JP2023516388A - 抗ccr8剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、CCR8を標的化することによる、がんを診断及び/または治療するための方法及び組成物を提供する。特に、本発明は、Treg細胞、及び具体的には、腫瘍浸潤Treg細胞を枯渇させるための技術を提供する。【選択図】なし

Description

免疫系が腫瘍を標的化し、破壊する能力を促進するための識別及び/または開発に、著しい労力が投入されている。残念ながらこれまで、成功したとは言いがたいものとなっている。実際、例えば、阻害性分子の抗体遮断、養子T細胞移植、ワクチン接種、及び他の方法による、がん患者における免疫系の治療的制御が、ある程度の臨床効果を示してきたものの、患者の応答は、良かったとしてもばらつきがあるものとなっている。
本発明は、改善されたがん治療の必要性を認識している。本開示は、腫瘍浸潤制御性T細胞(Treg)の枯渇により、腫瘍に対する免疫応答が改善されることを認識している。本開示は、他の免疫細胞を偶然に標的化してしまうことで、腫瘍に対する免疫応答が促進されるのではなく、阻害され得ることを認識している。
とりわけ、本開示は、腫瘍浸潤Tregを特異的に枯渇させるための剤を提供する。例えば、本開示は、特定の抗CCR8剤(例えば、抗CCR8抗体剤)、加えて、そのような薬剤及び/またはそのような薬剤を含む及び/または送達する組成物を、作製する、及び/または使用するための技術、ならびに、例えば、本明細書で具体的に例示される薬剤を参照することを含む、有用な抗CCR8剤を特性決定するための技術を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍浸潤Tregを枯渇させるための技術を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、抗CCR8剤である、それを含む、及び/または送達する組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、腫瘍浸潤Treg細胞が対象内で枯渇するように、腫瘍を有する対象内でCCR8を標的化することによる、がんの治療方法を提供する。いくつかのそのような実施形態では、CCR8を標的化することは、本明細書に記載する抗CCR8剤を含む、及び/または送達する組成物を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、そのような組成物を投与することで、腫瘍浸潤Treg細胞の枯渇が実現される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供する抗CCR8剤は、CCR8に特異的に結合する。いくつかのそのような実施形態では、そのような抗CCR8剤は、腫瘍浸潤Treg細胞内で、または上で、CCR8に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、(例えば、腫瘍浸潤Treg細胞内で、もしくは上で)CCR8に結合する、及び/または(例えば、そのような腫瘍浸潤Treg細胞内で、もしくは上で)CCR8への代替の結合パートナーの結合を遮断するのに有用である。
いくつかの特定の実施形態では、提供される抗CCR8剤は、抗体剤であるか、抗体剤を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する抗CCR8療法は、特定の患者集団に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、対象は、Tregにより浸潤されている、及び/またはTregによる浸潤のリスクにあることが判断されている、または疑われている、1つ以上の腫瘍を患っている、またはこの進行が疑われている。
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載する抗CCR8療法以外の療法をこれまでに受けている可能性及び/または現在受けている可能性がある。いくつかのそのような実施形態では、そのような他の療法は、他の免疫系促進療法(例えば、腫瘍標的免疫応答を活性化する、及び/または支持する療法)であり得るか、またはこれを含み得る。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、そのような他の療法は、化学療法(例えば、腫瘍細胞を優先的に殺傷するように設計された)、及び/またはがん、もしくは、対象が受けた療法の1つ以上の症状もしくは特徴を軽減する、もしくは回避する、疼痛療法もしくは他の療法であり得るか、またはこれを含み得る。
いくつかの実施形態では、対象は、充実性腫瘍(複数可)を特徴とするがんを患っている可能性または当該がんに罹りやすい可能性がある。
いくつかの実施形態では、提供される抗CCR8剤を使用して、試料(例えば、生物学的、及び/または環境的試料)に存在するCCR8を検出及び/または定量することができる。
ヒトCCR8に対する、発見された抗体の結合を示す。ADI-26140:ヒトIgG1アイソタイプ対照;CTL-33364:Biolegend CCR8対照IgG(L263G8)。 ヒトCCR8に対する、発見された抗体の結合を示す。ADI-26140:ヒトIgG1アイソタイプ対照;CTL-33364:Biolegend CCR8対照IgG(L263G8)。
発見された抗体のADCC活性を示す。Aは、発見された抗体が高親和性FcγFIIIaと相互作用するときの、ADCC活性の誘発を示す。Bは、発見された抗体が高親和性FcγFIIIaと相互作用するときの、ADCC活性の誘発を示す。
発見された抗体が、腫瘍浸潤制御性T細胞に結合する能力を示す。FACSヒストグラムは、ヒトIgG1陰性対照(26140);市販されている抗CCR8抗体(Biolgend;L263G8);及び発見された抗体の蛍光強度を示す。発見された抗体の平均蛍光強度(MFI)と、L263G8抗CCR8抗体のMFIの比率を示す。
発見された抗体の、インビトロで内部化される能力を示す。Zenon pHrodo iFLlabeledで標識した抗CCR8抗体の内部化を、フローサイトメトリーにより測定した。特定の平均蛍光強度(MFI)を、抗体濃度(log μg/mL)の関数としてプロットし、内部化のためのEC50を測定した。抗KTI、及びpHrodoのみを、陰性対照として利用した。
配列表の簡単な説明
配列番号38~43は、例示的な重鎖可変ドメインである。配列番号1~5は、CDR3配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号6~9は、CDR1配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号10~14は、CDR2配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号50~54は、FR1配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号55~59は、FR2配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号55~58は、FR3配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号59~61は、FR4配列として本明細書に記載する、例示的な重鎖可変配列である。配列番号26~31は、例示的な重鎖可変ドメイン核酸配列である。
配列番号44~49は、例示的な軽鎖可変ドメインである。配列番号15~18は、CDR1配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号19~21は、CDR2配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号22~25は、CDR3配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号62~64は、FR1配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号68~71は、FR2配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号74~76は、FR3配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号80~81は、FR4配列として本明細書に記載する、例示的な軽鎖可変配列である。配列番号32~37は、例示的な軽鎖可変ドメイン核酸配列である。
定義
約:用語「約」は、値を参照して本明細書で使用する場合、参照した値の文脈において類似の値を意味する。一般に、当該文脈に通暁した当業者は、当該文脈において、「約」が包含する変動の関連する程度を理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、用語「約」は、参照した値の、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内またはそれ以下の値の範囲を包含し得る。
活性剤:本明細書で使用する場合、用語「活性剤」とは、薬剤が存在しない中(または異なるレベルの剤)で観察した場合と比較して、存在またはレベルが、標的のレベルまたは活性の増加と相関する薬剤を意味する。いくつかの実施形態では、活性剤とは、存在またはレベルが、(例えば、既知の活性剤、例えば陽性対照の存在といった、適切な参照条件の元で観察される)特定の参照レベルまたは活性に匹敵する、またはこれを上回る、標的レベルまたは活性と相関する薬剤である。
投与:本明細書で使用する場合、用語「投与」とは通常、組成物を対象または系に投与して、組成物である、または組成物中に存在する薬剤の送達を実現することを意味する。当業者は、適切な状況において、対象、例えば、ヒトへの投与に利用することができる、様々な経路を認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、投与は点眼、経口、非経口、局所などであってよい。いくつかの特定の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支点滴による)、頬、経皮(例えば、真皮、皮内、皮間、経皮などの局所のうちの1つ以上であってよい、またはこれを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、経鼻、腹腔内、髄腔内、静脈内、心室内、特定の器官内(例えば、肝臓内)、粘膜、鼻、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴による)、膣内、硝子体などであってよい。いくつかの実施形態では、投与は、単回投与のみを伴い得る。いくつかの実施形態では、投与は、固定回数の用量の適用を伴い得る。いくつかの実施形態では、投与は、断続的(例えば、時間で隔てられた複数回の用量)、及び/または周期的(例えば、一定期間で分離された個別の用量)な投薬である、投薬を伴い得る。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも選択した期間の、連続投薬(例えば、灌流)を伴い得る。
親和性:当該技術分野で既知なように、「親和性」とは、特定のリガンドが、そのパートナーに結合する強さの尺度である。親和性は、異なる方法で測定することができる。いくつかの実施形態では、親和性は、定量アッセイにより測定される。いくつかのそのような実施形態では、結合パートナーの濃度は、生理学的条件を模倣するように、過剰のリガンド濃度となるように固定してよい。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、結合パートナー濃度、及び/またはリガンド濃度は、変化し得る。いくつかのそのような実施形態では、親和性は、同様の条件(例えば、濃度)下にて、参照と比較することができる。
親和性成熟(または「親和性成熟抗体」):本明細書で使用する場合、抗体の抗原に対する親和性の改善をもたらす1つ以上の変化をその1つ以上のCDRにおいて有する抗体であって、これらの変化(複数可)を保有しない親抗体と比較して1つ以上の変化を有する抗体を指す。いくつかの実施形態では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルまたはさらにはピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、当該技術分野において既知の様々な手順のいずれかにより、作製することができる。Marks et al.,BioTechnology 10:779-783(1992)は、V及びVドメインシャッフリングによる親和性成熟について記載している。CDR及び/またはフレームワーク残基のランダムな変異導入は、Barbas et al.Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A 91:3809-3813(1994);Schier et al.,Gene 169:147-155(1995);Yelton et al.,J.Immunol.155:1994-2004(1995);Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310-9(1995);及びHawkins et al.,J.Mol.Biol.226:889-896(1992)により説明されている。
薬剤:一般に、本明細書で使用する場合、用語「薬剤」は、例えば、ポリペプチド、核酸、糖、脂質、低分子、金属、またはこれらの組み合わせもしくは複合体を含む、任意の化学クラスの化合物または要素を意味するために使用することができる。適切な状況において、当業者には文脈から明らかとなるように、本用語は、細胞もしくは生物、もしくは、これらの画分、抽出物、もしくは構成成分である、またはこれらを含む要素を意味するために利用することができる。あるいは、またはさらに、文脈により明確となるように、本用語は、自然で見出される、及び/または自然から入手される、自然産生物を意味するために使用することができる。場合によっては、ここでも文脈から明確となるように、本用語は、人の手の作用により設計、組み換え、及び/または作製された、及び/または自然では発見されないという点で人工である、1つ以上の要素を意味するために使用することができる。いくつかの実施形態では、薬剤は、単離または純粋形態で利用することができ、いくつかの実施形態では、薬剤は粗形態で利用することができる。いくつかの実施形態では、可能性のある薬剤は、例えば、スクリーニングして、活性剤を識別または特性決定することができる、コレクションまたはライブラリーとして提供することができる。場合によっては、用語「薬剤」は、ポリマーである、またはポリマーを含む、化合物または要素を意味することができ、場合によっては、本用語は、1つ以上のポリマー部分を含む化合物または要素を意味することができる。いくつかの実施形態では、用語「薬剤」とは、ポリマーでない、及び/またはあらゆるポリマー及び/または1つ以上の特定のポリマー部分を実質的に含有しない、化合物または要素を意味することができる。いくつかの実施形態では、本用語は、あらゆるポリマー部分を欠く、または実質的に含有しない、化合物または要素を意味することができる。
アゴニスト:用語「アゴニスト」は、存在、レベル、程度、種類、または形態が、別の薬剤(即ち、作動される標的)のレベルまたは活性の増加と相関する、薬剤の条件または事象を意味するために使用することができることを、当業者は理解するであろう。一般に、アゴニストは、例えば、低分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属、及び/または関連する活性化活性を示す任意の他の要素を含む、任意の化学クラスの薬剤であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、アゴニストは直接的であってよい(この場合、アゴニストは、その標的に直接影響を及ぼす)。いくつかの実施形態では、アゴニストは、間接的であってよい(この場合、アゴニストは例えば、標的の制御因子と相互作用して、標的のレベルまたは活性を変化させることにより、その標的に結合すること以外により、その影響力を発揮する)。
アミノ酸:本明細書で使用する場合、その最も広い意味で、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成によりポリペプチド鎖に組み込まれることが可能な任意の化合物及び/または物質を意味する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般的構造HN-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は非天然アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸はD-アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。「標準アミノ酸」とは、天然に存在するペプチドで一般的に見出される、20個の標準的なL-アミノ酸のいずれかを意味する。「非標準アミノ酸」とは、合成して調製されたか、自然源から入手されたかにかかわらず、標準的なアミノ酸以外のあらゆるアミノ酸を意味する。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中のカルボキシ及び/またはアミノ末端アミノ酸を含むアミノ酸は、上述の一般的構造と比較して、構造の修飾を含有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般的構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、PEG化、グリコシル化、リン酸化、及び/または(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つ以上のプロトン、及び/またはヒドロキシル基の)置換により修飾されることができる。いくつかの実施形態では、このような修飾は、例えば、修飾アミノ酸を除けば同一の未修飾アミノ酸と比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期を変更することができる。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、修飾アミノ酸を除けば同一の未修飾アミノ酸と比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの関連する活性を著しく変更しない。文脈から明らかとなるように、いくつかの実施形態では、用語「アミノ酸」とは、遊離アミノ酸を意味するように用いることができ、いくつかの実施形態では、用語「アミノ酸」とは、ポリペプチドのアミノ酸残基を意味するように用いることができる。
類似体:本明細書で使用する場合、用語「類似体」とは、1つ以上の特定の構造的特徴、構成要素、構成成分、または部分を参照物質と分かち合う物質を意味する。通常、「類似体」は、参照物質と、著しい構造的類似性、例えば、コアまたはコンセンサス構造の共有を示すが、ある特定の個別の部分が、異なってもいる。いくつかの実施形態では、類似体は、例えば、参照物質の化学的操作により、参照物質から生成することが可能な物質である。いくつかの実施形態では、類似体は、参照物質を生成するものと実質的に同様(例えば、複数のステップを共有する)の、合成プロセスを実施することにより生成可能な物質である。いくつかの実施形態では、類似体は、参照物質を生成するために使用されるものとは異なる合成プロセスを実施することで生成される、または生成することができる。
アンタゴニスト:本明細書で使用する場合、用語「アンタゴニスト」は、存在、レベル、程度、種類、または形態が、別の薬剤(即ち、阻害された薬剤、または標的)のレベルまたは活性の低下と相関する、薬剤の条件または事象を意味するために使用することができることを、当業者は理解するであろう。一般に、アンタゴニストは、例えば、低分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属、及び/または関連する阻害活性を示す任意の他の要素を含む、任意の化学クラスの薬剤であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、アンタゴニストは直接的であってよい(この場合、アンタゴニストは、その標的に直接影響を及ぼす)。いくつかの実施形態では、アンタゴニストは、間接的であってよい(この場合、アンタゴニストは例えば、標的の制御因子と相互作用して、標的のレベルまたは活性を変化させることにより、その標的に結合すること以外により、その影響力を発揮する)。
抗体:本明細書で使用する場合、用語「抗体」は、特定の標的抗原への特異的結合を与えるのに十分な標準免疫グロブリン配列エレメントを含むポリペプチドを指す。当該技術分野において知られているように、天然に産生されるようなインタクト抗体は、互いに会合して「Y字型」構造と一般的に称されるものになる、2個の同一の重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)、及び2個の同一の軽鎖ポリペプチド(それぞれ約25kD)から構成される、約150kDの四量体薬剤である。各重鎖は、少なくとも4つのドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成され、これらは、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置している)、それに続く3つの定常ドメイン:CH1、CH2、及びカルボキシ末端CH3(Yの幹の基部に位置している)である。「スイッチ」として知られている短い領域は、重鎖可変領域及び定常領域を接合する。「ヒンジ」は、CH2及びCH3ドメインを抗体の残りの部分に接合する。このヒンジ領域中の2つのジスルフィド結合は、インタクト抗体中で2個の重鎖ポリペプチドを互いに接合する。各軽鎖は、2つのドメインで構成され、これらは、アミノ末端可変(VL)ドメイン、それに続く、別の「スイッチ」により互いに分離した、カルボキシ末端定常(CL)ドメインである。インタクト抗体四量体は、重鎖及び軽鎖が1つのジスルフィド結合によって互いに結合される2個の重鎖-軽鎖二量体から構成される。2つの他のジスルフィド結合は、互いに重鎖ヒンジ領域を接続するため、二量体が互いに接続され、四量体が形成される。また、一般的にCH2ドメイン上で、自然に産生する抗体をグリコシル化する。自然抗体中の各ドメインは、圧縮された逆平行ベータバレル中で互いに接して詰め込まれる、2枚のベータシート(例えば、3本鎖、4本鎖、または5本鎖シートなど)から形成される「免疫グロブリンフォールド」を特徴とする構造を有する。各可変ドメインは、「相補性決定領域」(CDR1、CDR2、及びCDR3)として知られている3つの超可変ループ、ならびに4つのそれほど可変ではない「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)を含む。自然抗体がフォールドするときに、FR領域は、ドメインに構造上フレームワークを提供するベータシートを形成し、重鎖及び軽鎖の両方からのCDRループ領域は、3次元空間にまとめられるため、それらは、Y構造の先端に位置している単一の超可変抗原結合部位を作製する。天然に存在する抗体のFc領域は、補体系の要素に結合し、またエフェクター細胞上で受容体に結合し、これらのエフェクター細胞は、例えば、細胞毒性を媒介するエフェクター細胞を含む。当該技術分野において知られているように、Fc受容体についてのFc領域の親和性及び/または他の結合属性をグリコシル化または他の修飾を介して改変することが可能である。いくつかの実施形態では、本発明に従い産生される及び/または利用される抗体は、改変されたまたは操作されたグリコシル化を伴うFcドメインを含む、グリコシル化されたFcドメインを含む。本発明の目的のために、ある特定の実施形態では、自然抗体中に見出されるものとして、十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む、いずれかのポリペプチド、またはポリペプチドの複合体は、このようなポリペプチドが自然に産生される(例えば、抗原に反応する生物によって生成される)か、遺伝子組み換え工学、化学合成、または他の人工システムもしくは方法論によって産生されるかどうかにかかわらず、「抗体」と称される、及び/または「抗体」として使用されることが可能である。いくつかの実施形態では、抗体はポリクローナルであり、いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナルである。いくつかの実施形態では、抗体は、マウス、ウサギ、霊長類、またはヒト抗体に特徴的な定常領域配列を有する。いくつかの実施形態では、抗体配列エレメントは、当該技術分野において既知であるように、ヒト化、霊長類化、キメラ化されている。さらに、本明細書に使用する場合、用語「抗体」は、適切な実施形態(別段に記載されない限り、または文脈から明らかでない限り)において、代替の提示において抗体の構造的及び機能的特徴を利用するために当該技術分野において知られている、または開発された構築物またはフォーマットのいずれかを指す。例えば、実施形態では、本発明に従って利用される抗体は、インタクトなIgA、IgG、IgE、またはIgM抗体;二重または多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など);抗体フラグメント、例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、及び単離されたCDR、またはそのセット;単鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合物;単一ドメイン抗体(例えば、IgNARなどのサメ単一ドメイン抗体、またはそのフラグメント);ラクダ抗体;マスク抗体(例えば、Probodies(登録商標));低分子免疫薬剤(「SMIPs(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalins(登録商標);Nanobodies(登録商標)ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリン反復タンパク質またはDARPINs(登録商標);Avimers(登録商標);DARTs;TCR様抗体;Adnectins(登録商標);Affilins(登録商標);Trans-bodies(登録商標);Affibodies(登録商標);TrimerX(登録商標);マイクロタンパク質;Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)から選択されるフォーマットであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体は、自然に産生される場合に有するであろう共有修飾(例えば、グリカンの付着)を欠いている場合がある。いくつかの実施形態では、抗体は、共有修飾(例えば、グリカンの付着)、ペイロード(例えば、検出可能な部分、処置部分、触媒部分など)、または他のペンダント基(例えば、ポリエチレングリコールなど)を含むことができる。
抗体剤:本明細書で使用する場合、用語「抗体剤」とは、特定の抗原に特異的に結合する薬剤を意味する。いくつかの実施形態では、本用語は、特異的結合を付与するのに十分な免疫グロブリン構造要素を含む、任意のポリペプチドまたはポリペプチド複合体を包含する。例示的な抗体剤としては、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体剤は、マウス、ウサギ、霊長類、またはヒト抗体に特徴的な1つ以上の定常領域配列を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体剤は、当該技術分野において既知の、ヒト化、霊長類化、キメラ化された1つ以上の配列エレメントを含み得る。多くの実施形態では、用語「抗体剤」とは、代替の提示において、抗体構造及び機能的特徴を利用するための、当該技術分野において既知のまたは開発された、コンストラクトまたはフォーマットのうちの1つ以上を意味するために使用される。例えば、実施形態では、本発明に従って利用される抗体剤は、インタクトなIgA、IgG、IgE、またはIgM抗体;二重または多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など);抗体フラグメント、例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、及び単離されたCDR、またはそのセット;単鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合物;単一ドメイン抗体(例えば、IgNARなどのサメ単一ドメイン抗体、またはそのフラグメント);ラクダ抗体;マスク抗体(例えば、Probodies(登録商標));低分子免疫薬剤(「SMIPs(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalins(登録商標);Nanobodies(登録商標)ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリン反復タンパク質またはDARPINs(登録商標);Avimers(登録商標);DARTs;TCR様抗体;Adnectins(登録商標);Affilins(登録商標);Trans-bodies(登録商標);Affibodies(登録商標);TrimerX(登録商標);マイクロタンパク質;Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)から選択されるフォーマットであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体は、自然に産生される場合に有するであろう共有修飾(例えば、グリカンの付着)を欠いている場合がある。いくつかの実施形態では、抗体は、共有修飾(例えば、グリカンの付着)、ペイロード(例えば、検出可能な部分、処置部分、触媒部分など)、または他のペンダント基(例えば、ポリエチレングリコールなど)を含むことができる。多くの実施形態では、抗体剤は、アミノ酸配列が、相補性決定領域(CDR)として当業者により認識されている1つ以上の構造要素を含む、ポリペプチドであるか、またはこれを含む。多くの実施形態では、抗体剤は、アミノ酸配列が、相補性決定領域(CDR)として当業者により認識されている1つ以上の構造要素を含む、ポリペプチドであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、アミノ酸配列が、参照抗体で発見されるものと実質的に同一である、少なくとも1つのCDR(例えば、少なくとも1つの重鎖CDR、及び/または少なくとも1つの軽鎖CDR)を含む、ポリペプチドであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、参照CDRと比較して、配列中で同一であるか、または1~5個のアミノ酸置換を含有するかのいずれかであるという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、参照CDRと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、参照CDRと、少なくとも96%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、含まれるCDR内の少なくとも1つのアミノ酸が、参照CDRと比較して欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRは、参照CDRのものとそれ以外では同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、含まれるCDR内の1~5個のアミノ酸が、参照CDRと比較して欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRは、参照CDRとそれ以外では同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、含まれるCDR内の少なくとも1つのアミノ酸が、参照CDRと比較して置換されているが、含まれるCDRは、参照CDRのものとそれ以外では同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、含まれるCDRは、含まれるCDR内の1~5個のアミノ酸が、参照CDRと比較して欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRは、参照CDRとそれ以外では同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、抗体剤は、アミノ酸配列が、免疫グロブリン可変ドメインとして当業者により認識されている構造要素を含む、ポリペプチドであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、免疫グロブリン結合ドメインと相同、または大幅に相同である結合ドメインを有するポリペプチドタンパク質である。
抗体依存性細胞毒性:本明細書で使用する場合、用語「抗体依存性細胞毒性」または「ADCC」とは、抗体により結合された標的細胞が、免疫エフェクター細胞により殺傷される現象を意味する。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、ADCCは通常、Fc受容体(FcR)を有するエフェクター細胞が、抗体被覆標的細胞(例えば、表面で、抗体が結合する特異的抗原を発現する細胞)を認識し、その後殺傷可能であると理解されていることを、我々は観察している。ADCCを媒介するエフェクター細胞としては、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好中球、好酸球のうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない免疫細胞を挙げることができる。
抗体フラグメント:本明細書で使用する場合、「抗体フラグメント」とは、本明細書に記載する抗体または抗体剤の一部を意味し、通常、抗原結合部分、またはその可変領域を含む部分を意味する。抗体フラグメントは、任意の手段により作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、抗体フラグメントは、インタクトな抗体または抗体剤のフラグメンテーションにより、酵素的にまたは化学的に作製することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、抗体フラグメントは、組み換えにより(即ち、組み換え核酸配列の発現により)作製することができる。いくつかの実施形態では、抗体フラグメントは、全体的に、または部分的に、合成により作製することができる。いくつかの実施形態では、抗体フラグメント(特に、抗原結合抗体フラグメント)は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190アミノ酸長、またはそれ以上、いくつかの実施形態では、少なくとも約200アミノ酸長を有することができる。
抗原:本明細書で使用する場合、用語「抗原」とは、免疫応答を誘発する薬剤;及び/または(ii)T細胞受容体(例えば、MHC分子により提示されるときに)、もしくは抗体に結合する薬剤を意味する。いくつかの実施形態では、抗原は、(例えば、抗原特異的抗体の産生を含む)体液性応答を誘発し、いくつかの実施形態では、(例えば、受容体が抗原と特異的に相互作用するT細胞を伴う)細胞応答を誘発する。いくつかの実施形態では、抗原は抗体に結合し、生物にて、特定の生理学的応答を誘発し得る、または誘発し得ない。一般に、抗原は、例えば、低分子、核酸、ポリペプチド、炭水化物、脂質、ポリマー(いくつかの実施形態では、生物学的ポリマー以外(例えば、核酸またはアミノ酸ポリマー以外))などの、任意の化学成分であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、抗原はポリペプチドであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗原はグリカンであるか、またはこれを含む。一般に、抗原は単離もしくは純粋形態で提供され得、またはあるいは、(例えば、細胞抽出物、または抗原含有源の他の比較的粗な調製物といった抽出物中で、例えば、他の材料と共に)粗形態で提供され得ることを、当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、本発明に従って利用される抗原は、粗形態で提供される。いくつかの実施形態では、抗原は、組み換え抗原である。
抗原提示細胞:本明細書で使用する場合、語句「抗原提示細胞」または「APC」は、抗原を処理し、それをT細胞に提示する細胞を言及する、当該技術分野において理解される意味を有する。例示的な抗原細胞としては、樹状細胞、マクロファージ、及びある特定の活性化上皮細胞が挙げられる。
関連する:本明細書でこの用語が用いられる場合、2つの事象または要素は、一方の存在、レベル、及び/または形態が、他方の存在、レベル、及び/または形態と相関するときに、互いに「関連」する。例えば、特定の要素(例えば、ポリペプチド、遺伝子シグネチャー、代謝産物、微生物など)は、その存在、レベル、及び/または形態が、(例えば、関連する集団にまたがり)疾患、障害または病状の罹患率及び/または罹患性と相関するのであれば、特定の疾患、障害または病状と関連していると考えられる。いくつかの実施形態では、2つ以上の要素は、それらが直接または間接的に相互作用して、互いに物理的に近接している、及び/または近接したままとなる場合に、互いに物理的に「関連」している。いくつかの実施形態では、互いに物理的に関連した2つ以上の要素は、互いに共有結合し、いくつかの実施形態では、互いに物理的に関連した2つ以上の要素は、互いに共有結合していないが、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性、及びこれらの組み合わせにより、非共有的に相互作用する。
結合ドメイン:本明細書で使用する場合、標的部分または要素に特異的に結合する部分または存在を意味する。通常、結合ドメインとその標的との相互作用は、非共有的である。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、例えば、炭水化物、脂質、核酸、金属、ポリペプチド、低分子を含む、任意の化学クラスの部分または要素であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、ポリペプチド(またはこの複合体)であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、抗体剤、サイトカイン、リガンド(例えば、受容体リガンド)、受容体、毒素などの、標的結合部分であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、アプタマーであることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、ペプチド核酸(PNA)であることができるか、またはこれを含むことができる。
結合:本明細書で使用する場合、用語「結合」とは一般に、2つ以上の要素間での、またはこれらにまたがる、非共有的会合を意味することが理解されよう。「直接」結合は、複数の要素または部分間での物理的接触に関係し、間接結合は、1つ以上の中間要素との物理的接触による、物理的相互作用に関係する。2つ以上の要素間での結合は、一般的に、相互作用する要素または部分が、単独で、またはより複雑な系の状況において研究される場合(例えば、担体要素と共有結合もしくは別の方法で会合する場合、及び/または生物学的系もしくは細胞の中における場合)を含む、様々な文脈のいずれかで評価することができる。
生体試料:本明細書で使用する場合、用語「生体試料」は通常、本明細書に記載するように、目的の生物源(例えば、組織または生物または細胞培養液)から入手される、またはこれに由来する試料を意味する。いくつかの実施形態では、目的の供給源には、動物またはヒトなどの生物が含まれる。いくつかの実施形態では、生体試料は、生物組織または生体液である、またはこれらが含まれる。いくつかの実施形態では、生体試料は、骨髄;血液;血液細胞;腹水;組織もしくは微細針生検試料;細胞含有体液;遊離浮遊核酸;痰;唾液;尿;脳脊髄液、腹膜液;胸膜液;糞便;リンパ液;婦人科体液(gynecological fluids);皮膚スワブ;膣スワブ;口腔スワブ;鼻スワブ;乳管洗浄液もしくは気管支肺胞洗浄液などの洗液もしくは洗浄液;吸引液;擦過標本;骨髄標本;組織生検標本;外科標本;糞便、他の体液、分泌物、及び/または滲出液;及び/またはそれらに由来する細胞などであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、生体試料は、個体から入手した細胞であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、入手した細胞は、試料を入手した個体に由来する細胞であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接に取得される「一次試料」である。例えば、いくつかの実施形態では、一次生体試料は、生検(例えば、穿刺吸引または組織生検)、外科手術、体液(例えば、血液、リンパ液、糞便など)の収集などからなる群から選択される方法によって取得される。いくつかの実施形態では、文脈から明らかであるように、用語「試料」は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1つ以上の成分を除去することによって、及び/または1つ以上の薬剤を添加することによって)、取得される調製物を指す。例えば、濾過は、半透膜を使用する。このような「処理された試料」は、例えば、試料から抽出されたかあるいは一次試料を、例えば、mRNAの増幅または逆転写、ある特定の成分の単離及び/または精製などの技術に供することによって取得された核酸またはタンパク質を含み得る。
バイオマーカー:用語「バイオマーカー」は、本明細書で用いられ、当該技術分野における使用と一致し、存在、レベル、または形態が、目的の特定の生物学的事象または状態と相関し、当該事象または状態の「マーカー」であると考えられるようになる、要素を意味する。いくつかの例を示すと、いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、特定の疾患状態、または特定の疾患、障害もしくは病状が進行、発生、もしくは再発し得る可能性に関するマーカーであることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、特定の疾患もしくは治療アウトカム、またはこれらの可能性に関するマーカーであることができるか、またはこれを含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、目的の関連する生物学的事象または状態の、予想のためのものであり、いくつかの実施形態では、予後のためのものであり、いくつかの実施形態では、診断のためのものである。バイオマーカーは、任意の化学クラスの要素であることができる。例えば、いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、核酸、ポリペプチド、脂質、炭水化物、低分子、無機剤(例えば、金属もしくはイオン)、またはこれらの組み合わせであることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは細胞表面マーカーである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは細胞内に存在する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、細胞の外側で発見される(例えば、細胞の外側、例えば、血液、尿、涙、唾液、脳脊髄液などの体液中で分泌する、またはさもなければこれらの中で生成する、もしくはこれらの中に存在する)。
二重特異性抗体:本明細書で使用する場合、結合部分の少なくとも1つ、及び通常は両方が、抗体成分であるか、これを含む、二重特異的結合剤を意味する。様々な異なる二重特異的抗体構造が、当技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、抗体成分であるか、またはこれを含む二重特異性抗体中の各結合部分は、V及び/またはV領域を含み、いくつかのそのような実施形態では、V及び/またはV領域は、特定のモノクローナル抗体にて発見される領域である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体が2つの抗体成分結合部分を含む場合、各々は、異なるモノクローナル抗体からのV及び/またはV領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体が、2つの抗体成分結合部分を含有する場合、2つの抗体成分結合部分のうちの一方は、第1のモノクローナル抗体由来のCDRを含有するV及び/またはV領域を有する免疫グロブリン分子を含み、2つの抗体成分結合部分のうちの一方は、第2のモノクローナル抗体に由来するCDRを含有するV及び/またはV領域を有する抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)、F(ab’)、Fd、Fv、dAB、scFvなど)を含む。
二重特異的結合剤:本明細書で使用する場合、2つの個別の結合部分を有し、それぞれが異なる標的に結合するポリペプチド剤を意味する。いくつかの実施形態では、二重特異性結合剤は、単一のポリペプチドであるか、またはこれを含み、いくつかの実施形態では、二重特異性結合剤は、複数のペプチドであるか、またはそれらを含み、これらは、いくつかのそのような実施形態では、例えば、架橋により互いに共有結合的に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、二重特異性結合剤の2つの結合部分は、異なる部位(例えば、エピトープ)、同じ標的(例えば、抗原)を認識し、いくつかの実施形態では、これらは異なる標的を認識する。いくつかの実施形態では、二重特異性結合剤は、異なる構造のものである2つの標的に同時に結合することができる。
がん:用語「がん」、「悪性腫瘍」、「新生物」、「腫瘍」、及び「がん腫」は、本明細書において、比較的異常、不制御、及び/または自動増殖を示すことで、細胞増殖の著しい制御喪失を特徴とする、異常増殖フェノタイプを示す細胞を意味するように使用される。いくつかの実施形態では、腫瘍は、前がん性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び/または非転移性である細胞であることができるか、またはこれを含むことができる。本開示は特に、本教示が特に関係あるであろう、ある特定のがんを識別する。いくつかの実施形態では、関係あるがんは、充実性腫瘍を特徴とすることができる。
CDR:本明細書で使用する場合、抗体可変領域内の相補性決定領域を意味する。可変領域の各々に対してCDR1、CDR2、及びCDR3と命名される、重鎖及び軽鎖の可変領域の各々に3つのCDRが存在する。「CDRのセット」または「CDRセット」は、抗原を結合することができる単一の可変領域、または抗原を結合することができる同族の重鎖及び軽鎖可変領域のCDRのいずれかに生じる3つまたは6つのCDR群を指す。CDRの境界を画定するためのある特定のシステム(例えば、Kabat、Chothiaなど)が、当該技術分野において確立されている。当業者は、これらのシステム間、及びシステムにまたがる差を認識し、特許請求された発明を理解し、実践するために必要な程度にまで、CDRの境界を理解することができる。
細胞溶解物:本明細書で使用する場合、用語「細胞溶解物(cellular lysate)」、または「細胞溶解物(cell lysate)」とは、1つ以上の破壊された細胞(即ち、膜が破壊されている細胞)の内容物を含有する流体を意味する。いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、親水性及び疎水性細胞成分の両方を含む。いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、主に親水性構成成分を含み、いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、主に疎水性構成成分を含む。いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、植物細胞、細菌(例えば、細菌または真菌)細胞、動物細胞(例えば、哺乳類細胞)、ヒト細胞、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の細胞の溶解物である。いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、がん細胞などの、1種以上の異常な細胞の溶解物である。いくつかの実施形態では、細胞溶解物は、細胞破壊の後に精製をほとんど、または全く行わないという点で、粗の溶解物であり、いくつかの実施形態では、そのような溶解物は「一次」溶解物と呼ばれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の単離または精製ステップが、一次溶解物にて行われる。しかし、用語「溶解物」とは、複数の細胞成分を含む調製物を意味し、あらゆる個別の成分の純粋な調製物を意味するものではない。
化学療法剤:本明細書で使用する場合、用語「化学療法剤」とは、例えば、具体的には、望ましくない細胞増殖と関連する、1種以上の疾患、障害または病状を治療するために利用される、及び/またはそのために使用が推奨される剤を含む、1つ以上のプロアポトーシス、細胞増殖抑制、及び/または細胞毒性剤を意味する、当該技術分野において理解される意味を有する。多くの実施形態では、化学療法剤は、がんの治療に有用である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、1種以上のアルキル化剤、1種以上のアントラサイクリン、1種以上の細胞骨格破壊因子(例えば、タキサン、メイタンシン、及びその類似体などの、微小管標的化剤)、1種以上のエポチロン、1種以上のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)、1種以上のトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポイソメラーゼI及び/またはトポイソメラーゼIIの阻害剤)、1種以上のキナーゼ阻害剤、1種以上のヌクレオチド類似体もしくはヌクレオチド前駆体類似体、1種以上のペプチド抗生物質、1種以上の白金系薬剤、1種以上のレチノイド、1種以上のビンカアルカロイド、及び/または以下(即ち、関連する抗増殖活性を分かち合う)もののうちの1つ以上の、1種以上の類似体であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの特定の実施形態では、化学療法剤は、アクチノマイシン、全トランスレチノイン酸、アウリスタチン、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、クルクミン、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メイタンシン及び/またはその類似体(例えば、DM1)、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトキサントロン、マイタンシノイド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、抗体薬物複合体の文脈で利用することができる。化学療法剤は、hLL1-ドキソルビシン、hRS7-SN-38、hMN-14-SN-38、hLL2-SN-38、hA20-SN-38、hPAM4-SN-38、hLL1-SN-38、hRS7-Pro-2-P-Dox、hMN-14-Pro-2-P-Dox、hLL2-Pro-2-P-Dox、hA20-Pro-2-P-Dox、hPAM4-Pro-2-P-Dox、hLL1-Pro-2-P-Dox、P4/D10-ドキソルビシン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブエムタンシン、イノツズマブオゾガマイシン、グレンバツモマブべドチン、SAR3419、SAR566658、BIIB015、BT062、SGN-75、SGN-CD19A、AMG-172、AMG-595、BAY-94-9343、ASG-5ME、ASG-22ME、ASG-16M8F、MDX-1203、MLN-0264、抗PSMA ADC、RG-7450、RG-7458、RG-7593、RG-7596、RG-7598、RG-7599、RG-7600、RG-7636、ABT-414、IMGN-853、IMGN-529、ボルセツズマブマホドチン、及びロルボツズマブメルタンシンからなる群から選択される抗体薬物複合体にて発見されるものである。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、Govindan et al,TheScientificWorld JOURNAL 2010,10:2070-2089の1つ以上にて記載される、または論じられる抗体薬物複合体にて利用されるものとして説明されるものであってよい。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、ファルネシル-チオサリチル酸(FTS)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)-N-ヒドロキシブタンアミド(CMH)、エストラジオール(E2)、テトラメトキシスチルベン(TMS)、δ-トカトリエノール、サリノマイシン、またはクルクミンのうちの1つ以上であることができるか、またはこれを含むことができる。
併用療法:本明細書で使用する場合、用語「併用療法」とは、対象が、2つ以上の治療計画(例えば、2種以上の治療剤)に同時に曝露される状況を意味する。いくつかの実施形態では、2つ以上の計画は、同時に実施することができる。いくつかの実施形態では、そのような計画は、連続して実施することができる(例えば、第1の計画の全ての「用量」が、第2の計画の任意の用量の投与前に投与される)。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、重なり合った投薬計画で投与される。いくつかの実施形態では、併用療法の「投与」は、他の薬剤(複数可)またはモダリティ(複数可)を組み合わせて受ける対象に、1種以上の薬剤(複数可)またはモダリティ(複数可)を投与することを伴い得る。明確にするために、併用療法は、個別の薬剤が単一組成物中で合わせて(またはさらに、必ずしも同時に)投与される必要はないものの、いくつかの実施形態では、2種以上の薬剤、またはその活性部分は、併用組成物と共に、またはさらに、(例えば、単一の化学的複合体もしくは共有要素の一部として)併用化合物中にて投与されることができる。いくつかの実施形態では、2種以上の薬剤は同時に投与され得る。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は連続して投与され得る。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、重なり合った投薬計画で投与される。
キメラ抗体:本明細書で使用する場合、アミノ酸配列が、第1の種で見出されるV及びV領域配列、ならびに、第1の種とは異なる、第2の種で見出される定常領域配列を含む抗体を意味する。多くの実施形態では、キメラ抗体は、ヒト定常領域に結合した、マウスV及びV領域を有する。いくつかの実施形態では、非ヒト定常領域(例えば、マウス定常領域)に結合したヒトV及びV領域を有する抗体は、「反転キメラ抗体」と呼ばれる。
同等:本明細書で使用する場合、用語「同等」とは、互いに同一とはなり得ないが、比較を行うには十分類似しているため、観察される差または類似性に基づき結論を合理的に出すことが可能であることを当業者が理解する、2つ以上の薬剤、要素、状況、状態のセットなどを意味する。いくつかの実施形態では、同等の状態、状況、個体、または集団のセットは、複数の実質的に同一の特徴及び1つまたは少数の様々な特徴により特徴付けられる。当業者は、文脈において、2つ以上のそのような薬剤、要素、状況、状態のセットなどが同等と考えられるには、任意の所与の状況において、どの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者であれば、異なる状況、個体、または集団のセット下で得られた結果または観察された現象における相違が、変更されるこれらの特徴における変化によって引き起こされるか、またはそれを示すという妥当な結論を保証するために十分な数及び種類の実質的に同一の特徴によって特徴付けられるとき、状況、個体、または集団のセットは互いに同等であることを理解するであろう。
組成物:本明細書で使用する場合、用語「組成物」とは、1種以上の特定の構成成分を含む、個々の物理的な要素を意味するために使用され得ることを、当業者は理解するであろう。一般に、別に明記されない限り、組成物は任意の形態、例えば、気体、ゲル、液体、固体などであってよい。
を含む:1つ以上の、名称の付いた要素またはステップ「を含む」として本明細書に記載する組成物または方法はオープンエンドであり、名称の付いた要素またはステップは不可欠ではあるが、他の要素またはステップを、組成物または方法の範囲内で付加することができることを意味する。冗長さを回避するために、1つ以上の名称の付いた要素またはステップを「を含む(comprising)」(または「を含む(comprises)」)と記載される任意の組成物または方法は、対応する、同じ名称の付いた要素またはステップ「からなる(consisting essentially of)」(または「からなる(consists essentially of)」)より限定された組成物または方法についても説明するとも理解され、これは、組成物または方法が、名称の付いた主要要素またはステップを含み、また、当該組成物または方法の、基本的、及び新規の特徴(複数可)に、かなりの影響を及ぼさない、追加の要素またはステップもまた含むことができることを意味する。1つ以上の名称の付いた要素またはステップ「を含む」、または「から本質的になる」と、本明細書で説明される任意の組成物または方法は、任意の他の、名称の付いていない要素またはステップを除外する、名称の付いた要素またはステップ「からなる(consisting of)」(または「からなる(consists of)」)、対応する、より限定的かつクローズドエンドの組成物または方法についてもまた説明することもまた、理解される。本明細書で開示する任意の組成物または方法において、任意の、名称の付いた主要要素またはステップの、既知の、または開示された等価物を、当該要素またはステップと置き換えることができる。
誘導体:本明細書で使用する場合、用語「誘導体」とは、参照物質の構造的類似体を意味する。即ち、「誘導体」とは、参照物質と著しい構造的類似性、例えば、コアまたはコンセンサス構造の共有を示すが、ある特定の個別の部分が異なってもいる物質である。いくつかの実施形態では、誘導体は、化学操作により参照物質から生成可能な物質である。いくつかの実施形態では、誘導体は、参照物質を生成するものと実質的に同様(例えば、複数のステップを共有する)の、合成プロセスを実施することにより生成可能な物質である。
検出可能な要素:本明細書で使用する場合、用語「検出可能な要素」とは、検出可能な、任意の元素、分子、官能基、化合物、フラグメント、または部分を意味する。いくつかの実施形態では、検出可能な要素は単独で提供または利用される。いくつかの実施形態では、検出可能な要素は、別の剤と共に提供される、及び/または利用される(例えば、別の剤に結合している)。検出可能な要素の例としては、様々なリガンド、放射性核種(例えば、H、14C、18F、19F、32P、35S、135I、125I、123I、64Cu、187Re、111In、90Y、99mTc、177Lu、89Zrなど)、蛍光染料(特定の例示的な蛍光染料に対する:以下を参照されたい)、化学発光剤(例えば、アクリジニウム(acridinum)エステル、安定化ジオキセタンなど)、生物発光剤、スペクトル分解可能な無機蛍光半導体ナノ結晶(即ち、量子ドット)、金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、白金など)ナノクラスター、常磁性金属イオン、酵素(酵素の具体例に対する:以下を参照されたい)、比色分析標識(例えば、染料、コロイド金など)、ビオチン、ジゴキシゲニン(dioxigenin)、ハプテン、及び抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能なタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
測定する:本明細書に記載する多くの方法論は、「測定する」ステップを含む。当業者は、本明細書を読むと、そのような「測定すること」は、例えば、本明細書で明示的に言及される具体的な技術を含む、当業者が利用可能な様々な技術のいずれかを利用することができる、またはそのような技術を使用することで実現することができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、測定することは、物理的試料の操作を伴う。いくつかの実施形態では、測定することは、例えば、コンピューター、または関連する分析を行うために適合された他の処理ユニットを利用して、データまたは情報の考察及び/または操作を伴う。いくつかの実施形態では、測定することは、供給源から、関連する情報及び/または材料を受け取ることを伴う。いくつかの実施形態では、測定することは、試料または要素の1つ以上の特徴を、同等の参照物と比較することを伴う。
ドメイン:本明細書で使用する場合、用語「ドメイン」とは、要素のセクションまたは部分を意味する。いくつかの実施形態では、「ドメイン」は、要素の特定の構造的及び/または機能的特徴と会合しているため、ドメインが、その親要素の残りと物理的に分離したとき、ドメインは実質的に、または完全に、特定の構造的及び/または機能的特徴を保持する。あるいは、またはさらに、ドメインは、その(親)要素から分離され、異なる(レシピエント)要素と結合したときに、レシピエント要素に、親要素で特徴付けられる1つ以上の構造的及び/または機能的特徴を実質的に残す、及び/または付与する、要素の一部であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、ドメインとは、分子(例えば、低分子、炭水化物、脂質、核酸、またはポリペプチド)のセクションまたは部分である。いくつかの実施形態では、ドメインはポリペプチドのセクションであり、いくつかのそのような実施形態では、ドメインは、特定の構造要素(例えば、特定のアミノ酸配列もしくは配列モチーフ、α-ヘリックス特性、βシート特性、コイルドコイル特性、ランダムコイル特性など)、及び/または特定の機能的特徴(例えば、結合活性、酵素活性、折り畳み活性、シグナル伝達活性など)により特徴付けられる。
投与計画:用語「投与計画」は、通常は期間で区切られる、対象に個別に投与される単位用量(通常は2回以上)のまとまりを意味するために使用することができることを、当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、所与の治療薬は、1回以上の用量を必要とし得る、推奨される投与計画を有する。いくつかの実施形態では、投与計画は、それぞれが、他の用量とは時間が隔てられる、複数回の用量を含む。いくつかの実施形態では、個別の用量は、各々が互いに同じ長さの期間隔てられている複数の用量から構成され、いくつかの実施形態では、投与計画は、複数の用量から構成され、少なくとも2つの異なる期間で個々の用量が隔てられている。いくつかの実施形態では、投与計画内の全ての用量は、同一の単位用量である。いくつかの実施形態では、投与計画内の異なる用量は異なる量である。いくつかの実施形態では、投与計画は、第1の投与量での第1用量、続いて、第1の投与量と異なる第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与計画は第1の投与量での第1用量、続いて、第1の投与量と同じ第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与計画は、関連する集団にまたがり投与した際に、所望の、または有益なアウトカムと相関する(即ち、治療用投与計画である)。
エピトープ:本明細書で使用する場合、免疫グロブリン(例えば、抗体または受容体)結合成分により特異的に認識される、任意の部分を含む。いくつかの実施形態では、エピトープは、抗原上の複数の化学原子または基で構成される。いくつかの実施形態では、そのような化学原子または基は、抗原が、関連する3次元コンフォーメーションをとるとき、表面が露出している。いくつかの実施形態では、そのような化学原子または基は、抗原がそのようなコンフォーメーションをとるときに、間をおいて互いに物理的に近接している。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのそのような化学原子及び基は、抗原が代替のコンフォーメーションをとる(例えば、直線化する)場合には、互いに物理的に隔てられている。
賦形剤:本明細書で使用する場合、薬学的組成物に含まれ、例えば、所望の粘度または安定化効果を付与する、またはこれに寄与することができる、不活性(例えば、非治療用)剤を意味する。いくつかの実施形態では、好適な薬学的賦形剤としては、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどを挙げることができる。
発現:本明細書で使用する場合、核酸配列の「発現」とは、以下の事象の1つ以上を意味する:(1)(例えば、転写による)DNA配列からのRNA鋳型の作製、(2)(例えば、スプライシング、エディティング、5’キャップ形成、及び/または3’末端形成による)RNA転写産物のプロセシング、(3)RNAの、ポリペプチドもしくはタンパク質への翻訳、及び/または(4)ポリペプチドもしくはタンパク質の翻訳後修飾。
Fcリガンド:本明細書で使用する場合、抗体のFc領域に結合してFcリガンド複合体を形成する、任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。Fcリガンドとしては、FcγRIIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16A)、FcγRIIIB(CD16B)、FcγRI(CD64)、FcεRIII(CD23)、FcRn、Clq、C3、ブドウ球菌プロテインA、連鎖球菌プロテインG、及びウイルスFcγRが挙げられるが、これらに限定されない。Fcリガンドは、Fcに結合する未発見の分子を含み得る。
「フレームワーク」または「フレームワーク領域」:本明細書で使用する場合、可変領域からCDRを差し引いた配列を意味する。CDR配列は異なる系により決定することができるため、同様にフレームワーク配列は、対応して異なる解釈を受ける。6つのCDRは、重鎖及び軽鎖上のフレームワーク領域を各鎖上で4つのサブ領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)に分割し、CDR1は、FR1とFR2との間、CDR2はFR2とFR3との間、CDR3はFR3とFR4との間に位置する。FR1、FR2、FR3、またはFR4として特定のサブ領域を特定することなく、フレームワーク領域は、他において言及されるように、単一の、天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFRを表す。本明細書で使用する場合、FRは、4つのサブ領域のうちの1つを表し、FR1は、例えば、CDR1に対して可変領域のアミノ末端及び5’に最も近い最初のフレームワーク領域を表し、複数のFRは、フレームワーク領域を構成するサブ領域の2つ以上を表す。
機能的:本明細書で使用する場合、「機能的」生物学的分子とは、特性決定される性質及び/または活性を示す形態の、生物学的分子である。生物学的分子は、2つの機能を有することができる(即ち、二機能性であることができる)か、または多くの機能を有することができる(即ち、多機能性であることができる)。
フラグメント:本明細書に記載する場合、材料または要素の「フラグメント」は、全体のうちの個々の部分を含むが、全体で発見される1つ以上の部分を欠く構造を有する。いくつかの実施形態では、フラグメントは、そのような個々の部分で構成される。いくつかの実施形態では、フラグメントは、全体で発見される特徴的な構造要素または部分で構成されるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーフラグメントは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個、またはそれ以上の、全ポリマーで発見されるモノマー単位(例えば、残基)を含むか、またはこれで構成される。いくつかの実施形態では、ポリマーフラグメントは、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、25%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の、全ポリマーで発見されるモノマー単位(例えば、残基)を含むか、またはこれで構成される。いくつかの実施形態では、全材料または要素は、全体の「親」と呼ばれることができる。
遺伝子:本明細書で使用する場合、用語「遺伝子」とは、産生物(例えば、RNA産生物及び/またはポリペプチド産生物)をコードする染色体中のDNA配列を意味する。いくつかの実施形態では、遺伝子は、コード配列(即ち、特定の産生物をコードする配列)を含み、いくつかの実施形態では、遺伝子は、非コード配列を含む。いくつかの特定の実施形態では、遺伝子は、コード(例えば、エクソン)及び非コード(例えば、イントロン)配列の両方を含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子は、例えば、遺伝子発現(例えば、細胞型特異的発現、誘導性発現など)の1つ以上の態様を制御する、またはこれに影響を及ぼす、1つ以上の制御エレメントを含み得る。
遺伝子産物または発現産物:本明細書で使用する場合、用語「遺伝子産物」または「発現産物」とは、概して、遺伝子(処理前及び/または処理後)から転写したRNA、または遺伝子から転写したRNAによりコードされるポリペプチド(修飾前及び/または修飾後)を意味する。
ゲノム:本明細書で使用する場合、用語「ゲノム」とは、個々の生物または細胞により保有され、その染色体の完全なDNA配列により提示される、全ての遺伝子情報を意味する。
高親和性結合:本明細書で使用する場合、用語「高親和性結合」とは、特定のリガンドがそのパートナーに結合する強さの程度が高いことを意味する。親和性は、当該技術分野において既知のものを含む、任意の利用可能な方法により測定することができる。いくつかの実施形態では、結合アッセイにおいて、Kが約500pM以下(例えば、約400pM、約300pM、約200pM、約100pM、約90pM、約80pM、約70pM、約60pM、約50pM、約40pM、約30pM、約20pM、約10pM、約5pM、約4pM、約3pM、約2pM未満など)である場合に、結合は高親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、親和性が、選択された参照ポリペプチドに対してよりも、目的のポリペプチドに対して強力である(例えば、Kが低い)場合に、結合は、高親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドに対するKと、選択された参照ポリペプチドに対するKとの比が、1:1以下(例えば、0.9:1、0.8:1、0.7:1、0.6:1、0.5:1.0.4:1、0.3:1、0.2:1、0.1:1、0.05:1、0.01:1、またはそれ以下)である場合に、結合は、高親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドに対するKが、選択された参照ポリペプチドに対するKの約100%以下(例えば、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、またはそれ以下)である場合に、結合は高親和性であると考えられる。
相同性:本明細書で使用する場合、用語「相同性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体の関係性を意味する。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、その配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「相同」であるとみなされる。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、その配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%類似する(例えば、対応する位置に、関連する化学的性質を有する残基を含有する)場合、互いに「相同」であるとみなされる。例えば、当業者により周知されているように、ある特定のアミノ酸は通常、互いに類似のものが、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして分類される。あるアミノ酸を、同一タイプの別のアミノ酸と置換することは多くの場合、「相同」置換とみなされる。典型的なアミノ酸の分類を、以下にまとめる:
Figure 2023516388000002
Figure 2023516388000003
当業者に理解されるように、どの残基が、異なる配列中で互いに「対応する」かを考慮する場合に、別の配列と比較して、ある配列における指定の長さのギャップを許可することによるものを含む、相同性の程度を測定するために配列の比較を可能にする、様々なアルゴリズムが利用可能である。2つの核酸配列の相同性パーセントの計算は、例えば、最適な比較目的のために、2つの配列をアラインすることにより実施することができる(例えば、最適アラインメントのために、第1及び第2の核酸配列の1つまたは両方にギャップを導入することができ、対応しない配列を、比較目的のために無視することができる)。ある特定の実施形態では、比較目的のためにアラインされた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次に、対応するヌクレオチド位置におけるヌクレオチドを比較する。第1配列内の位置が、第2配列内の対応する位置と同じヌクレオチドにより占められている場合、分子はその位置において同一であり、第1配列内の位置が、第2配列内の対応する位置と類似のヌクレオチドにより占められている場合、分子はその位置において類似である。2つの配列間の相同性パーセントは、配列により共有される同一及び類似位置の数の関数であり、2つの配列の最適アラインメントに導入される必要のある、ギャップの数と各ギャップの長さとを考慮に入れる。2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントを測定するのに有用な、代表的なアルゴリズム及びコンピュータープログラムとしては、例えば、PAM120の重量残基表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用する、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている、Meyers and Miller(CABIOS,1989,4:11-17)のアルゴリズムが挙げられる。あるいは、2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、例えば、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して測定することができる。
宿主細胞:本明細書で使用する場合、外来DNA(組み換えまたは別の方法)が導入された細胞を意味する。当業者らは、本開示を読むと、そのような用語は、特定の対象細胞のみを指すのではなく、そのような細胞の後代もまた指すことを理解するであろう。突然変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続の世代においてある特定の修飾が起こる場合があるため、そのような子孫は、実際には、親細胞と同一でない場合があるが、本明細書で使用される用語「宿主細胞」の範囲内に依然として含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞としては、外来DNA(例えば、組み換え核酸配列)を発現するのに好適な、生物界のいずれかから選択される原核細胞及び真核細胞が挙げられる。例示的な細胞としては、原核生物及び真核生物(単細胞もしくは複数細胞)、細菌細胞(例えば、E.coli、Bacillus spp.、Streptomyces spp.などの株)、マイコバクテリア細胞、真菌細胞、酵母細胞(例えば、S.cerevisiae、S.pombe、P.pastoris、P.methanolicaなど)、植物細胞、昆虫細胞(例えば、SF-9、SF-21、バキュロウイルス感染昆虫細胞、イラクサギンウワバなど)、非ヒト動物細胞、ヒト細胞、または例えばハイブリドーマもしくはクアドローマなどの細胞融合物のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞はヒト、サル、類人猿、ハムスター、ラット、またはマウス細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞であり、以下の細胞:CHO(例えば、CHO Kl、DXB-11 CHO、Veggie-CHO)、COS(例えば、COS-7)、網膜細胞、Vero、CV1、腎臓(例えば、HEK293、293 EBNA、MSR 293、MDCK、HaK、BHK)、HeLa、HepG2、WI38、MRC 5、Colo205、HB 8065、HL-60(例えば、BHK21)、Jurkat、Daudi、A431(表皮)、CV-1、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS-0、MMT 060562、セルトリ細胞、BRL 3 A細胞、HT1080細胞、骨髄腫細胞、腫瘍細胞、及び上述の細胞に由来する細胞株から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、1つ以上のウイルス遺伝子を含む。
ヒト:いくつかの実施形態では、ヒトは、胚、胎児、乳児、子ども、ティーンエージャー、成人、または高齢者である。
ヒト抗体:本明細書で使用する場合、ヒト免疫グロブリン配列から生成した(またはアセンブルした)可変及び定常領域を有する抗体を含むことが意図される。いくつかの実施形態では、抗体(または抗体成分)は、例えば、1つ以上のCDR及び特にCDR3において、それらのアミノ酸配列がヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされない残基もしくはエレメントを含む場合でも(例えば、(本来)インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された可能性がある、例えば、配列多様性を含む)、「ヒト」であると考えられる場合がある。
ヒト化:当該技術分野において既知であるように、用語「ヒト化」は、一般に、そのアミノ酸配列が非ヒト種(例えば、マウス)で産生された参照抗体からのV及びV領域配列を含むが、参照抗体と比べてより「ヒト様」、即ち、ヒト生殖系列可変配列により類似するものにすることが意図されるこれらの配列における修飾も含む抗体(または抗体成分)を指すように使用される。いくつかの実施形態では、「ヒト化」抗体(または抗体成分)は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、ヒト抗体と実質的に同じアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域及び非ヒト抗体と実質的に同じアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を有するものである。ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン(即ち、ドナー免疫グロブリン)のものに相当し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、典型的にはヒト免疫グロブリン定常領域のものである、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖及び重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含む。抗体は、重鎖定常領域のC1、ヒンジ、C2、C3、及び任意にC4領域も含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化V領域のみを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化V領域のみを含む。いくつかのある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化V及びV領域を含む。
同一性:本明細書で使用する場合、用語「同一性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体の関係性を意味する。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、その配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「実質的に同一」であるとみなされる。2つの核酸またはポリペプチド配列の同一性パーセントの計算は、例えば、最適な比較目的のために、2つの配列をアラインすることにより実施することができる(例えば、最適アラインメントのために、第1及び第2配列の1つまたは両方にギャップを導入することができ、同一でない配列を、比較目的のために無視することができる)。ある特定の実施形態では、比較目的のためにアラインされた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次に、対応する位置におけるヌクレオチドを比較する。第1配列内の位置が、第2配列内の対応する位置と同じ残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)により占められている場合、分子はその位置において同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの数、及び2つの配列の最適な整列のために導入する必要がある各ギャップの長さを考慮した配列によって共有される同一の位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている、Meyers and Miller(CABIOS,1989,4:11-17)のアルゴリズムを使用して測定することができる。いくつかの例示的な実施形態では、ALIGNプログラムにより作製した核酸配列比較では、PAM120の重量残基表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を用いる。あるいは、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して測定することができる。
「改善する」、「増加する」、「阻害する」、または「低下する」:本明細書で使用する場合、用語「改善する」、「増加する」、「阻害する」、「低下する」、またはその文法的等価物は、ベースラインまたは他の参照測定値と比較した値を示す。いくつかの実施形態では、適切な参照測定値は、特定の薬剤もしくは治療の(例えば前、及び/または後)の不在下、または適切な同等の参照薬剤の存在下における、別の同等の条件下での、特定の系(例えば、1人の個体)における測定値であることができる、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、適切な参照測定値は、関連する薬剤または治療の存在下における、特定の応答をすることが知られている、または予想される、同等の系における測定値であることができる、またはこれを含むことができる。
インビトロ:本明細書で使用する場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物の内部ではなく人工環境、例えば、試験管内または反応容器内、細胞培養内などで生じる事象を指す。
インビボ:本明細書で使用する場合、「インビボ」という用語は、ヒト及び非ヒト動物などの多細胞生物内で発生する事象を指す。細胞ベースの系の文脈では、この用語は、生細胞内で生じる事象を指すために使用され得る(例えば、インビトロ系の反対である)。
単離された:本明細書で使用する場合、(1)最初に生成されたときにそれが会合していた構成成分の少なくともいくつかから分離された(天然において、及び/または実験環境においてのいずれか)、及び/または(2)人間の手によって設計、生成、調製、及び/または製造された物質及び/または要素を指す。単離された物質及び/または要素は、最初に会合した他の構成成分の、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超から分離することができる。いくつかの実施形態では、単離した薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%を超えて純粋である。本明細書で使用する場合、物質が実質的に他の構成成分を含まない場合、それは「純粋」である。いくつかの実施形態では、当業者により理解されるように、例えば、1種以上の担体または賦形剤(例えば、緩衝液、溶媒、水など)といったある特定の他の構成成分と組み合わされた後でも、物質は依然として、「単離されている」、または「純粋である」とみなされ得、そのような実施形態では、物質の単離パーセントまたは純度パーセントは、そのような担体または賦形剤を含めずに計算される。一例を示すと、いくつかの実施形態では、天然に生じるポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの生物学的ポリマーは、a)その由来または元となる供給源が、自然におけるその天然状態に付随する構成成分のいくつかまたは全てと関連しない、b)自然で当該ポリマーを産生する種と同一種の、他のポリペプチドまたは核酸を実質的に含まない、c)自然で当該ポリマーを作製する種ではない細胞または他の発現系に由来する構成成分により発現される、または別の場合においては、そのような構成成分と会合するときに、「単離されている」とみなされる。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、化学的に合成される、または自然に産生するものとは異なる細胞系で合成されるポリペプチドは、「単離された」ポリペプチドであるとみなされる。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、1つ以上の精製技術に供されているポリペプチドは、a)自然において会合する、及び/またはb)最初に産生されるときに会合した、他の構成成分から分離されている限り「単離された」ポリペプチドであるとみなされ得る。
:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合成分)の、そのパートナー(例えば、抗体またはその結合成分が結合するエピトープ)との複合体からの解離定数を意味する。
off:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合成分)の、そのパートナー(例えば、抗体またはその結合成分が結合するエピトープ)との複合体からの解離に対する解離速度定数を意味する。
on:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合成分)の、そのパートナー(例えば、抗体またはその結合成分が結合するエピトープ)との結合に対する結合速度定数を意味する。
リンカー:本明細書で使用する場合、異なる要素を互いに結合する、複数要素薬剤の当該部分を意味するために使用される。例えば、当業者は、構造が2つ以上の機能的または組織的ドメインを含むポリペプチドは、多くの場合、そのようなドメインの間に、当該ドメインを互いに結合する一続きのアミノ酸を含むことを理解する。いくつかの実施形態では、リンカー要素を含むポリペプチドは、一般形態S1-L-S2[式中、S1及びS2は、同一であっても異なっていてもよく、リンカーにより互いに結合した2つのドメインを示す。]の全体構造を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、堅い3次元構造をとるのではなく、ポリペプチドに柔軟性を付与する傾向にあることを特徴とする。ポリペプチドを組み換える際(例えば、融合ポリペプチド)に適切に使用可能な、様々な異なるリンカー要素が、当該技術分野において既知である(例えば、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure 2:1 121-1123を参照されたい)。
低親和性結合:本明細書で使用する場合、用語「低親和性結合」とは、特定のリガンドがそのパートナーに結合する強さの程度の低さを意味する。本明細書に記載するように、親和性は、当該技術分野において既知の方法を含む任意の利用可能な方法により測定することができる。いくつかの実施形態では、Kが約100pM以上(例えば、約200pM、300pM、400pM、500pM、600pM、700pM、800pM、900pM、1nM、1.1.nM、1.2nM、1.3nM、1.4nM、1.5nMなどを上回る)場合に、結合は低親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、親和性が、選択された参照ポリペプチドに対してよりも、目的のポリペプチドに対して同一以下(例えば、Kが同一以上)場合に、結合は、低親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドに対するKと、選択された参照ポリペプチドに対するKとの比が、1:1以上(例えば、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1.1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、またはそれ以上)である場合に、結合は低親和性であると考えられる。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドに対するKが、選択された参照ポリペプチドに対するKの100%以上(例えば、100%、105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%、140%、145%、150%、155%、160%、165%、170%、175%、180%、185%、190%、195%、200%、300%、400%、500%、1000%、またはそれ以上)である場合に、結合は低親和性であると考えられる。
変異体:本明細書で使用する場合、用語「変異体」とは、参照要素と著しい構造同一性を示す一方で、参照要素と比較して、1つ以上の化学部分の存在またはレベルにおいて、参照要素と構造が異なる要素を意味する。多くの実施形態では、変異体は、その参照配列とは、機能的にも異なる。一般に、特定の要素が、参照要素の「変異体」であると適切にみなされるか否かは、参照配列との構造同一性の程度に基づく。当業者に理解されるように、任意の生物学的または化学的参照要素は、ある特定の特徴的な構造要素を有する。定義によると、変異体は、1つ以上のそのような特徴的構造要素を共有する、異なる化学要素である。いくつかの例を示すと、低分子は、特徴的なコア構造要素(例えば、大環状分子コア)、及び/または1つ以上の特徴的なペンダント部分を有し得るために、低分子の変異体は、コア構造要素及び特徴的なペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分、及び/またはコア中に存在する結合の種類(単結合と二重結合、EとZなど)が異なるものとなり、ポリペプチドは、直線もしくは3次元空間にて、互いに指定の位置を有し、及び/または特定の生物学的機能に寄与する、複数のアミノ酸で構成される特徴的な配列エレメントを有し得、核酸は、直線または3次元空間にて、互いに指定の位置を有する、複数のヌクレオチド残基で構成される特徴的な配列エレメントを有し得る。例えば、変異体ポリペプチドは、アミノ酸配列における1つ以上の差、及び/またはポリペプチド主鎖に共有結合した、化学的部分(例えば、炭水化物、脂質など)における1つ以上の差の結果として、参照ポリペプチドとは異なり得る。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%である、参照ポリペプチドとの全体の配列同一性を示す。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1つの特徴的な配列エレメントを参照ポリペプチドと共有しない。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドは、1つ以上の生物活性を有する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物活性のうちの1つ以上を共有する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物活性のうちの1つ以上を欠く。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して、1つ以上の生物活性のレベルの低下を示す。
核酸:本明細書で使用する場合、最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれた、または組み込むことが可能である、任意の化合物及び/または物質を意味する。いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合によりオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれた、または組み込むことが可能な化合物及び/または物質である。文脈から明らかとなるように、いくつかの実施形態では、「核酸」とは、個別の核酸残基(例えば、ヌクレオチド及び/またはヌクレオシド)を意味し、いくつかの実施形態では、「核酸」とは、個別の核酸残基を含むオリゴヌクレオチド鎖を意味する。いくつかの実施形態では、「核酸」はRNAであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、「核酸」はDNAであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然核酸残基であるか、これを含むか、またはこれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の核酸類似体であるか、これを含むか、またはこれからなる。いくつかの実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル主鎖を利用しないという点で、核酸とは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の「ペプチド核酸」であるか、これを含むか、またはこれからなり、「ペプチド核酸」は、当技術分野において既知であり、主鎖にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有し、本発明の範囲内であるとみなされる。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合ではなく、1つ以上のホスホロチオエート及び/または5’-N-ホスホラミダイト結合を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、及びデオキシシチジン)であるか、これを含むか、またはこれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、インターカレート塩基、及びこれらの組み合わせ)であるか、これを含むか、またはこれからなる。いくつかの実施形態では、核酸は、天然核酸中の糖と比較して、1つ以上の修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、及びヘキソース)を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、RNAまたはタンパク質などの機能的遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のイントロンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、天然源からの単離、相補性鋳型に基づく重合による酵素合成(インビボまたはインビトロ)、組み換え細胞または系における再産生、及び化学合成のうちの1つ以上により調製される。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、またはそれ以上の残基長である。いくつかの実施形態では、核酸は部分的に、または完全に一本鎖であり、いくつかの実施形態では、核酸は部分的に、または完全に二本鎖である。いくつかの実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードする、またはポリペプチドをコードする配列の補体である、少なくとも1つの要素を含むヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は酵素活性を有する。
作動可能に連結された:本明細書で使用する場合、説明される構成成分が、意図する方法で機能させることを可能にする関係にある近位性を意味する。機能エレメントに「作動可能に連結された」調節エレメントは、機能エレメントの発現及び/または活性が、調節エレメントと適合可能な条件下で実現されるように会合する。いくつかの実施形態では、「作動可能に連結された」調節エレメントは、目的のコードエレメントと連続して(例えば、共有結合して)おり、いくつかの実施形態では、調節エレメントは、目的の機能エレメントにて、またはここから、trans、または別の様式で作用する。
患者:本明細書で使用する場合、用語「患者」とは、適用される組成物が、例えば、実験、診断、予防、化粧、及び/または治療目的のために投与される、または投与され得る、任意の生物を意味する。典型的な患者としては、動物(例えば、哺乳類、例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及び/またはヒト)が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の障害または病状を患う、またはこれに罹患しやすい。いくつかの実施形態では、患者は、障害または病状の1つ以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の障害または病状を診断されている。いくつかの実施形態では、疾患または病状は、がん、または1つ以上の腫瘍の存在であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、患者は、疾患、障害、または病状を診断及び/または治療するためのある特定の療法を受けている、または既に受けた。
ペプチド:本明細書で使用する場合、用語「ペプチド」とは、例えば、約100未満のアミノ酸、約50未満のアミノ酸、約40未満のアミノ酸、約30未満のアミノ酸、約25未満のアミノ酸、約20未満のアミノ酸、約15未満のアミノ酸、または約10未満のアミノ酸の長さを有する、通常比較的短いポリペプチドを意味する。
薬学的組成物:本明細書で使用する場合、用語「薬学的組成物」とは、活性剤が、1種以上の薬学的に許容される担体と共に製剤化された組成物を意味する。いくつかの実施形態では、活性剤は、関連する集団に投与した際に所定の治療効果を実現する、統計的に有意な確率を示す治療計画での投与に適切な単位用量で存在する。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、以下:経口投与、例えば、飲薬(水溶液もしくは非水溶液もしくは懸濁液)、錠剤、例えば、頬、舌下、及び体内吸収を標的にしたもの、大丸薬、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液、もしくは徐放性製剤としての例えば、皮下、筋肉内、静脈内、もしくは硬膜外注射による、非経口的投与;例えば、クリーム、軟膏、もしくは徐放性貼付剤、もしくは皮膚、肺、もしくは口腔に適用されるスプレーとしての局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、もしくはフォームとしての膣内もしくは直腸内;舌下;眼内;経皮;または経鼻、肺、及び他の粘膜表面に対して適したものを含む、固体または液体形態での投与に特化して製剤化することができる。
薬学的に許容される:本明細書で使用する場合、本明細書で開示する組成物を製剤化するために使用される担体、希釈剤、または賦形剤に適用される用語「薬学的に許容される」とは、当該担体、希釈剤、または賦形剤が、組成物の他の成分と適合性がなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
薬学的に許容される担体:本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される担体」とは、主題の化合物の、体のある器官または部分から、体の別の器官または部分への運搬または輸送に関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、または溶媒封入材料などの、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各々の担体は、製剤の他の成分と適合し、かつ患者に有害でないという意味において「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体としての役目を果たし得る物質のいくつかの例としては、乳糖、ブドウ糖、及びショ糖などの糖類;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び座剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱性物質除去水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物;ならびに薬学的製剤に用いられる他の非毒性の適合性材料が挙げられる。
ポリペプチド:本明細書で使用する場合、通常はペプチド結合により結合されている、任意のポリマー鎖の残基(例えば、アミノ酸)を意味する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然に発生するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然に発生しないアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、人の手の作用により設計及び/または作製されるという点で組み換えられたアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、またはこれらの両方を含むことができるか、またはこれからなることができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸のみ、または非天然アミノ酸のみを含むことができるか、またはこれからなることができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸、L-アミノ酸、またはこれらの両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸のみを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、L-アミノ酸のみを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、例えば、ポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、またはこれらの任意の組み合わせにおいて、1つ以上のアミノ酸側鎖を修飾する、またはこれに結合した、1つ以上のペンダント基または他の修飾を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのようなペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、PEG化など(これらの組み合わせを含む)からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは環状であることができる、及び/または環状部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは環状ではない、及び/またはあらゆる環状部分を含まない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは直鎖である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ステープルポリペプチドであることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、用語「ポリペプチド」は、参照ポリペプチド、活性、または構造の名前に付随し、そのような場合において、本用語は、本明細書においては、関連する活性または構造を共有するが故に、同一クラスまたはファミリーのポリペプチドのメンバーであるとみなすことができるポリペプチドを意味するために使用される。そのような各クラスに対して、本明細書は、アミノ酸配列及び/または機能が既知のクラス内の例示的なポリペプチドを提供する、及び/または当業者は、このことを認識するであろう。いくつかの実施形態では、そのような例示的ポリペプチドは、ポリペプチドクラスまたはファミリーに対する参照ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドクラスまたはファミリーのメンバーは、当該クラスの参照ポリペプチドと、いくつかの実施形態では、当該クラス内の全てのポリペプチドと著しい配列相同性もしくは同一性を示し、共通配列モチーフ(例えば、特徴的な配列エレメント)を共有し、及び/または共通の活性を(いくつかの実施形態では、同等のレベルで、もしくは指定の範囲内で)共有する。例えば、いくつかの実施形態では、メンバーのポリペプチドは、参照ポリペプチドとの配列相同性または同一性の、全体の程度少なくとも約30~40%、及び多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上を超え、及び/または多くの場合、90%、もしくはさらに、95%、96%、97%、98%、もしくは99%超の、非常に高い配列同一性を示す、少なくとも1つの領域(例えば、いくつかの実施形態では、特徴的な配列エレメントであり得る、またはこれを含み得る、保存領域)を示す。そのような保存領域は通常、少なくとも3~4個、及び多くの場合、最大20個以上のアミノ酸を包含し、いくつかの実施形態では、保存領域は、少なくとも一続きの、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個、またはそれ以上の連続アミノ酸を包含する。いくつかの実施形態では、有用なポリペプチドは、親ポリペプチドのフラグメントを含むことができるか、またはこれからなることができる。いくつかの実施形態では、有用なポリペプチドは、複数のフラグメントを含むことができるか、またはこれからなることができ、これらそれぞれは、目的のポリペプチドで発見されるものよりも、互いに比較して、異なる空間配置で、同じ親ポリペプチドにて発見される(例えば、親において直接結合するフラグメントは、目的のポリペプチドにおいては空間的に隔たれている、もしくは、その逆となる、及び/またはフラグメントは、親と比較して、目的のポリペプチドにおいて異なる順序で存在し得る)ため、目的のポリペプチドは、その親のポリペプチドの誘導体である。
組み換え:本明細書で使用する場合、組み換え手段により設計、組み換え、調製、発現、作製、操作、及び/または単離されるポリペプチド、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組み換え発現ベクターを使用して発現したポリペプチド、組み換えコンビナトリアルヒトポリペプチドライブラリーから単離されたポリペプチド(例えば、Hoogenboom,TIB Tech 15:62,1997;Azzazy Clin.Biochem.35:425,2002;Gavilondo BioTechniques 29:128,2002;Hoogenboom Immunology Today 21:371,2000)、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対してトランスジェニックな動物(例えば、マウスから単離された抗体(例えば、Taylor Nuc.Acids Res.20:6287,1992;Little Immunology Today 12:364,2000;Kellermann Curr.Opin.Biotechnol 13:593,2002;Murphy Proc.Natl Acad Sci USA 111:5153,2104を参照されたい)、または選択された配列エレメントを互いにスプライシングすることを伴う任意の他の手段により調製、発現、作製、もしくは単離されたポリペプチドを意味することが意図される。いくつかの実施形態では、そのような選択された配列エレメントのうちの1つ以上は、天然で発見される。いくつかの実施形態では、そのような選択された配列エレメントのうちの1つ以上は、インシリコで設計される。いくつかの実施形態では、1つ以上のそのような選択された配列エレメントは、例えば、天然または合成源からの、既知の配列エレメントの変異導入(例えば、インビボまたはインビトロ)から生じる。例えば、いくつかの実施形態では、組み換え抗体ポリペプチドは、対象となる供給源生物(例えば、ヒト、マウスなど)の生殖細胞系で発見される配列で構成される。いくつかの実施形態では、組み換え抗体は、(例えば、トランスジェニック動物における、例えば、インビトロまたはインビボでの)変異導入によりもたらされるアミノ酸配列を有するため、組み換え抗体のV及びV領域のアミノ酸配列は、生殖細胞系のV及びV配列に由来し、これに関連するものの、インビボでは生殖細胞系の抗体レパートリーには天然に存在し得ない配列である。
参照:本明細書で使用する場合、比較される標準または対照を指す。例えば、いくつかの実施形態では、目的の薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値は、参照または対照の薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値と比較される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、目的の試験または測定と実質的に同時に試験及び/または測定される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、場合により明確な媒体に具現化された、歴史的参照または対照である。通常、当業者により理解されるように、参照または対照は、これらの評価中に、同等の条件または状況にて測定または特性決定される。十分な同一性が存在し、特定の可能な参照または対照との依存及び/または比較を容認するタイミングを、当業者は理解するであろう。
応答:本明細書で使用する場合、治療に対する応答とは、治療の結果として生じる、または治療と相関する、対象の病状における任意の有益な変化を意味し得る。そのような変化としては、病状の安定化(例えば、治療が行われていない場合に生じたであろう悪化の予防)、病状の症状の軽減、及び/または病状の治癒の見込みの改善などを挙げることができる。応答とは、対象の応答、または腫瘍の応答を意味し得る。腫瘍または対象の応答は、臨床診断基準及び客観的基準を含む、多種多様の基準に従って測定することができる。応答を評価する技術としては、臨床検査、ポジトロン放射トモグラフィー、胸部X線CTスキャン、MRI、超音波、内視鏡検査、腹腔鏡検査、対象から入手した試料における腫瘍マーカーの存在もしくはレベル、細胞診断、及び/または組織診断が挙げられるが、これらに限定されない。これらの技術の多くは、腫瘍のサイズを測定する、または別の場合においては、全腫瘍量を測定することを試みる。治療に対する応答を評価するための方法及びガイドラインは、Therasse et.al.,“New guidelines to evaluate the response to treatment in solid tumors”,European Organization for Research and Treatment of Cancer,National Cancer Institute of the United States,National Cancer Institute of Canada,J.Natl.Cancer Inst.,2000,92(3):205-216において論じられている。厳密な応答基準は、任意の適切な方法で選択することができる。但し、腫瘍及び/または患者の群を比較する場合、比較される当該群は、応答率を測定するための同一、または同等の基準に基づき評価される。当業者は、適切な基準を選択することができるであろう。
試料:本明細書で使用する場合、用語「試料」とは通常、目的の供給源から入手した、またはこれに由来する、材料のアリコートを意味する。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生物学的または環境的供給源である。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、細胞、または微生物、植物、もしくは動物(例えば、ヒト)などの生物であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、目的の供給源は、生物学的組織または流体であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、生物学的組織または流体は、羊水、眼房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳び、粥状液(chime)、***液、内リンパ、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、心膜液、外リンパ、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、***、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、硝子体液、吐瀉物、及び/またはこれらの組み合わせもしくは成分(複数可)であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、細胞内液、細胞外液、血管内液(血漿)、間質液、リンパ液、及び/または細胞透過液であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、植物滲出液であることができるか、またはこれを含むことができる。いくつかの実施形態では、生物学的組織または試料は、例えば、吸引、生検(例えば、微細針または組織生検)、スワブ(例えば、口、鼻、皮膚、または膣スワブ)、掻き取り、手術、洗浄または灌注(例えば、気管支肺胞、管、鼻、眼、口、子宮、膣、または他の洗浄または灌注)により入手することができる。いくつかの実施形態では、生体試料は、個体から入手した細胞であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の供給源から直接に取得される「一次試料」である。いくつかの実施形態では、文脈から明らかであるように、用語「試料」は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1つ以上の成分を除去することによって、及び/または1つ以上の薬剤を添加することによって)、取得される調製物を指す。例えば、濾過は、半透膜を使用する。そのような「処理された試料」は、例えば、試料から抽出されたかあるいは一次試料を、例えば、核酸の増幅または逆転写、ある特定の成分の単離及び/または精製などの1つ以上の技術に供することによって取得された核酸またはタンパク質を含み得る。
充実性腫瘍:本明細書で使用する場合、用語「充実性腫瘍」とは、通常は嚢胞または液体領域を含有しない、異常な塊の組織を意味する。いくつかの実施形態では、充実性腫瘍は良性であることができ、いくつかの実施形態では、充実性腫瘍は悪性であることができる。異なる種類の充実性腫瘍は通常、それらを形成する細胞の種類に関して名前が付けられることを、当業者は理解するであろう。充実性腫瘍の例は、がん腫、リンパ腫、及び肉腫である。
対象:本明細書で使用する場合、用語「対象」とは、生物、通常は哺乳類(例えば、ヒト、いくつかの実施形態では、出生前のヒト形態を含む)を意味する。いくつかの実施形態では、対象は、関連する疾患、障害、または病状を患う。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病状に罹りやすい。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病状の1つ以上の症状または特徴を示す。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病状の任意の症状または特徴を示さない。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または病状に罹りやすい特徴のある1つ以上の形質を有する、またはそのリスクのある人である。いくつかの実施形態では、対象は患者である。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/または療法が投与される、及び/または投与されている個体である。
実質的に:本明細書で使用する場合、「実質的に」という用語は、対象とする特徴もしくは性質の全てまたはほぼ全ての範囲もしくは程度を表す定性的状態を指す。生物学分野における当業者には、生物学的及び化学的な現象が、あるとしてもめったに完全にまで至らないか及び/または完全性まで進まないかあるいは確かな結果に達しないまたはそれを回避しないものと理解されよう。「実質的に」という用語は、したがって、本明細書において、多くの生物学的及び化学的な現象に内在する潜在的な完全性の欠如を表現するために使用される。
実質的同一性:本明細書で使用する場合、アミノ酸または核酸配列間の比較を意味する。当業者に理解されるように、2つの配列は通常、対応する位置に同一の残基を含有する場合、「実質的に同一」とみなされる。当該技術分野において周知であるように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびに、アミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI-BLASTなどの、商業コンピュータープログラムにて利用可能なものを含む、様々なアルゴリズムのいずれかを使用して比較することができる。例示的なそのようなプログラムは、Altschul et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403-410,1990;Altschul et al.,Methods in Enzymology;Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402,1997;Baxevanis et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;及びMisener,et al,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。同一配列の識別に加えて、上述したプログラムは通常、同一性の程度の指標をもたらす。いくつかの実施形態では、2つの配列は、その対応する残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上が、関連する一続きの残基にまたがり同一である場合に、実質的に同一であるとみなされる。いくつかの実施形態では、関連する一続きは完全な配列である。いくつかの実施形態では、関連する一続きは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個、またはそれ以上の残基である。CDRの文脈において、「実質的同一性」への言及は通常、参照CDRのアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有するCDRを意味する。
実質的な配列相同性:語句「実質的相同性」は、本明細書において、アミノ酸または核酸配列間の比較を意味するために使用される。当業者に理解されるように、2つの配列は通常、対応する位置に相同の残基を含有する場合、「実質的に相同」とみなされる。相同な残基は、同一の残基であってよい。あるいは、相同な残基は、適切な類似の構造的、及び/または機能的特徴を有する、非同一の残基であってよい。例えば、当業者により周知されているように、ある特定のアミノ酸は通常、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして分類される。あるアミノ酸を別の同一種と置換することは、多くの場合「相同」置換と考えられる。典型的なアミノ酸の分類を、以下にまとめる:

Figure 2023516388000004
Figure 2023516388000005
当該技術分野において周知であるように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびに、アミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI-BLASTなどの、商業コンピュータープログラムにて利用可能なものを含む、様々なアルゴリズムのいずれかを使用して比較することができる。例示的なそのようなプログラムは、Altschul et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403-410,1990;Altschul et al.,Methods in Enzymology;Altschul et al.,“Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs”,Nucleic Acids Res.25:3389-3402,1997;Baxevanis et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;及びMisener,et al,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。相同配列の識別に加えて、上述したプログラムは通常、相同性の程度の指標をもたらす。いくつかの実施形態では、対応する残基の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上が、関連する一続きの残基にまたがり相同である場合に、2つの配列は実質的に相同であるとみなされる。いくつかの実施形態では、関連する一続きは完全な配列である。いくつかの実施形態では、関連する一続きは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも325、少なくとも350、少なくとも375、少なくとも400、少なくとも425、少なくとも450、少なくとも475、少なくとも500個、またはそれ以上の残基である。
実質的同一性:語句「実質的同一性」は、本明細書において、アミノ酸または核酸配列間の比較を意味するために使用される。当業者に理解されるように、2つの配列は通常、対応する位置に同一の残基を含有する場合、「実質的に同一」とみなされる。当該技術分野において周知であるように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびに、アミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI-BLASTなどの、商業コンピュータープログラムにて利用可能なものを含む、様々なアルゴリズムのいずれかを使用して比較することができる。例示的なそのようなプログラムは、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403-410,1990;Altschul,et al.,Methods in Enzymology;Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402,1997;Baxevanis et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;及びMisener,et al,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。同一配列の識別に加えて、上述したプログラムは通常、同一性の程度の指標をもたらす。いくつかの実施形態では、2つの配列は、その対応する残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上が、関連する一続きの残基にまたがり同一である場合に、実質的に同一であるとみなされる。いくつかの実施形態では、関連する一続きは完全な配列である。いくつかの実施形態では、関連する一続きは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個、またはそれ以上の残基である。
標的:本明細書で使用する場合、用語「標的」とは一般に、関連する条件下での(例えば、生物学的文脈における、及び/または1つ以上の特定の競合因子の存在下における)特異的結合を意味する。
治療薬:本明細書で使用する場合、語句「治療薬」とは一般に、生物に投与されたときに所望の薬理学的効果を誘発する、任意の薬剤を意味する。いくつかの実施形態では、薬剤は、適切な集団において、統計的に有意な影響を示す場合に、治療薬であるとみなされる。いくつかの実施形態では、適切な集団は、モデル生物の集団であることができる。いくつかの実施形態では、適切な集団は、様々な基準、例えば、ある特定の年齢群、性別、遺伝的背景、予め存在する臨床状態などにより定義することができる。いくつかの実施形態では、治療薬は、疾患、障害、及び/または病状の1つ以上の症状または形質を軽減する、改善する、緩和する、阻害する、予防する、その開始を遅らせる、その重症度を低下させる、及び/またはその発生を低下させるために使用可能な物質である。いくつかの実施形態では、「治療薬」は、ヒトに投与するために市場に流通させることができる前に、政府機関により認可されている、または認可される必要がある薬剤である。いくつかの実施形態では、「治療薬」は、ヒトへの投与のために処方箋が必要とされる薬剤である。
治療に有効な量:本明細書で使用する場合、用語「治療に有効な量」とは、治療用投与計画に従い、疾患、障害及び/または病状に苦しむ、または疾患、障害もしくは病状が疑われる集団に投与した際に、当該疾患、障害及び/または病状を治療するのに十分な量を意味する。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は、疾患、障害、及び/または病状の1つ以上の症状の発生及び/または重症度を低下させる、その1つ以上の特徴を安定化させる、及び/またはその開始を遅らせる量である。用語「治療に有効な量」では、実際には、特定の個体で治療の成功が実現されることを必要とされないことを、当業者は理解するであろう。むしろ、治療に有効な量は、そのような治療を必要とする患者に投与した際に、著しい数の対象において、特定の所望される薬理学的応答をもたらす量であることができる。例えば、いくつかの実施形態では、用語「治療に有効な量」とは、本発明の療法の文脈において、治療を必要とする個体に投与した際に、上記個体で生じる、疾患(例えば、がん)を進行させるプロセスを遮断、安定化、弱毒化、もしくは反転させる、または上記個体で、疾患(例えば、がん)を抑制するプロセスを向上もしくは増加させる、量を意味する。がん治療の文脈において、「治療に有効な量」とは、がんと診断された個体に投与した際に、そのようながんの、個体でのさらなる進行を予防、安定化、阻害、または低下させる、量である。本明細書に記載する、特に好ましい「治療に有効な量」の組成物は、悪性腫瘍(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣悪性腫瘍などのがん)の進行を(治療的処置において)反転させる、または悪性腫瘍の寛解を実現もしくは延長するのに役立つ。個体において、がん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)を治療するために当該個体に投与される治療に有効な量は、転移の寛解または阻害を促進するために投与された治療に有効な量と同一、または異なっていてよい。大部分のがん治療法と同様に、本明細書に記載する治療法は、そのようながんの「治癒」として解釈される、それに制限される、または別の場合においては、それに限定されるものであってはならない。むしろ、治療方法は、がん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)を「治療」する、即ち、そのようながんを有する個体の健康の、望ましい、または有益な変化をもたらす、記載された組成物の使用に関する。そのような恩恵は、腫瘍学分野の、技量を有するヘルスケアプロバイダーにより認識され、恩恵としては、患者の病状の安定化、腫瘍サイズの低下(腫瘍後退)、生命機能の改善(例えば、がん組織または器官の機能の改善)、さらなる転移の低下または阻害、日和見感染の低下、生存能力の増加、痛みの減少、運動機能の改善、認知機能の改善、エネルギーの感覚の改善(生命力、倦怠感の低下)、健康の感覚の改善、正常な食欲の回復、健常な体重増加の回復、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、(例えば、本明細書に記載する治療の結果としての)個体における特定の腫瘍の後退は、治療の過程において、腫瘍(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣腫瘍などの充実性腫瘍)の部位からがん細胞の試料を採取すること、ならびに、がん細胞での代謝及びシグナル伝達マーカーのレベルを試験して、がん細胞の状態を監視し、分子レベルで、がん細胞がより悪性の少ないフェノタイプに後退することを確認することによってもまた評価することができる。例えば、本発明の方法を用いることで誘発される腫瘍後退は、上述した血管新生誘導マーカーのいずれかの減少、本明細書に記載する抗血管新生マーカーの増加、代謝経路の正常化(即ち、そのようながんを患っていない正常な個体で発見される状態への変化)、細胞間シグナル伝達経路、またはがん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)と診断された個体における、異常な活性を示す細胞内シグナル伝達経路を発見することにより示される。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は単回用量で製剤化及び/または投与されることができることを、当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は、例えば、投与計画の一部として、複数の用量で製剤化及び/または投与されることができる。
治療する:本明細書で使用する場合、用語「治療する」、「治療」、または「治療すること」とは、疾患、障害、及び/または病状の1つ以上の症状または形質の発生及び/または重症度における、部分的な、または完全な緩和、軽減、開始の遅延、阻害、予防、開放、及び/または減少を意味する。いくつかの実施形態では、治療は、疾患、障害、及び/または病状の徴候または形質を示さない対象に実施することができる(例えば、予防のためのものであることができる)。いくつかの実施形態では、治療は、例えば、疾患、障害、及び/または病状と関連する病理の進行リスクを低下させるために、疾患、障害、及び/または病状の、初期の、または穏やかな徴候または形質のみを示す対象に投与することができる。いくつかの実施形態では、治療は、疾患、障害、または病状の確立された、深刻な、及び/または後期の徴候を示す対象に実施することができる。
治療:本明細書で使用する場合、用語「治療」(同様に「治療する」または「治療すること」)は、特定の疾患、障害、及び/または病状の1つ以上の症状、特徴、及び/または原因を、部分的または完全に、軽減し、改善し、緩和し、阻害し、それらの発症を遅延させ、それらの重症度を低減し、及び/またはそれらの発生率を低減する治療法の任意の実施を指す。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連する疾患、障害、及び/または病状の徴候を示さない対象のもの、及び/または当該疾患、障害、及び/または病状の初期徴候のみを示す対象のものであり得る。あるいは、またはさらに、そのような治療は、関連する疾患、障害、及び/または病状の1つ以上の確立された徴候を示す対象のものであり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または病状に罹患していると診断された対象のものであり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または病状の発症リスクの増加と統計的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが既知の対象のものであり得る。
腫瘍:本明細書で使用する場合、用語「腫瘍」とは、細胞または組織の異常増殖を意味する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、前がん性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び/または非転移性である細胞を含むことができる。いくつかの実施形態では、腫瘍は、がんと関連があるか、またはがんの徴候である。いくつかの実施形態では、腫瘍は、分散腫瘍または液性腫瘍であり得る。いくつかの実施形態では、腫瘍は、充実性腫瘍であり得る。
バリアント:本明細書で使用する場合、用語「バリアント」とは、参照要素と著しい構造同一性を示す一方で、参照要素と比較して、1つ以上の化学部分の存在またはレベルにおいて、参照要素と構造が異なる要素を意味する。多くの実施形態では、バリアントは、その参照配列とは、機能的にも異なる。一般に、特定の要素が、参照要素の「バリアント」であると適切にみなされるか否かは、参照配列との構造同一性の程度に基づく。当業者に理解されるように、任意の生物学的または化学的参照要素は、ある特定の特徴的な構造要素を有する。定義によると、バリアントは、1つ以上のそのような特徴的構造要素を共有する、異なる化学要素である。いくつかの例を示すと、低分子は、特徴的なコア構造要素(例えば、大環状分子コア)、及び/または1つ以上の特徴的なペンダント部分を有し得るために、低分子のバリアントは、コア構造要素及び特徴的なペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分、及び/またはコア中に存在する結合の種類(単結合と二重結合、EとZなど)が異なるものとなり、ポリペプチドは、直線もしくは3次元空間にて、互いに指定の位置を有し、及び/または特定の生物学的機能に寄与する、複数のアミノ酸で構成される特徴的な配列エレメントを有し得、核酸は、直線または3次元空間にて、互いに指定の位置を有する、複数のヌクレオチド残基で構成される特徴的な配列エレメントを有し得る。例えば、バリアントポリペプチドは、アミノ酸配列における1つ以上の差、及び/またはポリペプチド主鎖に共有結合した、化学的部分(例えば、炭水化物、脂質など)における1つ以上の差の結果として、参照ポリペプチドとは異なり得る。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%である、参照ポリペプチドとの全体の配列同一性を示す。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、少なくとも1つの特徴的な配列エレメントを参照ポリペプチドと共有しない。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドは、1つ以上の生物活性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物活性のうちの1つ以上を共有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物活性のうちの1つ以上を欠く。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して、1つ以上の生物活性のレベルの低下を示す。多くの実施形態では、目的のポリペプチドは、目的のポリペプチドが、親のポリペプチドと同一であるアミノ酸配列を有するが、特定の位置では、少数の配列変化を有する場合に、親または参照ポリペプチドの「バリアント」であるとみなされる。通常、バリアント中の残基の20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満が、親と比較して置換されている。いくつかの実施形態では、バリアントは、親と比較して、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の、置換された残基を有する。多くの場合、バリアントは、非常に少数(例えば、5、4、3、2、または1個未満)の、置換された機能的残基(即ち、特定の生物活性に関与する残基)を有する。さらに、バリアントは通常、5、4、3、2、または1個以下の付加または欠失を有し、多くの場合、親と比較して、付加または欠失を有しない。さらに、任意の付加または欠失は通常、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約10、約9、約8、約7、約6個未満であり、一般的に、約5、約4、約3、または約2個の残基より少ない。いくつかの実施形態では、親または参照ポリペプチドは、天然に発見されるものである。当業者により理解されるように、特定の目的のポリペプチドの複数のバリアントは、特に、目的のポリペプチドが病原菌ポリペプチドである場合に、一般的に天然に発見され得る。
ある特定の実施形態の詳細な説明
本発明は、CCR8を標的化することによる、及び/またはCCR8を標的化する有用ながん治療薬及び/または診断薬を識別及び/または特性決定するための、がん治療のための方法及び組成物を提供する。
Treg及び免疫回避
充実性腫瘍の微小環境は、様々な免疫細胞を含有する。包括的なヒト及びマウス実験研究は、腫瘍の中にある免疫細胞の種類及び性質が、臨床応答に影響を及ぼすことを示唆する。特に、制御性T(Treg)細胞の存在は、黒色腫、乳、胃、卵巣、膵臓、及び他のがんの種類における、不十分な臨床的アウトカムと関連する一方で、高いCD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)密度は、いくつかのがんの種類における生残の改善と相関する。ヒト結腸腫瘍の大型コホートにおいて、免疫パラメーター(種類、密度、腫瘍内での免疫細胞の位置)は、ステージングに用いた現在の組織病理学法よりも、良好な生残予想因子であった。
制御性T細胞(Treg)は、自己免疫の制御、病原体への免疫応答により引き起こされる、過剰な炎症の鎮静化、及び母体-胎児耐性の維持に必要なCD4 T細胞のサブセットである。制御性T細胞(Treg)は、ホメオスタシスの維持、炎症反応の規模及び期間の制御、ならびに、自己免疫及びアレルギー反応の予防において重要である。Tregには、2つの主な分類:自然Treg及び末梢Tregがある。自然Treg(nTreg)は、胸腺で生成されるT細胞のクラスである一方で、末梢Treg(pTreg)は、少用量の抗原などのシグナル、ある特定の微生物の存在、リンパ球減少に応答して、または場合によっては、未成熟樹状細胞による活性化により、ナイーブT細胞から末梢部において発達する。場合によっては、pTregは、炎症状態、特に、少なくとも部分的には、nTreg細胞が存在しないことが原因となり得る状態に応答して生成されると考えられている。
フォークヘッドボックスP3転写因子(Foxp3)は、Tregの分化及び活性において、鍵となる制御因子であることが示されている。実際、Foxp3遺伝子における機能喪失変異は、致死性のIPEX症候群(免疫調節異常、多腺性内分泌障害、腸疾患、X連鎖)を導くことが示されている。IPEXを患う患者は、深刻な自己免疫応答、持続性湿疹、及び大腸炎に苦しむ。
一般に、Tregは主に、免疫応答の抑制に関与すると考えられており、部分的には、免疫系に対する「自己チェック」として、過剰な反応を予防する機能を持っている。具体的には、Tregは、自己抗原、無害な薬剤(例えば、花粉または食物)に対する耐性の維持、及び自己免疫疾患の排除に関与する。
Tregは、限定されるものではないが、消化管、皮膚、肺、及び肝臓を含む、全身で見出される。加えて、Treg細胞は、脾臓、リンパ節、及びさらに、脂肪組織などの、外部環境に直接曝されていない、体のある特定の区画でもまた見出され得る。これらのTreg細胞集団のそれぞれは、1つ以上の固有の形質を有することが知られている、またはそのように疑われており、追加の情報は、Lehtimaki and Lahesmaa(Regulatory T cells control immune responses through their non-redundant tissue specific features,Frontiers in Immunol.,4(294):1-10,2013)に見出され得、その開示は本明細書により、その全体が組み込まれている。
通常、制御性T細胞は、適切な活性化及び成長のために、TGF-β及びIL-2を必要とすることが知られている。TGF-βシグナル伝達の遮断は、Tregの欠損症の結果として、全身性炎症疾患をもたらすことが知られており、IL-2ノックアウトマウスは、Tregを成長させることができないことが示されている。TGF-βは、T細胞をTreg系列に分化させる転写因子である、Foxp3を刺激することが知られているため、特に重要であり得る。
Tregは、共に強力な免疫抑制サイトカインである、IL-10及びTGF-βを産生することが知られている。加えて、Tregは、抗原提示細胞(APC)がT細胞を刺激する能力を阻害することが知られている。APC阻害に関して提示されているあるメカニズムは、CTLA-4を介するものであり、これは、Foxp3 Tregにより発現される。CTLA-4は、APC上でB7分子に結合可能であり、B7の利用可能性の低下をもたらす内在化、及び免疫応答に対する十分な同時刺激をもたらすことができないことを引き起こすことにより、これらの分子を遮断するか、または取り除くかのいずれかが可能であると考えられている。Tregの起源、分化、及び機能に関するさらなる考察は、Dhamne et al.,Peripheral and thymic Foxp3+ regulatory T cells in search of origin,distinction,and function,2013,Frontiers in Immunol.,4(253):1-11に見出すことができ、その開示は、本明細書によりその全体が組み込まれている。
Tregは、末梢性寛容の維持に重要である一方で、その強力な免疫制御特性は、エフェクター応答を阻害することにより、多数の種類の悪性腫瘍の進行を促進する可能性がある。ある特定のがん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)に対して、多数のTreg細胞の存在が、不十分なアウトカムと相関する。したがって、腫瘍浸潤リンパ球間でのTregの発生は、疾患段階と共に増加することが、ヒトの乳癌の臨床評価により明らかとなる。乳腫瘍浸潤Tregの数の減少は、ネオアジュバント化学療法に対する病理学的応答と正に相関する。進行したマウス乳腫瘍における、Tregの特異的な切除は、腫瘍増殖の著しい遅延、及び転移負荷の劇的な低下をもたらすことを、以前のデータは示す。Bos PD,et al.,J Exp Med 2013;210(11):2435-66を参照されたい。前述のとおり、CCR8は、腫瘍浸潤Treg細胞に対して特異的な、有用な標的である。Immunity.2016 Nov 15;45(5):1122-1134、及び米国特許第10,087,259号を参照されたい。いくつかの実施形態では、CCR8は、腫瘍浸潤Treg細胞にて、例えば、それ以外では同等の非腫瘍組織(複数可)または細胞(複数可)に存在するTregでのCCR8の発現と比較して、上方制御され得る。
CCR8
CCR8は、β-ケモカイン受容体ファミリーのメンバーであり、Gタンパク質結合受容体に類似する、7個の膜貫通タンパク質であることが予想されている。ケモカイン及びその受容体は、様々な細胞型が炎症部位に移動するのに重要であることが知られている。
CCR8は、単核細胞走化性及び胸腺細胞アポトーシスの制御において役割を果たすことが報告されている。より具体的には、CCR8は、リンパ組織の抗原投与部位及び特別な領域内で、活性化T細胞を適切に位置付けるのに寄与し得ることが示唆されている。
ヒトにおいては、CCR8をコードする遺伝子はケモカイン受容体遺伝子クラスター領域3p22に位置する。
CCR8の識別されたリガンドとしては、その天然コグネートリガンド、CCL1(I-309とも呼ばれる)、胸腺活性制御サイトカイン(TARC)、及びマクロファージ炎症性タンパク質-1β(MIP-1β)が挙げられる。
CCR8は、胸腺で優先的に発現し、最近の報告では、その発現は、ヒトのがん組織で増加し、主に腫瘍関連マクロファージに限定されていることが示されている(Eruslanov et al,Clin Cancer Res.19:1670,Epub 2013 Jan 30を参照されたい)。本開示は、実際には、CCR8は、特にTreg細胞で、より具体的には、腫瘍浸潤Tregで発現することを認識する。本開示は具体的には、CCR8は、他の腫瘍浸潤T細胞サブセット(即ち、腫瘍浸潤CD4及びCD8 T細胞)と比較して、特に腫瘍浸潤Tregで発現することを教示し、CCR8は、そのような腫瘍浸潤Treg細胞の枯渇を媒介するための効果的な標的として役割を果たすことができることを示す。
抗CCR8剤
CCR8が、Treg細胞、特に腫瘍浸潤Treg細胞の特異的な枯渇を実現するために、効果的に標的化可能であるという教示の観点から、当業者は、様々な適切な薬剤のいずれかを使用して、CCR8を標的化し、そのような枯渇を達成可能であることを理解するであろう。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するための抗CCR8剤は、抗体剤であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、CCR8特異的抗体、または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、細胞の表面で発見されるCCR8ポリペプチドに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、Treg細胞の表面で発見されるCCR8ポリペプチドに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、腫瘍に浸潤しているTreg細胞の表面で発見されるCCR8ポリペプチドに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、ヒトCCR8ポリペプチドに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗体剤は、カニクイザルCCR8ポリペプチドに結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8の結合について、任意の他の薬剤、抗体、またはリガンドと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8の結合についてCCL1と競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8の結合についてビロカインMC148Rと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8の結合について、他の既知の抗CCR8結合抗体またはそのフラグメントと競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8の結合について、抗ヒトCCR8抗体クローンのL263G8と競合する、抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、ADCCを活性化する抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号1~14のうちの1つ以上を含む重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号15~25のうちの1つ以上を含む軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号38に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号39に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号40に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号41に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号42に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号43に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変重鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号44に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号45に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号46に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号47に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号48に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号49に対して80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する可変軽鎖を含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、配列番号6~9から選択される配列、配列番号10~14から選択される配列、配列番号1~5から選択される配列のそれぞれを含むアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含み、軽鎖可変ドメインは、配列番号15~18から選択される配列、配列番号19~21から選択される配列、及び配列番号22~25から選択される配列のそれぞれを含むアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、CCR8に結合することが示される場合に、CCR8を標的化するとみなされる。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、参照抗CCR8抗体(例えば、抗CCR8クローンL263G8)と結合について競合する場合に、CCR8を標的化するとみなされる。
いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、本明細書に含まれる実施例で識別されるこれらの配列と、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有する配列(複数可)を含む抗体または抗原結合フラグメントであるか、またはこれを含む。
抗体剤のフォーマット
多種多様なフォーマットが抗体剤のために開発されており、これらのうちのいくつかは既に、臨床試験まで進んでいる(例えば、Scott AM et al.,2012で概説される)。いくつかの実施形態では、本発明に従って利用される抗体またはそのフラグメントは、インタクトなIgG、IgE、及びIgM、二重または多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など)、一本鎖Fv、ポリペプチド-Fc融合物、Fab、ラクダ抗体、マスク抗体(例えば、Probodies(登録商標))、低分子免疫薬剤(「SMIPs(商標)」)、一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標))、VHH、Anticalins(登録商標)、Nanobodies(登録商標)ミニボディ、BiTE(登録商標)、アンキリン反復タンパク質またはDARPINs(登録商標)、Avimers(登録商標)、DART、TCR様抗体、Adnectins(登録商標)、Affilins(登録商標)、Trans-bodies(登録商標)、Affibodies(登録商標)、TrimerX(登録商標)、MicroProteins、Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標)、CoVXボディ、二環式ペプチド、またはKunitzドメイン由来の抗体コンストラクトから選択されるフォーマットであるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体剤は、マスク抗体(例えば、Probody(登録商標))である。いくつかの実施形態では、そのようなフォーマットを使用することで、確実に、CCR8標的化が実質的に、または唯一、腫瘍環境で発生し、体内の他の箇所では生じなくなる。いくつかの実施形態では、そのようなフォーマットを使用することで特に、腫瘍に浸潤したTregでのCCR8の標的化が確実となる。
腫瘍
本明細書で提供する技術は、任意の腫瘍の治療に有用である。
いくつかの実施形態では、腫瘍は、乳癌、扁平上皮細胞癌、大腸癌、頭頸癌、肺癌、泌尿生殖器癌、直腸癌、胃癌、または食道癌を含むがこれらに限定されない充実性腫瘍である。いくつかの特定の実施形態では、腫瘍は、リンパ腫、乳腫瘍、結腸腫瘍、及び肺腫瘍から選択される。
用途及び使用
一般に、提供される抗CCR8剤は、別の潜在的な結合パートナーに結合する、及び/または別の潜在的な結合パートナーと(例えば、特定の腫瘍浸潤Treg細胞などの細胞内もしくは細胞上で)CCR8への結合に関して競合するのに有用である。いくつかの実施形態では、提供される抗CCR8剤は、がん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)の治療に有用である。いくつかの実施形態では、提供される抗CCR8剤は、腫瘍浸潤Treg細胞の枯渇を開始させる、枯渇を引き起こす、または枯渇において役割を果たすことにより、がん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣癌)の治療で有用である。
あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、提供される抗CCR8剤は、他のCCR8結合剤の開発及び/または特性決定に有用である。
提供される抗CCR8剤及び/またはその構成成分を含む、本明細書で提供する技術は、治療法(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣悪性腫瘍に対する治療法などの、がん治療法)、検出、及び薬剤開発を含む、様々な状況において用途を見出す。
治療薬
薬学的組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、抗CCR8剤を含む、及び/またはこれを送達する、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、抗体またはそのフラグメントであるか、またはこれを含む、抗CCR8剤を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、抗CCR8剤を送達する。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤の送達は、抗CCR8剤をコードする核酸の投与を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤の送達は、抗CCR8剤をコードするベクターの投与を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤の送達は、抗CCR8剤を発現する細胞の投与を含む。
投与
いくつかの実施形態では、本開示は、抗CCR8剤の投与を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の抗CCR8剤は、薬学的組成物中で投与される。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、腫瘍浸潤Tregなどの細胞(複数可)内または細胞(複数可)上で、例えば、CCR8への結合を可能にするのに十分な計画に従い投与される。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、腫瘍浸潤Tregの枯渇を可能にするのに十分な計画に従い投与される。いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は、試料中でCCR8の検出を可能にする、または実現するのに十分な計画に従い投与される。
組み合わせ
本開示を読むことで、当業者は、本明細書に記載するように、抗CCR8剤は、ある特定の実施形態では、例えば、化学療法剤、他の免疫賦活剤、放射線療法、高周波数超音波療法、手術などを含む、他の抗がん療法と組み合わせることができることを速やかに理解するであろう。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように、抗CCR8剤は、1種以上の他の治療剤またはモダリティと組み合わせて利用される。いくつかの実施形態では、1種以上の他の治療剤またはモダリティは、抗がん剤またはモダリティでもあり、いくつかの実施形態では、組み合わせは、がんの治療において相乗効果を示す。例えば、本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、抗CCR8剤による治療法は、抗腫瘍抗体療法と組み合わされる。
がんの治療において治療効果を示す、既知の化合物または治療としては、例えば、1種以上のアルキル化剤、代謝拮抗薬、微小管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞毒性抗生物質、血管新生阻害剤、免疫賦活剤、ワクチン、細胞ベース療法(例えば、同種異系または自己幹細胞移植)、臓器移植、放射線療法、手術などを挙げることができる。
製剤化及び投与
本発明に従って使用するための、(例えば、抗CCR8剤、抗腫瘍抗体、及び/または任意の他の治療用活性剤を含む)薬学的組成物は、当業者に既知の、及び/または当業者が利用可能な、様々な技術及び/または科学技術のいずれかを使用して、保管及び/または送達のために調製することができる。
いくつかの実施形態では、利用される剤(例えば、抗CCR8剤、抗腫瘍抗体、及び/または本発明に従って利用される任意の他の治療用活性剤)は、例えば、関連する適応症に関して、米国食品医薬品局(FDA)及び/または欧州医薬品庁(EMEA)などの管理当局により認可された投与計画に従い投与される。当業者は、例えば、様々な抗腫瘍抗原抗体を含む、様々な薬剤の認可された投与計画を認識するであろう、またはこれを速やかに判断可能であろう。
当業者は、本開示を読むと、本発明の範囲内である投与計画の様々な修正を理解するであろう。例えば、2~3例挙げると、いくつかの実施形態では、抗CCR8剤は単剤療法として利用される。いくつかのそのような実施形態では、1種以上の抗がん治療法(複数可)の追加が、特に有用であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明に従った投薬及び投与は、任意の、または様々な形態で、1種以上の生理学上許容できる担体、賦形剤、または安定剤と組み合わせた、所望の度合いの純度を有する活性剤を利用する。これらとしては、例えば、液体、半固体、及び固体剤形形態、例えば溶液(例えば注射可能な、及び注入可能な溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソーム、ならびに座薬が挙げられる。いくつかの実施形態では、好ましい形態は、意図する投与方法及び/または治療用途に左右され得る。典型的な好ましい組成物は、他の抗体によるヒトの受動免疫のために用いられるものと同様の組成物などの、注射可能な、または注入可能な溶液の形態である。
いくつかの実施形態では、成分(複数可)は、薬剤(複数可)を、急速な放出及び/または分解から守る、インプラント、経皮貼付剤、及びマイクロカプセル化デリバリーシステムを含む、制御放出製剤といった担体により調製することができる。ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。
一般に、各活性剤は、良好な医事と一致し、関連する薬剤(複数可)(例えば、抗体などの薬剤)に対して適切な、薬学的組成物及び投与計画を使用して、治療に有効な量で製剤化、用量化、及び投与される。活性剤を含有する薬学的組成物は、限定されるものではないが、経口、粘膜、吸入、局所、頬、鼻、直腸、または非経口(例えば、静脈内、注入、腫瘍内、リンパ節内、皮下、腹腔内、筋肉内、皮内、経皮、または対象の組織の物理的破裂を伴う投与、及び組織内の裂け目を経由する薬学的組成物の投与といった、他の種類の投与)を含む、当該技術分野において既知の任意の適切な方法により投与することができる。
いくつかの実施形態では、特定の活性剤に対する投与計画は、例えば、治療法を受ける対象における、目的の1つ以上の組織または流体における、特定の所望の薬物動態学的プロファイル、または他の曝露パターンを実現するために、断続的または連続した(例えば、灌流、または他の持続放出システムによる)投与を伴い得る。
いくつかの実施形態では、組み合わせて投与される異なる薬剤は、異なる送達経路により、及び/または異なるスケジュールに従って投与されることができる。あるいは、またはさらに、いくつかの実施形態では、第1の活性剤の1回以上の用量は、実質的に、1種以上の他の活性剤と同時に、ならびに、いくつかの実施形態では、これと共通の経路を介して、及び/または単一組成物の一部として投与される。
所与の治療計画に対する経路及び/または投与スケジュールを最適化する際に考慮されるべき因子としては、例えば、治療されている特定のがん(例えば、種類、ステージ、場所など)、対象の臨床状態(例えば、年齢、総体的な健康など)、薬剤の送達部位、薬剤(例えば、抗体または他のタンパク質ベースの化合物)の性質、薬剤の投与方式及び/または経路、併用療法の有無、ならびに、医師に知られている他の因子を挙げることができる。
当業者は例えば、送達経路(例えば、経口vs静脈内vs皮下vs腫瘍内、など)が、用量に影響を及ぼし得る、及び/または用量が、送達経路に影響を及ぼし得ることを理解するであろう。例えば、特定の部位または位置内(例えば、腫瘍内)における特に高濃度の薬剤が目的のものである場合、集中送達(例えば、この例では、腫瘍内送達)が望ましい場合がある、及び/または有用な場合がある。
本発明に従って提供した併用療法のいくつかの実施形態は、相乗効果を実現し、いくつかのそのような実施形態では、組み合わせて利用される1種以上の薬剤の用量は、当該薬剤が(例えば、単剤療法として、及び/または異なる併用療法の一部として)異なる治療計画で利用されるときに標準的である、好ましい、または必要なものとは、かなり異なり(例えば、少量であり)得る、及び/または代替経路により送達され得ることを、当業者はさらに理解するであろう。
いくつかの実施形態では、特定の薬学的組成物及び/または利用される投与計画の1つ以上の形質は、例えば、所望の治療効果または応答(例えば、関連する疾患(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣悪性腫瘍などのがん)特異的免疫応答と関連する、ADCC応答、または他の生体応答)を最適化するために、経時的に変化し得る(例えば、任意の個別用量における、活性量の増減、用量間での時間間隔の増減など)。
一般に、本発明に従った活性剤の投薬の種類、量、及び頻度は、関連する薬剤(複数可)が、哺乳類、好ましくはヒトに投与される際に適用される安全性及び有効性要件により管理される。一般に、治療法を欠いた中で観察されるものと比較して、特定の、及び典型的には検出可能な治療応答を提供するような投薬の特徴が選択される。本発明の文脈では、例示的な望ましい治療応答は、腫瘍増殖、腫瘍サイズ、転移、腫瘍と関連する症状及び副作用のうちの1つ以上の阻害及び/または低減、加えて、がん細胞のアポトーシスの増加を伴い得るが、これらに限定されない。そのような基準は、文献にて開示されている様々な免疫学的、細胞学的、及び他の方法のいずれかにより速やかに評価することができる。特に、単独での、またはさらなる薬剤と組み合わせた、抗CCR8剤の治療に有効な量は、がん細胞(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣悪性腫瘍など)の殺傷を向上させるのに十分なものとして決定することができる。
治療に有効な量の活性剤またはそれを含む組成物は、例えば、治療されている疾患または病状、疾患のステージ、治療されている哺乳類の年齢及び健康ならびに体調、疾患の重症度、投与されている具体的な化合物などの1つ以上の因子を考慮することを含む、当該技術分野において入手可能な技術を使用して速やかに決定することができる。
いくつかの実施形態では、治療に有効な量は、少なくとも約0.01Mg/kg体重、少なくとも約0.05Mg/kg体重;少なくとも約0.1Mg/kg体重、少なくとも約1Mg/kg体重、少なくとも約2.5Mg/kg体重、少なくとも約5Mg/kg体重、及び約100Mg/kg体重以下であり得る、活性剤の有効量(及び/または単位用量)である。いくつかの実施形態では、そのようなガイドラインは、活性剤の分子量に対して調節可能であることが、当業者により理解されるであろう。用量は、投与経路、治療サイクル、または結果的に、増加用量で第1剤、第2剤、及び/または第3剤を投与することと関連して、最大耐量及び用量制限毒性(存在する場合)を決定するために使用可能な用量増加プロトコルに対してもまた変化させることができる。結果的に、薬学的組成物中での各薬剤の相対量もまた変化し得、例えば、各組成物は、対応する剤の0.001%~100%(w/w)を含み得る。
治療用組成物は通常、製造及び保管条件下で滅菌状態であり、安定していなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、分散剤、リポソーム、または高い薬物濃度に適した他の規則構造として製剤化することができる。滅菌注射溶液は、必要量の抗体を上に挙げた成分の1つまたは組み合わせと共に適正な溶媒に組み込み、必要により、続いて濾過滅菌を行うことによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒及び上で列挙されたものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に組み込むことによって、調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合では、調製の好ましい方法は、活性成分の粉末に加えて、任意の追加の所望される成分が、事前に滅菌濾過されたその溶液から得られる、真空乾燥及び凍結乾燥技術である。溶液の妥当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散剤の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
各薬剤の製剤は、滅菌濾過膜を通す濾過により実現可能なように、望ましくは滅菌されているべきであり、次いで、ボーラス投与または連続投与に適した形態でパッケージされるか、または販売されるべきである。注射可能な製剤は、防腐剤を含有するアンプルまたは複数用量容器などの単位剤形で調製、パッケージ化、または販売することができる。非経口投与用製剤としては、懸濁液、溶液、油性または水性ビヒクル中のエマルション、ペースト、及び本明細書で論じる埋め込み可能な徐放性または生分解性製剤が挙げられるが、これらに限定されない。滅菌注射可能な製剤は、例えば水、または1,3ブタンジオールなどの、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒を使用して調製することができる。有用な、他の非経口投与可能な製剤としては、微晶質形態中に、リポソーム調製物中に、または生分解性ポリマー系の構成成分として、活性成分を含むものが挙げられる。持続放出性または埋め込み用組成物は、エマルション、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、または難溶性塩などの薬学的に許容されるポリマーまたは疎水性物質を含むことができる。
本発明に従って使用するための各薬学的組成物は、用いる用量及び濃度にて対象に無毒性である、薬学的に許容される分散剤、湿潤剤、沈殿防止剤、等張剤、コーティング剤、抗菌及び抗カビ剤、担体、賦形剤、塩、または安定剤を含むことができる。そのような追加の薬学的に許容される化合物の、非限定的な一覧としては、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩(酢酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド(thiethiodode)、及び吉草酸);防腐剤(例えば塩化オクタデシイジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;塩化ナトリウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは抗体などのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤が挙げられる[134]。いくつかの実施形態では、2つ以上の活性剤を、本発明に従って利用する場合、そのような薬剤は、同時にまたは連続的に投与することができる。いくつかの実施形態では、ある薬剤の投与は、別の薬剤の投与に対して、具体的に時間が合わせられる。例えば、いくつかの実施形態では、第1剤は、特定の効果が観察される(または例えば、所与の投与計画と、目的の具体的な効果との相関を示す集団研究に基づいて、観察されることが予想される)ように投与される。
いくつかの実施形態では、組み合わせて投与される薬剤の、所望の相対的な投与計画は、例えば、エクスビボ、インビボ、及び/またはインビトロモデルを使用して、実験により評価または測定することができ、いくつかの実施形態では、そのような評価または実験測定は、患者集団内で(例えば、相関が確立されるように)インビボで、またはあるいは、目的の特定の患者において行われる。
いくつかの実施形態では、本発明の実施において利用される1種以上の活性剤は、少なくとも2回のサイクルを含む断続的な投与計画に従い投与される。2種以上の薬剤が組み合わせて投与され、そのような断続的なサイクル計画によりそれぞれ投与される場合、異なる薬剤の個別の用量は、互いにかみ合い得る。いくつかの実施形態では、第2剤の1回以上の用量は、第1剤の投与後、一定期間経つと投与される。いくつかの実施形態では、第2剤の各用量は、第1剤の投与後、一定期間経つと投与される。いくつかの実施形態では、第1剤の各投与の一定期間の後に、第2剤の投与が続く。いくつかの実施形態では、第1剤の2回以上の用量は、第2剤の少なくとも一対の投与の間に投与され、いくつかの実施形態では、第2剤の2回以上の用量は、第1剤の少なくとも一対の投与の間に投与される。いくつかの実施形態では、異なる用量の同一の薬剤は、共通の時間間隔で隔てられ、いくつかの実施形態では、異なる用量の同一の薬剤の時間間隔は変化する。いくつかの実施形態では、異なる用量の異なる薬剤は、共通の時間間隔で互いに隔てられ、いくつかの実施形態では、異なる用量の異なる薬剤は、異なる時間間隔で互いに隔てられる。
検出
いくつかの実施形態では、本開示は、CCR8の検出に有用な抗CCR8剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、試料中でのCCR8の検出に有用な抗CCR8剤を提供する。いくつかの実施形態では、試料は、生体試料であることができる。いくつかの実施形態では、生体試料は、対象の試料であることができる。いくつかの実施形態では、生体試料は、対象の腫瘍に由来する試料(例えば、生検)であることができる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗CCR8剤は、検出可能な部分(例えば、検出可能な要素)をさらに含む。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は、(例えば、いくつかの実施形態では結合であり得る、リンカーを介して)抗CCR8剤に共有結合している。いくつかの実施形態では、検出可能部位は、蛍光性部分、放射性部分、または酵素部分である。当業者は、当該技術分野において利用可能な多くの検出可能な部分を認識するであろう。
実施例1:本明細書に記載するある特定の抗CCR8剤を識別及び/または特性決定するための材料及び方法
本実施例は、ある特定の抗CCR8剤、具体的には、本明細書に記載するCCR8に結合する、特定の抗体及び/またはその抗原結合要素を識別及び/または特性決定する方法を示す。本実施例は、本明細書に記載する抗体剤の関連する機能活性を測定及び/または特性決定する、様々な方法をさらに提供する。
抗体発見
本明細書に記載する抗体及び/または抗原結合要素を、酵母菌抗体発現ライブラリー、及びマウスの免疫化により生成したリンパ球のスクリーニングにより識別した。
マウスの免疫化
ヒト化抗CCR8抗体は、マウスを、ヒトCCR8を発現するプラスミド、及びヒトCCR8を発現する細胞株で免疫化し、その後、そのような免疫化マウスから、CCR8特異的抗体を発現するリンパ球を単離することにより生成した。
抗原及び免疫化
参照としてGenBank配列(NM_005201.4)を使用する、標準的な組み換え技術の手法を使用して調製したヒトCCR8抗原を、免疫化のために使用した。
注射及び電気穿孔法により、CCR8発現DNAプラスミドを、麻酔をかけた6~8週齢のBALB/cマウスの後肢に送達した。このDNA免疫化の後、CCR8を発現する約10個の細胞を腹膜(IP)投与することで、免疫応答をブーストした。様々な時点において、マウスの血漿を採取し、抗原に対して発生した免疫応答をアッセイした。
リンパ球の回復、及びFACSソート
免疫化マウスを、CO窒息及び頚椎脱臼を用いて、個別に安楽死させた。脾臓及び使用可能なリンパ節を収集し、PBS中で粉砕することにより、B細胞をリンパ組織から機械的に分離し、細胞を組織から放出した。遠心分離を用いてさらに分離する前に、細胞にPBSに懸濁した。
次に、細胞を30分間、氷上で抗体カクテルを用いて染色した。細胞を300gで10分間スピンダウンさせ、FACS緩衝液により再懸濁した。細胞をもう一度洗浄した後、B細胞を、BD FACS Fusion(BD Biosciences)を使用してシングルセルソートした。細胞を、20μL/ウェルの細胞溶解緩衝液[5μLの、5×第1鎖cDNA緩衝液(Invitrogen)、0.625μLのNP-40(New England Biolabs)、0.25μLのRNaseOUT(Invitrogen)、1.25μLのジチオスレイトール(Invitrogen)、及び12.6μLのdH2O]を含有する96ウェルPCRプレート(BioRAD)にソートした。プレートは、-80℃で速やかに保管した。
抗体可変遺伝子の増幅及びクローニング
抗体可変遺伝子(IgH及びIgK)を、以前に説明されている(Tiller et al.2009 J Immunol Methods 350:183-93)、IgG及びIgM特異的プライマーのカクテルを使用する逆転写PCR及びネステッドPCRにより増幅した。第2ラウンドのPCRで使用したプライマーは、分解された発現ベクターに対して5’及び3’相同性の40個の塩基対を含有し、これにより、相同組み換えによる、S.cerevisiaeへのクローニングが可能となった。化学的形質転換のための酢酸リチウム法を使用して、PCR産物をS.cerevisiaeにクローニングした(Gietz and Schiestl,Nat Protoc 2007)。10μLの非精製重鎖及び軽鎖PCR産物、及び200ngの分解された発現ベクターを、形質転換反応のために使用した。形質転換の後、個別の酵母菌クローンを発現のためにソートし、その後、配列決定及び特性決定のためにコロニーを選択した。
IgGの発現及び精製
Bornholdt et al.2016 Science 351:1078-83により説明されているように、IgGは、24ウェルプレートで増殖したS.cerevisiae培養液中で発現した。6日後、培養液を遠心分離により回収し、IgGをプロテインA-親和性クロマトグラフィーにより精製した。結合した抗体を、200mMの酢酸/50mMのNaCl(pH3.5)で、1/8の体積の2M Hepes(pH8.0)に溶出し、PBS(pH7.0)に緩衝液交換した。
酵母菌抗体ライブラリースクリーン
抗原の調製
ヒトCCR8(CHO-CCR8)を発現するCHO細胞、または空のベクターを安定してトランスフェクトしたCHO細胞(CHO-EV)を、EZ-Link Sulfo-NHS-Biotinylation Kit(Thermo Scientific,カタログ番号21425)を使用してビオチン化した。簡潔に述べると、細胞を、2.5×10細胞/mlの密度でPBSに再懸濁し、その後、10mg/mLの、ビオチン化試薬の原液を添加して、0.1mg/mLまで最終希釈した。細胞-ビオチン懸濁液を4℃で15分間、回転させながら保持した。インキュベーション後、細胞を、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する、PBSFとしても知られているPBS中で、500xgで5分間、3回洗浄し、溶液中の遊離ビオチンを取り除いた。細胞を選択緩衝液(2% BSA及び2mM EDTAを補充したPBS)に再構成し、2×10細胞/mlの終濃度にした。ビオチン化は、EA-PEを検出試薬として利用するフローサイトメトリーにより確認した。
ナイーブなライブラリー選択
約10の多様性の単一のナイーブな、ヒト合成酵母ライブラリーは、例えば、Y.Xu et al,PEDS 26(10),663-70(2013);WO2009036379;WO2010105256;及びWO2012009568に記載されているように増殖させた。
このライブラリーを、標的特異的結合剤を濃縮するために、2つの相補性磁気ビーズソート技術と組み合わせた、ビオチン化哺乳動物細胞:酵母菌パニングを使用する4ラウンドの選択に供した。ラウンド1(R1)では、選択緩衝液を回転させて、室温で20分間、8×10個のビオチン化CHO-EV細胞を用いての、ライブラリー当たり4×10個の細胞をインキュベートすることにより、ライブラリーのプレクリアを行った。インキュベーション後、ストレプトアビジンマイクロビーズ(2mL)を細胞-酵母菌混合物に添加し、回転させながら4℃で15分間、さらにインキュベートした。次に、混合物を、磁気QuadroMACSセパレーターに挿入したMiltenyi LSカラムにロードし、3mLの選択緩衝液で3回洗浄した。カラムからの溶出液(CHO細胞の非結合剤;プレクリアライブラリーとも呼ぶ)を収集し、選択緩衝液を回転させて、室温で20分間、3×10個のビオチン化CHO-CCR8細胞によりインキュベートした。インキュベーション後、ストレプトアビジンマイクロビーズ(1mL)を細胞-酵母菌混合物に添加し、回転させながら4℃で15分間、さらにインキュベートした。次に、混合物を、磁気QuadroMACSセパレーターに挿入したMiltenyi LSカラムにロードし、3mLの選択緩衝液で3回洗浄した。次に、カラムを磁石から取り外し、捕捉した複合体を、増殖のために、200mLの酵母菌増殖培地を含有するフラスコに溶出した。
ラウンド2(R2)は、以下の変化を伴って、R1と同じように行った:1e9個の酵母菌を、4e7個のビオチン化CHO-EV細胞で、Miltenyi LSカラム及び2.5mLのストレプトアビジンマイクロビーズを使用してプレクリアした。プレクリア後に残る酵母菌を、4e7個のビオチン化CHO-CCR8細胞、Miltenyi LSカラム、及び2.0mLのストレプトアビジンマイクロビーズでインキュベートした。
ラウンド3(R3)のプレクリアは、以下の変化を伴って、R1と同じように行った:2e9個の酵母菌を、1e8個のビオチン化CHO-EV細胞で、Miltenyi LSカラム及び5.0mLのストレプトアビジンマイクロビーズを使用してプレクリアした。プレクリアの完了後、1e9個の残りの酵母菌を、回転させながら4℃で15分間、1e8個のビオチン化CHO-CCR8細胞でインキュベートし、その後、1mLの予洗浄したM-280ストレプトアビジンダイナビーズ(カタログ番号60210)を、酵母菌/哺乳動物細胞複合体に添加し、20分間4℃でインキュベートした。次に、複合体を、DynaMag-2磁石を使用して分離し、未結合の上清を取り除いた。ビーズ/細胞複合体を、1mLの選択緩衝液で3回洗浄した。次に、捕捉した複合体を、増殖のために、酵母菌増殖培地を含有するフラスコに移した。
ラウンド4(R4)では、ある事例では、1e9個の酵母菌を、1e8個のビオチン化CHO-EV細胞上で正に選択した。別の事例において、1e9個の酵母菌を、1e8個のビオチン化CHO-CCR8細胞上で正に選択した。CHO-EV/酵母菌、及びCHO-CCR8/酵母菌の複合体を、回転させながら15分間、4℃でインキュベートし、その後、1mLの予洗浄したM-280ストレプトアビジンダイナビーズ(カタログ番号60210)を、酵母菌/哺乳動物細胞複合体に添加し、さらに20分間4℃でインキュベートした。次に、複合体を、DynaMag-2磁石を使用して分離し、未結合の上清を取り除いた。ビーズ/細胞複合体を、1mLの選択緩衝液で3回洗浄した。次に、捕捉した複合体を、増殖のために、酵母菌増殖培地を含有するフラスコに移した。この最終の選択ラウンドの後、酵母菌を希釈プレート処理し、個別のコロニーを特性決定のために選択した。あるいは、後述のように、選択出力を、次世代配列決定(NGS)及びバイオインフォマティクス分析に供し、CCR8特異的配列を識別した。
次世代配列決定
R3及びR4選択出力からの抗体重鎖を使用して、バーコード化DNAライブラリーを調製し、Illumina Miseqによる分析のために多重化し、標的特異的を予測する頻度の変化に関してクエリを実行した。
重鎖プラスミドをR3 CHO-CCR8出力、R4 CHO-EV出力、及びR4 CHO-CCR8出力から抽出した。SsoFast 2X EvaGreen Supermix(BioRad)及びBio-Rad CFX96 Real-Time PCR Detection System Thermocycleを使用して、重鎖DNAを検量線に対して定量した。定量すると、PCRによるIlluminaヌクレオチドバーコード配列の付加により、NGSアンプリコンライブラリーが生成された。PCRの後、産物をAline PCRClean DX SPRIビーズ(カタログ番号C-1003)に通して精製し、サイズ選択のために6% TBE PAGEに供した。完全長VHフラグメントをゲルから切除し、300mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)、及び1mMのEDTA中でのインキュベーション、その後、標準的なエタノール沈殿により、DNAを回収した。精製した重鎖DNAを、Kapa Biosystems製のKapa Library Quantificationキット(カタログ番号KK4824)を使用して定量した。試料を混合して、2nMを超える濃度で、多重化したバーコード化プールを生成し、Illumina MiSeqプラットフォーム及びMiSeq Kit v3(カタログ番号MS-102-3003)を使用して、対形成した末端の次世代配列決定に供した。MiSeqの生データを、Adimab LLCにより開発された、商標登録されたソフトウェアにより分析した。簡潔に述べると、対形成した末端のDNA読取り値を組み立て、まとめて、二項統計分析に供した。任意の所与の選択出力と、その対応する入力の頻度の変化に基づき、固有のVH配列の富化を計算した。CHO-CCR8特異的富化を示すVH配列をその後、gBlocks(IDT DNA)として注文し、親の軽鎖プラスミドを含有する酵母菌に形質転換した。
軽鎖の多様化
ナイーブ出力からの重鎖を使用して、さらなる選択ラウンドに使用する、軽鎖多様化ライブラリーを調製した。
重鎖プラスミドを酵母菌から抽出し、E.coliで増殖させた後、E.coliから精製し、約5×10の多様性を有する軽鎖ライブラリーに形質転換した。後述のように、わずかな変更を加えながら、ナイーブ発見に関して記載したように、これらのライブラリーで選択を実施した。
ラウンド1(R1):1e9個の酵母菌を、4e7個のビオチン化CHO-EV細胞で、Miltenyi LSカラム及び500μLのストレプトアビジンマイクロビーズを使用してプレクリアした。プレクリアの後、5e8個の残りの酵母菌を続いて、回転させながら4℃で15分間、2.5e7個のビオチン化CHO-CCR8細胞でインキュベートし、その後、500μLの予洗浄したM-280ストレプトアビジンダイナビーズ(カタログ番号60210)を、酵母菌/哺乳動物細胞複合体に添加し、20分間4℃でインキュベートした。次に、複合体を、DynaMag-2磁石を使用して分離し、未結合の上清を取り除いた。ビーズ/細胞複合体を、1mLの選択緩衝液で3回洗浄した。次に、捕捉した複合体を、増殖のために、酵母菌増殖培地を含有するフラスコに移した。
ラウンド2(R2)は、以下の変更を伴うものの、R1と同一であった:1e9個の酵母菌を、5e7個のビオチン化CHO-EV細胞でプレクリアした。プレクリアの後、5e8個の残りの酵母菌を続いて、5e7個のビオチン化CHO-CCR8細胞でインキュベートした。
ラウンド3(R3)は、Y.Xu et al,PEDS 26.10,663-70(2013)に記載されているように、ポリ特異性試薬(PSR)結合に対して対抗選択するフローサイトメトリーを使用することにより実施した。FACS ARIAソーター(BD Biosciences)、及びさらなる選択のために、増殖培地で増殖させた酵母菌を使用して、ソートを行った。
ラウンド4(R4)は、R2と同様に行った。この最終の選択ラウンドの後、酵母菌を希釈プレート処理し、個別のコロニーを特性決定のために選択した。
抗体最適化
後述のように、重鎖可変領域に多様性を導入することで抗体の最適化を行った。
CDRH2選択:オリゴを、CDRH2内で多様性を持たせて順序立てることで、CDRH2の多様化をもたらした。軽鎖多様化サイクルの最も良いIgGからの可変領域(FR1-FR2、FR3-FR4)を、CDRH3オリゴと組み合わせ、親の軽鎖プラスミドを含有する酵母菌に形質転換した。
CDRH3選択:オリゴを、CDRH3内で多様性を持たせて順序立てることで、CDRH3の多様化をもたらした。軽鎖多様化サイクルの最も良いIgGからの可変領域(FR1-FR3)を、CDRH3オリゴと組み合わせ、親の軽鎖プラスミドを含有する酵母菌に形質転換した。
全最適化サイクルに対して、ライブラリーの抗体発現及びPSR結合を評価し、その後、酵母菌を希釈プレート処理し、個別のコロニーを特性決定のために選択した。
抗体産生及び精製
酵母菌クローンを飽和するまで増殖させた後、振盪しながら、30℃で48時間誘発した。誘発後、酵母菌細胞をペレット処理し、精製のために上清を回収した。プロテインAカラムを使用してIgGを精製し、酢酸(pH2.0)で溶出した。Fabフラグメントをパパイン分解により生成し、KappaSelect(GE Healthcare LifeSciences)で精製した。
抗体の哺乳類発現
あるいは、抗体を新しい発現ベクターにサブクローニングした後、HEK内で一過性トランスフェクション及び発現を行うことにより、IgGの哺乳類発現を行った。簡潔に述べると、目的の抗体のVH及びVLを含有する発現ベクターを、トランスフェクション試薬により複合体化した後、1時間HEK細胞に曝露し、続いて、培養培地を、1mL当たり400万個の細胞の最終密度まで希釈することによりトランスフェクトした。次に、細胞を48時間毎に、新鮮な培地を供給して、6日間培養した。6日後、遠心分離により上清を収集し、プロテインAアガロース(MabSelect SuRe;GE Healthcare Life Sciences)に通した。次に、結合した抗体をPBSで洗浄し、緩衝液(200mMの酢酸/50mMのNaCl、pH3.5)で、1/8体積の2M Hepes(pH8.0)に溶出した。最終生成物を、25mMのHEPES、及び150mMの塩化ナトリウム(pH7.3)に緩衝液交換した。
多反応性アッセイ
多特異性試薬(PSR)結合を、前述したように評価した(Xu et al.2013 Protein Eng Des 26:663-70)。簡潔に述べると、可溶性膜タンパク質(SMP)、及び可溶性サイトゾルプロテイン(SCP)の画分を、CHO細胞から調製し、NHS-LC-ビオチン試薬(Pierce,ThermoFisher カタログ番号21336)でビオチン化した。200万個のIgG提示酵母菌を96ウェルアッセイプレートに移して、ペレット処理して上清を取り除き、その後、ペレットを、50μLの、ビオチン化SCPとSMPの1:10の希釈原液に再懸濁し、氷上で20分間インキュベートした。細胞を氷冷したPBSFで2回洗浄し、試料を氷上で20分間、50μLの二次標識ミックス(Extravadin-R-PE、ヤギF(ab’)2-抗ヒトκ-FITC、及びヨウ化プロピジウム)にてインキュベートした。試料の多特異度試薬結合を、HTS試料インジェクターを備えたFACSCanto II(BD Biosciences)を使用して分析した。R-PEチャネルで、平均蛍光強度(MFI)に対してフローサイトメトリーデータを分析し、低、中、及び高MFI値を示す3つの対照抗体に対して正規化した。したがって、PSRスコアは、一続きの対照IgGに対して値を正規化することで測定される。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)
本アッセイの方法論は、例えば、Xu Y,et al.(2013)Protein Eng Des Sel 26(10):663-670に記載された。簡潔に述べると、5μgのIgG試料(1mg/mL)を、移動相A溶液(1.8Mの硫酸アンモニウム、及び0.1Mのリン酸ナトリウム(pH6.5))でスパイクし、分析前に、約1Mの最終硫酸アンモニウム濃度を実現した。Sepax Proteomix HICブチル-NP5カラムを、移動相A及び移動相B溶液(0.1Mのリン酸ナトリウム、pH6.5)の直線勾配と共に、280nmでUV吸光度を監視しながら、1mL/分の流速で20分にわたり使用した。クリーン~低HICは、約10.5分未満と考えられる。
親和性捕捉自己相互作用ナノ粒子分光法
本アッセイの方法論は、例えば、Liu et al.MAbs.2014 Mar 1;6(2):483-492に記載された。Δλmax<5.0nmは、低い自己相互作用を示唆する。
CCR8結合
組み換えヒトCCR8を発現するCHO細胞でのFab力価、及びEC50値の測定により、明らかな抗体親和性の推定を評価した。簡潔に述べると、Fabの連続希釈物を、1000nM~1nMで調製し、氷上で2時間、50,000個のCHO-CCR8細胞でインキュベートした。一次Fabインキュベーションの後、細胞を洗浄し、その後、暗室にて氷上で15分間、AlexaFluor 647二次試薬(Jackson ImmunoResearch 109-605-006)に複合した抗F(ab’)2を添加した。洗浄ステップを繰り返し、細胞をフローサイトメトリー分析(BD FACSCANTO)に供した。中央蛍光データを、GraphPad Prismを使用してプロットした。等式Y=((bmax-b)*(x/(K+x)))+b[式中、Yは観察されたMFIであり、bmaxは観察された最大MFI、であり、bはバックグラウンドであり、Kは細胞で観察されたKDであり、xはFab濃度である。]を使用して、EC50値をPrism内で決定した。
CCL1拮抗作用
市販されているbioSensAll BRETベースのGタンパク質活性化アッセイ(http://biosensall.com/biosensall/)を使用する、hCCL1(即ち、Gαz及びGα15/16)での刺激後にロバストに関与した、2つのバイオセンサーを使用することで、抗体及び対照の活性を試験した。簡潔に述べると、Gα原形質膜(GAPL)バイオセンサーを使用して、受容体刺激の際に原形質膜における、ヘテロ三量体Gタンパク質の活性化を監視する。具体的には、3つの多分子BRETセンサーは、Gタンパク質ファミリーに対して高い感度で、活性Gαサブユニットと相互作用する、原形質膜のタンパク質動員を検出する。受容体刺激後のGタンパク質活性化は通常、BRETシグナルの増加をもたらす。
ADCC
抗体がADCCを誘発する能力を、市販されているキットを使用して試験した。簡潔に述べると、試験抗体を、CCR8を発現する標的細胞に結合させた。次に、標的細胞を、高または低親和性Fcγ受容体、及びルシフェラーゼレポーターの発現を制御するNFAT応答エレメントを発現するADCCエフェクター細胞でインキュベートした。したがって、Fcγ受容体を通してのNFATシグナル伝達の活性化は、検出可能なシグナルとして生み出され、ADCC活性の活性化を示す。
ヒトT-reg結合アッセイ
腫瘍及び正常組織に由来するリンパ球を、新たに入手した外科標本をすり潰し、続いて、例えば、Plitas et al,Cell,2016に記載されているように、20分間37℃で、Liberase TL(Sigma)を使用する酵素分解を行うことにより単離した。100umのフィルターを通過させた後、細胞をPBSで2回洗浄し、その後染色した。PBMCをまず、RosetteSep抗体カクテル(Stem Cell Technologies)を用いる陰性選択により、CD4 T細胞について富化した。リンパ球は、20分間1×106細胞/mlで染色した。細胞選別に使用した定義は、従来のCD4+ T細胞に対してはCD45+CD3+CD4+CD8-CD25-、Treg細胞に対してはCD45+CD3+CD4+CD8-CD127-CD25高であった。組織Treg細胞は、大部分が活性化フェノタイプであり、その末梢血フェノタイプとの公平な比較のために、活性化Treg細胞はCD45+CD3+CD4+CD8-CD45RO+CD127-CD25高と定義した一方で、休止Treg細胞はCD45+CD3+CD4+CD8-CD45RA+CD127-CD25高と定義した。ソート後の純度は、ソートした集団に対して、普通に>95%純粋であった。抗体は全て、eBioscienceまたはBioLegendから購入した。染色した細胞は、LSRIIフローサイトメーター(BD)で分析するか、またはFACSAria II(BD)を使用してソートするかのいずれかであった。フローサイトメトリーデータを、FlowJoソフトウェア(TreeStar)を使用して分析した。
実施例2:抗CCR8剤及び活性
本実施例は、抗体剤、及び本明細書に記載する抗体剤の関連する機能活性を示す。
上述のスクリーニング法を通して、多数の抗体が発見された。例示的なそのような抗体の重鎖可変ドメイン配列を、表1にて以下に示す。
Figure 2023516388000006
当業者が認識するように、抗体可変ドメイン内で、「フレームワーク領域」(「FR」)及び/または「相補性決定領域」(「CDR」)配列エレメントを画定するための2つ以上の方法が利用可能であり、異なるアプローチにより画定されるそのような配列エレメントの正確な境界は、いくぶんか変化し得る。そのような利用可能な方法の1つを使用して、本開示は、表2~8で以下に説明する、これらの例示したHC可変ドメイン内の、FR及びCDR配列について記載する。

Figure 2023516388000007
Figure 2023516388000008
Figure 2023516388000009

Figure 2023516388000010
Figure 2023516388000011
Figure 2023516388000012

Figure 2023516388000013
例示的な、識別された抗体の軽鎖可変ドメイン配列を表9で以下に示す。
Figure 2023516388000014
本開示は、表10~17で以下に説明する、これらの例示されたLC可変ドメイン内のFR及びCDR配列について記載する。

Figure 2023516388000015
Figure 2023516388000016
Figure 2023516388000017
Figure 2023516388000018
Figure 2023516388000019
Figure 2023516388000020
Figure 2023516388000021
加えて、これらの例示的抗体の可変重鎖及び可変軽鎖をコードする核酸配列を測定した。表17及び18を参照されたい。
Figure 2023516388000022
Figure 2023516388000023
Figure 2023516388000024
Figure 2023516388000025
発見された抗体のそれぞれの、ある特定の結合性能及び生物物理学的性質を評価した。図1A~1B、及び表19に示すように、発見された抗体のそれぞれは、哺乳類細胞に発現するヒトCCR8に結合した。加えて、発見された抗体のそれぞれは、哺乳類細胞に発現するカニクイザルCCR8にも結合することが発見された。
Figure 2023516388000026
これらの例示的な発見された抗体のそれぞれに対して観察された、多特異性試薬への結合;疎水性相互作用クロマトグラフィーの保持時間;親和性捕捉自己相互作用ナノ粒子分光法(AC-SINS)を評価した。例示的なそのような試験の結果を表20に示す。

Figure 2023516388000027
これらの発見された抗体の、ADCCを誘発する能力を試験した。図2A及び2Bは、示した抗体が、高親和性(2A)及び低親和性(2B)FcγRIIIa受容体と相互作用する際に観察されたADCCの誘発を示す。
これらの発見された抗体の、CCL1のCCR8への結合について競合し、それ故に、アゴニストCCL1によるCCR8シグナル伝達を拮抗させる能力を試験した。試験した抗体は、hCCR8の下流での、Gαz及びGα15/16シグナル伝達の、hCCL1が誘発する活性化を拮抗したことを、表21は示す。
Figure 2023516388000028
これらの発見された抗体の、腫瘍浸潤制御性T細胞に結合する能力を試験した。発見された各抗体は、ヒト腫瘍で発見される制御性T細胞に結合可能であることを、図3は示す。
これらの当業者は、本開示を読むと、例示した抗体、及びそれらの抗原結合エレメントである、またはこれを含む抗体剤のそれぞれは、CCR8に結合するのに、故に、他の文脈(例えば、がん(例えば、乳、結腸、胃、肺、及び/または卵巣悪性腫瘍など)の治療、例えば細胞でのCCR8の検出などの、治療及び/または診断での文脈)において、有用であることを理解するであろう。
さらに、当業者は、これらの例示的な抗体の構成成分(例えば、その抗原結合フラグメント、及び/または個別のHC、及び/またはLC可変ドメイン、及び/またはそのFR及び/またはCDR配列など)は、例えば、さらなる目的の抗CCR8剤の開発、産生、及び/または使用において有用であり得ることを理解するであろう。例えば、異なる例示的抗体由来の重鎖及び軽鎖を、いくつかの実施形態では交換して、例えば、本明細書に記載する抗CCR8活性(複数可)に対して特性決定可能である、新規の抗体を開発することができる。あるいは、またはさらに、個別のHC及び/またはLC可変ドメインを、抗CCR8活性を、記載されているとおりに評価可能な抗体剤中の、他のHCまたはLC可変ドメインと組み合わせることができる。依然としてさらに、代替的に、または加えて、個別のFR及び/またはCDR配列エレメント、及び/またはそれらの組み合わせを、目的の、及び本明細書に記載する、さらなる抗CCR8剤の開発、作製、及び/または使用において、(例えば、他の例示的抗体、及び/または異なる抗体に由来する)、他のFR及び/またはCDR配列と共に使用することができる。
実施例3:抗CCR8剤の内部化
本実施例は、本明細書に記載する抗CCR8剤の内部化の評価方法を示す。簡潔に述べると、内部化を測定するために、hCCR8を発現するチャイニーズハムスター卵巣懸濁液(CHO-S)細胞、及び空のベクターを発現するCHO-S細胞を培養液から収集し、細胞密度を評価した。細胞を、細胞培養培地で希釈し、384ウェルプレートに(例えば、ウェル当たり30,000細胞で)プレーティングした。抗CCR8抗体を、細胞外では非蛍光性であるが、酸性環境に入ると(例えば、内部化されたときに)蛍光性となる、pH感受性色素複合体Zenon pHrodo iFL IgG(Invitrogen Z25611)で標識した。抗体を、室温で15分間、色素複合体と混合することにより、標識を達成した。細胞に添加した際に、抗体ミックスが、20μg/mLの、抗CCR8抗体及び色素複合体のそれぞれの終濃度(例えば、133nMの抗CCR8抗体、400nMの色素複合体、1:3の比)まで希釈されるように、10μLの標識抗体ミックスを、CHO-S細胞に移した。標識した抗CCR8抗体により、37℃で6時間、細胞をインキュベートした。インキュベーション後、60μLの冷却FACS緩衝液(PBS中に2%FBS)を、ウェル全てに添加し、内部化を停止した。次に、細胞を遠心分離にかけ、上清を取り除いた。ペレット処理した細胞を、10μLの冷却FACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー機器(励起505nm、発光530nm)にて、平均蛍光強度(MFI)を測定した。
抗体濃度(log μg/mL)を、hCCR8特異的MFIの関数としてプロットした。hCCR8特異的内部化のEC50を計算した(図4)。ADI-40327、ADI-40352、及びADI-40360に対するEC50値をそれぞれ、14.3μg/mL、5.7μg/mL、及び2.8μg/mLとして測定した。
等価物
当業者は、ほんの日常的な実験を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ以下の特許請求の範囲に記載されるとおりである。

Claims (44)

  1. 重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む抗体もしくはその抗原結合フラグメントである、または前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含む、抗体剤であって、
    前記重鎖可変ドメインが、
    a)Xn1 FTFSSYGMH Xn2 VISYDGSNKYYAFSVKG Xn3 ARVRRIAGRAGYGMDV Xn4
    b)Xn1 YSISSGYYWG Xn2 SIYHSGNTYYRPSLKS Xn3 ARGKGGSWTAFGP Xn4
    c)Xn1 GSISSSSYAWG Xn2 SIYYTGSTYYNPSLKS Xn3 LRGHRRDYIAFDI Xn4
    d)Xn1 GSISSSSYAWG Xn2 SIYYTGSTYYNPSLKS Xn3 VRGHRRDYIAFDI Xn4
    e)Xn1 FTFNAYAMN Xn2 RIRSKSNNYATYYADSVKD Xn3 VRQSYGNSNYAMDY Xn4
    f)Xn1 FTFNAYAMN Xn2 RIRSKSNNYATYYAASVKD Xn3 VRQSYGNSNYAMDY Xn4
    のうちの1つで表されるアミノ酸配列を有し、
    前記軽鎖可変ドメインが、
    a)Xn1 RASQSINSYLN Xn2 AASSLQS Xn3 QESYSTPIT Xn4
    b)Xn1 RASQSISSFLN Xn2 AASSLQS Xn3 QQGHSTPPT Xn4
    c)Xn1 RASQSISSYLN Xn2 AASSLQS Xn3 QQSHNLPT Xn4
    d)Xn1 RASQSISSYLN Xn2 AASSLQS Xn3 QQSHNLPT Xn4
    e)Xn1 RSSKSLLHSNGNTYLY Xn2 RMSNLAS Xn3 MQHLEYPFT Xn4
    f)Xn1 RSSKSLLHSNGNTYLY Xn2 RKSNLAS Xn3 MQHLEYPFT Xn4
    のうちの1つで表されるアミノ酸配列を有し、式中、各Xは独立してアミノ酸であり、n1、n2、n3、及びn4は独立して、0~約40である、前記抗体剤。
  2. 抗体もしくはその抗原結合フラグメントである、または前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含む、抗体剤であって、抗体剤が重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含み、前記重鎖可変ドメインが、
    配列番号6~9から選択される配列、
    配列番号10~14から選択される配列、
    配列番号1~5から選択される配列のうちのそれぞれを含むアミノ酸配列を有し、
    前記軽鎖可変ドメインが、
    配列番号15~18から選択される配列、
    配列番号19~21から選択される配列、及び
    配列番号22~25から選択される配列のうちのそれぞれを含むアミノ酸配列を有する、前記抗体剤。
  3. 抗体もしくはその抗原結合フラグメントである、または前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含む抗体剤であって、抗体剤が、配列番号1~5から選択される配列を含むアミノ酸配列を有する可変重鎖を含む、前記抗体剤。
  4. 配列番号6~9から選択される配列を含むアミノ酸配列、及び配列番号10~14から選択される配列を含むアミノ酸配列を有する可変重鎖をさらに含む、請求項3に記載の抗体剤。
  5. 配列番号15~18、配列番号19~21、及び配列番号22~25のそれぞれから選択される配列を含むアミノ酸配列を有する可変軽鎖をさらに含む、請求項3に記載の抗体剤。
  6. アミノ酸配列が、配列番号38~43から選択される配列に実質的に同一である配列を含む、または前記配列からなる、ポリペプチド。
  7. ヌクレオチド配列が請求項6に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
  8. アミノ酸配列が、配列番号44~49から選択される配列に実質的に同一である配列を含む、または前記配列からなる、ポリペプチド。
  9. ヌクレオチド配列が請求項8に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
  10. 請求項6に記載のポリペプチド、及び請求項8に記載のポリペプチドを含む、抗体剤。
  11. 請求項6に記載のポリペプチド、及び請求項8に記載のポリペプチドのそれぞれを2つ含む、請求項10に記載の抗体剤。
  12. 重鎖可変ドメインアミノ酸配列が、配列番号38~43から選択される配列に実質的に同一である配列を含むか、または前記配列からなる、抗体剤。
  13. 軽鎖可変ドメインアミノ酸配列が、配列番号44~49から選択される配列に実質的に同一な配列を含むか、または前記配列からなる、抗体剤。
  14. モノクローナル抗体、単一ドメイン抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、一本鎖可変フラグメント(scFv)、scFv-Fcフラグメント、一本鎖抗体(scAb)、または単一ドメイン抗体であるか、またはこれらを含む、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  15. キメラ、ヒト化、または完全ヒト抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれらを含む、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  16. IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、またはこれらを含む、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  17. 前記抗体剤がヒトCCR8の細胞外ドメインを標的化することを特徴とする、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  18. 前記抗体剤が表面でCCR8を発現する細胞に結合することを特徴とする、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  19. 前記細胞が制御性T細胞(Treg)である、請求項18に記載の抗体剤。
  20. 前記細胞が腫瘍浸潤Tregである、請求項19に記載の抗体剤。
  21. 前記抗体剤が、CCL1、MCV148、または抗CCR8抗体クローンL263G8と、結合について競合することを特徴とする、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤。
  22. 先行請求項のいずれかに記載の抗体剤を含むか、または送達する、薬学的組成物。
  23. 前記抗体剤を含む、請求項22に記載の薬学的組成物。
  24. 前記抗体剤をコードする核酸を含み、前記抗体剤が前記核酸の発現により送達される請求項22に記載の薬学的組成物。
  25. 前記抗体剤を発現する細胞を含む、請求項22に記載の薬学的組成物。
  26. 液体組成物である、請求項22~25のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  27. 非経口投与のために製剤化される、請求項26に記載の薬学的組成物。
  28. 静脈内投与のために製剤化される、請求項27に記載の薬学的組成物。
  29. 皮下投与のために製剤化される、請求項27に記載の薬学的組成物。
  30. 請求項7または9のいずれか1項に記載の核酸を発現する細胞。
  31. 先行請求項のいずれかに記載の抗体剤を発現する細胞。
  32. 前記細胞が、先行請求項のいずれかに記載の抗体剤をコードする核酸を含む、請求項31に記載の細胞。
  33. がんを患う対象の治療方法であって、前記方法が、請求項22に記載の薬学的組成物を含む、前記方法。
  34. 抗体剤の作製方法であって、前記方法が、請求項7または9のいずれか1項に記載のポリペプチドを発現する細胞をインビトロで培養することを含む、前記方法。
  35. 前記細胞が、前記ポリペプチドを発現するように組み換えられている、請求項34に記載の方法。
  36. 前記細胞が、前記ポリペプチドをコードする核酸の導入により組み換えられている、請求項35に記載の方法。
  37. 前記抗体剤を培地から単離することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  38. 抗体剤の特性決定方法であって、前記方法が、
    a)重鎖可変ドメインアミノ酸が、配列番号38~43の1つに実質的に同一である配列を含むか、もしくはこれからなる、及び/または軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号44~49の1つに実質的に同一である配列、もしくはその抗原結合エレメントを含む、もしくはこれらからなる、抗体を含むことを特徴とする抗体剤を提供することと、
    b)前記抗体剤の、
    i.ヒトCCR8結合
    ii.カニクイザルCCR8結合
    iii.CCL1シグナル伝達の拮抗
    iv.MCV148シグナル伝達の拮抗
    v.ADCCの誘発
    のうちの1つ以上を、重鎖可変ドメインアミノ酸配列が配列番号38~43からなる群から選択され、軽鎖可変ドメインアミノ酸配列が配列番号44~49からなる群から選択される参照抗体に対して観察されるものと比較して測定し、前記提供される抗体剤を特性決定することと、を含む、前記方法。
  39. 前記提供される抗体剤が、参照抗体と、少なくとも1つのHC CDR、及び/または少なくとも1つのLC CDRを共有する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記提供される抗体剤が、参照抗体と、3つ全てのHC CDR、及び/または3つ全てのLC CDRを共有する、請求項39に記載の方法。
  41. 前記抗体剤、または核酸もしくは細胞を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に製剤化することによる、請求項22~29のいずれか1項に記載の薬学的組成物の製造方法。
  42. 試料を、先行請求項のいずれか1項に記載の抗体剤と接触させることによる、CCR8の検出方法。
  43. 前記試料が生体試料である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記抗体剤の特徴を測定することと、その測定した特徴を比較のために参照として使用することとによる、先行請求項のいずれか1項に記載の抗体剤の使用方法。
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