JP2023118759A - 測定装置、測定方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】状況に応じて白線を検出する範囲を適切に調整し、自車位置推定の精度低下を防止する。【解決手段】測定装置は、周囲の路面線を検出するためのセンサ部からの出力データを取得し、自己位置と、路面線の位置情報と、前記自己位置の移動速度とに基づいて、所定範囲を決定する。そして、出力データのうち、所定範囲の検出結果に相当するデータを抽出し、抽出されたデータに基づいて所定の処理を行う。【選択図】図4
Description
本発明は、地物の位置に基づいて移動体の位置を推定する技術に関する。
自動運転車両では、LiDAR(Light Detection and Ranging)などのセンサで計測した地物位置と、自動運転用の地図情報の地物位置をマッチングして高精度に自車位置を推定する必要がある。ここで利用する地物としては、白線、標識、看板などが挙げられる。特許文献1は、LiDARを用いて検出した地物位置と、地図情報の地物位置とを用いて自車位置を推定する手法の一例を記載している。また、特許文献2は、道路面に電磁波を送信し、その反射率に基づいて白線を検出する技術を開示している。
白線を用いて自車位置を推定する場合、白線の種類(連続線、破線など)や塗装の劣化などによって、LiDARにより計測できるデータ数に差が生じる。このため、白線を用いて自車位置推定を行う際、白線の検出に使用するLiDARのデータ数が少ない場合と多い場合とでは白線の検出精度が変わり、その結果自車位置推定の精度が変わってくる。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明は、状況に応じて白線を検出する範囲を適切に調整し、自車位置推定の精度低下を防止することを目的とする。
請求項に記載の発明は、移動体に搭載される測定装置であって、スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得部と、前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測部と、前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定部と、を備える。
請求項に記載の発明は、移動体に搭載される測定装置により実行される測定方法であって、スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得工程と、前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測工程と、前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定工程と、を備える。
請求項に記載の発明は、移動体に搭載され、コンピュータを備える測定装置により実行されるプログラムであって、スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得部、前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測部、前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定部、として前記コンピュータを機能させる。
本発明の1つの好適な実施形態では、測定装置は、周囲の路面線を検出するためのセンサ部からの出力データを取得する取得部と、自己位置と、路面線の位置情報と、前記自己位置の移動速度とに基づいて、所定範囲を決定する決定部と、前記出力データのうち、前記所定範囲の検出結果に相当するデータを抽出する抽出部と、抽出されたデータに基づいて所定の処理を行う処理部と、を備える。
上記の測定装置は、周囲の路面線を検出するためのセンサ部からの出力データを取得し、自己位置と、路面線の位置情報と、前記自己位置の移動速度とに基づいて、所定範囲を決定する。そして、出力データのうち、所定範囲の検出結果に相当するデータを抽出し、抽出されたデータに基づいて所定の処理を行う。これにより、自己位置の移動速度に応じて、データを抽出するための所定範囲を適切に設定することができる。なお、本明細書においての「路面線」とは、測定対象である白線や黄色線などの区画線、および停止線や横断歩道などの線状の道路標示等である。
上記の測定装置の一態様では、前記決定部は、前記自己位置と、前記路面線の実線部の位置情報とに基づいて前記所定範囲を決定し、当該所定範囲を前記移動速度に応じて前記自己位置の移動方向にシフトする。この態様では、所定範囲が移動速度に応じてシフトされる。
上記の測定装置の他の一態様では、前記測定装置は、移動体に搭載され、前記決定部は、前記移動体の位置を基準として複数の所定範囲を決定し、前記センサ部による前記複数の所定範囲のスキャン順序に応じたシフト量だけ前記所定範囲の各々をシフトする。この態様では、複数の所定範囲がセンサ部によるスキャン順序に応じてシフトされる。好適には、前記決定部は、前記センサ部によるスキャン順序が後になる所定範囲ほど大きなシフト量でシフトする。また、好適には、前記決定部は、前記センサ部によるスキャン速度が速いほど、前記シフト量を少なくする。
好適には、前記決定部は、前記移動体の位置を基準として右前方、右後方、左前方、左後方の4か所に前記所定範囲を設定する。また、好適には、前記処理部は、前記路面線の位置を検出し、当該路面線の位置に基づいて前記測定装置の位置を推定する処理を行う。
本発明の他の好適な実施形態では、測定装置により実行される測定方法は、周囲の路面線を検出するためのセンサ部からの出力データを取得する取得工程と、自己位置と、路面線の位置情報と、前記自己位置の移動速度とに基づいて、所定範囲を決定する決定工程と、前記出力データのうち、前記所定範囲の検出結果に相当するデータを抽出する抽出工程と、抽出されたデータに基づいて所定の処理を行う処理工程と、を備える。この方法により、自己位置の移動速度に応じて、データを抽出するための所定範囲を適切に設定することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを備える測定装置により実行されるプログラムは、周囲の路面線を検出するためのセンサ部からの出力データを取得する取得部、自己位置と、路面線の位置情報と、前記自己位置の移動速度とに基づいて、所定範囲を決定する決定部、前記出力データのうち、前記所定範囲の検出結果に相当するデータを抽出する抽出部、抽出されたデータに基づいて所定の処理を行う処理部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の測定装置を実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[白線抽出方法]
図1は、白線抽出方法を説明する図である。白線抽出とは、道路面にペイントされた白線を検出し、その所定位置、例えば中心位置を算出することをいう。
[白線抽出方法]
図1は、白線抽出方法を説明する図である。白線抽出とは、道路面にペイントされた白線を検出し、その所定位置、例えば中心位置を算出することをいう。
(白線予測位置の算出)
図示のように、地図座標系(Xm,Ym)に車両5が存在し、車両5の位置を基準として車両座標系(Xv,Yv)が規定される。具体的に、車両5の進行方向を車両座標系のXv軸とし、それに垂直な方向を車両座標系のYv軸とする。
図示のように、地図座標系(Xm,Ym)に車両5が存在し、車両5の位置を基準として車両座標系(Xv,Yv)が規定される。具体的に、車両5の進行方向を車両座標系のXv軸とし、それに垂直な方向を車両座標系のYv軸とする。
車両5の左右の側方には車線境界線である白線が存在する。白線の地図座標系における位置、即ち、白線地図位置は、サーバなどにより管理される高度化地図に含まれており、サーバなどから取得される。本実施例では、白線のデータは座標点列として高度化地図内に記憶されているものとする。また、車両5に搭載されたLiDARはスキャンライン2に沿ってスキャンデータを計測する。なお、スキャンライン2は、LiDARによるスキャンの軌跡を示す。
図1では、車両5の左側の白線WL1を構成する点の座標、即ち白線地図位置WLMP1は(mxm1,mym1)であり、車両5の右側の白線WL2を構成する点の座標、即ち白線地図位置WLMP2は(mxm2,mym2)であるとする。また、地図座標系における予測自車位置PVPは(x’m,y’m)で与えられ、地図座標系における予測自車方位角はΨ’mで与えられる。
ここで、白線の予測位置を示す白線予測位置WLPP(l’xv,l’yv)は、白線地図位置WLMP(mxm,mym)と、予測自車位置PVP(x’m,y’m)と、予測自車方位角Ψ’mとを用いて、以下の式(1)により与えられる。
(白線予測範囲の決定)
次に、白線予測位置WLPPに基づいて、白線予測範囲WLPRが決定される。白線予測範囲WLPRは、予測自車位置PVPを基準として、白線が存在すると考えられる範囲を示す。白線予測範囲WLPRは、最大で車両5の右前方、右後方、左前方及び左後方の4か所に設定される。
次に、白線予測位置WLPPに基づいて、白線予測範囲WLPRが決定される。白線予測範囲WLPRは、予測自車位置PVPを基準として、白線が存在すると考えられる範囲を示す。白線予測範囲WLPRは、最大で車両5の右前方、右後方、左前方及び左後方の4か所に設定される。
図2は、白線予測範囲WLPRの決定方法を示す。図2(A)において、車両5の前方の任意の位置(距離αv前方の位置)に前方基準点(αv,0v)を設定する。そして、前方基準点(αv,0v)と、白線予測位置WLPPとに基づいて、前方基準点(αv,0v)から最も近い白線予測位置WLPPを探索する。具体的には、白線WL1については、前方基準点(αv,0v)と、白線WL1を構成する複数の白線予測位置WLPP1(l’xv1,l’yv1)とに基づいて、以下の式(2)により距離D1を算出し、距離D1が最小値となる白線予測位置WLPP1を予測範囲基準点Pref1とする。
同様に、白線WL2については、前方基準点(αv,0v)と、白線WL2を構成する複数の白線予測位置WLPP2(l’xv2,l’yv2)とに基づいて、以下の式(3)により距離D2を算出し、距離D2が最小値となる白線予測位置WLPP2を予測範囲基準点Pref2とする。
そして、図2(B)に示すように、予測範囲基準点Prefを基準とした任意の範囲、例えば予測範囲基準点PrefからXv軸方向に±ΔX、Yv軸方向に±ΔYの範囲を白線予測範囲WLPRと設定する。こうして、図1に示すように、車両5の前方の左右位置に白線予測範囲WLPR1とWLPR2が設定される。同様に、車両5の後方に後方基準点を設定して予測範囲基準点Prefを設定することにより、車両5の後方の左右位置に白線予測範囲WLPR3とWLPR4が設定される。こうして、車両5に対して4つの白線予測範囲WLPR1~4が設定される。
(白線中心位置の算出)
次に、白線予測位置WLPPを用いて白線中心位置WLCPを算出する。図3は白線中心位置WLCPの算出方法を示す。図3(A)は、白線WL1が実線である場合を示す。白線中心位置WLCP1は、白線を構成するスキャンデータの位置座標の平均値により算出される。いま、図3(A)に示すように、白線予測範囲WLPR1が設定されると、LiDARから出力されるスキャンデータのうち、白線予測範囲WLPR1内に存在する白線スキャンデータWLSD1(wx’v,wy’v)が抽出される。白線上は通常の道路上と比較して反射率が高いので、白線上で得られたスキャンデータは、反射強度の高いデータとなる。LiDARから出力されたスキャンデータのうち、白線予測範囲WLPR1内に存在し、路面上、かつ、反射強度が所定以上値であるスキャンデータが白線スキャンデータWLSDとして抽出される。そして、抽出された白線スキャンデータWLSDの数を「n」とすると、以下の式(4)により、白線中心位置WLCP1(sxv1,syv1)の座標が得られる。
また、図3(B)に示すように、白線が破線である場合も同様に白線中心位置WLCP2が算出される。
次に、白線予測位置WLPPを用いて白線中心位置WLCPを算出する。図3は白線中心位置WLCPの算出方法を示す。図3(A)は、白線WL1が実線である場合を示す。白線中心位置WLCP1は、白線を構成するスキャンデータの位置座標の平均値により算出される。いま、図3(A)に示すように、白線予測範囲WLPR1が設定されると、LiDARから出力されるスキャンデータのうち、白線予測範囲WLPR1内に存在する白線スキャンデータWLSD1(wx’v,wy’v)が抽出される。白線上は通常の道路上と比較して反射率が高いので、白線上で得られたスキャンデータは、反射強度の高いデータとなる。LiDARから出力されたスキャンデータのうち、白線予測範囲WLPR1内に存在し、路面上、かつ、反射強度が所定以上値であるスキャンデータが白線スキャンデータWLSDとして抽出される。そして、抽出された白線スキャンデータWLSDの数を「n」とすると、以下の式(4)により、白線中心位置WLCP1(sxv1,syv1)の座標が得られる。
(車両の速度に応じた白線予測範囲の補正)
次に、車両5の速度に応じて白線予測範囲WLPRを補正する手法について説明する。図4(A)は、車両5が停止している場合に車両5の前方に設定される白線予測範囲WLPR1、WLPR2を示す。ここで、LiDARは、車両5の位置を中心として時計回りに1周(360°)のスキャンを行い、1周分のスキャンデータを蓄積するものとする。車両5が停止している場合、LiDARによるスキャンライン2は車両5の位置を中心とする円となるので、白線予測範囲WLPR1とWLPR2は車両5から等距離にあればよい。即ち、図示のように、白線予測範囲WLPR1と白線予測範囲WLPR2をXv軸に対して線対称の位置に配置すれば、LiDARによるスキャンデータを効率的に抽出することができる。
次に、車両5の速度に応じて白線予測範囲WLPRを補正する手法について説明する。図4(A)は、車両5が停止している場合に車両5の前方に設定される白線予測範囲WLPR1、WLPR2を示す。ここで、LiDARは、車両5の位置を中心として時計回りに1周(360°)のスキャンを行い、1周分のスキャンデータを蓄積するものとする。車両5が停止している場合、LiDARによるスキャンライン2は車両5の位置を中心とする円となるので、白線予測範囲WLPR1とWLPR2は車両5から等距離にあればよい。即ち、図示のように、白線予測範囲WLPR1と白線予測範囲WLPR2をXv軸に対して線対称の位置に配置すれば、LiDARによるスキャンデータを効率的に抽出することができる。
しかし、図4(B)に示すように、車両5の走行中、特に高速走行している場合には、LiDARによるスキャン中に車両が移動する。この例では、LiDARは時計回りにスキャンを行うので、LiDARが車両5の左前方の白線WL1をスキャンしてから、右前方の白線WL2をスキャンするまでの間に、車両5は前方へ移動する。よって、図4(B)に示すように、LiDARが白線WL2をスキャンする位置は、白線WL1をスキャンする位置よりも前方となる。このため、図4(A)に示す車両の停止時と同じように、車両5の右前方の白線予測範囲WLPR2を左前方の白線予測範囲WLPR1と左右対称の位置に設定すると、白線予測範囲WLPR2に含まれるスキャンライン2の数が減少してしまう。
そこで、本実施例では、車両5の速度に応じて、白線予測範囲WLPRの位置を補正する。具体的に、図4(B)の例では、まず図2に示す手法により、図4(A)と同様に白線予測範囲WLPR1とWLPR2を左右対称に設定した後、車両5の速度に応じたシフト量だけ白線予測範囲WLPR2を前方へシフトし、白線予測範囲WLPR2xの位置に設定する。これにより、図4(B)に示すように、車両5の移動により前方へ移動したスキャンライン2を適切に含むように白線予測範囲WLPR2xを設定することができる。
図5は、車両5の位置を基準として、4つの白線予測範囲WLPR1~4を設定する場合の白線予測範囲の補正方法を示す。図5の例においても、LiDARによるスキャンは時計回りとする。車両5の左前方の白線予測範囲WLPR1をLiDARによるスキャンの基準点と考え、そのスキャン時刻をt0とする。また、LiDARが左前方の白線予測範囲WLPR1をスキャンしてから、右前方の白線予測範囲WLPR2をスキャンするまでの時間差をΔt1とし、右前方の白線予測範囲WLPR2をスキャンしてから右後方の白線予測範囲WLPR3をスキャンするまでの時間差をΔt2とし、右後方の白線予測範囲WLPR3をスキャンしてから左後方の白線予測範囲WLPR4をスキャンするまでの時間差をΔt3とする。
いま、車両5が停止していると仮定する。この場合、右前方の白線予測範囲WLPR2は左前方の白線予測範囲WLPR1とXv軸に対して線対称に設定される。また、右後方の白線予測範囲WLPR3は、右前方の白線予測範囲WLPR2とYv軸に対して線対称に設定される。また、左後方の白線予測範囲WLPR4は、右後方の白線予測範囲WLPR3とXv軸に対して線対称に設定される。
次に、車両5が高速走行していると仮定する。この場合、右前方の白線予測範囲WLPR2は、前方(車両の進行方向)へΔd1だけシフトされて白線予測範囲WLPR2xの位置に設定される。右後方の白線予測範囲WLPR3は、前方へΔd2だけシフトされて白線予測範囲WLPR3xの位置に設定される。左後方の白線予測範囲WLPR4は、前方へΔd3だけシフトされて白線予測範囲WLPR4xの位置に設定される。
ここで、シフト量Δd1~Δd3は、車両5の速度に依存する。概略的には、車両5の速度が速いほどシフト量Δd1~Δd3は大きくなり、車両5の速度が遅いほどシフト量Δd1~Δd3は小さくなる。より具体的には、車両5の速度を「V」とすると、白線予測範囲WLPR2xのシフト量Δd1は、
Δd1=Δt1×V (5)
となり、白線予測範囲WLPR3xのシフト量Δd2は、
Δd2=(Δt1+Δt2)×V (6)
となり、白線予測範囲WLPR4xのシフト量Δd3は、
Δd3=(Δt1+Δt2+Δt3)×V (7)
となる。
Δd1=Δt1×V (5)
となり、白線予測範囲WLPR3xのシフト量Δd2は、
Δd2=(Δt1+Δt2)×V (6)
となり、白線予測範囲WLPR4xのシフト量Δd3は、
Δd3=(Δt1+Δt2+Δt3)×V (7)
となる。
このように、車両5の周囲の4か所に白線予測範囲を設ける場合、基準となる白線予測範囲からのスキャン順序が後になる白線予測範囲ほどシフト量Δdが大きくなる。図5の例のように、LiDARのスキャン方向が時計回りである場合、シフト量はΔd1<Δd2<Δd3となる。即ち、シフト量は、白線予測範囲WLPR2x<白線予測範囲WLPR3x<白線予測範囲WLPR4xの関係となる。なお、LiDARのスキャン方向が反時計回りである場合、シフト量は、白線予測範囲WLPR4x<白線予測範囲WLPR3x<白線予測範囲WLPR2xの関係となる。
また、シフト量Δd1~Δd3は、車両5に搭載されたLiDARのスキャン速度にも依存する。概略的には、LiDARのスキャン速度が速いほどシフト量Δd1~Δd3は小さくなり、スキャン速度が遅いほどシフト量Δd1~Δd3は大きくなる。これは、スキャン速度が速いほど、上記の式(5)~(7)におけるΔt1~Δt3の値が小さくなるためである。
なお、白線予測範囲のスキャン時刻の時間差Δt1~Δt3は、各白線予測範囲間の距離とLiDARのスキャン速度、又は、各白線予測範囲間の角度とLiDARのスキャン角速度に基づいて算出することができる。
[装置構成]
図6は、本発明の測定装置を適用した自車位置推定装置の概略構成を示す。自車位置推定装置10は、車両に搭載され、無線通信によりクラウドサーバなどのサーバ7と通信可能に構成されている。サーバ7はデータベース8に接続されており、データベース8は高度化地図を記憶している。データベース8に記憶された高度化地図は、ランドマーク毎にランドマーク地図情報を記憶している。また、白線については、白線を構成する点列の座標を示す白線地図位置WLMPを含む白線地図情報を記憶している。自車位置推定装置10は、サーバ7と通信し、車両の自車位置周辺の白線に関する白線地図情報をダウンロードする。
図6は、本発明の測定装置を適用した自車位置推定装置の概略構成を示す。自車位置推定装置10は、車両に搭載され、無線通信によりクラウドサーバなどのサーバ7と通信可能に構成されている。サーバ7はデータベース8に接続されており、データベース8は高度化地図を記憶している。データベース8に記憶された高度化地図は、ランドマーク毎にランドマーク地図情報を記憶している。また、白線については、白線を構成する点列の座標を示す白線地図位置WLMPを含む白線地図情報を記憶している。自車位置推定装置10は、サーバ7と通信し、車両の自車位置周辺の白線に関する白線地図情報をダウンロードする。
自車位置推定装置10は、内界センサ11と、外界センサ12と、自車位置予測部13と、通信部14と、白線地図情報取得部15と、白線位置予測部16と、スキャンデータ抽出部17と、白線中心位置算出部18と、自車位置推定部19とを備える。なお、自車位置予測部13、白線地図情報取得部15、白線位置予測部16、スキャンデータ抽出部17、白線中心位置算出部18及び自車位置推定部19は、実際には、CPUなどのコンピュータが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
内界センサ11は、GNSS(Global Navigation Satellite System)/IMU(Inertia Measurement Unit)複合航法システムとして車両の自車位置を測位するものであり、衛星測位センサ(GPS)、ジャイロセンサ、車速センサなどを含む。自車位置予測部13は、内界センサ11の出力に基づいて、GNSS/IMU複合航法により車両の自車位置を予測し、予測自車位置PVPを白線位置予測部16に供給する。
外界センサ12は、車両の周辺の物体を検出するセンサであり、ステレオカメラ、LiDARなどを含む。外界センサ12は、計測により得られたスキャンデータSDをスキャンデータ抽出部17へ供給する。
通信部14は、サーバ7と無線通信するための通信ユニットである。白線地図情報取得部15は、車両の周辺に存在する白線に関する白線地図情報を通信部14を介してサーバ7から受信し、白線地図情報に含まれる白線地図位置WLMPを白線位置予測部16へ供給する。
白線位置予測部16は、白線地図位置WLMPと自車位置予測部13から取得した予測自車位置PVPとに基づいて、前述の式(1)により白線予測位置WLPPを算出する。また、白線位置予測部16は、白線予測位置WLPPに基づいて、前述の式(2)、(3)により白線予測範囲WLPRを決定する。さらに、白線位置予測部16は、車両の速度及びLiDARのスキャン速度、スキャン方向(時計回り又は反時計回り)に応じて、上記のように各白線予測位置WLPR1~WLPR4を補正する。そして、白線位置予測部16は、補正後の白線予測範囲WLPRをスキャンデータ抽出部17へ供給する。
スキャンデータ抽出部17は、白線位置予測部16から供給された白線予測範囲WLPRと、外界センサ12から取得したスキャンデータSDとに基づいて白線スキャンデータWLSDを抽出する。具体的には、スキャンデータ抽出部17は、スキャンデータSDのうち、白線予測範囲WLPRに含まれ、路面上、かつ、反射強度が所定値以上であるスキャンデータを、白線スキャンデータWLSDとして抽出し、白線中心位置算出部18へ供給する。
白線中心位置算出部18は、図3を参照して説明したように、式(4)により白線スキャンデータWLSDから白線中心位置WLCPを算出する。そして、白線中心位置算出部18は、算出された白線中心位置WLCPを自車位置推定部19へ供給する。
自車位置推定部19は、高度化地図における白線地図位置WLMPと、外界センサ12による白線の計測データである白線中心位置WLCPとに基づいて、車両の自車位置と自車方位角を推定する。なお、高度化地図のランドマーク位置情報と外界センサによるランドマークの計測位置情報をマッチングすることにより自車位置を推定する方法の一例が特開2017-72422に記載されている。
上記の構成において、外界センサ12は本発明のセンサ部の一例であり、スキャンデータ抽出部17は本発明の取得部及び抽出部の一例であり、白線位置予測部16は本発明の決定部の一例であり、自車位置推定部19は本発明の処理部の一例である。
[自車位置推定処理]
次に、自車位置推定装置10による自車位置推定処理について説明する。図7は、自車位置推定処理のフローチャートである。この処理は、CPUなどのコンピュータが予め用意されたプログラムを実行し、図6に示す各構成要素として機能することにより実現される。なお、自車位置推定装置10は、車速センサなどにより車両5の速度を常に検出しているものとする。また、LiDARのスキャン速度及びスキャン方向は予め決められているものとする。
次に、自車位置推定装置10による自車位置推定処理について説明する。図7は、自車位置推定処理のフローチャートである。この処理は、CPUなどのコンピュータが予め用意されたプログラムを実行し、図6に示す各構成要素として機能することにより実現される。なお、自車位置推定装置10は、車速センサなどにより車両5の速度を常に検出しているものとする。また、LiDARのスキャン速度及びスキャン方向は予め決められているものとする。
まず、自車位置予測部13は、内界センサ11からの出力に基づいて、予測自車位置PVPを取得する(ステップS11)。次に、白線地図情報取得部15は、通信部14を通じてサーバ7に接続し、データベース8に記憶された高度化地図から白線地図情報を取得する(ステップS12)。なお、ステップS11とS12はいずれが先でもよい。
次に、白線位置予測部16は、ステップS12で得られた白線位置情報に含まれる白線地図位置WLMPと、ステップS11で得られた予測自車位置PVPに基づいて、白線予測位置WLPPを算出する(ステップS13)。また、白線位置予測部16は、白線予測位置WLPPに基づいて白線予測範囲WLPRを決定する。この際、白線位置予測部16は、上記のように車両5の速度、LiDARのスキャン速度及びスキャン方向に基づいて、各白線予測範囲WLPR1~WLPR4の位置を補正する。そして、白線位置予測部16は、白線予測範囲WLPRをスキャンデータ抽出部17へ供給する(ステップS14)。
次に、スキャンデータ抽出部17は、外界センサ12としてのLiDARから得たスキャンデータSDのうち、白線予測範囲WLPR内に属し、路面上、かつ、反射強度が所定値以上であるスキャンデータを白線スキャンデータWLSDとして抽出し、白線中心位置算出部18へ供給する(ステップS15)。
次に、白線中心位置算出部18は、白線予測範囲WLPRと白線スキャンデータWLSDに基づいて白線中心位置WLCPを算出し、自車位置推定部19へ供給する(ステップS16)。そして、自車位置推定部19は、白線中心位置WLCPを利用して自車位置推定を行い(ステップS17)、自車位置及び自車方位角を出力する(ステップS18)。こうして自車位置推定処理は終了する。
[変形例]
上記の実施例では、車線を示す車線境界線である白線を使用しているが、本発明の適用はこれには限られず、横断歩道、停止線などの線状の道路標示を利用してもよい。また、白線の代わりに、黄色線などを利用しても良い。これら、白線、黄色線などの区画線や、道路標示などは本発明の路面線の一例である。
上記の実施例では、車線を示す車線境界線である白線を使用しているが、本発明の適用はこれには限られず、横断歩道、停止線などの線状の道路標示を利用してもよい。また、白線の代わりに、黄色線などを利用しても良い。これら、白線、黄色線などの区画線や、道路標示などは本発明の路面線の一例である。
5 車両
7 サーバ
8 データベース
10 自車位置推定装置
11 内界センサ
12 外界センサ
13 自車位置予測部
14 通信部
15 白線地図情報取得部
16 白線位置予測部
17 スキャンデータ抽出部
18 白線中心位置算出部
19 自車位置推定部
7 サーバ
8 データベース
10 自車位置推定装置
11 内界センサ
12 外界センサ
13 自車位置予測部
14 通信部
15 白線地図情報取得部
16 白線位置予測部
17 スキャンデータ抽出部
18 白線中心位置算出部
19 自車位置推定部
Claims (9)
- 移動体に搭載される測定装置であって、
スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得部と、
前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測部と、
前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定部と、
を備える測定装置。 - 前記決定部は、前記予測位置と、前記路面線の実線部の位置情報とに基づいて前記路面線の予測範囲を決定し、当該予測範囲を前記移動速度に応じて前記予測位置の移動方向にシフトすることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
- 前記決定部は、前記移動体の位置を基準として複数の前記予測範囲を決定し、前記外界センサによる前記複数の予測範囲のスキャン順序に応じたシフト量だけ前記予測範囲の各々をシフトすることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
- 前記決定部は、前記外界センサによるスキャン順序が後になる予測範囲ほど大きなシフト量でシフトすることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
- 前記決定部は、前記外界センサによるスキャン速度が速いほど、前記シフト量を少なくすることを特徴とする請求項3又は4に記載の測定装置。
- 前記決定部は、前記移動体の位置を基準として右前方、右後方、左前方、左後方の4か所に前記予測範囲を設定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の測定装置。
- 移動体に搭載される測定装置により実行される測定方法であって、
スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得工程と、
前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測工程と、
前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定工程と、
を備える測定方法。 - 移動体に搭載され、コンピュータを備える測定装置により実行されるプログラムであって、
スキャン型の外界センサである第1のセンサから、前記移動体の周囲の路面線を含む出力データを取得する取得部、
前記移動体に搭載された第2のセンサの出力に基づいて前記移動体の予測位置を算出する予測部、
前記予測位置と、地図データに含まれる前記路面線の位置情報と、に基づき前記路面線の予測範囲を算出し、前記算出された前記路面線の予測範囲と、前記移動体の移動速度と、に基づき前記路面線の予測範囲を前記予測位置の移動方向に補正することにより前記路面線の予測範囲を決定する決定部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。 - 請求項8に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
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