本出願は、2020年5月6日に中国国家知識産権局に出願され、「OPTICAL LENS, LENS MODULE, AND TERMINAL」と題された中国特許出願第200380470.0号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願の実施は、レンズ分野、具体的には、光学レンズ、レンズモジュール、および端末に関する。
現在、端末には、シーンごとに異なる光学レンズが装備されているため、さまざまなシーンで撮影が可能である。例えば、長焦点撮影を実現するために長焦点レンズを搭載した端末もある。しかし、長焦点撮影の効果を高めるために、光学レンズ内のレンズ素子の数が増加し、レンズ素子の厚みも増加する。その結果、光学レンズの厚さが増加する。光学レンズの厚さは、端末が薄くなるのを妨げる主な要因であることが多い。従って、光学レンズの長焦点効果を達成しながら、光学レンズの厚さを薄くする方法は、研究の焦点となった。
本出願の実施は、光学レンズ、光学レンズを含むレンズモジュール、及びレンズモジュールを含む端末を提供し、長焦点効果を達成しつつ、薄いレンズ素子及び薄い端末を有する光学レンズ及びレンズモジュールを得る。
第1の態様によれば、光学レンズが提供される。光学レンズは、複数の構成要素を含み、前記複数の構成要素は、被写体側から画像側に配置された第1の構成要素、第2の構成要素、第3の構成要素、および第4の構成要素を含み、前記構成要素の各々は、少なくとも1つのレンズ素子を含み、前記第1の構成要素は、正の屈折力を有し、前記第2の構成要素は、負の屈折力を有し、各レンズ素子は、前記被写体側に面する被写体側表面、および前記画像側に面する画像側表面を含む。前記光学レンズは、BFLが、前記光学レンズの背面焦点距離、すなわち、光学レンズの画像側に最も近いレンズ素子から光学レンズの画像側表面までの距離であり、TTLが、前記光学レンズの全トラック長、すなわち、光学レンズの被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から画像側表面までの全長、であるとして、
9.08≦BFL≦11.745;
および0.6≦BFL/TTL≦0.67
の関係を満たす。
なお、本出願のこの実施では、レンズ素子を境界として、被写体が位置する側を被写体側とし、レンズ素子上で、被写体側に面する表面を被写体側表面と称してもよく、レンズ素子を境界として、被写体がレンズによって撮像された後に得られる画像が位置する側を画像側として、レンズ素子上で、画像側に面する表面を画像側表面と称してもよい。
本出願のこの実施において、光学レンズの背面焦点距離(Back Focal Length、BFL)および全トラック長(Total Track Length、TTL)が上記の関係を満たす場合、光学レンズは、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができる。光学レンズの厚さは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さによって影響される。光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さがより大きい場合、光学レンズの厚さはより大きい。複数のレンズ素子の軸方向厚さは、複数のレンズ素子のうち、被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から、画像側に最も近いレンズ素子の画像側表面までの軸方向距離である。換言すれば、複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズの全トラック長と光学レンズの背面焦点距離との差である。本出願において、光学レンズは、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができるため、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)は、比較的小さく、さらに、光学レンズは、比較的小さな厚さを有することができる。光学レンズの厚さは、端末が薄くなることを妨げる主要な要因であることが多いため、本願では、光学レンズの厚さを比較的薄くすることにより、光学レンズを含む端末の厚さを比較的薄くすることができるようにすることも可能となり、光学レンズを含む端末を薄くすることが実施される。
いくつかの実施において、前記第1の構成要素の第1のレンズ素子は、正の屈折力を有し、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状又は凹状であり、前記光学レンズは、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第1の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
0.432≦fS1/f≦0.689
の関係を満たす。
この実施では、光学レンズの焦点距離に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲が指定され、またそれは、第1の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示しているため、光学レンズ内の入射光の量が十分であり得、良好な撮影効果が得られる。さらに、本実施では、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の光学レンズの焦点距離との比が上記の関係を満たす場合には、光学レンズの色収差を有利に補正することができ、その結果、光学レンズがより良好な画像を得ることができる。本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第1の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施において、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子は、RS11が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS12が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子であり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
-0.345≦RS11/RS12<0または0<RS11/RS12≦0.348;
且つ0.2≦dS1/Σd≦0.4
の関係を満たす。
前記では、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第1の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第1の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第2の構成要素の第1のレンズ素子は、負の屈折力を有し、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凹状であり、前記光学レンズは、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第2の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-7.559≦fS2/f≦-0.494
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第2の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズがより良好な画像を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するのに役立つ。さらに、本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第2の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、RS21が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS22が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
1<RS21/RS22≦3;
および0.1≦dS2/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記では、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第2の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第2の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第3の構成要素の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状であり、前記光学レンズは、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第3の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-15.2≦fS3/f≦7.3
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第3の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズがより大きな画像平面を捕捉することができるように、より大きな画像平面への光の発散を助け、それによって、画像品質を改善する。本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第3の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、RS31が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS32が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
0.66≦RS31/RS32<1.0;
および0.1≦dS3/Σd≦0.3
の関係を満たす。
前記では、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第3の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、第3の構成要素の第1のレンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第3の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第4の構成要素の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状又は凹状であり、前記光学レンズは、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第4の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-28≦fS4/f≦8
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第4の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学系の視野湾曲および非点収差を補正するのに役立ち、その結果、光学レンズはより良好な画像を得ることができる。また、本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第4の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子は、RS41が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS42が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
0.9≦RS41/RS42≦1.8;
および0.1≦dS4/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記では、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第4の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第4の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、vS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であるとして、
20.9≦vS1-vS2≦36.8;
-2.7≦vS1-vS3≦33.7;
および-2.7≦vS1-vS4≦27.2
の関係を満たす。
本出願では、異なる構成要素のレンズ素子のアッベ数が異なるため、構成要素のレンズ素子は異なる屈折率を有し、各レンズ素子は所望の光学効果を達成することができる。アッベ数の間の差異の前記の関係によって指定される範囲は、レンズ素子の間の協調を可能にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、より良好な撮像効果を有することができる。
いくつかの実施では、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の屈折率n1は、1.5≦n1≦1.9を満たす。
第1の構成要素の第1のレンズ素子は、他のいかなるレンズ素子よりも、光学レンズの被写体側に近い。被写体側に近いレンズ素子の方が光路調整作業が大変になるため、被写体側により近いレンズ素子が光学効果を調整する上でより重要である。前記の関係は、第1のレンズ素子の屈折率が比較的広い範囲内で選択され得ることを規定する。従って、より良い性能を有するより薄いレンズ素子がより容易に得られ、光学レンズはより良好な撮像効果を有することができる。これはまた、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さを減少させるのにも役立つ。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、TTL1が、前記光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さであり、MICが、前記光学レンズの最大画像円直径であるとして、
0.69≦TTL1/MIC≦0.76
の関係を満たす。
本実施における光学レンズの最大画像円直径に対する光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さの比の範囲は、前記の関係で指定されたが、本出願における光学レンズが比較的大きな画像高さを有し、より良好な撮像効果を達成することを可能にする。
いくつかの実施では、前記レンズ素子の少なくとも1つは、ガラスレンズ素子である。通常のレンズ素子の大部分はプラスチックレンズ素子または他の複合レンズ素子である。この実施において、複数のレンズ素子は、少なくとも1つのガラスレンズ素子を含む。ガラス材料からなるレンズ素子の屈折率が選択され得る範囲は、プラスチックレンズ素子の屈折率のそれよりも広い。従って、より良い性能を有するより薄いレンズ素子がより容易に得られる。これは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さを減少させるのに役立ち、光学レンズの薄型化が実現される。
第2の態様によれば、本出願は、感光性素子、駆動部、及び上記の光学レンズを含むレンズモジュールを提供し、ここで、前記感光性素子は、前記光学レンズの画像側に配置され、前記駆動部は、前記光学レンズを前記感光性素子と近づける又は離すように移動させるように駆動するように構成される。
本願のレンズモジュールは、光学レンズ及び感光性素子を含み、光学レンズが感光性素子に近接又は離間できるようになっている。レンズが動作すると、光学レンズを感光性素子から離すことができるので、感光性素子が光学レンズの画像平面上に位置し、撮影ができる。レンズモジュールが動作しない場合、光学レンズは移動され、光学レンズのレンズ素子は、感光性素子に近接して移動される、すなわち、複数のレンズ素子の少なくとも一部は、光学レンズが動作する背面焦点位置に配置される。この場合、レンズモジュールの厚さは、近似的に、光学レンズの厚さと感光性素子の厚さとの和であってもよい。通常のレンズモジュールの厚さ(通常のレンズモジュールの厚さは、光学レンズの厚さ、感光性素子の厚さ、及び背面焦点距離を含む必要がある)と比較すると、レンズモジュールの厚さは、大幅に薄くなり、主に光学レンズの厚さによって決まる。光学レンズの厚さは、主に、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)によって決定される。本出願では、複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)が比較的小さいため、レンズモジュールの厚さが更に薄くなる。また、本出願では、光学レンズの背面焦点距離が比較的長いため、レンズモジュールの厚さが比較的薄く、レンズモジュールの長焦点撮影効果が得られる。
第3の態様によれば、本出願は、端末を提供する。端末は、画像プロセッサとレンズモジュールとを含み、画像プロセッサは、レンズモジュールに通信可能に接続され、レンズモジュールは、画像データを取得し、画像データを画像プロセッサに入力するように構成され、画像プロセッサは、画像データを処理して画像プロセッサに出力するように構成される。
レンズモジュールが端末に適用され、レンズモジュールが動作しない場合には、光学レンズを移動させることができ、光学レンズのレンズ素子を感光性素子近傍に移動させることができる。すなわち、複数のレンズ素子の少なくとも一部は、光学レンズが動作する背面焦点位置に配置される。この場合、端末の厚さは、光学レンズおよび感光性素子の厚さとほぼ同じであってもよい。本出願における光学レンズの厚さは比較的小さいので、端末の厚さは比較的小さくすることができる。また、本出願のこの実施でのレンズモジュールは、長焦点撮影の効果を達成することができ、本出願における端末は、長焦点撮影シーンで使用することができる。
端末の構造の概略図である。
端末の別の構造の概略図である。
本出願の実施によるレンズモジュールの概略分解図である。
本出願の実施によるレンズモジュールの構造の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である
本出願の第7の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である
本出願の第9の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
以下では、添付の図面を参照して、本出願における実施形態の技術的解決策を記載する。
理解を容易にするために、以下では、まず、本出願で使用される技術用語について説明および記載する。
焦点距離(focal length):焦点距離(focal length)ともいう。光学系における光の集中または発散の尺度である。レンズ素子又はレンズ素子群を用いて、無限遠の被写体を画像平面上に鮮明な画像へ形成する場合に、レンズ素子又はレンズ素子群の光学中心から画像平面までの垂直距離のこと。固定焦点レンズの光学中心の位置は固定されているが、ズームレンズでは、レンズの光学中心の変化はレンズの焦点距離の変化をもたらす。
開口部:レンズを通過し、カメラの本体内の感光性表面に入射する光の量を制御するように構成された装置。通常はレンズ内にある。開口部のサイズを表すのにF値が使用される。
開口F値:レンズの焦点距離をレンズの開口径で割った相対値(口径比の逆数)である。開口F値がより小さいと、単位時間内の入射光がより多くなる。開口F値がより大きいと、被写界深度がより小さくなり、写真の背景の内容がぼやける。これは長焦点レンズの効果に似ている。
背面焦点距離(Back Focal Length,BFL):光学レンズの画像側に最も近いレンズ素子から光学レンズの画像平面までの距離のこと。
正の屈折力(Positive dioptric power):正の屈折力(positive refractive power)とも呼ばれ、レンズ素子が正の焦点距離を有し、集光効果を有することを意味する。
負の屈折力(Negative dioptric power):負の屈折力(negative refractive power)とも呼ばれ、レンズ素子が負の焦点距離を有し、光の発散効果を有することを意味する。
全トラック長(total track length,TTL):光学レンズの被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から画像平面までの全長であり、カメラの高さを形成する主要因である。
焦点比F#:焦点距離を開口部のサイズで割った値である。この値から、光学系における入射光の量を知ることができる。
アッベ数:分散係数である。異なる波長での光学材料の屈折率の変化の比であり、材料の分散度を表す。
視野(field of view,FOV):光学機器において、光学機器のレンズを頂点とし、ターゲット被写体をレンズを通して観察することができる最大範囲の2つのエッジによって形成される包含角度を視野と呼ぶ。視野のサイズは、光学機器の視界を決定する。視野が大きいほど、視界が広くなり、光学倍率が小さくなる。
光軸は、光が理想的なレンズ素子の中心を垂直に通過する線である。光軸に平行な光が凸レンズ素子に入射するとき、理想的な凸レンズならば、全ての光をレンズ素子の後ろの点に集中させる。全ての光が集中する点は焦点である。
被写体側:レンズ素子を境界とし、被写体が位置する側が被写体側である。
画像側:レンズ素子を境界とし、被写体の画像が位置する側が画像側である。
被写体側表面:レンズ素子上で、被写体側に近い表面を被写体側表面と呼ぶ。
画像側表面:レンズ素子上で、画像側に近い表面を画像側表面と呼ぶ。
レンズ素子を境界とし、撮影された被写体がある側が被写体側であり、レンズ素子上で、被写体側に近い表面を被写体側表面と呼ぶことができる。レンズ素子を境界とし、撮影された被写体の画像がある側が画像側であり、レンズ素子上で、画像側に近い表面を画像側表面と呼ぶことができる。
軸方向色収差:縦方向色収差、位置方向色収差、または軸方向収差とも呼ばれる。光軸に平行な光線は、レンズを通過した後、前後の異なる位置に収束する。この収差は、位置方向色収差または軸方向色収差と呼ばれる。これは、レンズが様々な波長の光に対して異なる撮像位置を有するためである。その結果、異なる色の光の画像のための画像平面は、最終的な撮像の間に重複することができず、多色光の発散によって分散が形成される。
横方向色収差:倍率色収差ともいう。光学系による異なる色の光の倍率の差は、倍率色収差と呼ばれる。波長によって光学系の倍率が変化し、それに応じて画像の大きさが変化する。
歪み(distortion):distortionとも呼ばれる。これは、被写体について光学系によって形成された画像の被写体自体と比べた歪みの程度である。停止球面収差の悪影響により、異なる視野の主光線が光学系を通過した後にガウス画像平面と交わる高さは、理想画像の高さと等しくなく、両者の差が歪みである。従って、歪みは、画像定義に影響を与えることなく、理想面上の軸外被写体点の撮像位置のみを変化させ、画像形状の歪みを生じさせる。
光学歪み(optical strain):光学理論の計算から得られる変形の程度。
回折限界(diffraction limit):回折限界が原因で、光学系で理想的な被写体点を撮像すると、理想的な画像点が得られず、フラウンホーファー回折画像が得られる。通常の光学系の開口部は円形であるため、フラウンホーファー回折画像はエアリーディスクである。従って、すべての被写体点の画像は錯乱円であり、2つの錯乱円が近いときには2つの混乱円を区別することは困難である。これは、システムの解像度を制限する。ディスクサイズがより大きいと、解像度はより低い。
複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1):光学レンズの軸と第1のレンズ素子の被写体側表面との交点から、光学レンズの軸と最後のレンズ素子の画像側表面との交点までの距離である。
本出願は、端末を提供する。端末は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、カムコーダ、ビデオレコーダ、カメラ、あるいは写真または動画を撮る機能を有する他の形態の装置であってもよい。端末は少なくとも1つの光学レンズを含み、光学レンズは長焦点レンズを含んでいるので、端末は長焦点撮影の効果を得ることができる。図1は、本出願の実施による端末1000の概略背面図である。この実施において、端末1000は、携帯電話である。本出願のこの実施では、端末1000の例として携帯電話を用いて説明する。
端末1000は、レンズモジュール100と、レンズモジュール100に通信可能に接続された画像プロセッサ200とを含む。レンズモジュール100は、画像データを取得し、画像プロセッサ200に画像データを入力するように構成され、画像プロセッサ200は、画像データを処理する。レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間の通信接続は、データ送信を実行するためのケーブル接続のような電気接続を含んでもよく、またはデータ送信を実施するための結合等を含んでもよい。レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間の通信接続は、データ送信を実現することができる他の方法でさらに実施されてもよいことが理解されよう。
画像プロセッサ200の機能は、一連の複雑な数学的アルゴリズム演算を介してデジタル画像信号に最適化処理を実行し、処理された信号をディスプレイに最終的に送信することである。画像プロセッサ200は、画像処理チップまたはデジタル信号処理(DSP)チップであってもよい。DSPチップの機能は、感光性チップによって得られたデータを迅速に中央処理装置に転送し、感光性チップをリフレッシュすることである。したがって、DSPチップの品質は、写真の品質(彩度や精細度など)に直接影響する。
図1に示す実施では、レンズモジュール100は、端末1000の背面に配置され、端末1000の背面レンズである。一部の実施では、レンズモジュール100は、代替的に、端末1000の前面に配置されてもよく、端末1000の前面レンズとして使用されることが理解されよう。前面レンズ及び後面レンズの両方が、自分を撮影するために使用されてもよく、撮影者が他の被写体を撮影するために使用されてもよい。
いくつかの実施では、複数のレンズモジュール100が存在する。ここで、「複数の」は、2つ以上を示す。異なるレンズモジュールの機能が異なっていてもよく、異なる撮影シーンを満たすことができる。例えば、いくつかの実施では、複数のレンズモジュールは、長焦点撮影と広角撮影の機能を別々に実現するために、長焦点レンズモジュール又は広角レンズモジュールを含む。図1に示す実施では、端末1000の2つの後面レンズが存在し、2つのレンズモジュール100は、それぞれ、普通のレンズモジュールおよび長焦点レンズモジュールである。通常のレンズモジュールは日常の一般的な撮影に適用でき、長焦点レンズモジュールは長焦点撮影が必要なシーンに適用できる。いくつかの実施では、複数の異なるレンズモジュール100はすべて、画像プロセッサ200に通信可能に接続されてもよく、その結果、画像プロセッサ200は、各レンズモジュール100によって撮影することによって得られた画像データを処理する。
図1に示す実施における端末1000のレンズモジュール100の取り付け位置は、一例に過ぎないことを理解されたい。他の実施では、レンズモジュール100は、代替的に、携帯電話の他の位置に取り付けられてもよい。例えば、レンズモジュール100は、携帯電話の背面の上部の真ん中または右上コーナーに取り付けることができる。代替的に、レンズモジュール100は、携帯電話の本体上に配置されず、携帯電話に対して移動または回転することができる構成要素上に配置されてもよい。例えば、構成要素は、携帯電話の本体から外部に延びることができ、後退することができ、または回転することができる。レンズモジュール100の取り付け位置は、本出願では限定されない。
図2を参照されたい。いくつかの実施では、端末1000は、さらに、アナログ-デジタル変換器(A/D変換器と称することもできる)300を含む。アナログ-デジタル変換器300は、レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間に接続される。アナログ-デジタル変換器300は、レンズモジュール100によって生成された信号をデジタル画像信号に変換し、デジタル画像信号を画像プロセッサ200に送信するように構成される。次いで、デジタル画像信号は画像プロセッサ200によって処理され、最後に、画像または写真が、ディスプレイスクリーンまたはディスプレイを使用して表示される。
いくつかの実施では、端末1000は、メモリ400をさらに含む。メモリ400は、画像プロセッサ200に通信接続される。画像プロセッサ200がデジタル画像信号を処理した後、画像プロセッサ200は、画像をメモリ400に送信し、画像を後で見る必要があるときには、画像をメモリからいつでも見つけてディスプレイスクリーンに表示することができるようにする。いくつかの実施では、画像プロセッサ200は、処理されたデジタル画像信号をさらに圧縮し、次いで、メモリ400のスペースを節約するために、画像をメモリ400に記憶させる。図2は、本出願のこの実施の構造の概略図に過ぎず、ここで、レンズモジュール100、画像プロセッサ200、アナログ-デジタル変換器300、メモリ400などの位置および構造が単なる例であることに留意されたい。
図3aを参照されたい。レンズモジュール100は、光学レンズ10と感光性素子20とを含む。感光性素子20は、光学レンズ10の画像側に配置されており、レンズモジュール100が動作すると、光学レンズ10を介して被写体が感光性素子20上に撮像される。具体的には、レンズモジュール100の動作原理は、以下の通りである:被写体から反射された光Lが光学レンズ10を通過し、光学像が生成されて感光性素子20の表面に投影される。感光性素子20は、光画像を電気信号、すなわちアナログ画像信号S1に変換し、変換によって得られたアナログ画像信号S1をアナログ-デジタル変換器300に送信することにより、アナログ-デジタル変換器300は、アナログ画像信号S1をデジタル画像信号S2に変換し、デジタル画像信号S2を画像プロセッサ200に送信する。
感光性素子20は、半導体チップであり、その表面は、数十万~数百万個のフォトダイオードを含む。感光性素子20は、光によって照明されると電荷を発生し、この電荷は、アナログ-デジタル変換器300によってデジタル信号に変換される。感光性素子20は、電荷結合素子(charge coupled device、CCD)であってもよいし、相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide semiconductor、CMOS)であってもよい。電荷結合素子CCDのときは、感光性素子20は、光感度の高い半導体材料からなり、光を電荷に変換することができ、アナログ-デジタル変換器300によって電荷をデジタル信号に変換する。CCDは、複数の感光性ユニットを含み、通常、単位としてメガピクセルを使用する。CCDの表面が光によって照らされると、各感光性ユニットは構成要素上の電荷を反射する。すべての感光性ユニットによって生成された信号は、完全な写真を形成するために一緒に加算される。相補型金属酸化物半導体CMOSは、主にシリコンとゲルマニウムの2つの元素からなる半導体を使用しており、CMOS上にN型(負に電荷)半導体とP型(正に電荷)半導体が共存している。2つの相補的効果によって生成された電流は、画像として処理チップによって記録され、デコードされ得る。
光学レンズ10は、撮像品質及び撮像効果に影響を及ぼす。光学レンズ10は、主にレンズ素子の屈折原理を用いて撮像を行う。具体的には、被写体からの光が光学レンズ10を通過して、画像平面上に鮮明な画像を形成し、その画像平面上に配置された感光性素子20を用いて、被写体の画像が記録される。画像平面とは、光学レンズ10によって撮像された後に被写体が撮像される平面を指す。光学レンズ10は、被写体側から画像側に配置された複数の構成要素を含み、各構成要素は、少なくとも1つのレンズ素子を含み、各構成要素における複数のレンズ素子の協働により、より良好な撮像効果を有する画像が形成される。被写体側は、被写体が位置する側であり、画像側は、画像平面が位置する側である。
本出願では、光学レンズ10は、固定焦点距離を有するレンズ又はズームレンズであってもよい。固定焦点距離を有するレンズは、光学レンズ10の焦点距離が固定されることを確実にするために、各構成要素におけるレンズ素子の位置が相対的に固定されることを意味する。ズームレンズは、各構成要素内のレンズ素子または構成要素間のレンズ素子が相対的に移動可能であり、光学レンズ10の焦点距離が、異なるレンズ素子の相対的な位置を移動させることによって変化することを意味する。
いくつかの実施では、光学レンズ10は、感光性素子20に対して軸方向に移動することができ、その結果、光学レンズ10は、感光性素子20に近接するか、または離れる。光学レンズ10が動作しない場合、すなわち、レンズモジュール100が画像や写真を撮影する必要がない場合には、レンズ素子が画像平面に近づくように、光学レンズ10を感光性素子20に向かって移動させることができ、また、光学レンズ10が動作する場合には、感光性素子20が光学レンズ10の画像平面上に位置して、撮影が実行できるように、光学レンズ10は感光性素子20から離れるように移動される。図1に示す実施では、長焦点レンズモジュールの光学レンズ10は、感光性素子20に対して移動可能である。長焦点レンズモジュールは、比較的長い背面焦点距離を有し、長焦点レンズモジュールの光学レンズの厚さは比較的小さいため、長焦点レンズモジュールが動作する必要がない場合には、長焦点レンズの光学レンズ10が感光性素子20に対して収縮した後、光学レンズ10は、光学レンズ10が動作する背面焦点スペースに実質的に収容され得るので、光学レンズ10を含む端末1000の厚さは、光学レンズ10の厚さと実質的に同じである。光学レンズ10の厚さと、光学レンズ10が動作する場合の光学レンズ10の背面焦点距離との和によって決定される厚さを有する通常の端末と比較すると、本出願のこの実施における端末1000はより薄くなり得るので、端末1000の薄型化が実現される。さらに、ペリスコープレンズモジュールとして配置される通常の長焦点レンズモジュールと比較すると、光学レンズは、光路を変化させるための屈折プリズムまたは反射器を備える必要がなく、それによって、生産プロセスにおける困難さを低減し、レンズモジュール100の構造を簡素化し、コストを低減する。また、レンズモジュールによって占有されるスペースを小さくすることができる。さらに、本実施では、レンズモジュール100の光路の方向は、端末1000の厚さ方向である、すなわち、レンズモジュール100のレンズ素子の光軸の方向は、端末1000の厚さ方向である。従って、ペリスコープレンズモジュールと比較して、レンズ素子が端末の厚さに適合するようにレンズ素子をカットする必要はない。従って、レンズモジュール100内の光束を改善することができ、レンズモジュール100の撮像品質を改善することができる。また、本出願のこの実施では、レンズモジュール100の光路方向が端末1000の厚さ方向であるため、感光性素子20がレンズモジュール100内に位置する平面は、端末1000の厚さ方向に垂直である。感光性素子20が位置する平面が端末の厚さ方向に平行であるため、感光性素子20のサイズが比較的小さく端末の厚さに合わせているペリスコープレンズモジュールと比較すると、本実施におけるレンズモジュール100の感光性素子20のサイズを大きくすることができる。従って、レンズモジュール100は、より良好な撮像品質を有することができ、また、レンズモジュール100の振動の影響下で、比較的高い撮影速度を有することもできる。
光学レンズ10がズームレンズであり、光学レンズ10の焦点距離が変化する場合、光学レンズ10を感光性素子20に対して軸方向に移動させて、光学レンズ10が任意の焦点距離でより良好な撮像を行うことができることを理解することができよう。
図3bを参照されたい。いくつかの実施では、レンズモジュール100は、駆動部40を含む。駆動部40は、1つ以上の駆動部材を含む。駆動部40の駆動部材は、光学レンズ10を駆動して焦点合わせ及び/又は光学画像安定化を行うのに使用され得、及び/又は駆動部40は、光学レンズ10を駆動して感光性素子20に対して軸方向に移動させるのに使用され得る。したがって、光学レンズ10を使用しない場合には、レンズ素子群を感光性素子20の近傍に移動させることができ、光学レンズ10を使用して撮影する必要がある場合には、レンズ素子群を感光性素子20から離す方向に撮影位置まで移動させることができる。駆動部40が光学素子を駆動して焦点合わせを行うと、駆動部材は、光学レンズ10のレンズ素子を駆動して、焦点合わせを行うための相対運動を行う。駆動部40が光学素子を駆動して光学画像安定化を行うと、光学レンズ10が駆動されて感光性素子20に対して移動又は回転され、及び/又は光学レンズ10のレンズ素子が駆動されて互いに相対的に移動又は回転され、光学画像安定化を実現する。駆動部40は、モータ又はモータのような駆動構造であってもよい。
いくつかの実施では、レンズモジュール100は、ホルダ50(holder)、赤外線カットオフフィルタ30、及びラインボード60のような構造をさらに含む。光学レンズ10は、さらに、レンズ鏡筒10aを含み、光学レンズ10の各構成要素のレンズ素子は、レンズ鏡筒10aに固定され、レンズ鏡筒10aに固定されたレンズ素子は、同軸上に配置される。
感光性素子20は、接着、表面取り付け等の方法でラインボード60上に固定されている。さらに、アナログ-デジタル変換器300、画像プロセッサ200、メモリ400なども、接着、表面取り付けなどの方法でラインボード60に固定される。従って、感光性素子20、アナログ-デジタル変換器300、画像プロセッサ200、メモリ400等の間の通信接続は、ラインボード60を用いて実現される。いくつかの実施では、ホルダは、ラインボード60上に固定される。ラインボード60は、フレキシブルプリント回路(flexible printed circuit、FPC)またはプリント回路基板(printed circuit board、PCB)であってもよく、電気信号を送信するように構成される。FPCは、片面フレキシブル基板、両面フレキシブル基板、多層フレキシブル基板、剛性フレキシブル基板、ハイブリッド構造のフレキシブル回路基板などであってもよい。レンズモジュール100に含まれる他の要素は、本明細書では詳細に説明しない。
いくつかの実施では、赤外線カットオフフィルタ30は、ラインボード60上に固定されてもよく、光学レンズ10と感光性素子20との間に配置される。光学レンズ10を通過する光は、赤外線カットオフフィルタ30を照射し、赤外線カットオフフィルタ30を通って感光性素子20に透過される。赤外線カットオフフィルタは、感光性素子20に投射される不要な光を除去し、感光性素子20の有効解像度と色復元を向上させるために、感光性素子20が偽色やリップルを発生させないようにすることができる。いくつかの実施では、赤外線カットオフフィルタ30は、代わりに、画像側に面する光学レンズ10の一端に固定されてもよい。
いくつかの実施では、ホルダ50はラインボード60上に固定されており;光学レンズ10、赤外線カットオフフィルタ30、及び感光性素子20は、全てホルダ50に収容されており;感光性素子20、赤外線カットオフフィルタ30、及び光学レンズ10は、順に、ラインボード60上に積層されるため、光学レンズ10を通過する光は、赤外線カットオフフィルタ30を照射することができ、赤外線カットオフフィルタ30を通って感光性素子20に透過され得る。光学レンズ10のレンズ鏡筒10aは、ホルダ50に接続されており、ホルダ50に対して移動することができ、そのため、光学レンズ10と感光性素子20との距離を変化させることができる。具体的には、本出願のいくつかの実施において、ホルダ50は、固定用筒51を含む。固定用筒51の内壁には内ねじが設けられ、レンズ鏡筒10aの外壁には外ねじが設けられている。レンズ鏡筒10aと固定用筒51とは、ねじ接続されている。レンズ鏡筒10aは、駆動部40の駆動部材によって回転駆動されて、レンズ鏡筒10aは、固定用筒51に相対的に軸方向に移動し、光学レンズ10のレンズ素子が感光性素子20に接近又は離間するようになっている。また、レンズ鏡筒10aは、別の方法でホルダ50に接続され、ホルダ50に対して移動することができることが理解されよう。例えば、レンズ鏡筒10aとホルダ50はスライドレールで接続されている。いくつかの実施では、光学レンズ10のレンズ素子は、レンズ鏡筒10a内に配置され、レンズ鏡筒10aに対して移動することができるので、異なるレンズ素子が互いに相対的に移動して焦点合わせを行うことができる。
本出願のこの実施では、レンズモジュール100が動作しない場合には、光学レンズ10のレンズ素子を感光性素子20の近傍に移動させて、端末1000の厚さを光学レンズ10の厚さ(つまり、軸方向の光学レンズ10のサイズ)に感光性素子20の厚さを加えたものに近づけることができる。したがって、端末1000をより薄くするために、光学レンズ10の厚さをできるだけ薄くすることができる。しかしながら、複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)が、基本的に光学レンズ10の厚さを決定する。従って、光学レンズ素子の背面焦点距離(BFL)及び光学レンズ素子の複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)を調整することにより、背面焦点距離(BFL)を増加させ、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)を減少させ、それによって、光学レンズ10の厚さを減少させ、最終的に、端末1000の厚さを減少させることができる。
本出願のいくつかの実施において、本出願における光学レンズ10の複数の構成要素は、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4を含み、構成要素の各々は、少なくとも1つのレンズ素子を含む。各構成要素のレンズ素子は、同軸に配置される。各レンズ素子は、被写体側に面する被写体側表面と、画像側に面する画像側表面とを含む。本出願のレンズ素子は、すべて正の屈折力または負の屈折力を有するレンズ素子であり、平坦なミラーがレンズ素子間に挿入される場合、平坦なミラーは、本出願の光学レンズ10のレンズ素子とはみなされないことが理解されよう。例えば、第1の構成要素S1が第1のレンズ素子と第2のレンズ素子とを有し、第1のレンズ素子と第2のレンズ素子との間に平坦なミラーが挿入されている場合には、第1の構成要素S1は3つのレンズ素子を有しているとはみなすことはできず、平坦なミラーは、第1の構成要素S1の第3のレンズ素子としてはみなされない。
本出願では、光学レンズ10は以下の関係を満たす:
9.08≦BFL≦11.745;
0.6≦BFL/TTL≦0.67
ここで、BFLは光学レンズ10の背面焦点距離であり、TTLは光学レンズ10の全トラック長である。
本出願の実施において、光学レンズ10の背面焦点距離(Back Focal Length、BFL)および全トラック長(Total Track Length、TTL)が前記の関係を満たす場合、光学レンズ10は、比較的長い背面焦点距離を有することができる。光学レンズ10の厚さは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)に影響される。光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向の厚さが大きいほど、光学レンズ10の厚さは大きくなる。複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズ10の複数のレンズ素子において、レンズ素子の被写体側表面から被写体側に最も近い画像側表面までの軸方向距離である。換言すれば、複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズ10の全トラック長と光学レンズの背面焦点距離との差である。本出願において、光学レンズ10は、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができるため、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)は比較的小さく、さらに、光学レンズ10は、比較的小さな厚さを有することができる。光学レンズ10の厚さは、端末1000を薄くすることを妨げる主な要因であることが多いため、本願では、光学レンズ10の厚さを比較的薄くすることにより、光学レンズ10を含む端末1000の厚さを比較的薄くすることができる。
具体的には、この実施では、光学レンズ10の背面焦点距離BFLは、9.08mm≦BFL≦11.745mmを満足し、通常の光学レンズ10の背面焦点距離(一般に6mm未満)よりもはるかに大きい。したがって、光学レンズ10を含むレンズモジュール100は、より良好な長焦点撮影の効果を達成することができる。光学レンズ10の背面焦点距離と光学レンズ10の全トラック長とは、0.6≦BFL/TTL≦0.67の関係を満たす、すなわち、光学レンズ10の全トラック長に対する割合が比較的高い。したがって、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さに対する光学レンズ10の背面焦点距離の比は比較的小さく、光学レンズ10のレンズ厚さは比較的小さくすることができ、光学レンズ10を含む端末の厚さは比較的薄い。
本願においては、光学レンズ10の異なる構成要素(第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4を含む)は、異なる光学特性を有し、光学レンズ10は、異なる光学特性を有する構成要素間の協働により、長い背面焦点距離及び薄い厚さを有するため、光学レンズ10の撮像効果が向上する。本出願のいくつかの実施では、第1の構成要素S1は正の屈折力を有し、光学レンズ10がより良好な撮影効果を得ることができるように、集光及び色収差補正に主として使用され、第2の構成要素S2は負の屈折力を有し、光学レンズ10がより大きな開口部を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するために主として使用され、第3の構成要素S3は正の屈折力又は負の屈折力を有し、主として光をより大きな画像平面に発散させてより大きな画像高さを得るために使用され、第4の構成要素S4は正の屈折力又は負の屈折力を有し、主として光学系の視野湾曲及び乱視を補正し、より良好な画像を得るために使用される。
本出願では、各構成要素のレンズ素子は、異なる光学特性を有する。従って、構成要素は所望の光学特性を得ることができ、構成要素は互いに協働し、光学レンズ10は、背面焦点距離が長く、厚みが小さく、光学レンズ10は、より良好な撮像効果を有する。
本出願のいくつかの実施において、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、正の屈折力を有し、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸付近で凸であり、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸付近で凸又は凹であり、光学レンズ10は、次の関係を満たす:
0.432≦fS1/f≦0.689
ここで、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、光学レンズ10の被写体側に最も近い第1の構成要素S1のレンズ素子であり、fS1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fは、光学レンズ10の全焦点距離である。
この実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲が、指定され、そして第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の集光能力を示すことにより、光学レンズ10への入射光量が十分であり、良好な撮影効果が得られる。また、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比が前記の関係を満たす場合には、光学レンズ10の色収差を有利に補正することができ、光学レンズ10がより良好な撮像を得ることができる。この実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比が、前述の関係によって指定され、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び薄い厚さを有する。
本出願のいくつかの実施において、光学レンズ10は、さらに、以下の関係式を満足する:
-0.345≦RS11/RS12<0または0<RS11/RS12≦0.348;
且つ0.2≦dS1/Σd≦0.4
ここで、RS11は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径、RS12は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径、dS1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向厚さであり、Σdは、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向厚さの和である。
前記の関係式では、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。
第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、負の屈折力を有し、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凹状であり、光学レンズ10は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子が、第2の構成要素S2の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-7.559≦fS2/f≦-0.494
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズ10がより良好な画像を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するのに役立つ。さらに、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
光学レンズ10は、RS21が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS22が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
1<RS21/RS22≦3;
および0.1≦dS2/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記では、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凸状であり、光学レンズ10は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子が、第3の構成要素S3の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-15.2≦fS3/f≦7.3
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズ10がより大きな画像平面を捕捉することができるように、より大きな画像平面への光の発散を助け、それによって、画像品質を改善する。本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
本出願のいくつかの実施では、光学レンズ10は、RS31が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS32が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
0.66≦RS31/RS32<1.0;
および0.1≦dS3/Σd≦0.3
の関係を満たす。
前記の関係は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性を示しており、その結果、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことを可能にすることにより、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、正の屈折力を有し、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、光学レンズ10は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子が、第4の構成要素S4の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-28≦fS4/f≦8
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学系の視野湾曲および非点収差を補正するのに役立ち、その結果、光学レンズ10はより良好な画像を得ることができる。また、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
光学レンズ10は、RS41が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS42が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
0.9≦RS41/RS42≦1.8;
および0.1≦dS4/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記では、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さは薄くなる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことを可能にすることにより、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことが可能になる。
本出願のいくつかの実施では、vS1が、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数であるとして、光学レンズ10の第1の構成要素S1の第1のレンズ素子、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子、および第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、さらに、
20.9≦vS1-vS2≦36.8;
-2.7≦vS1-vS3≦33.7;
および-2.7≦vS1-vS4≦27.2
の関係を満たす。
前記の関係は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第2の構成要素S2の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第3の構成要素S3の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲、及び第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第4の構成要素S4の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲を指定する。異なる構成要素のレンズ素子のアッベ数が異なるため、それら構成要素のレンズ素子は異なる屈折率を有し、各レンズ素子は所望の光学効果を達成することができる。レンズ素子のアッベ数の差の範囲は、前記の関係によって指定されるが、それらは、レンズ素子の間の協調を可能にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、より良好な撮像効果を有することができる。
本出願のいくつかの実施では、光学レンズ10の各構成要素の各レンズ素子は、プラスチック材料、ガラス材料、又は別の複合材料で作ることができる。ガラス材料からなるレンズ素子の屈折率n1が選択できる範囲は、プラスチックレンズ素子のそれよりも広い。したがって、より良い性能を有するより薄いレンズ素子が、より容易に得られる。これにより、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さTTL1が薄くなり、光学レンズ10を薄くすることができる。
本出願のいくつかの実施において、光学レンズ10の第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、ガラス材料製であり、その屈折率n1は、1.5≦n1≦1.9を満たす。この実施では、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の屈折率n1を選択できる範囲が比較的大きい。従って、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の厚さが比較的小さい場合には、より良好な集光効果を達成することができる。光学レンズ10内では、レンズ素子が被写体側または画像側により近いほど、光路調整作業が大変になるため、光学効果の調整には、被写体側または画像側により近いレンズ素子の方が重要である。従って、本出願のいくつかの実施では、ガラス材料で作られたレンズの使用を最小限に抑えつつ、ガラス材料で作られた第1のレンズ素子11を使用することにより、最良の撮影効果を達成することができる。第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、代替的に、プラスチック材料または他の複合材料から作製されてもよいことが理解されよう。
本出願のいくつかの実施では、本出願における光学レンズ10が比較的大きな画像高さを有し、より良好な撮像効果を達成することができるように、光学レンズ10は、さらに、0.69≦TTL1/MIC≦0.76を満たす。ここで、TTL1は、複数のレンズ素子の軸方向の厚さであり、MICは、光学レンズ10の最大画像円直径である。
本出願のいくつかの実施では、各レンズ素子の画像側表面及び被写体側表面は、ともに非球面であり、各レンズ素子の画像側表面及び被写体側表面は、次式を満足する:
ここで、xは非球面サジッタ、rは非球面半径座標、cは非球面頂点の球面曲率、Kは二次表面定数、a
mは非球面係数であり、また、
である。ここで、r
maxは半径座標の最大値である。
前記の関係を用いて、異なる非球面レンズ素子を求め、その結果、異なるレンズ素子が異なる光学効果を達成することができる。従って、様々な非球面レンズ素子の協調によって良好な撮影効果が得られる。
本出願のいくつかの実施で提供される関係及び範囲に基づいて、各構成要素におけるレンズ素子の構成モード及び特定の光学設計を有するレンズ素子の組み合わせは、光学レンズ10が、光学レンズの長い背面焦点距離及び比較的小さな厚さに関する要件を満たし、比較的高い撮像性能を達成することを可能にする。
以下では、図4から図43を参照して、本出願の実施のいくつかの具体的ではあるが非限定的な例をより詳細に説明する。
図4は、本出願の第1の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、4つの構成要素を含み、それらは、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含み、構成要素のレンズ素子は、同軸上に配置される。第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11を含み、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、第1のレンズ素子11であり、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、第2のレンズ素子12であり、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、第3のレンズ素子13であり、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第4のレンズ素子14である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹面であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸面である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
以上の関係に基づき、本出願の第1の実施における設計パラメータを以下の表1に示す。
表中の記号の意味は以下のとおりである:
RS11:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含んでいるので、RS11は、第1のレンズ素子11の被写体側表面の曲率半径である。
RS12:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、RS21は、第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径である。
RS21:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含んでいるので、RS21は、第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径である。
RS22:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、RS22は、第2のレンズ素子12の画像側表面の曲率半径である。
RS31:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含んでいるので、RS31は、第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径である。
RS32:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むため、RS32は、第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径である。
RS41:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含んでいるので、RS41は、第4のレンズ素子14の被写体側表面の曲率半径である。
RS42:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、RS42は、第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径である。
n1:第1のレンズ素子11の屈折率。
v1:第1のレンズ素子11のアッベ数。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、v1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子のアッベ数vS1である。
v2:第2のレンズ素子12のアッベ数。この実施において、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、v2は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数vS2である。
v3:第3のレンズ素子13のアッベ数。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、v3は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数vS3である。
v4:第4のレンズ素子14のアッベ数。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、v4は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。
f:光学レンズ10の合計焦点距離。
fS1:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、fS1は、第1のレンズ素子11の焦点距離である。
fS2:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、fS2は、第2のレンズ素子12の焦点距離である。
fS3:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、fS3は、第3のレンズ素子13の焦点距離である。
fS4:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施において、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、fS4は、第4のレンズ素子14の焦点距離である。
d1:第1のレンズ素子11の軸方向厚さ。
d2:第2のレンズ素子12の軸方向厚さ。
d3:第3のレンズ素子13の軸方向厚さ。
d4:第4のレンズ素子14の軸方向厚さ。
この実施における光学レンズ10は、第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14のみを含むので、光学レンズ10の4つの構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの合計は、Σd=d1+d2+d3+d4である。
dS1:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、dS1は、第1のレンズ素子11の軸方向厚さである。
dS2:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、dS2は、第2のレンズ素子12の軸方向厚さである。
dS3:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施において、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、dS3は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さである。
dS4:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施において、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、dS4は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さである。
TTL1:光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ、すなわち、第1の構成要素S1のうち被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から、第4の構成要素S4のうち画像側に最も近いレンズ素子の画像側表面までの軸方向厚さである。
MIC:光学レンズ10の最大画像円直径。
特記しない限り、上記記号の意味は本出願において同一であることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
表2は、本出願のこの実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表3は、本出願の第1の実施における、光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
表中の記号の意味は以下のとおりである:
R1:第1のレンズ素子11の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含んでいるので、R1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS11である。
R2:第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むため、R1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS12である。
R3:第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むため、R3は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS21である。
R4:第2のレンズ素子12の画像側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、R4は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS22である。
R5:第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むため、R5は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS31である。
R6:第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含んでいるので、R6は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS32である。
R7:第4のレンズ素子14の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、R7は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS41である。
R8:第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、R6は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS42である。
a1:第1のレンズ素子11の画像側表面から第2のレンズ素子12の被写体側表面までの軸方向距離。
a2:第2のレンズ素子12の画像側表面から第3のレンズ素子13の被写体側表面までの軸方向距離。
a3:第3のレンズ素子13の画像側表面から第4のレンズ素子14の被写体側表面までの軸方向距離。
a4:第4のレンズ素子14の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離。
n2:第2のレンズ素子12の屈折率。
n3:第3のレンズ素子13の屈折率。
n4:第4のレンズ素子14の屈折率。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、a1、a2、a3、a4、n2、n3、およびn4を除き、表3のすべての記号は表1のものと同じである。特記しない限り、上記記号の意味は本出願において同一であることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
正/負の曲率半径は、光学面が、被写体側に凸状、又は画像側に凸状であることを示すことに留意されたい。光学表面(被写体側表面又は画像側表面を含む)が被写体側に凸状である場合、光学表面の曲率半径は正の値となり、あるいは光学表面(被写体側表面又は画像側表面を含む)が画像側に凸状である場合―――それは、光学表面が被写体側に凹状であることを意味するが―――、光学面の曲率半径は負の値となる。
表4は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
Kは2次の表面定数であり、A0、A1、A2、A3、A4、A5などの記号は多項式ファクターを示す。表中のパラメータは、科学的な表記法で表されていることに注意すべきである。たとえば、-1.07E-01は-1.07×10-1を、-4.11E-02は-4.11×10-2を意味する。特に断らない限り、K、A0、A1、A2、A3、A4、およびA5のような記号の意味は、本出願において同じであることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、アパーチャストップからの光の発生角度を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実現可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみを提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図5~図7は、第1の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図5は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第1の実施で光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図5において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、軸方向収差(単位:ミリ秒)を表す。図5から分かるように、この実施における軸方向収差は、非常に小さな範囲内で制御される。
図6は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第1の実施における光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図6において、垂直座標は視野を度(°)の単位で表し、水平座標は回折限界範囲をミクロン(μm)の単位で表す。図6の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、第1の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に回折限界内であり、すなわち、第1の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図7は、波長555nmの光が第1の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それによって撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示す。図7の左側の図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図7の右側の図は、波長555nmの光が第1の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下だと肉眼で認識不可能)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.08mmであり、全トラック長TTLは15.13mmである。この場合、TTL1の長さは6.05mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.05mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図8は、本出願の第2の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13を含み、第4の構成要素S4は第4のレンズ素子14を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
前記の関係に基づき、本出願の第2の実施における設計パラメータを以下の表5に示す。パラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照されたい。
表6は、本出願の第2の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表7は、本出願の第2の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表8は、本実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実現可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供される。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図9~図11は、第2の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。図9~図11は、第2の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図9は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第2の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図9において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図9から分かるように、この実施における軸方向収差は、非常に小さな範囲内で制御される。
図10は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第2の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図10におい(て、垂直座標は角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は回折限界範囲(ミクロンμm)の単位)を表す。図10の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、第2の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にあり、すなわち、各波長の光が第2の実施における光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図11は、波長555nmの光が第2の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それによって撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示す。図11の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図11の右側の図は、波長555nmの光が第2の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、本実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲内で歪みを制御し(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲である)、すなわち、光学レンズ素子は、高品質の撮像効果を達成することができる。
この実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.63mmであり、全トラック長TTLは16.05mmである。この場合、TTL1の長さは6.42mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.42mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図12は、本出願の第3の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13を含み、第4の構成要素S4は第4のレンズ素子14を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第4のレンズ素子14の画像平面は、軸線付近で凸状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
前記の関係に基づき、本出願の第3の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表9に示す。パラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表10は、本出願の第3の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表11は、本出願の第3の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表12は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施の光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実施可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されている。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図13~図15は、第3の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第3の実施における光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図13において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図13から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図14は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図14において、垂直座標は角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図14の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は回折限界内にある。すなわち、各波長の光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図15は、波長555nmの光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図15の右側の図は、波長555nmの光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲内(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)で歪みを制御する。
この実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは11.745mmであり、全トラック長TTLは11.530mmである。この場合、TTL1の長さは5.785mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.785mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図16は、本出願の第4の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第4の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表13に示す。
この実施では、d5は、第5のレンズ素子15の軸方向の厚さを示す。第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第5のレンズ素子15である。したがって、dS4は、第5のレンズ素子15の軸方向厚さd5であり、RS41は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径であり、RS42は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径であり、v5は、第5のレンズ素子15のアッベ数を示し、すなわち、v5は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施における光学レンズ10の4つの構成要素は、第1のレンズ素子11と、第2のレンズ素子12と、第3のレンズ素子13と、第4のレンズ素子14と、第5のレンズ素子15とを含むので、光学レンズ10の4つの構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和は、Σd=d1+d2+de+d4+d5である。この実施の他のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表14は、本出願の第4の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表15は、本出願の第4の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施では、R9は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径を示し、R10は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径を示し、d5は、第5のレンズ素子15の軸方向厚を示し、a4は、第4のレンズ素子14の画像側表面から第5のレンズ素子15の被写体側表面までの軸方向距離を示し、a5は、第5のレンズ素子15の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離を示す。表中の他の記号の意味は、表3に示すものと同じである。
表16は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
R9は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径を示し、R10は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径を示す。表16の他の記号の意味は表4と同じである。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施のレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
なお、本実施のレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図17~図19は、第4の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図17は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第4の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図17において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図17から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図18は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図18において、垂直座標は、角度(°)単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)単位)を表す。図18の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図19は、波長555nmの光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、光が光学レンズ10を通過した後のと理想的な形状との差を示すために使用される。図19の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図19の右側の図は、波長555nmの光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.686mmであり、全トラック長TTLは15.879mmである。この場合、TTL1の長さは6.193mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.193mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図20は、本出願の第5の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第5の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表17に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表18は、本出願の第5の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表19は、本出願の第5の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表20は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図21から図23は、第5の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図21は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第5の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図21において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図21から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図22は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第5の実施で光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図22において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図22の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図23は、波長555nmの光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示すために使用される。図23の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図23の右側の図は、波長555nmの光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは10.20mmであり、全トラック長TTLは15.938mmである。この場合、TTL1の長さは5.738mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.738mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図24は、本出願の第6の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第2のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第6の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表21に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表22は、本出願の第6の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表23は、本出願の第6の実施における、光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表24は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図25~図27は、第6の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図25は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第6の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図25において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図25から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図27は、波長555nmの光が第6の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図27の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図27の右側の図は、波長555nmの光が第6の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは10.20mmであり、全トラック長TTLは15.938mmである。この場合、TTL1の長さは5.738mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.738mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図28は、本出願の第7の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第4のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第7の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表25に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表26は、本出願の第7の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表27は、本出願の第7の実施における、光学レンズ100の各レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表28は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施ではレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
なお、本実施ではレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実施することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図29~図31は、第7の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図29は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第7の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図29において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図29から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図30は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図30において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図30の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図31は、波長555nmの光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図31の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図31の右側の図は、波長555nmの光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.6mmであり、全トラック長TTLは16mmである。この場合、TTL1の長さは6.4mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.4mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図32は、本出願の第8の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第5のレンズ素子15は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第8の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表29に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表30は、本出願の第8の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表31は、本出願の第8の実施における、光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表32は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図33~図35は、第8の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図33は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第8の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図33において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図33から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図34は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図34において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図34の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図35は、波長555nmの光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図35の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図35の右側の図は、波長555nmの光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.39mmであり、全トラック長TTLは15.65mmである。この場合、TTL1の長さは6.29mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.29mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図36は、本出願の第9の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、及び第2の構成要素S2のいずれもが、1つのレンズ素子を含み、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4のいずれもが、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15及び第6のレンズ素子16を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有する。第6のレンズ素子16は、負の屈折力を有し、第6のレンズ素子16の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第6のレンズ素子16の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第9の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表33に示す。
この実施において、d6は、第5のレンズ素子16の軸方向の厚さを示す。第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第5のレンズ素子15である。したがって、dS4は、第5のレンズ素子15の軸方向厚さであり、RS41は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径であり、RS42は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径であり、v5は、第5のレンズ素子15のアッベ数を示し、すなわち、v5は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施における光学レンズ10の4つの構成要素は、第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16を含むので、光学レンズ10の4つの構成要素におけるすべてのレンズ素子の軸方向の厚さの合計は、Σd=d1+d2+d3+d4+d5+d6である。本実施における他のパラメータの意味については、第4の実施における関連記述を参照されたい。
表34は、本出願の第9の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表35は、本出願の第9の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施において、R11は、第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、R12は、第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示し、d6は、第6のレンズ素子16の軸方向の厚さを示し、a5は、第5のレンズ素子15の画像側表面から第6のレンズ素子16の被写体側表面までの軸方向距離を示し、a6は、第6のレンズ素子16の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離を示す。表中の他の記号の意味については、第4の実施の関連記述を参照のこと。
表36は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
R11は、第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、R12は、第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示す。表36の他の記号の意味は、表16のものと同じである。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、および第6のレンズ素子16を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15及び第6のレンズ素子16は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図37~図40は、第9の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図37は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第9の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図37において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図37から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図38は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図38において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図38の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図39は、波長555nmの光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図39の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図39の右側の図は、波長555nmの光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは7.838mmであり、全トラック長TTLは15.389mmである。この場合、TTL1の長さは7.531mmである。この場合、端末1000の厚さは、7.531mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図40は、本出願の第10の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4のいずれもが、1つのレンズ素子を含み、第1の構成要素S1、及び第3の構成要素S3のいずれもが、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2は第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3は第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15を含み、第4の構成要素S4は第6のレンズ素子16を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12は、セメント接合されて、接合レンズ素子(HIG1)を形成する。第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、同一の材料又は異なる材料で作ることができる。第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を一緒にセメント接合することにより、セメント接合レンズ素子の屈折率及びアッベ数の範囲をより大きくすることができ、その結果、より良い性能を有するより薄いレンズ素子をより容易に得ることができる。
この実施において、第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、二重セメント接合されたガラス材料で作られている。第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12をセメント接合することによって形成された接合レンズ素子は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有する。第6のレンズ素子16は、負の屈折力を有し、第6のレンズ素子16の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第6のレンズ素子16の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第10の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表37に示す。
本実施では、第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2は第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3は第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15を含み、第4の構成要素S4は第6のレンズ素子16を含む。したがって、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、第1のレンズ素子11であり、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、第3のレンズ素子13であり、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、第4のレンズ素子14であり、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第6のレンズ素子16である。したがって、dS2は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さd3を示し、dS3は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さd4を示し、dS4は、第6のレンズ素子16の軸方向厚さd6を示す。従って、dS2は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さd3を示し、dS3は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さd4を示し、dS4は、第6のレンズ素子16の軸方向厚さd6を示す。RS21は第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径を示し、RS22は第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径を示し、RS31は第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径を示し、RS32は第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径を示し、RS41は第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、RS42は第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示す。v3は第3のレンズ素子13のアッベ数を示し、v3は第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数vS2である。v4は第4のレンズ素子14のアッベ数を示し、v4は第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数vS3である。v6は第6のレンズ素子16のアッベ数を示し、v6は第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施の他のパラメータの意味については、第9の実施の関連記述を参照のこと。
表38は、本出願の第10の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表39は、本出願の第10の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施では、第1のレンズ素子11の画像側表面と第2のレンズ素子12の被写体側表面とがセメント接合されて接合レンズ素子を形成するため、第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径R2は、第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径R3と同一である。第1のレンズ素子11の画像側表面から第2のレンズ素子12の被写体側表面までの軸方向距離a1は0であるため、表には示していない。この実施の他のパラメータの意味については、第9の実施の関連記述を参照のこと。
表40は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、および第6のレンズ素子16を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。さらに、第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12とをセメント接合して2重接合レンズ素子にすることによって、接合レンズ素子の反射数やアッベ数の範囲がより大きくなり、より良い性能を有するより薄いレンズ素子をより容易に得ることができる。第3のレンズ素子13は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第6のレンズ素子16は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみが本明細書で提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図41~図43は、第10の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図41は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第10の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図41において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図41から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図42は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図42において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図42の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図43は、波長555nmの光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図43の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図43の右側の図は、波長555nmの光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.4mmであり、全トラック長TTLは15.932mmである。この場合、TTL1の長さは6.53mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.53mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実施であるが、本出願の保護範囲を制限することを意図するものではない。本出願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更又は代替は、本出願の保護範囲に含まれる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
本出願の実施は、レンズ分野、具体的には、光学レンズ、レンズモジュール、および端末に関する。
現在、端末には、シーンごとに異なる光学レンズが装備されているため、さまざまなシーンで撮影が可能である。例えば、長焦点撮影を実現するために長焦点レンズを搭載した端末もある。しかし、長焦点撮影の効果を高めるために、光学レンズ内のレンズ素子の数が増加し、レンズ素子の厚みも増加する。その結果、光学レンズの厚さが増加する。光学レンズの厚さは、端末が薄くなるのを妨げる主な要因であることが多い。従って、光学レンズの長焦点効果を達成しながら、光学レンズの厚さを薄くする方法は、研究の焦点となった。
本出願の実施は、光学レンズ、光学レンズを含むレンズモジュール、及びレンズモジュールを含む端末を提供し、長焦点効果を達成しつつ、薄いレンズ素子及び薄い端末を有する光学レンズ及びレンズモジュールを得る。
第1の態様によれば、光学レンズが提供される。光学レンズは、複数の構成要素を含み、前記複数の構成要素は、被写体側から画像側に配置された第1の構成要素、第2の構成要素、第3の構成要素、および第4の構成要素を含み、前記構成要素の各々は、少なくとも1つのレンズ素子を含み、前記第1の構成要素は、正の屈折力を有し、前記第2の構成要素は、負の屈折力を有し、各レンズ素子は、前記被写体側に面する被写体側表面、および前記画像側に面する画像側表面を含む。前記光学レンズは、BFLが、前記光学レンズの背面焦点距離、すなわち、光学レンズの画像側に最も近いレンズ素子から光学レンズの画像側表面までの距離であり、TTLが、前記光学レンズの全トラック長、すなわち、光学レンズの被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から画像側表面までの全長、であるとして、
9.08≦BFL≦11.745;
および0.6≦BFL/TTL≦0.67
の関係を満たす。
なお、本出願のこの実施では、レンズ素子を境界として、被写体が位置する側を被写体側とし、レンズ素子上で、被写体側に面する表面を被写体側表面と称してもよく、レンズ素子を境界として、被写体がレンズによって撮像された後に得られる画像が位置する側を画像側として、レンズ素子上で、画像側に面する表面を画像側表面と称してもよい。
本出願のこの実施において、光学レンズの背面焦点距離(Back Focal Length、BFL)および全トラック長(Total Track Length、TTL)が上記の関係を満たす場合、光学レンズは、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができる。光学レンズの厚さは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さによって影響される。光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さがより大きい場合、光学レンズの厚さはより大きい。複数のレンズ素子の軸方向厚さは、複数のレンズ素子のうち、被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から、画像側に最も近いレンズ素子の画像側表面までの軸方向距離である。換言すれば、複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズの全トラック長と光学レンズの背面焦点距離との差である。本出願において、光学レンズは、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができるため、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)は、比較的小さく、さらに、光学レンズは、比較的小さな厚さを有することができる。光学レンズの厚さは、端末が薄くなることを妨げる主要な要因であることが多いため、本願では、光学レンズの厚さを比較的薄くすることにより、光学レンズを含む端末の厚さを比較的薄くすることができるようにすることも可能となり、光学レンズを含む端末を薄くすることが実施される。
いくつかの実施において、前記第1の構成要素の第1のレンズ素子は、正の屈折力を有し、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状又は凹状であり、前記光学レンズは、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第1の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
0.432≦fS1/f≦0.689
の関係を満たす。
この実施では、光学レンズの焦点距離に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲が指定され、またそれは、第1の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示しているため、光学レンズ内の入射光の量が十分であり得、良好な撮影効果が得られる。さらに、本実施では、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の光学レンズの焦点距離との比が上記の関係を満たす場合には、光学レンズの色収差を有利に補正することができ、その結果、光学レンズがより良好な画像を得ることができる。本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第1の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施において、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子は、RS11が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS12が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
-0.345≦RS11/RS12<0または0<RS11/RS12≦0.348;
且つ0.2≦dS1/Σd≦0.4
の関係を満たす。
前記の関係では、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第1の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第1の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第1の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第1の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第1の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第2の構成要素の第1のレンズ素子は、負の屈折力を有し、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凹状であり、前記光学レンズは、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第2の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-7.559≦fS2/f≦-0.494
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第2の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズがより良好な画像を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するのに役立つ。さらに、本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第2の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、RS21が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS22が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
1<RS21/RS22≦3;
および0.1≦dS2/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記の関係では、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第2の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第2の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第2の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第2の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第2の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第3の構成要素の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状であり、前記光学レンズは、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第3の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-15.2≦fS3/f≦7.3
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第3の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズがより大きな画像平面を捕捉することができるように、より大きな画像平面への光の発散を助け、それによって、画像品質を改善する。本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第3の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、RS31が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS32が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
0.66≦RS31/RS32<1.0;
および0.1≦dS3/Σd≦0.3
の関係を満たす。
前記の関係では、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第3の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第3の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、第3の構成要素の第1のレンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第3の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第3の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第3の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記第4の構成要素の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の画像側表面は、前記軸の近くで凸状又は凹状であり、前記光学レンズは、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子が、前記第4の構成要素の中では、前記光学レンズの前記被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、前記光学レンズの全焦点距離であるとして、
-28≦fS4/f≦8
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズの焦点距離に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第4の構成要素の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学系の視野湾曲および非点収差を補正するのに役立ち、その結果、光学レンズはより良好な画像を得ることができる。また、本実施では、光学レンズの焦点距離に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第4の構成要素の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
いくつかの実施では、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子は、RS41が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記被写体側表面の曲率半径であり、RS42が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の前記画像側表面の曲率半径であり、dS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、前記複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、
0.9≦RS41/RS42≦1.8;
および0.1≦dS4/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記の関係では、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第4の構成要素の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第4の構成要素の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第4の構成要素の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第4の構成要素の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第4の構成要素の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、vS1が、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS2が、前記第2の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS3が、前記第3の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS4が、前記第4の構成要素の前記第1のレンズ素子のアッベ数であるとして、
20.9≦vS1-vS2≦36.8;
-2.7≦vS1-vS3≦33.7;
および-2.7≦vS1-vS4≦27.2
の関係を満たす。
本出願では、異なる構成要素のレンズ素子のアッベ数が異なるため、構成要素のレンズ素子は異なる屈折率を有し、各レンズ素子は所望の光学効果を達成することができる。アッベ数の間の差異の前記の関係によって指定される範囲は、レンズ素子の間の協調を可能にし、所望の光学レンズが得られ、光学レンズが、より良好な撮像効果を有することができる。
いくつかの実施では、前記第1の構成要素の前記第1のレンズ素子の屈折率n1は、1.5≦n1≦1.9を満たす。
第1の構成要素の第1のレンズ素子は、他のいかなるレンズ素子よりも、光学レンズの被写体側に近い。被写体側に近いレンズ素子の方が光路調整作業が大変になるため、被写体側により近いレンズ素子が光学効果を調整する上でより重要である。前記の関係は、第1のレンズ素子の屈折率が比較的広い範囲内で選択され得ることを規定する。従って、より良い性能を有するより薄いレンズ素子がより容易に得られ、光学レンズはより良好な撮像効果を有することができる。これはまた、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さを減少させるのにも役立つ。
いくつかの実施では、前記光学レンズは、TTL1が、前記光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さであり、MICが、前記光学レンズの最大画像円直径であるとして、
0.69≦TTL1/MIC≦0.76
の関係を満たす。
本実施における光学レンズの最大画像円直径に対する光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向の厚さの比の範囲は、前記の関係で指定されたが、本出願における光学レンズが比較的大きな画像高さを有し、より良好な撮像効果を達成することを可能にする。
いくつかの実施では、前記レンズ素子の少なくとも1つは、ガラスレンズ素子である。通常のレンズ素子の大部分はプラスチックレンズ素子または他の複合レンズ素子である。この実施において、複数のレンズ素子は、少なくとも1つのガラスレンズ素子を含む。ガラス材料からなるレンズ素子の屈折率が選択され得る範囲は、プラスチックレンズ素子の屈折率のそれよりも広い。従って、より良い性能を有するより薄いレンズ素子がより容易に得られる。これは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さを減少させるのに役立ち、光学レンズの薄型化が実現される。
第2の態様によれば、本出願は、感光性素子、駆動部、及び上記の光学レンズを含むレンズモジュールを提供し、ここで、前記感光性素子は、前記光学レンズの画像側に配置され、前記駆動部は、前記光学レンズを前記感光性素子と近づける又は離すように移動させるように駆動するように構成される。
本願のレンズモジュールは、光学レンズ及び感光性素子を含み、光学レンズが感光性素子に近接又は離間できるようになっている。レンズモジュールが動作すると、光学レンズを感光性素子から離すことができるので、感光性素子が光学レンズの画像平面上に位置し、撮影ができる。レンズモジュールが動作しない場合、光学レンズは移動され、光学レンズのレンズ素子は、感光性素子に近接して移動される、すなわち、複数のレンズ素子の少なくとも一部は、光学レンズが動作する背面焦点位置に配置される。この場合、レンズモジュールの厚さは、近似的に、光学レンズの厚さと感光性素子の厚さとの和であってもよい。通常のレンズモジュールの厚さ(通常のレンズモジュールの厚さは、光学レンズの厚さ、感光性素子の厚さ、及び背面焦点距離を含む必要がある)と比較すると、レンズモジュールの厚さは、大幅に薄くなり、主に光学レンズの厚さによって決まる。光学レンズの厚さは、主に、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)によって決定される。本出願では、複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)が比較的小さいため、レンズモジュールの厚さが更に薄くなる。また、本出願では、光学レンズの背面焦点距離が比較的長いため、レンズモジュールの厚さが比較的薄く、レンズモジュールの長焦点撮影効果が得られる。
第3の態様によれば、本出願は、端末を提供する。端末は、画像プロセッサとレンズモジュールとを含み、画像プロセッサは、レンズモジュールに通信可能に接続され、レンズモジュールは、画像データを取得し、画像データを画像プロセッサに入力するように構成され、画像プロセッサは、画像データを処理して画像プロセッサに出力するように構成される。
レンズモジュールが端末に適用され、レンズモジュールが動作しない場合には、光学レンズを移動させることができ、光学レンズのレンズ素子を感光性素子近傍に移動させることができる。すなわち、複数のレンズ素子の少なくとも一部は、光学レンズが動作する背面焦点位置に配置される。この場合、端末の厚さは、光学レンズおよび感光性素子の厚さとほぼ同じであってもよい。本出願における光学レンズの厚さは比較的小さいので、端末の厚さは比較的小さくすることができる。また、本出願のこの実施でのレンズモジュールは、長焦点撮影の効果を達成することができ、本出願における端末は、長焦点撮影シーンで使用することができる。
端末の構造の概略図である。
端末の別の構造の概略図である。
本出願の実施によるレンズモジュールの概略分解図である。
本出願の実施によるレンズモジュールの構造の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第1の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第2の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第3の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第4の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第5の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第6の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第7の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である
本出願の第7の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第8の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第9の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である
本出願の第9の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの部分構造の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの軸方向色収差の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの横方向色収差の概略図である。
本出願の第10の実施による光学レンズの視野湾曲および光学歪の概略図である。
以下では、添付の図面を参照して、本出願における実施形態の技術的解決策を記載する。
理解を容易にするために、以下では、まず、本出願で使用される技術用語について説明および記載する。
焦点距離(focal length):光学系における光の集中または発散の尺度である。レンズ素子又はレンズ素子群を用いて、無限遠の被写体を画像平面上に鮮明な画像へ形成する場合に、レンズ素子又はレンズ素子群の光学中心から画像平面までの垂直距離のこと。固定焦点レンズの光学中心の位置は固定されているが、ズームレンズでは、レンズの光学中心の変化はレンズの焦点距離の変化をもたらす。
開口部:レンズを通過し、カメラの本体内の感光性表面に入射する光の量を制御するように構成された装置。通常はレンズ内にある。開口部のサイズを表すのにF値が使用される。
開口F値:レンズの焦点距離をレンズの開口径で割った相対値(口径比の逆数)である。開口F値がより小さいと、単位時間内の入射光がより多くなる。開口F値がより大きいと、被写界深度がより小さくなり、写真の背景の内容がぼやける。これは長焦点レンズの効果に似ている。
背面焦点距離(Back Focal Length,BFL):光学レンズの画像側に最も近いレンズ素子から光学レンズの画像平面までの距離のこと。
正の屈折力(Positive dioptric power):正の屈折力(positive refractive power)とも呼ばれ、レンズ素子が正の焦点距離を有し、集光効果を有することを意味する。
負の屈折力(Negative dioptric power):負の屈折力(negative refractive power)とも呼ばれ、レンズ素子が負の焦点距離を有し、光の発散効果を有することを意味する。
全トラック長(total track length,TTL):光学レンズの被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から画像平面までの全長であり、カメラの高さを形成する主要因である。
焦点比F#:焦点距離を開口部のサイズで割った値である。この値から、光学系における入射光の量を知ることができる。
アッベ数:分散係数である。異なる波長での光学材料の屈折率の変化の比であり、材料の分散度を表す。
視野(field of view,FOV):光学機器において、光学機器のレンズを頂点とし、ターゲット被写体をレンズを通して観察することができる最大範囲の2つのエッジによって形成される包含角度を視野と呼ぶ。視野のサイズは、光学機器の視界を決定する。視野が大きいほど、視界が広くなり、光学倍率が小さくなる。
光軸は、光が理想的なレンズ素子の中心を垂直に通過する線である。光軸に平行な光が凸レンズ素子に入射するとき、理想的な凸レンズならば、全ての光をレンズ素子の後ろの点に集中させる。全ての光が集中する点は焦点である。
被写体側:レンズ素子を境界とし、被写体が位置する側が被写体側である。
画像側:レンズ素子を境界とし、被写体の画像が位置する側が画像側である。
被写体側表面:レンズ素子上で、被写体側に近い表面を被写体側表面と呼ぶ。
画像側表面:レンズ素子上で、画像側に近い表面を画像側表面と呼ぶ。
レンズ素子を境界とし、撮影された被写体がある側が被写体側であり、レンズ素子上で、被写体側に近い表面を被写体側表面と呼ぶことができる。レンズ素子を境界とし、撮影された被写体の画像がある側が画像側であり、レンズ素子上で、画像側に近い表面を画像側表面と呼ぶことができる。
軸方向色収差:縦方向色収差、位置方向色収差、または軸方向収差とも呼ばれる。光軸に平行な光線は、レンズを通過した後、光軸上の異なる位置に収束する。この収差は、位置方向色収差または軸方向色収差と呼ばれる。これは、レンズが様々な波長の光に対して異なる撮像位置を有するためである。その結果、異なる色の光のための画像平面は、最終的な撮像の間に重複することができず、多色光の発散によって分散が形成される。
横方向色収差:倍率色収差ともいう。光学系による異なる色の光の倍率の差は、倍率色収差と呼ばれる。波長によって光学系の倍率が変化し、それに応じて画像の大きさが変化する。
歪み(distortion):これは、被写体について光学系によって形成された画像の被写体自体と比べた歪みの程度である。停止球面収差の悪影響により、異なる視野の主光線が光学系を通過した後にガウス画像平面と交わる高さは、理想画像の高さと等しくなく、両者の差が歪みである。従って、歪みは、画像定義に影響を与えることなく、理想面上の軸外被写体点の撮像位置のみを変化させ、画像形状の歪みを生じさせる。
光学歪み(optical strain):光学理論の計算から得られる変形の程度。
回折限界(diffraction limit):回折限界が原因で、光学系で理想的な被写体点を撮像すると、理想的な画像点が得られず、フラウンホーファー回折画像が得られる。通常の光学系の開口部は円形であるため、フラウンホーファー回折画像はエアリーディスクである。従って、すべての被写体点の画像は錯乱円であり、2つの錯乱円が近いときには2つの混乱円を区別することは困難である。これは、システムの解像度を制限する。ディスクサイズがより大きいと、解像度はより低い。
複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1):光学レンズの軸と第1のレンズ素子の被写体側表面との交点から、光学レンズの軸と最後のレンズ素子の画像側表面との交点までの距離である。
本出願は、端末を提供する。端末は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、カムコーダ、ビデオレコーダ、カメラ、あるいは写真または動画を撮る機能を有する他の形態の装置であってもよい。端末は少なくとも1つの光学レンズを含み、光学レンズは長焦点レンズを含んでいるので、端末は長焦点撮影の効果を得ることができる。図1は、本出願の実施による端末1000の概略背面図である。この実施において、端末1000は、携帯電話である。本出願のこの実施では、端末1000の例として携帯電話を用いて説明する。
端末1000は、レンズモジュール100と、レンズモジュール100に通信可能に接続された画像プロセッサ200とを含む。レンズモジュール100は、画像データを取得し、画像プロセッサ200に画像データを入力するように構成され、画像プロセッサ200は、画像データを処理する。レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間の通信接続は、データ送信を実行するためのケーブル接続のような電気接続を含んでもよく、またはデータ送信を実施するための結合等を含んでもよい。レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間の通信接続は、データ送信を実現することができる他の方法でさらに実施されてもよいことが理解されよう。
画像プロセッサ200の機能は、一連の複雑な数学的アルゴリズム演算を介してデジタル画像信号に最適化処理を実行し、処理された信号をディスプレイに最終的に送信することである。画像プロセッサ200は、画像処理チップまたはデジタル信号処理(DSP)チップであってもよい。DSPチップの機能は、感光性チップによって得られたデータを迅速に中央処理装置に転送し、感光性チップをリフレッシュすることである。したがって、DSPチップの品質は、写真の品質(彩度や精細度など)に直接影響する。
図1に示す実施では、レンズモジュール100は、端末1000の背面に配置され、端末1000の背面レンズである。一部の実施では、レンズモジュール100は、代替的に、端末1000の前面に配置されてもよく、端末1000の前面レンズとして使用されることが理解されよう。前面レンズ及び後面レンズの両方が、自分を撮影するために使用されてもよく、撮影者が他の被写体を撮影するために使用されてもよい。
いくつかの実施では、複数のレンズモジュール100が存在する。ここで、「複数の」は、2つ以上を示す。異なるレンズモジュールの機能が異なっていてもよく、異なる撮影シーンを満たすことができる。例えば、いくつかの実施では、複数のレンズモジュールは、長焦点撮影と広角撮影の機能を別々に実現するために、長焦点レンズモジュール又は広角レンズモジュールを含む。図1に示す実施では、端末1000の2つの後面レンズモジュールが存在し、2つのレンズモジュール100は、それぞれ、普通のレンズモジュールおよび長焦点レンズモジュールである。通常のレンズモジュールは日常の一般的な撮影に適用でき、長焦点レンズモジュールは長焦点撮影が必要なシーンに適用できる。いくつかの実施では、複数の異なるレンズモジュール100はすべて、画像プロセッサ200に通信可能に接続されてもよく、その結果、画像プロセッサ200は、各レンズモジュール100によって撮影することによって得られた画像データを処理する。
図1に示す実施における端末1000のレンズモジュール100の取り付け位置は、一例に過ぎないことを理解されたい。他の実施では、レンズモジュール100は、代替的に、携帯電話の他の位置に取り付けられてもよい。例えば、レンズモジュール100は、携帯電話の背面の上部の真ん中または右上コーナーに取り付けることができる。代替的に、レンズモジュール100は、携帯電話の本体上に配置されず、携帯電話に対して移動または回転することができる構成要素上に配置されてもよい。例えば、構成要素は、携帯電話の本体から外部に延びることができ、後退することができ、または回転することができる。レンズモジュール100の取り付け位置は、本出願では限定されない。
図2を参照されたい。いくつかの実施では、端末1000は、さらに、アナログ-デジタル変換器(A/D変換器と称することもできる)300を含む。アナログ-デジタル変換器300は、レンズモジュール100と画像プロセッサ200との間に接続される。アナログ-デジタル変換器300は、レンズモジュール100によって生成された信号をデジタル画像信号に変換し、デジタル画像信号を画像プロセッサ200に送信するように構成される。次いで、デジタル画像信号は画像プロセッサ200によって処理され、最後に、画像または写真が、ディスプレイスクリーンまたはディスプレイを使用して表示される。
いくつかの実施では、端末1000は、メモリ400をさらに含む。メモリ400は、画像プロセッサ200に通信接続される。画像プロセッサ200がデジタル画像信号を処理した後、画像プロセッサ200は、画像をメモリ400に送信し、画像を後で見る必要があるときには、画像をメモリからいつでも見つけてディスプレイスクリーンに表示することができるようにする。いくつかの実施では、画像プロセッサ200は、処理されたデジタル画像信号をさらに圧縮し、次いで、メモリ400のスペースを節約するために、画像をメモリ400に記憶させる。図2は、本出願のこの実施の構造の概略図に過ぎず、ここで、レンズモジュール100、画像プロセッサ200、アナログ-デジタル変換器300、メモリ400などの位置および構造が単なる例であることに留意されたい。
図3aを参照されたい。レンズモジュール100は、光学レンズ10と感光性素子20とを含む。感光性素子20は、光学レンズ10の画像側に配置されており、レンズモジュール100が動作すると、光学レンズ10を介して被写体が感光性素子20上に撮像される。具体的には、レンズモジュール100の動作原理は、以下の通りである:被写体から反射された光Lが光学レンズ10を通過し、光学像が生成されて感光性素子20の表面に投影される。感光性素子20は、光画像を電気信号、すなわちアナログ画像信号S1に変換し、変換によって得られたアナログ画像信号S1をアナログ-デジタル変換器300に送信することにより、アナログ-デジタル変換器300は、アナログ画像信号S1をデジタル画像信号S2に変換し、デジタル画像信号S2を画像プロセッサ200に送信する。
感光性素子20は、半導体チップであり、その表面は、数十万~数百万個のフォトダイオードを含む。感光性素子20は、光によって照明されると電荷を発生し、この電荷は、アナログ-デジタル変換器300によってデジタル信号に変換される。感光性素子20は、電荷結合素子(charge coupled device、CCD)であってもよいし、相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide semiconductor、CMOS)であってもよい。電荷結合素子CCDのときは、感光性素子20は、光感度の高い半導体材料からなり、光を電荷に変換することができ、アナログ-デジタル変換器300によって電荷をデジタル信号に変換する。CCDは、複数の感光性ユニットを含み、通常、単位としてメガピクセルを使用する。CCDの表面が光によって照らされると、各感光性ユニットは構成要素上の電荷を反射する。すべての感光性ユニットによって生成された信号は、完全な写真を形成するために一緒に加算される。相補型金属酸化物半導体CMOSは、主にシリコンとゲルマニウムの2つの元素からなる半導体を使用しており、CMOS上にN型(負に電荷)半導体とP型(正に電荷)半導体が共存している。2つの相補的効果によって生成された電流は、画像として処理チップによって記録され、デコードされ得る。
光学レンズ10は、撮像品質及び撮像効果に影響を及ぼす。光学レンズ10は、主にレンズ素子の屈折原理を用いて撮像を行う。具体的には、被写体からの光が光学レンズ10を通過して、画像平面上に鮮明な画像を形成し、その画像平面上に配置された感光性素子20を用いて、被写体の画像が記録される。画像平面とは、光学レンズ10によって撮像された後に被写体が撮像される平面を指す。光学レンズ10は、被写体側から画像側に配置された複数の構成要素を含み、各構成要素は、少なくとも1つのレンズ素子を含み、各構成要素における複数のレンズ素子の協働により、より良好な撮像効果を有する画像が形成される。被写体側は、被写体が位置する側であり、画像側は、画像平面が位置する側である。
本出願では、光学レンズ10は、固定焦点距離を有するレンズ又はズームレンズであってもよい。固定焦点距離を有するレンズは、光学レンズ10の焦点距離が固定されることを確実にするために、各構成要素におけるレンズ素子の位置が相対的に固定されることを意味する。ズームレンズは、各構成要素内のレンズ素子または構成要素間のレンズ素子が相対的に移動可能であり、光学レンズ10の焦点距離が、異なるレンズ素子の相対的な位置を移動させることによって変化することを意味する。
いくつかの実施では、光学レンズ10は、感光性素子20に対して軸方向に移動することができ、その結果、光学レンズ10は、感光性素子20に近接するか、または離れる。光学レンズ10が動作しない場合、すなわち、レンズモジュール100が画像や写真を撮影する必要がない場合には、レンズ素子が画像平面に近づくように、光学レンズ10を感光性素子20に向かって移動させることができ、また、光学レンズ10が動作する場合には、感光性素子20が光学レンズ10の画像平面上に位置して、撮影が実行できるように、光学レンズ10は感光性素子20から離れるように移動される。図1に示す実施では、長焦点レンズモジュールの光学レンズ10は、感光性素子20に対して移動可能である。長焦点レンズモジュールは、比較的長い背面焦点距離を有し、長焦点レンズモジュールの光学レンズの厚さは比較的小さいため、長焦点レンズモジュールが動作する必要がない場合には、長焦点レンズモジュールの光学レンズ10が感光性素子20に対して収縮した後、光学レンズ10は、光学レンズ10が動作する背面焦点スペースに実質的に収容され得るので、光学レンズ10を含む端末1000の厚さは、光学レンズ10の厚さと実質的に同じである。光学レンズ10の厚さと、光学レンズ10が動作する場合の光学レンズ10の背面焦点距離との和によって決定される厚さを有する通常の端末と比較すると、本出願のこの実施における端末1000はより薄くなり得るので、端末1000の薄型化が実現される。さらに、ペリスコープレンズモジュールとして配置される通常の長焦点レンズモジュールと比較すると、光学レンズは、光路を変化させるための屈折プリズムまたは反射器を備える必要がなく、それによって、生産プロセスにおける困難さを低減し、レンズモジュール100の構造を簡素化し、コストを低減する。また、レンズモジュールによって占有されるスペースを小さくすることができる。さらに、本実施では、レンズモジュール100の光路の方向は、端末1000の厚さ方向である、すなわち、レンズモジュール100のレンズ素子の光軸の方向は、端末1000の厚さ方向である。従って、ペリスコープレンズモジュールと比較して、レンズ素子が端末の厚さに適合するようにレンズ素子をカットする必要はない。従って、レンズモジュール100内の光束を改善することができ、レンズモジュール100の撮像品質を改善することができる。また、本出願のこの実施では、レンズモジュール100の光路方向が端末1000の厚さ方向であるため、感光性素子20がレンズモジュール100内に位置する平面は、端末1000の厚さ方向に垂直である。感光性素子20が位置する平面が端末の厚さ方向に平行であるため、感光性素子20のサイズが比較的小さく端末の厚さに合わせているペリスコープレンズモジュールと比較すると、本実施におけるレンズモジュール100の感光性素子20のサイズを大きくすることができる。従って、レンズモジュール100は、より良好な撮像品質を有することができ、また、レンズモジュール100の振動の影響下で、比較的高い撮影速度を有することもできる。
光学レンズ10がズームレンズであり、光学レンズ10の焦点距離が変化する場合、光学レンズ10を感光性素子20に対して軸方向に移動させて、光学レンズ10が任意の焦点距離でより良好な撮像を行うことができることを理解することができよう。
図3bを参照されたい。いくつかの実施では、レンズモジュール100は、駆動部40を含む。駆動部40は、1つ以上の駆動部材を含む。駆動部40の駆動部材は、光学レンズ10を駆動して焦点合わせ及び/又は光学画像安定化を行うのに使用され得、及び/又は駆動部40は、光学レンズ10を駆動して感光性素子20に対して軸方向に移動させるのに使用され得る。したがって、光学レンズ10を使用しない場合には、レンズ素子群を感光性素子20の近傍に移動させることができ、光学レンズ10を使用して撮影する必要がある場合には、レンズ素子群を感光性素子20から離す方向に撮影位置まで移動させることができる。駆動部40が光学レンズ10を駆動して焦点合わせを行うと、駆動部材は、光学レンズ10のレンズ素子を駆動して、焦点合わせを行うための相対運動を行う。駆動部40が光学素子を駆動して光学画像安定化を行うと、光学レンズ10が駆動されて感光性素子20に対して移動又は回転され、及び/又は光学レンズ10のレンズ素子が駆動されて互いに相対的に移動又は回転され、光学画像安定化を実現する。駆動部40は、モータのような駆動構造であってもよい。
いくつかの実施では、レンズモジュール100は、ホルダ50(holder)、赤外線カットオフフィルタ30、及びラインボード60のような構造をさらに含む。光学レンズ10は、さらに、レンズ鏡筒10aを含み、光学レンズ10の各構成要素のレンズ素子は、レンズ鏡筒10aに固定され、レンズ鏡筒10aに固定されたレンズ素子は、同軸上に配置される。
感光性素子20は、接着、表面取り付け等の方法でラインボード60上に固定されている。さらに、アナログ-デジタル変換器300、画像プロセッサ200、メモリ400なども、接着、表面取り付けなどの方法でラインボード60に固定される。従って、感光性素子20、アナログ-デジタル変換器300、画像プロセッサ200、メモリ400等の間の通信接続は、ラインボード60を用いて実現される。いくつかの実施では、ホルダは、ラインボード60上に固定される。ラインボード60は、フレキシブルプリント回路(flexible printed circuit、FPC)またはプリント回路基板(printed circuit board、PCB)であってもよく、電気信号を送信するように構成される。FPCは、片面フレキシブル基板、両面フレキシブル基板、多層フレキシブル基板、剛性フレキシブル基板、ハイブリッド構造のフレキシブル回路基板などであってもよい。レンズモジュール100に含まれる他の要素は、本明細書では詳細に説明しない。
いくつかの実施では、赤外線カットオフフィルタ30は、ラインボード60上に固定されてもよく、光学レンズ10と感光性素子20との間に配置される。光学レンズ10を通過する光は、赤外線カットオフフィルタ30を照射し、赤外線カットオフフィルタ30を通って感光性素子20に透過される。赤外線カットオフフィルタは、感光性素子20に投射される不要な光を除去し、感光性素子20の有効解像度と色復元を向上させるために、感光性素子20が偽色やリップルを発生させないようにすることができる。いくつかの実施では、赤外線カットオフフィルタ30は、代わりに、画像側に面する光学レンズ10の一端に固定されてもよい。
いくつかの実施では、ホルダ50はラインボード60上に固定されており;光学レンズ10、赤外線カットオフフィルタ30、及び感光性素子20は、全てホルダ50に収容されており;感光性素子20、赤外線カットオフフィルタ30、及び光学レンズ10は、順に、ラインボード60上に積層されるため、光学レンズ10を通過する光は、赤外線カットオフフィルタ30を照射することができ、赤外線カットオフフィルタ30を通って感光性素子20に透過され得る。光学レンズ10のレンズ鏡筒10aは、ホルダ50に接続されており、ホルダ50に対して移動することができ、そのため、光学レンズ10と感光性素子20との距離を変化させることができる。具体的には、本出願のいくつかの実施において、ホルダ50は、固定用筒51を含む。固定用筒51の内壁には内ねじが設けられ、レンズ鏡筒10aの外壁には外ねじが設けられている。レンズ鏡筒10aと固定用筒51とは、ねじ接続されている。レンズ鏡筒10aは、駆動部40の駆動部材によって回転駆動されて、レンズ鏡筒10aは、固定用筒51に相対的に軸方向に移動し、光学レンズ10のレンズ素子が感光性素子20に接近又は離間するようになっている。また、レンズ鏡筒10aは、別の方法でホルダ50に接続され、ホルダ50に対して移動することができることが理解されよう。例えば、レンズ鏡筒10aとホルダ50はスライドレールで接続されている。いくつかの実施では、光学レンズ10のレンズ素子は、レンズ鏡筒10a内に配置され、レンズ鏡筒10aに対して移動することができるので、異なるレンズ素子が互いに相対的に移動して焦点合わせを行うことができる。
本出願のこの実施では、レンズモジュール100が動作しない場合には、光学レンズ10のレンズ素子を感光性素子20の近傍に移動させて、端末1000の厚さを光学レンズ10の厚さ(つまり、軸方向の光学レンズ10のサイズ)に感光性素子20の厚さを加えたものに近づけることができる。したがって、端末1000をより薄くするために、光学レンズ10の厚さをできるだけ薄くすることができる。しかしながら、複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)が、基本的に光学レンズ10の厚さを決定する。従って、光学レンズの背面焦点距離(BFL)及び光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)を調整することにより、背面焦点距離(BFL)を増加させ、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)を減少させ、それによって、光学レンズ10の厚さを減少させ、最終的に、端末1000の厚さを減少させることができる。
本出願のいくつかの実施において、本出願における光学レンズ10の複数の構成要素は、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4を含み、構成要素の各々は、少なくとも1つのレンズ素子を含む。各構成要素のレンズ素子は、同軸に配置される。各レンズ素子は、被写体側に面する被写体側表面と、画像側に面する画像側表面とを含む。本出願のレンズ素子は、すべて正の屈折力または負の屈折力を有するレンズ素子であり、平坦なミラーがレンズ素子間に挿入される場合、平坦なミラーは、本出願の光学レンズ10のレンズ素子とはみなされないことが理解されよう。例えば、第1の構成要素S1が第1のレンズ素子と第2のレンズ素子とを有し、第1のレンズ素子と第2のレンズ素子との間に平坦なミラーが挿入されている場合には、第1の構成要素S1は3つのレンズ素子を有しているとはみなすことはできず、平坦なミラーは、第1の構成要素S1の第3のレンズ素子としてはみなされない。
本出願では、光学レンズ10は以下の関係を満たす:
9.08≦BFL≦11.745;
0.6≦BFL/TTL≦0.67
ここで、BFLは光学レンズ10の背面焦点距離であり、TTLは光学レンズ10の全トラック長である。
本出願の実施において、光学レンズ10の背面焦点距離(Back Focal Length、BFL)および全トラック長(Total Track Length、TTL)が前記の関係を満たす場合、光学レンズ10は、比較的長い背面焦点距離を有することができる。光学レンズ10の厚さは、光学レンズの複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)に影響される。光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向の厚さが大きいほど、光学レンズ10の厚さは大きくなる。複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズ10の複数のレンズ素子において、レンズ素子の被写体側表面から被写体側に最も近い画像側表面までの軸方向距離である。換言すれば、複数のレンズ素子の軸方向厚さは、光学レンズ10の全トラック長と光学レンズの背面焦点距離との差である。本出願において、光学レンズ10は、比較的長い背面焦点距離(BFL)を有することができるため、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ(TTL1)は比較的小さく、さらに、光学レンズ10は、比較的小さな厚さを有することができる。光学レンズ10の厚さは、端末1000を薄くすることを妨げる主な要因であることが多いため、本願では、光学レンズ10の厚さを比較的薄くすることにより、光学レンズ10を含む端末1000の厚さを比較的薄くすることができる。
具体的には、この実施では、光学レンズ10の背面焦点距離BFLは、9.08mm≦BFL≦11.745mmを満足し、通常の光学レンズ10の背面焦点距離(一般に6mm未満)よりもはるかに大きい。したがって、光学レンズ10を含むレンズモジュール100は、より良好な長焦点撮影の効果を達成することができる。光学レンズ10の背面焦点距離と光学レンズ10の全トラック長とは、0.6≦BFL/TTL≦0.67の関係を満たす、すなわち、光学レンズ10の全トラック長に対する割合が比較的高い。したがって、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さに対する光学レンズ10の背面焦点距離の比は比較的小さく、光学レンズ10のレンズ厚さは比較的小さくすることができ、光学レンズ10を含む端末の厚さは比較的薄い。
本願においては、光学レンズ10の異なる構成要素(第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4を含む)は、異なる光学特性を有し、光学レンズ10は、異なる光学特性を有する構成要素間の協働により、長い背面焦点距離及び薄い厚さを有するため、光学レンズ10の撮像効果が向上する。本出願のいくつかの実施では、第1の構成要素S1は正の屈折力を有し、光学レンズ10がより良好な撮影効果を得ることができるように、集光及び色収差補正に主として使用され、第2の構成要素S2は負の屈折力を有し、光学レンズ10がより大きな開口部を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するために主として使用され、第3の構成要素S3は正の屈折力又は負の屈折力を有し、主として光をより大きな画像平面に発散させてより大きな画像高さを得るために使用され、第4の構成要素S4は正の屈折力又は負の屈折力を有し、主として光学系の視野湾曲及び乱視を補正し、より良好な画像を得るために使用される。
本出願では、各構成要素のレンズ素子は、異なる光学特性を有する。従って、構成要素は所望の光学特性を得ることができ、構成要素は互いに協働し、光学レンズ10は、背面焦点距離が長く、厚みが小さく、光学レンズ10は、より良好な撮像効果を有する。
本出願のいくつかの実施において、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、正の屈折力を有し、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸付近で凸であり、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸付近で凸又は凹であり、光学レンズ10は、次の関係を満たす:
0.432≦fS1/f≦0.689
ここで、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、光学レンズ10の被写体側に最も近い第1の構成要素S1のレンズ素子であり、fS1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fは、光学レンズ10の全焦点距離である。
この実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲が、指定され、そして第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の集光能力を示すことにより、光学レンズ10への入射光量が十分であり、良好な撮影効果が得られる。また、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比が前記の関係を満たす場合には、光学レンズ10の色収差を有利に補正することができ、光学レンズ10がより良好な撮像を得ることができる。この実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離の比が、前述の関係によって指定され、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び薄い厚さを有する。
本出願のいくつかの実施において、光学レンズ10は、さらに、以下の関係式を満足する:
-0.345≦RS11/RS12<0または0<RS11/RS12≦0.348;
且つ0.2≦dS1/Σd≦0.4
ここで、RS11は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径、RS12は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径、dS1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向厚さであり、Σdは、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向厚さの和である。
前記の関係式では、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズの厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。
第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、負の屈折力を有し、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状であり、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凹状であり、光学レンズ10は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子が、第2の構成要素S2の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-7.559≦fS2/f≦-0.494
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズ10がより良好な画像を得ることができるように、開口絞りからの光の出射角を低減するのに役立つ。さらに、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
光学レンズ10は、RS21が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS22が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
1<RS21/RS22≦3;
および0.1≦dS2/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記の関係では、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことにより、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凸状であり、光学レンズ10は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子が、第3の構成要素S3の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-15.2≦fS3/f≦7.3
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学レンズ10がより大きな画像平面を捕捉することができるように、より大きな画像平面への光の発散を助け、それによって、画像品質を改善する。本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
本出願のいくつかの実施では、光学レンズ10は、RS31が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS32が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
0.66≦RS31/RS32<1.0;
および0.1≦dS3/Σd≦0.3
の関係を満たす。
前記の関係は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定し、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性を示しており、その結果、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さを薄くすることができる。前記の関係は、さらに、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことを可能にすることにより、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことができる。
第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、正または負の屈折力を有し、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面は、軸の近くで凸状または凹状であり、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面は、軸の近くで凸状又は凹状であり、光学レンズ10は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子が、第4の構成要素S4の中では、光学レンズ10の被写体側に最も近いレンズ素子であり、fS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離であり、fが、光学レンズ10の全焦点距離であるとして、
-28≦fS4/f≦8
の関係を満たす。
前記の関係は、光学レンズ10の焦点距離に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離の比の範囲を指定し、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の集光能力を示す。これは、光学系の視野湾曲および非点収差を補正するのに役立ち、その結果、光学レンズ10はより良好な画像を得ることができる。また、本実施では、光学レンズ10の焦点距離に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離の前記の関係によって指定された比が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子と他のレンズ素子との間の協調を容易にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、長い背面焦点距離及び小さな厚さを有する。
光学レンズ10は、RS41が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径であり、RS42が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径であり、dS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向の厚さであり、Σdが、複数の構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和であるとして、さらに、
0.9≦RS41/RS42≦1.8;
および0.1≦dS4/Σd≦0.2
の関係を満たす。
前記では、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の比が指定され、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面および被写体側表面の凸状性又は凹状性が示されて、その結果、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズの焦点距離とが上記の関係を満たすことになる。また、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径に対する被写体側表面の曲率半径の前記で指定された比に基づいて、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の厚さを可能な限り薄くすることができ、さらに、光学レンズ10の厚さは薄くなる。前記の関係は、さらに、レンズ素子の形状が、適切なレンズ素子の厚さを保証するために、全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和に対する第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向の厚さの比を制御することによって制限され得ることを規定する。また、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の厚さが前記の関係を満たすことを可能にすることにより、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離と光学レンズ10の焦点距離とが上記の関係を満たすことが可能になる。
本出願のいくつかの実施では、vS1が、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS2が、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS3が、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数であり、vS4が、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数であるとして、光学レンズ10の第1の構成要素S1の第1のレンズ素子、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子、および第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、さらに、
20.9≦vS1-vS2≦36.8;
-2.7≦vS1-vS3≦33.7;
および-2.7≦vS1-vS4≦27.2
の関係を満たす。
前記の関係は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第2の構成要素S2の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第3の構成要素S3の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲、及び第1の構成要素S1の第1のレンズ素子と第4の構成要素S4の第1のレンズ素子とのアッベ数の差の範囲を指定する。異なる構成要素のレンズ素子のアッベ数が異なるため、それら構成要素のレンズ素子は異なる屈折率を有し、各レンズ素子は所望の光学効果を達成することができる。レンズ素子のアッベ数の差の範囲は、前記の関係によって指定されるが、それらは、レンズ素子の間の協調を可能にし、所望の光学レンズ10が得られ、光学レンズ10が、より良好な撮像効果を有することができる。
本出願のいくつかの実施では、光学レンズ10の各構成要素の各レンズ素子は、プラスチック材料、ガラス材料、又は別の複合材料で作ることができる。ガラス材料からなるレンズ素子の屈折率n1が選択できる範囲は、プラスチックレンズ素子のそれよりも広い。したがって、より良い性能を有するより薄いレンズ素子が、より容易に得られる。これにより、光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さTTL1が薄くなり、光学レンズ10を薄くすることができる。
本出願のいくつかの実施において、光学レンズ10の第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、ガラス材料製であり、その屈折率n1は、1.5≦n1≦1.9を満たす。この実施では、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の屈折率n1を選択できる範囲が比較的大きい。従って、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の厚さが比較的小さい場合には、より良好な集光効果を達成することができる。光学レンズ10内では、レンズ素子が被写体側または画像側により近いほど、光路調整作業が大変になるため、光学効果の調整には、被写体側または画像側により近いレンズ素子の方が重要である。従って、本出願のいくつかの実施では、ガラス材料で作られたレンズの使用を最小限に抑えつつ、ガラス材料で作られた第1のレンズ素子11を使用することにより、最良の撮影効果を達成することができる。第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、代替的に、プラスチック材料または他の複合材料から作製されてもよいことが理解されよう。
本出願のいくつかの実施では、本出願における光学レンズ10が比較的大きな画像高さを有し、より良好な撮像効果を達成することができるように、光学レンズ10は、さらに、0.69≦TTL1/MIC≦0.76を満たす。ここで、TTL1は、複数のレンズ素子の軸方向の厚さであり、MICは、光学レンズ10の最大画像円直径である。
本出願のいくつかの実施では、各レンズ素子の画像側表面及び被写体側表面は、ともに非球面であり、各レンズ素子の画像側表面及び被写体側表面は、次式を満足する:
ここで、xは非球面サジッタ、rは非球面半径座標、cは非球面頂点の球面曲率、Kは二次表面定数、a
mは非球面係数であり、また、
である。ここで、r
maxは半径座標の最大値である。
前記の関係を用いて、異なる非球面レンズ素子を求め、その結果、異なるレンズ素子が異なる光学効果を達成することができる。従って、様々な非球面レンズ素子の協調によって良好な撮影効果が得られる。
本出願のいくつかの実施で提供される関係及び範囲に基づいて、各構成要素におけるレンズ素子の構成モード及び特定の光学設計を有するレンズ素子の組み合わせは、光学レンズ10が、光学レンズの長い背面焦点距離及び比較的小さな厚さに関する要件を満たし、比較的高い撮像性能を達成することを可能にする。
以下では、図4から図43を参照して、本出願の実施のいくつかの具体的ではあるが非限定的な例をより詳細に説明する。
図4は、本出願の第1の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、4つの構成要素を含み、それらは、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含み、構成要素のレンズ素子は、同軸上に配置される。第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11を含み、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、第1のレンズ素子11であり、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、第2のレンズ素子12であり、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、第3のレンズ素子13であり、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第4のレンズ素子14である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹面であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸面である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
以上の関係に基づき、本出願の第1の実施における設計パラメータを以下の表1に示す。
表中の記号の意味は以下のとおりである:
RS11:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含んでいるので、RS11は、第1のレンズ素子11の被写体側表面の曲率半径である。
RS12:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、RS12
は、第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径である。
RS21:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含んでいるので、RS21は、第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径である。
RS22:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、RS22は、第2のレンズ素子12の画像側表面の曲率半径である。
RS31:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含んでいるので、RS31は、第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径である。
RS32:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むため、RS32は、第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径である。
RS41:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含んでいるので、RS41は、第4のレンズ素子14の被写体側表面の曲率半径である。
RS42:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、RS42は、第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径である。
n1:第1のレンズ素子11の屈折率。
v1:第1のレンズ素子11のアッベ数。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、v1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子のアッベ数vS1である。
v2:第2のレンズ素子12のアッベ数。この実施において、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、v2は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数vS2である。
v3:第3のレンズ素子13のアッベ数。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、v3は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数vS3である。
v4:第4のレンズ素子14のアッベ数。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、v4は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。
f:光学レンズ10の合計焦点距離。
fS1:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、fS1は、第1のレンズ素子11の焦点距離である。
fS2:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、fS2は、第2のレンズ素子12の焦点距離である。
fS3:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、fS3は、第3のレンズ素子13の焦点距離である。
fS4:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の焦点距離。この実施において、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、fS4は、第4のレンズ素子14の焦点距離である。
d1:第1のレンズ素子11の軸方向厚さ。
d2:第2のレンズ素子12の軸方向厚さ。
d3:第3のレンズ素子13の軸方向厚さ。
d4:第4のレンズ素子14の軸方向厚さ。
この実施における光学レンズ10は、第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14のみを含むので、光学レンズ10の4つの構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの合計は、Σd=d1+d2+d3+d4である。
dS1:第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むので、dS1は、第1のレンズ素子11の軸方向厚さである。
dS2:第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、dS2は、第2のレンズ素子12の軸方向厚さである。
dS3:第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施において、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むので、dS3は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さである。
dS4:第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の軸方向厚さ。この実施において、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、dS4は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さである。
TTL1:光学レンズ10の複数のレンズ素子の軸方向厚さ、すなわち、第1の構成要素S1のうち被写体側に最も近いレンズ素子の被写体側表面から、第4の構成要素S4のうち画像側に最も近いレンズ素子の画像側表面までの軸方向厚さである。
MIC:光学レンズ10の最大画像円直径。
特記しない限り、上記記号の意味は本出願において同一であることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
表2は、本出願のこの実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表3は、本出願の第1の実施における、光学レンズ1
0の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
表中の記号の意味は以下のとおりである:
R1:第1のレンズ素子11の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含んでいるので、R1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS11である。
R2:第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径。この実施では、第1の構成要素S1は、第1のレンズ素子11のみを含むため、R1は、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS12である。
R3:第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むため、R3は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS21である。
R4:第2のレンズ素子12の画像側表面の曲率半径。この実施では、第2の構成要素S2は、第2のレンズ素子12のみを含むので、R4は、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS22である。
R5:第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含むため、R5は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS31である。
R6:第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径。この実施では、第3の構成要素S3は、第3のレンズ素子13のみを含んでいるので、R6は、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS32である。
R7:第4のレンズ素子14の被写体側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、R7は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の被写体側表面の曲率半径RS41である。
R8:第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径。この実施では、第4の構成要素S4は、第4のレンズ素子14のみを含むので、R8は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子の画像側表面の曲率半径RS42である。
a1:第1のレンズ素子11の画像側表面から第2のレンズ素子12の被写体側表面までの軸方向距離。
a2:第2のレンズ素子12の画像側表面から第3のレンズ素子13の被写体側表面までの軸方向距離。
a3:第3のレンズ素子13の画像側表面から第4のレンズ素子14の被写体側表面までの軸方向距離。
a4:第4のレンズ素子14の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離。
n2:第2のレンズ素子12の屈折率。
n3:第3のレンズ素子13の屈折率。
n4:第4のレンズ素子14の屈折率。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、a1、a2、a3、a4、n2、n3、およびn4を除き、表3のすべての記号は表1のものと同じである。特記しない限り、上記記号の意味は本出願において同一であることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
正/負の曲率半径は、光学面が、被写体側に凸状、又は画像側に凸状であることを示すことに留意されたい。光学表面(被写体側表面又は画像側表面を含む)が被写体側に凸状である場合、光学表面の曲率半径は正の値となり、あるいは光学表面(被写体側表面又は画像側表面を含む)が画像側に凸状である場合―――それは、光学表面が被写体側に凹状であることを意味するが―――、光学面の曲率半径は負の値となる。
表4は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
Kは2次の表面定数であり、A0、A1、A2、A3、A4、A5などの記号は多項式ファクターを示す。表中のパラメータは、科学的な表記法で表されていることに注意すべきである。たとえば、-1.07E-01は-1.07×10-1を、-4.11E-02は-4.11×10-2を意味する。特に断らない限り、K、A0、A1、A2、A3、A4、およびA5のような記号の意味は、本出願において同じであることに留意されたい。記号が後に再び現れる場合、その意味は再度記述されない。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、アパーチャストップからの光の発生角度を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここでで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実現可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみを提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図5~図7は、第1の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図5は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第1の実施で光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図5において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、軸方向収差(単位:ミリ秒)を表す。図5から分かるように、この実施における軸方向収差は、非常に小さな範囲内で制御される。
図6は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第1の実施における光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図6において、垂直座標は視野を度(°)の単位で表し、水平座標は回折限界範囲をミクロン(μm)の単位で表す。図6の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、第1の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に回折限界内であり、すなわち、第1の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図7は、波長555nmの光が第1の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それによって撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示す。図7の左側の図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図7の右側の図は、波長555nmの光が第1の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下だと肉眼で認識不可能)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.08mmであり、全トラック長TTLは15.13mmである。この場合、TTL1は6.05mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.05mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図8は、本出願の第2の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13を含み、第4の構成要素S4は第4のレンズ素子14を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
前記の関係に基づき、本出願の第2の実施における設計パラメータを以下の表5に示す。パラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照されたい。
表6は、本出願の第2の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表7は、本出願の第2の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表8は、本実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここでで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実現可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供される。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図9~図11は、第2の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。図9~図11は、第2の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図9は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第2の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図9において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図9から分かるように、この実施における軸方向収差は、非常に小さな範囲内で制御される。
図10は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第2の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図10におい(て、垂直座標は角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は回折限界範囲(ミクロンμm)の単位)を表す。図10の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、第2の実施では、各波長の光が光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にあり、すなわち、各波長の光が第2の実施における光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図11は、波長555nmの光が第2の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それによって撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示す。図11の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図11の右側の図は、波長555nmの光が第2の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、本実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲内で歪みを制御し(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲である)、すなわち、光学レンズ素子は、高品質の撮像効果を達成することができる。
この実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.63mmであり、全トラック長TTLは16.05mmである。この場合、TTL1は6.42mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.42mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図12は、本出願の第3の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施では、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13を含み、第4の構成要素S4は第4のレンズ素子14を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第4のレンズ素子14の画像平面は、軸線付近で凸状である。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
前記の関係に基づき、本出願の第3の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表9に示す。パラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表10は、本出願の第3の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表11は、本出願の第3の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表12は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施の光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。実際には、レンズ素子は、他の機能も実施可能である。また、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されている。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図13~図15は、第3の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第3の実施における光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図13において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図13から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図14は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図14において、垂直座標は角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図14の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は回折限界内にある。すなわち、各波長の光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図15は、波長555nmの光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図15の右側の図は、波長555nmの光が第3の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲内(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)で歪みを制御する。
この実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは11.745mmであり、全トラック長TTLは11.530mmである。この場合、TTL1は5.785mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.785mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図16は、本出願の第4の実施による光学レンズ10を示す。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第4の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表13に示す。
この実施では、d5は、第5のレンズ素子15の軸方向の厚さを示す。第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第5のレンズ素子15である。したがって、dS4は、第5のレンズ素子15の軸方向厚さd5であり、RS41は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径であり、RS42は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径であり、v5は、第5のレンズ素子15のアッベ数を示し、すなわち、v5は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施における光学レンズ10の4つの構成要素は、第1のレンズ素子11と、第2のレンズ素子12と、第3のレンズ素子13と、第4のレンズ素子14と、第5のレンズ素子15とを含むので、光学レンズ10の4つの構成要素における全てのレンズ素子の軸方向の厚さの和は、Σd=d1+d2+de+d4+d5である。この実施の他のパラメータの意味については、第1の実施の関連記述を参照のこと。
表14は、本出願の第4の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表15は、本出願の第4の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施では、R9は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径を示し、R10は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径を示し、d5は、第5のレンズ素子15の軸方向厚を示し、a4は、第4のレンズ素子14の画像側表面から第5のレンズ素子15の被写体側表面までの軸方向距離を示し、a5は、第5のレンズ素子15の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離を示す。表中の他の記号の意味は、表3に示すものと同じである。
表16は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
R9は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径を示し、R10は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径を示す。表16の他の記号の意味は表4と同じである。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、および第4のレンズ素子14を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施のレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図17~図19は、第4の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図17は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第4の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図17において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図17から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図18は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図18において、垂直座標は、角度(°)単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)単位)を表す。図18の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図19は、波長555nmの光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、光が光学レンズ10を通過した後のと理想的な形状との差を示すために使用される。図19の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図19の右側の図は、波長555nmの光が第4の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.686mmであり、全トラック長TTLは15.879mmである。この場合、TTL1は6.193mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.193mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図20は、本出願の第5の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像平面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第5の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表17に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表18は、本出願の第5の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表19は、本出願の第5の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表20は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することにより、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図21から図23は、第5の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図21は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第5の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図21において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図21から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図22は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第5の実施で光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図22において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図22の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図23は、波長555nmの光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、それは、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状と、の差を示すために使用される。図23の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図23の右側の図は、波長555nmの光が第5の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは10.20mmであり、全トラック長TTLは15.938mmである。この場合、TTL1は5.738mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.738mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図24は、本出願の第6の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第2のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第6の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表21に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表22は、本出願の第6の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表23は、本出願の第6の実施における、光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表24は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図25~図27は、第6の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図25は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第6の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図25において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図25から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図27は、波長555nmの光が第6の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図27の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図27の右側の図は、波長555nmの光が第6の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは10.20mmであり、全トラック長TTLは15.938mmである。この場合、TTL1は5.738mmである。この場合、端末1000の厚さは、5.738mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図28は、本出願の第7の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第4のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第5のレンズ素子15は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第7の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表25に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表26は、本出願の第7の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表27は、本出願の第7の実施における、光学レンズ100の各レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表28は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施ではレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
なお、本実施ではレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実施することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図29~図31は、第7の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図29は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第7の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図29において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図29から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図30は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図30において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図30の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図31は、波長555nmの光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図31の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図31の右側の図は、波長555nmの光が第7の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.6mmであり、全トラック長TTLは16mmである。この場合、TTL1は6.4mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.4mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図32は、本出願の第8の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4の各々は、1つのレンズ素子を含む。第3の構成要素S3は、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第5のレンズ素子15は、ガラス材料で作られている。第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、及び第4のレンズ素子14は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、負の屈折力を有し、第5のレンズ素子15の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第5のレンズ素子15の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第8の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表29に示す。パラメータの意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表30は、本出願の第8の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表31は、本出願の第8の実施における、光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
表32は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。表中の記号の意味については、第4の実施の関連説明を参照のこと。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、および第5のレンズ素子15を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図33~図35は、第8の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図33は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第8の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図33において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図33から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図34は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図34において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図34の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図35は、波長555nmの光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図35の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図35の右側の図は、波長555nmの光が第8の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.39mmであり、全トラック長TTLは15.65mmである。この場合、TTL1は6.29mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.29mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図36は、本出願の第9の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第1の構成要素S1、及び第2の構成要素S2のいずれもが、1つのレンズ素子を含み、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4のいずれもが、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11を含み、第2の構成要素S2は第2のレンズ素子12を含み、第3の構成要素S3は第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14を含み、第4の構成要素S4は第5のレンズ素子15及び第6のレンズ素子16を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。
この実施において、第1のレンズ素子11は、ガラス材料で作られている。第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第2のレンズ素子12は負の屈折力を有し、第2のレンズ素子12の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第2のレンズ素子12の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有する。第6のレンズ素子16は、負の屈折力を有し、第6のレンズ素子16の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第6のレンズ素子16の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第9の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表33に示す。
この実施において、d6は、第5のレンズ素子16の軸方向の厚さを示す。第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第5のレンズ素子15である。したがって、dS4は、第5のレンズ素子15の軸方向厚さであり、RS41は、第5のレンズ素子15の被写体側表面の曲率半径であり、RS42は、第5のレンズ素子15の画像側表面の曲率半径であり、v5は、第5のレンズ素子15のアッベ数を示し、すなわち、v5は、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施における光学レンズ10の4つの構成要素は、第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16を含むので、光学レンズ10の4つの構成要素におけるすべてのレンズ素子の軸方向の厚さの合計は、Σd=d1+d2+d3+d4+d5+d6である。本実施における他のパラメータの意味については、第4の実施における関連記述を参照されたい。
表34は、本出願の第9の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表35は、本出願の第9の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施において、R11は、第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、R12は、第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示し、d6は、第6のレンズ素子16の軸方向の厚さを示し、a5は、第5のレンズ素子15の画像側表面から第6のレンズ素子16の被写体側表面までの軸方向距離を示し、a6は、第6のレンズ素子16の画像側表面から赤外線カットオフフィルタ30の被写体側表面までの軸方向距離を示す。表中の他の記号の意味については、第4の実施の関連記述を参照のこと。
表36は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
R11は、第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、R12は、第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示す。表36の他の記号の意味は、表16のものと同じである。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、および第6のレンズ素子16を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。第2のレンズ素子12は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実施することができる。第3のレンズ素子13及び第4のレンズ素子14は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第5のレンズ素子15及び第6のレンズ素子16は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図37~図40は、第9の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図37は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第9の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図37において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図37から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図38は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図38において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図38の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図39は、波長555nmの光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図39の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図39の右側の図は、波長555nmの光が第9の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは7.838mmであり、全トラック長TTLは15.389mmである。この場合、TTL1は7.531mmである。この場合、端末1000の厚さは、7.531mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
図40は、本出願の第10の実施による光学レンズ10の構造の概略図である。この実施において、光学レンズ10は、それぞれ第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4である4つの構成要素を含む。第1の構成要素S1、第2の構成要素S2、第3の構成要素S3、及び第4の構成要素S4は、被写体側から画像側に順に配置されている。この実施において、第2の構成要素S2、及び第4の構成要素S4のいずれもが、1つのレンズ素子を含み、第1の構成要素S1、及び第3の構成要素S3のいずれもが、2つのレンズ素子を含む。第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2は第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3は第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15を含み、第4の構成要素S4は第6のレンズ素子16を含む。レンズ素子は、同軸上に配置される。第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12は、セメント接合されて、接合レンズ素子(HIG1)を形成する。第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、同一の材料又は異なる材料で作ることができる。第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を一緒にセメント接合することにより、セメント接合レンズ素子の屈折率及びアッベ数の範囲をより大きくすることができ、その結果、より良い性能を有するより薄いレンズ素子をより容易に得ることができる。
この実施において、第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、二重セメント接合されたガラス材料で作られている。第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、及び第6のレンズ素子16は、全てプラスチック材料製である。
第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12をセメント接合することによって形成された接合レンズ素子は、屈折力が正であり、第1のレンズ素子11の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第1のレンズ素子11の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第3のレンズ素子13は、負の屈折力を有し、第3のレンズ素子13の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第3のレンズ素子13の画像側表面は、軸線付近で凹状である。第4のレンズ素子14は、正の屈折力を有し、第4のレンズ素子14の被写体側表面は、軸線付近で凹状であり、第4のレンズ素子14の画像側表面は、軸線付近で凸状である。第5のレンズ素子15は、正の屈折力を有する。第6のレンズ素子16は、負の屈折力を有し、第6のレンズ素子16の被写体側表面は、軸線付近で凸状であり、第6のレンズ素子16の画像側表面は、軸線付近で凹状である。
前記の関係に基づき、本出願の第10の実施における光学レンズ10の設計パラメータを以下の表37に示す。
本実施では、第1の構成要素S1は第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12を含み、第2の構成要素S2は第3のレンズ素子13を含み、第3の構成要素S3は第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15を含み、第4の構成要素S4は第6のレンズ素子16を含む。したがって、第1の構成要素S1の第1のレンズ素子は、第1のレンズ素子11であり、第2の構成要素S2の第1のレンズ素子は、第3のレンズ素子13であり、第3の構成要素S3の第1のレンズ素子は、第4のレンズ素子14であり、第4の構成要素S4の第1のレンズ素子は、第6のレンズ素子16である。したがって、dS2は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さd3を示し、dS3は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さd4を示し、dS4は、第6のレンズ素子16の軸方向厚さd6を示す。従って、dS2は、第3のレンズ素子13の軸方向厚さd3を示し、dS3は、第4のレンズ素子14の軸方向厚さd4を示し、dS4は、第6のレンズ素子16の軸方向厚さd6を示す。RS21は第3のレンズ素子13の被写体側表面の曲率半径を示し、RS22は第3のレンズ素子13の画像側表面の曲率半径を示し、RS31は第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径を示し、RS32は第4のレンズ素子14の画像側表面の曲率半径を示し、RS41は第6のレンズ素子16の被写体側表面の曲率半径を示し、RS42は第6のレンズ素子16の画像側表面の曲率半径を示す。v3は第3のレンズ素子13のアッベ数を示し、v3は第2の構成要素S2の第1のレンズ素子のアッベ数vS2である。v4は第4のレンズ素子14のアッベ数を示し、v4は第3の構成要素S3の第1のレンズ素子のアッベ数vS3である。v6は第6のレンズ素子16のアッベ数を示し、v6は第4の構成要素S4の第1のレンズ素子のアッベ数vS4である。この実施の他のパラメータの意味については、第9の実施の関連記述を参照のこと。
表38は、本出願の第10の実施における光学レンズ10の基本パラメータを示す。
表39は、本出願の第10の実施における光学レンズ100の各構成レンズ素子の曲率半径、厚さ、屈折率、およびアッベ数を示す。
本実施では、第1のレンズ素子11の画像側表面と第2のレンズ素子12の被写体側表面とがセメント接合されて接合レンズ素子を形成するため、第1のレンズ素子11の画像側表面の曲率半径R2は、第2のレンズ素子12の被写体側表面の曲率半径R3と同一である。第1のレンズ素子11の画像側表面から第2のレンズ素子12の被写体側表面までの軸方向距離a1は0であるため、表には示していない。この実施の他のパラメータの意味については、第9の実施の関連記述を参照のこと。
表40は、この実施における光学レンズ10の非球面係数を示す。
前記のパラメータを以下の式:
に代入することによって、本実施における光学レンズ10の第1のレンズ素子11、第2のレンズ素子12、第3のレンズ素子13、第4のレンズ素子14、第5のレンズ素子15、および第6のレンズ素子16を設計することができる。
この実施において、前記の設計パラメータを用いて得られた光学レンズ10の異なるレンズ素子は、それぞれ異なる機能を実現することができ、レンズ素子の協働により良好な撮像品質を有する光学レンズ10が得られる。具体的には、この実施では、第1のレンズ素子11及び第2のレンズ素子12は、比較的高い屈折率を有し、集光及び色収差補正の機能を適切に実現することができる。さらに、第1のレンズ素子11と第2のレンズ素子12とをセメント接合して2重接合レンズ素子にすることによって、接合レンズ素子の反射数やアッベ数の範囲がより大きくなり、より良い性能を有するより薄いレンズ素子をより容易に得ることができる。第3のレンズ素子13は、開口絞りからの光の出射角を減少させる機能を実現することができる。第4のレンズ素子14及び第5のレンズ素子15は、より大きな画像平面に光を発散させる機能を実現することができる。第6のレンズ素子16は、光学系の視野湾曲および非点収差を補正する機能を実現することができる。なお、本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみをここで提供する。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
本実施におけるレンズ素子によって実現される機能のみがここで提供されていることに留意されたい。本出願の他の実施では、レンズ素子は他の機能を実現することができる。これらの機能は、本明細書では限定されない。
図41~図43は、第10の実施における光学レンズ10の光学特性を表すための図である。
具体的には、図41は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第10の実施の光学レンズ10を通過した後の軸方向収差を示す。図41において、垂直座標は、正規化された瞳孔座標を表し、水平座標は、ミリ秒単位の軸方向収差を表す。図41から分かるように、この実施における軸方向収差は、比較的小さな範囲内で制御される。
図42は、波長650nm、610nm、555nm、510nm、および470nmの光がそれぞれ第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差を示す。図42において、垂直座標は、角度(°)の単位で視野を表し、水平座標は、回折限界範囲(ミクロン(μm)の単位)を表す。図42の破線は、光学レンズ10の回折限界範囲を表す。図から分かるように、各波長の光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、回折限界内にある、すなわち、各波長の光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の横方向の色収差は、基本的に、光学レンズ10の撮像品質に影響を与えない。
図43は、波長555nmの光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の場の湾曲および光学歪みの概略図であり、撮像変形と、光が光学レンズ10を通過した後の理想的な形状との差を示すために使用される。図43の左図において、実線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の子午線方向の場の湾曲の概略図であり、破線は、波長555nmの光が光学レンズ10を通過した後の矢状方向の場の湾曲の概略図である。図43の右側の図は、波長555nmの光が第10の実施の光学レンズ10を通過した後の光学歪の概略図である。図から分かるように、この実施では、光学系は、肉眼で認識可能な範囲(2%以下が肉眼で認識不可能な範囲)内で歪みを制御する。
本実施で提供される光学レンズ10の背面焦点距離BFLは9.4mmであり、全トラック長TTLは15.932mmである。この場合、TTL1は6.53mmである。この場合、端末1000の厚さは、6.53mmよりもわずかに大きくてもよく、すなわち、端末1000は、良好な撮像品質を有しつつ、比較的小さな厚さを有する。
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実施であるが、本出願の保護範囲を制限することを意図するものではない。本出願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更又は代替は、本出願の保護範囲に含まれる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。