトに投与することを含む方法。
40.疾患ががんである、実施形態39の方法。
41.がんがBRM依存性である、実施形態40に記載の方法。
42.がんが非小細胞肺がんである、実施形態40に記載の方法。
43.対象における標的BRMタンパク質のレベルを低下させる方法であって、
実施形態1に記載のコンジュゲート又は実施形態38に記載の組成物を前記対象に投与することを含み、前記PB部分が前記標的BRMタンパク質に結合し、ユビキチンリガーゼが前記結合した標的BRMタンパク質の分解をもたらし、前記BRM標的タンパク質のレベルが低下する、方法。
実施形態1に記載のコンジュゲート又は実施形態38に記載の組成物を前記対象に投与することを含み、前記PB部分が前記標的BRMタンパク質に結合し、ユビキチンリガーゼが前記結合した標的BRMタンパク質の分解をもたらし、前記BRM標的タンパク質のレベルが低下する、方法。
IV.製剤
本明細書に記載される治療用Ab-CIDEの薬学的製剤は、非経口投与、例えば、薬学的に許容され得る非経口賦形剤を用いたボーラス、静脈内、腫瘍内注射のために、及び単位投与量の注射可能な形態で調製することができる。所望の純度を有するAb-CIDEを、任意に、再構成のための凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤(「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(1980年)第16版、Osol,A.編)と混合する。
本明細書に記載される治療用Ab-CIDEの薬学的製剤は、非経口投与、例えば、薬学的に許容され得る非経口賦形剤を用いたボーラス、静脈内、腫瘍内注射のために、及び単位投与量の注射可能な形態で調製することができる。所望の純度を有するAb-CIDEを、任意に、再構成のための凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤(「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(1980年)第16版、Osol,A.編)と混合する。
Ab-CIDEを、医薬組成物として標準的な製薬慣行に従って製剤化することができる。この態様によれば、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤と会合したAb-CIDEを含む医薬組成物が提供される。
典型的な製剤は、Ab-CIDEを担体及び/又は希釈剤などの賦形剤と混合することによって調製される。好適な担体、希釈剤、及び他の賦形剤は当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は水膨潤性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、並びに水などの材料を含む。使用される特定の担体、希釈剤、又は他の賦形剤は、Ab-CIDEが適用される手段及び目的に依存する。溶媒は、一般的に、哺乳動物に投与することが安全(GRAS)であると当業者によって認識されている溶媒に基づいて選択される。
一般的に、安全な溶媒は、水及び水に可溶性又は混和性である他の非毒性溶媒等の非毒性水性溶媒である。好適な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)等、及びそれらの混合物を含む。許容され得る希釈剤、担体、賦形剤及び安定化剤は、用いられる投与量及び濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、ホスフェート、シトレート及びその他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン若しくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース若しくはデキストリンを含む単糖類、二糖類及びその他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース若しくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);並びに/又はTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
製剤はまた、Ab-CIDEの的確な提示を提供するか、又は医薬品の製造を補助するために、1つ以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、オペーク剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤及び他の既知の添加剤も含み得る。製剤は、従来の溶解及び混合手順を使用して調製されてもよい。
製剤は、周囲温度で、適切なpHで、及び所望の度合いの純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、用いられる用量及び濃度においてレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって行われてもよい。製剤のpHは、具体的な用途及び化合物の濃度に主に依存するが、約3~約8の範囲であってもよい。pH5の酢酸塩緩衝液中の製剤は、適切な実施形態である。
Ab-CIDE製剤は無菌であり得る。特に、インビボ投与用に使用される製剤は、滅菌性でなければならない。かかる無菌化は、無菌濾過膜を通じた濾過によって容易に達成される。
Ab-CIDEは、通常、固体組成物、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保管され得る。
Ab-CIDEを含む医薬組成物は、充分な医学的実用性に合わせた様式で、すなわち、量、濃度、スケジュール、コース、賦形剤、及び投与経路で製剤化され、処方され、投与され得る。この文脈で考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に公知である他の要因が挙げられる。投与されるべき化合物の「治療的有効量」は、このような考慮によって管理され、凝固因子によって媒介される障害を予防、軽減又は治療するために必要な最小の量である。そのような量は、好ましくは、宿主に対して毒性である量、又は宿主を出血に対して著しくより感受性にする量を下回る。
Ab-CIDEは、容易に制御可能な薬物用量を提供し、所定のレジメンで患者コンプライアンスを可能にするように薬学的剤形に製剤化され得る。適用のための医薬組成物(又は製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて、多様な様式で包装されてもよい。一般的に、分配用物品は、薬学的製剤をその中に適した形態で配置した容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、瓶(プラスチック及びガラス)、小袋(sachets)、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダーなどの材料が挙げられる。容器は、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止アセンブリを含んでもよい。それに加えて、容器は、容器の内容物を説明するラベルをその上に配置している。ラベルは、適切な注意書きも含み得る。
医薬組成物は、水性又は油性の減菌注射用懸濁液などの減菌注射用調製物の形態であってもよい。この懸濁液は、上述されているこれらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。無菌注射可能調製物は、1,3-ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤又は溶媒中の無菌注射可能溶液又は懸濁液でもあり得る。無菌注射可能調製物は、凍結乾燥された粉末としても調製され得る。利用され得る許容され得る賦形剤及び溶媒には、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒として慣習的に用いられ得る。この目的のために、合成モノグリセリド又は合成ジグリセリドを含むいかなる無刺激の不揮発性油も採用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において同様に使用され得る。
単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができるAb-CIDEの量は、治療される宿主及び特定の投与様式に依存して変化し得る。例えば、ヒトへの経口投与を意図した徐放性製剤は、総組成物の約5~約95%(重量:重量)まで変化し得る、適切かつ都合の良い量の担体材料と配合される、およそ1~1000mgの活性材料を含有し得る。医薬組成物は、投与のために容易に測定可能な量を提供するように調製され得る。例えば、静脈内注入が意図される水溶液は、約30mL/時間の速度での好適な容量の注入が起こり得るように、1ミリリットルの溶液あたり約3~500μgの活性成分を含有し得る。
非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性の無菌注射溶液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性の無菌懸濁液が含まれる。
製剤は、単位用量又は複数回の用量容器、例えば、密封アンプル及びバイアルに包装されてもよく、使用直前に注射するために、例えば、水等の滅菌液体担体を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保管されてもよい。即席の注射溶液及び懸濁液を、前述の種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製する。好ましい単位投与量製剤は、活性成分の本明細書に上記した一日用量又は一日単位副用量、又はその適切な画分を含有するものである。
主題は更に、上で定義した少なくとも1つの活性成分と、活性成分用の獣医用の担体を共に含む、獣医用組成物を提供する。獣医用担体は、本組成物の投与の目的に有用な材料であり、またさもければ不活性であるか、又は獣医学の技術分野において許容され得、活性成分と両立可能な固体、液体、又は気体材料であってもよい。これらの獣医用組成物は、非経口で、又は任意の他の所望の経路によって投与されてもよい。
V.適応症及び治療方法
本明細書にて開示するAb-CIDEは、BRMに関連する様々な疾患又は障害を治療するために使用可能であることが想倒される。治療に使用するためのAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示されるような疾患及び障害を治療又は予防するためのAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物が本明細書中に提供される。治療におけるAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物の使用も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される疾患及び障害を治療又は予防するためのAb-CIDEの使用が本明細書で提供される。本明細書で開示される疾患及び障害を治療又は予防するための医薬品の製造におけるAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物の使用も本明細書で提供される。
本明細書にて開示するAb-CIDEは、BRMに関連する様々な疾患又は障害を治療するために使用可能であることが想倒される。治療に使用するためのAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、本明細書中に開示されるような疾患及び障害を治療又は予防するためのAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物が本明細書中に提供される。治療におけるAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物の使用も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される疾患及び障害を治療又は予防するためのAb-CIDEの使用が本明細書で提供される。本明細書で開示される疾患及び障害を治療又は予防するための医薬品の製造におけるAb-CIDE又はAb-CIDEを含む組成物の使用も本明細書で提供される。
一般に、治療される疾患又は障害は、BRM依存性疾患又は障害、例えばがんなどの過剰増殖性疾患である。本明細書で治療されるがんの例には、BRM依存性がんが含まれる。特定の実施形態において、がんは、非小細胞肺がんである。
特定の実施形態において、本明細書に記載の主題は、対象の標的BRMタンパク質のレベルを低下させる方法であって、
本明細書に記載のAb-CIDE又は本明細書に記載のAb-CIDEを含む組成物を対象に投与することを含む方法に関し、PB部分は、標的BRMタンパク質に結合し、ユビキチンリガーゼは、結合した標的BRMタンパク質の分解をもたらし、BRM標的タンパク質のレベルが低下する。
特定の実施形態において、上記のものなどの抗NaPi2b抗体を含むAb-CIDEは、固形腫瘍、例えば卵巣を治療する方法で使用される。特定の実施形態において、抗CD71、Trop2、NaPi2b、Ly6E、EpCAM、MSLN又はCD22抗体を含むAb-CIDEは、腫瘍又はがんを治療する方法において使用される。
Ab-CIDEは、治療される状態に適した任意の経路によって投与され得る。Ab-CIDEは、典型的には非経口的に、すなわち注入、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内及び硬膜外に投与される。
Ab-CIDEは、単独で、又は治療において他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、Ab-CIDEを少なくとも1種のさらなる治療薬と同時投与することができる。上述のかかる併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が同じ又は別個の製剤中に含まれる)、及び個別投与を包含するが、この場合、Ab-CIDEの投与は、追加の治療剤及び/又はアジュバントの投与の前に、それと同時に、かつ/又はその後に行われ得る。Ab-CIDEはまた、放射線療法と組み合わせて使用することもできる。
Ab-CIDE(及び任意の追加の治療剤)は、非経口、肺内、及び鼻腔内を含み、局所治療に所望される場合、病巣内投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が挙げられる。投薬は、投与が短時間であるか、又は慢性的であるかに部分的に応じて、任意の好適な経路によるもの、例えば、静脈内注射又は皮下注射等の注射によるものであり得る。単回又は様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、及びパルス輸注を含むが、これらに限定されない様々な投薬スケジュールが、本明細書では企図される。
疾患の予防又は治療のために、Ab-CIDEの適切な投与量(単独で又は1つ又は複数の他の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合)は、治療される疾患の種類、Ab-CIDEの種類、疾患の重症度及び経過、Ab-CIDEが予防目的で投与されるか治療目的で投与されるか、以前の治療法、患者の病歴及びAb-CIDEに対する応答、並びに主治医の裁量に依存する。Ab-CIDEは、好適には、患者に一度に又は一連の治療にわたって投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、約1μg/kg~15mg/kg(例えば、0.1mg/kg~10mg/kg)のAb-CIDEが、例えば、1回以上の別個の投与によるか、又は連続注入によるかにかかわらず、患者への投与のための初期候補投薬量であり得る。典型的な1日投薬量は、上述の因子に依存して、約1μg/kg~100mg/kgの範囲であってもよい。数日間又はそれ以上にわたる反復投与において、状態に応じ、治療は通常、疾患症候の所望の抑制が生じるまで続けられる。Ab-CIDEの1つの例示的な投与量は、約0.05mg/kgから約10mg/kgの範囲であろう。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、又は10mg/kg(又はこれらの任意の組合せ)のうちの1つ以上の用量が、患者に投与され得る。かかる用量は、間欠的に、例えば、毎週又は3週間に1回(例えば、患者が約2~約20回、又は例えば約6回の用量を受けるように)投与され得る。最初の多めの投与量、それに続く1回以上の量の少ない用量を投与してよい。しかしながら、他の投薬レジメンが有用であってもよい。この治療の進行は、従来の技術及びアッセイによって容易にモニタリングされる。
本明細書に記載の方法は、標的タンパク質を分解する方法を含む。特定の実施形態において、本方法が、対象にAb-CIDEを投与することを含み、標的タンパク質が分解される。タンパク質の分解レベルは、約1%~約5%;又は約1%~約10%;又は約1%~約15%;又は約1%~約20%;約1%~約30%;又は約1%~約40%;約1%~約50%;又は約10%~約20%;又は約10%~約30%;又は約10%~約40%;又は約10%~約50%;又は少なくとも約1%;又は少なくとも約10%;又は少なくとも約20%;又は少なくとも約30%;又は少なくとも約40%;又は少なくとも約50%;又は少なくとも約60%;又は少なくとも約70%;又は少なくとも約80%;又は少なくとも約90%;又は少なくとも約95%;又は少なくとも約99%であり得る。
本明細書に記載の方法は、非小細胞肺がんなどの新生物組織の増殖を減少させる方法を含む。特定の実施形態において、本方法が、Ab-CIDEを対象に投与することを含み、新生物組織の増殖が低下する。低下のレベルは、約1%~約5%;又は約1%~約10%;又は約1%~約15%;又は約1%~約20%;約1%~約30%;又は約1%~約40%;約1%~約50%;又は約10%~約20%;又は約10%~約30%;又は約10%~約40%;又は約10%~約50%;又は少なくとも約1%;又は少なくとも約10%;又は少なくとも約20%;又は少なくとも約30%;又は少なくとも約40%;又は少なくとも約50%;又は少なくとも約60%;又は少なくとも約70%;又は少なくとも約80%;又は少なくとも約90%;又は少なくとも約95%;又は少なくとも約99%であり得る。
VI.製造物品
別の態様では、本明細書に記載されるのは、製造品であり、例えば、上記の疾患及び障害の治療に有用な材料を含む「キット」が提供される。キットは、Ab-CIDEを含む容器を備える。本キットは、容器上の、又は容器に関連したラベル又は添付文書をさらに含んでもよい。「添付文書」という用語は、かかる治療薬の適応症、使用法、投薬量、投与、禁忌症についての情報、及び/又はその使用に関する警告を含む、治療薬の商用のパッケージに通例含まれる説明書を指すように使用される。
別の態様では、本明細書に記載されるのは、製造品であり、例えば、上記の疾患及び障害の治療に有用な材料を含む「キット」が提供される。キットは、Ab-CIDEを含む容器を備える。本キットは、容器上の、又は容器に関連したラベル又は添付文書をさらに含んでもよい。「添付文書」という用語は、かかる治療薬の適応症、使用法、投薬量、投与、禁忌症についての情報、及び/又はその使用に関する警告を含む、治療薬の商用のパッケージに通例含まれる説明書を指すように使用される。
適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、ブリスターパックなどが挙げられる。「バイアル」は、液体又は凍結乾燥調製物を保持するのに適した容器である。一実施形態において、バイアルは、単回使用バイアル、例えば、栓を有する20ccの単回使用バイアルである。容器は、ガラス又はプラスチック等の様々な材料から形成され得る。容器は、状態を治療するのに有効なAb-CIDE又はその製剤を保持してもよく、滅菌アクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、静注溶液バッグ、又は皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有するバイアルであってもよい)。
組成物中の少なくとも1つの活性物質はAb-CIDEである。ラベル又は添付文書は、本組成物ががん等の選択された状態を治療するために使用されることを示す。さらに、ラベル又は添付文書は、治療される患者が、過剰増殖性障害、神経変性、心肥大、疼痛、片頭痛、又は神経外傷性疾患若しくは事象などの障害を有する患者であることを示すことができる。一実施形態において、ラベル又は添付文書は、Ab-CIDEを含む組成物を使用して、異常な細胞増殖に起因する障害を治療できることを示す。ラベル又は添付文書はまた、該組成物が他の障害を治療するために使用され得ることも示してもよい。これに代えて、又はこれに加えて、製造物品は、薬学的に許容され得る緩衝液、例えば、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝化生理食塩水、リンゲル液及びデキストロース溶液を含む第2の容器を更に備えていてもよい。他のバッファー、希釈剤、フィルタ、ニードル及びシリンジを含め、商業的及びユーザの観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。
キットは、Ab-CIDE及び存在する場合には第2の薬学的製剤の投与のための指示書をさらに含み得る。例えば、キットがAb-CIDEを含む第1の組成物と第2の薬学的製剤とを含む場合、キットは、キットを必要とする患者に対する、第1及び第2の医薬組成物の同時の、連続した、又は別個の投与に関する指示書をさらに含んでもよい。
別の実施形態において、キットは、Ab-CIDEの固体経口用形態(例えば錠剤又はカプセル)の送達に好適である。そのようなキットは、好ましくは、いくつかの単位投薬量を含む。そのようなキットは、それらの意図される使用の順序で配置された投薬量を有するカードを含み得る。そのようなキットの例は「ブリスターパック」である。ブリスターパックは包装業界において周知であり、医薬品の単位投与形態の包装に幅広く使用されている。所望される場合、治療スケジュール中の投薬量が投与され得る日を指定する、例えば数字、文字、若しくは他の印の形態での、又はカレンダーインサートを用いた記憶補助機構が提供され得る。
一実施形態によれば、キットは、(a)Ab-CIDEを含む第1の容器と、任意に(b)第2の薬学的製剤を含有する第2の容器であって、該第2の薬学的製剤が抗過剰増殖活性を有する第2の化合物を含む、第2の容器と、を含むことができる。代替的又は追加的に、本キットは、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー溶液、及びデキストロース溶液等の薬学的に許容され得る緩衝液を含む第3の容器をさらに備えてもよい。他のバッファー、希釈剤、フィルタ、ニードル及びシリンジを含め、商業的及びユーザの観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。
キットがAb-CIDEと第2の治療剤を含む特定の他の実施形態において、キットは、分けられたボトル又は分けられたホイルパケット等の、別個の組成物を含有するための容器を備えてもよいが、しかしながら、その別個の組成物はまた、単一の分けられていない容器に含有されてもよい。典型的には、キットは、別個の成分の投与のための指示書を備える。キット形態は、別個の構成要素が好ましくは異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与される場合、異なる投薬間隔で投与される場合、又は組み合わせの個々の構成成分の滴定が処方医師によって望まれる場合に、特に有利である。
VII.コンジュゲートの作製方法
合成経路
本明細書に記載の主題はまた、L1-CIDEからCIDE、L1-CIDE及びAb-CIDEを調製する方法に関する。一般に、本方法は、抗体又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合物を、抗体がL1-CIDE上の任意の利用可能な結合点に共有結合している条件下で、L1-CIDEと接触させることを含み、Ab-CIDEが調製される。本明細書に記載の主題はまた、L1に共有結合したAb-L1部分、すなわち抗体、又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合体からAb-CIDEを調製する方法であって、Ab-CIDEがAb-L1上の任意の利用可能な結合点に共有結合する条件下でCIDEをAb-L1と接触させることを含み、Ab-CIDEが調製される方法に関する。本方法は、Ab-CIDEの日常的な単離及び精製をさらに含むことができる。
合成経路
本明細書に記載の主題はまた、L1-CIDEからCIDE、L1-CIDE及びAb-CIDEを調製する方法に関する。一般に、本方法は、抗体又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合物を、抗体がL1-CIDE上の任意の利用可能な結合点に共有結合している条件下で、L1-CIDEと接触させることを含み、Ab-CIDEが調製される。本明細書に記載の主題はまた、L1に共有結合したAb-L1部分、すなわち抗体、又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合体からAb-CIDEを調製する方法であって、Ab-CIDEがAb-L1上の任意の利用可能な結合点に共有結合する条件下でCIDEをAb-L1と接触させることを含み、Ab-CIDEが調製される方法に関する。本方法は、Ab-CIDEの日常的な単離及び精製をさらに含むことができる。
本明細書に記載される、CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE、並びにその他の化合物は、特に本明細書に含まれる説明に照らして、化学分野で周知のプロセスに類似するプロセス、及び以下に記載される他の複素環のプロセスを含む合成経路によって合成することができる:「Comprehensive Heterocyclic Chemistry II」、Katritzky及びRees編、Elsevier(1997年)例として、第3巻;「Liebigs Annalen der Chemie」第9巻1910~16頁(1985年);「Helvetica Chimica Acta」第41巻1052~60頁(1958年);「Arzneimittel-Forschung」第40巻12号第1328~31頁(1990年)。出発材料は、一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)などの商業的供給源から入手可能であるか、又は当業者に周知の方法(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1-23,Wiley,N.Y.(1967-2006 ed.)、又はBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin、サプリメントを含む(Beilsteinオンライン・データベースを介しても入手可能)を使用して容易に調製される。
CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE並びに本明細書に記載の他の化合物並びに必要な試薬及び中間体の合成に有用な合成化学変換及び保護基方法論(保護及び脱保護)は当技術分野で公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons(1999);及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)及びその後続版に記載されるものを含む。CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE並びに他の化合物の調製において、中間体の遠隔官能性(例えば、一級アミン又は二級アミン)の保護が必要な場合がある。このような保護の必要性は、離れている官能基の性質及び調製方法の条件に応じて変わってくる。好適なアミノ保護基には、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz又はCBZ)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が含まれる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基及びその用途の一般的な説明については、T.W.Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley&Sons、ニューヨーク(1991年)を参照されたい。
一般手順及び実施例は、CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE並びに本明細書に記載の他の化合物を調製するための例示的な方法を提供する。当業者は、Ab-CIDE及び化合物を合成するために他の合成経路が使用され得ることを理解するであろう。特定の出発物質及び試薬がスキーム、一般手順及び実施例に示され議論されているが、他の出発物質及び試薬を容易に置換して、種々の誘導体及び/又は反応条件を提供することができる。さらに、記載された方法によって調製された例示的な化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を使用して、本開示に照らしてさらに修飾することができる。
一般に、Ab-CIDEは、国際公開第2013/055987号;国際公開第2015/023355号;国際公開第2010/009124号;国際公開第2015/095227号の手順に従って、CIDEをL1リンカー試薬と連結してL1-CIDEを調製し、L1-CIDEを、本明細書に記載のシステイン操作抗体を含む抗体又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合物のいずれかとコンジュゲートすることによって、調製することができる。あるいは、Ab-CIDEは、最初に、本明細書中に記載されるシステイン操作抗体を含む抗体又はそのバリアント、突然変異、スプライスバリアント、インデル及び融合体をL1リンカー試薬と結合させ、それを任意のCIDEとコンジュゲートさせることによって調製され得る。
以下の合成経路は、CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE並びに他の化合物及びその成分を調製する例示的な方法を記載する。CIDE、L1-CIDE及びAb-CIDE並びに他の化合物及びその成分を調製するための他の合成経路は、本明細書の他の箇所に開示されている。
1.リンカーL1
リンカーL1に関して、スキーム1~4は、抗体Abへのジスルフィド結合のための例示的なリンカーL1への合成経路を示す。Abはジスルフィド結合を介してL1に接続され、CIDEはCIDE上の任意の利用可能な結合を介してL1に接続される。
リンカーL1に関して、スキーム1~4は、抗体Abへのジスルフィド結合のための例示的なリンカーL1への合成経路を示す。Abはジスルフィド結合を介してL1に接続され、CIDEはCIDE上の任意の利用可能な結合を介してL1に接続される。
スキーム1を参照して、1,2-ジ(ピリジン-2-イル)ジスルファン及び2-メルカプトエタノールを室温でピリジン及びメタノール中で反応させて、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エタノールを得た。トリエチルアミン及びアセトニトリル中の4-ニトロフェニルカルボノクロリド酸塩によるアシル化により、4-ニトロフェニル2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルカーボネート9を得た。
スキーム2を参照して、無水DMF/MeOH(25mL/25mL)中の1,2-ビス(5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファン10(1.0g、3.22mmol)の混合物に、HOAc(0.1mL)を添加し、続いて2-アミノエタンチオール塩酸塩11(183mg、1.61mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した後、一晩、これを真空下で濃縮して溶媒を除去し、残渣をDCM(30mL×4)で洗浄すると、2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)エタンアミン塩酸塩12が淡黄色固体(300mg、69.6%)として得られた。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 9.28(d,J=2.4 Hz,1H),8.56(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),8.24(s,4H),8.03(d,J=8.8 Hz,1H),3.15-3.13(m,2H),3.08-3.06(m,2H).
スキーム3を参照して、無水DCM/CH3OH(250mL/250mL)中の1,2-ビス(5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファン10(9.6g、30.97mmol)及び2-メルカプトエタノール(1.21g、15.49mmol)の溶液をN2下で24時間室温で撹拌した。混合物を真空下で濃縮した後、残渣をDCM(300mL)で希釈した。MnO2(10g)を添加し、混合物を室温でさらに0.5時間撹拌した。混合物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1~100/1)により精製して、2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)エタノール13(2.2g、61.1%)を褐色油状物として得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 9.33(d,J=2.8 Hz,1H),8.38-8.35(dd,J=9.2,2.8 Hz,1H),7.67(d,J=9.2 Hz,1H),4.10(t,J=7.2 Hz,1H),3.81-3.76(q,2H),3.01(t,J=5.2 Hz,2H).
13(500mg、2.15mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、DIEA(834mg、6.45mmol)を添加し、続いてPNPカーボネート(ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート、1.31g、4.31mmol)を添加した。反応溶液を室温で4時間撹拌し、混合物を分取HPLC(FA)によって精製して、4-ニトロフェニル2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)エチルカーボネート14(270mg、33.1%)を淡褐色の油状物として得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 9.30(d,J=2.4 Hz,1H),8.43-8.40(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),8.30-8.28(m,2H),7.87(d,J=8.8 Hz,1H),7.39-7.37(m,2H),4.56(t,J=6.4 Hz,2H),3.21(t,J=6.4 Hz,2H).
スキーム4を参照して、塩化スルフリル(DCM中2.35mLの1.0Mの溶液、2.35mmol)を、乾燥DCM(7.5mL)中、5-ニトロピリジン-2-チオール(334mg、2.14mmol)の撹拌懸濁液に、アルゴン雰囲気下、0℃(氷/アセトン)で滴下して加えた。反応混合物は黄色の懸濁液から黄色の溶液となり、それを室温まで温め、その後、2時間撹拌してから、溶媒を真空中蒸発によって除去して、黄色固体を得た。固体をDCM(15mL)中に再溶解し、(R)-2-メルカプトプロパン-1-オール(213mg、2.31mmol)の乾燥DCM溶液(7.5mL)で、アルゴン雰囲気下、0℃で液滴処理した。反応混合物を室温まで温め、20時間撹拌し、この時点でLC/MSによる分析は、保持時間1.41分間(ES+)m/z247([M+H]+.、約100%の相対強度)での実質的な生成物形成を示した。沈殿物をフィルタにかけることによって除去し、濾液を真空中で蒸発させて、橙色固体を得、これをH2O(20mL)で処理し、水酸化アンモニウム溶液で塩基性化した。混合物をDCM(3×25mL)で抽出し、合わせた抽出物をH2O(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、真空中で蒸発させて、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(1%増分の勾配溶出:100%のDCMから98:2v/vのDCM/MeOH)による精製によって、(R)-2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)プロパン-1-オール15を油状物(111mg、21%の収率)として得た。
DCM(10mL)中のトリホスゲン、Cl3COCOOCCl3、Sigma Aldrich、CAS Reg.番号32315-10-9(241mg、0.812mmol)の溶液に、(R)-2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)プロパン-1-オール15(500mg、2.03mmol)及びピリジン(153mg、1.93mmol)のDCM(10mL)溶液を20℃で滴下した。反応混合物を20℃で30分間撹拌した後、これを濃縮し、(R)-2-((5-ニトロピリジン-2-イル)ジスルファニル)カルボノクロリド酸プロピル16をさらに精製することなく直接使用して、カルボノクロリド酸基を通してCIDE上の任意の利用可能な基を共有結合させることができる。
2.システイン操作抗体
還元及び再酸化によるコンジュゲートのためのシステイン操作抗体に関して、それらは一般に以下のように調製することができる。軽鎖アミノ酸は、Kabatに従って番号付けされる(Kabatら、「Sequences of proteins of immunological interest」、(1991年)、第5版,US Dept of Health and Human Service、National Institutes of Health、メリーランド州ベセスダ)。重鎖アミノ酸は、Kabatシステムとして記載されている場合を除いて、EUナンバリングシステム(Edelmanら(1969年)「Proc.Natl.Acad.of Sci.」、63(1):78~85頁)に従ってナンバリングされる。一文字アミノ酸略号が使用される。
還元及び再酸化によるコンジュゲートのためのシステイン操作抗体に関して、それらは一般に以下のように調製することができる。軽鎖アミノ酸は、Kabatに従って番号付けされる(Kabatら、「Sequences of proteins of immunological interest」、(1991年)、第5版,US Dept of Health and Human Service、National Institutes of Health、メリーランド州ベセスダ)。重鎖アミノ酸は、Kabatシステムとして記載されている場合を除いて、EUナンバリングシステム(Edelmanら(1969年)「Proc.Natl.Acad.of Sci.」、63(1):78~85頁)に従ってナンバリングされる。一文字アミノ酸略号が使用される。
CHO細胞中で発現された完全長のシステイン操作されたモノクローナル抗体(THIOMAB(商標)抗体)は、システイン付加物(シスチン)を有するか、又は細胞培養条件のために、操作されたシステイン上でグルタチオン付加される。このように、CHO細胞から精製されたTHIOMAB(商標)抗体は、Cys反応性リンカーL1-CIDE中間体にコンジュゲートすることができない。システイン操作抗体を、DTT(Clelandの試薬、ジチオスレイトール)又はTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩;Getzら(1999年)、「Anal.Biochem.」273巻:73~80頁;Soltec Ventures、マサチューセッツ州ビバリー)などの還元剤で処理した後、デヒドロアスコルビン酸などの穏やかな酸化剤で鎖間ジスルフィド結合を再形成(再酸化)することによって、本明細書に記載のL1-CIDE中間体とのコンジュゲートに対して反応性にすることができる。CHO細胞(Gomez et al(2010)Biotechnology and Bioeng.105(4):748-760;Gomez et al(2010)Biotechnol.Prog.26:1438-1445)中で発現させた完全長のシステイン操作されたモノクローナル抗体(THIOMAB(商標)抗体)を、例えば、室温で2mM EDTAを含む50mM Tris(pH8.0)中で一晩、約50倍過剰のDTTで還元し、これにより、Cys及びグルタチオン付加物が除去され、並びに抗体中の鎖間ジスルフィド結合が還元された。付加物の除去をPLRP-Sカラムを使用する逆相LCMSによって監視した。還元されたTHIOMAB(商標)抗体を希釈し、少なくとも4体積の10mMのコハク酸ナトリウム(pH5)緩衝液に添加することによって酸性にした。
あるいは、抗体を希釈し、少なくとも4体積の10mMのコハク酸(pH5)に添加し、pHが約5になるまで10%の酢酸によって滴定することによって酸性にした。pHを下げ、希釈したTHIOMAB(商標)抗体を、その後、HiTrap Sカチオン交換カラムに負荷し、数カラム体積の10mMの酢酸ナトリウム(pH5)で洗浄し、50mMのトリス(pH8.0)、150mMの塩化ナトリウムで溶出した。再酸化を実行することによって、親Mab内に存在するシステイン残基間のジスルフィド結合を再度確立した。溶出され、還元された上述のTHIOMAB(商標)抗体を、15×デヒドロアスコルビン酸(DHAA)で約3時間、又はあるいは、200nM~2mMの水性硫酸銅(CuSO4)で室温で一晩処理した。当該技術分野において既知である他の酸化体(すなわち、酸化剤)及び酸化条件が使用され得る。周囲空気酸化もまた、効果的であり得る。この穏やかな部分的再酸化工程により、高い忠実度で鎖内ジスルフィドを効率的に形成する。再酸化は、PLRP-Sカラムを使用する逆相LCMSによって監視した。再酸化したTHIOMAB(商標)抗体を上述のコハク酸緩衝液で希釈して、約pH5に到達させ、10mMのコハク酸(pH5)、10mMのコハク酸(pH5)(緩衝液A)中300mMの塩化ナトリウム(緩衝液B)の勾配で溶出を実行したことを除いて、上述のようにSカラムで精製を実行した。溶出したTHIOMAB(商標)抗体に、EDTAを最終濃度2mMまで添加し、必要に応じて5mg/mLを超える最終濃度に達するように濃縮した。コンジュゲートの準備ができた得られたTHIOMAB(商標)抗体をアリコートで-20℃又は-80℃で保存した。液体クロマトグラフィー/質量分析を、6200シリーズのTOF又はQTOF Agilent LC/MSで行った。80℃まで加熱したPRLP-S(登録商標)、1000A、ミクロボアカラム(50mm×2.1mm、Polymer Laboratories、英国シュロップシャー)で試料のクロマトグラフィーを行った。30~40%Bの直線勾配(溶媒A:水中0.05% TFA、溶媒B:アセトニトリル中0.04% TFA)を使用し、エレクトロスプレー源を使用して溶離液を直接イオン化した。データを回収し、MassHunterソフトウェア(Agilent)によってデコンボリューションした。LC/MS分析の前に、抗体又はコンジュゲート(50マイクログラム)をPN Gase F(2単位/ml;PROzyme、カリフォルニア州サンリアンドロ)で37℃にて2時間処理して、N結合型炭水化物を除去した。
あるいは、抗体又はコンジュゲートを、37℃で15分間、LysC(0.25μg/50μg(マイクログラム)抗体又はコンジュゲート)で部分的に消化して、LCMSによる分析のためのFab及びFc断片を得た。デコンボリューションしたLCMSスペクトルのピークを割り当て、定量化した。観察された全てのピークに対するCIDEコンジュゲート抗体に対応する1つ以上のピークの強度の比を計算することによって、CIDE対抗体比(CAR)を計算した。
3.リンカーL1-CIDE基の抗体へのコンジュゲート
リンカーL1-CIDE化合物を抗体にコンジュゲートする1つの方法では、上記の還元及び再酸化手順の後、システイン操作抗体(THIOMAB(商標)抗体)を、10mMコハク酸塩、pH5、150mM NaCl、2mM EDTA中で、1M TrisでpH7.5~8.5にpH調整する。チオール反応性基(例えば、マレイミド若しくは4-ニトロピリジジスルフィド、又はメタンチオスルホニル(MTS)ジスルフィド)を有する約3モル~20当量の過剰のリンカー-CIDE中間体をDMF、DMA又はプロピレングリコールに溶解し、還元、再酸化及びpH調整した抗体に添加する。反応を室温又は37℃でインキュベートし、反応混合物のLCMS分析によって決定される完了まで(1~約24時間)監視する。反応が完了すると、コンジュゲートは、残りの未反応L1-CIDE中間体及び凝集したタンパク質(有意なレベルで存在する場合)を除去することを目的とする、いくつかの方法の1つ又は任意の組み合わせによって精製される。例えば、コンジュゲートを、最終pHが約5.5になるまで10mMのヒスチジン-酢酸(pH5.5)で希釈し、Akta精製システムに接続されたHiTrap Sカラム(GE Healthcare)又はSマキシスピンカラム(Pierce)のいずれかを使用するSカチオン交換カラムクロマトグラフィーによって精製し得る。あるいは、コンジュゲートを、Akta精製システムに接続されたS200カラム又はZebaスピンカラムを使用するゲル濾過クロマトグラフィーによって精製し得る。あるいは、透析を使用してもよい。ゲル濾過又は透析のいずれかを使用して、THIOMAB(商標)抗体-薬物コンジュゲートを、240mMのスクロースを有する20mMのHis/酢酸(pH5)中に製剤化した。精製されたコンジュゲートを、遠心分離限外濾過によって濃縮し、無菌条件下で0.2-μmのフィルタを通してフィルタにかけ、保管のために凍結する。Ab-CIDEをBCAアッセイによって特性評価して、タンパク質濃度を決定し、凝集分析のために分析的SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を行い、リジンCエンドペプチダーゼ(LysC)での処理後にLC-MSを行って、CARを計算した。
リンカーL1-CIDE化合物を抗体にコンジュゲートする1つの方法では、上記の還元及び再酸化手順の後、システイン操作抗体(THIOMAB(商標)抗体)を、10mMコハク酸塩、pH5、150mM NaCl、2mM EDTA中で、1M TrisでpH7.5~8.5にpH調整する。チオール反応性基(例えば、マレイミド若しくは4-ニトロピリジジスルフィド、又はメタンチオスルホニル(MTS)ジスルフィド)を有する約3モル~20当量の過剰のリンカー-CIDE中間体をDMF、DMA又はプロピレングリコールに溶解し、還元、再酸化及びpH調整した抗体に添加する。反応を室温又は37℃でインキュベートし、反応混合物のLCMS分析によって決定される完了まで(1~約24時間)監視する。反応が完了すると、コンジュゲートは、残りの未反応L1-CIDE中間体及び凝集したタンパク質(有意なレベルで存在する場合)を除去することを目的とする、いくつかの方法の1つ又は任意の組み合わせによって精製される。例えば、コンジュゲートを、最終pHが約5.5になるまで10mMのヒスチジン-酢酸(pH5.5)で希釈し、Akta精製システムに接続されたHiTrap Sカラム(GE Healthcare)又はSマキシスピンカラム(Pierce)のいずれかを使用するSカチオン交換カラムクロマトグラフィーによって精製し得る。あるいは、コンジュゲートを、Akta精製システムに接続されたS200カラム又はZebaスピンカラムを使用するゲル濾過クロマトグラフィーによって精製し得る。あるいは、透析を使用してもよい。ゲル濾過又は透析のいずれかを使用して、THIOMAB(商標)抗体-薬物コンジュゲートを、240mMのスクロースを有する20mMのHis/酢酸(pH5)中に製剤化した。精製されたコンジュゲートを、遠心分離限外濾過によって濃縮し、無菌条件下で0.2-μmのフィルタを通してフィルタにかけ、保管のために凍結する。Ab-CIDEをBCAアッセイによって特性評価して、タンパク質濃度を決定し、凝集分析のために分析的SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を行い、リジンCエンドペプチダーゼ(LysC)での処理後にLC-MSを行って、CARを計算した。
0.75ml/分の流量で、0.25mMの塩化カリウム及び15%のIPAを有する0.2Mのリン酸カリウム(pH6.2)中、Shodex KW802.5カラムを使用して、コンジュゲートに対してサイズ排除クロマトグラフィーを実施する。コンジュゲートの凝集状態は、280nmの溶出ピーク面積吸光度の積分によって決定した。
Agilent QTOF 6520 ESI機器を使用して、Ab-CIDEに対してLC-MS分析を実行し得る。一例として、CARを、Tris(pH7.5)中、1:500w/wエンドプロテイナーゼLys C(Promega)で37℃で30分間処理する。結果として得られた切断断片を、80℃に加熱した1000Å(Angstrom)、8μm(ミクロン)PLRP-S(高度架橋ポリスチレン)カラムに負荷し、30%のB~40%のBまでの勾配で5分間溶出する。移動相Aは、0.05%のTFAを有するH2Oであり、移動相Bは、0.04%のTFAを有するアセトニトリルであった。流量は、0.5ml/分であった。タンパク質溶出を、280nmでのUV吸光度検出によって、エレクトロスプレーイオン化及びMS分析の前に監視した。非コンジュゲートFc断片、残渣非コンジュゲートFab、及び薬物化Fabのクロマトグラフィー分解が、通常達成された。得られたm/zスペクトルを、Mass Hunter(商標)ソフトウェア(Agilent Technologies)を用いてデコンボリューションして、抗体断片の質量を算出した。
一般的な合成方法
化学構造Ab-(L1-D)pを有するコンジュゲートを調製するための一般的な方法を以下に記載する。
化学構造Ab-(L1-D)pを有するコンジュゲートを調製するための一般的な方法を以下に記載する。
1.1 E3LB-L2中間体を調製するためにL2をE3LBにカップリングする一般的な合成方法
特定の実施形態において、L2を最初に第1の適切な溶媒、第1の塩基及び第1のカップリング試薬と接触させて、第1の溶液を調製する。特定の実施形態において、L2と、第1の適切な溶媒、第1の塩基、及び第1のカップリング試薬との接触は、室温(約25℃)で約15分間進行する。次いで、E3LBを当該第1の溶液と接触させる。
特定の実施形態において、L2を最初に第1の適切な溶媒、第1の塩基及び第1のカップリング試薬と接触させて、第1の溶液を調製する。特定の実施形態において、L2と、第1の適切な溶媒、第1の塩基、及び第1のカップリング試薬との接触は、室温(約25℃)で約15分間進行する。次いで、E3LBを当該第1の溶液と接触させる。
特定の実施形態において、E3LBと第1の溶液との接触は、室温(約25℃)で約1時間進行する。次いで、溶液を濃縮し、任意に精製する。
特定の実施形態において、第1のカップリング試薬に対するL2の第1の塩基に対するモル比は、約1:4:1.19である。特定の実施形態において、第1のカップリング試薬に対するL2の第1の塩基に対するモル比は、約1:2:0である。5、約1:3:1、約1:4:2、約1:5:3、又は約1:6:4である。
特定の実施形態において、L2対E3LBのモル比は約1:1である。特定の実施形態において、L2対E3LBのモル比は、約1:0.5、約1:0.75、約1:2、又は約0.5:1である。
1.2 E3LB-L2中間体をPBにカップリングしてCIDEを調製するための一般的な合成方法
特定の実施形態において、E3LB-L2中間体をPBに結合させてCIDEを調製する。特定の実施形態において、PBを最初に、第2の適切な溶媒、第2の塩基、及び第2のカップリング試薬と接触させる。特定の実施形態において、接触は、室温(約25℃)で約10分間進行する。次いで、溶液をE3LB-L2中間体と接触させる。特定の実施形態において、第2の溶液とE3LB-L2中間体との接触は、室温(約25℃)で約1時間進行する。次いで、溶液を濃縮し、任意に精製してCIDEを調製する。
特定の実施形態において、E3LB-L2中間体をPBに結合させてCIDEを調製する。特定の実施形態において、PBを最初に、第2の適切な溶媒、第2の塩基、及び第2のカップリング試薬と接触させる。特定の実施形態において、接触は、室温(約25℃)で約10分間進行する。次いで、溶液をE3LB-L2中間体と接触させる。特定の実施形態において、第2の溶液とE3LB-L2中間体との接触は、室温(約25℃)で約1時間進行する。次いで、溶液を濃縮し、任意に精製してCIDEを調製する。
特定の実施形態において、PB対第2の塩基対第2のカップリング試薬のモル比は、約1:4:1.2である。特定の実施形態において、PB対第2の塩基対第2のカップリング試薬のモル比は、約1:3:0.75、約1:5:1、約1:3:2、又は約1:5:3である。
特定の実施形態において、PB対E3LB-L2中間体のモル比は約1:1である。特定の実施形態において、PB対E3LB-L2中間体のモル比は、約1:0.5、約1:0.75、約1:2、又は約0.5:1である。
1.3 L1-CIDEを調製するためにCIDEをL1に結合する一般的な合成方法
特定の実施形態において、CIDEを第3の適切な溶媒中でL1及び第3の塩基と接触させて溶液を調製する。特定の実施形態において、接触は、約(約25℃)で約2時間進行する。次いで、任意に精製してL1-CIDEを調製することができる。
特定の実施形態において、CIDEを第3の適切な溶媒中でL1及び第3の塩基と接触させて溶液を調製する。特定の実施形態において、接触は、約(約25℃)で約2時間進行する。次いで、任意に精製してL1-CIDEを調製することができる。
特定の実施形態において、L1に対するCIDEのモル比は、約1:4である。特定の実施形態において、L1に対するCIDEのモル比は、約1:1、1:2、1:3、1:5、1:6、1:7、又は約1:8である。
1.4 L1-CIDEを抗体にカップリングするための一般的な合成方法
特定の実施形態において、L1-CIDEをチオール及び第4の適切な溶媒と接触させて、第4の溶液を形成する。次いで、この溶液を抗体と接触させてコンジュゲートを調製する。特定の実施形態において,
特定の実施形態において、L1-CIDEをチオール及び第4の適切な溶媒と接触させて、第4の溶液を形成する。次いで、この溶液を抗体と接触させてコンジュゲートを調製する。特定の実施形態において,
特定の実施形態において、チオールは、マレイミド又は4-ニトロピリジジスルフィドである。特定の実施形態において、適切な溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びプロピレングリコールからなる群から選択される。
特定の実施形態において、L1-CIDE対チオール反応性基のモル比は、約3:1~約20:1である。
特定の実施形態において、L1-CIDE、チオール反応性基及び適切な溶媒を含む溶液と抗体との接触は、約1~約24時間進行する。特定の実施形態において、L1-CIDE、チオール反応性基及び適切な溶媒を含む溶液と抗体との接触は、約室温(約25℃)~約37℃で進行する。
上記の一般的方法の特定の実施形態において、適切な溶媒は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロピレンからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である。
上記一般的方法の特定の実施形態において、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン、及び2,2,2,6,6-テトラメチリピペリジンからなる群から選択される。特定の実施形態において、カップリング試薬は、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP),(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’、N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O-(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O-(N-スク-シンイミジル)-1、1,3,3-テトラメチル-ウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU)、O-(5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TNTU)、O-(1,2-ジヒドロ-2-オキソ-1-ピリジル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、及びカルボニルジイミダゾール(CDI)からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドであり、塩基はN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、カップリング試薬はHATUである。
上記の一般的方法の特定の実施形態において、接触は、約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、30分、60分、90分、120分、180分、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、20時間、40時間、60時間又は72時間にわたり進行する。
上記の一般的方法の特定の実施形態において、接触は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、又は100℃で進行する。
以下の実施例は、限定するものではなく、例証として提供されている。
実施例
全ての化合物は、特に明記しない限り、オレフィン異性体(約1:1)の混合物である。括弧内に列挙されている13C共鳴は、特定の化合物の主要な異性体のオレフィン異性体及び/又は代替N-Meアミド結合回転異性体を表す。
全ての化合物は、特に明記しない限り、オレフィン異性体(約1:1)の混合物である。括弧内に列挙されている13C共鳴は、特定の化合物の主要な異性体のオレフィン異性体及び/又は代替N-Meアミド結合回転異性体を表す。
合成例1
L1-CIDE-BRM1-1の合成
L1-CIDE-BRM1-1を以下のスキーム、スキーム1によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-1の合成
L1-CIDE-BRM1-1を以下のスキーム、スキーム1によって合成した:
3,3’-ジスルファンジイルビス(ブタン-2-オール)を以下のように2段階で合成した:
3-メルカプトブタン-2-オール(2.0g、19mmol)を含む無水ジクロロメタン(40mL)の23℃溶液に、MnO2(2.46g、28mmol)を添加した。反応混合物を23℃で1時間撹拌し、次いで、フィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮して、3,3’-ジスルファンジイルビス(ブタン-2-オール)(1.97g、99%)を無色油状物として得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 4.13-4.08及び3.83-3.78(m,2 H),2.94-2.91及び2.82-2.78(m,2 H),2.38-2.26及び2.14-2.02(m,2 H),1.35-1.22(m,12 H).
S-(3-ヒドロキシブタン-2-イル)メタンスルホノチオアート、以下の化合物3(上記スキーム1の化合物2である)を以下のように合成した:
3,3’-ジスルファンジイルビス(ブタン-2-オール)(1.97g、9.36mmol)の無水ジクロロメタン(50mL)中の23℃溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(1.91g、18.7mmol)及びヨウ素(2.38g、9.36mmol)を添加した。反応混合物を暗所、23℃で1日間撹拌し、次いで、フィルタにかけた。濾液を濃縮し、残渣を、DCM中の0~5% MeOHで溶出するシリカ上のクロマトグラフィーによって精製すると、S-(3-ヒドロキシブタン-2-イル)メタンスルホノチオアート(1.20g、70%)が淡黄色油状物として得られた。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 4.13-4.11及び3.96-3.93(m,1 H),3.77-3.73及び3.51-3.47(m,1 H),3.42及び3.39(s,3 H),2.04及び1.96(brs,1 H),1.53及び1.42(d,J=7.2 Hz,3 H),1.33及び1.23(d,J=6.0 Hz,3 H).
S-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成。
23℃のジクロロメタン(2mL)中のS-(3-ヒドロキシブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(300mg、1.63mmol)及びピリジン(516mg、6.51mmol)の溶液に、ジクロロメタン(2mL)中のトリホスゲン(242mg、0.81mmol)の溶液を加えた。反応物を23 ℃で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固すると、表題化合物(380mg、95%)が黄色油状物として得られ、これを次の工程に直接使用した。
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2S,4R)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド[上記の実施例1スキームにおける化合物1;調製については、米国特許出願公開第2020/0038378号のp293~294(ページ番号の先頭)を参照]、(300mg、0.49mmol)及び4ÅMS(100mg)の23℃の無水ジクロロメタン(5mL)中の混合物に、トリエチルアミン(198mg、1.95mmol)及びS-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(362mg、1.46mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)中の溶液を23℃でゆっくり添加した。混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~70%酢酸エチル)によって精製し、表題化合物(120mg、30%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:825.3 [M+H]+.
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(120mg、0.15mmol)の溶液に、ギ酸(2mL、2mmol)を含む水(1mL)を23℃で添加した。混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで、濃縮すると、表題化合物(105mg、96%)が黄色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:751.2 [M+H]+.
S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
23℃の、S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(105mg、0.14mmol)及び2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール[上記実施例1スキームの化合物3。これは、以下の実施例4スキームにおける化合物4である。](73mg、0.14mmol)及びHOAc(0.2~0.3mL)のジクロロメタン(2mL)及びメタノール(2mL)中の溶液に、NaBH(OAc)3(593mg、2.80mmol)を添加した。反応混合物を23℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物を、分取TLC(ジクロロメタン中8%メタノール)により精製し、表題化合物(48mg、27%)を白色の固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 14.21-14.08(m,1H),9.01-8.97(m,1H),8.59-8.46(m,1H),7.92(d,J=4.8 Hz,1H),7.79(d,J=6.0 Hz,1H),7.55-7.33(m,5H),7.28-7.19(m,1H),6.96-6.79(m,2H),6.60-6.48(m,1H),6.18-6.08(m,2H),6.05-5.91(m,2H),5.24-5.11(m,1H),4.99-4.86(m,2H),4.57-4.44(m,2H),4.43-4.35(m,1H),4.31-4.17(m,4H),3.94-3.79(m,2H),3.77-3.67(m,2H),3.61-3.51(m,2H),3.29-3.23(m,4H),3.21-3.14(m,3H),3.04-2.93(m,3H),2.87-2.78(m,1H),2.64-2.58(m,3H),2.48-2.41(m,3H),2.38-2.31(m,2H),2.20-2.16(m,2H),2.07-1.82(m,2H),1.49-1.21(m,10H),1.06-0.90(m,6H),0.88-0.76(m,3H);LCMS(ESI)m/z:1251.0 [M+H]+.
合成例2
L1-CIDE-BRM1-2の合成
L1-CIDE-BRM1-2を以下のスキーム、スキーム2によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-2の合成
L1-CIDE-BRM1-2を以下のスキーム、スキーム2によって合成した:
(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
4-ニトロフェニルカルボノクロリド酸塩(1.68g、8.34mmol)及び(2S,4R)-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(上記の実施例スキーム2中の化合物1を参照;調製についてはJ.Med.Chem.2019,62,941又はJ.Med.Chem.2014,57,8657を参照)(3.0g、6.95mmol)を含む無水ジクロロメタン(80mL)の混合物に、23℃ で2,6-ルチジン(1.12g、10.4mmol)を添加した。反応混合物を23で18時間攪拌し、次いで、濃縮すると、表題化合物(4.0g、99%)が黄色固体として得られた。これを次の工程で直接使用した。LCMS(ESI)m/z:597.2 [M+H]+.
化合物4、スキーム2:スキーム2aを介したアリル1-(((2S)-1-((4-(1-ヒドロキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレートの合成。
i.スキーム2aの化合物2を調製するための一般的手順
4つの別個の反応を並行して行った。ピリジン(3.00L)中の化合物1(200g、1.21モル)の溶液に、SeO2(336g、3.03モル)を23℃で添加した。次いで、混合物を95℃の油浴中で1時間加熱した。後処理のために4つの反応を組み合わせた。合わせた反応物を45~50℃でフィルタにかけ、次いで、濾液を23℃に冷却し、その温度で1.5時間維持した。混合物をフィルタにかけて、濾過ケークを真空中で乾燥させると、化合物2が得られた。濾液を5.00Lまで減圧濃縮し、23℃で12時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾過ケークを真空中で乾燥させて、さらなる化合物2(両方のロットを合わせて=830g、収率88%)を黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.63-8.64(m,2H),8.37-8.40(m,2H),8.17-8.19(m,2H),7.90-7.94(m,1H),7.48-7.52(m,2H).
ii.スキーム2aの化合物3を調製するための一般的手順
2つの反応を並行して行った。化合物2(140g、538mmol)のDMF(700mL)中23℃溶液に、化合物2A(54g、538mmol)、HATU(225g、592mmol)及びDIPEA(278g、2.15モル)を添加した。混合物を23℃にて1時間撹拌した。次いで、2つの反応物を後処理のために合わせた。合わせた反応混合物をDCM(3.00L)で希釈し、ブライン(1.00L×3)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~0/1)により精製して、化合物3(200g、収率67%)を黄色固体として得た。
iii.スキーム2aの化合物4を調製するための一般的手順
MeOH(1.30L)中の化合物3(184g、531mmol)の溶液に、NaBH4(16.1g、425mmol)を0℃で添加した。混合物を23℃に加温し、その温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈し、HCl(1M)でpH=7に調整し、EtOAc(1.00L×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール=100/1~10/1)によって精製した。粗生成物をEtOH(500mL)を用いて23℃で10分間研和して、化合物4(161g、収率54%)を黄色固体として得た。1H NMR:(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.24(d,J=8.4 Hz,2H),7.64(d,J=8.4 Hz,2H),6.14(d,J=6.4 Hz,1H),5.60(d,J=6.0 Hz,1H),3.57-3.47(m,2H),3.43(s,2H),2.23(s,2H),2.12(s,5H).
iv.スキーム2aの化合物5を調製するための一般的手順
4つの反応を並行して行った。EtOH(600mL)中の化合物4(40g、143mmol)の溶液に、Pd/C(8.50g、10%)をN2雰囲気下で添加した。懸濁液を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2(15psi)下、23℃で12時間撹拌した。次いで、4つの反応物を後処理のために合わせた。合わせた反応混合物をフィルタにかけ、濾過ケークをMeOH(1.00L)で洗浄した。合わせた濾液及び洗液を減圧下で濃縮して、化合物5(140g、収率98%)を黄色固体として得た。1H NMR:(400 MHz,CD3OD):δ 7.11(d,J=8.4 Hz,2H),6.72(d,J=8.4 Hz,2H),5.29(s,1H),3.74(s,1H),3.62-3.49(m,1H),3.47-3.35(m,2H),2.48(s,1H),2.35-2.25(m,2H),2.22(s,3H),1.90(s,1H).
v.スキーム2aの化合物6を調製するための一般的手順
MeOH(350mL)及びDCM(700mL)中のFmoc-L-シトルリン(化合物5A)(95g、239mmol)及び化合物5(72g、287mmol)の溶液に、EEDQ(71g、287mmol)を0℃で一度に添加した。混合物を23℃に加温し、N2下、その温度で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をMTBE(1.00L)を用いて15℃で2時間研和して、化合物6(185g、粗製)を橙色固体として得た。
vi.スキーム2aの化合物7を調製するための一般的手順
化合物6(190g、302mmol)のDCM(1.40L)中の攪拌溶液に、ピペリジン(52g、604mmol)を10℃で添加した。混合物を10℃で18時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール=100/1~3/1)により精製して、化合物7(85g、収率68%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 7.65(d,J=8.4 Hz,2H),7.37(d,J=8.4 Hz,2H),5.43(s,1H),3.68(s,1H),3.62(d,J=4.0 Hz,1H),3.53-3.44(m,2H),3.24-3.06(m,2H),2.81(d,J=5.2 Hz,2H),2.45(s,1H),2.36-2.25(m,2H),2.22(s,3H),1.97(s,1H),1.86-1.75(m,1H),1.68-1.54(m,6H).
vii.スキーム2aの化合物8を調製するための一般的手順
化合物7(76g、187mmol)のDME(470mL)及びH2O(290mL)中の10℃の溶液に、化合物7A(63g、234mmol)及びNaHCO3(20g、234mmol)を添加した。混合物を10℃で12時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール=10/1~3/1)により精製して、化合物8(92g、収率70%)を黄色固体として得た。
viii.スキーム2aの化合物9を調製するための一般的手順
化合物8(63g、112mmol)のTHF(190mL)及びMeOH(95mL)中の攪拌溶液に、LiOH・H2O(9.43g、225mmol)のH2O(190mL)中の溶液を0℃で添加した。反応混合物を15℃に加温し、その温度で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(0.1% TFA条件)により精製して、化合物9(50g、収率81%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 7.68(d,J=7.6 Hz,2H),7.37(d,J=8.4 Hz,2H),5.48(s,1H),4.50-4.53(m,1H),3.78(s,2H),3.69-3.56(m,1H),3.27-3.10(m,5H),2.79(s,3H),2.71-2.62(m,2H),2.60-2.50(m,2H),2.17-2.07(m,1H),2.06-2.03(m,4H),2.03-1.97(m,1H),1.97-1.86(m,1H),1.74-1.78(m,1H),1.69-1.53(m,2H).
ix.スキーム2の化合物4を調製するための一般的手順(220)
化合物9(70g、131mmol)のDMF(350mL)中の15℃の溶液に、KF(23g、394mmol)及びBu4NHSO4(12.5g、36.8mmol)を添加した。次いで、3-ブロモプロプ-1-エン(398g、3.29モル)を15℃で滴下し、混合物をその温度でさらに6時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna c18 250mm*100mm*10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:0%~20%、30分)によって精製し、220(26g、収率34%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 7.69(d,J=8.4 Hz,2H),7.39(d,J=8.4 Hz,2H),6.02(s,1H),5.75(d,J=10.0 Hz,2H),5.49(s,1H),4.50-4.54(m,1H),4.34-4.09(m,1H),4.03(s,2H),3.96-3.51(m,3H),3.50-3.33(m,3H),3.26-3.06(m,6H),2.75-2.49(m,4H),2.22-2.08(m,1H),2.06-1.87(m,2H),1.81-1.72(m,1H),1.70-1.52(m,2H).LCMS:(M+H+=573.3)
化合物6、スキーム2:1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸の合成
(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(76mg、0.07mmol)及び1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(58mg、0.37mmol)のジクロロメタン(5mL)及びメチルアルコール(5mL)中の23℃の溶液に、Pd(PPh3)4(17mg、0.01mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下23℃で10時間攪拌し、次いで、濃縮した。残渣を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um、移動相:(25~45%)水(10mM NH4HCO3)-ACNよって精製して、表題化合物(50mg、69%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:990.6 [M+H]+.
(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-((((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(69mg、0.07mmol)及び1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(16mg、0.08mmol)を含む23℃のDMF(8mL)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.03mL、0.21mmol)及びHATU(32mg、0.08mmol)を添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、(25~45%)水(0.075% TFA)-ACN)によって精製し、表題化合物(67mg、84%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1155.6 [M+H]+.
化合物7、スキーム2:1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(67.4mg、0.06mmol)のHFIP(2mL、0.06mmol)中5% TFA溶液を23℃で1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮すると、表題化合物(62mg、99.9%)が黄色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:1054.7 [M+H]+.
L1-CIDE-BRM1-2:(3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネートの合成
1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテート(62mg、0.06mmol)及び(2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(50mg、0.07mmol)を含む23℃のDMF(2.5mL)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.03mL、0.18mmol)及びHATU(27mg、0.07mmol)を添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um;移動相:(26~46%)水(10mM NH4HCO3)-ACNによって精製して、表題化合物(44mg、42%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 8.88-8.83(m,1H),7.80-7.75(m,1H),7.75-7.65(m,3H),7.49-7.32(m,7H),7.25-7.19(m,1H),6.93-6.84(m,2H),6.76(s,1H),6.75-6.71(m,1H),6.57-6.54(m,1H),6.29-6.19(m,2H),5.25-5.21(m,1H),4.98-4.93(m,2H),4.64-4.62(m,2H),4.51(s,3H),4.41-4.27(m,3H),4.23-4.08(m,1H),4.01-3.89(m,1H),3.79-3.54(m,4H),3.48-3.40(m,2H),3.27-3.16(m,4H),3.15-3.03(m,4H),2.97-2.85(m,2H),2.83-2.69(m,4H),2.61-2.51(m,3H),2.50-2.33(m,8H),2.29-2.17(m,6H),2.14-2.11(m,3H),1.93(s,4H),1.75(s,1H),1.62-1.45(m,9H),1.35-1.23(m,4H),1.16-1.10(m,3H),1.09-0.92(m,3H),0.92-0.80(m,3H);LCMS(ESI)m/z:1764.8 [M+H]+.
合成例3
L1-CIDE-BRM1-3の合成
L1-CIDE-BRM1-3を以下のスキーム、スキーム3によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-3の合成
L1-CIDE-BRM1-3を以下のスキーム、スキーム3によって合成した:
S-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
S-(3-ヒドロキシブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(300mg、1.63mmol)のジクロロメタン(2mL)及びピリジン(516mg、6.51mmol)中の溶液に、トリホスゲン(242mg、0.81mmol)のジクロロメタン(2mL)中の溶液を23℃で添加した。反応物を23℃で30分間攪拌し、次いで、濃縮して乾燥させると、表題化合物(380mg、95%)が黄色油状物として得られた。これを次の工程で直接使用した。
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
(2S,4R)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(250mg、0.39mmol)(上記のスキーム3の化合物1を参照。調製は、米国特許出願公開第2020/0038378号の451~452頁に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)及び4ÅMS(50mg)のジクロロメタン(2mL)中の23℃の混合物に、ピリジン(0.09mL、1.17mmol)及びS-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(220mg、0.89mmol)のジクロロメタン(1mL)中の溶液を添加した。反応物を23℃で30分間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーカラム(酢酸エチル中0~60%ジクロロメタン)によって精製して、表題化合物3(130mg、39%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:850.3 [M+H]+.
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(4-ホルミルピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(130mg、0.15mmol)の水(1mL)及びギ酸(3mL)中の溶液を50℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮すると、表題化合物(120mg、98%)が黄色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:804.3 [M+H]+.
L1-CIDE-BRM1-3:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(4-((4-(トランス-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
23℃のS-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(4-ホルミルピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(120mg、0.15mmol)のジクロロメタン(1mL)及びメタノール(1mL)中の溶液に、2-(6-アミノ-5-(8-(2-(トランス-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール塩酸塩(上記のスキーム3の化合物5を参照;調製については、米国特許出願公開第2020/0038378号の306~307頁(ページ番号の先頭)を参照)(82mg、0.15mmol)、HOAc(0.2ml)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(317mg、1.49mmol)を加えた。反応混合物を23℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。粗残渣を分取TLC(メタノール:ジクロロメタン=1:10)によって精製して、表題化合物(31mg、14%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 14.13(s,1H),8.98(s,1H),8.49(d,J=7.2 Hz,1H),7.91(d,J=7.2 Hz,1H),7.76(d,J=6.4 Hz,1H),7.52-7.41(m,3H),7.40-7.33(m,2H),7.24-7.21(m,1H),6.90-6.80(m,2H),6.54-6.51(m,1H),6.14-6.12(m,2H),6.00-5.91(m,2H),5.18-5.15(m,2H),4.95-4.90(m,2H),4.50-4.46(m,2H),4.39-4.35(m,1H),4.32-4.22(m,1H),3.94-3.66(m,3H),3.64-3.55(m,4H),3.54-3.52(m,2H),3.28-3.21(m,4H),3.02-3.01(m,2H),2.77-2.69(m,2H),2.45(s,3H),2.30-2.22(m,4H),2.19-2.15(m,2H),2.10-2.05(m,2H),2.04-1.89(m,5H),1.81-1.57(m,5H),1.47-1.34(m,8H),1.33-1.28(m,2H),1.27-1.20(m,2H),1.16-1.02(m,2H),0.95-0.91(m,3H),0.85-0.75(m,3H);LCMS(ESI)m/z:1331.9 [M+H]+.
合成例4
L1-CIDE-BRM1-4の合成
L1-CIDE-BRM1-4を以下のスキーム、スキーム4によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-4の合成
L1-CIDE-BRM1-4を以下のスキーム、スキーム4によって合成した:
化合物1、スキーム4:
工程1:182の調製。
工程1:182の調製。
2-フルオロ-4-ヨードピリジン(2)(52g、230mmol)を、1,4-ジオキサン(750mL)中のtert-ブチル3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキシレート(1)(37g、175mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(26g、265mmol)、フッ化カリウム(17g、284mmol)及びキサントホス(4.8g、8.2mmol)の磁気撹拌混合物を含有する1ネック2L丸底フラスコに加えた。混合物を窒素ガスで15分間パージし、次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ-パラジウム(0)(3.7g、4.0mmol)を添加した。反応フラスコに、窒素入口で蓋をした冷却器を取り付け、110℃に設定した予熱油浴に入れた。窒素雰囲気下、110℃で1.25時間撹拌した後、得られた褐色/赤色懸濁液を23℃に冷却し、セライトを通してフィルタにかけた。濾過ケークをEt2Oで洗浄し、合わせた濾液及び洗液を減圧下で赤色油状物(127g)に濃縮した。粗物質を、0~40% EtOAc/DCMを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、182を黄色泡状固体として得た(56g、約100%)。
工程2:187の調製。
1,4-ジオキサン中4M HCl溶液(220mL、880mmol)を、23℃で1ネック2L丸底フラスコ内でMeCN(650mL)中182(56g、約175mmol)の磁気撹拌溶液に50分間にわたって添加した。混合物を23℃で1時間撹拌し、その間に黄色/オレンジ色の懸濁液になった。反応混合物を黄色固体に濃縮し、この材料をEt2O(1000mL)を用いて23℃で1時間研和した。混合物をフィルタにかけ、集めた物質を減圧下で乾燥させて、187のトリHCl塩を黄色粉末として得た(61g)。塩をDCM(1000mL)に懸濁し、飽和NaHCO3水溶液(500mL)でゆっくり中和した。層を分離し、水相をDCM(2×500mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を飽和NaCl(250mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、187の遊離塩基を黄色固体として得た(32g、86%)。注:水相内での生成物の損失を防止するためにNaHCO3溶液が十分に飽和していることを確実にする。
工程3:208の調製。
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(5)(3.0mL、20mmol)を、1Lの三角フラスコ内で、187(30g、145mmol)3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(44g、209mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(80mL、460mmol)の無水DMF(300mL)中の磁気撹拌溶液に23℃で添加した。溶液を二つの450mL密閉可能な丸底フラスコの間で均等に分割し、次いで、100℃に設定した油浴中で23時間磁気撹拌した。透明な赤色反応混合物を合わせ、高真空下で濃縮して褐色残渣(107g)を得た。残渣を、0~5% MeOH/DCMを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって2回精製して、1当量のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(20g、30%)に錯化した208の黄色固体を得た。複合体は約72重量%の208(約15gの208)を含有していた。
工程4:04-1の調製。
2-ヒドロキシフェニルボロン酸(9.0g、65mmol)を、1,4-ジオキサン(600mL)及び脱イオン水(120mL)の混合物中の208アミン錯体(17g、37mmol)及び炭酸カリウム(16g、113mmol)の磁気撹拌混合物を含有する1ネック2L丸底フラスコに23℃で添加した。混合物を窒素ガスで30分間パージし、次いで、RuPhos-Pd-G3(1.8g、2.1mmol)を添加した。フラスコに、窒素入口で蓋をした冷却器を取り付け、100℃に設定した予熱油浴に入れた。窒素雰囲気下、100℃で23時間撹拌した後、得られた深赤色溶液を23℃に冷却し、減圧下で濃縮して褐色固体(40g)を得た。粗物質の1H NMR分析により、04-1が主生成物であることが示された。上記からの材料を、同様の純度を有する先のバッチからの6.8gの粗04-1と合わせた。合わせたバッチを、0-100% EtOAc/DCMを使用するフラッシュクロマトグラフィー、引き続いて0-10% MeOH/DCMで溶出するさらなるクロマトグラフィーによって精製して、HPLCによって98%純粋な04-1を黄色固体として得た。固体をEt2Oで研和し、濾過によって回収し、減圧下で乾燥させて、04-1を黄色粉末として得た(8.0g、合計収率47%)。
化合物3、スキーム4:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートの合成
2-(6-アミノ-5-(8-(2-フルオロピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール(1.5g、3.82mmol)(上記スキーム4の化合物1参照)及び水素化ナトリウム(鉱油中60%;0.46g、11.47mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、(R)-tert-ブチル4-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(上記スキーム4の化合物2を参照;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2011/28685号の88頁89欄の合成経路も参照)(1.87g、7.64mmol)を23℃で滴下した。次いで、混合物を60℃で12時間撹拌した。23℃に冷却した後、反応物を水(100mL)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけた。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーカラム(DCM中0~5%メタノール)によって精製して、表題化合物(1.2g、64%)を灰色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:617.6 [M+H]+.
化合物4、スキーム4:2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノールの合成
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.2g、1.95mmol)を含む酢酸エチル(10mL)の23℃溶液に、4M HCl/EtOAc(20mL、1.95mmol)を添加した。混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーカラム(DCM中0~10% MeOH(1% NH3
.H2O))によって精製して、表題化合物(900mg、90%)を黄色固体として得た。
メチル2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノエートの合成
NaBH(OAc)3(746mg、3.48mmol)、2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール(900mg、1.74mmol)及びメチル3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノエート(上記のスキーム4の化合物5を参照;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2020/0038378号の第428頁の合成経路を参照)(463mg、1.92mmol)のメチルアルコール(10mL)及びジクロロメタン(10mL)中の23℃の溶液に、酢酸ナトリウム(712mg、8.71mmol)を添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーカラム(DCM中0~10% MeOH)によって精製して、表題化合物(1.0g、77%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:742.6 [M+H]+.
化合物6、スキーム4:2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸の合成
メチル2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノエート(1.0g、1.35mmol)の水(6mL)及びメチルアルコール(6mL)中の23℃溶液に、水酸化リチウム一水和物(3mg、6.74mmol)を添加した。混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮すると、表題化合物(980mg)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:728.3 [M+H]+.
化合物7、スキーム4:(2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸の合成
2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)イソキサゾール-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)イソオキサゾール-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(900mg、1.24mmol)をキラルSFC(DAICEL CHIRALPAK AD(250mm*50mm、10um)0.1%NH3H2O、IPA、18%)によって分離して、第1のピーク(2S)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(400mg、44%)及び第2のピーク(2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(450mg、50%)の両方を白色固体として得た。
化合物15の合成、スキーム4:
スキーム4の化合物8(以下、化合物Yと呼ぶ)の調製。アリル((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメートの合成。
クロロギ酸アリル(485mg、4.02mmol)を、(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(例えば、上記の化合物1を参照。J.Med.Chem.2019,62,941に記載される調製を参照)(1.65g、3.83mmol)及びNaHCO3(1.61g、19.2mmol)の1:1 THF:H2O(34mL)中の0℃混合物に添加した。得られた混合物を25℃に加温し、その温度で12時間撹拌した。水(50mL)で希釈した後、反応混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。残渣を、DCM中0-3%MeOHで溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2S,4R)-アリル-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(上記の化合物Yを参照)(1.60g、81%)を灰色固体として得た。LCMS(10-80,AB,7.0分):RT=2.57分、m/z=537.1 [M+Na]+.
スキーム4の化合物9の調製。(2S,4R)-アリル4-((ヒドロキシヒドロホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
(2S,4R)-アリル4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(2.0g、4.81mmol)を含むTHF(30mL)の溶液に、THF(5mL)中のPCl3(1.67mL、19.3mmol)及びTHF(3mL)中のEt3N(4.03mL、29mmol)を-78℃で添加した。反応混合物を-78℃で20分間撹拌し、次いで、23℃に加温した。得られた混合物を23℃で12時間撹拌し、次いで、水(20mL)及びNaHCO3水溶液(5mL)でクエンチした。23℃で10分間撹拌した後、混合物を1N HClでpH=3に酸性化し、続いて減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーカラム(DCM中0~10%メタノール)によって精製して、表題化合物(1.5g、65%)を無色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:480.2 [M+H]+.
スキーム4の化合物10の調製。(2S,4R)-アリル4-((ヒドロキシ(1H-イミダゾール-1-イル)ホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
(2S,4R)-アリル4-((ヒドロキシヒドロホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(600mg、1.25mmol)及びEt3N(0.52mL、3.75mmol)のCCl4(8mL)及びアセトニトリル(8mL)中の23℃溶液に、1-(トリメチルシリル)-1H-イミダゾール(0.53g、3.75mmol)を23℃で添加した。反応混合物を23℃で40分間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をMTBE/EtOAc=5/1(3mL)で研和し、得られた沈殿を濾過によって回収し、MTBE(3mL)で洗浄し、風乾すると、表題化合物(680mg、99%)が得られた。LCMS(ESI)m/z:546.3 [M+H]+.
スキーム4の化合物10の調製。(2S,4R)-アリル4-(((((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
23℃の(2S,4R)-アリル4-((ヒドロキシ(1H-イミダゾール-1-イル)ホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(600mg、1.1mmol)及び(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバメート(上記スキーム4の化合物12);J.Org.Chem.2007,72,3116.に記載されるとおりに調製)(400mg、1.1mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(13mL)中の溶液に、Et2O(5.5mL、5.5mmol)中1M塩化亜鉛を添加した。反応混合物を23℃で12時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーカラム(DCM中0~30%メタノール(3% NH3・H2O))によって精製して、表題化合物(340mg、37%)を黄色油状物として得た。LCMS(ESI)m/z:814.3 [M+H]+.
化合物15、スキーム4:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシ((ヒドロキシ(((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ホスホリル)オキシ)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメートの合成
(2S,4R)-アリル4-(((((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)エトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(340mg、0.40mmol)及び1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(316mg、2.0mmol)のジクロロメタン(5mL)及びメチルアルコール(5mL)中の23℃溶液に、Pd(PPh3)4(94mg、0.08mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下23℃で2時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:YMC Triart C18 150*25mm*5μm;移動相:20~50%水(10mM NH4HCO3)-ACN;検出器、UV254nmで、表題化合物(202mg、66%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:757.4 [M+H]+.
化合物16、スキーム4:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(((((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)エチル)カルバメートの合成
(2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(308mg、0.42mmol)、HATU(201mg、0.53mmol)及び(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシ((ヒドロキシ(((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ホスホリル)オキシ)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート(80mg、0.11mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の溶液を23℃で20分間撹拌した。次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1mL、0.63mmol)を添加し、得られた混合物を23℃で2日間撹拌した。混合物を、以下の条件を用いて分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 150*30mm×5μm;移動相:24~51%の水(0.05%NH3・H2O)-ACNによって直接精製して、表題化合物(60mg、39%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1467.7 [M+H]+.
化合物17、スキーム4:[2-アミノエトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル][(3R,5S)-1-[(2R)-2-[3-[2-[(3R)-4-[2-[[4-[3-[3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1オクタン-8-イル]-2-ピリジル]オキシ]エチル]-3-メチル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]イソオキサゾール-5-イル]-3-メチル-ブタノイル]-5-[[(1S)-1-[4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル]エチル]カルバモイル]ピロリジン-3-イル]リン酸水素の合成
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(((((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)エチル)カルバメート(20mg、0.01mmol)及びピペリジン(2mg、0.01mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の溶液を23℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 150*30 mm*5um、20~50%水(0.05%NH3・H2O)-ACN))によって直接精製して、表題化合物(18mg、94%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 9.01-8.91(m,1H),7.93-7.89(m,1H),7.79-7.75(m,1H),7.48(s,1H),7.43-7.28(m,5H),7.23-7.19(m,2H),6.88-6.80(m,3H),6.54-6.52(m,1H),6.14-6.10(m,2H),5.97(s,2H),4.89-4.86(m,2H),4.52-4.35(m,3H),4.26-4.21(m,5H),4.08-3.73(m,5H),3.06-2.98(m,4H),2.95-2.91(m,3H),2.89-2.84(m,6H),2.69-2.66(m,4H),2.46-2.41(m,6H),2.36-2.31(m,2H),2.17-2.15(m,3H),1.98-1.95(m,3H),1.89-1.84(m,2H),1.55-1.51(m,9H),1.39-1.31(m,3H),1.26-1.21(m,3H),1.03-0.92(m,8H),0.80-0.71(m,5H);LCMS(ESI)m/z:1245.6 [M+H]+。
L1-CIDE-BRM1-4:[(3R,5S)-1-[2-[3-[2-[(3R)-4-[2-[[4-[3-[3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1オクタン-8-イル]-2-ピリジル]オキシ]エチル]-3-メチル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]イソオキサゾール-5-イル]-3-メチル-ブタノイル]-5-[[(1S)-1-[4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル]エチル]カルバモイル]ピロリジン-3-イル][2-[6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサノイルアミノ]エトキシ-ヒドロキシ-ホスホリル]リン酸水素の合成
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の[2-アミノエトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル][(3R,5S)-1-[2-[3-[2-[(3R)-4-[2-[[4-[3-[3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1オクタン-8-イル]-2-ピリジル]オキシ]エチル]-3-メチル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]イソオキサゾール-5-イル]-3-メチル-ブタノイル]-5-[[(1S)-1-[4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル]エチル]カルバモイル]ピロリジン-3-イル]リン酸水素(50mg、0.04mmol)の23℃溶液に、1-(6-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)-6-オキソヘキシル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(24mg、0.08mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.08mmol)を加えた。混合物を23℃で1時間撹拌し、次いで、分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3umto、17-47%水(10mM NH4HCO3)-ACN)によって直接精製して、表題化合物(7.9mg、14%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.98-8.95(m,1H),8.60-8.41(m,1H),7.94-7.90(m,1H),7.79-7.75(m,1H),7.48(s,1H),7.45-7.30(m,4H),7.23-7.20(m,1H),6.99-6.94(m,2H),6.88-6.80(m,2H),6.54-6.50(m,1H),6.14-6.10(m,1H),5.98-5.96(m,2H),4.89-4.86(m,2H),4.54-4.35(m,3H),4.26-4.21(m,4H),3.95-3.71(m,5H),3.24-3.21(m,1H),3.04-2.98(m,3H),2.82-2.75(m,1H),2.69-2.64(m,1H),2.45-2.42(m,5H),2.36-2.31(m,1H),2.18-2.15(m,2H),2.07-1.92(m,5H),1.79(s,12H),1.46-1.44(m,5H),1.38-1.35(m,3H),1.26-1.22(m,3H),1.16-1.14(m,2H),0.99-0.95(m,6H),0.89-0.76(m,4H);LCMS(ESI)m/z:1438.8 [M+H]+。
合成例5
L1-CIDE-BRM1-5の合成
L1-CIDE-BRM1-2を以下のスキーム、スキーム5によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-5の合成
L1-CIDE-BRM1-2を以下のスキーム、スキーム5によって合成した:
(S)-N-(1-(4-ブロモフェニル)エチル)アセトアミドの合成
塩化アセチル(2.35g、30mmol)を、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミン(5.0g、25mmol)及びEt3N(3.8g、37.49mmol)を含むTHF(50mL)の溶液に0℃で滴下した。反応物をその温度で2.5時間撹拌し、次いで、EtOAc(50mL×3)及び飽和NaCl溶液(50mL)に分配した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~50% EtOAc)によって精製して、表題化合物(4.0g、66%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:241.8 [M+H]+.
(S)-N-(1-(4-シアノフェニル)エチル)アセトアミドの合成
N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中のシアン化銅(I)(1.78g、20mmol)及び(S)-N-(1-(4-ブロモフェニル)エチル)アセトアミド(4.0g、16.5mmol)の混合物を24時間還流した。23℃に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、濾液を濃縮した。残渣を23℃の飽和NaHCO3水溶液(80mL)に添加し、10分間撹拌した。次いで、飽和次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加し、撹拌を23℃で24時間続けた。混合物をEtOAc(70mL×3)で抽出し、合わせた有機層を水(70mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、表題化合物(2.7g、87%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:189.2 [M+H]+.
(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾニトリル塩酸塩の合成
(S)-N-(1-(4-シアノフェニル)エチル)アセトアミド(2.4g、12.8mmol)及び2M HCl水溶液(20mL、12.8mmol)の溶液を100℃で24時間撹拌した。反応溶液を23℃に冷却し、次いで、濃縮すると、表題化合物(1.8g、97%)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:147.1 [M+H]+.
化合物4、スキーム5:(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートの合成
(S)-4-(1-アミノエチル)ベンゾニトリル塩酸塩(1.6g、11mmol)及び(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(2.8g、12mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)の23℃混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.3g、33mmol)及びHATU(1.63g、12mmol)を添加した。反応物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中50~100%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(1.7g、43%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:360.1 [M+H]+.
(2S,4R)-tert-Butyl 2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
4-ニトロフェニルクロロホルメート(1.68g、8.3mmol)及び(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(3.0g、7.0mmol)を含む無水ジクロロメタン(80mL)の混合物に、23℃で2,6-ルチジン(1.1g、10.43mmol)を添加した。反応混合物を23℃で18時間攪拌し、次いで、濃縮すると、表題化合物(437mg、99.8%)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:597.2 [M+H]+.
化合物6、スキーム5:(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
無水N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中のtert-ブチル(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(437mg、0.83mmol)及びアリル1-(((2S)-1-((4-(1-ヒドロキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ得エチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(334mg、0.58mmol)の23℃混合物に、DMAP(203mg、1.67mmol)を加えた。反応混合物を40℃で18時間撹拌し、次いで、23℃に冷却し、フィルタにかけた。濾液を分取HPLC(Xtimate C18 150*40 mm*5um/水(0.225% FA)-ACN、18~48%)によって直接精製して、表題化合物(65mg、8%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:958.6 [M+H]+.
化合物7、スキーム5:1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸の合成
(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(65mg、0.07mmol)及び1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(53mg、0.34mmol)のジクロロメタン(3mL)及びメチルアルコール(3mL)中の溶液に、Pd(PPh3)4(16mg、0.01mmol)を23℃で添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、23℃で10時間攪拌し、次いで、濃縮した。残渣を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um、移動相:(24~50%)水(10mM NH4HCO3)-ACNによって精製して、表題化合物(40mg、64%)を赤色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:918.6 [M+H]+.
化合物9、スキーム5:(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(40mg、0.04mmol)及び1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(10mg、0.05mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中の23℃混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.13mmol)及びHATU(20mg、0.05mmol)を添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075% TFA)-ACN、20%~50%)によって精製して、表題化合物(31mg、65%)を青色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1082.7 [M+H]+.
(3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(30.5mg、0.03mmol)のHFIP(3mL)中5% TFA溶液を23℃で1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮すると、表題化合物(28mg、99%)が桃色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:982.7 [M+H]+.
L1-CIDE-BRM-1-5:(3R,5S)-1-(2-(3-(4-(トランス-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネートの合成
(3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテート(28mg、0.03mmol)及び2-(3-(4-((4-(トランス-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(27mg、0.03mmol)の23℃のDMF(3mL)中の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.08mmol)及びHATU(13mg、0.03mmol)を添加した。混合物を23℃で4時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um;移動相:(18~36%)水(10mM NH4HCO3)-ACNによって精製して、表題化合物(23mg、31%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 7.80-7.58(m,6H),7.57-7.34(m,5H),7.24-7.21(m,1H),6.96-6.84(m,2H),6.80-6.73(m,1H),6.56-6.54(m,1H),6.33-6.20(m,1H),6.17-6.03(m,1H),5.27-5.19(m,1H),5.14-5.12(m,1H),4.62-4.60(m,5H),4.54-4.51(m,3H),4.42-4.39(m,1H),4.17-3.86(m,2H),3.84-3.76(m,1H),3.74-3.64(m,3H),3.63-3.50(m,4H),3.48-3.43(m,3H),3.38-3.35(m,2H),3.25-3.22(m,2H),3.26-3.18(m,1H),3.17-3.00(m,4H),2.86-2.83(m,2H),2.59-2.55(m,6H),2.48-2.35(m,7H),2.29-2.12(m,8H),2.09-1.86(m,8H),1.85-1.68(m,1H),1.79-1.75(m,5H),1.67-1.52(m,7H),1.51-1.43(m,2H),1.41-1.23(m,9H),1.10-0.94(m,3H),0.93-0.81(m,3H);LCMS(ESI)m/z:1772.9 [M+H]+。
合成例6
L1-CIDE-BRM1-6の合成
L1-CIDE-BRM1-6を以下のスキーム、スキーム6によって合成した:
L1-CIDE-BRM1-6の合成
L1-CIDE-BRM1-6を以下のスキーム、スキーム6によって合成した:
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド塩酸塩の合成
(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(上記スキーム5の化合物4を参照)(2.0g、5.56mmol)の酢酸エチル(5mL)中23℃溶液に、4M HCl(10mL;乾燥HClガスを乾燥EtOAc中にバブリングすることによって調製された)を添加した。反応混合物を23℃で16時間攪拌し、次いで、濃縮すると、表題化合物(1.4g、97%)が白色固体として得られた。
化合物4、スキーム6:(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-(2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミドの合成
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(900mg、3.47mmol)及び2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(上記のスキーム6の化合物3を参照。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2020/0038378号の450頁に開示されている合成経路を参照)(1.4g、3.43mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中23℃溶液に、DIEA(1.71mL、10.29mmol)及びHATU(2.0g、5.15mmol)を添加した。混合物を23℃で2時間撹拌し、次いで、水(100mL)と酢酸エチル(100mL×3)に分配した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタニカケ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~100%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(2.0g、98%)を無色油状物として得た。LCMS(ESI)m/z:568.3 [M+H]+.
化合物5、スキーム6:(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミドの合成
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-(2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(2g、3.52mmol)をキラルSFC(DAICEL CHIRALPAK OD(250mm*30mm,10um);(20%)0.1%NH3H2O,EtOH)によって分離して、第1のピーク(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((S)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(400mg、20%)及び第2のピーク(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(700mg、35%)を両方とも白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6,):δ 8.49(d,J=7.2 Hz,1H),7.82-7.76(m,2H),7.50-7.44(m,2H),6.11(s,1H),5.13(d,J=3.6 Hz,1H),4.93-4.89(m,1H),4.36-4.31(m,1H),4.27-4.25(s,1H),4.07(d,J=7.6 Hz,1H),3.72-3.53(m,4H),3.45-3.40(m,1H),3.26(s,6H),2.76-2.67(m,2H),2.25-2.16(m,1H),2.08-1.96(m,1H),1.79-1.61(m,4H),1.44-1.33(m,3H),1.30-1.19(m,2H),0.98-0.89(m,3H),0.84-0.74(m,3H).
化合物8、スキーム6:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
23℃の(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(300mg、0.53mmol)及び4ÅMS(100mg)の無水ジクロロメタン(3mL)中の混合物に、S-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(上記のスキーム6の化合物7又は上記のスキーム1の化合物2を参照)(391mg、1.59mmol)のジクロロメタン(2mL)及びEt3N(214mg、2.11mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)中の溶液をゆっくり添加した。反応物を23℃で16時間撹拌し、次いで、フィルタにかけた。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~70%酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(200mg、49%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:778.1 [M+H]+.
化合物9、スキーム6:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(4-ホルミルピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(4-(ジメトキシメチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(100mg、0.13mmol)のTHF(1mL)中の23℃の溶液に、ギ酸(1mL)及び水(3mL)を添加した。混合物を50℃で16時間撹拌し、次いで、23℃に冷却し、濃縮すると、表題化合物(80mg、85%)が黄色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:732.0 [M+H]+.
L1-CIDE-BRM1-6:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(4-((4-(トランス-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエートの合成
23℃のS-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(4-ホルミルピペリジン-1-イル)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(80mg、0.11mmol)及び2-(6-アミノ-5-(8-(2-(3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール塩酸塩(上記スキーム6の化合物5を参照;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2020/0038378号の306~307頁の合成経路を参照)(60mg、0.11mmol)及びHOAc(0.2ml)のジクロロメタン(1mL)及びメタノール(1mL)中の溶液に、NaBH(OAc)3(232mg、1.09mmol)を添加した。反応混合物を23℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um(水(0.225% FA)-ACN、15~45%))によって精製し、表題化合物(35mg、26%)を白色固体として得た。pre-HPLC(FA)後、所望の生成物はFA塩であった。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 8.55-8.53(m,1H),8.17-8.15(m,1H),7.91(d,J=7.6 Hz,1H),7.81-7.75(m,3H),7.51-7.44(m,3H),7.23-7.20(m,1H),6.89-6.82(m,2H),6.54-6.51(m,1H),6.12(d,J=8.8 Hz,2H),5.97(s,2H),5.26-5.07(m,2H),5.01-4.85(m,2H),4.51-4.46(m,2H),4.38-4.27(m,2H),3.87-3.80(m,2H),3.59-3.56(m,3H),3.54-3.52(m,3H),3.28-3.24(m,1H),3.03-2.99(m,2H),2.76-2.70(m,2H),2.36-2.31(m,2H),2.19-2.09(m,4H),2.01-1.94(m,4H),1.80-1.62(m,5H),1.45-1.32(m,9H),1.27-1.25(m,1H),1.14-1.02(m,2H),0.95-0.89(m,3H),0.88-0.70(m,3H);LCMS(ESI)m/z:1259.1 [M+H]+。
合成例7
L1-CIDE-BRM1-7の合成
スキーム:
L1-CIDE-BRM1-7の合成
スキーム:
実験:
化合物7を調製するための一般的手順:
化合物7を調製するための一般的手順:
四塩化炭素(10mL)中のイソブチルアルデヒド(2.7mL、29.6mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、50℃でジスルフィド(1.2mL、14.8mmol)を滴下した。反応物を窒素流下30℃でさらに48時間撹拌して、遊離した塩化水素を除去した。TLC(石油エーテル中25%酢酸エチル、Rf=0.5)は、反応が完了したことを示した。溶液を真空下で蒸留し、石油エーテル中25%酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、2-[(1,1-ジメチル-2-オキソエチル)ジスルファニル]-2-メチル-プロパナール(3000mg、98.2%)が無色油状物として得られる。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ=9.09(s,2H),1.37(s,12H).
化合物8を調製するための一般的手順:
2,2’-ジスルファンジイルビス(2-メチルプロパナール)(1500.0mg、7.3mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(9.7mL、29.1mmol)を0℃で5分間にわたって滴下した。混合物を0℃で2時間撹拌した。
TLC(石油エーテル中20%酢酸エチル、Rf=0.5)は、反応が完了したことを示した。混合物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(20ml×3)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、3-[(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルプロピル)ジスルファニル]-3-メチル-ブタン-2-オール(1370mg、79%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ=3.77-3.74(m,1H),1.31(s,6H),1.26(d,J=2.4 Hz,3H),1.19(d,J=6.4 Hz,3H).
化合物2を調製するための一般的手順:
2-メチル-2-[(5-ニトロ-2-ピリジル)ジスルファニル]プロパン-1-オール(5983.8mg、22.99mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、3-[(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-プロピル)ジスルファニル]-3-メチル-ブタン-2-オール(1370.0mg、5.75mmol)及びヨウ素(2917mg、11.49mmol)を25℃で添加し、反応混合物を45℃で24時間撹拌した。TLC(石油エーテル中33% EtOAc Rf=0.4)は、反応が完了に至ったことを示した。混合物をフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮し、石油エーテル中0~50%EtOAcで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、3-メチル-3-メチルスルホニルスルファニル-ブタン-2-オール(460mg、収率40.4%)が黄色油状物として得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ=4.14-4.09(m,1H),3.42(s,3H),1.68(s,3H),1.45(s,3H),1.29(d,J=6.4 Hz,3H).
化合物3を調製するための一般的手順:
トリホスゲン(112.3mg、0.38mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、3-メチル-3-メチルスルホニルスルファニル-ブタン-2-オール(150.0mg、0.76mmol)及びピリジン(239.3mg、3.03mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を添加し、反応物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固して粗生成物を得て、これを次の工程で直接使用した。
無水ジクロロメタン(2mL)中の上記粗生成物に、4ÅMS(100mg)を添加し、続いてトリエチルアミン(32.9mg、0.33mmol)及び化合物1(50.0mg、0.08mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)中溶液を20℃でゆっくり添加し、さらに16時間撹拌した。残渣を濃縮し、石油エーテル中0~70%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、化合物3(64mg、93.8%)が白色固体として得られた。LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.974分、m/z=839.3 [M+H]+.
化合物4を調製するための一般的手順:
化合物3(50.0mg、0.06mmol)のギ酸(2mL)及び水(2mL)中溶液を添加し、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、化合物4(45mg、98.7%)を黄色固体として得、これを次の工程に直接使用した。
LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.848分、m/z=765.2 [M+H]+.
LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.848分、m/z=765.2 [M+H]+.
L1-CIDE-BRM1-7の一般的な調製手順:
化合物4(45.0mg、0.06mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、化合物5(33.1mg、0.06mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(249.4mg、1.18mmol)を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、TLC(DCM中8% MeOH)によって精製して、L1-CIDE-BRM1-7(15.0mg、19.4%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4):δ=8.88(s,1H),7.81-7.75(m,2H),7.49-7.41(m,5H),7.24-7.20(m,1H),6.92-6.87(m,2H),6.57(d,J=4.0 Hz,1H),6.22(d,J=2.0 Hz,1H),6.01(d,J=3.2 Hz,1H),5.28-5.24(m,1H),5.05-5.02(m,1H),4.61(s,2H),4.53-4.49(m,3H),4.36-4.31(m,4H),4.04-3.90(m,2H),3.67-3.65(m,1H),3.46-3.43(m,1H),3.39(s,3H),3.16-3.03(m,4H),2.95-2.91(m,2H),2.78-2.72(m,3H),2.68-2.63(m,2H),2.49(s,3H),2.39-2.33(m,2H),2.26-2.23(m,2H),2.19-2.06(m,4H),1.59-1.52(m,7H),1.46(d,J=4.0 Hz,2H),1.40-1.29(m,6H),1.14(d,J=6.4 Hz,3H),1.05(d,J=6.4 Hz,3H),0.88(d,J=6.4 Hz,3H).
LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.829分、m/z=633.5 [M/2+H]+.HRMS(5-95AB):m/z=1265.5126 [M+H]+.
1H NMR(400MHz,メタノール-d4):δ=8.88(s,1H),7.81-7.75(m,2H),7.49-7.41(m,5H),7.24-7.20(m,1H),6.92-6.87(m,2H),6.57(d,J=4.0 Hz,1H),6.22(d,J=2.0 Hz,1H),6.01(d,J=3.2 Hz,1H),5.28-5.24(m,1H),5.05-5.02(m,1H),4.61(s,2H),4.53-4.49(m,3H),4.36-4.31(m,4H),4.04-3.90(m,2H),3.67-3.65(m,1H),3.46-3.43(m,1H),3.39(s,3H),3.16-3.03(m,4H),2.95-2.91(m,2H),2.78-2.72(m,3H),2.68-2.63(m,2H),2.49(s,3H),2.39-2.33(m,2H),2.26-2.23(m,2H),2.19-2.06(m,4H),1.59-1.52(m,7H),1.46(d,J=4.0 Hz,2H),1.40-1.29(m,6H),1.14(d,J=6.4 Hz,3H),1.05(d,J=6.4 Hz,3H),0.88(d,J=6.4 Hz,3H).
LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.829分、m/z=633.5 [M/2+H]+.HRMS(5-95AB):m/z=1265.5126 [M+H]+.
合成例8
L1-CIDE-BRM1-8の合成
スキーム:
L1-CIDE-BRM1-8の合成
スキーム:
実験:
化合物2を調製するための一般的手順:
化合物2を調製するための一般的手順:
ジクロロメタン(2.00mL)及びトリフルオロ酢酸(0.40mL)中の化合物1(120.00mg、0.20mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。TLC(DCM中10% MeOH、Rf=0.6)は、ほとんどの出発物質が消費され、新しいスポットが形成されたことを示した。次いで、混合物に水(3.00mL)を添加し、飽和NaHCO3(8.00mL)でpH=9に調整した。次いで、混合物をジクロロメタン(15mL×3)で抽出した。有機層を濃縮して、粗化合物2(90.00mg、85.3%)を白色固体として得た。LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.789分、m/z=541.3 [M+H]+.
化合物4を調製するための一般的手順:
メチルアルコール(5.00mL)及びジクロロメタン(5.00mL)中の化合物3(75.50mg、0.14mmol)及び化合物2(90.00mg、0.14mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(12.9mg、0.20mmol)及び酢酸ナトリウム(16.80mg、0.20mmol)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。TLC(DCM中12% MeOH、Rf=0.6)は、ほとんどの出発物質が消費され、新しいスポットが形成されたことを示した。混合物をフィルタにかけ、濾液を濃縮し、Pre-TLC(DCM中12% MeOH)によって精製して、化合物4(40.00mg、28.1%)を白色固体として得た。LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.755分、m/z=1041.2 [M+H]+.
化合物6を調製するための一般的手順:
トリホスゲン(18.3mg、0.062mmol)と4Aモレキュラーシーブのジクロロメタン(2.0mL)中混合物に、tert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)-4-メチルスルホニルスルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(20.0mg、0.062mmol)及びピリジン(0.02mL、0.184mmol)のジクロロメタン(2.0mL)中溶液を添加した。反応混合物を20℃で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮して粗生成物を得て、これを次の工程で直接使用した。
無水ジクロロメタン(5.00mL)中の上記粗生成物及び4ÅMS(100mg)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.09mmol)及び化合物4(30.00mg、0.03mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.00mL)中溶液を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。TLC(DCM中11% MeOH、Rf=0.6)は、ほとんどの出発物質が消費され、新しいスポットが形成されたことを示した。混合物をフィルタにかけ、濃縮して粗生成物を得、これをPre-TLC(DCM中11% MeOH)によって精製して、化合物6(25.00mg、62.3%)を淡黄色固体として得た。LCMS(10-80,AB,7.0分):RT=3.096分、m/z=697.1 [M/2+H]+
化合物7を調製するための一般的手順:
化合物6(20.00mg、0.01mmol)のジクロロメタン(1.00mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(0.80mL、10.38mmol)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、粗生成物7をTFA塩として得、これを次の工程に直接使用した。
L1-CIBE-BRM1-8の一般的調製手順:
ジクロロメタン(2mL)及びメチルアルコール(1mL)中のホルムアルデヒド(4.3mg、0.14mmol)及び化合物7(20.20mg、0.01mmol)の溶液に酢酸(1.00mg)を添加した。混合物を25℃で30分間添加した。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.2mg、0.04mmol)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、混合物をDCM(15mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)で洗浄し、有機層を濃縮し、残渣を逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル14~44/水中0.225% FA)によって精製して、L1-CIDE-BRM1-8(3.60mg、18.2%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=8.99(s,1H),8.49(d,J=8.0 Hz,1H),8.15(s,1H),7.91(d,J=8.0 Hz,1H),7.78(d,J=6.0 Hz,1H),7.49-7.36(m,6H),7.22-7.20(m,1H),6.88-6.85(m,2H),6.54-6.52(m,1H),6.13(d,J=8.0 Hz,2H),5.97-5.94(m,2H),5.25-5.21(m,1H),4.93-4.89(m,1H),4.52-4.43(m,6H),4.26-4.21(m,6H),3.87(br s,1H),3.72(d,J=9.2 Hz,1H),3.52(s,3H),3.02-2.96(m,4H),2.61(br s,4H),2.46-2.33(m,10H),2.20-2.14(m,6H),1.96-1.89(m,10H),1.38(d,J=7.2 Hz,3H),0.99-0.95(m,6H),0.81(d,J=6.4 Hz,3H).LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.781分、m/z=1306.5 [M+H]+.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=8.99(s,1H),8.49(d,J=8.0 Hz,1H),8.15(s,1H),7.91(d,J=8.0 Hz,1H),7.78(d,J=6.0 Hz,1H),7.49-7.36(m,6H),7.22-7.20(m,1H),6.88-6.85(m,2H),6.54-6.52(m,1H),6.13(d,J=8.0 Hz,2H),5.97-5.94(m,2H),5.25-5.21(m,1H),4.93-4.89(m,1H),4.52-4.43(m,6H),4.26-4.21(m,6H),3.87(br s,1H),3.72(d,J=9.2 Hz,1H),3.52(s,3H),3.02-2.96(m,4H),2.61(br s,4H),2.46-2.33(m,10H),2.20-2.14(m,6H),1.96-1.89(m,10H),1.38(d,J=7.2 Hz,3H),0.99-0.95(m,6H),0.81(d,J=6.4 Hz,3H).LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=0.781分、m/z=1306.5 [M+H]+.
化合物9を調製するための一般的手順:
四塩化炭素(150mL)中のtert-ブチル4-ホルミル-1-ピペリジンカルボキシレート(9870.7mg、46.28mmol)の混合物に、ジスルフルジクロリド(1.48mL、18.51mmol)を55℃で添加し、混合物を55℃で16時間撹拌し、TLC(ジクロロメタン中10%メチルアルコール、Rf=0.5)は、反応が完了したことを示した。混合物をフィルタにかけ、有機層を真空中で濃縮した。残渣に水(30mL)を添加し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して粗生成物を得て、これをPre-TLC(ジクロロメタン中10%メチルアルコール、Rf=0.5)によって精製すると、tert-ブチル4-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ホルミル-4-ピペリジル)ジスルファニル]-4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボキシレート(5.5g、60.8%)が白色固体として得られた。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ=9.06(s,2H),3.73(br s,4H),3.18-3.11(m,4H),2.07-2.02(m,4H),1.74-1.69(m,4H),1.46(s,18 H).
化合物10を調製するための一般的手順:
tert-ブチル4-[(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ホルミル-4-ピペリジル)ジスルファニル]-4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボキシレート(3000.0mg、6.14mmol)のメチルアルコール(40mL)中の混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(696.7mg、18.42mmol)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌し、TLC(ジクロロメタン中10%メチルアルコール、Rf=0.5)が新たなスポットを示したので、水(30mL)の添加によって反応をクエンチし、得られた混合物をジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して粗生成物を得て、これをジクロロメタン中0~3%メチルアルコールで溶出するシリカ上のクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-[[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ヒドロキシメチル-4-ピペリジル]ジスルファニル]-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(3000mg、99%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ=3.75-3.72(m,4H),3.59(s,4H),3.32-3.26(m,4H),1.75-1.67(m,8H),1.46(s,18H).
化合物11を調製するための一般的手順:
水素化リチウムアルミニウム(1232.4mg、32.47mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)中の懸濁液に、tert-ブチル4-[[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ヒドロキシメチル-4-ピペリジル]ジスルファニル]-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(3200.0mg、6.49mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)中溶液を滴加した。形成された混合物を窒素下、25℃で2時間撹拌した。反応物をNH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、粗生成物tert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)-4-スルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(2700mg、100%)が得られ、これを次の工程に直接使用した。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ=3.96-3.92(m,2H),3.52(s,2H)3.27-3.21(m,2H),1.64-1.61(m,4H),1.47(s,9H).
化合物12を調製するための一般的手順:
イミダゾール(1783.5mg、26.2mmol)及びtert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)-4-スルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(2700.0mg、10.92mmol)のジクロロメタン(40mL)中の溶液に、tert-ブチルジメチルクロロシラン(2467.8mg、16.37mmol)のジクロロメタン(40mL)中の溶液を添加した。混合物を20℃で12時間連続的に撹拌した。TLC(石油エーテル中20%酢酸エチル、Rf=0.58)は、反応が完了したことを示した。次いで、混合物を水(20mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のクロマトグラフィー(石油エーテル中10%酢酸エチル、Rf=0.58)によって精製すると、tert-ブチル4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-スルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(3800mg、96.3%)が得られた。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ=3.96-3.92(m,2H),3.52(s,2H),3.20-3.13(m,2H),1.72-1.65(m,2H),1.52-1.49(m,2H),1.45(s,9H),0.90(s,9H),0.06(s,6H).
化合物13を調製するための一般的手順:
N2保護下のメタンスルホニルクロリド(2.51g、21.91mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、tert-ブチル4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-スルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(3.8g、10.51mmol)及びトリエチルアミン(5.45mL、42.03mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液を滴加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル中20%酢酸エチル、Rf=0.3)は新たなスポットを示した。反応物を水(30mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機層を濃縮し、石油エーテル中0~10%酢酸エチルで溶出するシリカ上カラムによって精製すると、tert-ブチル4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-メチルスルホニルスルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(1670mg、36.1%)が白色固体として得られた。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ=3.94-3.88(m,4H),3.39(s,3H),3.26-3.20(m,1H),1.99-1.95(m,2H),1.86-1.80(m,2H),1.46(s,9H),0.91(s,9H),0.10(s,6H).LCMS(5-95,AB,1.5分):RT=1.126分、m/z=340.1[M-100+H]+.
化合物5を調製するための一般的手順:
tert-ブチル4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-メチルスルホニルスルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(1500.00mg、3.41mmol)のテトラヒドロフラン(10.0mL)中溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中5.12mL、5.12mmol、1mol/L)を添加した。混合物を0℃で20分間撹拌した。TLC(石油エーテル中60% EtOAc、Rf=0.4)は、ほとんどの出発物質が消費されたことを示した。混合物にEtOAc(70mL)を添加し、有機層を水(25mL×2)、ブライン(25mL)で洗浄し、有機層を濃縮して粗生成物を得て、これを石油エーテル中0~60% EtOAcで溶出するシリカ上フラッシュカラムによって精製して、tert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)-4-メチルスルホニルスルファニル-ピペリジン-1-カルボキシレート(670.00mg、60.4%)を無色油状物として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ=3.96(s,2H),3.89-3.85(m,2H),3.43(s,3H),3.31-3.28(m,2H),2.12-2.08(m,2H),1.82-1.76(m,2H),1.47(s,9H).
合成例9
L1-CIDE-BRM1-9の合成
L1-CIDE-BRM1-9の合成
工程1:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、0.49mmol)の1-メチルピロリジン-2-オン(8.0mL)中の溶液に、炭酸セシウム(0.32g、0.97mmol)及びジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(0.19g、0.73mmol)を添加した。反応混合物を45℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、ジクロロメタン中0~2%メタノール)によって精製して、表題化合物(200mg、収率49%)を黄色油状物として得た。
LCMS(ESI)m/z:839.3 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:839.3 [M+H]+.
工程2:(2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、0.24mmol)の溶液に、ヘキサフルオロイソプロパノール(5.0mL)中の5%トリフルオロ酢酸を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応物を、Column Boston Green ODS 150*30mm*5um条件水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル(5%~35%)によって濃縮精製すると、表題化合物(100mg、収率56.6%)が黄色固体として得られた。
LCMS(ESI)m/z:627.3 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:627.3 [M+H]+.
工程3:S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2S,4R)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(380mg、0.62mmol)及びトリエチルアミン(250mg、2.47mmol)並びに4ÅMS(50mg)の無水ジクロロメタン(5.0mL)中混合物に、S-(3-((クロロカルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(322mg、1.24mmol)を20℃で16時間ゆっくり添加した。混合物をpre-TLC(ジクロロメタン中7%メタノール)によって精製し、表題化合物(150mg、28.9%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:839.7 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:839.7 [M+H]+.
工程4:S-(2-メチル-3-(((((3R,5S)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(150mg、0.18mmol)の水(3.0mL)及びギ酸(8.0mL)中溶液を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固すると、表題化合物(135mg、収率98.7%)が白色固体として得られた。
LCMS(ESI)m/z:765.5 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:765.5 [M+H]+.
工程5:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((ホスホノオキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート(138mg、0.19mmol)及びS-(2-メチル-3-(((((3R,5S)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(130mg、0.17mmol)のジクロロメタン(5.0mL)及びメタノール(5.0mL)中溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(720mg、3.40mmol)を添加した。反応混合物を40℃で48時間撹拌した。反応混合物をColumn Welch Xtimate C18 150*25mm*5um条件水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル20-50%)によって精製して、表題化合物(54.2mg、21.3%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1375.5 [M+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.98(s,1H),8.52(d,J=8.0 Hz,1H),8.14(s,2H),7.74(d,J=6.0 Hz,1H),7.61(d,J=8.0 Hz,1H),7.47-7.30(m,5H),7.29-7.24(m,1H),7.03(t,J=7.2 Hz,1H),6.50(d,J=6.0 Hz,1H),6.26(s,1H),6.12(d,J=2.4 Hz,1H),5.79-5.75(m,1H),5.51-5.46(m,2H),5.23-5.18(m,1H),5.06-4.85(m,3H),4.48-4.35(m,5H),4.26-4.23(m,2H),3.89-3.83(m,2H),3.75-3.71(m,2H),3.09-2.99(m,5H),2.97-2.87(m,4H),2.84-2.77(m,3H),2.73-2.71(m,2H),2.46-2.44(m,3H),2.30-2.11(m,5H),2.05-1.94(m,3H),1.57-1.35(m,9H),1.33-1.22(m,6H),1.11-1.04(m,4H),0.98-0.91(m,3H),0.86-0.77(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:1375.5 [M+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.98(s,1H),8.52(d,J=8.0 Hz,1H),8.14(s,2H),7.74(d,J=6.0 Hz,1H),7.61(d,J=8.0 Hz,1H),7.47-7.30(m,5H),7.29-7.24(m,1H),7.03(t,J=7.2 Hz,1H),6.50(d,J=6.0 Hz,1H),6.26(s,1H),6.12(d,J=2.4 Hz,1H),5.79-5.75(m,1H),5.51-5.46(m,2H),5.23-5.18(m,1H),5.06-4.85(m,3H),4.48-4.35(m,5H),4.26-4.23(m,2H),3.89-3.83(m,2H),3.75-3.71(m,2H),3.09-2.99(m,5H),2.97-2.87(m,4H),2.84-2.77(m,3H),2.73-2.71(m,2H),2.46-2.44(m,3H),2.30-2.11(m,5H),2.05-1.94(m,3H),1.57-1.35(m,9H),1.33-1.22(m,6H),1.11-1.04(m,4H),0.98-0.91(m,3H),0.86-0.77(m,3H).
合成例10
L1-CIDE-BRM1-10の合成
L1-CIDE-BRM1-10の合成
工程1:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-((3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((ホスホノオキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
S-(3-(((((3R,5S)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-5-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(100mg、0.13mmol)及び(2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート(99.2mg、0.16mmol)のジクロロメタン(1.00mL)及びメタノール(1.00mL)中溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(615mg、2.9mmol)を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。混合物をColumn Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3um条件水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル10%~40%)によって精製して、表題化合物(110mg、51.4%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1375.5 [M+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.99(s,1H),8.51(d,J=6.4 Hz,1H),8.15(s,2H),7.82-7.72(m,1H),7.64(d,J=7.6 Hz,1H),7.52-7.32(m,6H),7.30-7.24(m,1H),7.08-7.03(m,1H),6.56-6.46(m,1H),6.33-6.30(m,1H),6.14(s,1H),5.91-5.86(m,1H),5.55-5.50(m,2H),5.21-5.18(m,1H),4.98-4.87(m,2H),4.51-4.31(m,5H),4.30-4.22(m,2H),3.91-3.84(m,2H),3.77-3.73(m,2H),3.58-3.51(m,2H),3.18-3.11(m,4H),3.07-2.97(m,4H),2.95-2.81(m,5H),2.79-2.72(m,2H),2.47-2.45(m,3H),2.37-2.14(m,5H),2.10-1.88(m,3H),1.48-1.23(m,9H),1.20-1.05(m,3H),0.98-0.93(m,3H),0.88-0.76(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:1375.5 [M+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.99(s,1H),8.51(d,J=6.4 Hz,1H),8.15(s,2H),7.82-7.72(m,1H),7.64(d,J=7.6 Hz,1H),7.52-7.32(m,6H),7.30-7.24(m,1H),7.08-7.03(m,1H),6.56-6.46(m,1H),6.33-6.30(m,1H),6.14(s,1H),5.91-5.86(m,1H),5.55-5.50(m,2H),5.21-5.18(m,1H),4.98-4.87(m,2H),4.51-4.31(m,5H),4.30-4.22(m,2H),3.91-3.84(m,2H),3.77-3.73(m,2H),3.58-3.51(m,2H),3.18-3.11(m,4H),3.07-2.97(m,4H),2.95-2.81(m,5H),2.79-2.72(m,2H),2.47-2.45(m,3H),2.37-2.14(m,5H),2.10-1.88(m,3H),1.48-1.23(m,9H),1.20-1.05(m,3H),0.98-0.93(m,3H),0.88-0.76(m,3H).
合成例11
L1-CIDE-BRM1-11の合成
L1-CIDE-BRM1-11の合成
工程1:S-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
ジクロロメタン(4.0mL)中のS-(3-ヒドロキシブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(200mg、1.09mmol)及びピリジン(343mg、4.34mmol)の溶液に、ジクロロメタン(2.0mL)中のトリホスゲン(129mg、0.43mmol)を加えた。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固すると、表題化合物(250mg、93.4%)が黄色油状物として得られ、これを次の工程に直接使用した。
工程2:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
無水DCM(4.0mL)中の(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(260mg、0.48mmol)、トリエチルアミン(194mg、1.92mmol)及び4ÅMS(80mg)の混合物に、無水ジクロロメタン(2.0mL)中のS-(3-((クロロカルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(250mg、1.01mmol)を20℃で16時間ゆっくり添加した。反応混合物を濾過し、濾液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、石油エーテル中0~70%酢酸エチル)によって精製すると、表題化合物(150mg、41.6%)が黄色油状物として得られた。
LCMS(ESI)m/z:752.9 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:752.9 [M+H]+.
工程3:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
ギ酸(5.0mL)及び水(1.0mL)中のS-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(150mg、0.20mmol)の溶液を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固すると、表題化合物(100mg、収率73.9%)が黄色油状物として得られた。
LCMS(ESI)m/z:679.5 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:679.5 [M+H]+.
工程4:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-(4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((ホスホノオキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート(169mg、0.22mmol)及びS-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)ブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(150mg、0.22mmol)のジクロロメタン(5.0mL)及びメタノール(5.0mL)中溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.40g、6.63mmol)を添加した。反応混合物を20℃で48時間撹拌した。反応混合物をColumn Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3um条件水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル10-40%)によって精製して、表題化合物(25.6mg、収率8.8%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:659.1 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.58(d,J=8.0 Hz,1H),8.14(s,1H),7.82-7.74(m,3H),7.55(d,J=8.0 Hz,1H),7.50-7.43(m,3H),7.39-7.34(m,1H),7.22(s,1H),7.15-7.09(m,1H),6.54-6.51(m,1H),6.37-6.21(m,2H),6.16-6.10(m,2H),5.57-5.52(m,2H),5.18-5.12(m,2H),4.99-4.87(m,2H),4.52-4.44(m,2H),4.40-4.22(m,4H),3.87-3.82(m,2H),3.74-3.70(m,1H),3.60-3.50(m,2H),3.15-3.00(m,2H),2.96-2.79(m,4H),2.69-2.64(m,1H),2.35-2.18(m,9H),2.16-2.09(m,2H),2.02-1.74(m,6H),1.53-1.23(m,12H),0.95-0.91(m,3H),0.85-0.74(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:659.1 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.58(d,J=8.0 Hz,1H),8.14(s,1H),7.82-7.74(m,3H),7.55(d,J=8.0 Hz,1H),7.50-7.43(m,3H),7.39-7.34(m,1H),7.22(s,1H),7.15-7.09(m,1H),6.54-6.51(m,1H),6.37-6.21(m,2H),6.16-6.10(m,2H),5.57-5.52(m,2H),5.18-5.12(m,2H),4.99-4.87(m,2H),4.52-4.44(m,2H),4.40-4.22(m,4H),3.87-3.82(m,2H),3.74-3.70(m,1H),3.60-3.50(m,2H),3.15-3.00(m,2H),2.96-2.79(m,4H),2.69-2.64(m,1H),2.35-2.18(m,9H),2.16-2.09(m,2H),2.02-1.74(m,6H),1.53-1.23(m,12H),0.95-0.91(m,3H),0.85-0.74(m,3H).
合成例12
L1-CIDE-BRM1-12の合成
L1-CIDE-BRM1-12の合成
工程1:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド(300mg、0.55mmol)、ピリジン(175mg、2.21mmol)及び4ÅMS(100mg)の無水ジクロロメタン(5.0mL)中の混合物に、無水ジクロロメタン(2mL)中のS-(3-((クロロカルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(259mg、1.00mmol)を20℃で16時間ゆっくり添加した。反応混合物をpre-TLC(ジクロロメタン中7%メタノール)によって精製して、表題化合物(60.0mg、14.2%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:722.1 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:722.1 [M+H]+.
工程3:S-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
水(1.00mL)及びギ酸(5.00mL)中のS-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-2-(3-(2,2-ジエトキシエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(60.0mg、0.08mmol)の溶液。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。得られた残渣を濃縮すると、表題化合物(50mg、92.2%)が白色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:693.2 [M+H]+.
工程4:S-(3-(((((3R,5S)-1-((2R)-2-(3-(2-(4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((ホスホノオキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート
(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート(138.51mg、0.18mmol)及びS-(3-(((((3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルブタン-2-イル)メタンスルホノチオエート(125mg、0.18mmol)のジクロロメタン(5.00mL)及びメタノール(5.00mL)中溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(38.0mg、0.18mmol)を添加した。反応混合物を20℃で36時間撹拌した。反応混合物をColumn Welch Xtimate C18 150*25mm*5um条件水(0.225%ギ酸)-アセトニトリル17-47%)によって精製して、表題化合物(15.9mg、収率50.4%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:666.1 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.61-8.56(m,1H),7.81-7.73(m,3H),7.57-7.42(m,4H),7.38-7.32(m,1H),7.22(s,1H),7.15-7.08(m,1H),6.54-6.50(m,1H),6.29-6.25(m,2H),6.15-6.10(m,2H),5.58-5.52(m,2H),5.22-5.11(m,2H),5.04-5.01(m,1H),4.94-4.91(m,1H),4.49-4.45(m,2H),4.41-4.36(m,1H),4.28-4.25(m,3H),3.90-3.82(m,2H),3.75-3.71(m,2H),3.56-3.51(m,1H),3.10-2.82(m,5H),2.31-2.18(m,7H),2.16-2.09(m,2H),2.02-1.77(m,5H),1.56-1.40(m,11H),1.39-1.20(m,8H),1.16-1.12(m,1H),0.95-0.91(m,3H),0.85-0.76(m,4H)。
LCMS(ESI)m/z:666.1 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)8.61-8.56(m,1H),7.81-7.73(m,3H),7.57-7.42(m,4H),7.38-7.32(m,1H),7.22(s,1H),7.15-7.08(m,1H),6.54-6.50(m,1H),6.29-6.25(m,2H),6.15-6.10(m,2H),5.58-5.52(m,2H),5.22-5.11(m,2H),5.04-5.01(m,1H),4.94-4.91(m,1H),4.49-4.45(m,2H),4.41-4.36(m,1H),4.28-4.25(m,3H),3.90-3.82(m,2H),3.75-3.71(m,2H),3.56-3.51(m,1H),3.10-2.82(m,5H),2.31-2.18(m,7H),2.16-2.09(m,2H),2.02-1.77(m,5H),1.56-1.40(m,11H),1.39-1.20(m,8H),1.16-1.12(m,1H),0.95-0.91(m,3H),0.85-0.76(m,4H)。
合成例13
L1-CIDE-BRM1-13の合成
L1-CIDE-BRM1-13の合成
工程1:(S)-エチル1-((1-((4-(クロロメチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート
(S)-エチル1-((1-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.4g、3.22mmol)のジクロロメタン(50.0mL)及びNMP(1.0mL)中溶液に、塩化チオニル(0.70mL、9.67mmol)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100-200メッシュ、ジクロロメタン中0-5%メタノール)によって精製すると、表題化合物(1.40g、収率96%)が黄色油状物として得られた。
工程2:(S)-エチル1-((1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート
(S)-エチル1-((1-((4-(クロロメチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.40g、3.09mmol)及び炭酸カリウム3(1.07g、7.73mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(60mL)中溶液に、2-ブロモフェノール(0.54mL、4.64mmol)を25℃で添加した。反応物を25℃で3時間撹拌した。反応物を水(30.0mL)で希釈し、ジクロロメタン(50.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20.0mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100-200メッシュ、ジクロロメタン中0-5%メタノール)によって精製して、表題化合物(1.1g、収率60%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:590.7 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:590.7 [M+H]+.
工程3:(S)-エチル1-((1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート
(S)-エチル1-((1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.10g、1.87mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(711mg、2.80mmol)のジメチルスルホキシド(20.0mL)中溶液に、Pd(dppf)Cl2(137mg、0.19mmol)及び酢酸カリウム(549mg、5.60mmol)を添加した。混合物をN2下、100℃で3時間撹拌した。混合物の粗製物を次の工程で直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:637.1 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:637.1 [M+H]+.
工程4:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(750mg、1.28mmol)及びオルトリン酸三カリウム(814mg、3.84mmol)のジメチルスルホキシド(15.0mL)及びH2O(1.00mL)中溶液に、クロロ[(ジ(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(171mg、0.26mmol)及び(S)-エチル1-((1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(832mg、1.31mmol)を添加した。混合物をN2下、100℃で3時間撹拌した。反応物をシリカゲルカラム(シリカゲル、100-200メッシュ、ジクロロメタン中0-15%メタノール)によって精製して、表題化合物(400mg、収率28%)を暗色油状物として得た。
LCMS(ESI)m/z:1251.0 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1251.0 [M+H]+.
工程5:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(400mg、0.39mmol)のメタノール(5.0mL)及び水(2.0mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(92.7mg、3.87mmol)を添加した。混合物をN2下、25℃で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固すると、表題化合物(300mg、収率77.1%)が暗色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:1005.6 [M+H]+.
工程6:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(300mg、0.3mmol)のジクロロメタン(20.0mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(0.20mL、3.00mmol)を添加した。溶液を20℃で5時間撹拌し、濃縮乾固した。粗生成物を、以下の条件(カラム:Welch Xtimate C18 100*40mm*3um;移動相:12-42%水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル)を用いて分取HPLCによって精製して、表題化合物(89mg、32.9%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:905.5 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:905.5 [M+H]+.
工程7:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(86.02mg、0.16mmol)及び1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート(96.0mg、0.11mmol)のジクロロメタン(1.50mL)及びメタノール(1.50mL)中溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.6mg、0.21mmol)を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。得られた溶液をPhenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um(アセトニトリル17~47%/水中0.05% NH3H2O)によって精製して、表題化合物(89.0mg、収率58.7%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1429.9 [M+H]+.
工程8:N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(50.0mg、0.03mmol)及び1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン2,2,2-トリフルオロ酢酸(12.4mg、0.04mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.0 mL)中の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.10mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(16.0mg、0.04mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をオイルポンプによって濃縮乾固した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アクリロニトリル、20~50%)によって精製し、表題化合物(33.6mg、収率59.7%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ(ppm)10.19(s,1H),9.02-8.86(m,1H),8.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=6.8 Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,2H),7.51-7.41(m,5H),7.36(d,J=6.8 Hz,5H),7.29-7.09(m,1H),6.97(s,2H),6.76(s,1H),6.42(s,1H),6.15-5.96(m,2H),5.07(s,2H),4.93-4.86(m,1H),4.71-4.60(m,2H),4.52-4.24(m,9H),3.66(s,4H),3.33(d,J=7.2 Hz,5H),3.09-2.96(m,8H),2.45(s,3H),2.42-2.34(m,4H),2.29-2.14(m,2H),2.04(d,J=11.2 Hz,3H),1.91(s,2H),1.83-1.55(m,5H),1.51-1.30(m,9H),1.19(d,J=5.8 Hz,5H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.86-0.75(m,3H)。
LCMS(ESI)m/z:797.5 [M/2+H]+.
LCMS(ESI)m/z:797.5 [M/2+H]+.
合成例14
L1-CIDE-BRM1-14の合成
L1-CIDE-BRM1-14の合成
工程1:tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボンキシレート
tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(450mg、0.77mmol)及びオルトリリン酸三カリウム(0.19mL、2.3mmol)のジメチルスルホキシド(20mL)中溶液に、クロロ[(ジ(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(103mg、0.15mmol)及び(S)-エチル1-((1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(977mg、1.54mmol)を添加した。混合物をN2下、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機物をブライン(30mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、表題化合物(400mg、49.1%)を暗色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1060.7 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1060.7 [M+H]+.
工程2:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボンキシレート(450mg、0.42mmol)のメタノール(5.0mL)及び水(2.0mL)中溶液に、水酸化リチウム一水和物(102mg、4.24mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮すると、表題化合物(438mg、収率97.5%)が暗色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:1032.6 [M+H]+.
工程3:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(400mg、0.39mmol)のジクロロメタン(4.0mL)中混合物に、トリフルオロ酢酸(0.30mL、3.90mmol)を添加した。混合物を20 oCで5時間撹拌した。反応物を濃縮乾固し、残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル12%~42%)によって精製し、表題化合物(360mg、収率88.9%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:932.6 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:932.6 [M+H]+.
工程4:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-2-カルボキサミド(313.21mg、0.5800mmol)及び1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート(360mg、0.39mmol)のジクロロメタン(0.50mL)及びメタノール(0.50mL)中溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(49.3mg、0.77mmol)及び酢酸ナトリウム(6.00mg、0.07mmol)、1滴の酢酸を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。得られた残渣をPhenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um(アセトニトリル17-47/水中0.05% NH3H2O、20%~50%)によって精製して、表題化合物(250mg、46.7%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1384.8 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1384.8 [M+H]+.
工程5:N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(50.0mg、0.04mmol)及び1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(12.8mg、0.04mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.00mL)中混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.1100mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(16.5mg、0.04mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物をオイルポンプによって濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル20%~50%)によって精製し、表題化合物(38.5mg、65.4%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:775.3 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)10.19(s,1H),9.02-8.86(m,1H),8.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=6.8 Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,2H),7.51-7.41(m,5H),7.36(d,J=6.8 Hz,5H),7.29-7.09(m,1H),6.97(s,2H),6.76(s,1H),6.42(s,1H),6.15-5.96(m,2H),5.07(s,2H),4.93-4.86(m,1H),4.71-4.60(m,2H),4.52-4.24(m,9H),3.66(s,4H),3.33(d,J=7.2 Hz,5H),3.09-2.96(m,8H),2.45(s,3H),2.42-2.34(m,4H),2.29-2.14(m,2H),2.04(d,J=11.2 Hz,3H),1.91(s,2H),1.83-1.55(m,5H),1.51-1.30(m,9H),1.19(d,J=5.8 Hz,5H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.86-0.75(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:775.3 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)10.19(s,1H),9.02-8.86(m,1H),8.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=6.8 Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,2H),7.51-7.41(m,5H),7.36(d,J=6.8 Hz,5H),7.29-7.09(m,1H),6.97(s,2H),6.76(s,1H),6.42(s,1H),6.15-5.96(m,2H),5.07(s,2H),4.93-4.86(m,1H),4.71-4.60(m,2H),4.52-4.24(m,9H),3.66(s,4H),3.33(d,J=7.2 Hz,5H),3.09-2.96(m,8H),2.45(s,3H),2.42-2.34(m,4H),2.29-2.14(m,2H),2.04(d,J=11.2 Hz,3H),1.91(s,2H),1.83-1.55(m,5H),1.51-1.30(m,9H),1.19(d,J=5.8 Hz,5H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.86-0.75(m,3H).
合成例15
L1-CIDE-BRM1-15の合成
L1-CIDE-BRM1-15の合成
工程1:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((フルオロスルホニル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、0.81mmol)のジクロロメタン(3.0mL)中の溶液を、SO2F2バルーン下にて0℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮すると、表題化合物(566mg、99.8%)が黄色油状物として得られた。粗生成物を次の工程に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:713.5 [M+Na]+.
工程2:N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンズアミド
N-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-ヒドロキシ-4-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンズアミド(320mg、0.70mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中溶液に、2,6-ルチジン(0.24mL、2.09mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.32mL、1.40mmol)を添加し、0℃で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、残渣を、カラムPhenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3um条件水(0.05% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-アセトニトリル(35%~65%)によって精製して、表題化合物(140mg、35%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:573.4 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:573.4 [M+H]+.
工程3:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェノキシ)スルホニル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
アセトニトリル(5.0mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1.00mL)中の1M 2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリンのアセトニトリル(0.86mL、0.86mmol)、(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((フルオロスルホニル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、0.43mmol)及びN-(2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-4-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンズアミド(274mg、0.43mmol)の溶液を、24℃で16時間撹拌した。粗混合物を濃縮乾固し、残渣を分取HPLC(Welch Xtimate C18 150*25mm*5um/水(10mM NH4HCO3)-アセトニトリル/40-70%)によって精製して、表題化合物(200mg、収率39%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1195.6 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1195.6 [M+H]+.
工程4:2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェニル(5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェニル)スルフェート2,2,2-トリフルオロアセテート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェノキシ)スルホニル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(205mg、0.17mmol)の5%トリフルオロ酢酸中のヘキサフルオロイソプロパノール(6.00mL)の溶液を15℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮すると、表題化合物(207mg、99.8%)が白色固体として得られた。粗生成物を次の工程に直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:1095.4 [M+H-TFA]+.
LCMS(ESI)m/z:1095.4 [M+H-TFA]+.
工程4:2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェニル(5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェニル)スルフェート
2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェニル(5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェニル)スルフェート2,2,2-トリフルオロアセテート(207mg、0.17mmol)及び(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(184mg、0.34mmol)のメタノール(1.00mL)及びジクロロメタン(1.00mL)中溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11.8mg、0.19mmol)及びアセトキシナトリウム(42.1mg、0.51mmol)を添加した。反応物を20℃で3時間撹拌した。粗生成物を分取HPLC(Welch Xtimate C18 150*25mm*5um/水(10mM NH4HCO3)-アセトニトリル/30-60%)によって精製して、表題化合物(145mg、52.3%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:810.9 [1/2M+H]+.
工程5:2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェニル(5-((2-(2-(2-(2-(4-(17-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-15-オキソ-2,5,8,11-テトラオキサ-14-アザヘプタデシル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェニル)スルフェート
2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェニル(5-((2-(2-(2-(2-アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)-2-(((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェニル)スルフェート(45.0mg、0.03mmol)及び3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)-N-[2-[2-[2-(2-プロパ-2-イノキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]エチル]プロパンアミド(20.0mg、0.05mmol)のジメチルスルホキシド(1.00mL)及び水(1.00mL)中の溶液に、硫酸銅(12.4mg、0.06mmol)の水(0.2mL)中の溶液及びアスコルビン酸ナトリウム(11.01mg、0.06mmol)の水(0.2mL)中の溶液を0℃で添加した。反応物をN2雰囲気下にて26℃で1時間撹拌した。粗生成物を分取HPLC(Welch Xtimate C18 100*40mm*3um/水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル/15-45%)によって精製して、表題化合物(22.6mg、40.6%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1001.9 [1/2M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1001.9 [1/2M+H]+.
合成例16
L1-CIDE-BRM1-16の合成
L1-CIDE-BRM1-16の合成
工程1:(S)-エチル1-((1-((4-((2-ブロモ-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート
(S)-エチル1-((1-((4-(クロロメチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.00g、2.21mmol)及び炭酸カリウム(0.76g、5.52mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(60.0mL)中溶液に、2-ブロモ-4-フルオロ-フェノール(0.63g、3.31mmol)を25℃で添加した。反応物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(30.0mL)で希釈し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100-200メッシュ、ジクロロメタン中0-5%メタノール)によって精製して、表題化合物(1.2g、89.5%)を白色固体として得た。
工程2:(S)-エチル1-((1-((4-((4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート
(S)-エチル1-((1-((4-((2-ブロモ-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.00g、1.65mmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(627mg、2.47mmol)の1,4-ジオキサン(5.0mL)中溶液に、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(120mg、0.16mmol)及び酢酸ナトリウム(485mg、4.94mmol)を添加した。混合物をN2下、100℃で3時間撹拌した。混合物の粗製物を次の工程で直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:655.4 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:655.4 [M+H]+.
工程3:(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)-5-フルオロフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.11g、1.99mmol)及び炭酸カリウム(0.38mL、4.58mmol)のジメチルスルホキシド(5mL)中溶液に、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;ビス(1-アダマンチル)-ブチル-ホスファン(102.15mg、0.15mmol)及び(S)-エチル1-((1-((4-((4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.00g、1.53mmol)を添加した。反応混合物をN2下、100℃で3時間撹拌した。反応物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100-200メッシュ、ジクロロメタン中0-10%メタノール)によって精製すると、表題化合物(360mg、22.4%)が暗色固体として得られた。
LCMS(ESI)m/z:1095 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1095 [M+H]+.
工程4:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(3R)-tert-ブチル4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)-5-フルオロフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(360mg、0.34mmol)のテトラヒドロフラン(2.00mL)、メタノール(5.0mL)及び水(2.00mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(41.0mg、1.71mmol)を添加した。反応混合物をN2雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固して、表題化合物(350mg、99.9%)を白色固体として得た。
工程5:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(340mg、0.33mmol)のジクロロメタン(5.0mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(0.05mL、0.66mmol)を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル12%~42%)によって精製して、表題化合物(80mg、26.1%)を白色固体として得た。
工程6:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(70.3mg、0.13mmol)及び1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸2,2,2-トリフルオロアセテート(80.0mg、0.09mmol)のジクロロメタン(0.6mL)及びメタノール(0.6mL)中溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(11.1mg、0.17mmol)及び酢酸ナトリウム(6.0mg、0.07mmol)及び1滴の酢酸を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。得られた残渣をPhenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um(アセトニトリル17~47%/水中0.05%NH3H2O)によって精製して、表題化合物(80mg、収率63.8%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1448.8 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1448.8 [M+H]+.
工程7:N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-4-フルオロフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(80.0mg、0.06mmol)及び1-(5-アミノペンチル)ピロール-2,5-ジオン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(19.6mg、0.07mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.00mL)中溶液に、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-NN,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(25.2mg、0.07mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.03mL、0.1700mmol)を添加した。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をオイルポンプによって濃縮乾固した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル、20%~50%)によって精製し、表題化合物(68.2mg、収率75%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:806.7 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)10.19(s,1H),9.02-8.86(m,1H),8.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=6.8 Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,2H),7.51-7.41(m,5H),7.36(d,J=6.8 Hz,5H),7.29-7.09(m,1H),6.97(s,2H),6.76(s,1H),6.42(s,1H),6.15-5.96(m,2H),5.07(s,2H),4.93-4.86(m,1H),4.71-4.60(m,2H),4.52-4.24(m,9H),3.66(s,4H),3.33(d,J=7.2 Hz,5H),3.09-2.96(m,8H),2.45(s,3H),2.42-2.34(m,4H),2.29-2.14(m,2H),2.04(d,J=11.2 Hz,3H),1.91(s,2H),1.83-1.55(m,5H),1.51-1.30(m,9H),1.19(d,J=5.8 Hz,5H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.86-0.75(m,3H).
LCMS(ESI)m/z:806.7 [M/2+H]+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ(ppm)10.19(s,1H),9.02-8.86(m,1H),8.39(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=6.8 Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,2H),7.51-7.41(m,5H),7.36(d,J=6.8 Hz,5H),7.29-7.09(m,1H),6.97(s,2H),6.76(s,1H),6.42(s,1H),6.15-5.96(m,2H),5.07(s,2H),4.93-4.86(m,1H),4.71-4.60(m,2H),4.52-4.24(m,9H),3.66(s,4H),3.33(d,J=7.2 Hz,5H),3.09-2.96(m,8H),2.45(s,3H),2.42-2.34(m,4H),2.29-2.14(m,2H),2.04(d,J=11.2 Hz,3H),1.91(s,2H),1.83-1.55(m,5H),1.51-1.30(m,9H),1.19(d,J=5.8 Hz,5H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.86-0.75(m,3H).
合成例17
L1-CIDE-BRM1-17の合成
L1-CIDE-BRM1-17の合成
工程1:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシヒドロホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(1.0g、3.53mmol)のテトラヒドロフラン(3.00mL)中溶液に、テトラヒドロフラン(5.0mL)中の三塩化リン(0.73mL、8.44mmol)及びテトラヒドロフラン(3.0mL)中のトリエチルアミン(1.1mL、7.89mmol)を-78℃で添加した。反応混合物を-78℃で20分間撹拌し、次いで、25℃に加温した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機物をブライン(20mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、表題化合物(1.20g、97.9%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:695.3 [2M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:695.3 [2M+H]+.
工程2:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシ(1H-イミダゾール-1-イル)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシヒドロホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート(0.50g、1.44mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、4.32mmol)の四塩化炭素(5.0mL)及びアセトニトリル(5.0mL)中溶液に、1-(トリメチルシリル)-1H-イミダゾール(0.61g、4.32mmol)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で40分間撹拌した。混合物をメタノール(0.1mL)で処理し、25℃で10分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をメチルtert-ブチルエーテル/酢酸エチル=5/1(3.0mL)で洗浄し、沈殿をフィルタにかけ、tert-ブチルエーテル(3.00mL)で洗浄すると、表題化合物(590mg、収率99.1%)が黄色油状物として得られた。
LCMS(ESI)m/z:414.3 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:414.3 [M+H]+.
工程3:tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.70g、2.64mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(36.0mL)中の溶液に、炭酸セシウム(1.72g、5.28mmol)及びジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェート(1.02g、3.96mmol)を添加した。反応混合物を70℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1~50:1)によって精製して、表題化合物(1.05g、収率45.9%)を無色油状物として得た。
LCMS(ESI)m/z:866.4 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:866.4 [M+H]+.
工程4:(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート2,2,2-トリフルオロ酢酸
tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.05g、1.21mmol)のジクロレメタン(36.0mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(0.09mL、1.21mmol)を添加した。反応混合物を20℃で12時間撹拌した。反応物を濃縮すると、表題化合物(930mg、99%)が黄色油状物として得られた。
LCMS(ESI)m/z:654.4 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:654.4 [M+H]+.
工程5:(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート
(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-2-カルボキサミド(568mg、1.21mmol)のジクロロメタン(0.6mL)及びメタノール(0.6mL)中溶液に、(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート2,2,2-トリフルオロ酢酸(930mg、1.21mmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(155mg、2.42mmol)及び酢酸ナトリウム(596mg、7.26mmol)及び1滴の酢酸を添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応物を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム、Phenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um;移動相:11~41%(水(0..05%NH3H2O)-アセトニトリル);検出器、UV254nmによって精製して、表題化合物(700mg、収率52.2%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1106.5 [M+H]+.
工程6:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート
(2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル二水素ホスフェート(200mg、0.18mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(36.0mL)中の溶液に、テトラヒドロフラン(1.45mL、1.45mmol)中の1M亜鉛ジクロリド及び(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((ヒドロキシ(1H-イミダゾール-1-イル)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート(149mg、0.36mmol)を添加した。反応混合物を20℃で12時間撹拌した。粗生成物を、以下の条件:カラム、Phenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um。;移動相:9-39%水(0..05% NH3H2O)-アセトニトリル);検出器、UV254nmによって精製して、表題化合物(200mg、収率76.2%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:726.7 [M/2+H]+.
LCMS(ESI)m/z:726.7 [M/2+H]+.
工程7:2-アミノエトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル][2-[6-アミノ-5-[8-[2-[3-[[1-[2-[5-[rac-(1R)-2-メチル-1-[rac-(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-[[rac-(1S)-1-(4-シアノフェニル)エチル]カルバモイル]ピロリジン-1-カルボニル]プロピル]イソオキサゾール-3-イル]オキシエチル]-4-ピペリジル]オキシ]シクロブトキシ]-4-ピリジル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]ピリダジン-3-イル]フェノキシ]メチル水素ホスフェート
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)エチル)カルバメート(200mg、0.14mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10.0mL)中溶液にピペリジン(0.10mL、1.40mmol)を添加した。反応混合物を20℃で12時間撹拌した。これを1N HCl(1.00ml)でクエンチし、得られた残渣をPhenomenex Gemini-NX 80*40mm*3um(アセトニトリル19-49/水(0.05% NH3H2O)-アクトニトリル、20-50%)によって精製して、表題化合物(40.0mg、収率22.4%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1229.7 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1229.7 [M+H]+.
工程8:(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
2-アミノエトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル][2-[6-アミノ-5-[8-[2-[3-[[1-[2-[5-[rac-(1R)-2-メチル-1-[rac-(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-[[rac-(1S)-1-(4-シアノフェニル)エチル]カルバモイル]ピロリジン-1-カルボニル]プロピル]イソオキサゾール-3-イル]オキシエチル]-4-ピペリジル]オキシ]シクロブトキシ]-4-ピリジル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]ピリダジン-3-イル]フェノキシ]メチル水素ホスフェート(120mg、0.10mmol)の無水テトラヒドロフラン(12.0mL)中混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(18.7uL、0.11mmol)を添加し、引き続いて2,5-ジオキソピロリジン-1-イル6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノエート(33.1mg、0.11mmol)を添加した。反応溶液を25℃で16時間撹拌した。溶液をフィルタにかけ、濃縮乾固した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075% トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル20%~50%)によって精製し、表題化合物(60.8mg、36.8%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:1423.0 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:1423.0 [M+H]+.
合成例18
L1-CIDE-BRM1-18の合成
L1-CIDE-BRM1-18の合成
工程1:(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(1.00g、2.78mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中混合物に、2,6-ルチジン(0.49mL、4.17mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(673mg、3.34mmol)を添加した。反応混合物を25℃で18時間撹拌した。粗混合物を濃縮して、表題化合物(1.46g、36.8%)を黄色固体として得た。粗生成物をすぐに次の工程に使用した。
LCMS(ESI)m/z:425.1 [M-Boc+H]+.
LCMS(ESI)m/z:425.1 [M-Boc+H]+.
工程2:(2S,4R)-tert-butyl 4-(((1-(4-((S)-2-(1-((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
N,N-ジメチルホルムアミド(15.0mL)中の(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.46g、2.78mmol)及びアリル1-(((2S)-1-((4-(1-ヒドロキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボキシレート(1.59g、2.78mmol)の混合物に、4-ジメチルアミノピリジン(680mg、5.56mmol)を加えた。反応混合物を25℃で18時間撹拌した。粗生成物を濾過し、分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um/水(10mM NH4HCO3)-アセトニトリル/10%~80%)によって精製すると、表題化合物(400mg、15%)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)m/z:958.5 [M+H]+.
工程3:1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸
(2S,4R)-tert-ブチル4-(((1-(4-((S)-2-(1-((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(260mg、0.27mmol)及び1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(212mg、1.36mmol)のジクロロメタン(2.00mL)及びメタノール(2.00mL)中の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(62.7mg、0.05mmol)を25℃で添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、25℃で16時間攪拌した。粗生成物を濃縮し、以下の条件を用いて分取HPLC:カラム:Phenomenex Gemini-NX 80*30mm*3um、移動相:水(10mM NH4HCO3)-アセトニトリル10%~80%により精製して、表題化合物(110mg、収率44.2%)を黄色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:918.6 [M+H]+.
LCMS(ESI)m/z:918.6 [M+H]+.
工程4:(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
1-(((2S)-1-((4-(1-(((((3R,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(110mg、0.12mmol)及び1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン2,2,2-トリフルオロ酢酸(43.0mg、0.15mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.06mL、0.36 mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(54.7mg,0.14mmol)を加えた。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物をオイルポンプによって濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Green ODS 150*30mm*5um、水(0.075% TFA)-アセトニトリル28%~58%)によって精製し、表題化合物(90mg、69.4%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:1082.6 [M+H]+.
工程5:(3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテート
(2S,4R)-tert-ブチル2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-(((1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)カルボニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(90mg、0.08mmol)の5%トリフルオロ酢酸中のヘキサフルオロイソプロパノール(5mL)溶液を、25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮すると、表題化合物(91.0mg、収率99.8%)が黄色油状物として得られた。LCMS(ESI)m/z:982.4 [M-TFA+H]+.
工程6:(3R,5S)-1-(2-(3-(2-(4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタノイル)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネート
(3R,5S)-5-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-3-イル(1-(4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタンカルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カーボネート2,2,2-トリフルオロアセテート(91.0mg、0.08mmol)及び2-(3-(2-(4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-イル)エトキシ)イソオキサゾール-5-イル)-3-メチルブタン酸(81.5mg、0.11mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.50mL)中の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.08mL、0.50mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(41.0mg、0.11mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を、以下の条件を用いた分取HPLC:カラム:Welch Xtimate C18 100*40mm*3um条件水(0.075%トリフルオロ酢酸)-アセトニトリル15-45%)によって精製して、表題化合物(80.6mg、収率52%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)m/z:860.4 [1/M+H]+
中間体1:エチル(S)-1-((1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
工程1:N2-(tert-ブトキシカルボニル)-N6,N6-ジメチル-L-リジン
水素(3 atm)下、(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン(20.0g、81.2mmol)、CH2O(12.2g、162mmol)及びPd/C(2.00g)のメチルアルコール(100mL)中溶液を室温で4時間撹拌した。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をEt2Oで洗浄した。固体を濾過によって回収すると、表題化合物20.6 g(収率92%)が白色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=275.
工程2:1-ブロモ-2-((4-ニトロベンジル)オキシ)ベンゼン
2-ブロモフェノール(52.6g、304mmol)、1-(ブロモメチル)-4-ニトロベンゼン(65.7g、304mmol)及びK2CO3(83.9g、608mmol)のDMF(700mL)中の溶液を室温で1時間撹拌した。EtOAcを添加し、水を使用して3回洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮すると、表題化合物73.8 g(収率78%)が黄色固体として得られた。1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 8.34-8.24(m,2H),7.81-7.70(m,2H),7.62(dd,J=7.9,1.6 Hz,1H),7.36(ddd,J=8.3,7.3,1.6 Hz,1H),7.20(dd,J=8.3,1.5 Hz,1H),6.94(td,J=7.6,1.4 Hz,1H),5.39(s,2H).
工程3:4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)アニリン
窒素下で、アセトニトリル(800mL)及び水(400mL)中の1-ブロモ-2-((4-ニトロベンジル)オキシ)ベンゼン(43.0g、139.5mmol)及びK2CO3(115g、837mmol)の溶液に、Na2S2O4(242g、1395mmol)を0℃で小分けにして添加した。混合物を室温で6時間撹拌した。EtOAcを使用して生成物を1回抽出した。有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、表題化合物35g(粗製)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=278.
工程4:tert-ブチル(S)-(1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバメート
窒素下、N2-(tert-ブトキシカルボニル)-N6,N6-ジメチル-L-リジン(13.3g、48.4mmol)及びNMM(10.3g、96.9mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)中溶液に、クロロギ酸イソブチル(7.91g、58.1mmol)を-25℃で滴下した。反応物を-25℃で0.5時間撹拌した。次いで、4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)アニリン(16.1g、粗製)のテトラヒドロフラン(120mL)中の溶液を-25 oCで添加した。反応物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。DCMを添加し、水で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(勾配:0~9%MeOH/DCM)によって精製して、6.70 g(収率25%)の表題化合物を白色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]+=534.
工程5:(S)2-アミノ-N-(4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)-6-(ジメチルアミノ)ヘキサンアミド(2,2,2-トリフルオロ酢酸塩)
tert-ブチル(S)-(1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバメート(4.00g、7.48mmol)の5% TFA/HFIP(50mL)中の溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空下で濃縮し、次の工程で直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]+=434.
工程6:エチル(S)-1-((1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
(S)-2-アミノ-N-(4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)-6-(ジメチルアミノ)ヘキサンアミド(2,2,2-トリフルオロ酢酸塩)(工程5からの粗製)、1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸(1.55g、8.98mmol)及びDIPEA(9.65g、74.8mmol)のDMF(20mL)中の溶液に、HATU(3.41g、8.98mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。粗生成物を充填済C18カラム(勾配:0~100%MeOH水溶液(0.05% NH4HCO3)によって精製すると、表題化合物2.70g(収率61%)が赤色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=588.1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 9.87(s,1H),7.72(d,J=7.9 Hz,1H),7.54-7.42(m,3H),7.30(d,J=8.6 Hz,2H),7.21(ddd,J=8.8,7.3,1.6 Hz,1H),7.07(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),6.77(td,J=7.6,1.4 Hz,1H),5.02(s,2H),4.30(q,J=8.0 Hz,1H),4.00(q,J=7.1 Hz,2H),2.35-2.21(m,2H),2.03(t,J=6.8 Hz,2H),1.96(s,6H),1.80-1.41(m,4H),1.30-1.14(m,6H),1.06(t,J=7.1 Hz,3H).
中間体5:tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
工程1:tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
窒素下、tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.00g、1.79mmol)、(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ボロン酸(391mg、2.15mmol)、Pd(PPh3)4(413mg、0.358mmol)及びK2CO3(741mg、5.37mmol)のジオキサン(10mL)及び水(2mL)中の溶液を100℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(勾配:0%~10%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、670mg(収率57%)の表題化合物を黄色固体として得た。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=661.1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 7.76(d,J=5.9 Hz,1H),7.58(dd,J=7.6,1.8 Hz,1H),7.34(ddd,J=9.0,7.3,1.8 Hz,1H),7.18-7.01(m,3H),6.51(dd,J=6.1,2.0 Hz,1H),6.12(d,J=2.0 Hz,1H),5.72(s,2H),5.14(s,2H),4.47(s,2H),4.25(t,J=6.1 Hz,2H),3.53(d,J=12.8 Hz,2H),3.22(s,3H),3.14-2.67(m,8H),2.64-2.56(m,1H),2.46-2.36(m,1 H),2.32-2.22(m,1H),2.22-2.13(m,2H),2.00-1.90(m,2H),1.38(s,9H),0.96(d,J=6.2 Hz,3H).
合成例19
L1-CIDE-BRM1-19の合成
L1-CIDE-BRM1-19の合成
工程1:エチル(S)-1-((6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
窒素下、エチル(S)-1-((1-((4-((2-ブロモフェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(500mg、0.852mmol)、B2Pin2(649mg、2.55mmol)、Pd(dppf)Cl2(124mg、0.170mmol)及びKOAc(250mg、2.55mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液を80℃で2時間撹拌した。反応物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(勾配:0%~20%MeOH/DCM(0.3% 7M NH3/MeOHを含有))によって精製して、390mg(収率72%)の表題化合物を黄色固体として得た。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=636.
工程2:tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素下で、エチル(S)1-((6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(390mg、0.614mmol)、tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(395mg、0.676mmol)、Ad2nBuPPdG2(41.0mg、0.061mmol)及びK2CO3(260mg、1.22mmol)のジオキサン(5.0mL)及びH2O(1.2mL)中溶液を95℃で2時間撹拌した。得られた溶液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を真空下で濃縮した。残渣を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%MeOH(0.1% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物310mg(収率47%)が白色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1060.
工程3:リチウム1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-((1r,3r)-3-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(270mg、0.255mmol)及びLiOH.H2O(32.1mg、0.765mmol)のTHF(2mL)及びH2O(2mL)中の溶液を、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗製物を次の工程で直接使用した。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1032.
工程4:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
TFA(0.75mL)及びHFIP(14mL)中のリチウム1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(最終工程からの粗製)の溶液を室温で30分間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。得られた粗生成物を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%MeOH(0.1% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物170mg(収率71%)が黄色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=932.
工程5:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1R,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
窒素下、1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1r,3r)-3-(ピペリジン-4-イルオキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(170.0mg、0.183mmol)、(2S,4R)-N-((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)ピロリジン-2-カルボキサミド(111mg、0.237mmol)、HOAc(21.9mg、0.365mmol)のDCM(1.5mL)及びMeOH(0.5mL)中の溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、NaBH3CN(17.3mg、0.274mmol)を0℃で添加し、室温で30分間撹拌した。反応物を水でクエンチした。得られた溶液を真空下で濃縮した。得られた粗生成物を充填済C18カラム(勾配:水中0~100%MeOH(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物180mg(収率71%)が白色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1384.
工程5:N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1R,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド(ギ酸塩)
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-((1R,3r)-3-((1-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-2-(((S)-1-(4-シアノフェニル)エチル)カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)ピペリジン-4-イル)オキシ)シクロブトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(65.0mg、0.047mmol)、1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(2,2,2-トリフルオロ酢酸塩)(25.6mg、粗製)、DIPEA(90.9mg、0.705mmol)のDMF(1.5mL)中溶液に、HATU(21.4mg、0.056mmol)を室温で添加した。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。得られた溶液を分取HPLC(Xselect CSH F-Phenyl OBDカラム、19×250mm 5μm;移動相A:水(0.05% FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:7分で2% Bから29% B;254nm;RT1:6.5分)によって精製し、5.9mg(収率8%)のL1-CIDE-BRM1-19を白色固体として得た。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1548.1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 10.24(s,1H),δ 8.47(d,J=7.4 Hz,1H),8.17(s,1H),7.93-7.54(m,8H),7.55-7.30(m,5H),7.26-7.09(m,2H),7.08-6.87(m,3H),6.43-5.88(m,3H),5.59(s,2H),5.22-4.86(m,5H),4.50-4.12(m,8H),3.72-3.54(m,3H),3.13-2.97(m,4H),2.63(s,6H),2.45-2.35(m,5H),2.25-2.02(m,16H),2.02-1.56(m,11H),1.57-1.25(m,13H),1.29-1.12(m,4H),0.95(d,J=6.8 Hz,3H),0.79(d,J=6.8 Hz,3H).
合成例20
L1-CIDE-BRM1-20の合成
L1-CIDE-BRM1-20の合成
4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル(4-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)カルバメート(ギ酸塩)
工程1:tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-((((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
窒素下で、tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、0.756mmol、Genetech提供)、エチル(S)-1-((1-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(986mg、2.26mmol、Genetech提供)及びDIPEA(488mg、3.78mmol)のTHF(25mL)中の溶液に、トリホスゲン(85.5mg、0.288mmol)を0℃で添加した。反応物を室温で0.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(勾配:0%~13%メタノール/ジクロロメタン)によって精製し、次いで、充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0-100%ACN(0.05% NH4HCO3))によって精製して、191mg(22%)の表題化合物を白色固体として得た。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1122.
工程2:リチウム1-(((2S)-1-((4-((((4-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-((((4-((S)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(130mg、0.115mmol)及びLiOH(14.0mg、0.350mmol)のTHF(3mL)及び水(3mL)中溶液を室温で1時間撹拌した。THFを真空下で除去し、次いで、凍結乾燥すると、表題化合物140mg(粗製)が白色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1094.
工程3:1-(((2S)-1-((4-((((6-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
窒素下で、リチウム1-(((2S)-1-((4-((((4-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(240mg、0.219mmol)の濃HCl(2ml)、THF(2ml)及びi-プロパノール(2mL)中溶液を室温で0.5時間撹拌した。反応溶液を真空下で濃縮し、残りの水溶液を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%ACN(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物150mgが黄色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=949.
工程4:1-(((2S)-1-((4-((((4-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
窒素下、1-(((2S)-1-((4-((((6-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(150mg、0.158mmol)、(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(112mg、0.207mmol)、CH3COOH(19.8mg、0.329mmol)のメタノール(3mL)及びDCM(1ml)中溶液を30℃で1時間撹拌した。次いで、NaBH3CN(19.5mg、0.513mmol)を添加し、30℃で0.5時間撹拌した。反応溶液を真空下で濃縮した。残渣を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%メタノール(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物180mg(77%)が黄色固体として得られた。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1474.
工程5:4-((S)-2-(1-((5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル(4-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)カルバメート(ギ酸塩)
1-(((2S)-1-((4-((((4-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソ-5-ウレイドペンタン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(180mg、0.122mmol)、1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(2,2,2-トリフルオロ酢酸塩)(67 mg、粗製)及びDIPEA(158mg、1.22mmol)のDMF(3mL)中溶液に、HATU(67.0mg、0.176mmol)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。得られた溶液を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30*150mm、5μm;移動相A:水(0.1% FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:7分で8% Bから38% B;波長:254nm;RT1(分):6.5分)によって精製し、49.7mg(収率24.0%)のL1-CIDE-BRM1-20を白色固体として得た。LC-MS:(ESI,m/z):[M+H]+=1638.1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 13.39(s,1H),10.13(s,1H),9.94(s,1H),8.99(s,1H),8.40(d,J=7.7 Hz,1H),8.14(s,1H),8.03(d,J=7.9 Hz,1H),7.82(dd,J=8.0,5.8 Hz,3H),7.70-7.61(m,3H),7.51-7.41(m,2H),7.41-7.28(m,5H),6.96(d,J=16.1 Hz,4H),6.54(d,J=6.1 Hz,1H),6.17(s,1H),6.10(s,1H),5.96(dd,J=10.3,4.5 Hz,1H),5.41(s,2H),5.09(d,J=5.3 Hz,3H),4.91(t,J=7.1 Hz,1H),4.50-4.34(m,4H),4.32-4.28(m,5H),3.74-3.61(m,2H),3.55-3.40(m,4H),3.39-3.35(m,3H),3.19-2.89(m,9H),2.70-2.60(m,2H),2.48-2.38(m,9H),2.23-2.12(m,1H),2.10-1.95(m,2H),1.88(s,4H),1.80-1.70(m,4H),1.68-1.57(m,1H),1.52-1.30(m,10H),1.28-1.16(m,2H),1.10-0.90(m,6H),0.82(d,J=6.6 Hz,3H)。
合成例21
L1-CIDE-BRM1-21の合成
L1-CIDE-BRM1-21の合成
N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド;2,2,2-トリフルオロ酢酸
工程1:tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
窒素下、エチル(S)-1-((6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-1-((4-((2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(316mg、0.570mmol)、tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(538.8mg、0.850mmol)、K3PO4(240mg、1.13mmol)及びAd2nBuPPdG2(37.8mg、0.0600mmol)の1,4-ジオキサン(4mL)及び水(1mL)中の溶液を95℃で3時間撹拌した。水を添加し、EtOAcを使用して3回抽出した。有機溶媒を合わせ、真空下で濃縮した。残渣を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%ACN(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物230mg(収率39%)が赤色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=1032
工程2:リチウム1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(3R)-4-(2-((4-(3-(3-アミノ-6-(2-((4-((S)-6-(ジメチルアミノ)-2-(1-(エトキシカルボニル)シクロブタン-1-カルボキサミド)ヘキサンアミド)ベンジル)オキシ)フェニル)ピリダジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(210mg、0.200mmol)及びLiOH.H2O(25.6mg、0.610mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)及び水(1mL)中溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で濃縮すると、表題化合物254mg(粗製)が黄色固体として得られた。
工程3:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
リチウム1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボキシレート(254mg、0.250mmol)の5% TFA/HFIP(20mL)中溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%MeOH(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物102mg(収率44%)が赤色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=905.
工程4:1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(102mg、0.110mmol)(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1-((R)-3-メチル-2-(3-(2-オキソエトキシ)イソオキサゾール-5-イル)ブタノイル)-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(61.0mg、0.110mmol)及びCH3COOH(13.6mg、0.230mmol)のメチルアルコール(1.2mL)及びジクロロメタン(0.4mL)中溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、NaBH3CN(21.3mg、0.340mmol)を添加し、室温で0.5時間撹拌した。水を添加して反応をクエンチした。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣を充填済C18カラム(溶媒勾配:水中0~100%MeOH(0.05% NH4HCO3))によって精製すると、表題化合物80.0mg(収率49%)が黄色固体として得られた。LCMS(ESI)[M+H]+=1429.
工程4:N-((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソキサゾール-3-イル)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)-N-(5-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ペンチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミド(2,2,2-トリフルオロ酢酸塩)
1-(((2S)-1-((4-((2-(6-アミノ-5-(8-(2-(2-((R)-4-(2-((5-((R)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)イソオキサゾール-3-イル)オキシ)エチル)-2-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)ピリジン-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリダジン-3-イル)フェノキシ)メチル)フェニル)アミノ)-6-(ジメチルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)シクロブタン-1-カルボン酸(60.0mg、0.0400mmol)、1-(5-アミノペンチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(2,2,2-トリフルオロ酢酸)(23.0mg、粗製)及びDIPEA(163mg、1.26mmol)のDMF(2mL)の溶液に、HATU(24.0mg、0.0600mmol)を室温で添加した。反応物を室温で0.5時間撹拌した。生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep Phenyl OBDカラム、19*250mm、5μm;移動相A:水(0.05% FA)、移動相B:ACN;流速:25mL/分;勾配:10分で17% Bから25% B、25% B;波長:254nm;RT1(分):8.77)によって精製した。次いで、これを分取HPLC(カラム:Xselect CSH C18 OBDカラム30*150mm 5μm;移動相A:水(0.05% TFA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:8分で13% Bから38% B、38% B;波長:254/220nm;RT1(分):8)によって再度精製し、5.0mg(収率7%)のL1-CIDE-BRM1-21を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]+=1593.1H NMR(300 MHz,DMSO-d6)δ 10.21(s,1H),9.53(s,1H),8.99(s,1H),8.39(d,J=7.8 Hz,1H),7.95-7.80(m,3H),7.67(d,J=8.1 Hz,2H),7.63-7.50(m,2H),7.50-7.43(m,8H),7.19-7.08(m,1H),7.10-6.90(m,3H),6.64(s,1H),6.25(s,1H),6.11(s,1H),5.09(s,2H),4.91(t,J=7.1 Hz,1H),4.48(br,4H),4.41-4.30(m,4H),3.73-3.65(m,6H),3.47-3.31(m,7H),3.13-2.88(m,12H),2.75(d,J=4.4 Hz,7H),2.48-2.38(m,8H),2.25-2.15(m,1H),2.05-1.59(m,11H),1.50-1.29(m,8H),1.31-1.11(m,6H),0.96(d,J=6.4 Hz,3H),0.87-0.76(m,3H).
合成例22
抗体へのL1-CIDEのコンジュゲート
抗体へのL1-CIDEのコンジュゲート
10mMコハク酸塩、pH5、150mM NaCl、2mM EDTA中のシステイン操作抗体(THIOMAB(商標))を、1M TrisでpH7.5~8.5にpH調整する。3~16当量のL1-CIDE(チオール反応性マレイミド基を含有する)をDMF又はDMA(濃度=10mM)に溶解し、還元、再酸化及びpH調整した抗体に添加する。反応を室温又は37 ℃でインキュベートし、反応混合物のLCMS分析によって決定される完了まで(1~約24時間)監視する。反応が完了したら、Ab-CIDEを、残りの未反応リンカー-薬物中間体及び凝集タンパク質(有意なレベルで存在する場合)を除去することを目的とするいくつかの方法の1つ又は任意の組み合わせによって精製する。一例では、Ab-CIDEを、最終pHが約5.5になるまで10mMヒスチジン-酢酸塩、pH5.5で希釈し、Akta精製システム(GE Healthcare)に接続されたHiTrap Sカラム又はS最大スピンカラム(Pierce)のいずれかを使用するS陽イオン交換クロマトグラフィーによって精製する。あるいは、Ab-CIDEを、Akta精製システム又はZebaスピンカラムに接続されたS200カラムを使用するゲル濾過クロマトグラフィーによって精製する。透析を使用してコンジュゲートを精製する。
THIOMAB(商標)Ab-CIDEを、ゲル濾過又は透析のいずれかを使用して20mMスクロースを含む240mM His/酢酸塩(pH5)に製剤化する。精製したAb-CIDEを遠心限外濾過によって濃縮し、滅菌条件下で0.2μmフィルタを通してフィルタにかけ、保存のために-20℃で凍結する。
生物学的実施例1
細胞ベースのアッセイ
BRMの免疫蛍光検出
細胞ベースのアッセイ
BRMの免疫蛍光検出
CD22へのコンジュゲートのDARは5.8であった。EpCAMへのコンジュゲートのDARは5.9であった。
CD22へのコンジュゲートのDARは5.8であった。EpCAMへのコンジュゲートのDARは5.9であった。CD-22:Thio Hu Anti-CD22 10F4v3 high DAR [LC:K149C HC:Y373C HC:L174C] MeMe disulfide BRM CIDE;EpCAM:Thio Hu Anti-Her2 7C2 high DAR [LC:K149C HC:L174C HC:Y373C] MeMe disulfide BRM CIDE
図1a及び図1bは、Ab-L1a-CIDE-BRM1-1の活性を示す。図2a及び図2bは、Ab-L1a-CIDE-BRM1-3の活性を示す。
生物学的実施例2
PK/PD BJAB腫瘍アッセイ
BJAB-lucヒト非ホジキンリンパ腫のマウス異種移植モデルにおいて、抗CD22-BRM Ab-CIDEのPK/PD効果を評価した。BJAB-lucを、Genentech細胞株レポジトリから得た。この細胞株は、Promega PowerPlex 16 Systemを使用して短いタンデム反復(STR)プロファイリングにより認証され、細胞株の外部STRプロファイルと比較して細胞株の先祖を確認した。
PK/PD BJAB腫瘍アッセイ
BJAB-lucヒト非ホジキンリンパ腫のマウス異種移植モデルにおいて、抗CD22-BRM Ab-CIDEのPK/PD効果を評価した。BJAB-lucを、Genentech細胞株レポジトリから得た。この細胞株は、Promega PowerPlex 16 Systemを使用して短いタンデム反復(STR)プロファイリングにより認証され、細胞株の外部STRプロファイルと比較して細胞株の先祖を確認した。
モデルを確立するために、腫瘍細胞(0.2mLのハンクス平衡塩溶液中2000万個)を雌C.B-17 SCIDマウス(Charles River Laboratories)の脇腹に皮下接種した。腫瘍が所望の体積(300~400mm3)に達したら、マウスをそれぞれ腫瘍サイズの同様の分布を有するn=5の群に無作為化し、尾静脈を通してビヒクル(ヒスチジン緩衝液)又は試験物の単回静脈内注射を受けた。全ての抗CD22-BRM Ab-CIDE及び非コンジュゲート抗体をヒスチジン緩衝液(20mM酢酸ヒスチジンpH5.5、240mMスクロース、0.02% Tween 20)に製剤化した。非コンジュゲートBRM CIDEを、10%ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、50mM酢酸ナトリウム、pH4に配合した。
投与の4日後、マウスを安楽死させ、腫瘍及び全血を回収した。腫瘍を切除し、液体窒素中で急速凍結する前に2つのアリコートに分割した。一方のアリコートを使用して放出されたBRM CIDEのレベルを測定し、他方のアリコートを使用して下流PDマーカーの調節を評価した。全血は外科的麻酔下で終末心臓穿刺により採取し、ヘパリンリチウムを含むチューブに入れた。血液を遠心分離まで(収集から15分以内)、湿った氷上に静置した。サンプルを4℃で5分間、10,000rpmで遠心分離し、血漿を回収し、ドライアイス上に置き、リンカー安定性及び総抗体薬物動態の分析まで-70℃で保存した。
異種移植組織のウエスタンブロッティング
ドライアイス上で、凍結組織を15~30 mg片に切断し、次いで、1つの3.2mm(NextAdvance(3.2mm、SSB32))ステンレス鋼ビーズを含む1.5mLエッペンドルフSafe-Lockチューブに移した。0.5M NaCl及び新たに添加した1×Haltプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を補充したRIPA緩衝液(350uL)を添加し、チューブをBullet Blender組織ホモジナイザーに入れた。試料を最高速度で3分間均質化した。チューブをベンチトップ型遠心分離機で5分間、最高速度で4℃で回転させ、溶解物を新しいチューブに移した。Pierce BCAタンパク質アッセイを使用してタンパク質濃度を決定した。試料緩衝液及び還元試薬を用いてタンパク質溶解物を調製し、95℃で3分間インキュベートした。タンパク質(12ug)を、トリスアセテートランニング緩衝液を含む3~8%トリスアセテートゲル上で分離し、続いてiBlot転写デバイス(25V、10分)を使用してニトロセルロースメンブランに転写した。TBS-T中5%ミルクで30分間ブロッキングした後、一次抗体を1/1000で添加した。メンブランをSMARCA2(BRM)(ウサギ、Cell signaling technologiesカタログ番号11966)及びHDAC1(マウス、Cell signaling technologiesカタログ番号5356)についてブロットし、ロッカーに上で4℃にて一晩インキュベーションした。翌日、メンブレンを室温でTBS-Tを用いてロッカー上で30分間洗浄し、洗浄緩衝液を少なくとも3回交換した。次いで、メンブレンを、ロッカー上で室温にて1時間、TBS-T中1/5000のLicor二次と共にインキュベートした。ブロットをTBS-Tで1時間洗浄し、洗浄緩衝液を少なくとも6回交換した。画像は、Licorイメージングシステムでキャプチャした。
ドライアイス上で、凍結組織を15~30 mg片に切断し、次いで、1つの3.2mm(NextAdvance(3.2mm、SSB32))ステンレス鋼ビーズを含む1.5mLエッペンドルフSafe-Lockチューブに移した。0.5M NaCl及び新たに添加した1×Haltプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を補充したRIPA緩衝液(350uL)を添加し、チューブをBullet Blender組織ホモジナイザーに入れた。試料を最高速度で3分間均質化した。チューブをベンチトップ型遠心分離機で5分間、最高速度で4℃で回転させ、溶解物を新しいチューブに移した。Pierce BCAタンパク質アッセイを使用してタンパク質濃度を決定した。試料緩衝液及び還元試薬を用いてタンパク質溶解物を調製し、95℃で3分間インキュベートした。タンパク質(12ug)を、トリスアセテートランニング緩衝液を含む3~8%トリスアセテートゲル上で分離し、続いてiBlot転写デバイス(25V、10分)を使用してニトロセルロースメンブランに転写した。TBS-T中5%ミルクで30分間ブロッキングした後、一次抗体を1/1000で添加した。メンブランをSMARCA2(BRM)(ウサギ、Cell signaling technologiesカタログ番号11966)及びHDAC1(マウス、Cell signaling technologiesカタログ番号5356)についてブロットし、ロッカーに上で4℃にて一晩インキュベーションした。翌日、メンブレンを室温でTBS-Tを用いてロッカー上で30分間洗浄し、洗浄緩衝液を少なくとも3回交換した。次いで、メンブレンを、ロッカー上で室温にて1時間、TBS-T中1/5000のLicor二次と共にインキュベートした。ブロットをTBS-Tで1時間洗浄し、洗浄緩衝液を少なくとも6回交換した。画像は、Licorイメージングシステムでキャプチャした。
マウス腫瘍アッセイを行った。表1は、研究アーム及びパラメータを示す。
● (1)BRM、BRG、PBRM1 PD、及び(2)腫瘍PKのために腫瘍組織を2つに分割する
● 上に列挙したPDと同じ血漿PKタイムポイント
● 抗体コンジュゲート、IV製剤:ヒスチジン緩衝液、用量体積=5mL/kg
● CIDE-BRM 1-3、IV製剤:10% HP-b-CD及び50mM酢酸ナトリウム(水中)pH4.0用量体積=5mL/kg
● 上に列挙したPDと同じ血漿PKタイムポイント
● 抗体コンジュゲート、IV製剤:ヒスチジン緩衝液、用量体積=5mL/kg
● CIDE-BRM 1-3、IV製剤:10% HP-b-CD及び50mM酢酸ナトリウム(水中)pH4.0用量体積=5mL/kg
Ab-L1a-CIDE-BRM1-1についての用量及び抗原依存性抗腫瘍活性を図3A~3Lに示し、Ab-L1a-CIDE-BRM1-3については図4A~4Lに示す。
生物学的実施例3
標的タンパク質分解アッセイ
データは、改善されたPD応答を報告する。図5は、Ab-L1a-CIDE-BRM1-1について、BRM及びBRG1分解が抗腫瘍活性と相関することを示すデータを示す。図6は、Ab-L1a-CIDE-BRM1-3について、BRM及びBRG1分解が抗腫瘍活性とあまり相関しないことを示すデータを示す。図7は、抗体コンジュゲート戦略が分解活性を増加させることを示すデータを示す。これら全てのデータのタイムポイントは96時間である。Ab-L1a-CIDE-BRM1-1は、非コンジュゲート型CIDE-BRM1-3よりも良好に分解するが、両方の化合物は、非コンジュゲート型の細胞アッセイにおいて同様のBRM分解特性を有する(国際公開第2019195201号に記載されているCIDE-BRM1-3対CIDE-BRM1-1アッセイ)。この効果は、本明細書に記載の連結戦略が分解特性を調整し得ることを実証している。
標的タンパク質分解アッセイ
データは、改善されたPD応答を報告する。図5は、Ab-L1a-CIDE-BRM1-1について、BRM及びBRG1分解が抗腫瘍活性と相関することを示すデータを示す。図6は、Ab-L1a-CIDE-BRM1-3について、BRM及びBRG1分解が抗腫瘍活性とあまり相関しないことを示すデータを示す。図7は、抗体コンジュゲート戦略が分解活性を増加させることを示すデータを示す。これら全てのデータのタイムポイントは96時間である。Ab-L1a-CIDE-BRM1-1は、非コンジュゲート型CIDE-BRM1-3よりも良好に分解するが、両方の化合物は、非コンジュゲート型の細胞アッセイにおいて同様のBRM分解特性を有する(国際公開第2019195201号に記載されているCIDE-BRM1-3対CIDE-BRM1-1アッセイ)。この効果は、本明細書に記載の連結戦略が分解特性を調整し得ることを実証している。
生物学的実施例4
DC50及びDmaxを決定するための細胞アッセイ
細胞に基づくアッセイを2つの細胞株において行い、Ab-L1-CIDEのDC50及びDmaxを決定した。BJAB、HCC515及びH1944細胞を、それぞれ5000、4000及び2500細胞/ウェルで384ウェルプレートに蒔いた。翌日、Ab-CIDEを添加した。24時間の薬物処理後、細胞を4%ホルムアルデヒドで15分間固定した。プレートをPBSで3回洗浄した。細胞をIFブロッキング溶液(PBS中10% FCS、1% BSA、0.1% Triton、0.01%アジド、X-100)とインキュベートした。1.5時間後、IFブロッキング緩衝液で希釈した一次抗体の2×溶液:BRM(Cell signalingカタログ番号11966、1:2000)を添加した。プレートを4℃で一晩インキュベートした。翌朝、細胞をPBSで3回洗浄した。次いで、細胞を二次抗体(ウサギAlexa 488 A21206(1:2000))と共に暗所において室温で1時間インキュベートした。Hoechst H3570を1:5000でウェルに添加し、プレートをさらに30分間インキュベートした。プレートを3×PBSで洗浄し、OperaPhenix(商標)High Content Screening Systemで画像化した。核染色をマスクとして使用して、核BRM平均シグナル強度を定量した。
DC50及びDmaxを決定するための細胞アッセイ
細胞に基づくアッセイを2つの細胞株において行い、Ab-L1-CIDEのDC50及びDmaxを決定した。BJAB、HCC515及びH1944細胞を、それぞれ5000、4000及び2500細胞/ウェルで384ウェルプレートに蒔いた。翌日、Ab-CIDEを添加した。24時間の薬物処理後、細胞を4%ホルムアルデヒドで15分間固定した。プレートをPBSで3回洗浄した。細胞をIFブロッキング溶液(PBS中10% FCS、1% BSA、0.1% Triton、0.01%アジド、X-100)とインキュベートした。1.5時間後、IFブロッキング緩衝液で希釈した一次抗体の2×溶液:BRM(Cell signalingカタログ番号11966、1:2000)を添加した。プレートを4℃で一晩インキュベートした。翌朝、細胞をPBSで3回洗浄した。次いで、細胞を二次抗体(ウサギAlexa 488 A21206(1:2000))と共に暗所において室温で1時間インキュベートした。Hoechst H3570を1:5000でウェルに添加し、プレートをさらに30分間インキュベートした。プレートを3×PBSで洗浄し、OperaPhenix(商標)High Content Screening Systemで画像化した。核染色をマスクとして使用して、核BRM平均シグナル強度を定量した。
データを以下の表2に示す。データは、本明細書に開示される抗体標的化戦略の成功を証明している。陰性対照:抗gD及び抗TROP2はNCI-H1944細胞と相互作用しないが、抗TfR2は相互作用する。抗gDはさらに、HCC515細胞と相互作用しないが、抗TfR2及び抗TROP2は相互作用する。データは、いくつかのAb-L1-CIDEが、望ましく低いDC50値及び望ましく高いDmax値の両方を有することを示す。
生物学的実施例5:
リソソーム放出アッセイ
リソソーム放出アッセイを実行して、細胞内環境を模倣する環境におけるL1部分からのデグレーダーの放出を測定した。デグレーダーが、BRMに結合し、それをユビキチンリガーゼに運ぶ際に活性であるためには、L1が最初に放出されなければならない。
リソソーム放出アッセイ
リソソーム放出アッセイを実行して、細胞内環境を模倣する環境におけるL1部分からのデグレーダーの放出を測定した。デグレーダーが、BRMに結合し、それをユビキチンリガーゼに運ぶ際に活性であるためには、L1が最初に放出されなければならない。
アッセイは、それぞれのCIDEに対応する「L1-BRM1-#」と呼ばれるBRM結合化合物に結合したL1を使用して実行した。試験は、BRM部分へのL1の共有結合の切断が起こったかどうかを決定する。リンカー薬物(10μM)を、100mMクエン酸緩衝液(pH5.5)中のヒト肝臓リソソーム(0.17mg/mL)及びシステイン(5mM)と24時間インキュベートした。試料を、(A)水中0.1%ギ酸及び(B)アセトニトリル中0.1%ギ酸を勾配中に含有するLC移動相を使用して、Q Exactive Orbitrap質量分析計によって分析した。
アッセイの結果を以下の表3に示す。結果は、L1のBRM部分への直接連結戦略が細胞環境において放出することを示す。1つのコンジュゲートL1-CIDE-BRM1-15は、本明細書に記載のリンカー-1型の抗体リンカーを含有しない。試験したDACのうち、L1-CIDE-BRM 1-15はリソソーム抽出物中でデグレーダーを放出しなかった。この知見は、本明細書に記載のリンカー-1型のL1リンカーなどの、デグレーダーのAbへの選択的連結戦略の必要性を支持する。
*「なし」は、リソソーム抽出物において37℃で24時間のインキュベーション後に観察された遊離薬物が15%未満であることを示す。*「あり」は、リソソーム抽出物において37℃で24時間のインキュベーション後に観察された遊離薬物が50%よりも多いことを示す。
用いられる数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するために努力してきたが、幾らかの実験的な誤差及び偏差が考慮されるべきである。
当業者であれば、本明細書に記載される主題の実施に使用することができる、本明細書に記載されるものに類似又は同等である多数の方法及び材料を理解するであろう。本開示は、決して記載される方法及び材料のみに限定されるものではない。
そうでないと定義しない限り、本明細書で用いる技術的及び科学的な用語は、主題が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有し、Singleton et al(1994)Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd Ed.,J.Wiley&Sons,New York,NY;and Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New York.と一致する。
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」という語句は、文脈上別段の必要がある場合を除き、非排他的な意味で用いられる。本明細書に記載される実施形態は、「からなる」及び/又は「から本質的になる」実施形態を含むことが理解される。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、ある値を言及する場合、明記した量からの、いくつかの実施形態では±50%、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、及び、いくつかの実施形態では±0.1%の変化を、そのような変化が、開示した方法を実施する、又は開示した組成物を用いるのに適切であるために、包含するものと意味される。
値の範囲が提供される場合、範囲の上限及び下限と、その範囲内に記載された他の任意の値又は介在する値との間には、文脈上別段の指示がない限り、下限の単位の10分の1までの各介在値が包含されることが理解される。これらの小さい範囲の上限及び下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、また、記載された範囲内のいずれかの具体的に除外された制限に従うことを条件として、包含される。記載された範囲が上下限の一方又は両方を含む場合、包含された上下限の一方又は両方を除いた範囲もまた、含まれる。
本明細書に記載された多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける、この主題が属する技術分野の当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、改変及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていると理解されよう。本明細書では特定の用語が使用されているが、これらは、一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。
Claims (72)
- 構造:
Ab-(L1-D)p
[式中、
Abは、抗体であり、
Dは、構造:
(式中、
BRMは、BRM結合化合物の残基であり、
E3LBは、E3リガーゼ結合化合物の残基であり、及び
L2は、BRMをE3LBと共有結合させる部分である)
を有するCIDE、又はそのプロドラッグであり、
L1は、AbをBRM、E3LB又はL2の1つに共有結合させるリンカー-1であり、並びに
pは、1~16である]
を有するコンジュゲート。 - L1がE3LBに共有結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記プロドラッグが、BRMに共有結合したリン酸部分を有するCIDEである、請求項2に記載のコンジュゲート。
- L1がBRMに共有結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記プロドラッグが、E3LBに共有結合したリン酸部分を有するCIDEである、請求項4に記載のコンジュゲート。
- 前記リン酸部分が、構造:
(式中、eは、0又は1である)
を有する、請求項3又は5に記載のコンジュゲート。 - L1がL2に共有結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
- L1が、
i)L1a
(式中
Ra、Rb、Rc、及びRdは、独立して、H、置換されていてもよい分岐又は直鎖C1-C5アルキル、及び置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルからなる群から選択されるか、又は、RaとRbが、若しくはRcとRdが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換されていてもよいC3-C6シクロアルキル環又は3~6員ヘテロシクロアルキル環を形成している)、
ii)L1b
(式中、
Z及びZ1は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは、0、1又は2であり、hは1~5であり、
Rzは、H又はC1-3アルキルである)、並びに、
iii)L1c
(式中
Z2は、C1-12アルキレン又は-[CH2]g-[-O-CH2]h-であり、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5であり、
wは、1、2、3、4又は5であり、
Jは、-N(Rx)(Ry)、-C(O)NH2、-NH-C(O)-NH2、-NH-NH-NH2であり、ここでRx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され、
Kは、-CH2-、-CH(R)-、-CH(R)-O-^、-C(O)-、^-C(O)-O-CH(R)-、-CH2-O-C(O)-^、-CH2-O-C(O)-NH-^、^-O-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、^-C(L1c)-C(O)-NRxRy-、-CH2-O-C(O)-NH-CH2-、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-O-^、-CH2-O-C(O)-R-[CH2]q-^から選択され、ここで^は、CIDEへの結合を示し、Rは、水素、C1-3アルキル、N(Rx)(Ry)、-O-N(Rx)(Ry)又はC(O)-N(Rx)(Ry)であり、qは0、1、2又は3であり、Rx及びRyは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRx及びRyは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、
Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択されるか、又はRa及びRbは、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよいC3-6シクロアルキルを形成し、及び
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシルである)
からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。 - L1aがE3LBに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1bが、E3LB又はBRMに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1cが、E3LB、BRM又はL2に共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1bがE3LBに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1bがBRMに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1cがE3LBに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1cがBRMに共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1cがL2に共有結合している、請求項8に記載のコンジュゲート。
- Dが、構造:
(式中、L1は、L1-Q、L1-Q’、L1-S、L1-T、並びに存在する場合には任意に、L1-U、L1-V及びL1-Yから選択される1つの結合点に結合しており、
L1Qが、BRM上の
にあり、ここでMはOであり、
L1-Q’が、BRM上の
にあり、ここでM’は-NHであり、
L1-Sが、L2上の
にあり、
L1-Tが、E3LB上の
にあり、ここでAはL2に共有結合した基であり、
L1-U及びL1-Vが、E3LB上の
にあり、並びに
L1-Yが、E3LB上の
にあり、ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。 - L1cのKが、
L1c-CH2-、
からなる群から選択される、請求項8に記載のコンジュゲート。 - 構造:
(式中、
R3は、シアノ、
であり、
ここで----は、単結合又は二重結合である)
を有する、請求項17に記載のコンジュゲート。 - 構造:
(式中、R1A、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、水素、若しくはC1-5アルキルであるか、又は、R1A、R1B及びR1Cのうちの2つは、それぞれが結合している炭素と一緒になって、C1-5シクロアルキルを形成する)
を有する、請求項19に記載のコンジュゲート。 - R1A、R1B及びR1Cが、それぞれ独立して、水素又はメチルである、請求項20に記載のコンジュゲート。
- R1A及びR1Bがそれぞれメチルである、請求項21に記載のコンジュゲート。
- 構造:
を有する、請求項22に記載のコンジュゲート。 - R2が、水素、メチル、エチル又はプロピルである、請求項23に記載のコンジュゲート。
- R2がメチルである、請求項24に記載のコンジュゲート。
- R2が
としてE3LBに結合している、請求項25に記載のコンジュゲート。 - Y1及びY2がそれぞれ-CHである、請求項23に記載のコンジュゲート。
- Y1がNであり、Y2が-CHである、請求項23に記載のコンジュゲート。
- Y1が-CHであり、Y2がNである、請求項23に記載のコンジュゲート。
- L1が、L1-Q、L1-Q’又はL1-Tに結合している、請求項23に記載のコンジュゲート。
- 構造:
を有する、請求項30に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Tに結合しており、かつ
(式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択される)
である、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Tに結合しており、かつ
(式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立して、水素及びC1-3アルキルから選択される)であり、並びに
構造:
(式中、eは、0又は1である)
を有するリン酸部分が、BRMに共有結合している、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Tに結合しており、かつ、
ii)L1b
iii)L1c
からなる群から選択される、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Tに結合しており、かつ、
ii)L1b
iii)L1c
からなる群から選択され、並びに
構造:
(式中、eは、0又は1である)
を有するリン酸部分が、BRMに共有結合している、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Qに結合しており、かつ、
ii)L1b
iii)L1c
からなる群から選択される、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Qに結合しており、かつ、
ii)L1b
iii)L1c
からなる群から選択され、並びに、
構造:
(式中、eは、0又は1である)
を有するリン酸部分が、BRMに共有結合している、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Q’に結合しており、かつ、構造:
iii)L1c
を有する、請求項17に記載のコンジュゲート。 - L1が、L1-Q’に結合しており、かつ、構造:
iii)L1c
を有し、並びに
構造:
(式中、eは、0又は1である)
を有するリン酸部分が、E3LBに共有結合している、請求項17に記載のコンジュゲート。 - Z及びZ1が、それぞれ独立して、-(CH2)1-6-及び-[CH2]g-[-O-CH2]h-から選択され、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5である、請求項8に記載のコンジュゲート。
- Z2が、-(CH2)1-6-及び-[CH2]g-[-O-CH2]h-から選択され、ここでgは0、1又は2であり、hは1~5である、請求項8に記載のコンジュゲート。
- L1が、
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、
R5及びR6は、独立して、水素又はC1-5アルキルであるか、又は、R5及びR6は、それぞれが結合している窒素と一緒になって、置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルを形成し、並びに
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシである)
からなる群から選択される、請求項8に記載のコンジュゲート。 - L1が、
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、並びに
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシである)
からなる群から選択される、請求項42に記載のコンジュゲート。 - Jが、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2である、請求項43に記載のコンジュゲート。
- L1が、構造:
、
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、並びに
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシである)
を有する、請求項43に記載のコンジュゲート。 - L1が、構造:
を有する、請求項45に記載のコンジュゲート。 - リンカー-1が、構造:
(式中、
Jは、-CH2-CH2-CH2-NH-C(O)-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2、-CH2-CH2-CH2-CH2-NH-CH3、又は-CH2-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2であり、並びに
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ又はヒドロキシである)
を有する、請求項43に記載のコンジュゲート。 - L1が、構造:
を有する、請求項47に記載のコンジュゲート。 - が、式I:
の構造を有するBRM結合化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又は前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩の残基であって、
式中、Xは、水素又はハロゲンであり、
からなる群から選択され、
ここで(a)~(e)については、*は[X]への結合点を示すか、又は[X]が存在しない場合、*は[Y]への結合点を示し、**はフェニル環への結合点を示しており、
(i)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)である場合、[X]は、
(式中、#は
への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではなく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は存在しないか、あるいは
(ii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、[X]の前記3~15員ヘテロシクリルは、1つ又は複数の-OH又はC1-6アルキルで置換されていてもよく、
[Y]は存在せず、及び
[Z]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
が(a)であり、[X]が
(式中、&は
への結合点を示し、&&は[Z]への結合点を示す)である場合、[Z]は、
(式中、#は[X]への結合点を示し、##はL2への結合点を示す)ではないか、あるいは
(iii)[X]は、3~15員ヘテロシクリル又は5~20員ヘテロアリールであり、
[Y]は、メチレンであり、[Y]の前記メチレンは、1つ又は複数のメチル基で置換されていてもよく、
[Z]は、3~15員ヘテロシクリルであるか、あるいは、
(iv)[X]は、存在せず、
[Y]は、エテニレンであり、[Y]の前記エテニレンが1つ又は複数のハロで置換されていてもよく、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、又は(e)であるか、あるいは、
(v)[X]は、存在せず、
[Y]は、エチニレンであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、又は(e)であるか、あるいは、
(vi)[X]は、存在せず、
[Y]は、シクロプロピル又はシクロブチルであり、及び
[Z]は、5~20員ヘテロアリールであり、
ただし、
は、(a)、(b)、(d)、又は(e)である、
請求項1に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、式(I-A):
の化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、式(I-B):
の化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、式(I-C):
の化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、式(I-D):
(式中、Xは、水素又はハロゲンである)
の化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、式(I-E):
の化合物、又はその立体異性体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、
(式中、Mは、-NH又は酸素であり、L1-Qに共有結合している)
からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む、請求項49に記載のコンジュゲート。 - BRM結合化合物の前記残基が、
からなる群から選択される部分を含む、請求項55に記載のコンジュゲート。 - BRMが、
(式中、
は、L2への結合点である)
の残基である、請求項56に記載のコンジュゲート。 - L2が、E3LB及びBRMに共有結合したリンカー-2であり、前記L2は、式:
(式中、zは、1又は0であり、
Gは、
又は-C(O)NH-であり、並びに
は、BRMへの結合点である)
を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。 - R4が水素である、請求項58に記載のコンジュゲート。
- R4がメチルである、請求項58に記載のコンジュゲート。
- R4が、以下:
のメチルである、請求項60に記載のコンジュゲート。 - からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
- からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
- からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
- pが約5~約14の値を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
- pが約5~約10の値を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 請求項1に記載のコンジュゲートと、1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤と、を含む医薬組成物。
- 疾患の治療を必要とするヒトにおいて疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1に記載のコンジュゲート又は請求項47に記載の組成物を前記ヒトに投与することを含む方法。
- 前記疾患ががんである、請求項68に記載の方法。
- 前記がんがBRM依存性である、請求項68に記載の方法。
- 前記がんが非小細胞肺がんである、請求項68に記載の方法。
- 対象における標的BRMタンパク質のレベルを低下させる方法であって、
請求項1に記載のコンジュゲート又は請求項69に記載の組成物を前記対象に投与することを含み、前記BRM部分が前記標的BRMタンパク質に結合し、ユビキチンリガーゼが、結合した前記標的BRMタンパク質の分解をもたらし、前記BRM標的タンパク質のレベルが低下する、方法。
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