以下、図面を参照して、本発明の実施形態のゲームシステム1について説明する。本明細書において、アプリは、スマートフォンやパソコンにインストールされるアプリを意味することができ、またアプリケーション全般を意味することもできる。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態のゲームシステム1の全体構成図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤ端末10と、サーバ20とを備え、プレイヤ端末10とサーバ20とは、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。本実施形態のゲームシステム1は、既知のクライアントサーバ型のゲームシステムを想定して説明するが、これに限定されるものではない。ゲームシステム1は、プレイヤ端末10(クライアント端末)に対して、プレイヤ端末10の種類(プラットフォーム)に応じたリズムゲームを提供することができる。プレイヤ端末10は、パソコン、スマートフォンなどの異なる種類の端末、すなわち異なるプラットフォームを備える端末を含むことができる。
図2は本発明の一実施形態のプレイヤ端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。プレイヤ端末10は、プロセッサ11、出力装置12、入力装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。ゲームシステム1は、ポインティングデバイスを入力装置13として備える第1の種類のプレイヤ端末10Aと、複数のボタンを含む入力装置13を備え、かつポインティングデバイスを入力装置13として備えない第2の種類のプレイヤ端末10Bとを含む。ポインティングデバイスは、タッチパネルやタッチパッドなどの座標入力可能なデバイスであり、タッチパネルはポインティングデバイスの一例である。本実施形態では、第1の種類のプレイヤ端末10Aは、スマートフォン(スマートフォン10A)とし、第2の種類のプレイヤ端末10Bは、タッチパネルを備えていないパソコン(パソコン10B)とする。なお、説明の便宜上、本実施形態においては、ゲームシステム1が含むプレイヤ端末10は第1の種類のプレイヤ端末10Aと第2の種類のプレイヤ端末10Bを含むものとして説明するが、ゲームシステム1はいずれかの種類のプレイヤ端末10のみを含むこともできるし、タッチパネル及びキーボードを備えるプレイヤ端末10を含むこともできる。
プロセッサ11は、プレイヤ端末10全体の動作を制御する。例えばプロセッサ11は、CPUである。なお、プロセッサ11としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成される。
出力装置12は、アプリケーション画面などを表示する表示装置(ディスプレイ)及び音を出力するスピーカを含む。入力装置13は、プレイヤ端末10に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースである。第1の種類のプレイヤ端末10Aが備える入力装置13は、タッチパネルであり、ディスプレイと一体となった構造である。第2の種類のプレイヤ端末10Bが備える入力装置13は、既知のキーボードである。キーボードに含まれる複数のキーが複数のボタンに対応する。キーボード又はキーボードが含む複数のキーは、複数のボタンの1つの例示である。
記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えば情報の高速な読み書きが可能な揮発性メモリであり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであり、例えばeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリであり、着脱可能なものであってもよい。本実施形態では、記憶装置14は、端末用ゲームアプリケーションのゲームアプリCAを記憶する。ゲームアプリCAは、ゲームアプリCAを実行するためのプログラム及び該プログラム実行時に参照する各種データを含む。
通信装置15は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能なモジュール、デバイス、又は装置である。通信装置15は、無線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできるし、有線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできる。
サーバ20は、1又は複数のサーバ装置を含んで構成されるサーバである。サーバ20は、仮想マシン又はクラウドシステムにより実現されてもよいし、1つの装置により実現されてもよい。サーバ20は、プレイヤ端末10からのアクセスを受け付けて、ネットワーク2を介してゲームサービスを提供する既知のゲームサーバを含むものであるか、又は既知のゲームサーバの機能を備えるものである。本実施形態では、説明の便宜上、サーバ20は、1つの装置により実現されるものとして説明する。
図3は本発明の一実施形態のサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ20は、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24、及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。サーバ20は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含むことができる。
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。例えばプロセッサ21は、CPUである。プロセッサ21は、記憶装置24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。プロセッサ21は、複数のプロセッサから構成されてもよい。
表示装置22は、アプリケーション画面などをサーバ20のユーザに表示するディスプレイである。入力装置23は、サーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えばキーボードやマウスである。
記憶装置24は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えば情報の高速な読み書きが可能な揮発性メモリであり、プロセッサ21が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ21が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであり、例えばeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリであり、着脱可能なものであってもよい。本実施形態では、記憶装置24は、サーバ用アプリケーションのサーバ用アプリSAを記憶する。サーバ用アプリSAは、サーバ用アプリSAを実行するためのプログラム及び該プログラム実行時に参照する各種データを含む。
通信装置25は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能なモジュール、デバイス、又は装置である。通信装置25は、無線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできるし、有線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできる。
図4は本発明の一実施形態のゲームシステム1の機能ブロック図である。ゲームシステム1は、ゲーム制御部30を備える。ゲーム制御部30は、音楽再生部32と、オブジェクト表示部33と、入力判定部34と、ゲームスコア決定部35とを備える。ゲームシステム1の当該機能は、既知のクライアントサーバ型のゲームシステムにおけるクライアント及びサーバと同様の処理をプレイヤ端末10及びサーバ20が実行することにより実現することができる。例えばプレイヤ端末10のプロセッサ11がプログラムを実行することにより、サーバ20のプロセッサ21がプログラムを実行することにより、又はプロセッサ11がプログラムを実行し、かつプロセッサ21がプログラムを実行することにより、(更に必要に応じてプレイヤ端末10とサーバ20間でデータを送受信することにより、)これらの機能は実現される。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つの機能部(例えばソフトウェアモジュール)の一部又は全部を他の機能部が有していてもよいし、ゲーム制御部30は、他の上記以外の機能部を有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
本発明の実施形態のゲーム制御部30は、ゲームアプリCAが起動したプレイヤ端末10においてリズムゲームGを実行する。本実施形態のリズムゲームGでは、プレイヤは、選択画面などを介して、楽曲を選択することができる。リズムゲーム中は、すなわち楽曲が再生されてプレイヤが再生される楽曲に合わせてプレイヤ端末10を操作してプレイする間は、再生される楽曲に合わせてミュージックビデオが表示される。本実施形態のリズムゲームGでは、目標位置に目標オブジェクトが表示され、再生される楽曲に応じて、操作位置、操作タイミング、及び操作態様を示すノーツオブジェクトが目標位置に向けて移動表示される。目標オブジェクトは、プレイヤの操作位置を示すものである。本実施形態のリズムゲームGでは、同一の楽曲に対して、難易度が異なる複数のゲーム種別が設けられてもよい。
本実施形態では、スマートフォン(第1の種類のプレイヤ端末)10Aは、ゲームアプリCA1がインストールされ、パソコン(第2の種類のプレイヤ端末)10Bは、ゲームアプリCA2がインストールされたパソコンである。ゲームアプリCA1とゲームアプリCA2は、同じ内容のゲーム(例えば同じタイトルのゲームのリズムゲームG)であり、スマートフォンとパソコンのそれぞれの種類(例えばそれぞれのプラットフォーム)に応じたゲームを実行するためのアプリである。本実施形態では、スマートフォン10AにおいてゲームアプリCA1が起動されるとタッチパネル(ポインティングデバイス)に応じたリズムゲームGが実行され、パソコン10BにおいてゲームアプリCA2が起動されるとキーボード(複数のボタン)に応じたリズムゲームGが実行される。
1つの例では、プレイヤ端末10は、プレイヤ端末10上でゲームアプリCA(例えばゲームアプリCA1又はCA2)が起動されると、プレイヤ端末10は、サーバ用アプリSAが実行されているサーバ20と通信する。サーバ20は、ゲームサービスを提供するために必要なデータをプレイヤ端末10と送受信する。1つの例では、サーバ20は、プレイヤ端末10においてゲームアプリCAが起動している間、該プレイヤ端末10と定期的又は断続的に通信し、該プレイヤ端末10でのゲーム操作入力に応じてゲームを実行し、その実行結果を該プレイヤ端末10に送信する。サーバ20は、プレイヤ端末10の種類(プラットフォーム)に応じたデータを送受信するように構成される。このとき、サーバ20は、プレイヤ端末10から受信したデータに基づいて、例えば受信データからゲームアプリCA1とCA2を識別することにより、プレイヤ端末10の種類を識別することができる。
ゲーム制御部30は、プレイヤIDとゲーム情報とを関連付けて記憶する。本実施形態では、サーバ20が、プレイヤIDとゲーム情報とを関連付けて記憶装置24に記憶する。例えばゲーム情報は、プレイヤのゲーム進行状況又はスコアなどを含む。1つの例では、サーバ20は、プレイヤ端末10からプレイヤID及びパスワードを受け取ってプレイヤを認証し、認証したプレイヤのプレイヤIDに関連付けて記憶したデータを用いてプレイヤ端末10に対してゲームサービスを提供する。ゲーム制御部30は、一度プレイヤIDを認証すると、ゲームを終了するまで又はログアウト操作を受け付けるまでは当該プレイヤIDに関連付けてデータを記憶するため、以下の説明においては、プレイヤIDに関連付けて記憶することを単に記憶すると記載する場合がある。なお、プレイヤIDは、プレイヤ識別情報の1つの例示である。
プレイヤ端末10は、プレイヤがゲームをプレイする前に予めダウンロード可能なデータをゲーム制御部30から受信してゲームアプリCAに関連するデータとして記憶するように構成されてもよい。この場合、プレイヤ端末10は、プレイヤに関連するデータの更新等のサーバ20に実装される必要のある機能を除いたゲーム制御部30の機能を備える。或いはプレイヤ端末10は、入出力用のシンクライアント端末として構成されてもよい。この場合、サーバ20は、プレイヤ端末10における入出力機能を除いたゲーム制御部30の機能を備える。
ゲーム制御部30が第1の種類のプレイヤ端末10Aであるスマートフォン10Aにおいて実行するリズムゲームGについて説明する。図5は、ゲーム制御部30がスマートフォン10Aのタッチパネルに表示するリズムゲームGのゲーム画面40の一例を示す図である。図5に示すように、タッチパネルの長手方向が横方向となり、短手方向が縦方向となるように、プレイヤはスマートフォンを横持ちしてリズムゲームGをプレイする。
リズムゲーム中、プレイヤ端末10が備えるスピーカから音楽(楽曲)が出力(再生)される。1つの例では、ゲーム画面40には、再生される音楽に合わせて、キャラクタが登場するミュージックビデオを再生表示される。例えばミュージックビデオは、楽曲、ゲームモード、2Dまたは3D等の種別、高画質または低画質等の画質に対応して生成されるゲーム画面であり、1つの楽曲に対して複数のミュージックビデオが生成されてもよい。プレイヤは、生成されるミュージックビデオを特定するための情報を、所定のメニュー画面において予め設定することができる。
ゲーム画面40は、下部に、横方向に並んだ5つの目標オブジェクト51を含む。本実施形態では、このゲーム画面40に表示される目標オブジェクト51を、左側から順番に、第1目標オブジェクト51a、第2目標オブジェクト51b、第3目標オブジェクト51c、第4目標オブジェクト51d、及び第5目標オブジェクト51eとする。各目標オブジェクト51は、ミュージックビデオに重畳表示される。例えば目標オブジェクト51は、ミュージックビデオよりもプライオリティが高く設定されており、ミュージックビデオの画像よりも常に手前側に表示される。
5つの目標オブジェクト51(目標オブジェクト51a~51e)は、それぞれ設定された目標座標(目標位置)に基づいて一定の範囲に表示される。ゲーム画面40では、5つの目標オブジェクト51の中心位置が、それぞれ5つの目標座標である。1つの例では、図5の左右方向の座標をx座標、上下方向の座標をy座標とすると、5つの目標座標は、x軸方向に互いに均等に離隔して設定されており、y座標はいずれも等しい。つまり、5つの目標座標は、x座標が互いに異なり、y座標が等しく設定されている。1つの例では、各目標オブジェクト51内には、それぞれ識別画像が表示される。例えば5つの識別画像は、予めプレイヤにより設定されたキャラクタに基づいて決定される。なお、ここでは、5つの目標オブジェクト51がx軸方向に互いに離隔しているが、目標オブジェクト自体は、互いに接触してもよい。ただし、この場合には、隣り合う2つの目標オブジェクトの境界をプレイヤが識別できることが望ましい。
リズムゲーム中、ゲーム画面40には複数のノーツN(ノーツオブジェクトN)が表示される。ノーツNは、図5のゲーム画面40に示すように、タップノーツ41(タップノーツオブジェクト41)及びフリックノーツ42(フリックノーツオブジェクト42)を含む複数の種類のノーツNを含む。
目標オブジェクト51a~51eの各々に対応する目標座標(目標位置)の各々は、ノーツNの到達位置となる。リズムゲームGでは、再生される楽曲に応じて、複数の種類のノーツNが、ゲーム画面40の上方から下方に向けて移動表示され、最終的にいずれかの目標座標に到達する。換言すれば、ノーツNには、必ずいずれかの目標座標が対応しており、ノーツNは、対応する目標座標に向けて移動する。リズムゲームGでは、目標オブジェクト51がタッチ操作されると、所定の音声(操作音)が出力される。ノーツNが目標座標(目標オブジェクト51)に到達するタイミングで操作音が出力されると、ミュージックに合致した演奏をしているかのような印象が与えられる。1つの例では、ノーツNは、いずれも真円形状であり、その表示面積も全て等しく、5つの目標オブジェクト51も全て真円形状であり、その表示面積は、いずれもノーツNと等しい。この場合、ノーツN及び目標オブジェクト51は、全て同一形状である。ただし、ノーツN及び目標オブジェクト51は、種類ごとに形状や表示面積が異なってもよい。
各ノーツNには、操作態様が対応付けられており、プレイヤは、ノーツNに対応する操作を所定のタイミングで行う必要がある。タップノーツ41は、操作態様としてタップ操作が対応付けられている。本実施形態におけるタップ操作とは、プレイヤのタッチパネルへの新たな操作入力(接触)の開始を意味するものである。本実施形態では、例えばプレイヤがタッチパネルを長押し操作した場合、この長押し操作の開始もタップ操作に含まれる。
フリックノーツ42は、操作態様としてフリック操作が対応付けられている。ここでは、一定時間内にx軸方向に連続して所定距離移動し、かつ、所定の目標座標をx軸方向に超える操作が検知された場合に、フリック操作が入力されたと判定される。ただし、フリック操作が入力されたか否かを判定する条件はこれに限らず、適宜設定可能である。フリックノーツ42は、方向指示表示を含むオブジェクトであり、フリック操作の方向がプレイヤに示される。図5では、フリックノーツ42は、左又は右を示す矢印が表示されたオブジェクトであるが、一の方向の方向指示表示と該一の方向とは逆の方向の方向指示表示を含むものであればよく、例えば上又は下を示す矢印が表示されたオブジェクトであってもよい。なお、フリックノーツ42の方向指示表示は、フリックノーツ42の形状により示されるものであってもよい。例えばフリックノーツ42は、一の方向のみに突起部又は突起した形状を備えるノーツオブジェクトと該一の方向とは逆の方向のみに突起部又は突起した形状を備えるノーツオブジェクトを含むものとすることができる。
以上のように、ノーツNは、操作位置(入力位置)、操作タイミング、及び操作態様をプレイヤに指示するオブジェクトであり、リズムゲームGにおいては、プレイヤは、ノーツNに従ってタッチパネルへ入力することが要求される。また、各ノーツNには判定期間が設定されており、ノーツNが到達する目標オブジェクトに対して、ノーツNに対応した操作が判定期間内に入力されると、その入力タイミングに基づいて得点が付与される。こうして獲得した得点は累積され、ゲーム画面40の上部に設けられたスコアバー52によって、累積ポイントが示される。
また、ゲーム画面40の上部には、ライフバー53が設けられる。ライフバー53は、パーティの残りのライフ値を視覚的に表示するものであり、ライフ値が0になるとリズムゲームのゲームオーバーとなる。なお、ライフ値は、ノーツNに対応する操作が適切なタイミングで入力されなかった場合に減少する。なお、例えば予めプレイヤにより設定されたキャラクタが、所定条件を満たすことでライフ値が増加する能力をもつキャラクタである場合、ライフ値が増加することもある。
音楽再生部32は、スマートフォン10Aにおいて音楽を再生する。
オブジェクト表示部33は、スマートフォン10Aのタッチパネルに、タップノーツ41及びフリックノーツ42のうちの少なくとも一方を、複数の目標位置のうちのいずれかの目標位置に到達するように移動表示させる。例えばオブジェクト表示部33は、再生される楽曲に応じて、予め設定された種類のノーツNを、予め設定された時間に、予め設定された位置を通るように表示する。ここで、目標位置に到達するように移動表示させることは、目標位置を通過するように移動表示させることを含むことができる。
入力判定部34は、スマートフォン10Aのタッチパネルに対するプレイヤ入力に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。本実施形態では、入力判定部34は、タッチの位置、タイミング、態様(タップやフリックなど)からプレイヤ入力を特定し、特定されたプレイヤ入力を楽曲ごとに予め定められたノーツ抽出情報と比較することにより、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。ノーツ抽出情報は、楽曲ごとに、所定の領域(目標オブジェクト51)ごとに、リズムゲームの開始時からの経過時間に操作態様を示すノーツNの種別が対応付けられた情報である。例えばオブジェクト表示部33は、ノーツ抽出情報に従って、ノーツNを表示することができる。本実施形態では、ゲーム制御部30は、リズムゲーム開始時からの経過時間を管理し(経過時間の計測などを行い)、音楽再生部32は、経過時間の管理の開始とともに音楽を再生し、オブジェクト表示部33は、経過時間に基づいてノーツNを表示し、入力判定部34は、経過時間に基づいてプレイヤ入力を判定する。1つの例では、ゲーム制御部30は、リズムゲーム開始時(楽曲再生開始時)などの所定のタイミングで、各機能部の経過時間について同期をとる処理を行う。
ゲーム制御部30は、各目標オブジェクト51a~51eに対応する5つのタッチ判定領域(第1~第5タッチ判定領域)を予め設定する。タッチ判定領域の各々は、目標オブジェクト51a~51eの各々の表示領域を含み、例えば目標座標は、各タッチ判定領域内においてx軸方向の中心に位置している。入力判定部34は、タッチパネルへのプレイヤのタッチ操作(プレイヤ入力)を受け付け、入力された操作の操作態様を特定する。入力判定部34は、このときに、入力された操作の位置を取得するように構成することができる。1つの例では、入力判定部34は、取得されるタッチイベントによりプレイヤ入力の操作態様と位置を特定する。例えば入力判定部34は、"touchstart"のタッチイベントが発生したときのプレイヤ入力の操作態様をタップ操作であると特定し、そのイベント発生位置の座標をタップ位置として取得することができる。例えば入力判定部34は、"touchmove"のタッチイベントが発生したときのプレイヤ入力の操作態様をフリック操作であると特定し、そのイベント発生位置の座標をフリック位置として取得することができる。
入力判定部34は、入力された操作がタップ操作であると特定すると、そのタップ位置がいずれかのタッチ判定領域に含まれるかを判定し、その判定結果に基づいてレーンを特定する。レーンは、目標座標と1対1で対応するものであり、本実施形態では、ゲーム制御部30は、第1レーンから第5レーンまで5つのレーンを設定する。入力判定部34は、入力された操作がフリック操作であると特定すると、そのフリック位置がいずれかのタッチ判定領域に含まれるかを判定し、その判定結果に基づいてレーンを特定する。1つの例では、入力判定部34は、プレイヤ入力がタップ操作であると特定し、かつそのタップ位置が第nタッチ判定領域(nは1~5のいずれかの整数)に含まれると判定した場合、プレイヤ入力の位置を第nレーンであると特定する。1つの例では、入力判定部34は、タップ操作の位置がいずれのタッチ判定領域にも含まれないと判定した場合には、プレイヤ入力が無効なものとして処理する。なお、レーンは、目標座標又は目標オブジェクト51と1対1で対応するものであるため、入力判定部34は、レーンを用いなくてもよく、ゲーム制御部30は、レーンを設定しなくてもよい。この場合、入力判定部34は、入力された操作がタップ操作であると特定すると、そのタップ位置がいずれかのタッチ判定領域に含まれるかを判定し、その判定結果に基づいて目標座標又は目標オブジェクト51を特定するように構成することができる。
本実施形態では、サーバ20の記憶装置24は、楽曲ごとに、レーンごとに、リズムゲームの開始時からの経過時間にノーツ情報が対応付けられたノーツ抽出情報を記憶する。入力判定部34は、レーンを特定すると、レーンごとに設定されたノーツ抽出情報に基づいて、判定対象のノーツNを抽出する。ノーツ抽出情報では、タッチパネルに表示されるフレーム数が経過時間として設定されている。単位時間当たりのフレーム数、すなわち、フレームの更新間隔は限定されないが、例えば1秒当たりのフレーム数は30又は60である。ノーツ抽出情報は、各ノーツNに関するノーツ情報を含み、各ノーツ情報はノーツNの種別(操作態様)が対応付けられ(又はノーツNの種別を含み)、各ノーツ情報には、基準点が設定される。基準点は、リズムゲームの開始からのフレーム数で表され、基準点は、ノーツ情報を抽出する際に参照され、入力判定部34は、操作が入力されたタイミング(例えばタッチイベント発生時)から所定フレーム内に基準点があれば、その入力操作とノーツ情報とを対応付ける。入力判定部34は、対応付けた入力操作の操作態様(プレイヤ入力の操作態様)とノーツ情報の操作態様(ノーツNの種別)とが対応するものである場合に、当該ノーツ情報を判定対象として特定(決定)する。例えば入力判定部34は、ノーツ情報の操作態様がフリックであり、対応付けたタッチ操作がフリック操作であった場合、当該ノーツ情報を判定対象として特定する。例えば入力判定部34は、ノーツ情報の操作態様がフリックであり、入力されたタッチ操作がタップ操作であった場合、当該ノーツ情報を判定対象として特定しない。1つの例では、入力判定部34は、ノーツ情報を判定対象として特定しなかった場合、その操作を、いずれのノーツNにも対応しない、つまり、無効なものとして処理する。なお、1つの変形例では、入力判定部34は、ノーツ情報の操作態様がタップである場合、対応付けたタッチ操作の態様に関わらず、該ノーツ情報を判定対象として特定することもできる。1つの例では、楽曲に難易度が設けられている場合は、サーバ20の記憶装置24は、楽曲及びその難易度ごとに、レーンごとに、リズムゲームの開始時からの経過時間にノーツNの種別が対応付けられたノーツ抽出情報を記憶する。1つの変形例では、入力判定部34は、判定対象のノーツNを抽出する際に、プレイヤ入力の操作態様に対応する操作態様が対応付けられたノーツ情報のみを抽出するように構成してもよい。
1つの例では、ゲーム制御部30は、入力された操作がタップ操作であると特定し、かつそのタップ位置が第5レーンであると特定した場合、リズムゲームの開始からのフレーム数(経過時間)を取得し、第5レーンに存在するノーツ情報のうち、操作の入力時点(例えば当該操作のタッチイベント発生時)のフレーム数を基準として、前後の所定フレーム内に基準点がある最先のノーツ情報を1つ抽出し、抽出したノーツ情報がタップノーツ41であった場合に当該ノーツ情報を判定対象として特定する。所定フレーム数は、適宜設定可能であるが、例えば10フレームとすることができる。この場合、操作の入力時点のフレームよりも10フレーム前~10フレーム先に、いずれかのノーツ情報の基準点があれば、そのノーツ情報の中で最先の(フレーム数が最も小さい)ノーツ情報が判定対象として特定される。前後10フレーム内にいずれのノーツ情報もなければ、その操作は、いずれのノーツNにも対応しない、つまり、無効なものとして扱われる。
入力判定部34は、いずれかのノーツ情報を判定対象として特定すると、該ノーツ情報の基準点と操作が入力されたタイミングとに基づいてプレイヤ入力のタイミングを判定する。例えば入力判定部34は、タイミング判定処理にあたって、操作が入力された時点がノーツ情報の基準点を基準として予め設定された判定期間内であるか否かを判定することにより、プレイヤ入力を成功又は失敗と判定する。入力判定部34は、ノーツ情報の基準点と操作が入力された時点との差分の大きさに応じて、複数のレベルの成功判定を行うこともできる。1つの例では、サーバ20の記憶装置24は、判定基準情報を記憶し、入力判定部34は、タイミング判定処理を、基準点を含む判定期間が設定されている判定基準情報に基づいて行う。この場合、判定期間は、ノーツNによって異なってもよいし、全てのノーツNで共通でもよく、判定期間内には、基準点と操作が入力されたタイミングとの差分により、判定区間が設けられてもよい。また、判定区間の数、各判定区間のフレーム数は、全てのノーツNで共通でもよいし、ノーツNによって異なってもよい。
入力判定部34は、上記のように、判定対象に特定されてタイミング判定処理が行われたノーツ情報を判定対象特定済として、少なくともリズムゲームが終了するまで判定対象に特定されないように消去又はフラグ付けなどの処理をする。そのため、同一のノーツ情報が2回以上判定対象に特定されることはない。したがって、入力判定部34があるノーツNに関するノーツ情報に対して失敗と判定した場合であっても、当該ノーツ情報を再び判定対象に抽出しない。
ゲームスコア決定部35は、プレイヤ入力の判定に基づいてプレイヤのゲームスコアを決定する。ゲームスコア決定部35は、タイミングの判定結果が成功判定である場合には、プレイヤに所定の得点を付与し、判定結果が失敗判定である場合には、得点を付与しない。1つの例では、ゲームスコア決定部35は、基準点と操作が入力されたタイミングとの差分が小さいほど、プレイヤに高得点を付与する。
ゲーム制御部30が第2の種類のプレイヤ端末10Bであるパソコン10Bにおいて実行するリズムゲームGについて説明する。本実施形態では、スマートフォン10Aで実行されるリズムゲームG(スマートフォン版ゲーム)とパソコン10Bで実行されるリズムゲームG(PC版ゲーム)は、同じ内容のゲームであり、これらのリズムゲームGに関するデータは、サーバ20の記憶装置24や各ゲームアプリCAに記憶される。なお、これらのリズムゲームGに関するデータは、例えば出現するノーツNや判定タイミングなどのゲームの動作内容が同じになるようなデータであれば、完全に同一のデータである必要はなく、例えば異なるデータ形式やデータ構造のデータであってもよい。例えばパソコン10Bで実行するリズムゲームGのゲーム画面は、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGのゲーム画面40と同じであり、リズムゲーム中に再生される音楽なども同じである。例えば音楽再生部32は、パソコン10Bにおいて音楽を再生する。オブジェクト表示部33は、パソコン10Bのディスプレイに、タップノーツ41及びフリックノーツ42のうちの少なくとも一方を、複数の目標位置のうちのいずれかの目標位置に到達するように移動表示させる。したがって、以下では、パソコン10Bで実行するリズムゲームGの、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGとの相違点を主に説明する。
入力判定部34は、パソコン10Bが備えるキーボードのうちの目標位置のいずれかに対応付けられたキーの押下によるプレイヤ入力に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。パソコン10Bで実行するリズムゲームGでは、各目標オブジェクト51a~51e(各目標オブジェクト51a~51eへのタッチ)が、パソコン10Bのいずれかのキー(キーの押下)に対応付けられる(割り当てられる)。ゲーム制御部30は、割り当てられたキーの押下による入力を、該キーに対応付けられた目標オブジェクト51へのタッチ入力(例えば目標オブジェクト51の所定領域又は領域全体へのタッチ入力)として受け付ける。パソコン10Bで実行するリズムゲームGでは、入力判定部34は、操作態様については判定しない。パソコン10Bで実行するリズムゲームGは、入力判定部34が、操作態様については判定せず、受け付けたキーの押下による入力を、対応付けられた目標オブジェクト51へのタッチ入力(タップやフリックなどを含む入力)として処理する以外は、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGの処理と同様である。したがって、例えば入力判定部34は、入力されたキーとタイミングからプレイヤ入力を特定し、特定されたプレイヤ入力を楽曲ごとに予め定められたノーツ抽出情報(操作態様を除いたノーツ抽出情報)と比較することにより、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。パソコン10Bで実行するリズムゲームGでは、入力判定部34は、操作態様については判定しないため、1つの目標オブジェクト51に対するタップ操作及びフリック操作が同一のキーに割り当てられる。1つの例では、各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作は、それぞれ1つのキーに割り当てられるか、又は、それぞれ1つ若しくは2つのキーに割り当てられる。
ゲーム制御部30は、キーボードのキーを目標オブジェクト51に対応付けるための設定画面を表示することができる。図6は、ゲーム制御部30がパソコン10Bのディスプレイに表示するリズムゲームGの設定画面60の一例を示す図である。タップ/フリック1のL2、L1、C、R1、R2の設定領域は、それぞれ各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作に割り当てられる1つのキーを設定するための領域である。L2は一番左側に位置する第1目標オブジェクト51aに対するタップ操作及びフリック操作を表し、L1はL2の右隣に位置する第2目標オブジェクト51bに対するタップ操作及びフリック操作を表し、Cは中央に位置する第3目標オブジェクト51cに対するタップ操作及びフリック操作を表し、R1はCの右隣に位置する第4目標オブジェクト51dに対するタップ操作及びフリック操作を表し、R2は一番右側に位置する第5目標オブジェクト51eに対するタップ操作及びフリック操作を表す。タップ/フリック2も同様である。この場合、タップ/フリック1とタップ/フリック2でそれぞれ5箇所のキー(合計10個のキー)の割り当てをすることができる。例えば、デフォルト設定は、タップ/フリック1が左から順番にASDFG、タップ/フリック2が左から順番にZXCVBとすることができる。この場合、プレイヤは右手と左手の両方で操作することが可能である。
ゲーム制御部30は、例えば図6に示す設定画面60を介してプレイヤからの入力を受け付けることにより、各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作に割り当てるキーを受け付ける。1つの例では、タップ/フリック2は、設定されなくてもよい。この場合、ゲーム制御部30は、各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作に割り当てる1つのキーを受け付ける。1つの例では、タップ/フリック1とタップ/フリック2で割り当てられる合計10個のキーは、すべて異なるキーのみ設定することができる。この場合、ゲーム制御部30は、各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作に割り当てる2つのキーを、合計10個のキーがすべて異なる場合のみ、受け付ける。
ゲームスコア決定部35は、プレイヤ入力の判定に基づいてプレイヤのゲームスコアを決定する。ゲームスコア決定部35は、スマートフォン10Aで実行されたゲームにおいてゲームスコア決定部35が決定したプレイヤのゲームスコアをプレイヤIDに関連付けて記憶する。一方、ゲームスコア決定部35は、パソコン10Bで実行されたゲームにおいてゲームスコア決定部35が決定したプレイヤのゲームスコアをプレイヤIDに関連付けて記憶しない。したがって、プレイヤは、リズムゲームGをプレイする際に、スマートフォン10Aでプレイする場合は最高スコアなどを自身のスコアとして記録を残すことができる一方、パソコン10Bでプレイする場合は、参考のスコアを残すことはできるものの、最高スコアなどを自身のスコアとして記録を残すことができない。
図7は、本発明の一実施形態のゲーム制御部30の処理のフローチャートを示す図である。ゲーム制御部30は、一定時間ごとに、例えばプレイヤ端末10のフレームレートに対応する1/30秒や1/60秒ごとに、本フローチャートの処理を実行する。
ステップ101で、オブジェクト表示部33は、プレイヤ端末10のディスプレイに、タップノーツ41及びフリックノーツ42のうちの少なくとも一方を、複数の目標位置のうちのいずれかの目標位置に到達するように移動表示させる。
ステップ102で、入力判定部34は、プレイヤ端末10が第1の種類のプレイヤ端末(スマートフォン)の場合、タッチパネルに対するプレイヤ入力に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。入力判定部34は、プレイヤ端末10が第2の種類のプレイヤ端末(パソコン)の場合、該プレイヤ端末10が備えるキーボードのうちの目標位置のいずれかに対応付けられたキーの押下によるプレイヤ入力に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。
ステップ103で、ゲームスコア決定部35は、プレイヤ入力の判定に基づいてプレイヤのゲームスコアを決定する。
ステップ104で、楽曲が終了してゲームが終了しない限り、又はプレイヤによりゲーム終了操作がされない限り、本フローチャートはステップ101へ戻る。
次に、本発明の実施形態のゲームシステム1の主な作用効果について説明する。ゲームシステム1は、スマートフォン10Aとパソコン10BにおいてリズムゲームGを実行することができ、或いはこれらの端末にリズムゲームGを提供することができる。入力判定部34は、スマートフォン10Aでは、既知のリズムゲームと同様にして、タッチパネルに対するプレイヤのタッチ操作(位置、タイミング、操作態様)に基づいて、プレイヤのタッチ操作(プレイヤ入力)を判定する。入力判定部34は、パソコン10Bでは、パソコン10Bが備えるキーボードのうちの目標位置のいずれかに対応付けられたキーの押下に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。
従来、タッチパネルを用いた入力を前提としたスマートフォン用に提供されるリズムゲームを、タッチパネルを備えていないプラットフォームに対応させることは行われてこなかった。本実施形態のゲームシステム1は、従来考えられなかったこの課題を解決するためのシステムであり、本実施形態のように、各目標オブジェクト51a~51eへのタッチ入力のそれぞれをキーボードのキーの押下に対応付けることにより、スマートフォンなどのタッチパネルを備える端末用に提供される(タッチパネルを備える端末で実行される)リズムゲームをパソコンなどのタッチパネルを備えない端末用にも提供する(タッチパネルを備えない端末で実行する)ことが可能となる。これにより、プレイヤ端末の入力装置の種類に応じたゲームを提供する(実行する)ことが可能となる。
また本実施形態では、ゲームスコア決定部35は、スマートフォン10Aで実行されたリズムゲームGではプレイヤのゲームスコアをプレイヤIDに関連付けて記憶する一方、パソコン10Bで実行されたリズムゲームGではプレイヤのゲームスコアをプレイヤIDに関連付けて記憶しないように構成することができる。このような構成とすることにより、ゲームシステム1は、複数の種類のプレイヤ端末10でゲームを実行することを可能としつつ、リズムゲームGが本来要求する難易度のゲームのプレイによるゲームスコアのみを記憶することが可能となる。これにより、様々なプレイヤに対するゲームの興趣性を高めることが可能となる。
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や変形例においても同様である。
本発明の1又は複数の実施形態では、ノーツNは、スライドノーツ43を含むことができる。この実施形態におけるスマートフォン10Aで実行するリズムゲームGについて説明する。図8は、ゲーム制御部30がスマートフォン10Aのタッチパネルに表示するリズムゲームGのゲーム画面40の一例を示す図である。スライドノーツ43は、先頭スライドノーツ43a、中間スライドノーツ43b、及び最終スライドノーツ43cを含み、スライドノーツ群と呼ぶことができる。
先頭スライドノーツ43aは、操作態様としてタップ操作が対応付けられている。したがって、先頭スライドノーツ43aについては、タップノーツ41と同様に処理する。また、中間スライドノーツ43bは、操作態様として継続操作が対応付けられている。本実施形態において、継続操作とは、途切れることなく連続して検知される長押し操作であって、連続する2回の操作検知位置が、タッチパネルの一定の範囲内である操作を言う。したがって、例えば、タッチパネルの異なる複数の位置で同時に接触を維持している場合、連続して検知される操作位置が一定の範囲を超えることになるため、これら複数の操作は継続操作と判断されない。最終スライドノーツ43cは、操作態様として継続終了操作が対応付けられている。本実施形態において、継続終了操作とは、上記の継続操作、すなわち長押し操作の終了を言う。したがって、継続終了操作の前には、必ず継続操作があり、継続操作の前には、必ずタップ操作がある。例えば入力判定部34は、"touchstart"のタッチイベントが発生して"touchend"のタッチイベントが発生していないプレイヤ入力の操作態様を継続操作であると特定し、最後に検出したイベント発生位置の座標を継続操作位置として取得することができる。例えば入力判定部34は、"touchend"のタッチイベントが発生したときのプレイヤ入力の操作態様を終了操作(又は継続終了操作)であると特定し、そのイベント発生位置の座標を終了操作位置として取得することができる。特にこの場合、入力判定部34は、"touchstart"のタッチイベントが発生してから所定時間経過後に"touchend"のタッチイベントが発生したときのプレイヤ入力の操作態様を継続終了操作であると特定し、そのイベント発生位置の座標を継続終了操作位置として取得することができる。
スライドノーツ43は、タッチパネルの表示開始タイミング、目標座標への到達タイミング、及びタッチパネルからの消去タイミングが異なる複数のノーツNで構成される。スライドノーツ43において、最初に表示されるノーツN、すなわち、先頭のノーツNが先頭スライドノーツ43aとなり、最後に表示されるノーツN、すなわち、最後尾のノーツNが最終スライドノーツ43cとなる。そして、スライドノーツ群SNが3以上のノーツNを含んで構成される場合、先頭スライドノーツ43aと最終スライドノーツ43cとの間に配されるノーツNが、中間スライドノーツ43bとなる。このように、スライドノーツ43は、少なくとも先頭スライドノーツ43a及び最終スライドノーツ43cを含む。なお、先頭スライドノーツ43a、中間スライドノーツ43b、最終スライドノーツ43cは、いずれもタップノーツ41と表示態様が等しい(白色の真円形状)。ただし、スライドノーツ43を構成するノーツNは、スライドガイド43dで結ばれている。スライドガイド43dは、表示順が連続する2つのノーツNに跨って表示され、ノーツNと一体となって移動表示される。したがって、スライドガイド43dは、スライド方向や最適な移動速度をプレイヤに示唆するものと言える。また、スライドガイド43dにより、プレイヤは、タップノーツ41と、先頭スライドノーツ43a、中間スライドノーツ43b、最終スライドノーツ43cとを識別可能となる。
この実施形態では、オブジェクト表示部33は、スマートフォン10Aのタッチパネルに、タップノーツ41、フリックノーツ42、及びスライドノーツ43のうちの少なくとも1つのノーツNを、複数の目標位置のうちのいずれかの目標位置に到達するように移動表示させる。入力判定部34も、他のノーツNと同様に処理を行う。1つの例では、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGでは、入力判定部34は、入力された操作がタッチ継続操作であると特定した場合、そのタッチ継続位置がいずれかのタッチ判定領域に含まれるかを判定し、その判定結果に基づいてレーンを特定する。入力判定部34は、レーンを特定すると、リズムゲームの開始からのフレーム数を取得し、ノーツ抽出情報に含まれる特定したレーンに存在するノーツ情報のうち、操作の入力時点のフレーム数を基準として、前後の所定フレーム内に基準点がある最先のノーツ情報を1つ抽出し、抽出したノーツ情報が中間スライドノーツ43bであった場合に当該ノーツ情報を判定対象として特定し、該ノーツ情報の基準点と操作が入力されたタイミングとに基づいてプレイヤ入力のタイミングを判定する。1つの例では、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGでは、入力判定部34は、入力された操作がタッチ継続終了操作であると特定した場合、そのタッチ終了位置がいずれかのタッチ判定領域に含まれるかを判定し、その判定結果に基づいてレーンを特定する。入力判定部34は、レーンを特定すると、リズムゲームの開始からのフレーム数を取得し、ノーツ抽出情報に含まれる特定したレーンに存在するノーツ情報のうち、操作の入力時点のフレーム数を基準として、前後の所定フレーム内に基準点がある最先のノーツ情報を1つ抽出し、抽出したノーツ情報が最終スライドノーツ43cであった場合に当該ノーツ情報を判定対象として特定し、該ノーツ情報の基準点と操作が入力されたタイミングとに基づいてプレイヤ入力のタイミングを判定する。
次に、この実施形態におけるパソコン10Bで実行するリズムゲームGについて説明する。ゲーム制御部30は、割り当てられたキーの押下による入力を、該キーに対応付けられた目標オブジェクト51の領域へのタッチ入力として受け付けるが、入力判定部34は、スライド継続については判定しない。したがって、入力判定部34は、先頭スライドノーツ43a及び中間スライドノーツ43bをタップノーツ41と同様に処理する。ゲーム制御部30は、キーが押下された状態から離された状態とするプレイヤ入力を該キーに対応付けられた目標オブジェクト51の領域へのタッチ終了として受け付ける。そのため、入力判定部34は、最終スライドノーツ43cについては、受け付けたキーの押下状態から離れた状態とする入力を対応付けられた目標オブジェクト51の領域におけるタッチ終了として処理する以外は、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGでの入力判定部34と同様の判定処理を行う。ただし、入力判定部34は、スライド継続については判定しないため、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGとは異なり、プレイヤは、対応するキーを押下してすぐにキーを離すことで最終スライドノーツ43cに対する入力とすることができる。
本発明の1又は複数の実施形態では、ゲーム制御部30は、5つのタッチ判定領域を予め設定せずに、5つのタップ判定領域、フリック判定領域、及びスライド判定領域をそれぞれ予め設定することができる。入力判定部34は、入力された操作の態様に応じて、対応する判定領域を用いて判定することができる。例えば、各スライド判定領域を各タップ判定領域よりも広く設定することができる。
本発明の1又は複数の実施形態では、ゲーム制御部30は、5つではない任意の数の目標座標(目標オブジェクト51)を設定することができる。この場合においても、ノーツNの各々は、いずれかの目標座標が対応付けられ、例えばオブジェクト表示部33は、対応する目標座標のいずれかに向けて上から下へ移動するノーツNを移動表示させる。この実施形態の変形実施形態として、ゲーム制御部30は、1つのみの目標座標(目標オブジェクト51)を設定することができる。この場合、例えばゲーム制御部30は、1つのレーンのみ設定する。
本発明の1又は複数の実施形態では、パソコン10Bで実行するリズムゲームGにおいて、各目標オブジェクト51a~51eに対するタップ操作及びフリック操作は、それぞれ隣接する2つのキーに割り当てられるように構成されてもよい。例えば、第1目標オブジェクト51a~第5目標オブジェクト51eに割り当てられるキーは、順番にAS、DF、GH、JP、L;とすることができる。1つの変形例では、パソコン10Bで実行するリズムゲームGにおいて、1つの目標オブジェクト51に対するタップ操作及びフリック操作が異なるキーに割り当てられてもよい。当該変形例においては、ゲーム制御部30は、例えば目標オブジェクト51aにおける右を示す矢印が表示されたフリックノーツ42に対するフリック操作としてA→S(ASの順番でキーを押下)を割り当て、目標オブジェクト51aにおける左を示す矢印が表示されたフリックノーツ42に対するフリック操作としてS→A(SAの順番でキーを押下)を割り当てることができるように構成されてもよい。或いは、当該変形例においては、ゲーム制御部30は、例えば目標オブジェクト51aにおける右を示す矢印が表示されたフリックノーツ42に対するフリック操作としてA or S→D or F(A又はS、D又はFの順番(例えばA→Dの順番)でキーを押下)を割り当て、目標オブジェクト51aにおける左を示す矢印が表示されたフリックノーツ42に対するフリック操作としてD or F→A or S(D又はF、A又はSの順番(例えばD→Aの順番)でキーを押下)を割り当てることができるように構成されてもよい。
本発明の1又は複数の実施形態では、プレイヤ端末10は、タッチパネル及びキーボードを備えるプレイヤ端末10においてリズムゲームGを実行することができる。この実施形態では、ゲーム制御部30は、プレイヤ入力を受け付けると、タッチパネルに対するタッチ入力であるか又はボタンの押下による入力であるかを判定することができる。或いは、ゲーム制御部30は、リズムゲームGの入力方法、すなわちタッチパネルにより入力操作を行うか又はボタン押下により入力操作を行うかを、設定画面などを介してプレイヤから受け付けることができる。入力判定部34は、タッチパネルに対する入力を受け付けた場合、既知のリズムゲームと同様にしてタッチパネルに対するプレイヤのタッチ操作に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定し、ボタンの押下による入力を受け付けた場合、プレイヤ端末10が備える複数のボタンのうちの目標位置のいずれかに対応付けられたボタンの押下に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定することができる。
本発明の変形実施形態では、入力判定部34は、経過時間に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定せずに、オブジェクト表示部33が表示するノーツNとプレイヤによりタッチ操作された目標オブジェクト51との当たり判定に基づいて、プレイヤ入力の位置及びタイミングを判定する。この実施形態では、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGでは、入力判定部34は、当たり判定の対象のノーツNの種別に基づいて、プレイヤ入力により特定された操作態様についても判定する。
本発明の変形実施形態では、リズムゲームGはスタンドアロン型のゲームとすることができる。この場合、プレイヤ端末10は、スタンドアロン型の端末とすることができる。サーバ20は、例えばウェブページを介して、プレイヤ端末10の種類(プラットフォーム)に応じたゲームアプリCAをダウンロードさせることができるように構成することができる。この実施形態では、プレイヤ端末10がゲーム制御部30を備える。入力判定部34は、プレイヤ端末が第2の種類のプレイヤ端末10Bである場合、プレイヤ端末10Bが備える複数のボタンのうちの目標位置のいずれかに対応付けられたボタンの押下に基づいて、ノーツNに対するプレイヤ入力を判定する。
本発明の変形実施形態では、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGにおいて、入力判定部34は、プレイヤの操作態様とノーツ情報が対応付けられた操作態様とが対応しないものも含めてノーツ情報を判定対象として特定することができる。この場合、入力判定部34は、いずれかのノーツ情報を判定対象として特定した後に、該ノーツ情報の操作態様とプレイヤ入力の操作態様とが対応するものであるかを判定し、該ノーツ情報の基準点と操作が入力されたタイミングとに基づいてプレイヤ入力のタイミングを判定することができる。例えば入力判定部34は、ノーツ情報の操作態様がフリックであり、入力されたタッチ操作がフリック操作であった場合、対応するノーツであると判定し、続いてタイミングを判定することができる。例えば入力判定部34は、ノーツ情報の操作態様がフリックであり、入力されたタッチ操作がタップ操作であった場合、対応しないノーツであると判定し、タイミングを判定しないか、又はタイミングの判定に関わらずプレイヤ入力を失敗と判定することができる。
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。例えば、リズムゲームGの楽曲は、リズムだけのものであってもよい。例えば、第1の種類のプレイヤ端末10Aとしてのスマートフォン10Aは1つの例示であり、第1の種類のプレイヤ端末10Aは、ポインティングデバイス(例えばタッチパネル)を入力装置13として備える任意のプレイヤ端末とすることができる。例えば、第2の種類のプレイヤ端末10Bとしてのパソコン10Bは1つの例示であり、第2の種類のプレイヤ端末10Bは、タッチパネルを入力装置13として備えない任意のプレイヤ端末とすることができる。例えば第2の種類のプレイヤ端末10Bが備える入力装置13は、複数のボタンを備える任意の入力装置とすることができる。例えば、スマートフォンAで実行するリズムゲームGにおける入力判定部34の判定処理は、既知のリズムゲームにおける判定処理と同様の処理を行うことができる。この場合においても、パソコン10Bで実行するリズムゲームGは、入力判定部34が、操作態様については判定せず、受け付けたキーの押下による入力を、対応付けられた目標オブジェクト51へのタッチ入力として処理する以外は、スマートフォン10Aで実行するリズムゲームGでの入力判定部34と同様の処理を行うことができる。例えばノーツ抽出情報は、楽曲ごとに、リズムゲームの開始時からの経過時間に対応付けられたノーツNの情報を含む、プレイヤの入力を判定するのに必要な任意の情報とすることができる。