JP2023530418A - ベンズイミダゾール誘導体化合物を含む医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体化合物であるテゴプラザンを有効成分として含む、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物を提供する。【選択図】【図1】
Description
特許法第30条第2項適用申請有り ダイジェスティブ ディズィーズ ウィーク 発行日 令和2(2020)年5月2日
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体化合物を有効成分として含む医薬組成物に関し、より詳細には、テゴプラザン、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物を有効成分として含む、新規用途の医薬組成物に関する。
大腸炎は、大腸に炎症が起こる疾患であり、その疾患の原因により感染性大腸炎と非感染性大腸炎に大別され、また罹患期間により急性大腸炎と慢性大腸炎に分類されることがある。大腸炎には、炎症性腸疾患(IBD: inflammatory bowel disease)だけでなく、過敏性腸症候群(IBS: irritable bowel syndrome)なども含まれる。
炎症性腸疾患は、免疫応答の調節不全(dysregulated immune response)、遺伝的感受性、環境因子等によって引き起こされる慢性炎症性疾患である。炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎とクローン病に分類され、これらは臨床的には類似しているが、組織学的所見や内視鏡・免疫学的側面で互いに異なっている。疾患の原因に関しては、腸内抗原(intestinal antigens)に対する免疫反応の異常が原因の一つと推定されている。炎症性腸疾患は、複雑かつ多因子性の疾患であり、未だ正確な原因が特定されていないため、有効な治療法のない代表的な難治性疾患である。
炎症性腸疾患患者の大腸粘膜や血清中では、IL-1β、TNF-αなどの炎症性サイトカインが増加し、その増加は粘膜の炎症反応の持続と増幅に重要な役割を果たすことが報告されている。これらのサイトカインの産生・活性化に関与する因子の研究は、炎症性腸疾患の病態生理や治療において重要な役割を果たしている。
これまでに、炎症性腸疾患の治療には、スルファサラジン、副腎皮質ホルモン、アザチオプリンなどの免疫抑制剤、抗TNFα抗体などに代表される生物学的療法が用いられてきた。しかし、治療期間が長いとこれらの薬剤に関連する副作用が起こり、また再発率も高いという問題がある。そのため、副作用が少なく、炎症性腸疾患に対して速やかに効果を発揮する炎症性腸疾患治療薬の開発が必要となっている。
一方、テゴプラザンは、既存のプロトンポンプ阻害剤(PPI)が強力な胃酸分泌抑制作用を有するにもかかわらず、薬効発現が遅く、夜間の酸分泌抑制に失敗するなどの欠点を補う新規薬剤として注目されている。テゴプラザンは、(S)-4-(5,7-ジフルオロクロマン-4-イルオキシ)-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド(または7-{[(4S)-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]オキシ}-N,N,2-トリメチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド)であり、胃のH+/K+-ATPaseを可逆的に阻害することにより胃食道逆流症(GERD: gastroesophageal reflux disease)の治療効果を有するカリウム競合型酸ブロッカー(P-CAB: potassium-competitive acid blocker)である。
本発明者らは、テゴプラザンが大腸の長さが短くなるのを抑制し、疾患活動性指数を有意に改善し、TNF-α、IL-6、IL-17およびIL-1βの産生を抑制し、Muc2 mRNAを発現させることを確認した。したがって、テゴプラザンが、大腸炎を予防または治療するための組成物の有効成分として有用であることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明は、従来技術において治療または予防の効果が確認されていない疾患の治療または予防に有効な成分として、ベンズイミダゾール誘導体化合物であるテゴプラザンを含む医薬組成物を提供する。
本発明は、下記化学式1で表されるベンズイミダゾール誘導体化合物であるテゴプラザン、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物を有効成分として含む、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物を提供する。
本発明は、大腸炎を予防または治療する方法であって、該方法は、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の治療有効量を個体に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の、大腸炎の予防または治療のための使用を提供する。
本発明は、大腸炎を治療するための医薬の調製における、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の使用を提供する。
本発明において、「大腸炎」とは、細菌感染、腸の内容物の病理学的発酵等により大腸または結腸に炎症が発生した状態を指し、感染性大腸炎および非感染性大腸炎を含む概念に関与し得る。本発明に係る医薬組成物を通じて予防または治療することができる大腸炎の具体例としては、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)等が挙げられる。
加えて、本発明に係る医薬組成物を通じて予防または治療することができる大腸炎は、急性大腸炎と慢性大腸炎の両方を含み得る。急性大腸炎は、急性に発生する炎症であり、炎症によって粘膜が損傷し、主に粘液性下痢や鮮血の症状が現れる場合がある。本発明において、急性大腸炎は、一般的な急性感染性大腸炎だけでなく、急性偽膜性大腸炎や急性潰瘍性大腸炎も含み得る。
本発明において、「炎症性腸疾患」とは、腸に発生する原因不明の慢性炎症を意味し、通常、特発性炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病を指すことがあるが、韓国で比較的多く見られる腸管ベーチェット病も含み得る。また、炎症性腸疾患は、細菌性、ウイルス性、アメーバ性、結核性腸炎等を含む感染性腸炎、虚血性腸炎、放射線性腸炎など、腸に発生するすべての炎症性疾患の総称として炎症性腸疾患を定義することができる。
本発明において、被験者の大腸炎が治療または予防されたという表現は、既に発症している可能性があるが、まだ臨床徴候を経験または示していない被験者において、疾患を発症する臨床症状の発生を予防または遅延させること、疾患の発生を停止または減少させること、疾患を緩和させることを指し得る。
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS: dextran sodium sulfate)および2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸水和物(DNBS: 2,4-dinitrobenzenesulfonic acid hydrate)により誘発した大腸炎動物モデルにおいて大腸炎の予防および治療効果を観察した結果、テゴプラザンは、動物モデルの体重変化を最小化し、大腸の長さの変化を最小化し、または大腸の長さの減少を抑制し、また、体重、血便の程度、便の粘度の減少を示す疾患活動性指標(DAI: disease activity index)においても、優れた改善効果を示すことが確認されている。
TNF-α、IL-6などの炎症性サイトカインは、腸管粘膜の炎症や潰瘍を引き起こし、腸管粘膜の機能障害や損傷につながることがある。TNF-αは、炎症反応の初期に好中球を罹患部位に誘導し、急性炎症反応を引き起こし、悪化させる因子となる可能性がある。IL-6は代表的な炎症性サイトカインであり、様々な因子によって合成・分泌されながら、急性または慢性炎症性疾患の発生・進展に重要な役割を担っている。本発明のテゴプラザンは、大腸組織において炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-6、IL-7およびIL-1βの産生/発現を抑制することが確認されている。
加えて、テゴプラザンは、上皮細胞の保護に必須のムチン蛋白質のmRNAであるMuc2 mRNAを発現することが確認されている。
さらに、DSS誘発大腸炎動物モデルにおいて、テゴプラザンはDSSによって増加するKCNJ1 mRNAの発現を低下させることが確認されている。
また、テゴプラザンは大腸の透過性を緩和する作用を有することが確認されている。
本発明において、対象とは、本発明の医薬組成物を用いた治療が有益な効果をもたらし得る動物を指し、典型的には哺乳類であり得る。このような対象の好ましい例としては、ヒトのような霊長類が挙げられる。また、対象は、大腸炎の症状を有するか、またはその症状を発症する危険性を有する全ての対象者を含み得る。
本発明の実施形態において、薬学的に許容される塩とは、任意の無機酸、有機酸または塩基と形成される塩であって、それを投与された対象に重大な刺激を与えず、テゴプラザンの生物活性および物理的性質に損傷を与えないものを指し得る。塩としては、当該技術分野で従来から用いられている塩、例えば、薬学的に許容される遊離酸を用いて形成される酸付加塩を用いることができる。薬学的に許容される塩は、特に、ピドレート塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物塩、臭化水素塩/臭化物塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシナホ酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、従来からテゴプラザンの薬理活性を示し得るものであれば、任意の塩を制限なく使用することができる。
本発明の実施形態において、テゴプラザンの水和物とは、テゴプラザンまたはその薬学的に許容される塩と水とが非共有結合性の分子間力によって結合していることを意味してもよく、化学量論量または非化学量論量の水を含んでもよい。
本発明の実施形態において、テゴプラザンの溶媒和物とは、テゴプラザンまたはその薬学的に許容される塩と水以外の溶媒とが分子間力で結合していることを意味してもよく、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含んでもよい。
本発明によれば、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物は、薬学的に許容される添加剤、従来から用いられている適切な担体、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤または希釈剤をさらに含むことができる。
「薬学的に許容される添加剤」としては、生体を刺激せず、注入された化合物の生物活性および特性を阻害しない担体、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤または希釈剤などが挙げられる。本発明で使用可能な添加剤の種類は特に限定されず、当該技術分野で従来から使用され、薬学的に許容されるものであれば、いかなる添加剤を使用することができる。添加剤の非限定的な例としては、マンニトール、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムまたはこれらの混合物が挙げられる。また、このような添加剤は、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤等、他の従来の添加剤を添加して使用することができる。
本発明によれば、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物は、経口投与用の剤形に製剤化することができ、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水溶性または油性の懸濁液、調製粉末または顆粒、乳剤、硬カプセル剤または軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤等の剤形に製剤化することができる。
加えて、本発明の医薬組成物は、非経口的に投与することもできる。非経口投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、または胸腔内注射などの方法で行うことができる。非経口投与用の剤形に製剤化するには、組成物を安定剤または緩衝剤とともに水に混合して溶液に調製することができ、次いでアンプルまたはバイアルなどの投与用の単位形態に再度調製してもよい。
本発明に係る医薬組成物の投与量は、薬学的有効量であることが必要な場合がある。ここで、「薬学的有効量」とは、医療に適用される合理的な利益/リスク比で疾患を予防または治療するのに十分な量を意味し、有効用量のレベルは、製剤方法、患者の状態、体重、性別および年齢、疾患の程度、薬剤形態、投与経路および期間、***率、反応感受性などの要因に応じて、当業者によって様々に選択され得る。また、有効用量は、当業者が認識するように、治療経路、賦形剤の使用、他の薬剤との併用可能性などに応じて変化し得る。
本発明は、大腸炎の予防または治療のための有効成分として、テゴプラザンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の使用を提供し得る。
本発明は、大腸炎の予防または治療のための薬剤を製造するための有効成分として、テゴプラザンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の使用を提供し得る。
本発明は、テゴプラザンまたはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物の薬学的有効量を投与することを含む、大腸炎を予防または治療する方法を提供し得る。
本発明に係る、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物の有効成分であるテゴプラザンは、炎症活性化マーカーの活性・発現を低下させ、大腸炎の疾患活動性指数を緩和する効果を有し得るので、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物の有効成分として有用であり得る。
以下、本発明を例示的な実施形態により詳細に説明する。これらの例示的な実施形態は、本発明をより詳細に説明するためにのみ提供されるものであり、したがって、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
8週齢(24.0 g)のC57BL/6雄マウスをオリエントバイオ(Orient Bio)社から購入し、1週間、飼料と水を与えながら実験室の環境(温度21±2℃、湿度50±10%)に馴化し、実験に使用した。
8週齢(24.0 g)のC57BL/6雄マウスをオリエントバイオ(Orient Bio)社から購入し、1週間、飼料と水を与えながら実験室の環境(温度21±2℃、湿度50±10%)に馴化し、実験に使用した。
マウスを正常対照群(コントロール、n=6)、大腸炎誘発群(DSS+ベヒクル、n=8)、テゴプラザン投与群(DSS+テゴプラザン、n=8)、対照薬投与群(DSS+ラベプラゾール、n=8)に分け、実験を実施した。
大腸炎を誘発するために、DSS(MPbio社製品、カタログ番号 0216011080)を使用した。
大腸炎誘発群(DSS+ベヒクル)には、2.0% DSSの飲料水を5日間連続投与し、5日目から2.0% DSS投与を中止し、8日目まで3日間、0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液を1日2回、経口投与した。
テゴプラザン投与群(DSS+テゴプラザン)には、0.5%(w/v)メチルセルロースに溶解したテゴプラザン(7-{[(4S)-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]オキシ}-N,N,2-トリメチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド)を2%DSSおよび飲料水とともに30mg/kg/日の用量で1日2回、5日間にわたって投与した。5日目から2.0% DSS投与を中止し、0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液に溶解したテゴプラザンを8日目まで3日間、1日2回経口投与した。
対照薬投与群(DSS+ラベプラゾール)は、テゴプラザンの代わりにラベプラゾールを用いた以外は、テゴプラザン投与群と実質的に同じ方法でDSSおよびラベプラゾールを投与した。
テゴプラザン投与群と対照薬投与群では、午前/午後に分けて1日2回経口投与を行った。
DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
8週齢(24.0 g)のC57BL/6雄マウスをオリエントバイオ社から購入し、1週間、飼料と水を与えながら実験室の環境(温度21±2℃、湿度50±10%)に馴化し、実験に使用した。
8週齢(24.0 g)のC57BL/6雄マウスをオリエントバイオ社から購入し、1週間、飼料と水を与えながら実験室の環境(温度21±2℃、湿度50±10%)に馴化し、実験に使用した。
マウスを正常対照群(コントロール, n=6)、大腸炎誘発群(DNBS+ベヒクル, n=8)、テゴプラザン投与群(DNBS+テゴプラザン, n=8)、対照薬投与群(DNBS+ラベプラゾール, n=8)に分け、実験を実施した。
大腸炎を誘発するために、DNBS(シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)製品、カタログ番号556971)を使用した。マウスはDNBSを投与する1日前から絶食させ、腸内の糞便の老廃物を除去した。正常対照群には50%エタノールのみを直腸経路で投与した。
DNBSの投与は、DNBSの5 mgを50%エタノールに溶解し、直腸経路で行った。
テゴプラザン投与群(DNBS+テゴプラザン)では、DNBS投与マウスに、0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液に溶解したテゴプラザン(7-{[(4S)-5,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]オキシ}-N,N,2-トリメチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキサミド)を30mg/kg/日の用量で1日2回、5日間経口投与した。
対照薬投与群(DNBS+ラベプラゾール)では、テゴプラザンの代わりにラベプラゾールを用いた以外は、テゴプラザン投与群と実質的に同じ方法でDNBS投与マウスにラベプラゾールを投与した。
大腸炎誘発群(DNBS+ベヒクル)では、DNBS投与マウスに0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液を1日2回経口投与した。
テゴプラザン投与群、対照薬投与群および大腸炎誘発群では、午前/午後に分けて1日2回経口投与した。4日間投与後、5日目にマウスを屠殺した。
(1)体重変化の測定と結果
(1-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
(1-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
正常対照群、大腸炎誘発群、テゴプラザン投与群、および対照薬投与群に関して、各マウスの体重を測定した。マウスの体重は、DSSを投与しない実験開始日(0日目)から9日目まで毎朝測定し、DSSを投与しない実験開始日(0日目)に測定したマウスの体重を100%に換算した。その結果を図1に示した。
図1を参照すると、正常対照群では、1日目から8日目まで体重が連続的な増加を示したことが確認できる。一方、大腸炎誘発群、テゴプラザン投与群、および対照薬投与群では、いずれも5日目までは体重に有意な変化を示さないが、6日目から体重が減少したことが確認できる。
マウスを屠殺した9日目には、大腸炎誘発群では体重が約21%の減少を示し、また対照薬投与群では大腸炎誘発群よりもむしろ約23%減少したのに対し、一方、テゴプラザン投与群ではわずか約14%の減少を示したことが確認できる。
図1において、**および***は、それぞれ大腸炎誘発群とテゴプラザン投与群との有意差(P<0.01およびP<0.001)を示し、###はテゴプラザン投与群と対照薬投与群との有意差(P<0.001)を示す。
(1-2) DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
正常対照群、大腸炎誘発群、テゴプラザン投与群、および対照薬投与群の各マウスの体重を測定した。DNBS投与前の実験開始日(0日目)から5日目まで毎朝マウスの体重を測定し、0日目のDNBS投与前のマウスの体重を100%に換算した。また、実験終了前にマウスを屠殺した場合は、屠殺する前日に測定したマウスの体重を実験最終日のデータに含めて換算した(生存期間および生存率については図15を参照)。その結果を図9に示した。
正常対照群、大腸炎誘発群、テゴプラザン投与群、および対照薬投与群の各マウスの体重を測定した。DNBS投与前の実験開始日(0日目)から5日目まで毎朝マウスの体重を測定し、0日目のDNBS投与前のマウスの体重を100%に換算した。また、実験終了前にマウスを屠殺した場合は、屠殺する前日に測定したマウスの体重を実験最終日のデータに含めて換算した(生存期間および生存率については図15を参照)。その結果を図9に示した。
図9を参照すると、正常対照群は体重の連続的な増加を示し、大腸炎誘発群、テゴプラザン投与群、対照薬投与群はいずれも3日目までは体重の有意な減少を示した。テゴプラザン投与群は4日目から体重の増加を示し、5日目には体重が増加して約105%に達し、大腸炎による体重減少からの回復を確認した。一方、大腸炎誘発群および対照薬投与群の体重はそれぞれ88%および89%に達し、DNBS投与後に体重減少からの回復は生じないことを確認した。
図9において、***は大腸炎誘発群とテゴプラザン投与群との有意差(P<0.001)を示し、###はテゴプラザン投与群と対照薬投与群との有意差(P<0.001)を示す。
(2)大腸の長さ変化の測定と結果
(2-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
DNBSの初回投与から9日目にマウスを屠殺し、大腸を摘出して、摘出した大腸の長さを測定した。その結果を図2に示した。(図2中、*はP<0.05を、**はP<0.01を示す。)
(2-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
DNBSの初回投与から9日目にマウスを屠殺し、大腸を摘出して、摘出した大腸の長さを測定した。その結果を図2に示した。(図2中、*はP<0.05を、**はP<0.01を示す。)
図2を参照すると、大腸炎誘発群では、正常対照群と比較して、大腸の長さが有意な減少(約80%)を示したことが確認できる。したがって、DSSにより大腸炎が誘発されたことが確認できる。また、対照薬投与群では、大腸炎誘発群と同様に大腸の長さの減少を示したことが確認できる。
一方、テゴプラザン投与群では、正常対照群と比較して、大腸の長さがむしろ増加したか、または差を示さなかったことが確認でき、テゴプラザンが大腸炎によって引き起こされる大腸の長さの変化を最小限に抑えるか、またはその減少を抑制していることが示唆される。
(2-2) DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
DNBSの初回投与から5日目にマウスを屠殺し、大腸を摘出し、摘出した大腸の長さを測定した。その結果を図10に示した。(図10中、*はP<0.05を示す。)
DNBSの初回投与から5日目にマウスを屠殺し、大腸を摘出し、摘出した大腸の長さを測定した。その結果を図10に示した。(図10中、*はP<0.05を示す。)
図10を参照すると、大腸炎誘発群は、正常対照群に比べ、大腸の長さが有意な減少(約87%)を示したことが確認できる。したがって、DNBSにより大腸炎が誘発されたことが確認できる。一方、テゴプラザン投与群では、大腸の長さに正常対照群との差を示さなかったことが確認でき、テゴプラザンは大腸炎によって引き起こされる大腸の長さを維持し、その変化を最小限に抑えるか、またはその減少を抑制していることが示唆される。
その結果を図3および図11に示した。(DNBSを用いた大腸炎動物モデルに関し、実験終了前に屠殺したマウスの場合は、屠殺の前日に測定したマウスのDAIスコアを実験最終日のデータに含めて換算した(生存期間および生存率については図15参照)。)
図3および図11において、**および***はそれぞれ大腸炎誘発群とテゴプラザン投与群との間の有意差(P<0.01およびP<0.001)を示し、#および###はそれぞれテゴプラザン投与群と対照薬投与群との間の有意差(P<0.05および<0.001)を示す。
(3-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
図3を参照すると、大腸炎誘発群では、3日目からDAIスコアの上昇とともに赤色血便が出始め、測定のためにDSS投与を中断した翌日である6日目以前に比較して、マウスを屠殺した9日目と同様に、大きな差を示したことが確認できる。
図3を参照すると、大腸炎誘発群では、3日目からDAIスコアの上昇とともに赤色血便が出始め、測定のためにDSS投与を中断した翌日である6日目以前に比較して、マウスを屠殺した9日目と同様に、大きな差を示したことが確認できる。
DAIスコアでは、テゴプラザン投与群は大腸炎誘発群に比べ好転し、大腸炎誘発群および対照薬投与群はテゴプラザン投与群に比べ6日目および9日目に有意差を示したことが確認できる。対照薬投与群は、大腸炎誘発群と差もなく、非常によく似た結果を示したことが確認できる。
(3-2) DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
DAIスコアについて図11を参照すると、DNBSの投与により全ての群でDAIが上昇したが、テゴプラザン投与群では4日目からDAIが急激に低下し、大腸炎誘発群と有意な差を示した。一方、対照薬投与群では、大腸炎誘発群との間に大きな差は示さなかった。したがって、大腸炎の緩和に対するテゴプラザンの効果が確認できる。
DAIスコアについて図11を参照すると、DNBSの投与により全ての群でDAIが上昇したが、テゴプラザン投与群では4日目からDAIが急激に低下し、大腸炎誘発群と有意な差を示した。一方、対照薬投与群では、大腸炎誘発群との間に大きな差は示さなかった。したがって、大腸炎の緩和に対するテゴプラザンの効果が確認できる。
(4)大腸組織におけるJCNJ1 mRNA発現の確認と結果
DSSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、KCNJ1 mRNAの発現の差はリアルタイムPCRを用いて測定した。その結果を図4に示した。(図4中、**はP<0.01を示す。)
DSSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、KCNJ1 mRNAの発現の差はリアルタイムPCRを用いて測定した。その結果を図4に示した。(図4中、**はP<0.01を示す。)
図4を参照すると、大腸炎誘発群では、正常対照群と比較してKCNJ1 mRNAの発現に有意な増加を示したのに対し、一方、テゴプラザン投与群では、KCNJ1 mRNAの発現に有意な減少を示したことが確認できる。
(5) 大腸組織における炎症性サイトカインのmRNA発現の確認と結果
(5-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
(5-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
DSSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、IL-1β、IL-6、Muc 2およびTNF-αのmRNA発現レベルはリアルタイムPCR法を用いて評価した。その結果を図5に示した。(図5中、*はP<0.05を、**はP<0.01を、および***はP<0.001を示す。)
図5を参照すると、テゴプラザン投与群は、大腸炎誘発群と比較して、TNF-αおよびIL-6のmRNA発現に関し統計的に有意な減少を示すことが確認できる。また、上皮細胞の保護に必須であるMuc2のmRNA発現に関しても、テゴプラザン投与群では統計学的に有意な増加を示すことが確認できる。
(5-2) DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
DNBSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、IL-17のmRNA発現レベルはリアルタイムPCRを用いて評価した。その結果を図12に示した。(図12中、**はP<0.01を、***はP<0.001を示す。)
DNBSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、IL-17のmRNA発現レベルはリアルタイムPCRを用いて評価した。その結果を図12に示した。(図12中、**はP<0.01を、***はP<0.001を示す。)
図12を参照すると、テゴプラザン投与群は、大腸炎誘発群と比較して、炎症性サイトカインであるIL-7のmRNA発現に関して有意な減少を示したことが確認できる。また、TNF-α及びIL-6のmRNA発現は、テゴプラザン投与群では大腸炎誘発群と比較して減少する傾向があったことが確認できた。
(6)PAS染色解析と大腸組織損傷の確認と結果
DSSおよびDNBSを使用した各動物モデルから得られた大腸組織についてPAS染色分析を行い、杯細胞の喪失は以下の表2に従ってスコア化し、組織損傷の程度は以下の表3に従ってスコア化した。
DSSおよびDNBSを使用した各動物モデルから得られた大腸組織についてPAS染色分析を行い、杯細胞の喪失は以下の表2に従ってスコア化し、組織損傷の程度は以下の表3に従ってスコア化した。
その結果を図6、図7、図13および図14に示した。(図6、図7、図13および図14中、*はP<0.05を、**はP<0.01を、および***はP<0.001を示す。)
(6-1) DSSを用いた大腸炎のマウスモデル
図6を参照すると、大腸炎誘発群では、全ての陰窩が全体的に損傷し、大腸粘膜全体に炎症性細胞が浸潤していたことが確認できる。
図6を参照すると、大腸炎誘発群では、全ての陰窩が全体的に損傷し、大腸粘膜全体に炎症性細胞が浸潤していたことが確認できる。
一方、テゴプラザン投与群では、部分的に無傷の陰窩が観察され、大腸炎誘発群に比べ、杯細胞も存在したことが確認できる。ムチン産生性杯細胞の存在を示す結果は、Muc2のmRNA発現実験において、テゴプラザン投与群が大腸炎誘発群と比較してmRNAの発現レベルの上昇を示した結果と一致する。
図7を参照すると、テゴプラザン投与群(5.38±1.8点)は、大腸炎誘発群(8.75±1.6点)と比較して、有意なスコアの減少を示したことが確認できる。一方、対照薬投与群(8.12±1.8点)では、組織障害の程度に関し大腸炎誘発群との有意な差を示さなかった。
(6-2) DNBSを用いた大腸炎のマウスモデル
図13を参照すると、大腸炎誘発群では陰窩が全体的に損傷し、炎症性細胞が大腸粘膜全体に浸潤していたことが確認できる。一方、テゴプラザン投与群では、大腸炎を誘発した群と比較して、部分的に無傷の陰窩が観察され、ムチン産生性杯細胞の存在が確認できた。
図13を参照すると、大腸炎誘発群では陰窩が全体的に損傷し、炎症性細胞が大腸粘膜全体に浸潤していたことが確認できる。一方、テゴプラザン投与群では、大腸炎を誘発した群と比較して、部分的に無傷の陰窩が観察され、ムチン産生性杯細胞の存在が確認できた。
一方、対照薬投与群では、大腸炎誘発群に比べ、陰窩の損傷が緩和されず、杯細胞の喪失がより高いことを確認した。
図14を参照すると、テゴプラザン投与群(4.1±16点)は、大腸炎誘発群(6.8±2.1点)と比較して、有意なスコアの減少を示したことが確認される。一方、対照薬投与群(7.0±1.4点)では、組織損傷の程度について大腸炎誘発群との有意差を示さなかった。
(7)FITCデキストラン透過性の実験
DSSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、マウスを屠殺する4時間前にFITC-デキストラン(80 mg/mL)を経口投与し、その後心臓穿刺を行い、血清中のFITC値を測定した。透過率(%)は、正常対照群を基準として換算した。その結果を図8に示した。
DSSを用いた大腸炎のマウスモデルにおいて、マウスを屠殺する4時間前にFITC-デキストラン(80 mg/mL)を経口投与し、その後心臓穿刺を行い、血清中のFITC値を測定した。透過率(%)は、正常対照群を基準として換算した。その結果を図8に示した。
図8を参照すると、大腸炎誘発群では、FITC値の上昇を示し、DSSによりタイトジャンクションの損傷が誘発されたことが示唆される。また、対照薬投与群では、タイトジャンクションの損傷が緩和されなかったことが確認できる。
一方、テゴプラザン投与群では、タイトジャンクションの損傷に関し有意な減少を示したことが確認できる。
(8)DNBSを用いた大腸炎のマウスモデルの生存率に関する実験
DNBS誘発大腸炎モデルマウスの生存率を測定し、その結果を図15に示した。
DNBS誘発大腸炎モデルマウスの生存率を測定し、その結果を図15に示した。
図15を参照すると、5日目時点での大腸炎誘発群および対照薬投与群の生存率は、それぞれ50%および75%であった。しかし、テゴプラザン投与群では、実験最終日まで全被験動物が生存していることが確認でき、テゴプラザンがDNBS誘発性大腸炎を緩和することが確認できた。
実験の結果、DSS誘発またはDNBS誘発大腸炎モデルマウスにおいて、テゴプラザン投与群は正常対照群に比べ、大腸の長さ、体重減少、およびDAIスコアの症状に関して有意な改善を示すことが確認できた。すなわち、組織学的所見では、重篤な損傷を示した大腸炎誘発群に比べ、テゴプラザン投与群では無傷の陰窩構造が一部観察され、スコア評価結果においても統計的に有意な粘膜損傷保護効果を確認できる可能性がある。テゴプラザンは炎症によって引き起こされる腸管透過性を有意に緩和する効果を示すことが確認できたが、対照薬であるPPI製剤ラベプラゾール投与群からは大腸の炎症を緩和する効果は確認できなかった。
以上まとめると、本発明によるテゴプラザンを有効成分として含む医薬組成物は、大腸炎の予防および治療に優れた効果を有することが確認できる。
以上、本発明の特定の部分を詳細に説明したが、このような詳細な説明は、例示的な実施形態を説明するためにのみ記載されており、本発明の範囲を限定するものとは解釈されないことは、当業者には明らかである。
Claims (9)
- 下記の化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物を有効成分として含む、大腸炎を予防または治療するための医薬組成物。
- 大腸炎が炎症性腸疾患(IBD)または過敏性腸症候群である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 大腸炎が炎症性腸疾患であり、炎症性腸疾患がクローン病、潰瘍性大腸炎、腸管ベーチェット病、感染性腸炎、虚血性腸疾患、または放射線性腸炎である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 大腸炎が急性大腸炎である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 医薬組成物が経口投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
- TNF-α、IL-6、IL-17およびIL-1βからなる群より選択される少なくとも一つの炎症性サイトカインの発現を抑制または阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 大腸炎を予防または治療する方法であって、請求項1に記載の化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の治療的有効量を個体に投与することを含む方法。
- 大腸炎を予防または治療するための、請求項1に記載の化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の使用。
- 大腸炎を治療するための医薬の調製における、請求項1に記載の化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物もしくは溶媒和物、またはそれらの混合物の使用。
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