JP2023158213A - 情報処理装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 決済システムを利用する店舗の手数料負担を軽減して、決済システムの利用促進を図るための技術を提供する。【解決手段】 商取引に係る決済システムの利用に対して店舗に課す手数料を算出する情報処理装置にあって、商取引の属性を表す属性情報に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、商取引ごとの、当該商取引の属性を表す属性情報と、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報とを含む取引データを、店舗端末から取得する取引データ取得部と、取得された取引データに含まれる属性情報に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、手数料率と価額情報とに基づいて店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、上記算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにした。【選択図】図3
Description
この発明の一態様は、商取引に係る情報処理システムで利用される情報処理装置、方法、およびプログラムに関する。
商品やサービスに対する代金の支払いの際に、クレジットカードや電子マネーなどの非現金決済方式が広く使用されている。非現金決済を利用する消費者にとっては、現金を持ち歩く必要がないこと、支出の管理が容易になること、利用額に応じたポイント還元が受けられることなどのメリットがある。また非現金決済方式を導入する加盟店にとっても、釣り銭を用意する必要がないこと、大量の現金を保管しなくてよいこと、さらにはレジの混雑緩和、スタッフの負担軽減、非現金決済を利用したい顧客の誘引効果などのメリットがある。
ここで、加盟店は、非現金決済の利用にあたり、決済システムを提供する事業者に対して加盟店手数料を支払う必要がある。一般的には、決済ごとに、決済に係る取引価額に対してあらかじめ設定された手数料率を乗じることによって手数料が算出され、加盟店に課されることになる。非現金決済システムを提供する事業者は、このような加盟店手数料を収入源のひとつとしており、自身の提供する非現金決済方式を導入する店舗の増加を望んでいる。
しかし、日本の加盟店手数料率は、概して、諸外国に比べて高い傾向にあり、費用の面から、こうした非現金決済方式の導入に踏み切れない店舗が多いのが現状である。
一方、クレジットカード取引において、加盟店ごとに定められた手数料率ではなく、クレジットカード会員のカード利用状況に応じて会員別の手数料を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、特許文献1の技術では、いったんクレジットカード決済方式を導入した後には、加盟店が手数料率の低減を期待して良質の顧客の獲得に努めるという効果があるものの、決済システムの導入を検討している段階では、手数料率の低減効果を予想するのが困難であり、依然として導入に踏み切りにくいという課題がある。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、決済システムを利用する店舗の手数料負担を軽減して上記決済システムの利用促進を図るための技術を提供することにある。
上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、商取引に係る決済システムの利用に対して店舗に課す手数料を算出する情報処理装置にあって、上記商取引の属性を表す属性情報に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、上記商取引ごとの、当該商取引の属性を表す属性情報と、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報とを含む取引データを、上記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、上記取得された取引データに含まれる属性情報に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と上記取得された取引データに含まれる上記価額情報とに基づいて上記店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、上記算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにしたものである。
この発明の第2の態様は、上記属性情報が、上記商取引が行われた日時を表す日時情報を含み、上記料率情報記憶媒体が、上記日時情報に応じて異なる値に設定された手数料率を記憶するようにしたものである。
この発明の第3の態様は、上記料率情報記憶媒体が、特定の時間帯、特定の曜日、特定の日、月、年または特定の期間に係る商取引について、あらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率を記憶するようにしたものである。
この発明の第4の態様は、上記属性情報が、上記商取引が行われた地理的位置を表す位置情報、上記商取引が行われた店舗の属性を表す店舗属性情報、上記商取引に係る決済方法を識別する決済方法識別情報、または上記商取引に特定の商品もしくはサービスが含まれるか否かを示す特定取引識別情報を含み、上記料率情報記憶媒体が、特定の地理的位置に係る商取引、特定の属性の店舗における商取引、および特定の決済方法または特定の商品もしくはサービスを含む商取引のうちの少なくとも1つについて、あらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率を記憶するようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、加盟店手数料の算出にあたり、取引データに含まれる属性情報をもとに、当該属性情報に応じて異なる値となるようにあらかじめ設定された手数料率が取得され、取得された手数料率と取引データに含まれる価額情報とに基づいて手数料が算出される。各店舗における商取引の属性に応じて手数料率を設定しておくことにより、店舗ごとにより適切な利用条件を提示できるようになり、店舗に対して決済システムの導入を促すことができる。
この発明の第2の態様によれば、属性情報としての商取引が行われた日時の情報に応じて設定された手数料率を使用して、手数料を算出することができる。これにより、店舗に対して、日時によって変化する営業の状況に応じてより適切な手数料率が設定された決済システムの導入を促すことができる。一般に、システム提供事業者に対して店舗の端末から送信される取引データには決済ごとの日時情報が含まれているので、手数料率を設定するための属性情報として日時情報を利用すれば、店舗ごとに新たな設定を要することなく、従前の取引データに含まれる情報を活用することが可能である。また、日時情報に応じて手数料率を可変設定することで、例えば特定の時間帯における店舗の営業努力を促し、結果としてシステム負荷を時間分散させることも可能となり得る。
この発明の第3の態様によれば、特定の時間帯、特定の曜日、特定の日、月、または年、または特定の期間における商取引についてはあらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率が適用されることとなる。これにより、店舗に対して、その営業形態に応じて柔軟かつ精密に設定された手数料率を提示して、決済システムの導入を促すことができる。
この発明の第4の態様によれば、手数料の算出にあたり、商取引が行われた特定の地理的位置、店舗の特定の属性、特定の決済方法、または商取引に特定の商品もしくはサービスが含まれる決済については、あらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率が適用されることとなる。これにより、店舗に対して、その営業形態に応じてより適切に設定された手数料率を提示して、決済システムの導入を促すことができる。
すなわちこの発明の各態様によれば、決済システムを利用する店舗の手数料負担を軽減して上記決済システムの利用促進を図るための技術を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
[実施例1]
(構成)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を備えたシステムの全体構成の一例を示す図である。
[一実施形態]
[実施例1]
(構成)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を備えたシステムの全体構成の一例を示す図である。
このシステムは、商取引に係る決済システムを利用する加盟店STの店舗端末STTと、当該決済システムを提供する決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVとが、ネットワークNWを介して接続されたものである。
ネットワークNWは、例えば中継網と、この中継網に対しアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。中継網としては例えばインターネットプロトコルを利用した公衆網や閉域網が用いられる。アクセス網としては例えばLAN(Local Area Network)、無線LAN、携帯電話網、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網が用いられる。
決済システム提供事業者PAには、クレジットカード会社や電子マネー事業者など、決済システムを提供するあらゆる事業者が含まれる。決済システム提供事業者PAは、決済事業者サーバPASVと、取引データベースPADとを備えている。
決済事業者サーバPASVは、決済システム提供事業者PAが運用するサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータにより構成される。決済事業者サーバPASVは、決済システムの提供を実現するため、店舗端末STTから送信された決済データを受け取り、店舗STおよび顧客CSとの間での精算処理を遂行する。決済事業者サーバPASVは、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むことができる。情報処理装置1については、さらに詳細に後述する。
取引データベースPADは、各店舗端末STTから送信された決済データと各店舗STとを紐づける取引データベースと、各店舗STに関する種々の情報を記憶した加盟店データベースと、顧客としての各会員の識別番号、個人情報、カード番号、決済の利用明細、支払い実績等を記憶した会員データベースとを備えている。
店舗端末STTは、店舗STに設置されたPOS(Point of Sale:販売時点情報管理)端末、POS端末と連携して動作する通信端末、またはPOS端末に代わって使用される携帯情報端末である。店舗端末STTは、店舗ST内の複数のPOS端末を管理する装置であってもよい。また、店舗STは、実店舗に限定されず、オンラインショップなどの無店舗形態であってもよい。店舗STがオンラインショップの場合、店舗端末STTは、POS端末と同様の機能を有する販売管理アプリケーションとして実施され得る。
決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVには、実際には多数の加盟店の多数の端末が接続されることになるが、図1では便宜上1つの店舗STの1つの店舗端末STTのみを示している。同様に、図1では便宜上1人の顧客CSだけを示しているが実際には多数の顧客CSが存在し得る。また、実際には、決済システム提供事業者PAは、加盟店STと直接やり取りせずに決済代行業者を介して精算処理を行うことが多いが、ここでは簡潔のため決済代行業者等の中間業者は省略して説明する。以下、実施例1においては、図1の決済システム提供事業者PAをクレジットカード会社PAとして処理の概要を説明する。
図1に示したシステムにおいて、顧客CSが店舗STで商品またはサービスに対する代金の支払いにクレジットカード払いを選択したとする。このとき、店舗端末STTは、店舗STの店員が店舗端末STTに関連付けられたコードリーダを操作して商品に貼付もしくは印字された商品識別用のバーコードを読み取ることにより、または店員が店舗端末STTに関連付けられたキーボード等の入力デバイスを介して商品等情報を入力することにより、取引に係る情報を取得する。商品等情報には、商品またはサービスの種別、名称、単価、個数等が含まれる。さらに、店舗端末STTは、顧客CSが提示したクレジットカードのICチップまたは磁気ストライプを店舗STの店員等がカードリーダによって読み取ることにより、代金の支払いに使用されるクレジットカードの情報を取得する(矢印S1)。
店舗端末STTは、取得した商品等情報およびクレジットカード情報に基づいて、売上管理や在庫管理のための処理を行うほか、精算の請求のために決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVに送信するための決済データを生成する。例えば、店舗端末STTは、決済(取引)ごとに、連番など決済を識別する情報と、決済が行われた日時、取引価額、クレジットカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコードなど)、および支払い方法(一括払い/分割払い/リボ払い)等の決済情報とを含む決済データを蓄積し、一定期間または一定量ごとに、蓄積した決済データを集約し、精算のためにクレジットカード会社PAの決済事業者サーバPASVに送信する(矢印S2)。
決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTから送信された決済データを受け取ると、店舗STの識別情報を付与して取引データとして取引データベースPADに蓄積しつつ、以下のように、クレジットカード情報に紐づけられた顧客CSに対する請求と、店舗STに対する支払いの準備を行う。
まず、顧客CSに対しては、決済事業者サーバPASVは、会員データベースを参照し、顧客CSそれぞれの契約内容や支払い方法にしたがって請求を行う(矢印S3)。これに対し、顧客CSは、振込や銀行口座からの引落などによりクレジットカード会社PA(の決済事業者サーバPASV)に対して請求額の支払いを行う(矢印S4)。なお、点線で示したS3とS4の工程は、この実施形態を実施するための情報処理装置1の処理として必須ではない。
一方、店舗STに対しては、決済事業者サーバPASVは、矢印S3およびS4の工程と並行して、またはその完了後の適当なタイミングで、加盟店データベースに基づき、店舗STに対し、決済データに基づく請求金額を支払う処理を行う(矢印S5)。このとき、決済システムの加盟店に対して課す手数料を上記請求金額から引いた金額が、店舗STに対して支払われることになる。
一実施形態では、決済事業者サーバPASVは、加盟店手数料の算出にあたり、決済ごとに、当該決済に係る商取引の属性を表す情報に基づいて、あらかじめ設定された手数料率テーブルから対応する手数料率を取得し、取得した手数料率を取引価額に乗じることによって手数料を算出する。この処理についてもさらに後述する。ここで「手数料率」とは、手数料を算出する際に適用される値を言い、例えば、金額に対するパーセンテージ(%)で表される。なお、決済システム提供事業者PAが電子マネー事業者(事前決済(プリペイド)式/事後決済(ポストペイ)式)やデビットカード(即時決済式)である場合にも、図1に示したシステムと同様の流れで説明することができる。
なお、矢印S2に関して、店舗端末STTは、決済ごとにリアルタイムで決済データを決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよいし、決済データを蓄積して、定期的に、例えば1週間分ごとまたは1か月分ごとなど、まとめて決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよい。同様に、矢印S5に関して、決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTから決済データを受け取るたびに決済ごとに手数料を算出し、決済ごとに店舗端末STTに手数料を課すようにしてもよいし、店舗端末STTから例えば1週間分の決済データを受け取るたびにその1週間分ごとに手数料を算出するようにしてもよいし、または店舗端末STTから1週間分ずつ決済データを受け取って蓄積し、月単位で手数料を算出するようにしてもよい。
(2)情報処理装置
(2-1)ハードウェア構成
図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVの一部として使用される。あるいは、情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVと連携して機能する別個の装置として実施されてもよい。
(2-1)ハードウェア構成
図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVの一部として使用される。あるいは、情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVと連携して機能する別個の装置として実施されてもよい。
情報処理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ20Aを有する。そして、このハードウェアプロセッサ20Aに対し、プログラムメモリ20B、データメモリ30、通信インタフェース11および入出力インタフェース12を、バス50を介して接続したものとなっている。
入出力インタフェース12には、情報処理装置1に付設される入力デバイス2および表示デバイス3が接続される。入出力インタフェース12は、キーボードやタッチパネル、マウス等の入力デバイス2を通じてオペレータが入力した操作データを取り込むとともに、表示データを液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示デバイス3へ出力して表示させる処理を行う。なお、入力デバイス2および表示デバイス3は装置1に内蔵されたデバイスを使用してもよく、またネットワークNWを介して通信可能な他の情報端末の入力デバイスおよび表示デバイスを使用してもよい。
通信インタフェース11は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースユニットを含んでおり、外部機器との間で情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LANが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)などの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェースが使用される。
通信インタフェース11は、店舗端末STTとの間で、ネットワークNWにより規定される通信プロトコルにしたがいデータ伝送を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等が使用されるが、これに限るものではない。
プログラムメモリ20Bは、記憶媒体として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムが格納されている。
データメモリ30は、記憶媒体として、例えば、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、手数料の算出を含む種々の情報処理を行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。
(2-2)ソフトウェア構成
図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のソフトウェア構成を、図2に示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
データメモリ30の記憶領域には、取引データ記憶部31と、料率情報記憶部32と、手数料記憶部33とが設けられている。
図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のソフトウェア構成を、図2に示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
データメモリ30の記憶領域には、取引データ記憶部31と、料率情報記憶部32と、手数料記憶部33とが設けられている。
取引データ記憶部31は、取得した取引データ(または決済データ)を記憶するために使用される。
料率情報記憶部32は、手数料の算出に用いられる手数料率情報を手数料率テーブルの形式で記憶するために使用される。
手数料記憶部33は、算出された手数料を記憶するために用いられる。
ただし、上記記憶部31~33は必須の構成ではなく、例えば、上述の取引データベースPADをはじめ、USBメモリなどの外付け記憶媒体や、クラウドに配置されたデータベースサーバ等の記憶装置に設けられたものであってもよい。
制御ユニット20は、上記ハードウェアプロセッサ20Aと、上記プログラムメモリ20Bとから構成され、ソフトウェアによる処理機能部として、取引データ取得部21と、属性情報抽出部22と、料率情報取得部23と、手数料算出部24と、出力制御部25とを備えている。これらの機能部は、いずれもプログラムメモリ20Bに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサ20Aに実行させることにより実現される。制御ユニット20は、また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)などの集積回路を含む、他の多様な形式で実現されてもよい。
取引データ取得部21は、取引データベースPADにアクセスして、手数料算出処理の対象とすべき取引データを取得し、取引データ記憶部31に格納する処理を行う。
属性情報抽出部22は、取引データ記憶部31に格納された取引データから、決済(取引)ごとに、手数料率の取得に必要な属性情報と取引価額を表す価額情報とを抽出し、属性情報は料率情報取得部23に、価額情報は手数料算出部24に渡す処理を行う。
料率情報取得部23は、属性情報抽出部22から受け取った属性情報をもとに、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対象とする決済に対応する手数料率を読み出し、手数料算出部24に渡す処理を行う。
手数料算出部24は、料率情報取得部23から受け取った手数料率と、属性情報抽出部22から受け取った価額情報とをもとに、決済ごとに手数料を算出し、算出した手数料を手数料記憶部33に格納する処理を行う。
出力制御部25は、手数料記憶部33に格納された情報を読み出し、出力データを生成して、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力する処理を行う。
(動作)
次に、以上のように構成された情報処理装置1による情報処理動作を説明する。図4はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
次に、以上のように構成された情報処理装置1による情報処理動作を説明する。図4はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
一実施形態では、情報処理装置1は、ステップS101により、手数料の算出処理を開始するトリガの有無を監視している。この状態で、例えばオペレータが入力デバイス2を介して、手数料の算出を指示する要求を入力し、この要求を開始トリガとして受け取ると、情報処理装置1は以下のように手数料の算出処理を実行する。
まずステップS102において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、取引データ取得部21により、取引データベースPADから必要な取引データを読み出し、取引データ記憶部31に格納する。取引データ取得部21は、例えば、取引データベースPADにアクセスし、オペレータにより指定された店舗STの識別情報および指定された期間に対応する取引データを抽出する。取引データに含まれる各レコードは、単位商取引に係る単位決済に対応し、当該商取引に係る日時情報と取引価額情報とを少なくとも含む。なお、取引データ取得部21は、ネットワークNWを介して店舗端末STTから決済データを取得することによって、この決済データを手数料の算出に使用するための取引データとしてもよい。この場合、取引データ取得部21は、取得した決済データに店舗STの識別情報を付与して取引データ記憶部31に格納する。
次いでステップS103において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、属性情報抽出部22により、取引データ記憶部31に格納されたレコードを読み出し、決済を識別する情報および店舗STを識別する情報とともに、属性情報としての日時情報と、取引価額情報とを抽出する。
ステップS104において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、料率情報取得部23により、属性情報としての日時情報と、店舗STの識別情報とをもとに、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を表す料率情報を取得する。手数料率テーブルは、店舗STごとに設定されたデータテーブルであっても、店舗種別ごとに設定されたデータテーブルであってもよい。または、料率情報取得部23は、クレジットカード会社PAが管理する他のデータベースから料率情報を取得するようにしてもよい。あるいは、料率情報取得部23は、図示しない他の事業者が一括管理する、複数のクレジットカード会社PA間で共有される手数料率テーブルを格納したデータベースにアクセスすることによって、料率情報を取得するようにしてもよい。
手数料率は、属性情報ごとに異なる値となるように設定される。一実施形態では、属性情報は、日時情報であり、昼間と夜間、平日と休日、または深夜時間帯や特定の曜日など、様々な日時情報に応じて異なる値に設定された手数料率が設定される。例えば、飲食業では、一般に、昼間の時間帯に比べ、夜間の時間帯の方が客単価が高く、夜間の時間帯の方がクレジットカード決済が行われる割合が高い。そこで、一例として、午後6時から午前6時までの夜間の時間帯には、あらかじめ定められた基準手数料率とし、午前6時から午後6時までの昼間の時間帯には、あらかじめ定められた基準手数料率よりも低減された手数料率を設定することができる。これにより、客単価の安い昼間の時間帯に課される手数料を負担に感じてクレジットカード決済を導入していなかった店舗も、低い手数料率を魅力に感じ、導入を検討することが期待される。
図5Aは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの一例を示す。この手数料率テーブルでは、属性情報として日時情報が指定され、昼間の時間帯と夜間の時間帯とで異なる手数料率が設定されている。図5Aでは、午前6時から午後6時までの昼間の時間帯には手数料率が3.0%に設定され、午後6時から午前6時までの夜間の時間帯には手数料率が5.0%に設定されている。なお、加盟店IDにつき1つの手数料率テーブルが設定される例を示しているが、同一業種間で共通の手数料率テーブルを設定するようにしてもよい。
図5Bは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの他の例を示す。この手数料率テーブルでは、図5Aと同様に属性情報として日時情報が指定され、曜日によって異なる手数料率が設定されている。例えば、衣料品の卸売業や美容業など、月曜日よりも週末に向かって売上げが上昇する傾向にある業種が考えられる。このような業種については、図5Bに示したように、月曜日から水曜日までは同一の手数料率とし、木曜日と金曜日は手数料率を少し高くし、土曜日と日曜日はさらに高くなるような設定が好まれる可能性がある。
図5Cは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの他の例を示す。この手数料率テーブルでは、属性情報として、単位決済に係る商取引中に特定の商品またはサービスが含まれるか否かに応じて、手数料率が設定されている。例えば、特定のメーカーのキャンペーン中の商品や、クレジットカード会社の関連企業の商品、環境対策が講じられた商品、賞味期限間近の商品、代金の一部が自治体に還元されるサービスなど、店舗STが企業の依頼を受けてまたは公共の利益を目的として特定の商品またはサービスの販売を促進したい場合が考えられる。このような場合に、単一の商取引の中にそのような商品またはサービスを含む決済については、手数料率を低減する設定をすることにより、店舗STによるクレジットカード決済の導入を支援することができる。店舗STは、例えば、決済データに対し、上記のような対象商品等関連取引(手数料率低減の対象である商品またはサービスを含む取引)であることを示すフラグを付与して、クレジットカード会社PAに送信することができる。フラグは、決済データに含まれる空き領域に所定の値(Value)を設定することによって容易に実施可能である。決済データ(または取引データ)を取得した情報処理装置1は、属性情報としてフラグ(値)の有無を判別し、フラグの有無に応じてあらかじめ設定された手数料率テーブルを参照して、手数料率を取得し、決済ごとに手数料を算出することができる。
図5Dは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの他の例を示す。この例では、手数料率テーブルは、複数の店舗ST間で共有されるもので、属性情報としての店舗STの地域区分A~Dに応じて手数料率が設定されている。例えば、「A」に区分される地域は手数料率が最も高く、「D」に区分される地域は手数料率が最も低い。例えば、「A」には、大都市や利用者数の多い駅前など、立地条件が最も良い地域が区分され、「B」、「C」、「D」の順に人口密度が低くなる地域等が区分される。
図5Eは、図5Dに示した地域区分を各店舗に関連付けるテーブルのさらに他の例を示す。図5Eのテーブルは、複数の店舗を経営する単一の事業者に対して設定されている。店舗ごとに店舗IDが付与されるとともに、その所在地に応じた地域区分が付与されている。地域区分は、情報処理装置1の管理者等が任意に設定してもよいし、所在地から自動的に割り振られるものであってもよい。例えば、図5Eによれば、店舗ID「DG6001」の「XYZドラッグストア△△駅前店」には、地域区分「A」が割り当てられており、この地域区分「A」をもとに図5Dの手数料率テーブルを参照すると、「4.0%」の手数料率が設定されている。したがって、料率情報取得部23は、店舗ID「DG6001」をもとに抽出される地域区分「A」にしたがって、「手数料率4.0%」を取得する。
このように、取引が行われた地理的位置情報に応じて手数料率が異なるようにすることが可能である。全国的に多数の店舗を展開するドラッグストアやスーパーなどの事業者に対して、人口密集地にある店舗と人口の少ない地域にある店舗とで異なる手数料率を提示することにより、事業者または各店舗に対して決済システムの導入のインセンティブを与えることが考えられる。具体的には、人口密集地にある店舗には高い手数料率を設定し、人口密度の低い地域にある店舗には低い手数料率を設定することができる。
次いで、ステップS105において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、手数料算出部24により、ステップS103で抽出した価額情報と、ステップS104で取得した料率情報とに基づき、決済ごとに加盟店手数料を算出する。
一例では、手数料算出部24は、決済ごとに、価額情報から得られる取引価額に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出する。例えば、取引価額が10,000円で、取得した手数料率が3.0%であれば、10,000円×0.03=300円と算出される。手数料算出部24は、算出した手数料を取引データに関連付けて手数料記憶部33に格納する。算出された手数料は、取引データの各レコードに(すなわち決済ごとに)関連付けて記憶されてもよいし、店舗STごとに取引データとは別個のデータテーブルとして格納されるようにしてもよい。
ステップS106において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、出力制御部25により、手数料記憶部33から読み出した情報をもとに、出力データを作成し、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力することができる。一例では、出力制御部25は、算出した手数料の情報を含む店舗STごとの取引データを一定期間ごとに読み出し、店舗STからの請求額の合計から手数料の合計を差し引いた金額を、店舗STに対する支払額として提示する出力データを生成する。そして、この出力データを、ネットワークNWを介して店舗STに対して送信するとともに、表示デバイス3に出力してオペレータに提示することができる。提示を受けたオペレータは、店舗STに対する支払処理を行ったり、または送金明細との照合を行ったりするなど、任意の処理を実行することができる。
なお、上記ステップS101~S106の処理は、任意のタイミングで任意のデータ単位に対して実施されてよい。例えば、ステップS101で説明した、手数料の算出処理の開始は、オペレータからの指示に応じたものである必要はなく、情報処理装置1の内部タイマにより一定期間ごとにトリガを発生させ、そのトリガに応じて定期的に処理を開始するようにしてもよいし、店舗端末STTからデータを受け取るたびに実施するようにしてもよい。あるいは、決済事業者サーバPASVが、取引データベースPADに蓄積されたデータを監視し、手数料を算出していないデータが一定量蓄積されるたびに、情報処理装置1に対して手数料算出処理を開始するよう指示するようにしてもよい。
[実施例2]
一実施形態に係る情報処理装置1は、加盟店舗に対して利用手数料が発生するあらゆる情報処理システムまたは決済システムに適用可能である。
実施例2では、そのような決済システムの他の例として、店舗を利用する顧客に対して特典としてのポイントを付与するポイントサービス(ポイントプログラム)を提供するシステムで用いられる情報処理装置1について説明する。
一実施形態に係る情報処理装置1は、加盟店舗に対して利用手数料が発生するあらゆる情報処理システムまたは決済システムに適用可能である。
実施例2では、そのような決済システムの他の例として、店舗を利用する顧客に対して特典としてのポイントを付与するポイントサービス(ポイントプログラム)を提供するシステムで用いられる情報処理装置1について説明する。
クレジットカード決済と同様、ポイントサービスの利用にあたって、加盟店舗は、ポイントサービスを提供する事業者に対して加盟店手数料を支払う必要がある。一般的には、決済ごとの取引価額またはポイント付与数に対してあらかじめ設定された手数料率を乗じることによって手数料が算出され、加盟店舗に課されることになる。この手数料の算出に用いられる手数料率を、上記実施例1と同様に、商取引の属性を表す属性情報に対応付けてあらかじめ異なる手数料率となるように設定することができる。なお、実施例2に係る「手数料率」は、例えば、金額に対するパーセンテージ(%)またはポイントに対する換算額(円/ポイント)で表される。
より詳細には、実施例2に係る情報処理装置1が、商取引に係る決済システムとしてポイントサービスの利用に対して店舗に課す手数料を算出する場合、図1に示したシステムでは以下のような処理が行われる。
顧客CSが商品の購入時にポイントサービスの利用の意思表示をし、ポイントカードを提示すると、店舗端末STTは、例えば、店舗STの店員が店舗端末STTに付属のカードリーダやスキャナ等を操作してポイントカードのICチップや磁気ストライプ、QRコード(登録商標)等を読み取ることにより、ポイントカード情報を取得する(矢印S1)。
店舗端末STTは、取得したポイントカード情報と、上記実施例1と同様に取得した商品等情報とを関連付けたポイント処理情報を含むポイント処理データを生成し、ポイント事業者である決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVに送信する(矢印S2)。ポイント処理データは、例えば、決済ごとの、シリアルナンバーなど決済を識別する情報と、決済が行われた日時、対象顧客を識別する情報(会員ID、ポイントカード番号など)、ポイントの種類などのポイント処理情報と、取引に係る商品の名称や種別、取引価額などの商品等情報とを含む。
決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTから送信されたポイント処理データを受け取ると、店舗STの識別情報を付与して取引データとして取引データベースPADに蓄積しつつ、以下のように、ポイント会員としての顧客CSおよび加盟店としての店舗STに対する処理を行う。
決済事業者サーバPASVはまず、ポイント処理データをもとに、あらかじめ定められた条件に基づき顧客CSに付与すべきポイント付与数を算出する。次いで、決済事業者サーバPASVは、会員データベースから当該顧客CSのポイント残高を読み出して、算出したポイント付与数とそのポイント種別、加算後のポイント残高等を含むポイント付与データを生成し、店舗端末STTに送信する(矢印S5)。ポイント付与データを受信した店舗端末STTは、受信したポイント付与データをもとに出力データを生成して、顧客CSに渡すレシートに印字して出力し、またはディスプレイ上に表示して顧客CSに提示する。決済事業者サーバPASVはまた、算出したポイント付与数および加算後のポイント残高を、会員データベースまたは取引データに紐づけて取引データベースPADに記憶させる。
決済事業者サーバPASVはまた、一定期間ごとまたは一定量ごとに取引データベースPADに蓄積したポイント処理データを読み出し、取引価額またはポイント付与数に応じて店舗STに対して課すべきポイント手数料を算出する。算出されたポイント手数料は、店舗STに対し、例えば固定の月額利用料等と併せて請求される(矢印S5)。
なお、実施例1に関して説明したのと同様に、矢印S2に関して、店舗端末STTは、決済ごとにリアルタイムでポイント処理データを決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよいし、ポイント処理データを蓄積して、定期的に、例えば1週間分ごとまたは1か月分ごとなど、まとめて決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよい。同様に、矢印S5に関して、決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTからポイント処理データを受け取るたびに決済ごとに手数料を算出し、決済ごとに店舗端末STTに手数料を課すようにしてもよいし、店舗端末STTから例えば1週間分のポイント処理データを受け取るたびにその1週間分ごとに手数料を算出するようにしてもよいし、または店舗端末STTから1週間分ずつポイント処理データを受け取って蓄積し、月単位で手数料を算出するようにしてもよい。
実施例2に係る情報処理装置1の動作についてさらに説明する。なお、実施例2に係る情報処理装置1は、図2および図3に示したのと同じハードウェア構成およびソフトウェア構成を備えることができる。そして、当該情報処理装置1は、図4に示したステップS101において、手数料の算出処理を開始するトリガを受け取ると、以下のように手数料の算出処理を実行する。
まずステップS102において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、取引データ取得部21により、取引データベースPADから必要な取引データを読み出し、取引データ記憶部31に格納する。取引データ取得部21は、例えば、取引データベースPADにアクセスし、オペレータにより指定された店舗STの識別情報および指定された期間に対応する取引データを抽出する。取引データに含まれる各レコードは、単位商取引に係る単位決済に対応し、当該商取引に係る日時情報、取引価額情報、ポイント会員を識別する情報、およびポイント付与数等を含む。なお、取引データ取得部21は、ネットワークNWを介して店舗端末STTから決済データを取得することによって、この決済データを手数料の算出に使用するための取引データとしてもよい。この場合、取引データ取得部21は、取得した決済データに店舗STの識別情報を付与して取引データ記憶部31に格納する。
次いでステップS103において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、属性情報抽出部22により、取引データ記憶部31に格納されたレコードを読み出し、決済を識別する情報および店舗STを識別する情報とともに、属性情報としての日時情報と、取引価額情報またはポイント付与数とを抽出する。
ステップS104において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、料率情報取得部23により、属性情報としての日時情報と、店舗STの識別情報とをもとに、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を表す料率情報を取得する。実施例1と同様に、手数料率テーブルは、店舗STごとに設定されたデータテーブルであっても、店舗種別ごとに設定されたデータテーブルであってもよい。または、料率情報取得部23は、ポイントサービス事業者としての決済システム提供事業者PAが管理する他のデータベースから料率情報を取得するようにしてもよい。あるいは、料率情報取得部23は、図示しない他の事業者が一括管理する、複数の決済システム提供事業者PA間で共有される手数料率テーブルを格納したデータベースにアクセスすることによって、料率情報を取得するようにしてもよい。
手数料率は、属性情報ごとに異なる値となるように設定される。属性情報には、実施例1と同様に、商取引が行われた日時を表す日時情報、商取引が行われた地理的位置を表す位置情報、商取引が行われた店舗の属性を表す店舗属性情報、商取引に係る決済方法を識別する決済方法識別情報、または上記商取引に特定の商品もしくはサービスが含まれるか否かを示す特定取引識別情報など、任意の属性情報が含まれる。実施例1と同様、店舗端末STTにより、店舗端末STTから決済事業者サーバPASVに送信されるポイント処理データに属性情報を表すフラグ(値)を付与することによって、容易に取引データに属性情報を含めることができる。
次いで、ステップS105において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、手数料算出部24により、ステップS103で抽出した価額情報またはポイント付与数と、ステップS104で取得した料率情報とに基づき加盟店手数料を算出する。
一例では、手数料算出部24は、決済ごとに、価額情報から得られる取引価額に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出する。例えば、取引価額が10,000円で、取得した手数料率が3.0%であれば、10,000円×0.03=300円と算出される。あるいは、手数料算出部24は、決済ごとに、ポイント付与数に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出することもできる。例えば、ポイント付与数が10ポイントで、取得した手数料率が1.5円/PTであれば、10PT×1.5円/PT=15円と算出される。
手数料算出部24は、算出した手数料を取引データに関連付けて手数料記憶部33に格納する。算出された手数料は、取引データの各レコードに(すなわち決済ごとに)関連付けて記憶されてもよいし、店舗STごとに取引データとは別個のデータテーブルとして格納されるようにしてもよい。
ステップS106において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、出力制御部25により、手数料記憶部33から読み出した情報をもとに、出力データを作成し、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力することができる。一例では、出力制御部25は、算出した手数料の情報を含む店舗STごとの取引データを一定期間ごとに読み出し、店舗STに対する固定利用料などとともに、店舗STに対する請求額として提示する出力データを生成する。そして、この出力データを、ネットワークNWを介して店舗STに対して送信するとともに、表示デバイス3に出力してオペレータに提示することができる。
なお、実施例1で説明したのと同様に、上記ステップS101~S106の処理は、任意のタイミングで任意のデータ単位に対して実施されてよい。例えば、ステップS101で説明した、手数料の算出処理の開始は、オペレータからの指示に応じたものである必要はなく、情報処理装置1の内部タイマにより一定期間ごとにトリガを発生させ、そのトリガに応じて定期的に処理を開始するようにしてもよいし、店舗端末STTからデータを受け取るたびに実施するようにしてもよい。あるいは、決済事業者サーバPASVが、取引データベースPADに蓄積されたデータを監視し、手数料を算出していないデータが一定量蓄積されるたびに、情報処理装置1に対して手数料算出処理を開始するよう指示するようにしてもよい。
(効果)
以上詳述したように、この発明の一実施形態では、情報処理装置1が、決済システムの利用に対して店舗STに課す手数料を算出する際に、決済ごとに、当該決済に係る商取引の属性情報を取得し、属性情報に応じて異なる値となるようにあらかじめ設定された手数料率テーブルに基づいて手数料を算出するようにしている。
以上詳述したように、この発明の一実施形態では、情報処理装置1が、決済システムの利用に対して店舗STに課す手数料を算出する際に、決済ごとに、当該決済に係る商取引の属性情報を取得し、属性情報に応じて異なる値となるようにあらかじめ設定された手数料率テーブルに基づいて手数料を算出するようにしている。
これにより、商取引が行われた日時を表す日時情報(時間帯や曜日、特定の日、月、年、特定の期間など)、商取引が行われた地理的位置を表す位置情報、商取引が行われた店舗の属性を表す店舗属性情報、商取引に係る決済方法を識別する決済方法識別情報、または上記商取引に特定の商品もしくはサービスが含まれるか否かを示す特定取引識別情報などの属性情報に応じて、店舗STごとに柔軟に手数料率を設定することができ、店舗STに決済システムの導入を促すことができる。
例えば、手数料率の高さゆえにクレジットカード決済を導入していなかった店舗は、自身の営業形態や取引の状況に合致する手数料率の設定を考慮して、導入に踏み切る可能性がある。または、客単価の低さゆえに昼間の時間帯のクレジットカード決済の利用を躊躇していた店舗に対しても、昼間の時間帯には夜間の時間帯に比べて低い手数料率を設定して提示することにより、クレジットカード決済の導入を促すことができる。あるいは、公共の利益に資する取引については手数料率を低減することにより、社会貢献を実現するとともに、店舗STおよび事業者PAのイメージアップを図ることも考えられる。
同様に、手数料率の高さゆえにポイントサービスを導入していなかった店舗に対しても、客単価の低い昼間の時間帯に付与されるポイントについては夜間よりも低い手数料率を設定するなど、属性情報に応じて変動する手数料率を提示することにより、ポイントサービスの導入を促すことができる。
上記実施形態では、複雑なシステム設定を変更することなく、手数料率テーブルの設定を変更することにより、または各店舗の端末STTから送信される決済データにフラグを追加するなどの簡易な操作により、容易に加盟店の取引状況の変化に応じた最適化を図ることができる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記図1~図4に関して説明した各処理は、店舗端末STT、決済事業者サーバPASVまたは情報処理装置1それぞれにおいて、新たにデータを取得するたびに逐次処理(連続処理もしくはリアルタイム処理)されてもよいし、取得したデータを蓄積して一定量または一定時間ごとにバッチ処理されてもよい。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記図1~図4に関して説明した各処理は、店舗端末STT、決済事業者サーバPASVまたは情報処理装置1それぞれにおいて、新たにデータを取得するたびに逐次処理(連続処理もしくはリアルタイム処理)されてもよいし、取得したデータを蓄積して一定量または一定時間ごとにバッチ処理されてもよい。
また、情報処理装置1は、手数料率テーブルをデータメモリ30の料率情報記憶部32から読み出すものとして説明したが、手数料率テーブルは、外部のデータベースをはじめ、任意の記憶媒体に格納されたものであってもよい。
属性情報として、さらに多種多様な情報も考えられる。例えば、各店舗STの属性に応じて手数料率が異なるようにしてもよい。図5Dおよび図5Eに関して上述した地域区分の場合のように、決済データに含まれる店舗IDに属性を紐づけることによって容易に適用可能である。コンビニエンスストアやドラッグストアのように、生鮮食品を扱っているか否か、医薬品を扱っているか否か、24時間営業であるか否か、無人レジを設置しているか否かなど、同一事業者であっても多様な店舗属性を有する場合がある。そのような店舗属性に応じた多様な手数料率を提示することによって、決済システムの導入を促すことができる。
または、決済データごとの決済方法に応じて手数料率が異なるようにしてもよい。例えば、一括払いかリボ払いかなどに応じて手数料率が異なるように設定してもよいし、金券とクレジットカードの併用や、他の会員カードの提示の有無など、多様な決済方法に応じて手数料率を変動させることにより、各店舗の営業形態に適した手数料率を設定するようにしてもよい。同様に、ポイントの種類に応じて手数料率が異なるようにしてもよい。例えば、取引価額に応じて付与されるポイントか、取引価額に関わらずに付与されるポイント(来店ポイント、雨の日ポイント、誕生月ポイントなど)か、キャンペーンポイント(使用期間が制限された期間限定ポイント、使用店舗が制限された店舗限定ポイント)に応じて異なる手数料率を設定するようにしてもよい。あるいは、店舗ごとに異なる金額しきい値を設定して、決済ごとの取引価額がしきい値未満であれば、手数料率を低減するように設定してもよい。
また属性情報として、決済データに含まれる空き領域の値を任意に設定することによって、店舗独自のフラグを設定可能なようにしてもよい。例えば、上述のように環境に考慮した商品やサービスを含む取引の決済の場合や、顧客が他の会員カードを提示したときなど、店舗において取引データに対してフラグを付与できるように構成してもよい。反対に、レジ袋の不使用や電子情報化による紙の領収書の省略など、特定のサービスを含まないことに応じてフラグを付与できるようにしてもよい。フラグが付与された取引データについては、手数料率が低くまたは高くなるように設定することができる。
上記で説明した属性情報は、任意に組み合わせて採用することができる。例えば、店舗ごとに日時情報と地理的位置情報と金額しきい値とを組み合わせた手数料率テーブルを設定可能である。一例として、閑静な住宅街に立地するコンビニエンスストアに対しては、昼間の時間帯の手数料率は、支払額1,000円未満の決済については3.1%、支払額が1,000円以上の決済については3.3%とし、夜間の時間帯の手数料率は一律3.5%と設定してもよいし、繁華街に立地するコンビニエンスストアに対しては、21:00~3:00の深夜時間帯のみ金額しきい値に応じた何段階かの手数料率を設定し、それ以外の時間帯は一律として設定してもよい。
一般に、店舗STからクレジットカード会社PAに請求のために送られる決済データには、詳細な商品等情報は含まれていない。しかし、詳細な商品等情報が含まれる決済データに係る決済については、手数料率を低減するようにしてもよい。これにより、クレジットカード会社PAは、いわゆるPOSデータを付加的に得ることができ、マーケティングに活用することができる。また、詳細な商品等情報が含まれる取引データの提供が受けられれば、商品等情報に応じたさらに柔軟な手数料率設定も可能になる。
また、情報処理装置1は、単位決済ごとに手数料率を取得し、手数料を算出するものとして説明したが、これに限るものでもない。例えば、同一の属性情報を有する複数の決済をまとめてグループ化し、グループごとに手数料率を取得し手数料を算出するように構成することも可能である。
情報処理装置1が利用される情報処理システムまたは決済システムは、上述したクレジットカード、電子マネーまたはポイントサービスのようなシステムだけに限定されるものではない。上記実施形態は、デビットカードやQRコード(登録商標)決済、ハウス電子マネー、その他の商取引に係る情報処理システムなど、加盟店舗に対して利用手数料が発生するシステム全般に適用可能である。
なお、情報処理装置1が備える各機能部21~25を、クラウドサーバやエッジサーバ等に分散配置し、これらの装置が互いに連携することにより処理を行うようにしてもよい。さらに、手数料率テーブルの設定は、クレジットカード会社PAと店舗STとの協議により任意に設定してもよいし、決済データを分析して最適解を求めるプログラム等を活用してもよい。
その他、手数料率テーブルの構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…情報処理装置、2…入力デバイス、3…表示デバイス、11…通信インタフェース、12…入出力インタフェース、20…制御ユニット、20A…ハードウェアプロセッサ、20B…プログラムメモリ、21…取引データ取得部、22…属性情報抽出部、23…料率情報取得部、24…手数料算出部、25…出力制御部、30…データメモリ、31…取引データ記憶部、32…料率情報記憶部、33…手数料記憶部、50…バス、CS…顧客、ST…店舗、STT…店舗端末、NW…ネットワーク、PA…決済システム提供事業者、PASV…決済事業者サーバ、PAD…取引データベース。
Claims (6)
- 商取引に係る決済システムの利用に対して店舗に課す手数料を算出する情報処理装置であって、
前記商取引の属性を表す属性情報に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、
前記商取引ごとの、当該商取引の属性を表す属性情報と、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、
前記取得された取引データに含まれる属性情報に応じて前記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記価額情報とに基づいて前記店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する出力部と
を具備する、情報処理装置。 - 前記属性情報が、前記商取引が行われた日時を表す日時情報を含み、
前記料率情報記憶媒体が、前記日時情報に応じて異なる値に設定された手数料率を記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記料率情報記憶媒体が、特定の時間帯、特定の曜日、特定の日、月、年または特定の期間に係る商取引について、あらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率を記憶する、
請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記属性情報が、前記商取引が行われた地理的位置を表す位置情報、前記商取引が行われた店舗の属性を表す店舗属性情報、前記商取引に係る決済方法を識別する決済方法識別情報、または前記商取引に特定の商品もしくはサービスが含まれるか否かを示す特定取引識別情報を含み、
前記料率情報記憶媒体が、特定の地理的位置に係る商取引、特定の属性の店舗における商取引、および特定の決済方法または特定の商品もしくはサービスを含む商取引のうちの少なくとも1つについて、あらかじめ定められた基準手数料率より低減された手数料率を記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 商取引に係る決済システムの利用に対して店舗に課す手数料を算出する、前記商取引の属性を表す属性情報に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体を備える情報処理装置が実行する、情報処理方法であって、
前記商取引ごとの、当該商取引の属性を表す属性情報と、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する過程と、
前記取得された取引データに含まれる属性情報に応じて前記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記価額情報とに基づいて前記店舗に課す手数料を算出する過程と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する過程と
を具備する、情報処理方法。 - 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の装置の各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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