JP2023517293A - 抗ウイルスの構造的に安定化されたSARS-CoV-2ペプチドおよびその使用 - Google Patents

抗ウイルスの構造的に安定化されたSARS-CoV-2ペプチドおよびその使用 Download PDF

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Abstract

コロナウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2による感染)を妨害および阻害するために有用な架橋ペプチドが本明細書に開示される。また、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)を処置する、および/または予防する方法も開示される。本開示は、構造的に安定化されたSARS-CoV-2抗ウイルスペプチド、ならびにコロナウイルス感染の予防および処置においてそのようなペプチドを使用するための方法に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月4日に出願された米国特許出願第62/985,100号に対する優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2021年3月4日に作成された前記ASCIIコピーの名称は00530_0401WO1_2823_W01WO_SL.txtであり、サイズは163,968バイトである。
技術的分野
本開示は、構造的に安定化されたSARS-CoV-2抗ウイルスペプチド、ならびにコロナウイルス感染の予防および処置においてそのようなペプチドを使用するための方法に関する。
背景
Wuhan nCoV(2019-nCoVまたはSARS-CoV-2としても知られている)によって引き起こされるCOVID-19などの新規コロナウイルス(nCoV)大流行による感染を予防または処置するための抗ウイルス治療薬は現在存在しない。COVID-19は、世界保健機関(WHO)によって高リスクの世界的な健康緊急事態であると宣言されており、2021年3月現在で、世界中で114,857,764件の呼吸器疾患症例および2,551,459件の死亡例を引き起こしている。
SARS-CoV-2は、宿主細胞との会合の際に立体構造変化を受け、宿主膜とウイルス膜とを一緒にする6ヘリックスバンドルの形成をもたらす表面タンパク質を含有する。ウイルス融合プロセスのペプチドベースの阻害は機構的に実行可能であり、臨床的に有効であるが(例えば、2003年にFDAによって承認されたFuzeon(すなわち、エンフルビルチド(enfurvirtide)))、生物活性形状の喪失およびインビボでの迅速なタンパク質分解(例えば、100mgを毎日2回自己注射)を含むペプチドの生物物理学的および薬理学的傾向により、この検証されたアプローチのより広範な適用が制限されている。したがって、大流行を効果的に緩和するために、COVID-19感染の予防および/または処置のための新しい戦略が緊急に必要とされている。
概要
本出願は、生物活性ヘリックスの構造を再現し強化して、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)感染の予防および/または処置のための標的化された予防剤および治療剤を生成するペプチド安定化技術(例えば、ステープル、ステッチ)を開示する組成物および方法に関する。天然ペプチドに「ステープル」(例えば、全炭化水素ステープル)または「ステッチ」を挿入することによって、生物活性らせん構造を回復させることができ、さもなければ不安定であるアミド結合をらせん構造のコアに埋め込むこと、および/または身体のプロテアーゼによるそれらの認識およびタンパク質分解を妨げる様式でアミド結合を拘束することによって、顕著なプロテアーゼ耐性を付与することができる。ここでは、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)の構造的に安定化されたペプチド阻害剤が開示される。これらの構造的に安定化されたペプチド阻害剤は、COVID-19などのコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)感染を予防および/または処置するために使用される。
本開示は、部分的に、配列番号10もしくは258(それぞれSARS-CoV-2 HR2およびEK1のコア鋳型配列)または配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、44~49、177、および179のいずれか一つの配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、94%、95%、または100%同一である配列を含むアミノ酸配列の構造的に安定化されたペプチドを提供し、構造的に安定化されたペプチドは、以下の特性のうち少なくとも1つ(1、2、3、4、5、6個)を有する:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質の5ヘリックスバンドルと配列番号10または258のペプチドとの間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2の宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する。本開示はまた、部分的に、配列番号10もしくは258、または配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、44~49、177、および179のいずれか一つの配列を含むアミノ酸配列の構造的に安定化されたペプチドを提供し(0~10(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を有する)、構造的に安定化されたペプチドは、以下の特性のうち少なくとも1つ(1、2、3、4、5、6個)を有する:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質の5ヘリックスバンドルと配列番号10または258のペプチドとの間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2の宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する。いくつかの例では、配列番号10または258の1位、3位、5位、6位、8位、10位、12位、13位、15位、17位、および19位のうちの1またはそれより多くは、置換されていないか、または保存的アミノ酸置換によって置換されている。いくつかの例では、配列番号10または258の2、4、7、9、11、14、16、または18位のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されている。特定の例では、配列番号10または258の4位、8位、10位、13位、15位、17位および18位のうちの1またはそれより多くは、置換されていないか、または置換されている場合は保存的アミノ酸によって置換されている。特定の例では、配列番号10または258の1、5、7、11、または12位のうちの1またはそれより多くは、置換されている場合、保存的アミノ酸によって置換されている。配列番号10または258のアミノ酸配列を変えることの指針となる特徴は、それが依然としてSARS-CoV-2の5ヘリックスバンドルに結合し、5ヘリックスバンドルと配列番号10または258のペプチドとの会合を阻害または破壊することができるはずであるということである。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、44~49、177、および179のいずれか1つの配列を含む。上記のペプチドは、19~100(例えば、少なくとも19、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95)アミノ酸長さであり得、これらのペプチドは脂質化され得る。ペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲートするように改変することもできる。さらに、これらのペプチドは、対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドの追加のN末端(例えば、配列番号250または251のいずれか)および/またはC末端(例えば、配列番号252~255のいずれか1つ)の配列を含むように改変することができる。いくつかの場合では、これらのペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列GSGSGC(配列番号256)を含むように改変され得る。いくつかの場合では、アミノ酸配列は、GSGSGC(配列番号256)-Ac-PEG4-コレステロールのようなC末端ペプチド/PEGスペーサーコンジュゲートコレステロールをさらに含む。いくつかの場合では、これらのペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたGSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドを含むように改変され得る。これらの構造的に安定化されたペプチドは、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)の処置または予防に有用である。本開示はまた、上記の構造的に安定化されたペプチドを作製する方法に関する。例えば、配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、44~49、177、および179のいずれか1つのペプチドは、(例えば、ルテニウム媒介閉環メタセシス反応によって)架橋を受ける。本方法は、架橋ペプチドを、それを必要とするヒト対象への投与(例えば、静脈内、皮下、局所、鼻腔内)のために有用な滅菌医薬組成物として製剤化することをさらに含み得る。
一態様では、本開示は、配列番号10(IQKEIDRLNEVAKNLNESL)に示される配列と少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または94%同一であるアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドを特徴とする。いくつかの例では、配列番号10の、以下(1位は配列番号10のN末端イソロイシンであり、19位は配列番号10のC末端ロイシンである):
(i)7位および11位;
(ii)10位および14位;
(iii)12位および16位;
(iv)14位および18位
(v)2位および9位;
(vi)4位および11位;
(vii)9位および16位;
(viii)2位および6位;
(ix)8位および12位;
(x)9位および13位;
(xi)11位および15位;
(xii)14位および18位;
(xiii)15位および19位;
(xiv)7位および14位;
(xv)3位および10位;
(xvi)6位および13位;
(xvii)13位および17位;
(xiii)3位および7位;
(xix)3位、7位、13位、および17位;
(xx)3位、7位、14位、および18位;
(xxi)2位、6位、14位、および18位;
(xxii)2位、6位、13位、および17位;
(xxiii)3位、10位、および17位;
(xiv)2位、9位、および13位;
(xv)3位、10位、および14位;
(xvi)6位、13位、および17位;または
(xvii)7位、14位、および18位、
から選択される位置のアミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられている。いくつかの例では、アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を含む場合、それらの置換(複数可)は、(A)または(B):
(A)配列番号10の4位、8位、10位、13位、15位、17位および18位は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていない場合、置換されていないか、または保存的アミノ酸置換で置換されており;
1位、5位、7位および11位は、置換されている場合、保存的アミノ酸置換またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置換されており;ならびに
配列番号10の残りの位置は、任意のアミノ酸、またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていてもよい;または
(B)配列番号10の1位、3位、5位、6位、8位、10位、12位、13位、15位、17位、および19位のうちの1またはそれより多くは、置換されていないか、または置換されている場合は保存的アミノ酸置換によって置き換えられている、のいずれかに基づく。
いくつかの例では、配列番号10の2、4、7、9、11、14、16、および18位のうちの1またはそれより多くで構造的に安定化されたポリペプチドを、任意のアミノ酸またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えることができる。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、15~100アミノ酸長であり、必要に応じて、19~45アミノ酸長である。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)5ヘリックスバンドルと配列番号10との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する。
いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号10に示される配列と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%)同一である。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号10に示される配列と少なくとも80%(80%、85%、90%、95%)同一である。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号50の配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号52の配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号51の配列を含む。いくつかの例では、アミノ酸配列は、配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、および137の配列のいずれか1つの配列を含む。
いくつかの例では、構造的に安定化された(structurally-stabilized)は、アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列ISGINASVVN(配列番号250)をさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列DISGINASVVN(配列番号251)をさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQEL(配列番号252)をさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYI(配列番号253)をさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGSGSGC(配列番号254)をさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYIGSGSGC(配列番号255)をさらに含む。
いくつかの例では、構造的に安定化されたは、ポリエチレングリコールをさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、コレステロールをさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたは、GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドをさらに含む。
別の態様では、本開示は、配列番号258(LEYEBKKLEEAIKKLEESYに記載の配列と少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または94%同一であるアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドを特徴とし、配列番号258の、以下(1位はN末端ロイシンであり、19位はC末端チロシンである):
(i)2位、9位、および15位;
(ii)3位、10位、および16位;
(iii)2位、6位、13位、および17位;
(iv)3位、7位、13位、および17位;
(v)2位、6位、14位、および18位;または
(vi)3位、7位、14位、および18位、
から選択される位置のアミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられている。いくつかの場合では、アミノ酸配列が追加の置換(複数可)を有する場合、それらは以下の通りである:配列番号258の2、4、7、9、11、14、16、または18位のうちの1またはそれより多くが、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていない場合、任意のアミノ酸で置換される;ならびに配列番号110の1、3、5、6、8、10、12、13、15、17および19位のうちの1またはそれより多くは置換されていないか、または置換されている場合、保存的アミノ酸置換によって置換されている。いくつかの場合では、アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を有する場合、それらは配列番号258の2、9、11、14または16位のうちの1またはそれより多くにあり、置換は、保存的置換を含む任意のアミノ酸に対するものであり得る。いくつかの場合では、アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を有する場合、それらは配列番号258の1、5、7、11、または12位のうちの1またはそれより多くにあり、その場合、その置換は保存的アミノ酸置換である。いくつかの場合では、ペプチドは、19~100アミノ酸長である。最後に、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)5ヘリックスバンドルと配列番号258との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する。
別の態様では、本開示は、配列番号110(SLDQINVTFLDLEYEMKKLEEAIKKLEESYIDLKEL)に記載の配列と少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または94%同一であるアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドを特徴とし、配列番号110の、以下(1位はN末端セリンであり、36位はC末端ロイシンである):
(i)13位、20位、および27位
(ii)14位、21位、および28位;
(iii)13位、17位、24位、および28位;
(iv)14位、18位、24位、および28位;
(v)13位、17位、25位、および29位;または
(vi)14位、18位、25位、および29位、
から選択される位置のアミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられており;
アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を有する場合、それらは(A)
(A)配列番号110の4位、8位、10位、13位、15位、17位および18位のうちの1またはそれより多くが、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていない場合、置換されていないか、または保存的アミノ酸置換で置換されており;
配列番号110の1位、5位、7位、および11位のうちの1またはそれより多くが置換されている場合、保存的アミノ酸置換によって置換されており;
配列番号110の残りの位置のうちの1またはそれより多くは、任意のアミノ酸によって置換され得る、に基づき;
および
ペプチドは、15~100アミノ酸長であり;および
構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)5ヘリックスバンドルと配列番号258との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する。
いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、配列番号177に示される配列と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%)同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、配列番号177に示される配列と同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、配列番号179に示される配列と少なくとも70%(70%、75%、80%、85%、90%、95%)同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、配列番号179に示される配列と同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列GSGSGC(配列番号256)をさらに含む。
いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、ポリエチレングリコールをさらに含む。いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、コレステロールをさらに含む。
いくつかの例では、構造的に安定化されたポリペプチドは、GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドをさらに含む。
一態様では、本開示は、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5個)のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号9に示されるアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含むペプチドを特徴とする。いくつかの例では、SARS CoV-2 HR2ペプチド鋳型配列は、45アミノ酸長以下である(例えば、42、43、44、または45)が、もちろん、活性を維持または最適化するために、SARS CoV-2 HR2ペプチド鋳型配列をN末端またはC末端で(化学的誘導体化の有無にかかわらず)伸長することができることを理解されたい。ペプチドは、組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する。ペプチドはまた、SARS CoV-2 HR2配列(例えば、配列番号9、10、103、104、106、または108)と組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質との間の相互作用を阻害または破壊することができる。
いくつかの例では、ペプチドは、配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの例では、ペプチドは、ステープルペプチドとSARS-CoV-2の組換え5ヘリックスバンドル標的との間の重要な結合相互作用の破壊を回避するために、許容される場合に非相互作用表面に1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換、または相互作用面上の相同置換のいずれかを有する配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの例では、ペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。これらのペプチドは、以下に列挙する特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)SARS CoV-2 HR2配列(例えば、配列番号9、10、103、104、106、または108)と組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質との間の相互作用を阻害または破壊する;(iii)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(iv)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4個)を有する。
別の態様では、本開示は、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5個)のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号9に示されるアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含む構造的に安定化されたペプチドを特徴とする。オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている。いくつかの例では、SARS CoV-2 HR2ペプチド鋳型配列は、45アミノ酸長以下である(例えば、42、43、44、または45)が、活性を維持または最適化するために、N末端またはC末端で(化学的誘導体化の有無にかかわらず)伸長することができる。構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(例えば、配列番号9、10、103、104、106、または108)との間の相互作用を阻害または破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4、5、6個)を有する。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、42~45(例えば、42、43、44、45)アミノ酸長である。
いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の連続アミノ酸を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号11~29のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、42~45(例えば、42、43、44、45)アミノ酸長である。
別の態様では、本開示は、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5個)のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号10に示されるアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含むペプチドを提供する。いくつかの例では、ペプチド配列鋳型は、最大で45アミノ酸長(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、または45)であるが、いくつかの例では、活性を維持または最適化するためにN末端またはC末端で(化学的誘導体化の有無にかかわらず)伸長することができる。ペプチドは、組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する。ペプチドはまた、SARS CoV-2 HR2配列(例えば、配列番号9、10、103、104、106、または108)と組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質との間の相互作用を阻害または破壊することができる。
いくつかの例では、ペプチドは、配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの例では、ペプチドは、ステープルペプチドとSARS-CoV-2の組換え5ヘリックスバンドル標的との間の重要な結合相互作用の破壊を回避するために、許容される場合に非相互作用表面に1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換、または相互作用面上の相同置換のいずれかを有する配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含むか、またはそれからなる。
いくつかの例では、ペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。これらのペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(iv)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうち1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4個)を有する。
別の態様では、本開示は、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5個)のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号10に示されるアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含む構造的に安定化されたペプチドを特徴とする。オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている。ペプチドは、45アミノ酸長以下である(例えば、42、43、44、または45)が、活性を維持または最適化するために、N末端またはC末端で(化学的誘導体化の有無にかかわらず)伸長することができる。構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4、5個)を有する。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~45(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45)アミノ酸長である。
いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続アミノ酸を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、1、2、3、4、または5個のアミノ酸置換を有する配列番号30~52のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれらからなり、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸の側鎖は架橋されている(例えば、ステープルおよび/またはステッチ)。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~45(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45)アミノ酸長である。
いくつかの例では、上記および本開示のペプチドまたは構造的に安定化された(例えば、ステープル、ステッチ)ペプチドは、以下の特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1、2、3、4、5または6つすべてを有する。
1つの態様では、本開示は、以下の式を含むまたはそれからなる構造的に安定化されたペプチド:
Figure 2023517293000001
またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
いくつかの例では、各RおよびRは、HまたはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、各Rは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;および各[Xaa]は配列番号53;56、59、62、65、68、74、77、80、82、86、もしくは87のうちの1つ、またはIもしくはIQのうちの1つであり;各[Xaa]は、配列番号54、57、60、63、66、69、70、72、75、78、81もしくは83のうちの1つであるか、またはKEI、EID、RLN、EVA、VAK、NLNもしくはLNEのうちの1つであり;および各[Xaa]は、配列番号55;58、61、64、67、71、73、76、79、84、85のうちの1つ、またはYI、ESL、SL、もしくはLのいずれかである。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、Rは、アルキル基またはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Rは、アルキル基またはメチル基である。
1つの態様では、本開示は、以下の式を含むまたはそれからなる構造的に安定化されたペプチド:
Figure 2023517293000002
またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
いくつかの例では、各R、R、R、およびRは、HまたはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、各Rは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号53、56、59のうちの1つであるか、またはIもしくはIQのうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号54、57、60のうちの1つであるか、またはKEIもしくはEIDのうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号88~100のうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号63、66、69のうちの1つであるか、またはNLNもしくはLNEのうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号64もしくは67のうちの1つであるか、またはYI、SLもしくはLのうちの1つである。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
1つの態様では、本開示は、以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
Figure 2023517293000003
またはその薬学的に許容され得る塩を特徴とする。
いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号62、74もしくは77のうちの1つであるか、またはIもしくはIQである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号63、70、72、75または78のうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号69、81もしくは83のうちの1つであるか、またはEVA、VAK、NLNもしくはLNEのうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号76もしくは79であるか、またはYI、ESL、SLもしくはLのうちの1つである。いくつかの例では、各RおよびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、各RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、4、5、6個)を有する。いくつかの例では、Rは、アルキル基またはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Rは、アルキル基またはメチル基である。
1つの態様では、本開示は、以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
Figure 2023517293000004
またはその薬学的に許容され得る塩を特徴とする。
いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号53、59または59のうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号54、57、または60のうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号88、91または94のうちの1つである。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号63である。いくつかの例では、[Xaa]は、配列番号69である。いくつかの例では、[Xaa]は、YIである。いくつかの例では、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されていない;いくつかの例では、R、RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されていない。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、本明細書に開示される構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩は、最大で45アミノ酸長である。いくつかの場合では、構造的に安定化されたペプチドは、19、20、21、22、3、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100アミノ酸長である。
1つの態様では、本開示は、本明細書に開示されるペプチドの1つを含む医薬組成物を特徴とする。1つの態様では、本開示は、本明細書に開示される構造的に安定化されたペプチドの1つを含む医薬化合物を特徴とする。いくつかの例では、医薬化合物は薬学的に許容され得る担体を含む。
1つの態様では、本開示は、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)の処置を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を処置する方法であって、治療有効量の本明細書中に開示されるペプチドのいずれか1つをヒト対象に投与することを含む方法を特徴とする。別の態様では、本開示は、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)の処置を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を処置する方法であって、治療有効量の本明細書中に開示される構造的に安定化されたペプチドのいずれか1つをヒト対象に投与することを含む方法を特徴とする。
1つの態様では、本開示は、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)の予防を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を予防する方法であって、治療有効量の本明細書中に開示されるペプチドのいずれか1つをヒト対象に投与することを含む方法を特徴とする。別の態様では、本開示は、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)の予防を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を予防する方法であって、治療有効量の本明細書中に開示される構造的に安定化されたペプチドのいずれか1つをヒト対象に投与することを含む方法を特徴とする。
いくつかの例では、本明細書の方法は、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19)を処置または予防する方法である。いくつかの例では、コロナウイルス感染は、ベータコロナウイルスによるものである。いくつかの例では、コロナウイルス感染は、SARS-CoV-2による感染によって引き起こされる。
1つの態様では、本開示は、構造的に安定化されたペプチドを作製する方法であって、(a)本明細書に開示されるペプチド(例えば、配列番号11~52または112~180)を提供すること、および(b)ペプチドを架橋することを含む方法を特徴とする。いくつかの例では、ペプチドを架橋することは、ルテニウム触媒メタセシス反応によるものである。
1つの態様では、本開示は、本明細書に開示される構造的に安定化されたペプチドの1つを含むナノ粒子含有組成物を特徴とする。いくつかの例では、ペプチドまたは構造的に安定化されたペプチドは、8、8、および8のうちの1つまたはそれより多くを含む。いくつかの例では、8、8および8は、(R)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニンである。いくつかの例では、ペプチドまたは構造的に安定化されたペプチドは、X、X、X、X、およびXのうちの1つまたはそれより多くを含む。いくつかの例では、X、X、X、X、およびXはそれぞれ、(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンである。いくつかの例では、ペプチドまたは構造的に安定化されたペプチドは、α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシンまたはα,α-ビス(7’-オクテニル)グリシンである#を含む。いくつかの例では、ペプチドまたは構造的に安定化されたペプチドは、(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンである%を含む。いくつかの例では、ナノ粒子はPLGAナノ粒子である。特定の場合において、PLGAナノ粒子の乳酸:グリコール酸比は、2:98~100:0の範囲内である。
1つの態様において、本開示は、構造的に安定化されたペプチドを特徴とし、8、8、および8=(R)-α(7’-オクテニル)アラニンまたは(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;X、X、X、X、およびX=(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;#=α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシンまたはα,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン;ならびに%=(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンである。別の態様では、構造的に安定化されたは、8、8および8=(R)-α-(7’-オクテニル)アラニン;X、X、X、XおよびX=(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;#=α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン;ならびに%=(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンであるペプチドを含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と類似または同等の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および材料を以下に説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本出願が優先する。材料、方法、および実施例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および特許請求の範囲から明らかになる。
図1A~図1Bは、Sタンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)(図1A)およびSARS-CoV-2のらせんバンドルの3つの生成された配列(配列番号261~263)(図1B)を提供する。図1Bの下線が引かれた配列はHR1配列を表し、図1Bの四角で囲まれた配列はHR2を表す。 図1A~図1Bは、Sタンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)(図1A)およびSARS-CoV-2のらせんバンドルの3つの生成された配列(配列番号261~263)(図1B)を提供する。図1Bの下線が引かれた配列はHR1配列を表し、図1Bの四角で囲まれた配列はHR2を表す。 図2は、ヘプタッドリピートドメイン1(HR1)(配列番号2)およびヘプタッドリピートドメイン2(HR2)(配列番号3)融合ドメインの配列組成を含む、SARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質の概略図である。 図3は、SARS-CoV-2 S融合阻害剤ペプチドの作用機序を示す。 図4は、SARS-CoV-2 S HR2(1169-1210)ドメイン両親媒性アルファ-ヘリックス(配列番号4~6)の一部のヘリカルホイールの図であり、主に疎水性の結合界面を示し、隣接する荷電残基または極性残基が結合界面の周囲および非相互作用面にある。矢印は疎水性モーメントを指す。 図5SARS-CoV-2 S HR2(1179-1197)ドメイン両親媒性アルファ-ヘリックス(配列番号7)の一部のヘリカルホイールの図であり、主に疎水性の結合界面を示し、隣接する荷電残基または極性残基が結合界面の周囲および非相互作用面にある。矢印は疎水性モーメントを指す。 図6A~図6Bは、SARS-CoV-2およびSARS-CoV-1(「SARS」)のHR1領域およびHR2領域のアラインメント(図6A)、ならびにSARS-CoV-2、MERS、および代替HR2型配列(「EK1」)からのHR2配列のアラインメント(図6B)を示す。図6Aにおいて、SARS HR1配列は、配列番号8に示されている。SARS-CoV-2 HR1配列は配列番号2に示されている。SARS-CoV-1およびSARS-CoV-2 HR2配列を配列番号3に示す。図6Bでは、SARS-CoV2配列は配列番号108に示されており、MERS配列は配列番号259に示されており;およびEK1配列は配列番号110に示されている。SARS-CoV-2 HR2およびその2つのホモログのコア鋳型らせん配列に下線を引き、SARS-CoV-2 HR2およびEK1からのコア鋳型配列をそれぞれ配列番号10および配列番号258に示す。図6Bのアラインメントは、改変され得るSARS-CoV2 HR2配列中の可能性のある残基およびどのアミノ酸に対する同定を可能にする。 図7は、i、i+3;i、i+4、およびi、i+7位にわたるステープルを担持する炭化水素ステープルSARS-CoV-2 Sペプチドを生成するために使用することができるオレフィンテザーを含有する種々の非天然アミノ酸を示す。単一ステープルスキャンを使用して、単一ステープルCOVID-19-Sペプチドのライブラリを生成する。 図8は、複数ステープルのペプチド中の様々なステープル組成物、および複数ステープルのSARS-CoV-2 Sペプチドのライブラリを生成するためのステープルスキャンを示す。 図9は、ステッチSARS-CoV-2 Sペプチドのライブラリを生成するためのタンデムステッチペプチド中の様々なステープル組成物を示す。 図10は、Alaスキャン、ステープルスキャン、ならびに可変N末端およびC末端の欠失、付加、および誘導体化ライブラリの生成を含む、SARS-CoV-2融合装置をターゲットにするための最適なステープルペプチド構築物を設計、合成、および同定するための例示的なアプローチの図である。アラニンおよびステープルおよびステッチスキャンを含む、単一および二重のステープルおよびステッチ構築物を使用して、インビトロおよびインビボ分析に最適なステープルペプチドを同定する。 図11は、コア鋳型配列(aa1169~1197)のi、i+4およびi、i+7ステープルスキャンによって生成された例示的な構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチド配列、ならびにN末端およびC末端のステープルなし配列伸長、末端誘導体化(例えば、PEG4-コレステロール)、二重ステープルおよびステッチの組み込み、ならびに代替HR2型配列へのステープルの適用を特徴とするその変形を示す。配列番号の隣の文字指定は、配列中のステープルの位置のキーである。 図11は、コア鋳型配列(aa1169~1197)のi、i+4およびi、i+7ステープルスキャンによって生成された例示的な構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチド配列、ならびにN末端およびC末端のステープルなし配列伸長、末端誘導体化(例えば、PEG4-コレステロール)、二重ステープルおよびステッチの組み込み、ならびに代替HR2型配列へのステープルの適用を特徴とするその変形を示す。配列番号の隣の文字指定は、配列中のステープルの位置のキーである。 図11は、コア鋳型配列(aa1169~1197)のi、i+4およびi、i+7ステープルスキャンによって生成された例示的な構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチド配列、ならびにN末端およびC末端のステープルなし配列伸長、末端誘導体化(例えば、PEG4-コレステロール)、二重ステープルおよびステッチの組み込み、ならびに代替HR2型配列へのステープルの適用を特徴とするその変形を示す。配列番号の隣の文字指定は、配列中のステープルの位置のキーである。 図12A~図12Bは、コア鋳型配列(aa1169~1197)へのステープルの挿入が、ステープルなしの配列と比較して、際立ったアルファらせん構造を付与し、この構造的利益は、N末端および/またはC末端のステープルなしの配列を付加すると保存されることを示す。図12Aは、ステープルなしコア鋳型配列(配列番号10)の円二色性スペクトルを、ステッチJ、S(配列番号47)もしくはK、T(配列番号48)、またはダブルステープルN、S(配列番号49)もしくはN、T(配列番号51)を含むものと比較する。図12Bは、より長いステープルなしHR2配列(配列番号9、108、110)の円二色性スペクトルを、二重ステープルO、S(配列番号158)およびN、S(配列番号177)を含有するものと比較する。 図13A~図13Bは、コア鋳型配列(aa1169~1197)への二重ステープルまたはステッチの挿入が、配列、ステープルの種類、およびステープルの位置に応じて、ステープルなし配列と比較して顕著なプロテアーゼ耐性を付与することを示す。図13Aは、二重ステープルまたはステッチの両方(配列番号48および52)がプロテイナーゼK処理に対する顕著な耐性を付与するのに対して(半減期>1000分)、ステープルなしの配列(配列番号10)は急速に消化される(半減期35分)ことを示す。図13Bは、より長いステープルなしHR2配列(配列番号9)がプロテイナーゼKによって迅速に消化され(半減期25分)、二重ステープルO、S(配列番号158)の挿入はタンパク質分解耐性をわずかに増強するだけである(半減期33分)のに対して、別のHR2型配列(配列番号110)への二重ステープルN、S(配列番号177)の挿入は、プロテイナーゼKに対する顕著なタンパク質分解耐性を付与する(半減期840分)ことを示す。 図14A~図14Bは、図14Aの配列番号51(ステープルN、T)および図14Bの配列番号52(ステープルO、T)を含む、コア鋳型配列(aa1169~1197)の2つの二重ステープルペプチドのマウス血漿安定性(分解なし)を示す。 図15A~図15Bは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+4ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図15Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図15Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+4ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+4ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図15Aおよび図15Bの両方において、上から下への配列は、配列番号130、36、37、131、132、38、133、134、39、40、135、136、41、42、137、および10を有する。 図16A~図16Dは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+7ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図16Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図16Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+7ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+7ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図16Aおよび図16Bの両方において、上から下への配列は、配列番号112、30、31、113、114、32、33、115、34、35、116、117、および10を有する。図16Cは、好ましい(薄い灰色)、好ましくない(濃い灰色)、および中間(中程度の灰色)i、i+7ステープルに関与する残基を示すヘリカルホイールの略図を示す。2つのステープルに関与する残基は、ステープルのN末端位置での残基の取り込みを表す左半円と、ステープルのC末端位置での残基の取り込みを表す右半円とを有する二等分円として示されている。半円が白色に着色されている場合、示された残基位置は、N末端またはC末端ステープル位置のいずれにも関与しない。疎水性表面に位置するステープル位置は5-HB結合活性を破壊し、予想外に、5-HB結合表面とは反対側の親水性表面に位置するステープル位置も好ましくない(濃い灰色の残基;Xでマークされる)。対照的に、疎水性結合表面と親水性表面との間の境界における選択ステープル位置は好ましい(薄灰色残基;星でマークされる)。図16Dは、HR1のヘプタッドリピートに関与する際の特定のアミノ酸の役割、および特定の位置でのステープルの耐性または不耐性を強調し、どの残基がアミノ酸置換に多かれ少なかれ適しているかの情報を与える、SARS CoV-2 HR2配列を示す。 図16A~図16Dは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+7ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図16Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図16Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+7ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+7ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図16Aおよび図16Bの両方において、上から下への配列は、配列番号112、30、31、113、114、32、33、115、34、35、116、117、および10を有する。図16Cは、好ましい(薄い灰色)、好ましくない(濃い灰色)、および中間(中程度の灰色)i、i+7ステープルに関与する残基を示すヘリカルホイールの略図を示す。2つのステープルに関与する残基は、ステープルのN末端位置での残基の取り込みを表す左半円と、ステープルのC末端位置での残基の取り込みを表す右半円とを有する二等分円として示されている。半円が白色に着色されている場合、示された残基位置は、N末端またはC末端ステープル位置のいずれにも関与しない。疎水性表面に位置するステープル位置は5-HB結合活性を破壊し、予想外に、5-HB結合表面とは反対側の親水性表面に位置するステープル位置も好ましくない(濃い灰色の残基;Xでマークされる)。対照的に、疎水性結合表面と親水性表面との間の境界における選択ステープル位置は好ましい(薄灰色残基;星でマークされる)。図16Dは、HR1のヘプタッドリピートに関与する際の特定のアミノ酸の役割、および特定の位置でのステープルの耐性または不耐性を強調し、どの残基がアミノ酸置換に多かれ少なかれ適しているかの情報を与える、SARS CoV-2 HR2配列を示す。 図16A~図16Dは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+7ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図16Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図16Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+7ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+7ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図16Aおよび図16Bの両方において、上から下への配列は、配列番号112、30、31、113、114、32、33、115、34、35、116、117、および10を有する。図16Cは、好ましい(薄い灰色)、好ましくない(濃い灰色)、および中間(中程度の灰色)i、i+7ステープルに関与する残基を示すヘリカルホイールの略図を示す。2つのステープルに関与する残基は、ステープルのN末端位置での残基の取り込みを表す左半円と、ステープルのC末端位置での残基の取り込みを表す右半円とを有する二等分円として示されている。半円が白色に着色されている場合、示された残基位置は、N末端またはC末端ステープル位置のいずれにも関与しない。疎水性表面に位置するステープル位置は5-HB結合活性を破壊し、予想外に、5-HB結合表面とは反対側の親水性表面に位置するステープル位置も好ましくない(濃い灰色の残基;Xでマークされる)。対照的に、疎水性結合表面と親水性表面との間の境界における選択ステープル位置は好ましい(薄灰色残基;星でマークされる)。図16Dは、HR1のヘプタッドリピートに関与する際の特定のアミノ酸の役割、および特定の位置でのステープルの耐性または不耐性を強調し、どの残基がアミノ酸置換に多かれ少なかれ適しているかの情報を与える、SARS CoV-2 HR2配列を示す。 図17A~図17Bは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化二重i、i+4ステープルペプチド(配列番号51(N,T)および配列番号52(O,T))を使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図17Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、二重ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図17Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光二重ステープルペプチドについての用量応答曲線を示し、各例において、二重ステープルの挿入が、ステープルなしのコア鋳型配列と比較して結合活性の増強をもたらすことを強調している。 図18は、より長いHR2(配列番号9)および代替のHR2型(配列番号110)配列のコンテキスト内でそれぞれ、コア鋳型配列、配列番号10またはLEYEBKKLEEAIKKLEESY(配列番号258)の組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびN末端FITC誘導体化二重i、i+4ステープルペプチド(上から下へ、配列番号156、158、160、162、179、および180)を使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。プロットは、SARS-CoV-2の5-HBに対する二重ステープルペプチドの比較用量応答性結合活性を実証している。 図19A~図19Cは、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用が、N末端伸長(aa1169~1197)を有するコア鋳型配列(配列番号10)のi、i+4ステープルスキャンライブラリ(配列番号138~152、上から下)の段階希釈物によって競合される競合ELISA結合アッセイの結果を示す。図19Aは、完全な用量応答競合結合曲線を示し、図19Bおよび図19Cは、それぞれ3μMおよび10μMの投与での各構築物の比較競合結合活性を強調している。 図20は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用が、固定用量(10μM)の配列番号10に対応するコア鋳型SARS-CoV-2 HR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチド(配列番号10、52、51、50、49、48、47、44、および43、上から下)によって競合される競合ELISA結合アッセイの結果を示す。ステープルなしコア鋳型配列(配列番号10)は、5-HBへの結合についてより長いHR2鋳型配列(配列番号9)と競合することができないが、コア鋳型配列の選択二重ステープルペプチド(ステープル組み合わせO、SおよびK、T)およびステッチペプチド(ステープル組み合わせH、L)は、10μMの投与で結合相互作用を部分的に破壊することができる。 図21は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用が、配列番号9に対応するより長いHR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチド(配列番号9、153、154、156、158、160、および162、上から下)での用量応答性処置によって競合される競合ELISA結合アッセイの結果を示す。5-HB/HR2相互作用を破壊する際の有効性は、より長いHR2ペプチド(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)内の二重ステープルおよびステッチのステープルのタイプおよびステープルの配置に依存する。 図22は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用が、配列番号110に対応する代替HR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチド(配列番号110および175~180、上から下)での用量応答性処置によって競合される競合ELISA結合アッセイの結果を示す。5-HB/HR2相互作用を破壊する際の有効性は、より長いHR2型ペプチド(配列番号110)のコンテキストにおけるコア鋳型配列の二重ステープルおよびステッチのステープルのタイプおよびステープルの配置に依存し、二重ステープルN、Sはこの群の最も強力な競合阻害剤を産生する。 図23は、配列番号10のコア鋳型配列の例示的な二重ステープルおよびステッチドペプチド(配列番号43、49、48、52、および22、上から下)および配列番号9に対応するより長いHR2配列の二重ステープルペプチドの抗ウイルス活性を示す。生きている野生型SARS-CoV-2ウイルスによるVero E6細胞の感染を阻止する能力について、ペプチドを25μMでスクリーニングし、感染細胞の割合をプロットした。各場合において、ステープルペプチドは、ビヒクルコントロールによる処置と比較して感染を阻害する。 図24は、SARS-CoV-2感染に供したSARS-CoV-2曝露Vero E6細胞におけるペプチドスクリーニングからのヒットを、次いで、アッセイにおいてSARS-CoV-2感染を阻止するためのIC50が6μM未満であるステープルO、Tを有する二重ステープルのコア鋳型配列(配列番号52)によって例示されるように、さらなる用量応答試験に供したことを示す。 図25は、感染したVero E6細胞における抗体ベースのSARS-CoV-2検出プラットフォームによってハイスループットで評価される、コア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチド(配列番号10、43、44、47~52、左から右)の異なる抗ウイルス活性を示す。 図26は、感染したVero E6細胞における抗体ベースのSARS-CoV-2検出プラットフォームによってハイスループットで評価される、より長いHR2ペプチド配列(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の外側の示された位置での二重i、i+7ステープルおよびステッチが、抗ウイルス活性を有する化合物をもたらさなかったことを示す。上から下への配列は、配列番号9、26~28、19、22、23、25、および24を有する。 図27は、感染したVero E6細胞における抗体ベースのSARS-CoV-2検出プラットフォームによってハイスループットで評価される、配列番号9に対応するより長いHR2ペプチド配列のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の例示的な二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。二重i、i+4ステープルO、Sを有する構築物が最も強力な抗ウイルス活性を有し、O、T;I、R;およびN、Sステープルを有する化合物がそれに続いたが、N、TおよびH、L構築物は、示された投与範囲にわたってこのアッセイにおいて効果を示さなかった。上から下への配列は、配列番号9、156、158、160、162、154、および153を有する。 図28は、感染したVero E6細胞における抗体ベースのSARS-CoV-2検出プラットフォームによってハイスループットで評価される、配列番号110に対応するそのより長いHR2型ペプチド配列のコンテキストにおける代替コア鋳型配列(配列番号258)の例示的な二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。二重i、i+4ステープルN、Sを有する構築物は最も強力な抗ウイルス活性を有し、N、Tステープルを含有するペプチドがそれに続いたが、この群の他の化合物は、示された投与範囲にわたってこのアッセイにおいて有意な効果を示さなかった。上から下への配列は、配列番号110および175~180を有する。 図29は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、抗ウイルス活性を示さないステープルなしのコア鋳型配列と比較した、コア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。上から下への配列は、配列番号10、43、44、および47~52を有する。 図30は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、そのより長いHR2配列(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。上から下への配列は、配列番号153、154、156、158、160、および162を有する。 図31は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、N末端ペプチド伸長(aa1168~1176)を有するまたは有さずGSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドによるC末端誘導体化を有するコア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。上から下への配列は、配列番号155、159、161、および167~170を有する。 図32は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、そのより長いHR2型配列(配列番号110)のコンテキストにおける代替コア鋳型配列(配列番号258)の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。上から下への配列は、配列番号175~180を有する。
詳細な説明
本開示は、とりわけ、安定化(例えば、ステープル、二重ステープル、ステッチ、ステープルおよびステッチ)ペプチドが1またはそれを超えるコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)に選択的に結合するように設計され得るという発見に基づく。したがって、本開示は、1またはそれを超えるコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)による感染を処置するため、該感染に対する処置を開発するため、および該感染を予防するための新規な方法および組成物(例えば、ペプチド、安定化ペプチド、ペプチドの組み合わせ;安定化ペプチドの組み合わせ;ペプチドと安定化ペプチドとの組み合わせ)を提供する。したがって、本明細書に開示されるペプチドおよび組成物は、COVID-19を予防および/または処置するために使用することができる。
コロナウイルスペプチド
例示的なコロナウイルス表面糖タンパク質のアミノ酸配列を図1に提供する。(GenBankアクセッション番号QHD43416.1も参照のこと。)SARS-CoV-2 Sのヘプタッドリピートドメイン1(HR1)の例示的なアミノ酸配列を図2に示す。SARS-CoV-2 Sのヘプタッドリピートドメイン2(HR2)の例示的なアミノ酸配列も図2に示す。
SARS-CoV-2 SにおけるHR2の他の例示的なアミノ酸配列は、表1において配列番号9、10、103、104、106、108、および110(代替HR2領域(EK1))として提供されている。
特定の例では、本明細書中に記載されるSARS-CoV-2 HR1またはHR2ペプチド(例えば、配列番号2、3、9、10、103、104、106、108および110)はまた、1またはそれを超える(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個の)アミノ酸置換(配列番号2、3、9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して)、例えば、1またはそれを超える(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個の)保存的および/または非保存的アミノ酸置換を含み得る。さらに、いくつかの例では、配列番号2、3、9、10、103、104、106、108または110の少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、または6個)のアミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていてもよい。行われる置換のタイプは、例えば、SARS、MERS、およびEK1ペプチドのHR2様領域のアラインメント(図6B)、ならびに図16Dによって提供される指針によってガイドされ得る。変化させることができるアミノ酸に関する、以下の構造的に安定化されたペプチドのセクションで提供される指針は、本明細書中に記載されるペプチドに等しく関連する。そのようなアラインメントにおいて、SARS、MERS、およびEK1の間で変化しない残基は、改変されていないか、非天然アミノ酸または保存的アミノ酸で置換されている。MERSまたはEK1のHR2様領域において保存的置換によって置き換えられている(例えば、SARSのイソロイシンがロイシンまたはメチオニンによって置き換えられている)ことが見出されるアラインメント中の残基は、置き換えられていないか、または保存的アミノ酸置換によって置き換えられている。SARS、MERS、およびEK1のHR2様領域間で保存されていない残基は、任意のアミノ酸によって置き換えることができる。
「保存的アミノ酸置換」とは、あるアミノ酸を、類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基で置き換えることを意味する。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)、および酸性側鎖およびそれらのアミドを有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン)が含まれる。
いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR1またはHR2ペプチド(例えば、配列番号2、3、9、10、103、104、106、108または110)はまた、ペプチドのN末端に付加された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR1またはHR2ペプチド(例えば、配列番号2または3、9、10、103、104、106、108または110)はまた、ペプチドのC末端に付加された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR1またはHR2ペプチド(例えば、配列番号2または3、9、10、103、104、106、108または110)はまた、ペプチドのN末端において欠失された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR1またはHR2ペプチド(例えば、配列番号2または3、9、10、103、104、106、108または110)はまた、ペプチドのC末端において欠失された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。
いくつかの場合では、ペプチドは脂質付加されている。いくつかの場合では、ペプチドは、ポリエチレングリコールおよび/またはコレステロールを含むように改変される。いくつかの場合では、ペプチド(例えば、配列番号3、9、10、103、104、106、108、または110)は、ペプチドのC末端に付加されたGSGSGC(配列番号256)配列を含む。いくつかの場合では、ペプチド(例えば、配列番号3、9、10、103、104、106、108、または110)は、ペプチドのC末端に付加されたGSGSGC(配列番号256)-(PEG-chol)-カルボキサミドを含む。いくつかの例では、ペプチドは配列番号102、105、107、および109のいずれか1つであるか、または、配列番号102、105、107、および109内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10位がこれらの配列とは異なるペプチドである。
いくつかの例では、ペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。
いくつかの例では、上記のペプチドは、SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合し、および/または組換え5ヘリックスバンドルとSARS CoV-2 HR2ペプチド(例えば、配列番号9、10、103、104、106、108のうちの1つ)との間の相互作用を阻害または破壊し;および/または宿主細胞とのSARS-CoV-2の融合を阻害し;および/またはSARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する。
構造的に安定化されたペプチド
HR2領域の一部または代替HR2領域(EK1)に基づくステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドが本明細書で開示される。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、SARS-CoV-2 HR2(1169-1210)(ISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号9))に由来する。いくつかの例では、配列番号9に由来するステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドには、以下の表1に示されるように、SAH-SARS-CoV-2-A;SAH-SARS-CoV-2-B;SAH-SARS-CoV-2-C;SAH-SARS-CoV-2-D;SAH-SARS-CoV-2-E;SAH-SARS-CoV-2-F;SAH-SARS-CoV-2-G;SAH-SARS-CoV-2-A,D;SAH-SARS-CoV-2-A,E;SAH-SARS-CoV-2-A,F;SAH-SARS-CoV-2-A,G;SAH-SARS-CoV-2-B,D;SAH-SARS-CoV-2-B,E;SAH-SARS-CoV-2-B,F;SAH-SARS-CoV-2-B,G;SAH-SARS-CoV-2-C,D;SAH-SARS-CoV-2-C,E;SAH-SARS-CoV-2-C,F;またはSAH-SARS-CoV-2-C,G(例えば、配列番号11~29)が含まれる。さらなる配列を表1に示す。
いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10))に由来する。いくつかの例では、配列番号10に由来するステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドには、以下の表1に示されるように、SAH-SARS-CoV-2-H;SAH-SARS-CoV-2-I;SAH-SARS-CoV-2-J;SAH-SARS-CoV-2-K;SAH-SARS-CoV-2-L;SAH-SARS-CoV-2-M;SAH-SARS-CoV-2-N;SAH-SARS-CoV-2-O;SAH-SARS-CoV-2-P;SAH-SARS-CoV-2-Q;SAH-SARS-CoV-2-R;SAH-SARS-CoV-2-S;SAH-SARS-CoV-2-T;SAH-SARS-CoV-2-H-L;SAH-SARS-CoV-2-I-M;SAH-SARS-CoV-2-H-Q;SAH-SARS-CoV-2-I-R;SAH-SARS-CoV-2-J-S;SAH-SARS-CoV-2-K-T;SAH-SARS-CoV-2-N,S;SAH-SARS-CoV-2-O,S;SAH-SARS-CoV-2-N,T;およびSAH-SARS-CoV-2-O,T(例えば、配列番号30~52)が含まれる。さらなる配列を表1に示す。
いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列ISGINASVVN(配列番号250)をさらに含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列DISGINASVVN(配列番号251)をさらに含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQEL(配列番号252)をさらに含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYI(配列番号253)をさらに含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGSGSGC(配列番号254)をさらに含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)(IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)由来のステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYIGSGSGC(配列番号255)をさらに含む。
いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)*(IQKEIDRLNEVAKNLNESL*(配列番号102)式中、*=GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミド)に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1169-1197)(ISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号103))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1179-1203)(IQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQEL(配列番号104))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1179-1203)*(IQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQEL*(配列番号105))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1168-1197)(DISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号106))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1168-1197)*(DISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESL*(配列番号107))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1168-1203)(DISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQEL(配列番号108))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、COVID19 HR2(1168-1203)*(DISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQEL*(配列番号109))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、EK1(SLDQINVTFLDLEYEMKKLEEAIKKLEESYIDLKEL(配列番号110))に由来する。いくつかの例では、ステープルまたはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、EK1*(SLDQINVTFLDLEYEMKKLEEAIKKLEESYIDLKEL*(配列番号111))に由来する。
いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2安定化ペプチドは、配列番号11~52または112~180のいずれか1つを含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2 HR2安定化ペプチドは、配列番号11~52または112~180のいずれか1つからなる。いくつかの例では、ステープルおよび/またはステッチSARS-CoV-2ペプチドは、配列番号9、10、103、104、106、108、および110に由来し、表1に列挙されている。
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表1において、「8」は、8、8、および8=(R)-α(7’-オクテニル)アラニンまたは(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;X、X、X、X、およびX=(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;#=α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシンまたはα,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン;%=(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;B=ノルロイシン;ならびに*=GSGSGC(配列番号256)-(PEG-chol)-カルボキサミドである。上記ペプチドは、N末端および/もしくはC末端にさらなるアミノ酸を含むように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個のアミノ酸を付加)、および/または、N末端および/もしくはC末端の欠失を有するように(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個のアミノ酸を欠失)、改変することができることを理解されたい。
本明細書で使用される太字および下線の配列(例えば、表1)は、開示される各ペプチドについて、N末端およびC末端のステープルアミノ酸ならびにステープル間の介在配列を特定することに留意されたい。いくつかの例では(例えば、配列番号11~16、30~42、および112~152)、構造的に安定化されたペプチドは、単一ステープルペプチドである。いくつかの例では(例えば、配列番号18~20、22~24、26~28、49~52、155~174、および177~180)、構造的に安定化されたペプチドは、二重ステープルペプチドである。いくつかの例では(例えば、配列番号17、43~48、153、154、175、および176)、構造的に安定化されたペプチドは、ステッチペプチドである。いくつかの例では(例えば、配列番号21、25、および29)、構造的に安定化されたペプチドは、ステープルおよびステッチの両方である。
本開示は、表1に列挙されるありとあらゆるペプチドおよび構造的に安定化されたペプチド、ならびにそれらのバリアントを包含する。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、表1の単一ステープルペプチド(例えば、配列番号11~16、30~42および112~152)の1つと比較して、0~10個(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸置換を含むペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、表1の単一ステープルペプチド(例えば、配列番号11~16、30~42および112~152)の1つに対して少なくとも75%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一)のペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、表1の二重ステープルペプチド(例えば、配列番号18~20、22~24、26~28、49~52、155~174、および177~180)の1つと比較して、0~10個(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸置換を含むペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、表1の二重ステープルペプチド(例えば、配列番号18~20、22~24、26~28、49~52、155~174、および177~180)の1つに対して少なくとも75%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一)のペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、表1のステッチペプチド(例えば、配列番号17、43~48、153、154、175、および176)の1つと比較して、0~10個(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸置換を含むペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、表1のステッチペプチド(例えば、配列番号17、43~48、153、154、175、および176)の1つに対して少なくとも75%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一)のペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、表1のペプチド(例えば、配列番号21、25、および29)の1つと比較して、0~10個(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸置換を含み、ステープルおよびステッチの両方であるペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、表1のペプチド(例えば、配列番号21、25、および29)の1つに対して少なくとも75%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一)であり、ステープルおよびステッチの両方であるペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、これらの構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、ステープルまたはステッチペプチドは、配列番号9、10、103、104、106、108、および110の少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸がステープルまたはステッチを形成することができる非天然アミノ酸で置き換えられていることを除いて、配列番号9、10、103、104、106、108、および110のアミノ酸配列のいずれか1つを含むかまたはそれからなるペプチドである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸である。いくつかの例では、ステープルまたはステッチペプチドは、配列番号10、103、104、106、108、および110の少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸がステープルまたはステッチを形成することができる非天然アミノ酸で置き換えられていることを除いて、配列番号10、103、104、106、108、および110のアミノ酸配列のいずれか1つを含むかまたはそれからなるペプチドである。いくつかの例では、非天然アミノ酸は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸である。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、表1の非改変ペプチド(例えば、配列番号9、10、103、104、106、108、および110)の1つと比較して、0~10個(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸置換を含むペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、表1の非改変ペプチド(例えば、配列番号9、10、103、104、106、108、および110)の1つに対して少なくとも75%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一)のペプチドが本明細書に開示される。いくつかの例では、本明細書中に記載される置換は、保存的置換である。いくつかの例では、構造的に安定化されたペプチドは、19~100(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、345、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100)アミノ酸長である。いくつかの例では、上記の構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9または10)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多く(1、2、3、4、5、6個)を有する。
いくつかの例では、本明細書中に記載される任意の置換は、保存的置換であり得る。いくつかの例では、本明細書中に記載される任意の置換は、非保存的置換である。
いくつかの例では、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含むペプチド(すなわち、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含む本明細書中に開示される任意のペプチド;例えば、表1に列挙されるペプチド)のいずれかにおいて、アミノ酸疎水性アミノ酸置換を以下の位置で行うことができる(太字および下線で示す):
Figure 2023517293000022

したがって、例えば、I1179、I1183、L1186、A1190、L1193、およびL1197は、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはシステインのいずれかで置換することができる。いくつかの場合では、これらの位置はアラニンまたはヒスチジンで置換されていてもよい。
いくつかの例では、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含むペプチド(すなわち、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含む本明細書中に開示される任意のペプチド;例えば、表1に列挙されるペプチド)のいずれかにおいて、アミノ酸置換を以下の位置で行うことができる(太字および下線で示す):
Figure 2023517293000023

いくつかの例では、これらの太字および下線の位置(Q1180、E1182、R1185、N1187、V1189、N1192、N1194、またはS1196)のいずれかを、オレフィン側鎖を有するα,α二置換非天然アミノ酸で置換することができる。いくつかの例では、これらの位置における置換は、非極性アミノ酸(例えば、G、A、P、V、L、I M、W、F、またはC)への置換である。いくつかの例では、これらの位置における置換は、アラニンへの置換である。いくつかの例では、これらの位置における置換は、ペプチド結合を改善する置換である(すなわち、SARS-CoV-2の5ヘリックスバンドルへの置換)。
いくつかの例では、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含むペプチド(すなわち、IQKEIDRLNEVAKNLNESL(配列番号10)を含む本明細書中に開示される任意のペプチド;例えば、表1に列挙されるペプチド)のいずれかにおいて、以下の位置のうちの1またはそれより多くで置換は行われない(太字および下線で示す):
Figure 2023517293000024

特に、これらの太字および下線の位置(すなわち、K1181、D1184、E1188、K1191、E1195)は、ステープルアミノ酸(stapling amino acid)(例えば、オレフィン側鎖を有するα,α二置換非天然アミノ酸)で置換されない。
いくつかの例では、以下の位置のうちの1またはそれより多くで置換が行われる。
Figure 2023517293000025

これらの例において、置換は、荷電アミノ酸または極性アミノ酸(例えば、R、K、H、D、E、Q、Y、S、T、またはN)への置換である。
いくつかの例では、配列番号9に関して、HR1と直接接触する以下の位置(太字および下線で示されている;I1169、I1172、A1174、S1175、V1177、I1198、L1200、L1203)で置換は行われないか、または行われる場合、これらの位置のうちの1またはそれより多くは、以下について、保存されたアミノ酸置換で置換され得る(例えば、I、A、VまたはLについて、保存的置換はG、A、V、L、Iのうちの1つであり;およびSについて、保存的置換はT、MまたはCである):
Figure 2023517293000026

いくつかの例では、D1168が配列中にD1168としても存在する場合、それもまた置換されるべきではないか、または保存されたアミノ酸置換(例えば、E)でのみ置換されるべきである。
いくつかの例では、配列番号9に関して、溶媒に曝露された以下の位置(S1170、G1171、N1173、V1176、N1178、D1199、Q1201、またはE1202)で、これらの位置のうちの1またはそれより多くを任意のアミノ酸置換で置換することができる(太字および下線で示す):
Figure 2023517293000027
いくつかの例では、ステープルアミノ酸またはステッチアミノ酸として使用され得る非天然アミノ酸は、以下の通りである:(R)-2-(2’-プロペニル)アラニン;(R)-2-(4’-ペンテニル)アラニン;(R)-α-(7’-オクテニル)アラニン;(S)-α-(2’-プロペニル)アラニン;(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン;(S)-2-(7’-オクテニル)アラニン;α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン;およびα,α-ビス(7’-オクテン)グリシン。
いくつかの実施形態では、内部ステープルが2アミノ酸の側鎖を置き換える、すなわち、各ステープルは、例えば2、3、または6アミノ酸で分離された2アミノ酸間にある。いくつかの実施形態では、内部ステッチが3アミノ酸の側鎖を置き換える、すなわち、ステッチは、例えば、2、3、または6アミノ酸で分離された3アミノ酸間の一対の架橋である。いくつかの実施形態では、ステープルまたはステッチを形成するアミノ酸は、ステープルの位置iおよびi+3のそれぞれにある。いくつかの実施形態では、ステープルまたはステッチを形成するアミノ酸は、ステープルの位置iおよびi+4のそれぞれにある。いくつかの実施形態では、ステープルまたはステッチを形成するアミノ酸は、ステープルの位置iおよびi+7のそれぞれにある。例えば、ペプチドが配列...X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9...を有する場合、.X1とX4との間(iとi+3)、またはX1とX5との間(iとi+4)、またはX1とX8との間(iとi+7)の架橋は、そのペプチドの有用な炭化水素ステープル形態である。複数の架橋(例えば、2、3、4、またはそれを超える)の使用も想定される。炭化水素ステープルペプチドの作製および使用に関するさらなる記載は、例えば、米国特許出願公開第2012/0172285号、第2010/0286057号および第2005/0250680号に見出すことができ、これらの全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「ペプチドステープル」は、架橋環を形成するために閉環メタセシス(RCM)反応を使用して、ペプチド鎖中に存在する2つのオレフィン含有側鎖(例えば、架橋性側鎖)が共有結合している(例えば、「一緒にステープルされる」)合成方法論から造り出された用語である(例えば、Blackwell et al.,J.Org.Chem.,66:5291-5302,2001;Angew et al.,Chem.Int.Ed.37:3281,1994を参照のこと)。構造的安定化は、例えば、ペプチドをステープルすることによるものであり得る(例えば、Walensky,J.Med.Chem.,57:6275-6288(2014)に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの場合では、ステープルは炭化水素ステープルである。
いくつかの例では、構造的安定化はステッチである。本明細書で使用される「ペプチドステッチ」という用語は、2つのステープルが例えば共通の残基に連結されている「ステッチ」(例えば、タンデムまたは多重のステープル)ペプチドを提供するための、単一のペプチド鎖における複数のタンデムステープル事象を指す。ペプチドのステッチは、例えば、国際公開第2008/121767号および国際公開第2010/068684号に開示されており、これらは両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの例では、本明細書で使用されるステープルまたはステッチは、ラクタムステープルまたはステッチ;UV-付加環化ステープルまたはステッチ;オキシムステープルまたはステッチ;チオエーテルステープルまたはステッチ;ダブルクリックステープルまたはステッチ;ビスラクタムステープルまたはステッチ;ビスアリール化ステープルまたはステッチ;またはそれらの任意の2つまたはそれを超える組み合わせである。本明細書に記載される安定化ペプチドには、ステープルペプチドおよびステッチペプチド、ならびに複数のステッチ、複数のステープル、またはステープルとステッチの混合物を含むペプチド、または構造強化のための任意の他の化学的戦略が含まれる(例えば、Balaram P.Cur.Opin.Struct.Biol.1992;2:845;Kemp DS,et al.,J.Am.Chem.Soc.1996;118:4240;Orner BP,et al.,J.Am.Chem.Soc.2001;123:5382;Chin JW,et al.,Int.Ed.2001;40:3806;Chapman RN,et al.,J.Am.Chem.Soc.2004;126:12252;Horne WS,et al.,Chem.,Int.Ed.2008;47:2853;Madden et al.,Chem Commun(Camb).2009 Oct 7;(37):5588-5590;Lau et al.,Chem.Soc.Rev.,2015,44:91-102;およびGunnoo et al.,Org.Biomol.Chem.,2016,14:8002-8013を参照のこと。その各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
ペプチドは、その天然の二次構造を維持するという点で「構造的に安定化されている」。例えば、ステープルは、αらせん二次構造を有する傾向があるペプチドが、その天然のαらせん構造を維持することを可能にする。この二次構造は、タンパク質分解的切断および熱に対するペプチドの耐性を高め、標的結合親和性、疎水性、および細胞透過性を高め得る。したがって、本明細書に記載のステープル(架橋)ペプチドは、対応するステープルなし(架橋なし)のペプチドと比較して、改善された生物学的活性および薬理学を有する。
特定の例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチドに構造安定化(例えば、内部架橋、例えばステープル、ステッチ)を導入するための改変(複数可)は、SARS-CoV-2の組換え5ヘリックスバンドルと相互作用しないSARS-CoV-2 HR2ヘリックスの面に配置され得る。あるいは、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチドに安定化(例えば、内部架橋、例えばステープルまたはステッチ)を導入するための改変(複数可)は、SARS-CoV-2の5ヘリックスバンドルと相互作用するSARS-CoV-2 HR2ヘリックスの面に配置され得る。いくつかの場合では、本明細書に記載されるSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、SARS-CoV-2 HR2タンパク質の相互作用するおよび相互作用しないらせん面の界面にステープルまたはステッチ(例えば、炭化水素ステープルまたはステッチ)を導入することによって安定化される。
いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチドに構造安定化を導入するための改変(例えば、内部架橋、例えばステープルまたはステッチ)は、以下の残基に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置に位置する:
(i)配列番号9の5および12;
(ii)配列番号9の6および13;
(iii)配列番号9の7および14;
(iv)配列番号9の26および33;
(v)配列番号9の27および34;
(vi)配列番号9の33および40;
(vii)配列番号9の26、33および40;
(viii)配列番号9の5、12、26および33;
(ix)配列番号9の5、12、27および34;
(x)配列番号9の5、12、33および40;
(xi)配列番号9の5、12、26、33および40;
(xii)配列番号9の6、13、26および33;
(xiii)配列番号9の6、13、27および34;
(xiv)配列番号9の6、13、33および40;
(xv)配列番号9の6、13、26、33および40;
(xvi)配列番号9の7、14、26および33;
(xvii)配列番号9の7、14、27および34;
(xviii)配列番号9の7、14、33および40;または
(xix)配列番号9の7、14、26、33および40。
いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチドに構造安定化を導入するための改変(例えば、内部架橋、例えばステープルまたはステッチ)は、以下の残基に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置に位置する:
(i)配列番号10の1および8;
(ii)配列番号10の2および9;
(iii)配列番号10の3および10;
(iv)配列番号10の4および11;
(v)配列番号10の5および12;
(vi)配列番号10の6および13;
(vii)配列番号10の7および14;
(viii)配列番号10の8および15;
(iv)配列番号10の9および16;
(x)配列番号10の10および17;
(xi)配列番号10の11および18;
(xi)配列番号10の12および19;
(xii)配列番号10の1および5;
(xiv)配列番号10の2および6;
(xv)配列番号10の3および7;
(xvi)配列番号10の4および8;
(xvii)配列番号10の5および9;
(xviii)配列番号10の6および10;
(xiv)配列番号10の7および11;
(xx)配列番号10の8および12;
(xxi)配列番号10の9および13;
(xxii)配列番号10の10および14;
(xxiii)配列番号10の11および15;
(xxiv)配列番号10の12および16;
(xxv)配列番号10の13および17;
(xxvi)配列番号10の14および18;
(xxvii)配列番号10の15および19;
(xxviii)配列番号10の2、9および16;
(xxiv)配列番号10の3、10および17;
(xxx)配列番号10の2、9および13;
(xxxi)配列番号10の3、10および14;
(xxxxii)配列番号10の6、13および17;
(xxxiv)配列番号10の7、14および18;
(xxxv)配列番号10の2、6、13および17;
(xxxvi)配列番号10の3、7、13および17;
(xxxvii)配列番号10の2、6、14および18;または
(xxxviii)配列番号10の3、7、14および18。
特定の例では、本明細書中に記載されるSARS-CoV-2 HR2ペプチド(例えば、配列番号11-52、112~180、または258)はまた、1またはそれを超える(例えば、1、2、3、4、または5個の)アミノ酸置換(配列番号11~52、112~180、または258のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して)、例えば、1またはそれを超える(例えば、1、2、3、4、または5個の)保存的および/または非保存的アミノ酸置換を含み得る。いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチド(例えば、配列番号11~52、112~180、または258)はまた、ペプチドのN末端に付加された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。いくつかの例では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチド(例えば、配列番号11~52、112~180、または258)はまた、ペプチドのC末端に付加された少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、または少なくとも5つのアミノ酸を含み得る。
1つの態様では、構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、式(I)、
Figure 2023517293000028
またはその薬学的に許容され得る塩を含み、式中、
各RおよびRは、独立して、HまたはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル;[R-K-Rであり;それらのそれぞれが0~6個のRで置換されており;
は、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
は、ハロ、アルキル、OR,、N(R、SR、SOR、SO、CO、R、蛍光部分、または放射性同位体であり;
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、CONR、または
Figure 2023517293000029
であり、
は、H、アルキル、または治療剤であり;
nは1~4の整数であり;
xは2~10の整数であり;
各yは、独立して、0~100の整数であり;
zは1~10(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の整数であり;
各Xaaは、独立してアミノ酸であり;かつ
該構造的に安定化されたペプチドは、組換え5ヘリックスバンドルCOVID-19 Sタンパク質に結合する。
いくつかの実施形態では、式(I)の[Xaa]、式(I)の[Xaa]および式(I)の[Xaa]の各々は、表2の構築物1~60のいずれか1つについて記載される通りである。例えば、表2の構築物1の[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]w、[Xaa]xおよび[Xaa]yは、それぞれ、ISGI(配列番号53)、ASVVNI(配列番号54)およびKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号55)である。別の例として、表2の構築物2の[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]w、[Xaa]xおよび[Xaa]yは、それぞれ、ISGIN(配列番号56)、SVVNIQ(配列番号57)、およびEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号58)である。
Figure 2023517293000030
Figure 2023517293000031
Figure 2023517293000032
Figure 2023517293000033
Figure 2023517293000034
特定の例において、表2に上に示される配列は、少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5、または6個の)アミノ酸の置換または欠失を有し得る。SARS-CoV-2 HR2ペプチドは、本明細書に記載の任意のアミノ酸配列を含み得る。
いくつかの例では、上記の表2に示される配列を含む式(I)は、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有することができる。
式(I)のテザーは、アルキル、アルケニルまたはアルキニル部分(例えば、C、C、C11、もしくはC12アルキル、C、C、もしくはC11アルケニル、またはC、C、C11、またはC12アルキニル)を含むことができる。テザーアミノ酸は、アルファ二置換(例えば、C-Cまたはメチル)であり得る。
式(I)のいくつかの例では、xは、2、3または6である。式(I)のいくつかの例では、各yは、独立して、0~15、または3~15の整数である。式(I)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC-Cアルキルである。式(I)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、C-Cアルキルである。式(I)のいくつかの例では、RおよびRの少なくとも1つはメチルである。例えば、RおよびRは両方ともメチルであり得る。式(I)のいくつかの例では、Rはアルキル(例えば、Cアルキル)であり、xは3である。式(I)のいくつかの例では、RはC11アルキルであり、xは6である。式(I)のいくつかの例では、Rはアルケニル(例えば、Cアルケニル)であり、xは3である。式(I)のいくつかの例では、xは6であり、RはC11アルケニルである。いくつかの例では、Rは、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。いくつかの例では、Rは、-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-である。
1つの態様では、構造的に安定化されたCOVID-19 HR2ペプチドは、式(I)またはその薬学的に許容され得る塩を含み、式中、
各RおよびRは、HまたはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
各Rは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されておらず;
zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;および
(a)各[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、各[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、および各[Xaa]はKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号55)である;
(b)各[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、各[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、および各[Xaa]はEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号58)である;
(c)各[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、各[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、および各[Xaa]はIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号61)である;
(d)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNL(配列番号62)であり、各[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、および各[Xaa]はELGKYEQYI(配列番号64)である;
(e)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLN(配列番号65)であり、各[Xaa]はSLIDLQ(配列番号66)であり、および各[Xaa]はLGKYEQYI(配列番号67)である;
(f)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDL(配列番号68)であり、各[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり、および各[Xaa]はYIである;
(g)各[Xaa]はIであり、各[Xaa]はKEIDRL(配列番号70)であり、および各[Xaa]はEVAKNLNESL(配列番号71)である;
(h)各[Xaa]はIQであり、各[Xaa]はEIDRLN(配列番号72)であり、および各[Xaa]はVAKNLNESL(配列番号73)である;
(i)各[Xaa]はIQKEI(配列番号74)であり、各[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、および各[Xaa]はNLNESL(配列番号76)である;
(j)各[Xaa]はIQKEID(配列番号77)であり、各[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり、および各[Xaa]はLNESL(配列番号79)である;
(k)各[Xaa]はIQKEIDRL(配列番号80)であり、各[Xaa]はEVAKNL(配列番号81)であり、および各[Xaa]はESLである;
(l)各[Xaa]はIQKEIDRLN(配列番号82)であり、各[Xaa]はVAKNLN(配列番号83)であり、および各[Xaa]はSLである;
(m)各[Xaa]はIであり、各[Xaa]はKEIであり、および各[Xaa]はRLNEVAKNLNESL(配列番号84)である;
(n)各[Xaa]はIQであり、各[Xaa]はEIDであり、および各[Xaa]はLNEVAKNLNESL(配列番号85)である;
(o)各[Xaa]はIQKEI(配列番号74)であり、各[Xaa]はRLNであり、および各[Xaa]はVAKNLNESL(配列番号73)である;
(p)各[Xaa]はIQKEIDRL(配列番号80)であり、各[Xaa]はEVAであり、および各[Xaa]はNLNESL(配列番号76)である;
(q)各[Xaa]はIQKEIDRLN(配列番号82)であり、各[Xaa]はVAKであり、および各[Xaa]はLNESL(配列番号79)である;
(r)各[Xaa]はIQKEIDRLNEVA(配列番号86)であり、各[Xaa]はNLNであり、および各[Xaa]はSLである;
(s)各[Xaa]はIQKEIDRLNEVAK(配列番号87)であり、各[Xaa]はLNEであり、および各[Xaa]はLである;
(t)各[Xaa]wは欠落しており、各[Xaa]xはQKEIDR(配列番号228)であり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
(u)各[Xaa]wはIQKであり、各[Xaa]xはIDRLNE(配列番号230)であり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
(v)各[Xaa]wはIQKE(配列番号232)であり、各[Xaa]xはDRLNEV(配列番号181)であり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
(w)各[Xaa]wはIQKEIDR(配列番号183)であり、各[Xaa]xはNEVAKN(配列番号184)であり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
(x)各[Xaa]wはIQKEIDRLNE(配列番号186)であり、各[Xaa]xはAKNLNE(配列番号187)であり、および各[Xaa]yはLである;
(y)各[Xaa]wはIQKEIDRLNEV(配列番号188)であり、各[Xaa]xはKNLNES(配列番号189)であり、および各[Xaa]yは欠落している;
(z)各[Xaa]wはQKEであり、各[Xaa]xはDRLNEVAKNLNESL(配列番号190)であり、および各[Xaa]yは欠落している;
(aa)各[Xaa]wはIQKであり、各[Xaa]xはIDRであり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
(bb)各[Xaa]wはIQKであり、各[Xaa]xはIDRであり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
(cc)各[Xaa]wはIQKE(配列番号232)であり、各[Xaa]xはDRLであり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
(dd)各[Xaa]wはIQKEID(配列番号77)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
(ee)各[Xaa]wはIQKEIDR(配列番号183)であり、各[Xaa]xはNEVであり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
(ff)各[Xaa]wはIQKEIDRLNE(配列番号186)であり、各[Xaa]xはAKNであり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
(gg)各[Xaa]wはIQKEIDRLNEV(配列番号188)であり、各[Xaa]xはKNLであり、および各[Xaa]yはESLである;
(hh)各[Xaa]wはIQKEIDRLNEVAKN(配列番号191)であり、各[Xaa]xはNESであり、および各[Xaa]yは欠落している;
(ii)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号250)であり、各[Xaa]xはQKEIDR(配列番号228)であり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
(jj)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号193)であり、各[Xaa]xはKEIDRL(配列番号70)であり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
(kk)各[Xaa]wはISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、各[Xaa]xはEIDRLN(配列番号72)であり、および各[Xaa]yはVAKNLNESL(配列番号73)である;
(ll)各[Xaa]wはISGINASVVNIQK(配列番号195)であり、各[Xaa]xはIDRLNE(配列番号230)であり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
(mm)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKE(配列番号196)であり、各[Xaa]xはDRLNEV(配列番号181)であり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
(nn)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEI(配列番号197)であり、各[Xaa]xはRLNEVA(配列番号75)であり、および各[Xaa]yはNLNESL(配列番号76)である;
(oo)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEID(配列番号198)であり、各[Xaa]xはLNEVAK(配列番号78)であり、および各[Xaa]yはLNESL(配列番号79)である;
(pp)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDR(配列番号199)であり、各[Xaa]xはNEVAKN(配列番号184)であり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
(qq)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRL(配列番号200)であり、各[Xaa]xはEVAKNL(配列番号81)であり、および各[Xaa]yはESLである;
(rr)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLN(配列番号201)であり、各[Xaa]xはVAKNLN(配列番号83)であり、および各[Xaa]yはSLである;
(ss)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNE(配列番号202)であり、各[Xaa]xはAKNLNE(配列番号187)であり、および各[Xaa]yはLである;
(tt)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEV(配列番号203)であり、各[Xaa]xはKNLNES(配列番号189)であり、および各[Xaa]yは欠落している;
(uu)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号250)であり、各[Xaa]xはQKEであり、および各[Xaa]yはDRLNEVAKNLNESL(配列番号190)である;
(vv)各[Xaa]wはISGINASVVNI(配列番号193)であり、各[Xaa]xはKEIであり、および各[Xaa]yはRLNEVAKNLNESL(配列番号84)である;
(ww)各[Xaa]wはISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、各[Xaa]xはEIDであり、および各[Xaa]yはLNEVAKNLNESL(配列番号85)である;
(xx)各[Xaa]wはISGINASVVNIQK(配列番号195)であり、各[Xaa]xはIDRであり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
(yy)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKE(配列番号196)であり、各[Xaa]xはDRLであり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
(zz)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEI(配列番号197)であり、各[Xaa]xはRLNであり、および各[Xaa]yはVAKNLNESL(配列番号73)である;
(aaa)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEID(配列番号198)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
(bbb)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDR(配列番号199)であり、各[Xaa]xはNEVであり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
(ccc)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRL(配列番号200)であり、各[Xaa]xはEVAであり、および各[Xaa]yはNLNESL(配列番号76)である;
(ddd)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLN(配列番号201)であり、各[Xaa]xはVAKであり、および各[Xaa]yはLNESL(配列番号79)である;
(eee)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNE(配列番号202)であり、各[Xaa]xはAKNであり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
(fff)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEV(配列番号203)であり、各[Xaa]xはKNLであり、および各[Xaa]yはESLである;
(ggg)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVA(配列番号204)であり、各[Xaa]xはNLNであり、および各[Xaa]yはSLである;
(hhh)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVAK(配列番号205)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはLである;または
(iii)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKN(配列番号206)であり、各[Xaa]xはNESであり、および各[Xaa]yは欠落しており、
該構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Zは1である。
式(I)の別の態様では、2つのアルファ、アルファ二置換立体中心は両方ともR配置またはS配置(例えば、i、i+4クロスリンク)であるか、または一方の立体中心はRであり、他方はS(例えば、i、i+7クロスリンク)である。したがって、式(I)が次のように表される場合:
Figure 2023517293000035
C’およびC’’二置換立体中心は両方ともR配置であり得るか、または両方ともS配置であり得る(例えば、xが3である場合)。式(I)においてxが6である場合、C’二置換立体中心はR配置であり、C’’二置換立体中心はS配置である。式(I)のR二重結合は、EまたはZ立体化学配置であり得る。
式(I)のいくつかの例では、Rは、[R-K-Rであり;およびRは、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。
いくつかの例では、式(I)の「z」は1より大きい。いくつかの例では、式(II)に示されるように、z=2である。この例では、ペプチドは1つよりも多くのステープルを含む。いくつかの例では、ペプチドは、式(II)に示すように、2つのステープルを含む(すなわち、ペプチドは二重ステープルされている)。いくつかの例では、二重ステープルペプチドは、同じ構築物に複数のステープルを含み、[Xaa]および[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]を有する構築物を作製する。二重ステープルペプチドを、構築物61~97として表3に提供する。
式IIは、二重ステープルペプチドの構造を提供する。
Figure 2023517293000036
例えば、表3の構築物61の[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]は、それぞれ、ISGI(配列番号53)、ASVVNI(配列番号54)、およびKEIDRLNEVAKNL(配列番号88)、ESLIDL(配列番号63)、およびELGKYEQYI(配列番号64)である。別の例として、表3の構築物62の[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]は、それぞれ、ISGI(配列番号53)、ASVVNI(配列番号54)、およびKEIDRLNEVAKNLN(配列番号89)、SLIDLQ(配列番号66)、およびLGKYEQYI(配列番号67)である。
Figure 2023517293000037
Figure 2023517293000038
Figure 2023517293000039
Figure 2023517293000040
Figure 2023517293000041
Figure 2023517293000042
1つの態様では、構造的に安定化された(ステッチ)SARS-CoV-2 HR2ペプチドは、式(III):
Figure 2023517293000043
またはその薬学的に許容され得る塩を含み、式中、
各RおよびRは、独立して、HまたはC1-10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
およびRの各々は独立して、C5-20アルキル、アルケニル、アルキニル;[R-K-Rであり;これらのそれぞれが0~6個のRで置換されており;
は、ハロ、アルキル、OR,、N(R、SR、SOR、SO、CO、R、蛍光部分、または放射性同位体であり;
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、CONR、または
Figure 2023517293000044
であり、
は、H、アルキル、または治療剤であり;
nは1~4の整数であり;および
[Xaa];[Xaa];[Xaa];および[Xaa]は表4に示される。
いくつかの実施形態では、式(III)の[Xaa]、式(III)の[Xaa]、式(III)の[Xaa]、式(III)の[Xaa]の各々は、表4の構築物98~108のいずれか1つについて記載される通りである。例えば、表4の構築物98の[Xaa]w、[Xaa]x、[Xaa]y、および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]w、[Xaa]x、[Xaa]y、および[Xaa]はそれぞれ、ISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNL(配列番号62)、ESLIDL(配列番号63)、ELGKYE(配列番号69)、およびYIである。別の例として、表4の構築物99の[Xaa]w、[Xaa]x、[Xaa]y、および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]w、[Xaa]x、[Xaa]y、および[Xaa]はそれぞれ、I、KEIDRL(配列番号70)、EVAKNL(配列番号81)、およびESLである。
Figure 2023517293000045
Figure 2023517293000046
いくつかの例では、上記の表4に示される配列を含む式(III)は、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有することができる。
式(III)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC-Cアルキルである。式(III)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、C-Cアルキルである。式(III)のいくつかの例では、RおよびRの少なくとも1つはメチルである。例えば、RおよびRは両方ともメチルであり得る。式(III)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル(例えば、C12アルキル)である。式(III)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、C12アルキルである。式(III)のいくつかの例では、RおよびRは、それぞれ独立して、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニル(例えば、直鎖C12アルキル、アルケニルまたはアルキニル)である。式(III)のいくつかの例では、Rは-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-CH-である。式(III)のいくつかの例では、Rは-CH-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-である。
いくつかの例では、構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、式(III)またはその薬学的に許容され得る塩を含み、式中、
[Xaa];[Xaa];[Xaa];および[Xaa]は表4に示され;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
各RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;該構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Rはアルケニルである。
式(III)の別の態様では、3つのα,α二置換立体中心のうち:(i)2つの立体中心はR配置にあり、1つの立体中心はS配置にあるか;または(ii)2つの立体中心がS配置にあり、1つの立体中心がR配置にある。したがって、式(III)が次のように表される場合:
Figure 2023517293000047
C’およびC’’’二置換立体中心は両方ともR配置であり得るか、または両方ともS配置であり得る。C’およびC’’’が両方ともR配置である場合、C’’はS配置である。C’およびC’’’が両方ともS配置である場合、C’’はR配置である。式(III)のRおよびRのそれぞれにおける二重結合は、EまたはZ立体化学配置であり得る。
式(III)のいくつかの例では、Rは、[R-K-Rであり;ならびにRは、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。
別の態様では、構造的に安定化されたペプチドは、以下の構造:
Figure 2023517293000048
に示すようにステープルおよびステッチの両方、
またはその薬学的に許容され得る塩であってよく、式中、
各R、R、R、およびRは、独立して、HまたはC1-10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
、RおよびRの各々は独立して、C5-20アルキル、アルケニル、アルキニル;[R-K-R]nであり;これらのそれぞれが0~6個のR5で置換されており;
は、ハロ、アルキル、OR,、N(R)2、SR、SOR、SO、CO、R、蛍光部分、または放射性同位体であり;
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、CONR、または
Figure 2023517293000049
であり、
は、H、アルキル、または治療剤であり;
nは1~4の整数であり;および
[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、および[Xaa]は表5に示される。
いくつかの実施形態では式(IV)の[Xaa]u、式(IV)の[Xaa]v、式(IV)の[Xaa]w、式(IV)の[Xaa]x、式(IV)の[Xaa]y、および式(IV)の[Xaa]zのそれぞれは、表5の構築物109~111のいずれか1つについて記載の通りである。例えば、表5の構築物109の[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]u、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]は、ISGI(配列番号53);ASVVNI(配列番号54);KEIDRLNEVAKNL(配列番号88);ESLIDL(配列番号63);ELGKYE(配列番号69);およびYIである。別の例として、表5の構築物110の[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]を含む安定化ペプチドの場合、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]、[Xaa]および[Xaa]は、ISGIN(配列番号56);SVVNIQ(配列番号57);EIDRLNEVAKNL(配列番号91);ESLIDL(配列番号63);ELGKYE(配列番号69);およびYIである。
Figure 2023517293000050
Figure 2023517293000051
いくつかの例では、上記の表5に示される配列を含む式(IV)は、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有することができる。
式(IV)のいくつかの例では、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、HまたはC-Cアルキルである。式(IV)のいくつかの例では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、C-Cアルキルである。式(IV)のいくつかの例では、R、R、R、およびRの少なくとも1つはメチルである。例えば、R、R、R、およびRは両方ともメチルであり得る。式(IV)のいくつかの例では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、アルキル(例えば、C12アルキル)である。式(IV)のいくつかの例では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、C12アルキルである。式(IV)のいくつかの例では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、直鎖アルキル、アルケニルまたはアルキニル(例えば、直鎖C12アルキル、アルケニルまたはアルキニル)である。式(IV)のいくつかの例では、Rは-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-CH-である。式(IV)のいくつかの例では、Rは-CH-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-である。式(IV)のいくつかの例では、Rは-CH-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-である。
いくつかの例では、構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、式(IV)またはその薬学的に許容され得る塩を含み、式中、
[Xaa];[Xaa];[Xaa];[Xaa];[Xaa];および[Xaa]は表5に示され;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
各RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;該構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルキルである。いくつかの例では、Rはメチル基である。いくつかの例では、Rはアルケニルである。いくつかの例では、Rはアルケニルである。本明細書で使用される場合、「Ci-j」(iおよびjは整数であり、化学基と組み合わせて使用される)という用語は、化学基における炭素原子数の範囲を示し、i-jは範囲を定義する。例えば、C1-6アルキルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、直鎖または分岐であり得る飽和炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~7個、1~6個、1~4個または1~3個の炭素原子を含む。アルキル部分の例としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、n-ヘプチルなどの化学基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキル基は、メチル、エチルまたはプロピルである。「アルキレン」という用語は、連結アルキル基を指す。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルケニル」は、1またはそれを超える炭素-炭素二重結合を有するアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、アルケニル部分は、2~6個または2~4個の炭素原子を含む。アルケニル基の例としては、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキニル」は、1またはそれを超える炭素-炭素三重結合を有するアルキル基を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキニル部分は、2~6個または2~4個の炭素原子を含む。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキニル」は、1またはそれを超える炭素-炭素三重結合を有するアルキル基を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキニル部分は、2~6個または2~4個の炭素原子を含む。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる用語「シクロアルキルアルキル」は、式シクロアルキル-アルキル-の基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル部分は、1~4個、1~3個、1~2個または1個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル部分はメチレンである。いくつかの実施形態では、シクロアルキル部分は、3~10個の環員または3~7個の環員を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、単環式または二環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル部分は、単環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル部分は、C3-7単環式シクロアルキル基である。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリールアルキル」という用語は、式ヘテロアリール-アルキル-の基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル部分は、1~4個、1~3個、1~2個または1個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル部分はメチレンである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール部分は、窒素、硫黄および酸素から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有する単環式または二環式基である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール部分は、5~10個の炭素原子を有する。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、水素原子が非水素基によって置き換えられていることを意味する。所与の原子における置換は原子価によって制限されることが理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。いくつかの実施形態では、ハロは、FまたはClである。
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはその改変バージョン)を特徴とし、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された2つのアミノ酸の側鎖は内部ステープルによって置き換えられ、3つのアミノ酸の側鎖は内部スティッチによって置き換えられ、4つのアミノ酸の側鎖は2つの内部ステープルによって置き換えられ、または5つのアミノ酸の側鎖は内部ステープルと内部スティッチの組み合わせによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはその改変バージョン)を特徴とし、2、3、または6個のアミノ酸によって分離された2つのアミノ酸の側鎖は、内部ステープルによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはその改変バージョン)を特徴とし、3個のアミノ酸によって分離された2つのアミノ酸の側鎖は、内部ステープルによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはその改変バージョン)を特徴とし、6個のアミノ酸によって分離された2つのアミノ酸の側鎖は、内部ステープルによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはその改変バージョン)を特徴とし、3個のアミノ酸の側鎖は、内部ステッチによって置き換えられる。
ステープルまたはステッチペプチドは、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100アミノ酸長であり得る。特定の実施形態では、ステープルまたはステッチペプチドは、19~45(すなわち、19、20、21、25、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45)アミノ酸長である。特定の実施形態では、ステープルまたはステッチペプチドは、19~35アミノ酸(すなわち、19、20、21、22、23、34、235、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35)アミノ酸長である。特定の実施形態では、ステープルまたはステッチペプチドは、19~42アミノ酸(すなわち、19、20、21、22、23、34、235、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41.42)アミノ酸長である。特定の実施形態では、ステープルまたはステッチペプチドは、19アミノ酸長である。別の特定の実施形態では、ステープルまたはステッチペプチドは、42アミノ酸長である。例示的なCOVID-19 HR2ステープルまたはステッチペプチドを表1~5に示し、式(I)~(IV)に記載する。一実施形態では、COVID-19 HR2ステープルまたはステッチペプチドは、配列番号11~52または112~180のいずれか1つのアミノ酸配列のステープルまたはステッチのバージョン(例えば、それぞれ配列番号11~52または112~180のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドに対して行われる閉環メタセシス反応の生成物)を含むかまたはこれからなる。一実施形態では、SARS-CoV-2 HR2ステープルまたはステッチペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列のステープルまたはステッチのバージョン(例えば、配列番号9のアミノ酸配列を含むペプチドに対して行われる閉環メタセシス反応の生成物)を含むかまたはこれからなる。一実施形態では、SARS-CoV-2 HR2ステープルまたはステッチペプチドは、配列番号10のアミノ酸配列のステープルまたはステッチのバージョン(例えば、配列番号10のアミノ酸配列を含むペプチドに対して行われる閉環メタセシス反応の生成物)を含むかまたはこれからなる。
特定の実施形態では、ステープルペプチドは、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つに記載のアミノ酸配列のバリアントを含むかまたはこれからなり、3アミノ酸でそれぞれ分離された2つのアミノ酸(すなわち、位置iおよびi+4)は、ペプチドを構造的に安定化するように、(例えば、それらを非天然アミノ酸(すなわち、ステープルアミノ酸)で置換して、炭化水素ステッチを可能にすることによって)改変されている。特定の実施形態では、ステープルペプチドは、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つに記載のアミノ酸配列のバリアントを含むかまたはこれからなり、6アミノ酸でそれぞれ分離された2つのアミノ酸(すなわち、位置iおよびi+7)は、ペプチドを構造的に安定化するように、(例えば、それらを非天然アミノ酸で(すなわち、ステープルアミノ酸で)置換して、炭化水素ステープルを可能にすることによって)改変されている。
特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の5位および12位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の6位および13位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の7位および14位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の26位および33位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の27位および34位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の33位および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された3個のアミノ酸は、配列番号9の26位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の5位、12位、26位、および33位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の5位、12位、27位、および34位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の5位および12位、33位および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の5位、12位、26位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の6位、13位、26位、および33位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の6位、13位、27位、および34位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の6位、13位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の6位、13位、26位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の7位、14位、26位、および33位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の7位、14位、27位、および34位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の7位、14位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号9の7位、14位、26位、33位、および40位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。
特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位および9位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位および10位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の6位および13位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の7位および14位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の9位および16位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の10位および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位および6位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位および7位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の6位および10位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の9位および13位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の10位および14位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の13位および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の14位および18位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位、9位、および16位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位、10位、および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個または3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位、9位、および13位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個または3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位、10位、および14位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個または3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の6位、13位、および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、6個または3個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の7位、14位、および18位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個または6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位、6位、13位、および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個または6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位、7位、13位、および17位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個または6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の2位、6位、14位、および18位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。特定の実施形態では、3個または6個のアミノ酸によってそれぞれ分離された2個のアミノ酸は、配列番号10の3位、7位、14位、および18位に対応するSARS-CoV-2 HR2ペプチドのアミノ酸位置にある。
特定の実施形態では、ステッチペプチドは、配列番号9、10、103、104、106、108、または110のいずれか1つに記載のアミノ酸配列のバリアントを含むかまたはこれからなり、i、i+3、i、i+4、およびi+7などの位置の2、3、4、5個のアミノ酸が、ペプチドを構造的に安定化するように、(例えば、それらを非天然アミノ酸で(すなわち、ステッチアミノ酸で)置換して炭化水素のステッチを可能にすることによって)置換されている。
炭化水素テザーは一般的であるが、他のテザーもまた、本明細書中に記載される構造的に安定化されたSARS-CoV-2 HR2ペプチドにおいて使用され得る。例えば、テザーは、1またはそれを超えるエーテル、チオエーテル、エステル、アミンもしくはアミド、またはトリアゾール部分を含むことができる。いくつかの場合では、天然に存在するアミノ酸側鎖をテザーに組み込むことができる。例えば、テザーは、セリン中のヒドロキシル、システイン中のチオール、リジン中の第一級アミン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸中の酸、またはアスパラギンもしくはグルタミン中のアミドなどの官能基と結合することができる。したがって、2つの天然に存在しないアミノ酸をカップリングすることによって作製されるテザーを使用するのではなく、天然に存在するアミノ酸を使用してテザーを作製することが可能である。単一の天然に存在しないアミノ酸を天然アミノ酸と一緒に使用することも可能である。トリアゾール含有(例えば、1,4-トリアゾールまたは1,5-トリアゾール)架橋を使用することができる(例えば、Kawamoto et al.2012 Journal of Medicinal Chemistry 55:1137;WO2010/060112を参照のこと)。さらに、異なる種類のステープルを行う他の方法は当技術分野で周知であり、本明細書に記載のSARS-CoV-2 HR2ペプチドと共に用いることができる(例えば、Lactam stapling:Shepherd et al.,J.Am.Chem.Soc.,127:2974-2983(2005);UV-cycloaddition stapling:Madden et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,21:1472-1475(2011);Disulfide stapling:Jackson et al.,Am.Chem.Soc.,113:9391-9392(1991);Oxime stapling:Haney et al.,Chem.Commun.,47:10915-10917(2011);Thioether stapling:Brunel and Dawson,Chem.Commun.,552-2554(2005);Photoswitchable stapling:J.R.Kumita et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,97:3803-3808(2000);Double-click stapling:Lau et al.,Chem.Sci.,5:1804-1809(2014);Bis-lactam stapling:J.C.Phelan et al.,,J.Am.Chem.Soc.,119:455-460(1997);およびBis-arylation stapling:A.M.Spokoyny et al.,J.Am.Chem.Soc.,135:5946-5949(2013)を参照のこと)。
テザーの長さを変えることができることがさらに想定される。例えば、二次アルファらせん構造に比較的高い程度の拘束を提供することが望ましい場合には、より短い長さのテザーを使用することができるが、いくつかの例では、二次アルファらせん構造にあまり拘束を提供しないことが望ましく、したがって、より長いテザーが望ましい場合がある。
さらに、主にアルファヘリックスの単一面上にあるテザーを提供するために、アミノ酸iからi+3、iからi+4、およびiからi+7に及ぶテザーが一般的であるが、テザーは、アミノ酸数の任意の組み合わせに及ぶように合成することができ、複数のテザーを組み込むために組み合わせて使用することもできる。
いくつかの例では、本明細書に記載の炭化水素テザー(すなわち、架橋)をさらに操作することができる。一例では、炭化水素アルケニルテザーの二重結合(例えば、ルテニウム触媒閉環メタセシス(RCM)を用いて合成される)を、(例えば、エポキシ化、アミノヒドロキシル化またはジヒドロキシル化を介して)酸化して、以下の化合物の1つを提供することができる。
Figure 2023517293000052
エポキシド部分または遊離ヒドロキシル部分の1つのいずれかをさらに官能化することができる。例えば、エポキシドは求核剤で処理することができ、求核剤は、例えば治療剤を結合させるために使用することができる追加の官能基を提供する。そのような誘導体化は、代替的に、ペプチドのアミノ末端もしくはカルボキシ末端の合成操作によって、またはアミノ酸側鎖を介して達成することができる。他の作用物質(agent)、例えばペプチドの細胞への進入を容易にする作用物質を、官能化テザーに結合させることができる。
いくつかの例では、アルファ二置換アミノ酸は、アルファらせん二次構造の安定性を改善するためにペプチドにおいて使用される。しかしながら、アルファ二置換アミノ酸は必要とされず、モノ-α置換基(例えば、テザーアミノ酸において)を使用する例も想定される。
構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドは、薬物、毒素、ポリエチレングリコールの誘導体;第2のペプチド;炭水化物等を含むことができる。ポリマーまたは他の作用物質が構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドに連結されている場合、組成物は実質的に均質であることが望ましい場合がある。
ポリエテレングリコール(PEG)分子の付加は、ペプチドの薬物動態学的および薬力学的特性を改善することができる。例えば、PEG化は腎クリアランスを低下させることができ、より安定な血漿濃度をもたらし得る。PEGは水溶性ポリマーであり、ペプチドと結合しているものとして下記の式で表すことができる:
XO--(CHCHO)--CHCH--Y(式中、nは2~10,000であり、XはHまたは末端修飾、例えばC1-4アルキルであり;およびYは、ペプチドのアミン基(それだけに限らないが、リジンのイプシロンアミンまたはN末端を含む)へのアミド、カルバメートまたは尿素結合である。Yはまた、チオール基(限定されないが、システインのチオール基を含む)へのマレイミド結合であり得る。PEGをペプチドに直接的または間接的に連結するための他の方法は、当業者に公知である。PEGは直鎖状または分枝状であり得る。様々な官能化誘導体を含む様々な形態のPEGが市販されている。
主鎖に分解性結合を有するPEGを使用することができる。例えば、PEGは、加水分解を受けやすいエステル結合を用いて調製することができる。分解性PEG結合を有するコンジュゲートは、国際公開第99/34833号;国際公開第99/14259号および米国特許第6,348,558号に記載されている。
特定の実施形態では、巨大分子ポリマー(例えば、PEG)は、中間リンカーを介して本明細書に記載の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドに結合している。特定の実施形態では、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1~20個のアミノ酸で構成され、アミノ酸は20個の天然に存在するアミノ酸から選択される。これらのアミノ酸のいくつかは、当業者によって十分に理解されているように、グリコシル化され得る。他の実施形態では、1~20個のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミンおよびリジンから選択される。他の実施形態では、リンカーは、グリシンおよびアラニンなどの立体的に妨げられていないアミノ酸の大部分から構成される。非ペプチドリンカーも可能である。例えば、-NH(CHC(O)-などのアルキルリンカー(式中、n=2~20)を使用することができる。これらのアルキルリンカーは、低級アルキル(例えば、C-C)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニルなどのような任意の非立体障害基でさらに置換されていてもよい。米国特第.5,446,090号は、二官能性PEGリンカー、および各PEGリンカー末端にペプチドを有するコンジュゲートの形成におけるその使用を記載している。
いくつかの実施形態では、構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを、例えば、細胞取り込みをさらに促進するために、またはインビボ安定性を増加させるために改変することもできる。例えば、構造的に安定化されたペプチドのアシル化またはPEG化は、細胞取り込みを促進し、バイオアベイラビリティを増加させ、血液循環を増加させ、薬物動態を変化させ、免疫原性を低下させ、および/または必要な投与頻度を減少させる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドは、細胞膜を透過する能力が(例えば、非安定化ペプチドと比較して)増強されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/147283号を参照されたい。
処置方法
本開示は、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)感染またはコロナウイルス疾患(例えば、COVID-19)の予防および/または処置のために、本明細書に記載の任意の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(または前記構造的に安定化されたペプチドを含む医薬組成物)を使用する方法を特徴とする。本明細書で使用される「処置する(treat)」または「処置すること(treating)」という用語は、対象(例えば、ヒト)が罹患している疾患または感染を緩和、阻害、または改善することを指す。
本明細書に記載の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはそのペプチドを含む組成物)は、コロナウイルス(例えば、ベータコロナウイルス)感染を有する対象(例えば、ヒト対象)を処置するのに有用であり得る。本明細書に記載の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはそのペプチドを含む組成物)はまた、コロナウイルス疾患を有するヒト対象を処置するのにも有用であり得る。特定の実施形態では、コロナウイルス感染は、229E(アルファコロナウイルス);NL63(アルファコロナウイルス);OC43(ベータコロナウイルス);HKU1(ベータコロナウイルス);中東呼吸器症候群(MERS);SARS-CoV;またはSARS-CoV-2のうちの1つの感染である。特定の実施形態では、コロナウイルス疾患は、COVID-19感染によって引き起こされる。
本明細書に記載の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド(またはそのペプチドを含む組成物)は、ヒト対象におけるコロナウイルス(例えば、ベータコロナウイルス)感染を予防するのに有用であり得る。本明細書に記載のペプチド(またはペプチドを含む組成物)はまた、対象(例えば、ヒト対象)におけるコロナウイルス疾患を予防するのにも有用であり得る。特定の実施形態では、コロナウイルス感染は、229E(アルファコロナウイルス);NL63(アルファコロナウイルス);OC43(ベータコロナウイルス);HKU1(ベータコロナウイルス);中東呼吸器症候群(MERS);SARS-CoV;またはSARS-COVID-19のうちの1つの感染である。特定の実施形態では、コロナウイルス疾患は、COVID-19感染によって引き起こされる。
特定の実施形態では、表1~5に記載のペプチドまたはそのバリアントを、それを必要とするヒト対象に投与する。特定の実施形態では、配列番号9またはその改変バージョンを含むかまたはそれからなるステープルSARS-CoV-2 HR2ペプチドを、それを必要とするヒト対象に投与する。特定の実施形態では、配列番号10またはその改変バージョンを含むかまたはそれからなるステープルSARS-CoV-2 HR2ペプチドを、それを必要とするヒト対象に投与する。
特定の実施形態では、表1に記載の配列番号11~52、102、105、107、109もしくは111~180を有するペプチドのいずれか1つまたはそのバリアント(本明細書に記載)を、それを必要とするヒト対象に投与する。これらのペプチドの可能なバリエーションは、構造的に安定化されたペプチドのセクションに記載されている。さらなる指針が図6Bおよび図16Dに提供される。これらの配列のバリアントは、以下の少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5個の)特性を有する:(i)組換え5ヘリックスバンドルタンパク質に結合する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する。特定の実施形態では、配列番号11~52、102、105、107、109もしくは111~180を有するペプチドのいずれか1つと少なくとも50%、55%、60%、65%、709%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%の同一性を有するペプチドを、それを必要とするヒト対象に投与する。特定の実施形態では、配列番号11~52、102、105、107、109、または111~180を有するが、1~10個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)のアミノ酸の置換、挿入および/または欠失を有するペプチドのいずれか1つを、それを必要とするヒト対象に投与する。
いくつかの実施形態では、ヒト対象は、コロナウイルス(例えば、ベータコロナウイルス)に感染している。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、コロナウイルス(例えば、ベータコロナウイルス)に感染するリスクがある。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、コロナウイルス疾患(例えば、ベータコロナウイルス)を発症するリスクがある。いくつかの例では、ヒト対象は、活動性コロナウイルス大流行に陥る地域(例えば、市、州、国)(例えば、少なくとも1人、少なくとも2人、少なくとも3人、少なくとも4人、少なくとも5人、少なくとも6人、少なくとも7人、少なくとも8人、少なくとも9人、少なくとも10人、少なくとも20人、少なくとも30人、少なくとも40人、またはそれを超える人々がコロナウイルスに感染していると診断された地域)に住む場合、コロナウイルスに感染するリスクがあるか、またはコロナウイルス疾患を発症するリスクがある。いくつかの例では、ヒト対象は、活動性コロナウイルス大流行に陥る第2の地域(例えば、市、州、国)の近く(例えば、境を接する市、州、国)の地域(例えば、少なくとも1人、少なくとも2人、少なくとも3人、少なくとも4人、少なくとも5人、少なくとも6人、少なくとも7人、少なくとも8人、少なくとも9人、少なくとも10人、少なくとも20人、少なくとも30人、少なくとも40人、またはそれを超える人々がコロナウイルスに感染していると診断された第2の地域の近くの地域(例えば、境を接する)に住む場合、コロナウイルスに感染するリスクがあるか、またはコロナウイルス疾患を発症している。特定の実施形態では、コロナウイルス疾患は、SARS-CoV-2感染によって引き起こされる。特定の実施形態では、対象は、COVID-19を有するか、または発症するリスクがある。
一般に、方法は、対象を選択すること、および、有効量の1またはそれを超える本明細書中の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを、例えば、医薬組成物中または医薬組成物として対象に投与すること、および必要に応じて、コロナウイルス感染またはコロナウイルス疾患の予防または処置のために必要とされる投与を繰り返すことを含み、経口、鼻腔内、静脈内、皮下、筋肉内、または局所的に投与することができ、例えば、皮膚、鼻腔、副鼻腔、呼吸樹、および肺への投与を含む。いくつかの例では、投与は、鼻粘膜、副鼻腔粘膜、または肺を含む呼吸樹への適用を含む局所呼吸器適用によるものである。いくつかの例では、局所適用は皮膚への適用を含む。対象は、例えば、対象がコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2などのベータコロナウイルス)感染を有すると決定することに基づいて、処置のために選択され得る。本開示のペプチドは、対象がコロナウイルスに感染しているかどうかを判定するために使用することができる。
任意の特定の患者に対する具体的な投与量および処置レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、***速度、薬物の組み合わせ、疾患、状態または症状の重症度および経過、疾患、状態または症状に対する患者の性質、および処置する医師の判断を含む様々な要因に依存する。
有効量は、1またはそれを超える投与、適用または投与量で投与することができる。治療化合物の治療有効量(すなわち、有効投与量)は、選択される治療化合物に依存する。組成物は、1日に1またはそれを超える回数から1週間に1またはそれを超える回数まで投与することができ;1日おきに1回を含む。当業者は、疾患または障害の重症度、以前の処置、対象の一般的な健康状態および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されない特定の要因が、対象を効果的に処置するために必要な投与量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを理解するであろう。さらに、治療有効量の本明細書に記載の治療化合物による対象の処置は、単一の処置または一連の処置を含むことができる。例えば、有効量を少なくとも1回投与することができる。
医薬組成物
本明細書に記載の1またはそれを超える任意の構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドは、医薬組成物としてまたは医薬組成物において使用するために製剤化することができる。医薬組成物は、本明細書に記載の処置または予防の方法で使用され得る(上記参照)。特定の実施形態では、医薬組成物は、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、または1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を除いて、表1に記載のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを含む。アミノ酸配列に対するこれらの変化は、これらのペプチドの非相互作用アルファらせん面で(すなわち、コロナウイルス5ヘリックスバンドルと相互作用しないアミノ酸に対して)、および/または、相互作用アルファらせん面で(すなわち、コロナウイルス5ヘリックスバンドルと相互作用するアミノ酸に対して)行うことができる。そのような組成物は、任意の経路、例えば、食品医薬品局(FDA)によって承認された任意の経路を介した対象への投与のために製剤化または適合させることができる。例示的な方法は、FDAのCDER Data Standards Manual、バージョン番号004(fda.gave/cder/dsm/DRG/drg00301.htmで入手可能である)に記載されている。例えば、組成物は、吸入(例えば、経口および/または経鼻吸入(例えば、ネブライザーまたはスプレーを介して))、注射(例えば、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋肉内、および/または皮下);および/または経口投与、経粘膜投与、および/または局所投与(局所(例えば、鼻)スプレーおよび/または溶液を含む)による投与のために製剤化または適合させることができる。
いくつかの例では、医薬組成物は、有効量の1またはそれを超える構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを含むことができる。本明細書で使用される「有効量」および「処置するのに有効」という用語は、意図された効果または生理学的結果(例えば、感染の処置)を引き起こすためにその投与のコンテキストにおいて有効な一定期間(急性または慢性投与および周期的または連続投与を含む)利用される1またはそれを超える構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドまたは本明細書に記載の医薬組成物の量または濃度を指す。
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の1またはそれを超える構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチド、ならびに任意の薬学的に許容され得る担体および/またはビヒクルを含むことができる。いくつかの例では、医薬品は、疾患または疾患症状の調整を達成するのに有効な量の1またはそれを超える追加の治療剤をさらに含むことができる。
「薬学的に許容され得る担体またはアジュバント という用語は、本発明の化合物と共に患者に投与することができ、その薬理活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与した場合に非毒性である担体またはアジュバントを指す。
本発明の医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルを含有し得る。いくつかの場合では、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を高めるために、製剤のpHを薬学的に許容され得る酸、塩基またはバッファーで調整することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病変内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
いくつかの例では、本明細書に開示される1またはそれを超える構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを、例えば担体タンパク質にコンジュゲートさせることができる。そのようなコンジュゲートされた組成物は、一価または多価であり得る。例えば、コンジュゲートされた組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートされた本明細書に開示される1つの構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを含むことができる。あるいは、コンジュゲートされた組成物は、担体にコンジュゲートされた本明細書に開示される2つまたはまたはそれを超える構造的に安定化された(例えば、ステープルまたはステッチ)ペプチドを含むことができる。
本明細書で使用される場合、2つの実体が互いに「コンジュゲート」される場合、それらは直接的または間接的な共有結合または非共有結合相互作用によって連結される。特定の実施形態では、会合は共有結合である。他の実施形態では、会合は非共有結合である。非共有結合相互作用には、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁気相互作用、静電相互作用などが含まれる。間接的な共有結合相互作用は、2つの実体が、必要に応じてリンカー基を介して共有結合で接続している場合に生じる。
担体タンパク質は、対象における免疫原性を増加または増強する任意のタンパク質を含み得る。例示的な担体タンパク質は、当技術分野で記載されている(例えば、Fattom et al.,Infect.Immun.,58:2309-2312,1990;Devi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7175-7179,1991;Li et al.,Infect.Immun.57:3823-3827,1989;Szu et al.,Infect.Immun.59:4555-4561,1991;Szu et al.,J.Exp.Med.166:1510-1524,1987;およびSzu et al.,Infect.Immun.62:4440-4444,1994を参照されたい)。ポリマー担体は、1またはそれを超える第一級および/または第二級アミノ基、アジド基、またはカルボキシル基を含有する天然または合成材料であり得る。担体は水溶性であり得る。
ステープルまたはステッチペプチドの作製方法
1つの態様では、本開示は、構造的に安定化されたペプチドを作製する方法を特徴とする。この方法は、(a)オレフィン側鎖を有する少なくとも2つの非天然アミノ酸を含むペプチド(例えば、配列番号11~52または112~180)を提供すること、および(b)ペプチドを架橋することを含む。いくつかの例では、ペプチドを架橋することは、ルテニウム触媒メタセシス反応によるものである。
ステープルペプチド合成:Fmocベースの固相ペプチド合成を使用して、本発明者らが報告した全炭化水素ステープルペプチドを生成する方法に従ってステープルペプチド融合阻害剤を合成した(Bird et al.,Curr.Protocol.Chem,Biol.,3(3):99-117(2011;Bird et al.,Methods Enzymol.,446:369-86(2008)。様々なステープル長を達成するために、α-メチル、α-アルケニルアミノ酸を、2つのS-ペンテニルアラニン残基(S5)の使用を位置決めするi、i+4についてなど、別々の位置で特定の対合に組み込んだ。ステープル反応のために、ジクロロエタンに溶解したGrubbsの第1世代ルテニウム触媒を樹脂結合ペプチドに添加した。最大の変換を確実にするために、3~5回のステープルを行った。次いで、ペプチドをトリフルオロ酢酸を用いて樹脂から切断し、ヘキサン:エーテル(1:1)混合物を用いて沈殿させ、風乾し、LC-MSによって精製した。すべてのペプチドをアミノ酸分析によって定量した。
ステッチペプチド合成:本明細書に記載のステッチペプチドを合成する方法は、当技術分野で公知である。しかしながら、以下の例示的な方法を使用してもよい。本明細書に記載の化合物を合成するのに有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は当技術分野で公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3d.Ed.,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびそれらのその後の版に記載されたものなどが含まれる。
PEG4-コレステロールによるステープルまたはステッチペプチドの誘導体化:200mgのBoc-PEG-COOH(www.biochempeg.com/product/Boc-NH-PEG4-COOH.html)を10mLのTHFに溶解する。次いで、撹拌しながら400mgのコレステロール(Sigma)を添加し、引き続いて0.1mLのジイソプロピルカルボジイミドおよび7mgのジメチルアミノピリジンを添加する。反応をC3カラムでLCMSによってモニターし、典型的には1時間で完了する。10mLのトリフルオロ酢酸を添加し、再びLCMSによって監視しながら、15分間撹拌する。溶媒を除去し、粗材料を5mLのTHFに溶解し、分取LCMSによって精製する。生成物画分をプールし、凍結乾燥する。乾燥生成物を10mLのTHFに溶解し、1.5mLのジイソプロピルエチルアミンを添加し、続いて0.36mLのブロモアセチルブロミドを滴下添加する。LCMSを使用して、典型的には20分後に、反応が完了したことを確認する。生成物であるブロモアセチル化PEG-4コレステロールをLCMSによって精製する。次いで、BrAc-PEG4-cholとシステイン含有ペプチドとの反応を以下のように達成する:5mgのペプチド(例えば、DISGINASVVNIQXEIDXLNEVAKXLNEXLIDLQELGSGSGC)を350μLのDMF(5mM)に溶解し、次いで、350μLのBrAc-PEG-Cholの10mM溶液(DMF中)を添加し、続いて35μLの50mM TCEP(水中)を添加し、最後に3.2μLのDIEA(ペプチドに対して10当量)を撹拌しながら添加する。反応をC3カラムでLCMSによってモニターする。コレステロールペプチド付加物を、一晩の反応後に分取LCMSによって精製する。
本発明のペプチドは、当業者に周知の化学合成法によって作製することができる。例えば、Fields et al.,Chapter 3 in Synthetic Peptides:A User’s Guide,ed.Grant,W.H.Freeman&Co.,New York,N.Y.,1992,p.77を参照のこと。したがって、ペプチドは、例えば、Applied Biosystems Peptide Synthesizer Model 430Aまたは431で、側鎖保護アミノ酸を使用して、t-BocまたはFmoc化学のいずれかによって保護されたα-NH2を用いる固相合成の自動化Merrifield技術を用いて合成することができる。
本明細書中に記載されるペプチドを作製する1つの様式は、固相ペプチド合成(SPPS)を使用することである。C末端アミノ酸は、リンカー分子との酸不安定結合を介して架橋ポリスチレン樹脂に結合している。この樹脂は、合成に使用される溶媒に不溶性であり、過剰な試薬および副生成物を洗い流すことを比較的簡単かつ迅速にする。N末端はFmoc基で保護されており、これは酸中で安定であるが、塩基によって除去可能である。任意の側鎖官能基は、塩基安定性の酸不安定基で保護される。
天然の化学的ライゲーションを使用して個々の合成ペプチドを結合させることによって、より長いペプチドを作製することができた。ステッチアミノ酸の挿入は、例えば、Young and Schultz,J Biol Chem.2010 Apr 9;285(15):11039-11044に記載されるとおりに行なわれ得る。あるいは、より長い合成ペプチドは、周知の組換えDNA技術によって合成することができる。そのような技術は、詳細なプロトコルを有する周知の標準マニュアルで提供される。本発明のペプチドをコードする遺伝子を構築するために、アミノ酸配列を逆翻訳して、好ましくは遺伝子が発現される生物に最適なコドンを有するアミノ酸配列をコードする核酸配列を得る。次に、典型的には、ペプチドおよび必要な場合任意の調節エレメントをコードするオリゴヌクレオチドを合成することによって、合成遺伝子を作製する。合成遺伝子を適切なクローニングベクターに挿入し、宿主細胞にトランスフェクトする。次いで、ペプチドを、選択された発現系および宿主に適した適切な条件下で発現させる。ペプチドを精製し、標準的な方法によって特性評価する。
ペプチドは、例えば、Advanced ChemtechまたはSymphony Xから入手可能なハイスループット多重チャネルコンビナトリアルシンセサイザを使用して、ハイスループットのコンビナトリアル様式で作製することができる。ペプチド結合は、例えばペプチドの生理学的安定性を高めるために、レトロインベルソ結合(C(O)-NH);還元アミド結合(NH-CH2);チオメチレン結合(S-CH2またはCH2-S);オキソメチレン結合(O-CH2またはCH2-O);エチレン結合(CH2-CH2);チオアミド結合(C(S)-NH);トランス-オレフィン結合(CH=CH);フルオロ置換trans-オレフィン結合(CF=CH);ケトメチレン結合(C(O)-CHRまたはCHR-C(O)[式中、RはHまたはCH3である];およびフルオロ-ケトメチレン結合(C(O)-CFRまたはCFR-C(O)[式中、RはHまたはFまたはCH3である]によって置き換えることができる。
ペプチドは、アセチル化、アミド化、ビオチン化、シンナモイル化、ファルネシル化、蛍光化、ホルミル化、ミリストイル化、パルミトイル化、他の脂質化(例えば、コレステロール)、リン酸化(Ser、TyrまたはThr)、ステアロイル化、スクシニル化およびスルフリル化によってさらに改変することができる。上記のように、ペプチドは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);アルキル基(例えば、C1-C20直鎖または分岐アルキル基);脂肪酸ラジカル;およびそれらの組み合わせにコンジュゲートさせることができる。様々な長さのオレフィン側鎖を含有するα,α-二置換非天然アミノ酸は、公知の方法によって合成することができる(Williams et al.J.Am.Chem.Soc.,113:9276,1991;Schafmeister et al.,J.Am.Chem Soc.,122:5891,2000;およびBird et al.,Methods Enzymol.,446:369,2008;Bird et al,Current Protocols in Chemical Biology,2011)。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのR-オクテニルアラニン(例えば、(R)-α-(7’-オクテニル)アラニン)、1つの(one one)ビス-ペンテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン)、および1つのR-オクテニルアラニン(例えば、(R)-α-(7’-オクテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのS-オクテニルアラニン(例えば、(S)-α-(7’-オクテニル)アラニン)、1つの(one one)ビス-ペンテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン)、および1つのR-オクテニルアラニン(例えば、(R)-α-(7’-オクテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのS-オクテニルアラニン(例えば、(S)-α-(7’-オクテニル)アラニン)、1つのビス-ペンテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン)、および1つのS-オクテニルアラニン(例えば、(S)-α-(7’-オクテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのR-ペンテニルアラニン(例えば、(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)、1つのビス-オクテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン)、および1つのS-ペンテニルアラニン(例えば、(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのR-ペンテニルアラニン(例えば、(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)、1つのビス-オクテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン)、および1つのR-ペンテニルアラニン(例えば、(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのS-ペンテニルアラニン(例えば、(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)、1つのビス-オクテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン)、および1つのR-ペンテニルアラニン(例えば、(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)が使用される。いくつかの例では、i+7に連結されたi、i+14ステッチに連結されたi+7が使用されるペプチドについては(ヘリックスの4ターンが安定化される):1つのS-ペンテニルアラニン(例えば、(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)、1つのビス-オクテニルグリシン(例えば、α,α-ビス(7’-オクテニル)グリシン)、および1つのS-ペンテニルアラニン(例えば、(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニン)が使用される。R-オクテニルアラニンは、出発キラル補助剤がR-アルキル立体異性体を与えることを除いて、同じ経路を使用して合成される。また、5-ヨードペンテンに代えて8-ヨードオクテンを用いる。MBHA樹脂上での固相ペプチド合成(SPPS)を使用して、固体支持体上で阻害剤を合成する(例えば、国際公開第2010/148335号を参照のこと)。
Fmoc保護α-アミノ酸(オレフィン系アミノ酸N-Fmoc-α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシン、(S)-N-Fmoc-α-(4’-ペンテニル)アラニン、(R)-N-Fmoc-α-(7’-オクテニル)アラニン、(R)-N-Fmoc-α-(7’-オクテニル)アラニンおよび(R)-N-Fmoc-α-(4’-ペンテニル)アラニン)、2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)およびRink Amide MBHAは、例えばNovabiochem(サンディエゴ、カリフォルニア州)から市販されている。ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,2-ジクロロエタン(DCE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)およびピペリジンは、例えばSigma-Aldrichから市販されている。オレフィンアミノ酸合成は、当技術分野で報告されている(Williams et al.,Org.Synth.,80:31,2003)。
また、本明細書中に開示されるペプチドを得る(例えば、合成する)、ステッチする、および精製するのに適した方法も、当該分野で公知である(例えば、Bird et.al.,Methods in Enzymol.,446:369-386(2008);Bird et al,Current Protocols in Chemical Biology,2011;Walensky et al.,Science,305:1466-1470(2004);Schafmeister et al.,J.Am.Chem.Soc.,122:5891-5892(2000);2010年3月18日に出願された米国特許出願第12/525,123号;および2010年5月25日に発行された米国特許第7,723,468号を参照されたい。これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの例では、ペプチドは、ステッチされていないもしくはステープルされていないペプチド夾雑物を実質的に含まないか、または単離される。ペプチドを精製する方法には、例えば、固相支持体上でペプチドを合成することが含まれる。環化後、固相支持体を単離し、DMSO、DMSO/ジクロロメタン混合物、またはDMSO/NMP混合物などの溶媒の溶液に懸濁させることができる。DMSO/ジクロロメタンまたはDMSO/NMP混合物は、約30%、40%、50%または60%のDMSOを含み得る。具体的な例では、50%/50% DMSO/NMP溶液が使用される。溶液を1、6、12または24時間インキュベートしてもよく、その後、樹脂を例えばジクロロメタンまたはNMPで洗浄してもよい。1つの例では、樹脂をNMPで洗浄する。振とうおよび溶液中に不活性ガスをバブリングしてもよい。
本開示のステッチまたはステープルペプチドの特性は、例えば、以下および実施例に記載される方法を用いてアッセイすることができる。
安定化ペプチドの特性および有効性を決定するためのアッセイ
αヘリシティを決定するためのアッセイ:化合物を水溶液(例えば、5μMリン酸カリウム溶液(pH7)または蒸留HO、25~50μMの濃度まで)に溶解する。円偏光二色性(CD)スペクトルは、標準測定パラメータ(例えば、温度20℃;波長190~260 nm;ステップ分解能0.5nm;速度20nm/秒;アキュムレーション10;応答1秒;バンド幅1nm;経路長0.1cm)を用いて分光偏光計(例えば、Jasco J-710、Aviv)で得られる。各ペプチドのαらせん含量は、平均残基楕円率をモデルらせんデカペプチドの報告値で割ることによって計算される(Yang et al.,Methods Enzymol.,1986)。
融解温度(Tm)を決定するためのアッセイ:架橋または非改変鋳型ペプチドを蒸留HOまたは他の緩衝液または溶媒に(例えば50μMの最終濃度で)溶解し、標準パラメータ(例えば、波長222nm;ステップ分解能0.5nm;速度20nm/秒;アキュムレーション10;応答1秒;バンド幅1nm;昇温速度:1℃/分;経路長0.1 cm)を用いて分光偏光計(例えば、Jasco J-710、Aviv)で温度範囲(例えば4~95℃)にわたって楕円率の変化を測定することによってTmを決定する。
インビトロでのプロテアーゼ耐性アッセイ:ペプチド骨格のアミド結合はプロテアーゼによる加水分解を受けやすく、それによってペプチド性化合物をインビボでの急速分解に対して脆弱にする。しかしながら、ペプチドヘリックス形成は、典型的には、アミド骨格を埋め込み、および/またはねじる、および/または遮蔽し、したがってタンパク質分解的切断を防止または実質的に遅延させ得る。本発明のペプチド模倣大環状分子をインビトロ酵素タンパク質分解(例えば、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン)に供して、対応する未架橋または代替的にステープルしたポリペプチドと比較して、分解速度の任意の変化を評価することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋ポリペプチドをトリプシンアガロースと共にインキュベートし、遠心分離およびその後のHPLC注入によって様々な時点で反応をクエンチして、280nmでの紫外線吸収によって残留基質を定量する。簡潔には、ペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体(5mcg)を、トリプシンアガロース(Pierce)(S/E約125)と共に0、10、20、90および180分間インキュベートする。反応物を卓上遠心分離によって高速でクエンチする;単離された上清中の残りの基質を、280nmでのHPLCに基づくピーク検出によって定量する。タンパク質分解反応は一次速度論を示し、速度定数kは、時間に対するln[S]のプロットから決定される。
ペプチド模倣大環状分子および/または対応する未架橋ポリペプチドをそれぞれ、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒト血清(例えば1~2mL)と共に37℃で、例えば0、1、2、4、8および24時間インキュベートすることができる。異なる大環状分子濃度のサンプルは、血清で段階希釈することによって調製され得る。インタクトな化合物のレベルを決定するために、以下の手順を使用することができる:サンプルを、例えば、100μLの血清を2ml遠心管に移し、続いて10μLの50%ギ酸および500μLのアセトニトリルを添加し、14,000 RPMで10分間、4+/-2℃で遠心分離することによって抽出する。次いで、上清を新しい2mlチューブに移し、N<10 psi、37℃下、Turbovapでエバポレートする。サンプルを100μLの50:50アセトニトリル:水で再構成し、LC-MS/MS分析に供する。エクスビボ安定性を試験するための同等または類似の手順は公知であり、血清中の大環状分子の安定性を決定するために使用され得る。
血漿安定性アッセイ:ステープルペプチド安定性は、リチウムヘパリン管に収集した新たに採取したマウス血漿中で試験することができる。10μMの個々のペプチドを添加した500μlの血漿を用いて、三連のインキュベーションを設定する。サンプルを37℃のオービタルシェーカー中で穏やかに振盪し、25μlのアリコートを0、5、15、30、60、240、360および480分で取り出し、10%メタノール:10%水:80%アセトニトリルを含有する100μlの混合物に添加して、ペプチドのさらなる分解を停止させる。サンプルをアッセイの期間にわたって氷上に静置させ、次いで、MultiScreen Solvinert 0.45μm低結合親水性PTFEプレート(Millipore)に移す。濾液をLC-MS/MSによって直接分析する。ペプチドは、Sciex 5500質量分析計を使用して二重または三重荷電イオンとして検出される。残存ペプチドのパーセンテージを、クロマトグラフィのピーク面積の減少によって決定し、対数変換して半減期を計算する。
インビボでのプロテアーゼ耐性アッセイ:ペプチドステープルの重要な利点は、インビトロでのプロテアーゼ耐性をインビボで著しく改善された薬物動態に変換することである。
液体クロマトグラフィ/質量分析に基づく分析アッセイを使用して、血漿中のSAH-SARS-CoV-2レベルを検出および定量する。薬物動態分析のために、ペプチドを滅菌5%デキストロース水溶液(1mg/mL)に溶解し、ボーラス尾静脈または腹腔内注射(例えば、5、10、25、50mg/kg)によってC57BL/6マウス(Jackson Laboratory)に投与する。各時点で5匹の動物に投与した5、30、60、120および240分後に後眼窩穿刺によって血液を採取する。遠心分離(2,500×g、5分、4℃)後に血漿を採取し、アッセイするまで-70℃で保存する。血漿中のペプチド濃度を、エレクトロスプレーイオン化質量分析検出(Aristoteli et al.,Journal of Proteome Res.,2007;Walden et al.,Analytical and Bioanalytical Chem.,2004)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィによって決定する。試験サンプルを、1.0μg/mL~50.0μg/mLの範囲の濃度の血漿中ペプチドの一連の7つの較正標準、内部標準の添加の有りまたは無しでアッセイした薬物なしの血漿、および3つの品質管理サンプル(例えば、3.75、15.0、および45.0μg/mL)と共にアッセイする。標準曲線は、各較正標準における既知の薬物濃度に対して分析物/内部標準クロマトグラフィーピーク面積比をプロットすることによって構築される。線形最小二乗回帰は、較正標準の数に正規化された分析物濃度の逆数に比例する重み付けで実行される。最良適合線の傾きおよびy切片の値を用いて、試験サンプル中の薬物濃度を計算する。血漿濃度-時間曲線を、WinNonlin Professional 5.0ソフトウェア(Pharsight Corp.,Cary,NC)を使用する標準的な非コンパートメント法によって分析して、初期および末期の血漿半減期、ピーク血漿レベル、総血漿クリアランス、および見かけの分布容積などの薬物動態パラメータを得る。
局所投与後の鼻粘膜(すなわち、点鼻薬)および噴霧後の呼吸器粘膜におけるCOVID-19(SAH-SARS-CoV-2)ペプチドの安定化アルファ-ヘリックスの持続性を、ウイルス融合および播種の感染前および感染後の遮断に関連して調べる。マウスを、rgCOVID-19による鼻腔内感染(intransal infection)に先立つ一連の間隔での点鼻薬またはネブライザーによる単一SAH-SARS-CoV-2処置に曝露し、粘膜感染からの保護期間(上記のように組織学的に、または下記のようにPCRによって評価される)を用いて、SAH-SARS-CoV-2構築物の相対的粘膜安定性および予防有効性を測定した。
インビトロ結合アッセイ:アクセプタータンパク質に対するペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体の結合および親和性を評価するために、例えば、蛍光偏光アッセイ(FPA)を使用することができる。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサを使用して分子配向および移動度を測定する。偏光で励起されると、分子またはペプチドに結合し、次いで高い見かけの分子量のタンパク質に結合した蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さな分子またはペプチド単独に結合した蛍光トレーサー(例えば、溶液中に遊離のFITC標識ペプチド)と比較して、タンパク質結合の際の回転速度が遅いため、より高いレベルの偏光蛍光を放出する。
ペプチド-タンパク質相互作用のアンタゴニストを特徴付けるためのインビトロ置換アッセイ:ペプチドとアクセプタータンパク質との間の相互作用に拮抗する化合物の結合および親和性を評価するために、例えば、鋳型ペプチド配列に由来する蛍光化ペプチドまたはペプチド模倣大環状分子を利用する蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術は、偏光および蛍光トレーサを使用して分子配向および移動度を測定する。偏光で励起されると、高い見かけの分子量を有するタンパク質に結合した分子に結合した蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きなタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、FITC誘導体化分子単独(例えば、溶液中に遊離のFITC標識ペプチド)と比較して回転速度が遅いため、より高いレベルの偏光蛍光を放出する。蛍光化ペプチドとアクセプタータンパク質との間の相互作用に拮抗する化合物は、競合結合FPA実験で検出され、相互作用を破壊する際の化合物の異なる効力を定量し、比較することができる。
5ヘリックスバンドルタンパク質の産生および蛍光偏光アッセイ:短いペプチドリンカーによって接続されたヘアピンのSARS-CoV-2 S三量体のコアを構成する6つのヘリックスのうち5つを含むC末端ヘキサ-His(配列番号101)タグ付き組換え5-ヘリックスバンドル(5HB)タンパク質をgp41 5-HBの設計に従って設計する(Root et al.Science,291(5505):884-8(2001);Bird et al.,J Clin Invest.2014 May;124(5):2113-24)。プラスミドを大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、ルリアブロス中で培養し、0.1Mのイソプロピルβ-D-チオガラクトシドを用いて37℃で一晩誘導する。細胞を5,000gで20分間の遠心分離によって回収し、緩衝液A(100mMのNaH2PO4、20mMのTris、8Mの尿素;pH7.4)に再懸濁し、4℃で一晩撹拌することによって溶解する。混合物を遠心分離(35,000gで30分間)によって清澄化した後、室温でニッケル-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)アガロース(Qiagen)カラムに結合させる。結合した5-HBを緩衝液A(pH6.3)で洗浄し、緩衝液A(pH4.5)で溶出し、PBS(50mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaCl;pH7.5)で希釈(1:2)することにより再生し、10kDaのAmiconセントリコンで濃縮し(7回希釈および再濃縮)、約1mg/mlのタンパク質溶液を得る。タンパク質の純度をSDS-PAGEによって評価し、90%超であると決定する。SARS-CoV-2 S HR2の蛍光化ペプチド(25nM)を室温結合緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaCl;pH7.5)中で指示される濃度で5-HBタンパク質と共にインキュベートする。平衡時(例えば10分)の直接結合活性を、SpectraMax M5マイクロプレートリーダー(BMG Labtech)を使用して蛍光偏光によって測定する。競合的結合アッセイのために、直接結合のためのEC90を反映する固定濃度のFITC-ペプチドおよび5-HBタンパク質をその後、アセチル化SAH-SARS-CoV-2ペプチドの段階希釈物とインキュベートして、比較分析のための競合曲線を作成する。結合アッセイを3連で行い、Prismソフトウェア(GraphPad)を使用して競合結合等温線の非線形回帰分析によってKisを計算する。
SARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルへの結合活性をスクリーニングするアッセイ:
いくつかの例では、本明細書に開示される方法は、直接および競合スクリーニングアッセイを含む。例えば、方法は、作用物質が、本明細書に開示される1またはそれを超えるペプチドの、SARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)への結合を変化させる(例えば、低減する)かどうかを決定することを含み得る。いくつかの例では、方法は、(i)本明細書中に開示される1またはそれを超えるペプチドとSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)との間の結合レベルを(例えば、作用物質の非存在下で)決定すること;(ii)作用物質の存在下で、1またはそれを超えるペプチド(例えば、1またはそれを超える(i)のペプチド)とSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)との間の結合レベルを検出することであって、1またはそれを超えるペプチドとSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)との間の結合レベルの変化(例えば、低減)が、その作用物質がSARS-CoV-2に結合する候補作用物質であることを示す、検出すること;および(iii)候補作用物質を選択することを含む。いくつかの例では、ステップ(i)は、1またはそれを超えるペプチドをSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)と接触させること、および、1またはそれを超えるペプチドとSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)との結合レベルを検出することを含む。いくつかの例では、ステップ(ii)は、1またはそれを超えるペプチドおよび作用物質をSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)と接触させること、および、1またはそれを超えるペプチドとSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)との結合レベルを検出することを含む。SARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)を、1またはそれを超えるペプチドおよび作用物質と同時または異なる時間に接触させることができる(例えば、1またはそれを超えるペプチドを、作用物質の前または後にSARS-CoV-2(例えば、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルに)と接触させることができる)。いくつかの実施形態では、候補作用物質を適切な動物モデル(例えば、COVID-19の動物モデル)に投与して、作用物質が動物におけるCOVID-19感染レベルを低減させるかどうかを決定する。
いくつかの例では、ペプチドおよびSARS-CoV-2ヘリックスバンドルの一方または両方が標識を含むことができ、ペプチドおよび/またはSARS-CoV-2ヘリックスバンドルの検出を可能にする。いくつかの例では、ペプチドは標識を含む。いくつかの例では、SARS-CoV-2ヘリックスバンドルは標識を含む。いくつかの例では、ペプチドおよびSARS-CoV-2ヘリックスバンドルの両方は標識を含む。標識は、蛍光標識、放射性同位体標識、または酵素標識を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意の標識であり得る。いくつかの例では、標識はそれ自体で直接検出可能である(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)。いくつかの例では(例えば、酵素標識の場合)、標識は、例えば、化学基質化合物または組成物の化学的変化を触媒することによって間接的に検出可能であり、化学基質化合物または組成物は直接検出可能である。
ELISAによる競合的SARS-CoV-2 5-HB結合アッセイ:マイクロウェルを、ニュートラアビジン(4μg/ml)を含有する50μlのPBSで4℃で一晩コーティングする。ウェルを、0.05% Tween(登録商標) 20を含有するPBS(PBS-T)で2回洗浄し、PBS-T中の4% BSAで37℃で45分間ブロッキングする。次に、50μlの250nMビオチン化PEG2-SARS-CoV-2 HR2(配列番号9)を、1% BSAを含むPBS-T中に添加し、振とうしながら1時間インキュベートし、引き続いて300μlのPBS-Tで4回洗浄する。次に、1% BSAを含む50μLのPBS-T中の50nMの組換え5-HBを含む10μMから始まるSARS-CoV-2ペプチドの1:2段階希釈物をプレートに加え、室温で2時間振とうした後に、300μLのPBS-Tで4回洗浄する。最後に、6×Hisタグ-HRPコンジュゲート化ヤギポリクローナルの1:5000希釈物50μLを添加する。室温で40分間のインキュベーション後、ウェルを5回洗浄し、50μlのテトラメチルベンジジン(TMB)溶液を加えることによって発色させる。20分後、TMB溶液を含むウェルを、50μlのHSO(2M)を添加することによって停止させ、450nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)で読み取る。Prismソフトウェア(Graphpad)を使用して、得られた結合曲線の内挿によって、最大半量シグナル(IC50)に対応する競合ペプチドの濃度を決定する。各ペプチド競合剤を、少なくとも2つの別々の実験において三連で試験する。
細胞透過性アッセイ:ペプチドまたは架橋ポリペプチドの細胞透過性を測定するために、無血清培地またはヒト血清を補充した培地中、37℃で蛍光化架橋ポリペプチド(10μM)と共にインタクトな細胞を4時間インキュベートし、培地で2回洗浄し、37℃で10分間トリプシン(0.25%)と共にインキュベートする。細胞を再度洗浄し、PBSに再懸濁する。細胞蛍光は、例えば、FACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomicsのKineticScanRTM HCSリーダーのいずれかを使用することによって分析される。
抗ウイルス有効性アッセイ:COVID-19感染の予防および処置におけるSAH-SARS-CoV-2ペプチドの有効性を単層細胞培養物において評価する。ウイルス検出プラットフォームは、エボラウイルスに対する以前のスクリーニングに基づいてSARS-CoV-2用に開発されている(Anantpadma M.et al.,Antimicrob Agents Chemother.2016;60(8):4471-81.Epub 2016/05/11.doi:10.1128/AAC.00543-16.PubMed PMID:27161622;PMCID:PMC4958205を参照のこと)。384ウェル形式でプレーティングしたVero E6細胞を、ステープルペプチドの段階希釈物(例えば、10μMの開始用量)により1時間処理し、3連で行い、その後、SARS-CoV-2による4時間のチャレンジを行い、10%~20%の細胞の対照感染を達成する(アッセイにおける試験化合物のダイナミックレンジを評価するための所定の最適な感染力)。次いで、感染細胞を洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、PBSで再洗浄し、抗SARS-CoV-2ヌクレオカプシドモノクローナル抗体、引き続いて抗Ig二次抗体(Alexa Fluor 488;Life Technologies)で免疫染色し、細胞体をHCS CellMaskブルーで対比染色する。細胞をNikon Ti Eclipse自動顕微鏡でz平面にわたって画像化し、CellProfilerソフトウェアによって分析し、感染した細胞を総細胞で割ることによって感染効率を計算する。対照細胞傷害性アッセイを、Cell-Titer Glo(Promega)アッセイおよびLDH放出(Roche)アッセイを使用して行う。
別のアプローチでは、qPCRに基づくウイルス検出を、ACE2を発現する天然に感受性のヒト由来Huh770細胞およびCalu-371細胞、ならびにSARS-CoV-2ウイルス(例えば、USA-WA1/2020;香港VM20001061)に感染したMatTek Life Sciences一次肺上皮細胞モデルおよび肺胞細胞モデルにおいて使用する。培養細胞をステープルペプチドの段階希釈物で1時間処理し、続いてSARS-CoV-2でチャレンジする。培養上清をサンプリングし、RNAse阻害剤の存在下でウイルスを溶解し、記載のようにRTおよびqPCRを行う。Suzuki et al.J Vis Exp.2018(141).Epub 2018/11/20.doi:10.3791/58407を参照のこと。CDCによって検証されたBHQクエンチ色素対プライマーをIDTから購入し、Ct値からゲノム等価物を計算する。
さらに別のアプローチでは、偽型ウイルスを使用してSAH-SARS-CoV-2ステープルペプチドの抗ウイルス活性を評価する。GFP(カタログ番号RVP-701G、ロット番号CG-113A)レポーターを有する293T-hsACE2安定細胞株(カタログ番号C-HA101)および偽型SARS-CoV-2(Wuhan-Hu-1株)粒子を使用する(Integral Molecular)。中和アッセイは、製造業者のプロトコルに従って行う。簡単に記載すると、5μLの単回用量のペプチド(5μMの最終用量)を、5μLの偽型SARS-CoV-2-GFPと共に37℃で1時間、384ウェルの黒色透明底プレートにおいてインキュベートし、続いて、30μLの1,000個の293T-hsACE2細胞を添加し(10% FBS DMEM、フェノールレッド非含有培地中)、48時間または72時間、加湿インキュベーターに入れる。Hoechst 33342およびDRAQ7染料を添加し、プレートをMolecular Devices ImageXpress Micro Confocal Laser上で倍率10倍で画像化する。Prismソフトウェア(Graphpad)を使用して、GFP(+)細胞を計数し、プロットする。
リード・ステープルペプチドがSARS-CoV-2感染を予防する能力を評価するために、K18-hACE2(Jackson Laboratory)マウス(n=10/アーム;雄5匹、雌5匹)の鼻腔内投与または中咽頭経路によって、ステープルペプチドまたはビヒクルを投与し、24時間後、10PFUのウイルス投与量を鼻腔内接種する。剖検による評価のためにマウスを4日後(ウイルス血症のピーク)に安楽死させ、ウイルス量を、組織溶解装置(tissuelyzer)(Qiagen)を使用して記載されるように調製される肺ホモジネートの上清サンプルからのqPCRによって定量した。Bao L et al.Nature.2020.Epub 2020/05/08;doi:10.1038/s41586-020-2312-yを参照のこと。確立されたSARS-CoV-2感染を処置または緩和するリード・ステープルペプチドの能力を評価するために、K18-hACE2マウス(n=10/アーム;雄5匹、雌5匹)に1日目に10PFUのウイルス投与量で鼻腔内接種し、続いて10日間(2日目~12日目)、ステープルペプチドまたはビヒクルで毎日、中咽頭または腹腔内処置する。代替の設計では、症状または陽性試験に基づく治療開始をシミュレートするために、接種後3~5日まで投与を遅らせる。マウスを継続的にモニタリングして体重および臨床徴候を記録し、10%超の体重減少、呼吸困難および/または発育不全として疾患の進行をスコア化する。次いで、マウスを保護するための最小用量を決定するために、最も効果的な化合物の用量および経路を予防研究および処置研究の両方で精査する。4つの処置群(n=10;雄5匹、雌5匹)に元の用量を投与し、次いで、4倍の増分で3つの漸減用量を投与する点を除き、同じ実験計画を使用する。
臨床試験:ヒトの処置に対する本発明の架橋ポリペプチドの適合性を決定するために、臨床試験を実施することができる。例えば、SARS-CoV-2感染に曝露されたまたはSARS-CoV-2感染と診断された患者を選択し、処置群と1またはそれを超える対照群に分け、処置群には本発明の架橋ポリペプチドを投与し、対照群にはプラセボまたは既知の抗ウイルス薬を投与する。したがって、本発明の架橋ポリペプチドの処置安全性および有効性は、症状の予防、症状の消散までの時間、および/または全体的な感染重症度などの因子に関して患者群の比較を行うことによって評価することができる。別の例では、非感染患者を同定し、架橋ポリペプチドまたはプラセボのいずれかを与える。処置を受けた後、患者を追跡する。両方の例において、架橋ポリペプチドで処置されたSARS-CoV-2曝露患者群は感染の発症を回避するか、またはSARS-CoV-2感染を有する患者群は、プラセボで処置された患者対照群と比較して症状の消散または軽減を示す。
以下の実施例は、特許請求される発明をよりよく説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。特定の材料が言及されている限り、それは単に例示の目的のためであり、本発明を限定することを意図しない。当業者は、本発明の能力を発揮することなく、かつ本発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物を開発することができる。
実施例1:SARS-CoV-2 HR2ステープルペプチドの設計および合成
コロナウイルスの宿主細胞への融合を阻止し得るペプチドを設計するために、示差的に局在化した化学ステープルを有する一連のステープルペプチドを設計した。選択(i,i+4)または(i,i+7)位置で天然残基をα,α-二置換非天然オレフィン残基(「X」)およびそれらの組み合わせによって二重ステープルまたはステッチの形態で置き換え、続いてルテニウム触媒オレフィンメタセシスによって、示差的に局在化した化学ステープルを表面糖タンパク質[重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2]の配列(図1参照)のSARS-CoV-2 HR2ドメイン(すなわち、アミノ酸1169~1210または1179~1197)内に配置した(表1参照)。いくつかの設計は、らせんの非相互作用両親媒性面上またはらせんの疎水性相互作用面と両親媒性面との境界の位置にステープルを組み込む(図4および図5)。
i,i+4位(すなわち、隣接する3アミノ酸)で、2つの天然に存在するアミノ酸を非天然S-2-(4’-ペンテニル)アラニン(S5)アミノ酸で置き換えて1つのαらせんターンにわたるステープルを生成することによって、またはi,i+7位で、(R)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-2-メチル-デカ-9-エン酸(R8)およびS5を組み合わせてそれぞれ置き換えて2つのαらせんターンにわたるステープルを生成することによって、SAH-SARS-CoV-2構築物を設計した。α,α-二置換アミノ酸の不斉合成を、以前に詳細に記載されたように行った(Schafmeister et al.,J.Am.Chem.Soc.,2000;Walensky et al.,Science,2004;Bird et al.Current Protocols in Chemical Biology,2011(それぞれ参照によりその全体が組み込まれる))。
「ステープルスキャン」を実施して、最適化された構築物および陰性対照変異体の設計を決定する、相互作用に重要な残基および結合表面をそれぞれ同定した。実験用途に応じて、SAHのN末端をアセチルまたはフルオロフォア(例えば、FITC、ローダミン)でキャップした。
二重ステープルペプチドは、2つのS5-S5、2つの-R8-S5、または架橋非天然アミノ酸の他の組み合わせを組み込むことによって生成された。多重ステープルまたはステッチペプチドは、同様の原理を使用して生成される。
表1に示すSAH-SARS-CoV-2ペプチドの合成は、固相Fmoc化学およびルテニウム触媒オレフィンメタセシスを用いて行い、その後、ペプチドの脱保護および開裂、逆相高速液体クロマトグラフィ/質量分析(LC/MS)による精製、およびアミノ酸分析(AAA)による定量を行った(Bird et al.,Methods Enzymol.,2008)。
実施例2:SARS-CoV-2 HR2ステープルペプチドのアルファらせん安定化の評価
一般に、短いペプチドは、溶液中で有意なαらせん構造を示さない。これは、立体構造的に制限された構造を維持するエントロピーコストが、ペプチド骨格の水素結合からのエンタルピー利得によって克服されないためである。炭化水素ステープルペプチドの二次構造改善を実証するために、円二色性(CD)スペクトルを記録し、Model 410 Aviv Biomedical分光計で分析した。1mm経路長のセルを用いて、190~260nmを0.5nm刻みで5回スキャンし、0.5秒の平均化時間でまとめて平均化することにより、各スペクトルを得た。CD研究のための標的ペプチド濃度は、50mMリン酸カリウム(pH7.5)またはMilli-Q脱イオン水中25~50μMであり、正確な濃度は2つのCDサンプル希釈物の定量的AAAによって確認された。CDスペクトルを最初に波長対ミリ度としてプロットした。正確なペプチド濃度が確認された時点で、度・cm2・dmol-1・残基-1の単位での平均残基楕円率[θ]を、式:[θ]=ミリ度/モル濃度/アミノ酸残基数から算出した。平均残基楕円率への変換後、ヘリシティ(%)=100x[θ]222/最大[θ]222の等式(式中、最大[θ]222=-40,000x[1-(2.5/アミノ酸残基の数)])を使用してαヘリシティのパーセントを計算した。α-らせん構造を強化するステープル構築物を、プロテアーゼ耐性試験、結合分析、および抗ウイルス活性アッセイに進めた。図12Aおよび図12Bは、配列番号10、9、106および110に対応するステープルなしのHR2ペプチドは、円二色性分析によって溶液中でアルファらせん構造をほとんどまたは全く示さなかったが、そのような配列への二重ステープル(すなわち、配列番号49、配列番号51、158および配列番号177)およびステッチ(すなわち、配列番号47および48)の挿入は、[θ]222における吸収の漸進的増加によって証明されるように、アルファヘリシティを効果的に誘導したことを示す。α-らせん構造を強化したこのようなステープル構築物を、プロテアーゼ耐性試験、結合分析、および抗ウイルス活性アッセイに進めた。
実施例3:SARS-CoV-2 HR2ステープルペプチドのプロテアーゼ耐性の決定
線状ペプチドは、インビトロおよびインビボで急速なタンパク質分解を受けやすく、機構的分析および治療的使用のための天然ペプチドの適用を制限する。対照的に、構造化ペプチドヘリックスの水素結合ネットワークに関与するアミド結合は、炭化水素ステープル自体によって遮蔽された残基と同様に、不十分な酵素基質である(Bird et al,PNAS,2010)。炭化水素ステープルによってもたらされる相対的なプロテアーゼ耐性を評価するために、以下のパラメータを使用して、LC/MS(Agilent 1200)によってインビトロでのタンパク質分解を測定した:20μL注入、0.6mL流速、10分にわたる水(0.1%ギ酸)から20~80%アセトニトリル(0.075%ギ酸)への勾配からなる15分間のランタイム、開始勾配条件に戻すための4分間の洗浄、および0.5分間の後時間。DADシグナルを8nmの帯域幅で280nmに設定し、MSDを(M+2H)/2,+/-1質量単位の一方のチャネルおよび(M+3H)/3,+/-1質量単位の他方のチャネルでスキャンモードに設定した。各MSDシグナルの積分により、>10カウントの曲線下面積が得られた。反応サンプルは、DMSO中5μLのペプチド(1mMストック)および50mM Tris HCl(pH7.4)からなる195μLの緩衝液から構成された。0時間の時点のサンプルを注入してから、2μLの100ng/μLプロテイナーゼK(New England Biolabs)を添加し、経時的な連続注入によってインタクトなペプチドの量を定量した。100μMの濃度のアセチル化トリプトファンカルボキサミドの内部対照を使用して、各MSDデータポイントを正規化する。MSD面積対時間のプロットは指数関数的減衰曲線を与え、Prismソフトウェア(GraphPad)を使用して非線形回帰分析によって半減期を決定した。図13および図13Bは、コア鋳型配列(aa1169~1197)への二重ステープルまたはステッチの挿入が、配列、ステープルの種類、およびステープルの位置に応じて、ステープルなし配列と比較して顕著なプロテアーゼ安定性をどのように付与したかを示す。図13Aは、二重ステープルまたはステッチの両方(配列番号48および52)がプロテイナーゼK処理に対する顕著な耐性を付与したのに対して(半減期>1000分)、ステープルなしの配列(配列番号10)は急速に消化された(半減期35分)ことを示す。図13Bは、より長いステープルなしHR2配列(配列番号9)がプロテイナーゼKによって迅速に消化され(半減期25分)、二重ステープルO、S(配列番号158)の挿入はタンパク質分解耐性をわずかに増強するだけであった(半減期33分)のに対して、別のHR2型配列(配列番号111)への二重ステープルN、S(配列番号177)の挿入は、プロテイナーゼKに対する有意なタンパク質分解耐性を付与した(半減期840分)ことを示す。ステープルペプチドのプロテアーゼ耐性および安定性も、マウス血漿安定性アッセイの使用によって測定した。リチウムヘパリン管に収集した新たに採取したマウス血漿中で、ステープルペプチド安定性をで試験した。10μMの個々のペプチドを添加した500μlの血漿を用いて、三連のインキュベーションを設定した。サンプルを37℃のオービタルシェーカー中で穏やかに振盪し、25μlのアリコートを0、5、15、30、60、240、360および480分で取り出し、10%メタノール:10%水:80%アセトニトリルを含有する100μlの混合物に添加して、ペプチドのさらなる分解を停止させた。サンプルをアッセイの期間にわたって氷上に静置させ、次いで、MultiScreen Solvinert 0.45μm低結合親水性PTFEプレート(Millipore)に移した。濾液をLC-MS/MSによって直接分析した。ペプチドを、Sciex 5500質量分析計を使用して二重または三重荷電イオンとして検出した。残存ペプチドのパーセンテージを、クロマトグラフィのピーク面積の減少によって決定し、対数変換して半減期を計算した。図14Aおよび図14Bは、図14Aの配列番号51(ステープルN、T)および図14Bの配列番号52(ステープルO、T)を含む、コア鋳型配列(aa1169~1197)の2つの二重ステープルペプチドが、マウス血漿とのインキュベーションの際に経時的に分解を全く示さなかったことを示す。
実施例4:SAH-SARS-CoV-2ペプチドのSARS-CoV-2結合活性の調査
SARS-CoV-2融合性バンドルに対する直接結合親和性を測定するために、組換え5ヘリックスバンドルタンパク質および蛍光SARS-CoV-2 HR2ペプチド(励起波長488nmおよび発光波長522nmを有する)を使用して、表1に示す配列のN末端にFITC-bAlaを付加することによって直接蛍光偏光アッセイ(FPA)を実施した。より具体的には、SARS-CoV-2 5-ヘリックスバンドルの設計に従って、短いペプチドリンカーによって接続されたヘアピンのSARS-CoV-2三量体のコアを構成する6つのヘリックスのうちの5つを含む組換え5-ヘリックスバンドルタンパク質(配列番号263)を設計した。組換え5ヘリックスバンドルは、第3のHR 2ヘリックスを欠いているが、他の点では可溶性で安定でらせん状であるので、FITC-SARS-CoV-2 HR2(1179-1197)または-SARS-CoV-2 HR2(1169-1210)ペプチドおよびその誘導体の形態の第6のHR2ペプチドの組み込みは、安定な複合体をもたらし、これをFPAによってモニターして直接結合親和性を測定することができる。FPAアッセイを使用して、5ヘリックス融合バンドルに対する異なるSARS-CoV-2 HR2構築物の相対的結合活性を測定および比較した。FITC-SARS-CoV-2 HR2ペプチドを組換え5ヘリックスバンドルタンパク質の段階希釈物と混合して、結合等温線を生成した。蛍光偏光(mP単位)をSpectraMax蛍光光度計で測定し、Prismソフトウェア(Graphpad)を使用して競合曲線の非線形回帰分析によってEC50値を計算した。
図15Aおよび図15Bは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+4ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図15Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、i、i+4ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図15Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+4ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+4ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図16Aおよび図16Bは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化i、i+7ステープルスキャンライブラリを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図16Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、i、i+7ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図16Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光i、i+7ステープルスキャンライブラリの用量応答曲線を示し、特定のステープル位置に応じて、i、i+7ステープルペプチドは、ステープルなしのコア鋳型配列よりも良好に、類似して、またはより悪く結合することを強調している。図16Cは、好ましい(薄い灰色)、好ましくない(濃い灰色)、および中間(中程度の灰色)i、i+7ステープルに関与する残基を示すヘリカルホイールの略図を示す。2つのステープルに関与する残基は、その残基がステープルのN末端位置に組み込まれる場合にステープルの活性を表す左半円の着色と、その残基がステープルのC末端位置に組み込まれる場合にステープルの活性を表す右半円の着色とを有する二等分円として示されている。半円が白色に着色されている場合、示された残基位置は、ステープルのN末端位置またはC末端位置のいずれにも関与しない。疎水性表面に位置するステープル位置は5-HB結合活性を破壊し、予想外に、5-HB結合表面とは反対側の親水性表面に位置するステープル位置も好ましくなかった(Xでマークした)。対照的に、疎水性結合表面と親水性表面との間の境界における選択ステープル位置は好ましかった(星でマークした)。図17Aおよび図17Bは、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびコア鋳型配列(aa1179~1197、配列番号10)のN末端FITC誘導体化二重i、i+4ステープルペプチドを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。図17Aは、4μMの5-HBタンパク質濃度での蛍光偏光(ΔmP)の変化によって反映される、二重ステープル位置に基づくステープルペプチドの異なる結合活性を示す。図17Bは、5-HBタンパク質に対する蛍光二重ステープルペプチドについての用量応答曲線を示し、各例において、二重ステープルの挿入が、ステープルなしのコア鋳型配列と比較して結合活性の増強をもたらすことを強調している。図18は、より長いHR2(配列番号9)および代替のHR2型(配列番号110)配列のコンテキスト内で、組換えSARS-CoV-2 5-ヘリックス結合タンパク質およびN末端FITC誘導体化二重i、i+4ステープルペプチドを使用した直接蛍光偏光結合アッセイの結果を示す。プロットは、SARS-CoV-2の5-HBに対する二重ステープルペプチドの比較結合活性を実証している。いずれの場合も、二重ステープルの挿入により、用量応答性5-HB結合活性を有するステープルペプチドが得られる。
i、i+4およびi、i+7ステープルスキャンにわたるFPAデータの統合、ならびに異なる長さおよび配列のペプチド鋳型にわたる二重ステープル構築物の評価により、(1)顕著な結合活性を有する単一ステープルペプチドは、第2のステープルが単一のステープルペプチドとして有効性が低いかまたは無効であり得る場合であっても、二重ステープルペプチドのコンテキストにおいて標的親和性を維持できること(例えば、単一のi、i+4ステープルN、T、およびOペプチドと、i、i+4二重ステープルN、T、およびO、Tペプチドとを比較されたい)、(2)単一のステープルペプチドとしては各々有効性が低いかまたは無効であり得る2つのステープルを組み合わせて、二重ステープルペプチドのコンテキストにおいて改善された結合活性を有するペプチドを得ることができること(例えば、単一のi、i+4ステープルOおよびSペプチドと、i、i+4二重ステープルO、Sペプチドとを比較されたい);(3)1つのHR2鋳型配列のコンテキストにおいて好ましい結合活性をもたらす二重ステープルの組み合わせはまた、別個のHR2型鋳型配列のコンテキストにおいて好ましい結合活性をもたらすことができること(例えば、HR2およびEK1鋳型配列のコンテキストにおいて、O、T二重ステープルペプチドの類似した好ましい結合活性を比較されたい;図18)がさらに明らかになる。したがって、そのような結合データは反復ペプチド設計を導くことができるが、個別の構築物の合成および試験は、最終的にSARS-CoV-2 5-HBの決定的な直接バインダーを同定および検証するために必要とされる。
SARS-CoV-2 HR2ステープルペプチドの結合活性を測定するための代替アプローチは、ステープルペプチドの段階希釈物がSARS-CoV-2の組換え5ヘリックスバンドルへの結合について長いHR2ペプチドと競合する競合ELISAアッセイを行うことを含んでいた。特に、この結合アッセイは、ステープルペプチド構築物が別のHR2ペプチドと5-HBタンパク質標的との間の相互作用と競合し、それを破壊することができなければならないという点で、直接FPAとは異なる活性を測定する。ニュートラアビジン(4μg/ml)を含有する50μlのPBSでマイクロウェルを4℃で一晩コーティングした。ウェルを、0.05% Tween 20を含有するPBS(PBS-T)で2回洗浄し、PBS-T中の4% BSAで37℃で45分間ブロッキングした。次に、50μlの250nMビオチン化PEG2-SARS-CoV-2 HR2(配列番号9)を、1% BSAを含むPBS-T中に添加し、振とうしながら1時間インキュベートし、引き続いて300μlのPBS-Tで4回洗浄した。次に、1% BSAを含む50μLのPBS-T中の50nMの組換え5-HBを含む10μMから始まるSARS-CoV-2ペプチドの1:2段階希釈物をプレートに加え、室温で2時間振とうした後に、300μLのPBS-Tで4回洗浄した。最後に、6×Hisタグ-HRPコンジュゲート化ヤギポリクローナルの1:5000希釈物50μLを添加した。室温で40分間のインキュベーション後、ウェルを5回洗浄し、50μlのテトラメチルベンジジン(TMB)溶液を加えることによって発色させた。20分後、TMB溶液を含むウェルを、50μlのHSO(2M)を添加することによって停止させ、450nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)で読み取った。Prismソフトウェア(Graphpad)を使用して、得られた結合曲線の内挿によって、最大半量シグナル(IC50)に対応する競合ペプチドの濃度を決定した。各ペプチド競合剤を、少なくとも2つの別々の実験において三連で試験した。
図19A~図19Cは、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用を、N末端伸長(aa1169~1178)(配列番号103)を有するコア鋳型配列(配列番号10)のi、i+4ステープルスキャンライブラリの段階希釈物によって競合させた競合ELISA結合アッセイの結果を示す。図19Aは、完全な用量応答競合結合曲線を示し、図19Bおよび図19Cは、それぞれ3μMおよび10μMの投与での各構築物の比較競合結合活性を強調している。図20は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用を、固定用量(10μM)の配列番号10に対応するコア鋳型SARS-CoV-2 HR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチドによって競合させた競合ELISA結合アッセイの結果を示す。ステープルなしコア鋳型配列(配列番号10)は、5-HBへの結合についてより長いHR2鋳型配列(配列番号9)と競合することができないが、コア鋳型配列の選択二重ステープルペプチド(ステープル組み合わせO、SおよびK、T)およびステッチペプチド(ステープル組み合わせH、L)は、10μMの投与で結合相互作用を部分的に破壊することができた。図21は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用を、配列番号9に対応するより長いHR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチドでの用量応答性処置によって競合させた競合ELISA結合アッセイの結果を示す。5-HB/HR2相互作用を破壊する際の有効性は、より長いHR2ペプチド(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)内の二重ステープルおよびステッチのステープルのタイプおよびステープルの配置に依存した。図22は、SARS-CoV-2 5-HBタンパク質と配列番号9に対応するSARS-CoV-2ステープルなしHR2配列との間の相互作用を、配列番号110に対応する代替HR2配列の二重ステープルおよびステッチペプチドでの用量応答性処置によって競合させた競合ELISA結合アッセイの結果を示す。5-HB/HR2相互作用を破壊する際の有効性は、より長いHR2型ペプチド(配列番号110)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号258)の二重ステープルおよびステッチのステープルのタイプおよびステープルの配置に依存し、二重ステープルN、Sはこの群の最も強力な競合阻害剤を産生した。
N末端伸長(配列番号103)を有するコア鋳型HR2配列(配列番号10)、ならびにコア鋳型配列(配列番号10)、より長いHR2配列(配列番号9)、および代替HR-2型配列(配列番号110)内の様々な二重ステープルおよびステッチ構築物のi、i+4ステープルスキャンにわたる競合ELISAデータを統合すると、(1)ステープル・コア鋳型配列にN末端またはN末端およびC末端配列を付加することにより、ステープルペプチドの競合的結合活性を高めることができること(配列番号10、配列番号9、および配列番号110のコンテキストにおけるN、Sダブルステープルを比較されたい);(2)配列番号103のコンテキストにおいて、C末端ステープル位置は、一般に、N末端ステープル位置よりも好ましいこと(図19Bおよび図19C);ならびに(3)いくつかの二重ステープル位置は、直接結合アッセイおよび競合結合アッセイの両方にわたって、および代替HR2配列(配列番号9、配列番号110)のコンテキストにおいて、結合活性を示すことがさらに明らかになる(例えば、図18、図21、および図22のダブルステープルN、S、およびO、Sを参照されたい)。
実施例5:SARS-CoV-2-S HR2ステープルペプチドの抗ウイルス活性の評価
SARS-CoV-2 HR2ステープルペプチドが培養細胞のSARS-CoV-2感染を阻止する能力を試験するために、384ウエル形式でプレーティングしたVero E6細胞を、ステープルペプチドの段階希釈物(例えば、10μMの開始用量)により1時間処理し、3連で行い、その後、SARS-CoV-2による4時間のチャレンジを行い、10%~20%の細胞の対照感染を達成した(アッセイにおける試験化合物のダイナミックレンジを評価するための予め決定された最適な感染力)。次いで、感染細胞を洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、PBSで再洗浄し、抗SARS-CoV-2ヌクレオカプシドモノクローナル抗体、引き続いて抗マウスIg二次抗体(Alexa Fluor 488;Life Technologies)で免疫染色し、細胞体をHCS CellMaskブルーで対比染色した。細胞をNikon Ti Eclipse自動顕微鏡でz平面にわたって画像化し、CellProfilerソフトウェアによって分析し、感染した細胞を総細胞で割ることによって感染効率を計算した。対照細胞傷害性アッセイを、Cell-Titer Glo(Promega)アッセイおよびLDH放出(Roche)アッセイを使用して行なった。
図23は、配列番号10のコア鋳型配列の例示的な二重ステープルおよびステッチドペプチドおよび配列番号9に対応するより長いHR2配列の二重ステープルペプチドの抗ウイルス活性を示す。生きている野生型SARS-CoV-2ウイルスによるVero E6細胞の感染を阻止する能力について、ペプチドを25μMでスクリーニングし、感染細胞の割合をプロットした。各場合において、ステープルペプチドは、ビヒクルコントロールによる処置と比較して感染を阻害した。図24は、SARS-CoV-2感染に供したVero E6細胞におけるペプチドスクリーニングからのヒットを、次いで、アッセイにおいてSARS-CoV-2を阻止するためのIC50が6μM未満であるステープルO、Tを有する二重ステープルのコア鋳型配列(配列番号52)によって例示されるように、さらなる用量応答試験に供したことを示す。図25は、感染したVero E6細胞における抗体ベースのSARS-CoV-2検出プラットフォームによってハイスループットで評価される、コア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。図26は、より長いHR2ペプチド配列(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の外側の示された位置での二重i、i+7ステープルおよびステッチが、抗ウイルス活性を有する化合物をもたらさなかったことを示す。図27は、配列番号9に対応するより長いHR2ペプチド配列のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の例示的な二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。二重i、i+4ステープルO、Sを有する構築物が最も強力な抗ウイルス活性を有し、O、T;I、R;およびN、Sステープルを有する化合物がそれに続いたが、N、TおよびH、L構築物は、アッセイにおいて効果を示さなかった。図28は、配列番号110に対応するそのより長いHR2型ペプチド配列のコンテキストにおける代替コア鋳型配列の例示的な二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。二重i、i+4ステープルN、Sを有する構築物は最も強力な抗ウイルス活性を有し、N、Tステープルを含有するペプチドがそれに続いたが、この群の他の化合物は有意な効果を示さなかった。
代替の抗ウイルスアッセイ系では、野生型SARS-CoV-2ウイルスの代わりにSARS-CoV-2シュードウイルスを使用し、Vero E6細胞の代わりにACE2発現293T細胞を使用した。GFP(カタログ番号RVP-701G、ロット番号CG-113A)レポーターを有する293T-hsACE2安定細胞株(カタログ番号C-HA101)および偽型SARS-CoV-2(Wuhan-Hu-1株)粒子を使用した(Integral Molecular)。中和アッセイは、製造業者のプロトコルに従って行なった。簡単に記載すると、5μLの単回用量のペプチド(5μMの最終用量)を、5μLの偽型SARS-CoV-2-GFPと共に37℃で1時間、384ウェルの黒色透明底プレートにおいてインキュベートし、続いて、30μLの1,000個の293T-hsACE2細胞を添加し(10% FBS DMEM、フェノールレッド非含有培地中)、48時間または72時間、加湿インキュベーターに入れた。Hoechst 33342およびDRAQ7染料を添加し、プレートをMolecular Devices ImageXpress Micro Confocal Laser上で倍率10倍で画像化した。Prismソフトウェア(Graphpad)を使用して、GFP(+)細胞を計数し、プロットした。図29は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、抗ウイルス活性を示さないステープルなしのコア鋳型配列と比較した、コア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチドの抗ウイルス活性を示す。図30は、GFP発現シュードウイルスに感染したACE2発現293T細胞の蛍光に基づいてIXM顕微鏡法によって感染細胞の数をカウントするSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイによって評価される、そのより長いHR2配列(配列番号9)のコンテキストにおけるコア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。図31は、N末端ペプチド伸長(aa1168~1176)の有りまたは無しでの、GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドによるC末端誘導体化を有するコア鋳型配列(配列番号10)の二重ステープルペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。図32は、そのより長いHR2型配列(配列番号110)のコンテキストにおける代替コア鋳型配列の二重ステープルおよびステッチペプチドの異なる抗ウイルス活性を示す。
様々な長さおよび組成の鋳型配列にわたって様々な二重ステープルおよびステッチペプチドの抗ウイルスデータを統合することにより、(1)ステープルまたはステッチを組み込むことにより、ステープルなしの鋳型配列を、ほとんどまたは全く活性のないペプチドから活性抗ウイルス剤に変換することができる(例えば、図27、図28および図29を参照されたい);(2)ステープルを組み込む影響は、鋳型配列の長さおよび配列鋳型の代替組成に応じて抗ウイルス活性に異なる影響を及ぼし得ることがさらに明らかになった。例えば、N、S二重ステープルは、配列番号110のコンテキストにおいてより活性なペプチドを産出し、一方、O、S二重ステープルは、配列番号9のコンテキストにおいてより大きな利益を有しており(図27および28を参照のこと);(3)直接FPA、競合ELISA、Vero E6細胞における生SARS-CoV-2感染性アッセイ、およびACE2発現293T細胞におけるSARS-CoV-2シュードウイルスアッセイの間の区別を考慮すると、直接または競合的結合活性を有するステープル構築物は、例えば二重ステープルN、S;O、S;およびO、Tを有するHR2配列を含む1つまたは他のSARS-CoV-2感染性アッセイにおいて抗ウイルス活性を同様に示した。別の例として、N、TおよびN、Sの二重ステープルは、配列番号9と比較して配列番号110のコンテキストにおいて増強された5-HB競合結合活性を付与し、同様に、Vero E6細胞における野生型SARS-CoV-2感染性アッセイに対して増強された抗ウイルス活性を示した(図21対図22、ならびに図27および図28の二重ステープルN、TおよびN、S構築物を比較されたい);(4)コア鋳型配列の外側の二重ステープルまたはステッチは抗ウイルス効果を示さず、これはコア鋳型配列内のステープルの有益な効果とは対照的であった(図26を図27と比較されたい);(5)ステープルの種類、ステープルの位置、1またはそれを超えるステープルの存在、鋳型配列長、および鋳型配列組成は、SARS-CoV-2 HR2ドメインのステープルおよびステッチペプチドの機能的活性に影響を及ぼし得る。
実施例6:SAH-SARS-CoV-2ペプチドが原形質膜に会合し、感染中にSARS-CoV-2と共局在するかどうかの決定
FITC標識SAH-SARS-CoV-2ペプチドを培養細胞(例えば、Vero細胞、Huh770細胞、Calu-371細胞、293T細胞、初代鼻細胞、肺上皮細胞または肺胞細胞)と接触させて、それらが原形質膜に会合するか、および/またはピノソーム経路を介して取り込まれるかを決定し、これは、サイトトラッカーレッド(cytotracker red)で標識された原形質膜上および/または細胞内小胞におけるFITC-SAH-SARS-CoV-2の蓄積を測定することによって試験する。また、細胞接触および取り込みの間のFITC-SAH-SARS-CoV-2ペプチドとローダミン(R18)標識SARS-CoV-2との共局在化も調査し、感染過程の間にSAH-SARS-CoV-2ペプチドがSARS-CoV-2を標的とする能力を決定する。
実施例7:インビボでのCOVID-19感染のSAH-SARS-CoV-2阻害の調査
SAH-SARS-CoV-2ペプチドがSARS-CoV-2感染をインビボで阻害する能力を調べるために、麻酔したマウスにビヒクルまたはSAH-SARS-CoV-2ペプチド(例えば250μM、25μL)を鼻腔内投与し、これに続いて4~24時間後にSARS-CoV-2ウイルス(例えば、USA-WA1/2020;香港VM20001061)(10PFU)による経鼻感染を行う。感染の20時間後にマウスを屠殺し、鼻上皮を凍結切片化し、抗SARS-CoV-2ヌクレオカプシド抗体および蛍光抗マウスIg二次抗体で免疫染色し、DAPIで対比染色し、蛍光顕微鏡を用いて画像化する。
実施例8:SAH-SARS-CoV-2ペプチドがインビトロでCOVID-19感染を予防および処置の両方をするかどうかの評価
384ウェル形式でプレーティングしたVero E6細胞(60,000細胞/ウェル)を(a)SARS-CoV-2のみに曝露する;(b)SARS-CoV-2に4時間曝露した後にSAH-SARS-CoV-2で処置する;および(c)4時間のSAH-SARS-CoV-2の後にSARS-CoV-2感染させる。次いで、Vero細胞を、抗SARS-CoV-2免疫染色およびハイコンテント蛍光顕微鏡法によって感染の24時間後に画像化する。
実施例9:タンパク質捕捉および結合部位分析のための光反応性SAH-SARS-CoV-2ペプチド
SARS-CoV-2による細胞感染のコンテキストにおけるSAH-SARS-CoV-2標的を同定および確認するために、プロテオーム解析のために誘導体化されたステープルペプチドを使用する。最初に、(1)光反応性ベンゾフェノン官能基(Fmoc-Bpa)を含有する非天然アミノ酸がHR2ドメインの相互作用表面に隣接する別個の部位で置換されており、(2)堅牢なストレプトアビジンに基づく標的回収のためにペプチドのN末端がビオチンでキャップされている光反応性SAH-SARS-CoV-2構築物を合成する。次いで、SARS-CoV-2ウイルスに曝露した培養細胞に光反応性SAH-SARS-CoV-2(pSAH-SARS-CoV-2)を添加し、UV照射すると、pSAH-SARS-CoV-2は標的タンパク質(複数可)内にインターカレートする。感染した細胞を溶解し、ペレット化し、単離した上清をSAプルダウンに供して、pSAH架橋タンパク質を回収する。複合体を負荷緩衝液中で加熱することによって溶出させ、次いでトリプシン処理し、オンラインLTQ-Orbitrap質量分析計(Thermo Scientific)を用いて逆相ナノフローLC/MS/MSを使用するMSに基づく同定に供する。SEQUESTおよびMascotソフトウェアを使用してMSデータを処理し、タンパク質標的を分類する。
特定のヒットは、pSAH-SARS-CoV-2処置サンプルおよび照射サンプルに固有に見られるが、非照射対照またはpSAH-SARS-CoV-2変異体処置サンプルには見られないタンパク質として定義される。この方法論は、pSAH-SARS-CoV-2によって特異的に改変された標的タンパク質中のそれらのアミノ酸残基の同定を可能にし、したがって、SAH-SARS-CoV-2ペプチド相互作用の明白な部位(複数可)を明らかにする。
実施例10:COVID-19ワクチン接種のための構造化抗原
構造的に拘束された-SARS-CoV-2 HRペプチドをタンパク質担体(例えば、KLH)にコンジュゲートし、引き続いてウサギに免疫し、抗血清を収集し、およびELISAベースの免疫原性試験を行う。所与の構造的に拘束されたSARS-CoV-2 HR構築物について、非改変鋳型ペプチドおよび3つの代替的にコンジュゲートされたステープル類似体を中和免疫原性試験で比較する。一度予備採血した後(約5mLの血清)、免疫原あたり2羽のNZW雌ウサギ(6~8週齢)に、1日目に一次筋肉内(IM)注射をし(フロイント完全、CpG-ODN、またはRibiアジュバントと共に250μg)、続いて21、42、63、84、および105日目にIMブースト(対応するアジュバントとともに100μg)を行い、52、73、94、および112日目にプロダクションブリードを行った。特定の抗体産生力価をモニターおよび比較するために、各プロダクションブリードに対して直接ELISAアッセイを実施する。簡潔には、96ウェルマイクロタイタープレートを個々のSARS-CoV-2 HR免疫原(5μg/mL)で4℃にて一晩コーティングする。ウェルを、0.05% Tween 20を含有するPBSで2回洗浄し、3% BSAで37℃にて45分間ブロッキングする。次いで、ウサギ抗血清の段階希釈物をプレートに三連で添加し、37℃で2時間インキュベートする。3回洗浄した後、アルカリホスファターゼ標識ヤギ抗ウサギIgGの1:500希釈物(PBS/1% BSA中)を添加し、プレートを室温で40分間インキュベートする。ウェルを洗浄し、アルカリホスファターゼ基質に30分間曝露し、405nmでマイクロプレートリーダーによって分析する。
構造化SARS-CoV-2 HRペプチドの直接N末端コンジュゲーション(例えば、組み込まれたシステインのチオールを介して)、またはSAH-SARS-CoV-2ペプチドの非相互作用面へのコンジュゲーションのためのリジンの組込みに加えて、炭化水素ステープルのオレフィン誘導体化も行い、その結果、構築物の提案された「中和面」は外側に向けられ、タンパク質または脂質コンジュゲートに対して埋め込まれた非中和面が維持される(例えば、KLH14、ウシ血清アルブミン、コレラ毒素、ミセル)。触媒性四酸化オスミウムを使用して、最初にオレフィンをジヒドロキシル化し、続いて塩化チオニルまたはカルボニルジイミダゾールで環化する。次いで、求電子性環状亜硫酸塩または炭酸塩をアジ化ナトリウムと反応させ、これをホスフィンを用いてアミンに還元する。二官能性試薬3-チオプロピオン酸との反応はチオールを組込み、次いでこれを使用して担体を付着させる(例えば、マレイミド-KLH)。代替アプローチとして、ペプチドは、中和抗体認識を促進し得る脂質膜のコンテキストにおいて提示される。例えば、ペプチドを1,3-ジパルミトイル-グリセロ-2-ホスホエタノールアミンに示差的にコンジュゲートさせ、次いでこれをドデシルホスホコリン(DPC)と組み合わせて免疫原テザーミセルを生成させる。
DNAプライム-タンパク質ブースト免疫化戦略は、HIV-1中和抗体を得るために、タンパク質単独またはDNA単独ワクチン接種よりも有効であることが示されている。公開された免疫化プロトコルに従って、時限型タンパク質ブーストを構造化ペプチドブーストで置き換えるリード構造化COVID-19 HRコンジュゲートを用いて、SARS-CoV-2の類似のアプローチを試験する。
実施例11:ステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドが培養中の感染細胞のSARS-COV-2感染を阻害するかどうかの判定
この試験では、細胞(例えば、Vero細胞、Huh770細胞、Calu-371細胞、293T細胞、初代鼻細胞、肺上皮細胞または肺胞細胞)を24ウェルプレートに30,000細胞/ウェルでプレーティングする。翌日、細胞を、示されたステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドの段階希釈物(例えば、10μMの開始用量)または体積が等価のDMSOビヒクルで処理し、引き続いて0.1 MOIで2時間以内にSARS-CoV-2感染させる。感染培地を感染の2時間後に除去し、培地を上記のように示されたSAH-SARS-CoV-2ペプチドの段階希釈物を含む5% FBSを含有する培地で置き換える。次いで、細胞を37℃でインキュベートし、24時間後にウイルス感染性を決定するために収集する(例えば、上記のように抗体に基づく検出またはqPCR)。
実施例12:ステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドがSARS-CoV-2誘導性合胞体形成を阻害するかどうかの評価
この研究では、ウイルス合胞体の数を感染の48時間後に計数することを除いて、実施例11に記載されるように細胞(例えば、Vero細胞、Huh770細胞、Calu-371細胞、293T細胞、初代鼻細胞、肺上皮細胞または肺胞細胞)をプレーティングおよび処理する。合胞体は、3つの異なるウェルにおいて、ウェルあたり4つの別々の位置で計数される。
実施例13:ステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドが培養中のウイルス感染を予防するかどうかの調査
この試験では、細胞(例えば、Vero細胞、Huh770細胞、Calu-371細胞、293T細胞、初代鼻細胞、肺上皮細胞または肺胞細胞)をプレーティングし、示されたSAH-SARS-CoV-2ペプチドの段階希釈物(例えば、10μMの開始用量)または体積が等価のDMSOビヒクルで翌日処理し、続いて30分以内にSARS-CoV-2ウイルスに感染させる。感染の24時間後に上清を回収し、前日に24ウェルプレートに60,000細胞/ウェルでプレーティングした細胞に適用する。プラークアッセイを、収集された上清を使用して行い、感染の5日後に力価を決定する。
実施例14:ステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドが配列特異的様式で鼻腔内SARS-CoV-2感染を阻止するかどうかの判定。
K18-hACE2(Jackson Laboratory)マウスの4つの群(n=10/群)を麻酔し、ステープルSAH-SARS-CoV-2、ステープルSAH-SARS-CoV-2陰性対照ペプチド(例えば、1.2% DMSO中125μM)または体積が等価のビヒクルで鼻腔内処置する。処置の1時間後、マウスの3つの群に10pfu/マウスで単回用量のSARS-CoV-2を鼻腔内接種し、第4の群には偽接種を行う。感染の24時間後にマウスを屠殺し、鼻を採取し、切片にし、SARS-CoV-2について免疫染色し、DAPIで対比染色し、蛍光顕微鏡で画像化する。
実施例15:ステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドによる予防的鼻腔内処置がSARS-CoV-2肺感染を阻害するかどうかの評価
この研究では、K18-hACE2(Jackson Laboratory)マウスの4つの群(n=10/群)を麻酔し、ステープルSAH-SARS-CoV-2、またはステープルSAH-SARS-CoV-2陰性対照ペプチド(例えば、1.2% DMSO中125μM)または体積が等価のビヒクルで鼻腔内処置する。24時間後、マウスの3つの群に10pfu/マウスで単回用量のSARS-CoV-2を鼻腔内接種する。第4の群は、体積が等価のビヒクルで処置し、偽感染させる。剖検による評価のためにマウスを4日後(ウイルス血症のピーク)に安楽死させ、ウイルス量を、組織溶解装置(Qiagen)を使用して記載されるように調製される肺ホモジネートの上清サンプルからのqPCRによって定量した。Bao L et al.Nature.2020.Epub 2020/05/08;doi:10.1038/s41586-020-2312-yを参照のこと。1%パラホルムアルデヒド灌流後に各群のマウスのうち2匹から左肺葉を採取し、続いてOCTで凍結保存する。組織切片(5μm)を抗SARS-CoV-2ヌクレオカプシド抗体で一晩処理し、続いて蛍光抗Ig二次抗体で1時間処理する。切片を洗浄し、DAPI(青色)を含有する培地でマウントし、Olympus蛍光顕微鏡で観察し、ImageJによって分析する。確立されたSARS-CoV-2感染を処置または緩和するリード・ステープルペプチドの能力を評価するために、K18-hACE2マウス(n=10/アーム;雄5匹、雌5匹)に1日目に10PFUのウイルス投与量で鼻腔内接種し、続いて10日間(2日目~12日目)、ステープルペプチドまたはビヒクルで毎日、中咽頭、腹腔内、静脈内、または皮下に処置する。代替の設計では、症状または陽性試験に基づく治療開始をシミュレートするために、接種後3~5日まで投与を遅らせる。マウスを継続的にモニタリングして体重および臨床徴候を記録し、10%超の体重減少、呼吸困難および/または発育不全として疾患の進行をスコア化する。次いで、マウスを保護するための最小用量を決定するために、最も効果的な化合物の用量および経路を予防研究および処置研究の両方で精査する。4つの処置群(n=10;雄5匹、雌5匹)に元の用量を投与し、次いで、4倍の増分で3つの漸減用量を投与する点を除き、同じ実験計画を使用する。
実施例16:ナノ粒子調製物としてのステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドの投与が肺送達を増加させるかどうかの調査
この研究では、K18-hACE2(Jackson Laboratory)マウスの3つの群(n=10)を、単独(例えば100μM)で、またはナノキトサンポリマー(Zhang et al.,Nature Medicine,2005)で形成されたナノ粒子(NP)と組み合わせて(1:2.5、ペプチド:NP)、50μl容量で投与したCy5標識ステープルSAH-SARS-CoV-2で気管内処置した。対照群は、体積が等価のビヒクルを投与する。処置後24時間でマウスを屠殺し、1%パラホルムアルデヒド灌流後に肺を回収し、続いてOCTでの凍結保存、組織切片化、およびCy5標識ステープルペプチドの蛍光検出を行う。
実施例17:SARS-CoV-2接種48時間前のナノ粒子調製物としてのステープルSAH-SARS-CoV-2ペプチドの気管内投与が肺のウイルス感染を顕著に抑制するかどうかの評価
この研究では、K18-hACE2(Jackson Laboratory)マウスの4つの群(群あたりn=10)を麻酔し、ステープルナノ粒子(NP)を有する体積が等価のビヒクル;SAH-SARS-CoV-2ペプチド単独(例えば、1.2% DMSO中の250μMペプチド)、NPと組み合わせたSAH-SARS-CoV-2ペプチド(1:2.5、ペプチド:NP)、または体積が等価のビヒクル単独で気管内処置する。処置の48時間後、4群のマウスの鼻腔内に、単回用量のSARS-CoV-2を1x10pfu/マウスで接種する。第5の処置群(n=10)は、体積相当のビヒクルを気管内投与し、続いて48時間後に偽接種する。マウスを感染の4日後に屠殺し、実施例15で上記のように評価する。
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は例示を意図しており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (62)

  1. 配列番号10(IQKEIDRLNEVAKNLNESL)に記載の配列と少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または94%同一であるアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドであって、配列番号10の、以下(1位は配列番号10のN末端イソロイシンであり、19位は配列番号10のC末端ロイシンである):
    (i)7位および11位;
    (ii)10位および14位;
    (iii)12位および16位;
    (iv)14位および18位
    (v)2位および9位;
    (vi)4位および11位;
    (vii)9位および16位;
    (viii)2位および6位;
    (ix)8位および12位;
    (x)9位および13位;
    (xi)11位および15位;
    (xii)14位および18位;
    (xiii)15位および19位;
    (xiv)7位および14位;
    (xv)3位および10位;
    (xvi)6位および13位;
    (xvii)13位および17位;
    (xviii)3位および7位;
    (xix)3位、7位、13位、および17位;
    (xx)3位、7位、14位、および18位;
    (xxi)2位、6位、14位、および18位;
    (xxii)2位、6位、13位、および17位;
    (xxiii)3位、10位、および17位;
    (xiv)2位、9位、および13位;
    (xv)3位、10位、および14位;
    (xvi)6位、13位、および17位;または
    (xvii)7位、14位、および18位、
    から選択される位置のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられており;ならびに
    前記アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を含む場合、それらの置換(複数可)は、(A)または(B):
    (A)配列番号10の4位、8位、10位、13位、15位、17位および18位は、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていない場合、置換されていないか、または保存的アミノ酸置換で置換されており;
    1位、5位、7位および11位は、置換されている場合、保存的アミノ酸置換またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置換されており;ならびに
    配列番号10の残りの位置は、任意のアミノ酸、またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていてもよいか;または
    (B)配列番号10の1位、3位、5位、6位、8位、10位、12位、13位、15位、17位、および19位のうちの1またはそれより多くは、置換されていないか、または置換されている場合は保存的アミノ酸置換によって置き換えられており、ならびに
    配列番号10の2、4、7、9、11、14、16、および18位のうちの1またはそれより多くは、任意のアミノ酸またはオレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えることができるか、のいずれかに基づき;
    前記構造的に安定化されたペプチドが、15~100アミノ酸長であり、必要に応じて、19~45アミノ酸長であり;および
    前記構造的に安定化されたペプチドが、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)前記5ヘリックスバンドルと配列番号10との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたポリペプチド。
  2. 前記アミノ酸配列が、配列番号10に示される配列と少なくとも70%同一である、請求項1に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  3. 前記アミノ酸配列が、配列番号10に示される配列と少なくとも80%同一である、請求項1に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  4. 前記アミノ酸配列が配列番号50である、請求項1~3のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  5. 前記アミノ酸配列が配列番号52の配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  6. 前記アミノ酸配列が配列番号51の配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  7. 前記アミノ酸配列が、(i)配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、および44~49の配列のいずれか1つの配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも92%同一である配列;または(ii)配列番号133、40、136、42、30、113、34、36、134、39、135、42、137、50、52、51、31~33、37、41、および44~49の配列のいずれか1つの配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  8. 前記アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列ISGINASVVN(配列番号250)をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  9. 前記アミノ酸配列のN末端に付加されたアミノ酸配列DISGINASVVN(配列番号251)をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  10. 前記アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQEL(配列番号252)をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  11. 前記アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYI(配列番号253)をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  12. 前記アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGSGSGC(配列番号254)をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  13. 前記アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列IDLQELGKYEQYIGSGSGC(配列番号255)をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  14. ポリエチレングリコールをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  15. コレステロールをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  16. GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  17. 配列番号110(SLDQINVTFLDLEYEMKKLEEAIKKLEESYIDLKEL)に記載の配列と少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または94%同一であるアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドであって、配列番号110の、以下(1位はN末端セリンであり、36位はC末端ロイシンである):
    (i)13位、20位、および27位
    (ii)14位、21位、および28位;
    (iii)13位、17位、24位、および28位;
    (iv)14位、18位、24位、および28位;
    (v)13位、17位、25位、および29位;または
    (vi)14位、18位、25位、および29位、
    から選択される位置のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられており;
    前記アミノ酸配列がさらなる置換(複数可)を有する場合、それらは(A)
    (A)配列番号110の4位、8位、10位、13位、15位、17位および18位のうちの1またはそれより多くが、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸で置換されていない場合、置換されていないか、または保存的アミノ酸置換で置換されており;
    配列番号110の1位、5位、7位、および11位のうちの1またはそれより多くが置換されている場合、保存的アミノ酸置換によって置換されており;
    配列番号110の残りの位置のうちの1またはそれより多くは、任意のアミノ酸によって置換され得る、に基づき;
    および
    前記ペプチドは、15~100アミノ酸長であり;および
    前記構造的に安定化されたペプチドが、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)前記5ヘリックスバンドルと配列番号258との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたポリペプチド。
  18. 前記アミノ酸配列が、配列番号175~180に示される配列と少なくとも70%同一である、請求項17に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  19. 前記アミノ酸配列が、配列番号177または179に示される配列と少なくとも70%同一である、請求項17に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  20. 前記アミノ酸配列が、配列番号179に示される配列と同一である、請求項17に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  21. 前記アミノ酸配列が、配列番号177に示される配列と同一である、請求項17に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  22. 前記アミノ酸配列のC末端に付加されたアミノ酸配列GSGSGC(配列番号256)をさらに含む、請求項17~21のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  23. ポリエチレングリコールをさらに含む、請求項17~21に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  24. コレステロールをさらに含む、請求項17~21のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  25. GSGSGC(配列番号256)-(PEG4-chol)-カルボキサミドをさらに含む、請求項17~21のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたポリペプチド。
  26. 2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2個のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むペプチドであって、45アミノ酸長以下であり、組換え5ヘリックスバンドルCOVID-19 Sタンパク質に結合する、ペプチド。
  27. 2、3、または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2個のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むペプチドであって、最大45アミノ酸長であり、組換え5ヘリックスバンドルCOVID-19 Sタンパク質に結合する、ペプチド。
  28. 2、3または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2個のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたペプチドであって、45アミノ酸長以下であり、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2組換え5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)前記5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたペプチド。
  29. 前記アミノ酸配列が、配列番号11~29、153、154、156、158、160、または162のいずれか1つに記載の配列を含む、請求項28に記載の構造的に安定化されたペプチド。
  30. 請求項26に記載のペプチドであって、以下のアミノ酸配列:
    (a)
    Figure 2023517293000053
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号11);
    (b)
    Figure 2023517293000054
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号12);
    (c)
    Figure 2023517293000055
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号13);
    (d)
    Figure 2023517293000056
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号14);
    (e)
    Figure 2023517293000057
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号15);
    (f)
    Figure 2023517293000058
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号16);
    (h)
    Figure 2023517293000059
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号17);
    (i)
    Figure 2023517293000060
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号18);
    (j)
    Figure 2023517293000061
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号19);
    (k)
    Figure 2023517293000062
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号20);
    (l)
    Figure 2023517293000063
    [式中、8、X、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号21);
    (m)
    Figure 2023517293000064
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号22);
    (n)
    Figure 2023517293000065
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号23);
    (o)
    Figure 2023517293000066
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号24);
    (p)
    Figure 2023517293000067
    [式中、8、X、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号25);
    (q)
    Figure 2023517293000068
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号26);
    (r)
    Figure 2023517293000069
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステッチアミノ酸である](配列番号27);
    (s)
    Figure 2023517293000070
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号28);
    (t)
    Figure 2023517293000071
    [式中、8、X、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号29);
    (u)
    Figure 2023517293000072
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号153);
    (v)
    Figure 2023517293000073
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号154);
    (w)
    Figure 2023517293000074
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号156);
    (x)
    Figure 2023517293000075
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号158);
    (y)
    Figure 2023517293000076
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号160);または
    (z)
    Figure 2023517293000077
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号162)を含む、ペプチド。
  31. 請求項28に記載の構造的に安定化されたペプチドであって、以下のアミノ酸配列:
    (a)
    Figure 2023517293000078
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号11)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (b)
    Figure 2023517293000079
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号12)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (c)
    Figure 2023517293000080
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号13)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (d)
    Figure 2023517293000081
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号14)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (e)
    Figure 2023517293000082
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号15)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (f)
    Figure 2023517293000083
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号16)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (h)
    Figure 2023517293000084
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号17)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており、#および%の側鎖は互いに架橋されている];
    (i)
    Figure 2023517293000085
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号18)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (j)
    Figure 2023517293000086
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号19)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (k)
    Figure 2023517293000087
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号20)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (l)
    Figure 2023517293000088
    [式中、8、X、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号21)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8および#の側鎖は互いに架橋されている];
    (m)
    Figure 2023517293000089
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号22)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (n)
    Figure 2023517293000090
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号23)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (o)
    Figure 2023517293000091
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号24)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (p)
    Figure 2023517293000092
    [式中、8、X2,、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号25)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (q)
    Figure 2023517293000093
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号26)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (r)
    Figure 2023517293000094
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステッチアミノ酸(配列番号27)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (s)
    Figure 2023517293000095
    [式中、8、X、8、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号28)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8およびXの側鎖は互いに架橋されている];または
    (t)
    Figure 2023517293000096
    [式中、8、X2、、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号29)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されており、Xおよび8の側鎖は互いに架橋されており、8および#の側鎖は互いに架橋されている]、を含む、構造的に安定化されたペプチド。
  32. 2、3または6個のアミノ酸によって分離された少なくとも2個のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有するα,α-二置換非天然アミノ酸によって置き換えられた、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む構造的に安定化されたポリペプチドであって、最大45アミノ酸長であり、以下に列挙される特性:(i)組換えSARS-CoV-2 5ヘリックスバンドルSタンパク質に結合する;(ii)前記5ヘリックスバンドルとSARS-CoV-2 HR2ペプチド(配列番号9)との間の相互作用を阻害する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたポリペプチド。
  33. 前記アミノ酸配列が、配列番号30~52、112~117、130~137、157、159、または161のいずれか1つに記載の配列を有する、請求項32に記載の構造的に安定化されたペプチド。
  34. 請求項27に記載のペプチドであって、以下のアミノ酸配列:
    (a)
    Figure 2023517293000097
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号30);
    (b)
    Figure 2023517293000098
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号31);
    (c)
    Figure 2023517293000099
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号32);
    (d)
    Figure 2023517293000100
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号33);
    (e)
    Figure 2023517293000101
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号34);
    (f)
    Figure 2023517293000102
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号35);
    (h)
    Figure 2023517293000103
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号36);
    (i)
    Figure 2023517293000104
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号37);
    (j)
    Figure 2023517293000105
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号38);
    (k)
    Figure 2023517293000106
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号39);
    (l)
    Figure 2023517293000107
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号40);
    (m)
    Figure 2023517293000108
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号41);
    (n)
    Figure 2023517293000109
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号42);
    (o)
    Figure 2023517293000110
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号43);
    (p)
    Figure 2023517293000111
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号44);
    (q)
    Figure 2023517293000112
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号45);
    (r)
    Figure 2023517293000113
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号46);
    (s)
    Figure 2023517293000114
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号47);
    (t)
    Figure 2023517293000115
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸である](配列番号48);
    (q)
    Figure 2023517293000116
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号49);
    (r)
    Figure 2023517293000117
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号50);
    (s)
    Figure 2023517293000118
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号51);または
    (t)
    Figure 2023517293000119
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸である](配列番号52)を含む、ペプチド。
  35. 請求項32に記載の構造的に安定化されたペプチドであって、以下のアミノ酸配列:
    (a)
    Figure 2023517293000120
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号30)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (b)
    Figure 2023517293000121
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号31)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (c)
    Figure 2023517293000122
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号32)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (d)
    Figure 2023517293000123
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号33)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (e)
    Figure 2023517293000124
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号34)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (f)
    Figure 2023517293000125
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号35)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (h)
    Figure 2023517293000126
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号36)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (i)
    Figure 2023517293000127
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号37)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (j)
    Figure 2023517293000128
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号38)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (k)
    Figure 2023517293000129
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号39)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (l)
    Figure 2023517293000130
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号40)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (m)
    Figure 2023517293000131
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号41)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (n)
    Figure 2023517293000132
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号42)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (o)
    Figure 2023517293000133
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号43)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#および%の側鎖は互いに架橋されている];
    (p)
    Figure 2023517293000134
    [式中、8、#、および%は各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号44)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#および%の側鎖は互いに架橋されている];
    (q)
    Figure 2023517293000135
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号45)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (r)
    Figure 2023517293000136
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号46)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (s)
    Figure 2023517293000137
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号47)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (t)
    Figure 2023517293000138
    [式中、8、#、およびXは各々独立して、ステープル/ステッチアミノ酸(配列番号48)であり;8および#の側鎖は互いに架橋されており;#およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (q)
    Figure 2023517293000139
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号49)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (r)
    Figure 2023517293000140
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号50)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (s)
    Figure 2023517293000141
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号51)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (t)
    Figure 2023517293000142
    [式中、X、X、X、およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号52)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されており、XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (u)
    Figure 2023517293000143
    [式中、8およびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号113)であり;8およびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (v)
    Figure 2023517293000144
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号133)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (w)
    Figure 2023517293000145
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号134)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (x)
    Figure 2023517293000146
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号135)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];
    (y)
    Figure 2023517293000147
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号136)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている];または
    (z)
    Figure 2023517293000148
    [式中、XおよびXは各々独立して、ステープルアミノ酸(配列番号137)であり;XおよびXの側鎖は互いに架橋されている]、を含む、構造的に安定化されたペプチド。
  36. 15~100アミノ酸長であり、必要に応じて19~45アミノ酸長である、請求項27または32~35のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチド。
  37. 以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
    Figure 2023517293000149
    またはその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
    各RおよびRは、HまたはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
    各Rは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されておらず;
    zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;および
    (a)各[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、各[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、および各[Xaa]はKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号55)である;
    (b)各[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、各[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、および各[Xaa]はEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号58)である;
    (c)各[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、各[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、および各[Xaa]はIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号61)である;
    (d)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNL(配列番号62)であり、各[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、および各[Xaa]はELGKYEQYI(配列番号64)である;
    (e)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLN(配列番号65)であり、各[Xaa]はSLIDLQ(配列番号66)であり、および各[Xaa]はLGKYEQYI(配列番号67)である;
    (f)各[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDL(配列番号68)であり、各[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり、および各[Xaa]はYIである;
    (g)各[Xaa]はIであり、各[Xaa]はKEIDRL(配列番号70)であり、および各[Xaa]はEVAKNLNESL(配列番号71)である;
    (h)各[Xaa]はIQであり、各[Xaa]はEIDRLN(配列番号72)であり、および各[Xaa]はVAKNLNESL(配列番号73)である;
    (i)各[Xaa]はIQKEI(配列番号74)であり、各[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、および各[Xaa]はNLNESL(配列番号76)である;
    (j)各[Xaa]はIQKEID(配列番号77)であり、各[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり、および各[Xaa]はLNESL(配列番号79)である;
    (k)各[Xaa]はIQKEIDRL(配列番号80)であり、各[Xaa]はEVAKNL(配列番号81)であり、および各[Xaa]はESLである;
    (l)各[Xaa]はIQKEIDRLN(配列番号82)であり、各[Xaa]はVAKNLN(配列番号83)であり、および各[Xaa]はSLである;
    (m)各[Xaa]はIであり、各[Xaa]はKEIであり、および各[Xaa]はRLNEVAKNLNESL(配列番号84)である;
    (n)各[Xaa]はIQであり、各[Xaa]はEIDであり、および各[Xaa]はLNEVAKNLNESL(配列番号85)である;
    (o)各[Xaa]はIQKEI(配列番号74)であり、各[Xaa]はRLNであり、および各[Xaa]はVAKNLNESL(配列番号73)である;
    (p)各[Xaa]はIQKEIDRL(配列番号80)であり、各[Xaa]はEVAであり、および各[Xaa]はNLNESL(配列番号76)である;
    (q)各[Xaa]はIQKEIDRLN(配列番号82)であり、各[Xaa]はVAKであり、および各[Xaa]はLNESL(配列番号79)である;
    (r)各[Xaa]はIQKEIDRLNEVA(配列番号86)であり、各[Xaa]はNLNであり、および各[Xaa]はSLである;
    (s)各[Xaa]はIQKEIDRLNEVAK(配列番号87)であり、各[Xaa]はLNEであり、および各[Xaa]はLである;
    (t)各[Xaa]は欠落しており、各[Xaa]はQKEIDR(配列番号228)であり、および各[Xaa]はNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
    (u)各[Xaa]はIQKであり、各[Xaa]はIDRLNE(配列番号230)であり、および各[Xaa]はAKNLNESL(配列番号231)である;
    (v)各[Xaa]はIQKE(配列番号232)であり、各[Xaa]はDRLNEV(配列番号181)であり、および各[Xaa]はKNLNESL(配列番号182)である;
    (w)各[Xaa]はIQKEIDR(配列番号183)であり、各[Xaa]はNEVAKN(配列番号184)であり、および各[Xaa]はNESL(配列番号185)である;
    (x)各[Xaa]はIQKEIDRLNE(配列番号186)であり、各[Xaa]はAKNLNE(配列番号187)であり、および各[Xaa]はLである;
    (y)各[Xaa]はIQKEIDRLNEV(配列番号188)であり、各[Xaa]はKNLNES(配列番号189)であり、および各[Xaa]は欠落している;
    (z)各[Xaa]はQKEであり、各[Xaa]はDRLNEVAKNLNESL(配列番号190)であり、および各[Xaa]は欠落している;
    (aa)各[Xaa]はIQKであり、各[Xaa]はIDRであり、および各[Xaa]はNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
    (bb)各[Xaa]はIQKであり、各[Xaa]はIDRであり、および各[Xaa]はNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
    (cc)各[Xaa]はIQKE(配列番号232)であり、各[Xaa]xはDRLであり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
    (dd)各[Xaa]はIQKEID(配列番号77)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
    (ee)各[Xaa]はIQKEIDR(配列番号183)であり、各[Xaa]xはNEVであり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
    (ff)各[Xaa]wはIQKEIDRLNE(配列番号186)であり、各[Xaa]xはAKNであり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
    (gg)各[Xaa]wはIQKEIDRLNEV(配列番号188)であり、各[Xaa]xはKNLであり、および各[Xaa]yはESLである;
    (hh)各[Xaa]wはIQKEIDRLNEVAKN(配列番号191)であり、各[Xaa]xはNESであり、および各[Xaa]yは欠落している;
    (ii)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号192)であり、各[Xaa]xはQKEIDR(配列番号228)であり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
    (jj)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号193)であり、各[Xaa]xはKEIDRL(配列番号70)であり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
    (kk)各[Xaa]wはISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、各[Xaa]xはEIDRLN(配列番号72)であり、および各[Xaa]yはVAKNLNESL(配列番号73)である;
    (ll)各[Xaa]wはISGINASVVNIQK(配列番号195)であり、各[Xaa]xはIDRLNE(配列番号230)であり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
    (mm)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKE(配列番号196)であり、各[Xaa]xはDRLNEV(配列番号181)であり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
    (nn)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEI(配列番号197)であり、各[Xaa]xはRLNEVA(配列番号75)であり、および各[Xaa]yはNLNESL(配列番号76)である;
    (oo)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEID(配列番号198)であり、各[Xaa]xはLNEVAK(配列番号78)であり、および各[Xaa]yはLNESL(配列番号79)である;
    (pp)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDR(配列番号199)であり、各[Xaa]xはNEVAKN(配列番号184)であり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
    (qq)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRL(配列番号200)であり、各[Xaa]xはEVAKNL(配列番号81)であり、および各[Xaa]yはESLである;
    (rr)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLN(配列番号201)であり、各[Xaa]xはVAKNLN(配列番号83)であり、および各[Xaa]yはSLである;
    (ss)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNE(配列番号202)であり、各[Xaa]xはAKNLNE(配列番号187)であり、および各[Xaa]yはLである;
    (tt)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEV(配列番号203)であり、各[Xaa]xはKNLNES(配列番号189)であり、および各[Xaa]yは欠落している;
    (uu)各[Xaa]wはISGINASVVN(配列番号192)であり、各[Xaa]xはQKEであり、および各[Xaa]yはDRLNEVAKNLNESL(配列番号190)である;
    (vv)各[Xaa]wはISGINASVVNI(配列番号193)であり、各[Xaa]xはKEIであり、および各[Xaa]yはRLNEVAKNLNESL(配列番号84)である;
    (ww)各[Xaa]wはISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、各[Xaa]xはEIDであり、および各[Xaa]yはLNEVAKNLNESL(配列番号85)である;
    (xx)各[Xaa]wはISGINASVVNIQK(配列番号195)であり、各[Xaa]xはIDRであり、および各[Xaa]yはNEVAKNLNESL(配列番号229)である;
    (yy)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKE(配列番号196)であり、各[Xaa]xはDRLであり、および各[Xaa]yはEVAKNLNESL(配列番号71)である;
    (zz)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEI(配列番号197)であり、各[Xaa]xはRLNであり、および各[Xaa]yはVAKNLNESL(配列番号73)である;
    (aaa)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEID(配列番号198)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはAKNLNESL(配列番号231)である;
    (bbb)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDR(配列番号199)であり、各[Xaa]xはNEVであり、および各[Xaa]yはKNLNESL(配列番号182)である;
    (ccc)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRL(配列番号200)であり、各[Xaa]xはEVAであり、および各[Xaa]yはNLNESL(配列番号76)である;
    (ddd)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLN(配列番号201)であり、各[Xaa]xはVAKであり、および各[Xaa]yはLNESL(配列番号79)である;
    (eee)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNE(配列番号202)であり、各[Xaa]xはAKNであり、および各[Xaa]yはNESL(配列番号185)である;
    (fff)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEV(配列番号203)であり、各[Xaa]xはKNLであり、および各[Xaa]yはESLである;
    (ggg)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVA(配列番号204)であり、各[Xaa]xはNLNであり、および各[Xaa]yはSLである;
    (hhh)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVAK(配列番号205)であり、各[Xaa]xはLNEであり、および各[Xaa]yはLである;または
    (iii)各[Xaa]wはISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKN(配列番号206)であり、各[Xaa]xはNESであり、および各[Xaa]yは欠落しており;ならびに
    前記構造的に安定化されたペプチドが、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記組換え5ヘリックスバンドルと配列番号9との間の相互作用を破壊する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  38. がアルキルである、請求項37に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  39. がメチル基である、請求項37に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  40. がアルキルである、請求項37に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  41. がメチル基である、請求項37に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  42. がアルケニルである、請求項37に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  43. 以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
    Figure 2023517293000150
    またはその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
    (a)[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、[Xaa]はKEIDRLNEVAKNL(配列番号88)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、および[Xaa]はELGKYEQYI(配列番号64)である;
    (b)[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、[Xaa]はKEIDRLNEVAKNLN(配列番号89)であり、[Xaa]はSLIDLQ(配列番号66)であり、および[Xaa]はLGKYEQYI(配列番号67)である;
    (c)[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、[Xaa]はKEIDRLNEVAKNLNESLIDL(配列番号90)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり、および[Xaa]はYIである;
    (d)[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、[Xaa]はEIDRLNEVAKNL(配列番号91)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、および[Xaa]はELGKYEQYI(配列番号64)である;
    (e)[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、[Xaa]はEIDRLNEVAKNLN(配列番号92)であり、[Xaa]はSLIDLQ(配列番号66)であり、および[Xaa]はLGKYEQYI(配列番号67)である;
    (f)[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、[Xaa]はEIDRLNEVAKNLNESLIDL(配列番号93)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり、および[Xaa]はYIである;
    (g)[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、[Xaa]はIDRLNEVAKNL(配列番号94)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、および[Xaa]はELGKYEQYI(配列番号64)である;
    (h)[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、[Xaa]はIDRLNEVAKNLN(配列番号95)であり、[Xaa]はSLIDLQ(配列番号66)であり、および[Xaa]はLGKYEQYI(配列番号67)である;
    (i)[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、[Xaa]はIDRLNEVAKNLNESLIDL(配列番号96)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり、および[Xaa]はYIである;
    (j)[Xaa]はIであり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号97)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (k)[Xaa]はIQであり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (l)[Xaa]はIであり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (m)[Xaa]はIQであり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVAK(配列番号100)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (n)[Xaa]はIであり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (o)[Xaa]はIQであり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (p)[Xaa]はIであり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (q)[Xaa]はIQであり、[Xaa]uはEIDであり、[Xaa]vはLNEVAK(配列番号78)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (r)[Xaa]はIであり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQEL(配列番号207)である;
    (s)[Xaa]はQであり、[Xaa]uはEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQEL(配列番号207)である;
    (t)[Xaa]はIであり、[Xaa]uはKEIであり、[Xaa]vはRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]xはLNEであり、および[Xaa]はLIDLQEL(配列番号208)である;
    (u)[Xaa]はIQであり、[Xaa]uはEIDであり、[Xaa]vはLNEVAK(配列番号78)であり、[Xaa]xはLNEであり、および[Xaa]はLIDLQEL(配列番号208)である;
    (v)[Xaa]はDISGINASVVNI(配列番号209)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (w)[Xaa]はDISGINASVVNIQ(配列番号210)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLである;
    (x)[Xaa]はDISGINASVVNI(配列番号209)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (y)[Xaa]はDISGINASVVNIQ(配列番号210)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLである;
    (z)[Xaa]はDISGINASVVNI(配列番号209)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQEL(配列番号207)である;
    (aa)[Xaa]はDISGINASVVNIQ(配列番号210)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQEL(配列番号207)である;
    (bb)[Xaa]はDISGINASVVNI(配列番号209)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLIDLQEL(配列番号208)である;
    (cc)[Xaa]はDISGINASVVNIQ(配列番号210)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLIDLQEL(配列番号208)である
    (dd)[Xaa]はISGINASVVNI(配列番号193)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQELGKYEQYI(配列番号211)である;
    (ee)[Xaa]はISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVA(配列番号98)であり、[Xaa]はNLNであり、および[Xaa]はSLIDLQELGKYEQYI(配列番号211)である;
    (ff)[Xaa]はISGINASVVNI(配列番号193)であり、[Xaa]はKEIであり、[Xaa]はRLNEVAK(配列番号99)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLIDLQELGKYEQYI(配列番号212)である;
    (gg)[Xaa]はISGINASVVNIQ(配列番号194)であり、[Xaa]はEIDであり、[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり、[Xaa]はLNEであり、および[Xaa]はLIDLQELGKYEQYI(配列番号212)である
    (hh)[Xaa]はSLDQINVTFLDL(配列番号213)であり、[Xaa]はYEBであり、[Xaa]はKLEEAI(配列番号214)であり、[Xaa]はKLEであり、および[Xaa]はSYIDLKE(配列番号215)である;
    (ii)[Xaa]はSLDQINVTFLDLE(配列番号216)であり、[Xaa]はEBKであり、[Xaa]はLEEAI(配列番号217)であり、[Xaa]はKLEであり、および[Xaa]はSYIDLKE(配列番号215)である;
    (jj)[Xaa]はSLDQINVTFLDL(配列番号213)であり、[Xaa]はYEBであり、[Xaa]はKLEEAIK(配列番号218)であり、[Xaa]はLEEであり、および[Xaa]はYIDLKE(配列番号219)である;
    (kk)[Xaa]はSLDQINVTFLDLE(配列番号216)であり、[Xaa]はEBKであり、[Xaa]はLEEAIK(配列番号220)であり、[Xaa]はLEEであり、および[Xaa]はYIDLKE(配列番号219)であり、
    式中、R、R、R、およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
    式中、RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されておらず;ならびに
    前記構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記組換え5ヘリックスバンドルと配列番号9または10との間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  44. 以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
    Figure 2023517293000151
    またはその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
    (a)[Xaa]はISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNL(配列番号62)であり;[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり;[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり;および[Xaa]はYIである;
    (b)[Xaa]はIであり;[Xaa]はKEIDRL(配列番号70)であり;[Xaa]はEVAKNL(配列番号81)であり;および[Xaa]zはESLである;
    (c)[Xaa]はIQであり;[Xaa]はEIDRLN(配列番号72)であり;[Xaa]はVAKNLN(配列番号83)であり;および[Xaa]はSLである;
    (d)[Xaa]はIであり;[Xaa]はKEIDRL(配列番号70)であり;[Xaa]はEVAであり;および[Xaa]はNLNESL(配列番号76)である;
    (e)[Xaa]はIQであり;[Xaa]はEIDRLN(配列番号72)であり;[Xaa]はVAKであり;および[Xaa]はLNESL(配列番号79)である;
    (f)[Xaa]はIQKEI(配列番号74)であり;[Xaa]はRLNEVA(配列番号75)であり;[Xaa]はNLNであり;および[Xaa]はSLである;
    (g)[Xaa]はIQKEID(配列番号77)であり;[Xaa]はLNEVAK(配列番号78)であり;[Xaa]はLNEであり;および[Xaa]はLである;
    (h)[Xaa]はISGINASVVNI(配列番号193)であり;[Xaa]はKEIDRL(配列番号70)であり;[Xaa]はEVAKNL(配列番号81)であり;および[Xaa]はESLIDLQELGKYEQYI(配列番号221)である;
    (i)[Xaa]はISGINASVVNIQ(配列番号194)であり;[Xaa]はEIDRLN(配列番号72)であり;[Xaa]はVAKであり;および[Xaa]zはLNESLIDLQELGKYEQYI(配列番号222)である;
    (j)[Xaa]はSLDQINVTFLDL(配列番号213)であり;[Xaa]はYEBKKL(配列番号223)であり;[Xaa]はEAIKKL(配列番号224)であり;および[Xaa]はESYIDLKE(配列番号225)である;または
    (k)[Xaa]はSLDQINVTFLDLE(配列番号216)であり;[Xaa]はEBKKLE(配列番号226)であり;[Xaa]はAIKKLE(配列番号227)であり;および[Xaa]はSYIDLKE(配列番号215)であり;
    式中、RおよびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
    式中、RおよびRは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されておらず;ならびに
    前記構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;(ii)アルファらせんである;(iii)プロテアーゼ耐性である;(iv)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(v)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたポリペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  45. 以下の式を含む構造的に安定化されたペプチド:
    Figure 2023517293000152
    またはその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
    (a)[Xaa]はISGI(配列番号53)であり、[Xaa]はASVVNI(配列番号54)であり、[Xaa]はKEIDRLNEVAKNL(配列番号88)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり;および[Xaa]はYIである;
    (b)[Xaa]はISGIN(配列番号56)であり、[Xaa]はSVVNIQ(配列番号57)であり、[Xaa]はEIDRLNEVAKNL(配列番号91)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり;および[Xaa]はYIである;または
    (c)[Xaa]はISGINA(配列番号59)であり、[Xaa]はVVNIQK(配列番号60)であり、[Xaa]はIDRLNEVAKNL(配列番号94)であり、[Xaa]はESLIDL(配列番号63)であり、[Xaa]はELGKYE(配列番号69)であり;および[Xaa]はYIであり;ならびに
    式中、R、R、R、およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリルアルキルであり、これらのいずれも置換されているかまたは置換されておらず;
    式中、R、R、およびRは、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンであり、これらのいずれも、置換されているかまたは置換されておらず;および
    前記構造的に安定化されたペプチドは、以下に列挙される特性:(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質の組換え5ヘリックスバンドルに結合する;((ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記組換え5ヘリックスバンドルと配列番号9または10のペプチドとの間の相互作用を破壊する;(iii)アルファらせんである;(iv)プロテアーゼ耐性である;(v)SARS-CoV-2と宿主細胞との融合を阻害する;および/または(vi)SARS-CoV-2による細胞の感染を阻害する、のうちの1またはそれより多くを有する、構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  46. がアルキルである、請求項37~45のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  47. がメチル基である、請求項37~45のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  48. がアルキルである、請求項37~47のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  49. がメチル基である、請求項37~47のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  50. がアルケニルである、請求項37~49のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  51. がアルケニルである、請求項37~50のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  52. 最大100アミノ酸長であり、必要に応じて最大45アミノ酸長である、請求項37~51のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
  53. 請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチド、前記ペプチド、またはその薬学的に許容され得る塩、および薬学的に許容され得る担体を含む、医薬化合物。
  54. コロナウイルス感染の処置を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を処置する方法であって、治療有効量の請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチド、前記ペプチド、またはその薬学的に許容され得る塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、方法。
  55. コロナウイルス感染の予防を必要とするヒト対象においてコロナウイルス感染を予防する方法であって、治療有効量の請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチド、前記ペプチド、またはその薬学的に許容され得る塩を、前記ヒト対象に投与することを含む、方法。
  56. 前記コロナウイルス感染がベータコロナウイルスによるものである、請求項54または55に記載の方法。
  57. 前記コロナウイルス感染が、SARS-CoV-2による感染によって引き起こされる、請求項54~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 構造的に安定化されたペプチドを作製する方法であって、(a)配列番号11~52、112~180、または258のいずれか1つに記載の配列を有するペプチドを提供すること、および(b)前記ペプチドを架橋することを含む、方法。
  59. 前記ペプチドを架橋することが、ルテニウム触媒メタセシス反応によるものである、請求項58に記載の方法。
  60. 請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドを含むナノ粒子組成物であって、必要に応じて、前記ナノ粒子がPLGAナノ粒子であり、さらに必要に応じて、前記PLGAナノ粒子の乳酸:グリコール酸比が2:98~100:0の範囲内である、ナノ粒子組成物。
  61. 請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドであって、式中、
    8、8および8=(R)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(R)-α-(4’-ペンテニル)アラニンであり;
    X、X、X、X、およびX=(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンであり;
    #=α,α-ビス(4’-ペンテニル)グリシンまたはα,α-ビス(7’-オクテニル)グリシンであり;および
    %=(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンまたは(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンである、構造的に安定化されたペプチド。
  62. 請求項1~52のいずれか1項に記載の構造的に安定化されたペプチドであって、式中、
    8、8、および8=(R)-α-(7’-オクテニル)アラニンであり;
    X、X、X、X、およびX=(S)-α-(4’-ペンテニル)アラニンであり;
    #=α,α-Bisビス(4’-ペンテニル)グリシンであり;および
    %=(S)-α-(7’-オクテニル)アラニンである、構造的に安定化されたペプチド。
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