JP2023507596A - 最適化粉末生産 - Google Patents

最適化粉末生産 Download PDF

Info

Publication number
JP2023507596A
JP2023507596A JP2022537628A JP2022537628A JP2023507596A JP 2023507596 A JP2023507596 A JP 2023507596A JP 2022537628 A JP2022537628 A JP 2022537628A JP 2022537628 A JP2022537628 A JP 2022537628A JP 2023507596 A JP2023507596 A JP 2023507596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
production plant
production
data
model
operating conditions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022537628A
Other languages
English (en)
Inventor
シュナイダー,ヘイダー
ケーニッヒ,ルネ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2023507596A publication Critical patent/JP2023507596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/418Total factory control, i.e. centrally controlling a plurality of machines, e.g. direct or distributed numerical control [DNC], flexible manufacturing systems [FMS], integrated manufacturing systems [IMS] or computer integrated manufacturing [CIM]
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • G05B23/0205Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
    • G05B23/0218Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterised by the fault detection method dealing with either existing or incipient faults
    • G05B23/0224Process history based detection method, e.g. whereby history implies the availability of large amounts of data
    • G05B23/024Quantitative history assessment, e.g. mathematical relationships between available data; Functions therefor; Principal component analysis [PCA]; Partial least square [PLS]; Statistical classifiers, e.g. Bayesian networks, linear regression or correlation analysis; Neural networks
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • G05B23/0205Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
    • G05B23/0218Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterised by the fault detection method dealing with either existing or incipient faults
    • G05B23/0243Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterised by the fault detection method dealing with either existing or incipient faults model based detection method, e.g. first-principles knowledge model
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/32Operator till task planning
    • G05B2219/32077Batch control system
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)

Abstract

生産プラント(110)を制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法が提案される。生産プラント(110)は少なくとも1つのバッチプロセス(114)を備える少なくとも1つのプロセスチェーン(112)を備える。方法は、a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(132)であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程(132)と、b)少なくとも1つの予測工程(134)であって、予測工程において、生産プラント(110)を運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって決定され、訓練済みモデル(136)は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程(134)と、c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(140)であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(140)とを含む。

Description

技術分野
本発明は、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法、コンピュータプログラム、および制御システムに関する。本発明は、特に、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、または二酸化チタン生産のため等の工業用粉末生産のために使用されてもよい。他の用途も考えられる。
背景技術
1~100nmの典型的な粒子サイズを有する高純度ナノサイズ粉末、および、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、または二酸化チタン等の0.1~10μmの典型的な粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末の工業用粉末生産は、連続フレーム、ホットウォール、または噴霧熱分解反応器を含むエアロゾルプロセスにおいて実施されることができる。
例えば、カルボニル鉄粉(CIP)生産は、米国特許第2612440号、英国特許第695925号、米国特許第2597701号、米国特許第2851347号、独国特許第1433361号、独国特許第3216362号、独国特許第3428121号、独国特許第3940347号、米国特許第4197118号、米国特許第4113480号、ソ連国特許発明第1186398号、独国特許第102005030613号、国際公開第2014/049016号、中国特許第103046033号、Syrkin、Tolmasski、Petrova、Poroshkovaya Metallurgiya、No.7(43)、38~44ページ、1966年7月から翻訳、Mittasch、Zeitschrift fur angewandte Chemie、「Uber Eisencarbonyl und Carbonyleisen」、28.07.1928、(30)、827、Syrkin;Poroshkovaya Metallurgiya、No.3(21)、75~84ページ、i964(i964)年5月~6月(原著i963(i963)年1月27日提出)、から翻訳「About New process using atomization of liquid IPC into an decomposer」、Ebenhoech、Progress in powder Metallurgy(42)、1986、「Carbonyl iron powder production、properties and applications」によって説明される。
粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、または相組成等の未処理粉末特性は、エアロゾル反応器内での化学反応および粒子成長に強く依存する。未処理粉末特性は、ミル、スクリーン、ふるい、オーブン、か焼炉、ロータリキルン、または流動床等の単位操作または反応器における、後続の機械的、熱的、ならびに/または混合式熱および/または化学プロセスによってさらに改質されることができる。エアロゾル反応器および後続の単位操作または反応器の両方の制御は、用途特有の粉末特性を決定するために極めて重要である。実際には、用途特有の粉末特性を決定する第1原理の法則が知られていない。したがって、生産プロセスの制御は、高い程度の経験主義および手作業による最適化を伴い、それは、粉末生産を複雑かつエラーを起こし易くする。
国際公開第2019/188931号は、ワインディング条件生成デバイス、ワインディングデバイス、ワインディング欠陥レベル予測値生成デバイス、ワインディング条件計算法、ワインディング法、およびワインディング欠陥レベル予測値生成法を説明する。ワインディング条件生成デバイスは、入力ユニット、出力ユニット、および条件計算ユニットを備え、条件計算ユニットは、ターゲットワインディング品質を満たすワインディングウェブが生産されるときに使用されるワインディング条件およびワインディングパラメータの組み合わせを教師データとして使用する機械学習によって生成される学習モデルを備え、その学習モデルを使用して、入力ユニットから入力される新しいワインディングウェブのワインディングパラメータから新しいワインディングウェブのワインディング条件を計算し、出力ユニットはワインディング条件を出力する。ワインディングパラメータは、ウェブの幅、ウェブを搬送する速度、およびウェブのワインディング長を含む。ワインディング条件は、ウェブのワイディングの開始時のウェブの張力およびウェブのワイディングの終了時のウェブの張力を含む。
解決しようとする課題
したがって、上記で述べた技術的課題に対処する方法およびデバイスを提供することが望ましい。具体的には、複雑でなく、頑健で、生産プラントの改善された制御を可能にする、生産プラントを制御およびモニターするデバイスおよび方法が提供されるものとする。
概要
この課題は、独立請求項の特徴を有する、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法、コンピュータプログラム、および制御システムによって対処される。孤立してまたは任意の組み合わせで実現されてもよい有利な実施形態は従属請求項に挙げられている。
以下で使用するとき、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」、または「含む(include)」、あるいはその任意の文法的変形は非排他的方法で使用される。そのため、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴を除いて、この文脈で説明されるエンティティ内にさらなる特徴が存在しない状況、および、1つまたは複数のさらなる特徴が存在する状況を共に指してもよい。一例として、表現「AはBを有する(A has B)」、「AはBを備える(A comprises B)」、および「AはBを含む(A includes B)」は、Bを除いて、他の要素がA内に存在しない状況(すなわち、Aは、唯一かつ排他的にBからなる)、および、Bを除いて、要素C、要素CおよびD、またはなおさらなる要素等の1つまたは複数のさらなる要素はエンティティA内に存在する状況を共に指してもよい。
さらに、特徴または要素が1回または典型的には2回以上存在してもよいことを示す、用語「少なくとも1つ(at least one)」、「1つまたは複数(one or more)」、または同様な表現が、それぞれの特徴または要素を導入するときに1回のみ使用されることになることが留意されるものとする。以下において、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するとき、表現「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、それぞれの特徴または要素が1回または2回以上存在してもよいという事実にもかかわらず、繰り返されないことになる。
さらに、以下で使用するとき、用語「好ましくは(preferably)」、「より好ましくは(more preferably)」、「特に(particularly)」、「より詳細には(more particularly)」、「具体的に(specifically)」、「より具体的には(more specifically)」、または同様な用語は、代替の可能性を制限することなく、任意選択の特徴に関連して使用される。そのため、これらの用語によって導入される特徴は、任意選択の特徴であり、特許請求項の範囲をいずれの点でも制限することを意図されない。
本発明は、当業者が認識することになるように、代替の特徴を使用することによって実施されることになる。同様に、「本発明の一実施形態(in an embodiment of the invention)」によって導入される特徴または同様な表現は、本発明の代替の実施形態に関する制限なしで、本発明の範囲に関する制限なしで、そして、そのような方法で導入される特徴と、本発明の任意選択のまたは任意選択でない他の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしで、任意選択の特徴であることを意図される。
本発明の第1の態様において、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法が提案される。
本明細書で使用される用語「コンピュータ実装(computer-implemented)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つのプロセッサを備えるデータ処理手段等のデータ処理手段を使用することによって完全にまたは部分的に実装されるプロセスを、限定することなく指してもよい。そのため、用語「コンピュータ(computer)」は、デバイス、または、少なくとも1つのプロセッサ等の少なくとも1つのデータ処理手段を有するデバイスの組み合わせまたはネットワークを一般に指してもよい。コンピュータは、さらに、データ記憶デバイス、電子インタフェース、またはヒューマン-マシンインタフェースのうちの少なくとも1つ等の1つまたは複数のさらなるコンポーネントを備えてもよい。
本明細書で使用される用語「生産プラント(production plant)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの製品を生産および/または製造および/または生成および/または処理するデバイスまたはデバイスのシステムまたはデバイスの複合体を、限定することなく指してもよい。生産プラントは化学生産プラントであってもよい。特に、生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。
用語「化学生産プラント(chemical production plant)」は、1つまたは複数の化学製品を製造、生産、または処理する工業目的のために使用される任意の技術的インフラストラクチャ、すなわち、化学生産プラントによって実施される製造または生産プロセスまたは処理を、限定することなく指してもよい。相応して、化学生産プラントは、プロセスプラント、医薬品プラント、オイルおよび/または天然ガス井等の化石燃料処理施設、精製所、石油化学プラント、分留所等のうちの1つまたは複数であってもよい。化学生産プラントは、さらに、蒸留所、処理プラント、またはリサイクリングプラントのうちの任意のものであることができる。化学生産プラントは、さらに、上記で挙げた例またはそれらの類似物の任意のものの組み合わせであることができる。さらに、化学生産プラントは、典型的には、複数のセンサ、および、化学生産プラント内で、プロセスに関連する少なくとも1つのパラメータまたはプロセスパラメータを制御する少なくとも1つの制御システムを備える。そのような制御機能は、センサのうちの少なくとも1つのセンサからの少なくとも1つの測定信号に応答して制御システムまたはコントローラによって通常実施される。
本開示における用語「化学製品(chemical product)」は、化学、医薬、栄養、化粧用、生物学的製品、飲料、織物、金属、プラスチック、またはさらにそれらの組み合わせのうちの任意のものを指してもよい。化学製品は完全に天然成分からなってもよい、または、化学製品は、1つまたは複数の合成成分を少なくとも部分的に含んでもよい。化学製品の幾つかの非制限的な例は、有機または無機組成物、モノマー、ポリマー、発泡体、殺虫剤、除草剤、化学肥料、供給材料、栄養製品、前駆物質、医薬品または処理製品、あるいは、それらの成分または有効成分のうちの任意の1つまたは複数である。幾つかの例において、化学製品は、さらに、エンドユーザまたは消費者によって使用可能な製品、例えば、化粧品または医薬組成物であってもよい。化学製品は、さらに、さらなる1つまたは複数の製品を作るために使用可能な製品であってもよい、例えば、化学製品は、靴用のソールを製造するために使用可能な合成発泡体または自動車外観のために使用可能なコーティングであってもよい。化学製品は、任意の形態、例えば、固体、半固体、ペースト、液体、乳剤、溶液、ペレット、顆粒、または粉末の形態であってもよい。付加的にまたは代替的に、化学製品は、さらに、例えば、リサイクリング等の回収または廃棄物処理、1つまたは複数の化学製品になるようなブレークダウンまたは溶解等の化学処理のためのサービス製品であってもよい。
生産プラントは、処理ユニットとしても示される機器、例えば、熱交換器、分留カラム等のカラム、炉、反応チャンバ、分留ユニット、貯蔵タンク、押し出し機、ペレット製造機、沈降分離機、ブレンダー、ミキサー、カッター、硬化チューブ、気化器、濾過器、ふるい、パイプライン、スタック、濾過器、弁(a stack,a filter,a valve)、アクチュエータ、ミル、変換器、搬送システム、回路ブレーカ、機械装置、例えば、タービン等のヘビーデューティ回転機器、発電機、粉砕機、圧縮機、工業用ファン、ポンプ、コンベヤシステム等の輸送要素、モータ等のうちの任意の1つまたは複数を備えてもよい。用語「機器(equipment)」は、生産プラント内の任意の1つまたは複数のアセットを指してもよい。非制限的な例として、機器は、コンピューティングユニットまたはコントローラ、センサ、アクチュエータ、エンドエッフェクターユニット、コンベヤシステム等の輸送要素、ヒーター等の熱交換器、炉、冷却ユニット、反応器、ミキサー、フライス盤、チョッパー、圧縮機、スライサ、押し出し機、乾燥機、噴霧器、圧力または真空チャンバ、チューブ、ビン、サイロ、および、工業プラントにおける生産のためにまたは生産中に間接的または直接的に使用される任意の他の種類の装置のうちの任意の1つまたは複数あるいはそれらの組み合わせのうちの任意のものを指してもよい。好ましくは、機器は、具体的に、生産プロセスに直接的にまたは間接的に関わるアセット、装置、またはコンポーネントを指す。より好ましくは、アセット、装置、またはコンポーネントは、化学製品の性能に影響を及ぼす可能性がある。機器はバッファリングされてもよい、または、機器はバッファリングされなくてもよい。さらに、機器は、混合または非混合、分離または非分離を含んでもよい。混合なしの状態でバッファリングされない機器の幾つかの非制限的な例は、コンベヤシステムまたはベルト、押し出し機、ペレット製造機、および熱交換器である。混合なしの状態でバッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、バッファーサイロ、ビン等である。混合を伴う、バッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、ミキサーを有するサイロ、混合用容器、カッティングミル、ダブルコーンブレンダー、硬化チューブ等である。混合を伴う、バッファリングされない機器の幾つかの非制限的な例は、スタティックまたはダイナミックミキサー等である。分離を伴う、バッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、カラム、セパレータ、抽出、薄膜気化器、濾過器、ふるい等である。機器は、さらに、オクタビン充填、ドラム、バッグ、タンクトラック等の貯蔵または包装要素であってもよい、または、機器はそれを備えてもよい。
生産プラントは少なくとも1つのプロセスチェーンを備える。本明細書で使用される用語「プロセスチェーン(process chain)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを指してもよい。プロセスチェーンは、同時に実施されてもよい工程またはプロセス、および/または、連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーンは少なくとも1つの生産ラインを備えてもよい。プロセスチェーンは、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。
生産プラントは、少なくとも2つの逐次プロセス、特に、少なくとも2つの化学プロセスを含んでもよい。用語「逐次プロセス(sequential processes)」は、互いに追従する少なくとも2つのプロセスを指してもよい。プロセスのそれぞれは、異なる運転パラメータを有してもよい。具体的には、後続の第2のプロセスは、前の第1のプロセスによって影響される場合があり、特に、第1のプロセスの少なくとも1つのパラメータは第2のプロセスからのパラメータを決定してもよい。別個のパラメータを有する逐次プロセスは、特に、2つのプロセスのうちの少なくとも1つのプロセスが化学プロセスである場合、制御するのがより厳しいまたはより困難である場合がある。本発明による制御および/またはモニターする方法は、逐次プロセスの確実かつ簡略化された制御を可能にしてもよい。
プロセスチェーンは、少なくとも1つのバッチプロセスを含む。本明細書で使用される用語「バッチプロセス(batch process)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、プロセスであって、処理ユニットが、時系列順であり、生産プロセスに直接関連する、プロセスを、限定することなく指してもよい。プロセスチェーンは、複数のバッチプロセスを含んでもよい。バッチプロセスは、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセスは、少なくとも1つの機械的および/または少なくとも1つの熱的および/または少なくとも1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセスは、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ運転とも呼ばれる処理用単位操作を含んでもよい。生産プラントは、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。
プロセスチェーンは、少なくとも1つの連続プロセスを含んでもよい。本明細書で使用される用語「連続プロセス(continuous process)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、中断がない状態の、フロー生産法を、限定することなく指してもよい。プロセスチェーンはバッチおよび連続プロセスを含んでもよい。プロセスチェーンは、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーンは、少なくとも1つの連続プロセスおよび複数のバッチプロセスを含んでもよい。生産プラントは、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラントは、複数の並列連続および/またはバッチプロセスを含んでもよい。連続および/またはバッチプロセスは、異なる方法で組み合わされてもよい。連続およびバッチプロセスの組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続およびバッチプロセスの組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーンを通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
例えば、生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。粉末は、例えば、1~100nmの粒子サイズを有するナノサイズ粉末、または、例えば、0.1~10μmの粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末であってもよい。粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末であってもよい。
特に、生産プラントは、カルボニル鉄粉(CIP)を生産する粉末生産プラントであってもよい。カルボニル鉄粉は、種々の工業用途のために、例えば、金属射出成形、コイルコア、レーダー吸収、ダイヤモンドツール、および同様なもののために生産されてもよい。CIPは高純度のマイクロサイズ鉄粉である。CIPは、鉄ペンタカルボニルの熱分解によって生産されることができる。CIPは、ガス状の鉄ペンタカルボニル(IPC)がFeおよびCOに分解されるホットウォールエアロゾルプロセスによって生産されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つの蒸発器を備えてもよい、または、少なくとも1つの蒸発器に接続されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つの反応器を備えてもよい。反応器は、プロセスチェーンの連続プロセスであってもよい、または、その一部であってもよい。別個のカボニレーションプラントまたは上流プロセス工程で生産されてもよい液状鉄ペンタカルボニル(IPC)は、液体が約104℃まで加熱される蒸発器に給送されてもよい。IPCは沸騰し、発生した純粋なガスは、生産プラントの反応器に給送されてもよい。反応器は、一定の長さおよび径を有する円筒反応器であってもよい。反応器は、550℃まで壁面加熱されてもよい。IPCは、吸熱反応において、鉄および5モルCOガスに定量的に分解される。反応ゾーン内の温度は、典型的には250℃と350℃との間である。気相で形成されるFe粒子はμmサイズの球粒子であってもよい。
反応器によって生産される未処理CIPは、典型的には、或る程度の不純物を含み、例えば、ハードグレードCIPはCまたはNまたはO(Σ≒2重量%)を含み、それは、触媒活性鉄粒子の表面上で起こる異なる副反応から生じる。具体的には、アンモニアがシステムに給送されない場合、鉄カーバイドおよび鉄酸化物が構造内に見出される可能性がある;アンモニアが反応ガスに添加される場合、鉄酸化物はほとんど形成されないが、鉄窒化物および鉄カーバイドは形成される。未処理CIP特性は、供給材料組成、流入ガスの温度、反応器幾何形状、反応器サイズ、反応器壁温度のうちの1つまたは複数によって制御されてもよい。プロセスチェーンは、少なくとも1つの未処理CIP分類工程を備えてもよく、反応器の底部において反応器内で形成される材料またはモルIPC当たり5モルCO等の反応器のオフガスは、未処理CIPを少なくとも2つ以上のフラクションに分類するために使用されてもよい。IPCおよび未処理CIP生産は、連続プロセスにおいて行われてもよい。
未処理CIPは、仕上がり製品を生産するために、少なくとも1つのバッチプロセスにおいてさらに処理されてもよい。上記で概説したように、プロセスチェーンは、少なくとも1つのバッチプロセスを備える。例えば、未処理CIPは、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセスにおいて後で処理されてもよい。生産プラントは、異なる種類の最終CIP、いわゆるグレードを生産するために構成されてもよい。グレードは、複数の生産ライン上で生産されてもよい。グレードは、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、CIPの工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。最終CIP製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。最終CIP製品の特性、すなわち、プロセスチェーンの成果は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、後続の固体処理用単位操作によって制御されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。未処理CIP特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。ミリングは、弱凝集体(agglomerate)および/または強凝集体(aggregate)を破壊することを含んでもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
CIPの生産プロセスは、多様な仕様を満たすために高い柔軟度を必要とする。粉末生産において、中間品質検査および/または粉末特性を支配する現象の第1の原理の理解が、しばしば、抜けているおよび/または不完全であるため、全ての生産工程で品質問題を検出することは、通常、難しい。これは、間違ったまたは不適切な製品が、異なる工程を通って運ばれ、プロセスチェーンの終わりの最終品質チェックで検出されるだけであることをもたらす場合がある。そのような条件下で、生産失敗のリスクおよび不適切CIPバッチの生産が高まる。本発明は、要求される特性および/または品質基準を満たすために、最適生産条件下で生産することを可能にする方法を提案する。
方法は、以下の方法工程を含み、以下の方法工程は、具体的には、所与の順序で実施されてもよい。さらに、異なる順序も考えられる。方法工程のうちの2つ以上の方法工程を完全にまたは部分的に同時に実施することがさらに考えられる。さらに、方法工程のうちの1つまたは複数あるいはさらに全ての方法工程が、一度に実施されてもよい、または、繰り返し実施されてもよい、例えば、1回または数回繰り返されてもよい。さらに、方法は、挙げられていないさらなる方法工程を含んでもよい。
方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
本明細書で使用される用語「入力データ(input data)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルについての入力値またはパラメータ、ならびに/または、訓練済みモデルに記入されることができるデータを、限定することなく指してもよい。訓練済みモデルは、入力データに基づいて少なくとも1つの予測を生成するように構成される。入力データは、品質基準を特徴付けることができる少なくとも1つのパラメータの定量化可能な変数であってもよい、または、その変数を含んでもよい。入力データは、プラントレイアウトデータを特徴付けることができる少なくとも1つのパラメータの定量化可能な変数であってもよい、または、その変数を含んでもよい。
入力データは品質基準を含む。本明細書で使用される用語「品質基準(quality criterion)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、製品、特に、仕上がり製品の少なくとも1つの特性、例えば、値または範囲を、限定することなく指してもよい。品質基準は、用途に依存する品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデルは、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
品質基準は、通信インタフェースを介して顧客によって提供されてもよい。本明細書で使用される用語「通信インタフェース(communication interface)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、情報を転送するために構成される境界を形成するアイテムまたは要素を、限定することなく指してもよい。特に、通信インタフェースは、情報を、例えば別のデバイス上に送信または出力するため等で、計算デバイス、例えば、コンピュータからの情報を転送するために構成されてもよい。付加的にまたは代替的に、通信インタフェースは、情報を受信するため等で、情報を計算デバイス、例えば、コンピュータ上に転送するために構成されてもよい。通信インタフェースは、具体的には、情報を転送または交換する手段を提供してもよい。特に、通信インタフェースは、データ転送接続、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC、誘導結合、または同様なものを提供してもよい。一例として、通信インタフェースは、ネットワークまたはインターネットポート、USBポート、およびディスクドライブのうちの1つまたは複数を含む少なくとも1つのポートであってもよい、または、それを含んでもよい。通信インタフェースは少なくとも1つのウェブインタフェースであってもよい。
入力データは生産プラントレイアウトデータを含む。本明細書で使用される用語「生産プラントレイアウトデータ(production plant layout data)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、以下でより詳細に説明されることになるホワイトボックスモデルにおいて特に使用されることができる物理化学値を、限定することなく指してもよい。例えば、生産プラントレイアウトデータは、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータス等の生産プラントに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。用語「現在の状態に関する情報(information about a current state)」は、例えば、生産プラントの1つまたは複数のセンサからのセンサデータによって得られる、運転ステータスに関連する任意の情報を指してもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。例えば、予め規定されたレイアウトパラメータは、幾何形状、最低温度、最高温度、速度、および同様なもの等の仕様のうちの1つまたは複数を含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、ホワイトボックスモデルまたはスケジューリングのために使用されてもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。本明細書で使用される用語「データベース(database)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つのデータ記憶デバイスに記憶された情報等の情報の任意の集合体を、限定することなく指してもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
本明細書で使用される用語「予測」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルの結果を、限定することなく指してもよい。予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデルは、必要とされる用途特有の製品特性、特に粉末特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。換言すれば、工程b)にて運転条件を決定することは、生産プラントを運転するための運転条件を予測することを含んでもよい。具体的には、予測工程にて、生産プラントを運転するための予測された運転条件が決定される。制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件に基づいてもよい。制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件を提供することを含んでもよい。工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。予測された運転条件は、プロセスチェーンを通る最良ルートを含んでもよい。本明細書で使用される用語「ルート(route)」または「生産ルート(production route)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせを、限定することなく指してもよい。本明細書で使用される用語「最良ルート(best route)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートを、限定することなく指してもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。
本明細書で使用される用語「運転条件」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントを運転するための生産プロセス条件、特に、生産プラントの1つまたは複数のユニットについてのあるいはさらに全てのユニットについての生産プロセス条件を、限定することなく指してもよい。運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
本明細書で使用される用語「訓練済みモデル(trained model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、数学モデルであって、少なくとも1つの訓練用データセットに対して訓練され、少なくとも1つの入力変数について少なくとも1つのターゲット変数を予測するために構成される、数学モデルを、限定することなく指してもよい。具体的には、入力変数は品質基準およびプラントレイアウトデータであってもよく、ターゲット変数は運転条件であってもよい。訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。本明細書で使用される用語「データ駆動型モデル(data driven model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、経験的な予測モデルを、限定することなく指してもよい。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。
訓練済みモデルは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。訓練済みモデルは、過去の生産プラントレイアウトデータ、少なくとも1つの過去の品質基準、および過去の運転条件を反映するセンサデータのうちの1つまたは複数を含む過去のプロダクションランからのデータに対して訓練されてもよい。一般に、モデルの訓練は、関数、この場合、プラントレイアウトデータを再生することに基づいてもよく、品質基準は関数の変数であり、運転条件は関数値である。運転条件はセンサデータによって反映されるため、モデルの訓練は、センサデータに基づく。さらに、モデルの訓練は、過去のプラントレイアウトデータおよび品質基準に少なくとも部分的に基づいてもよい。用語「過去のプロダクションラン」は、過去のまたは早期時点のプロダクションランを指す。過去のプロダクションランは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランのセンサデータのうちの1つまたは複数に関連する、生産される製品の品質基準を含んでもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも部分的にデータ駆動型のモデル(at least partially data-driven model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルがデータ駆動型モデル部および他のモデル部を含むことを、限定することなく指してもよい。
訓練済みモデルはハイブリッドモデルであってもよい。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデルは、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデルは物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、第1原理から導出されてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデルは、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。
訓練済みモデルは、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルの出力はブラックボックスモデル用の入力として使用され、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデル用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力は、出力の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。例えば、未処理CIP生産工程において、プロセスコントロールデータおよび反応器幾何形状に基づいてモデルを訓練するために、3つのサブモデルが使用されることができる。第1のサブモデルは、化学反応速度論およびホワイトボックスモデルとしての母集団バランスソルバーおよび過去データに対して訓練されるブラックボックス補正器として役立つデータ駆動型モデルを有するハイブリッドモデルに基づいて平均粒子径を予測してもよい。この第1のサブモデルは、ホワイトボックスモデルの出力がブラックボックスモデル用の入力である直列アーキテクチャを有してもよく、または、第1のサブモデルは並列アーキテクチャを有してもよい。第2のサブモデルは、第1のサブモデルからの入力および数値流体力学(CFD:Computational fluid Dynamics)によって得られる滞留時間分布に基づいて粒子サイズ分布を予測してもよい。滞留時間分布は、粒子サイズ分布(PSD:particle size distributions)を得るために、母集団バランスソルバーによって変換される。計算されたPSDと過去のデータとの間の誤差は、データ駆動型モデルによって学習されることができ、その後、任意の予測のために適用されることができる。第2のサブモデルは並列アーキテクチャを有してもよい。第3のサブモデルは、第1のサブモデルによって提供される特徴および過去の訓練用データに基づいて化学組成を予測してもよい。第3のサブモデルは直列アーキテクチャを有してもよく、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデルに対する入力である。他の例も考えられる。
訓練済みモデルは、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデルは、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ラインのために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「制御可能パラメータ(controllable parameter)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プロセスにおいて設定されることができるパラメータを、限定することなく指してもよい。制御可能パラメータは、例えば、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
生産プラントによる生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデルは、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデルは、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。
生産プラントは、少なくとも1つの生産ラインを備えてもよい。生産プラントは、複数の生産ラインを備えてもよい。生産ラインは並列に運転されてもよい。訓練済みモデルは、単一生産ラインまたは生産ラインの群についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ラインは、少なくとも1つの反応器および少なくとも1つの固体処理ユニットを備えてもよい。訓練済みモデルは、反応器および/または固体処理ユニットについての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーンは、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデルは、品質基準を達成するために処理チェーン(processing chain)を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。
訓練済みモデルは、未処理CIP製品のための反応器上でのCIP生産等、連続プロセスまたは生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、CIPグレードにつながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセスが、訓練済みモデルに含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、ミリング、分類、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデルは、プロセスチェーンの各バッチプロセスに関連する単位操作を含んでもよい。単位操作は、工業用途およびそれぞれの製品特性、特にCIP特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデルに含まれてもよい。具体的には、バッチプロセスは、連続プロセスまたは生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデルの出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセスまたはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデルは、プロセスチェーンを通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にCIP生産の場合、訓練済みモデルは、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーンを通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続およびバッチプロセスの最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。
本明細書で使用される用語「制御(control)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントの少なくとも1つのパラメータを決定および/または調整することを、限定することなく指してもよい。本明細書で使用される用語「モニタリング(monitoring)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントの少なくとも1つのパラメータを定量的および/または定性的に決定することを、限定することなく指してもよい。少なくとも1つのパラメータは、生産プラントの運転条件に関連する。制御および/またはモニタリング工程において、予測された運転条件が提供される。具体的には、制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件に基づいてもよい。用語「提供すること(providing)」は、特に生産プラントのコントローラまたはスケジューラに対して、少なくとも1つの出力を生成することを指してもよい。運転条件は、少なくとも1つの出力チャネルを介して提供されてもよい。生産プラントは、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、未処理CIP生産プロセスの反応器は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。方法は、以下でより詳細に説明される制御システム等の制御システムを使用することを含んでもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システムおよび/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデルを用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システムによって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システムおよび/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システムおよび/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
本発明のさらなる態様において、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータプログラム、具体的に、アプリケーションが提案される。生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワークによって実行されると、
i)入力データを決定する工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する工程、
ii)入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定する工程であって、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、決定する工程、
iii)運転条件を提供する工程
をコンピュータまたはコンピュータネットワークに実施させる、命令を含む。
本明細書で使用される用語のほとんどの考えられる規定について、上記のまたは以下でさらに詳細に説明されるコンピュータ実装方法の説明に対して参照が行われてもよい。
具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。用語「コンピュータ可読データキャリア(computer-readable data carrier)」および「コンピュータ可読記憶媒体(computer-readable storage medium)」は、具体的には、コンピュータ実行可能命令を記憶しているハードウェア記憶媒体等の非一時的データ記憶手段を指してもよい。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)等の記憶媒体であってもよい、または、それを備えてもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段であって、プログラム(the program)がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に同封される(enclosed)実施形態のうちの1つまたは複数において本発明による方法を実施するためのものである、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品である。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、データ構造が記憶されているデータキャリアであり、データ構造は、コンピュータまたはコンピュータネットワークの作業メモリまたは主メモリ内に等、コンピュータまたはコンピュータネットワーク内にロードされた後、本明細書で開示される実施形態のうちの1つまたは複数に従って方法を実行してもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段であって、プログラム(the program)がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書で開示される実施形態のうちの1つまたは複数に従って方法を実施するための、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品である。本明細書で使用するとき、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙形式で等、任意の形式で、または、コンピュータ可読データキャリア上に存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークにわたって分散されてもよい。
本発明のさらなる態様において、生産プラントを制御および/またはモニターする制御システムが提案される。生産プラントは、少なくとも1つのバッチプロセスを含む少なくとも1つのプロセスチェーンを含む。制御システムは、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェースを備える。入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含む。通信インタフェースは、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システムは、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニットを備える。訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。制御システムは、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイスを備える。
本明細書で使用される用語「予測ユニット(prediction unit)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、好ましくは、少なくとも1つのデータ処理デバイスを使用することによって、そしてより好ましくは、少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、予測を実施するように適合される任意のデバイスを、限定することなく指してもよい。そのため、一例として、予測ユニットは、1つまたは複数のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の1つまたは複数のプログラマブルデバイス、または、上記で述べた予測を実施するために構成される他のデバイスを備えてもよい。そのため、一例として、少なくとも1つの予測ユニットは、多数のコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶されている少なくとも1つのデータ処理デバイスを備えてもよい。予測ユニットは、指定された運転のうちの1つまたは複数を実施する1つまたは複数のハードウェア要素を提供してもよい、および/または、指定された運転のうちの1つまたは複数を実施するために、1つまたは複数のプロセッサであって、プロセッサ上で実行されるソフトウェアを有する、1つまたは複数のプロセッサを提供してもよい。
本明細書で使用される用語「出力デバイス(output device)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、例えば、少なくとも1つのスケジューラに対して、訓練済みモデルの少なくとも1つの成果を提供するために構成されるデバイスを、限定することなく指してもよい。出力デバイスは少なくとも1つのディスプレイデバイスを備えてもよい。
制御システムは、決定された運転条件に従って生産プラントを制御および/またはモニターするために構成される少なくとも1つのコントロールユニットを備えてもよい。制御システムは、生産プラントをスケジュールするために構成されるスケジューラユニットをさらに備えてもよい。スケジューラユニットは、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについて生産計画を決定するために構成されてもよい。制御システムは、方法を参照する先行する請求項のうちの任意の先行する請求項に従って、生産プラントを制御および/またはモニターする方法を実施するために構成されてもよい。本明細書で使用される用語のほとんどの考えられる規定について、上記のまたは以下でさらに詳細に説明されるコンピュータ実装方法の説明に対して参照が行われてもよい。
要約すると、また、さらなる考えられる実施形態を排除することなく、以下の実施形態が想定されてもよい:
実施形態1:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法であって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む、コンピュータ実装方法。
実施形態2:生産プラントは少なくとも2つの逐次プロセスを備える、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態3:生産プラントは、決定された運転条件に従って制御される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態4:各制御可能要素についての運転条件が提供され、訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態5:訓練済みモデルは、品質基準を達成するために処理チェーンを通る最良ルートに関連する運転条件を提供するために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6:生産プラントのランのための生産計画は、決定された運転条件に基づいて決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7:品質基準に関連する情報は少なくとも1つの顧客仕様を含み、顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8:生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含み、リアルタイムデータは生産プラントの現在の状態に関する情報を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9:生産プラントレイアウトデータは予め規定されたレイアウトパラメータを含み、予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10:生産プラントは、連続処理のために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11:生産プラントによる生産は複数の生産工程を含み、訓練済みモデルは、単一生産工程についてのまたは生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12:訓練済みモデルはハイブリッドモデルである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13:訓練済みモデルは少なくとも1つのサブモデルを含み、サブモデルは、ホワイトボックスモデル、ハイブリッドモデル、またはデータ駆動型モデルのうちの1つまたは複数である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14:訓練済みモデルは複数のサブモデルを含み、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルであり、各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当する、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態15:訓練済みモデルはホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの組み合わせを含み、ホワイトボックスモデルは物理化学法則に基づき、ブラックボックスモデルは過去のプロダクションランからのセンサデータに基づく、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16:物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含む、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態17:ブラックボックスモデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築される、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18:訓練済みモデルは直列または並列アーキテクチャを含む、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19:直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルの出力はブラックボックスモデル用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデル用の入力として使用され、並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力は、出力の重ね合わせによって等で決定される、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態20:訓練済みモデルは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21:生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであり、粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータプログラム、具体的に、アプリケーションであって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワークによって実行されると、
i)入力データを決定する工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する工程、
ii)入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定する工程であって、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、決定する工程、
iii)運転条件を提供する工程
をコンピュータまたはコンピュータネットワークに実施させる、命令を含む、コンピュータプログラム。
実施形態23:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法であって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、方法は、
- 入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
- 少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
- 少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含み、予測工程で決定される運転条件は、処理チェーンを通る最良ルートを含む、コンピュータ実装方法。
実施形態24:実施形態1~21のいずれか1つに記載の制御および/またはモニターする方法に従って、生産プラントを制御および/またはモニターすることを含む、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態25:生産プラントを制御および/またはモニターする制御システムであって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、制御システムは、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェースを備え、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、通信インタフェースは、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成され、制御システムは、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニットを備え、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型であり、制御システムは、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイスを備える、制御システム。
実施形態26:決定された運転条件に従って生産プラントを制御および/またはモニターするために構成される少なくとも1つのコントロールユニットを備える、先行する実施形態に記載の制御システム。
実施形態27:生産プラントをスケジュールするために構成されるスケジューラユニットをさらに備え、スケジューラユニットは、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについて生産計画を決定するために構成される、先行する実施形態に記載の制御システム。
実施形態28:方法を参照する先行する実施形態のうちのいずれか1つに従って、生産プラントを制御および/またはモニターする方法を実施するために構成される、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の制御システム。
さらなる任意選択の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。そこでは、それぞれの任意選択の特徴は、当業者が認識するように、孤立してならびに任意の実現可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は図において概略的に示される。そこでは、これらの図における同一の参照符号は、同一のまたは機能的に匹敵する要素を指す。
本発明による例示的な方法の一実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 本発明による訓練済みモデルの一実施形態を示す図である。 訓練済みモデルの構成を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。
実施形態の詳細な説明
図1は、本発明による、生産プラント110を制御および/またはモニターする例示的なコンピュータ実装方法の一実施形態を示す。
図2Aおよび2Bは、生産プラント110の例示的な実施形態を示す。生産プラント110は化学生産プラントであってもよい。特に、生産プラント110は、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのバッチプロセス114を備える少なくとも1つのプロセスチェーン112を備える。プロセスチェーン112は、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを含んでもよい。プロセスチェーン112は、同時に実施されてもよい工程またはプロセス、および/または、連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーン112は、少なくとも1つの生産ライン116を備えてもよい。プロセスチェーン112は、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。図2Aに示すように、プロセスチェーン112は、「ライン1」~「ラインn」で示すn個の生産ライン116を備えてもよく、nは正整数である。図2Aに示す実施形態において、生産ライン116は並列に運転される。
バッチプロセス114は、時系列順に配列され、生産プロセスに直接関連する処理ユニットを備えてもよい。プロセスチェーン112は、複数のバッチプロセス114を含んでもよい。バッチプロセス114は、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセス114は、少なくとも1つの機械的および/または1つの熱的および/または1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセス114は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ運転とも呼ばれる処理用単位操作を含んでもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニット120を備えてもよい。図2Aに示すように、プロセスチェーン112、特に、生産ライン116のそれぞれは、「ユニット1」~「ユニットn」で示すn個のユニット120を備えてもよく、nは正整数である。
プロセスチェーン112は、少なくとも1つの連続プロセス122を含んでもよい。プロセスチェーン112はバッチプロセス114および連続プロセス122を含んでもよい。プロセスチェーン112は、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーン112は、少なくとも1つの連続プロセス122および複数のバッチプロセス114を含んでもよい。生産プラント110は、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラント110は、複数の並列連続プロセス122および/またはバッチプロセス114を含んでもよい。連続プロセス122および/またはバッチプロセス114は、異なる方法で組み合わされてもよい。連続プロセス122およびバッチプロセス114の組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続プロセス122およびバッチプロセス114の組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーン112を通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。ルートは、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせであってもよい。最良ルートは、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートであってもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。図2Bは、ユニット1~6の組み合わせが異なる、2つの考えられるルートa)およびb)を有する一実施形態を示す。最良ルートは、所望の化学製品、具体的にはその品質基準に応じて選択されてもよい。
例えば、生産プラント110は、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。粉末は、例えば、1~100nmの粒子サイズを有するナノサイズ粉末、または、例えば、0.1~10μmの粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末であってもよい。粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末であってもよい。
例えば、図2Aに示すように、生産プラント110は、カルボニル鉄粉(CIP)を生産する粉末生産プラントであってもよい。カルボニル鉄粉は、種々の工業用途のために、例えば、金属射出成形、コイルコア、レーダー吸収、ダイヤモンドツール、および同様なもののために生産されてもよい。CIPは高純度のマイクロサイズ鉄粉である。CIPは、鉄ペンタカルボニルの熱分解によって生産されることができる。CIPは、ガス状の鉄ペンタカルボニル(IPC)がFeおよびCOに分解されるホットウォールエアロゾルプロセスによって生産されてもよい。生産プラント110は、少なくとも1つの蒸発器を備えてもよい、または、少なくとも1つの蒸発器に接続されてもよい。図2Aにおいて、鉄ペンタカルボニルの流入は、未処理材料および参照数字124として示される。生産プラント110は、少なくとも1つの反応器126を備えてもよい。反応器126は、プロセスチェーン112の連続プロセス122であってもよい、または、その一部であってもよい。別個のカボニレーションプラントまたは上流プロセス工程で生産されてもよい液状鉄ペンタカルボニル(IPC)は、液体が約104℃まで加熱される蒸発器に給送されてもよい。IPCは沸騰し、発生した純粋なガスは、反応器126に給送されてもよい。反応器126は、一定の長さおよび径を有する円筒反応器であってもよい。反応器126は、550℃まで壁面加熱されてもよい。IPCは、吸熱反応において、鉄および5モルCOガスに定量的に分解される。反応ゾーン内の温度は、典型的には250℃と350℃との間である。気相で形成されるFe粒子はμmサイズの球粒子であってもよい。
「未処理材料(raw material)」および図2Aの参照数字128として示される未処理CIPは、「仕上がり粉末(finished powder)」および図2Aの参照数字138として示される仕上がり製品を生産するために、少なくとも1つのバッチプロセス114においてさらに処理されてもよい。例えば、未処理CIP128は、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセス114において後で処理されてもよい。生産プラント110は、異なる種類の最終CIP、いわゆるグレードを生産するために構成されてもよい。グレードは、複数の生産ライン116上で生産されてもよい。グレードは、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、CIPの工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。「仕上がり粉末」および図2Aの参照数字138として示される最終CIP製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。最終CIP製品の特性、すなわち、プロセスチェーン112の成果は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、後続の固体処理用単位操作によって制御されてもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。未処理CIP特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。ミリングは、弱凝集体および/または強凝集体を破壊することを含んでもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
図1を参照すると、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(参照数字132で示す)であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程(参照数字134で示す)であって、予測工程において、生産プラント110を運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって決定され、訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(参照数字140で示す)であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
品質基準は、用途依存の品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデル136は、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
生産プラント110に関する情報は、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータスに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデル136は、必要とされる用途特有の製品特性、特に粉末特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。
運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。訓練済みモデル136は、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。
訓練済みモデル136はハイブリッドモデルであってもよい。図3は、本発明による訓練済みモデル136の一実施形態を示す。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデル136は、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデル142は物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデル144は、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデル144は、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデル144は、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。図4は、訓練済みモデル136の一実施形態の構成を示す。特に、データ駆動型モデルがそれに基づいて生成される実験データおよびホワイトボックスモデル142がそれに基づいて生成される理論データが示される。
訓練済みモデル136は、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142の出力146はブラックボックスモデル144用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデル144の出力148はホワイトボックスモデル142用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の結合出力150は、出力146、148の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。図3は、直列アーキテクチャの実施形態を示し、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力がさらに計算される。
訓練済みモデル136は、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデル136は、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ライン116のために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。
生産プラント110による生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。訓練済みモデル136は、単一生産ライン116または生産ラインの群116についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ライン116は、少なくとも1つの反応器126および少なくとも1つの処理ユニット120を備えてもよい。訓練済みモデル136は、反応器および/または固体処理ユニット120についての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーン112は、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、品質基準を達成するために処理チェーン116(processing chain 116)を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。訓練済みモデル136は、未処理CIP製品のための反応器上でのCIP生産等、連続プロセス122または生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、CIPグレードにつながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセス114が、訓練済みモデル136に含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、ミリング、分類、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、プロセスチェーン112の各バッチプロセス114に関連する単位操作118を含んでもよい。単位操作118は、工業用途およびそれぞれの製品特性、特にCIP特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデル136に含まれてもよい。具体的には、バッチプロセス114は、連続プロセス122または生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデル136の出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセス114またはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作118の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデル136は、プロセスチェーン112を通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にCIP生産の場合、訓練済みモデル136は、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーン112を通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続プロセス122およびバッチプロセス114の最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。バッチプロセス114は、品質基準および/または生産プラント110のワークロードに応じて、生産プラント110を通る異なるルートを含んでもよい。例えば、図2Aの生産ライン116の場合、単位操作118およびユニット120は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適条件に達するおよび/またはそれを確保することが可能であるように組み合わされてもよい。
図2Aにさらに示すように、生産プラント110は、制御システム156によって制御されてもよい。制御システム156は、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェース158を備える。通信インタフェース158は、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システム156は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって、生産プラント110を運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニット160を備える。制御システム156は、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイス162を備える。
生産プラント110は、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、未処理CIP生産プロセスの反応器126は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラント110のランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システム156および/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデル136を用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システム156によって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システム156および/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システム156および/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
本発明の別の例において、方法は、特に、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または拡張熱可塑性ポリウレタン(ETPU)を生産するために、ポリウレタン生産プラントにおいて適用されてもよい。
図1を再び参照すると、本発明による、生産プラント110をモニターおよび/または制御するコンピュータ実装方法のさらなる実装態様が示される。
図5Aおよび5Bは、生産プラント110の例示的な実施形態を示す。生産プラント110は化学生産プラントである。特に、生産プラント110は、少なくとも1つのポリウレタン、より詳細には1つのTPUおよび/または1つのETPUを生産するために構成されるポリウレタン生産プラントであってもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのバッチプロセス514を備える少なくとも1つのプロセスチェーン512を備える。プロセスチェーン512は、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを含んでもよい。プロセスチェーン512は、同時に実施されてもよい工程またはプロセスおよび/または連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーン512は、少なくとも1つの生産ライン516を備えてもよい。プロセスチェーン512は、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。図5Aに示すように、プロセスチェーン512は、「ライン1」~「ラインn」で示すn個の生産ライン516を備えてもよく、nは正整数である。図5Aに示す実施形態において、生産ライン516は並列に運転される。
バッチプロセス514は、時系列順に配列され、生産プロセスに直接関連する処理ユニットを備えてもよい。プロセスチェーン512は、複数のバッチプロセス114を含んでもよい。バッチプロセス514は、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセス514は、少なくとも1つの機械的および/または1つの熱的および/または1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセス514は、押し出し、フィーディング、ミキシング、ブローイング、カラーリングのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ用運転とも呼ばれる処理用単位操作518を含んでもよい。生産プラント510は、少なくとも1つの押し出し機、少なくとも1つのインジェクタ、少なくとも1つの多孔板、オートクレーブからなる群から選択される少なくとも1つのユニット520を備えてもよい。図5Aに示すように、プロセスチェーン512、特に、生産ライン516のそれぞれは、「ユニット1」~「ユニットn」で示すn個のユニット520を備えてもよく、nは正整数である。
プロセスチェーン512は、少なくとも1つの連続プロセス522を含んでもよい。プロセスチェーン512はバッチプロセス514および連続プロセス522を含んでもよい。プロセスチェーン512は、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーン512は、少なくとも1つの連続プロセス522および複数のバッチプロセス514を含んでもよい。生産プラント510は、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラント510は、複数の並列連続プロセス522および/またはバッチプロセス514を含んでもよい。連続プロセス526(continuous processes 526)および/またはバッチプロセス514は、異なる方法で組み合わされてもよい。連続プロセス522およびバッチプロセス514の組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続プロセス522およびバッチプロセス514の組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーン512を通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。ルートは、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせであってもよい。最良ルートは、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートであってもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。図5Bは、ユニット1~6の組み合わせが異なる、2つの考えられるルートa)およびb)を有する一実施形態を示す。最良ルートは、所望の化学製品、具体的にはその品質基準に応じて選択されてもよい。
例えば、生産プラント510は、少なくとも1つのポリウレタン、より詳細には1つのTPUおよび/または1つのETPUを生産するために構成されるポリウレタン生産プラントであってもよい。例えば、図5Aに示すように、生産プラント510は、ポリウレタン、特にTPUおよび/またはETPUの生産のためのポリウレタン生産プラントであってもよい。TPUおよびETPUは、種々の工業用途、例えば、発泡体、絶縁材料、シューソール、ケースのために生産されてもよく、これら種々の工業用途に応じて、異なる特性が必要とされてもよい。本出願の意味で、これらの特性は品質基準であってもよい。
ETPUは、TPUを拡張させることによってTPUから生産されることができる。図5Aにおいて、TPU生産の流入プレポリマーは、未処理材料および参照数字524として示される。生産プラント510は、少なくとも1つの反応器526を備えてもよい。反応器526は、プロセスチェーン112の連続プロセス522であってもよい、または、その一部であってもよい。反応器は、TPUを生産するために重合プロセス用の反応器であってもよい。
図5Aの参照数字528は、TPUを示し、図5Aで参照数字538として示す仕上がり製品を生産するために少なくとも1つのバッチプロセス114においてさらに処理されてもよい。例えば、TPU528は、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセス514において後で処理されてもよい。生産プラント510は、異なる種類の最終製品を生産するために構成されてもよい。最終製品は、複数の生産ライン516上で生産されてもよい。最終製品は、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、最終製品の工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。図5Aで参照数字538として示される仕上がり最終製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、硬度、孔サイズ、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。仕上がり最終製品の特性、すなわち、プロセスチェーン512の成果は、後続の処理用単位操作によって制御されてもよい。TPU特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。TPUは、続く溶融プロセスにおいて、溶融がより均等になるように粉砕されてもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
非制限的な例として、「TPU」は、例えば、上流生産プロセス、および、
イソシアネート:4、4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)
鎖延長剤:1、4-ブタンジオール
ポリオール:ポリテトラヒドロフラン(PolyTHF)
の形態の入力材料を使用して、上流工業プラントにおいて、プロセス522で生産されてもよい。
触媒、安定剤、および/または酸化防止剤等のさらなる添加剤は、上流工業プロセスの詳細に応じて、添加されてもよい。 TPUおよび/またはETPUを生産する任意の他の適切なプロセスが使用されてもよい。
TPU生産は、48D(12ハウジング)のプロセス長を有する、会社Coperionの、ツインスクリュー押し出し機ZSK58 MC内で実施することを含んでもよい。押し出し機からの溶融物(melt)(ポリマー溶融物)の放出は、ギアポンプによって実施されてもよい。溶融物ろ過後に、ポリマー溶融物は、水中造粒によって顆粒になるように処理されてもよく、その顆粒は、40~90℃で加熱用渦床において絶えず乾燥されてもよい。ポリオール、鎖延長剤、およびジイソシアネート、ならびに触媒は、第1のゾーン内に滴下されてもよい。さらなる添加剤の添加は、上記で説明したように、ゾーン8で起こる。ハウジング温度は150~230℃に及ぶ(range)。溶融および水中造粒は、210~230℃の溶融温度で実施されてもよい。スクリュー速度は180rpmと240rpmとの間であってもよい。スループットは180~220kg/hに及んでもよい。TPU生産についてこの例に示す生産工程以外のさらなる生産工程が存在してもよい、または、存在しなくてもよい。
ETPUを生産するバッチまたは半バッチプロセスの例が示されてもよい。さらなる非制限的な例として、ETPU生産またはTPUからの拡張粒子(発泡顆粒)の生産は、44mmのスクリュー径および42の長さと径との比を有するツインスクリュー押し出し機が、後続の溶融ポンプ、スクリーンチェンジャを有するスタートアップ弁、多孔板、および水中造粒と共に使用されることを含んでもよい。熱可塑性ポリウレタンは、0.02重量%未満の残留水分を得るために、3時間の間、80℃で、処理する前に乾燥される。使用されるTPUは、ツインスクリュー押し出し機の供給材料内に重量滴下デバイスによって滴下されてもよい。材料をツインスクリュー押し出し機の供給材料内に滴下した後、材料は溶融され混合されてもよい。その後、推進剤CO2およびN2が、1つのインジェクタによってそれぞれ添加されてもよい。残っている押し出し材の長さは、ポリマー溶融物内への推進剤の均質な組み込みのために使用されてもよい。押し出し機後に、ポリマー/推進剤混合物は、スクリーンチェンジャを有するスタートアップ弁を介してギアポンプによって多孔板内に圧入されてもよい。多孔板によって、個々のストランドが生産されてもよい。これらのストランドは、水中造粒ユニットの加圧されたカッティングチャンバまで搬送されてもよく、そこで、ストランドは、顆粒になるようにカットされ、顆粒が拡張している間に、水でさらに輸送されてもよい。プロセス水からの拡張粒子または顆粒の分離は、遠心脱水機によって行われてもよい。押し出し材、ポリマー、および推進剤の総スループットは、40kg/hであってもよい。遠心脱水機による水からの拡張顆粒の分離後に、拡張顆粒は、粒子のさらなる解析をゆがめないように、残留表面水ならびに粒子内の潜在的水分を除去するために、60℃で3時間乾燥されてもよい。このプロセスによるETPU生産は、1つのユニット、例えば、ユニット1として考えられてもよい。押し出し機における処理に加えて、拡張粒子はまた、オートクレーブで生産されてもよい。このため、圧力容器は、相比が0.32である固相/液相を有する80%の充填度で充填されてもよい。固相は、ここではTPUであり、液相は、水と炭酸カルシウムおよび表面活性物質との混合物である。この固/液相に対する圧力によって、発泡剤/推進剤(ブタン)は、前もって窒素で洗浄される緊密な圧力容器内に圧入されてもよい。圧力容器は、50℃の温度で固/液相を撹拌することによって、加熱されてもよく、その後、窒素が、8barまで圧力容器に圧入されてもよい。その後、更なる加熱が、所望の含侵温度に達するまで実施されてもよい。含侵温度および含侵圧力に達すると、圧力容器は、所与の保持時間後に弁によって緩められてもよい。このプロセスによるETPU生産は、1つのユニット、例えば、ユニット2として考えられてもよい。
ETPU生産についてこの例で示した生産工程以外のさらなる生産工程が存在してもよい、または、存在しなくてもよい。
TPU生産工程および/またはETPU生産工程は、上記に代表的な例で示すものと同じであってもよい、または、同じでなくてもよい。特定の生産工程が、本教示の範囲または一般性に対して制限的でないことを当業者は認識するものとする。
TPUは、異なるユニットによって示されるさらなるバッチプロセスにおいて顔料で着色されてもよい。
図1を再び参照すると、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(参照数字132で示す)であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程(参照数字134で示す)であって、予測工程において、生産プラント110を運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって決定され、訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(参照数字140で示す)であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
品質基準は、用途依存の品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、硬度、孔サイズ、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデル136は、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
生産プラント510に関する情報は、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータスに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデル136は、必要とされる用途特有の製品特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。
運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。訓練済みモデル136は、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産されるポリウレタンの品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。
訓練済みモデル136はハイブリッドモデルであってもよい。図3は、本発明による訓練済みモデル136の一実施形態を示す。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデル136は、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデル142は物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデル144は、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデル144は、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデル144は、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。図4は、訓練済みモデル136の一実施形態の構成を示す。特に、データ駆動型モデルがそれに基づいて生成される実験データおよびホワイトボックスモデル142がそれに基づいて生成される理論データが示される。
訓練済みモデル136は、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142の出力146はブラックボックスモデル144用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデル144の出力148はホワイトボックスモデル142用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の結合出力150は、出力146、148の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。図3は、直列アーキテクチャの実施形態を示し、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力がさらに計算される。
訓練済みモデル136は、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデル136は、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ライン116のために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。
生産プラント510による生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。訓練済みモデル136は、単一生産ライン516または生産ラインの群516についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ライン516は、少なくとも1つの反応器526および少なくとも1つの処理ユニット520を備えてもよい。訓練済みモデル136は、反応器および/または固体処理ユニット520についての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーン512は、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、品質基準を達成するために処理チェーン516(processing chain 516)を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。訓練済みモデル136は、反応器上でのポリウレタン生産等、連続プロセス522または生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、最終製品につながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセス514が、訓練済みモデル136に含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、TPUを粉砕すること、拡張することを含んでもよい。訓練済みモデル136は、プロセスチェーン512の各バッチプロセス514に関連する単位操作518を含んでもよい。単位操作518は、工業用途およびそれぞれの製品特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデル136に含まれてもよい。具体的には、バッチプロセス514は、連続プロセス522または生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデル136の出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセス514またはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作518の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデル136は、プロセスチェーン512を通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にTPUおよび/またはETPU生産の場合、訓練済みモデル136は、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーン512を通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続プロセス522およびバッチプロセス514の最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。バッチプロセス514は、品質基準および/または生産プラント510のワークロードに応じて、生産プラント510を通る異なるルートを含んでもよい。例えば、図5Aの生産ライン516の場合、単位操作518およびユニット520は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適条件に達するおよび/またはそれを確保することが可能であるように組み合わされてもよい。
図5Aにさらに示すように、生産プラント510は、制御システム556によって制御されてもよい。制御システム556は、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェース558を備える。通信インタフェース558は、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システム556は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル536を適用することによって、生産プラント510を運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニット560を備える。制御システム556は、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイス562を備える。
生産プラント510は、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデル536は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、ポリウレタン生産プロセスの反応器526は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラント510のランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システム556および/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデル536を用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システム556によって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システム556および/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システム556および/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
符号の説明
110 生産プラント
112 プロセスチェーン
114 バッチプロセス
116 生産ライン
118 単位操作
120 ユニット
122 連続プロセス
124 未処理材料
126 反応器
128 未処理粉末
132 入力データを決定すること
134 予測工程
136 訓練済みモデル
138 仕上がり粉末
140 制御およびモニタリング工程
142 ホワイトボックスモデル
144 ブラックボックスモデル
146 出力
148 出力
150 結合出力
152 実験データ
154 理論データ
156 制御システム
158 通信インタフェース
160 予測ユニット
162 出力デバイス
技術分野
本発明は、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法、コンピュータプログラム、および制御システムに関する。本発明は、特に、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、または二酸化チタン生産のため等の工業用粉末生産のために使用されてもよい。他の用途も考えられる。
背景技術
1~100nmの典型的な粒子サイズを有する高純度ナノサイズ粉末、および、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、または二酸化チタン等の0.1~10μmの典型的な粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末の工業用粉末生産は、連続フレーム、ホットウォール、または噴霧熱分解反応器を含むエアロゾルプロセスにおいて実施されることができる。
例えば、カルボニル鉄粉(CIP)生産は、米国特許第2612440号、英国特許第695925号、米国特許第2597701号、米国特許第2851347号、独国特許第1433361号、独国特許第3216362号、独国特許第3428121号、独国特許第3940347号、米国特許第4197118号、米国特許第4113480号、ソ連国特許発明第1186398号、独国特許第102005030613号、国際公開第2014/049016号、中国特許第103046033号、Syrkin、Tolmasski、Petrova、Poroshkovaya Metallurgiya、No.7(43)、38~44ページ、1966年7月から翻訳、Mittasch、Zeitschrift fur angewandte Chemie、「Uber Eisencarbonyl und Carbonyleisen」、28.07.1928、(30)、827、Syrkin;Poroshkovaya Metallurgiya、No.3(21)、75~84ページ、964(964)年5月~6月(原著963(963)年1月27日提出)、から翻訳「About New process using atomization of liquid IPC into an decomposer」、Ebenhoech、Progress in powder Metallurgy(42)、1986、「Carbonyl iron powder production、properties and applications」によって説明される。
粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、または相組成等の未処理粉末特性は、エアロゾル反応器内での化学反応および粒子成長に強く依存する。未処理粉末特性は、ミル、スクリーン、ふるい、オーブン、か焼炉、ロータリキルン、または流動床等の単位操作または反応器における、後続の機械的、熱的、ならびに/または混合式熱および/または化学プロセスによってさらに改質されることができる。エアロゾル反応器および後続の単位操作または反応器の両方の制御は、用途特有の粉末特性を決定するために極めて重要である。実際には、用途特有の粉末特性を決定する第1原理の法則が知られていない。したがって、生産プロセスの制御は、高い程度の経験主義および手作業による最適化を伴い、それは、粉末生産を複雑かつエラーを起こし易くする。
国際公開第2019/188931号は、ワインディング条件生成デバイス、ワインディングデバイス、ワインディング欠陥レベル予測値生成デバイス、ワインディング条件計算法、ワインディング法、およびワインディング欠陥レベル予測値生成法を説明する。ワインディング条件生成デバイスは、入力ユニット、出力ユニット、および条件計算ユニットを備え、条件計算ユニットは、ターゲットワインディング品質を満たすワインディングウェブが生産されるときに使用されるワインディング条件およびワインディングパラメータの組み合わせを教師データとして使用する機械学習によって生成される学習モデルを備え、その学習モデルを使用して、入力ユニットから入力される新しいワインディングウェブのワインディングパラメータから新しいワインディングウェブのワインディング条件を計算し、出力ユニットはワインディング条件を出力する。ワインディングパラメータは、ウェブの幅、ウェブを搬送する速度、およびウェブのワインディング長を含む。ワインディング条件は、ウェブのワイディングの開始時のウェブの張力およびウェブのワイディングの終了時のウェブの張力を含む。
解決しようとする課題
したがって、上記で述べた技術的課題に対処する方法およびデバイスを提供することが望ましい。具体的には、複雑でなく、頑健で、生産プラントの改善された制御を可能にする、生産プラントを制御およびモニターするデバイスおよび方法が提供されるものとする。
概要
この課題は、独立請求項の特徴を有する、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法、コンピュータプログラム、および制御システムによって対処される。孤立してまたは任意の組み合わせで実現されてもよい有利な実施形態は従属請求項に挙げられている。
以下で使用するとき、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」、または「含む(include)」、あるいはその任意の文法的変形は非排他的方法で使用される。そのため、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴を除いて、この文脈で説明されるエンティティ内にさらなる特徴が存在しない状況、および、1つまたは複数のさらなる特徴が存在する状況を共に指してもよい。一例として、表現「AはBを有する(A has B)」、「AはBを備える(A comprises B)」、および「AはBを含む(A includes B)」は、Bを除いて、他の要素がA内に存在しない状況(すなわち、Aは、唯一かつ排他的にBからなる)、および、Bを除いて、要素C、要素CおよびD、またはなおさらなる要素等の1つまたは複数のさらなる要素はエンティティA内に存在する状況を共に指してもよい。
さらに、特徴または要素が1回または典型的には2回以上存在してもよいことを示す、用語「少なくとも1つ(at least one)」、「1つまたは複数(one or more)」、または同様な表現が、それぞれの特徴または要素を導入するときに1回のみ使用されることになることが留意されるものとする。以下において、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するとき、表現「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、それぞれの特徴または要素が1回または2回以上存在してもよいという事実にもかかわらず、繰り返されないことになる。
さらに、以下で使用するとき、用語「好ましくは(preferably)」、「より好ましくは(more preferably)」、「特に(particularly)」、「より詳細には(more particularly)」、「具体的に(specifically)」、「より具体的には(more specifically)」、または同様な用語は、代替の可能性を制限することなく、任意選択の特徴に関連して使用される。そのため、これらの用語によって導入される特徴は、任意選択の特徴であり、特許請求項の範囲をいずれの点でも制限することを意図されない。
本発明は、当業者が認識することになるように、代替の特徴を使用することによって実施されることになる。同様に、「本発明の一実施形態(in an embodiment of the invention)」によって導入される特徴または同様な表現は、本発明の代替の実施形態に関する制限なしで、本発明の範囲に関する制限なしで、そして、そのような方法で導入される特徴と、本発明の任意選択のまたは任意選択でない他の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしで、任意選択の特徴であることを意図される。
本発明の第1の態様において、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法が提案される。
本明細書で使用される用語「コンピュータ実装(computer-implemented)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つのプロセッサを備えるデータ処理手段等のデータ処理手段を使用することによって完全にまたは部分的に実装されるプロセスを、限定することなく指してもよい。そのため、用語「コンピュータ(computer)」は、デバイス、または、少なくとも1つのプロセッサ等の少なくとも1つのデータ処理手段を有するデバイスの組み合わせまたはネットワークを一般に指してもよい。コンピュータは、さらに、データ記憶デバイス、電子インタフェース、またはヒューマン-マシンインタフェースのうちの少なくとも1つ等の1つまたは複数のさらなるコンポーネントを備えてもよい。
本明細書で使用される用語「生産プラント(production plant)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの製品を生産および/または製造および/または生成および/または処理するデバイスまたはデバイスのシステムまたはデバイスの複合体を、限定することなく指してもよい。生産プラントは化学生産プラントであってもよい。特に、生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。
用語「化学生産プラント(chemical production plant)」は、1つまたは複数の化学製品を製造、生産、または処理する工業目的のために使用される任意の技術的インフラストラクチャ、すなわち、化学生産プラントによって実施される製造または生産プロセスまたは処理を、限定することなく指してもよい。相応して、化学生産プラントは、プロセスプラント、医薬品プラント、オイルおよび/または天然ガス井等の化石燃料処理施設、精製所、石油化学プラント、分留所等のうちの1つまたは複数であってもよい。化学生産プラントは、さらに、蒸留所、処理プラント、またはリサイクリングプラントのうちの任意のものであることができる。化学生産プラントは、さらに、上記で挙げた例またはそれらの類似物の任意のものの組み合わせであることができる。さらに、化学生産プラントは、典型的には、複数のセンサ、および、化学生産プラント内で、プロセスに関連する少なくとも1つのパラメータまたはプロセスパラメータを制御する少なくとも1つの制御システムを備える。そのような制御機能は、センサのうちの少なくとも1つのセンサからの少なくとも1つの測定信号に応答して制御システムまたはコントローラによって通常実施される。
本開示における用語「化学製品(chemical product)」は、化学、医薬、栄養、化粧用、生物学的製品、飲料、織物、金属、プラスチック、またはさらにそれらの組み合わせのうちの任意のものを指してもよい。化学製品は完全に天然成分からなってもよい、または、化学製品は、1つまたは複数の合成成分を少なくとも部分的に含んでもよい。化学製品の幾つかの非制限的な例は、有機または無機組成物、モノマー、ポリマー、発泡体、殺虫剤、除草剤、化学肥料、供給材料、栄養製品、前駆物質、医薬品または処理製品、あるいは、それらの成分または有効成分のうちの任意の1つまたは複数である。幾つかの例において、化学製品は、さらに、エンドユーザまたは消費者によって使用可能な製品、例えば、化粧品または医薬組成物であってもよい。化学製品は、さらに、さらなる1つまたは複数の製品を作るために使用可能な製品であってもよい、例えば、化学製品は、靴用のソールを製造するために使用可能な合成発泡体または自動車外観のために使用可能なコーティングであってもよい。化学製品は、任意の形態、例えば、固体、半固体、ペースト、液体、乳剤、溶液、ペレット、顆粒、または粉末の形態であってもよい。付加的にまたは代替的に、化学製品は、さらに、例えば、リサイクリング等の回収または廃棄物処理、1つまたは複数の化学製品になるようなブレークダウンまたは溶解等の化学処理のためのサービス製品であってもよい。
生産プラントは、処理ユニットとしても示される機器、例えば、熱交換器、分留カラム等のカラム、炉、反応チャンバ、分留ユニット、貯蔵タンク、押し出し機、ペレット製造機、沈降分離機、ブレンダー、ミキサー、カッター、硬化チューブ、気化器、濾過器、ふるい、パイプライン、スタック、濾過器、弁(a stack,a filter,a valve)、アクチュエータ、ミル、変換器、搬送システム、回路ブレーカ、機械装置、例えば、タービン等のヘビーデューティ回転機器、発電機、粉砕機、圧縮機、工業用ファン、ポンプ、コンベヤシステム等の輸送要素、モータ等のうちの任意の1つまたは複数を備えてもよい。用語「機器(equipment)」は、生産プラント内の任意の1つまたは複数のアセットを指してもよい。非制限的な例として、機器は、コンピューティングユニットまたはコントローラ、センサ、アクチュエータ、エンドエッフェクターユニット、コンベヤシステム等の輸送要素、ヒーター等の熱交換器、炉、冷却ユニット、反応器、ミキサー、フライス盤、チョッパー、圧縮機、スライサ、押し出し機、乾燥機、噴霧器、圧力または真空チャンバ、チューブ、ビン、サイロ、および、工業プラントにおける生産のためにまたは生産中に間接的または直接的に使用される任意の他の種類の装置のうちの任意の1つまたは複数あるいはそれらの組み合わせのうちの任意のものを指してもよい。好ましくは、機器は、具体的に、生産プロセスに直接的にまたは間接的に関わるアセット、装置、またはコンポーネントを指す。より好ましくは、アセット、装置、またはコンポーネントは、化学製品の性能に影響を及ぼす可能性がある。機器はバッファリングされてもよい、または、機器はバッファリングされなくてもよい。さらに、機器は、混合または非混合、分離または非分離を含んでもよい。混合なしの状態でバッファリングされない機器の幾つかの非制限的な例は、コンベヤシステムまたはベルト、押し出し機、ペレット製造機、および熱交換器である。混合なしの状態でバッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、バッファーサイロ、ビン等である。混合を伴う、バッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、ミキサーを有するサイロ、混合用容器、カッティングミル、ダブルコーンブレンダー、硬化チューブ等である。混合を伴う、バッファリングされない機器の幾つかの非制限的な例は、スタティックまたはダイナミックミキサー等である。分離を伴う、バッファリングされる機器の幾つかの非制限的な例は、カラム、セパレータ、抽出、薄膜気化器、濾過器、ふるい等である。機器は、さらに、オクタビン充填、ドラム、バッグ、タンクトラック等の貯蔵または包装要素であってもよい、または、機器はそれを備えてもよい。
生産プラントは少なくとも1つのプロセスチェーンを備える。本明細書で使用される用語「プロセスチェーン(process chain)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを指してもよい。プロセスチェーンは、同時に実施されてもよい工程またはプロセス、および/または、連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーンは少なくとも1つの生産ラインを備えてもよい。プロセスチェーンは、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。
生産プラントは、少なくとも2つの逐次プロセス、特に、少なくとも2つの化学プロセスを含んでもよい。用語「逐次プロセス(sequential processes)」は、互いに追従する少なくとも2つのプロセスを指してもよい。プロセスのそれぞれは、異なる運転パラメータを有してもよい。具体的には、後続の第2のプロセスは、前の第1のプロセスによって影響される場合があり、特に、第1のプロセスの少なくとも1つのパラメータは第2のプロセスからのパラメータを決定してもよい。別個のパラメータを有する逐次プロセスは、特に、2つのプロセスのうちの少なくとも1つのプロセスが化学プロセスである場合、制御するのがより厳しいまたはより困難である場合がある。本発明による制御および/またはモニターする方法は、逐次プロセスの確実かつ簡略化された制御を可能にしてもよい。
プロセスチェーンは、少なくとも1つのバッチプロセスを含む。本明細書で使用される用語「バッチプロセス(batch process)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、プロセスであって、処理ユニットが、時系列順であり、生産プロセスに直接関連する、プロセスを、限定することなく指してもよい。プロセスチェーンは、複数のバッチプロセスを含んでもよい。バッチプロセスは、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセスは、少なくとも1つの機械的および/または少なくとも1つの熱的および/または少なくとも1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセスは、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ運転とも呼ばれる処理用単位操作を含んでもよい。生産プラントは、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。
プロセスチェーンは、少なくとも1つの連続プロセスを含んでもよい。本明細書で使用される用語「連続プロセス(continuous process)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、中断がない状態の、フロー生産法を、限定することなく指してもよい。プロセスチェーンはバッチおよび連続プロセスを含んでもよい。プロセスチェーンは、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーンは、少なくとも1つの連続プロセスおよび複数のバッチプロセスを含んでもよい。生産プラントは、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラントは、複数の並列連続および/またはバッチプロセスを含んでもよい。連続および/またはバッチプロセスは、異なる方法で組み合わされてもよい。連続およびバッチプロセスの組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続およびバッチプロセスの組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーンを通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
例えば、生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。粉末は、例えば、1~100nmの粒子サイズを有するナノサイズ粉末、または、例えば、0.1~10μmの粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末であってもよい。粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末であってもよい。
特に、生産プラントは、カルボニル鉄粉(CIP)を生産する粉末生産プラントであってもよい。カルボニル鉄粉は、種々の工業用途のために、例えば、金属射出成形、コイルコア、レーダー吸収、ダイヤモンドツール、および同様なもののために生産されてもよい。CIPは高純度のマイクロサイズ鉄粉である。CIPは、鉄ペンタカルボニルの熱分解によって生産されることができる。CIPは、ガス状の鉄ペンタカルボニル(IPC)がFeおよびCOに分解されるホットウォールエアロゾルプロセスによって生産されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つの蒸発器を備えてもよい、または、少なくとも1つの蒸発器に接続されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つの反応器を備えてもよい。反応器は、プロセスチェーンの連続プロセスであってもよい、または、その一部であってもよい。別個のカボニレーションプラントまたは上流プロセス工程で生産されてもよい液状鉄ペンタカルボニル(IPC)は、液体が約104℃まで加熱される蒸発器に給送されてもよい。IPCは沸騰し、発生した純粋なガスは、生産プラントの反応器に給送されてもよい。反応器は、一定の長さおよび径を有する円筒反応器であってもよい。反応器は、550℃まで壁面加熱されてもよい。IPCは、吸熱反応において、鉄および5モルCOガスに定量的に分解される。反応ゾーン内の温度は、典型的には250℃と350℃との間である。気相で形成されるFe粒子はμmサイズの球粒子であってもよい。
反応器によって生産される未処理CIPは、典型的には、或る程度の不純物を含み、例えば、ハードグレードCIPはCまたはNまたはO(Σ≒2重量%)を含み、それは、触媒活性鉄粒子の表面上で起こる異なる副反応から生じる。具体的には、アンモニアがシステムに給送されない場合、鉄カーバイドおよび鉄酸化物が構造内に見出される可能性がある;アンモニアが反応ガスに添加される場合、鉄酸化物はほとんど形成されないが、鉄窒化物および鉄カーバイドは形成される。未処理CIP特性は、供給材料組成、流入ガスの温度、反応器幾何形状、反応器サイズ、反応器壁温度のうちの1つまたは複数によって制御されてもよい。プロセスチェーンは、少なくとも1つの未処理CIP分類工程を備えてもよく、反応器の底部において反応器内で形成される材料またはモルIPC当たり5モルCO等の反応器のオフガスは、未処理CIPを少なくとも2つ以上のフラクションに分類するために使用されてもよい。IPCおよび未処理CIP生産は、連続プロセスにおいて行われてもよい。
未処理CIPは、仕上がり製品を生産するために、少なくとも1つのバッチプロセスにおいてさらに処理されてもよい。上記で概説したように、プロセスチェーンは、少なくとも1つのバッチプロセスを備える。例えば、未処理CIPは、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセスにおいて後で処理されてもよい。生産プラントは、異なる種類の最終CIP、いわゆるグレードを生産するために構成されてもよい。グレードは、複数の生産ライン上で生産されてもよい。グレードは、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、CIPの工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。最終CIP製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。最終CIP製品の特性、すなわち、プロセスチェーンの成果は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、後続の固体処理用単位操作によって制御されてもよい。生産プラントは、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。未処理CIP特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。ミリングは、弱凝集体(agglomerate)および/または強凝集体(aggregate)を破壊することを含んでもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
CIPの生産プロセスは、多様な仕様を満たすために高い柔軟度を必要とする。粉末生産において、中間品質検査および/または粉末特性を支配する現象の第1の原理の理解が、しばしば、抜けているおよび/または不完全であるため、全ての生産工程で品質問題を検出することは、通常、難しい。これは、間違ったまたは不適切な製品が、異なる工程を通って運ばれ、プロセスチェーンの終わりの最終品質チェックで検出されるだけであることをもたらす場合がある。そのような条件下で、生産失敗のリスクおよび不適切CIPバッチの生産が高まる。本発明は、要求される特性および/または品質基準を満たすために、最適生産条件下で生産することを可能にする方法を提案する。
方法は、以下の方法工程を含み、以下の方法工程は、具体的には、所与の順序で実施されてもよい。さらに、異なる順序も考えられる。方法工程のうちの2つ以上の方法工程を完全にまたは部分的に同時に実施することがさらに考えられる。さらに、方法工程のうちの1つまたは複数あるいはさらに全ての方法工程が、一度に実施されてもよい、または、繰り返し実施されてもよい、例えば、1回または数回繰り返されてもよい。さらに、方法は、挙げられていないさらなる方法工程を含んでもよい。
方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
本明細書で使用される用語「入力データ(input data)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルについての入力値またはパラメータ、ならびに/または、訓練済みモデルに記入されることができるデータを、限定することなく指してもよい。訓練済みモデルは、入力データに基づいて少なくとも1つの予測を生成するように構成される。入力データは、品質基準を特徴付けることができる少なくとも1つのパラメータの定量化可能な変数であってもよい、または、その変数を含んでもよい。入力データは、プラントレイアウトデータを特徴付けることができる少なくとも1つのパラメータの定量化可能な変数であってもよい、または、その変数を含んでもよい。
入力データは品質基準を含む。本明細書で使用される用語「品質基準(quality criterion)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、製品、特に、仕上がり製品の少なくとも1つの特性、例えば、値または範囲を、限定することなく指してもよい。品質基準は、用途に依存する品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデルは、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
品質基準は、通信インタフェースを介して顧客によって提供されてもよい。本明細書で使用される用語「通信インタフェース(communication interface)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、情報を転送するために構成される境界を形成するアイテムまたは要素を、限定することなく指してもよい。特に、通信インタフェースは、情報を、例えば別のデバイス上に送信または出力するため等で、計算デバイス、例えば、コンピュータからの情報を転送するために構成されてもよい。付加的にまたは代替的に、通信インタフェースは、情報を受信するため等で、情報を計算デバイス、例えば、コンピュータ上に転送するために構成されてもよい。通信インタフェースは、具体的には、情報を転送または交換する手段を提供してもよい。特に、通信インタフェースは、データ転送接続、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC、誘導結合、または同様なものを提供してもよい。一例として、通信インタフェースは、ネットワークまたはインターネットポート、USBポート、およびディスクドライブのうちの1つまたは複数を含む少なくとも1つのポートであってもよい、または、それを含んでもよい。通信インタフェースは少なくとも1つのウェブインタフェースであってもよい。
入力データは生産プラントレイアウトデータを含む。本明細書で使用される用語「生産プラントレイアウトデータ(production plant layout data)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、以下でより詳細に説明されることになるホワイトボックスモデルにおいて特に使用されることができる物理化学値を、限定することなく指してもよい。例えば、生産プラントレイアウトデータは、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータス等の生産プラントに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。用語「現在の状態に関する情報(information about a current state)」は、例えば、生産プラントの1つまたは複数のセンサからのセンサデータによって得られる、運転ステータスに関連する任意の情報を指してもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。例えば、予め規定されたレイアウトパラメータは、幾何形状、最低温度、最高温度、速度、および同様なもの等の仕様のうちの1つまたは複数を含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、ホワイトボックスモデルまたはスケジューリングのために使用されてもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。本明細書で使用される用語「データベース(database)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つのデータ記憶デバイスに記憶された情報等の情報の任意の集合体を、限定することなく指してもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
本明細書で使用される用語「予測」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルの結果を、限定することなく指してもよい。予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデルは、必要とされる用途特有の製品特性、特に粉末特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。換言すれば、工程b)にて運転条件を決定することは、生産プラントを運転するための運転条件を予測することを含んでもよい。具体的には、予測工程にて、生産プラントを運転するための予測された運転条件が決定される。制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件に基づいてもよい。制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件を提供することを含んでもよい。工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。予測された運転条件は、プロセスチェーンを通る最良ルートを含んでもよい。本明細書で使用される用語「ルート(route)」または「生産ルート(production route)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせを、限定することなく指してもよい。本明細書で使用される用語「最良ルート(best route)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートを、限定することなく指してもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。
本明細書で使用される用語「運転条件」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントを運転するための生産プロセス条件、特に、生産プラントの1つまたは複数のユニットについてのあるいはさらに全てのユニットについての生産プロセス条件を、限定することなく指してもよい。運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
本明細書で使用される用語「訓練済みモデル(trained model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、数学モデルであって、少なくとも1つの訓練用データセットに対して訓練され、少なくとも1つの入力変数について少なくとも1つのターゲット変数を予測するために構成される、数学モデルを、限定することなく指してもよい。具体的には、入力変数は品質基準およびプラントレイアウトデータであってもよく、ターゲット変数は運転条件であってもよい。訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。本明細書で使用される用語「データ駆動型モデル(data driven model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、経験的な予測モデルを、限定することなく指してもよい。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。
訓練済みモデルは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。訓練済みモデルは、過去の生産プラントレイアウトデータ、少なくとも1つの過去の品質基準、および過去の運転条件を反映するセンサデータのうちの1つまたは複数を含む過去のプロダクションランからのデータに対して訓練されてもよい。一般に、モデルの訓練は、関数、この場合、プラントレイアウトデータを再生することに基づいてもよく、品質基準は関数の変数であり、運転条件は関数値である。運転条件はセンサデータによって反映されるため、モデルの訓練は、センサデータに基づく。さらに、モデルの訓練は、過去のプラントレイアウトデータおよび品質基準に少なくとも部分的に基づいてもよい。用語「過去のプロダクションラン」は、過去のまたは早期時点のプロダクションランを指す。過去のプロダクションランは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランのセンサデータのうちの1つまたは複数に関連する、生産される製品の品質基準を含んでもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも部分的にデータ駆動型のモデル(at least partially data-driven model)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、訓練済みモデルがデータ駆動型モデル部および他のモデル部を含むことを、限定することなく指してもよい。
訓練済みモデルはハイブリッドモデルであってもよい。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデルは、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデルは物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、第1原理から導出されてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデルは、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。
訓練済みモデルは、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルの出力はブラックボックスモデル用の入力として使用され、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデル用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力は、出力の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。例えば、未処理CIP生産工程において、プロセスコントロールデータおよび反応器幾何形状に基づいてモデルを訓練するために、3つのサブモデルが使用されることができる。第1のサブモデルは、化学反応速度論およびホワイトボックスモデルとしての母集団バランスソルバーおよび過去データに対して訓練されるブラックボックス補正器として役立つデータ駆動型モデルを有するハイブリッドモデルに基づいて平均粒子径を予測してもよい。この第1のサブモデルは、ホワイトボックスモデルの出力がブラックボックスモデル用の入力である直列アーキテクチャを有してもよく、または、第1のサブモデルは並列アーキテクチャを有してもよい。第2のサブモデルは、第1のサブモデルからの入力および数値流体力学(CFD:Computational fluid Dynamics)によって得られる滞留時間分布に基づいて粒子サイズ分布を予測してもよい。滞留時間分布は、粒子サイズ分布(PSD:particle size distributions)を得るために、母集団バランスソルバーによって変換される。計算されたPSDと過去のデータとの間の誤差は、データ駆動型モデルによって学習されることができ、その後、任意の予測のために適用されることができる。第2のサブモデルは並列アーキテクチャを有してもよい。第3のサブモデルは、第1のサブモデルによって提供される特徴および過去の訓練用データに基づいて化学組成を予測してもよい。第3のサブモデルは直列アーキテクチャを有してもよく、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデルに対する入力である。他の例も考えられる。
訓練済みモデルは、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデルは、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ラインのために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「制御可能パラメータ(controllable parameter)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プロセスにおいて設定されることができるパラメータを、限定することなく指してもよい。制御可能パラメータは、例えば、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
生産プラントによる生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデルは、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデルは、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。
生産プラントは、少なくとも1つの生産ラインを備えてもよい。生産プラントは、複数の生産ラインを備えてもよい。生産ラインは並列に運転されてもよい。訓練済みモデルは、単一生産ラインまたは生産ラインの群についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ラインは、少なくとも1つの反応器および少なくとも1つの固体処理ユニットを備えてもよい。訓練済みモデルは、反応器および/または固体処理ユニットについての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーンは、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデルは、品質基準を達成するために処理チェーンを通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。
訓練済みモデルは、未処理CIP製品のための反応器上でのCIP生産等、連続プロセスまたは生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、CIPグレードにつながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセスが、訓練済みモデルに含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、ミリング、分類、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデルは、プロセスチェーンの各バッチプロセスに関連する単位操作を含んでもよい。単位操作は、工業用途およびそれぞれの製品特性、特にCIP特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデルに含まれてもよい。具体的には、バッチプロセスは、連続プロセスまたは生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデルの出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセスまたはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデルは、プロセスチェーンを通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にCIP生産の場合、訓練済みモデルは、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーンを通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続およびバッチプロセスの最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。
本明細書で使用される用語「制御(control)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントの少なくとも1つのパラメータを決定および/または調整することを、限定することなく指してもよい。本明細書で使用される用語「モニタリング(monitoring)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、生産プラントの少なくとも1つのパラメータを定量的および/または定性的に決定することを、限定することなく指してもよい。少なくとも1つのパラメータは、生産プラントの運転条件に関連する。制御および/またはモニタリング工程において、予測された運転条件が提供される。具体的には、制御および/またはモニタリング工程は、予測された運転条件に基づいてもよい。用語「提供すること(providing)」は、特に生産プラントのコントローラまたはスケジューラに対して、少なくとも1つの出力を生成することを指してもよい。運転条件は、少なくとも1つの出力チャネルを介して提供されてもよい。生産プラントは、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、未処理CIP生産プロセスの反応器は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。方法は、以下でより詳細に説明される制御システム等の制御システムを使用することを含んでもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システムおよび/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデルを用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システムによって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システムおよび/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システムおよび/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
本発明のさらなる態様において、生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータプログラム、具体的に、アプリケーションが提案される。生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワークによって実行されると、
i)入力データを決定する工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する工程、
ii)入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定する工程であって、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、決定する工程、
iii)運転条件を提供する工程
をコンピュータまたはコンピュータネットワークに実施させる、命令を含む。
本明細書で使用される用語のほとんどの考えられる規定について、上記のまたは以下でさらに詳細に説明されるコンピュータ実装方法の説明に対して参照が行われてもよい。
具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。用語「コンピュータ可読データキャリア(computer-readable data carrier)」および「コンピュータ可読記憶媒体(computer-readable storage medium)」は、具体的には、コンピュータ実行可能命令を記憶しているハードウェア記憶媒体等の非一時的データ記憶手段を指してもよい。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)等の記憶媒体であってもよい、または、それを備えてもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、プログラムコード手段であって、プログラムコード手段がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたは複数において本発明による方法を実施するためのものである、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品である。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、データ構造が記憶されているデータキャリアであり、データ構造は、コンピュータまたはコンピュータネットワークの作業メモリまたは主メモリ内に等、コンピュータまたはコンピュータネットワーク内にロードされた後、本明細書で開示される実施形態のうちの1つまたは複数に従って方法を実行してもよい。
本明細書でさらに開示され提案されるのは、機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコード手段であって、プログラムコード手段がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書で開示される実施形態のうちの1つまたは複数に従って方法を実施するための、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品である。本明細書で使用するとき、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙形式で等、任意の形式で、または、コンピュータ可読データキャリア上に存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークにわたって分散されてもよい。
本発明のさらなる態様において、生産プラントを制御および/またはモニターする制御システムが提案される。生産プラントは、少なくとも1つのバッチプロセスを含む少なくとも1つのプロセスチェーンを含む。制御システムは、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェースを備える。入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含む。通信インタフェースは、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システムは、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニットを備える。訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。制御システムは、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイスを備える。
本明細書で使用される用語「予測ユニット(prediction unit)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、好ましくは、少なくとも1つのデータ処理デバイスを使用することによって、そしてより好ましくは、少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、予測を実施するように適合される任意のデバイスを、限定することなく指してもよい。そのため、一例として、予測ユニットは、1つまたは複数のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の1つまたは複数のプログラマブルデバイス、または、上記で述べた予測を実施するために構成される他のデバイスを備えてもよい。そのため、一例として、少なくとも1つの予測ユニットは、多数のコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶されている少なくとも1つのデータ処理デバイスを備えてもよい。予測ユニットは、指定された運転のうちの1つまたは複数を実施する1つまたは複数のハードウェア要素を提供してもよい、および/または、指定された運転のうちの1つまたは複数を実施するために、1つまたは複数のプロセッサであって、プロセッサ上で実行されるソフトウェアを有する、1つまたは複数のプロセッサを提供してもよい。
本明細書で使用される用語「出力デバイス(output device)」は、広範囲の用語であり、当業者に対してその通常かつ慣用の意味を与えられ、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されない。その用語は、具体的には、例えば、少なくとも1つのスケジューラに対して、訓練済みモデルの少なくとも1つの成果を提供するために構成されるデバイスを、限定することなく指してもよい。出力デバイスは少なくとも1つのディスプレイデバイスを備えてもよい。
制御システムは、決定された運転条件に従って生産プラントを制御および/またはモニターするために構成される少なくとも1つのコントロールユニットを備えてもよい。制御システムは、生産プラントをスケジュールするために構成されるスケジューラユニットをさらに備えてもよい。スケジューラユニットは、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについて生産計画を決定するために構成されてもよい。制御システムは、方法を参照する先行する請求項のうちの任意の先行する請求項に従って、生産プラントを制御および/またはモニターする方法を実施するために構成されてもよい。本明細書で使用される用語のほとんどの考えられる規定について、上記のまたは以下でさらに詳細に説明されるコンピュータ実装方法の説明に対して参照が行われてもよい。
要約すると、また、さらなる考えられる実施形態を排除することなく、以下の実施形態が想定されてもよい:
実施形態1:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法であって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む、コンピュータ実装方法。
実施形態2:生産プラントは少なくとも2つの逐次プロセスを備える、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態3:生産プラントは、決定された運転条件に従って制御される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態4:各制御可能要素についての運転条件が提供され、訓練済みモデルは、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態5:訓練済みモデルは、品質基準を達成するために処理チェーンを通る最良ルートに関連する運転条件を提供するために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6:生産プラントのランのための生産計画は、決定された運転条件に基づいて決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7:品質基準に関連する情報は少なくとも1つの顧客仕様を含み、顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8:生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含み、リアルタイムデータは生産プラントの現在の状態に関する情報を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9:生産プラントレイアウトデータは予め規定されたレイアウトパラメータを含み、予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10:生産プラントは、連続処理のために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11:生産プラントによる生産は複数の生産工程を含み、訓練済みモデルは、単一生産工程についてのまたは生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12:訓練済みモデルはハイブリッドモデルである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13:訓練済みモデルは少なくとも1つのサブモデルを含み、サブモデルは、ホワイトボックスモデル、ハイブリッドモデル、またはデータ駆動型モデルのうちの1つまたは複数である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14:訓練済みモデルは複数のサブモデルを含み、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルであり、各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当する、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態15:訓練済みモデルはホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの組み合わせを含み、ホワイトボックスモデルは物理化学法則に基づき、ブラックボックスモデルは過去のプロダクションランからのセンサデータに基づく、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16:物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含む、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態17:ブラックボックスモデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築される、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18:訓練済みモデルは直列または並列アーキテクチャを含む、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19:直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルの出力はブラックボックスモデル用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデルの出力はホワイトボックスモデル用の入力として使用され、並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力は、出力の重ね合わせによって等で決定される、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態20:訓練済みモデルは、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21:生産プラントは、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであり、粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータプログラム、具体的に、アプリケーションであって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワークによって実行されると、
i)入力データを決定する工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する工程、
ii)入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定する工程であって、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、決定する工程、
iii)運転条件を提供する工程
をコンピュータまたはコンピュータネットワークに実施させる、命令を含む、コンピュータプログラム。
実施形態23:生産プラントを制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法であって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、方法は、
- 入力データを決定する少なくとも1つの工程であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
- 少なくとも1つの予測工程であって、予測工程において、生産プラントを運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって決定され、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
- 少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含み、予測工程で決定される運転条件は、処理チェーンを通る最良ルートを含む、コンピュータ実装方法。
実施形態24:実施形態1~21のいずれか1つに記載の制御および/またはモニターする方法に従って、生産プラントを制御および/またはモニターすることを含む、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態25:生産プラントを制御および/またはモニターする制御システムであって、生産プラントは少なくとも1つのバッチプロセスを備える少なくとも1つのプロセスチェーンを備え、制御システムは、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェースを備え、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、通信インタフェースは、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成され、制御システムは、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデルを適用することによって、生産プラントを運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニットを備え、訓練済みモデルは、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型であり、制御システムは、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイスを備える、制御システム。
実施形態26:決定された運転条件に従って生産プラントを制御および/またはモニターするために構成される少なくとも1つのコントロールユニットを備える、先行する実施形態に記載の制御システム。
実施形態27:生産プラントをスケジュールするために構成されるスケジューラユニットをさらに備え、スケジューラユニットは、決定された運転条件に基づいて生産プラントのランについて生産計画を決定するために構成される、先行する実施形態に記載の制御システム。
実施形態28:方法を参照する先行する実施形態のうちのいずれか1つに従って、生産プラントを制御および/またはモニターする方法を実施するために構成される、先行する3つの実施形態のいずれか1つに記載の制御システム。
さらなる任意選択の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。そこでは、それぞれの任意選択の特徴は、当業者が認識するように、孤立してならびに任意の実現可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は図において概略的に示される。そこでは、これらの図における同一の参照符号は、同一のまたは機能的に匹敵する要素を指す。
本発明による例示的な方法の一実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 本発明による訓練済みモデルの一実施形態を示す図である。 訓練済みモデルの構成を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。 生産プラントの実施形態を示す図である。
実施形態の詳細な説明
図1は、本発明による、生産プラント110を制御および/またはモニターする例示的なコンピュータ実装方法の一実施形態を示す。
図2Aおよび2Bは、生産プラント110の例示的な実施形態を示す。生産プラント110は化学生産プラントであってもよい。特に、生産プラント110は、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのバッチプロセス114を備える少なくとも1つのプロセスチェーン112を備える。プロセスチェーン112は、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを含んでもよい。プロセスチェーン112は、同時に実施されてもよい工程またはプロセス、および/または、連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーン112は、少なくとも1つの生産ライン116を備えてもよい。プロセスチェーン112は、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。図2Aに示すように、プロセスチェーン112は、「ライン1」~「ラインn」で示すn個の生産ライン116を備えてもよく、nは正整数である。図2Aに示す実施形態において、生産ライン116は並列に運転される。
バッチプロセス114は、時系列順に配列され、生産プロセスに直接関連する処理ユニットを備えてもよい。プロセスチェーン112は、複数のバッチプロセス114を含んでもよい。バッチプロセス114は、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセス114は、少なくとも1つの機械的および/または1つの熱的および/または1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセス114は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ運転とも呼ばれる処理用単位操作を含んでもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニット120を備えてもよい。図2Aに示すように、プロセスチェーン112、特に、生産ライン116のそれぞれは、「ユニット1」~「ユニットn」で示すn個のユニット120を備えてもよく、nは正整数である。
プロセスチェーン112は、少なくとも1つの連続プロセス122を含んでもよい。プロセスチェーン112はバッチプロセス114および連続プロセス122を含んでもよい。プロセスチェーン112は、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーン112は、少なくとも1つの連続プロセス122および複数のバッチプロセス114を含んでもよい。生産プラント110は、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラント110は、複数の並列連続プロセス122および/またはバッチプロセス114を含んでもよい。連続プロセス122および/またはバッチプロセス114は、異なる方法で組み合わされてもよい。連続プロセス122およびバッチプロセス114の組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続プロセス122およびバッチプロセス114の組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーン112を通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。ルートは、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせであってもよい。最良ルートは、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートであってもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。図2Bは、ユニット1~6の組み合わせが異なる、2つの考えられるルートa)およびb)を有する一実施形態を示す。最良ルートは、所望の化学製品、具体的にはその品質基準に応じて選択されてもよい。
例えば、生産プラント110は、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであってもよい。粉末は、例えば、1~100nmの粒子サイズを有するナノサイズ粉末、または、例えば、0.1~10μmの粒子サイズを有するマイクロサイズ粉末であってもよい。粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末であってもよい。
例えば、図2Aに示すように、生産プラント110は、カルボニル鉄粉(CIP)を生産する粉末生産プラントであってもよい。カルボニル鉄粉は、種々の工業用途のために、例えば、金属射出成形、コイルコア、レーダー吸収、ダイヤモンドツール、および同様なもののために生産されてもよい。CIPは高純度のマイクロサイズ鉄粉である。CIPは、鉄ペンタカルボニルの熱分解によって生産されることができる。CIPは、ガス状の鉄ペンタカルボニル(IPC)がFeおよびCOに分解されるホットウォールエアロゾルプロセスによって生産されてもよい。生産プラント110は、少なくとも1つの蒸発器を備えてもよい、または、少なくとも1つの蒸発器に接続されてもよい。図2Aにおいて、鉄ペンタカルボニルの流入は、未処理材料および参照数字124として示される。生産プラント110は、少なくとも1つの反応器126を備えてもよい。反応器126は、プロセスチェーン112の連続プロセス122であってもよい、または、その一部であってもよい。別個のカボニレーションプラントまたは上流プロセス工程で生産されてもよい液状鉄ペンタカルボニル(IPC)は、液体が約104℃まで加熱される蒸発器に給送されてもよい。IPCは沸騰し、発生した純粋なガスは、反応器126に給送されてもよい。反応器126は、一定の長さおよび径を有する円筒反応器であってもよい。反応器126は、550℃まで壁面加熱されてもよい。IPCは、吸熱反応において、鉄および5モルCOガスに定量的に分解される。反応ゾーン内の温度は、典型的には250℃と350℃との間である。気相で形成されるFe粒子はμmサイズの球粒子であってもよい。
「未処理材料(raw material)」および図2Aの参照数字128として示される未処理CIPは、「仕上がり粉末(finished powder)」および図2Aの参照数字138として示される仕上がり製品を生産するために、少なくとも1つのバッチプロセス114においてさらに処理されてもよい。例えば、未処理CIP128は、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセス114において後で処理されてもよい。生産プラント110は、異なる種類の最終CIP、いわゆるグレードを生産するために構成されてもよい。グレードは、複数の生産ライン116上で生産されてもよい。グレードは、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、CIPの工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。「仕上がり粉末」および図2Aの参照数字138として示される最終CIP製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。最終CIP製品の特性、すなわち、プロセスチェーン112の成果は、ミリング、ミキシング、シービング、スクリーニング、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、後続の固体処理用単位操作によって制御されてもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのミル、少なくとも1つのスクリーン、少なくとも1つのふるい、少なくとも1つのオーブン、少なくとも1つのか焼炉、少なくとも1つの回転キルン、少なくとも1つの流動床からなる群から選択される少なくとも1つのユニットを備えてもよい。未処理CIP特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。ミリングは、弱凝集体および/または強凝集体を破壊することを含んでもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
図1を参照すると、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(参照数字132で示す)であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程(参照数字134で示す)であって、予測工程において、生産プラント110を運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって決定され、訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(参照数字140で示す)であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
品質基準は、用途依存の品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、界面化学、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデル136は、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
生産プラント110に関する情報は、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータスに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデル136は、必要とされる用途特有の製品特性、特に粉末特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。
運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。訓練済みモデル136は、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産される粉末の品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。
訓練済みモデル136はハイブリッドモデルであってもよい。図3は、本発明による訓練済みモデル136の一実施形態を示す。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデル136は、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデル142は物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデル144は、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデル144は、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデル144は、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。図4は、訓練済みモデル136の一実施形態の構成を示す。特に、データ駆動型モデルがそれに基づいて生成される実験データおよびホワイトボックスモデル142がそれに基づいて生成される理論データが示される。
訓練済みモデル136は、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142の出力146はブラックボックスモデル144用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデル144の出力148はホワイトボックスモデル142用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の結合出力150は、出力146、148の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。図3は、直列アーキテクチャの実施形態を示し、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力がさらに計算される。
訓練済みモデル136は、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデル136は、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ライン116のために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。
生産プラント110による生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。訓練済みモデル136は、単一生産ライン116または生産ラインの群116についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ライン116は、少なくとも1つの反応器126および少なくとも1つの処理ユニット120を備えてもよい。訓練済みモデル136は、反応器および/または固体処理ユニット120についての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーン112は、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、品質基準を達成するために処理チェーン112を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。訓練済みモデル136は、未処理CIP製品のための反応器上でのCIP生産等、連続プロセス122または生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、CIPグレードにつながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセス114が、訓練済みモデル136に含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、ミリング、分類、水素アニーリング、コーティング、およびその組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、プロセスチェーン112の各バッチプロセス114に関連する単位操作118を含んでもよい。単位操作118は、工業用途およびそれぞれの製品特性、特にCIP特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデル136に含まれてもよい。具体的には、バッチプロセス114は、連続プロセス122または生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデル136の出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセス114またはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作118の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデル136は、プロセスチェーン112を通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にCIP生産の場合、訓練済みモデル136は、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーン112を通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続プロセス122およびバッチプロセス114の最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。バッチプロセス114は、品質基準および/または生産プラント110のワークロードに応じて、生産プラント110を通る異なるルートを含んでもよい。例えば、図2Aの生産ライン116の場合、単位操作118およびユニット120は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適条件に達するおよび/またはそれを確保することが可能であるように組み合わされてもよい。
図2Aにさらに示すように、生産プラント110は、制御システム156によって制御されてもよい。制御システム156は、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェース158を備える。通信インタフェース158は、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システム156は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって、生産プラント110を運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニット160を備える。制御システム156は、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイス162を備える。
生産プラント110は、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、未処理CIP生産プロセスの反応器126は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラント110のランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システム156および/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデル136を用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システム156によって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システム156および/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システム156および/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
本発明の別の例において、方法は、特に、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または拡張熱可塑性ポリウレタン(ETPU)を生産するために、ポリウレタン生産プラントにおいて適用されてもよい。
図1を再び参照すると、本発明による、生産プラント110をモニターおよび/または制御するコンピュータ実装方法のさらなる実装態様が示される。
図5Aおよび5Bは、生産プラント110の例示的な実施形態を示す。生産プラント110は化学生産プラントである。特に、生産プラント110は、少なくとも1つのポリウレタン、より詳細には1つのTPUおよび/または1つのETPUを生産するために構成されるポリウレタン生産プラントであってもよい。生産プラント110は、少なくとも1つのバッチプロセス514を備える少なくとも1つのプロセスチェーン512を備える。プロセスチェーン512は、少なくとも1つの処理ユニットまたは複数の処理ユニットにおいて実施されるプロセスまたは生産工程のシーケンスを含んでもよい。プロセスチェーン512は、同時に実施されてもよい工程またはプロセスおよび/または連続的に実施されてもよい工程またはプロセスを含んでもよい。プロセスチェーン512は、少なくとも1つの生産ライン516を備えてもよい。プロセスチェーン512は、複数の生産ライン、特に、並列に運転されることができる複数の生産ラインを備えてもよい。図5Aに示すように、プロセスチェーン512は、「ライン1」~「ラインn」で示すn個の生産ライン516を備えてもよく、nは正整数である。図5Aに示す実施形態において、生産ライン516は並列に運転される。
バッチプロセス514は、時系列順に配列され、生産プロセスに直接関連する処理ユニットを備えてもよい。プロセスチェーン512は、複数のバッチプロセス114を含んでもよい。バッチプロセス514は、製品の少なくとも1つの特性を制御するように構成されてもよい。バッチプロセス514は、少なくとも1つの機械的および/または1つの熱的および/または1つの化学的プロセスを含んでもよい。バッチプロセス514は、押し出し、フィーディング、ミキシング、ブローイング、カラーリングのうちの1つまたは複数を含む、仕上げ用運転とも呼ばれる処理用単位操作518を含んでもよい。生産プラント510は、少なくとも1つの押し出し機、少なくとも1つのインジェクタ、少なくとも1つの多孔板、オートクレーブからなる群から選択される少なくとも1つのユニット520を備えてもよい。図5Aに示すように、プロセスチェーン512、特に、生産ライン516のそれぞれは、「ユニット1」~「ユニットn」で示すn個のユニット520を備えてもよく、nは正整数である。
プロセスチェーン512は、少なくとも1つの連続プロセス522を含んでもよい。プロセスチェーン512はバッチプロセス514および連続プロセス522を含んでもよい。プロセスチェーン512は、半連続および/または半バッチプロセスを含んでもよい。例えば、プロセスチェーン512は、少なくとも1つの連続プロセス522および複数のバッチプロセス514を含んでもよい。生産プラント510は、連続処理および/またはバッチ処理のために構成されてもよい。生産プラント510は、複数の並列連続プロセス522および/またはバッチプロセス514を含んでもよい。連続プロセス522および/またはバッチプロセス514は、異なる方法で組み合わされてもよい。連続プロセス522およびバッチプロセス514の組み合わせは、製品用の品質等の少なくとも1つの基準に依存してもよい。連続プロセス522およびバッチプロセス514の組み合わせは、品質基準に基づいてプロセスチェーン512を通る最良ルートをとるために選択されてもよい。さらに、オーダーキューまたは同様なもの等の他の基準が考えられてもよい。
工程b)にて決定される運転条件は、最良ルートに関する情報を含んでもよい。ルートは、単位操作の組み合わせおよび/または処理ユニットの組み合わせおよび/またはプロセスまたは生産工程の組み合わせであって、生産プラントにおける生産プロセス中に実施および/または通過した連続および/またはバッチプロセスを特に含む、プロセスまたは生産工程の組み合わせであってもよい。最良ルートは、少なくとも1つの品質基準の観点から、生産プラントを通る最適ルートであってもよい。そのため、最適ルートは、具体的には、少なくとも1つの品質基準を最大または最小にする複数の考えられるルートから選択されるルートであってもよい。最良ルートは、ターゲットルートおよび/または最終ルートおよび/または計画されたルートであってもよい。例えば、バッチプロセスは、品質基準および/または生産プラントのワークロードに応じて、生産プラントを通る異なるルートを含んでもよい。異なる処理用単位操作は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適に達するおよび/または最適を確保するために組み合わされてもよい。図5Bは、ユニット1~6の組み合わせが異なる、2つの考えられるルートa)およびb)を有する一実施形態を示す。最良ルートは、所望の化学製品、具体的にはその品質基準に応じて選択されてもよい。
例えば、生産プラント510は、少なくとも1つのポリウレタン、より詳細には1つのTPUおよび/または1つのETPUを生産するために構成されるポリウレタン生産プラントであってもよい。例えば、図5Aに示すように、生産プラント510は、ポリウレタン、特にTPUおよび/またはETPUの生産のためのポリウレタン生産プラントであってもよい。TPUおよびETPUは、種々の工業用途、例えば、発泡体、絶縁材料、シューソール、ケースのために生産されてもよく、これら種々の工業用途に応じて、異なる特性が必要とされてもよい。本出願の意味で、これらの特性は品質基準であってもよい。
ETPUは、TPUを拡張させることによってTPUから生産されることができる。図5Aにおいて、TPU生産の流入プレポリマーは、未処理材料および参照数字524として示される。生産プラント510は、少なくとも1つの反応器526を備えてもよい。反応器526は、プロセスチェーン112の連続プロセス522であってもよい、または、その一部であってもよい。反応器は、TPUを生産するために重合プロセス用の反応器であってもよい。
図5Aの参照数字528は、TPUを示し、図5Aで参照数字538として示す仕上がり製品を生産するために少なくとも1つのバッチプロセス114においてさらに処理されてもよい。例えば、TPU528は、コンテナ内に給送されてもよく、所望のおよび/または計画されたおよび/または望まれる仕上がり製品の要件に応じて異なるバッチプロセス514において後で処理されてもよい。生産プラント510は、異なる種類の最終製品を生産するために構成されてもよい。最終製品は、複数の生産ライン516上で生産されてもよい。最終製品は、用途特有の特性および品質基準に依存してもよい。品質基準は、最終製品の工業用途によって指定されてもよい。品質基準は、用途についての適切な機能を保証するために規定されてもよい。図5Aで参照数字538として示される仕上がり最終製品の特性は、粒子サイズ分布、形態、硬度、孔サイズ、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。仕上がり最終製品の特性、すなわち、プロセスチェーン512の成果は、後続の処理用単位操作によって制御されてもよい。TPU特性は、機械的および/または熱的および/または化学的プロセスによって改質されてもよい。TPUは、続く溶融プロセスにおいて、溶融がより均等になるように粉砕されてもよい。ミキシングは、より大きいバッチを均一化することを含んでもよい。シービングは、粒子サイズ分布の微調整を含んでもよい。特性の後続の調整は、多数の企業ノウハウおよび/または手作業のバッチ操作を必要としてもよい。
非制限的な例として、「TPU」は、例えば、上流生産プロセス、および、
イソシアネート:4、4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)
鎖延長剤:1、4-ブタンジオール
ポリオール:ポリテトラヒドロフラン(PolyTHF)
の形態の入力材料を使用して、上流工業プラントにおいて、プロセス522で生産されてもよい。
触媒、安定剤、および/または酸化防止剤等のさらなる添加剤は、上流工業プロセスの詳細に応じて、添加されてもよい。 TPUおよび/またはETPUを生産する任意の他の適切なプロセスが使用されてもよい。
TPU生産は、48D(12ハウジング)のプロセス長を有する、会社Coperionの、ツインスクリュー押し出し機ZSK58 MC内で実施することを含んでもよい。押し出し機からの溶融物(melt)(ポリマー溶融物)の放出は、ギアポンプによって実施されてもよい。溶融物ろ過後に、ポリマー溶融物は、水中造粒によって顆粒になるように処理されてもよく、その顆粒は、40~90℃で加熱用渦床において絶えず乾燥されてもよい。ポリオール、鎖延長剤、およびジイソシアネート、ならびに触媒は、第1のゾーン内に滴下されてもよい。さらなる添加剤の添加は、上記で説明したように、ゾーン8で起こる。ハウジング温度は150~230℃に及ぶ(range)。溶融および水中造粒は、210~230℃の溶融温度で実施されてもよい。スクリュー速度は180rpmと240rpmとの間であってもよい。スループットは180~220kg/hに及んでもよい。TPU生産についてこの例に示す生産工程以外のさらなる生産工程が存在してもよい、または、存在しなくてもよい。
ETPUを生産するバッチまたは半バッチプロセスの例が示されてもよい。さらなる非制限的な例として、ETPU生産またはTPUからの拡張粒子(発泡顆粒)の生産は、44mmのスクリュー径および42の長さと径との比を有するツインスクリュー押し出し機が、後続の溶融ポンプ、スクリーンチェンジャを有するスタートアップ弁、多孔板、および水中造粒と共に使用されることを含んでもよい。熱可塑性ポリウレタンは、0.02重量%未満の残留水分を得るために、3時間の間、80℃で、処理する前に乾燥される。使用されるTPUは、ツインスクリュー押し出し機の供給材料内に重量滴下デバイスによって滴下されてもよい。材料をツインスクリュー押し出し機の供給材料内に滴下した後、材料は溶融され混合されてもよい。その後、推進剤CO2およびN2が、1つのインジェクタによってそれぞれ添加されてもよい。残っている押し出し材の長さは、ポリマー溶融物内への推進剤の均質な組み込みのために使用されてもよい。押し出し機後に、ポリマー/推進剤混合物は、スクリーンチェンジャを有するスタートアップ弁を介してギアポンプによって多孔板内に圧入されてもよい。多孔板によって、個々のストランドが生産されてもよい。これらのストランドは、水中造粒ユニットの加圧されたカッティングチャンバまで搬送されてもよく、そこで、ストランドは、顆粒になるようにカットされ、顆粒が拡張している間に、水でさらに輸送されてもよい。プロセス水からの拡張粒子または顆粒の分離は、遠心脱水機によって行われてもよい。押し出し材、ポリマー、および推進剤の総スループットは、40kg/hであってもよい。遠心脱水機による水からの拡張顆粒の分離後に、拡張顆粒は、粒子のさらなる解析をゆがめないように、残留表面水ならびに粒子内の潜在的水分を除去するために、60℃で3時間乾燥されてもよい。このプロセスによるETPU生産は、1つのユニット、例えば、ユニット1として考えられてもよい。押し出し機における処理に加えて、拡張粒子はまた、オートクレーブで生産されてもよい。このため、圧力容器は、相比が0.32である固相/液相を有する80%の充填度で充填されてもよい。固相は、ここではTPUであり、液相は、水と炭酸カルシウムおよび表面活性物質との混合物である。この固/液相に対する圧力によって、発泡剤/推進剤(ブタン)は、前もって窒素で洗浄される緊密な圧力容器内に圧入されてもよい。圧力容器は、50℃の温度で固/液相を撹拌することによって、加熱されてもよく、その後、窒素が、8barまで圧力容器に圧入されてもよい。その後、更なる加熱が、所望の含侵温度に達するまで実施されてもよい。含侵温度および含侵圧力に達すると、圧力容器は、所与の保持時間後に弁によって緩められてもよい。このプロセスによるETPU生産は、1つのユニット、例えば、ユニット2として考えられてもよい。
ETPU生産についてこの例で示した生産工程以外のさらなる生産工程が存在してもよい、または、存在しなくてもよい。
TPU生産工程および/またはETPU生産工程は、上記に代表的な例で示すものと同じであってもよい、または、同じでなくてもよい。特定の生産工程が、本教示の範囲または一般性に対して制限的でないことを当業者は認識するものとする。
TPUは、異なるユニットによって示されるさらなるバッチプロセスにおいて顔料で着色されてもよい。
図1を再び参照すると、方法は、
a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(参照数字132で示す)であって、入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程と、
b)少なくとも1つの予測工程(参照数字134で示す)であって、予測工程において、生産プラント110を運転するための運転条件は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル136を適用することによって決定され、訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程と、
c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(参照数字140で示す)であって、運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程と
を含む。
品質基準は、用途依存の品質基準であってもよい。品質基準は、粒子サイズ分布、形態、凝集度、硬度、孔サイズ、および相組成のうちの1つまたは複数を含んでもよい。品質基準は、少なくとも1つの顧客仕様を含んでもよい。顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含んでもよい。品質パラメータに基づいて、顧客バリューチェーンに沿うさらなる処理が行われることができる。訓練済みモデル136は、品質基準に関連する入力データ、特に、入力パラメータを給送されてもよい。入力パラメータの一部は、顧客によって提供されてもよい。他は、顧客入力に基づいて決定されてもよい。例えば、顧客は、工業用途およびそのような用途について適切な仕様を指定してもよい。製品特性に関するさらなる入力パラメータは、計算されるかまたはデータベースから取得されてもよい。
生産プラント510に関する情報は、生産プラントの設計、および/または、運転時、メンテンス時等のステータス、計画されたメンテナンス、現在の運転ステータス、例えば、劣化ステータスに関する情報を含んでもよい。設計は、反応器幾何形状、反応器の数、連続プロセスまたはバッチプロセス等のプラントレイアウト等の、手近な物理的反応器設計を指定するパラメータを含んでもよい。生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含んでもよい。リアルタイムデータは、生産プラントの現在の状態に関する情報を含んでもよい。生産プラントレイアウトデータは、予め規定されたレイアウトパラメータを含んでもよい。予め規定されたレイアウトパラメータは、通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得されてもよい。データベースは、少なくとも1つのデータ記憶デバイスであって、情報がそこに記憶されている、少なくとも1つのデータ記憶デバイスを備えてもよい。特に、データベースは、情報の任意の集合体を含んでもよい。データベースは、少なくとも1つのサーバ、複数のサーバを備える少なくとも1つのサーバシステム、少なくとも1つのクラウドサーバ、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャからなる群から選択される少なくとも1つのデータベースであってもよい、または、それを備えてもよい。データベースは、データを記憶するように構成される少なくとも1つの記憶ユニットを備えてもよい。
予測は、特に、品質基準を達成するための少なくとも1つの運転条件の予想値であってもよい。訓練済みモデル136は、必要とされる用途特有の製品特性をもたらす最適生産プロセス条件を予測するために構成されてもよい。
運転条件は、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、圧力、反応器壁温度、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、連続処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。運転条件は、滞留時間、圧力、体積または質量流量、流入組成、流入温度、濃度、壁温度、滴下レシピ、反応器幾何形状、反応器サイズのうちの1つまたは複数等の、バッチ処理ユニットについての運転条件を含んでもよい。
訓練済みモデル136は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である。具体的には、データ駆動型モデルは、実験データの解析から導出されてもよい。データ駆動型モデルは機械学習ツールであってもよい。訓練済みモデル136は、プロセスコントロール、物理的反応器設計、プラントレイアウト、およびプロダクションランからのデータに関連する、生産されるポリウレタンの品質基準のうちの1つまたは複数を含む過去のデータを用いて訓練されてもよい。センサデータは、少なくとも1つの温度センサ、体積または質量流量センサ、圧力センサ、粒子カウントセンサ、重量センサからのデータを含んでもよい。
訓練済みモデル136はハイブリッドモデルであってもよい。図3は、本発明による訓練済みモデル136の一実施形態を示す。ハイブリッドモデルは、第1原理部、いわゆるホワイトボックス、ならびに、データ駆動型部、いわゆるブラックボックスを含むモデルを指してもよい、例えば、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008参照。訓練済みモデル136は、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の組み合わせを含んでもよい。ホワイトボックスモデル142は物理化学法則に基づいてもよい。物理化学法則は、化学反応速度論、質量保存則、モーメンタムおよびエネルギー、任意次元における粒子母集団のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ホワイトボックスモデルは、それぞれのプロセス工程を支配する物理化学法則に従って選択されてもよい。ブラックボックスモデル144は、過去のプロダクションランからのセンサデータに基づいてもよい。ブラックボックスモデル144は、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築されてもよい。ブラックボックスモデル144は、訓練データとテストデータとの間の良好な適合をもたらす任意のモデルであってもよい。図4は、訓練済みモデル136の一実施形態の構成を示す。特に、データ駆動型モデルがそれに基づいて生成される実験データおよびホワイトボックスモデル142がそれに基づいて生成される理論データが示される。
訓練済みモデル136は、直列または並列アーキテクチャを含んでもよい。直列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142の出力146はブラックボックスモデル144用の入力として使用される、または、ブラックボックスモデル144の出力148はホワイトボックスモデル142用の入力として使用される。並列アーキテクチャにおいて、ホワイトボックスモデル142およびブラックボックスモデル144の結合出力150は、出力146、148の重ね合わせによって等で決定される。直列および並列アーキテクチャのさらなる詳細について、レビュー論文、Moritz von Stochら:「Hybrid semi-parametric modeling in process systems engineering:Past、present and future」、2014、Computers & Chemical Engineering、pergamon press、Oxford、GB、第60巻、2013年8月31日、86~101ページ XP028792356、ISSN:0098-1354、DOI:10.1016/J.COMPCHEMENG.2013.08.008に対して参照が行われる。図3は、直列アーキテクチャの実施形態を示し、ホワイトボックスモデルおよびブラックボックスモデルの結合出力がさらに計算される。
訓練済みモデル136は、少なくとも1つのサブモデル、特に、複数のサブモデルを含んでもよい。例えば、サブモデルはホワイトボックスモデルであってもよい、および/または、サブモデルのうちの少なくとも1つはホワイトボックスモデルであってもよい。訓練済みモデル136は、生産工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/またはプロセス工程のうちの少なくとも1つのためにおよび/または少なくとも1つの生産ライン116のために等で、複数のサブモデルを含んでもよく、複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルである。各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当してもよい。訓練済みモデル136は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイルにおいてメタデータによってフラグを立てられてもよい。
生産プラント510による生産は、複数の生産工程を含んでもよい。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群を示すことができる。訓練済みモデル136は、単一生産工程または生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される。理想的には、各制御可能要素を含むフルプロセスチェーンが予測されてもよい。訓練済みモデル136は、単一生産ライン516または生産ラインの群516についての運転条件を予測するために構成されてもよい。例えば、生産ライン516は、少なくとも1つの反応器526および少なくとも1つの処理ユニット520を備えてもよい。訓練済みモデル136は、反応器および/または固体処理ユニット520についての運転条件を予測するために構成されてもよい。
上記で概説したように、プロセスチェーン512は、連続およびバッチプロセスの任意の組み合わせを含んでもよい。訓練済みモデル136は、品質基準を達成するために処理チェーン512を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するように構成されてもよい。さらに、順序キューまたは同様なもの等の、処理チェーンを通る最良ルートを決定するための他の基準が考慮されてもよい。訓練済みモデル136は、反応器上でのポリウレタン生産等、連続プロセス522または生産プロセスの一部を含むおよび/またはカバーしてもよい。さらに、最終製品につながる、未処理製品を仕上げるためのバッチプロセス514が、訓練済みモデル136に含まれてもよい。これらの仕上げ運転は、例えば、TPUを粉砕すること、拡張することを含んでもよい。訓練済みモデル136は、プロセスチェーン512の各バッチプロセス514に関連する単位操作518を含んでもよい。単位操作518は、工業用途およびそれぞれの製品特性に応じて、組み合わせの予め規定されたセットとして訓練済みモデル136に含まれてもよい。具体的には、バッチプロセス514は、連続プロセス522または生産プロセスの一部をカバーする訓練済みモデル136の出力に基づいてモデル化されてもよく、その出力は、そのような場合、中間品質基準を提供してもよい。全てのバッチプロセス514またはルートは、それ自身のモデルを有してもよい。各単位操作518の組み合わせについて、モデルは、入力データ、特に顧客入力に応じて予測するために、訓練され選択されてもよい。
訓練済みモデル136は、プロセスチェーン512を通る予め規定されたルート用のモデルを含んでもよい。例えば、特にTPUおよび/またはETPU生産の場合、訓練済みモデル136は、反応器および予め規定された単位操作に関連するモデル部を含んでもよい。例えば、複数の異なる予め規定されたルートが存在してもよく、品質基準に基づいて、運転条件がそれについて決定される整合または適合ルートが選択される。プロセスチェーン512を通る予め規定されたルートに対して代替的に、少なくとも1つの最適化問題が、目的関数に基づいて規定されてもよい。例えば、グラフ理論は、最適運転条件ならびに連続プロセス522およびバッチプロセス514の最適組み合わせを見出すために使用されてもよい。そのため、最良ルートが、訓練されてもよく、また、運転条件に加えて予測されてもよい。バッチプロセス514は、品質基準および/または生産プラント510のワークロードに応じて、生産プラント510を通る異なるルートを含んでもよい。例えば、図5Aの生産ライン516の場合、単位操作518およびユニット520は、少なくとも1つの品質基準の観点から最適条件に達するおよび/またはそれを確保することが可能であるように組み合わされてもよい。
図5Aにさらに示すように、生産プラント510は、制御システム556によって制御されてもよい。制御システム556は、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェース558を備える。通信インタフェース558は、生産プラントレイアウトデータを取得し、品質基準に関連する情報を受信するために構成される。制御システム556は、入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル536を適用することによって、生産プラント510を運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニット560を備える。制御システム556は、運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイス562を備える。
生産プラント510は、決定された運転条件に従って制御されてもよい。各制御可能要素についての運転条件が提供されてもよい。訓練済みモデル536は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成されてもよい。そのようなパラメータは、生産プラントレイアウトファイル内のメタデータによってフラグを立てられてもよい。特に、ポリウレタン生産プロセスの反応器526は、最適成果に達するために、提供された運転条件に従って制御されてもよい。
方法は、決定された運転条件に基づいて生産プラント510のランについての生産計画を決定することを含んでもよい。方法は、制御システム556および/またはスケジューラそして特に最適生産プラニングによって生産プラントを制御することを可能にしてもよい。顧客が、所望の仕様を含むオーダーを入れると、最適運転条件が、訓練済みモデル536を用いて決定されてもよい。フル生産計画は、制御システム556によって評価されてもよい、および/または、スケジューラに渡されてもよく、スケジューラは、到来する生産ランを、例えば、品質基準の類似度、反応器割り当て、運転条件、未処理材料の目的物、緊急度、バッチサイズ、および同様なものに基づいてランク付けする。さらに、制御システム556および/またはスケジューラは、最終製品バッチをピックアップし、それらを顧客の場所まで輸送するために、必要とされる輸送ターミナルがオンサイトであるように物流管理的にトリガーする輸送プラニングシステムと通信状態にあってもよい。さらに、制御システム556および/またはスケジューラは、完全にデジタル化された生産プラニングに基づいて在庫水準を予想するために使用される場合がある。
符号の説明
110 生産プラント
112 プロセスチェーン
114 バッチプロセス
116 生産ライン
118 単位操作
120 ユニット
122 連続プロセス
124 未処理材料
126 反応器
128 未処理粉末
132 入力データを決定すること
134 予測工程
136 訓練済みモデル
138 仕上がり粉末
140 制御およびモニタリング工程
142 ホワイトボックスモデル
144 ブラックボックスモデル
146 出力
148 出力
150 結合出力
152 実験データ
154 理論データ
156 制御システム
158 通信インタフェース
160 予測ユニット
162 出力デバイス

Claims (20)

  1. 化学生産プラント(110)を制御および/またはモニターするコンピュータ実装方法であって、前記化学生産プラント(110)は少なくとも1つのバッチプロセス(114)を備える少なくとも1つのプロセスチェーン(112)を備え、前記方法は、
    a)入力データを決定する少なくとも1つの工程(132)であって、前記入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、前記工程は、少なくとも1つの通信インタフェース(158)を介して、前記生産プラントレイアウトデータを取得し、前記品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する少なくとも1つの工程(132)と、
    b)少なくとも1つの予測工程(134)であって、前記予測工程において、前記化学生産プラント(110)を運転するための運転条件は、前記入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって決定され、前記訓練済みモデル(136)は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、少なくとも1つの予測工程(134)と、
    c)少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(140)であって、前記運転条件が提供される、少なくとも1つの制御および/またはモニタリング工程(140)と
    を含む、コンピュータ実装方法。
  2. 前記化学生産プラント(110)は少なくとも2つの逐次プロセスを備える、先行する請求項に記載の方法。
  3. 前記化学生産プラント(110)は、前記決定された運転条件に従って制御される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 各制御可能要素についての前記運転条件が提供され、前記訓練済みモデル(136)は、現実の生産プロセスにおいて直接制御可能である制御可能パラメータを予測するために構成される、先行する請求項に記載の方法。
  5. 前記訓練済みモデルは、前記品質基準を達成するために前記処理チェーン(112)を通る最良ルートに関連する運転条件を提供するために構成される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記化学生産プラント(110)のランのための生産計画は、前記決定された運転条件に基づいて決定される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記品質基準に関連する前記情報は少なくとも1つの顧客仕様を含み、前記顧客仕様は、少なくとも1つの品質パラメータについての少なくとも1つの範囲を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記生産プラントレイアウトデータはリアルタイムデータを含み、前記リアルタイムデータは前記化学生産プラント(110)の現在の状態に関する情報を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記生産プラントレイアウトデータは予め規定されたレイアウトパラメータを含み、前記予め規定されたレイアウトパラメータは、前記通信インタフェースを介して少なくとも1つのデータベースから取得される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記化学生産プラント(110)は、連続処理(122)のために構成される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記化学生産プラント(110)による生産は複数の生産工程を含み、前記訓練済みモデル(136)は、単一生産工程についてのまたは生産工程の群についての運転条件を予測するために構成される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記訓練済みモデル(136)はハイブリッドモデルである、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記訓練済みモデル(136)は少なくとも1つのサブモデルを含み、前記サブモデルは、ホワイトボックスモデル、ハイブリッドモデル、またはデータ駆動型モデルのうちの1つまたは複数である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記訓練済みモデル(136)は複数のサブモデルを含み、前記複数のサブモデルは、ホワイトボックスモデルあるいはハイブリッドモデルまたは純粋なデータ駆動型モデルであり、各サブモデルは、運転条件を予測することを担当するかまたは前記運転条件を予測する他のサブモデルに入力を提供することを担当する、先行する請求項に記載の方法。
  15. 前記訓練済みモデル(136)はホワイトボックスモデル(142)およびブラックボックスモデル(144)の組み合わせを含み、前記ホワイトボックスモデル(142)は物理化学法則に基づき、前記ブラックボックスモデル(144)は過去のプロダクションランからのセンサデータに基づく、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ブラックボックスモデル(144)は、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって構築される、先行する請求項に記載の方法。
  17. 前記化学生産プラント(110)は、少なくとも1つの粉末を生産するために構成される粉末生産プラントであり、前記粉末は、カルボニル鉄粉(CIP)、鉄粉、カーボンブラック、ニッケル、鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つの粉末である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  18. 化学生産プラント(110)を制御および/またはモニターするコンピュータプログラム、具体的に、アプリケーションであって、前記化学生産プラント(110)は少なくとも1つのバッチプロセス(114)を備える少なくとも1つのプロセスチェーン(112)を備え、前記コンピュータプログラムは、前記プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワークによって実行されると、
    i)入力データを決定する工程であって、前記入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、前記工程は、少なくとも1つの通信インタフェースを介して、前記生産プラントレイアウトデータを取得し、前記品質基準に関連する情報を受信することを含む、入力データを決定する工程、
    ii)前記入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって、前記化学生産プラント(110)を運転するための運転条件を決定する工程であって、前記訓練済みモデル(136)は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型である、決定する工程、
    iii)前記運転条件を提供する工程
    を前記コンピュータまたは前記コンピュータネットワークに実施させる、命令を含む、コンピュータプログラム。
  19. 化学生産プラント(110)を制御および/またはモニターする制御システム(156)であって、前記化学生産プラント(110)は少なくとも1つのバッチプロセス(114)を備える少なくとも1つのプロセスチェーン(112)を備え、前記制御システム(156)は、入力データを決定するために構成される少なくとも1つの通信インタフェース(158)を備え、前記入力データは、少なくとも1つの品質基準および生産プラントレイアウトデータを含み、前記通信インタフェース(158)は、前記生産プラントレイアウトデータを取得し、前記品質基準に関連する情報を受信するために構成され、制御システム(156)は、前記入力データに少なくとも1つの訓練済みモデル(136)を適用することによって、前記化学生産プラント(110)を運転するための運転条件を決定するために構成される少なくとも1つの予測ユニット(160)を備え、前記訓練済みモデル(136)は、過去のプロダクションランからのセンサデータに対して訓練されることによって、少なくとも部分的にデータ駆動型であり、前記制御システム(156)は、前記運転条件を提供するために構成される少なくとも1つの出力デバイス(162)を備える、制御システム(156)。
  20. 請求項1~17のいずれか1項に記載の、化学生産プラント(110)を制御および/またはモニターする方法を実施するために構成される、先行する請求項に記載の制御システム(156)。
JP2022537628A 2019-12-20 2020-12-18 最適化粉末生産 Pending JP2023507596A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19218985.0 2019-12-20
EP19218985 2019-12-20
PCT/EP2020/087327 WO2021123385A1 (en) 2019-12-20 2020-12-18 Optimized powder production

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023507596A true JP2023507596A (ja) 2023-02-24

Family

ID=69061105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022537628A Pending JP2023507596A (ja) 2019-12-20 2020-12-18 最適化粉末生産

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230026440A1 (ja)
EP (1) EP4078313A1 (ja)
JP (1) JP2023507596A (ja)
KR (1) KR20220117292A (ja)
CN (1) CN114846422A (ja)
WO (1) WO2021123385A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114201905B (zh) * 2021-11-19 2022-12-09 苏州美昱高分子材料有限公司 一种改性粒子的生产方法和装置

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2597701A (en) 1948-12-06 1952-05-20 Gen Aniline & Film Corp Method of producing finely divided metals
US2851347A (en) 1949-10-21 1958-09-09 Basf Ag Manufacture of iron powder
US2612440A (en) 1950-05-03 1952-09-30 Gen Aniline & Film Corp Production of metal carbonyl powders of small size
GB695925A (en) 1951-01-22 1953-08-19 Gen Aniline & Film Corp Production of carbonyl metal powders of small size
DE1433361A1 (de) 1964-11-26 1968-12-12 Friedenberg Serafima E Verfahren zur Herstellung von hochdispersem Karbonyleisenpulver
US4197118A (en) 1972-06-14 1980-04-08 Parmatech Corporation Manufacture of parts from particulate material
US4113480A (en) 1976-12-09 1978-09-12 Cabot Corporation Method of injection molding powder metal parts
DE3216362A1 (de) 1981-05-05 1982-11-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von weitgehend kohlenstoff-, stickstoff- und sauerstoff-freien eisenpulvern
SU1186398A1 (ru) 1984-05-28 1985-10-23 Государственный научно-исследовательский институт химии и технологии элементоорганических соединений Способ получени карбонильного железного порошка
DE3428121A1 (de) 1984-07-31 1986-02-13 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von eisenpulver
DE3940347C2 (de) 1989-12-06 1997-02-20 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Eisenwhiskers
US5197114A (en) * 1990-08-03 1993-03-23 E. I. Du Pont De Nemours & Co., Inc. Computer neural network regulatory process control system and method
CN1329110C (zh) * 2001-09-26 2007-08-01 伊内奥斯美国公司 一体化的化工工艺控制
US7032816B2 (en) * 2001-12-28 2006-04-25 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Communication between machines and feed-forward control in event-based product manufacturing
DE102005030613A1 (de) 2005-06-30 2007-01-04 Basf Ag Magnetorheologische Flüssigkeit
DK2810131T3 (da) * 2012-02-02 2019-05-20 Foss Analytical As Metode til kontrol af en produktionsproces
WO2014049016A1 (en) 2012-09-27 2014-04-03 Basf Se Non-corrosive soft-magnetic powder
CN103046033A (zh) 2012-12-21 2013-04-17 中国钢研科技集团有限公司 一种包覆型羰基铁粉的制备方法
CA3026379A1 (en) * 2016-06-03 2017-12-07 John Francis Quanci Methods and systems for automatically generating a remedial action in an industrial facility
US11264121B2 (en) * 2016-08-23 2022-03-01 Accenture Global Solutions Limited Real-time industrial plant production prediction and operation optimization
US10394229B2 (en) * 2017-09-27 2019-08-27 International Business Machines Corporation Orchestration of learning and execution of model predictive control tool for manufacturing processes
CN111836769B (zh) * 2018-03-29 2022-08-19 富士胶片株式会社 卷绕条件生成装置及计算方法、卷绕装置及方法与卷绕缺陷等级预测值生成装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20230026440A1 (en) 2023-01-26
EP4078313A1 (en) 2022-10-26
KR20220117292A (ko) 2022-08-23
CN114846422A (zh) 2022-08-02
WO2021123385A1 (en) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Application of model predictive control in ball mill grinding circuit
JP2023507596A (ja) 最適化粉末生産
CN116670598A (zh) 化学生产
KR20230070252A (ko) 화학 생산 제어
CN107073752B (zh) 用于生产pet颗粒的方法和装置
KR20230070209A (ko) 화학물질 생산 제어
CN116134392A (zh) 化工生产监视
JP2023554006A (ja) 化学製品生産
CN116018567A (zh) 化工生产
Ward et al. Plantwide dynamics and control of processes with crystallization
JP2019527756A (ja) ポリマーの連続製造プラントの制御方法及び制御システム
KR20230119181A (ko) 화학물질 생산
KR20230070210A (ko) 화학물질 생산 제어
Krolczyk Industrial conditions of the granular material manufacturing process
Yabuki et al. Industrial experiences with product quality control in semi-batch processes
Crosby et al. Particle size control of detergents in mixed flow spray dryers
EP4336292A1 (en) Method for process automation of a production process
US20240061403A1 (en) Chemical Production
Muller et al. A holistic approach to control and optimisation of an industrial crushing circuit
Nascu et al. Multi-Parametric Model Predictive Control Strategies for a Rotary Tablet Press in Pharmaceutical Industry
Wang et al. Modeling and Optimizing Control of Particle Quality for Drug Fluidized Bed Granulation Process
Kumar et al. Behavior analysis and optimisation of process parameters in petrochemical industry using PSO: a case study
Puttman Logistics in process industries: is it a specific problem?
Mohri Batch Scheduling Problem with Due-dates Constraints
Flores-Cerrillo et al. Semi-batch trajectory control in reduced dimensional spaces

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220818

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231215