JP2023142167A - 蛍光体および光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度を向上させることができる蛍光体を提供することを目的とする。【解決手段】透明相と、不透明相と、を含み、透明相は賦活元素を含む単結晶から成り、透明相は連続しており、不透明相は透明相に囲まれている蛍光体。【選択図】図2

Description

本発明は蛍光体および光源装置に関する。
蛍光体はLEDやレーザーを用いた照明またはプロジェクター用色調変換材料などとして幅広く用いられている。
たとえば、単結晶蛍光体または特許文献1に記載の透明セラミックス蛍光体は構造が緻密であることから、粉末蛍光体や不透明セラミックス蛍光体などの不透明蛍光体よりも放熱性および耐熱性が優れている。このため、レーザーなどの高エネルギー密度の励起光源を使用した際も安定した光量を得ることができる。
一方、蛍光体内部における蛍光の全反射により蛍光が蛍光体の内部に閉じ込められる「内面導波」といった問題は、不透明蛍光体よりも単結晶蛍光体または透明セラミックス蛍光体などの透明蛍光体に顕著に現れる。内面導波が発生すると蛍光の取り出し効率が低下するため、輝度が低下する傾向となる。
特許第6371201号
本発明は、輝度を向上させることができる蛍光体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光体は、
透明相と、不透明相と、を含み、
前記透明相は賦活元素を含む単結晶から成り、
前記透明相は連続しており、前記不透明相は前記透明相に囲まれている。
本発明者は、蛍光体が上記の構成であることにより、蛍光体から出射される光の輝度を向上させることができることを見出した。本発明では、蛍光体が透明相と、不透明相と、を含む。まず、本発明に係る透明相は波長変換に大きく寄与する。また、本発明に係る不透明相は励起光および波長変換された光を拡散させることができる。言い換えると、不透明相は、蛍光体の内部に入り込んだ光の散乱効率を向上させることができる。このため、蛍光体の内部での内面導波を抑制することができる。内面導波の抑制により、励起光および波長変換された光が蛍光体から外部へ漏れ出すことを低減することができ、波長変換効率を向上させることができる。また、仮に励起光の屈折角が90°付近になっても、励起光は不透明相により拡散されることができるため、散乱されたり、または、蛍光に変換(波長変換)されることができる。さらに、透明相は、蛍光体に連続して存在することから、熱伝導率の高い透明相による放熱パスを形成でき、放熱性が高いため、耐温度消光特性が高い。
このように、本発明に係る蛍光体によれば、波長変換効率が高く、なおかつ耐温度消光特性が高いことから、輝度を向上させることができる。
また、本発明に係る蛍光体によれば、内面導波を抑制でき、蛍光体から出射される光の発光スポット径を狭小化できる。また、装置の小型化も可能である。このため、本発明に係る蛍光体は、プロジェクター光源やスポットライト、投光器、ヘッドライト用光源などの用途に好ましく用いることができる。
なお、従来の蛍光体では、内面導波により、発光スポット径の外側にて蛍光体表面から、蛍光成分のみが漏れ出ることにより、投影光(白色)の辺縁部が黄色くなる色むらが生じるイエローリングという現象が発生するという問題もある。しかし、本発明に係る蛍光体では、内面導波を抑制することができ、なおかつ、照射された励起光の一部および波長変換された光(蛍光)の一部は不透明相で効率よく散乱される。この散乱された励起光および蛍光が効率よく混合されることで、イエローリングなどが生じにくくなり、色むらが少ない白色光を得ることができる。
さらに、不透明相により、励起光入射部(光取出し部)から蛍光体の外側方向(蛍光体の内部と反対方向)に向かう励起光の反射を低減できることから、安全性の高い照明にすることができる。
好ましくは、前記不透明相は前記単結晶よりも前記賦活元素の濃度が高い。
不透明相が賦活元素を含むことにより、不透明相も波長変換に寄与することができる。
好ましくは、前記不透明相は、前記透明相を構成する単結晶に最大限に含まれることができる前記賦活元素の含有量よりも高い含有量で前記賦活元素を含んでいる。
前記透明相はCe:YAG単結晶であってもよい。
好ましくは、前記不透明相は前記透明相よりもCeの濃度が高い。
好ましくは、前記不透明相は、{Cex(1-)}αAlβOγで表される組成を有し、
前記xは、0.030<x≦0.120の関係を満たし、
前記αは、2.4≦α≦3.0の関係を満たし、
前記βは、4.4≦β≦5.0の関係を満たし,
前記γは、11.4≦γ≦12.0の関係を満たす。
このように構成することで、上述した不透明相に関連する機能がさらに向上する。特に、xが上記の範囲に含まれる場合は、xが上記の範囲を下回る場合に比べて、上述した機能を有する不透明相が得られ易い傾向となる。一方、xが上記の範囲に含まれる場合は、xが上記の範囲を上回る場合に比べて、不透明相の異常成長を抑制することができることから、透明相に囲まれている不透明相が得られ易い傾向となる。
好ましくは、前記透明相は、{Cez(1-z)}δAlεOζで表される組成を有し、
前記zは0.007≦z≦0.030の関係を満たし、
前記δは2.7≦δ≦3.3の関係を満たし、
前記εは4.7≦ε≦5.3の関係を満たし、
前記ζは11.7≦ζ≦12.3の関係を満たす。
上述した透明相のCe濃度は比較的高いため、波長変換効率をより向上させることができる。また、zが上記の範囲に含まれる場合は、zが上記の範囲を下回る場合に比べて、透明相に囲まれている不透明相が得られ易い傾向となる。一方、zが上記の範囲に含まれる場合は、zが上記の範囲を上回る場合に比べて、不透明相の異常成長を抑制することができることから、透明相に囲まれている不透明相が得られ易い傾向となる。
好ましくは、所定範囲の表面または断面における1mm2当たりの前記不透明相の箇所数は2箇所以上60箇所以下である。
このように構成することで、上述した透明相および不透明相に関連する機能をバランスよく向上させることができ、蛍光体の輝度をより向上させることができる。
好ましくは、所定範囲の表面または断面における前記不透明相の1箇所における面積は50μm2以上1000μm2以下である。
このように構成することで、上述した透明相および不透明相に関連する機能をバランスよく向上させることができ、蛍光体の輝度をより向上させることができる。
所定範囲の表面または断面における前記透明相の面積をS1とし、前記不透明相の面積をS2としたとき、
好ましくは、前記S1および前記S2が50(%)≦100×S1/(S1+S2)(%)≦90(%)の関係を満たす。
このように構成することで、上述した透明相および不透明相に関連する機能をバランスよく向上させることができ、蛍光体の輝度をより向上させることができる。
本発明に係る光源装置は、上記の蛍光体と、青色発光素子と、を有し、
前記青色発光素子は、青色発光ダイオードおよび青色半導体レーザーから選ばれる少なくともいずれか一方である。
図1は本発明の一実施形態に係る光源装置の概略断面図である。 図2は図1に示すII部の拡大図である。 図3は本発明の一実施形態に係る蛍光体を製造するための単結晶製造装置の概略断面図である。 図4は従来例を示す模式図である。
光源装置
図1に示すように、本実施形態に係る光源装置2は、蛍光体4と、青色発光素子6と、を有する。
青色発光素子
図1に示すように青色発光素子6は、蛍光体4の蛍光成分を励起するための励起光である青色光LBを発する。青色発光素子6の青色光LBは通常ピーク波長が425nm~500nmである。蛍光体4の励起光入射部40から内部に入射した青色光LBの一部は蛍光体4に吸収されて波長変換され、光取出し部41から蛍光(波長変換された光)を発する。
光取出し部41から蛍光体4の外側に向かって出射された蛍光と青色光LBとが混合して白色光LWを発する。
青色発光素子6としては、蛍光と混合することにより白色光LWを発し、なおかつ蛍光体4により蛍光に波長変換されることができる青色光LBを発することができれば特に限定されないが、たとえば青色発光ダイオード(青色LED)または青色半導体レーザー(青色LD)が挙げられる。
青色光LBのスポット径(光束の断面の径)は特に限定されず、たとえば0.03mm~0.4mm程度である。
青色光LBの光束の断面形状は特に限定されず、円形、楕円形または多角形であってもよい。
蛍光体
図1に示すように、蛍光体4は青色発光素子6側の入射面42に励起光入射部40を有する。
蛍光体4の反射面46とは蛍光体4の青色発光素子6側とは反対側の面であり、入射面42と互いに向き合う面である。すなわち、入射面42と反射面46とが、実質的に平行である。なお、「実質的に平行」とは、多少平行ではない部分を有していてもよいという趣旨である。
本実施形態に係る光源装置2は反射型であるため、蛍光体4は励起光入射部40と光取出し部41とを蛍光体4の同一面(入射面42)に有する。すなわち、入射面42は出射面でもあり、励起光入射部40は光取出し部41でもある。反射型の光源装置2では反射面46側を放熱に有効利用できるため高輝度を得易いというメリットがある。
励起光入射部40に対する青色光LBの角度θは特に限定されないが、たとえば20°~45°であり、好ましくは30°~35°である。なお、角度θとは入射面42に平行な角度を0°としたときの角度である。
本実施形態に係る蛍光体4の形状は特に限定されず、たとえば平板状、円板状または直方体の柱状などである。
蛍光体4のサイズは特に限定されず、たとえば幅方向(X0)は0.1mm~10mm、奥行方法は0.1mm~10mm、厚み方向(Y0)は0.05mm~1mmである。
本実施形態では、蛍光体4が透明相44aと、不透明相44bと、を含む。ここで、透明相44aとは透明な相であり、不透明相44bとは透明相44aよりも不透明な相である。
具体的には、透明相44aはRGB-8bit表記で、Rが190~214の範囲内に含まれ、Gが195~214の範囲内に含まれ、Bが90~114の範囲内に含まれる色調で表示される相である。
また、不透明相44bはRGB-8bit表記で、Rが215~225の範囲内に含まれ、Gが215~225の範囲内に含まれ、Bが115~130範囲内に含まれるの色調で表示される相である。
なお、本実施形態に係る蛍光体4は、RGB-8bit表記で、Rが190未満、Gが195未満またはBが90未満の相を有していてもよい。
また、本実施形態に係る蛍光体4は、RGB-8bit表記で、Rが225超、Gが225超またはBが130超の相を有していてもよい。
透明相44aは賦活元素を含む単結晶であり、Ce:YAG単結晶であることが好ましい。透明相44aは{Cez(1-z)}δAlεOζで表される組成を有することが好ましい。
zは0.007≦z≦0.030の関係を満たすことが好ましく、0.010≦z≦0.020の関係を満たすことがより好ましい。
δは2.7≦δ≦3.3の関係を満たすことが好ましく、εは4.7≦ε≦5.3の関係を満たすことが好ましく、ζは11.7≦ζ≦12.3の関係を満たすことが好ましい。
不透明相44bは透明相44aよりも賦活元素の濃度が高いことが好ましい。より好ましくは、不透明相44bは、透明相44aを構成する単結晶に最大限に含まれることができる賦活元素の含有量よりも高い含有量で賦活元素を含んでいる。不透明相44bでは、賦活元素がCeである場合にはCeの濃度が高いことが好ましい。すなわち、不透明相44bは高濃度Ce相であることが好ましい。
不透明相44bは、{Cex(1-)}αAlβOγで表される組成を有することが好ましい。
xは、0.030<x≦0.120の関係を満たすことが好ましく、0.050≦x≦0.120の関係を満たすことがより好ましい。
αは、2.4≦α≦3.0の関係を満たすことが好ましく、βは、4.4≦β≦5.0の関係を満たすことが好ましく、γは、11.4≦γ≦12.0の関係を満たすことが好ましい。
xとzの差(x-z)は0.005以上であることが好ましく、0.020≦(x-z)≦0.100の関係を満たすことがより好ましい。
なお、蛍光体4の各成分濃度は、レーザアブレーションICP質量分析(LA-ICP-MS)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、エネルギー分散型分光器(EDX)等で測定できる。
図2は図1のII部の拡大図である。図2に示すように、本実施形態に係る蛍光体4では、母相である透明相44a中に不透明相44bが異相として存在している。透明相44aは連続してつながっており、不定形の不透明相44bは透明相44aに島状に囲まれている。不透明相44bは、密集しておらず、点在している。
なお、図2の透明相44a1は不透明相に囲まれているように見えるが、図2の奥行方向において透明相44a2と連続している。
なお、所定範囲の表面または断面とは、100μm~2mm×100μm~2mmの範囲であり、具体的には透明相44aが不透明相44bを囲んでいる様子を観察できる範囲である。所定範囲が小さ過ぎると、透明相44aしか観察できないため不透明相44bが観察できない場合や、その反対に不透明相44bしか観察できないため透明相44aが観察できない場合が発生するおそれがある。
不透明相44bの全体が透明相44aに囲まれていることが好ましいが、蛍光体4の外面に存在する不透明相44bは部分的に透明相44aに囲まれていない部分があってもよい。
所定範囲の表面または断面における透明相44aの面積をS1とし、不透明相44bの面積をS2としたとき、S1およびS2が50(%)≦100×S1/(S1+S2)(%)≦90(%)の関係を満たすことが好ましく、60(%)≦100×S1/(S1+S2)(%)≦80(%)の関係を満たすことがより好ましい。
所定範囲の表面または断面における不透明相44bの1箇所における面積は50μm2以上1000μm2以下であることが好ましく、200μm2以上800μm2以下であることがより好ましい。
所定範囲の表面または断面における1mm2当たりの不透明相44bの箇所数は2箇所以上60箇所以下であることが好ましく、50箇所以上55箇所以下であることがより好ましい。
蛍光体の製造方法
本実施形態に係る蛍光体4の製造方法は特に限定されないが、たとえばチョクラルスキー法、ブリッジマン法、マイクロ引き下げ法(μ-PD法)またはEFG法などが挙げられる。マイクロ引き下げ法により生成されることにより、従来のチョクラルスキー法などにより生成される蛍光体に比べて、蛍光体4に高濃度の賦活元素を含ませ易く、なおかつ透明相44aが連続しており、不透明相44bが透明相44aに囲まれている蛍光体4を得易い。このため、本実施形態に係る蛍光体4はμ-PD法により生成されることが好ましい。
図3に、本実施形態の蛍光体4の製造装置であるμ-PD法による単結晶製造装置22の概略断面図を示す。μ-PD法は、試料を入れた坩堝24を直接または間接的に加熱することにより坩堝24内に対象物質の融液を得て、坩堝24の下方に設置した種結晶34を坩堝24下端の開口部へ接触させ、そこで固液界面を形成しつつ種結晶34を引き下げることにより単結晶を成長させる溶融凝固法である。
溶融凝固法においては、温度の低い箇所に賦活元素が移動しつつ単結晶が成長していく。生成した単結晶から個々の部分を切り出す際に、各切り出し位置において、賦活元素の所定の濃度分布を有する蛍光体が得られる。
図3に示すように、本実施形態に係る蛍光体4を製造するための単結晶製造装置22は、開口部が下向きになるように設置してある坩堝24とその周りを覆う耐火材炉26とを備える。耐火材炉26はさらに石英管28により覆われており、石英管28の縦方向の中央部付近には、坩堝24の加熱のための誘導加熱コイル30が設置されている。
坩堝24の開口部には種結晶保持治具32により保持された種結晶34が設置されている。また、坩堝24の開口部付近にはアフターヒーター36が設置されている。
なお、図示しないが、単結晶製造装置22には、耐火材炉26の内部を減圧する減圧手段、減圧をモニターする圧力測定手段、耐火材炉26の温度を測定する温度測定手段および耐火材炉26の内部に不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられている。
種結晶34は単結晶を棒状に切り出した物を使用する。種結晶34は、賦活元素を含まない単結晶が好ましい。
種結晶保持治具32の素材は特に限定されないが、使用温度である1900℃付近において影響の少ない緻密アルミナ等が好ましい。種結晶保持治具32の形状と大きさも特に限定されないが、耐火材炉26に接触しない程度の径である棒状の形状であることが好ましい。
単結晶の融点が高いため、坩堝24およびアフターヒーター36の材質はIr、Mo等が好ましい。また、坩堝24の材質の酸化による単結晶への異物混入を防止するために、坩堝24の材質としてはIrを用いることがより好ましい。なお、1500℃以下の融点の物質を対象とする場合は坩堝24の材質としてPtを使用することが可能である。また、坩堝24の材質としてPtを使用する場合には、大気中での結晶成長が可能である。1500℃を超える高融点物質を対象とする場合は、坩堝24およびアフターヒーター36の材質として、Ir等を用いるため、結晶成長はAr等の不活性ガス雰囲気下でのみ行われる。
坩堝24の開口部の径は単結晶の融液の粘度が低いことや坩堝24との濡れ性の点から、200μm~400μm程度で平らな形状が好ましい。
耐火材炉26の材質は特に限定されないが、保温性や使用温度、結晶への不純物混入防止の観点からアルミナであることが好ましい。
次に、本実施形態に係る蛍光体4となる蛍光体(単結晶)の製造方法について具体的に説明する。以下では一例として蛍光体4の組成をY3Al512:Ceとした場合について説明する。
まず、耐火材炉26内部の坩堝24に単結晶の原料であるY23、Al23およびCeO2を入れ、炉内をN2やArなどの不活性ガスで置換する。
次に、不活性ガスを10mL/min~100mL/minで流入させながら誘導加熱コイル(加熱用高周波コイル)30で坩堝24を加熱し、原料を溶融して融液を得る。
原料を十分溶融したところで種結晶34を坩堝下部から徐々に近づけ、坩堝24下端の開口部に種結晶34を接触させる。融液が坩堝24下端の開口部から出た所で種結晶34を下降させ、結晶成長を開始させる。
結晶成長速度は固液界面の様子をCCDカメラ、またはサーモカメラで観察しながらマニュアルで温度と共にコントロールする。
アフターヒーターの径や長さの変更により、温度勾配は10℃/mm~100℃/mmの範囲で選択可能である。本実施形態では、単結晶の成長速度が0.5mm/min~2.0mm/minであることが好ましい。本実施形態では、単結晶の成長速度が比較的速いことにより、単結晶(透明相44a)内に異相(不透明相44b)を形成し易く、透明相44aが連続しており、不透明相44bが透明相44aに囲まれている蛍光体4を得易い。
坩堝24内の融液が出なくなるまで種結晶34を下降させ、坩堝24から種結晶34が離れた後、単結晶にクラックが入らない様に冷却を行う。このように坩堝24とアフターヒーター36以下にかけて急峻な温度勾配とすることで融液の引き出し速度を上げることが可能となる。
また、本実施形態では、アフターヒーター36により坩堝24以下での温度を制御することができる、結晶の冷却速度は結晶育成速度に応じて変化する。上記の観点から、坩堝24以下での冷却速度は30℃/時間~1900℃/時間であることが好ましい。
耐火材炉26内部には、上記の結晶成長および冷却の間も、加熱時と同条件で不活性ガスを流入したままにする。炉内雰囲気はN2やAr等の不活性ガスを使用することが好ましい。
上記した製造方法により、本実施形態に係る蛍光体4を得ることができる。
図4は、従来の蛍光体4への青色光LBの照射の様子を示す模式図である。図4に示すように、青色光LBから変換された蛍光LFはランバーシアン配光により、励起光入射部40を起点として全方向に等方的に放射される。また、図示していないが、波長変換されなかった青色光LBの一部は励起光入射部40で表面散乱を起こし、励起光入射部40を起点として全方向に等方的に放射される。
ランバーシアン配光により蛍光体4側に放射された蛍光LFの一部は、たとえば反射面46と入射面42とで全反射を繰り返す内面導波となる蛍光LF1となったり、内面導波により励起光入射部40から離れた位置にて入射面42(出射面)から蛍光体4の外側に向かって蛍光LF2が出射することがある。
また、青色光LBの屈折角が90°付近である場合には、青色光LBは青色光LB1として示すように入射面42に略平行に、入射面42に沿って進行するため、青色光LB1は散乱されにくく、なおかつ蛍光LFに変換されにくい。
このように、蛍光LFが内面導波となったり(蛍光LF1)、蛍光LFが励起光入射部40から離れた位置から出射したり(蛍光LF2)、青色光LBが散乱されにくく、なおかつ蛍光に変換されにくい(青色光LB1)といった現象が輝度の低下の原因となる。
これに対して、本実施形態では、蛍光体4が透明相44aと、不透明相44bと、を含む。まず、本実施形態に係る透明相44aは波長変換に大きく寄与する。また、本実施形態に係る不透明相44bは青色光LBおよび蛍光LBを拡散させることができる。言い換えると、不透明相44bは蛍光体4の内部に入り込んだ光の散乱効率を向上させることができる。このため、蛍光体4の内部での内面導波を抑制することができる。内面導波の抑制により、青色光LBおよび蛍光LFが蛍光体4から外部へ漏れ出すことを低減することができるため、波長変換効率を向上させることができる。また、仮に青色光LBの屈折角が90°付近になっても、青色光LBは不透明相44bにより拡散されることができるため、散乱されたり、または、蛍光LFに変換(波長変換)されることができる。さらに、本実施形態では、透明相44aは、蛍光体4に連続して存在することから、熱伝導率の高い透明相44aによる放熱パスを形成でき、放熱性が高いため、耐温度消光特性が高い。
このように、本実施形態に係る蛍光体4によれば、波長変換効率が高く、なおかつ耐温度消光特性が高いことから、輝度を向上させることができる。
上記の通り、本実施形態では、透明相44aは、蛍光体4に連続して存在することから、放熱性が高いため、耐温度消光特性が高い。このような観点からは、蛍光体4は単結晶である透明相44a中に不透明相44bが異相として存在することが好ましい。単結晶である透明相44a中に不透明相44bが異相として存在する場合は、蛍光体4が共晶体である場合に比べて、蛍光を発現させる蛍光発現相の体積比率が高いため蛍光特性が高い。また、単結晶である透明相44a中に不透明相44bが異相として存在する場合は、蛍光体4が多結晶体である場合に比べて、透明相44aに粒界や空隙等の熱散乱因子を含まないことから、放熱性を向上させ易いため耐温度消光特性を向上させることができる。このため、本実施形態のように、単結晶である透明相44a中に不透明相44bが異相として存在する場合は、蛍光体4が共晶体または多結晶体である場合に比べて、輝度を向上させることができる。なお、本実施形態では透明相44aだけでなく不透明相44bも蛍光発現相になり得る。
また、本実施形態に係る蛍光体4によれば、内面導波を抑制でき、蛍光体4から出射される光の発光スポット径を狭小化できる。また、装置の小型化も可能である。このため、本実施形態に係る蛍光体4は、プロジェクター光源やスポットライト、投光器、ヘッドライト用光源などの用途に好ましく用いることができる。
さらに、従来の蛍光体では、内面導波により、発光スポット径の外側にて蛍光体表面から、蛍光成分のみが漏れ出ることにより、投影光(白色)の辺縁部が黄色くなる色むらが生じるイエローリングという現象が発生するという問題もある。しかし、本実施形態に係る蛍光体4では、内面導波を抑制することができ、なおかつ、照射された青色光LBの一部および蛍光LFの一部は不透明相44bで効率よく散乱される。この散乱された青色光LBおよび蛍光LFが効率よく混合されることで、イエローリングなどが生じにくくなり、色むらが少ない白色光LWを得ることができる。
さらに、不透明相44bにより、励起光入射部40(光取出し部41)から蛍光体4の外側方向(蛍光体4の内部と反対方向)に向かう青色光LBの反射を低減できることから、安全性の高い照明にすることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上記の実施形態では、反射型の光源装置2を示したが、光源装置は透過型であってもよい。透過型の光源装置では、蛍光体は、入射面に励起光入射部を有し、入射面と互いに向かい合う反射面に光取出し部を有する。
たとえば、入射面42のうち励起光入射部40以外の部分と、反射面46の全面と、反射面46および入射面42に対して垂直な側面48の全面と、は金属層で覆われていてもよい。言い換えると、蛍光体4の外面(表面)のうち、励起光入射部40(光取出し部41)以外の部分が光を反射する金属層で覆われていてもよい。
たとえば、励起光入射部40に対応する蛍光体4の外面(表面)は制御層で覆われていてもよい。制御層は、入射する青色光LB(入射励起光)を透過し、蛍光体4の内部方向から反射した青色光LB(反射励起光)を再反射する。すなわち、制御層を介して青色光LBを一方通行にすることができる。
また、上記の実施形態では、単結晶の成長速度を比較的速くすることにより、透明相44aが連続しており、不透明相44bが透明相44aに囲まれている蛍光体4が得易い旨を示したが、他にも、高さの低いアフターヒーター等を用いることで、育成の際の結晶冷却速度を比較的早くすることや、原料粉中の賦活元素濃度比率の高い原料粉を用いて低速で育成することによっても、透明相44aが連続しており、不透明相44bが透明相44aに囲まれている蛍光体4を得ることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実験1)
実施例1~実施例4、比較例1および比較例2では、下記の方法により蛍光体4を製造した。
出発原料としてY23、Al23およびCeO2を準備し、結晶化後の組成が{Y(1-y)Cey3Al512(y=0.01)を満たし、なおかつY23、Al23およびCeO2が合計で2gになるように秤量した。内径16mmのIr製の坩堝24にY23、Al23およびCeO2を投入した。
次に、原料を投入した坩堝24を耐火材炉26に投入し、耐火材炉26内の雰囲気をN2に置換し、常圧に維持したままN2ガスを50mL/minの流量でフローを行った。
その後、坩堝24の加熱を開始しYAG単結晶の融点に達するまで1時間かけて徐々に加熱した。
YAG単結晶を種結晶として用い、種結晶の先端を坩堝24下端の開口部に接触させて、開口部から融液が出るまで温度を徐々に上昇させた。
坩堝24端の開口部から融液が出たことを確認したのち、種結晶34を徐々に降下させながら結晶育成を開始した。
この際、育成速度を0.5mm/min~0.7mm/minとして結晶成長を行った。育成速度を変化させることにより、透明相44aおよび不透明相44bの分布を変化させた。
育成の際、急冷を防ぐ目的で、坩堝24下部にアフターヒーター36を設置した。結晶の冷却速度が150℃/時間になるように調整した。
得られた結晶から2.5mm角、厚み(Y0)1mmのサイズに結晶体(蛍光体4)を切り出した。
透明相および不透明相の認定
得られた蛍光体4の厚み方向(Y0方向)に垂直な面を表面鏡面加工(Ra<1μm)した。デジタルマイクロスコープ(キーエンス社VHX500+レンズVH-Z100R)で700μm×525μm(倍率は450倍)の視野を観察した。光源を12V,100Wのハロゲンランプ(色温度3100K)として、透明相44aおよび不透明相44bについて、それぞれ色調を測定した。なお、測定の際は光電変換の過程で電荷を増幅させ(ゲインし)、シャッタースピードはオート設定とした。
RGB-8bit表記でR:190~214、G:195~214、B:90~114の色調で表示される領域を透明相44aとした。
RGB-8bit表記でR:215~225、G:215~225、B:115~130の色調で表示される領域を不透明相44bとした。
透明相が単結晶であることの確認
得られた蛍光体4の透明相44aについてX線回折を行い、YAG単結晶のピークを確認した。
透明相の連続性の確認
透明相44aおよび不透明相44bの色調を測定した上記の観察視野において、透明相44aが連続してつながっており、不透明相44bに囲まれている透明相44aが0箇所以下である場合に、透明相44aの連続性が「有」と判断した。また、不透明相44bに囲まれている透明相44aが1箇所以上である場合に、透明相44aの連続性が「無」と判断した。
透明相中のCe濃度
透明相44aおよび不透明相44bの色調を測定した上記の面において、EPMAにより透明相44aのCe濃度を測定した。具体的には、測定面の表面にカーボンを蒸着した。次いで、JXA-8500F型FE-EPMA(日本電子株式会社製)によりEPMA-SEM観察した。観察条件は下記の通りとした。
加速電圧:15kV
照射電流:0.1μA
3箇所の測定結果の平均値を「透明相中のCe濃度」として表1に示す。なお、表1の「透明相中のCe濃度」とは「透明相44aに含まれるYおよびCeの合計に対する透明相44aに含まれるCeの濃度(at%)」を意味する。「透明相中のCe濃度(at%)」を{Cez(1-z)}δAlεOζで表される式のzを使うと、「z×100」=「透明相中のCeの濃度(at%)」となる。
透明相の組成
上記の「透明相中のCe濃度」と同様にして、EPMAにより透明相44aの組成を測定したところ、実施例1~4の透明相44aは、{Cez(1-z)}δAlεOζで表される組成を有し、zは0.007≦z≦0.030の関係を満たし、δは2.7≦δ≦3.3の関係を満たし、εは4.7≦ε≦5.3の関係を満たし、ζは11.7≦ζ≦12.3の関係を満たすことが確認できた。
不透明相中のCe濃度
上記の「透明相中のCe濃度」と同様にして、EPMAにより不透明相44bの略中心のCe濃度を測定した。3箇所の測定結果の平均値を「不透明相中のCe濃度」として表1に示す。なお、表1の「不透明相中のCe濃度」とは「不透明相44bに含まれるYおよびCeの合計に対する不透明相44bに含まれるCeの濃度(at%)」を意味する。「不透明相中のCe濃度(at%)」は{Cex(1-)}αAlβOγで表される式のxを使うと「x×100」=「不透明相中のCe濃度(at%)」となる。
不透明相の組成
上記の「透明相中のCe濃度」と同様にして、EPMAにより不透明相44bの組成を測定したところ、実施例1~4の不透明相44bは、{Cex(1-)}αAlβOγで表される組成を有し、xは、0.030<x≦0.120の関係を満たし、αは、2.4≦α≦3.0の関係を満たし、βは、4.4≦β≦5.0の関係を満たし,γは、1.4≦γ≦12.0の関係を満たすことが確認できた。
S1比率
透明相44aおよび不透明相44bの色調を測定した上記の観察視野において、透明相44aの面積(S1)および不透明相44bの面積(S2)をそれぞれ求め、100×S1/(S1+S2)(%)を算出した。同様にして他の2箇所の700μm×525μmの観察視野において、それぞれ100×S1/(S1+S2)(%)を算出した。3箇所の測定結果の平均値を「S1比率」として表1に示す。
不透明相1箇所の最小面積および不透明相1箇所の最大面積
透明相44aおよび不透明相44bの色調を測定した上記の観察視野において、「不透明相1箇所の最小面積」および「不透明相1箇所の最大面積」をそれぞれ求めた。同様にして他の2箇所の700μm×525μmの観察視野において、それぞれ「不透明相1箇所の最小面積」および「不透明相1箇所の最大面積」を求めた。3箇所の「不透明相1箇所の最小面積」の平均値を「不透明相1箇所の最小面積」として表1に示す。また、3箇所の「不透明相1箇所の最大面積」の平均値を「不透明相1箇所の最大面積」として表1に示す。
200℃法線輝度
蛍光体4の表面温度を200℃に加熱した。測定装置として株式会社トプコンテクノハウス製 色彩輝度計BM-7FASTを用いて、加熱された蛍光体4の輝度を測定した。比較例2の輝度を100(%)として、各実施例または比較例の輝度の相対値(%)を算出した。算出した結果を「200℃法線輝度」として表1に示す。
200℃法線輝度に対する25℃法線輝度の比
上記の測定装置を用いて、表面温度が25℃の蛍光体4の「25℃法線輝度」を測定した。「200℃法線輝度」と「25℃法線輝度」の結果から「200℃法線輝度に対する25℃法線輝度の比(%)」つまり「100×(25℃法線輝度)/(200℃法線輝度)(%)」を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2023142167000002
表1より、透明相44aが連続性を有し、なおかつ不透明相44bを有する場合(実施例1~実施例4)は、透明相44aが連続性を有していない場合(比較例1)に比べて、200℃法線輝度が高く、200℃法線輝度に対する25℃法線輝度の比が小さいことが確認できた。
表1より、透明相44aが連続性を有し、なおかつ不透明相44bを有する場合(実施例1~実施例4)は、不透明相44bを有していない場合(比較例2)に比べて、200℃法線輝度が高いことが確認できた。
レーザーなどの高エネルギー密度の励起光源では、蛍光体4が高温になることから輝度低下が生じることがある。しかし、実施例1~実施例4の蛍光体4では、200℃法線輝度が高く、なおかつ200℃法線輝度に対する25℃法線輝度の比が0%であることから高温による輝度低下を抑制できることが確認できた。
(実験2)
実施例5~実施例9および比較例3では、下記の方法により、さらに「単位面積当たりの不透明相の箇所数」を測定した以外は、実験1と同様にして、得られた蛍光体4に対して「透明相の連続性」を判断し、「透明相中のCe濃度」、「不透明相中のCe濃度」、「S1比率」、「200℃法線輝度」および「200℃法線輝度に対する25℃法線輝度の比」の測定を行った。結果を表2に示す。
なお、上記の「透明相中のCe濃度」と同様にして、EPMAにより透明相44aの組成を測定したところ、実施例5~10の透明相44aは、{Cez(1-z)}δAlεOζで表される組成を有し、zは0.007≦z≦0.030の関係を満たし、δは2.7≦δ≦3.3の関係を満たし、εは4.7≦ε≦5.3の関係を満たし、ζは11.7≦ζ≦12.3の関係を満たすことが確認できた。
また、上記の「透明相中のCe濃度」と同様にして、EPMAにより不透明相44bの組成を測定したところ、実施例5~10の不透明相44bは、{Cex(1-)}αAlβOγで表される組成を有し、xは、0.030<x≦0.120の関係を満たし、αは、2.4≦α≦3.0の関係を満たし、βは、4.4≦β≦5.0の関係を満たし,γは、11.4≦γ≦12.0の関係を満たすことが確認できた。
単位面積当たりの不透明相の箇所数
透明相44aおよび不透明相44bの色調を測定した上記の観察視野において、不透明相44bの箇所数を数えて、1mm2当たりの不透明相44bの箇所数を算出し、「単位面積当たりの不透明相の箇所数」とした。同様にして他の2箇所の700μm×525μmの観察視野において、それぞれ「単位面積当たりの不透明相の箇所数」を算出した。3箇所の「単位面積当たりの不透明相の箇所数」の平均値を「単位面積当たりの不透明相の箇所数」として表2に示す。
Figure 2023142167000003
表2より、S1比率が等しい実施例7と実施例8とを比較すると、単位面積当たりの不透明相の箇所数が50箇所以上55箇所以下である場合(実施例7)は、単位面積当たりの不透明相の箇所数が47箇所である場合に比べて200℃法線輝度が高いことが確認できた。実施例7では、単位面積当たりの不透明相の箇所数が適度に多いことにより、青色光および蛍光をより拡散させることができたと考えられる。
また、単位面積当たりの不透明相の箇所数が等しい実施例10と実施例7とを比較すると、S1比率が50(%)≦100×S1/(S1+S2)(%)≦90(%)の範囲内に含まれる場合(実施例7)はS1比率が36%である場合(実施例10)に比べて200℃法線輝度が高いことが確認できた。実施例7では、S1比率が適度に高いことにより、青色光および蛍光をより拡散させることができたと考えられる。
(実験3)
下記の方法により共晶体蛍光体を製造した以外は実験1と同様にして、得られた共晶体蛍光体(比較例4)に対して「透明相の連続性」を判断し、「透明相中のCe濃度」、「不透明相中のCe濃度」および「200℃法線輝度」の測定を行った。結果を表3に示す。
出発原料としてY23、Al23およびCeO2を準備し、内径16mmのIr製の坩堝24に投入した。出発原料の配合比はY23、Al23およびCeO2の合計を100モル部としたとき、Y23は19.95モル部であり、Al23は80モル部であり、CeO2は0.05モル部であった。
次に、これらの原料を投入した坩堝24を耐火材炉26に投入し、耐火材炉26内の雰囲気をN2に置換した。常圧に維持したままN2ガス(不活性ガスG)を流して結晶育成を行った。
その後、坩堝24の加熱を開始しCe:YAGとAl23の共融点に達するまで1時間かけて徐々に加熱した。
YAG単結晶を種結晶34として用い、種結晶34の先端を坩堝24端の開口部に接触させて、開口部から融液が出たことを確認したのち、種結晶34を降下させながら結晶育成を開始した。得られた共晶体蛍光体から2.5mm角、厚み(Y0)1mmのサイズに共晶体蛍光体を切り出した。
Figure 2023142167000004
表3より、透明相44aの連続性を有し、不透明相44bである異相を含む単結晶である蛍光体4(実施例3)は、Ce:YAG-Al23共晶体(比較例4)に比べて法線輝度が高いことが確認できた。
2… 光源装置
4… 蛍光体
40… 励起光入射部
41… 光取出し部
42… 入射面
44a,44a1,44a2… 透明相
44b… 不透明相
46… 反射面
48… 側面
6… 青色発光素子,青色レーザー光源
22… 単結晶製造装置
24… 坩堝
26… 耐火材炉
28… 石英管
30… 誘導加熱コイル
32… 種結晶保持治具
34… 種結晶
36… アフターヒーター
LB… 励起光,青色光,青色レーザー光
LF… 蛍光
LW… 白色光

Claims (11)

  1. 透明相と、不透明相と、を含み、
    前記透明相は賦活元素を含む単結晶から成り、
    前記透明相は連続しており、前記不透明相は前記透明相に囲まれている蛍光体。
  2. 前記不透明相は前記単結晶よりも前記賦活元素の濃度が高い請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記不透明相は、前記透明相を構成する単結晶に最大限に含まれることができる前記賦活元素の含有量よりも高い含有量で前記賦活元素を含んでいる請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 前記透明相はCe:YAG単結晶である請求項1~3のいずれかに記載の蛍光体。
  5. 前記不透明相は前記透明相よりもCeの濃度が高い請求項1~4のいずれかに記載の蛍光体。
  6. 前記不透明相は、{Cex(1-)}αAlβOγで表される組成を有し、
    前記xは、0.030<x≦0.120の関係を満たし、
    前記αは、2.4≦α≦3.0の関係を満たし、
    前記βは、4.4≦β≦5.0の関係を満たし,
    前記γは、11.4≦γ≦12.0の関係を満たす請求項1~5のいずれかに記載の蛍光体。
  7. 前記透明相は、{Cez(1-z)}δAlεOζで表される組成を有し、
    前記zは0.007≦z≦0.030の関係を満たし、
    前記δは2.7≦δ≦3.3の関係を満たし、
    前記εは4.7≦ε≦5.3の関係を満たし、
    前記ζは11.7≦ζ≦12.3の関係を満たす請求項1~6のいずれかに記載の蛍光体。
  8. 所定範囲の表面または断面における1mm2当たりの前記不透明相の箇所数は2箇所以上60箇所以下である請求項1~7のいずれかに記載の蛍光体。
  9. 所定範囲の表面または断面における前記不透明相の1箇所における面積は50μm2以上1000μm2以下である請求項1~8のいずれかに記載の蛍光体。
  10. 所定範囲の表面または断面における前記透明相の面積をS1とし、前記不透明相の面積をS2としたとき、
    前記S1および前記S2が50(%)≦100×S1/(S1+S2)(%)≦90(%)の関係を満たす請求項1~9のいずれかに記載の蛍光体。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の蛍光体と、青色発光素子と、を有し、
    前記青色発光素子は、青色発光ダイオードおよび青色半導体レーザーから選ばれる少なくともいずれか一方である光源装置。
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