JP2023180169A - 車両シート用安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の衝突発生時に乗員の脊椎への圧縮圧力を軽減可能な車両シート用の安全装置を提供すること。【解決手段】本発明は、シートバックの角度を調整可能なリクライニング機構を備え、シートに着座した乗員を保護する車両シート用安全装置に適用される。当該安全装置は、前記シートバックの幅方向の一方の側において、一端が当該シートバックに連結された第1のトーションバーと;前記第1のトーションバーの他端に同軸に連結された第2のトーションバーと、前記第2のトーションバーのねじれ動作をロックするロック機構とを含むトーションバーユニットが設けられている。そして、前記第1のトーションバーの変位角に対するトルク特性T1(N・m)を、前記第2のトーションバーの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用シートの安全装置に関するものである。特に、シートベルトリトラクタを装備したリトラクタ一体型の自動車用シートに有効な安全装置に関する。
自動車には、乗員をシートに拘束するためにシートベルトが備えられている。シートベルトは、乗員の一方の肩付近から斜め下方向に延びるとともに、腰骨付近で水平方向に延びる構造の三点式シートベルトが主流となっている。また、近年の自動車には、衝突が発生する直前及び/又は直後にシートベルトを自動的に巻き取るリトラクタが備えられるようになっている。
特許文献1には、シートベルトリトラクタをシートバックに備えたリトラクタ一体型の自動車用シートが示されている。リトラクタ一体型のシートでは、例えば、図1(A)に示すように、シートバック10の上端にシートベルトリトラクタ12を配置し、シートベルト14の上端14aが乗員Pの肩の上部から延びるような構造となっている。このため、乗員Pの肩とシートベルト14の間に隙間が少なく、乗員をシートバック10に対して確実に拘束できるというメリットがある。
図1(A)に示すように、シートバック10が垂直に近い状態の時に、正面方向の衝突が発生すると、図1(B)に示すように、乗員Pが慣性によって前方に倒れ込むことになる。シートベルトリトラクタ12に備えられたプリテンション機能により、乗員Pの前方への過剰な倒れ込みを防ぐことができる。
ところで、自動車用シートには、リクライニング機構が備えられ、シートバックを後方に倒したり、前方に起こしたりすることが可能となっている。図2(A)に示すように、シートバック10を後方に大きく倒した(寝かせた)状態で車両の前方衝突が発生した場合、図2(B)に示すように、乗員Pの頭部から腰部にかけて、脊椎に対して圧縮方向の力が加わり、大きな障害が発生する恐れがある。このような問題は、リトラクタ一体型のシートにおいて顕著となる。なお、リトラクタをBピラーに対して固定するタイプのシートにおいては、シートバックをリクライニングしている状態では、シートベルトの上部と乗員の肩部との間に隙間が形成されるため、リトラクタ一体型のシートと同列では語ることはできないが、脊椎の圧迫は依然として懸念材料となる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、車両の衝突発生時に乗員の脊椎への圧縮圧力を軽減可能な車両シート用の安全装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、シートバックの角度を調整可能なリクライニング機構を備え、シートに着座した乗員を保護する車両シート用安全装置に適用される。当該安全装置は、前記シートバックの幅方向の一方の側において、一端が当該シートバックに連結された第1のトーションバーと;前記第1のトーションバーの他端に同軸に連結された第2のトーションバーと、前記第2のトーションバーのねじれ動作をロックするロック機構とを含むトーションバーユニットが設けられている。そして、前記第1のトーションバーの変位角に対するトルク特性T1(N・m)を、前記第2のトーションバーの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定する。
ここで、「変位角に対するトルク特性」とは、トーションバーのねじれ難さ(ねじれ易さ)を表すものであり、トルク特性が高いとトーションバーがねじれ難く、トルク特性が低いとねじれ易くなる。「変位角」は、「ねじれ角」と言うこともできる。トーションバーのトルク特性は、バーの太さや長さを変えたり、バーの素材を変えたりすることによって調整することができる。
また、「シートバックに連結された」とは、シートバックのリクライニング動作に連動するシートバックフレーム等に固定されている場合を含む。
なお、「変位角に対するトルク特性」は、丸棒のトーションバーの場合には、「ねじり剛性」と概ね同義であり、ねじり剛性が大きい場合はねじれ難く、ねじり剛性が小さい場合にはねじれ易くなる。
シートバックが後方に倒れた状態で車両衝突が発生した場合、通常はリクライニング角度が固定されているため、図2(B)に示すように、乗員の脊椎に対して大きな圧縮圧力が加わってしまう。しかし、本発明によれば、シートバックに対して第1及び第2のトーションバーが連結されているため、シートバックが後方に寝ている状態でも、トーションバーがねじれる(塑性変形によりエネルギーを吸収する)ことで、シートバックが前方に向かって倒れようとする(起立しようとする)動作を阻害することがない。このため、車両衝突時に生じる乗員への負荷が分散され、脊椎への圧縮圧力を大幅に軽減することが可能となる。
本発明においては、第1のトーションバーの変位角に対するトルク特性T1(N・m)を、第2のトーションバーの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定しているため、前方衝突が発生した時に、第2のトーションバーがねじれ始め、その後、第2のトーションバーがロック機構によってロックされ、第1のトーションバーが有効となってねじれることになる。このため、衝突発生の初期段階ではトルク特性の低い第2のトーションバーによって速やかにシートバックを起こすことができる。その後は、トルク特性の高い第1のトーションバーが有効となって、シートバックが必要以上に前方に倒れることなく、乗員を適切且つ確実に拘束することができる。
前記ロック機構は、前記シートバックのリクライニング角度が所定の角度θSに達した時点で、前記第2のトーションバーのねじれ動作をロックする構造とすることができる。
前記ロック機構は、前記第1のトーションバーと前記第2のトーションバーとの連結箇所に設けられ、前記第2のトーションバーのねじれ動作に連動して回動するストッパーアームと;前記シートバックのリクライニング角度が所定の角度θsに達した時点で、前記ストッパーアームと当接することで、当該ストッパーアームの更なる回動を阻止するストッパー部材とを備えることができる。
ここで、「前記第1のトーションバーと前記第2のトーションバーとの連結箇所に設けられ」とあるが、ストッパーアームは第1及び第2のトーションバーの両方に対して、緩むことなく結合、固定される必要がある。
前記ストッパーアームは、前記ストッパー部材に当接した時点で前記第1のトーションバーと前記第2のトーションバーとの連動を遮断するのに十分な剛性を有する構造とする必要がある。すなわち、ストッパーアームの撓みが、第1のトーションバーのねじれに対して無視できる程度の剛性・強度を持たせる。具体的には、第1のトーションバーが塑性変形してねじれる時のトルクがストッパーアームに加わった場合でも、ストッパーアームが塑性変形しない程度の断面形状および材料強度をもつ必要がある。ストッパーアームの剛性を高めるためには、例えば、焼き入れ等により剪断断強さを高めた材料を採用したり、十分な断面係数をもった形状にしたりすることができる。
車両衝突が発生した直後において、第2のトーションバーがねじれ変形した時、第1のトーションバーとストッパーアームが連動して回転する。この時、第2のトーションバーは塑性変形によってねじれ変形(回転)するが、第1のトーションバーは剛体回転する(変形せずに回転だけする)ことになる。その後、シートバックのリクライニング角度がθsに達した時点で、ストッパーアームがストッパー部材に当接すると、シートバックが前方に回動しようとするトルクが、ロック機構(ストッパーアーム)で遮断される。このため、角度θs以降は、第2のトーションバーは機能せず、トルク特性の大きな第1のトーションバーがねじれることでエネルギーを吸収することになる。
前記車両シートに対して、シートベルトリトラクタを備えることができる。前記シートベルトリトラクタは、前記シートバックの一方の側の上端近傍に配置することができる。
ここで、「シートベルトリトラクタを備えた」とは、車両のピラー等の構造部に固定される場合を除くものであり、リトラクタがシートの何れかの個所に配置・固定されているという意味である。シートバックの上部や下部など、シートベルトの引き出し及び巻き取りに影響のない箇所となる。なお、シートベルトリトラクタはシートバックの背面下部付近に設置した場合には、シートバックの上端にシートベルトをガイドする部材を設けることができる。
前記シートバックのリクライニング角度において、垂直よりも前方をプラスとし、後方側をマイナスとしたときに、前記角度θsを+5°~-30°に設定することができる。
前記トーションバーユニットは、前記シートバックの左右両端に設けることができる。
前記リクライニング機構は、前記第2のトーションバーの前記第1のトーションバーと反対側の端部に連結されたウォームホイールと、当該ウォームホイールと噛み合うウォームとからなるウォームギア機構を備えた構造を採用することができる。
ウォームホイールとウォームとからなるウォームギア機構を採用した場合、外周にウォームが形成されたウォームシャフトの回転が、ウォームを介してウォームホイールを回転させることで、シートバックのリクライニングが可能となる。車両衝突発生時には、ウォームシャフトは回転しないため、シートバックのリクライニング動作はできず、シートバックが前方へ倒れ込むトルクは、トーションバーによって吸収されることになる。
前記リクライニング機構は、前記第2のトーションバーの前記第1のトーションバーと反対側の端部に連結されたギア部材と、当該ギア部材の回転を制限するロック部材と、前記ギア部材と前記ロック部材との噛み合いを解放し、前記シートバックの角度を変更可能にするレバーとを備えた構造を採用することができる。
ギア部材とロック部材との噛み合いをレバーによって解放することで、シートバックが自由に動くことができ、リクライニングが可能となる。車両衝突発生時には、ギア部材とロック部材とが噛み合っているため、シートバックのリクライニング動作はできず、シートバックが前方へ倒れ込むトルクは、トーションバーによって吸収されることになる。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ、詳細に説明する。最初に、本発明が創作された背景について、図1及び図2を参照して簡単に説明する。
図1(A)は、シートベルト14を巻き取るシートベルトリトラクタ12がシートバック10に設けられた車両シートについて、シートバック10をあまり倒さずに乗員Pが着座している状態を示す。この状態から、正面衝突等の事象が発生すると、図1(B)に示すように、乗員Pは慣性によって前方に倒れる方向に移動する。
図2(A)は、シートバック10を大きく後方にリクライニングした状態を示す。この状態から、正面衝突等の事象が発生したとき、図1(B)の場合とは異なり、図2(B)に示すように、乗員Pは前方に倒れる方向にはあまり移動しない。これは、シートベルト14の上端部14aによって乗員Pがシートバック10に密着する方向に拘束されているためである。その結果、乗員Pの脊椎への圧縮圧力が加わり、重大な障害発生の懸念がある。
そこで、本発明においては、シートのリクライニング機構にトーションバーを連結する構造を提案する。すなわち、シートバックの少なくとも一方の側にトーションバーを連結する。
本発明は、乗員Pが着座するシートクッション11と、乗員Pの背面に位置するシートバック10と、シートバック10の角度を調整可能なリクライニング機構とを備えた車両シートに装備される車両シート用安全装置である。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について、図3~図12を参照して説明する。第1実施例は、モータによる動力を利用してシートバックのリクライニング操作を行う車両シートに適用されるものである。
以下、本発明の第1実施例について、図3~図12を参照して説明する。第1実施例は、モータによる動力を利用してシートバックのリクライニング操作を行う車両シートに適用されるものである。
図3は、本発明の第1実施例に係る車両シートのフレーム構造及び安全装置を示す斜視図である。図4は、本発明の第1実施例に係る安全装置の構造を示す斜視図であり、図3の一部を拡大して示す。図5は、本発明の第1実施例に係る安全装置の構造を示す上面図である。図6は、本発明の第1実施例に係る安全装置の構造を示す分解斜視図であり、図4の一部に対応する。
図3に示すように、リクライニング機構は、モータ110と、モータ110動力を伝えるセンターシャフト112とを備える。センターシャフト112の一端は、シャフト支持ブラケット113によって支持される。モータ110の動力は、センターシャフト112に設けられた歯車111、センターシャフト112を介して、ベベルギア114に伝達される。ベベルギア114には、ウォームシャフト115が連結されており、センターシャフト112の回転方向をベベルギア114によって90°変換した状態で伝達される。ウォームシャフト115の回転は、その上に形成されたウォーム116、ウォームホイール118を介して、シートバックフレーム104Lの回転軸部106に伝達される。
回転軸部106は、シートバックフレーム104Lの下端部においてリクライニング機構に連結される部分であり、シートバックフレーム104Lに形成された円形の穴として特定することができる。あるいは、その穴を貫通して左右のシートバックフレームに連結されたシャフト状の軸とすることもできる。更に、本実施例においては、シートバックフレーム104Lに形成された穴を貫通して設けられたトーションバー120aの端部として特定することもできる。
図4~図6に示すように、本実施例に係る安全装置120は、シートバック10の幅方向の一方の側(左側)において、一端が当該シートバックフレーム104Lに連結された第1のトーションバー120aと;第1のトーションバー120aの他端に同軸に連結された第2のトーションバー120bと、第2のトーションバー120bのねじれ動作をロックするロック機構121,123とを含むトーションバーユニットが設けられている。
ロック機構121,123は、シートバック10のリクライニング角度が所定の角度θsに達した時点で、第2のトーションバー120bのねじれ動作をロックする構造となっている。
ロック機構121,123は、第1のトーションバー120aと第2のトーションバー120bとの連結箇所に設けられ、第2のトーションバー120bのねじれ動作に連動して回動するストッパーアーム121と;シートバック10のリクライニング角度が角度θsに達した時点で、ストッパーアーム121と当接することで、当該ストッパーアーム121の更なる回動を阻止するストッパー部材123とを備えることができる。ストッパーアーム121の回動軸側の端部は、第1及び第2のトーションバー120a,120bの両方に対して、緩むことなく結合、固定されている。シートバック10のリクライニング角度において、垂直よりも前方をプラスとし、後方側をマイナスとしたときに、角度θsを+5°~-30°に設定することが好ましい。
ストッパーアーム121は、ストッパー部材123に当接した時点で第1のトーションバー120aと第2のトーションバー120bとの連動を遮断するのに十分な剛性を有する構造とする。すなわち、ストッパーアーム121の上下方向のたわみが、第1のトーションバー120aのねじれに対して無視できる程度の剛性・強度を持たせる。具体的には、第1のトーションバー120aが塑性変形してねじれる時のトルクがストッパーアーム121に加わった場合でも、ストッパーアーム121が塑性変形しない程度の断面形状および材料強度をもつ必要がある。ストッパーアーム121の剛性や強度を高めるためには、例えば、十分な断面係数をもった形状にしたり、焼き入れ等により剪断強さを高めた材料を採用したりすることができる。
第1のトーションバー120aの変位角に対するトルク特性T1(N・m)を、第2のトーションバー120bの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定する。これにより、前方衝突が発生した時に、第2のトーションバー120bがねじれ始め、その後、ロック機構(121,123)によって、第1のトーションバー120aが有効になるように切替えることができる。これにより、衝突発生の初期段階ではトルク特性の低い第2のトーションバー120bによって速やかにシートバック10を起こすことができる。その後は、トルク特性の高い第1のトーションバー120aが有効となって、シートバック10が必要以上に前方に倒れることなく、乗員を適切且つ確実に拘束することができる。
図4に示すように、シートバックフレーム104Lとシートサイドフレーム102Lには、リミットスイッチ122a、122bが設けられ、シートバック10(シートバックフレーム)のリクライニング角度を規制している。すなわち、シートバックフレーム104Lの回転角度が限界に達したことを感知し、モータ110の動作を停止する等の処置をする。
図4~図6において、符号126は、第1のトーションバー120aをシートバックフレーム104Lに対して固定するためのコネクティングプレートである。また、図5及び図6において、符号124は、第1のトーションバー120aがシートサイドフレーム102Lから抜けるのを防ぐストッパーである。また、符号128は、シートバックフレーム104Lとシートサイドフレーム102Lとの間に配置されるスペーサである。
(リクライニング機構の動作)
図7(A),(B)は、本発明の第1実施例に係る車両用シートのリクライニング動作を説明するための斜視図である。シートバック10を後方に倒すときには、モータ110の動力をセンターシャフト112、ベベルギア114、ウォームシャフト115、ウォームギア機構(116、118)を介して、シートバックフレーム104Lの回転軸部106に伝え、図11(A)に示すように、シートバックフレーム104L(104R)を後方に回動(スイング)させる。
図7(A),(B)は、本発明の第1実施例に係る車両用シートのリクライニング動作を説明するための斜視図である。シートバック10を後方に倒すときには、モータ110の動力をセンターシャフト112、ベベルギア114、ウォームシャフト115、ウォームギア機構(116、118)を介して、シートバックフレーム104Lの回転軸部106に伝え、図11(A)に示すように、シートバックフレーム104L(104R)を後方に回動(スイング)させる。
一方、シートバック10を前方に起こすときには、モータ110の動力をセンターシャフト112、ベベルギア114、ウォームシャフト115、ウォームギア機構(116,118)を介して、シートバックフレーム104Lの回転軸部106に伝え、図11(B)に示すように、シートバックフレーム104L(104R)を前方に回動(スイング)させる。
(安全装置の動作)
図8は、本発明の第1実施例に係る安全装置に使用されるトーションバー120a,120bのトルク-ねじれ角特性を説明するためのグラフである。図9(A),(B),(C)は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための模式図である。図10(A),(B)は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための側面図である。図11及び図12は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための斜視図である。
図8は、本発明の第1実施例に係る安全装置に使用されるトーションバー120a,120bのトルク-ねじれ角特性を説明するためのグラフである。図9(A),(B),(C)は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための模式図である。図10(A),(B)は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための側面図である。図11及び図12は、本発明の第1実施例に係る安全装置の動作を説明するための斜視図である。
図10(A)に示すように、シートのシートバック10が後方に倒れた状態で車両衝突が発生した場合、シートバック10が慣性によって前方に起き上がるように動こうとする。本発明においては、ウォーム116とウォームホイール118との噛み合いによって、リクライニング機構は機能せず、トーションバー120a,120bの塑性変形によってエネルギーを吸収する。
車両衝突初期の段階で、シートバックフレーム104L,104Rが前方に倒れる方向に付勢されると、図8、図9(A)~(B)、図11に示すように、シートバック10のリクライニング角度がθsに達するまでは、第2のトーションバー120bがエネルギーを吸収してねじれることになる。
図8のグラフにおいては、第1及び第2のトーションバー120a、120bのトルク特性の変化を直線的に示しているが、実際には、第1及び第2のトーションバー120a,120bは、初期の段階で弾性変形した後に塑性変形に移行することになる。グラフの水平方向のラインが塑性変形の部分に対応する。なお、第1のトーションバー120aの変位角に対するトルク特性T1(N・m)と、第2のトーションバー120bの変位角に対するトルク特性T2(N・m)が、変位角に対して徐々に大きくなるような(プログレッシブ)設定とすることもできる。
第2のトーションバー120bがねじれると、第1のトーションバー120aとストッパーアーム121が連動して回転する。この時、第2のトーションバー120bは塑性変形によってねじれ変形(回転)するが、第1のトーションバー120aは剛体回転する(変形せずに回転だけする)ことになる。
その後、シートバック10のリクライニング角度がθsに達した時点で、ストッパーアーム121がストッパー部材123に当接すると、シートバック10が前方に回動することで発生するトルクが、ロック機構(121,123)で遮断される。そして、図8,図9(C)、図10(B)、図12に示すように、角度θs以降は、第2のトーションバー120bは機能せず、トルク特性の大きな第1のトーションバー120aがねじれることでエネルギーを吸収することになる。
上記のように、本発明においては、第1のトーションバー120aの変位角に対するトルク特性T1(N・m)を、第2のトーションバー120bの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定している。このため、前方衝突が発生した時に、第2のトーションバー120bがねじれ始め、その後、第2のトーションバー120bがロック機構(121,123)によってロックされ、第1のトーションバー120aが有効となってねじれることになる。このように、衝突発生の初期段階ではトルク特性の低い第2のトーションバー120bによって速やかにシートバック10を起こすことができる(図10(A))。その後は、トルク特性の高い第1のトーションバー120aが有効となって、シートバック10が必要以上に前方に倒れることなく、乗員Pを適切且つ確実に拘束することができる(図10(B))。
衝突事故の激しさにもよるが、衝突事故が発生した後は、トーションバーユニット120(120a,120b,121,123)を交換するだけで、安全装置の機能が復帰することになる。
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について、図13~図17を参照して説明する。第2実施例は、モータによる動力を用いず、シートバックのリクライニング操作を手動で行う車両シートに適用されるものである。本実施例の説明(図面)において、上述した第1実施例と同一又は対応する構成要素については、下二桁が同じ数字の参照符号を付すものとする。例えば、第1のトーションバーは、第1の実施例においては「120a」であるのに対して、本実施例では「220a」となる。
以下、本発明の第2実施例について、図13~図17を参照して説明する。第2実施例は、モータによる動力を用いず、シートバックのリクライニング操作を手動で行う車両シートに適用されるものである。本実施例の説明(図面)において、上述した第1実施例と同一又は対応する構成要素については、下二桁が同じ数字の参照符号を付すものとする。例えば、第1のトーションバーは、第1の実施例においては「120a」であるのに対して、本実施例では「220a」となる。
図13は、本発明の第2実施例に係る安全装置の構造を示す斜視図であり、シートバックのリクライニング操作を手動で行う形式のシートに適用されるものである。図14は、図13の構造の分解斜視図である。図15は、図13及び図12に示す構造を組み立てた(完成させた)状態の斜視図である。
本実施例に係るリクライニング機構は、トーションバー220a,220bを介して、左右のシートバックフレーム204L,204Rの回転軸部206に連結されたギア部材226と、ロックプレートシャフト230の左右両端部に連結されたロックプレート228と、ギア部材226とロックプレート228との噛み合いを解放するレバー224とを備えている。
レバー224にはレバーガイドシャフト232が結合され、レバーガイド溝234に沿って動くようになっている。ロックプレート228には、ロックプレートシャフト230が結合されている。そして、レバー224を上方に持ち上げた時に、ロックプレート228とギア部材226の噛み合いが解除される。その結果、シートバック10がフリーな状態となり、リクライニング角度を調整可能となっている。
図14に示すように、本実施例に係る安全装置は、第1実施例と同様に、シートバックフレーム104Lに連結された第1及び第2のトーションバー220a,220bを備えている。第1のトーションバー220aの一端(内側端部)は、シートバックフレーム204Lの回転軸部260に対して固定されている。第2のトーションバー220bの他端(外側端部)は、ギア部材226に連結されている。
図13及び図15に示すように、レバー224の一部、リクライニング機構、安全装置を覆うカバー238が設けられている。カバー238には、第2のトーションバー220bの端部を固定するストッパー260と、ロックプレートシャフト230の端部を固定するストッパー262が設けられている。レバー224にはスプリング236の一端が連結され、スプリング236の他端は、カバー238に連結される。
なお、図中の符号244は、第1のトーションバー220aをシートバックフレーム204Lに対して固定するためのコネクティングプレートである。また、符号252は、レバーガイドシャフト206とレバー224との間に連結されるレバーガードピンである。符号254は、ロックプレートシャフトエクステンションであり、一端がロックプレートシャフト230の端部に連結される。
シートサイドフレーム202Lには、レバーガイドシャフト230の動きを規定するレバーガイド溝234が形成されている。また、シートバックフレーム204Lの回転角度を規定するガイド溝242が形成されている。
レバー224には、ロックプレートピンガイド溝249が形成され、ここにロックプレートピン248が挿入され、ロックプレート228の動きガイドされる。
図16は、本発明の第2実施例に係る車両用シートのリクライニング機構のロック解除動作を示す側面図であり、(A)がロックされた状態、(B)がロックを解除した状態を示す。
図16(A)に示すように、本実施例に係るシートにおいて、レバー224が規定の位置(例えば、水平状態)にあるときには、ギア部材226はロックプレート228と噛み合っているため、リクライニングを行うことはできない。
一方、図16(B)に示すように、レバー224を上方に引き上げると、ロックプレートピン248がロックプレートピンガイド262に沿って移動し、ロックプレート228が反時計方向に回転する。これによって、ギア部材226とロックプレート228との噛み合いが解除され、シートバック10がリクライニング可能となる。
(安全装置の動作)
本実施例に使用される安全装置(220a,220b,221,223)の特性、機能、作用については、上述した第1実施例と同様であるため、重複した説明は省略する。図17(A),(B),(C)は、本発明の第2実施例に係る安全装置の動作を説明するための模式図である。
本実施例に使用される安全装置(220a,220b,221,223)の特性、機能、作用については、上述した第1実施例と同様であるため、重複した説明は省略する。図17(A),(B),(C)は、本発明の第2実施例に係る安全装置の動作を説明するための模式図である。
図10(A)に示すように、シートのシートバック10が後方に倒れた状態で車両衝突が発生した場合、シートバック10が慣性によって前方に起き上がるように動こうとする。本発明においては、ギア部材226とロックプレート228との噛み合いによって、リクライニング機構は機能せず、トーションバー220a,220bによってエネルギーを吸収する。
車両衝突初期の段階では、シートバックフレーム204Lが前方に倒れる方向に付勢されると、図17(A)~(B)に示すように、シートバック10のリクライニング角度がθsに達するまでは、第2のトーションバー220bがエネルギーを吸収してねじれることになる。
シートバック10のリクライニング角度がθsに達した時点で、ストッパーアーム221がストッパー部材223に当接すると、シートバック10が前方に回動することで発生するトルクが、ロック機構(221,223)で遮断される。そして、図17(C)に示すように、角度θs以降は、第2のトーションバー220bは機能せず、トルク特性の大きな第1のトーションバー220aがねじれることでエネルギーを吸収することになる。
本発明を上記の例示的な実施形態と関連させて説明してきたが、当業者には本開示により多くの等価の変更および変形が自明であろう。したがって、本発明の上記の例示的な実施形態は、例示的であるが限定的なものではないと考えられる。本発明の精神と範囲を逸脱することなく、記載した実施形態に様々な変化が加えられ得る。
Claims (10)
- シートバックの角度を調整可能なリクライニング機構を備え、車両シートに着座した乗員を保護する車両シート用安全装置であって、
前記シートバックの幅方向の一方の側において、一端が当該シートバックに連結された第1のトーションバーと;前記第1のトーションバーの他端に同軸に連結された第2のトーションバーと、前記第2のトーションバーのねじれ動作をロックするロック機構とを含むトーションバーユニットが設けられ、
前記第1のトーションバーの変位角に対するトルク特性T1(N・m)が前記第2のトーションバーの変位角に対するトルク特性T2(N・m)よりも大きく設定されていることを特徴とする車両シート用安全装置。 - 前記ロック機構は、前記シートバックのリクライニング角度が所定の角度θsに達した時点で、前記第2のトーションバーのねじれ動作をロックすることを特徴とする請求項1に記載の車両シート用安全装置。
- 前記ロック機構は、前記第1のトーションバーと前記第2のトーションバーとの連結箇所に設けられ、前記第2のトーションバーのねじれ動作に連動して回動するストッパーアームと;前記シートバックのリクライニング角度が所定の角度θsに達した時点で、前記ストッパーアームと当接することで、当該ストッパーアームの更なる回動を阻止するストッパー部材とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両シート用安全装置。
- 前記ストッパーアームは、前記ストッパー部材に当接した時点で前記第1のトーションバーと前記第2のトーションバーとの連動を遮断するのに十分な剛性を有することを特徴とする請求項3に記載の車両シート用安全装置。
- 前記車両シートが、シートベルトリトラクタを備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の車両シート用安全装置。
- 前記シートベルトリトラクタが、前記シートバックの一方の側の上端近傍に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の車両シート用安全装置。
- 前記シートバックのリクライニング角度において、垂直よりも前方をプラスとし、後方側をマイナスとしたときに、前記角度θsを+5°~-30°に設定したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両シート用安全装置。
- 前記トーションバーユニットが、前記シートバックの左右両端に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両シート用安全装置。
- 前記リクライニング機構は、前記第2のトーションバーの前記第1のトーションバーと反対側の端部に連結されたウォームホイールと、当該ウォームホイールと噛み合うウォームとからなるウォームギア機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両シート用安全装置。
- 前記リクライニング機構は、前記第2のトーションバーの前記第1のトーションバーと反対側の端部に連結されたギア部材と、当該ギア部材の回転を制限するロック部材と、前記ギア部材と前記ロック部材との噛み合いを解放し、前記シートバックの角度を変更可能にするレバーとを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両シート用安全装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022093329A JP2023180169A (ja) | 2022-06-08 | 2022-06-08 | 車両シート用安全装置 |
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JP2022093329A JP2023180169A (ja) | 2022-06-08 | 2022-06-08 | 車両シート用安全装置 |
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Family Applications (1)
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JP2022093329A Pending JP2023180169A (ja) | 2022-06-08 | 2022-06-08 | 車両シート用安全装置 |
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JP (1) | JP2023180169A (ja) |
-
2022
- 2022-06-08 JP JP2022093329A patent/JP2023180169A/ja active Pending
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