JP2023137392A - ボンド磁石用組成物及びその製造方法、並びにボンド磁石 - Google Patents

ボンド磁石用組成物及びその製造方法、並びにボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアミド12樹脂の末端処理の効果が十分に発揮された、流動性に優れたボンド磁石用組成物を提供すること。また前記ボンド磁石用組成物のその製造方法、及びボンド磁石を提供すること。【解決手段】希土類磁石粉末及びポリアミド12樹脂を含有し、さらにカルボジイミド結合を有する末端処理剤を0.3質量%以上の量で含有し、フローテスタを用い、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長さ1mm、及び予熱時間300秒の条件で測定した流動性が0.7cm3/秒以上である、ボンド磁石用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ボンド磁石用組成物及びその製造方法、並びにボンド磁石に関する。
ボンド磁石は、磁石粉末、有機樹脂等のバインダ成分、並びに強化剤、可塑剤及び滑剤等の添加剤を配合した組成物を、押出機等の混練機で加熱混錬し、次いでペレット等の形状となるように加工した後、射出成形、圧縮成形、又は押出成形などの手法で加熱成形して製造される。このようなボンド磁石は、焼結磁石に比べて、寸法精度が高く且つ複雑な形状のものを得やすいという利点がある。また品質及び性能の均一性が高く、歩留まりがよく、さらに機械加工性が良好である。特に、ポリアミド樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダ樹脂として用い、さらに射出成形により製造される磁石は、寸法精度が高く後加工の必要がないため、磁石の製造コストを低減できるという利点がある。また希土類磁石粉末を含むボンド磁石は、磁気特性(残留磁束密度Br、保磁力iHc、及び最大エネルギー積(BH)max)に優れ、磁力が強い。そのため、小型化及び高特性化を図ることができ、小型モーターやセンサーなどの用途に有用である。
ボンド磁石組成物では、バインダ樹脂としてポリアミド樹脂、特にポリアミド12樹脂が多用されている。ポリアミド樹脂は、分子内に極性官能基であるアミド結合を有しており、磁石粉末表面との相互作用により付着しやすい。そのため磁石粉末との親和性が高く、磁石粉末の高分散化及び高充填化を促すことができる。またポリアミド樹脂、特にポリアミド12樹脂は、その融点が比較的低い。そのため、加熱を伴う混練工程や成形工程で、組成物の流動性が高くなり、その結果、磁石粉末の分散性及び充填性をより一層高めることが可能となる。またポリアミド12樹脂は吸水性が小さく且つ耐冷熱衝撃性に優れている。そのため機械的強度が高く吸水性の小さいボンド磁石を得ることができる。例えば、特許文献1には、磁性粉末と樹脂とからなるボンド磁石に関して、樹脂としてポリアミドのなかでもポリアミド12が好ましいこと、ポリアミドは極性が高いため、磁性粉末を多く充填することが出来、その中でもポリアミド12は吸水率が小さいため、磁気特性が高く吸水率の小さいボンド磁石を作製できることが記載されている(特許文献1の[0027])。
ところで、ボンド磁石用組成物において、混練又は成形時に組成物の流動性が低下して混練又は成形が困難になることがある。これは混練又は成形時の加熱によりバインダ樹脂の官能基と磁石粉末の成分、特に希土類金属とが反応するためと言われている。すなわち、磁石粉末成分が触媒として働き、バインダ樹脂の末端官能基(カルボキシル基、アミノ基)間での反応(縮重合反応等)を引き起こす。末端官能基間での反応が生じると、樹脂が高分子化し、それにより組成物が増粘して流動性が低下してしまう。
このようなバインダ樹脂の末端官能基の反応及びそれによる増粘を防ぐため、予めバインダ樹脂を末端処理剤で処理した後に、末端処理したバインダ樹脂を磁石粉末と混錬及び成形してボンド磁石を製造する手法が提案されている。末端処理によりバインダ樹脂の官能基が調整(封止)されるため、磁石粉末との反応及び増粘が抑制され、それにより組成物の流動性が向上するとされている。
例えば、特許文献2には、ポリアミド樹脂と金属粉末とからなる樹脂組成物に関して、モノカルボキシル炭化水素化合物により末端が変性されている特定の末端変性ポリアミド樹脂を使用することにより、金属粉末含有量を増加させた際の溶融混練物の流れ性悪化や、溶融粘度増大などの問題を解決できることが教示されている(特許文献2の[0004]~[0008])。また特許文献2には、実施例において、フェライト88重量部と末端変性ポリアミド樹脂12重量部からなる組成物を作製することや、混練物を、射出成形機を使用して成形する場合に、金属粉末とポリアミド樹脂との混錬溶融物の流動性が高いために多量の金属粉末を含有しても成形性がよいことが記載されている(特許文献2の[0022]及び[0029])。
特許文献3には、Nd系磁石粒子を少なくとも含む希土類磁石粒子と結合樹脂からなり、ボンド磁石の製造に用いられる組成物であって、前記結合樹脂は、カルボキシル基とアミナ基からなる末端基の総量が所定量以下であるポリアミド66(PA66)からなるボンド磁石用組成物が開示されている(特許文献3の請求項1)。また特許文献3には、未改質PA66の末端にあったカルボキシル基および/またはアミノ基の少なくとも一部が、未反応性または低反応性の末端基で置換された状態にあり、この結果、触媒的作用をする希土類磁石粉末粒子と接触しても、急激な増粘現象を示さなくなると記載されている(特許文献3の[0037])。
特開2016-72406号公報 特許第3103149号公報 特開閉2019-67957号公報
このように、末端処理したバインダ樹脂を用いることで、組成物の流動性向上を図る技術が従来から提案されるものの、本発明者が調べたところ、従来の技術には改良の余地があることが分かった。すなわち、希土類磁石粉末とポリアミド12樹脂とを用いてボンド磁石の作製を試みた場合に、予め末端処理したポリアミド12樹脂(バインダ樹脂)を用いても、増粘現象が生じて所望の流動性が得られず、成形困難となる場合のあることが分かった。
本発明者が、さらに検討を進めた結果、予め末端処理したポリアミド12樹脂を用いるのではなく、希土類磁石粉末との混錬時にポリアミド12樹脂の末端処理を行うことが有効であるとの知見を得た。すなわち、希土類磁石粉末と、末端未処理のポリアミド12樹脂と、カルボジイミド結合を有する末端処理剤を同時に混練することで、ポリアミド12樹脂の末端処理効果を十分に発揮させることができ、その結果、流動性に優れたボンド磁石用組成物を得ることができるとの知見を得た。
本発明はこのような知見に基づき完成されたものであり、ポリアミド12樹脂の末端処理の効果が十分に発揮された、流動性に優れたボンド磁石用組成物の提供を課題とする。また本発明は、前記ボンド磁石用組成物のその製造方法、及びボンド磁石の提供を課題とする。
本発明は、下記(1)~(8)の態様を包含する。なお本明細書において「~」なる表現は、その両端の値を含む。すなわち「X~Y」は「X以上Y以下」と同義である。
(1)希土類磁石粉末及びポリアミド12樹脂を含有し、さらにカルボジイミド結合を有する末端処理剤を0.3質量%以上の量で含有し、
フローテスタを用い、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長さ1mm、及び予熱時間300秒の条件で測定した流動性が0.7cm/秒以上である、ボンド磁石用組成物。
(2)前記末端処理剤を0.5質量%以上0.9%以下の量で含む、上記(1)のボンド磁石用組成物。
(3)前記流動性が2.0cm/秒以上である、上記(1)又は(2)のボンド磁石用組成物。
(4)前記希土類磁石粉末が、平均粒径1.8μm以上2.8μm以下のサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末であり、前記ボンド磁石用組成物中の前記磁石粉末の含有量が88質量%以上92質量%以下である、上記(1)~(3)のいずれかのボンド磁石用組成物。
(5)前記希土類磁石粉末、前記ポリアミド12樹脂、及び前記末端処理剤を含有し、残部不可避不純物の組成を有する、上記(1)~(4)のいずれかのボンド磁石用組成物。
(6)希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及びカルボジイミド結合を有する末端処理剤を同時に混練する工程を含む、ボンド磁石用組成物の製造方法であって、
前記ボンド磁石用組成物中の前記末端処理剤の含有量が0.3質量%以上である、方法。
(7)前記磁石粉末が、平均粒径1.8μm以上2.8μm以下のサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末であり、前記ボンド磁石用組成物中の前記磁石粉末の含有量が88質量%以上92質量%以下である、上記(6)の方法。
(8)上記(1)~(5)のいずれかのボンド磁石用組成物の成形体であるボンド磁石。
本発明によれば、ポリアミド12樹脂の末端処理の効果が十分に発揮された、流動性に優れたボンド磁石用組成物が提供される。また前記ボンド磁石用組成物のその製造方法、及びボンド磁石が提供される。
本発明の具体的実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
<<1.ボンド磁石用組成物>>
本実施形態のボンド磁石用組成物(以下、単に「組成物」と称する場合がある。)は、希土類磁石粉末及びポリアミド12樹脂を含有し、さらにカルボジイミド結合を有する末端処理剤を0.3質量%以上の量で含有する。またこのボンド磁石用組成物は、フローテスタを用い、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長さ1mm、及び予熱時間300秒の条件で測定した流動性が0.7cm/秒以上である。
ボンド磁石用組成物は、ボンド磁石(以下、単に「ボンド磁石」と称する場合がある)の前駆体である。すなわち、射出成形又は押出成形などの手法で組成物を加熱下で成形してボンド磁石を作製する。ボンド磁石は異方性であってもよく、あるいは等方性であってもよい。成形時の組成物に磁場を印加すれば異方性磁石を作製でき、また磁場を印可しなければ等方性磁石を得ることができる。
[磁石粉末]
本実施形態のボンド磁石用組成物は希土類磁石粉末(以下、単に「磁石粉末」と称する場合がある)を含む。希土類磁石粉末は、硬質磁性材料からなり、ボンド磁石の磁気特性発現の主体となる粉末である。希土類磁石粉末は、希土類系硬質磁性材料からなる限り、特に限定されない。例えば、NdFe14Bを基本組成とするネオジム(Nd)-鉄(Fe)-硼素(B)系磁石粉末、SmFe17を基本組成とするサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末、SmCo又はSmCo17を基本組成とするサマリウム(Sm)-コバルト(Co)系磁石粉末が挙げられる。またこれらの基本組成の元素の一部を他の元素で置換したものであってもよい。例えば、ネオジウム(Nd)又はサマリウム(Sm)の一部がランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、テルビウム(Tb)、及び/又はジスプロシウム(Dy)で置換されたものであってもよい。また鉄(Fe)及びコバルト(Co)の一部が、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、及び/又はハフニウム(Hf)で置換されたものであってもよい。
ボンド磁石用組成物は、一種のみの磁石粉末を単独で含んでもよく、あるいは複数種の磁石粉末を組み合わせて含んでもよい。また含まれる磁石粉末は、磁石粉末単独であってもよく、あるいは他の材料と複合化された粉末であってもよい。例えば、燐酸系化合物、シリカ系化合物、及び/又はトリアジンチオール誘導体などの処理剤からなる被覆層を表面に設けた磁石粉末であってもよい。
好ましくは、希土類磁石粉末は、サマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末である。SmFe17を基本組成とするサマリウム-鉄-窒素系磁石は、高性能かつ安価な磁石として知られている。具体的には、サマリウム-鉄-窒素系磁石は、x=3のとき、すなわちSmFe17組成のときに飽和磁化が最大となる。そのため、得られるボンド磁石の磁束密度を高くすることが可能である。また保磁力が高く、その値はネオジム-鉄-硼素系磁石粉末の5倍程度である。
好ましくは、希土類磁石粉末の平均粒径は0.5μm以上5.0μm以下である。粒径が過度に大きい磁石粉末は、その保磁力が小さくなる。また組成物の流動性が低下したり、あるいは得られるボンド磁石の寸法安定性及び表面性が悪化したりする場合がある。一方で磁石粉末の粒径が過度に小さいと、組成物の粘度が高くなり流動性が悪化する。また希土類磁石粉末は酸化して特性が劣化し、場合によって酸化発熱により発火する恐れがある。粒径を適度に大きくすることで、流動性の向上及び発熱の回避が可能となる。磁石粉末の平均粒径は1.0μm以上3.0μm以下がより好ましく、1.8μm以上2.8μm以下がさらに好ましい。
好ましくは、組成物中の磁石粉末の含有量は80質量%以上95質量%以下である。磁気特性発現の主体となる磁石粉末量が過度に少ないと、ボンド磁石の磁気特性、特に磁束密度が低くなる。またバインダ樹脂量が多くなるため、ボンド磁石の線膨張係数が大きくなり、その結果、ボンド磁石を鉄ヨークに接着させて使用する用途において接着力が弱くなる場合がある。一方で磁石粉末量が過度に多いと、組成物の流動性が低下して成形が困難になることがある。磁石粉末の含有量は85質量%以上93質量%以下がより好ましく、88質量%以上92質量%以下がさらに好ましい。
特に好ましくは、磁石粉末が、平均粒径1.8μm以上2.8μm以下のサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末であり、ボンド磁石用組成物中の磁石粉末の含有量が88質量%以上92質量%以下である。サマリウム-鉄-窒素系磁石粉末は、ニュークリエーション型の保磁力発生機構を有しているため、平均粒径を2.8μm以下に限定することで、保磁力がより一層高くなる。そのため、強い減磁界が加わる環境下で使用される用途、例えばモーターなどの用途に有用である。また平均粒径を1.8μm以上に限定することで、組成物成形時の流動性のより一層の向上を図ることができるとともに、磁石粉末の酸化による発熱及び発火の問題を効果的に防止することが可能になる。
サマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末の製造方法として、溶解法及び還元拡散法などの手法が知られている。溶解法では、鉄及びサマリウムを含む金属粉末を原料に用い、この原料を、高周波炉又はアーク炉などの炉を用いて1500℃以上の温度で加熱溶解する。次いで得られた生成物を粉砕し、さらに組成均一化を図るため熱処理してSm-Fe母合金を作製する。その後、得られた母合金を窒化して磁石粉末を作製する。一方で、還元拡散法では、酸化サマリウム(Sm)、鉄原料(Fe、Fe等)、及び還元剤(Ca等)の混合物を加熱して母合金を得、得られた母合金を窒化して磁石粉末を作製する。サマリウム-鉄-窒素系磁石粉末は、ニュークリエーション型の保磁力発生機構を有するため、高い保磁力を得るために微細化されることが望ましい。そのため、窒化された母合金を微粉砕したり、あるいは微細な原料を用いたりする手法がとられる。
好ましくは、サマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末として、還元拡散法で製造されたものを用いる。安価な酸化物原料(Sm等)を用いる還元拡散法には、原料コストを抑える特徴がある。また、溶解法に比べて不純物量の少ない磁石粉末を得ることができる。これに対して溶解法は工程が極めて煩雑である。また各工程間で生成物が大気中に一旦曝されてしまうため、酸化により生成物表面に不純物が生成する恐れがある。生成物表面が酸化されると、窒化が均一に進行せず、その結果、得られる磁石粉末の特性、特に飽和磁化、保磁力、及び/又は角形性といった磁気特性が低下し、最終的に得られるボンド磁石の最大エネルギー積を低下させる恐れがある。
還元拡散法では、まずサマリウム原料(Sm)、鉄原料(Fe等)、及び還元剤(Ca等)を還元処理して、Sm-Fe合金を含む還元生成物を得る。次に、この還元生成物に湿式処理して、還元生成物中に含まれる還元剤由来の副生物(CaO、Ca(OH)等)を除去し、その後、得られたSm-Fe合金を、アンモニア及び水素含有混合気流中で窒化する。得られた窒化物を粉砕及び乾燥することで、サマリウム-鉄-窒素系磁石粉末を得ることができる。
サマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末がSmFe17系合金から構成される場合には、粗粉を粉砕しておくことが望ましい。すなわち、平均粒径20μmを超える磁石合金粗粉は磁気特性が低いので、これを有機溶媒中で粉砕することが望ましい。この粉砕の際、又は粉砕後に、燐酸などの表面処理剤を加えた溶液中に磁石粉末を投入及び撹拌して、複合燐酸塩被膜などの被膜を表面に設けた磁石粉末としてもよい。粉砕には、磁石粉末粉砕に適用できる公知の粉砕装置を用いればよい。このうち媒体撹拌ミルやビーズミルなどの湿式粉砕装置が、均一な粉末組成及び粒子径を得やすいため、特に好適である。また粉砕溶媒として、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等の有機溶媒が好ましい。粉砕後に所定の目開きのフィルターを用いて、ろ過及び乾燥すればよい。このようにしてサマリウム-鉄-窒素系磁石粉末を得ることができる。
[ポリアミド12樹脂]
本実施形態のボンド磁石用組成物は、バインダ樹脂としてポリアミド12樹脂を含む。ポリアミド12樹脂は熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、成形時の加熱により可塑化し流動性を示すようになるとともに、成形後に冷却されると固化し強度が向上する。したがって、熱可塑性樹脂を用い、さらに射出成形や押出成形などの加熱を伴う成形を行うことで、強度が高く且つ複雑形状のボンド磁石を容易に得ることが可能になる。特にポリアミド12樹脂は融点が低いため、磁石粉末の分散性及び充填性をより一層高めることが可能となる。組成物の成形性を高めるとともに、磁気特性に優れたボンド磁石の作製を可能とする。またポリアミド12樹脂には吸水率が小さいという特徴もある。
バインダ樹脂(ポリアミド12樹脂)の形状は特に限定されない。パウダー、ビーズ、ペレットなどの種々の形状のものを用いることができる。この中でも、磁石粉末と均一に混合できるパウダー状のバインダ樹脂が特に好ましい。
好ましくは、ボンド磁石用組成物中のバインダ樹脂(ポリアミド12樹脂)の含有量は7.1質量%以上11.7質量%以下である。バインダ樹脂量が過度に少ないと、組成物の流動性が低下して成形が困難になる恐れがある。一方でバインダ樹脂量が過度に多いと、ボンド磁石中の磁石粉末の割合が少なくなるためボンド磁石の磁気特性が低下することがある。さらにボンド磁石の線膨張係数が大きくなるため冷熱衝撃試験で割れが発生する場合がある。バインダ樹脂の含有量は7.1質量%以上11.5質量%以下がさらに好ましい。
[末端処理剤]
本実施形態のボンド磁石用組成物は、カルボジイミド結合を有する末端処理剤を0.3質量%以上の量で含有する。末端処理剤には、ボンド磁石用組成物の増粘を防ぎ、流動性を向上させる効果がある。すなわちボンド磁石用組成物に含まれるポリアミド12樹脂は、末端官能基であるカルボキシル基やアミノ基をもつ。末端処理剤が含まれていない組成物では、これに含まれる希土類磁石粉末成分の作用により官能基間での反応(縮重反応等)が進行して樹脂が高分子化し易い。樹脂が高分子すると組成物が増粘する恐れがある。これに対して、末端処理剤を高分散な状態で加えると、樹脂と希土類磁石成分との反応及び官能基間での反応が抑制され、その結果、組成物の増粘を抑制して流動性を向上させることが可能となる。末端処理剤には、樹脂の末端官能基(カルボキシル基、アミノ基)を調整及び封止し、失活させる働きがあるからである。
末端処理剤による効果を十分に発揮させる上で、組成物中で末端処理剤を均一分散させることが重要である。末端処理剤が均一に分散していないと、末端官能基の調整(封止)が不十分となり、官能基間での反応抑制、及びそれによる流動性改善の効果を十分に図ることが困難になる。末端処理剤を均一分散させるためには、組成物製造時の希土類磁石粉末との混錬段階でポリアミド12樹脂の末端処理を行うことが有効である。
本実施形態では、カルボジイミド結合を有する化合物を末端処理剤として用いる。カルボジイミド結合をもつ末端処理剤は反応性が高いため、低温でも末端処理が可能である。高温下での処理が不要となるため、磁石粉末へのダメージ、具体的には磁気特性の劣化を最小限に抑えることが可能である。末端処理剤たるカルボジイミド化合物の種類は特に限定されない。例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t-ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ジ-t-ブチルカルボジイミド、及び/又はジ-β-ナフチルカルボジイミドが挙げられる。
本実施形態では、組成物中の末端処理剤の含有量を0.3質量%以上に限定している。含有量が0.3質量%未満であると、末端調整の効果が不十分となり、組成物の増粘防止及び流動性向上の効果が不十分となる。末端処理剤の含有量は0.5質量%以上0.9質量%以下が好ましい。
[流動性]
本実施形態のボンド磁石用組成物は増粘現象が抑制されているため、流動性が良好である。具体的には、フローテスタを用い、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長さ1mm、及び予熱時間300秒の条件で測定した流動性が0.7cm/秒以上である。流動性を高めることで、成形加工性を高めることができる。そのため薄型形状や複雑形状のボンド磁石を、後加工することなく容易に得ることができる。また高分散状態を維持しながら組成物中の磁石粉末量を高めることができ、さらに含有量が同じであっても、磁石粉末の配向性を高めることができる。その上、流動性を高めるために高温で成形を行う必要がない。低温成形が可能になるため、磁石粉末の磁気特性劣化を抑えることができる。これらが複合的に作用して、優れた磁気特性を有するボンド磁石、特に異方性ボンド磁石の製造が可能となる。流動性は高い方が望ましく、2.0cm/g以上が好ましい。一方で流動性が過度に高い組成物は、これを製造することが困難である。流動性は、典型的には4.0cm/秒以下である。
[アミン価]
本実施形態のボンド磁石用組成物において、ポリアミド12樹脂の末端官能基たるアミノ基は効果的に調整(封止)されている。そのため組成物中樹脂のアミン価は比較的低い。アミン価を低減することで、官能基間の反応及びそれによる増粘をより効果的に防止でき、組成物の流動性を高めることが可能となる。組成物のアミン価は1.0以下が好ましく、0.4以下がより好ましい。
[その他の成分]
本実施形態のボンド磁石用組成物は、上述した成分(磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及び末端処理剤)のみから構成されていてもよい。例えば、希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及び末端処理剤を含有し、残部不可避不純物の組成を有してもよい。あるいは、所望の流動性を有する限り、上述した成分以外の成分を含んでもよい。そのような成分として、限定される訳ではないが、強化剤、安定剤、及び/又は相溶化剤が挙げられる。このうち、強化剤は、炭素繊維、カーボンフレーク、及び/又はガラス繊維等の強化成分である。強化剤を加えることで、ボンド磁石の引張強度を効果的に高めることができる。
<<2.ボンド磁石用組成物の製造方法>>
本実施形態のボンド磁石用組成物の製造方法は、希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及びカルボジイミド結合を有する末端処理剤を同時に混練する工程を含む。混練は、ポリアミド12樹脂が溶融するよう加熱下で行う。またボンド磁石用組成物中の末端処理剤の含有量は0.3質量%以上に限定される。
希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及びカルボジイミド結合を有する末端処理剤の詳細は、先述したとおりである。すなわち、希土類磁石粉末は、ボンド磁石の磁気特性発現の主体となる粉末である。またバインダ樹脂としてポリアミド12樹脂を用いることで、高い分散状態を維持ししたまま磁石粉末を高充填できることが可能となる。さらに末端処理剤には、ボンド磁石用組成物の増粘を防ぎ、流動性を改善する効果がある。
本実施形態の製造方法では、上述した原料(希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂)、及び末端処理剤)を同時に加熱混錬することが重要である。これにより、組成物中で末端処理剤が均一に分散され、それにより組成物の増粘防止及び流動性向上の効果を十分に発揮させることが可能になる。磁石粉末とともに混練することで、組成物に加わる混練トルクが大きくなり、末端処理剤が均一分散されるためと考えている。これに対して、バインダ樹脂と末端処理剤を事前に混錬してバインダ樹脂の末端処理を行い、得られた処理済みのバインダ樹脂を磁石粉末と混錬する手法が考えられる。このような手法では、末端防止剤を均一に分散させることができず、組成物の流動性向上の効果に限界がある。
混練装置としては、バッチ式のニーダーや連続式の押出機(連続押出機)を利用することができる。混練は、混練装置内で組成物に加わるせん断力を制御しながら行う。例えば、ニーダーを用いる場合には、原料の混合槽への投入量、混練時の組成物の温度、ニーディングブレードの回転数、及び/又は混練時間を制御する。また連続押出機を用いる場合には、原料の投入速度、温度分布、スクリューセグメントの形状、スクリュー回転数、及び/又はダイ穴径などの条件を調整する。さらに混練温度は、ポリアミド12樹脂が溶融し、かつ分解しない温度であればよい。180℃以上270℃以下が好ましく、190℃以上240℃以下がより好ましい。
<<3.ボンド磁石>>
本実施形態のボンド磁石(以下、単に「ボンド磁石」と称する場合がある。)は、ボンド磁石用組成物の成形体である。このボンド磁石は、ボンド磁石用組成物を加熱下で射出成形又は押出成形して製造される。すなわちボンド磁石は射出成形体又は押出成形体である。具体的には、ボンド磁石用組成物を、それに含まれるバインダ樹脂の融点以上の温度で加熱溶融して溶融物とした後、射出成形又は押出成形により溶融物を成形して成形体(ボンド磁石)を得ることができる。成形時に溶融物に磁場を印加すれば異方性ボンド磁石を得ることができ、また磁場を印加しなければ等方性ボンド磁石を得ることができる。
好ましくは、ボンド磁石は射出成形体である。すなわち、ボンド磁石用組成物を射出成形して成形体を作製する。射出成形法を採用することで、成形体であるボンド磁石の形状自由度を大きくできるとともに、寸法精度を高めることが可能である。その上、ボンド磁石の表面性状及び磁気特性が優れたものになる。そのため、成形後の成形体(ボンド磁石)を、後加工することなく、そのまま電子部品に組み込むことができる。特に本実施形態のボンド磁石用組成物は流動性が良好である。そのため、射出成形時の成形性に優れるとともに、ウェルド等の外観不良の発生を効果的に防ぐことができる。
本実施形態のボンド磁石は、流動性及び成形性に優れたた組成物を前駆体とする故に磁気特性に優れるとともに、薄型化及び複雑形状化が可能である。また後加工が不要であり、インサート成形が可能である。したがって、このボンド磁石は、例えば電子機器用モーター部品等の小型で扁平な複雑形状の部品に好適である。
なお、ボンド磁石は、使用前にこれを着磁することが望ましい。着磁には、静磁場を発生する電磁石やパルス磁場を発生するコンデンサー着磁機等の着磁装置が用いられる。着磁磁場の強度は、磁石粉末の種類によって異なるため、これを一概に決めることはできない。例えば、1200kA/m(15kOe)以上であってよく、または2400kA/m(30kOe)以上であってもよい。
本発明を、以下の実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)ボンド磁石用組成物及びボンド磁石の作製
[実施例1]
希土類磁石粉末として平均粒径が2.3μmのサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末(住友金属鉱山株式会社製)を、バインダ樹脂としてポリアミド12樹脂(宇部興産株式会社製,P3012U、アミン価3.6mgKOH/g)をそれぞれ準備した。次いで、磁石粉末(Sm-Fe―N系磁石粉末):88.5質量%、ポリアミド12樹脂:10.8質量%、及びカルボジイミド結合を有する末端調整剤:0.7質量%の配合組成が得られるように原料を配合し、得られた配合物を、バッチ式ニーダーを使用して200℃で10分間、同時に混練した。これによりボンド磁石用組成物を得た。
次いで、射出成形機と射出成形用金型を用いて得られた組成物を射出成形し、JIS K7139Aに準拠する試験片(外径20mm、厚み13mmの円柱状)をボンド磁石として作製した。この際、試験片の厚み方向が磁石粉末の配向方向となるように成形を行った。
[実施例2]
混練の際、バッチ式ニーダーではなく、連続押し出し機を使用し、バレル温度200℃の条件で混錬した。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
[実施例3]
磁石粉末(Sm-Fe―N系磁石粉末):91.5質量%、ポリアミド12樹脂:8.0質量%、及びカルボジイミド結合を有する末端調整剤:0.5質量%の配合組成が得られるように配合した。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
[比較例1]
実施例1の配合組成において、事前にポリアミド12樹脂と末端処理剤とを、バッチ式ニーダーを使用して200℃で10分間混練し、得られた混錬物を粉砕した。その後、得られた混錬物と磁石粉末とを、実施例1と同様の条件で混錬してボンド磁石用組成物を作製した。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
[比較例2]
実施例1の配合組成において、末端調整剤を加えず、ポリアミド12樹脂の配合量をその質量(0.7質量%)分増やした。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
[比較例3]
実施例1の配合組成において、末端調整剤の配合量を0.5質量%減らし、ポリアミド12樹脂の配合量をその質量(0.5質量%)分増やした。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
[比較例4]
実施例3の配合組成において、末端調整剤を加えず、ポリアミド12樹脂の配合量をその質量(0.5質量%)分増やした。それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石用組成物及びボンド磁石を作製した。
(2)評価
実施例1~3及び比較例1~4で得られたボンド磁石用組成物及びボンド磁石について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<磁気特性>
パルス着磁機を用いて3000kA/m以上の着磁磁場でボンド磁石を着磁した。着磁後のボンド磁石の磁気特性(残留磁束密度Br、保磁力iHc、及びエネルギー積(BH)max)を、BHトレーサーを用いて測定した。
<流動性>
ボンド磁石用組成物の流動性を、フローテスタ(株式会社島津製作所,CFT-100D)を用いて測定した。測定は、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長1mm、予熱時間300秒の条件で行った。
<アミン価>
ポリアミド12樹脂及びボンド磁石用組成物のアミン価をJIS K7237に規定される電位差点滴定法にしたがい測定した。具体的には、サンプルをm-クレゾールで溶解して過塩素酸メタノール溶液で滴定した。
(3)評価結果
評価結果を表1及び2にまとめて示す。
比較例1のボンド磁石用組成物では流動性の優れた組成物を得ることができなかった。事前配合を行ったことで、ポリアミド12樹脂の末端処理が十分に行われずなかったと推察される。そのため、ポリアミド12樹脂末端のアミド基と希土類磁石粉末との間での反応が引き起こされ、その結果、増粘現象が生じたと考えられる。
比較例2のボンド磁石用組成物では流動性に優れた組成物を得ることができなかった。末端処理剤を含まなかったため、ポリアミド12末端のアミド基と希土類磁石粉末との間の反応が引き起こされた結果、増粘現象が生じたと考えられる。
比較例3のボンド磁石用組成物では流動性に優れた組成物を得ることができなかった。、末端処理剤の量が少なすぎたため、ポリアミド12末端のアミド基と希土類磁石粉末との間の反応が引き起こされて増粘現象が生じたと考えられる。
比較例4のボンド磁石用組成物では混練ができず、充填性に優れた組成物を得ることができなかった。また成形ができず、ボンド磁石を作製できなかった。末端処理を行っていないため、ポリアミド12末端のアミド基と希土類磁石粉末との間の反応が進行して増粘現象が強く生じたと考えられる。
これに対して実施例1~3では、流動性の高いボンド磁石用組成物を得ることができた。特に実施例3では、磁石粉末の割合が高いにも関わらず、十分な流動性をもつ組成物を得ることができた。また磁石粉末の割合が低い実施例1及び2では、流動性がさらに優れていた。いずれの実施例でも、ボンド磁石の磁気特性は十分であった。
実施例1~3のボンド磁石用組成物は、そのアミン価(0.22~0.28mgKOH/g)が比較例1~3のアミン価(1.7~1.8mgKOH/g)より大幅に減少していた。末端処理剤を磁石粉末及びポリアミド12樹脂と同時に混練することで、ポリアミド12樹脂の末端アミノ基の調整(封止)が効果的に行われたと考えられる。
Figure 2023137392000001
Figure 2023137392000002

Claims (8)

  1. 希土類磁石粉末及びポリアミド12樹脂を含有し、さらにカルボジイミド結合を有する末端処理剤を0.3質量%以上の量で含有し、
    フローテスタを用い、キャピラリー温度250℃、荷重588N、オリフィス直径1mm、オリフィス長さ1mm、及び予熱時間300秒の条件で測定した流動性が0.7cm/秒以上である、ボンド磁石用組成物。
  2. 前記末端処理剤を0.5質量%以上0.9質量%以下の量で含む、請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  3. 前記流動性が2.0cm/秒以上である、請求項1又は2に記載のボンド磁石用組成物。
  4. 前記希土類磁石粉末が、平均粒径1.8μm以上2.8μm以下のサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末であり、前記ボンド磁石用組成物中の前記磁石粉末の含有量が88質量%以上92質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のボンド磁石用組成物。
  5. 前記希土類磁石粉末、前記ポリアミド12樹脂、及び前記末端処理剤を含有し、残部不可避不純物の組成を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のボンド磁石用組成物。
  6. 希土類磁石粉末、ポリアミド12樹脂、及びカルボジイミド結合を有する末端処理剤を同時に混練する工程を含む、ボンド磁石用組成物の製造方法であって、
    前記ボンド磁石用組成物中の前記末端処理剤の含有量が0.3質量%以上である、方法。
  7. 前記磁石粉末が、平均粒径1.8μm以上2.8μm以下のサマリウム(Sm)-鉄(Fe)-窒素(N)系磁石粉末であり、前記ボンド磁石用組成物中の前記磁石粉末の含有量が88質量%以上92質量%以下である、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載のボンド磁石用組成物の成形体であるボンド磁石。
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