JP2023124576A - 送液デバイス - Google Patents

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Yuko Miyahisa
知明 横田
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Abstract

【課題】複数の弁部同士が重なっても本体部の物性値の変化を抑制しつつ、弁部の機能性を向上できる送液デバイスを提供する。【解決手段】管腔臓器2を連通し、一方側から管腔臓器2内に留置される他方側に体液を流す送液デバイス1は、一方側に体液の流入部を有する筒状の本体部10と、本体部10の他方側に設けられた第1の弁部13と、第1の弁部13および本体部10の他方側を外側から覆う第2の弁部14と、を備える。本体部10における第2の弁部14と第1の弁部13が重なって設けられる第1領域21は、第1領域21よりも一方側の第2領域22に比べて軸方向の柔軟性が高い。【選択図】図1

Description

本発明は、送液デバイスに関する。
従来、食道、胃、十二指腸、大腸、膵臓、胆道、胆嚢等の腫瘍、周囲のリンパ節、血管等の検査や治療を、超音波内視鏡(EUS:Endoscopic Ultrasonography)を用いて経口的に行う手技が知られている。
また、特許文献1には、超音波内視鏡下で行われるドレナージ術に適用されるステントとして、逆流を防止して管腔臓器に体液を一方向に流すことができる構成が開示されている。特許文献1のステントは、管腔臓器の内壁を貫通して管腔臓器に留置される本体部と、本体部における体液の逆流を防止する弁部を備えている。
国際公開2021/044837号公報
ところで、弁部を複数設ける場合、弁部同士が重なった部分ではステントの物性値(例えば、柔軟性等)が変化する事象が生じうる。
そこで、本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、複数の弁部同士が重なっても本体部の物性値の変化を抑制しつつ、弁部の機能性を向上できる送液デバイスを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、管腔臓器を連通し、一方側から管腔臓器内に留置される他方側に体液を流す送液デバイスである。送液デバイスは、一方側に体液の流入部を有する筒状の本体部と、本体部の他方側に設けられた第1の弁部と、第1の弁部および本体部の他方側を外側から覆う第2の弁部と、を備える。本体部における第2の弁部と第1の弁部が重なって設けられる第1領域は、第1領域よりも一方側の第2領域に比べて軸方向の柔軟性が高い。
本発明によれば、複数の弁部同士が重なっても本体部の物性値の変化を抑制しつつ、弁部の機能性を向上できる送液デバイスを提供できる。
第1実施形態の送液デバイスの構成例を示す図である。 送液デバイスの留置状態の一例を示す概略図である。 留置状態における送液デバイスの他方側を部分的に示す図である。 送液デバイスの他方側の弁部を示す図である。 (a)は第1領域での送液デバイスの横断面を示す図であり、(b)は第2領域での送液デバイスの横断面を示す図である。 第2実施形態の変形例の送液デバイスを示す図である (a)は第3実施形態における第2領域の骨格部の例を示す図であり、(b)は第3実施形態における第1領域の骨格部の例を示す図である。 (a)は送液デバイスの留置状態の別例を示す概略図であり、(b)は留置状態の別例における送液デバイスの他方側を部分的に示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る送液デバイスの構成例について説明する。本実施形態では、送液デバイスの一例として、腹腔内に貯留された体液を腹腔臓器に還流する送液デバイスについて説明する。
ここで、図面における各部の形状、寸法等は模式的に示したもので、実際の形状や寸法等を示すものではない。図面において、送液デバイスの軸方向Axを必要に応じて矢印で示す。また、軸方向Axと略直交する方向を径方向と定義する。なお、必要に応じて、図面において送液デバイスの一方側を符号Bで示し、他方側を符号Fで示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の送液デバイス1の構成例を示す図である。図2は送液デバイス1の留置状態の一例を示す概略図である。図3は、留置状態における送液デバイスの他方側を部分的に示す図である。図4は、送液デバイスの他方側の弁部を示す図である。図5(a)は第1領域での送液デバイスの横断面(軸方向と直交する平面での断面)を示す図であり、図5(b)は第2領域での送液デバイスの横断面を示す図である。
送液デバイス1は、全体形状が筒状のデバイスである。送液デバイス1は、腹腔に過剰に貯留され、白血球やタンパク質等の有用な成分を含む腹水(体液)を腹腔臓器2(例えば、胃)に還流させるために使用される。図2、図3に示すように、送液デバイス1は、腹腔臓器2の壁2aに形成された開口2bに挿入されて留置される。送液デバイス1の一方側は、体液の流れ方向の上流側であり、腹腔3内に配設される。送液デバイス1の他方側は、体液の流れ方向の下流側であり、腹腔臓器2内に配設される。
腹腔臓器2としては、例えば、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化器、消化管が挙げられるが、一例であってこれに限られるものではない。
図1に示すように、送液デバイス1は、軸方向Axの一方側と他方側が連通する筒状の本体部10と、第1係止部30および第2係止部40を備える。図2、図3の留置状態において、本体部10の内部空間は、一方側から他方側に向けて体液が通過可能な流路を形成する。なお、本体部10の軸方向Axおよび径方向の寸法は、患者の体に必要以上の負荷をかけずに、腹腔3内に貯留された体液を腹腔臓器2内に導くことができる範囲で適宜決定される。
本体部10は、筒状の骨格部11と、骨格部11に固定された被膜部12とを有している。また、本体部10は、軸方向Axの他方側に第1の弁部13および第2の弁部14を有し、軸方向Axの一方側の端部が開口している。また、本体部10の一方側の側面部には、本体部10への体液の流入を補助するために、被膜部12を内外に貫通する複数の流入補助孔15aが設けられている。これにより、本体部10には、一方側の開口15と流入補助孔15aから体液が流入する。なお、流入補助孔15aは本体部10に必ずしも設けられていなくてもよい。
骨格部11は、第1の弁部13の先端部分(後述する平坦部13b)を除く本体部10に配設されている。
骨格部11は、拡張状態の形状が記憶されたいわゆる自己拡張型の構成であって、径方向内側に収縮した収縮状態から径方向外側に拡張する拡張状態へと拡縮可能である。送液デバイス1は、図示は省略するが、径方向内側に収縮された状態(不図示)でシースに収納され、超音波内視鏡(EUS:Endoscopic Ultrasonography)を介して患者の体内に導入される。
骨格部11の材料としては、例えば、Ni-Ti合金、ステンレス鋼、チタン合金などに代表される公知の金属又は金属合金等が挙げられる。なお、骨格部11は、金属以外の材料(例えば、セラミックや樹脂等)で形成されていてもよい。
骨格部11を構成する材料としてNi-Ti合金を用いる場合、骨格部11を拡張状態の形状に整えた後、所定の熱処理を施すことにより、拡張状態の形状を骨格部11に記憶させることができる。
また、骨格部11の線材にはX線造影性を有する合金材料を用いてもよく、あるいはX線造影性を有する合金材料で形成されたマーカ片(不図示)を線材に適宜取り付けてもよい。これらの場合、送液デバイス1の位置を体外から確認できるようになる。
また、骨格部11は、軸方向Axにおいて柔軟性の異なる第1領域21および第2領域22を有している。第1領域21は、本体部10の他方側に位置する領域である。第1領域21は、後述のように、本体部10において第2の弁部14と第1の弁部13が重なって設けられる部位に対応する。第2領域22は、第2領域よりも本体部10の一方側に位置する領域である。
以下、第1領域21の骨格部を骨格部11aとも称し、第2領域22の骨格部を骨格部11bとも称する。なお、骨格部11a,11bに共通する事項を説明するときには、骨格部11と総称する。
骨格部11は、金属素線からなる線材をフェンス状に編み込んで構成された格子状の網目構造を有している。図1、図3に示すように、第1領域21の骨格部11aは、第2領域22の骨格部11bと比べて、網目の軸方向の間隔が小さい構造である。
網目の軸方向の間隔が小さい骨格部11aは、網目の軸方向の間隔が大きい骨格部11bと比べて、軸方向で線材同士のフックされる節が多く、線材の直線部分の寸法も短い。すなわち、骨格部11aでは、骨格部11bと比べて網目を構成する線材の直線性が低く、軸方向に対する曲げを許容する節の数も多くなる。これにより、第1領域21の骨格部11aは、第2領域22の骨格部11bと比べて軸方向の柔軟性が高くなり、骨格部11bよりも軸方向に曲がりやすくなる。
骨格部11a,11bの線材の線径は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、骨格部11aの線材の線径を骨格部11bの線材の線径よりも細くすると、第1領域21で骨格部11aの剛性が低くなり、骨格部11aの軸方向の柔軟性をより高くすることができる。
ここで、骨格部11aの網目の軸方向の間隔や線径は、後述する二つの弁部(第1の弁部13および第2の弁部14)が重ね合わされた状態での第1領域21と第2領域22の物性値を基準として規定されている。具体的には、骨格部11aは、弁部の重なりで生じる第1領域21と第2領域22の物性値の差(弁部の重なりによる本体部10の曲がりにくさ)を小さくするように、網目の軸方向の間隔や線径が規定されている。
被膜部12は、上述の流路を形成する筒状の可撓性の膜体であって、骨格部11の隙間部分を閉塞するように骨格部11に取り付けられている。本実施形態では、図5(a)、(b)に示すように、被膜部12は、骨格部11の外周側に取り付けられている。骨格部11に対する被膜部12の固定方法は、例えば、ディッピングによる被膜の形成、糸による縫着、接着、溶着、テープ等による貼着等のいずれでもよい。
被膜部12は、腹腔臓器2内で腹腔臓器の消化液(例えば胃液)にさらされる環境下で使用されるため、耐酸性および生体適合性を有する材料で形成される。被膜部12の材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン樹脂などが挙げられる。超高分子量ポリエチレンは、分子量が100~700万のポリエチレンである。
なお、留置される腹腔臓器2の種類や状態によってpH値が高い場合や、留置期間が比較的短い場合等には、被膜部12は必ずしも耐酸性を有していなくてもよい。
送液デバイス1では、本体部10が被膜部12の膜体によって連続的に覆われている。これにより、留置時に腹腔臓器2の壁2aの開口2bに臨み、腹腔臓器2の壁2aを通過する部位(例えば、第1係止部30と第2係止部40の間の領域)と、その下流側で腹腔臓器2内に配設される部位(第1係止部30から第1の弁部13までの領域)は、いずれも耐酸性および生体適合性を有する膜体で流路が一体に構成される。
なお、被膜部12は、送液デバイス1の部位ごとに膜体の物性を異ならせてもよい。例えば、腹腔臓器2の壁2aを通過する部位とその下流側の部位(腹腔臓器2内に配設される部位)には、耐酸性を有する膜体を配設し、これら以外の部位には耐酸性を有しない膜体を配設してもよい。
第1の弁部13および第2の弁部14はいずれも逆流防止弁であって、一方側から他方側に体液を流すとともに、他方側からの体液の逆流を防止する機能を担う。
第1の弁部13は、本体部10の他方側に設けられ、全体として一方側の流路断面積よりも他方側の流路断面積が小さい先細り形状に形成されている。第1の弁部13は、一方側から他方側に向けて順にテーパー部13aと、弾性変形可能な平坦部13bとを有する。また、平坦部13bの他方側には流出口13cが形成されている。
テーパー部13aは、軸方向Axに直交する第1方向D1の寸法がほぼ一定であり、軸方向Axおよび第1方向D1に対して略直交する第2方向D2の寸法が一方側から他方側に向かうにつれて狭くなる形状に形成されている。つまり、テーパー部13aでは、一方側から他方側に向けて流路断面積が徐々に小さくなる。なお、第1方向D1、第2方向D2は図4に示す。
また、第1の弁部13のテーパー部13aには、流出口13cに向けて延びる一対の延出部11c,11cが配置されている。一対の延出部11c,11cは、骨格部11aを構成する金属素線の一部からなり、本体部10の管軸を挟んで向かい合うように配置され、本体部10の径方向に対向する2つの山部の高さが、他の山部の高さよりも高くなっている。
また、平坦部13bは、第1方向D1及び第2方向D2の寸法が軸方向Axに沿って保持され、第2方向D2では膜体がほぼ密着する扁平状に形成された開閉部位である。また、平坦部13bの他方側には、腹腔臓器2内に体液を流出させる流出口13cが形成されている。なお、平坦部13bの第1方向D1の寸法は、例えば、軸方向Axに沿って変化してもよい。
平坦部13bは、第1の弁部13の一方側で体液の内圧が所定未満のときには、第1方向D1に直線状に延びるとともに、第2方向D2において膜体が密着する。これにより、第1の弁部13の一方側での体液の内圧が所定未満のときの平坦部13bは、流出口13cが閉塞された状態に維持され、体液を流しにくくなる。
一方、平坦部13bは、一方側から第1の弁部13に流入する体液の内圧が所定以上になると、膜体が体液の内圧で押し広げられて第2方向D2に離間する。これにより、第1の弁部13の一方側での体液の内圧が所定以上のときの平坦部13bは、流出口13cが開口した状態となり、他方側に体液を流す。
以上のように、第1の弁部13は、流出口13cが開口した状態で当該流出口13cから腹腔臓器2内への体液の排出を許容する一方で、流出口13cが閉塞された状態で当該流出口13cを介して消化液を含む体液が腹腔臓器2から送液デバイス1に逆流することを抑制する。なお、流出口13cは、体液を排出するときに例えば楕円形状や矩形状に開口するが、流出口13cの開口形状は体液が通過可能な形状であれば特に限定されるものではない。
第1の弁部13は、生体適合性を有するとともに、弾性変形可能な薄膜材料で形成される。第1の弁部13の材料としては、例えば、シリコン樹脂や、PTFE等のフッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン樹脂などが挙げられる。なお、第2の弁部14によって第1の弁部13は消化液と直接接触しないため、第1の弁部13には、耐酸性を問わずにシリコン樹脂などの逆流防止弁に適した物性の材料を使用できる。
第1の弁部13をシリコン樹脂で形成する場合、ディッピングにより本体部10の他方側に第1の弁部13を形成できる。また、第1の弁部13は、被膜部12の膜体によって本体部10と一体に形成されてもよい。
第2の弁部14は、第1の弁部13の外側に取り付けられ、第1の弁部13を外側から覆う。外側の第2の弁部14は腹腔臓器2の消化液にさらされるが、内側の第1の弁部13は腹腔臓器2の消化液と直接接触しない。そのため、第2の弁部14によって第1の弁部13が酸性の消化液で劣化することを抑制でき、第1の弁部13の逆流防止機能を長期間維持することが容易となる。
第2の弁部14は、他方側に弁が形成された薄膜の筒状体を、第1の弁部13を有する本体部10の他方側に被せて固定することで一体化される。そして、第2の弁部14の一方側の端部14dは、例えば、溶着、接着などによって、本体部10の外周に液密に固定されている。これにより、第2の弁部14と本体部10との間から腹腔臓器2の消化液が浸入することが抑制される。
また、第2の弁部14は、軸方向の柔軟性が高い骨格部11aが配設された第1領域21を覆う。第1領域21では第2の弁部14が第1の弁部13および本体部10を被覆しているが、第1領域21と第2領域22の物性値(柔軟性等)の差を小さくするように、骨格部11aの網目の軸方向の間隔や線径が規定されている。そのため、第2領域22と比べて本体部10の第1領域21での物性値の変化が抑制される。例えば、本体部10の第1領域21では弁部が重なっていても、第1領域21と第2領域22の物性値の差が小さくなるよう調整されるので、第2領域22と比べてアキシャルフォースが部分的に増加しにくい。
第2の弁部14は、第1の弁部13と同様に、全体として一方側の流路断面積よりも他方側の流路断面積が小さい先細り形状に形成されている。第2の弁部14は、一方側から他方側に向けて順にテーパー部14aと、弾性変形可能な平坦部14bとを有する。また、平坦部14bの他方側には流出口14cが形成されている。テーパー部14a、平坦部14b、流出口14cの基本構成および動作は、第1の弁部13と同様である。
第2の弁部14は、生体適合性を有するとともに、弾性変形可能な薄膜材料で形成される。第2の弁部14の材料としては、例えば、シリコン樹脂や、PTFE等のフッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン樹脂などが挙げられる。第2の弁部14は、第1の弁部13と同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。また、シリコン樹脂よりも耐酸性の高いフッ素樹脂やポリエチレン樹脂で第2の弁部14を形成する場合、腹腔臓器2の消化液にさらされる第2の弁部14の耐酸性を向上させることができる。
また、第1係止部30は、本体部10の外周に環状に設けられ、第1の弁部13から一方側に軸方向に間隔を空けて配置されている。第1係止部30は、留置時に腹腔臓器2の内側に配置され、送液デバイス1に対して一方側へ変位させる外力が作用したときに、腹腔臓器2の壁2aの内面に引っかかることで送液デバイス1を腹腔臓器2から抜け止めして腹腔3への逸脱を抑制する機能を担う。
第1係止部30は、骨格部31を有し、他方側から一方側に向かうにつれて金属骨格が外周側に広がって突出する形状をなしている。骨格部31は、例えば、本体部10の骨格部11とは別体で形成され、縫着やかしめ等によって本体部10に取り付けられる。また、骨格部31には、骨格部31の隙間部分を閉塞するように薄膜のカバー32が取り付けられている。
第2係止部40は、第1係止部30と同様に本体部10の外周に環状に設けられ、第1係止部30から一方側に軸方向に間隔を空けて配置されている。第1係止部30と第2係止部40の間隔は、第1係止部30と第2係止部40の間に腹腔臓器2の壁2aが入り込める寸法となっている。
第2係止部40は、留置時に腹腔臓器2の外側に配置され、第1係止部30とともに腹腔臓器2の壁2aを挟み込んで送液デバイス1の軸方向Axの位置ずれ(マイグレーション)を抑制する機能を担う。また、第2係止部40は、送液デバイス1に対して他方側へ変位させる外力が作用したときに、腹腔臓器2の壁2aの外面に引っかかることで送液デバイス1の腹腔臓器2内への逸脱を抑制する機能も担う。
第2係止部40は、骨格部41と、骨格部41の隙間部分を閉塞する薄膜のカバー42とを有する。第2係止部40は、第1係止部30と同様に他方側から一方側に向かうにつれて金属骨格が外周側に広がって突出する形状をなしている。
なお、第1係止部30と第2係止部40の骨格部31,41の形状やカバー32,42の有無は適宜変更することができる。
次に、送液デバイス1を腹腔臓器2に留置する手順を説明する。送液デバイス1を留置する手技は、例えば経内視鏡的に行われるが、一例であってこれに限られるものではない。
まず、送液デバイス1を挿入するために、例えば、超音波内視鏡を用いて切開や穿刺等により腹腔臓器2の壁2aに開口2bが形成される。腹腔臓器2の開口2bの大きさは、送液デバイス1の本体部10の寸法に応じて適宜調整される。
そして、上記の開口2bに対して、径方向内側に収縮された送液デバイス1を筒状のシース内に収容したカテーテル(不図示)が挿通される。その後、軸方向Axにおいて送液デバイス1の第1係止部30と第2係止部40の間に腹腔臓器2の壁2aが位置する状態で、カテーテルのシースを引き抜くように移動させる。すると、シースから送液デバイス1が放出される。このとき、送液デバイス1の他方側は腹腔臓器2内に配設され、送液デバイス1の一方側は腹腔3内に配設される。
送液デバイス1は、シースから放出されることで径方向外側に自己拡張する。これにより、拡張した本体部10は腹腔臓器2の開口2bを押し広げるようにして壁2aに密着し、腹腔臓器2と送液デバイス1の隙間は塞がれる。なお、送液デバイス1の内側に留置用のカテーテルとは異なる拡張用カテーテル(不図示)を挿通し、拡張用カテーテルの膨張によって送液デバイス1を径方向外側に拡張させてもよい。
また、送液デバイス1の第1係止部30は腹腔臓器2の内側で開口よりも径方向に拡がるように拡張し、第2係止部40は腹腔臓器2の外側で開口よりも径方向に拡がるように拡張する。これにより、腹腔臓器2の壁2aは第1係止部30と第2係止部40で内外から挟みこまれた状態となる。そのため、例えば、腹腔臓器2のぜん動や患者の寝返りなどの姿勢変化による外力が送液デバイス1に作用しても、腹腔臓器2に対して送液デバイス1が軸方向Axに位置ずれしにくい。
以上のようにして、他方側が腹腔臓器2内に配設され、一方側が腹腔3に配設された状態で送液デバイス1を患者の体内に留置できる。
体液で膨張した腹腔3の内圧よりも腹腔臓器2内の圧力が小さくなる場合、本体部10の一方側の開口15と流入補助孔15aから体液が本体部10内に流入する。本体部10に流入した体液は、第1の弁部13および第2の弁部14を順に通過して腹腔臓器2内に排出される。なお、第1の弁部13および第2の弁部14は逆流防止弁であるので、消化液を含む体液が腹腔3に逆流することは抑制される。
以下、第1実施形態の送液デバイス1の効果を述べる。
送液デバイス1は、腹腔臓器2(管腔臓器)を連通し、一方側から腹腔臓器2内に留置される他方側に体液を流す。送液デバイス1は、一方側に開口15(流入部)を有する筒状の本体部10と、本体部10の他方側に設けられた第1の弁部13と、第1の弁部13および本体部10の他方側を外側から覆う第2の弁部14と、を備える。
送液デバイス1は、腹腔3内に貯留される体液を腹腔臓器2内に流出させるので、腹腔3の体液は腹腔臓器2の消化作用で体内に吸収される過程を経て還流される。したがって、送液デバイス1によれば、腹腔3の体液を血管内に直接還流する場合と比べて心不全や血栓の形成などの重篤な合併症を発症するリスクを大幅に抑制できる。
また、送液デバイス1において、第1の弁部13を外側から覆う第2の弁部14を設けることで、第1の弁部13の劣化が抑制されるとともに体液の逆流をより確実に防止でき、送液デバイス1の弁部の機能性が向上する。
一方で、本体部10における第2の弁部14と第1の弁部13が重なって設けられる第1領域21は、第1領域21よりも一方側の第2領域22に比べて軸方向の柔軟性が高い。そのため、第2の弁部14と第1の弁部13が重なる第1領域21で本体部10の物性値の変化が抑制され、送液デバイス1全体で柔軟性などの物性値を均一に保ち易くなる。
また、本体部10は、格子状の網目構造の骨格部11を有し、第1領域21での骨格部11aの網目は、第2領域22での骨格部11bよりも網目よりも軸方向の間隔が小さい。骨格部11aは網目を構成する線材の直線性が低く、軸方向に対する曲げを許容する節の数も多くなる。そのため、第1領域21の骨格部11aは、第2領域22の骨格部11bと比べて軸方向の柔軟性が高くなる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の送液デバイス1aを示す図である。なお、以下の各実施形態の説明では、第1実施形態の送液デバイス1と同様の構成には共通の符号を付して重複説明を省略する。
図6の送液デバイス1aでは、第1領域21の骨格部11a’は、金属細線がジグザグに折り返されながら螺旋状に巻回される構造を有する。一方で、第2領域22の骨格部11bは格子状の網目構造を有する。上記の骨格部11a’,11bは、金属素線からなる線材を編み込んで形成されてもよく、金属製の薄肉円筒体をレーザーカットすることで形成されてもよい。
送液デバイス1aでは、第2領域22の骨格部11bは格子状の網目構造を有し、第2領域22での線材は周方向の複数箇所で軸方向に連結される。これに対し、第1領域21の骨格部11a’は線材がらせん状に巻回されるため、第1領域21での線材は周方向の1点でのみ軸方向に連結される。したがって、第1領域21での骨格部11a’は、第2領域22の骨格部11bよりも軸方向に連結される部位が少ないので骨格部11bと比べて軸方向の柔軟性が高くなり、骨格部11bよりも軸方向に曲がりやすくなる。そのため、第2実施形態の構成においても、第1実施形態と同様に、弁部の重なる第1領域21で本体部10の物性値の変化が生じることを抑制できる。
また、第2実施形態における第1領域21の骨格部11a’は、リング状の骨格片を軸方向に間隔をおいて複数配列した構造であってもよい(不図示)。上記の骨格片は、例えば、ジグザグに折り返された金属細線を環状に接続した形状をなしている。第1領域21での骨格部11a’として上記のリング状の骨格片を適用した場合にも、第2領域22の骨格部11bよりも軸方向に連結される部位が少なくなり、骨格部11bと比べて軸方向の柔軟性を高くできる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1領域21と第2領域22で線材を編むパターンを変更する構成例である。図7(a)は、第3実施形態における第2領域22の骨格部11bの例を示し、図7(b)は、第3実施形態における第1領域21の骨格部11aの例を示す。
図7(a)に示す第2領域22の骨格部11bでは、2本の線材51,52をフェンス状に編み込んで格子状の網目構造が形成される。これに対し、図7(b)に示す第1領域21の骨格部11aでは、1本の線材51をフェンス状に編み込んで格子状の網目構造が形成される。
図7(a)の骨格部11bでは、2本の線材51,52を用いるため周方向(図中左右方向)で線材の交差箇所53が2箇所生じる。線材の交差箇所53では線材の直線部分の寸法が長くなるため、骨格の直線性が高くなる。一方で、図7(b)の骨格部11aでは、1本の線材51を用いるため周方向(図中左右方向)で線材の交差箇所53が1箇所となる。そのため、図7(b)の骨格部11aでは、骨格部11bよりも線材の交差箇所53が減少する分、軸方向の柔軟性が高くなる。そのため、第3実施形態の構成においても、第1実施形態と同様に、弁部の重なる第1領域21で本体部10の物性値の変化が生じることを抑制できる。
(第4実施形態)
第4実施形態として、例えば、第1領域21と第2領域22の骨格部のパターンを同一形状とし、第1領域21の骨格部11aの線径を第2領域22の骨格部11bより細くしてもよい。この場合も、第1領域21で骨格部11aの剛性が相対的に低くなり、骨格部11aの軸方向の柔軟性を高くできる。そのため、第4実施形態の構成においても、第1実施形態と同様に、弁部の重なる第1領域21で本体部10の物性値の変化が生じることを抑制できる。
第4実施形態での骨格部11a,11bのパターンはいかなるものでもよい。なお、第4実施形態での骨格部11a,11bは、例えば線径の異なる線材を用いて形成されてもよく、金属製の薄肉円筒体をレーザーカットすることで形成されてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
上記実施形態では、腹腔内に貯留された体液を腹腔臓器に還流する送液デバイス1を説明した。しかし、本発明の送液デバイス1の用途は上記に限定されない。例えば、送液デバイス1は、2つの管腔臓器を連通して留置され、一方側の第1の管腔臓器から他方側の第2の管腔臓器に体液を流すものであってもよい。
図8(a)は、送液デバイス1の留置状態の別例を示す概略図であり、図8(b)は留置状態の別例における送液デバイス1の他方側を部分的に示す図である。図8では、胆のうドレナージ術に適用される送液デバイス1の例を示している。
図8に示すように、送液デバイス1は、一方側の胆のう4と他方側の十二指腸5を連通して留置され、胆のう4に貯留された胆汁を十二指腸5に流す。送液デバイス1の本体部10は胆のう4の壁4aと十二指腸5の壁5aをそれぞれ連通する。開口15および流入補助孔15aを有する本体部10の一方側と、第2係止部40が胆のう4内に配設される。また、第1の弁部13および第2の弁部14と、第1係止部30が十二指腸5内に配設される。そして、第1係止部30と第2係止部40によって胆のう4の壁4aと十二指腸5の壁5aが挟み込まれた状態で送液デバイス1が留置される。
図8の送液デバイス1によれば、胆のう4の胆汁を十二指腸5に直接流すことができるとともに、十二指腸5から胆のう4への体液の逆流を防ぐことができる。また、図8の送液デバイス1によれば、第1の弁部13および第2の弁部14により、十二指腸5内への胆汁の流入速度を調整することもできる。
また、上記実施形態では、被膜部12として、骨格部11の外周側に取り付けられているものを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、骨格部11の内周側に被膜部12が取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態の本体部10は、第1の弁部13と第2の弁部14の他に、さらに一方側に逆流防止弁(不図示)を備えていてもよい。
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1,1a…送液デバイス、2…腹腔臓器、2a…壁、2b…開口、3…腹腔、4…胆のう、4a…壁、5…十二指腸、5a…壁、10…本体部、11,11a,11a’,11b…骨格部、11c…延出部、12…被膜部、13…第1の弁部、13a…テーパー部、13b…平坦部、13c…流出口、14…第2の弁部、14a…テーパー部、14b…平坦部、14c…流出口、14d…端部、15…開口(流入部)、15a…流入補助孔、21…第1領域、22…第2領域、30…第1係止部、31…骨格部、32…カバー、40…第2係止部、41…骨格部、42…カバー

Claims (6)

  1. 管腔臓器を連通し、一方側から前記管腔臓器内に留置される他方側に体液を流す送液デバイスであって、
    一方側に前記体液の流入部を有する筒状の本体部と、
    前記本体部の他方側に設けられた第1の弁部と、
    前記第1の弁部および前記本体部の他方側を外側から覆う第2の弁部と、を備え、
    前記本体部における前記第2の弁部と前記第1の弁部が重なって設けられる第1領域は、前記第1領域よりも一方側の第2領域に比べて軸方向の柔軟性が高い
    送液デバイス。
  2. 前記本体部は、格子状の網目構造の骨格部を有し、
    前記第1領域での前記骨格部の網目は、前記第2領域での前記骨格部よりも網目よりも軸方向の間隔が小さい
    請求項1に記載の送液デバイス。
  3. 前記本体部は、線材からなる骨格部を有し、
    前記第1領域での前記骨格部の線径は、前記第2領域での前記骨格部の線径よりも細い
    請求項1に記載の送液デバイス。
  4. 前記本体部は、線材からなる骨格部を有し、
    前記第1領域での前記骨格部は、前記第2領域での前記骨格部よりも軸方向に連結される部位が少ない
    請求項1に記載の送液デバイス。
  5. 一方側が腹腔内に留置され、他方側が腹腔臓器内に留置され、
    前記腹腔内の体液を前記腹腔臓器に還流させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送液デバイス。
  6. 2つの管腔臓器を連通して留置され、一方側の第1の管腔臓器から他方側の第2の管腔臓器に前記体液を流す請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送液デバイス。

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