JP2023151895A - 制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラム - Google Patents

制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】困難な調整を要することなく、指令値に対する追従性を向上させることができる制御システムを提供する。【解決手段】制御システムは、制御信号に基づいて制御される対象装置20と、対象装置20の物理量を測定するセンサ30と、物理量及び指令値に基づいて対象装置20に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置10と、を備え、制御装置10は、対象装置20に対する指令値を生成する指令値生成部11と、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部12と、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力する制御信号生成部13と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
ファクトリーオートメーションの技術分野において、サーボモータ等の対象装置を、センサによって測定された値に基づいてフィードバック制御することが行われている。ここで、対象装置に対して入力を与えてから、その入力に応じた出力が現れるまでに時間差がある場合、フィードバック制御ループはむだ時間(dead time)を有することになる。例えば、装置間が比較的低速の有線通信又は無線通信で接続される場合や、ベルトコンベア等の搬送装置の先でセンサによる測定が行われる場合にむだ時間が生じることがある。
むだ時間は、制御系の安定性や制御性を低下させる要因になる。したがって、むだ時間を含む制御系に対し、スミス補償を適用してむだ時間を補償することで、安定性や制御性を高めることが行われている。
例えば、特許文献1では、長いむだ時間を含む系に対し、スミス補償を適用して高ゲイン化を可能にした上で、スミス補償の弱点である外乱に起因するオフセットを、ハイパスフィルタを設けることで除去している。さらに、ハイパスフィルタに起因する指令値に対するオーバーシュートを改善するために、ローパスフィルタを設け、そのローパスフィルタに入力された指令値から高周波成分をカットしている。
特開2014-81821号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合わせて調整する必要があるため、指令値に対する追従性を求めつつ、ハイパスフィルタとローパスフィルタを調整するには困難を要することが想定され、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、困難な調整を要することなく、指令値に対する追従性を向上させることができる制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係る制御システムは、制御信号に基づいて制御される対象装置と、対象装置の物理量を測定するセンサと、物理量及び指令値に基づいて対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置と、を備え、制御装置は、対象装置に対する指令値を生成する指令値生成部と、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部と、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力する制御信号生成部と、を有する。
この態様によれば、対象装置に対する指令値を生成し、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算し、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することができる。これにより、むだ時間による時間遅れを補償しつつ、モデル予測制御により指令値と物理量のずれが小さくなるように制御することが可能となる。
上記態様において、むだ時間補償付き速度制御は、PI制御を含むこととしてもよいし、モデル追従型の2自由度制御を含むこととしてもよい。
本発明の他の態様に係る制御システムは、制御信号に基づいて制御される対象装置と、対象装置の物理量を測定するセンサと、物理量及び指令値に基づいて対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置と、を備え、制御装置は、第1制御装置と、対象装置及びセンサと同じ領域に設けられる第2制御装置とを備え、第1制御装置が、対象装置に対する指令値を生成する指令値生成部と、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算して第2制御装置に出力する指令速度演算部と、を有し、第2制御装置が、対象装置のモデル、指令速度及び物理量を用いた速度制御ループにより、制御信号を生成して対象装置に出力する制御信号生成部、を有する。
この態様によれば、対象装置に対する指令値を生成し、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算し、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することができる。これにより、むだ時間による時間遅れを補償しつつ、モデル予測制御により指令値と物理量のずれが小さくなるように制御することが可能となる。
上記態様において、速度制御ループは、モデル追従型の2自由度制御を含むこととしてもよい。
本発明の他の態様に係る制御装置は、センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置であって、制御信号に基づいて制御される対象装置に対する指令値を生成する指令値生成部と、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部と、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力する制御信号生成部と、を備える。
この態様によれば、対象装置に対する指令値を生成し、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算し、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することができる。これにより、むだ時間による時間遅れを補償しつつ、モデル予測制御により指令値と物理量のずれが小さくなるように制御することが可能となる。
本発明の他の態様に係る制御方法は、センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置で実行される制御方法であって、制御信号に基づいて制御される対象装置に対する指令値を生成することと、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算することと、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することと、を含む。
この態様によれば、対象装置に対する指令値を生成し、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算し、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することができる。これにより、むだ時間による時間遅れを補償しつつ、モデル予測制御により指令値と物理量のずれが小さくなるように制御することが可能となる。
本発明の他の態様に係る制御プログラムは、センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置を、制御信号に基づいて制御される対象装置に対する指令値を生成する指令値生成部、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力する制御信号生成部、として機能させる。
この態様によれば、対象装置に対する指令値を生成し、制御信号と物理量との関係を示す動特性モデル、指令値及び物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算し、対象装置のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号を生成して対象装置に出力することができる。これにより、むだ時間による時間遅れを補償しつつ、モデル予測制御により指令値と物理量のずれが小さくなるように制御することが可能となる。
本発明によれば、困難な調整を要することなく、指令値に対する追従性を向上させることができる制御システム、制御装置、制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
実施形態に係る制御システムのネットワーク構成を示す図である。 実施形態に係る制御装置の機能ブロックを示す図である。 実施形態に係る制御システムの制御ブロックを示す図である。 実施形態に係る制御システムの制御ブロックを示す図である。 実施形態に係る制御装置の物理的な構成を示す図である。 実施形態に係る制御装置10により実行される制御処理の一例を説明するフローチャートである。 変形例に係る制御システムの制御ブロックを示す図である。 変形例に係る制御システムの制御ブロックを示す図である。 シミュレーション時の指令値である指令位置の推移を表す図である。 第1シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第1シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第1シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例1に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例1に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例1に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例2に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例2に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第1シミュレーションにおいて比較例2に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第2シミュレーション時に加えられる外乱を表す図である。 第2シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第2シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第2シミュレーションにおいて実施形態に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例3に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例3に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例3に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例4に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例4に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第2シミュレーションにおいて比較例4に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第3シミュレーションにおいて変形例に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第3シミュレーションにおいて変形例に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第3シミュレーションにおいて変形例に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 第3シミュレーションにおいて参考例に係る制御装置により制御された対象装置の位置を示す図である。 第3シミュレーションにおいて参考例に係る制御装置により制御された位置と指令値との誤差を示す図である。 第3シミュレーションにおいて参考例に係る制御装置により制御された推力を示す図である。 比較例2に係る制御システムの制御ブロックを示す図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御システム100のネットワーク構成を示す図である。制御システム100は、制御信号に基づいて制御される対象装置20と、対象装置20の物理量を測定するセンサ30と、センサ30により測定された物理量及び指令値に基づいて対象装置20に制御信号を送信してフィードバック制御を行う制御装置10と、を含んで構成される。
対象装置20は、制御信号に基づいて制御される装置であればどのようなものであってもよい。以下では、説明を具体的にするため、対象装置20として、可動部の位置をサーボモータによって制御する装置を仮定する。この場合、指令値は可動部の位置に関する目標値であり、制御信号はサーボモータの推力(トルク)を制御する信号である。
センサ30は、対象装置20に関する任意の物理量を測定するものであってよい。例えば、対象装置20が可動部の位置を制御する装置である場合、センサ30は、当該可動部の位置を測定するものであればよく、物理量は、対象装置20の可動部の位置となる。
制御装置10、対象装置20及びセンサ30は、通信ネットワークNによって互いに通信可能に接続される。通信ネットワークNは、有線通信又は無線通信のネットワークであってよく、例えばEtherNet/IPやEtherCAT(登録商標)等の規格に従う通信ネットワークであってもよいし、ローカル5Gを用いる通信ネットワークであってもよい。
図2は、本実施形態に係る制御装置10の機能ブロックを示す図である。制御装置10は、機能的な構成として、例えば、指令値生成部11、指令速度演算部12、制御信号生成部13及び取得部14を有する。
指令値生成部11、指令速度演算部12及び制御信号生成部13は、目標値に対する物理量のずれが小さくなるように指令値を生成して制御する制御部として機能する。
指令値生成部11は、例えば目標位置、移動時間、許容する最大速度及び許容する最大加速度等の設定値に従って指令値を生成する。制御装置10の制御対象が対象装置20の可動部の位置である場合、指令値の最終値は位置に関する目標値となる。指令値生成部11は、制御装置10の構成の一部であってよいが、別体の構成であってもよい。例えば、指令値生成部11は、いわゆるコントローラの機能部として実現されてもよい。その場合、制御装置10は、いわゆるコントローラと、いわゆるドライバ(例えばサーボドライバ)とを別体として含む構成であってもよい。
指令速度演算部12は、対象装置20の動特性を示す動特性モデルと指令値と物理量とを用いたモデル予測制御(以下、「MPC」(Model Predictive Control)ともいう。)により、指令速度を演算する。
動特性モデルは、対象装置20を制御するための制御信号とセンサ30により測定される対象装置20の物理量との関係を示す伝達関数によって規定することができる。
制御信号生成部13は、対象装置20のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、対象装置20を制御するための制御信号を生成し、対象装置20に出力する。むだ時間補償は、スミス補償器を用いて行うのがよい。むだ時間補償付き速度制御は、PI制御を用いて行ってもよいし、モデル追従型の2自由度制御を用いて行ってもよい。
取得部14は、センサ30により測定された対象装置20の物理量を取得する。取得された物理量は、指令速度演算部12及び制御信号生成部13にフィードバックされる。
図3及び図4は、本実施形態に係る制御システム100の制御ブロックを示す図である。以下において、図3及び図4の制御ブロックについて順に説明する。例示的に、以下では、制御装置10によって対象装置20の可動部の位置を制御する場合について説明する。
図3の制御ブロックについて説明する。図3は、むだ時間補償付き速度制御を、PI制御及びスミス補償を用いて行う場合の制御ブロック図である。
最初に、制御装置10は、指令値rを生成する(S40)。本例の場合、指令値rは位置に関する値である。
続いて、制御装置10は、指令値rをMPCに入力し、予測した位置が指令値rに一致するように計算した指令速度を出力させる(S41)。制御装置10は、指令速度をPI制御に入力し、推力を表す制御信号uを出力させる(S42)。
続いて、制御装置10は、むだ時間Lmに関する要素(1-e-Lms)を制御信号uに乗じて(S43)、モデルVm(s)に入力し(S44)、むだ時間がある場合の速度とむだ時間がないと仮定した場合の速度との差を推定する。これを後述するS47の出力である速度の測定値に加算することで、むだ時間がないと仮定した場合の速度を推定し、PI制御にフィードバックする(S42)。ここで、S43及びS44は、スミス補償器により処理される。
モデルVm(s)は、対象装置20の可動部が従う運動方程式のモデルであり、例えば、可動部に加えられる推力と、慣性力及び摩擦力との間に成り立つ運動方程式に基づいて導かれたモデルであってもよい。モデルVm(s)として、例示的に、{1/(Jm×s+Cm)}を用いることができる。Jmは慣性係数のモデル値を表し、Cmは粘性摩擦係数のモデル値を表し、sはラプラス演算子を表す。
続いて、制御装置10が、PI制御から出力された制御信号uを対象装置20に向けて送信すると、むだ時間だけ時間遅れe-Lsが生じた(S45)後に、制御対象に受信される(S46)。制御対象のサーボモータは、制御信号uである推力によって制御される。ここで、制御対象は、対象装置20の一部(例えば可動部)又は全部であってよい。
制御対象P(s)は、対象装置20の可動部が従う運動方程式のモデルであり、例えば、可動部に加えられる推力と、慣性力及び摩擦力との間に成り立つ運動方程式に基づいて導かれたモデルであってよい。制御対象P(s)として、例示的に、{1/(J×s+C)s}を用いることができる。Jは慣性係数の値を表し、Cは粘性摩擦係数の値を表し、sはラプラス演算子を表す。
続いて、センサ30により読み取られた制御対象の物理量である位置yが、制御装置10に送信され、制御装置10が、物理量である位置yをMPCにフィードバックする(S41)とともに、位置yを微分して速度に変換し(S47)、スミス補償(S43及びS44)の出力値に加算してPI制御にフィードバックする(S42)。
制御装置10は、このような制御を制御周期毎に繰り返すことで、物理量である位置yが指令値rに追従するように制御する。
図4の制御ブロックについて説明する。図4は、むだ時間補償付き速度制御を、モデル追従型の2自由度制御及びスミス補償を用いて行う場合の制御ブロック図である。
図4の制御ブロックのうち、図3の制御ブロックと異なる要素は、図3に示すPI制御(S42)を、図4に示すモデル追従型の2自由度制御(S42a乃至S42e)に置き換えた点である。その他の要素は、図3の制御ブロックと同じである。したがって、ここでは、主に図3の制御ブロックと異なる要素について説明する。
図4のモデル追従型の2自由度制御(S42a乃至S42e)は、制御対象の物理量である位置yに対応する速度が、MPCから出力される指令速度に追従するように制御する点に関して、図3のPI制御(S42)と共通する。
図4に示すように、モデル追従型の2自由度制御を行うための制御ブロックには、例えば、モデル速度制御比例ゲインKmvpで指令速度を加速度に変換する要素(S42a)と、加速度を積分(1/s)する要素(S42b)と、速度制御積分ゲインKvi及び積分(1/s)で速度を調整する要素(S42c)と、速度制御比例ゲインKvpで速度を加速度に変換する要素(S42d)と、慣性係数のモデル値Jmを加速度に乗ずる要素(S42e)と、を含むことができる。
ここで、モデル部にあるモデル速度制御比例ゲインKmvpは、フィードバック制御部にある速度制御比例ゲインKvpに対して適切な比率を乗じて設定することが好ましい。例えば、Kmvp=2×Kvpと設定することができる。
また、MPC(S41)から見た制御対象特性GPL(s)は、以下の(1)式で表すことができる。(1)式のLmはむだ時間を表し、sはラプラス演算子を表す。
GPL(s)=[1/{1+(1/Kmvp)s}s]e-Lms … (1)
図5は、本実施形態に係る制御装置10の物理的な構成を示す図である。制御装置10は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read Only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例では制御装置10が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、制御装置10は、複数のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。また、図5に示す構成は一例であり、制御装置10はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
CPU10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されたプログラムを実行し、各種の制御やデータの演算及び加工を行う制御部として機能する。例えば、CPU10aは、対象装置20を制御するためのプログラム(制御プログラム)を実行する。また、CPU10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bに格納したりする。
RAM10bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM10bは、例えばCPU10aが実行するプログラム、そのプログラムで用いるデータを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM10bには、これら以外のデータが記憶されてもよいし、これらの一部が記憶されなくてもよい。
ROM10cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM10cは、例えば制御プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
通信部10dは、制御装置10を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、LAN等の通信ネットワークに接続されてよい。
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びタッチパネルを含んでよい。
表示部10fは、CPU10aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部10fは、例えば、制御信号や物理量を時系列で表示してよい。
制御プログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。制御装置10では、CPU10aが制御プログラムを実行することにより、上記で説明した様々な機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、制御装置10は、CPU10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態に係る制御装置10により実行される制御処理の一例について説明する。
最初に、制御装置10は、初期処理を実行する(ステップS101)。初期処理には、例えば、MPC内部モデルの離散化処理、速度補償量計算モデルの離散化処理、制御変数の初期化処理等が含まれる。離散化処理には、例えば、連続した情報を制御周期ごとに分割する処理が含まれる。制御変数の初期化処理には、例えば、MPCで用いられるパラメータを0に初期化する処理等が含まれる。
続いて、制御装置10は、制御ループ処理を開始する。制御ループ処理は、制御周期毎に繰り返し実行される処理である(後述するステップS102からステップS105までの処理)。
制御ループ処理において、最初に、制御装置10は、MPCによる位置制御を実行する(ステップS102)。
続いて、制御装置10は、むだ時間補償による速度補償量の計算を実行する(ステップS103)。
続いて、制御装置10は、PI制御による速度制御を実行する(ステップS104)。
続いて、制御装置10は、制御ループ処理を終了するか否か判定する(ステップS105)。この判定がNOである場合(ステップS105;NO)に、上記ステップS102に処理を移行する一方、この判定がYESである場合(ステップS105;YES)に、制御ループ処理を抜けて本処理を終了する。
[変形例]
以上説明した実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。また、上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、上述した実施形態では、図2に示す制御装置10の制御信号生成部13で生成した制御信号を対象装置20に出力しているが、対象装置20を制御する構成は、これに限定されない。一例として、対象装置20及びセンサ30が工場の現場等のローカルな場所(領域)に配置される場合に、そのローカル側にPI制御器を設け、そのPI制御器から対象装置20に制御信号を出力することとしてもよい。
この場合、図2に示す制御装置10の機能構成のうち、制御信号生成部13を、ローカル側のPI制御器に設けるのがよい。そして、制御装置10の指令速度演算部12で演算した指令速度をPI制御器に出力し、PI制御器の制御信号生成部13で生成した制御信号を対象装置20に出力するのがよい。
ここで、上述した実施形態に係る制御システム100において、制御装置10と対象装置20との間で発生するむだ時間による時間遅れe-Lsは、本変形例に係る制御システムでは、制御装置10とPI制御器との間で発生することになる。
図7に、本変形例に係る制御システムの制御ブロック図を示す。図7の破線で囲まれる範囲がローカルL側となる。そして、ローカルL側に、PI制御器、対象装置20及びセンサ30が配置される。
図7の制御ブロックは、図4の実施形態に係る制御システムの制御ブロックのうち、制御装置10と対象装置20との間で生ずるむだ時間による時間遅れe-Ls(S45)が、制御装置10とPI制御器との間に移動する点と、スミス補償器によるむだ時間補償(S43及びS44)が省略されている点で、図4の制御ブロックと異なる。むだ時間補償(S43及びS44)が省略されるのは、ローカルL側に配置されるPI制御器と対象装置20との間にむだ時間が存在しないことによる。
図7の符号のうち、図4の符号と同一の符号を付したブロックは、同様の機能を有するため、ここではそれらの説明を省略する。
図8に、本変形例の参考例として、図7の本変形例に係る制御システムの制御ブロックのうち、MPC(S41)を、P制御ループ(S41P)に置き換えた制御ブロックを示す。
図8のP制御ループ(S41P)は、指令値と制御対象の物理量である位置yとに基づいて指令速度を演算してローカルL側に出力する。
図8に示すように、P制御ループ(S41P)には、例えば、位置を微分(s)して速度に変換する要素(S41a)と、速度フィードフォワードゲインKvffで速度を調整する要素(S41b)と、位置制御比例ゲインKppで位置を調整する要素(S41c)と、スミス補償器によるむだ時間補償を行う要素(S41d及びS41e)と、を含むことができる。
P制御ループ(S41P)から見た、むだ時間を含まない制御対象特性GP(s)は、以下の(2)式で表すことができる。(2)式のsはラプラス演算子を表す。
GP(s)=1/{1+(1/Kmvp)s}s … (2)
[シミュレーション結果]
実施形態に係る制御システム100の効果を検証するために行ったシミュレーションの結果について以下に説明する。
[第1シミュレーション]
第1シミュレーション時の条件は、次のとおりである。慣性質量は10[kg]、粘性摩擦係数は0[Ns/m]、制御周期は0.25[ms]、スミス補償器のむだ時間周期数は20である。指令値rである指令位置は、図9に示すように、時刻10[ms]から250[ms]までの間に原点から100[mm]まで単調増加し、移動の際の最大加速度は10000[mm/s]である。同図のグラフは、横軸が経過時間[ms]を示し、縦軸が指令位置[mm]を示す。また、第1シミュレーションでは、モデル誤差及び外乱は生じていないものとする。
図10a乃至図10cに、本実施形態に係る制御装置10に対する第1シミュレーションの結果を表示し、図11a乃至図11cに、比較例1に係る制御装置に対する第1シミュレーションの結果を表示し、図12a乃至図12cに、比較例2に係る制御装置に対する第1シミュレーションの結果を表示する。
比較例2に係る制御装置の制御ブロックを図19に示す。同図に示すように、比較例2に係る制御装置は、図3に示す本実施形態に係る制御装置10の制御ブロックのうち、MPC(S41)及び微分要素(S47)を取り除き、PI制御(S42)をPID制御(S42PI)に置き換え、速度に対するモデルVm(s)(S44)を位置に対するモデルPm(s)(S44P)に置き換えた点で、本実施形態に係る制御装置10と異なる。比較例1に係る制御装置は、比較例2の構成でむだ時間がない場合を想定したものである。したがって、比較例1に係る制御装置は、図19に示す比較例2に係る制御装置の制御ブロックから、むだ時間(S45)及びスミス補償器によるむだ時間補償(S43及びS44P)を取り除いたものとなる。
図10aは、本実施形態に係る制御装置10により制御された対象装置20の位置y1を示す図である。同図では、対象装置20の位置y1を実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図10bは、本実施形態に係る制御装置10により制御された位置y1と指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図10cは、本実施形態に係る制御装置10により制御された推力を示す図である。推力は、制御装置10から対象装置20に送信される制御信号である。
図11aは、比較例1に係る制御装置により制御された対象装置の位置y1aを示す図である。同図では、対象装置の位置y1aを実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図11bは、比較例1に係る制御装置により制御された位置y1aと指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図11cは、比較例1に係る制御装置により制御された推力を示す図である。
図12aは、比較例2に係る制御装置により制御された対象装置の位置y1bを示す図である。同図では、対象装置の位置y1bを実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図12bは、比較例2に係る制御装置により制御された位置y1bと指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図12cは、比較例2に係る制御装置により制御された推力を示す図である。
本実施形態と比較例1、2とを比較すると、図11b及び図12bに示す比較例1、2の位置誤差に比べ、図10bに示す本実施形態の位置誤差が大幅に抑えられている。つまり、本実施形態は、比較例1、2に比べて高い指令追従性が得られることを示している(図10b、図11b、図12b参照)。
なお、本実施形態が、むだ時間がない比較例1よりも高い指令追従性を示すのは、MPC が未来の指令値を使用してむだ時間及びその他の要因による応答の遅れを打ち消すように制御するためである。スミス補償では、むだ時間がフィードバック制御ループの外側に出ることになり、むだ時間分遅れることが予め分かるため、そのむだ時間分指令値を先行して与えることによって、比較例2が比較例1と同等の追従性を得ることが可能になる。
[第2シミュレーション]
第2シミュレーションは、第1シミュレーションと同一の条件下において、外乱が発生した場合のシミュレーションとなる。外乱は、図13に示すように、時刻100[ms]から50[ms]間、パルス状に+50[N]加えられる。同図のグラフは、横軸が経過時間[ms]を示し、縦軸が外乱の大きさ[N]を示す。
図14a乃至図14cに、本実施形態に係る制御装置10に対する第2シミュレーションの結果を表示し、図15a乃至図15cに、比較例3に係る制御装置に対する第2シミュレーションの結果を表示し、図16a乃至図16cに、比較例4に係る制御装置に対する第2シミュレーションの結果を表示する。
比較例3に係る制御装置は、比較例2に係る制御装置と同じである。比較例4に係る制御装置は、図3に示す本実施形態に係る制御装置10の制御ブロックのうち、MPC(S41)を、P制御に置き換えた点で、本実施形態に係る制御装置10と異なる。加えて、比較例4に係る制御装置は、特許文献1の図7と同様に、スミス補償器によるむだ時間補償(S43及びS44)のループにハイパスフィルタを設け、P制御の前段にローパスフィルタを設けた点でも、本実施形態に係る制御装置10と異なる。比較例4において、ハイパスフィルタの設定値を例示的に{0.01s/(0.01s+1)}とし、ローパスフィルタの設定値を例示的に{1/(0.01s+1)}とした。
図14aは、本実施形態に係る制御装置10により制御された対象装置20の位置y2を示す図である。同図では、対象装置20の位置y2を実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図14bは、本実施形態に係る制御装置10により制御された位置y2と指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図14cは、本実施形態に係る制御装置10により制御された推力を示す図である。推力は、制御装置10から対象装置20に送信される制御信号である。
図15aは、比較例3に係る制御装置により制御された対象装置の位置y2aを示す図である。同図では、対象装置の位置y2aを実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図15bは、比較例3に係る制御装置により制御された位置y2aと指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図15cは、比較例3に係る制御装置により制御された推力を示す図である。
図16aは、比較例4に係る制御装置により制御された対象装置の位置y2bを示す図である。同図では、対象装置の位置y2bを実線で示し、指令位置となる指令値rを破線で示している。図16bは、比較例4に係る制御装置により制御された位置y2bと指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図16cは、比較例4に係る制御装置により制御された推力を示す図である。
本実施形態と比較例3、4とを比較すると、図15b及び図16bに示す比較例3、4の位置誤差に比べ、図14bに示す本実施形態の位置誤差が大幅に抑えられている。つまり、本実施形態は、比較例3、4に比べて高い指令追従性が得られることを示している(図14b、図15b、図16b参照)。
なお、図15bに示すように、比較例3では、外乱に対してオフセットが発生していることがわかる。
[第3シミュレーション]
第1シミュレーションと同一の条件下において、変形例に係る制御装置及び参考例に係る制御装置をシミュレーションした。
図17a乃至図17cに、変形例に係る制御装置に対する第3シミュレーションの結果を表示し、図18a乃至図18cに、参考例に係る制御装置に対する第3シミュレーションの結果を表示する。
図17aは、変形例に係る制御装置により制御された対象装置の位置y3を示す図である。同図では、対象装置の位置y3を実線で示し、指令位置である指令値rを破線で示している。図17bは、変形例に係る制御装置により制御された位置y3と指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図17cは、変形例に係る制御装置により制御された推力を示す図である。推力は、制御装置から対象装置に送信される制御信号である。
図18aは、参考例に係る制御装置により制御された対象装置の位置y3aを示す図である。同図では、対象装置の位置y3aを実線で示し、指令位置である指令値rを破線で示している。図18bは、参考例に係る制御装置により制御された位置y3aと指令値rとの誤差(偏差)を示す図である。図18cは、参考例に係る制御装置により制御された推力を示す図である。
変形例と参考例とを比較すると、図18bに示す参考例の位置誤差に比べ、図17bに示す変形例の位置誤差が大幅に抑えられている。つまり、変形例は、参考例に比べて高い指令追従性が得られることを示している(図17b、図18b参照)。
上述したように、実施形態に係る制御システム100によれば、対象装置20に対する指令値rを生成し、制御信号uと対象装置20の物理量である位置yとの関係を示す動特性モデル、指令値r及び物理量である位置yを用いたMPCにより、指令速度を演算し、対象装置20のモデル、むだ時間、指令速度及び物理量である位置yを用いたむだ時間補償付き速度制御により、制御信号uを生成して対象装置20に出力することができる。
これにより、むだ時間による時間遅れe-Lsを補償しつつ、MPCにより指令値と物理量である位置yとのずれが小さくなるように制御することが可能となる。
それゆえ、実施形態に係る制御システム100によれば、ハイパスフィルタとローパスフィルタに対する困難な調整を要することなく、指令値rに対する追従性を向上させることができる。
[付記]
本実施形態における態様は、以下のような開示を含む。
(付記1)
制御信号に基づいて制御される対象装置(20)と、
前記対象装置(20)の物理量を測定するセンサ(30)と、
前記物理量及び指令値に基づいて前記対象装置(20)に前記制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置(10)と、を備え、
前記制御装置(10)は、
前記対象装置(20)に対する前記指令値を生成する指令値生成部(11)と、
前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部(12)と、
前記対象装置(20)のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置(20)に出力する制御信号生成部(13)と、
を有する、
制御システム(100)。
(付記2)
制御信号に基づいて制御される対象装置(20)と、
前記対象装置(20)の物理量を測定するセンサ(30)と、
前記物理量及び指令値に基づいて前記対象装置(20)に前記制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置(10)と、を備え、
前記制御装置(10)は、第1制御装置と、前記対象装置(20)及び前記センサ(30)と同じ領域に設けられる第2制御装置とを備え、
前記第1制御装置が、
前記対象装置(20)に対する前記指令値を生成する指令値生成部(11)と、
前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算して前記第2制御装置に出力する指令速度演算部(12)と、を有し、
前記第2制御装置が、
前記対象装置(20)のモデル、前記指令速度及び前記物理量を用いた速度制御ループにより、前記制御信号を生成して前記対象装置(20)に出力する制御信号生成部(13)、を有する、
制御システム(100)
(付記3)
センサにより測定される対象装置(20)の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置(20)に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置(10)であって、
前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置(20)に対する前記指令値を生成する指令値生成部(11)と、
前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部(12)と、
前記対象装置(20)のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置(20)に出力する制御信号生成部(13)と、
を備える制御装置(10)。
(付記4)
センサ(30)により測定される対象装置(20)の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置(20)に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置(10)で実行される制御方法であって、
前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置(20)に対する前記指令値を生成することと、
前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算することと、
前記対象装置(20)のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置(20)に出力することと、
を含む制御方法。
(付記5)
センサにより測定される対象装置(20)の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置(20)に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置(10)を、
前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置(20)に対する前記指令値を生成する指令値生成部(11)、
前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部(12)、
前記対象装置(20)のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置(20)に出力する制御信号生成部(13)、
として機能させる制御プログラム。
10…制御装置、10a…CPU、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、11…指令値生成部、12…指令速度演算部、13…制御信号生成部、14…取得部、20…対象装置、30…センサ、100…制御システム

Claims (8)

  1. 制御信号に基づいて制御される対象装置と、
    前記対象装置の物理量を測定するセンサと、
    前記物理量及び指令値に基づいて前記対象装置に前記制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記対象装置に対する前記指令値を生成する指令値生成部と、
    前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部と、
    前記対象装置のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置に出力する制御信号生成部と、
    を有する、
    制御システム。
  2. 前記むだ時間補償付き速度制御は、PI制御を含む、
    請求項1記載の制御システム。
  3. 前記むだ時間補償付き速度制御は、モデル追従型の2自由度制御を含む、
    請求項1記載の制御システム。
  4. 制御信号に基づいて制御される対象装置と、
    前記対象装置の物理量を測定するセンサと、
    前記物理量及び指令値に基づいて前記対象装置に前記制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、第1制御装置と、前記対象装置及び前記センサと同じ領域に設けられる第2制御装置とを備え、
    前記第1制御装置が、
    前記対象装置に対する前記指令値を生成する指令値生成部と、
    前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算して前記第2制御装置に出力する指令速度演算部と、を有し、
    前記第2制御装置が、
    前記対象装置のモデル、前記指令速度及び前記物理量を用いた速度制御ループにより、前記制御信号を生成して前記対象装置に出力する制御信号生成部、を有する、
    制御システム。
  5. 前記速度制御ループは、モデル追従型の2自由度制御を含む、
    請求項4記載の制御システム。
  6. センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置であって、
    前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置に対する前記指令値を生成する指令値生成部と、
    前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部と、
    前記対象装置のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置に出力する制御信号生成部と、
    を備える制御装置。
  7. センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置で実行される制御方法であって、
    前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置に対する前記指令値を生成することと、
    前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算することと、
    前記対象装置のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置に出力することと、
    を含む制御方法。
  8. センサにより測定される対象装置の物理量及び指令値に基づいて前記対象装置に制御信号を出力し、フィードバック制御を行う制御装置を、
    前記制御信号に基づいて制御される前記対象装置に対する前記指令値を生成する指令値生成部、
    前記制御信号と前記物理量との関係を示す動特性モデル、前記指令値及び前記物理量を用いたモデル予測制御により、指令速度を演算する指令速度演算部、
    前記対象装置のモデル、むだ時間、前記指令速度及び前記物理量を用いたむだ時間補償付き速度制御により、前記制御信号を生成して前記対象装置に出力する制御信号生成部、
    として機能させる制御プログラム。
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