JP2023135996A - 合紙及び該合紙を加工して得られる紙加工品 - Google Patents

合紙及び該合紙を加工して得られる紙加工品 Download PDF

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Abstract

【課題】強度と成形性を高度に両立した合紙。【解決手段】少なくとも2層の原紙と、該少なくとも2層の原紙の間の接着層を含む合紙であって、該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が、0.60mm~1.50mmであり、該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれる該パルプの平均繊維幅が、14.0μm~35.0μmであり、該合紙の厚さが、0.68mm~1.40mmである、合紙。【選択図】図1

Description

本開示は、複数の紙を貼り合わせてなる合紙、及び当該合紙を加工して得られる紙加工品に関する。
従来、合成樹脂などプラスチックの成形体が、使い捨ての食器、文具、医療器具などに広く用いられている。しかし、温室効果ガスの発生、海洋汚染など環境保護の観点からプラスチック製品から紙製品への代替が進められている。
例えば、特許文献1では、食器用塗工紙の強靭性及び耐久性を高めるために、多層紙における各層に用いる針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプに量を制御し、表層に完全けん化ポリビニルアルコールを含有させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、十分な厚さと強度の観点から、多層紙における各層に用いる針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプに量を制御し、さらに各層の坪量を制御する技術が開示されている。
特開2020-196990号公報 特開2021-080590号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記文献の技術では確かに高い強度は得られるものの、プラスチック製品の代替として様々な製品への加工を想定したときの成形性という観点では十分ではない。
本開示は、強度と成形性を高度に両立した合紙を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅を有する原紙を用い、それらの原紙を、接着層を介して貼り合わせた合紙の厚さを制御することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本開示は、以下の<1>~<7>に関する。
<1> 少なくとも2層の原紙と、該少なくとも2層の原紙の間の接着層を含む合紙であって、
該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が、0.60mm~1.50mmであり、
該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれる該パルプの平均繊維幅が、14.0μm~35.0μmであり、
該合紙の厚さが、0.68mm~1.40mmである、合紙。
<2> 前記原紙のうち、2層以上の前記原紙のそれぞれに含まれる前記パルプの長さ加重平均繊維長が、0.80mm~1.30mmである、<1>に記載の合紙。
<3> 前記少なくとも2層の原紙が、3層の原紙である<1>又は<2>に記載の合紙。
<4> 前記合紙は、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する、<1>~<3>のいずれかに記載の合紙。
<5> 前記合紙に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が、0.60mm~1.50mmであり、
前記合紙に含まれるパルプの平均繊維幅が、14.0μm~35.0μmである、<1>~<4>のいずれかに記載の合紙。
<6> 前記原紙のそれぞれの坪量が、200g/m~550g/mである、<1>~<5>のいずれかに記載の合紙。
<7> <1>~<6>のいずれかに記載の合紙を加工して得られる紙加工品。
本開示によれば、強度と成形性を高度に両立した合紙を提供することができる。
2層の原紙(紙基材層)を含む場合の合紙の実施形態の一例である。 強度の評価におけるサンプルの配置の仕方を説明する図である。
本明細書において、数値範囲を表す「X以上Y以下」や「X~Y」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
<合紙>
本実施形態に係る合紙は、少なくとも2層の原紙と、該少なくとも2層の原紙の間の接着層を含む。例えば、原紙Aと接着層と原紙Bのみからなる合紙であってもよく、更に別の原紙を、接着層を介して積層させた合紙であってもよい。少なくとも2層の原紙は、好ましくは3層の原紙である。この場合、合紙は、例えば、原紙A、接着層、原紙B、接着層及び原紙Cをこの順に有する。
また、合紙は、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有してもよいし、両方の面に熱可塑性樹脂層を有してもよい。図1には、合紙10の両方の面に熱可塑性樹脂層4を有する形態を示す。図1において、原紙1と原紙2は接着層3を介して積層され、原紙1及び原紙2の外表面に熱可塑性樹脂層4を有する。
<原紙>
原紙は、一般的に用いられている紙であればとくに限定されず、植物由来のパルプを主成分として含む紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。
具体的には、クラフト紙、上質紙、(白)板紙、紙器用原紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙等が挙げられる。これらのなかでもクラフト紙、上質紙、(白)板紙、紙器用原紙、カップ原紙、片艶紙が好ましく、剛性の面から、(白)板紙の中では高級板紙、特殊板紙、カップ原紙、クラフト紙がより好ましい。クラフト紙は、晒クラフト紙、未晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が挙げられ、印刷適性や衛生面から、晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が好ましい。
<長さ加重平均繊維長、平均繊維幅、合紙の厚さ>
合紙の強度と成形性を両立するために、合紙に用いる原紙のうち、2層以上の原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅を特定の範囲に制御したうえで、合紙の厚さを制御することが必要となる。
合紙の厚さを厚くし、より多くの紙を貼り合せるほど強度は向上するが、成形性は低下する。本発明者らが、合紙の強度と成形性とを高度に両立するために検討を行ったところ、成形性に影響を与えずに、より強度を向上させるためにはパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅の制御が重要であることがわかってきた。
パルプの長さ加重平均繊維長と平均繊維幅の値が小さい場合、幅の小さい短繊維が多く含まれることを示す。これにより、紙の強度自体は低下するが、繊維の動きが阻害されにくく、成形性が向上しやすいと推測される。一方、パルプの長さ加重平均繊維長と平均繊維幅の値が大きい場合、幅の大きめの長繊維が多く含まれることを示す。これにより、紙の絡まり合いや繊維同士の接触の起点が増加することで、繊維間結合が増え強度は向上しやすい。しかし、長さ加重平均繊維長と平均繊維幅の値が大きすぎると、紙が伸びにくくなり、成形性が低下しやすいと推測される。
さらに、本発明者らの検討により、パルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅を特定の範囲に制御したうえで、合紙全体での厚さを制御することで、強度と成形性を高度に両立できることを見出した。
合紙における原紙のうち、2層以上の原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長は、0.60mm~1.50mmである。原紙に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長を上記範囲とすることで、強度と成形性を両立することができる。
長さ加重平均繊維長が上記下限未満である場合、合紙の強度が低下しやすくなる。一方で、長さ加重平均繊維長が上記上限超えである場合、成形性が低下しやすくなる。
上記パルプの長さ加重平均繊維長は、0.80mm~1.30mmであることが好ましく、0.85mm~1.25mmであることがより好ましく、0.85mm~1.00mmであることがさらに好ましい。合紙に含まれるすべての原紙で、パルプの長さ加重平均繊維長が上記範囲を満たすことが好ましい。すなわち、合紙における原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が上記範囲を満たすことが好ましい。
パルプの長さ加重平均繊維長は、使用するパルプの種類などにより制御することができる。
合紙における原紙のうち、2層以上の原紙のそれぞれに含まれるパルプの平均繊維幅は、14.0μm~35.0μmである。パルプの平均繊維幅を上記範囲とすることで、強度と成形性を両立することができる。
パルプの平均繊維幅が上記下限未満である場合、合紙の強度が低下しやすくなる。一方で、パルプの平均繊維幅が上記上限超えである場合、成形性が低下しやすくなる。
上記パルプの平均繊維幅は、15.0μm~32.0μmであることが好ましく、15.5μm~31.0μmであることがより好ましく、18.0μm~22.0μmであることがさらに好ましい。合紙に含まれるすべての原紙で、パルプの平均繊維幅が上記範囲を満たすことが好ましい。すなわち、合紙における原紙のそれぞれに含まれるパルプの平均繊維幅が上記範囲を満たすことが好ましい。
パルプの平均繊維幅は、木材チップの蒸解などにより制御することができる。蒸解の温度を高くする、又は時間を長くすると、平均繊維幅を小さくすることができる。一方、蒸解の温度を低くする、又は時間を短くすると、平均繊維幅を大きくすることができる。蒸解が不十分な場合、平均繊維幅は、上記上限を超えやすい傾向にある。
少なくとも2層の原紙のうち、2層以上の原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅が上記特定の範囲を満たす。これは、合紙における複数の原紙の層のうち、少なくとも2層の原紙のそれぞれが上記特定の範囲を満たすことを意味する。例えば、合紙における原紙が2層である場合、2層の原紙の両方が上記特定の範囲を満たすことを意味する。合紙における原紙が3層又はそれ以上の場合、そのうちの2層以上の原紙が上記特定のパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅の範囲を満たしていればよい。
例えば、合紙における原紙が3層であり、そのうちの2層の原紙のそれぞれが上記特定のパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅の範囲を満たしていればよい。好ましくは
、合紙において、少なくとも2層の原紙が、3層の原紙である。そして、3層の原紙のすべてが、上記特定のパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅の範囲を満たすことが好ましい。すなわち、合紙に含まれる少なくとも2層の原紙のそれぞれが上記特定のパルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅の範囲を満たすことが好ましい。原紙を3層とすることで、強度と成形性をより両立しやすくなる。
合紙の厚さは、0.68mm~1.40mmである。合紙の厚さを上記範囲とすることで、強度と成形性を両立することができる。
合紙の厚さが上記下限未満である場合、合紙の強度が低下しやすくなる。一方で、合紙の厚さが上記上限超えである場合、成形性が低下しやすくなる。
合紙の厚さは、0.80mm~1.35mmであることが好ましく、0.85mm~1.32mmであることがより好ましい。なお、合紙の厚さとは、少なくとも2層の原紙の間の接着層の厚さも含む合紙の合計の厚さである。合紙がおもて面や裏面に熱可塑性樹脂などの樹脂層を含む場合は、熱可塑性樹脂層の厚さも含んだ厚さである。
合紙(合紙全体)に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長は、0.60mm~1.50mmであることが好ましく、0.80mm~1.30mmであることがより好ましく、0.85mm~1.25mmであることがさらに好ましく、0.85mm~1.00mmであることがさらにより好ましい。上記範囲であることで、強度と成形性をより両立しやすくなる。
また、合紙(合紙全体)に含まれるパルプの平均繊維幅は、14.0μm~35.0μmであることが好ましく、15.0μm~32.0μmであることがより好ましく、15.5μm~31.0μmであることがさらに好ましく、18.0μm~22.0μmであることがさらにより好ましい。上記範囲であることで、強度と成形性をより両立しやすくなる。
原紙のそれぞれの坪量は、160g/m~650g/mであることが好ましく、200g/m~550g/mであることがより好ましく、260g/m~480g/mであることがさらに好ましく、310g/m~400g/mであることがさらにより好ましい。上記範囲であることで、強度と成形性をより両立しやすくなる。
また、原紙のそれぞれの密度は、成形加工性の観点から、通常0.50g/cm~1.20g/cmであり、好ましくは0.70g/cm~1.00g/cmである。
また、原紙のそれぞれの紙厚は、通常0.10mm~1.00mmであり、0.20mm~0.70mmであることがより好ましく、0.30mm~0.60mmであることがさらに好ましい。上記範囲であることで、強度と成形性をより両立しやすくなる。
原紙は、単層構成であってもよく、複層構成であってもよいが、単層構成であること(すなわち一層抄き)が好ましい。原紙を多層構成とする場合、原紙を構成する層の数は、通常2~10であり、好ましくは2~5であり、より好ましくは2~4である。
合紙における原紙全体の坪量は、400g/m~1800g/mであることが好ましく、500g/m~1100g/mであることがより好ましく、550g/m~900g/mであることがさらに好ましく、600g/m~850g/mであることがさらにより好ましい。
また合紙の密度は、通常0.50g/cm~1.20g/cmであり、好ましくは0.70g/cm~1.00g/cmである。
原紙に含まれる原料パルプは、前述の通り、木材パルプが好ましく、クラフトパルプが好ましい。クラフトパルプは、原料の違いから、広葉樹クラフトパルプ(LKP)および針葉樹クラフトパルプ(NKP)が挙げられる。また、処理状態の違いから、晒クラフト
パルプ(BKP)、未晒クラフトパルプ(UKP)および酸素漂白クラフトパルプ(OKP)が挙げられ、印刷適正の観点から、晒クラフトパルプ(BKP)が好ましい。
これらの中でも、原料パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)が好ましく、広葉樹クラフトパルプ(LKP)と針葉樹クラフトパルプ(NKP)とを併用することがより好ましい。広葉樹クラフトパルプ(LKP)と針葉樹クラフトパルプ(NKP)とを併用した場合の質量比(LKP/NKP)は、一般的な紙に用いられる比率であればとくに制限なく、1/99~99/1が好ましく、30/70~98/2がより好ましく、50/50~97/3がさらに好ましく、70/30~95/5がよりさらに好ましく、80/20~92/8がよりさらに好ましい。
また、広葉樹クラフトパルプ(LKP)としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましく、針葉樹クラフトパルプ(NKP)としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。
広葉樹クラフトパルプ(LKP)には、例えば、ユーカリ、タンオーク、アカシアなど公知の広葉樹の木材チップを使用することができる。また、針葉樹クラフトパルプ(NKP)には、例えば、カラマツ、エゾマツ、スギ、スラッシュパインなど公知の針葉樹の木材チップを使用することができる。
原料パルプの調製の際に、内添剤を添加してもよい。内添剤としては、サイズ剤、填料、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料・顔料等が挙げられる。
原紙の抄紙において、木材チップを、クラフト蒸解することが好ましい。クラフト蒸解の温度及び時間により、平均繊維幅を上記範囲に制御しやすくなる。クラフト蒸解に用いる蒸解白液は特に制限されず、公知のものを使用しうる。クラフト蒸解の時間は、目的とする繊維幅に応じて適宜変更すればよく、好ましくは0.5~6時間であり、より好ましくは1~4時間である。クラフト蒸解の温度も、目的とする繊維幅に応じて適宜変更すればよく、好ましくは140~190℃であり、より好ましくは150~180℃である。例えば、カッパー価が、広葉樹で、好ましくは20.0~30.0、より好ましくは23.0~28.0に、針葉樹で、好ましくは25.0~35.0、より好ましくは28.0~32.0になるように蒸解を行えばよい。
パルプのカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)は、特に制限されないが、好ましくは350~700mlであり、より好ましくは500~600mlである。
なお、CSFは、JIS-P8220に準拠して標準離解機にて試料を離解処理した後、JIS-P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
原紙の抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。抄紙機としては、長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等が挙げられる。
抄紙機によって形成された紙層は、たとえば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上記のようにして得られた原紙に、カレンダーによる表面処理を施して厚さやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
原紙の王研式平滑度(JIS P 8155:2010)は特に制限されないが、5秒
以上であることが好ましく、10~1000秒がより好ましい。また、原紙の75°光沢度も特に制限されないが、5%以上であることが好ましく、10~70%がより好ましい。
<接着層>
合紙は、少なくとも2層の原紙の間の接着層を含む。すなわち、原紙と原紙とは、接着層を介して積層される。接着層は、接着性を有する材料からなる層であればよい。接着層は、ドライラミネートとウェットラミネートに適する樹脂系の接着剤であることが好ましい。ウェットラミネートに適した接着剤がより好ましい。
接着層として、接着剤を用いて原紙と原紙とを積層してもよい。接着剤として特に限定されないが、水系、溶剤系、UV系などの種類を用いることができ、その中でも、水系接着剤が好ましい。すなわち、接着層は水系接着剤により形成された水系接着剤層であることが好ましい。また、水系接着剤の中でもアクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤およびイソシアネート系接着剤からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、接着力の制御がしやすい点と耐熱性の観点からアクリル系接着剤がより好ましい。
接着剤を用いる場合の、接着層の単位面積当たりの量(例えば、乾燥後の塗工量)としては、1~50g/mであることが好ましく、より好ましくは5~20g/mである。固形分がこの量となるように原紙上に塗工することが好ましい。
塗工には、接着剤を含有する塗工液を用いることが好ましく、接着剤を含有する塗工液に硬化剤を混合した混合塗工液を用いることがより好ましい。例えば、接着層は、水系接着剤の硬化物であることが好ましい。
接着層は、熱可塑性樹脂を含む層であってもよい。熱可塑性樹脂を用いることで、原紙上に加熱溶融した樹脂をコーティングし、もう一方の原紙を貼合することにより、容易に積層体である合紙を得ることができる。
熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂としては特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂の中から、適宜選択すればよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリアミド;ポリアクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステルが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートがより好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがさらに好ましく、ポリエチレンがよりさらに好ましい。
また、上記の材料の他、樹脂として、バイオマス樹脂や生分解性樹脂を用いてもよい。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂は、ラミネート層として、シート基材にラミネートできるものを用いてもよい。熱可塑性樹脂の中では、押し出しラミネート性とバリア性が優れることからポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン(PE)は、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のように区分される。これらの中では、押し出しラミネート性および発泡性に優
れることから、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
熱可塑性樹脂層は、公知の製造方法から適宜選択して製造すればよく、例えば、溶融押出法、溶融流延法、カレンダー法等の中から、適宜選択すればよい。
接着層は、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、同種や異種の樹脂からなる複数の層として形成してもよい。
接着層の厚さは、とくに限定されないが、成形加工適性の点から、好ましくは5~100μmであり、より好ましくは10~50μmである。
<熱可塑性樹脂層>
防水性及び防汚性の向上の観点から、合紙は、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有してもよい。また、合紙には、上記効果を損なわない程度に、その他の樹脂層などを設けてもよい。合紙は、一方の面に熱可塑性樹脂層を有していてもよいし、両方の面に熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂としては特に限定されず、接着層の熱可塑性樹脂として上述した公知の熱可塑性樹脂の中から、適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは、好ましくは1~200μmであり、より好ましくは5~100μmであり、さらに好ましくは10~50μmである。
<合紙の製造方法>
合紙を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。以下の製造方法の一例を示す。
まず、原紙Aと原紙Bとを調製し、原紙Aの片面に上記接着層となる接着剤を塗工し、このコーティング面に原紙Bをウェットラミネートして貼合させ、合紙を得ることができる。得られた合紙の片面または両面に、上記熱可塑性樹脂層を溶融押出コーティングしてもよい。
合紙は、前述の通り、少なくとも2層の原紙を含むもの(たとえば、原紙Aと原紙B)であるが、3層以上の原紙を含むものでもよい。合紙が3層以上の原紙を含む場合、それらの原紙どうしを接着する接着層は、それぞれ異なってもよいし、同じであってもよい。
さらに、得られた合紙を、収容物品の大きさや形状、輸送、展示への適合性を考慮し、適当な寸法に裁断してもよい。裁断は、同一形状の合紙を効率的に得る観点から、打ち抜き加工によることが好ましい。
打ち抜き加工は、高速自動打抜機、平盤打抜機、輪転打抜機を用いて行うことが好ましく、高速自動打抜機によることがより好ましい。高速自動打抜機、平盤打抜機によれば、四角形、角丸四角形、楕円形等の形状の合紙を容易に効率的に得ることができる。
<紙加工品>
合紙の用途は特に制限されず、適宜加工することで、紙加工品として用いられてもよい。合紙は紙加工品用であることが好ましい。紙加工品としては、例えば、カップ、トレイ等の紙容器、紙スプーン、紙フォーク、紙ナイフ、紙マドラー、紙ストロー、紙ハンガー等の紙製カトラリーが挙げられる。また、舌圧子などの医療機器に用いることもできる。加工方法は特に制限されず、公知の方法を採用しうる。例えば、プレス成形や真空圧空成形により、所望の形状に加工しうる。
以下、各物性の測定方法について記載する。
<パルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅>
原紙に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定する。具体的には以下の通りである。
(原紙の分離)
合紙から、原紙のそれぞれの分離は、以下の様に行う。まず、所定の大きさ(40cm角)にカットした合紙の片面をセルラーゼなどの酵素につけ、合紙の片面の原紙が完全に溶解したことを確認する。合紙が3層の原紙により形成される場合は、2層を溶解させて、測定対象の1層の合紙を得ればよい。その後、得られた、原紙を用いて、パルプの長さ加重平均繊維長の測定を行う。なお、原紙に樹脂層が付与されていてもよく、原紙に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長に違いは生じない。もしくは、100℃の熱水に含浸させ、スパチュラ等で原紙部分を採取し、採取物を用いてパルプの長さ加重平均繊維長の測定を行う。
(測定方法)
原紙を40cm角に切り出し、それをイオン交換水に浸し、固形分濃度2質量%に調整した上で、24時間浸漬する。24時間浸漬した後、標準型離解機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。もし、未離解パルプが存在するようならば、再度、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。原紙が樹脂層を有する場合には、樹脂層を有した形態にて、上記離解処理を行い、スラリー(パルプ繊維の分散液)を分取する。また、樹脂層を除けることができるならば、除いた形態にて離解処理を行うことが好ましい。なお、離解は、JISP8220-2:2012に準拠して行う。
得られた繊維のサンプルを用いて、繊維長測定機(型式FS-5 UHDベースユニット付、バルメット社製)を使用して、「長さ加重平均繊維長」を測定する。なお、測定は、ISO 16065-2:2007に準拠して行う。
また、同機器は、付属のカメラにより繊維の1本1本を検出し測定可能であり、ISO16505-2:2007規格に従って、被写界深度0.5mmの測定セル内で撮影される。同機器により、繊維長が0.01mm以上10.00mm以下の繊維長が撮影される。「繊維長」、「繊維幅」の測定には0.2mm以上7.6mm以下の繊維を選択するものとする。
上記方法により、繊維幅も同時に測定することができる。得られたすべての繊維の繊維幅の算術平均値を平均繊維幅とする。
合紙全体における、パルプの長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅は、分離した原紙から測定したすべての繊維長及び繊維幅に基づいて算出するものとする。
<坪量>
原紙又は合紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定する。
なお、合紙が原紙に加えて樹脂層を有する場合には、公知の方法及び下記の手順で樹脂層の材料、厚さ及び密度などを特定したうえで、原紙の坪量を算出しうる。
具体的には、所定の大きさにカットした、樹脂層が設けられた原紙の重量を測定(全重量)し、その後、樹脂層付きの原紙をセルラーゼなどの酵素につけ、原紙を完全に溶解させたことを確認する。その後、樹脂層のみの重量(樹脂層重量)を測定し、全重量から樹脂層重量を差し引くことで原紙のみの重量を算出し、原紙の坪量を測定する。
<厚さ>
合紙の厚さ(紙厚)は、JIS P 8118:2014に準拠して測定する。測定装置には、紙厚計(社名:株式会社東洋精機製作所、型番:No.132 デジタル測厚機)を用いることができる。
<密度>
原紙の密度は、上述した測定方法により得られた厚さ及び坪量から算出する。
以下、実施例を用いて発明を具体的に説明するが、発明の範囲が実施例の記載により限定されることはない。また、特にことわりがない限り、「部」は、「質量部」を表す
<原紙A1の調製>
木材チップとしてユーカリ45質量%、タンオーク15質量%、アカシア40質量%を用い、液比4、硫化度30%、有効アルカリ17質量%(NaOとして)となるように蒸解白液を調製した。なお、液比は、パルプ質量に対する白液(硫化ソーダ(NaS)+苛性ソーダ(NaOH))の質量の比である。硫化度は、硫化ソーダ濃度/{(苛性ソーダ濃度)+硫化ソーダ濃度}×100で算出される。
得られた蒸解白液に、ノニオン性界面活性剤〔商品名:ノイゲンLF-100X(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、HLB:14.5/第一工業製薬製〕を木材チップ絶乾質量に対して2.1%分散させたものをオートクレーブ内で木材チップに加えた後、蒸解温度165℃にて2時間クラフト蒸解を行った。
蒸解終了後、黒液を分離し、得られたパルプを高濃度離解機によって解繊した後、遠心脱水と水洗浄を3回繰り返した。次いで、スクリーンにより未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価25.8、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.012質量%である蒸解未漂白の広葉樹パルプを得た。
木材チップとしてカラマツ50質量%、エゾマツ20質量%、スギ20質量%、スラッシュパイン10質量%を用い、液比4、硫化度27%、有効アルカリ13質量%(NaOとして)となるように蒸解白液を調製した。蒸解白液に、ノニオン性界面活性剤〔商品名:ノイゲンLF-100X(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、HLB:14.5/第一工業製薬製〕を木材チップ絶乾質量に対して1.9%分散させたものをオートクレーブ内で木材チップに加えた後、蒸解温度155℃にて2時間クラフト蒸解を行った。
蒸解終了後、黒液を分離し、得られたパルプを高濃度離解機によって解繊した後、遠心脱水と水洗浄を3回繰り返した。次いで、スクリーンにより未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価30.6、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.010質量%である蒸解未漂白の針葉樹パルプを得た。
その後、それぞれ漂白工程を経て、漂白パルプであるLBKPとNBKPを得た。LBKP85部とNBKP15部をCSF550mlとなるよう混合叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤として0.40質量部、内添サイズ剤として2.10質量部、硫酸バンド2.3質量部を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて一層抄きの長網抄紙機により坪量280[g/m]の紙を抄紙した。
<原紙A2の調製>
坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、原紙A1と同様の条件で原紙A2を抄紙した。
<原紙A3の調製>
坪量530[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A3を抄紙した。
<原紙A4の調製>
LBKP90部、NBKP10部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A4を抄紙した。
<原紙A5の調製>
LBKP60部、NBKP40部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A5を抄紙した。
<原紙A6の調製>
LBKP95部、NBKP5部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A6を抄紙した。
<原紙A7の調製>
LBKP40部、NBKP60部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A7を抄紙した。
<原紙A8の調製>
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプの蒸解の条件を175℃にて3時間の蒸解に変更し、さらに坪量340[g/m]の紙に変更した以外はA1と同様の条件で原紙A8を抄紙した。
<原紙A9の調製>
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプの蒸解の条件を1時間30分の蒸解に変更し、さらに坪量340[g/m]の紙に変更した以外はA1と同様の条件で原紙A9を抄紙した。
<原紙A10の調製>
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプの蒸解の条件を1時間の蒸解に変更し、さらに坪量340[g/m]の紙に変更した以外はA1と同様の条件で原紙A10を抄紙した。
<原紙A11の調製>
坪量230[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A11を抄紙した。
<原紙A12の調製>
坪量650[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A12を抄紙した。
<原紙A13の調製>
LBKP100部、NBKP0部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A13を抄紙した。
<原紙A14の調製>
LBKP0部、NBKP100部の混合叩解に変更し、坪量340[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A14を抄紙した。
<原紙A15の調製>
広葉樹パルプ及び針葉樹パルプの蒸解の条件を175℃にて4時間の蒸解に変更し、さらに坪量340[g/m]の紙に変更した以外はA1と同様の条件で原紙A15を抄紙した。
<原紙A16の調製>
針葉樹パルプに係る蒸解の条件を150℃にて1時間の蒸解に変更し、LBKP60部、NBKP40部の混合叩解に変更し、さらに坪量340[g/m]の紙に変更した以外はA1と同様の条件で原紙A16を抄紙した。
<原紙A17の調製>
坪量680[g/m]の紙に変更した以外は、A1と同様の条件で原紙A17を抄紙した。
得られた原紙A1~A17の物性を表1に示す。
Figure 2023135996000002
<実施例1>
原紙A1の表面に、熱乾燥後の塗工量が15g/mとなるように、水性アクリル接着剤(EA-G34、東洋モートン株式会社製)100部に対して、硬化剤(CAT-EP8、東洋モートン株式会社製)3.5部を混合した塗工液を、リバースロールコーターを用いて塗工した。次に接着剤を塗工した面に、別の原紙A1をウェットラミネートして、原紙2層の合紙を得た。
<実施例2、3、5~7、12~17>
原紙の組み合わせを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、合紙を得た。
<実施例4、8~11、23~27>
原紙の組み合わせは、表2に記載の組み合わせとした。
原紙1の表面に、熱乾燥後の塗工量が15g/mとなるように、水性アクリル接着剤(EA-G34、東洋モートン株式会社製)100部に対して、硬化剤(CAT-EP8、東洋モートン株式会社製)3.5部を混合した塗工液を、リバースロールコーターを用いて塗工した。次に接着剤を塗工した面に、原紙2をウェットラミネートした。
さらに、原紙2の表面に、熱乾燥後の塗工量が15g/mとなるように、水性アクリ
ル接着剤(EA-G34、東洋モートン株式会社製)100部に対して、硬化剤(CAT-EP8、東洋モートン株式会社製)3.5部を混合した塗工液を、リバースロールコーターを用いて塗工した。次に接着剤を塗工した面に、原紙3をウェットラミネートして、原紙3層の合紙を得た。
<実施例18>
原紙の組み合わせを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、2層の合紙を作製後、原紙1側の表面にLDPE(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングして、合紙を得た。
<実施例19>
LDPEの乾燥膜厚を40μmとなるよう溶融押出コーティングした以外は、実施例19と同様にして、合紙を得た。
<実施例20>
原紙の組み合わせを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、2層の合紙を作製後、原紙1側の表面にPP(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:PHA03A)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングして、合紙を得た。
<実施例21>
原紙の組み合わせを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、2層の合紙を作製後、原紙1側の表面にLDPE(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングした。その後、原紙2側の表面にLDPE(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングして、合紙を得た。
<実施例22>
原紙の組み合わせを表2のようにして実施例4と同様にして、3層の合紙を作製後、原紙1側の表面にLDPE(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングした。その後、原紙3側の表面にLDPE(社名:日本ポリエチレン株式会社、型番:LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングして、合紙を得た。
<比較例1~10>
原紙の組み合わせを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、合紙を得た。
<比較例11>
原紙A17を一枚、ラミネートせずそのまま用いた。
<強度の評価>
得られた実施例1~27及び比較例1~11の合紙に対し、以下のとおり強度の評価を行った。
実施例、比較例で作製した合紙を縦(抄紙方向MD)100mm×横(抄紙方向に対して垂直方向CD)15mmに切り出した。切り出したサンプルを23℃50%Rh環境下に24時間静置し、調温調湿を行った。
上記環境下中で図2のようにサンプルをセットした。すなわち、作業台21からサンプル22を5cm突出させて、サンプル22が試験中に動かないようにテープ23で作業台21に固定した。円盤分銅100g(社名:新光電子株式会社、品番:M1DS-100G)、円盤分銅200g(社名:新光電子株式会社、品番:M1DS-200G)、又は300gの重り24(300gの重りは、上記円盤分銅100gに円盤分銅200gを重
ねて使用)を、それぞれサンプル22の先端にのせた。なお、重り24がサンプルのCD方向の中央に位置するように、また、サンプル22の先端と重り24の先端が合わさるように置いた。サンプルと重りは両面テープ(社名:3M、品番:スコッチ超強力両面テープ プレミアゴールド スーパー多用途PPS-10)にて固定した。以下の基準で評価して、3以上を良好と判断した。結果を表2に示す。
<評価基準>
4:いずれの重りでも、サンプルに折れは発生しなかった。
3:100g、200gの重りではサンプルに折れは発生しなかったが、300gの重りでは折れが発生した。
2:100gの重りではサンプルに折れは発生しなかったが、200g、300gの重りでは折れが発生した。
1:いずれの重りでも、サンプルに折れが発生した。
<成形性の評価>
得られた実施例1~23及び比較例1~11の合紙に対し、以下のとおり成形性の評価を行った。
実施例、比較例で作製した合紙を100mm(MD)×40mm(CD)に切り出した。切り出したサンプルを23℃50%Rh環境下に24時間静置し、調温調湿を行った。そして、サンプルを口径(直径)50mmのSUS管(社名:日鉄ステンレス鋼管株式会社、品番:SUS304TPA4×50×2M)へ手動により巻き付け、巻き付けた状態から解放した状態での、サンプルの変化を目視により確認した。直径50mmという条件は、径が短いためシワや折れが発生しやすい厳しい条件となる。以下の基準で評価し、2以上を良好と判断した。結果を表2に示す。
<評価基準>
3:試験後に、サンプルの内側にシワが生じた程度だった。
2:試験後に、サンプルの巻き付けた内側にシワが生じ、サンプルの巻き付けた外側に折れが生じた。
1:試験後に、サンプルの巻き付けた内側にシワが生じ、サンプルの巻き付けた外側に折れが生じ、紙の層間に剥がれが見られた。
Figure 2023135996000003

表中、原紙坪量は、合紙における原紙のみの坪量を示す。熱可塑性樹脂層の位置に関し、「1」は原紙1側の表面に熱可塑性樹脂層を設けたことを意味する。「1/2」は、原紙1側と原紙2側に、それぞれ、表に記載の種類・厚さの熱可塑性樹脂層を設けたことを意味する。
1、2 原紙
3 接着層
4 熱可塑性樹脂層
10 合紙
21 作業台
22 サンプル
23 テープ
24 重り
<紙加工品>
合紙の用途は特に制限されず、適宜加工することで、紙加工品として用いられてもよい。合紙は紙加工品用であることが好ましい。紙加工品としては、例えば、カップ、トレイ等の紙容器、紙スプーン、紙フォーク、紙ナイフ、紙マドラー、紙ストロー等の紙製カトラリー、紙ハンガーが挙げられる。また、舌圧子などの医療機器に用いることもできる。加工方法は特に制限されず、公知の方法を採用しうる。例えば、プレス成形や真空圧空成形により、所望の形状に加工しうる。

Claims (7)

  1. 少なくとも2層の原紙と、該少なくとも2層の原紙の間の接着層を含む合紙であって、
    該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が、0.60mm~1.50mmであり、
    該原紙のうち、2層以上の該原紙のそれぞれに含まれる該パルプの平均繊維幅が、14.0μm~35.0μmであり、
    該合紙の厚さが、0.68mm~1.40mmである、合紙。
  2. 前記原紙のうち、2層以上の前記原紙のそれぞれに含まれる前記パルプの長さ加重平均繊維長が、0.80mm~1.30mmである、請求項1に記載の合紙。
  3. 前記少なくとも2層の原紙が、3層の原紙である請求項1又は2に記載の合紙。
  4. 前記合紙は、少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の合紙。
  5. 前記合紙に含まれるパルプの長さ加重平均繊維長が、0.60mm~1.50mmであり、
    前記合紙に含まれるパルプの平均繊維幅が、14.0μm~35.0μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の合紙。
  6. 前記原紙のそれぞれの坪量が、200g/m~550g/mである、請求項1~5のいずれか1項に記載の合紙。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の合紙を加工して得られる紙加工品。

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