JP2023122354A - 過給機のシール構造 - Google Patents

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Tetsuya Matsuo
幸博 岩佐
Yukihiro Iwasa
太陽 白川
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Abstract

【課題】 潤滑油の漏洩を抑制できる過給機のシール構造を提供する。【解決手段】 過給機のシール構造は、過給機の回転軸および回転軸の一端側に設けられた回転ホイールを含む回転部材と、回転部材を収容するハウジングを含む静止部材と、回転軸を回転可能に支持する軸受と、回転部材と静止部材との間に形成されて回転ホイールが収容される第1空間と軸受が収容される第2空間とを連通するシール隙間、に設けられたシール部材と、を備える。静止部材は、シール隙間を画定する静止側内周面と、静止側内周面における第2空間側の縁から回転軸の径方向に沿って延在する静止側端面と、を含み、静止側端面は、回転軸の軸線よりも下方における所定の周方向範囲に設けられ、且つ静止側内周面の第2空間側の縁から下方に向かうにつれて回転軸の軸線方向における第2空間側に傾斜するスロープを含む。【選択図】 図2

Description

本開示は、過給機のシール構造に関する。
過給機は、回転シャフト、回転シャフトの一方側に取り付けられたタービンインペラ、及び、回転シャフトの他方側に取り付けられたコンプレッサインペラ、を含むロータ(回転体)と、回転シャフトにおけるタービンインペラとコンプレッサインペラとの間を回転可能に支持する軸受と、ロータ及び軸受を収容するケーシング(静止体)と、を備える。過給機の軸受は、高速回転する回転シャフトを支持するため、高温になり易く、潤滑が不十分であると焼き付けが生じる虞がある。このため、軸受に潤滑油を供給することで、軸受を潤滑したり冷却したりすることが行われる。過給機には、軸受に供給された潤滑油のコンプレッサ側やタービン側への漏洩を防ぐために、ロータなどの回転体の外面とケーシングなどの静止体の内面との間を封止するシールリングを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-232124号公報
シールリングによるシーリング機構を備える過給機において、潤滑油の漏洩が生じる虞がある。具体的には、シールリングが装着される回転体の外面と静止体の内面との間の空間に潤滑油が溜まり、上記空間に溜まった潤滑油が、シールリングを挟んで上記空間とは反対側の空間に漏洩する虞がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、潤滑油の漏洩を抑制できる過給機のシール構造を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態にかかる過給機のシール構造は、
過給機のシール構造であって、
前記過給機の回転軸および前記回転軸の一端側に設けられた回転ホイールを少なくとも含む回転部材と、
前記回転部材を収容するハウジングを少なくとも含む静止部材と、
前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
前記回転部材と前記静止部材との間に形成されるシール隙間であって、前記回転ホイールが収容される第1空間と前記軸受が収容される第2空間とを連通するシール隙間に設けられたシール部材と、を備え、
前記回転部材は、前記シール隙間を画定する回転側外周面を少なくとも含み、
前記静止部材は、前記シール隙間を画定する静止側内周面と、前記静止側内周面における前記第2空間側の縁から前記回転軸の径方向に沿って延在する静止側端面と、を含み、
前記静止側端面は、前記回転軸の軸線よりも下方における所定の周方向範囲に設けられるスロープであって、前記静止側内周面の前記第2空間側の前記縁から下方に向かうにつれて前記回転軸の軸線方向における前記第2空間側に傾斜するスロープを含む。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、潤滑油の漏洩を抑制できる過給機のシール構造が提供される。
一実施形態に係る過給機のシール構造を備える過給機の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。 一実施形態に係る過給機のシール構造の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。 一実施形態に係る過給機のシール構造を第2空間側から視た状態を示す概略図である。 一実施形態に係る過給機のシール構造におけるスロープ近傍を上方から視た状態を示す概略図である。 一実施形態に係る過給機のシール構造の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(過給機)
図1は、一実施形態に係る過給機のシール構造を備える過給機の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。過給機1は、図1に示されるように、回転軸11と、回転軸11の一端側に設けられたタービンホイール12Aと、回転軸11の他端側に設けられたコンプレッサホイール12Bと、回転軸11を回転可能に支持する軸受13と、回転軸11、タービンホイール12A、コンプレッサホイール12B及び軸受13を収容するハウジング14と、を備える。
軸受13は、ハウジング14に支持される。回転軸11は、タービンホイール12Aとコンプレッサホイール12Bの間において軸受13に支持されることで、回転軸11の軸線LAを中心として回転可能になっている。
以下、回転軸11の軸線LAが延在する方向を回転軸11(過給機1)の軸方向と定義し、軸線LAに直交する方向を回転軸11(過給機1)の径方向と定義する。回転軸11(過給機1)の軸方向のうち、コンプレッサホイール12Bに対してタービンホイール12Aが位置する側をタービン側とし、タービンホイール12Aに対してコンプレッサホイール12Bが位置する側をコンプレッサ側とする。
タービンホイール12Aは、タービンホイール12Aに導かれるエンジンから排出された排ガスのエネルギーにより回転するように構成される。コンプレッサホイール12Bは、回転軸11とともにタービンホイール12Aの回転に連動して回転する。過給機1は、コンプレッサホイール12Bの回転により、コンプレッサホイール12Bに導かれる気体(例えば、空気)を圧縮し、上記気体の密度を高めて気体の供給先(例えば、上記エンジン)に送るように構成される。
(過給機のシール構造)
図2は、一実施形態に係る過給機のシール構造の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。図2には、図1中において二点鎖線により囲まれた領域が示されている。図3は、一実施形態に係る過給機のシール構造を第2空間側から視た状態を示す概略図である。図4は、一実施形態に係る過給機のシール構造におけるスロープ近傍を上方から視た状態を示す概略図である。幾つかの実施形態に係る過給機のシール構造2は、過給機1に設けられる過給機1における潤滑油の漏洩を抑制するためのシール構造である。過給機のシール構造2は、図1及び図2に示されるように、回転部材3と、回転部材3を収容する静止部材4と、回転部材3と静止部材4との間に形成されるシール隙間20に設けられたシール部材5と、上述した軸受13と、を備える。
(回転部材、静止部材)
回転部材3は、過給機1の駆動時に回転するように構成される。回転部材3は、回転軸11及び回転軸11の一端側に設けられた回転ホイール12を少なくとも含む。静止部材4は、過給機1の駆動時に回転部材3が回転しても静止する(回転しない)ように構成される。静止部材4は、ハウジング14を少なくとも含む。
静止部材4(ハウジング14)は、回転部材3及び軸受13を収容する。静止部材4(ハウジング14)の内部には、上述したシール隙間20と、回転ホイール12が収容される第1空間21と、軸受13が収容される第2空間22と、が形成される。シール隙間20は、回転軸11の軸方向において第1空間21と第2空間22の間に設けられて、第1空間21と第2空間22とを連通する。
回転部材3は、シール隙間20を画定する回転側外周面31を有する。静止部材4は、シール隙間20を画定する静止側内周面41を有する。静止側内周面41は、回転側外周面31よりも回転軸11の径方向における外側に設けられて、環状に形成されるシール隙間20を挟んで回転側外周面31に対向している。
静止部材4は、図2に示されるように、静止側内周面41における第2空間22側の縁42から回転軸11の径方向に沿って上記径方向における外側に向かって延在する静止側端面43を有する。回転部材3は、図2に示されるような、回転側外周面31における第2空間22側の縁32から回転軸11の径方向に沿って上記径方向における内側に向かって延在する回転側端面33を有していてもよい。
(シール部材)
シール部材5は、静止側内周面41と回転側外周面31との間を封止するように構成される。図示される実施形態では、シール部材(シールリング)5は、図2に示されるように、静止側内周面41と回転側外周面31との間に圧縮された状態で配置され、静止側内周面41にその外周面が当接するとともに、回転側外周面31にその内周面が当接する。なお、図1及び図2に示されるように、静止側内周面41又は回転側外周面31の少なくとも一方には、シール部材5の一部を嵌合させるための回転軸11の周方向に沿って延在する環状の溝部が設けられていてもよい。
(潤滑油系統)
過給機1は、軸受13や軸受13が収容された第2空間22に潤滑油が流れ込むように構成される。図1に示される実施形態では、ハウジング14は、その内部に潤滑油を導入するための潤滑油導入口23と、潤滑油導入口23から軸受13に潤滑油を導くための潤滑油供給路24と、ハウジング14の外部に潤滑油を排出するための潤滑油排出口25と、が形成されている。潤滑油供給路24は、ハウジング14の内壁面により画定される、潤滑油導入口23と第2空間22とを連通させる流路からなる。潤滑油排出口25は、第2空間22よりも下方に設けられ、第2空間22の下部に連通している。
潤滑油導入口23を介してハウジング14の内部に導入された潤滑油は、潤滑油供給路24を通じて軸受13に導かれる。軸受13に導かれた潤滑油の多くは、第2空間22において下方に流れ落ちて、潤滑油排出口25を介してハウジング14の外部に排出される。軸受13に導かれた潤滑油の一部がシール隙間20に流入することがある。
幾つかの実施形態に係る過給機1のシール構造2は、上述した回転部材3と、上述した静止部材4と、上述した軸受13と、上述したシール隙間20に設けられたシール部材5と、を備える。静止部材4は、上述した静止側内周面41と、上述した静止側端面43と、を含む。静止側端面43は、図2及び図3に示されるように、回転軸11の軸線LAよりも下方における所定の周方向範囲CRに設けられるスロープ6を含む。スロープ6は、静止側内周面41の第2空間22側の縁42から下方に向かうにつれて回転軸11の軸線方向(回転軸11の軸線LAが延在する方向)における第2空間22側に傾斜している。
静止側端面43は、図2~図4に示されるように、スロープ6が形成された領域以外に設けられる平坦面43Aをさらに含む。平坦面43Aは、静止側内周面41における第2空間22側の縁42から回転軸11の径方向に沿って上記径方向における外側に向かって延在している。図4に示されるように、静止側内周面41の第2空間22側の縁42のうち、スロープ6に連なるスロープ側縁42A(スロープ6の上端縁)は、平坦面43Aに連なる平坦面側縁42B(平坦面43Aの静止側内周面41に連なる内周縁)よりも回転軸11の軸線方向における第1空間21側に凹む凹湾曲形状を有する。スロープ6は、平坦面43Aに連なる下端縁44を有する。下端縁44は、図3に示されるように、回転軸11の軸線方向における第2空間22側から視たときに、下方に向かう凸湾曲形状を有する。
シール隙間20に流入した潤滑油は、シール隙間20の下部に溜まる。シール隙間20の下部に溜まる潤滑油の少なくとも一部が、スロープ6を伝って流れ落ちて、第2空間22に排出される。
上記の構成によれば、静止側端面43の回転軸11の軸線LAよりも下方における所定の周方向範囲CRに設けられたスロープ6により、シール隙間20の下部から潤滑油を排出できるので、シール隙間20の下部に潤滑油が溜まることを抑制できる。過給機のシール構造2は、シール隙間20の下部に潤滑油が溜まることを抑制することで、潤滑油がシール隙間20に設けられたシール部材5よりも第1空間21側(回転ホイール12が位置する側)に漏洩することを抑制できる。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、過給機のシール構造2A(2)は、第2空間22からタービンホイール12Aが収容される第1空間21A(21)への潤滑油の漏洩を抑制するためのものである。過給機のシール構造2Aの回転ホイール12は、上述したタービンホイール12Aからなる。図1に示されるように、タービンホイール12Aが収容される空間である第1空間21Aやシール隙間20A(20)は、軸受13が収容される第2空間22よりも回転軸11の軸方向におけるタービン側に設けられる。
回転側外周面31A(31)は、例えば、図1に示されるような、タービンホイール12Aの背面から突出するボス部の外周面であってもよい。静止側内周面41A(41)は、シール隙間20Aを挟んでタービンホイール12Aの上記ボス部の外周面に対向するハウジング14の内壁面であってもよい。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、過給機のシール構造2B(2)は、第2空間22からコンプレッサホイール12Bが収容される第1空間21B(21)への潤滑油の漏洩を抑制するためのものである。過給機のシール構造2Bの回転ホイール12は、上述したコンプレッサホイール12Bからなる。図1に示されるように、コンプレッサホイール12Bが収容される空間である第1空間21B(21)やシール隙間20B(20)は、軸受13が収容される第2空間22よりも回転軸11の軸方向におけるコンプレッサ側に設けられる。
回転側外周面31B(31)は、例えば、図1に示されるような、過給機1が備える環状のスリーブ15の外周面であってもよい。スリーブ15は、回転軸11の軸方向におけるコンプレッサホイール12B(回転ホイール12)と軸受13との間において、回転軸11の外周を覆うように回転軸11に取り付けられている。回転部材3は、スリーブ15をさらに含んでいてもよい。静止側内周面41B(41)は、シール隙間20Bを挟んでスリーブ15の外周面に対向するハウジング14の内壁面であってもよい。また、回転側外周面31は、回転軸11の外周面であってもよい。
なお、過給機1は、過給機のシール構造2A、2Bの両方を備えていてもよい。すなわち、静止側内周面41Aのコンプレッサ側に連なる端面、及び、静止側内周面41Bのタービン側に連なる端面、の夫々が上述したスロープ6を含む静止側端面43であってもよい。
幾つかの実施形態では、上述したスロープ6は、図3に示されるように、回転軸11の軸線LAに対して鉛直下方の位置P1を含むように形成される。この場合には、スロープ6の周方向範囲CRにおける一端61は、回転軸11の軸線LAに対して水平方向の一方側に設けられる。スロープ6の周方向範囲CRにおける他端62は、回転軸11の軸線LAに対して水平方向において一端61とは反対側(他方側)に設けられる。
上記の構成によれば、回転軸11の軸線LAに対して鉛直下方の位置P1を含むようにスロープ6を形成することで、シール隙間20における潤滑油が溜まる部分である、シール隙間20の回転軸11の軸線LAに対して鉛直下方の位置P1を含む下部領域20C(図3参照)からスロープ6へ潤滑油を直接的に排出できる。このため、鉛直下方の位置P1を含むスロープ6は、鉛直下方の位置P1を含まないスロープ6に比べて、シール隙間20の下部からスロープ6へ潤滑油を効果的に排出できる。
幾つかの実施形態では、上述したスロープ6は、図3に示されるように、周方向範囲CRにおける両端61、62から上述した鉛直下方の位置P1に向かって周方向に沿って傾斜する。
上記の構成によれば、スロープ6に上記周方向範囲CRにおける両端61、62から上記鉛直下方の位置P1に向かって周方向に沿った傾斜を設けることで、シール隙間20からスロープ6に導かれた潤滑油を上記鉛直下方の位置P1に向かって流すことができる。これにより、スロープ6の鉛直下方の位置P1近傍に潤滑油が集まり、潤滑油の自重によるスロープ6の傾斜に沿った移動が促進されるため、スロープ6を介した潤滑油の排出効率を向上できる。
図2に示されるような、回転軸11の軸線に沿った断面において、平坦面43Aを延長した仮想面に対するスロープ6の傾斜角度をθと定義する。幾つかの実施形態では、上述したスロープ6は、周方向範囲CRにおける両端61、62から鉛直下方の位置P1に向かうに連れて傾斜角度θが大きくなるように構成されている。この場合には、シール隙間20からスロープ6に導かれた潤滑油を鉛直下方の位置P1に向かって流すことができ、スロープ6の鉛直下方の位置P1近傍に潤滑油を集めることができる。
図2に示されるような、回転軸11の軸線に沿った断面において、スロープ6の上端縁(スロープ側縁42A)から下端縁44までの長さをスロープ長さLと定義する。幾つかの実施形態では、上述したスロープ6は、周方向範囲CRにおける両端61、62から鉛直下方の位置P1に向かうに連れてスロープ長さLが大きくなるように構成されている。この場合には、シール隙間20からスロープ6に導かれた潤滑油を鉛直下方の位置P1に向かって流すことができ、スロープ6の鉛直下方の位置P1近傍に潤滑油を集めることができる。
仮にスロープ6の周方向範囲CRを小さくし過ぎると、スロープ6を介したシール隙間20からの潤滑油の排出効果が低くなる。また、仮にスロープ6の周方向範囲CRを大きくし過ぎると、潤滑油がスロープ6を介さずに重力により落下するような周方向範囲CRに余剰のスロープ6が形成されることになる。
上述したスロープ6の周方向範囲CRは、60°以上120°以下の範囲に設定されることが好ましい。この場合には、スロープ6の周方向範囲CRを60°以上120°以下の範囲に設定することで、スロープ6の周方向範囲CRを60°未満に設定した場合に比べて、スロープ6を介したシール隙間20からの潤滑油の排出効果を向上できる。また、スロープ6の周方向範囲CRを60°以上120°以下の範囲に設定することで、スロープ6の周方向範囲CRを120°超の範囲に設定した場合に比べて、余剰のスロープ6が形成されることを抑制でき、スロープ6の形成作業の短縮化が図れる。
上述したスロープ6の周方向範囲CRは、85°以上95°以下の範囲に設定されることがさらに好ましい。この場合には、スロープ6の周方向範囲CRは、85°以上95°以下の範囲に設定することで、スロープ6を介したシール隙間20からの潤滑油の排出効果の低下を抑制しつつ、余剰のスロープ6が形成されることを効果的に抑制できる。
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、回転軸11の軸線LAに対して鉛直下方の位置P1において、静止側内周面41における第2空間22側の縁42(スロープ側縁42A)は、回転側外周面31における第2空間22側の縁32よりも第1空間21側に位置する。
上記の構成によれば、回転側端面33を伝って流れ落ちる潤滑油が、シール隙間20に入り込み難い形状になっているので、シール隙間20への潤滑油の流入を抑制でき、ひいてはシール隙間20の下部に潤滑油が溜まることを抑制できる。
図5は、一実施形態に係る過給機のシール構造の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。図5には、図1中において二点鎖線により囲まれた領域が示されている。幾つかの実施形態では、上述した静止側端面43は、図5に示されるように、上述したスロープ6と、スロープ6が形成された領域以外に設けられる平坦面43Bと、を含む。平坦面43Bは、スロープ6の下端縁44に連なるとともに、静止側内周面41における第2空間22側の縁42から回転軸11の径方向に沿って上記径方向における外側に向かって延在している。回転軸11の軸線LAよりも下方において、上述した平坦面43Bは、回転側外周面31における第2空間22側の縁32よりも第1空間21側に位置する。この場合には、回転側端面33を伝って流れ落ちる潤滑油が、シール隙間20に入り込み難い形状になっているので、シール隙間20への潤滑油の流入を抑制でき、ひいてはシール隙間20の下部に潤滑油が溜まることを抑制できる。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る過給機のシール構造(2)は、
過給機(1)のシール構造であって、
前記過給機(1)の回転軸(11)および前記回転軸(11)の一端側に設けられた回転ホイール(12)を少なくとも含む回転部材(3)と、
前記回転部材(3)を収容するハウジング(14)を少なくとも含む静止部材(4)と、
前記回転軸(11)を回転可能に支持する軸受(13)と、
前記回転部材(3)と前記静止部材(4)との間に形成されるシール隙間(20)であって、前記回転ホイール(12)が収容される第1空間(21)と前記軸受(13)が収容される第2空間(22)とを連通するシール隙間(20)に設けられたシール部材(5)と、を備え、
前記回転部材(3)は、前記シール隙間(20)を画定する回転側外周面(31)を少なくとも含み、
前記静止部材(4)は、前記シール隙間(20)を画定する静止側内周面(41)と、前記静止側内周面(41)における前記第2空間(22)側の縁(42)から前記回転軸(11)の径方向に沿って延在する静止側端面(43)と、を含み、
前記静止側端面(43)は、前記回転軸(11)の軸線(LA)よりも下方における所定の周方向範囲(CR)に設けられるスロープ(6)であって、前記静止側内周面(41)の前記第2空間(22)側の前記縁(42)から下方に向かうにつれて前記回転軸(11)の軸線方向における前記第2空間(22)側に傾斜するスロープ(6)を含む。
上記1)の構成によれば、静止側端面(43)の回転軸(11)の軸線(LA)よりも下方における所定の周方向範囲(CR)に設けられたスロープ(6)により、シール隙間(20)の下部から潤滑油を排出できるので、シール隙間(20)の下部に潤滑油が溜まることを抑制できる。上記1)に記載の過給機のシール構造(2)は、シール隙間(20)の下部に潤滑油が溜まることを抑制することで、潤滑油がシール隙間(20)に設けられたシール部材(5)よりも第1空間(21)側(回転ホイール12が位置する側)に漏洩することを抑制できる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の過給機のシール構造(2)であって、
前記スロープ(6)は、前記回転軸(11)の前記軸線(LA)に対して鉛直下方の位置(P1)を含むように形成される。
上記2)の構成によれば、回転軸(11)の軸線(LA)に対して鉛直下方の位置(P1)を含むようにスロープ(6)を形成することで、シール隙間(20)における潤滑油が溜まる部分である、シール隙間(20)の回転軸(11)の軸線(LA)に対して鉛直下方の位置(P1)を含む下部領域からスロープ(6)へ潤滑油を直接的に排出できる。このため、上記鉛直下方の位置(P1)を含むスロープ(6)は、上記鉛直下方の位置(P1)を含まないスロープ(6)に比べて、シール隙間(20)の下部からスロープ(6)へ潤滑油を効果的に排出できる。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の過給機のシール構造(2)であって、
前記スロープ(6)は、前記周方向範囲(CR)における両端(61、62)から前記鉛直下方の位置(P1)に向かって周方向に沿って傾斜する。
上記3)の構成によれば、スロープ(6)に上記周方向範囲(CR)における両端(61、62)から上記鉛直下方の位置(P1)に向かって周方向に沿った傾斜を設けることで、シール隙間(20)からスロープ(6)に導かれた潤滑油を上記鉛直下方の位置(P1)に向かって流すことができる。これにより、スロープ(6)上に形成された潤滑油の流れにより、潤滑油が集まり、潤滑油の自重によるスロープ(6)の傾斜に沿った移動が促進されるため、スロープ(6)を介した潤滑油の排出効率を向上できる。
4)幾つかの実施形態では、上記1)から上記3)までの何れかに記載の過給機のシール構造(7)であって、
前記スロープ(6)の周方向範囲(CR)は、60°以上120°以下の範囲に設定された。
仮にスロープ(6)の周方向範囲(CR)を小さくし過ぎると、スロープ(6)を介したシール隙間(20)からの潤滑油の排出効果が低くなる。また、仮にスロープ(6)の周方向範囲(CR)を大きくし過ぎると、潤滑油がスロープ(6)を介さずに重力により落下するような周方向範囲(CR)に余剰のスロープ(6)が形成されることになる。上記4)の構成によれば、スロープ(6)の周方向範囲(CR)を60°以上120°以下の範囲に設定することで、スロープ(6)の周方向範囲(CR)を60°未満に設定した場合に比べて、スロープ(6)を介したシール隙間(20)からの潤滑油の排出効果を向上できる。また、スロープ(6)の周方向範囲(CR)を60°以上120°以下の範囲に設定することで、スロープ(6)の周方向範囲(CR)を120°超の範囲に設定した場合に比べて、余剰のスロープ(6)が形成されることを抑制でき、スロープ(6)の形成作業の短縮化が図れる。
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の過給機のシール構造(2)であって、
前記スロープ(6)の周方向範囲(CR)は、85°以上95°以下の範囲に設定された。
上記5)の構成によれば、スロープ(6)の周方向範囲(CR)は、85°以上95°以下の範囲に設定することで、スロープ(6)を介したシール隙間(20)からの潤滑油の排出効果の低下を抑制しつつ、余剰のスロープ(6)が形成されることを効果的に抑制できる。
6)幾つかの実施形態では、上記1)から上記5)までの何れかに記載の過給機のシール構造(2)であって、
前記回転部材(3)は、前記回転側外周面(31)における前記第2空間(22)側の縁(32)から前記回転軸(11)の径方向に沿って延在する回転側端面(33)をさらに含み、
前記回転軸(11)の前記軸線(LA)に対して鉛直下方の位置(P1)において、前記静止側内周面(41)における前記第2空間(22)側の前記縁(42)は、前記回転側外周面(31)における前記第2空間(22)側の前記縁(32)よりも前記第1空間(21)側に位置する。
上記6)の構成によれば、回転軸(11)の軸線(LA)に対して鉛直下方の位置(P1)において、静止側内周面(41)における第2空間(22)側の縁(42、すなわち、スロープ6の上端縁)は、回転側外周面(31)における第2空間(22)側の縁(32)よりも第1空間(21)側に位置する。この場合には、回転側端面(33)を伝って流れ落ちる潤滑油が、シール隙間(20)に入り込み難い形状になっているので、シール隙間(20)への潤滑油の流入を抑制でき、ひいてはシール隙間(20)の下部に潤滑油が溜まることを抑制できる。
1 過給機
2,2A,2B シール構造
3 回転部材
4 静止部材
5 シール部材
6 スロープ
11 回転軸
12 回転ホイール
12A タービンホイール
12B コンプレッサホイール
13 軸受
14 ハウジング
15 スリーブ
20,20A,20B シール隙間
20C 下部領域
21,21A,21B 第1空間
22 第2空間
23 潤滑油導入口
24 潤滑油供給路
25 潤滑油排出口
31,31A,31B 回転側外周面
32 縁
33 回転側端面
41,41A,41B 静止側内周面
42 縁
42A スロープ側縁
42B 平坦面側縁側縁
43 静止側端面
43A,43B 平坦面
44 下端縁
61,62 端
CR 周方向範囲
LA 軸線
P1 鉛直下方の位置

Claims (6)

  1. 過給機のシール構造であって、
    前記過給機の回転軸および前記回転軸の一端側に設けられた回転ホイールを少なくとも含む回転部材と、
    前記回転部材を収容するハウジングを少なくとも含む静止部材と、
    前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記回転部材と前記静止部材との間に形成されるシール隙間であって、前記回転ホイールが収容される第1空間と前記軸受が収容される第2空間とを連通するシール隙間に設けられたシール部材と、を備え、
    前記回転部材は、前記シール隙間を画定する回転側外周面を少なくとも含み、
    前記静止部材は、前記シール隙間を画定する静止側内周面と、前記静止側内周面における前記第2空間側の縁から前記回転軸の径方向に沿って延在する静止側端面と、を含み、
    前記静止側端面は、前記回転軸の軸線よりも下方における所定の周方向範囲に設けられるスロープであって、前記静止側内周面の前記第2空間側の前記縁から下方に向かうにつれて前記回転軸の軸線方向における前記第2空間側に傾斜するスロープを含む、
    過給機のシール構造。
  2. 前記スロープは、前記回転軸の前記軸線に対して鉛直下方の位置を含むように形成される、
    請求項1に記載の過給機のシール構造。
  3. 前記スロープは、前記周方向範囲における両端から前記鉛直下方の位置に向かって周方向に沿って傾斜する、
    請求項2に記載の過給機のシール構造。
  4. 前記スロープの周方向範囲は、60°以上120°以下の範囲に設定された、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の過給機のシール構造。
  5. 前記スロープの周方向範囲は、85°以上95°以下の範囲に設定された、
    請求項4に記載の過給機のシール構造。
  6. 前記回転部材は、前記回転側外周面における前記第2空間側の縁から前記回転軸の径方向に沿って延在する回転側端面をさらに含み、
    前記回転軸の前記軸線に対して鉛直下方の位置において、前記静止側内周面における前記第2空間側の前記縁は、前記回転側外周面における前記第2空間側の前記縁よりも前記第1空間側に位置する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の過給機のシール構造。
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