JP2023527571A - 相変化材料 - Google Patents

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Abstract

相変化材料は、塩水溶液と、ゲル化剤と、熱伝導性向上剤と、核生成剤とを含み、同塩水溶液は第1塩と、第2塩と、水とを含む。相変化材料は、特に環境を-15℃から-40℃の温度に維持するための保冷材料としての使用に好適である。相変化材料は、保冷パック内で使用されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、相変化材料に関する。本発明は、特に、塩水溶液を含む相変化材料に関する。本相変化材料は、保冷材料としての使用に好適である。
相変化材料は、融解するときに大量の熱エネルギーを吸収して、逆に凍るときに熱エネルギーを放出する。したがって、相変化材料は、一般的に高い潜熱、すなわち、同相変化材料の温度変化なしに固体を液体に変換するために必要なエネルギーを有する。
相変化材料は、様々な用途において有用であるが、その一つに保冷がある。相変化材料は、相変化温度以下の温度に冷却されて、固体状になる。固体の相変化材料は、その状態で周囲の環境を冷却する。潜熱が高いため、相転移温度で材料が固体から液体へ転移する際に、周囲から大量の熱エネルギーが吸収される。つまり、相変化材料は、長時間にわたって低温環境を維持することに非常に有効な材料である。
そのため、相変化材料は、特に、電気的な冷凍システムが使用できない場合に、家庭用または業務用の保冷用途で多く使用されている。例えば、食品や医薬品などの腐敗性物品を輸送する際、車両内の低温環境を維持するために、相変化材料を保持する1つ以上のプラスチック製または金属製の容器が使用され得る。
通常、相変化材料は、周期的な冷凍過程において、冷凍されて、使用されて、再冷凍されて、また使用される、と繰り返して処理される。例えば、相変化材料は容器に入れられたまま一晩冷凍されて、日中の生鮮品の配送のために、朝、その容器が保冷車に挿入されて、夜間に再冷凍するために、一日の終わりに保冷車から取り出され得る。
相変化材料は、理想的には、前述の特性以外にも、良好なサイクル安定性を有して、容器から漏れる傾向が低く、漏れた場合でも無毒であり、細菌分解などの劣化が少なく、良好な熱伝達性を有する。
相変化温度が-15℃から-40℃までの範囲にある相変化材料は、保冷用途に有用である。しかしながら、この温度域で所望の特性を兼ね備えたコスト効率の良い調合物を調合することは難しい。従来は、パラフィン、アルコール溶液、または2成分系塩水溶液が低コストの調合物の基剤液中に最も一般的に用いられてきた。しかしながら、有機材料は、潜熱が低い、細菌が繁殖する、および/またはさらに有毒であるという欠点を有し得る。また、無機塩の溶液は多くの場合、高い潜熱を示すが、2成分系塩水溶液では相変化温度の範囲が限られている。
前述の温度範囲に対応する専門業者用の相変化材料は、一般的に調製コストが高く、多くの場合、不安定化の原因となる成分を多く含み得る。専門業者用の相変化材料は、特許文献1と、特許文献2と、特許文献3と、特許文献4と、に開示されている。しかしながら、これらの相変化材料は、やはり前述の欠点のいずれかを有する傾向がある。例えば、特許文献1は過飽和溶液であるが、これは、時間の経過とともに相分離が起こることを意味する。そこで、沈殿した塩類が材料全体に均一に分散した状態を維持するために、グアーガムを使用して同沈殿した塩類を水に懸濁させる。
中国特許出願公開第102268240号 中国特許出願公開第104726071号 中国特許出願公開第104726072号 中国特許出願公開第104830283号
したがって、特に相変化温度が-15℃から-40℃までの範囲であることが望ましい保冷用途での使用には、相変化材料の改良が必要である。
第1態様において、本発明は、保冷材料として使用するための相変化材料を提供する。本相変化材料は、塩水溶液と、ゲル化剤と、熱伝導性向上剤と、核生成剤と、を含む。塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、水と、を含む。
本発明はさらに、本発明の相変化材料を調製する方法を提供する。本方法は、相変化材料の全成分を混合する工程であって、好ましくは、ゲル化剤以外の相変化材料中の全成分の予備混合物を調製して、次いで、この混合物にゲル化剤を添加することにより、相変化材料の全成分を混合する工程を含む。
また、保冷パックも提供される。この保冷パックは、本発明の相変化材料と、内部に相変化材料が保持される、好ましくはプラスチック製の容器である容器と、を含む。
また、例えば、環境を-15℃から-40℃の温度に維持するための保冷材料としての本発明の相変化材料の使用も提供される。
図1は、有機材料や共晶塩溶液などの様々な相変化材料について相変化温度と融解熱とを示す。 図2aは、様々な塩化ナトリウム含有3成分系塩水溶液について示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)を用いて測定された相変化温度と潜熱とを示す。比較のため、共晶塩化ナトリウムの相変化温度と潜熱とも示す。 図2bは、様々な塩化ナトリウム含有3成分系塩水溶液についてDSCを用いて測定された相変化温度と潜熱とを示す。比較のため、共晶塩化ナトリウムの相変化温度と潜熱とも示す。
本発明は、保冷材料として使用するための相変化材料に関する。特に、本発明は、固液相変化材料、すなわち、固相と液相との間を遷移する際にエネルギーを放出または吸収する材料に関する。
相変化材料は、塩水溶液と、ゲル化剤と、熱伝導性向上剤と、核生成剤と、を含む。いくつかの実施形態において、相変化材料は、塩水溶液と、ゲル化剤と、熱伝導性向上剤と、核生成剤と、からなる。
塩水溶液
本発明の相変化材料に用いられる塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、水と、を含む。2種類以上の塩を含む塩水溶液は、有利なことに、1種類の塩を含む塩水溶液よりも低い温度で融解され得る。
塩水溶液は、第1塩および第2塩以外にも塩を含んでもよい。塩水溶液中に多くの数の塩を使用することにより、非常に低い相変化温度を含む広い範囲の相変化温度を有する系をうまく開発することが可能になる。しかしながら、使用する塩の数が多くなるにつれて、塩水溶液の潜熱が低くなる傾向がある。したがって、一般的に、塩水溶液には2種類または3種類の塩を使用することが望ましい。
2種類の塩(すなわち、第1塩および第2塩)が使用される塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、水と、からなるため、3成分系塩水溶液として知られる。同様に、3種類の塩(すなわち、第1塩、第2塩、および第3塩)が使用される塩水溶液は、4成分系塩水溶液として知られる。本発明での使用に特に好ましいものは、3成分系塩水溶液である。
好ましい実施形態において、第1塩および第2塩中のカチオンまたはアニオンは、同じである。より好ましくは、第1塩および第2塩中のアニオンは、同じである。塩水溶液中にさらなる塩が存在する場合、塩水溶液中の各塩中のカチオンまたはアニオン、好ましくはアニオンは、同じであることが好ましい。これらの塩中に同じカチオンまたはアニオンを用いることにより、塩水溶液でより明確な相変化温度が観察され得る。これは、恐らく、相変化材料中の第1塩と第2塩(および任意のさらなる塩)との反応が回避されるからである。
第1塩および第2塩、ならびに、好ましくは、塩水溶液を構成する任意のさらなる塩中のカチオンは、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、およびカリウム)と、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)と、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄、および銅)と、アンモニウムと、のカチオンから選択されてもよい。しかしながら、状況によっては、遷移金属塩は、腐食性があるため使用を避けてもよい。したがって、カチオンは、好ましくは、アルカリ金属と、アルカリ土類金属と、アンモニウムと、のカチオンから選択されて、より好ましくは、アルカリ金属とアンモニウムとのカチオン、例えば、ナトリウムとアンモニウムとのカチオンから選択される。
遷移金属のカチオンが使用される場合、相変化材料が内部に使用される容器は、表面が耐食性を有することが好ましい。耐食性を有する表面は、容器全体が作られる材料により得られてもよく、容器の内面にコーティングされた材料により得られてもよい。これにより、遷移金属カチオンによる腐食が抑えられて、容器の漏れが発生する可能性が低くなる。
第1塩および第2塩、ならびに、好ましくは塩水溶液を構成する任意のさらなる塩中のアニオンは、硝酸塩と、硫酸塩と、硫酸水素塩と、チオ硫酸塩と、リン酸塩と、リン酸水素塩と、リン酸二水素塩と、炭酸塩と、炭酸水素塩と、水酸化物と、ギ酸塩と、酢酸塩と、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、およびヨウ化物)と、のアニオンから選択されてもよい。好ましいアニオンは、塩化物などのハロゲン化物である。
第1塩と、第2塩と、塩水溶液を構成し得る任意のさらなる塩とは、有機塩または無機塩でもよい。好ましくは、これらの塩は、無機塩である。無機塩は、微生物の繁殖を抑制しやすく、良好な熱性能を示すからである。
好ましい実施形態において、第1塩は、塩化ナトリウム(NaCl)である。第1塩は、塩化アンモニウム(NHCl)と、塩化カリウム(KCl)と、硫酸ナトリウム(NaSO)と、から選択される第2塩、好ましくは塩化アンモニウムと塩化カリウムとから選択される第2塩と組み合わされてもよい。
特に好ましい実施形態において、第1塩は塩化ナトリウムであり、第2塩は塩化アンモニウムである。意外なことに、この組み合わせは、3成分系塩水溶液中で約-25℃の相変化温度と高い潜熱とを示すため、低温保冷用途に非常に適していることが判明した。
塩水溶液は、好ましくは、共晶溶液である。共晶溶液は、当技術分野において、構成成分のいずれの融点よりも低い単一の温度で溶融・凝固する多成分系として周知である。
いくつかの実施形態において、塩水溶液は、第1塩の第1共晶溶液と、第2塩の第2共晶溶液と、任意のさらなる塩のさらなる共晶溶液が存在する場合には、好ましくは、同共晶溶液と、の組み合わせである。したがって、塩水溶液は、第1共晶溶液と、第2共晶溶液と、存在し得る任意のさらなる塩の共晶溶液と、を混合することにより調製され得る。第1共晶溶液には水と第1塩との2成分が存在して、第2共晶溶液には水と第2塩との2成分が存在して、その他の塩も同様である、ということが理解されよう。
第1共晶溶液と第2共晶溶液とは、好ましくは、互いに近い相変化温度を示す。これらの組み合わせにより、相変化材料の相変化温度は、より顕著に低下する。第1塩と第2塩との共晶溶液の相変化温度は、10℃以内、好ましくは8℃以内、より好ましくは6℃以内の差を示すことが好ましい。第2共晶溶液は、第1共晶溶液の相変化温度よりも高く、例えば、1℃以上、好ましくは2℃以上、より好ましくは3℃以上高い相変化温度を示してもよい。したがって、第2共晶溶液は、第1共晶溶液の相変化温度よりも1℃から10℃、好ましくは2℃から8℃、より好ましくは3℃から6℃高い相変化温度を示してもよい。
第1共晶溶液は、相変化材料の相変化温度よりも高いが、好ましいことに、非常に近い相変化温度を示してもよい。第1共晶溶液の相変化温度は、相変化材料の相変化温度よりも1℃以上、好ましくは1.5℃以上、より好ましくは2℃以上高くてもよい。第1共晶溶液の相変化温度は、相変化材料の相変化温度よりも最大10℃、好ましくは最大7℃、より好ましくは最大5℃高くてもよい。したがって、第1共晶溶液の相変化温度は、相変化材料の相変化温度よりも1℃から10℃、好ましくは2℃から7℃、より好ましくは2.5℃から5℃高くてもよい。
相変化材料の潜熱は、好ましくは、第1共晶溶液または第2共晶溶液の潜熱より高い。相変化材料の潜熱は、第1共晶溶液または第2共晶溶液の潜熱よりも10kJ/kg以上、好ましくは20kJ/kg以上、より好ましくは30kJ/kg以上高くてもよい。
第2塩に対する第1塩の重量比は、1.5:1以上、好ましくは2:1以上、より好ましくは2.25:1以上でもよい。第2塩溶液に対する第1塩の重量比は、4:1以下、好ましくは3:1以下、より好ましくは2.75:1以下でもよい。したがって、第2塩に対する第1塩の重量比は、1.5:1から4:1、好ましくは2:1から3:1、より好ましくは2.25:1から2.75:1でもよい。
塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、塩水溶液を構成し得るさらなる塩と、を15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは22重量%以上の合計量で含んでもよい。塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、塩水溶液を構成し得るさらなる塩と、を35重量%以下、30重量%以下、より好ましくは28重量%以下の合計量で含んでもよい。したがって、塩水溶液は、第1塩と、第2塩と、塩水溶液を構成し得るさらなる塩と、を15重量%から35重量%、好ましくは20重量%から30重量%、より好ましくは22重量%から28重量%の合計量で含んでもよい。
相変化材料は、塩水溶液を90重量%以上、好ましくは92重量%以上、より好ましくは93重量%以上の量で含んでもよい。相変化材料は、塩水溶液を97重量%以下、好ましくは96.5重量%以下、より好ましくは96重量%以下の量で含んでもよい。したがって、相変化材料は、塩水溶液を90重量%から97重量%、好ましくは92重量%から96.5重量%、より好ましくは93重量%から96重量%の量で含んでもよい。
相変化材料は、通常、水を60重量%以上、好ましくは65重量%以上、より好ましくは70重量%以上の量で含んでもよい。本発明の目的では、相変化材料中の水はすべて塩水溶液を構成する。しかしながら、水は、存在し得る他の成分のうち1つ以上の成分の担体として相変化材料に添加されてもよい。換言すれば、塩水溶液中の水と塩との好ましい比率は、その場(in situ)で定められてもよい。
このように大量の水を使用することは、経済的な観点からは望ましいが、一般的には避けられてきた。これは、水は粘度が低いため、水の含有量が大きい相変化材料は特に、例えば、保冷材料容器の注入口、排出口、破損部分などから漏れやすいからである。この問題は、本発明の相変化材料にゲル化剤を使用することにより解決される。
ゲル化剤
ゲル化剤は、相変化材料の粘度を高める。ゲル化剤は、相変化材料中の水と化学的に相互作用してその特性を変化させること、または水を閉じ込めた3次元ゲルネットワークを形成することにより機能する。ゲル化剤は、核生成剤を懸濁させるために、および/または容器からの漏れの可能性を低減するために使用されてよい。
適切なゲル化剤は、有機ゲル化剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、デンプン、およびキサンタン)と、二酸化ケイ素と、これらの混合物と、から選択されてもよい。特にカルボキシメチルセルロースが好適である。
相変化材料は、ゲル化剤を1重量%以上、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上の量で含んでもよい。相変化材料は、ゲル化剤を8重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは6重量%以下の量で含んでもよい。したがって、相変化材料は、ゲル化剤を1重量%から8重量%、好ましくは2重量%から7重量%、より好ましくは3重量%から6重量%の量で含んでもよい。複数のゲル化剤が使用される場合、これらの量は相変化材料中のゲル化剤の合計量を指すことが理解されよう。
相変化材料が過剰にゲル化すると熱伝導率の低下および温度分布の不均一化が起こり得るため、通常、これらの量のゲル化剤の使用は避けられるであろう。しかしながら、これらの欠点は、本発明では、熱伝導性向上剤や核生成剤の使用により相殺し得る。
伝導性向上剤
熱伝導性向上剤は、相変化材料を介した熱の移動を改善する材料である。熱伝導性向上剤は、通常、固体として、例えば、ナノスケールの粒子として分散した場合でも、相変化材料中に存在する。
適切な熱伝導性向上剤は、炭素系材料(例えば、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ、炭素繊維などの黒鉛)と、金属系材料(例えば、金属粉末)と、炭化物と、これらの組み合わせと、から選択されてもよいが、相変化材料と適合する他の熱伝導性材料が使用されてもよい。熱伝導性向上剤は、マイクロスケールまたはナノスケールの粒子状でもよい。しかしながら、金属系材料は、腐食が進みやすいため避けることが望ましい。したがって、好ましい熱伝導性向上剤は、炭素系材料と炭化物とから選択されて、炭素系材料が特に好ましい。
相変化材料は、熱伝導性向上剤を0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.25重量%以上の量で含んでもよい。相変化材料は、熱伝導性向上剤を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.75重量%以下の量で含んでもよい。したがって、相変化材料は、熱伝導性向上剤を0.05重量%から2重量%、好ましくは0.1重量%から1重量%、より好ましくは0.25重量%から0.75重量%の量で含んでもよい。複数の熱伝導性向上剤が使用される場合、これらの量は相変化材料中の熱伝導性向上剤の合計量を指すことが理解されよう。
核生成剤
核生成剤は、相変化材料を使用前に凍結させる際に、塩水溶液がその周囲に固化する核となるものである。核生成剤は、相変化材料が共晶の場合、過飽和溶液でしばしば観察される沈殿物(核生成剤として機能する)が存在しないため、特に有益である。本発明において核生成剤の使用は、相変化材料が固化する前にその相転移温度未満に冷却する必要性を低減する(すなわち過冷却を低減する)。核生成促進剤は、相転移温度を上回って溶液から沈殿する物質でもよいが、好ましくは相変化材料中に固体として存在するものであることが理解されよう。
適切な核生成剤は、アイソタイプの核生成剤(例えば、ホウ砂)と、非アイソタイプの核生成剤(例えば、膨張計およびシリカ)と、これらの混合物と、から選択されてもよい。アイソタイプの核生成剤が好ましく、特にホウ砂が好ましい。
相変化材料は、核生成剤を0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.25重量%以上の量で含んでもよい。相変化材料は、核生成剤を2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.75重量%以下の量で含んでもよい。したがって、相変化材料は、核生成剤を0.05重量%から2重量%、好ましくは0.1重量%から1重量%、より好ましくは0.25重量%から0.75重量%の量で含んでもよい。複数の核生成剤が使用される場合、これらの量は相変化材料中のゲル化剤の合計量を指すことが理解されよう。
相変化材料特性
本発明の相変化材料は、特定の保冷用途に特に適した相変化温度を示し得る。これらの用途では、本発明の相変化材料は、-15℃以下、好ましくは-20℃以下、より好ましくは-24℃以下の相変化温度を示すことが好ましい。本発明の相変化材料は、-40℃以上、好ましくは-30℃以上、より好ましくは-26℃以上の目標相変化温度を示してもよい。したがって、本発明の相変化材料は、-40℃から-15℃、好ましくは-30℃から-20℃、より好ましくは-26℃から-24℃の相変化温度を示すことが好ましい。
しかしながら、本発明の原理は、より広く適用されてもよく、例えば、-70℃から0℃の相変化温度を示す相変化材料に適用されてもよい。
本明細書に記載の相変化温度は、示差走査熱量測定(DSC)、例えば、実施例に詳述されるとおりの方法を用いて測定されてもよい。好ましくは、本明細書に記載の相変化温度は、例えば、ASTM E794-06(2018)、DIN 51004:1994、またはASTM D3418-15を用いて求められて、較正はASTM E967-18に従って行われてもよい。
本発明の相変化材料は、有利なことに、エンタルピーが高い潜熱を示し得る。相変化材料は、150kJ/kgより高い、好ましくは175kJ/kgより高い、より好ましくは200kJ/kgより高いエンタルピーの潜熱を有してもよい。
本明細書に記載された潜熱は、DSC、例えば、実施例に詳述されるとおりの方法を用いて測定されてもよい。好ましくは、本明細書に記載の潜熱は、例えば、ASTM E793-06(2018)またはASTM D3418-15を用いて求められて、較正はASTM E968-02(2014)に従って行われてもよい。
本発明の1つの利点は、多くの先行技術の保冷材料とは異なり、相変化材料が有機酸と、有機酸無水物と、有機エステルと、を実質的に含有しなくてもよいことである。いくつかの実施形態において、相変化材料は、200Da未満の分子量を有するすべての有機化合物を実質的に含有しない。本発明の目的では、「実質的に含有しない」とは、0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満を意味する。
相変化材料の調製
本発明の相変化材料は、相変化材料の全成分を混合することを含む方法により、調製されてもよい。
ゲル化剤を使用する場合、本方法は、ゲル化剤を除く相変化材料の全成分の予備混合物を調製して、次いでゲル化剤をその混合物に添加することを含んでもよい。事前に混合する工程を実施することにより、ゲル化剤が添加される前に成分が均一に分散し得る。
いくつかの実施形態において、本方法は、
(a)例えば、第1塩の溶液の相変化温度および/または潜熱に基づいて、1つ以上の第1塩を選択する工程と、
(b)1つ以上の第1塩それぞれの溶液を、2種類以上の第2塩それぞれの溶液と混合することにより、一連の3成分系塩水溶液を作成する工程と、
(c)一連の3成分系塩水溶液のそれぞれの相変化温度および/または潜熱を測定する工程と、
(d)測定値に基づいて1つの3成分系塩水溶液を選択する工程と、
により3成分系塩水溶液を選択する予備工程を含んでもよい。
工程(a)から工程(d)で述べた第1塩と第2塩との溶液は、好ましくは、共晶溶液である。
工程(a)において、第1塩は、第1塩の溶液が、相変化材料の目標相変化温度よりも1℃以上、好ましくは2℃以上、より好ましくは2.5℃以上高い相変化温度を有するという理由から、選択されてもよい。第1塩は、第1塩の溶液が、相変化材料の目標相変化温度よりも最大10℃、好ましくは最大7℃、より好ましくは最大5℃高い相変化温度を有するという理由から、選択されてもよい。したがって、第1塩は、第1塩の溶液が、相変化材料の目標相変化温度よりも1℃から10℃、好ましくは2℃から7℃、より好ましくは2.5℃から5℃高い相変化温度を有するという理由から、選択されてもよい。
工程(a)で複数の第1塩が適切な相変化温度を有することが確認された場合、最も高い潜熱を有する1つ以上の第1塩が選択されてもよい。
工程(a)で複数の第1塩が選択された場合、工程(b)は、これら第1塩それぞれの共晶溶液を2種類以上の第2塩それぞれの共晶溶液と混合することにより、一連の3成分系塩水溶液を作成する工程を含む。例えば、2種類の第1塩が選択されて、3種類の第2塩が選別される場合、一連の溶液は、6種類の3成分系塩水溶液から構成されることになる。2種類の第1塩が選択されて、5種類の第2塩が選別される場合、一連の溶液は、10種類の3成分系塩水溶液から構成されることになる。
工程(b)は、第1塩と第2塩との組ごとに、異なる比率で第1塩の溶液と第2塩の溶液とを含む3成分系塩水溶液を加えることを含んでもよい。例えば、2種類の第1塩が選択されて、5種類の第2塩が選別される場合に、各塩の組ごとに第1溶液と第2溶液との比率を異なる3種類の比率にしてテストするのであれば、一連の3成分系塩水溶液は、30種類の3成分系塩水溶液から構成されることになる。
工程(d)において、3成分系塩水溶液は、相変化材料の目標相変化温度からの差が3℃以内、好ましくは2℃以内、より好ましくは1℃以内の相変化温度を有するという理由から、選択されてもよい。
工程(d)で複数の3成分系塩水溶液が適切な相変化温度を有することが確認された場合、最も高い潜熱を有する3成分系塩水溶液が選択されてもよい。好ましくは、3成分系塩水溶液の潜熱は、第1塩の溶液の潜熱よりも高い。
保冷パック
本発明の相変化材料は、内部に相変化材料が保持された容器を含む保冷パックに使用されてもよい。
容器の好適な材料としては、金属(例えば、ステンレス)とプラスチックとが挙げられるが、プラスチック製の容器が好ましい。容器は、例えば、冷蔵庫から物品運搬車の収納部などの冷却すべき環境に移動可能なように、持ち運び可能なものとして使用されてよもい。
保冷パックは、本発明の相変化材料を容器に充填することにより、調製されてもよい。
あるいは、容器は、ゲル化剤以外の相変化材料中の全成分の混合物で充填されて、容器内の混合物にゲル化剤が添加されてもよい。これにより、すでにゲル化した混合物よりも扱いやすい低粘度の溶液で容器が充填され得る。相変化材料は、好ましくは、ゲル化の際に、例えば、振盪、撹拌、または他の方法でかき回すことにより混合される。これは、確実にゲル化剤を均一に分散させることに役立つ。
使用
本発明の相変化材料は、保冷材料として使用されてもよい。保冷材料は、-15℃から-40℃の範囲の温度に環境を保つための材料でもよい。このような環境は、食品や医薬品などの腐敗性物品を含むコールドチェーン(低温流通体系)での配送品の保管に特に適している。
相変化材料は、使用前に、その相変化温度未満に冷却されて固体状となる。相変化材料は、使用時には、周囲からエネルギーを吸収して周囲を冷却する。本発明の相変化材料は、エンタルピーが高い潜熱を示し得るため、その相変化温度で固体状態から液体状態への転移が完了するまでに、周囲から多くのエネルギーを吸収し得る。相変化材料が使用された後、さらなる使用のために、相変化温度未満にもう一度冷却することが好ましい。
本発明の利点の1つは、相変化材料が良好なサイクル安定性を示す、つまり、最小限の性能損失で何度も再利用可能であることである。例えば、相変化材料は、同じ相変化温度(例えば、最初のサイクル前の材料と比較して±5℃)と同じ潜熱(例えば、最初のサイクル前の材料と比較して±10kJ/kg)とを維持しつつ、固体から液体へ10回以上、好ましくは20回以上、より好ましくは30回以上のサイクルで使用され得る。これが、使用とともに効力を失う可能性のある多くの先行技術による保冷材料とは異なる点である。
実施例
次に、本発明を以下の非限定的な実施例により説明する。
実施例において、示差走査熱量測定(DSC)を用いて相変化温度を測定した。DSCによる分析用の試料は、40μlのアルミニウム製るつぼに約1mgから10mgの試料を入れて調製した。DSCは、Mettler Toledo DSC2+を用いて、温度範囲を25℃から-60℃、昇温と冷却との速度を5℃/分に設定して行った。吸熱ピークまたは発熱ピークにより、相変化の発生が示された。収集したデータは、Mettler Toledo社の分析ソフトで分析した。
エンタルピーの潜熱も、DSCを用いて上記の相変化温度との関連で説明した方法で測定した。
比熱は2曲線法(サファイア法ともいう)で測定して、DSCは相変化温度に関連して前述した方法で行った。
実施例1 -20℃の保冷用途に使用する相変化材料の選別
-20℃の冷却環境が望ましい場合の保冷用途に使用するための好ましい相変化材料の候補を特定するために、相変化材料を選別した。この温度を得るために、目標相変化温度として-25℃を選択した。
図1は、様々な有機材料と共晶塩溶液とについて相転移温度と融解熱とのグラフを示す。グラフに示された値は、文献から得た。相変化材料でよく用いられるウンデカンなどの有機物は、良好な相変化温度を示す一方で、融解熱は比較的低めであることがわかる。
そのため、相変化材料で用いるために塩化ナトリウムを選択した。塩化ナトリウムは良好な融解熱を示して、塩化ナトリウム共晶溶液の相変化温度は-22℃から-23℃(すなわち目標相変化温度-25℃よりやや高い)であるが、塩化ナトリウムと第2共晶塩溶液とを混合することにより、相変化温度を低くできると考えられた。
次いで、塩化ナトリウムの共晶溶液と第2塩の共晶溶液とを混合して3成分系塩水溶液を得た。第1塩と第2塩との共晶液を、第1共晶塩溶液:第2共晶塩溶液の比率を3:1から1:3として3成分系塩水溶液に混合した。様々な第2塩をテストしたが、新しい塩が生成されるリスクを最小限にするために、各第2塩はナトリウムカチオンまたは塩化物アニオンのいずれかを有するものとした。
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、異なる3成分系塩水溶液の相変化温度と潜熱とを評価した。様々な3成分系塩水溶液の相変化温度と潜熱とは、それぞれ、図2aと図2bとに示される。比較のため、共晶塩化ナトリウムの相変化温度と潜熱とも示される。
図2aから、各3成分系塩水溶液の相変化温度は共晶塩化ナトリウムの相変化温度よりも低く、溶液の混合比率はこれに大きな影響を及ぼさないことがわかる。概して、共晶溶液の相変化温度の差が小さいほど相変化温度の低下が大きくなることが観察された。
図2bから、相変化温度とは異なり、3成分系溶液の潜熱は共晶塩化ナトリウムの潜熱より高い場合と低い場合とがあることがわかる。また、第1塩と第2塩との共晶溶液の混合の比率も潜熱に大きな影響を与えた。塩化カリウムと塩化アンモニウムとを含む3成分系溶液は、共晶塩化ナトリウムの潜熱よりも大きな潜熱を示した。塩化ナトリウムと塩化アンモニウムとの系も非常に望ましい相変化温度を示すことから、この3成分系塩水溶液を選択して開発を進めた。
実施例2 本発明の相変化材料と市販の保冷材料との比較
PCM1は、本発明にかかる相変化材料であり、本明細書で前述したように調製された。
市販されている2つの保冷材料PCM AとPCM Bとを評価した。PCM AとPCM Bとは、互いに異なる塩混合物の溶液であり、それぞれの相変化温度は-26℃と-32℃とであることが報告されている。
市販の保冷材料と相変化材料PCM 1との相変化温度と、エンタルピーの潜熱と、比熱とをテストした。測定結果は、下表に示される(括弧内は市販材料の報告値)。
Figure 2023527571000002
市販品では、報告された特性と測定された特性とには大きな差があることがわかる。PCM 1とPCM Aとは非常に近い相変化温度を示すが、エンタルピーの潜熱と比熱とはPCM 1の方が著しく高いことがわかる。

Claims (25)

  1. 保冷材料として使用される相変化材料であって、
    塩水溶液と、
    ゲル化剤と、
    熱伝導性向上剤と、
    核生成剤と、
    を含み、
    前記塩水溶液は、
    第1塩と、
    第2塩と、
    水と、
    を含む、
    ことを特徴とする相変化材料。
  2. 前記塩水溶液は、3成分系塩水溶液または4成分系塩水溶液であり、好ましくは前記3成分系塩水溶液である、
    請求項1記載の相変化材料。
  3. 前記第1塩および前記第2塩中のカチオンまたはアニオンは、同じであり、
    好ましくは前記第1塩および前記第2塩中の前記アニオンは、同じである、
    請求項1または2記載の相変化材料。
  4. 前記第1塩および前記第2塩中の前記カチオンは、リチウム、ナトリウム、およびカリウムなどのアルカリ金属と、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属と、亜鉛、鉄、および銅などの遷移金属と、アンモニウムと、の前記カチオンから選択されて、好ましくは前記アルカリ金属と、前記アルカリ土類金属と、前記アンモニウムと、のカチオンから選択されて、より好ましくは前記アルカリ金属と前記アンモニウムとのカチオンから選択される、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の相変化材料。
  5. 前記第1塩および前記第2塩中の前記アニオンは、硝酸塩と、硫酸塩と、硫酸水素塩と、チオ硫酸塩と、リン酸塩と、リン酸水素塩と、リン酸二水素塩と、炭酸塩と、炭酸水素塩と、水酸化物と、ギ酸塩と、酢酸塩と、塩化物、臭化物、およびヨウ化物などのハロゲン化物と、のアニオンから選択されて、好ましくは前記ハロゲン化物から選択される、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の相変化材料。
  6. 前記第1塩と前記第2塩とは、無機塩である、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の相変化材料。
  7. 前記第1塩は、塩化ナトリウムであり、
    好ましくは前記第2塩は、塩化アンモニウムと、塩化カリウムと、硫酸ナトリウムと、から選択されて、好ましくは前記塩化アンモニウムと前記塩化カリウムとから選択されて、より好ましくは前記塩化アンモニウムである、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の相変化材料。
  8. 前記塩水溶液は、前記第1塩の第1共晶溶液と、前記第2塩の第2共晶溶液と、任意のさらなる塩のさらなる共晶溶液が存在する場合にはさらなる前記共晶溶液と、の組み合わせである、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の相変化材料。
  9. 前記相変化材料の相変化温度は、前記第1共晶溶液の相変化温度よりも1℃から10℃、好ましくは2℃から7℃、より好ましくは2.5℃から5℃低くてもよく、および/または、
    前記相変化材料の潜熱は、前記第1共晶溶液の潜熱よりも10kJ/kg以上、好ましくは20kJ/kg以上、より好ましくは30kJ/kg以上高くてもよい、
    請求項8記載の相変化材料。
  10. 前記第2塩に対する前記第1塩の重量比は、1.5:1から4:1、好ましくは2:1から3:1、より好ましくは2.25:1から2.75:1である、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の相変化材料。
  11. 前記3成分系塩水溶液は、前記第1塩と前記第2塩とを15重量%から35重量%、好ましくは20重量%から30重量%、より好ましくは22重量%から28重量%の合計量で含む、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の相変化材料。
  12. 前記3成分系塩水溶液は、前記相変化材料中に90重量%から97重量%、好ましくは92重量%から96.5重量%、より好ましくは93重量%から96重量%の量で存在する、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の相変化材料。
  13. 前記相変化材料は、水を60重量%以上、好ましくは65重量%以上、より好ましくは70重量%以上の量で含む、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の相変化材料。
  14. 前記ゲル化剤は、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、デンプン、およびキサンタンなどの有機ゲル化剤と、二酸化ケイ素と、これらの混合物と、から選択される、
    請求項1乃至13のいずれか一項に記載の相変化材料。
  15. 前記ゲル化剤は、前記相変化材料中に1重量%から8重量%、好ましくは2重量%から7重量%、より好ましくは3重量%から6重量%の量で存在する、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の相変化材料。
  16. 前記熱伝導性向上剤は、例えば、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ、および炭素繊維などの黒鉛である炭素系材料と、金属粉末などの金属系材料と、炭化物と、これらの組み合わせと、から選択される、
    請求項1乃至15のいずれか一項に記載の相変化材料。
  17. 前記熱伝導性向上剤は、前記相変化材料中に0.05重量%から2重量%、好ましくは0.1重量%から1重量%、より好ましくは0.25重量%から0.75重量%の量で存在する、
    請求項1乃至16のいずれか一項に記載の相変化材料。
  18. 前記核生成剤は、ホウ砂などのアイソタイプの核生成剤と、膨張計およびシリカなどの非アイソタイプの核生成剤と、これらの混合物と、から選択される、
    請求項1乃至17のいずれか一項に記載の相変化材料。
  19. 前記核生成剤は、前記相変化材料中に0.05重量%から2重量%、好ましくは0.1重量%から1重量%、より好ましくは0.25重量%から0.75重量%の量で存在する、
    請求項1乃至18のいずれか一項に記載の相変化材料。
  20. 前記相変化材料は、-70℃から0℃、好ましくは-40℃から-20℃、より好ましくは-26℃から-24℃の相変化温度を有する、
    請求項1乃至19のいずれか一項に記載の相変化材料。
  21. 前記相変化材料は、150kJ/kgより高い、好ましくは175kJ/kgより高い、より好ましくは200kJ/kgより高いエンタルピーの潜熱を有する、
    請求項1乃至20のいずれか一項に記載の相変化材料。
  22. 前記相変化材料は、有機酸と、有機酸無水物と、有機エステルと、を実質的に含有せず、好ましくは200Da未満の分子量を有する有機化合物を実質的に含有しない、
    請求項1乃至21のいずれか一項に記載の相変化材料。
  23. 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の相変化材料を調製する方法であって、
    前記相変化材料の全成分を混合する工程であって、好ましくは、ゲル化剤以外の前記相変化材料中の全成分の予備混合物を調製して、次いで、混合物に前記ゲル化剤を添加することにより、前記相変化材料の全成分を混合する工程、
    を含む、
    ことを特徴とする方法。
  24. 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の相変化材料と、
    前記相変化材料が内部に保持される、好ましくはプラスチック製の容器である容器と、
    を含む、
    ことを特徴とする保冷パック。
  25. 例えば、環境を-15℃から-40℃の温度に維持するための保冷材料としての請求項1乃至22のいずれか一項に記載の相変化材料の使用。
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